JP3826029B2 - 磁性トナー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法の如き画像形成方法において現像を行う磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては、多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し、被写物を得るものであり、感光体上に転写されずに残った現像剤は種々の方法でクリーニングされ、上記工程が繰り返されるものである。
【0003】
このうち、現像方式としては、シンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、一成分現像方式が好ましく用いられる。
【0004】
このような現像方法は、磁性トナー性能により画像形成の品質が大きく左右される。
【0005】
また、磁性トナーにおいては、磁性体を含有させることによりトナーに磁性を持たせている。このことから、磁性体は磁性トナーの現像性、耐久性に影響を与えており、従来から磁性体に関して、数々の提案が行われている。
【0006】
例えば、特開平8−101529号公報には珪素と亜鉛が含有されている磁性体が提案され、特登録03176231号公報、特登録02862412号公報、特公平05−051538号公報、特公平01−036864号公報、特開平8−25747号公報、特開平9−59024号公報、特開平9−59025号公報には珪素が含有されている磁性体が提案されており、それぞれ良好な現像性が得られているが、高速機に適用した場合や補給を繰り返し長期に渡ってコピーボリュウムが非常に多くなる場合や、正帯電性磁性トナーに用いた場合などには、さらなる現像性の向上や耐久性の向上が待望されている。
【0007】
特に近年、複写機及びプリンター等の、高速化、長寿命化が望まれており、これらに対応するためには、トナー中へ磁性体を均一に分散させ、磁性体のもつ性能を十分にトナー性能として発現させることが重要となってきている。
【0008】
磁性体の分散が悪い場合、トナーの磁気力にバラツキが発生する、そのため、現像剤担持体上での穂立ち形成にムラができ、画像均一性を損ない、さらには画質に悪影響を及ぼし易い。また、磁性体を多く含有したトナーは、現像されにくく長期の耐久中に現像剤担持体上に蓄積し、現像剤担持体と他のトナーとの摩擦帯電を阻害し、トナーの帯電不良を引き起こし易い。
【0009】
また、磁性体をあまり含有しないトナーは、感光体の白地部に飛び、画像カブリとなり、画像品位を低下させ易くなる。
【0010】
トナー中での磁性体の分散性を制御する方法も各種提案されている。そのうちトナーの誘電正接を規定することにより磁性体分散性を制御する提案がいくつかある。例えば特開平1−257968号公報においては、誘電正接を磁性体の分散度の指標として用いている。しかし磁性体の分散度向上のための達成手段の記載がない。また、特開平4−124681号公報においては、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いることにより誘電正接を満足させているが、単にポリエステル樹脂を用いるだけでは、正帯電性磁性トナーに用いた場合には現像性に問題が発生する。同様に特開平6−51556号公報においては、トナーの表面を熱処理することにより誘電正接を制御しているが、やはりコスト的に問題があり、また表面熱処理によりトナー内部に含有されている離型剤成分、荷電制御剤成分が表面に染み出てしまい現像性、及び定着性に悪影響を及ぼしやすい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決し、現像性及び耐久性に優れている磁性トナーを提供することにある。
【0012】
更に、本発明の目的は、高速で現像するシステムにおいて良好な現像性及び耐久性が得られる磁性トナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
具体的には、本発明は、少なくとも結着樹脂と磁性体を有する磁性トナーにおいて、
該磁性体は、粒子内部にケイ素を含有し、かつ粒子表面がケイ素及び亜鉛を含有する複合酸化鉄にて被覆されており、
該磁性体の表面から鉄元素溶解率5質量%中に含まれる亜鉛とケイ素の質量比Zn/Siが0.2〜0.5であり、SEM観察による個数平均粒子径が0.1〜0.3μmかつ、
レーザー回折散乱式粒度分布測定による個数平均粒子径D50が200〜1000nmである八面体形状の酸化鉄粒子であり、
該磁性トナーの、30℃,周波数5.0×103Hzにおける誘電正接(tanδ)が、2.0×10-3〜1.0×10-2の範囲であることを特徴とする磁性トナーに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、八面体形状を有し内部にケイ素を含有し、且つ表面近傍にケイ素と亜鉛が特定の比率で存在する複合磁性酸化鉄にて被覆させ、凝集粒径の小さい流動性に優れた磁性体を用いることにより、トナー中に均一に磁性体を分散させ、結着樹脂との密着性を向上させることを可能にした。これによりトナーの誘電正接を制御することを可能にし、優れた現像性及び耐久性を達成することができた。
【0015】
本発明における効果発現の理由について以下に述べる。
【0016】
本発明の特徴の一つは、磁性体が、内部にケイ素を含有し、且つ粒子表面近傍にケイ素と亜鉛を含有する複合酸化鉄にて被覆していることである。
【0017】
このように磁性体中に一様にケイ素を存在させることにより、磁性体の電気的特性を制御し帯電安定性を向上させると共に、磁性体粒子同士が分離しやすく、凝集しづらくなり、磁性体の凝集粒径を小さく保つことができる。そしてこのことにより、トナー製造時混練工程においても、磁性体の自己凝集を防ぎ、結着樹脂中に均一分散することができる。さらに、トナー表面に露出した磁性体により、磁性トナーの流動性をあげることができ、高速現像での安定性を向上させる。さらに本発明の磁性体は八面体形状であり多くの面を有するため樹脂との密着性に優れ、トナー表面上に露出していても固着されているので磁性トナー粒子からの脱落を防止できる。
【0018】
本発明の磁性体のケイ素含有量は、磁性体粒子全体に対して、ケイ素換算で0.5〜3.0質量%であることが好ましい。このケイ素含有量が0.5質量%未満である場合、前記の凝集性抑制効果が少なく、3.0質量%超の場合、磁性体の飽和磁化が低下し磁気特性のバランスが悪くなるおそれがある。
【0019】
また、本発明の特徴の一つは、該磁性体の表面から鉄元素溶解率5質量%中に含まれる亜鉛、ケイ素の質量比Zn/Siが0.2〜0.5であることである。
【0020】
表面から鉄元素溶解率5質量%中のZn/Si比が0.2未満である場合、磁性トナーの帯電安定効果が少なくなり、現像スリーブでのトナーコート不良を引き起こしたりする。Zn/Si比が0.5超である場合、やはり磁性トナーへの流動性改良効果が少なくなる。
【0021】
また、本発明の磁性体は、表面から鉄元素溶解率5質量%中に含まれる鉄、ケイ素、及び亜鉛の総量に対して鉄の占める割合が70〜90%であることが好ましい。
【0022】
鉄元素溶解率5質量%中の鉄の占める割合が70%未満である場合、ケイ素、亜鉛の割合が多くなり、環境特性、特に高湿度下における長期放置において帯電劣化を生じ易くなる。また、鉄の占める割合が90%を超える場合には、磁性トナーへの改善効果、特に流動性の改善の程度が少なくなり易い。
【0023】
また、本発明の磁性体は、鉄元素溶解率5質量%中に含まれるケイ素量(Si0-5)と、5質量%を超える粒子内部のケイ素量(Si5-100)の比(Si0-5/Si5-100)が0.1〜1.0であることが、磁性体凝集性、帯電特性、磁気特性のバランスをとるため好ましい。
【0024】
さらに本発明の特徴の一つは、磁性体のSEM観察による個数平均粒径が0.1〜0.3μmであることである。この個数平均粒径が0.1μm未満である場合、磁性体の赤味が増しトナー化した際の黒色度が劣る。また、0.3μm超である場合、磁性体の磁気力が落ち、現像機内での磁気的拘束力が弱まり、カブリ等が発生し易くなる。
【0025】
また、本発明の特徴の一つは、レーザー回折散乱式粒度分布測定による個数平均粒子径D50が200〜1000nmであることである。この個数平均粒径D50が200nm未満である場合、やはり磁性体の赤味が増しトナーの黒色度が劣る。また個数平均粒径D50が1000nm超である場合、磁性体粒子同士が凝集しておりトナー製造時の前混合、及び混練工程時に他の材料との混合が十分にされず、トナー中への磁性体の均一分散ができなくなる。
【0026】
さらに本発明の特徴の一つは、30℃,周波数5.0×103におけるトナーの誘電正接(tanδ)が1.0×10-3〜1.0×10-2の範囲であることである。誘電正接(tanδ)が1.0×10-2超である場合、トナー中に磁性体が均一分散されておらず、耐久による濃度低下およびカブリ等の画像欠陥が発生する。また、誘電正接(tanδ)が1.0×10-3未満である場合、帯電安定性に劣り、スリーブコート不良及び画像低下が発生する。
【0027】
また、本発明の磁性体の等電点は5〜6.5であることが好ましい。等電点がこの範囲以外である場合、樹脂との密着性にかけ、磁性トナーから磁性体が脱落し易くなり、それにより感光ドラム削れやクリーニング不良等が発生し易くなる。
【0028】
また本発明の磁性体はBET法による比表面積が8〜15m2/gであることが好ましい。比表面積が8m2/g未満である場合、磁性体がトナーに与える流動性向上効果が小さくなる。また比表面積が15m2/g超である場合、環境特性に悪影響を与える。
【0029】
また本発明の磁性体は電気抵抗が1.0×103cm以上であることが好ましい。電気抵抗が1.0×103未満である場合、トナーの帯電安定性が劣り易い。
【0030】
また本発明の磁性体の配合割合は結着樹脂100質量部に対し、20〜200質量部用いるのが好ましく、より好ましくは40〜150質量部であり、更に好ましくは50〜120質量部である。20質量部未満の場合にはトナーの磁気特性、帯電特性のバランスを取りづらく、カブリが増加したり、帯電過剰となり低湿下でトラブルを起こしやすく、十分な着色力が得られにくくなる。また200質量部を超える場合も、トナーの磁気特性、帯電特性のバランスを取りづらく画像濃度の低下、画質の劣化が見られたり、帯電不足となり、高湿下でトラブルを起こしやすく、十分な定着性を得られにくくなる。
【0031】
また、磁性体の磁気特性としては、飽和磁化が75〜100Am2/kgであるものが好ましく、更に好ましくは80〜95Am2/kgであると、カブリの発生を良好に抑制ができる。残留磁化は7.0〜18.0Am2/kgが好ましく、更に好ましくは8.0〜17.0Am2/kgであり、これにより高画像濃度が得られる。抗磁力は5.0〜15.0kA/mであるものが好ましく用いられ、更に好ましくは7.0〜12.0kA/mであるとデジタル潜像を忠実に現像できる。それぞれの磁気特性は磁場795.8kA/m下で測定した値である。
【0032】
本発明に係る特定値の測定方法を以下に示す。
【0033】
(1)レーザー回折散乱式粒度分布測定:
磁性体5gを純水100mlにいれ、ペイントシェイカーにて5分間混合して水分散スラリーを作製し、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−920(HORIBA)にてD50を測定した。
【0034】
(2)SEM観察による個数平均粒子径:
磁性体を走査型電子顕微鏡で3万倍観察し、100個の粒子のフィレ径を測定して求めた。
【0035】
(3)等電点:
磁性体を0.01N KNO3水溶液へ入れて試料濃度が5質量%になるように調節した。超音波方式ゼータ電位測定装置DT−1200(Dispersion Technology社製)を使用して、1N HNO3または1N KOHで滴定し、ゼータ電位を測定した。ゼータ電位が0mVのpHを等電点とした。
【0036】
(4)比表面積:
島津−マイクロメリテクス製2200型BET計にて測定した。
【0037】
(5)磁気特性:
東英工業製 振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場796kA/mにて測定した。
【0038】
(6)総ケイ素含有量:
試料を塩酸−フッ酸混合液に溶解し、ICPにて測定した。
【0039】
(7)磁性体表面に含有するケイ素/亜鉛比及び内部に含有するケイ素量比:
3.8リットルの脱イオン水に磁性体25gを加え、50℃に保ちながら、撹拌速度200rpmで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬424mlを溶解した塩酸水溶液1250mlを加え、溶解を開始する。溶解開始からすべて溶解して透明になるまで、10分毎に20mlサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を採取する。採取した濾液をICPによって鉄、亜鉛、ケイ素の定量を行う。
▲1▼鉄元素溶解率(%)=〔採取サンプル中の鉄元素濃度(mg/l)/完全に溶解した時の鉄元素濃度(mg/l)〕×100
▲2▼鉄元素溶解率5%中に含まれる鉄、ケイ素、及び亜鉛の総量に対する鉄の占める割合(%)=〔採取サンプル中の鉄元素濃度(mg/l)/採取サンプル中の鉄、ケイ素及び亜鉛の総濃度(mg/l)〕 ×100
▲3▼鉄元素溶解率5%中に含まれる鉄、ケイ素、及び亜鉛の総量に対するケイ素の占める割合(%)=〔採取サンプル中のケイ素濃度(mg/l)/採取サンプル中の鉄、ケイ素及び亜鉛の総濃度(mg/l)〕×100
▲4▼鉄元素溶解率5%中に含まれる鉄、ケイ素、及び亜鉛の総量に対する亜鉛元素の占める割合(%)=〔採取サンプル中の亜鉛濃度(mg/l)/採取サンプル中の鉄、ケイ素及び亜鉛の総濃度(mg/l)〕×100
▲5▼鉄元素溶解率5%中に含まれる亜鉛:ケイ素の質量比(Zn/Si)=採取サンプル中の亜鉛濃度(mg/l)/採取サンプル中のケイ素濃度(mg/l)
▲6▼鉄元素溶解率5%中に含まれるケイ素量と5%を超える粒子内部のケイ素量の比(Si0-5/Si5-100)=鉄元素溶解率5%時点のケイ素濃度(mg/l)/〔完全に溶解時のケイ素濃度(mg/l)―鉄元素溶解率5%のケイ素濃度(mg/l)〕
【0040】
(8)トナーの誘電正接:
4284AプレシジョンLCRメータ(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1000Hz及び1MHzの周波数で校正後、周波数1000Hzにおける複素誘電率の測定値より誘電損失(tanδ=ε”/ε’)を算出する。
【0041】
トナーは、1.0g秤量し、19600kPa(200kgf/cm2)の荷重を1分間かけて成形し、直径25mm,厚さ2mm以下(好ましくは0.5mm〜1.5mm)の円盤状の測定試料にする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度80℃まで加熱し、溶融固定する。その後、温度40℃まで冷却し、0.49〜1.96N(50〜200g)の荷重をかけた状態で、温度40℃一定とし、周波数1000Hz〜10000Hzの範囲で、測定することより得られる。
【0042】
本発明の磁性トナーに使用される結着樹脂としては、下記の重合体の使用が可能である。
【0043】
例えば、ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエ−テル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが挙げられる。好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体もしくはポリエステル樹脂がある。
【0044】
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルのようなビニルエステル類;例えばエチレン、プロピレン、ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;例えばビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類;例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類が挙げられる。これらのビニル単量体は、単独もしくは2つ以上用いられる。
【0045】
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていてもよくまた混合樹脂でもかまわない。
【0046】
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタリンのような芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホンのようなジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これら架橋剤は単独もしくは混合物として用いられる。
【0047】
該スチレン系共重合体の合成方法としては、塊状重合法,溶液重合法,懸濁重合法及び乳化重合法のいずれでも良い。
【0048】
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることもできるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また開始剤量や反応温度を調節することで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、GPCのクロマトグラムにおいて分子量5,000〜10万の領域に分子量の極大値を有する低分子量重合体を得る時には好ましい。
【0049】
溶液重合法で用いる溶媒としては、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコール、ベンゼン等が用いられる。スチレンモノマー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが好ましい。重合生成するポリマーによって適宜選択される。
【0050】
反応温度としては、使用する溶媒、開始剤、重合するポリマーによって異なるが、70〜230℃で行なうのが良い。溶液重合においては溶媒100質量部に対してモノマー30〜400質量部で行なうのが好ましい。
【0051】
更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合することも好ましく、数種の重合体をよく混合できる。
【0052】
また、GPCのクロマトグラムにおいて分子量100,000以上の領域に分子量の極大値を有する高分子量重合体や架橋重合体を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0053】
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易であること等の理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方法として他の方法に比較して有利である。
【0054】
しかし、添加した乳化剤のため生成重合体が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要であるので懸濁重合が簡便な方法である。
【0055】
懸濁重合においては、水系溶媒100質量部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)で行なうのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、水系溶媒に対するモノマー量等で適当量があるが、一般に水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する重合開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべきである。また開始剤の種類としては、水に不溶或は難溶のものであれば用いることが可能である。
【0056】
これらの重合法において使用する重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独あるいは併用して使用できる。
【0057】
その使用量はモノマー100質量部に対し、0.05質量部以上(好ましくは0.1〜15質量部)の濃度で用いられる。
【0058】
ポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
【0059】
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
【0060】
【化1】
Figure 0003826029
(式中、Rはエチレン基またはプロピレン基を示し、xおよびyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0〜10である。)
【0061】
また式(B)で示されるジオール類;
【0062】
【化2】
Figure 0003826029
が挙げられる。
【0063】
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0064】
また、架橋成分としても働く3価以上のアルコール成分と3価以上の酸成分を併用することが好ましい。
【0065】
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
【0066】
【化3】
Figure 0003826029
(式中、Xは炭素数1以上の側鎖を1個以上有する炭素数1〜30のアルキレン基又はアルケニレン基を示す。)
で表わされるテトラカルボン酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステルの如き多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
【0067】
アルコール成分としては40〜60mol%、好ましくは45〜55mol%、酸成分としては60〜40mol%、好ましくは55〜45mol%であることが好ましい。
【0068】
また3価以上の多価の成分は、全成分中の1〜60mol%であることも好ましい。
【0069】
該ポリエステル樹脂は、上述したアルコール成分及び酸成分を用いて、通常一般に知られている縮重合を行うことによって得られる。
【0070】
本発明の磁性トナー中には上記結着樹脂成分の他に、より少ない割合で以下の如き化合物を含有させてもよい。例えばシリコーン樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、2種以上のα−オレフィンの共重合体が挙げられる。
【0071】
本発明の該磁性トナーのガラス転移点(Tg)は好ましくは45〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。
【0072】
本発明のトナーのトルエン可溶結着樹脂成分の酸価は0.5〜50mgKOH/gであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜30mgKOH/gであり、特に正帯電性トナーである場合には0.5〜20mgKOH/gであることが好ましい。
【0073】
結着樹脂が酸価を有することで結着樹脂の極性部分と磁性酸化鉄の極性部分の相互作用により磁性体の分散性密着性をより向上させることができ、耐久性により優れたものとなる。
【0074】
また、酸価を有する結着樹脂は、負帯電性を帯びるようになるが本発明の磁性酸化鉄の存在によりその帯電を緩和するので帯電安定化が促進され、特に正帯電性トナーにおいては、結着樹脂の負帯電性を低減させ、その負帯電による弊害を減少させることができる。
【0075】
本発明において、トナーの可溶樹脂成分の酸価(JIS酸価)は、以下の方法により求める。
【0076】
<酸価の測定>
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
1)試料は予め樹脂成分以外の添加物を除去して使用するか、樹脂以外の成分の酸価、含有量を予め求めておく。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、樹脂成分の重さをW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1規定のKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置AT−400(winworkstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる)。
4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
【0077】
本発明の磁性トナーに含有されるワックスは、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0078】
好ましく用いられるワックスとしては、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はその他の触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;アルキレンポリマーを重合する際に副生する低分子量アルキレンポリマーを分離精製したもの;一酸化炭素及び水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは、これらを水素添加して得られる合成炭化水素などから、特定の成分を抽出分別したワックスが挙げられる。これらワックスには酸化防止剤が添加されていてもよい。さらに、直鎖状のアルコール、脂肪酸、酸アミド、エステルあるいは、モンタン系誘導体で形成されるワックスが挙げられる。また、脂肪酸等の不純物を予め除去してあるものも好ましい。
【0079】
中でも好ましいものは、エチレンなどのオレフィンを重合したもの及びこの時の副生成物、フィッシャートロプシュワックスなどの炭素数が数千ぐらいまでの炭化水素を母体とするものが良い。また、炭素数が数百ぐらいまでの末端に水酸基をもつ長鎖アルキルアルコールも好ましい。更に、アルコールにアルキレンオキサイドを付加したものも好ましく用いられる。
【0080】
そして、これらのワックスから、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留、超臨界ガス抽出法、分別結晶化(例えば、融液晶析及び結晶ろ別)等を利用して、ワックスを分子量により分別し、分子量分布をシャープにしたワックスは、必要な融解挙動範囲の成分が占める割合が多くなるので更に好ましい。
【0081】
分子量分布のシャープにしたワックスは、適度の可逆性を結着樹脂にもたらし、磁性酸化鉄との密着性をより強固なものとすることができる。
【0082】
この時、離型性を損なわないためにワックスは炭化水素ワックスであることがより好ましい。
【0083】
ワックスの分子量分布はMw/Mnが3.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下であり、更に好ましくは、2.0以下である。
【0084】
本発明の磁性トナーに外添剤して用いられる無機微粉体としては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機酸化物や、カーボンブラック、フッ化カーボンなどが粒径の細かい粒子を作りやすいという点で好ましい。
【0085】
シリカ、アルミナ、酸化チタンは、トナー表面に分散させた時に細かい粒子となる方が流動性付与性が高くなるので好ましい。平均粒径としては5〜200nmになるものが良く、さらに好ましくは10〜100nmが良い。BET法で測定した窒素吸着による比表面積では20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲のものが母体微粉体として好ましく、表面処理された微粉体としては、10m2/g以上(特に20〜300m2/g)の範囲のものが好ましい。
【0086】
これらの微粉体の適用量は、磁性トナーに対して、0.03〜5質量%添加した時に適切な表面被覆率になる。
【0087】
無機微粉体の疎水化度としては、30%以上の値を示すのが好ましい。疎水化処理剤としては、含ケイ素表面処理剤であるシラン化合物とシリコーンオイルが好ましい。
【0088】
例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン等のようなアルキルアルコキシシランや、ジメチルジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン等のシラン化合物を用いることができる。
【0089】
また、以下の正帯電性のものも、帯電量の調整等のため用いても良い。アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤や、アミノ変性のシリコーンオイル等を用いることができる。
【0090】
また、現像性、耐久性を向上させるために次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンなどの金属酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム等の金属塩;カオリンなどの粘土鉱物;アパタイトなどリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素などのケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトなどの炭素粉末が挙げられる。なかでも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムなどが好ましい。
【0091】
更に次のような滑剤粉末を添加することもできる。ポリフッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂;フッ化カーボンなどのフッ素化合物が挙げられる。
【0092】
本発明の磁性トナーには荷電制御剤を含有することが好ましい。
【0093】
トナーを正荷電性に制御するものとして下記の物質がある。
【0094】
ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)、高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて用いることができる。
【0095】
これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、イミダゾール化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(1)
【0096】
【化4】
Figure 0003826029
[式中、R1はH又はCH3を示し、R2及びR3は置換または未置換のアルキル基(好ましくはC1〜C4)を示す。]
で表わされるモノマーの単重合体;前述したスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0097】
特に下記一般式(2)で表わされるトリフェニルメタンレーキ顔料やイミダゾール化合物が本発明の構成においては好ましい。
【0098】
【化5】
Figure 0003826029
【0099】
すなわち、本発明の磁性トナーにおいて、これらの荷電制御剤を有していると磁性酸化鉄の帯電調整効果とこれらの荷電制御剤の帯電発生効果がほどよくバランスがとれ、耐久性、環境安定性に優れたものとなる。
【0100】
磁性トナーを負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0101】
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘導体類などがある。
【0102】
また次に示した一般式(3)で表わされるアゾ系金属錯体が好ましい。
【0103】
【化6】
Figure 0003826029
【0104】
特に中心金属としてはFe又はCrが好ましく、置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカリ金属、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ましく用いられる。
【0105】
あるいは次の一般式(4)に示した塩基性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明に使用できる。
【0106】
【化7】
Figure 0003826029
【0107】
特に中心金属としてはFe,Cr,Si,Zn又はAlが好ましく、置換基としてはアルキル基、アニリド基、アリール基、ハロゲンが好ましく、カウンターイオンは水素、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好ましい。
【0108】
電荷制御剤をトナーに含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
【0109】
本発明に係るトナーを作製するには結着樹脂、磁性体、ワックス、着色剤としての顔料、染料、含金属化合物、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せしめた中に磁性体、ワックス、着色剤及び含金属化合物を分散又は溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行って本発明に係るトナーを得ることが出来る。
【0110】
さらに必要に応じ所望の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、本発明に係るトナーを得ることができる。
【0111】
特に本発明においては、磁性体を樹脂中に均一分散させるため、トナー製造時の溶融混練時に十分に混合することが重要であり、この混合分散を良好に行うためには、混練時の樹脂の温度が高くなり、且つ混練機中での樹脂の滞留時間が長くなるように、混練機の加熱設定温度及びパドル構成を調整することが重要である。
【0112】
具体的には、図1〜7に示す通り、混練機のニーディング部のパドル構成を順送りパドルR(図4参照)、滞留パドルW(図5参照)及び逆送りパドルL(図6参照)を組み合わせて、ニーディング部を調整し、さらに、混練機の加熱設定温度を低くし、混練する樹脂に高いシェアをかけて混練することにより、樹脂の自己発熱により混練時の樹脂の温度を上げる方法が好ましい。
【0113】
混練時の樹脂の温度を単に上げるには、混練機の加熱設定温度を高くすれば良いが、この場合には、混練する樹脂にシェアがかかり難くなるため、混練機中での均一なパドル構成に工夫が必要である。
【0114】
本発明に係る磁性体は、粒度分布が揃い、結着樹脂中への分散性にも優れているため、トナーの帯電性を安定化することが出来る。また近年はトナー粒径の小径化が進んできており、トナーの平均粒径9μm以下のような場合でも、帯電均一性が促進され、トナーの凝集性も軽減され、画像濃度の向上、カブリの改善等現像性が向上する。特に重量平均粒径6.0μm以下のトナーにおいてはその効果は顕著であり、極めて高精細な画像が得られる。重量平均粒径は3.0μm以上である方が十分な画像濃度が得られて好ましい。一方でトナーの小粒径化が進むと磁性体の遊離も生じやすくなるが、本発明のトナーは、結着樹脂との密着性に優れているので磁性体の遊離も生じにくくスリーブ汚染等のトラブルが抑制される。
【0115】
本発明の磁性トナーの重量平均粒径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、電解液はISOTON R−II(1%NaCl水溶液、コールターサイエンティフィックジャパン社製)を用いて測定する。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、体積、個数を測定して、体積平均粒径を算出する。
【0116】
重量平均粒径が6.0μmより大きい場合は100μmのアパーチャーを用い2〜60μmの粒子を測定し、重量平均粒径3.0〜6.0μmの場合は50μmのアパーチャーを用い1〜30μmの粒子を測定し、重量平均粒径3.0μm未満の場合は30μmのアパーチャーを用い0.6〜18μmの粒子を測定する。
【0117】
【実施例】
以下、具体的実施例により本発明を説明するが、本発明はなんらこれに限定するものではない。
【0118】
(磁性体の製造例)
磁性体は、鉄塩をアルカリ溶液で鉄コロイドにし、酸化により磁性体を生成させる工程において、ケイ素成分、亜鉛成分の添加時期、添加量、添加方法、pHの値や時間を調整し、酸化条件、加熱条件を換え種種の磁性体を調製した。
【0119】
例えば磁性体1は、次のように合成される。
【0120】
Fe2+を2.0mol/l含有する水溶液50リットルに水溶性ケイ酸塩としてSi4+を0.192mol/l含有する水溶液20リットル添加し、NaOHを5.0mol/l含有する水溶液42リットルと撹拌混合した。得られたスラリー中の残留NaOHは2.5g/lであった。このスラリーの温度を85℃に維持しながら空気を65リットル/min通気することで酸化を行い、マグネタイトコア粒子を得た。
【0121】
得られたスラリーにFe2+を1.30mol/l、Zn2+を0.05mol/l、且つSi4+を0.26mol/l含有する硫酸第一水溶液、硫酸亜鉛水溶液、及びケイ酸ナトリウム水溶液の混合水溶液4.50リットルを添加し、混合スラリーのpHを8.5、温度85℃に維持しながら再び空気を通気して酸化を行い、表面を亜鉛及びケイ素を含む複合酸化鉄にて被覆した。得られたマグネタイトの粒子のスラリーを常法の濾過、洗浄後、粉砕を行い磁性体1とした。
【0122】
本実施例において調製した磁性体の組成を表1及び2に示す。
【0123】
【表1】
Figure 0003826029
【0124】
【表2】
Figure 0003826029
【0125】
<実施例1>
・スチレンブチルアクリレート共重合体(酸価0)(結着樹脂) 100質量部
・磁性酸化鉄1(磁性体) 90質量部
・トリフェニルメタン系レーキ顔料(正荷電性制御剤) 2質量部
・ポリエチレンワックス(離型剤) 4質量部
上記材料を予備混合した後、110℃,混練軸回転数150rpmに設定した二軸混練押出機にて混練した。二軸混練押出機には、図8に示すように滞留軸及び逆送り軸を入れたニーディング部を設け、シリンダーを150℃に設定した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.0μmの黒色微粉体(トナー1)を得た。このトナーの誘電正接及び平均粒径の結果を表3及び4に示す。
【0126】
さらにこのトナー100質量部と正荷電性疎水性コロイダルシリカ微粉末A(BET比表面積:95m2/g)0.8質量部とを混合(外添)して、トナー粒子表面にコロイダルシリカ微粉末を有する正荷電性磁性トナー1を調製した。
【0127】
この磁性トナーを、市販のアモルファスシリコンドラムを有する電子写真複写機GP−605(プロセススピード=A4縦で60枚/分;キヤノン株式会社製)の現像部分のACバイアス値をVpp=2000V、f=2500Hz、DCバイアスを300V、非画像部ドラム電位400V,画像部ドラム電位100V,画像電位コントラスト200Vに設定し、温度15℃,湿度10%RHの低温低湿環境に引き続き、温度32.5℃,湿度80%RHの高温高湿で、それぞれ100,000枚の複写試験を行い。以下の各評価試験を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0128】
1)画像濃度
「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)で、SPIフィルターを使用して、直径5mm丸の画像を反射濃度測定を行った。
【0129】
2)カブリ
「反射濃度計」(リフレクトメーター モデルTC−6DS 東京電色社製)を用いで、画像形成前の転写紙の反射濃度(Dr)と、ベタ白画像をコピーした後の反射濃度の最悪値を(Ds)とを測定し、その差分(Ds−Dr)をカブリ値として評価した。
【0130】
3)スリーブコート性評価
低温低湿環境下、高温高湿環境下での100,000枚の複写後、現像スリーブのトナーコート状態を目視し、ブロッチの発生状態によって評価した。
◎;ブロッチが全く発生していない。
○;ブロッチがスリーブ端部にわずかに発生している。
△;ブロッチが極わずかに発生しているが画像には影響しない。
×;ブロッチがはっきりと発生しており画像に影響する。
【0131】
4)ドット再現性
ドット再現性は、1ドット、2ドット、3ドット、4ドットで構成される市松模様の潜像を感光体上にレーザーで形成される画像を測定サンプルとした。このサンプルを拡大鏡にて観察し、市松模様の明確に確認できる画像のドット数をもってドット再現性とする。この数字が小さいほどドット再現性が優れていることを示す。
【0132】
<実施例2〜6>
実施例1において、表3及び4に示すとおりに磁性酸化鉄1を磁性酸化鉄2〜6に変更する以外は、実施例1と同様にしてトナー2〜6を製造した。この各トナーについて実施例1と同様にして各評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0133】
<比較例1〜5>
実施例1において、表1及び2に示すとおりに磁性酸化鉄1を磁性酸化鉄7〜11に変更する以外は、実施例1と同様にしてトナー7〜11を製造した。この各トナーについて実施例1と同様にして各評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0134】
Figure 0003826029
上記材料を実施例1と同様にしてトナー12を製造した。このトナーを実施例1と同様にして各評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0135】
<実施例8>
・ポリエステル樹脂(酸価20) 100質量部
・磁性酸化鉄1(磁性体) 90質量部
・モノアゾ鉄錯体(負荷電性制御剤) 2質量部
・ポリプロピレンワックス(離型剤) 4質量部
上記材料を予備混合した後、110℃,混練軸回転数150rpmに設定した二軸混練押出機にて混練した。二軸混練押出機には、図8に示すように滞留軸及び逆送り軸を入れたニーディング部を設け、シリンダーを150℃に設定した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径7.4μmの黒色微粉体(トナー13)を得た。このトナーの誘電正接及び平均粒径の結果を表3及び4に示す。
【0136】
さらに、この磁性トナー粒子100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したBET比表面積160m2/gのシリカを1.0質量部外添混合して負帯電性磁性トナー13を得た。
【0137】
この磁性トナー13を、電子写真複写機NP−6085(プロセススピード=A4縦で85枚/分;キヤノン株式会社製)を使用して実施例1と同様にして各評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0138】
<比較例6>
実施例1において、二軸混練押出機の混練条件を、110℃,混練軸回転数80rpmとする以外は同等にして、磁性トナー14を製造した。この磁性トナー14を実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3及び4に示す。
【0139】
【表3】
Figure 0003826029
【0140】
【表4】
Figure 0003826029
【0141】
【発明の効果】
本発明によれば、八面体形状を有し内部にケイ素を含有し、且つ表面近傍にケイ素と亜鉛が特定の比率で存在する複合磁性酸化鉄にて被覆させ、凝集粒径の小さい流動性に優れた磁性体を用いることにより、トナー中に均一に磁性体を分散させ、結着樹脂との密着性を向上させることを可能にした。これによりトナーの誘電正接を制御することを可能にし、優れた現像性及び耐久性を達成することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる混練機の概略図である。
【図2】図1の混練機におけるパドルの詳細図である。
【図3】混練機のスクリュー部における送りスクリュー(S)の一例を示す概略図である。
【図4】混練機のスクリュー部における順送りパドル(R)の一例を示す概略図である。
【図5】混練機のスクリュー部における滞留パドル(W)の一例を示す概略図である。
【図6】混練機のスクリュー部における送りパドル(L)の一例を示す概略図である。
【図7】本発明に用いられる混練機のパドル構成の概略図である。
【図8】実施例1で用いた混練機のパドル構成概略図である。
【符号の説明】
51 加熱シリンダー
52 パドル
53 ベント孔
54 原料供給口
55 製品出口
56 原料ホッパー

Claims (6)

  1. 少なくとも結着樹脂と磁性体を有する磁性トナーにおいて、
    該磁性体は、粒子内部にケイ素を含有し、かつ粒子表面がケイ素及び亜鉛を含有する複合酸化鉄にて被覆されており、
    該磁性体の表面から鉄元素溶解率5質量%中に含まれる亜鉛とケイ素の質量比Zn/Siが0.2〜0.5であり、SEM観察による個数平均粒子径が0.1〜0.3μmかつ、
    レーザー回折散乱式粒度分布測定による個数平均粒子径D50が200〜1000nmである八面体形状の酸化鉄粒子であり、
    該磁性トナーの、30℃,周波数5.0×103Hzにおける誘電正接(tanδ)が、1.0×10-3〜1.0×10-2の範囲であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 該磁性体の等電点が、5〜6.5であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 該磁性体のBET法による比表面積が8〜15m2/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 該磁性体が、結着樹脂100質量部に対して20乃至200質量部含有されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
  5. 重量平均粒径が3.0〜9.0μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性トナー。
  6. 正帯電性を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の磁性トナー。
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