JP2018077333A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動、結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供することである。【解決手段】本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂由来の融点(Tm℃)を基準として、Tm−10℃及びTm−20℃にて静電荷像現像用トナーを3時間放置後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))とが、前記放置前に測定した貯蔵弾性率G′0(t)に対して、特定の測定温度領域Aにおいて、特定の関係を満たすことを特徴とする。【選択図】図1A

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。より詳しくは、本発明は、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動、結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーに関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置において、プリントスピードの高速化、環境負荷低減等を目的とした一層の省エネルギー化を図るために、より低い温度で熱定着(以下、「低温定着」ともいう。)される静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)が要求されている。このようなトナーにおいては、結着樹脂の溶融温度や溶融粘度を下げることが必要である。このことから、結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂を添加することで、低温定着性を向上させたトナーが提案されている(例えば、「特許文献1」参照。)。しかしながら、結晶性樹脂を含有するトナーにおいては、トナーの製造時に結晶性樹脂の融点以上に加熱した場合、製造時において結晶性樹脂が非晶性樹脂に相溶してしまうため、耐熱保管性が悪化するという問題があった。
このような結晶性樹脂を含有するトナーの耐熱保管性を向上させる手段として、アニーリングが知られている。例えば、特許文献2により、トナーの軟化温度以下で、長時間、アニーリングすることで、相溶している結晶性樹脂の再結晶化が起こり、耐熱保管性を向上させることができることが報告されている。しかし、耐熱性は向上するものの、トナー中における結晶性樹脂のドメイン径が増大することなどにより、結晶性樹脂がトナー粒子の表面に露出してしまう。この露出に起因して、トナー粒子の表面抵抗が低下することで帯電特性が悪化し、この結果、トナー飛散などの不具合が起こってしまう。
また、長時間、アニーリングした際に結晶性樹脂の結晶化が十分に行われていない場合、製品として出荷された後に高温(例えば、50〜60℃の範囲内。)で保管された際に、トナー中において更なる結晶化が進んでしまい、ひいては、トナーの低温定着性が悪化してしまう。このように、トナーが過酷環境(高温環境下)に保管又は曝露された際でも低温定着性の変動やブリードアウトを抑えることについて、検討の余地が残されていた。
また、結晶性材料を含む低温定着性に優れるトナーは、当該結晶性材料による非晶性樹脂の可塑化が進んでおり、耐熱性が低い。このため、例えば、現像器中で熱が掛かった状態にて保管された場合などではトナーが凝集してしまうことがある。したがって、低温定着性と耐熱保管性とを両立することは困難な場合がある。
特開2001−222138号公報 特開2016−066017号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性能の変動、結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程で、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、結晶性樹脂由来の融点を基準として特定の温度に保管した後に測定した、特定の測定温度領域における貯蔵弾性率を規定することで、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性能の変動及び結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有し、
前記結晶性樹脂由来の融点(T℃)を基準として、T−10℃及びT−20℃にて静電荷像現像用トナーを3時間放置後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))とが、前記放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)に対して、当該貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、下記式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
式(1a):G′(t)<G′Tm−10(t)
式(1b):G′(t)<G′Tm−20(t)
式(2a):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.5
[上記式において、tは、上記測定温度領域A内における任意の測定温度(℃)を表す。xは、G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t)との差が最大となる測定温度(℃)を表す。]
2.前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性樹脂との合計量に占める当該結晶性樹脂の割合が、40質量%より大きく60質量%以下であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量が、50質量%以上であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、
前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、下記式(3a)及び式(3b)を満たすことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(3a):1<G′Tm−10(t)/G′(t)≦10
式(3b):1<G′Tm−20(t)/G′(t)≦10
5.前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、それぞれ、1.0×10Paとなる温度を、t℃、t℃及びt℃としたとき、
下記式(4a)及び式(4b)を満たすことを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(4a):|t−t|≦2℃
式(4b):|t−t|≦2℃
6.前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、
前記G′(t)に対する、前記G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が各々最大となる温度における貯蔵弾性率が、いずれも、1.0×10〜3.0×10Paの範囲内にあることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
7.前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、
下記式(2b)を満たすことを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(2b):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.25
8.前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、
下記式(2c)を満たすことを特徴とする第1項から第7項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(2c):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.1
9.前記トナー母体粒子が、コア・シェル構造を有すること特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
10.前記融点Tが、55〜80℃の範囲内にあることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
11.前記結晶性樹脂の含有量が、5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
12.前記結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする第1項から第8項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
13.前記結晶性ポリエステル樹脂として、少なくとも結晶性ポリエステル重合セグメントと、他種構造の重合セグメントとが化学結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする第12項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の上記手段により、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性能の変動、結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように考えている。
上述のように、結晶性材料を含む低温定着性に優れるトナーは結晶性材料による非晶性樹脂の可塑化が進んでおり、耐熱性が低いため、例えば現像器中で熱が掛かった状態にて保管された場合などではトナーが凝集してしまうことがあり、低温定着性と耐熱保管性とを両立することは困難な場合があった。
しかしながら、本発明者は、結晶性樹脂と非晶性樹脂の極性などを適度に調整することにより、トナーの軟化温度以下の条件下でトナーを高温環境下で保管した場合にトナーの貯蔵弾性率G′を高くすることが可能であることを発見した。これは、相溶状態にあった結晶性樹脂が結晶化することで、非晶性樹脂の可塑化効果が失われ、この結果、トナーのガラス転移点Tの上昇が起こるためであると考えられる。
さらに、本発明者は、式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすよう、材料組成を最適化することにより、非相溶化を進みやすくできることを発見した。このような材料組成よれば、「結晶性樹脂由来の融点(T℃)−10℃」及び「結晶性樹脂由来の融点(T℃)−20℃」においてどちらの温度においても結晶化を高めることが可能(すなわち、相溶を抑えることが可能)となる。このため、高温を含む様々な温度で保管された場合でも、低温定着性が異なるという現象が起きず、この結果、低温定着性能の変動を抑えることが可能となる。よって、どのような温度で保管されたとしても、低温定着性と耐熱保管性とを良好にすることが可能となる。
また、式(2a)は、熱保管の温度の差により、粘弾性(貯蔵弾性率)の変化幅に差が少ないことを表している。すなわち低温で十分に弾性が向上しており非相溶化する効率が良いことを表している。どちらの温度においても非相溶化を飽和させることが可能となり、高温保管された温度が異なる場合でも定着性が異なるという現象が起きず、定着性能の変動を抑えることが可能となる。
また、温度が異なる際の粘弾性(貯蔵弾性率)の変化幅を表すG′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が1.5以上である場合は、トナー母体粒子の内部に存在する結晶性材料などからなる結晶のサイズの変化が大きくなり、高温で保管した際に、トナー母体粒子の表面に、結晶材料が露出してしまう(以下、「ブリードアウト」又は「B.O.」ともいう。)という現象が起きてしまう。しかしながら、式(2a)を満たすことで、結晶の変化を抑えることができ、この結果、ブリードアウトを抑えることができる。
上記を達成する手段としては、結晶性樹脂と構造の似た長鎖の直鎖部分があるアクリレートモノマー(直鎖部分は、炭素数が6以上であることが好ましく、具体的には、例えば、2−エチルヘキシルアクリレートモノマーなど。)を用いることで結晶化を促しやすくなり相溶化を抑えることがあげられる。
また、結晶性樹脂よりも、融点の高い離型剤を少量加えてもよい。離型剤は、結晶化の起点となりやすい核となりうるために結晶化を高めやすくなる。
以下に本発明と、従来の技術との違いをまとめる。
結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、トナーに含有される結晶性樹脂由来の融点(T℃)以下の温度でアニーリングすることで、結晶性樹脂の結晶化が進み貯蔵弾性率が向上することが分かっている。そこで本発明は、幅広い温度域で貯蔵弾性率の向上幅が同じになるよう規定した。例えば、本発明のトナーについて、T−10℃とT−20℃で加熱処理、すなわち、高温で保管した際の貯蔵弾性率の変化について、図1Aに示す。図1Aでは、高温で保管しなかった場合に比べて、高温で保管されたトナーの貯蔵弾性率の値がほぼ変わらず、より低温で貯蔵弾性率の値が大きくなっている。図1Bは従来技術のトナーの例であり、T−10℃とT−20℃で高温で保管した場合、高温で保管しなかった場合に比べて貯蔵弾性率の値が、温度が高くなるほど大きくなっている。本発明では図1Aの貯蔵弾性率の状態となる構成である。
本発明のトナーの貯蔵弾性率と温度の関係を説明する模式図 従来のトナーと貯蔵弾性率と温度の関係を説明する模式図 DSCによって得られる吸熱曲線の一例を示す模式図 DSCによって得られる吸熱曲線の他の例を示す模式図 DSCによって得られる吸熱曲線の他の例を示す模式図
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有し、前記結晶性樹脂由来の融点(T℃)を基準として、T−10℃及びT−20℃にて静電荷像現像用トナーを3時間放置後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))とが、前記放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)に対して、当該貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、上記式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすことを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性能の変動及び結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供できるという効果を得られる。
本発明の実施態様としては、前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性樹脂との合計量に占める当該結晶性樹脂の割合が、40質量%より大きく60質量%以下であることが好ましい。これにより、低温定着性、耐熱性を良好にできる。
本発明においては、前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量が、50質量%以上であることが好ましい。これにより、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動及び結晶性材料のブリードアウトを好適に抑えることができる。
本発明においては、前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、上記式(3a)及び式(3b)を満たすことが好ましい。これにより、耐熱性保管性がより向上し、結晶性材料のブリードアウトを好適に抑えることができる。
本発明においては、前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、それぞれ、1.0×10Paとなる温度を、t℃、t℃及びt℃としたとき、上記式(4a)及び式(4b)を満たすことが好ましい。これにより、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動を良好に抑えることができるため好ましい。
本発明においては、前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、前記G′(t)に対する、前記G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が各々最大となる温度における貯蔵弾性率が、いずれも、1.0×10〜3.0×10Paの範囲内にあることが好ましい。これにより、低温定着性を維持しつつ、耐熱保管性をより向上させることができるため好ましい。
本発明においては、前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、上記式(2b)を満たすことが好ましい。これにより、耐熱保管性がより向上し、かつ、高温で長期間保管した場合であっても、低温定着性能の変動及び結晶性材料のブリードアウトをより抑制することができる。
本発明においては、前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、上記式(2c)を満たすことが好ましい。これにより、耐熱保管性がより向上し、かつ、高温など様々な温度で長期間保管した場合であっても、低温定着性能の変動及び結晶性材料のブリードアウトをより抑制することができる。
本発明においては、前記トナー母体粒子が、コア・シェル構造を有することが好ましい。これにより、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできる。
本発明においては、前記融点Tが、55〜80℃の範囲内にあることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできる。
本発明においては、前記結晶性樹脂の含有量が、5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできる。
本発明においては、前記結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。これにより、低温定着性をより良好にできる。
本発明においては、前記結晶性ポリエステル樹脂として、少なくとも結晶性ポリエステル重合セグメントと、他種構造の重合セグメントとが化学結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。これにより、トナー母体粒子に含有される結着樹脂や離型剤の相溶及び非相溶並びに結晶化の調整を好適にでき、ひいては、本願発明の効果をより好適に発現できる。
以下、本発明とその構成要素及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
≪静電荷像現像用トナーの概要≫
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有し、
前記結晶性樹脂由来の融点(T℃)を基準として、T−10℃及びT−20℃にて静電荷像現像用トナーを3時間放置後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))とが、前記放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)に対して、当該貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、下記式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすことを特徴とする。
式(1a):G′(t)<G′Tm−10(t)
式(1b):G′(t)<G′Tm−20(t)
式(2a):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.5
[上記式において、tは、上記測定温度領域A内における任意の測定温度(℃)を表す。xは、G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t)との差が最大となる測定温度(℃)を表す。]
なお、本発明において、測定温度領域Aとは、T−10℃又はT−20℃の環境下に放置する前に測定した貯蔵弾性率G′(t)が1.0×10Pa以上となる温度領域のことをいう。
また、G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t)の差が最大になるとはG′Tm−10(t)/G′Tm−20(t)が最大になることをいう。
前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、下記式(3a)及び式(3b)を満たすことが好ましい。
式(3a):1<G′Tm−10(t)/G′(t)≦10
式(3b):1<G′Tm−20(t)/G′(t)≦10
上記式(3a)及び式(3b)を満たすことにより、高温で保管による貯蔵弾性率の上がり幅が一定以上となるため、耐熱性保管性がより向上すると考えられる。また、G′Tm−10(t)/G′(t)又はG′Tm−20(t)/G′(t)が10以下の小さな変化であれば、高温で保管した場合であっても、トナー母体粒子内部での結晶の非相溶化が進みすぎることを回避でき、この結果、結晶性材料のブリードアウトを好適に抑えることができる。
なお、本発明において、結晶性材料とは離型剤及び結晶性樹脂をいう。
また、前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、それぞれ、1.0×10Paとなる温度を、t℃、t℃及びt℃としたとき、下記式(4a)及び式(4b)を満たすことが好ましい。
式(4a):|t−t|≦2℃
式(4b):|t−t|≦2℃
このように異なる温度で加熱処理(高温で保管)した際に、低温定着性に関係があると考えられる貯蔵弾性率1.0×10Paを示す温度t℃とt℃及びt℃が、式(4a)及び式(4b)で表されるように、2℃以内に収まっていれば、加熱温度が10℃異なっても低温定着性は同等となることと考えられる。よって、式(4a)及び式(4b)を満たすことにより、高温を含む様々な温度でトナーを保管しても、低温定着性を良好に維持できる。
前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、前記G′(t)に対する、前記G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が各々最大となる温度における貯蔵弾性率が、いずれも、1.0×10〜3.0×10Paの範囲内にあることが好ましい。
測定温度領域Aにおいてこのような貯蔵弾性率の範囲を規定することは、高温で保管前のトナーの貯蔵弾性率に対して、高温での保管により、1.0×10〜3.0×10Paの範囲内となる温度領域(この温度領域が、耐熱性に関係のある領域と考えられる。)で最も貯蔵弾性率が向上することを表している。高温での保管により、低温定着性を維持しつつ、耐熱保管性をより向上させることができる。
前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、下記式(2b)を満たすことが好ましい。
式(2b):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.25
前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、下記式(2c)を満たすことが好ましい。
式(2c):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.1
上記式(2b)及び式(2c)は、加熱処理(保管)の温度が異なる場合において、低温で処理した際の貯蔵弾性率が高温で処理した際の貯蔵弾性率とほぼ同等であることを表している。このため上記式(2b)、より好ましくは上記式(2c)を満たすことにより、高温を含む様々な温度でトナーを保管した際にも結晶状態が大きく変化しない。この結果、耐熱保管性がより向上し、かつ、高温を含む様々な温度で長期間保管した場合であっても、低温定着性能の変動及び結晶性材料のブリードアウトをより抑制することができる。
(貯蔵弾性率G′の測定方法)
測定サンプルとして、トナー母体粒子に外添剤を添加したトナーを0.2g計量し、圧縮成形機で25MPaの圧力を印加して加圧成型を行い、上記トナーからなる直径10mmの円柱状ペレットを作製した。
レオメーター(TA instrument製:ARES G2)を使用し、上に直径8mmのパラレルプレートを下に直径20mmのパラレルプレートのセットで用いて、周波数1Hzの条件で降温測定を行った。サンプルセットを100℃にて行い、Gapを一度1.4mmにセットした後にプレート間からはみ出したサンプルのかきとりを行った後に1.2mmにGapをセットし、Axial forceをかけつつ任意の温度まで降温し3時間静置した。その後、測定開始温度の30℃まで降温しAxial forceを止め30℃から150℃まで昇温速度3℃/minにて貯蔵弾性率(G′)の昇温測定を行った。以下に詳細な測定条件を示す。
・Frequency:1Hz
・Ramp rate:3℃/min
・Axicial force:0g、sensitivity:10g
・Initial strain:3.0%、Strain adjust:30.0%、Minimum strain:0.01%、Maximum strain:10.0%
・Minimum torque:1g・cm、 Maximum torque:80g・cm
・Sampling interval:1.0℃/pt
(結晶性樹脂由来の融点(T)の測定)
外添剤が添加されたトナーの試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に5mg封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱する。1回目の加熱時に、10℃/minの昇温速度で0℃から100℃まで昇温した際の結晶性樹脂由来の吸熱ピークのピークトップ温度をTとする。
なお、測定された吸熱ピークには、離型剤と結晶性樹脂のピークが重なる場合と重ならない場合がある。このため、ピークトップについては、図2A〜2Cに示すような(i−i)、(i−ii)又は(ii)の3パターンのいずれかに当てはめて定義する。
また、離型剤と結晶性樹脂とのピークが重なる、重ならないは、これらのピークトップの温度差が3℃以内の場合を重なる(結晶性樹脂由来のピークが不明確となる。)と定義し、ピークトップの温度差が3℃よりも大きければ、ピークは重なっていないものとする。
なお、図2A〜2Cは、DSCによって得られる吸熱曲線の模式図である。
(i)ピークが重なる場合
(i−i)ピークトップが複数ある場合
ピークが重なり、さらに、ピークトップが複数ある場合、強度の大きい方のピークトップの温度を結晶性樹脂由来の融点(T)とする。
図2Aにその具体例を示す。図2Aでは、ピークトップが二つあり、それぞれのピークトップ温度P及びPの温度差が3℃以内である例である。図2Aの例の場合、強度の大きい方のピークトップ温度であるピークトップ温度Pが結晶性樹脂由来の融点(T)となる。
(i−ii)ピークトップが重なっている場合
当該ピークトップの温度を結晶性樹脂由来の融点(T)とする。
図2Bにその具体例を示す。図2Bは、結晶性樹脂と離型剤との吸熱ピークが重なっており、かつ、それぞれのピークトップも重なっている例である。このような場合、ピークトップ温度PCWが結晶性樹脂由来の融点(T)となる。
(ii)ピークが重ならない場合
この場合、結晶性樹脂由来のピークは明確であると考えられるので、結晶性樹脂に由来するピークトップの温度を結晶性樹脂由来の融点(T)とする。
図2Cにその具体例を示す。図2Cに示す例は、ピークトップが二つあり、それぞれのピークトップ温度P及びPの温度差が3℃より大きい例である。このような場合、結晶性樹脂由来の吸熱ピークと、離型剤由来の吸熱ピークとは重なっておらず、区別することが可能と考えられる。ピークトップ温度Pが結晶性樹脂由来の融点(T)となる。
なお、結晶性樹脂由来の融点(T℃)は、55〜80℃の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは60〜75℃の範囲内である。この範囲内であれば、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできる。
[トナー]
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる。
本発明に係るトナー母体粒子は、結着樹脂のほか、必要に応じて着色剤、離型剤、帯電制御剤、界面活性剤などの種々の内添剤を含有してもよい。
なお、本発明において、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいい、トナー粒子とは、上述のトナー母体粒子に外添剤を添加したものをいう。また、以下の説明においては、トナー母体粒子とトナー粒子とを特に区別する必要がない場合、単に「トナー粒子」ともいう。
[結着樹脂]
本発明に係る結着樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有する。また、結晶性樹脂としては、本発明の効果発現を阻害しない限り、その他の公知の樹脂を使用することができ、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリジエン系樹脂等も使用できる。
なお、特に区別の必要がない場合、非晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ビニル樹脂をまとめて単に「非晶性樹脂」ともいう。
また、本発明において「結着樹脂が結晶性樹脂を含有する」とは、結着樹脂が結晶性樹脂そのものを含む態様であってもよいし、後述のハイブリッド結晶性樹脂における結晶性ポリエステル重合セグメントのように、他の樹脂中に含まれるセグメントとして含有されていてもよい。また本発明において、「結着樹脂が非晶性樹脂を含む」とは、結着樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂や非晶性ビニル樹脂など非晶性樹脂そのものを含む態様であってもよいし、後述のハイブリッド結晶性樹脂における非晶性樹脂セグメントのように、他の樹脂中に含まれるセグメントとして含有されていてもよい。
(結晶性樹脂)
上記結晶性樹脂は、トナーのDSCにおいて、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、DSCにおいて、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのことを意味する。このような結晶性樹脂の含有量としては、トナー母体粒子を構成する樹脂(すなわち、結着樹脂と離型剤。)に対して5〜20質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、結着樹脂のシャープメルト性を向上させて、トナーの低温定着性を向上させるという効果を得つつ、結晶性樹脂を含有させることによる耐熱保管性の低下を抑制することができる。
上記結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリアセタール樹脂、結晶性ポリエチレンテレフタレート樹脂、結晶性ポリブチレンテレフタレート樹脂、結晶性ポリフェニレンサルファイド樹脂、結晶性ポリエーテルエーテルケトン樹脂、結晶性ポリテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。
中でも、結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することが、熱定着時に結晶性ポリエステル樹脂が融解して非晶性樹脂の可塑化剤として働くために低温定着性をより向上させることができるため好ましい。当該結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの脱水縮合反応による公知の合成法により得ることができる。上記結晶性ポリエステル樹脂は、1種でもそれ以上の種類を用いてもよい。
なお、結晶性ポリエステル樹脂を構成するモノマーは、直鎖脂肪族モノマーを50質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することが好ましい。芳香族モノマーを用いた場合には、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いものとなることが多く、分岐型の脂肪族モノマーを用いた場合には結晶性が低くなることが多いことから直鎖脂肪族モノマーを用いることが好ましい。また、直鎖脂肪族モノマーが50%以上とすることで、トナー中において結晶性を維持することができる。80%以上にすることで十分な結晶性を維持することが可能になる。
上記多価カルボン酸の例には、コハク酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの飽和脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;それらの酸無水物;及びそれらの炭素数1〜3のアルキルエステル;が含まれる。上記多価カルボン酸は、脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。
上記多価アルコールの例には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどの脂肪族ジオール;及びグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどの3価以上のアルコール;が含まれる。上記多価アルコールは、脂肪族ジオールであることが好ましい。
上記結晶性ポリエステル樹脂として、少なくとも結晶性ポリエステル重合セグメントと、他種構造の重合セグメントとが化学結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。すなわち、他種構造の樹脂(例えば、スチレン・アクリル樹脂、以下、「St・Ac樹脂」ともいう。)により変性されたハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「ハイブリッド結晶性樹脂」ともいう)であることが好ましい。ハイブリッド結晶性樹脂は、例えば、他種構造の樹脂がスチレン・アクリル樹脂であれば、当該スチレン・アクリル樹脂部分が非晶性樹脂との相溶性が高く、トナー母体粒子中に結晶性ポリエステル樹脂を均一に分散させることができる。また、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有させることで、トナー母体粒子に含有される結着樹脂や離型剤の相溶及び非相溶並びに結晶化の調整を好適にでき、ひいては、本願発明の効果をより好適に発現できる。さらには、トナー母体粒子が後述のコア・シェル構造を有し、シェルがハイブリッド結晶性樹脂を含有する場合、スチレン・アクリル樹脂部分が非晶性樹脂を含有するコア粒子の表面に凝集しやすく、コア粒子の表面全体を被覆しやすくなる。
なお、ここで、他種構造の樹脂とは、樹脂種が異なるものを異なる種類の樹脂と定義し、単量体組成比が異なるもの、後述のスチレン・アクリル変性ポリエステル樹脂などの変性の有無のみの違いは異なる種類の樹脂とは呼ばない。
また、上述のハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂において、結晶性ポエリステル樹脂に由来の構造を有する樹脂部分を「結晶性ポリエステル重合セグメント」といい、他種構造の樹脂に由来する構造を有する樹脂部分を「他種構造の重合」セグメントという。
他種構造の樹脂としては、例えば、スチレン・アクリル樹脂などのビニル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂などがあげられる。他種構造の重合セグメントとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記スチレン・アクリル樹脂は、スチレン系単量体と(メタ)アクリル酸系単量体の重合体である。
上記スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、3,4−ジクロロスチレン、これらの誘導体等が挙げられる。これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記(メタ)アクリル酸系単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、6−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−アミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記スチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体に加えて、他の単量体を使用することもできる。使用できる他の単量体としては、例えばマレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
上記スチレン・アクリル樹脂は、上述した単量体の重合に過酸化物、過硫化物、アゾ化合物などの通常用いられる任意の重合開始剤を添加し、塊状重合、溶液重合、乳化重合法、ミニエマルション法、懸濁重合法、分散重合法などの公知の重合手法により重合することにより得ることができる。重合時、分子量を調整することを目的として、アルキルメルカプタン、メルカプト脂肪酸エステルなどの通常用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
上記ハイブリッド結晶性樹脂中の他種構造の重合セグメントの含有量は、10質量%以下であることが低温定着性の観点から好ましい。
以下に、ハイブリッド結晶性樹脂の製造方法の具体例として、他種構造の重合セグメントとして、スチレン・アクリル重合セグメントを有する(すなわち、スチレン・アクリル樹脂により変性された)ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の製造方法について述べる。
上記ハイブリッド結晶性樹脂の製造方法の例としては、まず、それぞれ個別に用意した結晶性ポリエステル樹脂とスチレン・アクリル樹脂とを反応させて化学結合させることにより得る製造方法があげられる。結合を容易にする観点からは、結晶性ポリエステル樹脂かスチレン・アクリル樹脂に、結晶性ポリエステル樹脂とスチレン・アクリル樹脂の両方と反応可能な置換基を組み込むことが好ましい。例えば、スチレン・アクリル樹脂の生成時、原料であるスチレン系単量体及び(メタ)アクリル酸系単量体とともに、結晶性ポリエステル樹脂が有するカルボキシ基[COOH]又はヒドロキシ基[OH]と反応可能な置換基と、スチレン・アクリル樹脂と反応可能な置換基とを有する化合物を添加する。これにより、結晶性ポリエステル樹脂中のカルボキシ基又はヒドロキシ基と反応可能な置換基を有するスチレン・アクリル樹脂を得ることができる。
また、上記ハイブリッド結晶性樹脂の製造方法の、その他の例としては、あらかじめ用意した結晶性ポリエステル樹脂の存在下でスチレン・アクリル樹脂を生成する重合反応を行うか、あらかじめ用意したスチレン・アクリル樹脂の存在下で結晶性ポリエステル樹脂を生成する重合反応を行うことによって得る方法があげられる。いずれの場合も重合反応時に、上述したような結晶性ポリエステル樹脂及びスチレン・アクリル樹脂の両方と反応可能な置換基を有する化合物を添加すればよい。なお、このような化合物としては、具体的には、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及び無水マレイン酸などが挙げられる。
なお、上記ハイブリッド結晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、8500〜12500であることが好ましく。9000〜11000の範囲内であることが更に好ましい。この範囲内にあることが、低温定着性の観点からより好ましい。
結晶性樹脂の融点(T℃)は、55〜80℃の範囲内にあることが、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできるため好ましい。
上記結晶性樹脂の融点は、結晶性樹脂を試料とするほかは、上述の結晶性樹脂由来の融点(T)の測定と同様にして計測できる。
上記結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は5〜50質量%であることが好ましい。結着樹脂中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量が5質量%以上であると、低温定着の効果を十分に発揮でき、50質量%以下であれば耐熱保管性をより好適にできる。また、トナー母体粒子中の結晶性樹脂の含有量は、5〜20質量%が好ましく、7〜15質量%がより好ましい。5質量%以上であれば十分な可塑化効果を得られ、より好適な低温定着性を得られる。また、20質量%以下であれば、トナーとしての耐熱保管性や物理的なストレスに対する安定性をより良好にできる。また、7〜15質量%の範囲内であれば、非晶性樹脂の構成や適切な製造法を選択することにより、好ましい貯蔵弾性率に制御することが容易になる。
また、非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性樹脂との合計量に占める当該結晶性樹脂の割合が、40質量%より大きく60質量%以下であることが好ましい。
この範囲内であれば、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性樹脂とが相溶しやすく低温定着性に優れる。また、結晶性樹脂が40質量%より大きいと、完全に非晶性樹脂に相溶することを回避でき、アニーリングにより好適に結晶化させることができるため、ひいては良好な耐熱性をえることができる。また、60質量%以下であれば、十分に相溶できるため、良好な低温定着性をえることができる。
本発明に係る結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜50000の範囲内にあり、数平均分子量は2000〜10000の範囲内にあることが、低温定着性及び光沢度安定性の観点から好ましい。
本発明において、重量平均分子量及び数平均分子量は、以下のようにゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した分子量分布から求めることができる。
試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン中に添加し、室温において超音波分散機を用いて5分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。GPC装置HLC−8120GPC(東ソー株式会社製)及びカラムTSKguardcolum+TSKgelSuperHZ−33連(東ソー株式会社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/分で流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
(非晶性樹脂)
本発明に係るトナー母体粒子は、非晶性樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂又はその一部が変性された変性ポリエステル樹脂(ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂)と、非晶性ビニル樹脂とを含む。
非晶性樹脂とは、示差走査熱量測定により得られる吸熱曲線において、ガラス転移点Tを有するが、融点すなわち昇温時の前述の明確な吸熱ピークがない非結晶性を示す樹脂をいう。
上記非晶性樹脂は、上記結晶性樹脂とともに結着樹脂として用いられ、上記トナー母体粒子を構成する。なお、非晶性樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂及び非晶性ビニル樹脂のほか、ウレタン系樹脂やウレア系樹脂を含んでいてもよい。上記非晶性樹脂は、例えば公知の合成法によって入手可能である。
(非晶性ビニル樹脂)
上記非晶性ビニル樹脂としては、ビニル化合物を重合した非晶性ビニル樹脂であれば特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル樹脂、スチレン・アクリル酸エステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレン・アクリル酸エステル樹脂(スチレン・アクリル樹脂)が好ましい。
上記非晶性ビニル樹脂の重量平均分子量は、20000〜150000の範囲内にあり、数平均分子量は、5000〜20000の範囲内にあることが、定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から好ましい。重量平均分子量及び数平均分子量は、上記結晶性樹脂の場合と同様に測定することができる。
上記非晶性ビニル樹脂のガラス転移点(T)は、定着性と耐熱保管性の両立の観点から、20〜70℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移点は、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)に従って測定することができる。測定には、DSC−7示差走査カロリメーター(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー社製)などを用いることができる。
上記非晶性ビニル樹脂は、単量体のみの重合体であってもよいし、当該単量体と他の単量体との共重合体であってもよい。他の単量体としては、スチレン、スチレンの誘導体などのスチレン系単量体などを使用できる。
前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量が、50質量%以上であることが好ましい。結着樹脂において、非晶性ビニル樹脂が主成分である(結着樹脂における非晶性ビニル樹脂の含有量が50質量%以上である。)ことにより、結晶性樹脂との相溶・非相溶の調整がしやすくなる。特に、結着樹脂と非晶性ビニル樹脂との構造が互いに異なるために非相溶化させることが容易であるため、より低温のアニーリングで結晶化を飽和させることができる。このため、前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量が、50質量%以上であると、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動及び結晶性材料のブリードアウトを好適に抑えることができるため好ましい。
(非晶性ポリエステル樹脂)
上記非晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)との重縮合反応によって得られるポリエステル樹脂のうち、非晶性を示すポリエステル樹脂である。コア・シェル構造のトナーを形成する場合、シェルの材料として非晶性ポリエステル樹脂を使用することもできる。
上記多価カルボン酸及び多価アルコールとしては、上述した結晶性ポリエステル樹脂と同様の材料を使用することができるほか、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類及びこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物なども使用できる。これらの中でも、特にトナーの帯電均一性を向上させるという観点から、多価アルコール成分としてはビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物とプロピレンオキサイド付加物を用いることが好ましい。これらの多価アルコール成分は1種単独で用いても良く2種以上併用しても良い。
多価カルボン酸と多価アルコールの比率は、多価アルコールのヒドロキシ基と多価カルボン酸のカルボキシ基との当量比[OH]/[COOH]が、1.5/1〜1/1.5の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.2/1〜1/1.2の範囲内である。
上記非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量は、2000〜10000の範囲内にあることが好ましい。数平均分子量は、上記非晶性ビニル樹脂の場合と同様にして測定することができる。
上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点は、20〜70℃の範囲内にあることが好ましい。ガラス転移点は、上記非晶性ビニル樹脂の場合と同様にして測定することができる。
上記非晶性ポリエステル樹脂は、上述の結晶性ポリエステル樹脂と同様、スチレン・アクリル樹脂により変性されたハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「ハイブリッド非晶性樹脂」ともいう)であることができる。
上記ハイブリッド非晶性樹脂は、スチレン・アクリル樹脂部分が非晶性ビニル樹脂との相溶性が高く、トナー母体粒子中に非晶性ポリエステル樹脂を均一に分散させることができる。トナー母体粒子がコア・シェル構造を有し、シェルが非晶性ポリエステル樹脂を含有する場合は、非晶性ビニル樹脂を含有するコア粒子の表面に凝集しやすく、表面全体を被覆しやすくなる。
本発明において「非晶性ポリエステル樹脂がスチレン・アクリル樹脂により変性された」とは、非晶性ポリエステル重合セグメントとスチレン・アクリル重合セグメントが化学結合していることをいう。非晶性ポリエステル重合セグメントとは、ハイブリッド樹脂のうち、非晶性ポエリステル樹脂に由来する樹脂部分、すなわち非晶性ポリエステル樹脂と化学構造が同じ分子鎖をいう。スチレン・アクリル重合セグメントとは、ハイブリッド樹脂のうち、スチレン・アクリル樹脂に由来する樹脂部分、すなわちスチレン・アクリル樹脂と化学構造が同じ分子鎖をいう。上記スチレン・アクリル樹脂は、上述のハイブリッド結晶性樹脂と同様の材料を用いて同様に製造することができる。
上記ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量は2000〜10000の範囲内にあることが、定着性の観点からより好ましい。
トナー母体粒子中の非晶性ポリエステル樹脂の含有量は、定着性と帯電の環境安定性の観点から、1〜50質量%の範囲内にあることが好ましい。
[着色剤]
上記着色剤には、カラートナーの着色剤に用いられる公知の無機又は有機着色剤が用いられる。当該着色剤の例には、カーボンブラック、磁性体、顔料及び染料が含まれる。上記着色剤は1種でもそれ以上でもよい。
上記カーボンブラックの例には、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びランプブラックが含まれる。上記磁性体の例には、鉄やニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金及びフェライトやマグネタイトなどの強磁性金属の化合物、が含まれる。
上記顔料の例には、C.I.ピグメントレッド2、同3、同5、同7、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー3、同9、同14、同17、同35、同36、同65、同74、同83、同93、同94、同98、同110、同111、同138、同139、同153、同155、同180、同181、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同15:4、同60及び中心金属が亜鉛やチタン、マグネシウムなどであるフタロシアニン顔料、が含まれる。
上記染料の例には、C.I.ソルベントレッド1、同3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同52、同58、同63、同87、同111、同122、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179、ピラゾロトリアゾールアゾ染料、ピラゾロトリアゾールアゾメチン染料、ピラゾロンアゾ染料、ピラゾロンアゾメチン染料、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93及び同95が含まれる。
[離型剤]
上記離型剤(ワックス)の例には、炭化水素系ワックス及びエステルワックスが含まれる。当該炭化水素系ワックスの例には、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス及びパラフィンワックスが含まれる。また、上記エステルワックスの例には、カルナウバワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル及びクエン酸ベヘニルが含まれる。上記離型剤は1種でもそれ以上でもよい。
[帯電制御剤]
上記帯電制御剤の例には、ニグロシン系染料、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体及びサリチル酸金属塩又はその金属錯体が含まれる。上記帯電制御剤は1種でもそれ以上でもよい。
[界面活性剤]
上記界面活性剤の例には、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系などのアニオン系界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型などのカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系などの非イオン系界面活性剤が含まれる。上記界面活性剤は、1種でもそれ以上でもよい。
上記アニオン系界面活性剤の具体例には、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムが含まれる。上記カチオン系界面活性剤の具体例には、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドが含まれる。非イオン系界面活性剤の例には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルが含まれる。
[トナー粒子の構造]
本発明に係るトナー母体粒子は、トナー粒子のみの単層構造であってもよいが、コア・シェル構造を有することが好ましい。これにより、低温定着性及び耐熱保管性をより良好にできる。
コア・シェル構造を有するトナー母体粒子とは、コア粒子として当該コア粒子とその表面を被覆するシェルとを備える多層構造を有するトナー母体粒子をいう。シェルは、コア粒子の全表面を被覆していなくてもよく、部分的にコア粒子が露出していてもよい。コア・シェル構造の断面は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型プローブ顕微鏡(SPM)などの公知の観察手段によって、確認することができる。
コア・シェル構造の場合は、コア粒子とシェルでガラス転移点、融点、硬度などの特性を異ならせることができ、目的に応じたトナー粒子の設計が可能である。例えば、結着樹脂、着色剤、離型剤などを含有し、ガラス転移点が比較的低いコア粒子の表面に、ガラス転移点が比較的高い樹脂を凝集、融着させて、シェルを形成することができる。シェルには、上述したように非晶性ポリエステル樹脂を使用することができ、中でもスチレン・アクリル樹脂により変性された非晶性ポリエステル樹脂を好ましく使用することができる。
[トナー粒子の粒径]
本発明に係るトナー粒子の体積基準のメジアン径は3〜8μmの範囲内にあることが好ましく、より好ましくは5〜8μmの範囲内である。
なお、本発明においては、トナー粒子の粒径と、トナー母体粒子の粒径とは等しいものとして扱う。
体積基準のメジアン径は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフトSoftware V3.51を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定することができる。具体的には、試料(トナー)0.02gを、20mLの界面活性剤溶液(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加してなじませた後、1分間の超音波分散処理を行い、トナーの分散液を調製する。このトナーの分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。この濃度にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。
そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャー径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径を体積基準のメジアン径として求める。
[トナー粒子の平均円形度]
本発明のトナーは、トナー粒子の平均円形度が、0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内であることがより好ましい。平均円形度が上記範囲内にあれば、トナー粒子の破砕を抑えることができ、摩擦帯電付与部材の汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができる。また、トナーにより形成される画像が高画質となる。
上記平均円形度は、次のようにして測定することができる。メジアン径を測定する場合と同様にして、トナーの分散液を調製する。FPIA−2100、FPIA−3000(いずれもシスメックス株式会社製)等によって、HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度範囲でトナーの分散液の撮影を行い、個々のトナー粒子の円形度を下記式(y)によって算出する。各トナー粒子の円形度を加算し、円形度の和を各トナー粒子の数で除することにより、平均円形度を算出する。HPF検出数が上記適正濃度範囲であれば、十分な再現性が得られる。下記式(y)中、L1は、粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長(μm)を表し、L2は、粒子投影像の周囲長(μm)を表す。
式(y)円形度=L1/L2
[外添剤]
本発明に係る外添剤は、1種でもそれ以上でもよい。当該外添剤としては、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、酸化亜鉛粒子、酸化クロム粒子、酸化セリウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化タングステン粒子、酸化スズ粒子、酸化テルル粒子、酸化マンガン粒子及び酸化ホウ素粒子を使用できる。
上記外添剤は、ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子を含むことがより好ましい。ゾル・ゲル法で作製されたシリカ粒子は、粒子径分布が狭いという特徴を有しているので、トナー母体粒子に対する外添剤の付着強度のバラツキを抑制する観点から好ましい。
また、上記シリカ粒子の個数平均一次粒子径は、70〜200nmであることが好ましい。個数平均一次粒子径が上記範囲内にあるシリカ粒子は、他の外添剤に比べて大きい。したがって、二成分現像剤においてスペーサーとしての役割を有する。よって、二成分現像剤が現像装置中で撹拌されているときに、より小さな他の外添剤がトナー母体粒子に埋め込まれることを防止する観点から好ましい。また、トナー母体粒子同士の融着を防止する観点からも好ましい。
上記外添剤の個数平均一次粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡で撮影した画像の画像処理によって求めることが可能であり、例えば、分級や分級品の混合などによって調整することが可能である。
上記外添剤は、その表面が疎水化処理されていることが好ましい。当該疎水化処理には、公知の表面処理剤が用いられる。当該表面処理剤は、1種でもそれ以上でもよく、その例には、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、脂肪酸、脂肪酸金属塩、そのエステル化物及びロジン酸が含まれる。
上記シランカップリング剤の例には、ジメチルジメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、メチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びデシルトリメトキシシランが含まれる。上記シリコーンオイルの例には、環状化合物や、直鎖状又は分岐状のオルガノシロキサンなどが含まれ、より具体的には、オルガノシロキサンオリゴマー、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン及びテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、が含まれる。
また、上記シリコーンオイルの例には、側鎖又は片末端や両末端、側鎖片末端、側鎖両末端などに変性基を導入した反応性の高い、少なくとも末端を変性したシリコーンオイルが含まれる。上記変性基の種類は、1種でもそれ以上でもよく、その例には、アルコキシ、カルボキシル、カルビノール、高級脂肪酸変性、フェノール、エポキシ、メタクリル及びアミノが含まれる。
上記外添剤の添加量は、トナー粒子全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
[現像剤]
上記トナーは、一成分現像剤であれば上記トナー粒子そのものにより構成され、二成分現像剤であれば上記トナー粒子及びキャリア粒子により構成される。当該二成分現像剤におけるトナー粒子の含有量(トナー濃度)は、通常の二成分現像剤と同様でよく、例えば4.0〜8.0質量%である。
上記キャリア粒子は、磁性体により構成される。当該キャリア粒子の例には、当該磁性体からなる芯材粒子と、その表面を被覆する被覆材の層とを有する被覆型キャリア粒子及び樹脂中に磁性体の微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子、が含まれる。上記キャリア粒子は、感光体へのキャリア粒子の付着を抑制する観点から、上記被覆型キャリア粒子であることが好ましい。
上記芯材粒子は、磁性体、例えば、磁場によってその方向に強く磁化する物質、によって構成される。当該磁性体は、1種でもそれ以上でもよく、その例には、鉄、ニッケル及びコバルトなどの強磁性を示す金属、これらの金属を含む合金又は化合物及び熱処理することにより強磁性を示す合金、が含まれる。
上記強磁性を示す金属又はそれを含む化合物の例には、鉄、下記式(a)で表されるフェライト及び下記式(b)で表されるマグネタイト、が含まれる。式(a)、式(b)中のMは、Mn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd及びLiの群から選ばれる一以上の1価又は2価の金属を表す。
式(a):MO・Fe
式(b):MFe
また、上記熱処理することにより強磁性を示す合金又は金属酸化物の例には、マンガン−銅−アルミニウム及びマンガン−銅−スズなどのホイスラー合金及び二酸化クロム、が含まれる。
上記芯材粒子は、上記フェライトであることが好ましい。これは、被覆型キャリア粒子の比重は、芯材粒子を構成する金属の比重よりも小さくなることから、現像装置内における撹拌の衝撃力をより小さくすることができるためである。
上記被覆材は、1種でもそれ以上でもよい。被覆材には、キャリア粒子の芯材粒子の被覆に利用される公知の樹脂を用いることができる。当該被覆材は、シクロアルキル基を有する樹脂であることが、キャリア粒子の水分吸着性を低減させる観点及び被覆層の芯材粒子との密着性を高める観点、から好ましい。当該シクロアルキル基の例には、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基及びシクロデシル基が含まれる。中でも、シクロヘキシル基又はシクロペンチル基が好ましく、被覆層とフェライト粒子との密着性の観点からシクロヘキシル基がより好ましい。
上記シクロアルキル基を有する樹脂の重量平均分子量は、例えば10000〜800000であり、より好ましくは100000〜750000である。当該樹脂における上記シクロアルキル基の含有量は、例えば10〜90質量%である。上記樹脂中の当該シクロアルキル基の含有量は、例えば、P−GC/MSやH−NMRなどの公知の機器分析法を利用して求めることが可能である。
上記二成分現像剤は、上記トナー粒子と上記キャリア粒子とを適量混合することによって製造することができる。当該混合に用いられる混合装置の例には、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機が含まれる。
上記トナー粒子の大きさ及び形状は、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。例えば、上記トナー粒子の体積平均粒径は、3.0〜8.0μmであり、上記トナー粒子の平均円形度は、0.920〜1.000である。
また、上記キャリア粒子の大きさ及び形状も、本実施形態の効果が得られる範囲において適宜に決めることが可能である。例えば、上記キャリア粒子の体積平均粒径は、15〜100μmである。当該キャリア粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS KA」(Sympatec社製)を用いて湿式にて測定することができる。また、上記キャリア粒子の体積平均粒径は、例えば、芯材粒子の製造条件による芯材粒子の粒径を制御する方法や、キャリア粒子の分級、キャリア粒子の分級品の混合などによって調整することが可能である。
[トナーの製造方法]
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、特に、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。
また、本発明に係るトナーの製造方法として好ましく用いられる乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液に貧溶媒を滴下して転相乳化を行ったのちに脱溶媒することで、樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーの製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー母体粒子を乾燥する工程
(6)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程
本発明のトナーの製造方法においては、上記(3)の工程において、熱処理工程(アニーリング)があることが好ましい。トナー製造工程においてアニーリングを経ることで、本願発明の式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすトナーを好適に製造でき、実際のトナー使用条件で高温を含む様々な温度で保管した場合であっても低温定着性と耐熱保管性とを良好にするという効果を好適に発現できる。
以下に、上記(3)の工程の一例について、具体的に記載する。
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂や非晶性ビニル樹脂などの結着樹脂の粒子の分散液と、着色剤粒子分散液を投入し、凝集剤(例えば、塩化マグネシウム。)の溶液を、撹拌下、添加し、上記結着樹脂の粒子や着色剤の粒子を凝集、会合、融着させ、粒子を成長させる。所望のタイミングで、塩化ナトリウムの水溶液を添加して、粒子径の成長を停止させる。次いで、昇温して撹拌し、トナー粒子の平均円形度が所望の値になるまで粒子の融着を進行させ、冷却し、液温を下げる。
その後、熱処理工程(アニーリング)として、撹拌しつつ、例えば、30分ほどかけて50℃まで昇温し、3時間ほど前記温度を維持する。その後冷却し30℃以下まで液温を下げる。その後、工程(4)〜(6)を経ることで本発明のトナーを製造することができる。
なお、上述のような工程(3)がアニーリングを有することにより、式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たす本発明のトナーを好適に製造することができる。
また、上記の(3)の工程以外の工程、すなわち、上記の(1)、(2)及び(4)〜(6)の工程は、特に限定されず、公知の方法を好適に採用することができる。また、本願発明の効果発現を阻害しない範囲であれば、上記(1)〜(6)の工程以外の公知の工程を採用することができる。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
〔結晶性ポリエステル樹脂1の合成〕
両反応性モノマーを含む、付加重合系樹脂として下記の他種構造の重合セグメント(スチレン・アクリル重合セグメント、以下、「St−Ac重合セグメント」ともいう。)の原料モノマー及びラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
スチレン 43.5質量部
n−ブチルアクリレート 16.0質量部
アクリル酸 3.5質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 8.0質量部
また、重縮合系セグメントである下記の結晶性ポリエステル(CPEs)重合セグメントの原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、撹拌機及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
テトラデカン二酸 440.0質量部
ブタンジオール 135.0質量部
次いで、撹拌下で付加重合系セグメント(St−Ac重合セグメント)の原料モノマーを90分かけて滴下し、60分間熟成を行ったのち、減圧下(8kPa)にて未反応の付加重合モノマーを除去した。なお、このとき除去されたモノマー量は、上記の樹脂の原料モノマー比に対してごく微量であった。
その後、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、更に減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。
次に200℃まで冷却したのち、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることにより結晶性ポリエステル樹脂1を得た。結晶性ポリエステル樹脂1は、その全量に対して他種構造の重合セグメント(St−Ac重合セグメント)を10質量%含み、また、St−Ac重合セグメントにCPEs重合セグメントがグラフト化した形態の樹脂であった。得られた結晶性ポリエステル樹脂1の数平均分子量(Mn)は9500、融点(T)は72℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂2の合成〕
結晶性ポリエステル樹脂1の合成において、重縮合系セグメントとして結晶性ポリエステル重合セグメント(CPEs重合セグメント)の原料モノマーを
テトラデカン酸 440.0質量部
1,6−ヘキサンジオール 173.0質量部
に変更した点以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂2が得られた。結晶性ポリエステル樹脂2の数平均分子量(Mn)は8500、融点(Tm(CPEs))は75℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂3の合成〕
結晶性ポリエステル樹脂1の合成において、重縮合系重合セグメントとして結晶性ポリエステル重合セグメント(CPEsセグメント)の原料モノマーを
セバシン酸 343.0質量部
1,6−ヘキサンジオール 173.0質量部
に変更した点以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂3が得られた。結晶性ポリエステル樹脂3の数平均分子量(Mn)は8000、融点(Tm(CPEs))は60℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂4の合成〕
結晶性ポリエステル樹脂1の合成において、重縮合系セグメントとして下記の結晶性ポリエステル重合セグメント(CPEs重合セグメント)の原料モノマーを
ドデカン二酸 391.0質量部
1,9−ノナンジオール 240.0質量部
に変更した点以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂4が得られた。結晶性ポリエステル樹脂4の数平均分子量(Mn)は9000、融点(T)は66℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂5の合成〕
結晶性ポリエステル樹脂3の合成において、付加重合系セグメントであるスチレン・アクリル重合セグメント(St−Ac重合セグメント)の原料モノマーを
スチレン 87.0質量部
n−ブチルアクリレート 32.0質量部
アクリル酸 7.0質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 16.0質量部
に変更した点以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂5が得られた。結晶性ポリエステル樹脂5の数平均分子量(Mn)は11000、融点(T)は58℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂6の合成〕
結晶性ポリエステル樹脂1の合成において、重縮合系セグメントである結晶性ポリエステル重合セグメント(CPEs重合セグメント)の原料モノマーを
ドデカン二酸 391.0質量部
エチレングリコール 100.0質量部
に変更した点以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂6が得られた。結晶性ポリエステル樹脂6の数平均分子量(Mn)は10000、融点(T)は80℃であった。
〔結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1の調製〕
上記結晶性ポリエステル樹脂1 82質量部をメチルエチルケトン82質量部に、70℃で30分撹拌し、溶解させた。次に、この溶解液に、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液 2.5質量部(中和度50%相当)を添加した。この溶解液を、撹拌機を有する反応容器に入れ、撹拌しながら、70℃に温めた水236質量部を70分間にわたって滴下混合した。滴下の途中で容器内の液は白濁化し、全量滴下後に均一に乳化状の状態を得た。この乳化液の油滴の粒径をレーザー回折式粒度分布測定器「LA−750(HORIBA製)」にて測定した結果、体積平均粒径は123nmであった。
次いで、この乳化液を70℃で保温したまま、ダイヤフラム式真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、15kPa(150mbar)に減圧下で3時間撹拌することで、メチルエチルケトンを蒸留除去し、結晶性ポリエステル樹脂1の微粒子が分散された「結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1」(固形分25質量%)を作製した。上記粒度分布測定器にて測定した結果、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1中、結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は75nmであった。
〔結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2〜6の調製〕
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1の調製において、結晶性ポリエステル樹脂1の代わりに結晶性ポリエステル樹脂2〜6を用いたことの他は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2〜6を調製した。
結晶性ポリエステル樹脂微粒子の体積平均粒径は200nmであった。
(着色剤粒子分散液の調製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン(C.I.ピグメントブルー15:3)420質量部を徐々に添加した。撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック株式会社製、「クレアミックス」は同社の登録商標)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子分散液を調製した。分散液中の着色剤粒子は、体積基準のメジアン径が110nmであった。
(離型剤粒子分散液1の調製)
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 100.0質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製ネオゲンRK) 10.0質量部
イオン交換水 400.0質量部
上記の材料を混合し80℃に加熱して、IKA社製のウルトラタラックスT50にて十分に分散した。その後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理した後、分散液にイオン交換水を加えて固形分量を15%に調整して離型剤粒子分散液1を調製した。この分散液中の離型剤粒子の体積基準のメジアン径をレーザー回折式粒度分布測定器LA−750((株)堀場製作所製)にて測定したところ、220nmであった。
(非晶性ポリエステル樹脂の作製)
下記ビニル樹脂の単量体、非晶性ポリエステル樹脂とビニル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体及び重合開始剤の混合液を滴下ロートに入れた。
スチレン 80.0質量部
n−ブチルアクリレート 20.0質量部
アクリル酸 10.0質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 16.0質量部
また、下記非晶性ポリエステル樹脂の原料となる単量体を、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を備えた四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物 59.1質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 281.7質量部
テレフタル酸 63.9質量部
コハク酸 48.4質量部
撹拌下で、滴下ロートに入れた混合液を四つ口フラスコへ90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて未反応の単量体を除去した。その後、エステル化触媒としてTi(OBu)を0.4質量部投入し、235℃まで昇温して、常圧下(101.3kPa)にて5時間、更に減圧下(8kPa)にて1時間、反応を行った。
次いで200℃まで冷却し、減圧下(20kPa)にて反応を行った後、脱溶剤を行い、非晶性ポリエステル樹脂を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)が24000、酸価が16.2mgKOH/g、ガラス転移点(T)が60℃であった。
(非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製)
次に、得られた非晶性ポリエステル樹脂100質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解し、あらかじめ調製しておいた0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合した。混合液を撹拌しながら、超音波ホモジナイザーUS−150T(日本精機製作所製)によりV−LEVEL 400μAで30分間の超音波分散処理を行った。その後、40℃に加温した状態で、ダイヤフラム真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して、固形分量が13.5質量%の非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を調製した。分散液中の非晶性ポリエステル樹脂粒子は、体積基準のメジアン径が98nmであった。
[ビニル樹脂粒子分散液1の調製]
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃として、下記単量体の混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 480.0質量部
n−ブチルアクリレート 250.0質量部
メタクリル酸 68.0質量部
上記混合液の滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより単量体の重合を行い、ビニル樹脂粒子分散液を調製した。
(第2段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、イオン交換水1100質量部と上記第1段重合により調製したビニル樹脂粒子分散液を固形分換算で55質量部を仕込み、87℃に加熱した。その後、下記単量体、連鎖移動剤及び離型剤を80℃にて溶解させた混合液を、循環経路を有する機械式分散機クレアミックス(エム・テクニック株式会社製)により、10分間の混合分散処理を行い、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。この分散液を上記5Lの反応容器に追加し、過硫酸カリウム5.5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた重合開始剤の溶液を添加し、この系を87℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行って、ビニル樹脂粒子分散液を調製した。
スチレン 256.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 95.0質量部
メタクリル酸 30.0質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.9質量部
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 136.8質量部
マイクロクリスタリン(離型剤、融点80℃) 7.2質量部
(第3段重合)
上記第2段重合により得られたビニル樹脂粒子分散液に更に過硫酸カリウム8質量部をイオン交換水140質量部に溶解させた溶液を添加した。さらに、84℃の温度条件下で、下記単量体及び連鎖移動剤の混合液を90分かけて滴下した。
スチレン(St) 367.2質量部
nーブチルアクリレート(BA) 165.0質量部
メタクリル酸(MAA) 34.3質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 52.5質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8.0質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、ビニル樹脂粒子分散液1を調製した。
[ビニル樹脂粒子分散液2の調製]
ビニル樹脂粒子分散液1の調製において、第2段重合で溶解させる単量体、連鎖移動剤及び離型剤を下記のとおりとしたほかは同様にして、ビニル樹脂粒子分散液2を調製した。
(第2段重合)
スチレン 256.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 47.5質量部
n−ブチルアクリレート 47.5質量部
メタクリル酸 30.0質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.9質量部
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 136.8質量部
マイクロクリスタリン(離型剤、融点80℃) 7.2質量部
[ビニル樹脂粒子分散液3の調製]
ビニル樹脂粒子分散液1の調製において、第2段重合で溶解させる単量体、連鎖移動剤及び離型剤、第3段重合で滴下する混合液を下記単量体及び連鎖移動剤の混合液としたほかは同様にして、ビニル樹脂粒子分散液3を調製した。
(第2段重合)
スチレン(St) 256.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA) 95.0質量部
メタクリル酸(MAA) 30.0質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.9質量部
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 136.8質量部
マイクロクリスタリン(離型剤、融点80℃) 7.2質量部
(第3段重合)
スチレン(St) 367.2質量部
2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA) 82.5質量部
n−ブチルアクリレート(BA) 82.5質量部
メタクリル酸(MAA) 34.3質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 52.5質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8.0質量部
[ビニル樹脂粒子分散液4の調製]
ビニル樹脂粒子分散液1の調製において、第2段重合で溶解させる単量体、連鎖移動剤及び離型剤を下記のとおりとしたほかは同様にして、ビニル樹脂粒子分散液4を調製した。
(第2段重合)
スチレン(St) 256.0質量部
n−ブチルアクリレート 95.0質量部
メタクリル酸(MAA) 30.0質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.9質量部
ベヘン酸ベヘネート(離型剤、融点73℃) 145.0質量部
[トナー1の製造]
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、ビニル樹脂粒子分散液1を298質量部(固形分換算)及びイオン交換水2000質量部を投入した。室温(25℃)下で、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。さらに、着色剤粒子分散液7質量部(固形分換算)を投入し、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解させた溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。3分間放置した後、60分間かけて80℃まで昇温し、80℃に到達後、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 36.8質量部(固形分換算)を20分かけて投入し、粒子径の成長速度が0.01μm/分となるように撹拌速度を調整して、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した体積基準のメジアン径が6.0μmになるまで成長させた。
次いで、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液37.2質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解させた水溶液を添加して、粒子径の成長を停止させた。次いで、昇温して80℃の状態で撹拌し、トナー粒子の平均円形度が0.970になるまで粒子の融着を進行させ、その後冷却し30℃以下まで液温を下げた。
その後、撹拌しつつ30分かけて50℃まで昇温し、当該温度を3時間維持した(アニーリング)。その後冷却し30℃以下まで液温を下げた。次いで、バスケット型遠心分離機「MARK III 型式番号60×40」(松本機械(株)製)を用いて固液分離を行い、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し、固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。洗浄後、40℃で24時間乾燥させることにより、コア・シェル構造を有するトナー母体粒子を得た。得られたトナー母体粒子100質量部に、疎水性シリカ粒子(個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(個数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部及びゾル・ゲルシリカ(数平均一次粒子径=110nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した。混合後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー1を得た。
[トナー2〜13並びに15及び16の製造]
トナー2〜13並びに15及び16は表1に記載のように、結晶性ポリエステル樹脂(CPEs)粒子分散液の種類及び量、非晶性ポリエステル(APEs)樹脂粒子分散液の量、ビニル樹脂粒子分散液の種類及び量、アニーリングの有無を変化させたことの他は同様にして、トナー2〜13、15、16を製造した。
[トナー14の製造]
撹拌装置、温度センサー及び冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液189.7質量部(固形分換算)、離型剤分散液52.1質量部(固形分換算)及びイオン交換水2000質量部を投入した。室温下(25℃)下で、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。さらに、着色剤粒子分散液7質量部(固形分換算)を投入し、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解させた溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。3分間放置した後、60分間かけて80℃まで昇温し、80℃に到達後、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1 130.2質量部(固形分換算)を40分かけて投入し、粒子径の成長速度が0.01μm/分となるように撹拌速度を調整して、コールターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)により測定した体積基準のメジアン径が6.0μmになるまで成長させた。
次いで、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液37.5質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解させた水溶液を添加して、粒子径の成長を停止させた。次いで、昇温して80℃の状態で撹拌し、トナー粒子の平均円形度が0.970になるまで粒子の融着を進行させ、その後冷却し30℃以下まで液温を下げた。
その後、トナー1の製造と同様のアニーリングを行った。その後冷却し30℃以下まで液温を下げた。次いで、固液分離を行い、脱水したトナーケーキをイオン交換水に再分散し、固液分離する操作を3回繰り返して洗浄した。洗浄後、40℃で24時間乾燥させることにより、トナー粒子を得た。得られたトナー粒子100質量部に、疎水性シリカ粒子(個数平均一次粒径:12nm、疎水化度:68)0.6質量部、疎水性酸化チタン粒子(個数平均一次粒径:20nm、疎水化度:63)1.0質量部及びゾル・ゲルシリカ(数平均一次粒子径=110nm)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)により回転翼周速35mm/秒、32℃で20分間混合した。混合後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、トナー14を得た。
Figure 2018077333
[トナー1〜16までの貯蔵弾性率]
トナー1〜16について、結晶性樹脂由来の融点(T℃)を基準として、T−10℃及びT−20℃にて3時間放置した後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))と、上記放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)を測定した。なお、貯蔵弾性率の測定方法は、下記のとおりである。また、測定結果から、1.0×10Paを示す温度t〜tを求めた。また、貯蔵弾性率の測定結果から、G′Tm−10(t)/G′Tm−20(t)が最大になる温度を求め、G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t)との差が最大となる測定温度xとした。
各測定結果は表2、表3に示すとおりである。また、放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aについて、G′Tm−20(t)/G′及びG′Tm−10(t)/G′の最大値及び最小値を表3に記載した。
測定サンプルとしては、外添剤のついたトナー(上記放置後又は放置前のトナー)を0.2g計量し、圧縮成形機で25MPaの圧力を印加して加圧成型を行い、直径10mmの円柱状ペレットを作製した。
レオメーター(TA instrument製:ARES G2)を使用し、上に直径8mmのパラレルプレートを下に直径20mmのパラレルプレートのセットで用いて、周波数1Hzの条件で降温測定を行った。サンプルセットを100℃にて行い、Gapを一度1.4mmにセットした後にプレート間からはみ出したサンプルのかきとりを行った後に1.2mmにGapをセットし、Axial forceをかけつつ任意の温度まで降温し3時間静置した。その後、測定開始温度の30℃まで降温しAxial forceを止め30℃から150℃まで昇温速度3℃/minにて貯蔵弾性率の昇温測定を行った。以下に詳細な測定条件を示す。
Frequency:1Hz
Ramp rate:3℃/min
Axicial force:0g、sensitivity:10g
Initial strain:3.0%、Strain adjust:30.0%、Minimum strain:0.01%、Maximum strain: 10.0%
Minimum torque:1g・cm、 Maximum torque:80g・cm
Sampling interval:1.0℃/pt
(結晶性樹脂由来の融点(T)の測定)
外添剤が添加されたトナーの試料をアルミニウム製パンKITNO.B0143013に5mg封入し、熱分析装置 Diamond DSC(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットして、加熱した。1回目の加熱時に、10℃/minの昇温速度で0℃から100℃まで昇温した際の結晶性樹脂由来の吸熱ピークのピークトップ温度をTとした。なお、いずれのトナーにおいても、ピークトップは、図2Bに示す上述の(i−ii)のパターンで観察された。
また、結晶性樹脂由来の融点(T)は、表3に記載のTと同等の値であった。
Figure 2018077333
Figure 2018077333
[トナー1〜16までの評価]
以下のようにして、トナー1〜16までを評価した。結果は表4に示す。
<トナーの耐熱保管性>
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に取り、蓋を閉めて、振とう機「タップデンサーKYT−2000」(セイシン企業社製)を用い、室温で600回振とうした後、蓋を開けた状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下において2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながら全量をのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmとなる振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩を通過したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式(A)によりトナー凝集率を算出した。得られた篩通過率に基づいてトナーの耐熱保管性の評価を行った。篩通過率が80%以下であるものを合格と判断した。
式(A):篩通過率(%)=(篩上に計量したトナーの質量(g)−篩上の残存トナー質量(g))/篩上に計量したトナーの質量(g)×100
(トナーの耐熱保管性の評価基準)
◎:90以上(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:85以上、90未満(トナーの耐熱保管性が良好)
△:80以上、85未満(トナーの耐熱保管性が良好)
×:80未満(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
<低温定着性及び高温曝露変動幅>
画像形成装置として、市販のフルカラー複合機「bizhub C754」(コニカミノルタ社製)を、定着上ベルと及び定着下ローラの表面温度を変更可能に改造したものを用い、A4(坪量80g/m)普通紙の上に、トナー付着量11.3g/mのベタ画像を、ニップ幅11.2mm、定着時間34msec、定着圧力133kPa、定着温度100〜200℃にて出力する試験を、定着温度を5℃刻みで変更しながら、繰り返し行った。
定着オフセットによる画像汚れが目視で確認されない最低の定着温度を最低定着温度とした。また現像剤を50℃、湿度40%の条件にて24時間曝露した後に上記と同様の評価を行い最低定着温度の変化幅を高温曝露変動幅とした。
(低温定着性の評価基準)
◎:最低定着温度 135℃未満(トナーの低温定着性が極めて良好)
○:最低定着温度 135℃以上、145℃未満(トナーの低温定着性が良好)
△:最低定着温度 145℃以上、155℃未満(トナーの低温定着性が良好)
×:最低定着温度 155℃以上(トナーの低温定着性が悪く、使用不可)
(高温曝露変動幅(定着変動抑制)の評価基準)
◎:高温曝露変動幅 3℃未満(定着性能の環境安定性が極めて良好)
○:高温曝露変動幅 3℃以上、5℃未満(定着性能の環境安定性が良好)
△:高温曝露変動幅 5℃以上、7℃未満(定着性能の環境安定性が良好)
×:高温曝露変動幅 7℃以上(定着性能の環境安定性が悪く、使用不可)
<高温曝露によるブリードアウト>
現像剤を50℃、湿度40%の条件にて24時間曝露した後に透過型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子社製)により、
測定モード:SEモード、LEI
加速電圧:2kV
EmissionCurrent :20μA
WorkingDistance :8mm
倍率:×1000
Datasize:1280×1024
の条件にて測定・撮影を行った。曝露前の現像剤と比較し、トナー内部から表面に異物が出てきていないかを確認した。
(高温曝露によるブリードアウトの評価基準)
◎:1視野内に異物なし(トナーの環境安定性が極めて良好)
○:1視野内に1〜2個異物が出ているトナーが存在(トナーの環境安定性が良好)
△:1視野内に3〜9個異物が出ているトナーが存在(トナーの環境安定性が良好)
×:1視野内に10個以上異物が出ているトナーが存在(トナーの環境安定性が悪く、使用不可)
Figure 2018077333
(まとめ)
以上の結果から、本発明によれば、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保管性に優れ、高温で長期間保管した場合の低温定着性の変動、結晶性材料のブリードアウトが少ない静電荷像現像用トナーを提供できることが分かる。
なお、上記トナー1〜16は、測定温度領域Aにおいて、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が最大となる場合(t℃=x℃の時。)がG′(t)に対する、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が最大となる場合であった。
、P、PCW、P、P ピークトップ温度

Claims (13)

  1. 少なくとも、結着樹脂を含有するトナー母体粒子と外添剤とからなる静電荷像現像用トナーであって、
    前記結着樹脂として、非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、非晶性ビニル樹脂とを含有し、
    前記結晶性樹脂由来の融点(T℃)を基準として、T−10℃及びT−20℃にて静電荷像現像用トナーを3時間放置後に測定した貯蔵弾性率(G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t))とが、前記放置前に測定した貯蔵弾性率G′(t)に対して、当該貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、下記式(1a)、式(1b)及び式(2a)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    式(1a):G′(t)<G′Tm−10(t)
    式(1b):G′(t)<G′Tm−20(t)
    式(2a):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.5
    [上記式において、tは、上記測定温度領域A内における任意の測定温度(℃)を表す。xは、G′Tm−10(t)とG′Tm−20(t)との差が最大となる測定温度(℃)を表す。]
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂と前記結晶性樹脂との合計量に占める当該結晶性樹脂の割合が、40質量%より大きく60質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量が、50質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、
    前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、下記式(3a)及び式(3b)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(3a):1<G′Tm−10(t)/G′(t)≦10
    式(3b):1<G′Tm−20(t)/G′(t)≦10
  5. 前記貯蔵弾性率G′(t)、G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)が、それぞれ、1.0×10Paとなる温度を、t℃、t℃及びt℃としたとき、
    下記式(4a)及び式(4b)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(4a):|t−t|≦2℃
    式(4b):|t−t|≦2℃
  6. 前記貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上となる測定温度領域Aにおいて、
    前記G′(t)に対する、前記G′Tm−10(t)及びG′Tm−20(t)の差が各々最大となる温度における貯蔵弾性率が、いずれも、1.0×10〜3.0×10Paの範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、
    下記式(2b)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(2b):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.25
  8. 前記式(2a)における左辺の式:G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)が、
    下記式(2c)を満たすことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
    式(2c):G′Tm−10(x)/G′Tm−20(x)≦1.1
  9. 前記トナー母体粒子が、コア・シェル構造を有すること特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記融点Tが、55〜80℃の範囲内にあることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記結晶性樹脂の含有量が、5〜20質量%の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 前記結晶性樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 前記結晶性ポリエステル樹脂として、少なくとも結晶性ポリエステル重合セグメントと、他種構造の重合セグメントとが化学結合してなるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
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