JP2004301910A - 電子写真用現像剤 - Google Patents

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誠 小林
Osamu Maeda
治 前田
Tomoharu Nishikawa
智晴 西川
Tatsuya Nagase
達也 長瀬
Kaori Soeda
香織 添田
Akizo Shirase
明三 白勢
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Abstract

【課題】小径トナーを使用しても良好な帯電性能と耐キャリア付着性を両立し、長期にわたってノイズのない高画質画像を形成可能な電子写真用現像剤を提供すること。
【解決手段】コア材にコート剤を被覆したコートキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤であって、キャリアの体積平均粒径をD(μm)、1kエルステッドにおける飽和磁化をσs1000(Am/g)とするとき、20≦D≦30、および2.2≦σs1000/D≦3.6であることを特徴とする電子写真用現像剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用現像剤、特に二成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
二成分現像方式では、トナーとキャリアからなる二成分現像剤を機械的に攪拌することにより、トナーとキャリアとを接触させてトナーの帯電を行い、帯電トナーを現像に共する。しかしながら、二成分現像方式では長期にわたって現像するにつれトナー自身やトナーの外添剤がキャリア表面にスペントし、これによってキャリアの帯電性能が低下するためにトナーを十分に帯電させることができないという問題があった。また近年は高画質画像の要望からトナーを小粒径化する傾向にあるが、トナーを小粒径化すると、キャリアの帯電性能が一層、低下することが問題となっていた。
【0003】
そこで、トナーの小粒径化とキャリアの帯電性能の向上とを同時に達成するために、キャリア表面積を高めることが検討されている。その手段としてキャリア粒径を小粒径化する試みがなされているが、キャリアを小径にすると現像時においてキャリアが感光体表面に付着し、画像上のノイズを引き起こすキャリア付着が問題となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、小径トナーを使用しても良好な帯電性能と耐キャリア付着性を両立し、長期にわたってノイズのない高画質画像を形成可能な電子写真用現像剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、コア材にコート剤を被覆したコートキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤であって、キャリアの体積平均粒径をD(μm)、1kエルステッドにおける飽和磁化をσs1000(Am/g)とするとき、
20≦D≦30、2.2≦σs1000/D≦3.6
であることを特徴とする電子写真用現像剤に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真用現像剤はコートキャリアとトナーとからなる二成分現像剤である。
【0007】
(キャリア)
本発明において使用されるキャリアはコア材にコート剤を被覆してなるコートキャリアであって、キャリアの体積平均粒径をD(μm)、1kエルステッドにおける飽和磁化をσs1000(Am/g)とするとき、
20≦D≦30、好ましくは22≦D≦28および
2.2≦σs1000/D≦3.6、好ましくは2.5≦σs1000/D≦3.2
の関係を満足する。
【0008】
本発明においては、そのような適度に高磁化の小径コートキャリアを使用することにより、小径トナーを使用しても、良好な帯電性能と耐キャリア付着性とを長期にわたって確保できる。すなわちキャリアの体積平均粒径が30μmを越えると、キャリアの表面積が小さくなるため、キャリア寿命が短くなる。すなわち耐刷時に画像上にかぶりが発生する。体積平均粒径が20μm未満であると、トナーとの混合攪拌性が悪くなり、帯電の立ち上がり性能が低下し、かぶりが発生する。またσs1000/Dが2.2未満であると、感光体へのキャリア付着が発生する。これはキャリア1個当たりの磁気力が小さすぎて、現像装置内での現像剤担持体によるキャリアの拘束力が弱すぎるために起こるものと考えられる。σs1000/Dが3.6を越えると、キャリアの磁気攪拌力が強く、トナー飛散・かぶりの原因になる。すなわち現像剤担持体によるキャリアの拘束力が強すぎるため、キャリアの磁気による動きが大きくトナーを飛ばしてしまうため、キャリアが良好に帯電性能を発揮できず、トナー飛散・かぶりが発生する。またバインダーキャリアでは上記のような小径かつ高磁化のキャリアを得ることはできず、結果として良好な帯電性能と耐キャリア付着性とを両立できない。
【0009】
キャリアのσs1000は、キャリア付着防止および画質の観点から、50〜90Am/g、特に55〜80Am/gが好適である。
【0010】
本発明においてキャリアの体積平均粒径はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて測定された値を用いている。しかしながら、上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理に従って測定可能な装置であれば、いかなる装置によって測定されてもよい。
【0011】
またキャリアの1kエルステッドにおける飽和磁化は直流磁化特性自動記録装置(TYPE−3257;横河電機社製)を用いて測定された値を用いている。しかしながら、上記装置によって測定されなければならないというわけではなく、上記装置と同様の原理に従って測定可能な装置であれば、いかなる装置によって測定されてもよい。
【0012】
コア材に対しコート剤を被覆する方法としては、コート剤としてのコート用樹脂微粒子を、コア材としてのコア粒子表面に付着させた後に熱や機械的衝撃力を付与することでコートする乾式樹脂コート方式(乾式コート法)、コート剤としてのコート用樹脂溶液を、コア材としてのコア粒子表面に塗布した後に乾燥することでコートする湿式樹脂コート方式(湿式コート法)等を用いることができる。本発明では、乾式コート法、特にコア粒子表面にコート用樹脂微粒子を静電的に付着させ、その後機械的衝撃力および熱を繰返し付与することでコートする方法が望ましい。そのような方法では溶媒を使用しないため、湿式コート法のように樹脂内に残留する溶媒が帯電性能や画質に影響することが無く、環境安定性(環境に対する帯電安定性)が高いという利点がある。
【0013】
乾式コート法におけるコート処理手段としては物理的な衝撃を加えることができる手段であれば特に制限されず、従来の攪拌混合機等を用いて処理することができる。攪拌混合機の具体例として例えば、容器内でブレードを高速回転させて攪拌混合するヘンシェルミキサー等を用いることができる。
【0014】
本発明においてコア材としては、電子写真用二成分現像剤のキャリアに用いられる磁性材料のうち飽和磁化が比較的高いものが使用される。すなわち、本発明のコートキャリアのDおよびσs1000は当該キャリアを構成するコア材によって決定されるため、前記キャリアのDおよびσs1000/Dを満足するコア材が使用される。コア材の具体例としては前記Dおよびσs1000/Dを満足するものであれば特に制限されず、例えば、フェライト、マグネタイト、マグヘマイト等が挙げられる。好ましくはフェライトを使用する。
【0015】
フェライトは一般式;MIIO・Feで表される金属化合物である。
式中、MIIはMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、MgおよびCdからなる群から選択される1種またはそれ以上の2価の金属である。
フェライトの好ましい具体例として、例えば、Mn−Mg系フェライト(上記式においてMIIがMnおよびMgである)、Mn−Zn系フェライト(上記式においてMIIがMnおよびZnである)、Ni−Zn系フェライト(上記式においてMIIがNiおよびZnである)等が挙げられる。これらの中でも最も好ましいのはMn−Mg系フェライトである。
コア材のDおよびσs1000はキャリアにおいてと同様の方法または装置によって測定可能である。
【0016】
コート剤としてのコート用樹脂材料としては、アクリル系単量体、メタクリル系単量体およびスチレン系単量体からなる群から選択される1種またはそれ以上の単量体を重合させてなる単独重合体または共重合体が使用される。
【0017】
アクリル系単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、α−クロルアクリル酸メチル、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
【0018】
メタクリル系単量体の具体例としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
【0019】
スチレン系単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
【0020】
そのような単量体からなる重合体の中でも、アクリル系単量体または/およびメタクリル系単量体を全構成モノマーに対して50重量%以上、特に70重量%以上使用してなるアクリル系重合体が好ましい。アクリル系重合体は正荷電性を有しやすいため、特に、負荷電性トナーを用いる場合に有効である。また、上記アクリル系重合体を用いることにより、コア材と樹脂との接着性が良好となり、現像剤の耐久性がさらに向上する。
【0021】
またキャリアの帯電特性、特に環境に対する帯電安定性の観点からは、スチレン系単量体、特にスチレンを構成モノマーとして含有する重合体、特にアクリル系重合体を使用することが好ましい。このとき、キャリアの帯電特性、特に環境に対する帯電安定性のさらなる向上の観点から、スチレン系単量体の含有量は全構成モノマーに対して50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは1〜25重量%である。なお、本発明は、本発明の目的が達成される限り、コート用樹脂の構成モノマーとして上記以外の重合性単量体が使用されることを妨げるものではない。
【0022】
上記のようなコート用樹脂材料は、特にコート用樹脂微粒子として使用される場合、いわゆる懸濁重合法、乳化重合法、無乳化重合法等によって調製されることが好ましい。特に乳化重合によって調製されたコート用樹脂微粒子は粒径分布が狭く、コア粒子への均一なコートができるため好ましい。
【0023】
コート用樹脂微粒子の数平均一次粒子径の好適範囲は30〜200nmであり、好ましくは50〜150nmである。コート用樹脂微粒子のガラス転移点(Tg)および軟化点(Tm)は特に制限されないが、通常、Tgは80〜120℃、特に90〜115℃、Tmは150〜250℃、特に160〜230℃が好ましい。
【0024】
キャリアのコート剤被覆量は、キャリア付着をより有効に防止し、帯電の立ち上がり特性を向上させる観点から、得られたキャリア全体に対して1〜4重量%、特に2〜3.5重量%が好適である。
【0025】
本発明においてキャリアは平均一次粒径5〜50nmの無機微粒子を外添されて使用することが好ましい。これによってトナーの外添剤のキャリアへのスペントを有効に防止し、キャリアの帯電性能をより安定に保つことができる。キャリアに外添される無機微粒子としては、疎水性シリカまたは疎水性酸化チタンを用いることができる。また、キャリア粒子100重量部に対するこの無機微粒子の添加量は0.01〜1重量部が好ましい。混合添加手段としては、V型ブレンダーなどの市販の混合機を用いることができる。
【0026】
(トナー)
本発明において使用されるトナーは体積平均粒径3.0〜7.0μm、好ましくは4.0〜6.0μm、特に4.0〜5.5μmの小粒径トナー粒子からなり、通常さらに外添剤が外添されてなっている。トナー粒子の好ましい平均円形度は、クリーニング性および高画質の観点から、0.940〜0.985、特に0.950〜0.980が好ましい。
本明細書中、「外添剤」とは予め得られたトナー粒子の外部(表面)に存在させるべく添加される微粒子のことをいう。
【0027】
トナー粒子としては、懸濁重合法、分散重合法、樹脂粒子凝集法、乳化分散法等の湿式造粒法によって製造されたトナー粒子を使用することが好ましい。このような方法でトナー粒子を製造することにより粉砕法に比べて小粒径で粒径分布がシャープなトナー粒子を低コストで得ることが可能となる。湿式造粒法の中でも懸濁重合法および樹脂粒子凝集法が好ましく、特に樹脂粒子凝集法がトナー粒子の形状制御の自由度等の観点から好ましい。
以下、樹脂粒子凝集法により本発明のトナー粒子を得る場合について詳しく説明する。
【0028】
樹脂粒子凝集法は、少なくとも樹脂粒子を含む粒子を分散させた粒子分散液中の粒子を凝集(塩析)させ、加熱して融着および融合させてトナー粒子を製造する方法である。凝集の際にトナー構成成分である着色剤、必要に応じてワックス、荷電制御剤等の分散液と混合して凝集させる方法や、樹脂粒子を構成する単量体中に着色剤あるいはワックス等のトナー構成成分を分散した上で樹脂粒子を形成する方法等が挙げられる。好ましくはワックスを含有させた樹脂粒子および着色剤粒子を水系媒体中で凝集させ融着および融合させる。樹脂粒子は、重量平均粒径が50〜2000nmのものを使用することが好ましい。
【0029】
本明細書中、「凝集」は、樹脂粒子と着色剤粒子等とが単に付着することを意図する概念で用いるものとする。「凝集」によって、構成粒子は接触しているものの、樹脂粒子等の溶融による結合は形成されていない、いわゆるヘテロ凝集粒子(群)が形成される。そのような「凝集」によって形成される粒子群を「凝集粒子」と呼ぶものとする。
「融着」は、凝集粒子における個々の構成粒子の界面の一部において樹脂粒子等の溶融による結合が形成されることを意図する概念で用いるものとする。そのような「融着」がなされた粒子群を「融着粒子」と呼ぶものとする。
「融合」は、融着粒子の構成粒子が樹脂粒子等の溶融によって一体化され、使用、取り扱い単位としての一つの粒子となることを意図する概念で用いるものとする。そのような「融合」がなされた粒子群を「融合粒子」と呼ぶものとする。
【0030】
少なくとも樹脂粒子を含む粒子の凝集(塩析)、融着および融合は、凝集一次粒子を形成した後に融着および融合させる方法、凝集(塩析)を進行させると同時に融着を行った後に融合を行う方法の何れでもよい。後者の場合、例えば、少なくとも樹脂粒子、着色剤粒子及びワックス粒子が分散された水中に塩析剤を臨界凝集濃度以上添加し、ついで樹脂粒子のガラス転移点以上に加熱することで塩析を進行させると同時に融着を行った後、さらに加熱して融合を行う。この際に、水に無限溶解する有機溶媒を添加し、樹脂粒子のガラス転移温度を実質的に下げることで融着および融合を効果的に行う手法を使用しても良い。
【0031】
塩析剤としてはアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩が使用可能である。これらの金属塩のアルカリ金属原子としては、リチウム、カリウム、ナトリウム等の金属原子が挙げられ、アルカリ土類金属原子としてはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の金属原子が挙げられる。中でも好ましくはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等の金属原子である。また、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩の塩を構成するものとしては、塩素塩、臭素塩、沃素塩、炭酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0032】
水に無限溶解する有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、アセトン等が挙げられるが、好ましくは炭素数3以下のメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールのアルコールが、さらに好ましくは2−プロパノールが挙げられる。
【0033】
塩析剤を添加する温度としては少なくとも樹脂粒子のガラス転移温度以下であることが必要である。この理由としては、塩析剤を添加する温度が樹脂粒子のガラス転移温度以上であると樹脂粒子の塩析/融着/融合は速やかに進行するものの、粒径の制御を行うことが困難となり、大粒径の粒子が発生したりする問題が発生する。この添加温度の範囲としては、樹脂粒子のガラス転移温度以下であれば良いが、一般的には5〜55℃、好ましくは10〜45℃である。また、塩析剤を樹脂粒子のガラス転移温度以下で加え、その後出来るだけ速やかに昇温し、樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱する方法が好ましい。
【0034】
樹脂粒子は乳化重合法、懸濁重合法、乳化分散法等のいかなる方法によって調製されてもよいが、前記平均粒径を有する樹脂粒子をより簡便に得る観点から、乳化重合法により調製されたものであることが好ましい。この樹脂粒子を調製するための重合性単量体としては、ラジカル重合性単量体を必須の構成成分とし、必要に応じて架橋剤を使用することができる。また、後述の酸性基を有するラジカル重合性単量体または塩基性基を有するラジカル重合性単量体を含有させてもよい。
【0035】
ラジカル重合性単量体としては、特に限定されるものではなく従来公知のラジカル重合性単量体を用いることができる。例えば、芳香族系ビニル単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ジオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体等を用いることができる。
【0036】
芳香族系ビニル単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単量体及びその誘導体が挙げられる。
【0037】
(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β―ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0038】
ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が、ビニルエーテル系単量体としては、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル等が、モノオレフィン系単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等が、ジオレフィン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が、また、ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル等がそれぞれ挙げられる。
【0039】
また、樹脂粒子の特性を改良するためにラジカル重合性架橋剤を架橋剤として使用しても良い。ラジカル重合性架橋剤としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリール等の不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。ラジカル重合性架橋剤は、全ラジカル重合性単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で使用するのが好ましい。
【0040】
酸性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基含有単量体を用いることができる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、マレイン酸モノオクチルエステル等が、スルホン酸基含有単量体としては、例えば、スチレンスルホン酸、アリールスルホコハク酸、アリールスルホコハク酸オクチル等が挙げられる。これらは、ナトリウムやカリウム等のアルカリ金属塩、あるいはカルシウム等のアルカリ土類金属塩の構造であっても良い。
【0041】
塩基性基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等のアミン系の化合物を用いることができる。
【0042】
アミン系化合物としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、及び上記4化合物の4級アンモニウム塩、3−ジメチルアミノフェニルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウム塩、アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、ピぺリジルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルN−メチルピリジニウムクロリド、ビニルN−エチルピリジニウムクロリド、N,N−ジアリールメチルアンモニウムクロリド、N,N−ジアリールエチルアンモニウムクロリド等を挙げることができる。
【0043】
乳化重合に用いられるラジカル重合開始剤は水溶性であれば適宜使用が可能である。例えば、過硫酸塩の過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等、アゾ系化合物の4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸及びその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩等、パーオキシド化合物等が挙げられる。更に上記ラジカル重合開始剤は、必要に応じて還元剤と組合せレドックス系開始剤とすることが可能である。レドックス系開始剤を用いることで、重合活性が上昇し、重合温度の低下が図れ、更に重合時間の短縮が期待できる。
【0044】
重合温度は、重合開始剤の最低ラジカル生成温度以上であればどの温度を選択しても良いが、50〜90℃の範囲が好ましい。但し、常温開始の重合開始剤、例えば過酸化水素−還元剤(アスコルビン酸等)の組合せを用いることで室温又はそれ以上の温度で重合することも可能である。
【0045】
前述のラジカル重合性単量体の乳化重合には、界面活性剤を使用することが好ましい。この際に使用することのできる界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、下記のアニオン性又はノニオン性界面活性剤を好ましいものとして挙げることができる。
【0046】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、スルホン酸塩のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム等、硫酸エステル塩のドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム等、脂肪酸塩のオレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0047】
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドの組合せ、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステル等が挙げられる。
【0048】
着色剤としては無機顔料、有機顔料を用いることが好ましい。無機顔料としては、従来公知の黒色顔料を挙げることができる。黒色顔料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性体顔料も用いることができる。これらの無機顔料は所望に応じて単独又は複数を選択併用することが可能である。また、無機顔料の添加量はトナー粒子100重量部に対して2〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量部である。また、黒色トナーの場合、磁性トナーとして使用することができるが、その際には、公知の磁性体顔料を添加することができる。磁性トナーの場合には磁気特性を付与する観点で、トナー粒子100重量部に対して20〜60重量部の磁性体顔料を添加することが好ましい。
【0049】
有機顔料としては、従来公知の有機顔料を用いることができる。どの様な有機顔料でも使用することができるが、具体的な有機顔料を以下に挙げる。
【0050】
マゼンタ又はレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ビグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド81:4、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0051】
オレンジ又はイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。
【0052】
シアン又はグリーン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0053】
これらの有機顔料は所望に応じて単独又は複数を選択併用することが可能である。また、顔料の添加量はトナー粒子100部に対して2〜20重量部が好ましく、さらに好ましくは3〜15重量部である。
【0054】
着色剤の表面を改質するために着色剤の表面改質剤を使用することもできる。着色剤の表面改質剤としては、従来公知の物を使用することができる。具体的にはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等が好ましく用いることができる。
【0055】
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、酸変性処理されたポリエチレンワックス(酸化型ポリエチレンワックス)、ポリプロピレンワックス、酸変性処理されたポリプロピレンワックス(酸化型ポリプロピレンワックス)、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられる。エステルワックスとしては下記一般式で示されるものが好ましい。
―(OCO―R
式中、R、Rは置換基を有しても良い炭化水素基を示す。nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4である。Rは炭素数1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜5であり、Rは炭素数1〜40、好ましくは16〜30、さらに好ましくは18〜26である。
【0056】
ワックスは、樹脂粒子を乳化重合する段階で添加する方法、凝集(塩析)工程で樹脂粒子等と同時に添加する方法、出来上がったトナーに直接添加する方法等種々の方法で添加することができる。好ましい方法としては、前記の樹脂粒子を乳化重合する段階でワックスを添加する方法、及び前記の凝集(塩析)工程で樹脂粒子等と同時にワックスを添加しトナー中に包含させる方法が挙げられる。
【0057】
上述した着色剤、ワックス以外に種々の機能を付与することの出来る添加剤をトナー組成物として加えてもよい。具体的には荷電制御剤等が挙げられる。
【0058】
これらの添加剤は、樹脂粒子を乳化重合する段階で添加する方法、凝集(塩析)工程で樹脂粒子等と同時に添加する方法、出来上がったトナーに直接添加する方法等種々の方法で添加することが出来る。好ましい方法としては、前記の樹脂粒子を乳化重合する段階で添加剤を添加する方法、及び前記の凝集(塩析)工程で樹脂粒子等と同時に添加剤を添加しトナー中に包含させる方法が挙げられる。
【0059】
添加剤として使用する荷電制御剤は公知の物で、且つ、水中に分散することが出来る物を使用することが好ましい。具体的にはナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩、あるいはその金属錯体等が挙げられる。荷電制御剤は、分散した状態での数平均一次粒子径が10〜500nm程度のものが好ましい。
【0060】
本発明においては、環境性の観点並びにトナーの低コスト化の観点から荷電制御剤を含有しない荷電制御剤レストナーとすることが好ましい。
【0061】
前記のように凝集、融着および融合によってトナー粒子(融合粒子)を得た後は、得られた水系媒体中のトナー粒子を濾過し、洗浄水で洗浄を行い、トナー粒子に付着している界面活性剤や塩析剤等の不純物を除去する。この工程で使用する濾過、洗浄機は特に限定されないが、例えば遠心分離機、ヌッチェ、フィルタープレス等が使われる。
【0062】
濾過、洗浄後のトナー粒子は乾燥される。この工程に使用する乾燥機は特に限定されないが、例えば、スプレードライヤー、減圧乾燥機、真空乾燥機、静置式棚乾燥機、移動式棚乾燥磯、流動層式乾燥機、回転式乾燥機、撹伴式乾燥機等が使われる。乾燥後のトナー粒子100重量部中の水分量は5重量部以下が好ましいが、2重量部以下にすることがさらに好ましい。
【0063】
本発明においてトナー粒子に外添される外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、二酸化チタン微粒子、アミルナ微粒子、フッ化マグネシウム微粒子、炭化ケイ素微粒子、炭化ホウ素微粒子、炭化チタン微粒子、炭化ジルコニウム微粒子、窒化ホウ素微粒子、窒化チタン微粒子、窒化ジルコニウム微粒子、マグネタイト微粒子、二硫化モリブデン微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸マグネシウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等が挙げられる。これらの微粒子は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で疎水化処理して用いることが望ましい。外添剤の添加量は、トナー粒子100重量部に対して0.05〜5重量部、特に0.1〜3重量部が好ましい。外添剤は2種以上使用されてよく、その場合、それらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0064】
(二成分現像剤)
本発明の現像剤は前記キャリアと前記トナーとを混合することによって得ることができる。キャリアとトナーとの混合割合は特に制限されず、重量比(キャリア/トナー)で通常、96/4〜85/15、特に95/5〜90/10が好適である。混合手段としては、V型ブレンダーなどの市販の混合機を用いることができる。
【0065】
【実施例】
(トナー製造例)
2Lのポリビン中スチレン90g、nブチルメタクリレート10gとフタロシアニン5g、プロピレン系ワックス、100TS(三洋化成製)13g、ドデシルメルカプタン3.6gを、テトラデシル硫酸ナトリウム0.5g入り蒸留水500cc水相中に投入し、100分間撹拌装置ウルトラターラックス(IKA社製)により回転数5000rpmで分散し、モノマー液とした。この液を温度計、冷却管、撹拌装置、ガス吸入口付2Lの4つ口フラスコに直ちに投入し、撹拌しながら90℃に昇温した。次に過硫酸カリウム2.5g入り重合開始剤水溶液100mlを10分かけ滴下し、窒素雰囲気下3時間反応させた。冷却後、同装置で乳化重合粒子をトナーに適した粒径に凝集させるため塩化ナトリウム160g入り蒸留水液750mlを投入し、撹拌しながら5℃/1分の速度で昇温した(凝集・融着工程)。その後、75℃で10時間、撹拌しながら融合させた(融合工程)。その後冷却し遠心式ろ過・洗浄機で5Lのイオン交換水を用い洗浄をおこない、気流式乾燥機で乾燥後、体積平均粒径5.0μm、平均円形度0.955のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100重量部にシリカ微粒子H1303(クラリアントJ製)0.7重量部、小径酸化チタンA11(チタン工業)0.5重量部を添加し、ヘンシェルミキサ(三井金属鉱山社製)で40m/sの速度で3分間表面処理を行い、トナーを得た。
【0066】
<キャリアコート用樹脂微粒子>
製造例1
CHMA(シクロヘキシルメタクリレート)/MMA(メチルメタクリレート)/ST(スチレン)=45/45/10(モノマー重量比)を用いて公知の乳化重合法で重合を行い、その後水洗、乾燥を行い、平均粒径100nmの樹脂微粒子a(Tg;102℃、Tm;220℃)を得た。
【0067】
製造例2
CHMA(シクロヘキシルメタクリレート)/MMA(メチルメタクリレート)/ST(スチレン)=50/45/5(モノマー重量比)を用いたこと以外、製造例1と同様の方法で平均粒径150nmの樹脂微粒子b(Tg;105℃、Tm;222℃)を得た。
製造例3
CHMA(シクロヘキシルメタクリレート)/シリコーン変性メチルメタクリレート=50/50(モ/マー重量比)を用いたこと以外、製造例1と同様の方法で平均粒径10Onmの樹脂微粒子c(Tg;110℃、Tm;240℃)を得た。
【0068】
製造例4
CHMA(シクロヘキシルメタクリレート)/MMA(メチルメタクリレート)/ST(スチレン)=40/40/20(モノマー重量比)を用いたこと以外、製造例1と同様の方法で平均粒径150nmの樹脂微粒子d(Tg;95℃、Tm;195℃)を得た。
製造例5
CHMA(シクロヘキシルメタクリレート)/MMA(メチルメタクリレート)/ST(スチレン)=36/36/28(モノマー重量比)を用いたこと以外、製造例1と同様の方法で平均粒径15Onmの樹脂微粒子e(Tg;90℃、Tm;190℃)得た。
【0069】
実施例および比較例
<乾式コートキャリアの製造例>
各実施例および比較例において表1に示す物性のコア材(Mn−Mg系フェライトコア粒子)とコート剤(樹脂微粒子)を組み合わせて使用して、以下の方法に従ってコートキャリアを製造した。
Mn−Mg系フェライトコア粒子5kgおよびコート剤150gを温度調整が可能な9Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)に投入し、品温が90℃以下になる様に注意しながらブレード回転数200rpmで20分撹拌する。その後、ジャッケットに温調したオイルを流しながらブレードを回転数200rpmで回転させ、品温を115℃まで上昇させその温度を維持しながら15分さらに撹拌し、コート剤をコア粒子にコーティングする。その後、品温が70℃以下になるまで低速で撹拌し、キャリアを作製した。
得られたキャリアの平均粒径(D)およびσs1000を測定したところ、測定値は使用されたコア材の値と同値であった。
またキャリアのコート剤被覆量を使用したコア粒子重量と得られたキャリア重量に基づいて算出した。表1に記載の値は得られたキャリア全体に対する値である。
【0070】
<スターターの製造例>
上記キャリアに対して比表面積100m/gの酸化チタン微粒子STT30S(チタン工業製)を表1に示す重量比率で添加し、混合装置(Vブレンダー)で混合を行った。その後、得られたキャリアと前記トナーをトナー/キャリア比8%に調製し、同じ混合装置で混合を行い現像剤を作製した。
【0071】
【表1】
Figure 2004301910
【0072】
耐刷評価
耐刷には市販のフルカラー複写機(CF900;ミノルタ社製)を用いた。N/N環境下(温度25℃/湿度45%)およびH/H環境下(温度30℃/湿度85%)で16万枚複写し、規定枚数複写時において帯電量、カブリおよびキャリア付着についての評価を行った。
【0073】
(帯電量)
帯電量[μc/g]を測定するにあたって、図1に示す装置を用いて測定した。まず、精密天秤で計量した現像剤1gを導電性スリーブ(1)の表面全体に均一になる様に載せると共に、この導電性スリーブ(1)内に設けられたマグネットロール(2)の回転数を1000rpmにセットした。そして、バイアス電源(3)よりバイアス電圧をトナーの帯電電位と逆に3kV印加し、1分間上記導電性スリーブ(1)を回転させ、この導電性スリーブ(1)を停止させた時点での円筒電極(4)における電位Vmを読み取ると共に、円筒電極(4)に付着したトナーの重量を精密天秤で計量して、トナーの平均帯電量[μc/g]を求めた。
【0074】
(カブリ)
得られたB/W比15%の画像を以下のランク付けに従って評価した。カブリとは複写画像上、トナー像が形成されるべきでないところにトナーが付着し、トナー色の点が点在する現象をいう。
◎;画像上にカブリが全くないか、または顕微鏡観察で若干カブリが確認できるが、目視では確認できない;
○;目視でカブリを確認できるが、実用上問題はない;
△;目視でカブリを確認でき、画像品質上問題となる;
×;画像全体にカブリが多い。
【0075】
(キャリア付着)
B/W比0%の画像上のキャリア飛散を目視で観察し、以下に従ってランク付けした。
◎;画像上に全くキャリア付着しないか、または顕微鏡観察で若干キャリア付着が確認できるが、目視では確認できない;
○;目視でキャリア付着を確認できるが、実用上問題はない;
△;目視でキャリア付着を確認でき、画像品質上問題となる;
×;画像全体にキャリア付着が多い。
【0076】
【表2】
Figure 2004301910
【0077】
【表3】
Figure 2004301910
【0078】
【表4】
Figure 2004301910
【0079】
キャリアコート用樹脂微粒子のTgおよびTmはDSC6200(セイコーインスツルメント社製)を用いて測定した。
キャリアコート用樹脂微粒子の数平均一次粒子径は乾式粒径分布測定装置(HELOS&RODOS;日本レーザー社製)を用いて測定した。
トナー粒子の体積平均粒径はコールターマルチサイザー(ベックマンコールター社製)を用いて測定した。
トナー粒子の平均円形度はFPIA2000(シスメックス社製)を用いて測定した。
【0080】
【発明の効果】
本発明の現像剤は、小径トナーを使用しても良好な帯電性能と耐キャリア付着性を両立し、長期にわたってノイズのない高画質画像を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯電量を測定するための装置の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1:導電性スリーブ、2:マグネットロール、3:バイアス電源、4:円筒電極。

Claims (5)

  1. コア材にコート剤を被覆したコートキャリアとトナーとからなる電子写真用現像剤であって、キャリアの体積平均粒径をD(μm)、1kエルステッドにおける飽和磁化をσs1000(Am/g)とするとき、
    20≦D≦30、2.2≦σs1000/D≦3.6
    であることを特徴とする電子写真用現像剤。
  2. コート剤がアクリル系単量体成分または/およびメタクリル系単量体成分を50重量%以上含有するアクリル系重合体であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用現像剤。
  3. キャリアのコート剤被覆量がキャリア全体に対して1.0〜4.0重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用現像剤。
  4. コア材がMn−Mg系フェライトからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
  5. トナーの体積平均粒径が4.0〜6.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用現像剤。
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