JP2019158901A - 静電潜像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、出力画像に濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れた静電潜像現像用トナー及び当該静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供することである。【解決手段】本発明は、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、前記外添剤が、無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを含有し、前記無機粒子の個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつ前記無機粒子のモース硬度が8以上であり、前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用トナー及び画像形成方法に関する。より詳細には、本発明は、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、画像濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れた静電潜像現像用トナー及び当該静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、感光体のクリーニング性の観点から、滑剤が必要となる場合がある。特に一般的なオフィスで用いる場合などは、コストの観点から、滑剤塗布機構をプロセスとして設けるのでなく、滑剤をトナーに添加する場合が多い。このとき、滑剤はトナーを介して、感光体上に塗布されることとなるため、均一に塗布することが難しい。具体的には、脂肪酸金属塩粒子などの滑剤は他の外添剤に比べて粒径が大きく、トナーから脱離しやすい。また、滑剤はプラスの帯電性を帯びやすいことから、負帯電性のトナーに対しては、非画像部に塗布されやすくなる。
また、感光体表面上で滑剤が均一に塗布されないと、滑剤の濃度の高い部分と低い部分とで、画像濃度に差が生じるという問題がある。特に、帯電ローラーを用いた帯電方式では、一般的に感光体表面の滑剤が分解されやすいため、画像濃度差が顕著に生じるという問題がある。
そこで、従来のトナーでは、粒径の大きい滑剤と、粒径の小さい滑剤とを組み合わせることで、滑剤の感光体上への塗布状態をコントロールする試みがなされている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、市場からの画像濃度差低減の要望を十分満足するものではなかった。
特開2014−228763号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、出力画像に濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れた静電潜像現像用トナー及び当該静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討した結果、トナーに、外添剤として、所定の個数平均粒径の範囲内であり、かつ所定のモース硬度以上の無機粒子と、所定の個数平均粒径の範囲内である脂肪酸金属塩粒子とを含有させることで、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、出力画像に濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段により解決される。
1.表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
前記外添剤が、無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを含有し、
前記無機粒子の個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつ前記無機粒子のモース硬度が8以上であり、
前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
2.前記無機粒子が、アルミナ粒子であることを特徴とする第1項に記載の静電潜像現像用トナー。
3.前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸リチウム粒子及びステアリン酸カルシウム粒子より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用トナー。
4.前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電潜像現像用トナー。
5.前記無機粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されており、
前記シランカップリング剤は下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
一般式(1): X−Si(OR)
〔上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜8のアルキル基を表す。Rは、メチル基又はエチル基を表す。〕
6.前記無機粒子の個数平均粒径が、10〜30nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
7.第1項に記載の静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法において、感光体に接触するように設けられた帯電ローラーによって感光体表面を帯電させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、出力画像に濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れた静電潜像現像用トナー及び当該静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構は以下のとおりであると推察している。
一般的に、滑剤である脂肪酸金属塩粒子は他の外添剤粒子に比べて粒径が大きいことから、トナーから脱離しやすく、感光体表面上の非画像部に塗布されやすい傾向があり、画像部と非画像で塗布量に差が生じる。このことにより、例えば、ハーフトーンの画像を出力した際に、感光体表面上の滑剤塗布量の差に起因して、出力画像に濃度差が生じる。
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、単にトナーともいう。)は、外添剤として、個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつモース硬度が8以上の無機粒子と、個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内の脂肪酸金属塩粒子と、を含有する。理由は定かではないが、個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内の脂肪酸金属塩粒子は、トナー母体粒子に押し込まれやすく、かつトナー母体粒子から脱離しにくくなるため、脂肪酸金属塩粒子が、感光体表面上に、トナー母体粒子とともに均一に塗布され、画像濃度差を軽減できるものと推察される。
また、モース硬度の高い無機粒子は、トナー母体粒子よりもとても硬いので、外添時にトナー母体粒子に対して埋まりやすく、さらに、脂肪酸金属塩粒子が同一トナー混合系内に存在する場合に、当該無機粒子が脂肪酸金属塩を効率的にトナー母体粒子へ埋め込む効果が発揮されると推察される。そして、これにより、脂肪酸金属塩粒子が、トナー母体粒子から脱離しにくくなり、感光体表面上にトナー母体粒子とともに均一に塗布されやすくなるので、画像濃度差を軽減できるものと推察される。
また、個数平均粒径が50nm以下の小径の無機粒子は、脂肪酸金属塩粒子よりも個数平均粒径が8倍以上も小さいので、脂肪酸金属塩粒子一つを複数の無機粒子で押圧することになり、より効率的に脂肪酸金属塩粒子をトナー母体粒子に押し込むことができたと推察される。また、無機粒子の個数平均粒径を10nm以上とすることで、当該無機粒子が脂肪酸金属塩を押し込む作用を十分に得られたものと推察される。
画像形成装置の一例を示す概略図
本発明の静電潜像現像用トナーは、表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、前記外添剤が、無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを含有し、前記無機粒子の個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつ前記無機粒子のモース硬度が8以上であり、前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、下記実施態様に共通する又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記無機粒子が、アルミナ粒子であることが好ましい。トナー母体粒子と無機粒子との硬度差が大きいほど、当該無機粒子は当該トナー母体粒子に埋没しやすく、固定化しやすいという利点がある。アルミナ粒子は、モース硬度が高く、トナー母体粒子との硬度差が大きくなるため、好ましく用いられる。
本発明の実施態様としては、延展性の観点から、前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸リチウム粒子及びステアリン酸カルシウム粒子より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。延展性が高いことにより、感光体表面上の周方向に、より効率的に脂肪酸金属粒子の塗布が可能となる。また、これらの中でも、ステアリン酸亜鉛粒子であることがより好ましい。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記無機粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されており、前記シランカップリング剤は前記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。無機粒子表面のヒドロキシ基との反応性の観点から、無機粒子がシランカップリング剤で表面修飾されることが好ましい。ここで、前記一般式(1)で表される構造を有するシランカップリング剤において、Xは炭素数2〜8のアルキル基とすることが好ましい。炭素数8以下とすることで、未反応化合物を存在しにくくして、無機粒子を凝集させにくくすることができる。また、無機粒子と感光体表面との付着性を強くしすぎることなく、画像不良を発生しにくくすることもできる。炭素数2以上とすることで、疎水化度を高め、無機粒子の感光体への固着を防ぎ、画像不良を発生しにくくすることができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果をより有効に得る観点から、前記無機粒子の個数平均粒径が、10〜30nmの範囲内であることが好ましい。
本発明の静電潜像現像用トナーは、感光体に接触するように設けられた帯電ローラーによって感光体表面を帯電させる、帯電ローラー方式の画像形成方法にも好適に適用することができる。帯電ローラー方式を用いた画像形成においては、一般に感光体表面の滑剤が分解されやすく、画像濃度差が大きくなりやすいが、本発明の静電潜像現像用トナーを用いれば、画像濃度差を抑えることができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[静電潜像現像用トナー(トナー)]
本発明において「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。また、トナー粒子は、少なくともトナー母体粒子を含有し、トナー粒子とは、トナー母体粒子自体又は当該トナー母体粒子に、少なくとも外添剤を添加したものをいう。
<トナー母体粒子>
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂中に、必要に応じて、着色剤、離型剤(ワックス)、荷電制御剤などの他の構成成分を含有するものであることが好ましい。
また、本発明に係るトナー母体粒子表面には、外添剤が添加されている。また、当該外添剤として、少なくとも無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを用いている。
(トナー母体粒子の粒径)
本発明に係るトナー母体粒子の体積平均粒径は、4.0〜8μmの範囲であることが好ましい。画質を向上の観点ではより小径であることが好ましいが、粒径が小さいとトナー母体粒子の付着力が高まり、クリーニング性が悪化してしまう。トナー母体粒子の体積平均粒径が前記範囲内であれば、出力画像の画質とクリーニング性の両方の観点を満たし、かつ帯電、現像、転写などの機能も両立させることができる。なお、トナー母体粒子の体積平均粒径は、5〜6.7μmの範囲内であれば、上記観点においてより好ましく、ドット再現性も高まるためより高画質な画像が得られる。
トナー母体粒子の体積平均粒径は、体積基準メディアン径(D50)として、例えば、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて、前述と同様に測定、算出することができる。測定手順としては、トナー粒子0.02gを、界面活性剤溶液20mLに分散させ、馴染ませた後超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を作製する。前記界面活性剤溶液としては、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈したものを用いるとよい。このトナー粒子分散液を、ISOTONII(ベックマン・コールター社製)のビーカーに測定濃度5〜10%になるまで滴下していき、測定機カウントを25000個に設定して測定する。ここで、マルチサイザー3のアパチャー径は100μmのものを使用する。測定は、2〜60μmの範囲を256分割しての頻度数を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50)として得て、トナー母体粒子の体積平均粒径とする。
(トナー母体粒子の円形度)
本発明に用いるトナー母体粒子の円形度は、下記数式1で示される平均円形度が0.920〜1.000であることが好ましい。トナー母体粒子の円形度が前記範囲内であれば、トナー粒子同士の接触点が小さくなり、十分な転写効率を得ることができる。
(式1) トナー母体粒子の平均円形度=(トナー母体粒子の粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(トナー母体粒子の粒子投影像の周囲長)
上記トナー母体粒子の平均円形度を求める測定例としては、平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いた測定が挙げられる。具体的な操作としては、トナー母体粒子を界面活性剤水溶液に湿潤させ、超音波分散を1分間行って分散した後、「FPIA−2100」を用い測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で測定を行う。
(コア・シェル構造)
トナー母体粒子はコア・シェル構造であることが好ましい。コア・シェル構造を有するトナー母体粒子の製造例を挙げると、まず、コア粒子用の結着樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集、会合、融着させ、コア粒子を作製する。続いて、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂粒子を添加し、コア粒子表面にシェル層用の結着樹脂粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することで、得ることができる。
<結着樹脂>
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂として、非晶性樹脂と結晶性樹脂とを含有することが好ましい。
本発明における結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC:Differential scanning calorimetry)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には示差走査熱量測定において、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークをいう。
一方、非晶性樹脂とは、上記と同様の示差走査熱量測定を行った際に得られる吸熱曲線において、ガラス転移が生じたことを示すベースラインのカーブは見られるが、上述した明確な吸熱ピークが見られない樹脂のことをいう。
上記示差走査熱量測定は、例えば、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。具体的には、試料4.50mgをアルミニウム製パン(KITNo.0219−0041)に封入し、これを「DSC−7」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得する。融点は、吸熱ピークのピークトップの温度とする。
(非晶性樹脂)
非晶性樹脂としては、ビニル系単量体を用いて形成されるビニル樹脂を用いることが好ましい。
ビニル樹脂としては、具体的には、帯電制御が容易なことから、スチレン−アクリル樹脂を用いることが好ましい。ここでいうスチレン−アクリル樹脂は、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。前記スチレン単量体は、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステル化合物やメタクリル酸エステル化合物の他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステル化合物を含むものである。
以下に、スチレン−アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例を示すが、本発明で使用されるスチレン−アクリル樹脂ユニットの形成に使用可能なものは以下に示すものに限定されるものではない。
スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
当該スチレン−アクリル樹脂の含有量は、結着樹脂の全量に対して、60質量%以上であることが好ましい。
<結晶性樹脂>
(結晶性樹脂の種類)
結晶性樹脂としては、例えば、結晶性ポリエステル樹脂及び結晶系ビニル系樹脂が挙げられる。また、特に限定されないが、低温定着性の観点からは、結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。結晶性ポリエステル樹脂としては、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂を用いることができる。
(ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂)
さらには、当該結晶性ポリエステル樹脂が、ユニットとして結晶性ポリエステル樹脂以外の非晶性樹脂を含んだハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂であることがより好ましい。前記非晶性樹脂ユニットは、結着樹脂に含まれる非晶性樹脂、すなわち、ハイブリッド樹脂以外の樹脂、と同種の樹脂で構成されると好ましい。このような形態でハイブリッド化することにより、結晶性ポリエステル樹脂と結着樹脂との親和性が高まり、ハイブリッド樹脂が非晶性樹脂中により取り込まれやすくなる。その結果、水分吸着しやすい結晶性ポリエステルユニットがトナー母体内部に存在するため、吸湿によってトナー粒子同士の付着力が高まることを防ぎ、クリーニング性がより一層向上する。
ここで、「同種の樹脂」とは、繰り返し単位中に特徴的な化学結合が共通に含まれていることを意味する。ここで、「特徴的な化学結合」とは、物質・材料研究機構(NIMS)物質・材料データベース(http://polymer.nims.go.jp/PoLyInfo/guide/jp/term_polymer.html)に記載の「ポリマー分類」に従う。すなわち、ポリアクリル、ポリアミド、ポリ酸無水物、ポリカーボネート、ポリジエン、ポリエステル、ポリハロオレフィン、ポリイミド、ポリイミン、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリフェニレン、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリスチレン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリウレア、ポリビニル及びその他のポリマーの計22種によって分類されたポリマーを構成する化学結合を「特徴的な化学結合」という。
(結晶性樹脂の含有量)
本発明に係るトナー母体粒子が含有する結晶性樹脂の含有量は、1〜30質量の範囲内であることが好ましい。結晶性樹脂のトナー母体粒子中における含有量が1質量%以上であれば、好適に効果を発現することができる。また、結晶性樹脂のトナー母体粒子中における含有量が、30質量%以下であれば、トナーの熱凝集(ブロッキング)の発生を回避することができる。
<着色剤>
本発明のトナー母体粒子が含有する着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤としてはカーボンブラック、磁性粉のほか、各種有機、無機の顔料、染料等が使用できる。着色剤の添加量はトナー粒子に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲内とすることが好ましい。
<離型剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、離型剤を添加することができる。離型剤としては、ワックスが好ましく用いられる。ワックスとしては、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス類、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、クエン酸ベヘニルなどのエステルワックス類などが挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、上記ワックスの融点は、トナーの低温定着性及び離型性を確実に得る観点から、その融点が50〜95℃であることが好ましい。ワックスの含有割合は、結着樹脂全量に対して2〜20質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは3〜18質量%の範囲内であり、更に好ましくは4〜15質量%の範囲内である。
<荷電制御剤>
本発明に係るトナー母体粒子には、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、種々の公知のものを使用することができる。荷電制御剤としては、水系媒体中に分散することができる公知の種々の化合物を用いることができ、具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又はその金属錯体などが挙げられる。荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂全量に対して0.1〜10質量%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲内である。
<外添剤>
本発明に係るトナー母体粒子表面には、外添剤として、無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを含有する。脂肪酸金属塩粒子は、クリーニング性や転写性をさらに向上させる滑剤としての機能を有する。
<無機粒子>
本発明に係るトナー粒子は、外添剤として、個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつ前記無機粒子のモース硬度が8以上である、無機粒子を含有する。
本発明のトナーでは、モース硬度が8以上の硬い無機粒子を含有する。当該無機粒子は、トナー母体粒子よりもとても硬いので、外添時にトナー母体粒子に対して埋まりやすく、さらに、脂肪酸金属塩粒子が同一トナー混合系内に存在する場合に、当該無機粒子が脂肪酸金属塩を効率的にトナー母体粒子へ埋め込む効果が発揮されると推察される。そして、これにより、脂肪酸金属塩粒子が、トナー母体粒子から脱離しにくくなり、感光体表面上にトナー母体粒子とともに均一に塗布されやすくなるので、画像濃度差を軽減できるものと推察される。
(無機粒子の粒径)
無機粒子の個数平均粒径は、トナー母体粒子に高い付着力で固定化できるという観点から、10〜50nmの範囲内であり、より好ましくは10〜30nmの範囲内である。個数平均粒径が50nm以下の小径の無機粒子は、脂肪酸金属塩粒子よりもとても小さいので、脂肪酸金属塩粒子一つを複数の無機粒子で押圧することになり、より効率的に脂肪酸金属塩粒子をトナー母体粒子に押し込むことができたと推察される。また、無機粒子の個数平均粒径を10nm以上とすることで、当該無機粒子が脂肪酸金属塩を押し込む作用を十分に得られたものと推察される。
(個数平均粒径の測定方法)
本発明に係る無機粒子の個数平均粒径は、下記方法で測定できる。
走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)を用いて、5万倍に拡大したSEM写真を撮影し、当該SEM写真を画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて2値化処理し、無機粒子100個についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値を個数平均粒径とする。
(モース硬度と無機粒子の種類)
モース硬度は、F.Mohsにより案出されたもので、次の10種の鉱物を選定し、これで順次ひっかいて傷がつけば、その鉱物よりも硬さが低いとする。鉱物は硬度の低い順から1:滑石、2:石膏、3:方解石、4:蛍石、5:リン灰石、6:正長石、7:水晶、8:黄玉、9:鋼玉、10:ダイヤモンドである。
本発明に係る無機粒子としては、例えば、アルミナ(モース硬度:8〜9)、炭化ケイ素(モース硬度:9)及びそれらの表面修飾品などが挙げられる。これらのうち、コストの観点から、アルミナが好ましい。また、モース硬度が8以上であれば、その効果には大きく差はない。
(疎水化処理)
無機粒子の表面は、疎水化処理されていることが好ましく、疎水化度は40以上であることが好ましい。また疎水化処理された際の表面修飾剤の遊離率は0であることが好ましい。遊離した表面修飾剤が存在すると、それがキャリアに移行し帯電量変動が大きくなるためである。
表面修飾は、公知の表面修飾方法を用いることができ、例えば、乾式法又は湿式法を使用することができる。また、表面修飾剤としては、後述する公知のシランカップリング剤等を用いることができる。
乾式法においては、流動層反応器内で原料となる粒子と、疎水化処理剤とを撹拌又は混合することが好ましい。また、湿式法においては、以下の手順を行うことが好ましい。すなわち、原料となる粒子を溶剤中に分散させて原料となる粒子のスラリーを形成し、次いで、このスラリーに疎水化処理剤を加えて、原料となる粒子表面を変性(疎水化)させることが好ましい。このとき、原料となる粒子と疎水化処理剤は、100〜200℃の範囲で0.5〜5時間加熱することが好ましい。このような加熱処理によって、原料となる粒子表面のシラノール基を効果的に修飾することができる。また、処理剤(表面修飾剤)の量は、特に制限されないが、原料となる粒子100質量部に対して5〜30質量部であると好ましく、8〜20質量部であるとより好ましい。
疎水化処理剤は、1種でもそれ以上でもよく、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物及びロジン酸などの公知のものを用いることができるが、無機粒子表面のヒドロキシ基との反応性の観点から、シランカップリング剤が好ましい。上記シランカップリング剤の例には、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びデシルトリメトキシシランが挙げられる。
また、特に、シランカップリング剤は下記一般式(1)で表される構造を有することが好ましい。
一般式(1): X−Si(OR)
上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜8のアルキル基を表す。Rは、メチル基又はエチル基を表す。
Xを炭素数8以下のアルキル基とすることで、未反応化合物を存在しにくくして、無機粒子を凝集させにくくすることができる。また、無機粒子と感光体表面との付着性を強くしすぎることなく、画像不良を発生しにくくすることもできる。また、Xを炭素数2以上のアルキル基とすることで、疎水化度を高め、無機粒子の感光体への固着を防ぎ、画像不良を発生しにくくすることができる。
(疎水化度の測定方法)
疎水化度は粉体濡れ性試験機(WET−101P;株式会社レスカ製)を用いて、次のように測定を行い求めることができる。以下、アルミナ粒子の疎水化度を測定した例を説明する。
実験室環境下、200mLのトールビーカーに長さ20mmのスターラーチップと25℃のイオン交換水60mLとを入れ、粉体濡れ性試験機(WET−101P;株式会社レスカ製)にセットする。イオン交換水の上にアルミナ粒子50mgを浮かべ、すぐに蓋とメタノール供給ノズルをセットし、スターラー撹拌開始と同時に測定を開始する。メタノール(メタノール 特級;関東化学株式会社製)の供給速度は2.0mL/分、測定時間は70分とする。また、スターラーの撹拌速度は、380〜420rpmとする。アルミナ粒子は、最初はイオン交換水の界面に浮いているが、メタノール濃度が上昇するにつれて、徐々にイオン交換水とメタノールとの混合液に濡れて液体中に分散する。これにより、液体の光透過率が徐々に低下する。得られたデータから、横軸にメタノールの供給量(mL)から計算されるメタノール濃度(vol%)、縦軸に光透過率(電圧比)(%)をプロットし、光透過率が最大値と最小値の中間となるときのメタノール濃度を「疎水化度」とする。
(アルミナ粒子の製造方法)
アルミナとは、Alで表される酸化アルミニウムをさすものであり、α型、γ型、σ型、またその混合体等の形態が知られており、形状としてもその結晶系の制御によって立方形状のものから球状のものまである。
アルミナ粒子は、公知の方法により作製することができる。アルミナ粒子を作製する方法としては、バイヤー法が一般的であるが、高純度かつナノサイズのアルミナ粒子を得るために、加水分解法(住友化学製)、気相合成法(シーアイ化成製)、火炎加水分解法(日本アエロジル製)、水中火花放電法(岩谷化学工業製)等が挙げられる。
アルミナ粒子の形状は、既存の溶射技術を基本とし、水素、天然ガス、アセチレンガス、プロパンガス、ブタン等の燃料ガスとで形成された高温火炎中に原料粉末を投入し、溶融球状化させることによって制御することができる。
また、アルミナ原料粉末を火炎中に投入するときの供給方法は、キャリアガスに酸素、空気、窒素、アルゴン等を用いる乾式の方法を用いてもよく、水、メタノール、エタノール等を分散媒としたスラリーを用いた湿式の方法でもよい。
その製造装置の一例は、球状化炉と、その炉に接続された捕集装置とを基本構成としているものである。球状化炉で製造された球状アルミナ粉末は、ブロワー等にて空気輸送され捕集装置で回収される。球状化炉本体と輸送配管等は水冷ジャケット方式で水冷されていることが好ましい。捕集装置としては、サイクロン、重力沈降、ルーバー、バグフィルター等が用いられる。捕集温度は、可燃ガスの量による発熱量とブロワーの吸引量によって決定され、その調整は冷却水量や、ライン内に設けられた外気の取り入れ量等で行われる。
アルミナ粒子の形状及び粒径は、反応条件、例えば、火炎温度、水素若しくは酸素の含有率、アルミナ原料粉末の品質、火炎中での滞留時間、又は凝集ゾーンの長さによって変更することができる。
<脂肪酸金属塩粒子>
本発明に係るトナー母体粒子の表面には、外添剤として、脂肪酸金属塩粒子を含有する。当該脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、0.4〜2.0μmの範囲内である。個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内の脂肪酸金属塩粒子は、トナー母体粒子に押し込まれやすく、かつトナー母体粒子から脱離しにくいため、本発明の効果が有効に得られたものと推察される。
また、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径の測定方法は、上述した無機粒子の個数平均粒径の測定方法と同様の方法で行うことができる。
脂肪酸金属塩粒子としては、公知の脂肪酸金属塩粒子を用いることができるが、延展性の観点から、モース硬度が2以下である脂肪酸金属塩粒子を用いることが好ましい。脂肪酸金属塩粒子の金属としては、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウムから選ばれる金属が好ましい。
また、本発明に係る脂肪酸金属塩粒子としては、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸リチウム粒子及びステアリン酸カルシウム粒子より選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。また、これらの中でも、ステアリン酸亜鉛粒子であることがより好ましい。
また、脂肪酸金属塩粒子の脂肪酸としては、炭素数12以上22以下の高級脂肪酸が好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いると遊離脂肪酸の発生を抑えることができ、また、脂肪酸の炭素数が22以下であれば、脂肪酸金属塩粒子の融点が高くなりすぎず、良好な定着性を得ることができる。脂肪酸としては、ステアリン酸が特に好ましく、本発明に用いられる脂肪酸金属塩粒子としては、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸カルシウム粒子、ステアリン酸リチウム粒子及びステアリン酸マグネシウム粒子が好ましく、これらのうちステアリン酸亜鉛粒子であることがより好ましい。これらの脂肪酸金属塩粒子は2種以上併用してもよい。
<その他の外添剤>
本発明に係るトナーの外添剤としては、前述の無機粒子や脂肪酸金属塩粒子の他にも、その他の外添剤として、公知の無機粒子や有機粒子などを用いることができる。
使用する外添剤は、1種でもそれ以上でもよく、特に粒径の異なる外添剤2種以上を用いることが好ましい。粒径が異なると外添剤としての役割は異なり、一般に、大径であるほどスペーサー効果を発揮してトナー同士の付着力を低下させ、小径であるほどトナー母体粒子の表面を被覆しやすいため流動性を底上げすることができる。また、形状に関しては、球状の外添剤だけではなく、ルチル型酸化チタンに代表される針状のものの他、不定形状、紡錘形状、金平糖状のものなど、制限なく用いることができる。
その他の外添剤に用いる前記無機粒子の例には、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子及び酸化ホウ素粒子が挙げられる。これらの中でも、シリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸ストロンチウムなどの粒子が好ましい。上記無機粒子は、その表面が疎水化処理されていることが好ましく、当該疎水化処理には、公知の表面修飾剤が用いられる。当該表面修飾剤は、1種でもそれ以上でもよく、その襟には、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物及びロジン酸が挙げられる。
上記シランカップリング剤の例には、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びデシルトリメトキシシランが挙げられる。上記シリコーンオイルの例には、環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンなどが含まれ、より具体的には、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、及び、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、が挙げられる。
その他の外添剤に用いる前記有機粒子としては、個数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機粒子が挙げられる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機粒子を使用することができる。
(酸化チタン粒子)
本発明に係るトナーには、外添剤として、個数平均粒径から求めた平均アスペクト比が2〜15、より好ましくは5〜13の酸化チタン粒子を0.10〜0.80質量%含有することが好ましい。前述のような高いアスペクト比を持つ酸化チタン粒子を外添剤として用いることで、トナー被覆率を稼ぐことができ、またトナー母体との接触面積が大きいため、トナーから脱離しにくく、印刷条件に寄らずトナーの表面状態を良好に保つことができる。
また、酸化チタン粒子の平均アスペクト比は、個数平均長径及び短径を用いて(長径/短径)求めることができる。個数平均長径及び短径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)を用いた得た電子顕微鏡写真において、酸化チタン粒子の粒径を測定し、n=20の平均値として求めることができる。また、酸化チタンの結晶構造としては、ルチル型が好ましい。ルチル型酸化チタンはアナターゼ型に比べ焼成温度が高く表面のヒドロキシ基が少ない。このことから、水分吸着によるトナー粒子同士の付着力の増加を防ぐことができる。
(シリカ粒子)
本発明に係るトナーには、外添剤として、シリカ粒子を含有することも好ましい。
シリカ粒子の製造方法としては、公知の製造方法、すなわち燃焼法、アーク法、溶融法などの乾式法によるもの、沈降法、ゲル法、ゾル・ゲル法などの湿式法などによるものが挙げられる。また、シリカ化合物を用いる際は、特に制限はないが、異なる平均粒径のシリカ化合物を3〜4種類程度混合して用いることが好ましい。より小さい粒径のシリカ化合物はトナーの流動性に寄与し、より大きい粒径のシリカ化合物は、より小さい粒径のシリカ化合物を外力から保護する役割を担うためである。例えば、粒径5〜18nm、20〜40nm、70〜90nm、100〜140nmのシリカ化合物を混合して用いることができる。混合比も特に制限はなく適宜調整して用いればよいが、例えば、粒径の異なるシリカ化合物をトナー母体粒子に対してそれぞれ0.05〜1.0質量%使用することができる。
<二成分現像剤>
二成分現像剤は、トナー粒子の含有量(トナー濃度)が4.0〜8.0質量%となるように、トナー粒子とキャリア粒子とを適宜に混合することによって得ることができる。当該混合に用いられる混合装置の例には、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機等が挙げられる。
<キャリア粒子>
本発明に係るキャリア粒子は、磁性体により構成される。当該キャリア粒子の例には、当該磁性体からなるキャリアコア(芯材粒子)と、その表面を被覆するキャリアコート樹脂(被覆材)の層とを有する被覆型キャリア粒子、及び、樹脂中に磁性体の微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子が挙げられる。当該キャリア粒子は、感光体へのキャリア粒子の付着を抑制する観点から、被覆型キャリア粒子であることが好ましい。
<キャリアコア(芯材粒子)>
芯材粒子は、磁性体、例えば、磁場によってその方向に強く磁化する物質、によって構成される。当該磁性体は、1種でもそれ以上でもよく、その例には、鉄、ニッケル及びコバルトなどの強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金若しくは化合物、及び、熱処理することにより強磁性を示す合金、が挙げられる。
上記強磁性を示す金属又はそれを含む化合物の例には、鉄、下記式(a)で表されるフェライト、及び、下記式(b)で表されるマグネタイト、が挙げられる。下記式(a)及び式(b)中のMは、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd及びLiの群から選ばれる1種以上の1価又は2価の金属を表す。
式(a):MO・Fe
式(b):MFe
また、上記熱処理することにより強磁性を示す合金の例には、マンガン−銅−アルミニウム及びマンガン−銅−スズ等のホイスラー合金、及び、二酸化クロム、が挙げられる。
上記芯材粒子は、各種のフェライトであることが好ましい。これは、被覆型キャリア粒子の比重は、芯材粒子を構成する金属の比重よりも小さくなることから、現像器内における撹拌の衝撃力をより小さくすることができるためである。
<キャリアコート樹脂(被覆材)>
被覆材には、キャリア粒子の芯材粒子の被覆に利用される公知の樹脂を用いることができる。当該被覆材は、シクロアルキル基を有する樹脂であることが、キャリア粒子の水分吸着性を低減させる観点、及び、被覆層の芯材粒子との密着性を高める観点、から好ましい。当該シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基及びシクロデシル基が挙げられる。中でも、シクロヘキシル基又はシクロペンチル基が好ましく、被覆層とフェライト粒子との密着性の観点からシクロヘキシル基がより好ましい。樹脂の重量平均分子量Mwは、例えば10000〜800000であり、より好ましくは100000〜750000である。当該樹脂における上記シクロアルキル基の含有量は、例えば10〜90質量%である。上記樹脂中の当該シクロアルキル基の含有量は、例えば、熱分解−ガスクロマトグラフ/質量分析(Py−GC/MS)やH−NMR等によって求めることが可能である。
[静電潜像現像用トナーの製造方法]
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法などの公知の方法が挙げられる。これらの中でも、粒径の均一性、形状の制御性観点からは、乳化凝集法を採用することが好ましい。
また、乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液に貧溶媒を滴下して転相乳化を行ったのちに脱溶媒することで、樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法の一例を以下に示す。以下に示す(1)〜(6)の各工程を行うことで、トナー粒子を製造する。
(1)水系媒体中に着色剤粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)着色剤粒子の分散液と結着樹脂粒子の分散液とを混合して、着色剤粒子及び結着樹脂粒子を凝集、会合、及び融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー母体粒子を乾燥する工程
(6)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
(凝集剤)
上述した(3)の工程で用いることができる凝集剤としては、特に限定されるものではないが、金属の塩から選択されるものが好適に使用される。例えば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属の塩、例えばカルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属の塩、鉄、アルミニウムなどの三価の金属の塩などが挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガンなどを挙げることができ、これらの中で特に好ましくは二価の金属の塩である。二価の金属の塩を使用すると、より少量で凝集を進めることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
なお、上述した(2)における必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂粒子は、2層以上の多層構造を有するように製造してもよい。例えば3層構造を有する結着樹脂粒子を製造する場合、第1段重合(内層の形成)、第2段重合(中間層の形成)及び第3段重合(外層の形成)の3段階に分けて結着樹脂粒子を合成する重合反応を行うことで、製造することができる。また、ここで、第1段重合〜第3段重合のそれぞれの重合反応において、重合性単量体の組成を変更することで、組成の異なる3層構成の結着樹脂粒子を製造できる。また、例えば、第1段重合〜第3段重合のいずれかにおいて、離型剤等の適宜の内添剤を含有した状態で結着樹脂の合成反応を行うことで、適宜の内添剤を含有する3層構成の結着樹脂粒子を形成することができる。
<外添処理>
トナー母体粒子に対する外添剤混合処理は、機械式混合装置を用いることができる。機械式混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラーミキサー等が使用できる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根の回転周速を上げる等の混合処理を行えばよい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、又は外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
外添剤の混合方法は、上記機械式混合装置を用いて、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、又は、混合温度等を制御することによって外添剤の解砕度合いや付着強度を制御することができる。
[画像形成方法]
本発明の静電潜像現像用トナーは、感光体に接触するように設けられた帯電ローラーによって感光体表面を帯電させる工程を有する画像形成方法に、好適に適用することができる。帯電ローラーによって感光体表面を帯電させる工程を有する画像形成方法では、一般に感光体表面の滑剤が分解されやすく、画像濃度差が大きくなりやすいが、本発明の静電潜像現像用トナーを用いれば、画像濃度差を小さくすることができる。
以下、本発明の静電潜像現像用トナーを用いて行う好適な電子写真画像形成方法の一例を、図1に示す画像形成装置を用いて説明する。当該電子写真画像形成方法は、本発明の静電潜像現像用トナーを用いて、基材に画像を形成する。具体的には、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、前記転写工程では、静電潜像担持体(感光体ドラム413)上から中間転写体(中間転写ベルト421)上にトナー像を転写する一次転写工程と、当該中間転写体上の前記トナー像を転写材(用紙S)上に転写する二次転写工程を有することが好ましい。
図1に示す画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50及び定着装置60等を備える。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41C及び41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42及び二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414及びドラムクリーニング装置415を有する。
感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体である。感光体ドラム413の表面は、光導電性を有する。感光体ドラム413は、感光体に相当する。
帯電装置414は、感光体ドラム413に接触するように設けられた帯電ローラーによって感光体ドラム413表面を帯電させる帯電ローラー方式とすることが好ましい。帯電ローラー方式を用いた画像形成においては、一般に感光体表面の滑剤が分解されやすく、画像濃度差が大きくなりやすいが、本発明の静電潜像現像用トナーを用いれば、画像濃度差を抑えることができる。帯電装置414は、コロナ帯電器や、帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。
露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体ドラム413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモーター)とを含む。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、二成分現像剤としての上記トナーが収容されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421を感光体ドラム413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、及びベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、及び二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431A及び支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、用紙Sを定着ローラー62及び発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。
画像形成装置100は、さらに、画像読取部110、画像処理部30及び用紙搬送部50を有する。画像読取部110は、給紙装置111及びスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)があらかじめ設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置100による画像形成方法の一例を説明する。
スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411では、ポリゴンモーターのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体ドラム413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体ドラム413の外周面に照射される。こうして感光体ドラム413の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから感光体ドラム413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体ドラム413の表面の静電潜像が可視化され、感光体ドラム413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。
感光体ドラム413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、感光体ドラム413の表面に摺接するドラムクリーニングブレードを有するドラムクリーニング装置415によって除去される。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接することにより、感光体ドラム413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体ドラムごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421及び二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正及び搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
定着装置60は、発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。用紙S上のトナー画像を構成するトナー粒子は、加熱され、その内部で結晶性樹脂が速やかに融け、その結果、比較的少ない熱量で速やかにトナー粒子全体が融解し、トナー成分が用紙Sに付着する。こうして、比較的少ない熱量で速やかにトナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。こうして、高画質の画像が形成される。
なお、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426によって除去される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[無機粒子の作製]
本発明に係る無機粒子としてのアルミナ粒子は、公知の手法で製造したものを用いることができる。以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明のアルミナ粒子の製造方法は、これらに限定されるものではない。
本発明に係るアルミナ粒子の製造は、特開2012−224542号公報の記載内容を参考にして、ヨーロッパ特許第0585544号明細書の実施例1中に記載された公知バーナー装置に適合させて作製を行った。
<無機粒子1の作製>
三塩化アルミニウム(AlCl)320kg/hを、約200℃で蒸発装置中で蒸発させ、塩化物の蒸気を、窒素により、バーナーの混合チャンバー中に通過させた。ここで、気体流を水素100Nm/h及び空気450Nm/hと混合し、中央チューブ(直径7mm)を介して火炎へ供給した。その結果、バーナー温度は230℃であり、チューブの排出速度は約35.8m/sであった。水素0.05Nm/hをジャケットタイプの気体として外側チューブを介して供給した。気体は反応チャンバー中で燃焼し、下流の凝集ゾーンで約110℃まで冷却した。そこでは、アルミナ粒子の一次粒子の凝集が行われた。ここで、同時に生成される塩酸含有ガスから、得られたアルミナ粒子をフィルター又はサイクロン中で分離し、湿空気を有する粉末を約500〜700℃で処理することにより、接着性の塩化物を除去した。こうして個数平均粒径が15nmの無機粒子1を得た。また、無機粒子1のモース硬度は8であった。
アルミナ粒子の粒径は、反応条件、例えば、火炎温度、水素又は酸素の含有率、三塩化アルミニウムの品質、火炎中での滞留時間又は凝集ゾーンの長さによって変更することができる。
(表面修飾)
上記で得られた無機粒子1を反応容器に入れて、窒素雰囲気下、粉末を回転羽根で撹拌しながら、アルミナ粉体100gに対して、表面修飾剤(疎水化処理剤)であるイソブチルトリメトキシシラン20gをヘキサン60gで希釈させたものを添加し、200℃・120分加熱撹拌後冷却水で冷却し、表面修飾された無機粒子1を得た。
<無機粒子2〜4、11及び12の作製>
上記火炎温度を変更して、表Iに記載のような個数平均粒径となるようにしたこと以外は上記無機粒子1を作製した方法と同様にして、無機粒子2〜4、11及び12を作製した。
<無機粒子5の作製>
上記無機粒子1を作製した方法で、イソブチルトリメトキシシランをn−オクチルトリメトキシシランに変えたこと以外は同様にして無機粒子5を作製した。
<無機粒子6の作製>
上記無機粒子1を作製した方法で、イソブチルトリメトキシシランをデシルトリメトキシシランに変えたこと以外は同様にして無機粒子6を作製した。
<無機粒子7の作製>
上記無機粒子1を作製した方法で、イソブチルトリメトキシシランをエチルトリメトキシシランに変えたこと以外は同様にして無機粒子7を作製した。
<無機粒子8の作製>
上記無機粒子1を作製した方法で、イソブチルトリメトキシシランをトリメトキシ(メチル)シランに変えたこと以外は同様にして無機粒子8を作製した。
<無機粒子9の作製>
無機粒子9として、個数平均粒径15nmの炭化ケイ素粒子(Nanomakers社製、商品名:NM SiC 99)を使用した。
<無機粒子10の作製>
上記無機粒子1を作製した方法で、モース硬度が9となるように焼成温度条件を変更したこと以外は同様にして、無機粒子10を作製した。
<無機粒子13>
無機粒子13として、個数平均粒径が15nmの疎水性シリカ粒子(アエロジル社製、商品名:R805)を使用した。
<無機粒子14>
上記無機粒子1を作製した方法で、イソブチルトリメトキシシランをイソブチルトリエトキシシランに変えたこと以外は同様にして無機粒子14を作製した。
上記無機粒子1〜14の種類、モース硬度、個数平均粒径及び表面修飾剤を、下記表Iに示す。
また、表Iに記載のシランカップリング剤は、無機粒子の表面修飾剤である。シランカップリング剤の構造のXは、下記一般式(1)中のXのアルキル基の炭素数を表す。また、シランカップリング剤の構造のRは、下記一般式(1)中のRで表される置換基の種類を表す。
一般式(1): X−Si(OR)
(個数平均粒径の測定方法)
また、上記無機粒子及び後述する脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、下記方法で測定した。
走査型電子顕微鏡(SEM)「JSM−7401F」(日本電子社製)を用いて、5万倍に拡大したSEM写真を撮影し、当該SEM写真を画像処理解析装置「LUZEX AP」(ニレコ社製)にて2値化処理し、100個の粒子についての水平方向のフェレ径を算出し、その平均値を個数平均粒径とした。
Figure 2019158901
[脂肪酸金属塩粒子の作製]
<脂肪酸金属塩粒子1の作製>
ステアリン酸140質量部をエタノール1000質量部に投入し75℃で混合したものに対して、水酸化亜鉛50質量部をゆっくり加え、1時間混合した。その後、20℃まで冷却して生成物を取り出し、150℃で乾燥させてエタノールを除去した。得られたステアリン酸亜鉛の固形物をハンマーミルで粗粉砕し、次いでジェット気流式粉砕機「I−20ジェットミル」(日本ニューマチック社製)で微粉砕し、風力式分級機「DS−20/DS−10分級機」(日本ニューマチック社製)によりカットポイント1.4μmで分級して、個数平均粒径が1.0μmのステアリン酸亜鉛(ZnSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子1を作製した。
<脂肪酸金属塩粒子2の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製方法において、水酸化亜鉛を水酸化カルシウムに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が1.0μmのステアリン酸カルシウム(CaSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子2を作製した。
<脂肪酸金属塩粒子3の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製方法において、水酸化亜鉛を水酸化リチウムに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が1.0μmのステアリン酸リチウム(LiSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子3を作製した。
<脂肪酸金属塩粒子4の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製方法において、分級でのカットポイントを1.9μmから2.4μmに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が2.0μmのステアリン酸亜鉛(ZnSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子4を作製した。
<脂肪酸金属塩粒子5の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製方法において、分級でのカットポイントを1.9μmから0.6μmに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が0.4μmのステアリン酸亜鉛(ZnSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子5を作製した。
<脂肪酸金属塩6の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製において、分級でのカットポイントを1.9μmから3.4μmに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が3.0μmのステアリン酸亜鉛(ZnSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子6を作製した。
<脂肪酸金属塩粒子7の作製>
上記脂肪酸金属塩粒子1の作製方法において、分級でのカットポイントを1.9μmから0.5μmに変更したことの他は同様にして、個数平均粒径が0.3μmのステアリン酸亜鉛(ZnSt)よりなる脂肪酸金属塩粒子7を作製した。
上記脂肪酸金属塩粒子1〜7の種類と個数平均粒径を、下記表IIに示す。
Figure 2019158901
[着色剤粒子分散液1の調製]
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、当該溶液中に銅フタロシアニン24.5質量部を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである着色剤粒子分散液1を調製した。
[スチレンアクリル樹脂粒子分散液1の調製]
(1)第一段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、液温75℃とし、
・スチレン 584質量部
・アクリル酸n−ブチル 160質量部
・メタクリル酸 56質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱・撹拌しながら重合を行うことにより、樹脂粒子[1]の分散液を調製した。
(2)第二段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂粒子[1]42質量部(固形分換算)、マイクロクリスタリンワックス「HNP−0190」(日本精蝋社製)70質量部を、
・スチレン 239質量部
・アクリル酸n−ブチル 111質量部
・メタクリル酸 26質量部
・n−オクチルメルカプタン 3質量部
からなる単量体溶液に80℃にて溶解させた溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱・撹拌して重合を行うことにより、樹脂粒子[2]の分散液を調製した。
(3)第三段重合
上記の樹脂粒子[2]の分散液に、さらに、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
・スチレン 380質量部
・アクリル酸n−ブチル 132質量部
・メタクリル酸 39質量部
・n−オクチルメルカプタン 6質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱・撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、結着樹脂粒子分散液1を得た。
[結晶性樹脂粒子分散液1の調製]
<結晶性樹脂粒子1の合成>
ポリエステル重合セグメントの材料として、多価カルボン酸化合物のセバシン酸(分子量202.25)220質量部と、多価アルコール化合物の1,12−ドデカンジオール(分子量202.33)298質量部を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した反応容器に入れ、160℃に加熱し、溶解させた。その後、2−エチルヘキサン酸スズ(II)2.5質量部、没食子酸0.2質量部を加えて210℃に昇温し、8時間反応を行った。さらに8.3kPaにて1時間反応を行い、結晶性樹脂1を得た。
得られた結晶性樹脂1は示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」((株)パーキンエルマー社製)を用い、昇温速度10℃/minの条件でDSC曲線を取得した。吸熱ピークトップ温度を測定する手法による融点(Tm)の測定結果は82.8℃であり、また、GPC「HLC−8120GPC」(東ソー社製)による分子量を測定の結果、標準スチレン換算の重量平均分子量Mwは28000であった。
<結晶性樹脂粒子分散液1の作製>
上記結晶性樹脂1を100質量部、酢酸エチル400質量部に溶解させた。次いで、5.0質量%の水酸化ナトリウム水溶液25質量部を添加して、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液を、撹拌装置を有する容器へ投入し、樹脂溶液を撹拌しながら、0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部を30分間かけて滴下混合した。ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の滴下途中、反応容器内の液が白濁し、さらに、ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を全量滴下後、樹脂溶液粒子を均一に分散させた乳化液が調製された。次いで、上記乳化液を40℃に加熱し、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用して、150hPaの減圧下で酢酸エチルを蒸留除去することにより、結晶性ポリエステル樹脂よりなる結晶性樹脂粒子分散液1を得た。
[トナー母体粒子1の作製]
(凝集・融着工程)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた反応容器に、結着樹脂粒子分散液1の分散液300質量部(固形分換算)と、結晶性樹脂粒子分散液1の分散液60質量部(固形分換算)と、イオン交換水1100質量部と、着色剤粒子分散液1の40質量部(固形分換算)とを仕込み、液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま凝集し粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40質量部をイオン交換水160質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、熟成工程として液温度80℃にて1時間にわたって加熱撹拌することにより粒子間の融着を進行させ、これにより、トナー母体粒子1の分散液を調製した。
(洗浄・乾燥工程)
生成したトナー母体粒子1の分散液をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40+M」((株)松本機械製作所製)で固液分離し、トナー母体粒子1のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」((株)セイシン企業製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子1を作製した。
なお、上記方法で得られたトナー母体粒子1中の結晶性樹脂の含有量は15質量%であり、この値は下記式により算出できる。なお、各材料の質量は固形分換算した値である。
トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量(質量%)=結晶性樹脂量/(スチレンアクリル樹脂量+結晶性樹脂量+着色剤量)×100
同様に、スチレンアクリル樹脂含有量(質量%)は、下記式により算出する。各材料の質量は固形分換算した値である。
トナー母体粒子中のスチレン−アクリル樹脂含有量(質量%)=スチレンアクリル樹脂量/(スチレンアクリル樹脂量+結晶性樹脂量+着色剤量)×100
例えば、トナー母体粒子1の場合、結晶性樹脂含有量は、
60/(300+60+40)×100=15%
スチレンアクリル樹脂含有量は、
300/(300+60+40)×100=75%
として、それぞれ算出することができる。
[トナーの作製]
<トナー1の作製>
上記のようにして作製した「トナー母体粒子1」に、
・シリカ粒子1(HMDS処理、個数平均一次粒子径=110nm)
0.4質量%
・無機粒子1 2.0質量%
・脂肪酸金属塩粒子1 0.2質量%
を添加した。次いで、ヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業(株)製)に添加し、羽根先端周速が50m/sとなるようにして回転数を設定して20分間撹拌し、トナー母体粒子1からなる「トナー1」を作製した。
また、外添剤混合時の品温は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で冷却水を流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
<トナー2〜20の作製>
下記表IIIに記載したように、添加する無機粒子及び脂肪酸金属塩粒子の種類を変更したこと以外はトナー1と同様にして、トナー2〜20を作製した。
[キャリア粒子の作製]
(キャリア芯材粒子1の作製)
MnO:35mol%、MgO:14.5mol%、Fe:50mol%及びSrO:0.5mol%になるように原料を秤量し、水と混合した後、湿式のメディアミルで5時間粉砕してスラリーを得た。
得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、950℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。直径0.3cmのステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに直径0.5cmのジルコニアビーズを用いて4時間粉砕した。バインダーとしてPVAを固形分に対して0.8質量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1350℃、5時間保持し、本焼成を行った。
その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、キャリア芯材粒子1を得た。キャリア芯材粒子1の粒径は35μmであった。
(芯材被覆用樹脂1の作製)
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸メチルを「質量比=5:5」(共重合比)で添加し、単量体総量の0.5質量%にあたる量の過硫酸カリウムを添加して乳化重合を行い、スプレードライで乾燥することで、「被覆材1」を作製した。得られた被覆材1における重量平均分子量は50万であった。
(キャリア粒子1の作製)
水平撹拌羽根付き高速撹拌混合機に、芯材粒子として上記で準備した「キャリア芯材粒子1」100質量部と、「被覆材1」を4.5質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌した後、120℃で50分混合して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に被覆材を被覆させて、「キャリア粒子1」を製造した。
[現像剤の作製]
<現像剤1の作製>
上記のようにして作製したトナー1と、キャリア粒子1を、トナー濃度が6.5質量%となるようにして混合し現像剤1を作製し以下の評価を行った。混合機は、V型混合機を用いて30分間混合した。
<現像剤2〜20の作製>
表IIIに記載したようにトナー1をトナー2〜20に変更したこと以外は現像剤1と同様にして、現像剤2〜20を作製した。
<評価方法>
(1)画像濃度差の評価
市販のカラー複合機「bizhub C658」(コニカミノルタ社製)に上記各トナー及び現像剤を充填し、常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)で、A4版の上質紙(65g/m)上にテスト画像として、縦に2分割した際の右半分がベタ(画像部)、左半分が白字部(非画像部)となる画像を1000枚連続で印刷した。その後、全面がハーフトーンとなる画像を出力し、1000枚印刷時の画像部(右半分)に相当する部分5点と、非画像部(左半分)に相当する5点との濃度を、マクベス反射濃度計「RD907」(マクベス社製)で計測した。そして、以下の式により最大画像濃度差を算出した。
最大濃度差=(「耐久時の帯部に相当する部分5点の画像濃度のうち最も画像濃度が大きい点における画像濃度」−「非帯部に相当する部分の画像濃度」)
そして、算出した最大画像濃度差が0.10以下を実用可能と判断して、合格とした。なお、画像濃度は絶対濃度である。
(2)感光体のクリーニング性の評価
市販のカラー複合機「bizhub C658」(コニカミノルタ社製)を用いて、所定の温度・湿度環境(温度30℃、湿度80%RH)で、A4版の上質紙(65g/m)上にテスト画像として、印字率25%の縦帯を10000枚連続印刷した。その後、全面ベタ画像を出力し、白く印刷方向に抜ける筋を目視にてカウントした。評価は、当該筋が10個以下のものを実用可能判断し、合格とした。
Figure 2019158901
<まとめ>
上記の結果表より、本発明のトナーは、静電潜像現像用トナーを用いて電子写真画像を形成する際に、画像濃度差が生じにくく、かつ感光体のクリーニング性能に優れていることが分かった。一方で、比較例のトナーは、いずれかの項目について劣っていた。
100 画像形成装置
30 画像処理部
40 画像形成部
50 用紙搬送部
60 定着装置
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
42 中間転写ユニット
421 中間転写ベルト(中間転写体)
110 画像読取部

Claims (7)

  1. 表面に外添剤を有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用トナーであって、
    前記外添剤が、無機粒子と、脂肪酸金属塩粒子とを含有し、
    前記無機粒子の個数平均粒径が10〜50nmの範囲内であり、かつ前記無機粒子のモース硬度が8以上であり、
    前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が0.4〜2.0μmの範囲内であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 前記無機粒子が、アルミナ粒子であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
  3. 前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子、ステアリン酸リチウム粒子及びステアリン酸カルシウム粒子より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
  4. 前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 前記無機粒子が、シランカップリング剤により表面修飾されており、
    前記シランカップリング剤は下記一般式(1)で表される構造を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
    一般式(1): X−Si(OR)
    〔上記一般式(1)中、Xは炭素数2〜8のアルキル基を表す。Rは、メチル基又はエチル基を表す。〕
  6. 前記無機粒子の個数平均粒径が、10〜30nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
  7. 請求項1に記載の静電潜像現像用トナーを用いた画像形成方法において、感光体に接触するように設けられた帯電ローラーによって感光体表面を帯電させる工程を有することを特徴とする画像形成方法。
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