JP2010079258A - 電子写真用キャリア、電子写真用現像剤 - Google Patents

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雅晴 白石
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Abstract

【課題】高速プロセスの画像形成装置に装填して使用しても、カブリの無い高濃度のプリント画像を継続して得ることができる電子写真用キャリア及び電子写真用現像剤の提供。
【解決手段】芯材粒子の表面に被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、該被覆層を形成する樹脂が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体を含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用キャリア及び電子写真用現像剤に関する。
脂環式メタクリル酸エステル単量体と鎖式メタクリル酸エステル単量体の共重合体を芯材粒子の被覆用樹脂(モル%で10/90〜90/10)として用いたキャリアが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、昨今の電子写真プロセスの高速化により、現像剤中でのキャリアへのストレスも増加し、開示されたキャリアでは表面に被覆した樹脂被覆層の摩耗が速く、現像剤の耐久枚数が低下してしまうため、より耐摩耗性の樹脂被覆層の必要性が高まってきた。
また、同一プロセス速度でも、より長い耐久枚数に耐える樹脂被覆層が求められるようになってきた。
その一方で、高精細な画像を形成できるトナーが求められてきた。
高精細な画像を形成する目的で、小径で形状がそろったトナーが用いられるようになってきた。小径で形状がそろったトナーの作製に適した技術が開示されており、具体的には重合型トナーが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−114219号公報 特開2002−116574号公報
しかしながら、このトナーは、乳化重合プロセスや会合プロセス時に、多くの活性剤や金属塩を用い、水になじみやすいため、帯電性は環境の影響を受けやすいという問題を有し、上記で開示されたトナーとキャリアを用いて、高速プロセスの画像形成装置に装填して多数枚プリントを行うと、カブリが発生したり画像濃度が低下したりして、高品質のプリント画像を継続して得ることができないのが現状である。
本発明は、高速プロセスの画像形成装置に装填して多数枚(例えば、100万枚)プリントしても、カブリの無い高濃度のプリント画像を継続して得ることができる電子写真用キャリア及び電子写真用現像剤を提供することにある。
本発明は、下記構成を採ることにより達成される。
1.芯材粒子の表面に被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、
該被覆層を形成する樹脂が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体を含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
2.芯材粒子の表面に被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、
該被覆層を形成する樹脂が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体を粒子状で含有していることを特徴とする前記1に記載の電子写真用キャリア。
3.前記1又は2に記載の電子写真用キャリアと乳化重合法により作製されたトナーを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
本発明の電子写真用キャリア及び電子写真用現像剤は、高速プロセスの画像形成装置に装填して多数枚(例えば、100万枚)プリントしても、カブリの無い高濃度のプリント画像を継続して得ることができる優れた効果を有する。
撹拌羽根付高速撹拌混合機の一例を示す概略図である。 本発明キャリアが用いられる画像形成装置の一例を示す概略図である。
本発明者らは、高速プロセスの画像形成装置に装填して多数枚(例えば、100万枚)プリントしても、カブリの無い高濃度のプリント画像を継続して得ることができる電子写真用キャリア(以下、単にキャリアとも云う)及び電子写真用現像剤(以下、単に現像剤とも云う)について検討を行った。
具体的には、キャリアの被覆層の摩耗が少なく、プリント環境が変動してもトナーへの帯電付与能力が安定しているキャリア及び現像剤について検討を行った。
種々検討の結果、キャリアの表面に、立体構造をもった多環式炭化水素基を有する樹脂で被覆層を形成したキャリアは、被覆層の摩耗が少なく、プリント環境が変動してもトナーへの帯電付与能力が安定していることを見出した。
被覆層の摩耗を少なくできたのは、立体構造をもった多環式炭化水素基を有する樹脂(以下、多環式重合樹脂ともいう)を含有する被覆層が、嵩高く強固な構造となり、また、高いガラス転移点を有することにより、ストレス耐性が向上できたものと推察している。
また、プリント環境が変動してもトナーへの帯電付与能力が安定できるようになったのは、トナーの水分の脱吸着に対応してキャリアの被覆層も水分の脱吸着が可能になったことで、プリント環境が変化しても帯電量付与能力の変動が少なく、帯電量を一定に保つことができるようになったものと推察している。
キャリア被覆層の水分の脱吸着が可能になったのは、立体構造をもった多環式炭化水素基を有する単量体を重合して得られた樹脂が水分の脱吸着に適した分子レベルの空隙を有し、これが水分の脱吸着を可能にしたものと推察している。
多環式重合樹脂は、単独で用いても良いが、従来キャリアの被覆用樹脂と混合して用いても良い。
以下、本発明について詳細に説明する。
《被覆層を形成する樹脂》
本発明のキャリアは、芯材粒子の表面に被覆層を設けたもので、該被覆層が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体(以下、樹脂とも云う)を含有することを特徴とする。
イソボニル基、或いは、アダマンチル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体は、立体構造を有する。
イソボルニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート等を挙げることができる。
アダマンチル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体としては、アダマンチルアクリレート、アダマンチルメタクリレート、ジメチルアダマンチルメタクリレート等を挙げることができる。
また、本発明では、イソボニル基或いはアダマンチル基を有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体と共重合可能な重合性単量体を共重合して得られた重合体(樹脂)を用いることもできる。
共重合可能な重合性単量体の例としては、一般的なアクリル単量体(鎖式メタクリル酸エステル単量体)を挙げることができる。
イソボニル基或いはアダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体と重合可能な単量体と共重合可能な重合性単量体(鎖式メタクリル酸エステル単量体)の共重合比は、イソボニル基或いはアダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体が10モル%以上、好ましくは20モル%以上である。
この範囲のモル%の共重合比で作製した樹脂を用いることにより、本願発明の効果を達成することができる。
更に、本発明では、多環式重合樹脂と公知の樹脂を混合して被覆層を形成することもできる。
公知の樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル系及びポリビニリデン系の樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体樹脂;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂またはその変成樹脂(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリテトラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの中では、ポリスチレン樹脂、ポリ(メタ)アクリレート樹脂が好ましい。
多環式重合樹脂と公知の樹脂の混合比は、多環式重合樹脂が20質量%以上にすることが好ましい。
この範囲の質量%にすることで、本願発明の効果をより得やすくなる。
《キャリアの構成》
本発明のキャリアは、芯材粒子の表面に被覆層を設けた構成のものである。
〈芯材粒子〉
本発明に係る芯材粒子は、磁場によってその方向に強く磁化する物質、例えば鉄、フェライト、マグネタイトをはじめとする鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性を示す金属あるいはこれらの金属を含む合金または化合物、強磁性元素を含まないが適当に熱処理することによって強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−アルミニウムもしくはマンガン、銅、錫等のホイスラー合金とよばれる種類の合金または二酸化クロム等を用いることができる。
尚、フェライトとは、ここでは鉄を含有する磁性酸化物を総称しており、MxOy・FeOの化学式(ここでx=1〜2、y=1〜3の整数を示す)で示されるスピネル型フェライトに限定されない。尚、上記化学式において、Mは1価乃至3価の金属を表し、具体的には、ニッケル、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウム、リチウム等を表す。
フェライトは磁化が低く小粒径のトナーを損壊するおそれが少なく、そのため現像剤の耐久性が向上する。また、フェライトは含有金属成分の組成を変えることにより種々の磁気特性が得られるために、目的に合ったキャリアを容易に得ることができる。また、フェライト粉は酸化物であるため、その比重が鉄粉やニッケル粉等の金属粉より小さくて軽量であるから、トナーへ与える衝撃力が小さく、キャリアの耐久性がより一層向上する。
また、フェライトとしては、1000・Oe(79000A/m)の外部磁場中における飽和磁化が10〜80emu/g、保磁力が0.1〜100・Oe(7.9〜7900A/m)であることが好ましく、また固有抵抗が1×10〜1×1011Ω・cm、比重が4.0〜5.5であるものが好ましい。このような好ましい特性を有する磁性体微粒子を用いることにより、一層優れた耐久性が得られる。
前記芯材粒子は、粒径30〜200μm、好ましくは40〜80μmとされ、さらに好ましくは現像剤としたときの流動性、現像性、像形成体への損傷防止の上から球形とされるのが好ましい。
尚、芯材粒子の粒径は、湿式分散器を備えてなるレーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定される体積基準の平均粒径である。飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される。
〈被覆層〉
被覆層は、上記の樹脂を下記の方法で上記芯材粒子の表面に設けられた層である。尚、被覆層中には、必要に応じ荷電制御剤やトナーフィルミング防止剤等を添加して作製してもよい。
又、被覆層は、芯材粒子との接着性が良く、且つ耐摩耗性を有していれば、被覆層の形成に用いた樹脂が均一な層状態で形成されていても、粒子状で固着して形成されていても問題はない。
被覆層の膜厚は、キャリアの耐久性と電気抵抗値調整の両立の観点より0.2〜4.0μmが好ましく、0.5〜3.0μmがより好ましい。
被覆層の膜厚は、以下の方法により算出される値である。
集束イオンビーム試料作成装置(SMI2050 エスエスアイナノテクノロジー(株)製)にてキャリアの中心を通る面でキャリアを切断して測定試料を作製し、その測定試料を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F(日本電子(株)製)」にて5000倍の視野で観察し、その視野における最大膜厚となる部分と最小膜厚となる部分の平均値を被覆層の膜厚とする。尚、測定数は50個とし、写真1視野で足りない場合には、測定数50になるまで視野数を増加させるものとする。
尚、被覆層を下記の乾式コート法で作製すると、被覆層の形成に用いた樹脂粒子が粒子状で固着しているのが確認できる。
次に、キャリアの作製について説明する。
《キャリアの作製》
本発明のキャリアは、芯材粒子に、湿式コート法或いは乾式コート法、これを組み合わせた方法で被覆層を形成し、作製することができる。
湿式コート法としては、例えば流動層式スプレーコート法があり、下記の如き工程により、被覆層を形成する。
1:被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を作製する。
2:塗布液を芯材粒子の表面にスプレー塗布し、乾燥し、被覆層を作製する。
3:必要に応じ1〜2を繰り返し、所望の厚さの被覆層を形成する。
乾式コート法としては、例えば機械的衝撃や熱を加えてコートする方法があり、下記の如き工程により、被覆層を形成する。
1:被覆しようとする芯材粒子と被覆用樹脂粒子を、機械的に撹拌し、表面に樹脂粒子を付着させる。
2:その後、機械的衝撃や熱を加えて被覆しようとする芯材粒子表面に付着した樹脂粒子を溶融あるいは軟化させて固着し被覆層を形成する。
3:必要に応じ1〜2の工程を繰り返し、所望の厚さの被覆層を形成する。
機械的衝撃や熱を加えてコートする方法の装置としては、例えば「ターボミル」(ターボ工業社製)、ピンミル、「クリプトン」(川崎重工社製)等のローターとライナーを有する摩砕機又は撹拌羽根付高速撹拌混合機を挙げることができ、これらの中では撹拌羽根付高速撹拌混合機が良好に被覆層を形成でき好ましい。
図1は、撹拌羽根付高速撹拌混合機の一例を示す概略図である。
図1において、11は本体上蓋で、該上蓋11には原料投入口12、投入弁13、フィルタ14、点検口15が設けられている。原料投入口12より所定量の芯材粒子及び被覆用樹脂粒子が投入され、投入された前記原料はモーター22により駆動される水平方向回転体18により撹拌される。該回転体18はその中心部18dに互いに120°の角度間隔で配置された撹拌羽根18a、18b及び18cが結合されていて、これらの羽根は底部10aの面に対して約35°傾けて取り付けられている。このため前記撹拌羽根18a、18b及び18cを高速回転させると、前記原料は上方へ掻き上げられ、本体容器10の上部内壁に衝突して落下するが途中、水平方向回転体19に衝突し、原料の撹拌の促進及び凝集の解砕が行われる。尚17は調温用ジャケット、16は温度計、20は製品取出口、21及び24は排出弁、23は容器内排気口である。
本発明においては、湿式コート法と乾式コート法を組み合わせて被覆層を形成することもできる。
次に、2成分現像剤について説明する。
《2成分現像剤》
本発明のキャリアは、該キャリアとトナーを用いる2成分現像剤に用いることができる。
2成分現像剤は、モノ黒のプリント画像形成、或いはカラーのプリント画像形成に用いられる。
キャリアとトナーの混合比は、質量比でキャリア:トナー=100:10〜100:2が好ましい。
キャリアとトナーの混合は、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用することができる。
《2成分現像剤で用いるトナー》
2成分現像剤で用いるトナーは、高品質のプリント画像を得る点から体積基準におけるメディアン径(D50)が2.0〜8.0μm、形状係数が0.935〜0.990のものが好ましい。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出して求めることができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を個数基準メディアン径とする。
トナーの形状係数(以下、円形度ともいう)は、粒径1μm以上のトナー粒子2000個を測定し、下記式より求めた値である。
形状係数(円形度)=(相当円の周囲長)/(トナー粒子投影像の周囲長)
=2π×(粒子の投影面積/π)1/2/(トナー粒子投影像の周囲長)
ここで、相当円とは、トナー粒子投影像と同じ面積を有する円のことであり、円相当径とは、該相当円の直径のことである。
(トナー)
本発明に係るトナーは、小粒径のトナーが得られるケミカル法で作製されたケミカルトナーが好ましい。
ケミカル法によるトナーの製造方法としては、懸濁重合法、乳化会合法、分散重合法、溶解懸濁法等を挙げることができるが、小粒径で且つその分布が均一なトナーが得られれば特に限定されるものではない。
以下、乳化会合法について説明する。
〈乳化会合法〉
乳化会合法は、樹脂粒子を水系媒体中で塩析/融着させて調製する方法である。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。即ち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、或いは樹脂及び着色剤等より構成される粒子を複数以上塩析、凝集、融着させる方法、特に水中に、これらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させて融着粒子を形成しつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、更に加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明に係るトナーを形成することができる。
本発明に係るトナーの製造方法においては、重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散した後、水系媒体中に機械的に微粒分散させ、ミニエマルジョン重合法により重合性単量体を重合させる工程を経て形成した複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる方法が好ましく用いられる。
また、本発明に係るトナーの製造方法としては、多段重合法によって得られる複合樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/融着させる工程が好ましく用いられる。
次に、好ましいトナーの製造方法(乳化重合会合法)の一例について詳細に説明する。
この製造方法には、
(1)離型剤をラジカル重合性単量体に溶解或いは分散する溶解/分散工程
(2)樹脂粒子の分散液を調製するための重合工程
(3)水系媒体中で樹脂粒子と着色剤粒子を融着させてトナー母体粒子(会合粒子)を得る融着工程
(4)トナー母体粒子の分散液を冷却する冷却工程
(5)冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する洗浄工程(6)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
以下、各工程について説明する。
〔溶解/分散工程〕
この工程は、ラジカル重合性単量体に離型剤を溶解或いは分散させて、当該離型剤のラジカル重合性単量体溶液を調製する工程である。
〔重合工程〕
この重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、前記離型剤を溶解或いは分散含有したラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この重合工程により、離型剤と結着樹脂とを含有する樹脂粒子が得られる。かかる樹脂粒子は、着色された粒子であってもよく、着色されていない粒子であってもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。また、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する融着工程において、樹脂粒子の分散液に、着色剤粒子の分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを融着させることでトナー母体粒子とすることができる。
〔融着工程〕
前記融着工程における融着の方法としては、重合工程により得られた樹脂粒子(着色または非着色の樹脂粒子)を用いた塩析/融着法が好ましい。また、当該融着工程においては、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、離型剤粒子や荷電制御剤などの内添剤粒子なども融着させることができる。
着色剤粒子は、着色剤を水系媒体中に分散することにより調製することができる。着色剤の分散処理は、水中で界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度(CMC)以上にした状態で行われる。着色剤の分散処理に使用する分散機は特に限定されないが、好ましくは超音波分散機、機械的ホモジナイザー、マントンゴーリンや圧力式ホモジナイザー等の加圧分散機、サンドグラインダー、ゲッツマンミルやダイヤモンドファインミル等の媒体型分散機が挙げられる。
尚、着色剤(粒子)は表面改質されていてもよい。着色剤の表面改質法は、溶媒中に着色剤を分散させ、その分子量液中に表面改質剤を添加し、この系を昇温することにより反応させる。反応終了後、着色剤を濾別し、同一の溶媒で洗浄濾過を繰り返した後、乾燥することにより、表面改質剤で処理された着色剤(顔料)が得られる。
好ましい融着方法である塩析/融着法は、樹脂粒子と着色剤粒子とが存在している水中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等からなる塩析剤を臨界凝集濃度以上の凝集剤として添加し、次いで、前記樹脂粒子のガラス転移点以上であって、且つ前記離型剤の融解ピーク温度(℃)以上の温度に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行う工程である。
〔冷却工程〕
この工程は、前記トナー母体粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
〔固液分離・洗浄工程〕
この固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体粒子の分散液から当該トナー母体粒子を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー母体粒子をケーキ状に凝集させた集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。ここに、濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う濾過法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー母体粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
次に、トナー母体粒子を構成する化合物(結着樹脂、着色剤、離型剤、荷電制御剤、外添剤、滑剤)について説明する。
(結着樹脂)
結着樹脂を構成する重合性単量体としては公知のものを使用することができる。具体的には、スチレンとアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体と、イオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(離型剤)
本発明に用いられる離型剤は、公知の化合物を用いることができる。離型剤はトナー全体に対して1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%含有すると、良好な結果を得ることができる。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外添剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて公知の外添剤をトナー粒子表面に付着させて用いることができる。公知の外添剤としては、種々の無機微子、有機微子及び滑剤を使用することができる。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子等を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
有機微粒子としては、数平均一次粒径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を用いることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体等を挙げることができる。
外添剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。
次に、本発明に係る画像形成装置について説明する。
《画像形成装置》
本発明のキャリアは、2成分現像プロセスを採用したモノ黒画像を得る画像形成装置、カラー画像を得る画像形成装置に装填して用いられる。
図2は、本発明キャリアが用いられる画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2に示す画像形成装置1は、デジタル方式による画像形成装置であって、画像読み取り部A、画像処理部B、画像形成部Cからなる画像形成手段と、記録材を搬送する記録材搬送手段である記録材搬送部Dと定着装置500を備えている。
画像読み取り部Aの上部には原稿を自動搬送する自動原稿送り手段が設けられていて、原稿載置台11上に載置された原稿は、原稿搬送ローラ12によって1枚宛分離搬送され読み取り位置13aにて画像の読み取りが行われる。原稿読み取りが終了した原稿は原稿搬送ローラ12によって原稿排紙皿14上に排出される。
一方、プラテンガラス13上に置かれた場合の原稿の画像は、走査光学系を構成する照明ランプ及び第1ミラーから成る第1ミラーユニット15の速度vによる読み取り動作と、V字状に位置した第2ミラー及び第3ミラーから成る第2ミラーユニット16の同方向への速度v/2による移動によって読み取られる。
読み取られた画像は、投影レンズ17を通してラインセンサである撮像素子CCDの受光面に結像される。撮像素子CCD上に結像されたライン状の光学像は順次電気信号(輝度信号)に光電変換されたのちA/D変換を行い、画像処理部Bにおいて濃度変換、フィルタ処理などの処理が施された後、画像データは一旦メモリに記憶される。
画像形成部Cでは、画像形成ユニットとして、像担持体であるドラム状の感光体21と、その外周に、該感光体21を帯電させる帯電手段22、帯電した感光体の表面電位を検出する電位検出手段220、現像手段23が配置されている。更に転写分離手段である転写極24及び分離極25、前記感光体21のクリーニング装置190及び光除電手段としてのPCL(プレチャージランプ)27が各々動作順に配置されている。また、現像手段23の下流側には感光体21上に現像されたパッチ像の反射濃度を測定する反射濃度検出手段222が設けられている。感光体21は、光導電性化合物をドラム基体上に塗布形成したもので、例えば有機感光体(OPC)が好ましく使用され、図示の時計方向に駆動回転される。
回転する感光体21へは帯電手段22による一様帯電がなされた後、像露光手段としての露光光学系30により画像処理部Bのメモリから呼び出された画像信号に基づいた像露光が行われる。書き込み手段である像露光手段としての露光光学系30は、図示しないレーザダイオードを発光光源とし、回転するポリゴンミラー31、fθレンズ34、シリンドリカルレンズ35を経て反射ミラー32により光路が曲げられ主走査がなされるものである。この走査によって感光体21に対してAoのライン位置において像露光が行われ、感光体21の回転(副走査)によって潜像が形成される。本実施の形態の一例では文字部に対して露光を行、潜像を形成する。
感光体21上の潜像は現像手段23によって反転現像が行われ、感光体21の表面に可視像のトナー像が形成される。記録材搬送部Dでは、画像形成ユニットの下方に異なるサイズの記録紙としての記録材Pが収納された記録材収納手段としての給紙ユニット41(A)、41(B)、41(C)と搬送ローラ43Dが設けられ、また側方には手差し給紙を行う手差し給紙ユニット42が設けられている。それらの何れかから選択された記録材Pは案内ローラ43によって搬送路40に沿って給紙され、給紙される記録材Pの傾きと偏りの修正を行うレジストローラ対44によって記録材Pは一時停止を行ったのち再給紙が行われる。そして搬送路40、転写前ローラ43a、給紙経路46及び進入ガイド板47に案内され、感光体21上のトナー画像が転写位置Boにおいて転写極24及び分離極25によって記録材P上に転写される。搬送ベルト装置45の搬送ベルト454に載置搬送されながら前記記録材Pは感光体21面より分離し、前記搬送ベルト装置45により定着手段としての例えば誘導加熱型の定着装置500に搬送される。
トナー画像の定着を終えた記録材Pは記録材積載手段80の排紙トレイ81上に排出される。
以上は記録材Pの片側への画像形成を行う状態を説明したものであるが、両面複写の場合は排紙切換部材170が切り替わり、記録材案内部177が開放され、転写材又は記録紙と呼ばれる記録材Pは破線矢印の方向に搬送される。
更に、搬送機構178により記録材Pは下方に搬送され、記録材反転部179によりスイッチバックさせられ、今までの記録材Pの後端部は先端部となって両面複写用給紙ユニット130内に搬送される。
記録材Pは両面複写用給紙ユニット130に設けられた搬送ガイド131を給紙方向に移動し、給紙ローラ132で記録材Pを再給紙し、記録材Pを搬送路40に案内する。
再び、上述したように感光体21方向に記録材Pを搬送し、記録材Pの裏面にトナー画像を転写し、定着装置500で定着した後、シート積載手段80の排紙トレイ81上に排紙する。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明の実施形態はこれに限定されるものではない。
《キャリアの作製》
先ず、樹脂粒子を作製した。
〈樹脂粒子1の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比20/80)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点120℃、数平均一次粒径が20nmのイソボニルアクリレートを有する「樹脂粒子1」を作製した。
〈樹脂粒子2の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりアダマンチルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比50/50)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点123℃、数平均一次粒径が60nmのアダマンチルアクリレートを有する「樹脂粒子2」を作製した。
〈樹脂粒子3の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比70/30)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点158℃、数平均一次粒径が80nmのイソボニルアクリレートを有する「樹脂粒子3」を作製した。
〈樹脂粒子4の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりアダマンチルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比90/10)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点137℃、数平均一次粒径が150nmのアダマンチルアクリレートを有する「樹脂粒子4」を作製した。
〈樹脂粒子5の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート/アダマンチルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比30/30/40)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点138℃、数平均一次粒径が490nmのイソボニルアクリレートとアダマンチルアクリレートを有する「樹脂粒子5」を作製した。
〈樹脂粒子6の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比10/90)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点113℃、数平均一次粒径が120nmのイソボニルアクリレートを有する「樹脂粒子6」を作製した。
〈樹脂粒子7の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを界面活性剤として0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点180℃、数平均一次粒径が120nmのイソボニルアクリレート単独の「樹脂粒子7」を作製した。
〈樹脂粒子8の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりイソボニルアクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比8/92)の共重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点110℃、数平均一次粒径が120nmのイソボニルアクリレートを有する「樹脂粒子8」を作製した。
〈樹脂粒子9の作製〉
界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.3質量部含有する水溶液媒体中で、乳化重合法によりメチルメタアクリレートの重合体を合成し、限外濾過装置を用いて水洗し、その後スプレードライヤーで乾燥し、ガラス転移点105℃、数平均一次粒径が120nmのメチルアクリレートを有する「樹脂粒子9」を作製した。
表1に、上記で作製した樹脂粒子の共重合比、ガラス転移点、数平均一次粒径を示す。
Figure 2010079258
尚、ガラス転移点、数平均一次粒径は上記の方法で測定した値である。
《樹脂粒子Aの準備》
シクロヘキシルメタクリレート/メチルメタアクリレート(共重合比50/50)の共重合体を準備した。
《樹脂粒子Bの準備》
メチルメタアクリレート/スチレン(共重合比60/40)の共重合体を準備した。
表2に、上記で準備した樹脂粒子の共重合比、ガラス転移点、数平均一次粒径を示す。
Figure 2010079258
《芯材粒子の準備》
粒径60μmで飽和磁化63emu/gのCu−Znフェライト粒子からなる「芯材粒子」を準備した。
《キャリアの作製》
湿式コート法と乾式コート法でキャリアを作製した。
〈キャリア11の作製〉
「樹脂粒子1」5質量部をトルエン300質量部に溶解した「被覆樹脂溶液」を調製した。
回転円筒型流動装置に上記「芯材粒子」を1000質量部入れ、流動させながら上記「被覆樹脂溶液」を70℃の加熱下に散布し、芯材粒子表面に膜厚1.0μmの被覆層を形成した。その後80℃で30分、乾燥処理を行い、解砕、分級を行い樹脂被覆された「キャリア11」を作製した。尚、被覆層の膜厚は、前記の方法により測定して得られた値である。
〈キャリア12〜20の作製〉
キャリア11の作製で用いた被覆用樹脂を、表3に記載のように変更した以外は同様にして「キャリア12〜20」を作製した。
Figure 2010079258
〈キャリア51の作製〉
図1の撹拌羽根付き高速撹拌混合機に「芯材粒子」を100質量部と「樹脂粒子1」2量部を配合し、120℃で30撹拌混合して、機械的衝撃力の作用を使用して芯材粒子の表面に被覆層を形成し、被覆層の膜厚が1.0μmのキャリアを作製した。尚、被覆層の膜厚は、前記の方法により測定して得られた値である。
〈キャリア52〜60の作製〉
キャリア51の作製で用いた被覆用樹脂を、表4に記載のように変更した以外は同様にして「キャリア52〜60」を作製した。
Figure 2010079258
《トナーの作製》
下記の方法で、トナーを作製した。
《着色粒子の作製》
〔コア用樹脂粒子の作製〕
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器において、スチレン110.9質量部、n−ブチルアクリレート52.8質量部、メタクリル酸12.3質量部の混合液に離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製)を93.8質量部添加し、80℃に加温し溶解した。
一方、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.9質量部をイオン交換水1340質量部に溶解させた界面活性剤溶液を作製した。
この界面活性剤溶液を80℃に加熱した後、循環経路を有する機械式分散「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、上記重合性単量体溶液を2時間混合分散させ、分散粒子(245nm)を有する乳化粒子を含む乳化液を作製した。
次いで、イオン交換水1460質量部を添加した後、重合開始剤(過硫酸カリウム)6質量部をイオン交換水142質量部に溶解させた開始剤溶液と、n−オクチルメルカプタン1.5質量部とを添加し、温度を80℃とした後、この系を80℃にて3時間にわたり加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子を作製した。これを「樹脂粒子C1」とする。
(2)第2段重合(外層の形成)
上記のようにして得られた「樹脂粒子C1」に、過硫酸カリウム5.1質量部をイオン交換水197質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下にスチレン282.2質量部、n−ブチルアクリレート134.4質量部、メタクリル酸31.4質量部、n−オクチルメルカプタン6.6質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより第2段重合(外層の形成)を行った後、28℃まで冷却し、「コア用樹脂粒子」を得た。
尚、コア用樹脂粒子の重量平均分子量は21,500であった。「コア用樹脂粒子」を構成する複合樹脂粒子の質量平均粒径は180nmであった。又、この樹脂粒子のガラス転移点(Tg)は39.6℃であった。
〔シェル用樹脂粒子の作製〕
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を付けた反応容器にポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、スチレンを528質量部、n−ブチルアクリレートを176質量部、メタクリル酸を120質量部、n−オクチルメルカプタンを22質量部からなる単量体混合液を3時間かけて滴下し、この系を80℃にて1時間にわたり加熱、撹拌することによって重合を行い、脂粒子を作製した。これを「シェル用樹脂粒子」とする。
尚、シェル用樹脂粒子の重量平均分子量は12,000、質量平均粒径は120nm、ガラス転移点(Tg)は53℃であった。
〔着色剤分散液の作製〕
ドデシル硫酸ナトリウム10質量%の水溶液900質量部を撹拌しながら、「モーガルL」の210質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の分散液を作製した。これを、「着色剤分散液」とする。この着色剤分散液中の着色剤粒子の平均分散径を動的光散乱式粒度分析計「マイクロトラックUPA150」(日機装(株)製)を用いて測定したところ、150nmであった。
〔着色粒子1の作製〕
(塩析/融着(会合・融着)工程)(コア部の形成)
420.7質量部(固形分換算)の「コア用樹脂粒子」とイオン交換水900質量部と「着色剤分散液」200質量部とを、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。容器内の温度を30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを9に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、粒子の個数基準におけるメディアン径(D50)が6.0μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、更に熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア部」を形成した。
(シェル層の形成(シェリング操作))
次いで、65℃において「シェル用樹脂粒子」を50質量部(固形分換算)添加し、更に塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、10分間かけて添加した後、70℃まで昇温し、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア部」の表面に「シェル用樹脂粒子」を融着させた後、75℃で20分熟成処理を行い、シェル層を形成した。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を加え、8℃/分の条件で30℃まで冷却し、「着色粒子を含有する水溶液」を得た。
(洗浄、乾燥工程)
着色粒子を含有する水溶液をバスケット型遠心分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、着色粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで水洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「着色粒子」を作製した。得られた着色粒子1は、コア・シェル構造を有する個数基準におけるメディアン径(D50)が6.5μm、形状係数が、0.955の粒子であった。
〈トナーの作製〉
上記で作製した「着色粒子」100質量部に、「複合酸化物粒子1」を0.15質量部と疎水性シリカ微粒子(数平均一次粒径=10nm)を0.6質量部添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工社製)を用いて、周速35m/secで25分間混合して、「トナー」を作製した。
《現像剤の作製》
上記で作製した「キャリア11〜20、51〜60」の各々とトナーの組み合わせでトナー濃度が5質量%になるよう低速混合機を用い混合して「2成分現像剤11〜20、51〜60」を作製した。
《評価》
評価用画像形成装置としては「bizhub 750」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を準備した。
この画像形成装置に「2成分現像剤11〜20、51〜60」を順次装填し、印字率5%の原稿を低温低湿(10℃、20%RH)のプリント環境と、高温高湿(30℃、80%RH)のプリント環境で各々100万枚プリントを行った。尚、プリント用紙(転写材)としてはA4の上質紙(64g/m)を用いた。
(画像カブリ)
画像カブリは、低温低湿(10℃、20%RH)のプリント環境で、100万枚プリント時に、印字されていないプリント用紙(白紙)の濃度を20カ所、画像濃度を測定し、その平均値を白紙濃度とし、次に、無地画像のプリントがなされたプリント用紙の白地部分を同様に20カ所、画像濃度を測定し平均濃度を算出し、その平均濃度から前記白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。尚、画像カブリは0.010以下を合格とする。
(画像濃度)
画像濃度は、高温高湿(30℃、80%RH)のプリント環境で、100万枚プリント時の画像濃度で評価した。画像濃度は、べた黒画像部の濃度を反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」を用いて12点測定し、その平均値を画像濃度として評価した。尚、画像濃度は1.35以上を合格とする。
(帯電量の変動)
帯電量の変動は、低温低湿(10℃、20%RH)と高温高湿(30℃、80%RH)のプリント環境で100万枚プリント後の現像剤中のトナーの帯電量を測定し、環境による帯電量の変動で評価した。
帯電量の測定は、ブローオフ帯電量測定装置「TB−200」(東芝ケミカル社製)を用いて行った。
測定する2成分現像剤を、400メッシュのステンレス製スクリーンを装着した前記帯電量測定装置にセットし、ブロー圧50kPaの条件で10秒間窒素ガスにてブローし、電荷を測定した。測定された電荷を飛翔したトナー質量で割ることにより帯電量(−μC/g)を算出した。尚、環境による帯電量の変動は、4.0μC/gを合格とする。
表5に、評価結果を示す。
Figure 2010079258
表5に示すように、本発明に該当する「実施例1〜16」は何れの評価項目も良好な結果が得られた。一方、本発明外の「比較例1〜4」はこれらの評価項目の何れかに問題が見られ、本発明の効果が発現されていないことが確認できた。
1 画像形成装置
11 原稿載置台
12 原稿搬送ローラ
500 定着装置
A 画像読み取り部
B 画像処理部
C 画像形成部
D 記録材搬送部
P 転写材

Claims (3)

  1. 芯材粒子の表面に被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、
    該被覆層を形成する樹脂が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体を含有することを特徴とする電子写真用キャリア。
  2. 芯材粒子の表面に被覆層を有する電子写真用キャリアにおいて、
    該被覆層を形成する樹脂が少なくともイソボニル基、及び、アダマンチル基の何れかを有する(メタ)アクリル酸エステルの単量体を用いて重合してなる重合体を粒子状で含有していることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用キャリア。
  3. 請求項1又は2に記載の電子写真用キャリアと乳化重合法により作製されたトナーを有することを特徴とする電子写真用現像剤。
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