JP5326864B2 - 2成分現像剤 - Google Patents
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Description
1.少なくともトナーとキャリアを有する2成分現像剤において、
前記キャリアは芯材の表面に樹脂コート層を有しており、
前記芯材は体積基準メディアン径が15〜40μmであり、
前記樹脂コート層は樹脂を用いた乾式コート法により形成されており、
前記樹脂コート層は重量平均分子量が100,000〜1,000,000の樹脂Aと重量平均分子量が5,000〜50,000の樹脂Bから形成され、
前記樹脂Aと樹脂Bの含有量の比率が40質量部:60質量部〜90質量部:10質量部であることを特徴とする2成分現像剤。
2.前記芯材は体積基準メディアン径が20〜35μmであることを特徴とする前記1に記載の2成分現像剤。
3.前記樹脂Aの重量平均分子量が300,000〜800,000、樹脂Bの重量平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする前記1または2に記載の2成分現像剤。
4.前記樹脂Aと樹脂Bの含有量の比率が60質量部:40質量部〜90質量部:10質量部であることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の2成分現像剤。
本発明の2成分現像剤は、特定のキャリアにトナーを混合して得られたものである。
先ず、キャリアを構成する部材(芯材、樹脂粒子)について説明する。
本発明で用いられる芯材としては、特定の径を有する磁性体粒子であればよく、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子又はそれらを樹脂中に分散したものを挙げることができる。好ましくはマグネタイトや各種フェライト系粒子である。
樹脂Aおよび樹脂Bは、乳化重合法で合成したものが好ましい。
(樹脂の重量平均分子量)
樹脂Aの重量平均分子量と樹脂Bの重量平均分子量は異なる。
1.樹脂Bが小径芯材の表面に付着される。
2.小径芯材の表面に付着した低分子量の樹脂Bが、外部からの加熱と自己発熱により軟化して小径芯材の表面にアンカーコート層が形成される。
3.このアンカーコート層は熱により延ばされ、小径芯材の表面を均一に覆う。
4.小径芯材の表面を均一に覆ったアンカーコート層の上高分子量の樹脂Aが固着される。
5.その結果、小径芯材の表面が露出することが無くなる。
(樹脂の体積平均一次粒子径)
樹脂Aと樹脂Bの体積平均一次粒子径は、50〜300nmが好ましい。この範囲の樹脂粒子を用いると、小径の芯材の表面を良好に被覆することができ好ましい。
(樹脂Aと樹脂Bの混合比)
樹脂Aと樹脂Bの混合比は、40質量部:60質量部〜90質量部:10質量部、好ましくは60質量部:40質量部〜90質量部:10質量部の範囲である。混合比を上記範囲とすることにより小径芯材を良好に被覆でき、且つ剥離や減耗が少ない樹脂コート層を形成することができる。
(樹脂コート層の膜厚)
樹脂コート層の膜厚は、キャリアの耐久性と電気抵抗値調整の両立の観点より0.5〜3.0μmが好ましく、0.7〜2.0μmがより好ましい。
2成分現像剤は、キャリアとトナーを混合することで作製することができる。キャリアとトナーの混合比は、キャリア100質量部に対してトナー2〜15質量部が好ましい。キャリアとトナーの混合は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
本発明に係るキャリアは、芯材に乾式コート法で樹脂コート層を形成して作製することができる。
本発明の2成分現像剤に用いられるトナーは、トナー母体粒子に外添剤を混合して得られたものが好ましい。
トナー母体粒子は、樹脂と着色剤と離型剤を含有するものが好ましい。
トナー母体粒子が粉砕法、乳化分散法などによって製造される場合には、トナー母体粒子を構成する樹脂として、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー母体粒子が含有する着色剤としては特に限定されず、公知の種々のものを用いることができる。
トナー母体粒子が含有する離型剤としては特に限定されず、公知の種々のワックスを用いることができる。ワックスとしては、特に低分子量ポリプロピレン、ポリエチレン、または酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスを用いることが好ましい。
外添剤としては、特に限定されず、公知の種々の外添剤を用いることができる。例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸カルシウムなどよりなる無機酸化物や、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
トナー粒子の粒径は、体積基準のメディアン径(D50)で2.5〜7.0μmであることが好ましい。体積基準のメディアン径が2.5〜7.0μmと小径であることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できて高画質の印画物が得られる。
本発明の2成分現像剤は、モノクロのプリント画像形成方法、或いはフルカラーのプリント画像形成方法に用いることができる。
図1は、本発明の2成分現像剤を使用することが可能なカラー画像形成装置の一例を示す概略図である。
キャリアは、以下のようにして作製した。
(樹脂A1の作製)
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの存在下で、シクロヘキシルメタクリレート50質量部とメチルメタクリレート50質量部とを乳化重合により合成し、樹脂A1(体積平均一次粒子径100nm)が分散されてなる樹脂粒子分散液を作製した。得られた樹脂粒子分散液を、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、重量平均分子量(Mw)520,000、ガラス転移点(Tg)110℃の「樹脂A1」を作製した。
樹脂A1の作製で用いた単量体、組成比を、表1のように変更し、「樹脂A2〜A7」を作製した。尚、重合開始剤、連鎖移動剤、重合温度、単量体滴下速度などを適宜変更して、重量平均分子量を調整した。
樹脂A1の作製で用いた単量体、組成比を、表2のように変更し、「樹脂B1〜B5」を作製した。尚、重合開始剤、連鎖移動剤、重合温度、単量体滴下速度などを適宜変更して、重量平均分子量を調整した。
芯材として、下記のものを準備した。
芯材2:体積基準メディアン径が25μmのMn−Mgフェライト粒子
芯材3:体積基準メディアン径が30μmのMn−Mgフェライト粒子
芯材4:体積基準メディアン径が40μmのMn−Mgフェライト粒子
芯材5:体積基準メディアン径が50μmのMn−Mgフェライト粒子
尚、芯材の粒径は、前記の方法で測定した値である。
図1に記載の撹拌羽根付高速撹拌混合機に、「芯材2」100質量部と「樹脂A1」3.7質量部、「樹脂B1」1.6質量部を混合し、混合物の温度が40℃以下になるように注意しながらブレード回転数1000rpmで15分撹拌して樹脂を芯材に付着させた。
キャリア1の作製で用いた芯材2、樹脂A1、樹脂B1を表3のように変更した以外は同様にして、「キャリア2〜22」を作製した。
トナーは以下のようにして作製した。
撹拌機、温度計、コンデンサ、窒素吸入管を装着した反応容器中に、純水3,000質量部、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部を投入し、75℃に昇温させて界面活性剤溶液を調製した。次いで、この界面活性剤溶液に5%過硫酸カリウム水溶液60質量部を添加した後、さらに
スチレン 560質量部
n−ブチルアクリレート 160質量部
メタクリル酸 85質量部
からなる混合液を3時間かけて滴下し、その後、窒素雰囲気下で1時間の重合反応を行うことにより、ラテックス〔1〕を調製した。
スチレン 168質量部
n−ブチルアクリレート 78質量部
メタクリル酸 26質量部
n−オクチルメルカプタン 4質量部
からなる混合液を投入し、70℃に昇温させた後、撹拌しながら脂肪酸エステル系化合物であるベヘン酸ベヘニル118質量部を少量ずつ添加することにより、ワックス含有モノマー溶液〔W〕を調製した。
スチレン 270質量部
n−ブチルアクリレート 125質量部
メタクリル酸 43質量部
n−オクチルメルカプタン 7質量部
からなる混合液を1時間かけて滴下し、85℃まで昇温させた後、1時間半かけて重合反応を行うことにより、コア粒子用ラテックス〔3〕を調製した(第2段(SP)重合)。
撹拌機、温度計、コンデンサ、窒素吸入管を装着した反応容器中に、純水3,000質量部、ドデシル硫酸ナトリウム7質量部を投入し、80℃に昇温させて界面活性剤溶液を調製した。次いで、この界面活性剤溶液に5%過硫酸カリウム水溶液200質量部を添加した後、さらに
スチレン 500質量部
n−ブチルアクリレート 185質量部
メタクリル酸 175質量部
n−オクチルメルカプタン 14質量部
からなる混合液を3時間かけて滴下し、さらに、90℃に昇温した後、窒素雰囲気下で1時間の重合反応を行い、その後、冷却処理を行うことにより、シェル層用ラテックス〔4〕を調製した。
ドデシル硫酸ナトリウムの10質量%水溶液900質量部を撹拌しながら、着色剤「C.I.ピグメントブルー15;3」210質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「SCミル」(三井鉱山社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液〔1〕を調製した。この着色剤分散液〔1〕中の着色剤微粒子の体積平均分散径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、200nmであった。
(コア粒子の形成)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
コア粒子用ラテックス〔3〕 425質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
着色剤分散液〔1〕 25質量部(固形分換算)
を投入して撹拌し、内温を30℃に調整した後、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
次に、上記のコア粒子〔1〕を作製した反応容器を80℃に調整し、これにシェル層用ラテックス〔4〕75質量部(固形分換算)を添加した。さらに、塩化マグネシウム・6水和物8質量部をイオン交換水8質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、85℃(シェル化温度)まで昇温し、1時間にわたって撹拌を継続してコア粒子の表面にシェル層用ラテックス〔4〕中の微粒子を凝集・融着させ、その後、90℃で2時間熟成処理を行った。
凝集・融着工程にて生成した粒子を、バスケット型遠心分離機により固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子〔1〕を作製した。このトナー母体粒子〔1〕は、体積基準のメディアン径(D50)が5.5μmであり、コア−シェル構造を有するものであった。
(トナー1の作製)
トナー母体粒子〔1〕100質量部に、外添剤として疎水性シリカ(数平均一次粒子径=10nm)1.3質量部、疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.6質量部、ステアリン酸亜鉛(体積基準のメディアン径=10μm)0.15質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)を用い、周速40m/secで25分間混合して「トナー1」を作製した。
上記で作製した各「キャリア1〜22」100質量部と、「トナー1」7質量部を順次V型混合機で5分間混合し、「2成分現像剤1〜22」を調製した。
評価装置としてデジタルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)を準備し、上記で作製した「トナー1」と「2成分現像剤1〜22」を順次装填し、25万枚のプリントを行った。
先ず、印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて5ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。
本発明では、芯材からの樹脂コート層の剥離量と磨耗量を区別して測定できないので、両方を加味した被覆量の減少率で評価した。
(前準備)プリント開始前と25万枚プリント後の2成分現像剤をそれぞれビーカーに入れ、それに少量の中性洗剤を含有する純水を入れてよくなじませ、ビーカー底に磁石を当てながら上澄み液を捨てる。更に、純水を入れて上澄み液を捨てることで、トナー及び中性洗剤を除き、キャリアのみを分離する。40℃にて乾燥し、プリント開始前と20万枚プリント後のキャリアを得る。
(測定)プリント開始前と25万枚プリント後のキャリア2gをビーカーに精秤し、このビーカーに樹脂コート層のアクリル樹脂を溶解するメチルエチルケトンを100ml入れ、樹脂コート層を溶解して除去した後、芯材を分離乾燥し、芯材の質量を測定する。精秤したキャリアの質量と芯材の質量の差から樹脂コート層の質量を算出する。
(計算)キャリアの質量をA、芯材の質量をMとすると、樹脂コート層の質量XはA−Mで求められる。芯材に対する樹脂コート層の割合は、(A−M)/M×100(%)で求められる。
ハーフトーン画像の濃度ムラ評価は、25万枚プリント終了後に、25%ハーフトーン画像をプリントし、プリントして得られたハーフトーン画像の画質を目視にて評価した。
◎:ハーフトーン画像に濃度ムラが見られない。
4 現像装置(トナーカートリッジ)
6 クリーニング装置
7 中間転写ベルト
10 画像形成部
24 定着装置
240 加熱ロール
241 シームレスベルト
P 転写材(記録材)
Claims (4)
- 少なくともトナーとキャリアを有する2成分現像剤において、
前記キャリアは芯材の表面に樹脂コート層を有しており、
前記芯材は体積基準メディアン径が15〜40μmであり、
前記樹脂コート層は樹脂を用いた乾式コート法により形成されており、
前記樹脂コート層は重量平均分子量が100,000〜1,000,000の樹脂Aと重量平均分子量が5,000〜50,000の樹脂Bから形成され、
前記樹脂Aと樹脂Bの含有量の比率が40質量部:60質量部〜90質量部:10質量部であることを特徴とする2成分現像剤。 - 前記芯材は体積基準メディアン径が20〜35μmであることを特徴とする請求項1に記載の2成分現像剤。
- 前記樹脂Aの重量平均分子量が300,000〜800,000、樹脂Bの重量平均分子量が10,000〜50,000であることを特徴とする請求項1または2に記載の2成分現像剤。
- 前記樹脂Aと樹脂Bの含有量の比率が60質量部:40質量部〜90質量部:10質量部であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の2成分現像剤。
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