JP2016224367A - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、高温保存性および帯電均一性に優れるトナーを提供する。
【解決手段】ハイブリッド結晶性樹脂を含む結着樹脂と特定の結晶核剤とを含有するトナー母体粒子を構成する。ハイブリッド結晶性樹脂は、例えばグラフト共重合体であり、非結晶性樹脂ユニットの主鎖(幹)と結晶性ポリエステル樹脂ユニットの側鎖(枝)とを有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電潜像現像用のトナーおよびその製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成方法では、例えば、着色剤を含むトナー粒子と、当該トナー粒子を撹拌、搬送するためのキャリア粒子とを含有する二成分現像剤(トナー)が用いられている。当該画像形成方法では、画像形成の高速化や環境への負荷の低減などの目的で、定着時の熱エネルギーの低減が求められている。そのため、トナー粒子には低温定着化が求められており、そのために、シャープメルト性に優れる結晶性ポリエステルなどの結晶性樹脂を結着樹脂に配合することが一般に知られている。
たとえば、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを含有する結着樹脂では、当該結着樹脂の温度が、例えば定着時の加熱により結晶性ポリエステルの融点を超えると、結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の結晶部分が融解する。その結果、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とが相溶して、トナー粒子の低温定着化が実現される。しかしながら、上記トナー粒子では、その製造時の反応温度にて上記の両樹脂の相溶が進行してしまい、トナー粒子が柔らかくなり、その結果、トナーの保存性が不十分となることがある。
上記の製造時の相溶化を抑制するための対策の一つとして、結着樹脂の融点よりも高い融点を有する結晶核剤が導入された樹脂を含有する結着樹脂が知られている。このようなトナーには、例えば、結着樹脂と、モノエステル化合物からなる化合物Aと、ジエステル化合物およびトリエステル化合物から選択される少なくとも1種からなる化合物Bと、結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用のトナーが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−105128号公報
トナー母体粒子への結晶核剤の導入は、結着樹脂中の結晶性樹脂の結晶化を促進する観点から有効であるが、その一方で、結晶核剤をトナー母体粒子中に均一に分散させることが難しい。このため、例えば、結晶性樹脂がトナー母体粒子の表面近傍で結晶化し、その結果、トナー粒子の帯電均一性が不十分となることがある。
本発明の目的は、低温定着性、高温保存性および帯電均一性に優れるトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂および結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーにおいて、前記結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド結晶性樹脂を含み、前記結晶核剤は、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる一以上の化合物であるトナー、を提供する。
また、本発明は、結着樹脂の粒子と結晶核剤の粒子とを水系媒体中で凝集させて生成する粒子を成長させる工程を含む、前記結着樹脂および前記結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーの製造方法において、前記結着樹脂には、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド結晶性樹脂を用い、前記結晶核剤には、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる一以上の化合物を用いるトナーの製造方法、を提供する。
本発明によれば、低温定着性、高温保存性および帯電均一性に優れるトナーを提供することができる。
本発明の実施の形態に係るトナーが使用される画像形成装置の一例の構成を模式的に示す図である。
本発明の実施の形態に係るトナーは、結着樹脂および結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーである。
上記結着樹脂は、ハイブリッド結晶性樹脂を含む。当該ハイブリッド結晶性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有する。
上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットとは、上記ハイブリッド結晶性樹脂における、結晶性ポリエステル樹脂に由来する部分を示し、上記非晶性樹脂ユニットとは、上記ハイブリッド結晶性樹脂における、結晶性を有さない樹脂(非晶性樹脂)、例えば上記結晶性ポリエステル樹脂以外の樹脂、に由来する部分を示す。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、結晶性を有するポリエステルである。当該結晶性とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを言う。当該「明確な吸熱ピーク」とは、具体的には、DSCにおいて、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。なお、半値幅が小さいほど結晶化度が高い。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、一種でもそれ以上でもよい。上記結晶性ポリエステル樹脂の融点は、トナーを十分に軟化させて十分な低温定着性を確保する観点から、55〜80℃であることが好ましく、さらに種々の特性をバランスよく向上させる観点から、75〜85℃であることがより好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂は、その融点を調整しやすい観点から好ましい。当該融点は、上記トナーにおける十分な低温定着性および優れた画像保存性の観点から、55〜80℃であることが好ましく、75〜85℃であることがより好ましい。当該結晶性ポリエステル樹脂の融点は、樹脂組成(例えばモノマーの種類)によって制御することができる。当該結晶性ポリエステルは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの脱水縮合反応による公知の合成法によって入手可能である。
上記多価カルボン酸の例には、コハク酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;それらの酸無水物;およびそれらの炭素数1〜3のアルキルエステル;が含まれる。上記多価カルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
上記多価アルコールの例には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;および、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上のアルコール;が含まれる。上記多価アルコールは、脂肪族ジオールであることが好ましい。
上記非晶性樹脂は、結晶性を実質的に有しておらず、例えばその樹脂中に非晶部を含む。当該非晶性樹脂は、一種でもそれ以上でもよい。上記非晶性樹脂の例には、ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア系樹脂、非晶性のポリエステル樹脂、および、一部が変性された変性ポリエステル樹脂、が含まれる。上記非晶性樹脂も、例えば公知の合成法によって入手可能である。
上記ビニル系樹脂は、ビニル基を有する化合物またはその誘導体を含むモノマーの重合によって生成する樹脂であり、一種でもそれ以上でもよい。上記ビニル系樹脂の例には、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂が含まれる。
上記スチレン−(メタ)アクリル系樹脂は、ラジカル重合性の不飽和結合を有する化合物のラジカル重合体の分子構造を有し、例えば、当該当該化合物のラジカル重合によって合成することが可能である。上記化合物は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、スチレンおよびその誘導体、および、(メタ)アクリル酸およびその誘導体が含まれる。
上記スチレンおよびその誘導体の例には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレンおよび3,4−ジクロロスチレンが含まれる。
上記(メタ)アクリル酸およびその誘導体の例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびメタクリル酸ジエチルアミノエチルが含まれる。
上記ハイブリッド結晶性樹脂において、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットおよび上記非晶性樹脂ユニットは、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニット同士、上記非晶性樹脂同士、あるいはこれらの樹脂同士が化学的に結合している範囲において、いずれも、連続していてもランダムに配置されていてもよい。また、上記両ユニットは、鎖状に連結されていてもよいし、一方の鎖に他方がグラフト結合していてもよい。
なお、当該化学的な結合は、例えばエステル結合であり、あるいは不飽和基の付加反応による共有結合である。上記ハイブリッド結晶性樹脂は、上記化学的な結合によって上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットおよび上記非晶性樹脂ユニットを結合させる公知の方法によって入手可能である。たとえば、上記結着樹脂は、主鎖中の樹脂ユニットを構成するためのモノマーおよび上記両反応性モノマーを重合させる工程と、得られた主鎖前駆体の存在化で、側鎖中の樹脂ユニットを構成するためのモノマーおよび結晶核剤の一方または両方を重合または反応させる工程と、を含む方法によって製造することが可能である。
さらに、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂には、スルホン酸基、カルボキシル基、ウレタン基などの置換基をさらに導入することができる。当該置換基の導入箇所は、上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットでもよいし、上記非晶性樹脂ユニットでもよい。
得られた樹脂における主鎖および側鎖の構造および量は、例えば、当該結着樹脂またはその加水分解物を核磁気共鳴(NMR)やエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI−MS)などの公知の機器分析法を利用して確認または推定することができる。
また、上記の樹脂ユニットの合成では、得られる樹脂の分子量を調整するための連鎖移動剤が当該樹脂ユニットのモノマーなどの原料にさらに含まれていてもよい。上記連鎖移動剤は、一種でもそれ以上でもよく、本実施形態の効果を奏する範囲内において、上記の目的を達成可能な量で用いられる。当該連鎖移動剤の例には、2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン、および、スチレンダイマー、が含まれる。
上記「グラフト結合」とは、幹となるポリマーへの、枝となる異なる種類のポリマー(またはモノマー)の化学的な結合を言う。上記ハイブリッド結晶性樹脂は、上記非晶性樹脂ユニットに上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットがグラフト結合した構造を有することが、トナーの所期の特性を総合的に高める観点から好ましい。当該形態のハイブリッド結晶性樹脂は、上記トナー母体粒子中における当該ハイブリッド結晶性樹脂の結晶化度を十分に高める観点から好ましい。
上記ハイブリッド結晶性樹脂における上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットおよび上記非晶性樹脂ユニットの含有量は、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、上記ハイブリッド結晶性樹脂における上記非晶性樹脂ユニットの含有量は、低すぎるとトナー母体粒子中へのハイブリッド結晶性樹脂の分散が不十分となることがあり、多すぎると低温安定性が不十分となることがある。このような観点から、当該含有量は、5〜30質量%であることが好ましく、高温保存性および帯電均一性を高める観点から5〜20質量%であることがより好ましい。
同様の観点から、上記ハイブリッド結晶性樹脂における上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットの含有量は、65〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。また、上記ハイブリッド結晶性樹脂は、本実施形態の効果が得られる範囲において、上記両ユニット以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、他の樹脂ユニットおよびトナー母体粒子へ添加されるべき各種添加剤が含まれる。
上記結晶核剤は、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる。上記結晶核剤は、一種でもそれ以上でもよい。
また、結晶核剤は、その融点が上記ハイブリッド結晶性樹脂の融点よりも高いことが好ましい。その理由は、以下のように考えられる。上記トナーにおいては、トナー母体粒子の製造時の加熱で非晶性樹脂との相溶が進行したハイブリッド結晶性樹脂が、当該トナー母体粒子の製造のより後段の工程で冷却される。この場合に、まずトナー母体粒子中の結晶核剤の結晶化が進行し、均一な結晶核が生成する。この結晶核にハイブリッド結晶性樹脂が例えば折り畳み配列して、その結晶が成長する。このため、微細で均一な結晶の形成が速やかに進行する。よって、結晶化が十分に進行することで高温での保存性が向上し、また、結晶が十分に微細であることから、十分な低温定着性が得られる、と考えられる。
たとえば、結晶核剤の融点Tccは、上記の観点から、ハイブリッド結晶性樹脂の融点Tcに比べて、2〜25℃高いことが好ましく、4〜15℃高いことがより好ましい。また、上記Tccは、上記トナーの適切な定着性の発現と結晶核剤の機能の発現とを両立させる観点から、50〜100℃であることが好ましく、65〜78℃であることがより好ましい。
上記トナー母体粒子における上記結晶核剤の含有量は、少なすぎると結晶核剤による効果が不十分となることがあり、多すぎるとトナー母体粒子の内部へのハイブリッド結晶性樹脂の取り込みが不十分となる。当該取り込みが不十分となると、トナー母体粒子の表面にハイブリッド結晶性樹脂が露出しやすくなり、その結果、上記トナーの帯電性および高温保存性が不十分となることがある。上記含有量は、結晶核剤をトナー母体粒子の内部に十分に分散させる観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましい。
また、上記結着樹脂は、上記ハイブリッド結晶性樹脂および上記結晶核剤によって実質的に構成されるが、本実施形態の効果を奏する範囲において、上記ハイブリッド結晶性樹脂および上記結晶核剤以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。当該他の成分の例には、非晶性樹脂が含まれる。当該非晶性樹脂は、一種でもそれ以上でもよい。当該非晶性樹脂には、非晶性樹脂ユニットで前述した非晶性樹脂を用いることができる。上記結着樹脂中に上記非晶性樹脂をさらに含有することは、上記トナーの高温保存性および帯電均一性の両方を高める観点から好ましく、当該非晶性樹脂がビニル系樹脂であることは、上記の観点からより好ましい。
また、上記結着樹脂が上記非晶性樹脂などの上記他の成分をさらに含有する場合には、上記結着樹脂における上記ハイブリッド結晶性樹脂の含有量が1〜30質量%であることは、低温定着性と高温保存性を高める観点から好ましく、5〜20質量%であることが当該観点からより好ましい。
上記結着樹脂における上記の各樹脂あるいは各ユニットの含有量は、例えば、NMRやメチル化反応熱分解−ガスクロマトグラフ/質量分析(P−GC/MS)などの公知の機器分析法を利用して特定し、または推定することが可能である。また、上記結晶核剤の種類および含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフ質量分析計やガスクロマトグラフ質量分析計などの公知の機器分析法を利用して特定し、または推定することが可能である。
上記トナーは、上記結着樹脂および上記結晶核剤を含有するトナー母体粒子を有する。上記トナー母体粒子は、いずれも、本実施形態の効果を奏する範囲において、結着樹脂以外の他の成分をさらに含有していてもよい。当該他の成分の例には、着色剤、離型剤および帯電制御剤が含まれる。当該他の成分は、一種でもそれ以上でもよい。
上記着色剤は、一種でもそれ以上でもよい。当該着色剤には、カラートナーの着色剤に用いられる公知の無機または有機着色剤が用いられる。当該着色剤の例には、カーボンブラック、磁性体、顔料および染料が含まれる。
上記カーボンブラックの例には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックおよびランプブラックが含まれる。上記磁性体の例には、鉄やニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、および、フェライトやマグネタイトなどの強磁性金属の化合物、が含まれる。
上記顔料の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同7、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー3、同9、同14、同17、同35、同36、同65、同74、同83、同93、同94、同98、同110、同111、同138、同139、同153、同155、同180、同181、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、同60、および、中心金属が亜鉛やチタン、マグネシウムなどであるフタロシアニン顔料、が含まれる。
上記染料の例には、C.I.ソルベントレッド1、同3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同52、同58、同63、同87、同111、同122、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179、ピラゾロトリアゾールアゾ染料、ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料、ピラゾロンアゾ染料、ピラゾロンアゾメチン染料、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93および同95が含まれる。
上記離型剤(ワックス)の例には、炭化水素系ワックスおよびエステルワックスが含まれる。当該炭化水素系ワックスの例には、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびパラフィンワックスが含まれる。また、上記エステルワックスの例には、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニルおよびクエン酸ベヘニルが含まれる。
上記帯電制御剤の例には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、および、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体、が含まれる。
上記トナー母体粒子は、その粒径および円形度の適切な制御の観点から、粉砕トナーよりも、水系媒体中で調製される重合トナーであることが好ましく、乳化会合凝集法によるトナー母体粒子であることがより好ましい。
上記トナー粒子は、例えば、上記トナー母体粒子と、その表面に存在する外添剤とを有する。トナー粒子が外添剤を含有することは、トナー粒子の流動性や帯電性などを制御する観点から好ましい。当該外添剤は、一種でもそれ以上でもよい。当該外添剤の例には、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子および酸化ホウ素粒子が含まれる。
上記外添剤は、ゾル−ゲル法で作製されたシリカ粒子を含むことがより好ましい。ゾル−ゲル法で作製されたシリカ粒子は、粒子径分布が狭いという特徴を有しているので、トナー母体粒子に対する外添剤の付着強度のバラツキを抑制する観点から好ましい。
また、上記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、70〜200nmであることが好ましい。個数平均一次粒子径が上記範囲内にあるシリカ粒子は、一般に、他の外添剤に比べて大きい。したがって、二成分現像剤においてスペーサーとしての役割を有する。よって、二成分現像剤が現像器中で撹拌されているときに、より小さな他の外添剤がトナー母体粒子に埋め込まれることを防止する観点から好ましい。また、トナー母体粒子同士の融着を防止する観点からも好ましい。
上記外添剤の個数平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡で撮影した画像の画像処理によって求めることが可能であり、例えば、分級や分級品の混合などによって調整することが可能である。
上記外添剤は、その表面が疎水化処理されていることが好ましい。当該疎水化処理には、公知の表面処理剤が用いられる。当該表面処理剤は、一種でもそれ以上でもよく、その襟には、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物およびロジン酸が含まれる。
上記シランカップリング剤の例には、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランおよびデシルトリメトキシシランが含まれる。上記シリコーンオイルの例には、環状化合物や、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンなどが含まれ、より具体的には、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、および、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、が含まれる。
また、上記シリコーンオイルの例には、側鎖または片末端や両末端、側鎖片末端、側鎖両末端などに変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルが含まれ、変性基の種類は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、アルコキシ、カルボキシル、カルビノール、高級脂肪酸変性、フェノール、エポキシ、メタクリルおよびアミノが含まれる。
上記外添剤の添加量は、トナー粒子全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
上記トナーは、一成分現像剤であれば上記トナー粒子そのものにより構成され、二成分現像剤であれば上記トナー粒子およびキャリア粒子により構成される。当該二成分現像剤におけるトナー粒子の含有量(トナー濃度)は、通常の二成分現像剤と同様でよく、例えば4.0〜8.0質量%である。
上記キャリア粒子は、磁性体により構成される。当該キャリア粒子の例には、当該磁性体からなる芯材粒子と、その表面を被覆する被覆材の層とを有する被覆型キャリア粒子、および、樹脂中に磁性体の微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子、が含まれる。上記キャリア粒子は、感光体へのキャリア粒子の付着を抑制する観点から、上記被覆型キャリア粒子であることが好ましい。
上記芯材粒子は、磁性体、例えば、磁場によってその方向に強く磁化する物質、によって構成される。当該磁性体は、一種でもそれ以上でもよく、その例には、鉄、ニッケルおよびコバルトなどの強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金もしくは化合物、および、熱処理することにより強磁性を示す合金、が含まれる。
上記強磁性を示す金属またはそれを含む化合物の例には、鉄、下記式(a)で表わされるフェライト、および、下記式(b)で表わされるマグネタイト、が含まれる。式(a)、式(b)中のMは、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、CdおよびLiの群から選ばれる一以上の1価または2価の金属を表す。
式(a):MO・Fe
式(b):MFe
また、上記熱処理することにより強磁性を示す合金の例には、マンガン−銅−アルミニウムおよびマンガン−銅−錫などのホイスラー合金、および、二酸化クロム、が含まれる。
上記芯材粒子は、各種のフェライトであることが好ましい。これは、被覆型キャリア粒子の比重は、芯材粒子を構成する金属の比重よりも小さくなることから、現像器内における撹拌の衝撃力をより小さくすることができるためである。
上記被覆材は、一種でもそれ以上でもよい。被覆材には、キャリア粒子の芯材粒子の被覆に利用される公知の樹脂を用いることができる。当該被覆材は、シクロアルキル基を有する樹脂であることが、キャリア粒子の水分吸着性を低減させる観点、および、被覆層の芯材粒子との密着性を高める観点、から好ましい。当該シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基およびシクロデシル基が含まれる。中でも、シクロヘキシル基またはシクロペンチル基が好ましく、被覆層とフェライト粒子との密着性の観点からシクロへキシル基がより好ましい。
上記シクロアルキル基を有する樹脂の重量平均分子量Mwは、例えば10,000〜800,000であり、より好ましくは100,000〜750,000である。当該樹脂における上記シクロアルキル基の含有量は、例えば10質量%〜90質量%である。上記樹脂中の当該シクロアルキル基の含有量は、例えば、P−GC/MSやH−NMRなどの公知の機器分析法を利用して求めることが可能である。
上記二成分現像剤は、上記トナー粒子と上記キャリア粒子とを適量混合することによって製造することができる。当該混合に用いられる混合装置の例には、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機が含まれる。
上記トナー粒子の大きさおよび形状は、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、上記トナー粒子の体積平均粒径は、3.0〜8.0μmであり、上記トナー粒子の平均円形度は、0.920〜1.000である。
上記トナー粒子の個数平均粒径は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。また、上記トナー粒子の個数平均粒径は、例えば、トナー粒子の製造における温度や攪拌の条件、トナー粒子の分級、トナー粒子の分級品の混合などによって調整することが可能である。
上記トナー粒子の平均円形度は、例えば、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(Sysmex社製)を用い、所定数のトナー粒子における、粒子像と同じ投影面積を持つ円の周囲長L1と、粒子投影像の周囲長L2とから、下記式から算出した円形度Cの総和を、当該所定数で除することにより求められる。上記トナー粒子の平均円形度は、例えば、トナー粒子の製造における樹脂粒子の熟成の程度や、トナー粒子の熱処理、異なる円形度のトナー粒子の混合、などによって調整することが可能である。
(式) C=L1/L2
また、上記キャリア粒子の大きさおよび形状も、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。たとえば、上記キャリア粒子の体積平均粒径は、15〜100μmである。当該キャリア粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS KA」(日本レーザー株式会社製)を用いて湿式にて測定することができる。また、上記キャリア粒子の体積平均粒径は、例えば、芯材粒子の製造条件による芯材粒子の粒径を制御する方法や、キャリア粒子の分級、キャリア粒子の分級品の混合などによって調整することが可能である。
上記トナーは、例えば、上記結着樹脂の粒子と上記結晶核剤の粒子とを水系媒体中で凝集させて生成する粒子を成長させる工程を含む方法で製造することができる。
上記の製造方法は、前述した他の成分を適当な形態で水系媒体に分散、凝集、融着させる工程をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記製造方法は、いずれも、着色剤などの他の成分が樹脂成分中に分散されているさらなる樹脂微粒子を上記水系媒体中にさらに分散させる工程と、水系媒体中の樹脂微粒子に上記第さらなる樹脂微粒子を凝集、融着させる工程と、をさらに含んでいてもよい。
さらに、上記製造方法は、いずれも、トナーの形態に応じた適当な工程をさらに含んでいてもよい。たとえば、上記製造方法は、いずれも、上記トナー母体粒子に上記外添剤を混合する工程と、上記キャリア粒子に上記トナー粒子を混合する工程との一方または両方をさらに含んでいてもよい。
上記トナーでは、結晶核剤がトナー母体粒子の内部に取り込まれやすい。これは、ハイブリッド結晶性樹脂と結晶核剤との親和性による集合による、と考えられる。上記結晶核剤は、比較的長いアルキル鎖を有している。一方で、ハイブリッド結晶性樹脂は、一般に、直鎖のアルキル鎖や直鎖状の分子構造のような、それ自身が規則性を有して互いに配置され得る分子構造を有する。両者の上記の直鎖状の分子構造は、一般に、互いに比較的高い親和性を有する。そのため、ハイブリッド結晶性樹脂が、トナー母体粒子中において、結晶核剤に接近し、トナー母体粒子の比較的中心側に配置される。
トナー母体粒子中における上記の結晶核剤およびハイブリッド結晶性樹脂の配置に係る上記の傾向は、結着樹脂が非晶性樹脂をさらに含有し、ハイブリッド結晶性樹脂が非晶性樹脂ユニットを主鎖に含む場合により顕著になる、と考えられる。
なお、上記親和性は、例えば分子構造の類似性や極性官能基間における相互作用(ファンデルワールス力や水素結合など)による、と考えられる。
上記結晶核剤は、結着樹脂の固化時にはトナー母体粒子中で速やかに結晶化し、ハイブリッド結晶性樹脂の結晶化を促進させ、結着樹脂の融解時には、ハイブリッド結晶性樹脂が速やかに融けるとともに結晶核剤も融ける。こうして、結着樹脂における結晶化の促進とシャープメルトとが実現される。
上記トナーは、そのトナー母体粒子中に、上記結晶核剤とともに上記ハイブリッド結晶性樹脂を含有することから、トナー母体粒子中への当該樹脂の取り込み性が改善される。このため、トナーの帯電均一性が良好になる。また、トナー母体粒子が結晶核剤を含有することから、ハイブリッド結晶性樹脂の結晶化が促進され。このため、製造段階における非晶性樹脂とハイブリッド結晶性樹脂との相溶によるトナー母体粒子の可塑化が抑制され、その結果、トナーの高温保管性が良好になる。
さらに、トナー母体粒子が結晶核剤を含有することから、トナー母体粒子の冷却時における結晶核の生成速度が上がる。このため、トナー母体粒子中の結晶核の数が増大し、ハイブリッド結晶性樹脂は、トナー母体粒子中でより微細で均一な結晶を生成することが可能となる。その結果、上記トナーは、シャープメルト性にも優れる。よって、通常の平滑な記録媒体のみならず、エンボス紙などの凹凸を有する記録媒体に対しても、上記トナーは、優れた低温定着性を発揮することが可能となる。
以上の説明から明らかなように、上記トナーは、結着樹脂および結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有し、当該結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド結晶性樹脂を含み、上記結晶核剤は、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる一以上の化合物である、よって、上記トナーは、低温定着性、高温保存性および帯電均一性に優れる。
また、上記ハイブリッド結晶性樹脂が、上記非晶性樹脂ユニットに上記結晶性ポリエステル樹脂ユニットがグラフト結合した構造を有することは、トナーの低温定着性、高温保存性および帯電均一性のいずれをも高める観点からより一層効果的である。
また、上記結晶核剤の融点が上記ハイブリッド結晶性樹脂の融点よりも高いことは、結着樹脂の固化を促進させる観点からより一層効果的である。
また、上記ハイブリッド結晶性樹脂における上記非晶性樹脂ユニットの含有量が5〜30質量%であることは、トナーの低温定着性および高温保存性の両方を高める観点からより一層効果的である。
また、上記結着樹脂における上記ハイブリッド結晶性樹脂の含有量が1〜30質量%であることは、トナーの帯電均一性および高温保存性を高める観点からより一層効果的である。
また結着樹脂が非晶性樹脂をさらに含有することは、高温保存性および帯電均一性の両方を高める観点からより効果的であり、上記非晶性樹脂がビニル系樹脂であることは、上記の観点からより一層効果的である。
また、上記トナーの製造方法は、上記トナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーを製造する方法において、上記結着樹脂の粒子と上記結晶核剤の粒子とを水系媒体中で凝集させて生成する粒子を成長させる工程を含む。よって、低温定着性、高温保存性および帯電均一性に優れる上記トナーを得ることができる。
なお、上記トナーは、通常の電子写真方式の画像形成方法に適用することが可能である。例えば、図1に示される画像形成装置に収容され、記録媒体上でのトナー像の形成に供される。
図1に示す画像形成装置1は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50および定着装置60を有する。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、およびドラムクリーニング装置415を有する。感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体である。感光体ドラム413の表面は、光導電性を有する。感光体ドラム413は、感光体に相当する。帯電装置414は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体ドラム413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモータ)とを含む。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、二成分現像剤としての上記トナーが収容されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、中間転写ベルト421を感光体ドラム413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像形成装置1は、さらに、画像読取部110、画像処理部30および用紙搬送部50を有する。画像読取部110は、給紙装置111およびスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置1による画像の形成を説明する。
スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411では、ポリゴンモータのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体ドラム413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体ドラム413の外周面に照射される。こうして感光体ドラム413の表面には、静電潜像が形成される。
現像装置412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから感光体ドラム413における静電潜像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体ドラム413の表面の静電潜像が可視化され、感光体ドラム413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。
感光体ドラム413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、感光体ドラム413の表面に摺接するドラムクリーニングブレードを有するドラムクリーニング装置415によって除去される。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接することにより、感光体ドラム413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体ドラムごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421および二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正および搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
定着装置60は、発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。用紙S上のトナー画像を構成するトナー粒子は、加熱され、その内部で結晶核剤およびハイブリッド結晶性樹脂が速やかに融け、その結果、比較的少ない熱量で速やかにトナー粒子全体が融解し、トナー成分が用紙Sに付着する。付着している溶融トナー成分では、結晶核剤およびその周辺部が速やかに結晶化し、当該成分全体が速やかに固化する。こうして、比較的少ない熱量で速やかにトナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。こうして、高画質の画像が形成される。
なお、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426によって除去される。
本実施の形態では、トナー母体粒子の構成材料として、結晶性樹脂として上記ハイブリッド結晶性樹脂が使用され、さらに結晶核剤が添加される。非晶性樹脂ユニットは、トナー母体粒子中の、一般的にはスチレン−アクリル系樹脂などの非晶性樹脂を含有する結着樹脂との親和性が高い。このため、上記トナー母体粒子内への上記結晶性樹脂の取り込み性が著しく改善される。そしてさらに結晶核剤が添加されていることから、上記結晶性樹脂はトナー母体粒子中で微細かつ均一な結晶を形成する。このため、トナーのシャープメルト性がより一層向上する。その結果、上記トナーは、エンボス紙など表面に凹凸のある記録媒体に対しても低温定着性を十分に発揮する。このように、本実施の形態によれば、凹凸のある記録媒体に対しても十分な低温定着性を有し、さらに十分な高温保管性および帯電均一性をも有する静電潜像現像用トナーを提供することができる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例などに限定されない。
[測定方法]
(透過型電子顕微鏡(TEM)による観察)
トナー母体粒子を構成する結着樹脂および結晶核剤の微細構造の観察は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて以下のように行った。まず、トナー母体粒子を常温硬化性のエポキシ樹脂中に十分分散させた後、包埋し、粒径100nm程度のスチレン微粉末に分散させた後、加圧成形を行ってトナーを含有させてなるブロックを作製した。次いで、作製したブロックに、必要に応じて四酸化オスミウムを用いて染色処理を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームで厚さ80〜200nmの薄片状に切り出して測定用試料を作製した。次いで、薄片状の測定用試料を、TEMにセットして、トナーの母体粒子の断面構造を写真撮影した。電子顕微鏡の倍率は5,000倍とした。
(各樹脂の融点(Tc)およびガラス転移温度(Tg))
トナーを構成する各樹脂の融点およびガラス転移温度は、各樹脂について示差走査熱量測定を行うことにより求められる。示差走査熱量測定では、例えば、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)が用いられる。測定は、昇降速度10℃/minで室温(25℃)から150℃まで昇温し、5分間150℃で等温保持する1回目の昇温過程、冷却速度10℃/minで150℃から0℃まで冷却し、5分間0℃で等温保持する冷却過程、および、昇降速度10℃/minで0℃から150℃まで昇温する2回目の昇温過程をこの順に経る測定条件(昇温・冷却条件)によって行われる。上記測定は、トナー3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」のサンプルホルダーにセットして行う。リファレンスとして空のアルミニウム製パンを使用する。
上記測定において、1回目の昇温過程における樹脂の融解ピーク(その半値幅が15℃以内である吸熱ピーク)のトップ温度を、その樹脂の融点(Tc)とする。また、非晶性樹脂については、上記測定において、1回目の昇温過程により得られた吸熱曲線より求められるオンセット温度をガラス転移温度Tg1、2回目の昇温過程により得られたオンセット温度をTg2(℃)とする。
(重量平均分子量(Mw)の測定)
各樹脂の重量平均分子量(Mw)(ポリスチレン換算)では、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置として、「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラムとして「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用いる。カラム温度は40℃に保持され、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流す。測定試料の樹脂は、室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で、濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させる。得られた溶液を、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得る。さらに、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に上記GPC装置内に注入する。そいて、屈折率検出器(RI検出器)を用いて樹脂中の各成分を検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。
当該検量線は、例えば、検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定することで作成される。この測定における検出器には屈折率検出器が用いられる。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径(体積基準のメジアン径)は、「UPA−150」(マイクロトラック・ベル株式会社製)で測定した。
[離型剤粒子の分散液Dの調製]
離型剤としてのベヘン酸ベヘネート(融点73℃)60質量部と、イオン性界面活性剤「ネオゲン RK」(第一工業製薬株式会社製)5質量部と、イオン交換水240質量部とを混合した溶液を95℃に加熱し、ホモジナイザー「ウルトラタックスT50」(IKA社製)を用いて十分に分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーを用いて分散処理することにより、離型剤粒子の固形分量が20質量部の分散液Dを調製した。この分散液D中の粒子の体積平均粒径は、240nmであった。
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC1の合成]
下記の付加重合系樹脂(スチレンアクリル樹脂:StAc)ユニットの原料モノマー、両反応性モノマーおよびラジカル重合開始剤を含有する溶液Ma1を滴下ロートに入れた。
スチレン 35質量部
ブチルアクリレート 9質量部
アクリル酸 4質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 7質量部
また、下記の重縮合系樹脂(結晶性ポリエステル樹脂:CPEs)ユニットの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させ、溶液Mb1を得た。
アジピン酸 91質量部
1,9−ノナンジオール 101質量部
次いで、攪拌下で上記Mb1に上記Ma1を90分間かけて滴下し、60分間熟成を行ったのち、減圧下(8kPa)にて上記Ma1中の未反応成分を除去した。
次いで、得られた反応液に、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、得られた反応液を200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることにより、スチレンアクリル樹脂を主鎖とし、側鎖に結晶性ポリエステル樹脂がグラフトした形状のハイブリッド結晶性樹脂HBC1を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC1の重量平均分子量Mwは14,500であり、融点Tcは62℃であった。
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC2の合成]
下記両反応性モノマーを含むCPEsユニットの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させ、溶液Mb2を得た。
アジピン酸 137質量部
1,9−ノナンジオール 151質量部
メチレンコハク酸 12質量部
次いで、エステル化触媒としてTi(OBu)を上記Mb2に0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、下記のStAcユニットの原料モノマーおよびラジカル重合開始剤を含有する溶液Ma2を滴下ロートに入れた。
スチレン 53質量部
n−ブチルアクリレート 19質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 10質量部
次いで、攪拌下で上記Ma2を90分間かけて上記Mb2の反応液に滴下し、60分間熟成を行ったのち、減圧下(8kPa)にて上記Ma2中の未反応成分を除去した。なお、このとき除去されたモノマーの量は、上記Ma2中のモノマーに対してごく微量であった。
次いで、得られた反応液を170℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることによりCPEsユニットを幹、StAcユニットを枝とするグラフト構造を有するハイブリッド結晶性樹脂HBC2を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC2のMwは1,5000であり、Tcは62℃であった。
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC3の合成]
攪拌機、還流冷却器、温度計およびガス吹き込み口を備えたフラスコに両反応性モノマーを含む下記のStAcユニットの原料モノマーおよびラジカル重合開始剤を含有する溶液Ma3を入れた。
スチレン 34質量部
n−ブチルアクリレート 12質量部
アクリル酸 2質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 7質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 80質量部
次いで、上記フラスコ内の雰囲気を窒素置換し、撹拌下にて上記溶液Ma3を80℃に昇温した。次いで、同温度で6時間保持した後、溶剤と未反応モノマーを溜去し、ビニル樹脂VR1を得た。なお、このとき上記Ma3から除去されたモノマーの量は、上記Ma3中の原料モノマーに対してごく微量であった。
次いで、アジピン酸290質量部および1,9−ノナンジオール320質量部を、撹拌機、温度計、冷却管、窒素ガス導入管を備えた反応容器に入れた。反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、Ti(OBu)0.1質量部をさらに添加し、窒素ガス気流下、約180℃で8時間撹拌反応を行った。得られた反応液にさらにTi(OBu)0.2質量部を添加し、温度を約220℃に上げ6時間撹拌反応を行った。その後、反応容器内を10mmHgまで減圧し、減圧下で反応を行い、結晶性ポリエステル樹脂CPEs1を得た。CPEs1のMwは13,000であった。
上記で得られたVR1およびCPEs1を下記の手順でブロック共重合させた。
まず、還流冷却管、窒素導入管、撹拌機を取り付けたガラス容器に80質量部のCPEs1および20質量部のVR1を投入し、50℃にて攪拌溶解した後、得られた溶液に、ジシクロカルボジイミド(DCC)2.7質量部およびジメチルアミノピリジン(DMAP)0.17質量部を添加し、50℃にて2時間反応を行うことで、ビニル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂のブロック共重合体である、ハイブリッド結晶性樹脂HBC3を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC3のMwは29,000であり、Tcは62℃であった。
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC4の合成]
上記Ma1を、下記原料モノマー、両反応性モノマーおよびラジカル重合開始剤を下記の量で含有する溶液Ma4に変更した以外はハイブリッド結晶性樹脂HBC1の合成と同様にして、ハイブリッド結晶性樹脂HBC4を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC4のMwは15,000であり、Tcは62℃であった。
スチレン 60.5質量部
ブチルアクリレート 15.5質量部
アクリル酸 7質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 12質量部
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC5の合成]
窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコ中で、170℃にて上記Mb1を用意した。
次いで、エステル化触媒としてTi(OBu)を上記溶液Mb1に0.8質量部投入し、235℃まで昇温し、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行い、結晶性ポリエステルCPEs2を得た。
次いで、下記の原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させ、溶液Mb6を得た。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 31質量部
テレフタル酸 8質量部
フマル酸 6質量部
トリメリット酸 2.5質量部
次いで、エステル化触媒としてTi(OBu)を上記溶液Mb6に0.4質量部投入し、235℃まで昇温し、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。得られた反応液に上記CPEs2を全量添加し、均一に混合したのち、減圧下(8kPa)にて1時間反応させることにより、非晶性ポリエステル樹脂を主鎖とし、側鎖にCPEs2がグラフトした形状のハイブリッド結晶性樹脂HBC5を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC5のMwは15,500であり、Tcは62℃であった。
[ハイブリッド結晶性樹脂HBC6の合成]
上記Ma1を、下記原料モノマー、両反応性モノマーおよびラジカル重合開始剤を下記の量で含有する溶液Ma6に変更した以外はハイブリッド結晶性樹脂HBC1の合成と同様にして、ハイブリッド結晶性樹脂HBC6を得た。ハイブリッド結晶性樹脂HBC6のMwは14,000であり、Tcは62℃であった。
スチレン 7.4質量部
ブチルアクリレート 1.9質量部
アクリル酸 0・8質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.5質量部
ハイブリッド結晶性樹脂HBC1〜HBC6の材料の組成および融点を表1に示す。下記表中、「StAc」は、スチレンアクリル樹脂を意味し、「CPEs」は、結晶性ポリエステルを意味する。また、HBC3は、StAc/CPEs(20/80)の直鎖ブロックポリマーである。
Figure 2016224367
[水系分散液DHBC1の調製]
200質量部のハイブリッド結晶性樹脂HBC1を酢酸エチル200質量部に溶解し、この溶液を撹拌しながら、イオン交換水800質量部にポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムを濃度が1質量%になるよう溶解させた水溶液を上記溶液にゆっくりと滴下した。得られた溶液を減圧下、酢酸エチルを除去した後、アンモニアでpHを8.5に調製した。その後、固形分濃度を30質量%に調整した。こうして、水系媒体中にハイブリッド結晶性樹脂HBC1による微粒子が分散された分散液DHBC1を調製した。分散液DHBC1に含まれる粒子の体積基準のメジアン径は、205nmであった。
[水系分散液DHBC2〜DHBC6の調製]
分散液DHBC1の調製において、ハイブリッド結晶性樹脂HBC1の代わりにハイブリッド結晶性樹脂HBC2〜HBC6のそれぞれを用いる以外は分散液DHBC1の調製と同様にして、水系媒体中にハイブリッド結晶性樹脂HBC2〜HBC6のそれぞれの微粒子が分散された分散液DHBC2〜DHBC6をそれぞれ得た。分散液DHBC2〜DHBC6に含まれる粒子の体積基準のメジアン径は、いずれも190〜230nmの範囲内であった。
[非晶性樹脂X1の合成および水系分散液DX1の調製]
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部およびイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。次いで、得られた溶液に、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させたものを添加し、再度液温80℃とし、得られた溶液に、下記からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液x1を調製した。
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱後、当該溶液に、樹脂微粒子の分散液x1260質量部と、下記からなる単量体および離型剤を90℃にて溶解させた溶液とを添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEARMIX」(エム・テクニック株式会社製、「CLEARMIX(クレアミックス)」は同社の登録商標)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。上記離型剤は、ベヘン酸ベヘネート(融点73℃)である。
スチレン 284質量部
n−ブチルアクリレート 92質量部
メタクリル酸 13質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
ベヘン酸ベヘネート 190質量部
次いで、上記分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、得られた分散液を84℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行い、樹脂微粒子の分散液x2を調製した。
(第3段重合)
さらに、樹脂微粒子の分散液x2にイオン交換水400質量部を添加し、よく混合したのち、得られた混合液に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた溶液を添加し、得られた分散液に、82℃の温度条件下で、下記からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 350質量部
n−ブチルアクリレート 215質量部
アクリル酸 30質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、得られた反応液を28℃まで冷却し、ビニル樹脂からなる非晶性樹脂X1およびその微粒子が水系媒体に分散してなる分散液DX1を得た。
水系分散液DX1に含まれる微粒子の体積基準のメジアン径は、220nmであった。また、非晶性樹脂X1のガラス転移温度Tg1は55℃であり、Mwは32,000であった。
[非晶性樹脂X2の合成]
下記の重縮合系樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)ユニットの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 285.7質量部
テレフタル酸 66.9質量部
フマル酸 47.4質量部
次いで、得られた溶液に、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次いで、得られた反応液を200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて所望の軟化点に達するまで反応を行った。次いで、脱溶剤を行い、非晶性樹脂X2を得た。非晶性樹脂X2のガラス転移温度Tg1は61℃であり、Mwは19,000であった。
[水系分散液DX2の調製]
100質量部の非晶性樹脂X2を400質量部の酢酸エチル(関東化学株式会社製)に溶解し、得られた溶液を、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(株式会社日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散後した。次いで、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去した。こうして、固形分量が13.5質量%の非晶性樹脂X2の微粒子が水系媒体中に分散してなる分散液DX2を調製した。分散液DX2に含まれる粒子の体積基準のメジアン径は、190nmであった。
[着色剤微粒子の水系分散液DCyの調製]
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子の水系分散液DCyを調製した。分散液DCyにおける着色剤微粒子の平均粒径(体積基準のメジアン径)は110nmであった。
[結晶核剤の水系分散液Dcc1の調製]
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した。得られた溶液を撹拌しながら、当該溶液にアラキジルアルコール420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、結晶核剤の水系分散液Dcc1を調製した。分散液Dcc1における結晶核剤(アラキジルアルコール)の平均粒径(体積基準のメジアン径)は110nmであった。
[結晶核剤の水系分散液Dcc2〜Dcc11の調製]
アラキジルアルコールをベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸のそれぞれに変更した以外は分散液Dcc1と同様に調製して、結晶核剤の水系分散液Dcc2〜Dcc11をそれぞれ調製した。結晶核剤の水系分散液Dcc2〜Dcc11のそれぞれにおける結晶核剤の平均粒径(体積基準のメジアン径)は、いずれも100〜250nmの範囲内であった。
[実施例1:シアン現像剤1の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、分散液DX1180質量部(固形分換算)、分散液DHBC120質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
次いで、得られた分散液に、分散液DCy30質量部(固形分換算)を投入し、次いで、分散液Dcc110質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて上記分散液に添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、得られた分散液を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で「コールターマルチサイザー3」(コールター・ベックマン社製)にて会合粒子の粒径を測定し、当該会合粒子の体積基準のメジアン径が6.4μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を上記反応容器中の分散液に添加して粒子成長を停止させた。
さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個とする)平均円形度が0.945になった時点で上記反応容器中の分散液を2.5℃/minの冷却速度で30℃に冷却した。
次いで、上記分散液を固液分離し、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し固液分離する操作を3回繰り返して洗浄したのち、40℃で24時間乾燥させることにより、シアントナー母体粒子1Xを得た。シアントナー母体粒子1Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。
次いで、100質量部のシアントナー母体粒子1Xに、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)0.6質量部および疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)1.0質量部を添加し、「ヘンシェルミキサー」(日本コークス工業株式会社製)により、回転翼周速35mm/sec、32℃で20分間混合した後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去した。このような外添剤処理を施し、シアントナー粒子1を製造した。また、シアントナー母体粒子1およびシアントナー粒子1の体積平均粒径は、いずれも6.3μmであった。
シアントナー粒子1に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアをトナー粒子濃度が6質量%となるように添加して混合することにより、二成分現像剤であるシアン現像剤1を製造した。
[実施例2〜11:シアン現像剤2〜11の製造]
分散液Dcc1に代えて分散液Dcc2〜Dcc11のそれぞれを用いる以外はシアン現像剤1の製造と同様にして、シアン現像剤2〜11をそれぞれ製造した。
シアン現像剤2〜11のそれぞれにおけるトナー母体粒子2X〜11Xのそれぞれの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、いずれのシアントナー母体粒子においても、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。また、シアントナー母体粒子2X〜11Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、いずれも6.0〜6.5μmの範囲内であった。
[実施例12、13:シアン現像剤12、13の製造]
分散液Dcc8の添加量を1質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤12を製造した。また、分散液Dcc8の添加量を20質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤13を製造した。
シアン現像剤12、13におけるトナー母体粒子12X、13Xのそれぞれの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、シアントナー母体粒子12X、13Xのそれぞれにおいても、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。また、シアントナー母体粒子12X、13Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、いずれも6.0〜6.5μmの範囲内であった。
[実施例14、15:シアン現像剤14、15の製造]
分散液DHBC1の添加量を10質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤14を製造した。また、分散液DHBC1の添加量を60質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤15を製造した。
シアン現像剤14、15におけるトナー母体粒子14X、15Xのそれぞれの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、シアントナー母体粒子14X、15Xのそれぞれにおいても、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。また、シアントナー母体粒子14X、15Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、いずれも6.0〜6.5μmの範囲内であった。
[実施例16〜18:シアン現像剤16〜18の製造]
分散液DHBC1に代えて分散液DHBC2を用いる以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤16を製造した。また、分散液DHBC1に代えて分散液DHBC3を用いる以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤17を製造した。また、分散液DHBC1に代えて分散液DHBC5を用い、分散液Dcc8の添加量を20質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤18を製造した。
シアン現像剤16におけるシアントナー母体粒子16X、17Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、いずれのトナー母体粒子においても、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造がいくつか確認された。また、シアン現像剤18におけるシアントナー母体粒子18Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、海島構造は確認されなかった。また、シアントナー母体粒子16X〜18Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、いずれも6.0〜6.5μmの範囲内であった。
[実施例19:シアン現像剤19の製造]
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、分散液DX2180質量部(固形分換算)、分散液DHBC120質量部(固形分換算)、イオン交換水2000質量部を投入した後、得られた分散液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して当該分散液のpHを10に調整した。
次いで、得られた分散液に、分散液DCy30質量部(固形分換算)、分散液D43質量部(固形分換算)、および分散液Dcc110質量部(固形分換算)を投入し、次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。次いで、3分間放置した後に昇温を開始し、上記分散液を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃に保持したまま粒子成長反応を継続した。
その後、粒子成長の停止、粒子の融着、固液分離、洗浄および乾燥をシアントナー母体粒子1Xの製造と同様に行い、シアントナー母体粒子19Xを得た。次いで、実施例1と同様にして外添剤処理およびフェライトキャリアの混合を施すことにより、シアン現像剤19を得た。シアン現像剤19のトナー母体粒子19Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。また、シアントナー母体粒子19Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、6.3μmであった。
[実施例20、21:シアン現像剤20、21の製造]
分散液DHBC1に代えて分散液DHBC6を用いる以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤20を製造した。また、分散液DHBC1の添加量を2質量部(固形分換算)に変える以外はシアン現像剤8の製造と同様にしてシアン現像剤21を製造した。
シアン現像剤20におけるシアントナー母体粒子20Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、CPEsおよび結晶核剤が分散相(ドメイン)、非晶性樹脂が連続相(マトリックス)を構成する海島構造が確認された。また、シアン現像剤21におけるシアントナー母体粒子21Xの微細構造を前述したようにTEMによって観察したところ、海島構造は確認されなかった。また、シアントナー母体粒子20X、21Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、いずれも6.0〜6.5μmの範囲内であった。
[比較例1:シアン現像剤22の製造]
実施例1において、分散液Dcc1を使用しなかった以外は同様にして、シアン現像剤22を得た。得られたシアン現像剤22におけるシアントナー母体粒子22Xの体積平均粒径は、シアントナー粒子のそれと同じであり、6.4μmであった。
[比較例2:ブラック現像剤1の製造]
(1)樹脂微粒子の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させた溶液を添加し、反応容器を80℃に加熱後、下記からなる重合性単量体混合液をそのまま添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEAMIX」(エム・テクニック株式会社製)を用いて1時間混合分散させることにより、乳化粒子(油滴)を含有する分散液を調製した。下記「ステアリン酸ステアリル」はモノエステル化合物であり、下記「アジピン酸ジステアリル」はジ・トリエステル化合物である。
スチレン 630質量部
n−ブチルアクリレート 164質量部
メタクリル酸 46質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 7質量部
ステアリン酸ステアリル 80質量部
アジピン酸ジステアリル 80質量部
ジベンジリデンソルビトール 30質量部
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム3質量部をイオン交換水100質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で2時間にわたって加熱撹拌して重合を行うことにより、樹脂X3の微粒子の分散液を得た。これを「分散液DX3」とする。上記樹脂微粒子の、モノエステル化合物およびジ・トリエステル化合物を含まない場合のスチレン−アクリル系樹脂のSP値を算出したところ、9.5であった。
(2)着色剤微粒子分散液の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子(カーボンブラック)が分散されてなる着色剤微粒子の分散液Dを調製した。この分散液Dにおける着色剤微粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会杜製)を用いて測定したところ、110nmであった。
(3)トナー粒子の作製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、下記成分を下記の量でイオン交換水120質量部に添加した水溶液を添加し、液温を30℃に調整した。
分散液DX3(固形分換算) 1200質量部
分散液D(固形分換算) 120質量部
イオン交換水 1400質量部
ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム 3質量部
次いで、上記反応容器中の水溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して当該水溶液のpHを10に調整し、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解させた30℃の水溶液を、反応容器中の撹拌状態にある上記水溶液中に10分間かけて添加した。添加後、3分間が経過してから昇温を開始し、上記水溶液を60分間かけて85℃まで昇温し、分散液中の微粒子の凝集を進行させた。
凝集により形成される粒子の大きさは「マルチサイザー3」によって観察し、当該粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が6.5μmになった時点で、20質量%塩化ナトリウム水溶液500質量部を上記反応容器中の分散液に添加して凝集を停止させた。20質量%塩化ナトリウム水溶液添加後、液温を80℃にして撹拌を継続し、凝集により得られた粒子のフロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」によって当該粒子の平均円形度を観察しながら、凝集した粒子の融着を進行させ、当該粒子の平均円形度が0.965になったことを確認し、次いで反応容器の液温を30℃まで冷却し、当該反応容器中の分散液に塩酸を添加してそのpHを3.0に調整し、撹拌を停止し、ブラックトナー母体粒子を得た。
次いで、実施例1と同様にして外添剤処理およびフェライトキャリアの混合を施すことにより、ブラック現像剤1を得た。ブラック現像剤1におけるブラックトナー母体粒子の体積平均粒径は、ブラックトナー粒子のそれと同じであり、6.5μmであった。
[シアン現像剤1〜22およびブラック現像剤1の評価]
(1)低温定着性
複写機「bizhub PRO C6501」(コニカミノルタ株式会社製、「bizhub」は同社の登録商標)の定着装置を、定着用ヒートローラの表面温度を100〜210℃の範囲で変更することができるように改造した評価機にシアン現像剤1を充填した。次いで、王子製紙社製OKエンボス布目(坪量104.7g/m)上に、トナー付着量11mg/10cmのベタ画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度を85℃から5℃刻みで増加させるよう変更しながら120℃まで繰り返し行った。当該試験を、シアン現像剤2〜22およびブラック現像剤1のそれぞれについて行った。
次いで、上記実験において得られたプリント物を、折り機で上記ベタ画像に荷重をかけるように折り、これに0.35MPaの圧縮空気を吹き付け、折り目を下記の評価基準に示す5段階にランク付けし、ランク3となる定着実験のうち最も定着温度の低い定着実験における定着温度を、下限定着温度として評価した。上記下限定着温度が低ければ低い程、低温定着性に優れることを意味し、120℃以下であれば実用上問題なく、合格と判断される。
(評価基準)
ランク5:全く折れ目なし
ランク4:一部折れ目に従った剥離あり
ランク3:折れ目に従った細かい線状の剥離あり
ランク2:折れ目に従った太い線状の剥離あり
ランク1:大きな剥離あり
(2)高温保存性の評価
シアン現像剤1〜22およびブラック現像剤1のそれぞれ0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、タップデンサーKYT−2000(株式会社セイシン企業製)で室温にて600回振とうした後、蓋を取った状態で55℃、35%RHの環境下に2時間放置した。
次いで、放置後の上記現像剤を48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、現像剤の凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存した現像剤量の比率(トナー凝集率At、質量%)を測定した。Atは下記式により算出される値である。
At(質量%)=(篩上の残存現像剤質量(g))/0.5(g)×100
求められたAtから、下記の基準により現像剤の高温保存性の評価を行った。◎〜△であれば合格と判断される。
(評価基準)
◎:トナー凝集率が15質量%未満(現像剤の耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量%以上20質量%未満(現像剤の耐熱保管性が良好)
△:トナー凝集率が20質量%以上25質量%未満(現像剤の耐熱保管性がやや悪い)
×:トナー凝集率が25質量%以上(現像剤の耐熱保管性が悪く、使用不可)
(3)帯電均一性(ハーフトーン再現性)
シアン現像剤1〜22およびブラック現像剤1のそれぞれを用いて、上記評価機にてハーフトーンチャートをコピーし、この画像の画像濃度を感光体の軸方向に5点測定し、画像濃度のばらつきを求めた。画像濃度は、画像濃度計(Macbeth RD914)を用いて測定した。画像濃度のばらつきは、5点の測定値のうち、最大の値と最小の値の差を算出し、5点の平均値に対する上記差の割合(%)として算出した。画像濃度のばらつきから、下記評価基準に基づきハーフトーンの再現性を評価し、もってトナーの帯電均一性を評価した。◎〜△であれば合格と判断される。
(評価基準)
◎:画像濃度のばらつきが10%未満(非常に良好)
○:画像濃度のばらつきが10%以上15%未満(良好)
△:画像濃度のばらつきが15%以上20%未満
×:画像濃度のばらつきが20%以上
シアン現像剤1〜22およびブラック現像剤1の結着樹脂の組成を表2に、上記評価の評価結果を表3に、それぞれ示す。表2中、「HBC」はハイブリッド結晶性樹脂を、「X」は非晶性樹脂を、それぞれ意味する。また、表2中、結晶核剤の量は、樹脂100質量部に対する量(質量部)を表す。
Figure 2016224367
Figure 2016224367
表3から明らかなように、実施例1〜21のシアン現像剤1〜21は、いずれも、低温定着性、高温保存性および帯電均一性において十分な性能を発現している。
また、例えば実施例1〜11から明らかなように、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸が、結晶核剤として有効であることがわかる。
さらに、例えば実施例1〜11から明らかなように、結晶核剤の融点Tccからのハイブリッド結晶性樹脂の融点Tcの差(Tcc−Tc)が8℃以下であることは、低温定着性を高める観点から有効であり、上記差が少なくとも2〜14℃であることは、高温保存性を高める観点から有効であり、上記差が少なくとも4〜13℃であることは、帯電均一性を高める観点から有効であることがわかる。
また、例えば実施例8、16および17から明らかなように、ハイブリッド結晶性樹脂が、非晶性樹脂ユニットに結晶性ポリエステル樹脂ユニットがグラフト結合した構造を有することが、低温定着性、高温保存性および帯電均一性のいずれをも高める観点からより効果的であることがわかる。
また、例えば実施例1、6および7から明らかなように、結晶核剤の融点がハイブリッド結晶性樹脂の融点よりも高いことは、高温保存性を高める観点からより効果的であることがわかる。
また、例えば実施例8、19および20から明らかなように、ハイブリッド結晶性樹脂中の非晶性樹脂ユニットの含有量が5〜30質量%であることは、低温定着性および高温保存性の両方を高める観点からより効果的であることがわかる。また、ハイブリッド結晶性樹脂中の非晶性樹脂ユニットの含有量が上記の範囲内でより多いほど帯電均一性がより高まる傾向が見られる。
また、例えば実施例8、14、15、18および21から明らかなように、結着樹脂におけるハイブリッド結晶性樹脂の含有量が1〜30質量%であることは、高温保存性を高める観点からより効果的であることがわかる。
また、例えば実施例8、18および19から明らかなように、結着樹脂が非晶性樹脂をさらに含有していることは、高温保存性および帯電均一性の両方を高める観点からより効果的であることがわかり、非晶性樹脂がビニル系樹脂であることが上記観点からより一層効果的であることがわかる。
また、例えば実施例8、12および13から明らかなように、トナー母体粒子中の結晶核剤の含有量が少なくとも0.5〜10質量%であることが、低温定着性、高温保存性および帯電均一性のいずれをも発現させる観点からより効果的であり、当該含有量が少ないと高温保存性が低下する傾向が見られ、当該含有量が多いと低温定着性、高温保存性および帯電均一性が全体的に低下する傾向が見られる。
一方で、比較例1は、高温保存性および帯電均一性がいずれも不十分である。これは、トナー母体粒子中に結晶核剤が含まれていないため、と考えられる。
また、比較例2は、低温安定性、高温保存性が不十分である。これは、結着樹脂がハイブリッド結晶性樹脂を含有していないことから低温定着性に劣り、また、トナー母体粒子中の結晶核剤の融点が高すぎることから、結晶核剤が実質的に作用せず、低温定着性および高温保存性に実質的な影響を及ぼさなかったため、と考えられる。
本発明によれば、トナーの低温定着性および帯電均一性が発現され、かつ意図しない外熱による結着樹脂成分の相溶が抑制される。本発明によれば、電子写真方式の画像形成技術におけるさらなる高性能化、高速化および省エネルギー化とともにトナーの汎用性の向上が期待され、当該画像形成技術のさらなる普及が期待される。
1 画像形成装置
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着装置
62 定着ローラー
63 発熱ベルト
64 加圧ローラー
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナー
112a CCDセンサー
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿
S 用紙

Claims (14)

  1. 結着樹脂および結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーにおいて、
    前記結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド結晶性樹脂を含み、
    前記結晶核剤は、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる一以上の化合物である、
    トナー。
  2. 前記ハイブリッド結晶性樹脂は、前記非晶性樹脂ユニットに前記結晶性ポリエステル樹脂ユニットがグラフト結合した構造を有する、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記結晶核剤の融点は、前記ハイブリッド結晶性樹脂の融点よりも高い、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記ハイブリッド結晶性樹脂における前記非晶性樹脂ユニットの含有量は、5〜30質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記結着樹脂における前記ハイブリッド結晶性樹脂の含有量は、1〜30質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記結着樹脂は、非晶性樹脂をさらに含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記非晶性樹脂は、ビニル系樹脂である、請求項6に記載のトナー。
  8. 結着樹脂の粒子と結晶核剤の粒子とを水系媒体中で凝集させて生成する粒子を成長させる工程を含む、前記結着樹脂および前記結晶核剤を含有するトナー母体粒子を含有する静電潜像現像用のトナーの製造方法において、
    前記結着樹脂には、結晶性ポリエステル樹脂ユニットと非晶性樹脂ユニットとが化学的に結合した構造を有するハイブリッド結晶性樹脂を用い、
    前記結晶核剤には、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、1−テトラコサノール、1−ヘキサコノール、オクタコサノール、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸およびリグノセリン酸からなる群から選ばれる一以上の化合物を用いる、
    トナーの製造方法。
  9. 前記ハイブリッド結晶性樹脂に、前記非晶性樹脂ユニットに前記結晶性ポリエステル樹脂ユニットがグラフト結合した構造を有する樹脂を用いる、請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記結晶核剤に、前記ハイブリッド結晶性樹脂の融点よりも高い融点を有する化合物を用いる、請求項8または9に記載のトナーの製造方法。
  11. 前記ハイブリッド結晶性樹脂における前記非晶性樹脂ユニットの含有量は、5〜30質量%である、請求項8〜10のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  12. 前記結着樹脂における前記ハイブリッド結晶性樹脂の含有量は、1〜30質量%である、請求項8〜11のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  13. 前記結着樹脂に非晶性樹脂をさらに用いる、請求項8〜12のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
  14. 前記非晶性樹脂にビニル系樹脂を用いる、請求項13に記載のトナーの製造方法。
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