JP6024300B2 - 二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置に関する。
近年、電子写真は商業印刷分野でも活用されつつあり、「高品質の画像をいつでも安定に供給可能であること」が求められている。こうした要求を満たすためには、プリント時の温湿度環境変動や多数枚プリントによる劣化の影響を受けにくい二成分現像剤が必要である。これに対してキャリアの樹脂被覆層に脂環式メタクリル酸エステルを用いることで、高温高湿環境でも帯電量を確保すると同時に温湿度の環境差による変動を抑制し、画像品質の安定化を図る二成分現像剤が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1で開示された二成分現像剤は、現像機内での機械的ストレスによってトナーの破片やトナーの外添剤、あるいはトナー母体の成分などがキャリア表面に付着(トナーの破片やトナーの外添剤、あるいはトナー母体の成分などがキャリア表面に付着することをスペントという。)したり、あるいは樹脂被覆層の減耗によって、キャリアの帯電付与能力が低下したりするため、多数枚プリントするとトナーに適正な帯電量を付与することが困難な場合があった。このうちスペントに対しては、攪拌等の機械的ストレスによって樹脂被覆層を少量ずつ研磨して減耗させることで、トナーや外添剤がスペントしたキャリア表層をリフレッシュしてプリント初期と同等の帯電付与能力を保持させる方法が適用されてきた。
しかしながら、研磨されることによって樹脂被覆層が薄くなると、樹脂被覆層の電気抵抗が低くなって帯電付与能力を維持できなくなり、結果としてトナーの帯電量が低下してしまうため、開示された二成分現像剤の寿命には限界があった。
また、キャリアの被覆樹脂にシリコーン樹脂を用い、かつ被覆樹脂の膜厚方向に対して、摩擦帯電能力が異なり、キャリア芯材に近いほど摩擦帯電能力が高い素材で被覆したキャリアが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、この技術においては、シリコーン樹脂を被覆樹脂の主成分としている。シリコーン樹脂は、製膜後3次元架橋構造をとり、非常に硬い被覆樹脂を形成するため、摩耗が少ない特徴がある。従来この耐摩耗性に優れた特徴を生かし、高耐久の画像形成システムに用いられた場合もあったが、近年の100万プリント以上の耐久性を求める市場要求に対しては十分ではなかった。また、特に印字率の変動が大きい場合(画像面積率が0〜100%)においては、十分な性能を維持できるものではなかった。
また、キャリアの樹脂被覆層にシクロアルキル基を有する単量体に窒素含有アクリル系単量体(アミノ基含有アクリル系単量体やその誘導体)を共重合した樹脂を用い、樹脂被覆層に窒素原子を導入することで、キャリアの帯電付与能力を向上させる二成分現像剤が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、この二成分現像剤も、プリントの初期においてはトナーの帯電量を高く保持できるようになったが、多数枚プリントすると樹脂被覆層の減耗によりトナーの帯電量が低下し、現像剤の寿命には限界があった。
この問題を解決する目的で、荷電制御粒子と低抵抗微粒子を含有する樹脂被覆層を有するキャリアにおいて、樹脂被覆層の内部から表面に向かうほど低抵抗微粒子の濃度が高くなり、樹脂被覆層の内部から表面に向かうほど荷電制御粒子(帯電制御粒子)の濃度が低くなるように濃度勾配を設けたキャリアが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、樹脂被覆層中に分散された荷電制御粒子によって帯電制御を行うため、キャリア表面の樹脂部に接触したトナーとキャリア表面の荷電制御粒子部に接触したトナーで帯電量に差が生じるため、帯電ムラを発生し、結果としてトナーの帯電量の低い弱帯電トナーが生じ、高温高湿環境下などより厳しい条件下においては、かぶりを生じるという問題があった。
特許第3691085号公報 特開平9−281751号公報 特開2009−300531号公報 特開2008−8938号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、多数枚プリントしてもトナーの帯電量が安定で、高濃度でかぶりが無い高品質のプリント物が継続して得られ、複写機内へのトナー飛散も少ない高耐久の二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、キャリアの樹脂被覆層が、少なくとも窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子濃度が、樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子濃度より高く、表面側に含まれる導電性微粒子濃度が、芯材粒子側に含まれる導電性微粒子濃度より高くすることによって樹脂被覆層が摩耗してもキャリアの帯電性と抵抗を一定範囲内に維持できることを見出し本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の構成により解決される。
1.トナー粒子と、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリア粒子とを含む二成分現像剤であって、該樹脂被覆層が、少なくとも窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子の濃度が、該樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子の濃度より0.1%以上高く、該表面側に含まれる導電性微粒子の濃度が、該芯材粒子側に含まれる導電性微粒子の濃度より0.1質量%以上高いことを特徴とする二成分現像剤。
2.前記樹脂被覆層が窒素原子非含有アクリル樹脂を含有し、該窒素原子非含有アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルとアクリル共重合体樹脂であることを特徴とする第1項に記載の二成分現像剤。
3.前記窒素原子含有アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルとアクリル共重合体樹脂であることを特徴とする第1項又は第2項に記載の二成分現像剤。
4.前記樹脂被覆層が前記芯材粒子側の下層とその上に積層される1層以上の上層との積層構造を有し、該下層が、窒素原子の濃度が最も高く、かつ導電性微粒子の濃度が最も低い層であり、該下層における窒素原子の濃度と導電性微粒子の濃度が膜厚方向で一定であり、該上層が、膜厚方向に対して該下層側の窒素原子の濃度が表面側より0.1%以上高く、表面側の導電性微粒子の濃度が該下層側より0.1質量%以上高いことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の二成分現像剤。
5.前記下層の膜厚が、樹脂被覆層の総膜厚の32〜49%の範囲内であることを特徴とする第項に記載の二成分現像剤。
6.前記樹脂被覆層の総膜厚が、1.1〜3.5μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の二成分現像剤。
7.トナー粒子と、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリア粒子とを含む二成分現像剤の製造方法であって、
前記キャリア粒子は、該樹脂被覆層が窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、
該窒素原子含有アクリル樹脂の窒素原子の濃度が、該キャリア表面側より該芯材粒子側に近づくほど高く、導電性微粒子の濃度が該芯材粒子側より該キャリア表面側に近づくほど高くなるよう段階的に変化させて該樹脂被覆層を形成する工程を有することを特徴とする二成分現像剤の製造方法。
8.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
9.第1項から第6項までのいずれか一項に記載の二成分現像剤が具備されたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
本発明の上記手段により、多数枚プリントしてもトナーの帯電量が安定で、高濃度でかぶりが無い高品質のプリント物が継続して得られ、複写機内へのトナー飛散も少ない高耐久性の二成分現像剤、二成分現像剤の製造方法、電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成装置を提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確になってはいないが、以下のように推察している。
現像機内で現像剤が長期間攪拌されると、キャリア表面にスペントを生じてしまい、トナーへの帯電付与能力が低下する。ここで、スペントとは、トナーの破片やトナー母体中の成分あるいはトナーから脱離した外添剤等がキャリア表面に付着することをいう。従来、このスペントによるキャリア汚染を防ぐため、樹脂被覆層に減耗代(減耗を許容する領域)を設けて厚くし、攪拌等の機械的ストレスによって樹脂被覆層を少しずつ摩耗させることで、キャリア表面をリフレッシュして初期同様の帯電付与能力(以下帯電性ともいう。)を保持させていた。しかし、樹脂被覆層が減耗して、ある膜厚以下になると帯電性の急速な低下を生じることがあり、高耐久の現像剤としては不十分であった。
このような問題に対して、キャリア芯材粒子近傍の窒素原子の濃度が高い構成の樹脂被覆層を有するキャリアを用いると樹脂被覆層の膜厚(層厚ともいう。)が薄くなるにつれて窒素原子の濃度の高い、すなわちプラス帯電性(トナーはマイナスに帯電する。)の高い樹脂面が表出するため、摩耗が進んでも帯電性の低下が起こらず、帯電付与能力の安定した現像剤を得ることができる。
一方、耐久性を上げるために樹脂被覆層を厚くすると、キャリア芯材粒子よりも被覆樹脂の体積固有抵抗が大きいために、キャリアの使用初期においては、キャリアの体積抵抗値が大きくなってしまう。そのため現像性が低下し、必要な画像濃度が得られなくなってしまう。この問題を解決するため、樹脂被覆層に抵抗調整剤として導電性微粒子を含有させ、かつ芯材粒子側より表面側に導電性微粒子を多く含有させることによって、樹脂被覆層が摩耗するにしたがい、導電性微粒子の含有量が減少することの効果で、樹脂被覆層の体積抵抗値(体積抵抗率ともいう。)が大きくなる。一方、樹脂被覆層の膜厚の減少は、樹脂被覆層を有するキャリアの体積抵抗値を低下させる方向に働く。これら両方の効果がバランスして、樹脂被覆層が摩耗してもキャリアの体積抵抗値を一定の範囲内に保つことができ、長期にわたって安定した現像性を確保できたものと考えられる。
これにより、樹脂被覆層の摩耗によるキャリアの体積抵抗値の変動を抑制することが可能となり、大量プリントによる長期使用においても画像濃度が安定し、現像剤の耐久性を大幅に向上させることができたものと考えられる。
キャリア粒子の断面の模式図 キャリア粒子の断面を拡大した図であり、樹脂被覆層の芯材粒子側と表面側を説明する模式図 本発明の電子写真画像形成装置の一例の形態を示す電子写真カラー画像形成装置の構成図
本発明の二成分現像剤は、トナー母体粒子に外添剤を付着させたトナーと、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリアとを含む二成分現像剤であって、該樹脂被覆層が、少なくとも窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子の濃度が、該樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子の濃度より高く、該表面側に含まれる導電性微粒子濃度が、該芯材粒子側に含まれる導電性微粒子の濃度より高いことを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項9までの請求項に係る発明に共通の技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記樹脂被覆層が、アクリル樹脂を含有し、該アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルとを重合して得られたアクリル共重合体樹脂であることが温湿度変動に対しても帯電量の変動が小さく、キャリア表面がリフレッシュされやすく、かつ現像機内でのストレス耐性に優れるので好ましい。
さらに、本発明においては、前記窒素原子含有アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルを重合して得られたアクリル共重合体樹脂であることが、温湿度の環境変動に対しても帯電量の変動が小さく、キャリア表面がリフレッシュされやすく、かつ現像機内でのストレス耐性に優れるので好ましい。
また、本発明においては、前記樹脂被覆層が、前記芯材粒子側の下層とその上に積層される1層以上の上層との積層構造を有し、該下層が、窒素原子の濃度が最も高く、かつ導電性微粒子の濃度が最も低い層であり、該下層における窒素原子の濃度と導電性微粒子の濃度が膜厚方向で一定であり、該上層が、膜厚方向に対して該下層側の窒素原子の濃度が表面側より高く、表面側の導電性微粒子の濃度が該下層側より高いことが、樹脂被覆層が摩耗しても帯電性と現像性が安定して維持され、耐久性が向上する効果が得られるので好ましい。
なお、ここで、窒素原子の濃度とは、後述する方法で測定された濃度をいい、導電性微粒子の濃度とは、樹脂被覆層中における導電性微粒子の質量濃度をいう。また、「窒素原子の濃度と導電性微粒子の濃度が膜厚方向で一定」とは、これらの膜厚方向における濃度差が帯電性やキャリアの体積抵抗値に差を与えない範囲であって、具体的には、下層内での膜厚方向の濃度差が窒素原子の濃度の場合は、膜厚1μmあたり0.1%未満であることをいう。また、導電性微粒子の濃度の場合も同様に膜厚方向の濃度差が膜厚1μmあたり0.1質量%未満であることをいう。
さらに、本発明においては、前記樹脂被覆層の下層が総膜厚の32〜49%の範囲内であることが、樹脂被覆層が摩耗しても帯電性と現像性が安定して維持され、耐久性が向上する効果が得られるので好ましい。
さらに、本発明においては、前記下層の膜厚が、1.1〜3.5μmの範囲内であることが帯電性と現像性が安定して維持され、耐久性が向上する効果が得られるので好ましい。
さらに、本発明の二成分現像剤を製造する二成分現像剤の製造方法としては、トナー粒子と、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリア粒子とを含む二成分現像剤の製造方法であって、前記キャリア粒子は、該樹脂被覆層が窒素原子含有アクリル系樹脂と導電性微粒子とを含有し、該窒素原子含有アクリル樹脂の窒素原子の濃度が、該キャリア表面側より該芯材粒子側に近づくほど高く、導電性微粒子の濃度が該芯材粒子側より該キャリア表面側に近づくほど多く含有するよう段階的に変化させて該樹脂被覆層を形成する工程を有する製造方法であることが、帯電性と現像性が安定した高耐久の現像剤が容易に得られるので好ましい。
本発明の二成分現像剤は、電子写真画像形成方法に好適に用いられ、また、電子写真画像形成装置に好適に具備され得る。これにより、環境変化や長期間の大量プリントに対しても帯電性と現像性が安定し、高画質の画像を安定して得ることができる長寿命の現像剤を提供することができる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明を行う。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
《二成分現像剤》
本発明の二成分現像剤は、トナー母体粒子と芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリアとを含むものである。
《キャリア》
本発明で用いられるキャリアは、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたものである。樹脂被覆層を構成する被覆用樹脂は窒素原子含有アクリル系樹脂と導電性微粒子とを含有し、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子の濃度(以下、窒素原子濃度ともいう。)が、該樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子の濃度より高く、該表面側に含まれる導電性微粒子の濃度(以下、導電性微粒子濃度ともいう。)が、該芯材粒子側に含まれる導電性微粒子の濃度より高いことを特徴とする。ここで「高い」とは、キャリアの芯材粒子側と表面側で濃度差を有し、窒素原子濃度の場合は、表面側に比べて芯材粒子側で0.1%以上高いことをいう。また、導電性微粒子濃度の場合も同様に0.1質量%以上高いことをいう。また濃度差が0.1質量%未満である場合を濃度が一定、あるいは濃度差がないという。
〈芯材粒子〉
キャリアに用いられる芯材粒子としては、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子又はそれらを樹脂中に分散させたものを挙げることができる。好ましくはマグネタイトや各種フェライト粒子である。フェライトとしては、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の重金属を含有するフェライトやアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。
芯材粒子の粒径は、その体積平均粒径が10〜100μm、好ましくは20〜80μmの粒子が好ましい。この範囲の粒径の芯材粒子は高解像度のプリント物を得るのに適している。
さらに芯材粒子自体が有する磁化特性としては、飽和磁化で30〜70A・m/kgのものが好ましい。
なお、芯材粒子の体積平均粒径は、湿式分散器を備えてなるレーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定される体積基準の平均粒径である。飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される値である。
〈導電性微粒子〉
本発明で用いられる導電性微粒子とは、樹脂被覆層に添加することで、樹脂被覆層の体積抵抗値(体積抵抗率)を下げ、キャリアの体積抵抗値を下げる効果を有する。すなわちキャリアの抵抗調整剤として機能する。したがって、導電性微粒子としては、被覆用樹脂に比較して、相対的に抵抗が小さいものであれば、特に限定されるものではないが、本発明において用いられる導電性微粒子としては、導電性カーボンブラック、チタニア、鉄粉、酸化亜鉛、及び酸化スズ等を挙げることができる。上記の中でもカーボンブラックが、樹脂に馴染みやすく、樹脂と混合したときに抵抗調整が容易であるため好ましい。カーボンブラックはその製造方法により特性が変化するが、本発明に用いられるカーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック及びサーマルブラック等が挙げられる。導電性微粒子の体積抵抗値は、1×10−2〜1×10[Ω・cm]の範囲内であることが樹脂被覆層の体積抵抗値を調整する上で好ましい。
(体積抵抗値の測定)
本発明において体積抵抗値とは、以下のようにして求めたものである。
体積抵抗値は、導電性微粒子1.0gを、上下に断面積1.0cmの電極を配した絶縁性円筒容器に充填し、500gの荷重下で試料高さを求めた後、DC100Vの電場を印加して絶縁抵抗値を測定し、得られた試料高さ及び絶縁抵抗値から以下の式により体積抵抗値を算出した値である。
体積抵抗値[Ω・cm]=R・(S/t)
R:絶縁抵抗計の読み値(Ω)
絶縁抵抗計の印加電圧(100V)
S:試料層の断面積(1cm
t:試料層の膜厚(cm)
(導電性微粒子の濃度の測定)
本発明において、樹脂被覆層中の導電性微粒子濃度とは、樹脂被覆層中における導電性微粒子の質量濃度である。また、樹脂被覆層中の導電性微粒子の濃度は、以下のようにして測定することができる。
集束イオンビーム試料作成装置「SMI2050」(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)にてキャリア薄片を作製し、その後、その薄片の断面を透過型電子顕微鏡「JEM−2010F」(日本電子(株)製)にて5000倍の視野で写真を撮影し、この写真をスキャナーにより取り込み、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)を用いて、キャリアの樹脂被覆層中に存在する導電性微粒子を2値化処理する。2値化処理された画像を観察し、その領域における導電性微粒子の面積比率を算出し、導電性微粒子と被覆樹脂の比重を加味した質量濃度を算出することができる。
〈被覆用樹脂〉
キャリアの樹脂被覆層を形成する被覆用樹脂としては、窒素原子含有アクリル樹脂が用いられる。また被覆用樹脂としては、必要に応じて窒素原子非含有アクリル樹脂を含有することができる。窒素原子含有アクリル樹脂と窒素原子非含有アクリル樹脂とを混合して用いることにより、樹脂被覆層中の窒素原子濃度を調整することもできる。
(窒素原子含有アクリル樹脂)
本発明において、窒素原子含有アクリル樹脂とは、アクリル樹脂の分子中に窒素原子を有する樹脂をいい、以下の二つの樹脂のことをいう。
(1)共重合成分として窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体を重合して得られる成分を含有するアクリル樹脂
(2)樹脂を合成するときに用いる重合開始剤の分子構造中に構成原子として窒素原子を有している重合開始剤を用いて得られるアクリル樹脂
なおここで、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをいい、アクリル樹脂とは、アクリル酸エステル、あるいはメタクリル酸エステルのどちらか、あるいは両方の単量体を重合して得られる樹脂をいう。
(樹脂被覆層中へ窒素原子の導入(窒素原子含有アクリル樹脂の作製法))
樹脂被覆層中へ窒素原子を導入する方法としては、下記の二つの方法を挙げることができる。
(1)窒素原子を含有する単量体を重合して得られる樹脂を用いる方法
窒素原子を含有する単量体を重合して得られる樹脂は、例えば、脂環式メタクリル酸エステルと窒素原子を含有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合により得ることができる。
窒素原子を含有する単量体としては、アクリル酸ジメチルアミド、メタクリル酸ジメチルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノブチル、及びメタクリル酸メチルアミノエチルなどのアミノ基含有アクリル系単量体やそれらの誘導体などを含む窒素含有アクリル系単量体及びビニルピロリドンなどの含窒素基を導入したものを挙げることができる。
また、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂(ユリア樹脂)、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリアミド樹脂などのアミノ樹脂を構成する単量体及びエポキシ樹脂を構成する単量体等を挙げることができる。
これらの中では、キャリアが電荷付与能力(帯電付与能力ともいう。)を保持しやすくなることから窒素含有アクリル系単量体が好ましい。このうちアミノ基含有アクリル系単量体がより好ましく、メタクリル酸ジメチルアミノエチルがより好ましい。窒素原子を含有する単量体の添加量は、樹脂被覆層全体で0.1〜20質量部が好ましく、0.2〜10質量部がより好ましい。
(2)重合開始剤として窒素原子含有重合開始剤を用いる方法
樹脂を合成するときに窒素原子含有開始剤を使用して分子鎖末端(樹脂構造中)に窒素原子を配置して導入することができる。
なお、窒素原子含有開始剤の分解により残る分解物が高分子鎖の末端基として残る。この末端基の分極の度合いがキャリア自身の極性と電荷付与能力を支配する。
窒素原子含有開始剤としては、2,2′−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2′−アゾビスプロパン]・二塩酸塩、2,2′−ビス(2−イミダゾリン−2−イル)[2,2′−アゾビスプロパン]二硫酸二水和物、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2′−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2メチルプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2′−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロパンアミド]、2,2′−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチル−n−2−プロペニルプロパンアミド)、1,2−ジデヒドロ−1−(1−シアノ−1−メチルエチル)セミカルバジド、2,2′−アゾビス(n−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、及び2,2′−アゾビス(n−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)を挙げることができる。
上記の中では、電子供与性基であるアミノ基を含有するものが、極性の強さの観点から好ましい。具体的には、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、及び2,2′−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2メチルプロパン)二塩酸塩が好ましい例として挙げられる。重合反応における添加量は、単量体100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
次に、樹脂被覆層中の窒素原子濃度について説明する。
図1は、キャリア粒子の断面を表した模式図である。
図2は、図1のキャリア粒子の断面の枠内を拡大した模式図であり、樹脂被覆層の芯材粒子側と表面側を説明する模式図である。
図2において、1aはキャリア粒子の断面、2aは芯材粒子、3aは芯材粒子の表面、4aは樹脂被覆層、5aは樹脂被覆層の膜厚、6aは樹脂被覆層の膜厚を二分したときの表面側の樹脂被覆層、7aは樹脂被覆層の膜厚を二分したときの芯材粒子側の樹脂被覆層、8aは樹脂被覆層の表面、10aは導電性微粒子を示す。
(樹脂被覆層中の窒素原子の濃度)
本発明で用いるキャリアは、樹脂被覆層中に窒素原子含有アクリル樹脂を含有するものであり、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子の濃度が、該樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子の濃度より高いことを特徴としている。
樹脂被覆層中の窒素原子の濃度は、樹脂被覆層を芯材粒子側と表面側とに二分したとき、芯材粒子側の窒素原子の濃度が表面側の窒素原子の濃度より高いものとする。芯材粒子側の窒素原子の濃度は表面側の窒素原子の濃度の1.05倍以上であることが好ましく、1.10倍以上2.00倍以下であることが、長期の使用において安定した帯電性能を得る上でより好ましい。
(窒素原子の濃度の測定)
本発明においては、樹脂被覆層中の「窒素原子の濃度」とは、以下のようにして測定した「窒素元素量」を尺度として用いる。
クロスセクションポリッシャー法(CP法)にてキャリア粒子の断面サンプルを作製し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率3万倍画像の撮影を行う。得られた撮影画像において、図2に示すように樹脂被覆層の膜厚5aを二分し、芯材粒子に近い方を「芯材粒子側の樹脂被覆層」、他方を「表面側の樹脂被覆層」とする。次に同じ視野にてエネルギー分散型X線分析装置(EDS)で元素マッピングを行う。その際適宜ピーク分離を行い、窒素元素と他元素を色分けする。画像処理装置(例えば、(株)ニレコ製「LUZEX(登録商標)AP」)を用い、得られたマッピング画像と前記SEM画像を重ね、芯材粒子側の樹脂被覆層7aと表面側の樹脂被覆層6aそれぞれにおける窒素元素の占める面積を算出する。これを芯材粒子側の樹脂被覆層7a又は表面側の樹脂被覆層6aの各総面積で除することで、芯材粒子側の樹脂被覆層7aと表面側の樹脂被覆層6aそれぞれにおける単位面積当たりの窒素元素量を算出する。前記測定を撮影画像数が3箇所になるまで同様に行い、芯材粒子側と表面側それぞれにおいて3撮影画像の平均値を求め、これを「芯材粒子側の窒素元素量」「表面側の窒素元素量」とする。なお、窒素元素のマッピングの濃度により、元素量を判定することも可能である。
なお、「芯材側」、「表面側」とは、次のようにして定義される。すなわち、キャリア樹脂被覆層最表面の任意の点Aについて、接線(図示せず)、及び点Aを通過し、かつこの接線と垂直に交わる法線Lを作図し、この法線Lとキャリア芯材表面との交点をB、線分ABにおける中間点Cを求める。同様の作図をキャリア樹脂被覆層最表面の周上で1μmおきに行い、得られた中間点同士を線で結ぶことによりキャリア樹脂被覆層を二分することができる。なお、法線が、芯材表面と交わらない場合は除くこととする。このうち、芯材に近い樹脂被覆層を「芯材側」、他方を「表面側」とよぶ。また、上記で得られた線分ABの長さを計測し、キャリア樹脂被覆層最表面の周上1μm毎に作成する線分が外周を1周する際に得られる線分AB長さの平均値を樹脂被覆層(コート層ともいう。)の膜厚とする。
芯材側、表面側それぞれにおいて、元素マッピングにより色分けされた窒素元素部分の占める面積を算出し、これを芯材側又は表面側の総面積で除することにより、芯材側及び表面側の窒素元素量を求めることができる。
(窒素原子非含有アクリル樹脂)
本発明においては、上記窒素原子含有アクリル樹脂の他に、必要に応じて窒素原子非含有アクリル樹脂を用いることができる。窒素原子非含有アクリル樹脂とは、分子構造中に構成原子として窒素原子を有していない重合開始剤を用いて重合されたアクリル樹脂、及び(メタ)アクリル酸エステルの分子構造中に窒素原子を構成成分として含まない単量体を重合して得られたアクリル樹脂をいう。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルなどの鎖式(メタ)アクリル酸エステルの重合体、炭素原子数3〜7個のシクロアルキル環を有する(メタ)アクリル酸シクロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロブチル、(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び(メタ)アクリル酸シクロヘプチルなどの脂環式(メタ)アクリル酸エステルの重合体が挙げられる。
本発明においては、被覆用樹脂としては、窒素原子含有アクリル樹脂及び窒素原子非含有アクリル樹脂とも脂環式メタクリル酸エステルをと鎖式メタクリル酸エステルを重合して得られた生成物を含有するアクリル樹脂が好ましく、脂環式メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸シクロプロピル、メタクリル酸シクロブチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル及びメタクリル酸シクロヘプチルが好ましい。
中でも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式メタクリル酸エステルを重合して得られた樹脂は、プリント時の温湿度環境が変化しても帯電量の変動が少なく好ましい。
これらの樹脂は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて共重合体として使用することができる。例えばメタクリル酸シクロヘキシルとメタクリル酸メチルの共重合体を用いると、キャリア表面がリフレッシュされやすく、かつ現像機内でのストレス耐性に優れるため好ましい。
なお、前記アクリル樹脂と、スチレン、α−メチルスチレン又はパラクロルスチレンなどのスチレン系単量体を共重合したものを使用してもよい。
被覆用樹脂の重量平均分子量は、2〜100万が好ましく、3〜70万がより好ましい。被覆用樹脂のガラス転移点(Tg)は、60〜180℃が好ましく、80〜150℃がより好ましい。
《キャリアの作製》
キャリアは、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたものである。
芯材粒子の表面に、樹脂被覆層を設ける方法としては、湿式塗布法、乾式塗布法が挙げられ、いずれの方法でも樹脂被覆層を設けることができる。以下に各方法について説明する。
(湿式塗布法)
(1)流動層式スプレー塗布法
流動層式スプレー塗布法(以下、溶剤コート法ともいう。)は、被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、流動性スプレー塗布装置を用いて芯材粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法
(2)浸漬式塗布法
浸漬式塗布法は、被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して樹脂被覆層を作製する方法
(3)重合法
重合法は、反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、芯材粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行って樹脂被覆層を作製する方法
(乾式塗布法)
乾式塗布法は、機械的衝撃や熱を加えて被覆用樹脂を芯材粒子の表面に塗布する方法(以下、メカノケミカル法ともいう。)であり、下記の工程1、2及び3により樹脂被覆層を形成する方法
工程1:被覆しようとする被覆用樹脂粒子、必要により添加する固形物(例えば、樹脂粒子)を分散した塗布材を、芯材粒子とともに機械的に撹拌し、芯材粒子表面に塗布材を付着させる。
工程2:その後、機械的衝撃や熱を加えて芯材粒子表面に付着させた塗布材中の被覆用樹脂粒子を溶融あるいは軟化させて固着し、樹脂被覆層を形成する。
工程3:必要に応じ1〜2の工程を繰り返し、所望の膜厚の樹脂被覆層を形成する。
機械的衝撃や熱を加えて塗布する方法の装置としては、例えば「ターボミル」(ターボ工業社製)、ピンミル、「クリプトロン」(川崎重工社製)等のローターとライナーを有する摩砕機又は水平撹拌翼付高速撹拌混合機を挙げることができ、これらの中では水平撹拌翼付き高速撹拌混合機が良好に樹脂被覆層を形成でき好ましい。
加熱する場合には、加熱温度は60〜125℃が好ましい。前記範囲の温度で加熱すると樹脂被覆したキャリア同士の凝集が発生せず、芯材粒子表面に被覆用樹脂を固着させることができる。
本発明では、湿式塗布法、乾式塗布法、湿式塗布法と乾式塗布法を組み合わせた塗布法により樹脂被覆層を形成できるが、これらの中では均一な樹脂被覆層を形成しやすい乾式塗布法が好ましい。
(樹脂被覆層の芯材粒子側と表面側の窒素原子濃度を変化させる方法)
樹脂被覆層中の芯材粒子側と表面側の窒素原子濃度を変化させる方法としては、段階的又は連続的に窒素原子の濃度を変えて樹脂被覆層を形成する方法を挙げることができる。
段階的に窒素原子の濃度を変えた多層構成の樹脂被覆層は、窒素原子含有樹脂の種類や量を変えた樹脂被覆層を複数層形成することによって作製することができる。
また、連続的に窒素原子の濃度を変えた樹脂被覆層を形成する方法では、窒素原子含有樹脂と窒素原子非含有樹脂を準備し、芯材粒子を投入した後、窒素原子含有樹脂の投入量を多くし、窒素原子非含有樹脂の投入量を少なくし、その後、窒素原子非含有樹脂の投入量を多くし、窒素原子含有樹脂の投入量を少なくすることで、芯材粒子側の窒素原子濃度が高く、表面側の窒素原子濃度が低い樹脂被覆層を形成することができる。
また、スプレー塗布法では、窒素原子含有樹脂と窒素原子非含有樹脂とを混合した被覆用樹脂溶液を準備し、スプレー塗布中に窒素原子非含有樹脂の添加割合を順次連続的に増加させれば良い。
乾式塗布法の場合は、窒素原子非含有樹脂の比率を段階的に変化させた薄層の被覆層を積層することによって窒素原子濃度を実質的に連続的に変化させることができる。
窒素原子含有アクリル樹脂の配合量に傾斜(濃度差)を持つ部分は、耐久時において摩耗する見込み幅から量を決めればよく、一般的には、100万プリントで約0.2〜1μm程度である。カラー機においては、そのシステム構成から摩耗幅が小さい傾向にあり、0.2〜0.5μm、モノクロ機においては、0.4〜1μmと多い傾向にある。その上、芯材粒子側の含有量に傾斜を持たない部分については、耐久時のキャリア抵抗値から選択でき、一般的には、0.2〜0.8μmである。この配合量に傾斜を持たせる部分は、現像量の安定性と摩耗速度の観点から傾斜配置させる配置を選定すればよい。
(樹脂被覆層の芯材粒子側と表面側の導電性微粒子の濃度を変化させる方法)
樹脂被覆層中の芯材粒子側と表面側の導電性微粒子の濃度を変化させる方法としては、上記と同様の方法を採用することができる。すなわち、段階的に導電性微粒子の濃度を変えた多層構成の樹脂被覆層は、導電性微粒子量を変えた樹脂被覆層を複数層形成することによって作製することができる。
また、連続的に導電性微粒子濃度を変えた樹脂被覆層を形成する方法では、芯材粒子を投入した後、被覆用樹脂の投入量に対して導電性微粒子投入量を少なくし、その後、被覆用樹脂の投入量に対する導電性微粒子の投入量を多くすることで、芯材粒子側の導電性微粒子の濃度が低く、表面側の導電性微粒子の濃度が高い樹脂被覆層を形成することができる。
また、スプレー塗布法では、被覆用樹脂量に対して導電性微粒子を含まない、あるいは導電性微粒子の濃度の低い被覆用樹脂溶液とそれよりも導電性微粒子の濃度の高い被覆用樹脂溶液とを準備し、初めに導電性微粒子の濃度の低い被覆用樹脂溶液を用いて、スプレー塗布を開始し、同時に導電性微粒子の濃度の高い被覆用樹脂溶液を導電性微粒子の濃度の低い被覆用樹脂溶液に連続的に添加させれば良い。
乾式塗布法の場合は、被覆用樹脂に対する導電性微粒子の濃度を段階的に増加させた薄層の樹脂被覆層を積層することによって導電性微粒子の濃度を実質的に連続的に変化させることができる。
(樹脂被覆層の膜厚)
樹脂被覆層の膜厚は、耐久性を向上させるため、摩耗していくことを前提に設定される。100万枚の耐久性を得るための減耗許容膜厚としては、一般的な現像器で約1μmであり、さらにそれ以上の減耗許容膜厚を持たせることで、より高い耐久性を得ることができる。すなわち、減耗許容下限がキャリア使用時の下限の膜厚となり、積層構造の膜構造を取りうる場合には、下層となる部分である。本発明において、キャリア樹脂被覆層の下層とは、樹脂被覆層が積層構造を有する際、キャリア芯材側に最も近い層を指すものである。
本発明においては樹脂被覆層の膜厚は1.1〜3.5μmであることが高耐久性を確保する上で好ましく、100万枚以上の耐久性を確保するためには、1.5μm以上の膜厚であることが好ましい。
しかし、樹脂被覆層が摩耗し膜厚が初期の膜厚の約35〜49%まで摩耗すると、膜厚減耗速度と抵抗変動速度のバランスが崩れやすくなることが分かった。具体的には、それ以上膜厚が減少してもキャリアの体積抵抗値が下がらなくなる傾向が見られる。理由は明らかではないが、キャリア芯材粒子の表面が平滑でなく凹凸があるため、樹脂被覆層に部分的な膜厚差があり、減耗するにしたがい、その膜厚差の影響が顕著に出てくるものと推察される。
この現象を解消するため、樹脂被覆層の総膜厚のキャリア芯材粒子側35〜49%までの領域においては、窒素原子の濃度と導電性微粒子の濃度に膜厚方向の濃度差を設けず、一定(均一)とする樹脂被覆層における下層を設けることが好ましい。下層を設けることで、減耗によるキャリア体積抵抗値の急激な変動をより抑制することができると考えられる。
《トナー》
トナーとしては、トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたものが用いられる。なお、トナー母体粒子に外添剤を付着させて得られたトナーは、二成分現像剤の流動性が向上し好ましい。
〈トナーの作製〉
トナーは、トナー母体粒子に外添剤を付着させて作製することができる。
〈トナー母体粒子の作製〉
トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂を含有する。このようなトナー母体粒子を製造する方法としては、特に限定されるものではなく、粉砕法、懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法、及びその他の公知の方法などを挙げることができる。
(結着樹脂)
トナー母体粒子を構成する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、又は尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。また、これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(着色剤)
トナー母体粒子を構成するトナー粒子中には、必要に応じて着色剤が含有されていてもよい。着色剤としては、公知の無機又は有機着色剤を使用することができる。着色剤の添加量はトナー母体粒子全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
(離型剤)
トナー母体粒子には、離型剤が含有されていてもよい。ここに、離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、及び蜜ろうワックスなどを挙げることができる。トナー母体粒子中における離型剤の含有割合としては、トナー母体粒子形成用結着樹脂100質量部に対して通常1〜30質量部とされ、より好ましくは、5〜20質量部の範囲とされる。
(荷電制御剤)
また、トナー母体粒子中には、必要に応じて荷電制御剤(帯電制御剤ともいう。)が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やアルミニウムによる金属錯体(サリチル酸金属錯体)、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物及び含フッ素4級アンモニウム塩化合物などを挙げることができる。トナー母体粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部の範囲とされる。
(外添剤)
外添処理はトナーの流動性やクリーニング性の向上の目的でトナー母体粒子に付着させて用いられる。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、例えば、数平均一次粒径が10〜250nmのシリカ、チタニア、アルミナ、及びチタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、及びMS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、及びIT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、及び石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。好ましくは、スチレンやメタクリル酸メチルなどの単独重合体やこれらの共重合体を挙げることができる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能であり、例えば、以下のような高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、及びリシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全質量に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、外添剤や滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、又はV型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
外添剤をトナー母体粒子へ付着させる方法は、機械式混合機、例えばヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製)を用いて外添剤とトナー母体粒子を混合する方法が好ましい。
トナーの粒径は、体積基準におけるメディアン径(D50)で3.0〜8.0μmのものが好ましい。
なお、トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用い、アパチャー径100μmで、測定して算出した値である。
(現像剤の作製)
本発明の二成分現像剤は、キャリアとトナーを、混合装置を用い混合することで得ることができる。
混合装置としては、例えばヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製)、ナウターミキサ(パウダーテック社製)、V型混合機を挙げることができる。
キャリアとトナーとの配合比は、キャリア100質量部に対して、トナー3〜15質量部が好ましく、4〜10質量部がより好ましい。
次に、二成分現像剤を用いてプリント物を作製する画像形成方法と画像形成装置について説明する。
《画像形成方法》
本発明の二成分現像剤は、電子写真方式の公知の種々の画像形成方法において用いることができる。例えば、モノクロの画像形成方法やフルカラーの画像形成方法に用いることができる。フルカラーの画像形成方法では、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの各々に係る4種類のカラー現像装置と、1つの静電潜像担持体(感光体ともいう。)とにより構成される4サイクル方式の画像形成方法や、各色に係るカラー現像装置及び静電潜像担持体を有する画像形成ユニットを、それぞれ色別に搭載するタンデム方式の画像形成方法など、いずれの画像形成方法も用いることができる。
電子写真画像形成方法としては、具体的には、本発明の二成分現像剤を使用して、例えば静電潜像担持体上に帯電装置にて帯電(帯電プロセス)し、像露光することにより静電的に形成された静電潜像(露光プロセス)を、現像装置において現像剤中のキャリアでトナーを帯電させて現像することにより顕像化させてトナー画像を得る(現像プロセス)。そして、このトナー画像を用紙に転写(転写プロセス)し、その後、用紙上に転写されたトナー画像を接触加熱方式の定着処理によって用紙に定着(定着プロセス)させることにより、可視画像が得られる。
《画像形成装置》
本発明の二成分現像剤は、上記のような一般的な電子写真画像形成方法によって画像形成が行われる電子写真画像形成装置に用いることができ、このような電子写真画像形成装置としては、例えば静電潜像担持体である感光体と、トナーと同極性のコロナ放電等によって当該感光体の表面に一様な電位を与える帯電手段と、一様に帯電された感光体の表面上に画像データに基づいて像露光を行うことにより静電潜像を形成させる露光手段と、トナーを感光体の表面に搬送して前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する現像手段と、当該トナー像を必要に応じて中間転写体を介して転写材に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着させる定着手段を有するものを用いることができる。
このような構成を有する電子写真画像形成装置の中でも、複数の感光体に係る画像形成ユニットが中間転写体に沿って設けられた構成のカラー画像形成装置、特に、感光体が中間転写体上に直列配置させたタンデム型カラー画像形成装置に好適に用いることができる。
本発明の電子写真画像形成装置の構成の一例を図3を用いて説明する。
〔画像形成装置の構成〕
図3は、本発明の電子写真画像形成装置の一例の形態を示す電子写真カラー画像形成装置の断面構成図である。
この電子写真カラー画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、4組の画像形成部(画像形成ユニット)10Y、10M、10C、及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7と、給紙搬送手段21及び定着手段24とから成る。電子写真画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体としてのドラム状の感光体1Yの周囲に配置された帯電手段(帯電工程)2Y、露光手段(露光工程)3Y、現像手段(現像工程)4Y、一次転写手段(一次転写工程)としての一次転写ローラ5Y、及びクリーニング手段6Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、像担持体としてのドラム状の感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、一次転写手段としての一次転写ローラ5M、及びクリーニング手段6Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、像担持体としてのドラム状の感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、一次転写手段としての一次転写ローラ5C、クリーニング手段6Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Bkは、像担持体としてのドラム状の感光体1Bk、帯電手段2Bk、露光手段3Bk、現像手段4Bk、一次転写手段としての一次転写ローラ5Bk、及びクリーニング手段6Bkを有する。
前記4組の画像形成ユニット10Y、10M、10C、及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C、及び1Bkを中心に、帯電手段2Y、2M、2C、及び2Bkと、像露光手段3Y、3M、3C、及び3Bkと、回転する現像手段4Y、4M、4C、及び4Bk、感光体1Y、1M、1C、及び1Bkをクリーニングするクリーニング手段6Y、6M、6C、及び6Bkより構成されている。
前記画像形成ユニット10Y、10M、10C、及び10Bkは、感光体1Y、1M、1C、及び1Bkにそれぞれ形成するトナー画像の色が異なるだけで、同じ構成であり、画像形成ユニット10Yを例にして詳細に説明する。
画像形成ユニット10Yは、像形成体である感光体1Yの周囲に、帯電手段2Y(以下、単に帯電手段2Y、あるいは、帯電器2Yという)、露光手段3Y、現像手段4Y、及びクリーニング手段6Yを配置し、感光体1Y上にイエロー(Y)のトナー画像を形成するものである。また、本実施の形態においては、この画像形成ユニット10Yのうち、少なくとも感光体1Y、帯電手段2Y、現像手段4Y、及びクリーニング手段6Yを一体化するように設けている。
クリーニング手段6Yは感光体の軸方向に沿った板状のクリーニングブレードを、感光体に当接するように具備している。
帯電手段2Yは、感光体1Yに対して一様な電位を与える手段であって、本実施の形態においては、感光体1Yにコロナ放電型の帯電器2Yが用いられている。
像露光手段3Yは、帯電器2Yによって一様な電位を与えられた感光体1Y上に、画像信号(イエロー)に基づいて露光を行い、イエローの画像に対応する静電潜像を形成する手段であって、この露光手段3Yとしては、感光体1Yの軸方向にアレイ状に発光素子を配列したLEDと結像素子とから構成されるもの、あるいは、レーザー光学系などが用いられる。
本発明の電子写真画像形成装置としては、上述の感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)として一体に結合して構成し、この画像形成ユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。また、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジ(画像形成ユニット)を形成し、装置本体に着脱自在の単一画像形成ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のローラにより巻回され、回動可能に支持された半導電性エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成ユニット10Y、10M、10C、又は10Bkより形成された各色の画像は、一次転写手段としての一次転写ローラ5Y、5M、5C、及び5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材(定着された最終画像を担持する画像支持体:例えば普通紙、透明シート等)としての画像支持体Pは、給紙手段21により給紙され、複数の中間ローラ22A、22B、22C、22D、及びレジストローラ23を経て、二次転写手段としての二次転写ローラ5bに搬送され、画像支持体P上に二次転写してカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された画像支持体Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。ここで、中間転写体や画像支持体等の感光体上に形成されたトナー画像の転写支持体を総称して転写媒体という。
一方、二次転写手段としての二次転写ローラ5bにより画像支持体Pにカラー画像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6bにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、一次転写ローラ5Bkは常時、感光体1Bkに当接している。他の一次転写ローラ5Y、5M、及び5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、又は1Cに当接する。
二次転写ローラ5bは、ここを画像支持体Pが通過して二次転写が行われる時にのみ、無端ベルト状中間転写体70に当接する。
また、装置本体Sから筐体8を支持レール82L、及び82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、及び10Bkと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とから成る。
画像形成部10Y、10M、10C、及び10Bkは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、及び1Bkの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ローラ71、72、73、及び74を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Bk、及びクリーニング手段6bとから成る。
なお、図3の電子写真画像形成装置では、カラーのレーザプリンタを示したが、勿論、モノクローのレーザプリンタやコピーにも同様に適用可能である。また、露光光源もレーザ以外の光源、例えばLED光源を用いてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。
《キャリアの作製》
キャリアは、以下のようにして作製した。
〈芯材粒子の準備〉
体積平均径が60μm、飽和磁化が63A・m/kgのMn−Mg系の「フェライト粒子1」を準備した。
〈被覆用樹脂の作製〉
(被覆用樹脂1の作製)
0.3質量%のベンゼンスルホン酸ナトリウムの水溶液中に、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)で添加し、重合開始剤として該単量体総量の0.5質量%のペルオキソ二硫酸アンモニウムを添加して乳化重合を行い、窒素原子非含有アクリル樹脂である「被覆用樹脂1」を作製した。得られた被覆用樹脂1の重量平均分子量は50万であった。なお、重量平均分子量は公知の測定装置を用いて測定した値である。
(被覆用樹脂2の作製)
被覆用樹脂1の作製において、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体を(50:50)の比率(質量比)を(95:5)の比率(質量比)に変更し、重合開始剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウムを2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン二塩酸塩に変更したほかは同様にして乳化重合を行い、窒素原子含有アクリル樹脂である「被覆用樹脂2」を作製した。得られた被覆用樹脂2の重量平均分子量は、48万であった。この被覆用樹脂2は窒素原子含有開始剤を使用して分子鎖末端(樹脂構造中)に窒素原子を配置したアクリル樹脂である。
(被覆用樹脂3の作製)
被覆用樹脂2の作製において、メタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチルの各単量体をメタクリル酸シクロヘキシル/メタクリル酸メチル/メタクリル酸ジメチルアミノエチルの各単量体(93:3:4)の比率(質量比)に変更した他は同様にして乳化重合を行い、窒素原子含有アクリル樹脂である「被覆用樹脂3」を作製した。得られた被覆用樹脂3の重量平均分子量は55万であった。この被覆用樹脂3は、窒素原子を含有する単量体を重合して得られるアクリル樹脂である。
表1に、被覆用樹脂の作製に用いた単量体、共重合比、重合開始剤と、得られた被覆用樹脂の重量平均分子量を示す。なお、ここで、単量体の比率(共重合比)は質量比を表す。
Figure 0006024300
〈キャリアの作製〉
(キャリア1の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア芯材として上記で準備した「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂3」を1.20質量部投入し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間混合撹拌混合した後、120℃で50分間攪拌して機械的衝撃力(メカノケミカル法)の作用で芯材粒子の表面に被覆用樹脂3からなる樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」を2.00質量部と導電性微粒子としてカーボンブラック「Mogul−L(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク製)0.10質量部を添加し、水平回転翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間攪拌混合した後、120℃で50分間攪拌し、樹脂被覆層1の上に被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーブンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、22℃で15分間攪拌混合した後、120℃で50分間攪拌し被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア1とした。
樹脂被覆層1、2、及び3の膜厚は、それぞれ0.71μm、1.19μm、0.30μmであった。樹脂被覆層の総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア2の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」を1.20質量部投入し、水平攪拌翼の周速が8m/secとなる条件で、22℃で15分間攪拌混合した後、120℃で50分間攪拌し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」2.00質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.10質量部を添加し、22℃で15分間混合攪拌した後、120℃で50分間攪拌し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部とを添加し、22℃で15分間攪拌混合した後、120℃で50分間攪拌し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア2とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.71μm、樹脂被覆層2の膜厚は1.19μm、樹脂被覆層3の膜厚は0.30μmであった。樹脂被覆層の総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア3の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」1.50質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」1.60質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.16質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。これをキャリア3とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.84μm、樹脂被覆層2の膜厚は0.89μm、総膜厚は1.73μmであった。
(キャリア4の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」0.90質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」0.90質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部とを添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア4とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.63μm、樹脂被覆層2の膜厚は、0.63μm、樹脂被覆層3の膜厚は、0.34μmであった。総膜厚は1.60μmであった。
(キャリア5の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」0.90質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」0.90質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.02質量部とを添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.08質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア5とした。
樹脂被覆層1の膜厚は0.63μm、樹脂被覆層2の膜厚は、0.63μm、樹脂被覆層3の膜厚は0.34μm、総膜厚は1.60μmであった。
(キャリア6の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」0.90質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.45質量部と「被覆用樹脂3」0.45質量部及びカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂1と被覆用樹脂3の混合樹脂にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これキャリア6とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.63μm、樹脂被覆層2の膜厚は、0.63μm、樹脂被覆層3の膜厚は0.34μm、総膜厚は1.60μmであった。
(キャリア7の作製)
水平攪拌翼付き高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」1.50質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」2.00質量部とカーボンブラック「MA−100S(三菱化学社製)」0.20質量部とを添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーボンブラック「MA−100A」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア7とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.83μm、樹脂被覆層2の膜厚は、1.11μm、樹脂被覆層3の膜厚は0.27μm、総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア8の作製)
水平攪拌翼付き高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」1.20質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」2.00質量部と酸化スズ「パストラン4300(三井金属社製)」0.10質量部とを添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に被覆用樹脂2にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部と酸化スズ「パストラン4300」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア8とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.71μm、樹脂被覆層2の膜厚は、1.18μm、樹脂被覆層3の膜厚は、0.30μm、総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア9の作製)
水平攪拌翼付き高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂3」2.00質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」1.00質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部とを添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」2.00質量部とカーブンブラック「Mogul−L」0.10質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」0.50質量部とカーブンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア9とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、1.19μm、樹脂被覆層2の膜厚は、0.60μm、樹脂被覆層3の膜厚は、1.19μm、樹脂被覆層4の膜厚は0.30μm、総膜厚は3.27μmであった。
(キャリア10の作製)
水平攪拌翼付き高速攪拌混合機に、キャリア1で用いた「フェライト粒子1」100質量部と「被覆用樹脂1」1.20質量部、帯電制御剤としてメラミンホルムアルデヒド樹脂粒子「エポスターS((株)日本触媒製)」0.02質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に、被覆用樹脂1にメラミンホルムアルデヒド樹脂粒子が分散された樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」1.20質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部、及びメラミンホルムアルデヒド樹脂粒子「エポスターS((株)日本触媒製)」0.01質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックとメラミンホルムアルデヒド樹脂粒子が分散された樹脂被覆層2を形成した。これをキャリア10(比較用)とした。
樹脂被覆層1の膜厚は、0.83μm、樹脂被覆層2の膜厚は0.83μm、総膜厚は1.67μmであった。
(キャリア11の作製)
下記組成の被覆用液1及び2を準備した。
被覆用液1
シリコーン樹脂KR−271(信越シリコーン社製)の樹脂分10質量%のキシレン溶液 500質量部
触媒((CHSn(OCOCH) 2.5質量部
カーボンブラックMA−100S(三菱化学社製) 2質量部
被覆用液2
シリコーン樹脂KR−271(信越シリコーン社製)の樹脂分10質量%のキシレン溶液 500質量部
触媒((CHSn(OCOCH) 2.5質量部
下記アミノシランカップリング剤A(帯電制御剤) 2質量部
Figure 0006024300
流動層式スプレー塗布装置を用いて、キャリア1の作製で用いた「フェライト粒子1」100質量部に対して、被覆用液2を1.0質量部/minの速度で100℃の雰囲気下でスプレー塗布した。塗布開始と同時に被覆用液1を0.5質量部/minの速度で被覆用液2に投入し、均一に分散させながら1.0質量部/minの速度で、20分かけてスプレー塗布した。
塗布終了後、シリコーン樹脂を塗布したフェライト粒子を250℃で1時間加熱して、樹脂被覆層の芯材に近い側ほどカーボンブラックの量が少なく、かつアミノシランカップリング剤の多いキャリア11(比較用)を得た。樹脂被覆層の膜厚は0.42μmであった。
(キャリア12の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1の作製で用いた「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂3」を0.60質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.03質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に被覆用樹脂3からなる樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」を0.30質量部と「被覆用樹脂3」0.3質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.03質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂2と被覆用樹脂3の混合樹脂にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」を2.00質量部カーボンブラック「Mogul−L」0.10質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に被覆用樹脂2と被覆用樹脂3の混合樹脂にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」を0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.03質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層3の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層4を形成した。これをキャリア12(比較用)とした。
樹脂被覆層1の膜厚は0.36μm、樹脂被覆層2の膜厚は0.36μm、樹脂被覆層3の膜厚は、1.20μm、樹脂被覆層4の膜厚は、0.30μm、総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア13の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1の作製で用いた「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂3」を1.20質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に被覆用樹脂3からなる樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂3」を2.00質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.10質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂3にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂3」を0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に、被覆用樹脂3にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア13(比較用)とした。
樹脂被覆層1の膜厚は0.71μm、樹脂被覆層2の膜厚は1.18μm、樹脂被覆層3の膜厚は、0.30μm、総膜厚は2.20μmであった。
(キャリア14の作製)
水平攪拌翼つき高速攪拌混合機に、キャリア1の作製で用いた「フェライト粒子1」100質量部と、「被覆用樹脂3」を2.40質量部を投入し、キャリア1と同様にして芯材粒子の表面に被覆用樹脂3からなる樹脂被覆層1(下層)を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂2」を1.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.08質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層1の上に、被覆用樹脂3にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層2を形成した。
次に、22℃まで冷却し、「被覆用樹脂1」を0.50質量部とカーボンブラック「Mogul−L」0.05質量部を添加し、キャリア1と同様にして樹脂被覆層2の上に、被覆用樹脂1にカーボンブラックが分散された樹脂被覆層3を形成した。これをキャリア14とした。
樹脂被覆層1の膜厚は1.39μm、樹脂被覆層2の膜厚は0.87μm、樹脂被覆層3の膜厚は、0.29μm、総膜厚は2.54μmであった。
表2〜表4に、キャリア1〜10、及びキャリア12〜14の樹脂被覆層の構成、膜厚、窒素原子の濃度比を示した。
Figure 0006024300
Figure 0006024300
Figure 0006024300
表2〜表4において、導電性微粒子及び帯電調整剤の「質量%」とは、各樹脂被覆層における導電性微粒子の質量濃度を表している。なお、窒素原子濃度比は前述の方法で測定して得られた値である。
《トナーの作製》
トナーは、以下のようにして作製した。
〈トナー1の作製〉
(コア用樹脂微粒子の作製)
樹脂微粒子1Hの作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3,010質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製した。そして、この界面活性剤溶液を窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、反応容器内の温度を80℃に昇温した。
次いで、界面活性剤溶液に、重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解した重合開始剤溶液を投入し、反応容器内の温度を75℃にした。その後、
スチレン 69.4質量部
アクリル酸−n−ブチル 28.3質量部
メタクリル酸 2.3質量部
が混合されてなる混合液〔a1〕を1時間かけて適下し、さらに、75℃で2時間撹拌して重合することにより樹脂微粒子1Hが分散されてなる樹脂微粒子分散液〔1H〕を作製した。
樹脂微粒子1HMの作製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、
スチレン 97.1質量部
アクリル酸−n−ブチル 39.7質量部
メタクリル酸 3.22質量部
n−オクチル−3−メルカプタトプロピオン酸エステル 5.6質量部
を投入し、さらに、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98.0質量部
を添加し、90℃に加熱して上記の化合物が混合されてなる混合液〔a2〕を調製した。
一方、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2,700質量部に溶解した界面活性剤溶液を作製し、これを98℃に加熱し、この界面活性剤溶液に上記の樹脂粒子分散液〔1H〕を固形分換算で28質量部添加した後、混合液〔a2〕を投入した。さらに、循環経路を有する機械式分散装置「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック(株)製)により2時間混合分散を行って分散液(乳化液)を調製した。
次いで、この乳化液に、過硫酸カリウム(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解した開始剤溶液とイオン交換水750質量部を添加し、この反応系を98℃で2時間撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子1H表面に樹脂が被覆された複合構造を有する樹脂微粒子1HMが分散されてなる樹脂微粒子分散液〔1HM〕を作製した。
樹脂微粒子1HMLの作製
前記の樹脂微粒子分散液〔1HM〕に、過酸化カリウム(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解した開始剤溶液を添加して、温度を80℃に調整した後、
スチレン 277質量部
アクリル酸−n−ブチル 113質量部
メタクリル酸 9.21質量部
n−オクチル−3−メルカプタトプロピオン酸エステル 10.4質量部
が混合されてなる混合液〔a3〕を1時間かけて適下し、この適下終了後、80℃に維持したままで2時間にわたって加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃に冷却して、樹脂粒子1HMの表面に樹脂が被覆された複合構造を有する樹脂粒子1HMLが分散されてなる樹脂微粒子分散液〔1HML〕を作製した。得られた樹脂微粒子を「コア用樹脂微粒子」とする。
(シェル形成用樹脂微粒子の作製)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を備えた反応容器に、アニオン系界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウム2.0質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させて界面活性剤溶液を作製した。この界面活性剤溶液を、窒素気流下で230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温した。
一方、下記化合物を添加、混合して混合液〔a4〕を調製しておく。
混合液〔a4〕
スチレン 544質量部
アクリル酸−n−ブチル 160質量部
メタクリル酸 96質量部
n−オクチルメルカプタン(NOM) 20質量部
前記界面活性剤溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる開始剤溶液を添加後、上記混合液〔a4〕を3時間かけて滴下した。そして、この系を80℃にし、1時間にわたる加熱、撹拌により重合を行い、「シェル形成用樹脂微粒子」の分散液を作製した。
(カーボンブラック分散液の作製)
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に撹拌溶解させて作製した溶液を撹拌させておき、当該溶液中に、カーボンブラック「モーガルL」を420質量部、徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック社製)」を用いて分散処理を行い、「カーボンブラック分散液」を作製した。「カーボンブラック分散液」中のカーボンブラックの粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、質量平均粒径で110nmであった。
(コア粒子の形成工程)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を備えた反応容器に、
「コア用樹脂微粒子」分散液(固形分換算) 450質量部
イオン交換水 1100質量部
「カーボンブラック分散液」(固形分換算) 100質量部
を投入し、液温を30℃に調整した。その後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。
上記反応系を撹拌させておき、この状態で塩化マグネシウム・6水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解してなる水溶液を10分間かけて上記反応系に添加した。添加後、3分間放置した後、昇温を開始して、この系を60分間かけて90℃まで昇温させて、90℃を保持した状態で樹脂粒子の会合を行って粒子を成長させた。粒子の成長は「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」を用いて会合粒子の粒径測定を行うことで確認した。そして、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.5μmになった時、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させてなる水溶液を反応系に添加して粒子の成長を停止させ、「コア粒子」を形成した。
(シェルの形成)
次に、上記「コア粒子」の分散液550質量部(固形分換算)を90℃にして、「シェル形成用樹脂微粒子」分散液50質量部(固形分換算)を添加した。1時間にわたり撹拌を継続して、「コア粒子」表面に「シェル形成用樹脂微粒子」を融着させた。その後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させてなる水溶液を添加した。この系を95℃にして20分間にわたり加熱撹拌を行って熟成処理を行い、シェルを形成させた後、30℃まで冷却した。
生成したトナー母体粒子分散液をろ過し、35℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥して、コア表面にシェルを被覆してなる構造の「トナー母体粒子」を作製した。
(トナー母体粒子へ外添剤の混合(トナー1の作製))
上記で作製したトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒径12nm、疎水化度68)を1.0質量%、及び、疎水性酸化チタン(数平均一次粒径20nm、疎水化度64)を1.5質量%添加した。ヘンシェルミキサ(三井三池化工機(株)製)を用いて混合を行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去することにより「トナー1」を作製した。
《二成分現像剤1〜14の作製》
上記で作製した「キャリア1〜14」各々100質量部に対して「トナー1」6質量部をV型混合機に投入し、常温常湿環境下で5分間混合して「二成分現像剤1〜14」を作製した。なお、二成分現像剤1〜9、及び14は本発明の二成分現像剤であり、二成分現像剤10〜13は比較用の二成分現像剤である。
表5に、二成分現像剤の作製に用いたキャリアとトナーを示した。
Figure 0006024300
《評価》
二成分現像剤の評価装置として、市販の複写機「bizhub PRO 1250」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を準備し、プリントは、上記の複写機に上記で作製した各二成分現像剤を順次装填し、常温常湿(20℃・55%RH)、あるいは高温高湿(30℃・80%RH)の環境で以下の評価を行った。
〈プリント画像の評価〉
(画像濃度)
画像濃度は、高温高湿(30℃、80%RH)のプリント環境で、初期(スタート)と印字率5%の文字画像をA4判の転写紙150万枚プリント後に、10cm角のベタ画像をプリントし、画像濃度を反射濃度計「RD−918(マクベス社製)」でランダムに10カ所測定し、その平均濃度で評価した。なお、◎と○を合格とした。
画像濃度評価基準
◎:画像濃度が1.40以上
○:画像濃度が1.20以上1.40未満
×:画像濃度が1.20未満
画像濃度差評価基準
◎:初期の1500kP後の濃度差が、0.005未満
○:初期と1500kP後の濃度差が、0.005以上、0.10未満
×:初期と1500kP後の濃濃度差が0.10以上
(かぶり)
かぶりは、常温常湿(20℃・50%RH)のプリント環境で、印字率5%の文字画像をA4判の転写紙100万枚、150万枚プリント後、それぞれ白紙をプリントし、転写材の白紙濃度で評価した。転写材の白紙濃度はA4判の20カ所を測定し、その平均値を白紙濃度とする。濃度測定は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて行った。なお、◎と○を合格とした。
評価基準
◎:かぶり濃度が、0.003未満で良好なレベル
○:かぶり濃度が、0.003以上、0.010未満で実用上問題ないレベル
×:かぶり濃度が、0.010以上で実用上問題となるレベル。
(トナー飛散)
トナー飛散は、常温常湿(20℃・50%RH)の環境下で、印字率を0%、5%、30%と3段階の帯画像をA4判の転写紙1000枚単位での繰り返しにより行った。100万枚、150万枚プリント後、トナーの複写機内への飛散状況を目視で観察し評価した。なお、トナー飛散は○と△を合格とした。
評価基準
○:現像機汚れが検知できず良好
△:現像機汚れが検知できる(わずかに現像機周りにトナー飛散が見られる程度)
×:現像機汚れが検知でき、画像上にこぼれたトナーが検知できる。
表6に、評価結果を示した。
Figure 0006024300
表6に示したように、本発明の「二成分現像剤1〜9、及び14」は、150万枚プリントしても画像濃度が安定して、かぶりが無い高品質のプリント物を継続して得られ、トナーの機内飛散が無く、本発明の効果を奏していることが確認された。一方、比較用の「二成分現像剤10〜13」では上記評価項目のいずれかに問題があり本発明の効果を奏していないことが確認された。
すなわち、帯電制御剤として、本願発明に係る窒素原子含有アクリル樹脂の代わりに、メラミンホルムアルデヒド樹脂粒子を用いたキャリア10からなる二成分現像剤10は、キャリアの帯電性能に部分的なムラがあるため、かぶり、トナー飛散の点で劣っており、帯電性が低下していることが分かる。また、被覆用樹脂としてシリコーン樹脂を用いたキャリア11からなる二成分現像剤11は、耐久性の点で大きく劣るものであった。また、膜厚方向で、導電性微粒子濃度に濃度差のないキャリア12からなる二成分現像剤12は、耐久性の点で劣るものであった。また、膜厚方向で窒素原子の濃度に濃度差のないキャリア13を用いた二成分現像剤13もかぶりの点で劣るものであった。
1a キャリア粒子の断面
2a 芯材粒子
3a 芯材粒子の表面
4a 樹脂被覆層
5a 樹脂被覆層の膜厚
6a 樹脂被覆層の膜厚を二分したときの表面側の樹脂被覆層
7a 樹脂被覆層の膜厚を二分したときの芯材粒子側の樹脂被覆層
8a 樹脂被覆層の表面
10a 導電性微粒子
11a 下層
12a 上層
C 線分ABの中間点
C′ 線分A′B′の中間点
A′ 点Aからキャリア表面の周上1μmの位置
L 点Aを通過する法線
L′ 点A′を通過する法線
1Y、1M、1C、1Bk 感光体
2Y、2M、2C、2Bk 帯電手段
3Y、3M、3C、3Bk 露光手段
4Y、4M、4C、4Bk 現像手段
10Y、10M、10C、10Bk 画像形成ユニット
7 中間転写体
P 画像支持体

Claims (9)

  1. トナー粒子と、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリア粒子とを含む二成分現像剤であって、該樹脂被覆層が、少なくとも窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、該樹脂被覆層の膜厚方向に対して、該芯材粒子側に含まれる窒素原子の濃度が、該樹脂被覆層の表面側に含まれる窒素原子の濃度より0.1%以上高く、該表面側に含まれる導電性微粒子の濃度が、該芯材粒子側に含まれる導電性微粒子の濃度より0.1質量%以上高いことを特徴とする二成分現像剤。
  2. 前記樹脂被覆層が窒素原子非含有アクリル樹脂を含有し、該窒素原子非含有アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルとアクリル共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の二成分現像剤。
  3. 前記窒素原子含有アクリル樹脂が、少なくとも脂環式メタクリル酸エステルと鎖式(メタ)アクリル酸エステルとアクリル共重合体樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の二成分現像剤。
  4. 前記樹脂被覆層が前記芯材粒子側の下層とその上に積層される1層以上の上層との積層構造を有し、該下層が、窒素原子の濃度が最も高く、かつ導電性微粒子の濃度が最も低い層であり、該下層における窒素原子の濃度と導電性微粒子の濃度が膜厚方向で一定であり、該上層が、膜厚方向に対して該下層側の窒素原子の濃度が表面側より0.1%以上高く、表面側の導電性微粒子の濃度が該下層側より0.1質量%以上高いことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  5. 前記下層の膜厚が、樹脂被覆層の総膜厚の32〜49%の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の二成分現像剤。
  6. 前記樹脂被覆層の総膜厚が、1.1〜3.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の二成分現像剤。
  7. トナー粒子と、芯材粒子の表面に樹脂被覆層を設けたキャリア粒子とを含む二成分現像剤の製造方法であって、
    前記キャリア粒子は、該樹脂被覆層が窒素原子含有アクリル樹脂と導電性微粒子とを含有し、
    該窒素原子含有アクリル樹脂の窒素原子の濃度が、該キャリア表面側より該芯材粒子側に近づくほど高く、導電性微粒子の濃度が該芯材粒子側より該キャリア表面側に近づくほど高くなるよう段階的に変化させて該樹脂被覆層を形成する工程を有することを特徴とする二成分現像剤の製造方法。
  8. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の二成分現像剤を用いることを特徴とする電子写真画像形成方法。
  9. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の二成分現像剤が具備されたことを特徴とする電子写真画像形成装置。
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