JP6503748B2 - 画像形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成方法においては、特にデジタル方式のデータを容易に送信できるようなネットワークの進化に伴い、単なる複写という行為から発展してオリジナル画像の作成が一般的になってきている。このオリジナル画像の作成においては、高品質な画像の形成が要求されており、また、机のそばにおいて使用するなどの事情から、小型化・軽量化されたプリンターが求められている。
ところで、電子写真方式の画像形成方法においては、潜像保持体を均一に帯電させる工程が必要であり、そのためにコロナ帯電方式の帯電装置が一般的に使用されている。この帯電装置は構成や使用方法が簡単であるために使用しやすいという利点を有するものの、コロナ放電によりオゾンが発生して生成される酸化物により潜像保持体に欠陥が発生して得られる画像に画像ボケなどの画像欠陥が発生してしまうため、長期間にわたって安定した画像を形成することができない、という問題がある。
このような問題を解決するために、帯電装置として帯電ローラを使用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような帯電ローラ方式の帯電装置においては、帯電部位においてオゾンを発生させることがなく、また、帯電ローラは非常に小型な部材であるため、小型化を図ることができる。
一方、電子写真方式を用いた画像形成方法では、帯電、現像、転写等の工程を経た潜像保持体の表面に、現像剤に含まれるキャリアやトナーが残留している。このような残留物を除去するために、クリーニングブレードを潜像保持体の表面に押圧させた状態で設けている。ここで、潜像保持体とクリーニングブレードとの間に発生する摩擦力を低減させて、潜像保持体の表面を保護することを目的として潜像保持体の表面に潤滑剤を塗布することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−149856号公報 特開2013-148623号公報
しかしながら、帯電ローラにより潜像保持体を帯電させる画像形成方法において、潜像保持体に潤滑剤を塗布すると、帯電ローラ部の放電により潜像保持体に塗布された潤滑剤が分解し、潜像保持体表面を低抵抗化させ、画像欠陥の原因となる。したがって、帯電ローラにより潜像保持体を帯電させる画像形成方法において、潜像保持体に塗布剤を塗布することは難しい。
潜像保持体に潤滑剤を塗布しない帯電ローラ方式の帯電を行う画像形成方法においては、潜像保持体に付着したキャリアが帯電ローラ部で潜像保持体に押圧され、潜像保持体表面又は帯電ローラ表面が破損し、長期間にわたって使用した場合に帯電ムラが発生してしまうという問題があった。したがって、潜像保持体に潤滑剤を塗布しない帯電ローラ方式の帯電を行う画像形成方法においては、長期間にわたって安定した画像を形成することができなかった。
そこで本発明は、帯電ローラ方式の帯電を行う画像形成方法において、長期間にわたって安定した画像を形成することが可能な画像形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、帯電ローラ方式の帯電を行う画像形成方法において、現像用のキャリアが、キャリア芯材と、脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を含む樹脂被覆層と、を含み、かつ、キャリア表面のキャリア芯材の露出面積比率が10.0%を超え18.0%以下であり、キャリア形状係数SF1が110以上125以下である点に特徴を有する。
本発明によれば、帯電ローラ方式の帯電を行う画像形成方法において、初期の現像性に優れるとともに、初期および長期間使用後の画像欠陥を抑制することができ、長期間にわたって安定した画像を形成することができる。
第一実施形態の画像形成方法を説明するための画像形成装置の一例を示す断面模式図である。 帯電ローラの詳細を示す断面模式図である。 第一実施形態の画像形成方法を具現化する際に用いられる画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。さらに、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明の第一実施形態は、電圧が印加されている帯電ローラによって潜像保持体を帯電し、帯電された潜像保持体を露光して静電潜像を形成し、静電潜像現像用キャリアおよび静電潜像現像用トナーを含む二成分現像剤により静電潜像を現像し、現像されたトナー像を記録媒体に転写および定着させ画像を形成する、画像形成方法であって、キャリアがキャリア芯材と、該キャリア芯材を被覆してなる樹脂被覆層と、を含み、樹脂被覆層は脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、キャリア表面における前記キャリア芯材の露出面積比率が10.0%を超え18.0%以下であり、キャリアの形状係数SF1が110以上125以下である、画像形成方法である。
帯電ローラによる帯電工程を有する画像形成方法において、上記キャリアを用いることによって、初期および経時での画像欠陥を抑制することができる。
図1は、上記実施形態の画像形成方法を説明するための画像形成装置の一例を示す模式図である。図1において、帯電手段2は、帯電ローラ2Aおよび清掃ローラ2Bを有する。清掃ローラ2Bは、帯電ローラ2Aに圧接することによって、帯電ローラ2Aの周面を清掃する。帯電ローラ2Aは潜像保持体である感光体ドラム1を帯電する。露光手段3は、帯電された感光体ドラム1を露光して静電潜像を形成する。感光体ドラム1上の静電潜像は現像手段4によって現像される。現像手段4は、現像剤カートリッジ(図示せず)から現像剤ホッパー(図示せず)を経由してトナーおよびキャリアの供給を受ける。現像手段4は、供給を受けたトナーとキャリアとを搬送スクリュー44Cにて攪拌してトナーを帯電させる。攪拌後の現像剤(トナーおよびキャリアー)は、供給スクリュー44Bにより現像ローラ44Aに供給される。規制ブレード44Dは、現像ローラ44Aの周面に担持される現像剤の量を現像に適した量に規制する部材である。現像されたトナー像を記録媒体に転写および定着させた後に、クリーニング手段6における支持部材66Bに支持されたクリーニングブレード66Aを用いて感光体ドラム上の残存トナーを清掃し、次の画像形成サイクルに入る。クリーニング手段は、クリーニングブレード66Aの他、ブラシローラ66Cを併用してもよい。清掃性の観点からはクリーニング手段は少なくともクリーニングブレードを有することが好ましい。掻き落とされたトナーは、クリーニング装置内に溜められ、搬送スクリュー66Jの回転によって搬送され、不図示の廃棄管を介して貯留箱に溜められる。
以下、第一実施形態の画像形成方法の各工程について説明する。
1.電圧が印加されている帯電ローラによって潜像保持体を帯電する工程
帯電ローラは、接触または非接触のいずれであってもよい。印加方式に関しては、画質の観点からDCバイアスにACバイアスを重畳した方式を用いることが好ましい。帯電ローラが、接触または非接触のローラ帯電方式のものであることにより、オゾンの発生量を大きく低減させる事ができ、またコロナ帯電方式に比べ印加電圧を低減可能な事による消費電力の抑制効果や、省スペース化も可能となる。
図2は、帯電ローラ2Aの詳細を示す断面模式図である。
帯電ローラ2Aは、芯金11aの表面上に積層された、帯電音を低減させると共に弾性を付与して感光体1に対する均一な密着性を得るための弾性層11bの表面上に、必要に応じて帯電ローラが全体として高い均一性の電気抵抗を得るための抵抗制御層11cが積層され、当該抵抗制御層11c上に表面層11dが積層されたものが、押圧バネ11eによって感光体1の方向に付勢されて感光体1の表面に対して所定の押圧力で圧接されて帯電ニップ部が形成された状態とされる構成とされており、感光体1の回転に従動して回転される。
芯金11aは、例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミニウムおよびニッケルなどの金属、あるいはこれらの金属の表面に、防錆性や耐付傷性を得るために導電性を損なわない範囲においてメッキ処理したものからなる。芯金11aの外径は例えば3〜20mmである。
弾性層11bは、例えば、ゴムなどの弾性材料中にカーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子やアルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などが添加されたものからなる。弾性材料の具体例としては、例えば、天然ゴム、エチレンプロピレンジエンメチレンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)およびクロロプレンゴム(CR)などの合成ゴムや、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂およびフッ素樹脂などの樹脂、あるいは発泡スポンジなどの発泡体などを挙げることができる。弾性の大きさは、プロセス油、可塑剤などを弾性材料中に添加することにより調整することができる。
抵抗制御層11cは、帯電ローラ11を全体として均一な電気抵抗を有する目的などにより設けられるものであるが、なくてもよい。この抵抗制御層11cは、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けることができる。
この抵抗制御層11cを構成する具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂;エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロニトリル系ゴムなどのゴム類などの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子;アルカリ金属塩、アンモニウム塩などよりなる導電性塩微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。
表面層11dは、弾性層11b中の可塑剤などの得られる帯電ローラの表面へのブリードアウトを防止する目的や帯電ローラの表面の滑り性や平滑性を得る目的、あるいは感光体10上にピンホールなどの欠陥があった場合にもリークの発生を防止する目的などにより設けられるものであって、適度な導電性を有する材料を塗工すること、あるいは適度な導電性を有するチューブを被覆させることによって設けられる。
表面層11dを材料の塗工により設ける場合は、具体的な材料としては、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂およびシリコーン樹脂などの樹脂、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムおよびアクリロニトリル系ゴムなどの基礎材料中に、カーボンブラック、カーボングラファイトなどよりなる導電性微粒子;導電性酸化チタン、導電性酸化亜鉛、導電性酸化スズなどよりなる導電性金属酸化物微粒子などの導電剤が添加されたものが挙げられる。塗工方法としては、浸漬塗工法、ロール塗工法およびスプレー塗工法などが挙げられる。
また、表面層11dをチューブの被覆により設ける場合は、具体的なチューブとしては、ナイロン12、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP);ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系およびポリアミド系などの熱可塑性エラストマーなどに上記の導電剤が添加されたものがチューブ状に成形されたものが挙げられる。このチューブは熱収縮性のものでもよく、非熱収縮性のものでもよい。
以上のような帯電ローラ2Aにおいては、帯電ローラ2Aの芯金11aに電源S1より帯電バイアス電圧が印加されることにより、感光体1の表面が所定の極性の所定の電位に帯電される。ここに、帯電バイアス電圧は、例えば直流電圧(Vdc)に交流電圧(Vac)が重畳された振動電圧とすることができる。
感光体は、無機感光体であっても有機感光体であってもよい。有機感光体として、例えば、アルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)が挙げられる。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光手段3による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネート樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
2.帯電された潜像保持体を露光して静電潜像を形成する工程
露光手段3としては、特に限定されるものではないが、感光体の軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
3.静電潜像現像用キャリアおよび静電潜像現像用トナーを含む二成分現像剤により静電潜像を現像する工程
<静電潜像現像用キャリア>
静電潜像現像用キャリア(以下、単にキャリアとも称する)は、キャリア芯材と、キャリア芯材を被覆してなる樹脂被覆層と、を含む。
キャリアのキャリア形状係数SF1(以下、単にSF1とも称する)は110以上125以下である。SF1が110未満では、樹脂層の膜厚を均一にすることができるが、樹脂層の薄膜部分を形成することができず、キャリアの抵抗値が高くなりすぎ、初期および長期間使用後の現像性が不足する。SF1が125より大きくなると、帯電ローラおよび/または潜像保持体へのダメージが増加し、長期使用後に画像欠陥が生じやすくなる。キャリア形状係数SF1は110以上120未満であることがより好ましく、110以上115以下であることがさらに好ましい。
形状係数SF1は、形状係数の平均値であり、次の方法で算出する。
スライドグラス上に散布したキャリアの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個のキャリアについて、周囲長および投影面積から下記式によりSF1を求め、平均値を得る。また、現像剤中のキャリアの形状係数SF1は、界面活性剤を含有する水中に現像剤を入れ、超音波によりトナーとキャリアとを分離したのち、磁石によりキャリアのみを取り出し、画像解析を行うことにより求める。
(式中、MLはキャリア粒子の周囲長を示し、Aはキャリア粒子の投影面積を示す。)
キャリアのSF1の制御方法は、特に限定されるものではないが、例えば、キャリア芯材のSF1、キャリア芯材に対する被覆樹脂添加量、キャリア芯材に樹脂を添加後の加熱下の撹拌時間などを制御することによって制御することができる。キャリア芯材に被覆樹脂を被覆すると、SF1は低下する傾向となることを考慮して、キャリアのキャリア形状係数SF1が110以上125以下となるようにキャリア芯材のSF1を選択すればよい。また、被覆樹脂の添加量が増大すればするほど、キャリアのSF1は小さくなる傾向にある。さらに、加熱下の撹拌時間を長くすればするほど、SF1は大きくなる傾向にある。
キャリア表面におけるキャリア芯材の露出面積比率(以下、単に露出面積比率とも称する)は、10.0%を超え18.0%以下である。露出面積比率が10.0%以下であると、キャリアの抵抗値が高くなりすぎ、初期および経時での画像欠陥が生じやすくなる。露出面積比率が18.0%より大きくなると、帯電ローラや潜像保持体へのダメージを抑制することが出来ず、長期間使用後に画像欠陥が生じやすくなる。露出面積比率は、好ましくは10.5%以上17.0%以下であり、より好ましくは10.5%以上16.0%以下である。
キャリアの表面に対する芯材粒子の露出部の測定は、XPS測定(X線光電子分光測定)により芯材粒子に対する被覆層の被覆率を下記の方法で測定し求められる。XPS測定装置としては、サーモフィッシャーサイエンティフィック製、K−Alphaを使用し、測定は、X線源としてAlモノクロマチックX線を用い、加速電圧を7kV、エミッション電流を6mVに設定して実施し、被覆層を構成する主たる元素(通常は炭素)と、芯材粒子を構成する主たる元素(通常は鉄)とについて測定する。
以下、芯材粒子が、酸化鉄系である場合を前提に説明する。ここで、炭素についてはC1sスペクトルを、鉄についてはFe2p3/2スペクトルを、酸素についてはO1sスペクトルを測定する。これらの各々の元素のスペクトルに基づいて、炭素、酸素、および鉄の元素個数(それぞれ、「AC」、「AO」、および「AFe」と表す)を求めて、得られた炭素、酸素、鉄の元素個数比率より下記式に基づいて、芯材粒子単体、および、芯材粒子を被覆層で被覆した後(キャリア)の鉄量率を求め、続いて、下記式により被覆率を求める。
なお、芯材粒子として、酸化鉄系以外の材料を用いる場合には、酸素の他に芯材粒子を構成する金属元素のスペクトルを測定し、上述の式に準じて同様の計算を行えば被覆率が求められる。
キャリア表面におけるキャリア芯材の露出面積比率は、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂添加後の加熱下での混合時間、キャリア芯材に対する被覆樹脂添加量などを制御することによって制御することができる。樹脂添加後の加熱下での混合時間を長くすれば露出面積比率は大きくなる傾向にあり、また、樹脂添加量が多くなれば、露出面積比率は小さくなる傾向にある。
キャリアの体積基準のメジアン径(D50)は20μm以上40μm以下であることが好ましく、22μm以上37μm以下であることがより好ましい。
キャリアの体積電気抵抗(体積抵抗率)としては、1×10Ω・cm以上1×1015Ω・cm以下の範囲であることが好ましく、10Ω・cm以上1011Ω・cm以下であることがより好ましい。体積抵抗値は、キャリア1.0gを、上下に断面積1.0cmの電極を配した絶縁性円筒容器に充填し、500gの荷重下で試料高さを求めた後、DC100Vの電場を印加して絶縁抵抗値を測定し、得られた試料高さおよび絶縁抵抗値から以下の式により体積抵抗値を算出した値である。
体積抵抗値[Ω・cm]=R・(S/t)
R:絶縁抵抗計の読み値(Ω)
絶縁抵抗計の印加電圧(100V)
S:試料層の断面積(1cm
t:試料層の膜厚(cm)
キャリアは、キャリア芯材およびこれを被覆する樹脂被覆層を含む。
キャリア芯材の体積基準のメジアン径(D50)は20μm以上30μm以下であることが好ましい。キャリアのD50を20μm以上とすることで、キャリア1粒子当たりの磁化が十分であり、像担持体へのキャリア付着が適当であり、帯電ローラや潜像保持体へのダメージをより抑制することができる。キャリアのD50を30μm以下とすることでキャリア芯材の露出面積が大きくなることを抑制することができ、帯電ローラや潜像保持体へのダメージを抑制しやすくなる。
キャリア芯材のキャリア形状係数SF1は、130〜145であることが好ましく、130〜140であることがより好ましい。樹脂層で被覆したキャリアのSF1はキャリア芯材のSF1よりも小さくなるため、キャリアのSF1を110〜125とするためには、キャリア芯材のSF1は上記範囲内であることが好ましい。
なお、キャリア芯材のD50および形状係数SF1は、製造段階でのキャリア芯材の物性を測定してもよいし、キャリアから樹脂被覆層を除去して、キャリア芯材の物性を測定してもよい。この際、キャリアから樹脂被覆層を除去する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下のような方法が挙げられる;キャリア2gを20mlのガラス瓶に投入し、次に、ガラス瓶にメチルエチルケトン15ml投入し、ウェーブロータで10分間攪拌し、溶媒にて樹脂被覆層を溶解させる。磁石を用いて溶媒を除去し、さらにメチルエチケトン10mlにてキャリア芯材を3回洗浄する。洗浄したキャリア芯材を乾燥して、キャリア芯材を得る。
キャリア芯材としては、鉄、銅、ニッケル、コバルトなどの磁性金属、フェライトなどの磁性金属酸化物などが挙げられる。中でも、耐久性の観点から、キャリア芯材がフェライトであることが好ましい。
フェライトとしては、Me2+O・FeまたはMeFe(Me2+はMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Zn2+など、MeはMg、Mn、Fe、Co、Ni、Znなど)で表されるスピネル型フェライトおよびMeがFeであるマグネタイト;MFe1219(M=Ba,Pb,Srなど)で表されるマグネットプランバイト型フェライトなどが挙げられる。
フェライトとしては、具体的には、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、ニッケル−亜鉛(Ni−Zn)系フェライト、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系フェライト、銅−マグネシウム(Cu−Mg)系フェライト、マンガン−亜鉛(Mn−Zn)系フェライト、マンガン−銅−亜鉛(Mn−Zn)系フェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウム(Mn−Mg−Sr)系フェライトなどが挙げられる。
フェライトは、公知の方法で作製できる。例えば、以下に記載の方法が挙げられる。
FeやMg(OH)などのフェライト原料を、例えばボールミルや振動ミルを用いて粉砕、混合して粉砕物を得る。この際の混合時間としては0.5時間以上であることが好ましく、5〜30時間であることがより好ましい。粉砕後、仮焼成する。仮焼成に用いる焼成装置としては、電気炉やロータリーキルンなど公知の焼成装置を用いることができる。仮焼成は、必要に応じて1回以上3回以下行う。仮焼成温度としては、原料を酸化物にするため、800〜1100℃であることが好ましく、900〜1050℃であることがより好ましい。仮焼成は、必要に応じて1回以上3回以下行うことが好ましい。その後、仮焼成品を乾式粉砕後、水などの溶剤、必要に応じてセルロース樹脂などのバインダーを用いて粉砕物をスラリー化し、湿式ボールミル等で体積平均粒径が所望の粒度になるまで粉砕を行う。この際、所望のD50に制御するために、湿式ボールミル等の粉砕時間は20〜40時間であることが好ましく、25〜35時間であることがより好ましい。このスラリーをスプレードライヤー等を用い造粒乾燥する。次いで、造粒物の本焼成を行う。本焼成は、酸素濃度をコントロールしながら行うことが好ましい。用いる焼成装置としては、電気炉やロータリーキルンなど公知の焼成装置を用いることができる。
本焼成の温度を高くすることによってフェライトのキャリア形状係数SF−1を大きく、すなわちキャリアを異形化することができる。好適な形態であるキャリア形状係数SF1が130〜145であるフェライトを得るためには、例えば、本焼成の温度を900〜1300℃とするのがよい。また、本焼成の時間は、5〜30時間であることが好ましい。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用いて所望の粒径に粒度調整する。
キャリア芯材の飽和磁化は、特に限定されないが、30〜70A・m/kgのものが好ましい。飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される。
樹脂被覆層は、キャリア芯材を被覆するものであり、樹脂被覆層を構成する樹脂は脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる。脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を用いることで、現像機内でのストレス耐性を向上させ、樹脂被覆層の摩耗を抑制し、キャリア芯材の露出面積比率が増大し、帯電ローラや潜像保持体にダメージを与えることを抑制することができる。
脂環式(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘプチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、アダマンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。中でも、上記効果がより得られやすいことから、脂環式(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素原子数3〜8個のシクロアルキル環を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロペンチルであることがより好ましい。
重合成分としては、脂環式(メタ)アクリル酸エステルの他、脂環式(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の単量体を用いてもよい。中でも、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、および(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの鎖式(メタ)アクリル酸エステルを用いることが好ましい。鎖式(メタ)アクリル酸エステルのアルキル基の炭素数は1〜8であることが好ましい。脂環式(メタ)アクリル酸エステルと、鎖式(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体は、キャリア表面がリフレッシュされやすく、かつ現像機内でのストレス耐性に優れるため好ましい。
この際、脂環式(メタ)アクリル酸エステルと、鎖式(メタ)アクリル酸エステルとの含有質量比は特に限定されるものではないが、経時での画像欠陥を抑制するという効果がより得られやすいことから、脂環式(メタ)アクリル酸エステル:鎖式(メタ)アクリル酸エステル=10:90〜90:10(質量比)であることが好ましく、30:70〜70:30であることがより好ましい。
他の単量体は、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい。
脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、5万〜100万であることが好ましく、10万〜70万であることがより好ましい。被覆用樹脂のガラス転移点(Tg)は、60〜180℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
樹脂被覆層の平均膜厚は、1.1〜3.5μmであることが好ましい。1.1μm以上とすることで、キャリア表面におけるキャリア芯材の露出を防ぐことができ、帯電ローラ部材、潜像保持体部材へのダメージ抑制効果が向上する。また、3.5μm以下であることで、キャリアの抵抗値増大を抑制することができ、現像性が十分なものとなる。樹脂被覆層の平均膜厚は、1.5〜3.0μmであることがより好ましい。樹脂被覆層の平均膜厚は、キャリア芯材に対する被覆樹脂の添加量、被覆樹脂添加後の加熱下での混合時間などを制御することによって制御することができる。キャリア芯材に対する樹脂の添加量を多くすれば、平均膜厚は増大する方向となる。
被覆層の平均膜厚(μm)は、芯材粒子の真比重をρ(無次元)、芯材粒子の体積平均粒子径をd(μm)、被覆層の平均比重をρC、芯材粒子100質量部に対する被覆層の全含有量をW(質量部)とすると、下記式のようにして求められる。
キャリア芯材粒子の表面に、樹脂被覆層を設ける方法としては、湿式塗布法、乾式塗布法が挙げられ、いずれの方法でも樹脂被覆層を設けることができる。以下に各方法について説明する。
(湿式塗布法)
(1)流動層式スプレー塗布法
流動層式スプレー塗布法(以下、溶剤コート法ともいう。)は、被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、流動性スプレー塗布装置を用いて芯材粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法である。
(2)浸漬式塗布法
浸漬式塗布法は、被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法である。
(3)重合法
重合法は、反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行って樹脂被覆層を作製する方法である。
(乾式塗布法)
乾式塗布法は、機械的衝撃や熱を加えて被覆用樹脂を芯材粒子の表面に塗布する方法(以下、メカノケミカル法ともいう。)であり、下記の工程1、2および3により樹脂被覆層を形成する方法である。
工程1:被覆しようとする被覆用樹脂粒子、必要により添加する固形物(例えば、樹脂粒子)を分散した塗布材を、芯材粒子とともに機械的に撹拌し、芯材粒子表面に塗布材を付着させる。
工程2:その後、機械的衝撃や熱を加えて芯材粒子表面に付着させた塗布材中の被覆用樹脂粒子を溶融あるいは軟化させて固着し、樹脂被覆層を形成する。
工程3:必要に応じ1〜2の工程を繰り返し、所望の膜厚の樹脂被覆層を形成する。
機械的衝撃や熱を加えて塗布する方法の装置としては、例えば「ターボミル」(ターボ工業社製)、ピンミル、「クリプトロン」(川崎重工社製)等のローターとライナーを有する摩砕機又は水平撹拌翼付高速撹拌混合機を挙げることができ、これらの中では水平撹拌翼付き高速撹拌混合機が良好に樹脂被覆層を形成でき好ましい。
加熱する場合には、加熱温度は60〜125℃が好ましい。かような範囲の温度で加熱すると樹脂被覆したキャリア同士の凝集が発生せず、芯材粒子表面に被覆用樹脂を固着させやすい。
湿式塗布法、乾式塗布法、湿式塗布法と乾式塗布法を組み合わせた塗布法のいずれを用いても樹脂被覆層を形成できるが、これらの中では均一な樹脂被覆層を形成しやすい乾式塗布法が好ましい。
キャリア粒子の樹脂露出面積は、乾式塗布法においては、加熱時の撹拌時間によって制御することができる。樹脂粒子を芯材粒子に付着させ、加熱下で攪拌混合することにより樹脂を延展し成膜していくが、時間を長くすることにより延展が進み樹脂が薄膜化するため、露出面積が増加する方向となる。同様に、キャリアのSF1も時間を長くすることにより延展が進み樹脂が薄膜化するため、増加する傾向にある。キャリアのSF1を110〜125とし、露出面積を10%を超え18%以下とするためには、加熱時の撹拌時間を15〜70分とすることが好ましく、20〜70分とすることがより好ましい。
被覆用樹脂と、キャリア芯材との混合比は、得られるキャリアの樹脂被膜膜厚を考慮して、適宜設定され、特に限定されるものではないが、キャリア芯材100質量部に対して、1.5〜5質量部であることが好ましく、1.8〜4.2質量部であることがより好ましい。
<静電潜像現像用トナー(以下、単にトナーとも称する)>
トナーとしては、トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたものが好ましい。なお、トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたトナーは、二成分現像剤の流動性が向上し好ましい。
(トナー母体粒子)
トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂を含有する。このようなトナー母体粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法、およびその他の公知の方法などを挙げることができる。中でも、生産性、低温定着性などのトナー物性の観点からは粉砕法または乳化重合凝集法であることが好ましい。
乳化重合凝集法は、乳化重合により得られた結着樹脂微粒子の分散液と、着色剤微粒子の分散液とを、必要に応じて他の離型剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液も共に混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。この際、多段階重合により、結着樹脂微粒子をコア−シェル構造などの多層構造としてもよい。この際の層数は特に限定されないが、2〜3層であることが好ましい。
凝集の際に、トナー母体粒子の成長は、体積基準におけるメディアン径(D50)で3.0〜8.0μmとすることが好ましい。トナー母体粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用い、アパチャー径100μmで、測定して算出した値である。
乳化重合は、ラジカル重合の一つで、水等の溶媒、重合性単量体、および乳化剤(界面活性剤)を混合し、溶媒に溶解可能な重合開始剤(通常ラジカル発生剤)を加えて行う重合法である。
重合性単量体を重合する際に用いられる重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、公知の重合開始剤を使用することができ、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等の水溶性ラジカル重合開始剤がある。
結着樹脂の分子量調整のために、乳化重合の際には公知の連鎖移動剤を用いることもできる。具体的には、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマー等がある。これらの連鎖移動剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
トナー母体粒子を構成する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又は尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。また、特開2014−081565号公報に記載のスチレン−アクリル変性ポリエステルを結着樹脂として用いてもよい。スチレン−アクリル変性ポリエステルとは、ポリエステル樹脂から構成されるポリエステルセグメントとスチレン−アクリル系重合体から構成されるスチレン−アクリル系重合体セグメントとが、両反応性単量体を介して結合した樹脂をいう。
また、結着樹脂を形成すべき重合性単量体は、所望の結着樹脂を形成することのできる重合性単量体であれば特に限定されない。例えば結着樹脂としてビニル系重合体を所望する場合の重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などを用いることができる。これらの重合性単量体は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。また、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いることもでき。これらの多官能性ビニル類を用いることにより、架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
これらの結着樹脂は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー母体粒子を構成するトナー粒子中には、必要に応じて着色剤が含有されていてもよい。着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。トナーを構成しうる着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、顔料などを任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。着色剤の添加量はトナー母体粒子全体に対して好ましくは1〜30質量%、より好ましくは2〜20質量%である。
トナー母体粒子には、離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、および蜜ろうワックスなどを挙げることができる。トナー母体粒子中における離型剤の含有割合としては、トナー母体粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部とされ、より好ましくは、5〜20質量部である。
また、トナー母体粒子中には、必要に応じて荷電制御剤(帯電制御剤ともいう。)が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物および含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。トナー母体粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部である。
(外添剤)
外添剤はトナーの流動性やクリーニング性の向上の目的でトナー母体粒子に付着させて用いられる。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、以下に挙げる無機微粒子、有機微粒子、および滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、例えば、数平均一次粒径が10〜250nmのシリカ、チタニア、アルミナ、およびチタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、およびMS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、およびIT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、および石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。好ましくは、スチレンやメタクリル酸メチルなどの単独重合体やこれらの共重合体を挙げることができる。
滑剤としては、高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。具体的には、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、およびリシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
中でも、本発明においては、少なくとも高級脂肪酸の金属塩を外添剤として含むことが好ましい。また、この際の高級脂肪酸の金属塩の体積平均粒径は1.00μm以上5.50μm以下が好ましい。すなわち、トナーが体積基準のメジアン径(D50)が1.00μm以上5.50μm以下である脂肪族金属塩を含むことが好ましい。体積平均粒径は1.00μm以上の高級脂肪酸の金属塩を用いることによって、潤滑剤としての能力が十分であり、潜像保持体とクリーニングブレードとの間に発生する摩擦力を十分に低減させることができ、帯電ローラ部材、潜像保持体部材へのダメージを抑制しやすい。5.5μm以下の高級脂肪酸の金属塩を用いることによって、潜像保持体の軸方向に均一に潤滑剤が供給されやすく、帯電ローラ部材、潜像保持体部材へのダメージを抑制しやすい。
また、高級脂肪酸の金属塩の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して、0.05〜0.30質量部であることが好ましい。0.30質量部以下とすることで、カブリの発生を抑制することができ、また、0.05質量部以上とすることで添加効果が発揮されやすいため好ましい。
外添剤の添加量は、トナー母体粒子100質量部に対して0.1〜10.0質量部が好ましい。また、外添剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、又はV型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
(現像剤の作製)
本発明の二成分現像剤は、キャリアとトナーを、混合装置を用い混合することで得ることができる。
混合装置としては、例えばヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製)、ナウターミキサ(パウダーテック社製)、V型混合機を挙げることができる。
キャリアとトナーとの配合比は、キャリア100質量部に対して、トナー3〜15質量部が好ましく、4〜10質量部がより好ましい。
4.現像されたトナー像を記録媒体に転写および定着させ画像を形成する工程
転写は、記録媒体上に直接転写してもよいし、ベルト状の中間転写体上に一次転写を行った後、記録媒体上に二次転写を行ってもよい。
記録媒体上にトナー像を定着させる定着手段としては、例えば、内部に加熱源を備えた加熱ローラと、この加熱ローラに定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラとにより構成されてなる熱ローラ定着方式のものが挙げられる。
記録媒体は、一般に用いられているものでよく、形成したトナー画像を保持するものであれば特に限定されるものではない。使用可能な記録媒体として用いられるものには、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙等の塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等が挙げられる。
第一実施形態の画像形成方法は、さらに、トナー像を転写および定着させた後に潜像保持体上をクリーニングブレードによりクリーニングすることを有していてもよい。
クリーニングブレード66Aとしては、弾性体であるゴム材料よりなるものが好ましく用いられる。ゴム材料としては、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロピレンゴム、ブタジエンゴムなどが挙げられ、これらのうちでも、特に、ウレタンゴムは他のゴムに比して摩耗特性が優れている点から、ウレタンゴムを用いることが好ましい。
クリーニングブレードの形状および材質は、トナーの特性、感光体の特性、中間転写体、二次転写体、クリーニングブレードの当接角や当接圧などの種々の条件によって適宜に決定することができる。
なお、本実施形態の画像形成方法においては、クリーニングブレードと潜像保持体との間の摩擦を低減させるための潤滑剤を潜像保持体に塗布しないことが好ましい。潜像保持体に塗布された潤滑剤が帯電ローラ部の放電により分解し、潜像保持体表面を低抵抗化させ、画像欠陥の原因となる。一方で、上記キャリアを用いることによって、潜像保持体に潤滑剤を塗布しない形態においても、残存キャリアによる潜像保持体または帯電ローラへのダメージを抑制することができ、長期に安定した画像を形成することができる。
本発明の第二実施形態は、帯電ローラ、潜像保持体、露光手段、静電潜像現像用キャリアおよび静電潜像現像用トナーを含む二成分現像剤、転写手段および定着手段を有する画像形成装置であって、キャリアがキャリア芯材と、該キャリア芯材を被覆してなる樹脂被覆層と、を含み、樹脂被覆層は脂環式(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、キャリア表面におけるキャリア芯材の露出面積比率が10.0%を超え18.0%以下であり、キャリアの形状係数SF1が110以上125以下である、画像形成装置である。
図3は、第一実施形態の画像形成方法を具現化する際に用いられる画像形成装置の一例における構成を示す説明用断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙手段21および定着手段24とから成る。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、潜像保持体であるドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電ローラ2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、ドラム状の感光体1M、帯電ローラ2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、ドラム状の感光体1C、帯電ローラ2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、ドラム状の感光体1Bk、帯電ローラ2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkを中心に、帯電ローラ2Y、2M、2C、2Bkと、露光手段3Y、3M、3C、3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、4Bk、および、感光体1Y、1M、1C、1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、6Bkより構成されている。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体1Y、1M、1C、1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成である。
画像形成ユニット10Yは、潜像保持体であるである感光体1Yの周囲に、帯電ローラ2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電ローラ2Y、現像手段4Y、クリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
中間転写体70は、無端ベルト状中間転写体であり、ローラ71、72、73および74により架設され、走行可能に支持される。画像形成部10Y、10M、10Cおよび10Bkに形成された各色のトナー像は、一次転写部7Y、7M、7Cおよび7Kにより走行する中間転写ベルト70上に逐次転写される。これにより、各色(Y、M、C、Bk)の層が重畳したカラー画像(トナー像)が中間転写体70上に一次転写される。
給紙手段21は、給紙カセット20を備え、用紙Pを搬送する。用紙Sは、給紙トレイに収容されており、第1給紙部21により給紙され、中間ローラ対22A、22B、22Cおよびレジストローラ対23を経て、二次転写部に搬送される。二次転写部において、二次転写ローラ5bによって中間転写体70上に形成されたカラー画像が用紙P上に二次転写される。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24において熱や圧力が加えられることにより、用紙P上のトナー像が溶融定着される。そして、用紙Pは、排紙ローラ25により装置外に排紙される。
各部材については、上記ですでに説明しており、詳細な説明は割愛する。なお、第一実施形態と同様、本実施形態の画像形成装置は、クリーニングブレードを有するクリーニング手段を有することが好ましく、この際、潜像保持体とクリーニングブレードとの間の摩擦を低減させるための潤滑剤塗布機構を有さないことが好ましい。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
(キャリアの体積基準のメジアン径(D50)の測定)
湿式分散器を備えてなるレーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定した。
1.キャリアの作製
キャリアは、以下のようにして作製した。
<キャリア芯材の作製>
(フェライト粒子1の作製)
Fe 72質量部、MnO 20質量部、Mg(OH) 8質量部を混合し、振動ミルで粉砕、混合して粉砕物を得た後、ロータリーキルンを用いて1000℃、7時間の仮焼成を行った。
こうして得られた仮焼成物を振動ミルで乾式粉砕後、セルロース樹脂をバインダとして芯材原料100質量部に対して20質量部添加し、更に水を固形分が50質量%となるように添加し、湿式ボールミルで30時間粉砕を行い、16μm篩分網で篩分した。更に、遠心分離により粒径1.2μm以上および0.3μm以下のものの比率が2%未満になるまで処理し、次にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉で温度1200℃の条件のもと9時間本焼成を行った。このとき、酸素濃度を3体積%とした。解砕工程、分級工程を経て、フェライト粒子1を作製した。得られたフェライト粒子の体積基準のメジアン径(D50)は25μmであり、SF1が135であった。
(フェライト粒子2の作製)
フェライト粒子1の作製において、本焼成温度を900℃、時間を8時間にする以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子2を作製した。得られたフェライト粒子のD50は25μmであり、SF1が130であった。
(フェライト粒子3の作製)
フェライト粒子1の作製において、本焼成温度を1300℃、時間を10時間にする以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子3を作製した。得られたフェライト粒子のD50は25μmであり、SF1が145であった。
(フェライト粒子4の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物を湿式ボールミルで40時間粉砕した以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子4を作製した。得られたフェライト粒子のD50は18μmであり、SF1が135であった。
(フェライト粒子5の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物を湿式ボールミルで35時間粉砕した以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子5を作製した。得られたフェライト粒子のD50は20μmであり、SF1が135であった。
(フェライト粒子6の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物を湿式ボールミルで25時間粉砕した以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子6を作製した。得られたフェライト粒子のD50は30μmであり、SF1が135であった。
(フェライト粒子7の作製)
フェライト粒子1の作製において、仮焼成物を湿式ボールミルで22時間粉砕した以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子7を作製した。得られたフェライト粒子のD50は32μmであり、SF1が135であった。
(フェライト粒子8の作製)
フェライト粒子1の作製において、本焼成温度を850℃、時間を8時間にする以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子8を作製した。得られたフェライト粒子のD50は25μmであり、SF1が128であった。
(フェライト粒子9の作製)
フェライト粒子1の作製において、本焼成温度を1350℃、時間を10時間にする以外はフェライト粒子1と同様にしてフェライト粒子9を作製した。得られたフェライト粒子のD50は25μmであり、SF1が147であった。
<被覆用樹脂の作製>
(被覆用樹脂1の作製)
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)で添加し、重合開始剤として該単量体総量の0.5質量%のペルオキソ二硫酸アンモニウムを添加して乳化重合を行い、アクリル樹脂である「被覆用樹脂1」を作製した。得られた被覆用樹脂1の重量平均分子量は50万であった。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定したポリスチレン換算の値である。
(被覆用樹脂2の作製)
被覆用樹脂1の作製において、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)を(90:10)の比率(質量比)に変更したほかは同様にして乳化重合を行い、アクリル樹脂である「被覆用樹脂2」を作製した。得られた被覆用樹脂2の重量平均分子量は、48万であった。
(被覆用樹脂3の作製)
被覆用樹脂1の作製において、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)を(10:90)の比率(質量比)に変更したほかは同様にして乳化重合を行い、アクリル樹脂である「被覆用樹脂3」を作製した。得られた被覆用樹脂3の重量平均分子量は、52万であった。
(被覆用樹脂4の作製)
被覆用樹脂1の作製において、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)を(0:100)の比率(質量比)に変更したほかは同様にして乳化重合を行い、アクリル樹脂である「被覆用樹脂4」を作製した。得られた被覆用樹脂4の重量平均分子量は、56万であった。
<キャリアの作製>
(キャリア1の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア芯材として上記で準備した「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂1」を3.00質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌混合した後、120℃で50分間攪拌して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に被覆用樹脂が被覆されたキャリア1を作製した。
(キャリア2の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子2を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア2を作製した。
(キャリア3の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子3を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア3を作製した。
(キャリア4の作製)
120℃での撹拌時間を20分に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア4を作製した。
(キャリア5の作製)
120℃での撹拌時間を70分に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア5を作製した。
(キャリア6の作製)
被覆用樹脂1の代わりに被覆樹脂2を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア6を作製した。
(キャリア7の作製)
被覆用樹脂1の代わりに被覆樹脂3を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア7を作製した。
(キャリア8の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して1.75質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア8を作製した。
(キャリア9の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して1.80質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア9を作製した。
(キャリア10の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して2.00質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア10を作製した。
(キャリア11の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して4.00質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア11を作製した。
(キャリア12の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して4.20質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア12を作製した。
(キャリア13の作製)
被覆用樹脂1の添加量を、フェライト粒子1 100質量部に対して4.25質量部に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア13を作製した。
(キャリア14の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子4を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア14を作製した。
(キャリア15の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子5を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア15を作製した。
(キャリア16の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子6を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア16を作製した。
(キャリア17の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子7を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア17を作製した。
(キャリア18の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子8を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア18を作製した。
(キャリア19の作製)
フェライト粒子1の代わりにフェライト粒子9を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア19を作製した。
(キャリア20の作製)
120℃での撹拌時間を10分に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア20を作製した。
(キャリア21の作製)
120℃での撹拌時間を90分に変更したこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア21を作製した。
(キャリア22の作製)
被覆用樹脂1の代わりに被覆用樹脂4を用いたこと以外は、キャリア1と同様にしてキャリア22を作製した。
各キャリアの樹脂添加量、120℃での撹拌時間を表1に記載した。また、各キャリアの被覆樹脂層の平均膜厚、キャリアのSF1、および露出面積比率も併せて表1に記載した。
<トナー粒子の作製>
(トナー母体粒子1の作製)
(1)ポリマー微粒子分散液(1)の調製工程
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、あらかじめアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。このアニオン性界面活性剤溶液に重合開始剤「過硫酸カリウム(KPS)」9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
・スチレン 540質量部
・n−ブチルアクリレート 154質量部
・メタクリル酸 77質量部
・n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなるモノマー溶液〔1〕を3時間かけて滴下した。滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、「ポリマー微粒子〔a1〕」の分散液を調製した。
(第2段重合)中間層の形成
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
・スチレン 94質量部
・n−ブチルアクリレート 27質量部
・メタクリル酸 6質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.7質量部
からなる溶液に、オフセット防止剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてモノマー溶液〔2〕を調製した。一方、アニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2質量部をイオン交換水1100質量部に溶
解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に上記の「ポリマー微粒子〔a1〕」の分散液を、ポリマー微粒子〔a1〕の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記モノマー溶液〔2〕を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、「ポリマー微粒子〔a11〕」の分散液を調製した。
(第3段重合)外層の形成
上記の「ポリマー微粒子〔a11〕」の分散液に、重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
・スチレン 230質量部
・n−ブチルアクリレート 78質量部
・メタクリル酸 16質量部
・n−オクチルメルカプタン 4.2質量部
からなるモノマー溶液〔3〕を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行った。その後、28℃まで冷却し、アニオン性界面活性剤溶液中にポリマー微粒子(1)が分散された「ポリマー微粒子分散液(1)」を作製した。
ポリマー微粒子のガラス転移点は45℃、軟化点は100℃であった。
(2)スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)の調製工程
(2−1)スチレン−アクリル変性ポリエステル(1)の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した反応容器に、
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
・テレフタル酸 117質量部
・フマル酸 82質量部
・エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
・アクリル酸 10質量部
・スチレン 30質量部
・n−ブチルアクリレート 7質量部
・重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10BkPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、スチレン−アクリル変性ポリエステルポリマー(1)を得た。
このスチレン−アクリル変性ポリエステル(1)のガラス転移点は60℃、軟化点は105℃であった。
(2−2)スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)の調製
得られたスチレン−アクリル変性ポリエステル(1)100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、あらかじめ作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメディアン径(D50)が250nmであるスチレンアクリル変性ポリエステル(1)が分散された「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)」を作製した。
(3)着色剤微粒子分散液(1)の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子分散液(1)を調製した。この着色剤微粒子分散液(1)における着色剤微粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(4)トナー母体粒子(1)の作製(凝集、融着−熟成−洗浄−乾燥工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、「ポリマー微粒子分散液(1)」を固形分換算で288質量部と「スチレン−アクリル変性ポリエステル微粒子分散液(1)」を固形分換算で72質量部をイオン交換水2000質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
その後、「着色剤微粒子分散液(1)」を固形分換算で40質量部投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にてコア粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D 50 )が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、「トナー母体粒子(1)の分散液」を得た。
この「トナー母体粒子(1)の分散液」を遠心分離機で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、これを遠心分離機を用いて濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥した。
上記の工程にて生成した着色粒子をバスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、着色粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、「トナー母体粒子(1)」を得た。
(トナー1の作製)
トナー母体粒子(1)100質量部に、H−200(ヘキスト社製)0.65質量部およびT−805(日本アエロジル社製)0.25質量部、ジンクステアレート−S(日油社製:ステアリン酸亜鉛、体積平均粒径13.2μm)0.20質量部を添加し、ヘンシェルミキサにより混合することにより、「トナー1」を作製した。
(トナー2の作製)
トナー母体粒子(1)の作製において、ジンクステアレート−Sをニッサンエレクトール(登録商標)MZ−2(日油社製:ステアリン酸亜鉛、体積平均粒径1.40μm)にした以外はトナー1と同様にして「トナー2」を作製した。
(現像剤1〜22の作製)
トナー1〜2とキャリア1〜22を表2に示した組み合わせでトナー濃度が6質量%になるように混合することにより、現像剤1〜22を作製した。
<実施例1〜18、比較例1〜5>
以上のようにして得られた現像剤1〜22とそれぞれに対応するトナー1〜2を組み合わせて、「bizhubProC6500」(コニカミノルタ社製)の帯電装置を図3に示す帯電ローラ方式のものに変更した画像形成装置を用いて画像を形成した。なお、帯電装置の帯電ローラに印加される電圧は下記の通りである。
<帯電ムラの評価>
常温常湿環境(温度20℃、湿度55%RH)下において、画像支持体としてA4サイズの普通紙を用いて、一枚目(初期)に絶対反射濃度0.50のハーフトーン画像(これを「初期画像」という。)を印字し、次いで、画素率5%の画像を1枚間欠モードで5万枚印字し、その後、反射濃度0.50のハーフトーン画像(これを「5万枚後画像」という。)を一枚印字し、この初期画像および5万枚後画像において、それぞれ20ヶ所の反射濃度を測定し、その最大値と最小値の差を測定した。この最大値と最小値の差が0.05より大きい場合に、実用上問題が生じるため不良と判断される。
<現像性の評価>
プリント初期時に黒色トナー単色にてベタ画像をA4サイズの上質紙(64g/m)に出力し画像評価を行った。
画像濃度はマクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ヶ所の反射濃度を測定して、平均値を算出した。
1.4未満の場合に、実用上問題が生じるため不良と判断される。
表2の結果から明らかなように、本発明の画像形成方法に係る実施例1〜18においては、初期の帯電ムラが少なく、また、現像性に優れ、さらに、5万枚実写した後においても帯電ムラによる画像欠陥の発生が抑制され高画質の画像を得ることができることが確認された。
1,1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2,2Y、2M、2C、2Bk 帯電ローラ
2A 帯電ローラ
2B 清掃ローラ
3,3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4,4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
5Y、5M、5C、5Bk 一次転写ローラ
5b 二次転写ローラ
6,6Y、6M、6C、6Bk、6b クリーニング手段
7 中間転写体ユニット
8 筐体
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
11a 芯金
11b 弾性層
11c 抵抗制御層
11d 表面層
21 給紙手段
20 給紙カセット
22A、22B、22C、22D 中間ローラ
23 レジストローラ
24 定着手段
25 排紙ローラ
26 排紙トレイ
44A 現像ローラ
44B 供給スクリュー
44C 搬送スクリュー
44D 規制ブレード
66A クリーニングブレード
66B 支持部材
66C ブラシローラー
66J 搬送スクリュー
70 無端ベルト状中間転写体
71、72、73、74 ローラ
82L、82R 支持レール

Claims (6)

  1. 電圧が印加されている帯電ローラによって潜像保持体を帯電し、
    帯電された潜像保持体を露光して静電潜像を形成し、
    静電潜像現像用キャリアおよび静電潜像現像用トナーを含む二成分現像剤により静電潜像を現像し、
    現像されたトナー像を記録媒体に転写および定着させ画像を形成する、画像形成方法であって、
    前記キャリアがキャリア芯材と、該キャリア芯材を被覆してなる樹脂被覆層と、を含み、前記樹脂被覆層は炭素原子数3〜8個のシクロアルキル環を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、
    前記キャリア表面における前記キャリア芯材の露出面積比率が10.0%を超え18.0%以下であり、前記キャリアの形状係数SF1が110以上125以下であり、ここでSF1は下記式で表される、画像形成方法。

    (式中、MLはキャリア粒子の周囲長を示し、Aはキャリア粒子の投影面積を示す。)
  2. 前記樹脂被覆層の平均膜厚が、1.1μm以上3.5μm以下である、請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記キャリア芯材の体積基準のメジアン径(D50)が20μm以上30μm以下である、請求項1または2に記載の画像形成方法。
  4. 前記トナーが体積基準のメジアン径(D50)が1.00μm以上5.50μm以下である脂肪族金属塩を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記樹脂が、炭素原子数3〜8個のシクロアルキル環を有する(メタ)アクリル酸エステルと、鎖式(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 帯電ローラ、潜像保持体、露光手段、静電潜像現像用キャリアおよび静電潜像現像用トナーを含む二成分現像剤、転写手段および定着手段を有する画像形成装置であって、
    前記キャリアがキャリア芯材と、該キャリア芯材を被覆してなる樹脂被覆層と、を含み、前記樹脂被覆層は炭素原子数3〜8個のシクロアルキル環を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む重合成分を重合してなる樹脂を含み、
    前記キャリア表面における前記キャリア芯材の露出面積比率が10.0%を超え18.0%以下であり、前記キャリアの形状係数SF1が110以上125以下であり、ここでSF1は下記式で表される、画像形成装置。

    (式中、MLはキャリア粒子の周囲長を示し、Aはキャリア粒子の投影面積を示す。)
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