JP2007121463A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナーの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粗粉除去によって得られる粗大トナーの再利用を可能とし、排水処理への負荷を軽減することができ、さらに画像特性が良好な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、融合粒子の分級にて取り除いた粒子の少なくとも一部を粉砕し、次バッチ以降の原料として凝集工程の混合液に添加することにより、品質に影響なく、粗大トナーの再利用を可能とし、排水処理への負荷を軽減することが可能となり、さらに画像特性が良好なトナーを得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等において、静電潜像の現像のために使用する静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真法は、潜像担持体(感光体)上に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー像を転写体上へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られ、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされるものである。
このような電子写真法等に使用される乾式現像剤は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。一成分現像剤では磁性粉を用い、磁気力により潜像担持体に搬送し現像する磁性一成分と、磁性粉を用いず帯電ロール等の帯電付与により潜像担持体に搬送し、現像する非磁性一成分とに分類することができる。1980年代の後半から、電子写真の市場はデジタル化をキーワードとして小型化、高機能要求が強く、特にフルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能として、複雑な画像処理が高速で行えることが挙げられている。このことにより、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。特に写真画像に関しては階調補正と色補正が可能になった点が大きく、階調特性、精細度、鮮鋭度、色再現、粒状性の点でアナログに比べ有利である。しかし、一方、画像出力としては光学系で作成された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしてはますます小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。しかし、従来の粉砕分級法では、小粒径化するにつれて消費エネルギが増加する上、単純にトナーの小径化を図っても、微粉側トナーの存在により、キャリアや感光体の汚染やトナー飛散の問題が著しくなり、高画質と高信頼性を同時に実現することは困難であった。
また、これらのマシンの高速化や省エネルギ性等に鑑みると、一層の低温定着性も必要となる。この点に関しても従来の粉砕分級法では「粉砕性」の観点から低温定着性を確保することが難しい。そこでこの小粒径トナーを効率良く製造する方法として、乳化重合凝集法(凝集・溶融法。例えば、特許文献1から特許文献3参照)、懸濁重合法(例えば、特許文献4から特許文献6参照)、液中乾燥法(例えば、特許文献7から特許文献10参照)等の湿式製法が挙げられる。このうち、トナーの粒度分布をシャープにするには乳化重合凝集法が特に優れた方法である。
ところで上記乳化重合凝集法では、不純物としてトナー粒子径よりも大きな粗大粒子(粗粉)が発生する。粗粉を含んだままのトナーを画像形成に使用すると、転写工程における感光体と転写体との間隔(ギャップ)が不均一になり、また非画像部への散らばりが発生し易くなり、さらに粒径差による帯電差を生じ画像むらを発生し易くなる等の画質劣化を生ずる。更に、現像時におけるトナー飛散を発生し易くする原因ともなる。この粗粉の除去は、乾燥後乾式分級する場合と、粒子分散液(スラリ)の状態で湿式分級(篩い分け)する場合に分けられるが、スラリ状態での分級の方が、分級中の融着による粗大粒子発生の問題も無く、設備導入費用、運転費用が安価なため、好ましく用いられる。樹脂粒子分散液中の粗粉を効率良く除去する方法としては、例えば、網を有する振動篩を利用して除去する方法が好ましく用いられる(例えば、特許文献11参照)。
一方、特許文献12には、重合性単量体系中に着色剤を分散させる工程及び着色剤の分散された該重合性単量体系を重合しトナー粒子を生成する工程を有するトナー粒子の製造方法、いわゆる懸濁重合法において、該トナー粒子の製造工程にて生成する所定外トナー粒子(凝集成分、粗粒成分、超微粒子成分)を重合性単量体へ溶解または膨潤させて混合液を調製し、該混合液を前記重合性単量体系中に着色剤を分散させる工程へ再投入させることが記載されている。
また、特許文献13には、懸濁重合法において生成する所定外トナー粒子に含まれる、THF溶媒に対して不溶性の樹脂成分を減少させるために混練し、所定外トナー調整粉末を得、該所定外トナー調整粉末を該単量体または該重合性単量体組成物中へ投入する方法であって、投入する該所定外トナー調整粉末の割合と、混練後の該所定外トナー調整粉末に含まれる、THF溶媒に対して不溶性樹脂成分との割合を特定の式を満たすようにすることが記載されている。
特開昭63−282752号公報 特開平6−250439号公報 特開平10−26842号公報 特公昭36−10231号公報 特公昭43−10799号公報 特公昭51−14895号公報 特開昭50−120632号公報 特開昭63−25664号公報 特開平5−127422号公報 特開平8−179556号公報 特開2004−198793号公報 特開平10−301330号公報 特開2004−219785号公報
しかし、特許文献11等の方法によって粗粉を除去することによりトナーの品質は向上するが、歩留まりは低下し、さらにこれら湿式分級手段により除去された粗粉は、スラリ状態で排出されるため処理排水量も増加する等、環境負荷が増大する。
また、特許文献12,13のような懸濁重合法は乳化重合凝集法に比べて効率が悪く、さらに特許文献12,13には乳化重合凝集法における粗粉の再利用については記載がない。
本発明は、粗粉除去によって得られる粗大トナーの再利用を可能とし、排水処理への負荷を軽減することができ、さらに画像特性の良好な静電荷像現像用トナーの製造方法である。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、樹脂粒子と着色剤粒子とを混合した混合液中で前記粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程と、前記凝集粒子を加熱、融合して融合粒子を形成する工程と、前記融合粒子を分級する工程と、を含み、前記融合粒子の分級にて取り除いた粒子の一部を粉砕し、次バッチ以降の凝集工程の混合液に添加する。
また、前記静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記分級及び粉砕のうち少なくともいずれかは液中で行われることが好ましい。
さらに、前記静電荷像現像用トナーの製造方法において、前記粉砕により得られる粉砕粒子の体積平均粒径を前記融合粒子の体積平均粒径の80%以下とすることが好ましい。
本発明では、結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、融合粒子の分級にて取り除いた粒子の少なくとも一部を粉砕し、次バッチ以降の原料として凝集工程の混合液に添加することにより、品質に影響なく、粗大トナーの再利用を可能とし、排水処理への負荷を軽減することが可能となり、さらに画像特性が良好なトナーを得ることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本実施形態において、結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、樹脂粒子と着色剤粒子とを混合した混合液中で粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程と、凝集粒子を加熱、融合して融合粒子を形成する工程と、融合粒子を分級する工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法において、融合粒子の分級にて取り除いた粒子の一部または全てを粉砕し、次バッチ以降の凝集工程の混合液に添加する限り特に限定するものではないが、分級および粉砕のうち少なくともいずれかは液中で行われることが好ましい。融合した粒子を液中で分級し、その分級粗粉含有スラリを粉砕することで、次バッチ以降の凝集前にこの粉砕物を添加した際に、粉砕物が予め分散液状態となっているため、他原料(樹脂粒子分散液、顔料分散液、離型剤分散液他)中に容易に分散、混合させることができる。
ここで、分級操作を液中で行う場合は融合工程後に行うことが好ましく、この場合、液体サイクロンなどの一般的な湿式分級機や一般的な湿式篩分機が用いられる。湿式篩分機としては、電磁式振動篩や振動モータ式の振動篩装置、円型振動篩、超音波振動篩等、一般的な篩装置を用いることができる。分級操作を乾式で行う場合は、融合工程後、遠心分離、膜分離、自然沈降、遠心沈降等の分離工程後に、必要に応じてさらに乾燥工程後に、風力篩分機、円形振動篩、ジャイロシフタ、超音波振動篩、ターボスクリーナ等の一般的な乾式篩分機を使用することができる。また、湿式篩分機及び乾式篩分機の網の目開きは45μm〜150μmのものが好適に用いられる。
分級粒子(または分級スラリ)の粉砕は、液中で行う場合は例えば、回転せん断型ホモジナイザ、キャビトロン、高速回転ディスク式分散機CLEAR SS5(エム・テクニック株式会社製)やメディア(ビーズ)を有するボールミル、サンドミル、アトライタ、ダイノーミル、DCPミル、スパイクミルや強制衝突型のホモジナイザ、アルティマイザ(株式会社スギノマシン製)等の一般的な分散機を使用することができる。粉砕は上述の装置を1回通過させるだけでも良いが、循環経路を設置し、繰り返し粉砕してもよく、これにより粉砕粒径をさらに小径化することができる。分級粒子(または分級スラリ)の粉砕は、乾式で行う場合は例えば、ジェットミル等の一般的な粉砕機を使用することができる。
分級及び粉砕が液中で行われる場合は通常、融合工程後の反応液そのままの固形分濃度で行われるが、水等により所定の固形分濃度、例えば5重量%〜30重量%に希釈してもよい。分級及び粉砕時の液温度は、樹脂のガラス転移温度未満であれば問題なく、通常10℃〜35℃の範囲で行われる。また、分級及び粉砕後の粒子が再凝集しないように界面活性剤や、高分子分散剤等を添加しても良い。
本発明の実施形態に係るトナー製造装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。トナー製造装置1は、分級装置10と、粉砕装置12と、粗粉スラリ貯槽14と、反応槽16と、ポンプ18,20、分級スラリ貯槽22、分散機24とを備える。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー製造方法及びトナー製造装置1の動作について説明する。図1のトナー製造装置1において、反応槽(凝集・融合槽)16において凝集・融合して得られた融合粒子はポンプ18を介して分級装置(湿式振動篩)10に供給される。分級装置10の網を通過しない分級粗粉スラリは粗粉排出口26より排出され、粗粉スラリ貯槽14で回収される。回収された分級粗粉スラリは、ポンプ20を介して粉砕装置(ビーズミル)12に供給され、粉砕される。粉砕スラリの粒子径が所望の粒子径に到達したら、ポンプ20を介して粗粉スラリ貯槽14から反応槽16へ粉砕スラリが移送される。粉砕スラリ移送の前または後に着色剤分散液、樹脂粒子分散液、離型剤分散液等のトナー原料を投入し、反応槽16の撹拌機30ならびに分散機24を作動させて液を混合し、凝集剤を添加した後再び凝集、融合操作が行われる。一方、分級装置10の網を通過した分級スラリは分級品排出口28より排出され、分級スラリ貯槽22で回収される。ここで、粉砕操作のための粉砕装置12として、例えば図2のトナー製造装置3のように、反応槽(凝集・融合槽)16に付属する分散機24を使用することも可能である。本実施形態のトナー製造方法の一例のブロック図を図3に示し、従来の乳化重合凝集法によるトナー製造方法の代表例のブロック図を図4に示す。
なお、粉砕粒子の体積平均粒径D50vを融合粒子の体積平均粒径D50vの80%以下とすることが好ましく、50%以下とすることがより好ましい。80%を超えると融合粒子の粒度分布がブロード化し、粗粉量が増加するため本実施形態の効果を十分に発揮することができない場合がある。粉砕粒子の体積平均粒径D50vを融合粒子の体積平均粒径D50vの80%以下とするためには、粉砕工程においてより低温の状態のまま高せん断条件で粉砕することが好ましい。
また、粉砕粒子の次バッチ以降の原料への添加率は凝集前の原料に対して10重量%以下(固形分)とすることが好ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。10重量%を超えると、凝集挙動や融合挙動が変動しやすくなり、製造安定性に影響を及ぼす場合がある。
融合粒子の分級において取り除かれた粒子は、通常顔料凝集物が多く、その顔料凝集物は凝集が強く壊れにくいため、そのまま次バッチ以降の凝集工程の混合液に添加すると、粗大粒子の原因となるため、従来は上記取り除かれた粒子は廃棄処分とされていた。しかし、本実施形態では、乳化重合凝集法において融合工程後のスラリを分級し、その分級粗粉スラリを粉砕した後、次バッチの原料として凝集工程の凝集前に添加することにより、品質に影響なく、粗大トナーの再利用を可能とし、さらに排水処理への負荷を軽減することが可能となる。
本実施形態の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、離型剤、着色剤を含む。所望により内添剤、外添剤等が添加される。
結着樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン等のポリオレフィン類等の単量体等からなる重合体またはこれらを2種以上組み合わせた共重合体、またはこれらの混合物、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、またはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を使用することができる。
ビニル系単量体を用いる場合、イオン性界面活性剤等を用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂粒子分散液を作製することができる。その他の樹脂を用いる場合、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に樹脂を溶解し、水中にイオン性界面活性剤や高分子電解質を共存させてホモジナイザ等の分散機により水中に粒子を分散させ、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散させることにより、所望の樹脂分散液を作製できる。
上記結着樹脂は、解離性ビニル系単量体を配合することにより、乳化重合等で得た粒子を安定に作製することができる。解離性ビニル系単量体とは水系媒体に溶解して分子の一部が解離しイオンとなる性質を持ち、かつ分子内に不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物であって、解離性ビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミン等の高分子酸、高分子塩基の原料となる単量体のいずれも使用可能であるが、重合体形成反応の容易性等から高分子酸が好適である。さらには、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸等のカルボキシル基を有する解離性ビニル系単量体が重合度制御、ガラス転移点の制御のために特に有効である。
離型剤としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類、エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系ワックス、石油系ワックス、およびそれらの変性物を使用することができる。
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基等の高分子電解質とともに分散させ、融点以上に加熱するとともに強い剪断を付与できるホモジナイザや圧力吐出型分散機で粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を作製することができる。離型剤の添加量は、トナーに対して50重量%以下の範囲で添加することができる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
本実施形態に用いる樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いて測定することができる。樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子等の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.01〜1μmの範囲である。
内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、それらの合金、またはそれら金属を含む化合物等の磁性体を使用することができる。
帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロム等の錯体からなる染料や、トリフェニルメタン系顔料等通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や融合一体化時の安定性に影響するイオン強度の制御及び廃水汚染の減少のために、水に溶解しにくい帯電制御剤が好適である。
湿式添加する無機粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等、通常トナー表面の外添剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して湿式添加することができる。なお、通常のトナーと同様に、乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーン等の樹脂粒子を乾燥状態でせん断を付与してトナー表面に添加して流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
トナー製造工程における乳化重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、またはその安定化等に用いる界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。
これらトナーの製造方法における分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザ、キャビトロン、高速回転ディスク式分散機CLEAR SS5(エム・テクニック株式会社製)やメディアを有するボールミル、サンドミル、アトライタ、ダイノーミル、DCPミル、スパイクミルや強制衝突型のホモジナイザ、アルティマイザ(株式会社スギノマシン製)等、一般的な分散機を使用できる。
凝集工程では、一般的なジャケット付き撹拌槽が用いられる。撹拌翼としては、パドル翼、アンカ翼、タービン翼、フアウドラ翼、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製)、マックスブレンド撹拌翼(住友重機械工業社製)、ベンドリーフ撹拌翼(八光産業社製)やこれらを複合したもの等が挙げられる。また、撹拌槽壁面の材質としては、ステンレス製(SUS304,SUS316等)やそれをバフ研磨及び/または電解研磨したもの、グラスライニング処理またはテフロン(登録商標)ライニング処理されたものが好適に用いられる。また槽内には、必要な循環状態に合わせてバッフルを設置してもよい。融合についても同様のジャケット付き撹拌槽が好適に用いられる。
トナースラリの洗浄は、スラリをろ過し、それを水に戻す操作を繰り返す方法や、フィルタプレスやベルトフィルタ等でケーク層を作成しそのケーク層に水を強制通過させる方法、またはこれらを複合する方法が用いられ、場合によっては洗浄の途中において、酸及び/またはアルカリ溶液にトナーを投入し、洗浄してもよい。
乾燥工程には、フラッシュジェットドライヤ等の風力乾燥機や、真空乾燥機、凍結真空乾燥機、棚段乾燥機等一般的な乾燥機を使用できる。また、乾燥はフィルタプレスやベルトフィルタ等でろ過した後、エアブローをする等して水分率を減らした後に実施することが好ましい。
トナー流動性向上及び帯電性付与を目的にシリカ及び/またはチタニア等の無機粒子を外添剤として添加混合してもよい。これら無機粒子は体積平均粒径が5〜30nmの範囲のものが好ましく、シリコーンオイル等で疎水化処理されていてもよい。
外添混合は、例えばV型ブレンダやヘンシェルミキサ、Q型ミキサ(三井鉱山製)、サイクロミックス、ノビルタ(ホソカワミクロン製)等によって行うことができる。また、この際必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。これらの添加剤としては、他の公知の流動化剤、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート粒子、ポリフッ化ビニリデン粒子、小径不定形樹脂粒子、酸化セリウム、ステアリン酸亜鉛等のクリーニング助剤または転写助剤等があげられる。
外添混合後の乾式篩分には、風力篩分機、円形振動篩、ジャイロシフタ、超音波振動篩、ターボスクリーナ等が用いられ、20〜300μm目開きの網が好適に用いられる。
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径D50vとしては、4μm〜8μmの範囲が好ましく、5μm〜7μmの範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、3μm〜7μmの範囲が好ましく、4μm〜6μmの範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールタカウンタ[TA−II]型(コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる。
なお、体積平均粒径D50v及び体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求めることができる。コールタカウンタTAII(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は110〜140の範囲、好ましくは115〜130の範囲である。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を越えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができない。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製)を用いて次のように測定した。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm〜500μmの範囲であり、好ましくは30μm〜100μmの範囲である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤における本実施形態に係るトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、現像剤として、本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤を用いる。
前記現像剤は、一成分系、二成分系のいずれの態様であってもよい。上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。また、本実施形態に係る画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着等され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
尚、定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、定着機における定着部材に離型剤が供給される。
離型剤は、定着後の被転写体および画像へのオイルの付着をなくす観点からは使用しない方が好ましいが、離型剤の供給量を0mg/cmにすると、定着時に定着部材と紙等の被転写体とが接触した際に、定着部材の磨耗量が増大し、定着部材の耐久性が低下してしまう場合があるので、必要ならば、離型剤の使用量が8.0×10−3mg/cm以下の範囲で、定着部材に微量に供給されていることが好ましい。
離型剤の供給量が、8.0×10−3mg/cmを越えると、定着後に画像表面に付着した離型剤のために画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する場合には、かかる現象が顕著に現れることがある。また、被転写体への離型剤の付着が顕著になり、ベタ付きが発生することもある。さらに、離型剤の供給量は、多くなるほど離型剤を貯蔵しておくタンク容量も大きくしなければならず、定着装置自体の大型化を招く要因ともなる。
離型剤としては、特に制限はないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等の変性オイル等の液体離型剤が挙げられる。中でも、定着部材の表面に吸着し、均質な離型剤層を形成しうる観点より、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルが、定着部材に対する塗れ性に優れ、好ましい。また、均質な離型剤層を形成しうる観点より、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルが好ましい。
離型剤として、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルを使用するのは、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを用いない従来の画像形成方法においては、離型剤自体の供給量を低減し得ないためコストの面で実用的ではないが、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーを使用する場合においては、離型剤の供給量を激減できるのでコスト面でも実用上問題がない。
前記加熱定着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。尚、シャワー方式により定着部材の全体に均一に前記離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いる必要がある。
離型剤の供給量は、以下のようにして測定することができる。すなわち、その表面に離型剤を供給した定着部材に、一般の複写機で使用される普通紙(代表的には、富士ゼロックス(株)製の複写用紙、商品名J紙)を通過させると、該普通紙上に離型剤が付着する。そして、ソックスレ抽出器を用いてこの付着した離型剤を抽出する。ここで、溶媒にはヘキサンを用いる。
このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量することができる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<樹脂粒子分散液1の作製>
スチレン 360重量部
n−ブチルアクリレート 40重量部
アクリル酸 8重量部
ドデカンチオール 16重量部
四臭化炭素 4重量部
予め、上記成分を混合溶解して樹脂溶液を調製し、他方、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)9重量部をイオン交換水500重量部に溶解し、次いで、上記の樹脂溶液を分散させて乳化し、10分間ゆっくりと混合しながら過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水100重量部を投入し、窒素置換を行った。その後、撹拌しながら内容物を70℃になるまで加熱し、6時間そのまま乳化重合を継続し、分散樹脂粒子の体積平均粒径が155nm、ガラス転移点Tgが57℃、重量平均分子量Mwが33000のアニオン性の樹脂粒子分散液1を得た。分散樹脂粒子の粒径測定には、マイクロトラック(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いた。樹脂の分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を算出したものである。樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査熱量計DSC−50(島津製作所製)を用いた示差走査熱量測定(DSC)により求めた。
<顔料分散液1の作製>
カーボンブラック(キャボット社製、モーガルL) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK) 6重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を常温にて十分混合した後、高圧衝突式分散機(株式会社スギノマシン社製、アルティマイザ)で60分間分散し、体積平均粒径(D50v)が200nmの顔料分散液1を得た。
<離型剤分散液1の作製>
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR) 3重量部
イオン交換水 150重量部
上記成分を混合し120℃に加熱した後、圧力吐出型ホモジナイザ(ゴーリン社製、高圧ホモジナイザ)に通して分散処理を行い、体積平均粒径(D50v)が200nmの離型剤分散液1を得た。
<トナースラリA1の作製>
〔凝集粒子の作製〕
樹脂粒子分散液1 260重量部
顔料分散液1 30重量部
離型剤分散液1 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 4重量部
イオン交換水 600重量部
上記成分を、加熱冷却可能なジャケットを有した槽に投入し、分散機(大平洋機工株式会社製、キャビトロン)を用いて混合分散させた後、撹拌翼にて撹拌しながらジャケット温度50℃で加熱した。体積平均粒径(D50v)4.9μmの凝集粒子が確認された。
この分散液に樹脂粒子分散液1を緩やかに70重量部追加し、上記温度でさらに0.5時間保持した。体積平均粒径(D50v)5.8μmの凝集粒子が確認された。次いで、この分散液に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した後、その液温度が96℃になるまで加熱撹拌して、5時間保持して凝集粒子を融合した。
その後、40℃まで冷却した段階で、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整した後、固形分濃度15wt%のトナースラリA1を得た。体積平均粒径(D50v)を測定したところ5.8μm(D1)であった。また、画像解析装置による形状係数SF1は127であった。その結果、84%体積基準粒子径(D84v)は7.1μmであり、20μm以上の粗粉量は、全体の融合粒子量の1.0vol%、15μm以上の粗粉量は全体の融合粒子量の1.5vol%であった。
上記トナースラリA1 1000重量部を円形振動篩(KGC800:興和工業所製)を用いて15μm目開き、線径35μmのナイロン網に通過させた。この結果、50重量部の粗粉スラリが回収された。分級後の20μm以上の粗粉量は、全体の融合粒子量の0vol%、15μm以上の粗粉量は全体の融合粒子量の0vol%であった。
〔粗粉スラリの粉砕〕
この粗粉スラリを先ほど使用した分散機(大平洋機工株式会社製、キャビトロン)を用いて循環させながら5分間粉砕し、粉砕スラリA1を得た。体積平均粒径(D50v)を測定したところ、3.2μm(D2)であり、粉砕粒子の体積平均粒径(D2)は融合粒子の体積平均粒径(D1)の55%であった。結果を表1に示す。
<トナースラリA2の作製>
〔凝集粒子の作製〕
粉砕スラリA1 50重量部
樹脂粒子分散液1 260重量部
顔料分散液1 30重量部
離型剤分散液1 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 3重量部
イオン交換水 600重量部
上記成分を、加熱冷却可能なジャケットを有した槽に投入し、分散機(大平洋機工株式会社製、キャビトロン)を用いて混合分散させた後、撹拌翼にて撹拌しながらジャケット温度50℃で加熱した。体積平均粒径(D50v)4.9μmの凝集粒子が確認された。
この分散液に樹脂粒子分散液1を緩やかに70重量部追加し、上記温度でさらに1時間保持した。体積平均粒径(D50v)5.8μmの凝集粒子が確認された。次いで、この分散液に、水酸化ナトリウム水溶液でpHを7.0に調整した後、その液温度が96℃になるまで加熱撹拌して、5時間保持して凝集粒子を融合した。
その後、40℃まで冷却した段階で、水酸化ナトリウム水溶液でpHを9に調整した後、固形分濃度15wt%のトナースラリA2を得た。融合粒子の体積平均粒径(D50v)を測定したところ5.8μm(D1)であった。また、画像解析装置による形状係数SF1は127であった。その結果、84%体積基準粒子径(D84v)は7.2μmであり、20μm以上の粗粉量は、全体の融合粒子量の1.0vol%、15μm以上の粗粉量は全体の融合粒子量の1.5vol%であった。
上記トナースラリA2 1000重量部を円形振動篩(KGC800:興和工業所製)を用いて15μm目開き、線径35μmのナイロン網に通過させた。この結果、50重量部の粗粉スラリが回収された。分級後の20μm以上の粗粉量は、全体の融合粒子量の0vol%、15μm以上の粗粉量は全体の融合粒子量の0vol%であった。
〔粗粉スラリの粉砕〕
この粗粉スラリを先ほど使用した分散機(大平洋機工株式会社製、キャビトロン)を用いて循環させながら5分間粉砕し、粉砕スラリA2を得た。粉砕粒子の体積平均粒径(D50v)を測定したところ、3.3μmであり、粉砕粒子の体積平均粒径(D2)は融合粒子の体積平均粒径(D1)の57%であった。結果を表1に示す。
以上の操作をさらに3回繰り返し、トナースラリA3〜A5及び粉砕スラリA3〜A5を得た。結果を表1に示す。
次に上記トナースラリA1〜A5を洗浄、濾過、乾燥した後、トナー100重量部に対し疎水性シリカ(R972:日本アエロジル社製)1重量部、疎水性シリカ(RY−50:日本アエロジル社製)0.5重量部を外添し、32μmの篩で篩分し、トナーA1〜A5を得た。このトナー7重量部に35μmのフェライト(パウダーテック社製)100重量部にスチレン−アクリル酸メチル共重合体(共重合比8:2、綜研化学社製、Mw80000)を1.5重量部、トルエンを溶媒にして溶液コートして得られた樹脂披覆キャリア93重量部を混合して、現像剤を得た。
前記トナーA1〜A5をそれぞれ用いた現像剤についてDocu print C2221(富士ゼロックス社製)を用いて、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において、富士ゼロックス社製J紙を用い、トナーのり量が2.5g/mとなるように調整した10cm×10cmのソリッド部を形成する条件で10枚の印字試験を行い、それら10枚ずつの画像濃度についてX−Rite404A(X−Rite社製)を用いて評価を行った。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。その結果、A2〜A5の画像濃度ムラはほとんどなく、トナーA1と同じく非常に良好であることが確認された。
○:得られた10枚の画像の最低濃度が最高濃度の96%以上
△:得られた10枚の画像の最低濃度が最高濃度の93%以上96%未満
×:得られた10枚の画像の最低濃度が最高濃度の93%未満
(実施例2)
実施例1において、粗粉粒子の体積平均粒径が融合粒子の体積平均粒径の80%程度となるようにした以外は、実施例1と同様にして5バッチ分のトナースラリ(B1〜B5)、粉砕スラリ(B1〜B5)及びトナー(B1〜B5)を得た。結果を表2に示す。
(実施例3)
実施例1において、粗粉粒子の体積平均粒径が融合粒子の体積平均粒径の85%程度となるようにした以外は、実施例1と同様にして5バッチ分のトナースラリ(C1〜C5)、粉砕スラリ(C1〜C5)及びトナー(C1〜C5)を得た。結果を表3に示す。
(実施例4)
実施例1において、粉砕スラリ添加率を10%を超えるようにした以外は、実施例1と同様にして5バッチ分のトナースラリ(D1〜D5)、粉砕スラリ(D1〜D5)及びトナー(D1〜D5)を得た。結果を表4に示す。
Figure 2007121463
Figure 2007121463
Figure 2007121463
Figure 2007121463
(比較例1)
実施例1において、粗粉スラリの回収を行わなかった以外は実施例1と同様にして5バッチ分のトナースラリ(E1〜E5)、粉砕スラリ(E1〜E5)及びトナー(E1〜E5)を得た。5バッチで合計42重量部の粗粉スラリが回収された。
(比較例2)
実施例1において、粗粉スラリの回収を行ったが、粉砕処理を行わなかった以外は実施例1と同様にして5バッチ分のトナースラリ(F1〜F5)、粉砕スラリ(F1〜F5)及びトナー(F1〜F5)を得た。結果を表5に示す。
Figure 2007121463
実施例1〜4のように、乳化重合凝集法において融合後のスラリを分級し、その分級粗粉スラリを粉砕した後、次バッチの原料として凝集前に添加することにより、品質に影響なく、粗大トナーの再利用を可能とし、排水処理への負荷を軽減することが可能となり、さらに画像特性が良好なトナーを得ることができた。一方、粗粉スラリの回収を行わなかった比較例1では多くの廃棄スラリが発生し、排水処理への負荷が大きかった。また、粗粉スラリの回収を行ったが、粉砕を行わなかった比較例2では、次バッチ以降のトナー品質が低下した。
本発明の実施形態に係るトナー製造装置の一例の概略を示す図である。 本発明の実施形態に係るトナー製造装置の他の例の概略を示す図である。 本実施形態のトナー製造方法の一例を示すブロック図である。 従来の乳化重合凝集法によるトナー製造方法の代表例を示すブロック図である。
符号の説明
1,3 トナー製造装置、10 分級装置、12 粉砕装置、14 粗粉スラリ貯槽、16 反応槽、18,20 ポンプ、22 分級スラリ貯槽、24 分散機、26 粗粉排出口、28 分級品排出口、30 撹拌機。

Claims (3)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    樹脂粒子と着色剤粒子とを混合した混合液中で前記粒子を凝集させて凝集粒子を形成する工程と、
    前記凝集粒子を加熱、融合して融合粒子を形成する工程と、
    前記融合粒子を分級する工程と、
    を含み、
    前記融合粒子の分級にて取り除いた粒子の一部を粉砕し、次バッチ以降の凝集工程の混合液に添加することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記分級及び粉砕のうちいずれかは液中で行われることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    前記粉砕により得られる粉砕粒子の体積平均粒径を前記融合粒子の体積平均粒径の80%以下とすることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5153864B2 (ja) * 2008-03-10 2013-02-27 キヤノン株式会社 トナー
JP2021137725A (ja) * 2020-03-04 2021-09-16 リンテック株式会社 分散液製造装置

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