JP5516120B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。
近年、電子写真方式を利用したプリンターやデジタル複合機は、オフィス領域にとどまらず、プロダクションプリント市場で使用される機会が増えている。プロダクションプリント市場では従来のオフィス領域よりも、環境変動が少なく長期にわたって安定した高画質化に対する要望がますます高まっている。
高画質化の要望を達成するため、水系媒体中で樹脂微粒子と着色剤を凝集・融着させて形成される乳化会合型トナーが開示されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
この乳化会合型トナーは、粒度分布の均一性に優れるとともに、トナー粒径の制御が容易で小粒径化に適した製造方法であるというメリットがある。
乳化会合型トナーの製造においては、トナー粒子中に着色剤を良好に分散させるため、トナー粒子を形成する樹脂微粒子の酸成分を増量するという方法がとられる。
しかしながら、このトナーは高温高湿環境で吸湿性が高くなり、帯電量が低下しやすいという欠点がある。
特に、高温高湿環境で多数枚プリントしたり、高温高湿環境に長時間放置後プリントを行ったりすると、ハーフトーン画像ムラやベタ画像の濃度低下といった画像問題を引き起こすという問題があった。
特開2003−66648号公報 特開平11−194540号公報
本発明の目的は、高温高湿環境で多数枚プリントした後長時間放置し、更に高温高湿環境でプリントしてもハーフトーン画像ムラやベタ画像の濃度低下が生じない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の目的は、下記構成を採ることにより達成される。
1.下記の金属フッ化物(MFx)の少なくとも1つを、静電荷像現像用トナー全質量に対して3〜10質量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
金属フッ化物(MFx):フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化アルミニウム(AlF)の何れかの化合物
2.前記静電荷像現像用トナーが少なくとも水系媒体中で樹脂を凝集・融着させて形成されたものであることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記静電荷像現像用トナーがコア部とシェル層からなるコア・シェル構造を有し、前記金属フッ化物(MFx)がシェル層に含有されていることを特徴とする前記1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記静電荷像現像用トナーが、静電荷像現像用トナー100質量部に対して外添剤を0.05〜5質量部含有していることを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
5.前記金属フッ化物がフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムであることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーとも云う)は、高温高湿環境で多数枚プリントした後長時間放置し、更に高温高湿環境でプリントしてもハーフトーン画像ムラやベタ画像の濃度低下が生じない優れた効果を有する。
本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
高温高湿環境で多数枚プリントした後長時間放置し、更に高温高湿環境でプリントするとハーフトーン画像ムラの発生やベタ画像の濃度低下が発生するという画像問題が発生していた。
本発明者等は、上記問題を解決するため種々検討を行った。
種々検討の結果、以下の金属フッ化物(MFx)の少なくとも一つをトナー粒子中に特定量含有させると上記問題が解決できることを見いだした。
金属フッ化物としては、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化アルミニウム(AlF)を挙げることができる。
好ましい金属フッ化物としては、水系媒体への溶解性が小さいMgF、CaFを挙げることができる。
上記以外の金属フッ化物は、撥水性が不足し好ましくない。
金属フッ化物(MFx)をトナー粒子中に適量含有すると、トナーの撥水性が高くなる。その結果、トナーの吸湿性を低く抑えることができ、高温高湿環境に長時間保管されても耐吸湿性が良好で帯電量の変化が小さく、ハーフトーン画像ムラやベタ画像濃度の低下といった画像不良を起こさないトナーを得ることができる。
特に、コア・シェル構造トナーにおいて、コア部が覆うシェル層に金属フッ化物が存在すると、トナー表面近傍での撥水性が高くなるためトナー内部へ水分が入りにくくなり、耐吸湿性を有効に高めることができる。更に、トナー表面の含水量が環境の影響を受けにくく安定しているため、トナーの帯電性を安定化することができる。
トナー粒子中に含有する金属フッ化物の含有量は、トナー全質量に対して3〜10質量%、好ましくは4〜7質量%である。
尚、金属フッ化物の含有量は、例えば、蛍光X線分析(XRF)装置「XRF−1800」(島津製作所社製)を用いて、フッ素元素のピーク強度を測定することにより求めることができる。
詳細には、フッ化マグネシウムの場合、以下の(1)〜(5)の手順で行われる。
(1)先ず、検量線作成用の試料として、スチレンパウダー100質量部に既知量のフッ化マグネシウムを添加してフッ素元素測定用ペレットを作製する。
(2)次で、作製したフッ素元素測定用ペレットを蛍光X線分析し、スチレンパウダー中のフッ化マグネシウムについて、各ペレットから得られるピーク強度より、検量線を作成する。
(3)その後、特定のトナーを蛍光X線分析し、得られたピーク強度を検量線と照合することにより、フッ化マグネシウムの含有量が定量される。
フッ化マグネシウム以外の金属フッ化物についても、同様に検量線を作成することにより求めることができる。
尚、この測定においては、2θテーブルより、測定すべき元素のKαピーク角度を決定し、これを用いた。又、X線発生部条件は、ターゲット:Rh、管電圧:40kV、管電流:95mA、フィルター:なし、であり、分光系条件は、スリット:標準、アッテネータ:なし、分光結晶:F=TAP、検出部:F=FPCである。
又、金属フッ化物の金属は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子製)にエネルギー分散型X線分析装置(EDS)「JED−2300」(日本電子製)を組み込んだ装置を用いて求めることができる。
詳細には、トナー粒子の元素マッピングを行い、フッ素元素と同じ位置にピークがある元素を求めることにより、特定することができる。
EDS条件は、加速電圧:20kV、照射電流:2.56nA、PHAモード:T3である。
トナー粒子中の金属フッ化物の量を、トナー全質量に対して3質量%以上とすることにより吸湿性を抑制する効果が発揮され、10質量%以下とすることによりトナー粒子中に均一分散させることができ、帯電量分布が均一になり、かぶりの発生を防止できる。
金属フッ化物をトナー粒子中に含有させる方法は特に限定されない。
金属フッ化物をトナー粒子中に含有させる好ましい方法の1つとして、金属フッ化物を分散した分散液を、樹脂粒子を凝集・融着させる凝集・融着工程で添加してトナー粒子中に取り込む方法を挙げることができる。
金属フッ化物の分散液中の数平均粒子径は、20〜200nmが好ましい。
この粒子径は、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定された値である。
金属フッ化物の分散液の作製方法は特に限定されないが、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機や超音波分散機、機械的ホモジナイザー等を用い、水系媒体中に金属フッ化物粒子を分散して作製する方法を挙げることができる。
又、金属フッ化物を、樹脂や着色剤とともに乾式で混合し、その混合物を溶融混練してトナー粒子中に取り込む方法も挙げることができる。
次に、本発明のトナーの製造方法の1例を挙げて説明する。
《トナーの製造方法》
本発明のトナーは、例えば、以下のような工程を経て作製することができる。
(1)重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散する液を調製する工程
(2)重合性単量体を重合してコア用樹脂粒子を作製する工程
(3)水系媒体中でコア用樹脂粒子と着色剤粒子を多価金属イオンの存在下で凝集・融着させてコア粒子を作製する工程
(4)コア粒子の分散液中に、シェル用樹脂粒子と金属フッ化物を添加してコア粒子表面にシェル用樹脂粒子と金属フッ化物を融着させてコア・シェル構造のトナー母体粒子を形成する工程
(5)トナー母体粒子の分散液からトナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する固液分離・洗浄工程
(6)洗浄されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
(7)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナーを作製する工程
以下、各工程について説明する。
(1)分散液を調製する工程
この工程では、重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させた液を調製する工程である。
(2)コア用樹脂粒子を作製する工程
この工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度(CMC)以下の界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤を添加し、当該液滴中において重合反応を進行させ、樹脂を形成する。尚、前記液滴中に油溶性重合開始剤が含有されていてもよい。このような重合工程においては、機械的エネルギーを付与して強制的に乳化(液滴の形成)処理が必須となる。かかる機械的エネルギーの付与手段としては、ホモミキサー、超音波、マントンゴーリンなどの強い撹拌又は超音波振動エネルギーの付与手段を挙げることができる。
この工程により、離型剤と樹脂とを含有するコア用樹脂粒子が得られる。
(3)コア粒子を作製する工程
コア粒子の作製は、水系媒体中でコア用樹脂粒子と着色剤を多価金属イオンの存在下で凝集・融着させ、コア用樹脂粒子同士を塩析/融着して作製することができる。又、コア粒子を作製する工程においては、コア用樹脂粒子や着色剤とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤微粒子を凝集・融着させることができる。
尚、ここで云う「塩析/融着」とは、凝集と融着を並行して進め、コア用樹脂粒子同士をイオン架橋させ、所望の粒子径まで成長したところで、凝集停止剤を添加して粒子成長を停止させ、更に、必要に応じて粒子形状を制御するための加熱を継続して行うことを云う。
「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものを云う。ここに、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶媒を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
尚、着色剤は、水系媒体中に分散させた着色剤分散液を用いる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。又、使用される界面活性剤としては、前述の界面活性剤と同様のものを挙げることができる。
好ましい凝集・融着方法である塩析/融着法は、コア用樹脂粒子と着色剤とが存在している水系媒体中に、多価金属イオン化合物からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記コア用樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
凝集・融着を塩析/融着で行う場合、塩析剤を添加した後に放置する時間をできるだけ短くすることが好ましい。この理由として明確ではないが、塩析した後の放置時間によって、粒子の凝集状態が変動し、粒径分布が不安定になったり、融着させたトナーの表面性が変動したりする問題が発生する。又、塩析剤を添加する温度としては少なくともコア用樹脂粒子のガラス転移点以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度がコア用樹脂粒子のガラス転移点以上であるとコア用樹脂粒子の塩析/融着は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことができず、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては樹脂のガラス転移点以下であればよいが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。
又、塩析剤をコア用樹脂粒子のガラス転移点以下で加え、その後にできるだけ速やかに昇温し、コア用樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱する。この昇温までの時間としては1時間未満が好ましい。更に、昇温を速やかに行う必要があるが、昇温速度としては、0.25℃/分以上が好ましい。上限としては特に明確ではないが、瞬時に温度を上げると塩析が急激に進行するため、粒径制御がやりにくいという問題があり、5℃/分以下が好ましい。この融着工程によりコア粒子の分散液が得られる。
(4)トナー母体粒子を形成する工程
この工程では、コア粒子の分散液中にシェル用樹脂粒子と金属フッ化物の分散液を添加してコア粒子表面にシェル用樹脂粒子と金属フッ化物を融着させてトナー母体粒子を形成する。
好ましくは、コア粒子の分散液に、シェル用樹脂粒子と金属フッ化物の分散液を添加し、加熱撹拌を継続しながら数時間かけてゆっくりとシェル用樹脂粒子と金属フッ化物をコア粒子表面に被覆させてトナー母体粒子を形成する。加熱撹拌時間は、1〜7時間が好ましく、2〜5時間がより好ましい。
(5)固液分離・洗浄工程
先ずトナー母体粒子の分散液を冷却処理する。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではない。
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
(6)乾燥工程
この工程は、洗浄処理されたケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー母体粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(7)トナーを作製する工程
この工程は、乾燥されたトナー母体粒子に外添剤を混合し、トナーを作製する工程である。
尚、トナーとはトナー粒子の集合体のことである。トナー粒子はトナー母体粒子をそのまま用いることもできるが、トナー母体粒子に外添剤を添加した粒子として用いるのが好ましい。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明のトナーの作製に用いる部材について説明する。
〈コア用樹脂粒子を形成する樹脂〉
コア粒子を形成するコア用樹脂粒子は、少なくともカルボキシル基を有する重合性単量体とその他の重合性単量体を重合し作製したものである。
好ましい例として、カルボキシル基を有する重合性単量体とスチレン、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の重合性単量体とを共重合して得られた樹脂を挙げることができる。
〈シェル用樹脂粒子を形成す樹脂〉
シェル用樹脂粒子を形成する樹脂は、コア用樹脂粒子と同様の重合性単量体を用いることができる。
(着色剤)
着色剤としてはカーボンブラック、磁性体、染料、顔料等を任意に使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイト等の強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫等のホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロム等を用いることができる。
染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いることができ、又これらの混合物も用いることができる。顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60等を用いることができ、これらの混合物も用いることができる。数平均1次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
(離型剤)
離型剤としては、従来公知のものを用いることができる。好ましくは、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。又、トナー中の離型剤含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、更に好ましくは5質量%〜20質量%である。
(荷電制御剤)
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
トナーには、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を含有してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、或いは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらの無機微粒子の数平均1次粒子径は、10〜1000nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは10〜300nmの範囲とされる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
又、外添剤として、数平均1次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することもできる。このような有機微粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などの重合体を使用することができる。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。又、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
《現像剤》
本発明のトナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。又、本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。又、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定されないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。又、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
好ましいキャリアとしては、外添剤の離脱防止や耐久性の観点から、被覆樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂系樹脂やアクリル系樹脂で被覆したコートキャリアを挙げることができる。
キャリアは、その体積基準におけるメディアン径(D50)が20〜100μmであるものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。キャリアの体積基準におけるメディアン径(D50)は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
本発明のトナーは、モノクロ用画像形成装置、或いはカラー用画像形成装置に装填して用いることができる。
本発明のトナーが好ましく用いられる画像形成装置について説明する。
(画像形成装置)
本発明で用いられる画像形成装置は、少なくとも感光体の表面を帯電させる帯電手段、帯電された感光体を露光して静電潜像を形成する露光手段、感光体上の静電潜像をトナーにて現像してトナー像を形成する現像手段、感光体上のトナー像を中間転写体上に転写する一次転写手段、中間転写体上に転写されたトナー像を転写材に転写する二次転写手段、転写材に転写されたトナー像を加熱ローラと加圧ベルトとで構成される定着装置を用いて転写材上に熱定着する手段を有する。
尚、画像形成装置は、上記各手段に加え、中間転写体をクリーニングするクリーニング手段、感光体表面に潤滑剤を塗布する手段を設けることが好ましい。
図1は、本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、転写材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての加熱ローラと加圧ベルトとで構成される定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、クリーニング手段6Yを有する。又、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、クリーニング手段6Mを有する。又、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。又、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、一次転写手段としての一次転写ローラ5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、レジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5Aに搬送され、転写材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された転写材Pは、加熱ローラと加圧ベルトとで構成される定着装置24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、二次転写ローラ5Aにより転写材Pにカラー画像を転写した後、転写材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して転写材Pに転写し、加熱ローラと加圧ベルトとで構成される定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を無端ベルト状中間転写体70に転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング手段6Y、6M、6C、6Kで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
本発明の実施態様を具体的に述べるが、本発明はこの態様に限定されるものではない。
《トナーの作製》
先ず、金属フッ化物の分散液を調製した。
〈金属フッ化物分散液の調製〉
(金属フッ化物分散液1の調製)
界面活性剤ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム30質量部をイオン交換水2500質量部に溶解した。この溶液を撹拌しながら、フッ化マグネシウム(MgF)150質量部を添加し、次で、分散装置「SCミル」(三井鉱山社製)を用いて流量約1kg/分にて5時間循環分散処理することにより、「金属フッ化物分散液1」を調製した。この「金属フッ化物分散液1」中のフッ化マグネシウム粒子の数平均粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ100nmであった。
(金属フッ化物分散液2の調製)
金属フッ化物分散液1の調製で用いたフッ化マグネシウムを、フッ化カルシウム(CaF)に変更した以外は同様の方法で「金属フッ化物分散液2」を調製した。この「金属フッ化物分散液2」中のフッ化カルシウム粒子の数平均粒子径は110nmであった。
(金属フッ化物分散液3の調製)
金属フッ化物分散液1の調製で用いたフッ化マグネシウムを、フッ化アルミニウム(AlF)に変更した以外は同様の方法で「金属フッ化物分散液3」を調製した。この「金属フッ化物分散液3」中のフッ化アルミニウム粒子の数平均粒子径は100nmであった。
〈トナー1の作製〉
(着色剤分散液1の作製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック(リーガル330R:キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を作製した。これを、「着色剤分散液1」とする。
(コア用樹脂粒子1の作製)
第一段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温した。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、下記単量体を含む混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(1A)」とする。
単量体を含む混合液
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16質量部
第二段重合
下記単量体を含む混合液を攪拌しながら80℃に加熱し、この混合液にパラフィンワックス(融点:73℃)170質量部を溶解させ、ワックス含有単量体混合液を調製した。
単量体を含む混合液
スチレン 180質量部
n−ブチルアクリレート 110質量部
メタクリル酸 20質量部
n−オクチルメルカプタン 3質量部
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、前記樹脂粒子(1A)を固形分換算52質量部と、前記ワックス含有単量体混合液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック(株)製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(1B)」とする。
第三段重合
更に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
スチレン 390質量部
n−ブチルアクリレート 235質量部
メタクリル酸 44質量部
n−オクチルメルカプタン 10質量部
からなる単量体を含む混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「コア用樹脂粒子1」とする。
(シェル用樹脂粒子1の作製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム1.7質量部とイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温した。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温80℃とし、下記単量体混合液を2時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「シェル用樹脂粒子1」とする。
スチレン 660質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 60質量部
n−オクチルメルカプタン 22質量部
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「コア用樹脂粒子1」を固形分換算で392質量部と、イオン交換水1100質量部と、「着色剤分散液1」200質量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザ3」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、「コア粒子1」を形成した。
(シェリング工程)
次いで、「シェル用樹脂粒子1」を固形分換算で44質量部と「金属フッ化物分散液1」を固形分換算で14.8質量部を同時に添加し、80℃にて2時間にわたり撹拌を継続し、「金属フッ化物」を取り込みつつ「シェル用樹脂粒子1」の粒子を「コア粒子1」の表面に融着させシェル層を形成させた。その後、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加し熟成処理を行い、所望の円形度になった時点で30℃に冷却してコア・シェル構造のトナー母体粒子を作製した。
(洗浄・乾燥工程)
上記で作製した粒子をバスケット型遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー母体粒子1」を作製した。
(外添剤処理工程)
上記で得られたトナー母体粒子1に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均1次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1」を作製した。
〈トナー2〜4、9、10の作製〉
トナー1の作製において、シェリング工程における「金属フッ化物分散液1」の添加量を、表1のように変更した以外は同様にして、「トナー2〜4、9、10」を作製した。
〈トナー5の作製〉
トナー1の作製において、シェリング工程における「金属フッ化物分散液1(MgF」を、「金属フッ化物分散液2(CaF)」25.1質量部(固形分換算)に変更した以外は同様にして、「トナー5」を作製した。
〈トナー6の作製〉
トナー1の作製において、シェリング工程における「金属フッ化物分散液1(MgF」を、「金属フッ化物分散液3(AlF)」25.1質量部(固形分換算)に変更した以外は同様にして、「トナー6」を作製した。
〈トナー7の作製〉
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、「コア用樹脂粒子1」を固形分換算で392質量部と、「金属フッ化物分散液1」を固形分換算で25.1質量部と、イオン交換水1100質量部と、「着色剤分散液1」200質量部を仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザ3」にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準におけるメディアン径が6μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、「コア粒子7」を形成した。
(シェリング工程)
次いで、「シェル用樹脂粒子1」を固形分換算で44質量部添加し、80℃にて2時間にわたり撹拌を継続し、「シェル用樹脂粒子1」の粒子を「コア粒子7」の表面に融着させシェル層を形成させた。その後、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加し熟成処理を行い、所望の円形度になった時点で30℃に冷却した。
(洗浄・乾燥工程)
生成した粒子をバスケット型遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー母体粒子7」を作製した。
(外添剤処理工程)
上記で得られたトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均1次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー7」を作製した。
〈トナー8の作製〉
下記材料を「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)で十分混合した後、混合物を2軸押出混練機「PCM」(池貝社製)で溶融混練し、迅速に冷却した後、「フェザーミル」(ホソカワミクロン社製)で粗粉砕した。
次に、この粗粉砕物をジェット粉砕機「IDS」(日本ニューマチック工業社製)で粉砕し、機械式分級機「ターボプレックスATP」(ホソカワミクロン社製)で分級して、体積基準におけるメディアン径(D50)が6.4μmの「トナー母体粒子8」を作製した。
ポリエステル樹脂(ガラス転移点:62℃、軟化点:110℃) 400質量部
カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製) 32質量部
ポリエチレンワックス(融点:89℃) 12質量部
金属フッ化物「MgF」 23.4質量部
(外添剤処理工程)
上記で得られたトナー母体粒子8に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均1次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー8」を作製した。
〈トナー11の作製〉
トナー1の作製において、シェリング工程で添加した金属フッ化物分散液1を、添加しなかった以外は同様にして、「トナー11」を作製した。
表1に、トナー1〜11の作製方法、金属フッ化物の含有部、用いた金属フッ化物の種類と添加量(質量部)、トナー粒子中の含有率(質量%)を示す。
Figure 0005516120
《現像剤の作製》
フェライトコア100質量部とシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子を5質量部とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用でフェライトコアの表面に樹脂コート層を形成し、体積基準メディアン径50μmのキャリアを得た。
キャリアの体積基準メディアン径は、湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック社製)により測定した。
上記キャリアに「トナー1〜11」をそれぞれトナー濃度が6質量%になるように添加し、「ミクロ型V型混合機」(筒井理化学器株式会社)に投入し、回転速度45rpmで30分間混合し「現像剤1〜11」を作製した。
《画像評価》
デジタルカラー複合機「bizhub PRO C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ製)に、上記で作製したトナーと現像剤を順番に装填し、高温高湿(30℃、85%RH)の環境でA4上質紙(坪量64g/m)に30万枚プリント後、その環境に36時間複合機を保管した。
その後、高温高湿(30℃、85%RH)環境下でベタ画像、次にハーフトーン画像を上質紙(坪量64g/m)にプリントした。
(ベタ画像濃度)
ベタ画像濃度は、白紙に対するプリント画像の相対反射濃度を画像の四隅と中央部の合計5ヶ所について測定し、その平均値で評価した。ベタ画像の濃度測定は、「Macbeth RD918」(マクベス社製)を用いて行った。画像濃度は1.20以上を実用上問題ないレベルと判断する。
(ハーフトーン画像ムラ)
ハーフトーン画像ムラは、ハーフトーン画像の白紙に対する相対反射濃度を感光体の軸方向に5カ所について測定し評価した。ハーフトーン画像の濃度測定は、「Macbeth RD918」(マクベス社製)を用いて測定した。
ハーフトーン画像ムラの評価は、ハーフトーン画像の濃度差(ΔHD=最大濃度−最小濃度)で判定し、濃度差が0.10以下のものを実用上問題ないレベルと判断した。
表2に、評価結果を示す。
Figure 0005516120
表2の評価結果から、本発明の「実施例1〜8」は全ての評価項目で問題ないことが判る。一方本発明の「比較例1〜3」は評価項目の何れかに問題が有り、本発明の目的を達成できていないことが判る。
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 一次転写手段としての一次転写ローラ
5A 二次転写手段としての二次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K 二次転写体のクリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
24 定着装置

Claims (4)

  1. 下記の金属フッ化物(MFx)の少なくとも1つを、静電荷像現像用トナー全質量に対して3〜10質量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーであって、
    該静電荷像現像用トナーがコア部とシェル層からなるコア・シェル構造を有し、
    該シェル層が水系媒体中でコア部表面に樹脂粒子と前記金属フッ化物とを融着して形成されたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー:
    金属フッ化物(MFx):フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化アルミニウム(AlF)の何れかの化合物
  2. 前記コア部が少なくとも水系媒体中で樹脂を凝集・融着させて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記静電荷像現像用トナーが、静電荷像現像用トナー100質量部に対して外添剤を0.05〜5質量部含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記金属フッ化物がフッ化マグネシウム、フッ化カルシウムであることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
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