JP2008151907A - 静電潜像現像用トナーとその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂と、離型剤及び着色剤を含有してなる核粒子を樹脂層にて被覆してなる静電潜像現像用トナーにおいて、該核粒子が、少なくとも樹脂粒子と、離型剤粒子及び着色剤粒子を水系媒体中にて凝集させてなる核粒子であり、且つ、被覆樹脂層が前記核粒子にビニル系モノマーにてシード重合せしめてなることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】なし
Description
少なくとも樹脂と、離型剤及び着色剤を含有してなる核粒子を樹脂層にて被覆してなる静電潜像現像用トナーにおいて、該核粒子が、少なくとも樹脂粒子と、離型剤粒子及び着色剤粒子を水系媒体中にて凝集させてなる核粒子であり、且つ、被覆樹脂層が前記核粒子にビニル系モノマーにてシード重合せしめてなることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
前記核粒子の形状係数がFPIA2100での測定値にて、0.85〜0.96であることを特徴とする(1)記載の静電潜像現像用トナー。
少なくとも樹脂と、離型剤及び着色剤を含有してなる核粒子を樹脂層にて被覆してなる静電潜像現像用トナーの製造方法において、少なくとも樹脂粒子と、離型剤粒子及び着色剤粒子とを水系媒体中にて凝集させて核粒子を作製し、該核粒子にビニル系モノマーにてシード重合せしめて被覆樹脂層を形成することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
また、形状係数は、各粒子の形状係数を足し合わせ、全粒子数で割り算して算出した値である。
本発明のトナーを製造するための核を造る方法としては、特に限定されるものではなく、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法その他の公知の方法で微粒子を調整し、ついで水系媒体中で着色剤粒子と凝集させればよい。
(1)必要に応じて荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を結着樹脂となる重合性単量体に溶解または分散させて重合性単量体溶液を得る溶解・分散工程
(2)重合性単量体溶液を水系媒体中で油滴化し、ミニエマルション法により結着樹脂粒子の分散液を調製する重合工程
(3)結着樹脂粒子と離型剤粒子及び着色剤粒子を水系媒体中で凝集、融着させて凝集粒子を形成する凝集・融着工程
(4)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成して形状を調整し形状が0.85〜0.96の凝集粒子の分散液を得る熟成工程
(5)凝集粒子が分散されている水系媒体中に重合性単量体添加し、シード重合せしめ、樹脂層で被覆されたトナー粒子を調製する、シード重合工程。なお、この段階で、重合開始剤は油溶性重合開始剤をモノマー中に添加してもよく、水系媒体中に水溶性重合開始剤を添加してもよい。
(7)冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程
(8)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程
(9)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程
から構成される。
この工程は、重合性単量体に必要に応じ荷電制御剤等のトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製する工程である。
この重合工程の好適な一例においては、臨界ミセル濃度以下の濃度の界面活性剤を含有した水系媒体中に、上記の重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応が行われる。
凝集・融着工程においては、上記の重合工程により得られる結着樹脂粒子の分散液に、離型剤粒子及び着色剤粒子の分散液を添加し、結着樹脂粒子を前記離型剤粒子及び着色剤粒子と共に水系媒体中で塩析、凝集および融着させる。この凝集・融着工程の途中段階においては、樹脂組成の異なる結着樹脂粒子を添加して凝集させることができる。また、会合が開始されてから離型剤分散液を添加し、トナー粒子中の所定の位置に離型剤を分散させることが出来る。
この熟成工程は、熱エネルギー(加熱)により行う方法が好ましい。
凝集粒子が分散されている水系媒体中に重合性単量体添加し、シード重合せしめ、樹脂層で被覆されたトナー粒子を調製する、シード重合工程である。なお、この段階で、重合開始剤は油溶性重合開始剤をモノマー中に添加してもよく、水系媒体中に水溶性重合開始剤を添加してもよい。シード重合を行うためには、前記水系媒体中にラジカル重合性単量体を序々に滴下する方法がよい。急速に添加してしまうとシード化できず、添加した単量体のみの樹脂粒子が形成してしまう問題が発生する。なお、シード重合せしめる単量体の添加量としては、凝集粒子100質量部に対して0.1〜25質量部、好ましくは0.2〜20質量部とすることが好ましい。また、添加速度としては前述の問題を引き起こさないためには全体量を30分から2時間かけて添加するとよい。
この冷却工程は、上記のトナー粒子の分散液を冷却処理する工程である。冷却処理における冷却速度は、1〜20℃/minとされる。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー粒子の分散液から当該トナー粒子を固液分離させて濾別する濾過処理と、濾別されたトナー粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤や塩析剤などの付着物、熟成工程で用いたアルカリ剤を除去する洗浄処理とが施される。
この工程は、洗浄処理されたトナーケーキを乾燥処理し、乾燥されたトナー粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたトナー粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子に必要に応じて外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
トナーを構成する各樹脂を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレンスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を得るために使用する界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、スルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)、脂肪酸塩(オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなど)などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤はトナーを乳化重合法によって得る場合に乳化剤として使用されるが、他の工程または使用目的で使用してもよい。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を製造する場合に、結着樹脂はラジカル重合開始剤を用いて重合することができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤が含有されている。この離型剤は前述の樹脂粒子とは別に、分散液を作製して添加する。離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス、また、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどの天然物系ワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ペンタエリスリトールステアリン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリルなどの合成エステルワックスなどを挙げることができる。
本発明のトナーを構成する着色剤としては、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。以下に、具体的な着色剤を示す。
本発明のトナーを構成するトナー粒子をミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、結着樹脂を得るために使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
本発明のトナーの粒径は、体積基準のメディアン径で3〜8μmのものが好ましい。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、上述したトナーの製造方法において、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
本発明のトナーは、凝集粒子がある程度の不定形の段階で、シード重合して調整される。この不定形度については、平均形状係数が0.85〜0.96であり、より好ましくは0.860〜0.955である。なお、この形状係数についてはFPIA2100にて測定されるものである。
本発明のトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することができる。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、いずれも使用することができる。また、本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなど用いてもよい。
本発明に使用できる画像形成方法としては、静電潜像担持体上に形成された潜像を本発明のトナーにより現像し、転写材に転写した後に静電潜像担持体上に形成された転写残トナーをブレード方式のクリーニングにてクリーニングする方式である。
本発明のトナーによる画像が形成される転写材は、トナー像を保持する支持体であって、具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
〔樹脂粒子分散液の製造例〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、90℃に加熱後、スチレン250質量部、n−ブチルアクリレート80質量部、n−ドデシルメルカプタン2質量部を90℃にて溶解させた重合性単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を仕込み、90℃に加熱後、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル35質量部を90℃にて溶解させた離型剤溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。この離型剤分散液における離型剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で120nmであった。
ドデシル硫酸ナトリウム9質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)36質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液Bkを調製した。この着色剤分散液Bkにおける着色剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で110nmであった。
ドデシル硫酸ナトリウム9質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントイエロー74を36質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液Yを調製した。この着色剤分散液Yにおける着色剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で120nmであった。
ドデシル硫酸ナトリウム9質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントレッド122を36質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液Mを調製した。この着色剤分散液Mにおける着色剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で120nmであった。
ドデシル硫酸ナトリウム9質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、C.I.ピグメントブルー15:3を36質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤分散液Cを調製した。この着色剤分散液Cにおける着色剤の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で120nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、上記樹脂粒子分散液とイオンン交換水1000質量部、着色剤分散液Bk及びポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解させた溶液を仕込み、液温を30℃に調整した後、5モル/L(リットル)の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加し、3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて90℃まで昇温し、続いて離型剤分散液を添加し、90℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザーIII」にて凝集粒子(核粒子)の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が5.6μmになった時点で、塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度98℃にて加熱撹拌することにより、粒子形状を制御した。この形状を「FPIA−2100」による測定で平均形状係数にて測定し、表に示す形状となった時点で、75℃まで冷却し、ラウリルパーオキサイドを2質量%含有するメチルメタクリレートを表に示す量を滴下(1時間かけてゆっくり滴下)した。ついで75℃にて6時間反応させ、シード重合を行い、凝集粒子を核としたシード粒子からなるトナー粒子を調整した。その後、形状を球形化する場合には95℃まで昇温し、形状をモニターし、所望とする形状にした後に、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。なお、最終的な形状については0.96前後とした。
このトナー粒子Bkに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒子径=20nm)0.3質量%を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナー粒子Bk1よりなるトナーBk1を作製した。
トナー1と同様に作製したが、製造条件を制御して核粒子の形状係数が下記表1に示す様に変化したものを作製し、メチルメタアクリレート(MMA)の添加量を変えて、トナー製造例Bk2〜C6を作製した。各トナーの形状係数、粒径は表1に示すごとくである。
(比較用トナーBk1、Y1、M1、C1の製造:シェルなし)
トナーBk1、Y4、M4、C4用の各核粒子を用い、これを比較用トナーBk1、Y1、M1、C1とした。
比較用シェル剤粒子分散液の調製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム30質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加、85℃に加熱後、スチレン250質量部からなる重合性単量体溶液を滴下し、6時間乳化重合を行ない、比較用シェル剤粒子分散液を調製した。比較用シェル剤粒子分散液における樹脂粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準のメディアン径で95nmであった。
トナー5gを100mlのサンプルビンにいれ、50℃/80%RHの環境下に24時間放置した。ついで、20℃/50%RHの環境にて、200メッシュの篩にかけ、篩残量(質量%)を評価した。
トナーBk1〜C6、比較用トナーBk1〜C2の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー濃度が6%となるよう混合することにより、これを各Bk、Y、M、Cトナーを組み合わせて、現像剤1〜6および比較用現像剤1〜2を調製した。
実写評価
現像剤1〜6および比較用現像剤1〜2の各々について、デジタル複写機「bizhub PRO C350」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を使用し、高温高湿環境(35℃/85%RH)にて低画素率でのフルカラー(各画素が1%のもの)画像を間欠モード(5枚毎に5秒間休止の繰り返し)で印字を行い、初期と10万枚後の画像を比較した。
トナーBk1、Y1、M1、C1と同様に作製したが、各色共に核粒子の形状係数が0.840のものと0.970の核粒子と成るよう調製し、他はトナーBk1、Y1、M1、C1と同様にしてトナーを作製し、これを用いて現像剤7及び8を作製した。
Claims (3)
- 少なくとも樹脂と、離型剤及び着色剤を含有してなる核粒子を樹脂層にて被覆してなる静電潜像現像用トナーにおいて、該核粒子が、少なくとも樹脂粒子と、離型剤粒子及び着色剤粒子を水系媒体中にて凝集させてなる核粒子であり、且つ、被覆樹脂層が前記核粒子にビニル系モノマーにてシード重合せしめてなることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
- 前記核粒子の形状係数がFPIA2100での測定値にて、0.85〜0.96であることを特徴とする請求項1記載の静電潜像現像用トナー。
- 少なくとも樹脂と、離型剤及び着色剤を含有してなる核粒子を樹脂層にて被覆してなる静電潜像現像用トナーの製造方法において、少なくとも樹脂粒子と、離型剤粒子及び着色剤粒子とを水系媒体中にて凝集させて核粒子を作製し、該核粒子にビニル系モノマーにてシード重合せしめて被覆樹脂層を形成することを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
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