JP2010151904A - カラー印刷物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鮮やかな色調を有するとともに良好な階調性と均質性を有する中間調の画像形成が可能な電子写真方式によるカラー印刷物の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくともシアントナーを搭載した現像装置、マゼンタトナーを搭載した現像装置及びイエロートナーを搭載した現像装置、それぞれの現像部において、トナーと静電潜像保持体とが非接触で現像される現像方式を採用したカラー印刷物の製造方法で、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いる。
【選択図】図2
【解決手段】少なくともシアントナーを搭載した現像装置、マゼンタトナーを搭載した現像装置及びイエロートナーを搭載した現像装置、それぞれの現像部において、トナーと静電潜像保持体とが非接触で現像される現像方式を採用したカラー印刷物の製造方法で、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いる。
【選択図】図2
Description
本発明は、電子写真方式の画像形成方法を用いたカラー印刷物の製造方法に関し、特に、非接触方式の現像により感光体上に形成された静電潜像を現像するカラー印刷物の製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、従来の複写機やプリンタ等によるオフィス用途への展開に加え、最近では印刷業者向けとして「デジタル印刷機」と呼ばれる機器が登場する様になった。この背景には、商業印刷等の分野では、多品種の印刷物を短い納期で印刷することが求められており、製版せずに印刷物の作成が可能なデジタル印刷機の市場が急速に拡大している事情がある。デジタル印刷機は、前述した様に従来の印刷機で行っていた製版が必要ないことに加え、地名や氏名等の情報を変化させながら連続プリントが行える等の新しい技術を搭載したものもあり、小ロット単位での受注対応に好適な仕様のものが普及している。この様に、製版が不要なことや小ロット単位で可変情報の出力が可能等の新しい機能を有するデジタル印刷機は、これまで商業印刷分野で主流になっていたオフセット印刷機の代替機として注目される様になってきた。
ところで、商業印刷分野では印刷画像自体が商品として位置付けられ、デジタル印刷機により出力された印刷画像に対しても高い品質が要求されている。この様な背景から、トナーの技術分野におかれても、従来よりも鮮やかな色調を有するトナー画像の形成が可能な高彩度トナーと呼ばれるトナーの開発に見られる様に、新しい技術の検討が進められている(たとえば、特許文献1参照)。
商業印刷分野における電子写真画像に対するこの様な画質向上のニーズは、前述の色調向上に加え、階調性や均質性の向上にも向けられていた。特に、ハーフトーン画像部に代表される中間調領域に対して、鮮やかな色調と階調性及び均質性が求められ、立体感と臨場感に富んだ画質の印刷物の作製を実現するニーズが高まっていた。これは、ブルーレイと呼ばれる発振波長が350nm〜500nmの短波長露光光による書き込み精度技術の向上等により、微細なドット潜像をトナーで忠実に再現するニーズをさらに高めていたことにもよると見られる。
中間調画像の画質向上を実現する技術としては、帯電したトナーをトナー担持体(現像スリーブ)上より飛翔させて静電潜像保持体(感光体)に供給するいわゆる非接触方式の現像方式が有効である(たとえば、特許文献2参照)。また、現像スリーブ上の帯電トナーを感光体表面に供給する際、搬送供給ローラ経由で現像スリーブ上のトナーを感光体表面に供給するハイブリッド現像方式と呼ばれるものも有効な技術の1つであることが知られている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、これらの技術は現像スリーブや搬送供給ローラ上でのトナーの薄層形成に着目して画質向上をねらったものであり、トナーそのものの特性に着目して画質向上を図ることまでは検討されていなかった。したがって、これらの現像装置を利用しただけでは、商業印刷分野で求められる様な高品位の画質を有する中間調画像を必ずしも形成できるものではなかった。具体的には、中間調画像の均質性、粒状性、さらに電子写真方式の画像形成方法で従来より問題になっていたソリッド画像エッジ部の濃度のゆらぎ、すなわちエッジ部の濃度過多(エッジ効果)、あるいは特定方向におけるエッジ部の濃度低下とエッジの細かい欠損(エッジ欠け)の問題を解決する必要があった。
特開2008−176311号公報
特開2008−318011号公報
特開2008−40210号公報
本発明は、鮮やかな色調を有するとともに良好な階調性と均質性を有する中間調の画像形成が可能な電子写真方式によるカラー印刷物の製造方法を提供することを目的とするものである。具体的には、シアントナーあるいはマゼンタトナーを用いてトナー画像を形成したときに、鮮やかな色調と優れた粒状性と均質性、及び、良好なエッジ画質が得られるカラー印刷物の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、下記に記載のいずれかの構成により解消されることが見出された。すなわち、請求項1に記載の発明は、
『少なくともシアントナーを搭載した現像装置、マゼンタトナーを搭載した現像装置及びイエロートナーを搭載した現像装置、それぞれの現像部において、トナーと静電潜像保持体とが非接触で現像される現像方式を採用したカラー印刷物の製造方法において、
前記シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いることを特徴とするカラー印刷物の製造方法。』というものである。
『少なくともシアントナーを搭載した現像装置、マゼンタトナーを搭載した現像装置及びイエロートナーを搭載した現像装置、それぞれの現像部において、トナーと静電潜像保持体とが非接触で現像される現像方式を採用したカラー印刷物の製造方法において、
前記シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いることを特徴とするカラー印刷物の製造方法。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記マゼンタトナーにより形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲において最大彩度に達するマゼンタトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷物の製造方法。』というものである。
『前記マゼンタトナーにより形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲において最大彩度に達するマゼンタトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷物の製造方法。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『前記非接触による現像方式が、ハイブリッド現像方式であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラー印刷物の製造方法。』というものである。
『前記非接触による現像方式が、ハイブリッド現像方式であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラー印刷物の製造方法。』というものである。
本発明によれば、鮮やかな色調を有するとともに良好な階調性と均質性を有する中間調の画像形成が可能な電子写真方式によるカラー印刷物の製造方法を提供することを可能にした。具体的には、特定のシアントナーを用いてトナー画像を形成したとき、鮮やかな色調と優れた粒状性と均質性、及び、良好なエッジ画質が得られる様になった。この様に、本発明によれば、鮮やかな色調と階調性及び均質性のある立体感と臨場感に富んだ中間調の画質が得られるカラー印刷物の製造方法を提供することができる。
さらには、特定のマゼンタトナーと併用したときに、前述の効果をいっそう引き立たせることができる。
本発明は、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーを搭載し、トナー担持体と静電潜像保持体とが非接触に配置された構成の現像装置を用いて、印刷物を作製するカラー印刷物の製造方法に関する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るカラー印刷物の製造方法では、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーが用いられるものである。また、シアントナー画像の明度L* Cが前記範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いるとともに、マゼンタトナーで形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲において最大彩度に達するマゼンタトナーを用いることが好ましい。
ここで、本発明でいう単色トナー画像の明度L*及び最大彩度について説明する。
本発明でいう単色トナー画像の明度L*は、L*a*b*系表色系により定義されるものである。L*a*b*系表色系は、色の数値化して表現するための手段の1つで、L*、a*、b*の3つの座標軸を介して色を数値化表現できる様にしたものである。このうち、L*は、z軸方向の座標で「明度」を表すもので、「明度」とは色の相対的な明るさのことをいうものである。すなわち、z軸の+方向は明るさが強くなる方向であり、−(マイナス)方向は明るさが弱くなる方向、すなわち、暗くなる方向を表すものである。
また、a*とb*は、それぞれx軸及びy軸の座標で、両者により「色相」と「彩度」を表すものである。ここで、x軸−y軸平面において、a*で示されるx軸の+(プラス)方向がマゼンタ方向を、当該x軸の−(マイナス)方向が緑方向を表すものであり、また、b*で示されるy軸の+(プラス)方向が黄方向を、当該y軸の−(マイナス)方向が青方向を表すものである。
すなわち、「色相」とは、赤、黄、緑、青、紫などの色合いのことをいうものであり、「彩度」とは、色の鮮やかさの度合いのことをいうものである。そして、彩度C*は、a*とb*を用いて下記式(1)の様に表される。すなわち、
式(1):彩度C*=〔(a*)2+(b*)2〕1/2
つまり、彩度C*は、上記式(1)の関係から明らかな様に、前記座標点(a,b)と原点Oからの距離を意味するものである。
式(1):彩度C*=〔(a*)2+(b*)2〕1/2
つまり、彩度C*は、上記式(1)の関係から明らかな様に、前記座標点(a,b)と原点Oからの距離を意味するものである。
また、L*a*b*系表色系では色調を色相角という概念で説明することができる。ここで、色相角hとは、たとえば、明度がある値をとるときの色相と彩度の関係を表すx軸−y軸平面において、ある座標点(a,b)と原点Oとを結ぶ半直線が、x軸の+方向(赤方向)から半時計周りの方向において、x軸の+方向(赤方向)に伸びる直線となす角度をいい、下記式(2)により算出される。
式(2):色相角h=tan−1(b*/a*)
本発明でいう最大彩度は、次の様に定義されるものである。一般に、着色剤が十分含有されているトナーで画像形成を行うと、転写紙上のトナー付着量が増大するほど形成されるトナー画像の彩度も上昇する傾向を示す。ところが、トナー付着量がある段階を超えると、彩度の上昇が停滞気味に変わり、ついには低下する様になってくる。この様に、トナー付着量が増大しているのに、形成されるトナー画像の彩度が上昇から下降に転じるときがあり、このときの彩度を最大彩度と定義するものである。なお、付着量の測定は、20mm×50mmの未定着のパッチ画像を転写紙ごと秤量し、その後、エアガンで転写トナーが目視で確認できなくなるまでブローオフし、残った転写紙を再び秤量して転写トナーの質量を求める。そして、ブローオフされたトナーの質量をパッチ面積で除して単位面積あたりのトナー付着量を算出する。
本発明でいう最大彩度は、次の様に定義されるものである。一般に、着色剤が十分含有されているトナーで画像形成を行うと、転写紙上のトナー付着量が増大するほど形成されるトナー画像の彩度も上昇する傾向を示す。ところが、トナー付着量がある段階を超えると、彩度の上昇が停滞気味に変わり、ついには低下する様になってくる。この様に、トナー付着量が増大しているのに、形成されるトナー画像の彩度が上昇から下降に転じるときがあり、このときの彩度を最大彩度と定義するものである。なお、付着量の測定は、20mm×50mmの未定着のパッチ画像を転写紙ごと秤量し、その後、エアガンで転写トナーが目視で確認できなくなるまでブローオフし、残った転写紙を再び秤量して転写トナーの質量を求める。そして、ブローオフされたトナーの質量をパッチ面積で除して単位面積あたりのトナー付着量を算出する。
なお、付着量測定に使用する転写紙は、坪量が128g/m2、明度が80の電子写真用光沢紙で、たとえば、王子製紙(株)製の「PODグロスコート紙」等が挙げられる。
一方、画像形成装置で設定される場合の様に、トナー付着量と彩度とが比例関係を維持している場合は、画像形成装置の設定条件で転写紙上へのトナー付着量が最大となるときの彩度を最大彩度と定義するものである。
彩度C*及び色相角hを算出するためのL*a*b*は、具体的には、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて測定される。測定は、反射スペクトルの測定と同様、光源にD65光源、反射測定アパーチャにφ4mmのものを使用し、測定波長域380〜730nmを10nm間隔、視野角(observer)を2°、基準合わせに専用白タイルを用いた条件下で行われる。
また、トナー付着量と彩度の関係は、たとえば「ECI2002画像データ」の階調評価パッチに基づいて、それぞれのトナー付着量に対応して形成されたトナー画像の彩度を測定することにより関連づけることができる。なお、彩度及び明度を測定する際のトナー画像の定着条件は、本発明で使用される画像形成装置の標準定着条件である。さらに、彩度及び明度を測定する際のトナー画像の光沢度は、測定角75度の光沢度を「GlossMeter(村上色彩工学研究所製)」を用いて測定し、少なくとも光沢度10以上の画像で測定したものである。
次に、本発明で使用されるシアントナーの明度L* Cについて、すなわち、シアントナーのみで形成されるトナー画像の最大彩度をとるときの明度L* Cについて説明する。本発明では、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いるものである。本発明では、シアントナーを用いて形成する二次色、すなわち、緑と青の発色の観点から、シアントナーのみで形成されるトナー画像の最大彩度C* Cは50〜80であることが好ましい。ここで、シアントナー単色画像の最大彩度は次の様に定義する。
(1)トナー着色剤の含有量が多く設定されている場合、トナー付着量の増大とともに彩度もほぼ比例して上昇するが、あるレベルを超えると付着量が上昇しても彩度が上昇しなくなり停滞し出しついには低下する様になる。このトナー付着量が上昇しているのに彩度が上昇から下降に転じるときの彩度を、この場合の最大彩度と定義する。
(2)トナー付着量と彩度が比例する場合、画像形成装置で設定可能な転写紙へのトナー付着量が最大となるときのトナー画像の彩度を、この場合の最大彩度と定義する。
(1)トナー着色剤の含有量が多く設定されている場合、トナー付着量の増大とともに彩度もほぼ比例して上昇するが、あるレベルを超えると付着量が上昇しても彩度が上昇しなくなり停滞し出しついには低下する様になる。このトナー付着量が上昇しているのに彩度が上昇から下降に転じるときの彩度を、この場合の最大彩度と定義する。
(2)トナー付着量と彩度が比例する場合、画像形成装置で設定可能な転写紙へのトナー付着量が最大となるときのトナー画像の彩度を、この場合の最大彩度と定義する。
なお、シアンの最大彩度は、色相角で212度において測定したものである。このとき、シアン画像の明度は、黄緑、緑、青の発色の観点から、シアントナー単色画像が最大彩度をとるときその明度L* Cが53〜70の範囲に存在する様に、好ましくは、L* Cが57〜67の範囲に存在する様に設定する。
次に、マゼンタトナーのみで形成されるトナー画像が最大彩度をとるときの明度L* Mについて説明する。本発明では、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが前述の範囲で最大彩度に達するシアントナーを用いるとともに、マゼンタトナーにより形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲で最大彩度に達するマゼンタトナーが用いることが好ましい。本発明では、マゼンタトナーを用いて形成する二次色、すなわち、青と赤の発色の観点から、マゼンタトナーのみで形成されるトナー画像の最大彩度C* Mは70〜100であることが好ましい。ここで、マゼンタトナー単色画像の最大彩度の定義は、前述したシアントナー単色画像で行ったものと同様である。
なお、マゼンタの最大彩度は、色相角で336度において測定したものである。このとき、マゼンタ画像の明度は、青、紫、赤の発色の観点から、マゼンタトナー単色画像が最大彩度をとるときその明度L* Mが35〜51の範囲に存在する様にすることが好ましく、より好ましくは、L* Mが40〜49の範囲に存在する様に設定する。
本発明では、特定のシアントナーのみで形成されたトナー画像が最大彩度をとるとき、その明度が前述した範囲に存在するとき、現像ローラ上に形成したシアントナー層より静電潜像が形成された感光体表面に向けてシアントナーを飛翔させて現像を行うハイブリッド現像方式に代表される非接触方式の現像を安定して行うことができる。すなわち、ハーフトーン画像の様な中間調の画像を形成したとき、画像上にキャリアによるブラシマークを発生させることがなく、また、画像エッジ部のみでのトナー付着量の増大に伴う画像濃度や彩度の局所的な増大による不自然な仕上がりを解消させることができる。
この様に、本発明によれば、中間調の階調性をきわめて高い精度で表現することができ、かつ、中間調のエッジ効果によるムラを人間の視覚に感じさせないレベルにするので、目に心地よい高品位なシアン画像を形成することができる様になった。また、画像の反射光量が均一化され、かつ、増大する様になるので、シアン画像の色再現領域を拡大させることができる様になった。
次に、本発明で使用されるシアントナー、すなわち、シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲で最大彩度に達することが可能な特定のシアントナーについて説明する。
本発明に係るカラー印刷物の製造方法は、現像ローラ上に形成されたシアントナー薄層より静電潜像が形成された感光体表面にシアントナーを飛翔させて現像を行ういわゆる非接触方式と呼ばれる現像方法でシアントナー画像を形成するものである。そして、前記現像方法を経て形成されたシアントナーのみからなるトナー画像が最大彩度をとるとき、その明度L* Cが53以上70以下の範囲に存在するものである。
上記構成を実現する好ましいシアントナーとしては、たとえば以下に示す下記一般式(I)または下記一般式(II)で表される化合物を含有するものが挙げられる。
式中、M1はケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)及びスズ原子(Sn)よりなる群から選択される中心金属原子を表す。また、Zは各々独立にヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示すものである。また、A1〜A4は各々独立に下記式(a−1)〜(a−18)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を表すものである。
式中、M2はアルミニウム原子(Al)及びガリウム原子(Ga)よりなる群から選択される中心金属原子を表す。また、Zは各々独立にヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、下記に示す一般式(1)で表される基を示すものである。また、A1〜A4は各々独立に下記式(a−1)〜(a−18)で表される電子吸引基を有してもよい芳香環を形成する原子団を表すものである。
式中のR1、R2、R3は炭素数1乃至22のアルキル基、炭素数6乃至18のアリール基、炭素数1乃至22のアルコキシ基、または、炭素数6乃至18のアリールオキシ基を表すものである。なお、R1、R2、R3はお互い同じ基であっても、異なる基であってもよいものである。
また、上記一般式(I)または(II)で表される化合物を含有するとともに、以下に示す一般式(III)で表される化合物を含有するシアントナーも上記構成を実現するものである。
式中のR2は、水素原子または有機基を表す。
前記明度L* Cを実現するシアントナー用の着色剤は、たとえば、一般式(I)または(II)、さらには(III)で表される化合物の分散液を、下記関係式(11)〜(14)の範囲に反射スペクトルを調整することにより得られ、この作業は当業者に格段の試行錯誤を与えるものではない。
つまり、シアントナー用の着色剤粒子分散液を調製し、その反射スペクトルが下記関係式(11)〜(14)を満たす着色剤を用いることにより、前記範囲の明度L* Cを有するシアントナー画像を形成することが可能なシアントナーが実現される。
関係式(11) 4≦|C480−C450|≦16
〔式中、C480は波長480nmにおける反射率(単位;%)を、C450は波長450nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(12) 15≦C550−C570≦35
関係式(13) 20≦C570≦50
〔式中、C550は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、C570は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(14) 0≦C620+C650≦30
〔式中、C620は波長620nmにおける反射率(単位;%)を、C650は波長650nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
ここで、シアンの単色トナー画像の反射スペクトルは、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて測定される。測定条件は、光源にD65光源、反射測定アパーチャにφ4mmのものを使用し、測定波長域380〜730nmを10nm間隔、視野角(observer)を2°、基準合わせに専用白タイルを用いたものである。反射スペクトル用の単色トナー画像は坪量128g/m2、明度93の転写紙を用いて形成される。一例をあげると、王子製紙(株)製の「PODグロスコート紙」を用い、画像の光沢度が10以上の部分を測定して求める。トナー画像の光沢度は測定角75度の光沢度を「Gloss Meter(村上色彩工学研究所製)」を用いて測定する。さらに、トナー画像を形成するとき、定着条件は画像形成装置の標準定着条件とする。
〔式中、C480は波長480nmにおける反射率(単位;%)を、C450は波長450nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(12) 15≦C550−C570≦35
関係式(13) 20≦C570≦50
〔式中、C550は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、C570は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(14) 0≦C620+C650≦30
〔式中、C620は波長620nmにおける反射率(単位;%)を、C650は波長650nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
ここで、シアンの単色トナー画像の反射スペクトルは、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて測定される。測定条件は、光源にD65光源、反射測定アパーチャにφ4mmのものを使用し、測定波長域380〜730nmを10nm間隔、視野角(observer)を2°、基準合わせに専用白タイルを用いたものである。反射スペクトル用の単色トナー画像は坪量128g/m2、明度93の転写紙を用いて形成される。一例をあげると、王子製紙(株)製の「PODグロスコート紙」を用い、画像の光沢度が10以上の部分を測定して求める。トナー画像の光沢度は測定角75度の光沢度を「Gloss Meter(村上色彩工学研究所製)」を用いて測定する。さらに、トナー画像を形成するとき、定着条件は画像形成装置の標準定着条件とする。
前記明度L* Cを実現するシアントナーの好ましい態様としては、前述した様に、着色剤として前記一般式(I)または(II)で表される化合物を含有するもの、さらには一般式(III)で表される化合物を併用するものが挙げられる。このうち、一般式(I)で表される化合物が好ましく用いられる。一般式(I)で表される化合物は、環構造の中心に位置する金属原子(以下、中心金属原子ともいう)M1にケイ素原子(Si)、ゲルマニウム原子(Ge)、スズ原子(Sn)のいずれかの金属原子が用いられ、この中でもケイ素原子(Si)を用いたものが特に好ましい。また、一般式(II)で表される化合物は、中心金属原子M2にアルミニウム原子(Al)及びガリウム原子(Ga)のいずれかの金属原子が用いられるものである。
前記一般式(I)または(II)で表される化合物中のZは、前述した様に、各々独立に、ヒドロキシ基、塩素原子、炭素数6乃至18のアリールオキシ基、炭素数1乃至22のアルコキシ基、下記一般式(1)で表される化合物を表すものである。また、前記一般式(1)中のR1、R2、R3は炭素数1乃至22のアルキル基、炭素数6乃至18のアリール基、炭素数1乃至22のアルコキシ基、または、炭素数6乃至18のアリールオキシ基を示すものである。ここで、R1、R2、R3はお互い同じ基であっても、異なる基であってもよいものである。これらの基の炭素数は好ましくは1乃至10であり、より好ましくは、2乃至8である。これらの中でも、塩素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜5のアルコキシ基が耐熱性の観点から好ましいものである。
前記一般式(I)または(II)で表される化合物中のA1、A2、A3及びA4は各々独立に(a−1)〜(a−18)で表されるいずれかの原子団である。A1、A2、A3及びA4で表される原子団は、色調を整える観点から、中心金属原子が配置されている環構造との間で4つの炭素が結合した構造、具体的に環構造との間でベンゼン環を形成するもの(a−1)が好ましい。また、A1、A2、A3及びA4で表される原子団は、塩素原子、トリフルオロメチル基、ニトロ基を置換基として結合させて色調を整えることも可能である。
本発明で好ましく用いられるシアントナーは、上記一般式(I)または(II)で表される化合物を単独もしくは2つ以上を選択併用することが可能である。また、前記一般式(I)または(II)で表される化合物に前述した一般式(III)で表される化合物を併用したものが好ましい。トナー中における上記化合物の含有量はトナーを構成する結着樹脂に対して4〜12質量%、好ましくは5〜9質量%の範囲に設定するのがよい。
以下に一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明に使用可能な一般式(I)で表される化合物は以下に示すもののみに限定されるものではない。
また、一般式(I)または(II)で表される化合物と併用可能な一般式(III)で表される化合物の具体例としては、たとえば、以下のものがある。
次に、マゼンタトナーのみで形成されるトナー画像が最大彩度をとるとき、明度L* Mが前述した範囲となるマゼンタトナーについて説明する。
本発明では、シアントナーのみで形成されるトナー画像の明度L* Cが前述の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いることに加え、マゼンタトナーのみで形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲において最大彩度に達するマゼンタトナーを用いることが好ましい。すなわち、現像ローラ上に形成したマゼンタトナー層より静電潜像が形成された感光体表面に向けてマゼンタトナーを飛翔させて現像を行うハイブリッド現像方式に代表される非接触方式の現像方法を用いてマゼンタトナーのみで形成されるトナー画像が最大彩度をとるとき、その明度L* Mが35以上51以下の範囲に存在するものであることが好ましい。
前記構成を実現するマゼンタトナーの好ましい態様としては、着色剤として、たとえば、後述する一般式(3)、一般式(4)及び一般式(5)で表される化合物のいずれかを含有するもの等が挙げられる。
前記明度L* Mを実現するマゼンタトナー用の着色剤は、以下に示すもの等の分散液を混合して、下記関係式(21)〜(24)の範囲に反射スペクトルを調整することにより得られ、この作業は当業者に格段の試行錯誤を与えるものではない。
つまり、マゼンタトナー用の着色剤粒子分散液を調製し、その反射スペクトルが下記関係式(21)〜(24)を満たす着色剤を用いることにより、前記範囲の明度L* Mを有するマゼンタトナー画像を形成するマゼンタトナーが実現される。
関係式(21) 30≦B450−B520≦85
〔式中、B450は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530+B570≦25
〔式中、B530は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670−B600≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
なお、上記マゼンタトナー画像の反射スペクトルの測定は、前述したシアントナー画像の反射スペクトル測定と同じ条件で行うものである。
〔式中、B450は波長450nmにおける反射率(単位;%)を、B520は波長520nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(22) 1≦B530+B570≦25
〔式中、B530は波長530nmにおける反射率(単位;%)を、B570は波長570nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(23) 2≦B670−B600≦50
関係式(24) 80≦B670
〔式中、B670は波長670nmにおける反射率(単位;%)を、B600は波長600nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
なお、上記マゼンタトナー画像の反射スペクトルの測定は、前述したシアントナー画像の反射スペクトル測定と同じ条件で行うものである。
明度L* Mが前述した範囲となるマゼンタトナーは、たとえば、以下に示す顔料や染料を着色剤として含有させることにより実現することができる。
先ず、顔料の具体例としては、たとえば、以下のものがある。すなわち、
C.I.ピグメントレッド2、同3、同6、同7、同9、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222等がある。
C.I.ピグメントレッド2、同3、同6、同7、同9、同15、同16、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同122、同123、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同208、同209、同222等がある。
また、染料の具体例としては、たとえば、以下のものがある。すなわち、
C.I.ソルベントレッド3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同53、同87、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179等がある。
C.I.ソルベントレッド3、同14、同17、同18、同22、同23、同49、同51、同53、同87、同127、同128、同131、同145、同146、同149、同150、同151、同152、同153、同154、同155、同156、同157、同158、同176、同179等がある。
また、明度L* Mが前述した範囲となるマゼンタトナーは、以下に示す一般式(IV)あるいは(V)で表される構造を有する化合物を着色剤として用いても実現することができる。
式中、R11、R12、R13、R14及びR17は、各々独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R15とR16は各々独立に水素原子または炭素数1あるいは2のアルキル基を表すものである。また、mとnは1または2の整数を表し、(X−)はカウンタアニオンで塩素イオンまたはスルホン酸化合物イオンを表すものである。
式中、R21はそれぞれ独立に水素原子または置換基、R22は−NR24R25または−OR26、R23は水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アミド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基のいずれかの基を表すものである。また、A11〜A13はそれぞれ独立に−CR27=または−N=を表すものである。
式中のX11は5または6員の芳香族環または複素環を形成するために必要な原子団、Z1は窒素原子を少なくとも1つ含む5または6員の複素環を形成するために必要な置換基を有してもよい原子団で、当該置換基により縮合環を形成してもよい。また、R24〜R27はそれぞれ独立に水素原子または置換基、L11は炭素数1または2の連結基または環構造の一部を表し、R23と結合して5または6員環構造を形成してもよい。pは0〜3の整数を表すものである。
マゼンタトナー用の着色剤として好ましいものの1つである前記一般式(IV)で表される化合物の具体例としては、たとえば、以下に示すものがある。
また、マゼンタトナー用の着色剤として好ましいものの1つである前記一般式(V)で表される化合物の具体例としては、たとえば、以下に示すものがある。
次に、本発明で用いられるイエロートナーについて説明する。本発明は、前述したシアントナーやマゼンタトナーの他に、イエロートナーを用いてカラー印刷物を製造するものである。本発明で用いられるイエロートナーの好ましい態様としては、たとえば、後述する着色剤を含有するものが挙げられる。すなわち、後述するイエロートナー用の着色剤は、着色剤粒子分散液に調製して、その反射スペクトルを測定したときに下記関係式(31)〜(34)を満たすものであることが好ましい。なお、着色剤分散液を混合して下記関係式(31)〜(34)の範囲に反射スペクトルを調整する作業は当業者に格段の試行錯誤を与えるものではない。
関係式(31) 2≦A415+A460≦24
〔式中、A415は波長415nmにおける反射率(単位;%)を、A460は波長460nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(32) 20≦A510−A490≦40
〔式中、A510は波長510nmにおける反射率(単位;%)を、A490は波長490nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(33) 2≦A550−A530≦16
関係式(14) 70≦A550
〔式中、A550は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、A530は波長530nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
本発明で好ましく用いられるイエロートナー用の着色剤としては、以下に示すグループX及びグループYに属するイエロー着色剤が挙げられる。すなわち、
〔グループX〕;C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー111
〔グループY〕;C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー36、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー153
前記グループXより選択されるイエロー着色剤と前記グループYより選択されるイエロー着色剤の質量比が65:35〜95:5となるイエロートナーが特に好ましい。
〔式中、A415は波長415nmにおける反射率(単位;%)を、A460は波長460nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(32) 20≦A510−A490≦40
〔式中、A510は波長510nmにおける反射率(単位;%)を、A490は波長490nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
関係式(33) 2≦A550−A530≦16
関係式(14) 70≦A550
〔式中、A550は波長550nmにおける反射率(単位;%)を、A530は波長530nmにおける反射率(単位;%)を表す。〕
本発明で好ましく用いられるイエロートナー用の着色剤としては、以下に示すグループX及びグループYに属するイエロー着色剤が挙げられる。すなわち、
〔グループX〕;C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー111
〔グループY〕;C.I.ピグメントイエロー9、C.I.ピグメントイエロー36、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエロー153
前記グループXより選択されるイエロー着色剤と前記グループYより選択されるイエロー着色剤の質量比が65:35〜95:5となるイエロートナーが特に好ましい。
次に、前述のシアントナーやマゼンタトナー、及びイエロートナーをはじめとする本発明に係るカラー印刷物の製造方法で使用されるトナーの構成について説明する。
本発明で使用されるトナーは、体積基準メディアン径(D50v)を3μm以上8μm以下とすることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することも可能である。
本発明で使用されるトナーの体積基準メディアン径を前述した範囲とすることにより、写真画像や細線画像等の作製に求められる微小トナー画像の形成が可能になる。この様に、デジタル画像形成で作製される微小ドット画像を忠実に再現することにより、印刷画像と同等レベル以上の高精細画像が得られるので、版を作る手間をかけずに印刷画像に優るとも劣らない高画質フルカラープリント物を提供することができる。
また、カラートナーの粒径が上記範囲にあることで、トナー付着量の多少に関わらず色調の変化が抑制され、優れた色再現性を得ることができる。一方、カラートナーの粒径が体積基準メディアン径で3.0μm未満になると、光散乱が生じ易くなってトナー付着量が少ない状態で形成されるハーフトーン画像とトナー付着量が多い状態で形成されるベタ画像との間で色調が異なってくるおそれがある。具体的には、カラートナーのみによって形成されたハーフトーン画像が、青みを帯びた色合いのものになるおそれがある。
なお、トナーの粒径は、重合法によりカラートナー粒子を形成する場合には、カラートナーの製造方法において、凝集剤の濃度や添加量、または凝集時間、さらには重合体自体の組成により制御することができる。
トナーの体積基準メディアン径(D50v径)は、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、たとえば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)でなじませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカに測定濃度5〜10%になるまでピペットで注入し、測定粒子カウント数を25000個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパーチャ径は50μmにし、粒子体積の大きな方から積分して、50%の粒子径を体積基準メディアン径とする。
また、本発明で使用されるトナーは、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)を2%以上21%以下とすることが好ましく、5%以上15%以下とすることがより好ましい。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。
CV値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメディアン径(D50v))×100
CV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさがそろっていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することができる。
CV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさがそろっていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することができる。
また、本発明で使用されるトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から下記式で示される円形度の平均値(「平均円形度」ともいう)が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
式:平均円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長
また、トナーの軟化点温度(Tsp)は、70℃以上110℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。トナーに使用される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点を前記範囲とすることで定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減できる。したがって、着色剤に負担をかけずに画像形成が行える様になるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、トナーの軟化点温度(Tsp)は、70℃以上110℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。トナーに使用される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点を前記範囲とすることで定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減できる。したがって、着色剤に負担をかけずに画像形成が行える様になるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、イエロー、マゼンタ、シアントナーの軟化点温度を上記範囲にすることで、定着工程でイエロー、マゼンタ、シアントナーはそれぞれ適度な溶融状態が得られ、高い色再現性を有する二次色画像を形成することができる。
ここで、「イエロー、マゼンタ、シアントナーの適度な溶融状態」とは、イエロー、マゼンタ、シアントナーで形成した各トナー画像に他の色のトナー画像を重ね合わせてカラー画像を形成したときに、当該イエロー、マゼンタ、シアントナーで形成したトナー画像に含有されるイエロー、マゼンタ、シアン着色剤と他の色を構成する着色剤とがともに均一に分散して発色する状態をいう。具体的には、たとえば、イエローのトナー画像とマゼンタのトナー画像を重ね合わせたとき、記録材上に色重ねした状態で定着されたカラー画像でありながら互いの結着樹脂層の界面が消失してイエロー着色剤とマゼンタ着色剤が均一分散した状態を実現するものである。このとき、当該カラー画像領域外の領域にマゼンタ着色剤やイエロー着色剤が滲み出していない状態になっている。
また、トナーの軟化点を前記範囲とすることで、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行える様になり、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成が行える。
なお、トナーの軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御が可能である。すなわち、
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
トナーの軟化点温度は、以下の様に測定されるものである。先ず、20℃、50%RHの環境下において、カラートナー1.1gをシャーレに入れて平らにならし、12時間以上放置した後、成型機「SSP−10A(島津製作所(株)製)」により3820kg/cm2の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。
次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D(島津製作所(株)製)」により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、カラートナーの軟化点温度とする。
次に、本発明で使用されるトナーの製造方法について説明する。
本発明で使用されるトナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなる粒子(以下、着色粒子ともいう)より構成されるものである。本発明で使用されるトナーを構成する着色粒子は、特に限定されるものではなく、従来のトナー製造方法により作製することが可能である。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕法によるトナー製造方法や、重合性単量体を重合させ、同時に形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合トナーの製造方法(たとえば、乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等)を適用することにより作製可能である。
これらの中でも重合法によるトナー作製は、その製造工程で粒子の形状や大きさを制御しながら所望のトナーを形成することが可能で、微小ドット画像の忠実な再現を可能にする小径トナーを作製する上で最適である。そして、重合法の中でも、乳化重合法や懸濁重合法により予め120nm前後の樹脂粒子を形成し、この樹脂粒子を凝集させて外添処理前のトナーの母体粒子である着色粒子を形成する乳化会合法が有効な作製方法の1つといえる。さらに、着色粒子を作製する際に、前述の凝集により着色剤を含有する樹脂からなるコアを形成し、さらに凝集によりコア表面に樹脂を被覆してシェルを形成するコアシェル構造のものにすることが好ましい。
以下、乳化会合法によるコアシェル構造のトナー作製例を説明する。乳化会合法では概ね以下の様な手順を経てトナーを作製する。すなわち、
(1)コア形成用樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)コア用樹脂粒子の凝集・融着工程
(4)第1熟成工程
(5)シェル化工程
(6)第2熟成工程
(7)冷却工程
(8)洗浄工程
(9)乾燥工程
(10)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)コア形成用樹脂微粒子分散液の作製工程
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
(3)コア用樹脂粒子の凝集・融着工程
(4)第1熟成工程
(5)シェル化工程
(6)第2熟成工程
(7)冷却工程
(8)洗浄工程
(9)乾燥工程
(10)外添剤処理工程
以下、各工程について説明する。
(1)樹脂微粒子分散液の作製工程
この工程は、コア用の樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行って120nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。すなわち、ワックス等を溶解させた重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行うことにより、ワックスを含有してなる樹脂微粒子を形成することができる。
この工程は、コア用の樹脂粒子を形成する重合性単量体を水系媒体中に投入して重合を行って120nm程度の大きさの樹脂微粒子を形成する工程である。すなわち、ワックス等を溶解させた重合性単量体を水系媒体中に分散させた状態で重合を行うことにより、ワックスを含有してなる樹脂微粒子を形成することができる。
(2)着色剤微粒子分散液の作製工程
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
水系媒体中に着色剤を分散させ、110nm程度の大きさの着色剤微粒子分散液を作製する工程である。
(3)コア用粒子の凝集・融着工程(コアの形成)
この工程は、水系媒体中で前述の樹脂微粒子と着色剤微粒子を凝集させ、凝集させると同時にこれら微粒子を融着させてコア用の粒子を作製する工程である。この工程では、樹脂粒子と着色剤粒子とを混合させた水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を凝集剤として添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度以上で、混合物の融解ピーク温度以下に加熱して凝集を進行させ、同時に樹脂粒子同士を融着させる。
この工程は、水系媒体中で前述の樹脂微粒子と着色剤微粒子を凝集させ、凝集させると同時にこれら微粒子を融着させてコア用の粒子を作製する工程である。この工程では、樹脂粒子と着色剤粒子とを混合させた水系媒体中に、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩等を凝集剤として添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度以上で、混合物の融解ピーク温度以下に加熱して凝集を進行させ、同時に樹脂粒子同士を融着させる。
具体的には、前述の手順で作製した樹脂粒子と着色剤粒子とを反応系に添加し、塩化マグネシウム等の凝集剤を添加することにより、樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集させると同時に微粒子同士を融着させて粒子形成を行う。そして、粒子の大きさが目標の大きさになった時に、食塩水等の塩を添加して凝集を停止させる。
(4)第1熟成工程
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することによりコアの形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
この工程は、上記凝集・融着工程に引き続き、反応系を加熱処理することによりコアの形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
(5)シェル化工程
この工程は、第1熟成工程で形成されたコアの分散液中に、シェル形成用樹脂微粒子を添加して、コア表面にシェルを形成する工程である。
この工程は、第1熟成工程で形成されたコアの分散液中に、シェル形成用樹脂微粒子を添加して、コア表面にシェルを形成する工程である。
(6)第2熟成工程
この工程は、上記シェル化工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより、コア表面へのシェルの被覆を強化するとともに、着色粒子の形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
この工程は、上記シェル化工程に引き続き、反応系を加熱処理することにより、コア表面へのシェルの被覆を強化するとともに、着色粒子の形状が所望の形状になるまで熟成を行う工程である。
(7)冷却工程
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この工程は、前記着色粒子の分散液を冷却処理(急冷処理)する工程である。冷却処理条件としては、1〜20℃/minの冷却速度で冷却する。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
(8)洗浄工程
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された粒子分散液から粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのケーキ状集合体にした粒子から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
この工程は、上記工程で所定温度まで冷却された粒子分散液から粒子を固液分離する工程と、固液分離されてウェットのケーキ状集合体にした粒子から界面活性剤や凝集剤等の付着物を除去するための洗浄工程からなる。
洗浄処理は、ろ液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。濾過処理方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧ろ過法、フィルタプレス等を使用して行うろ過法などがあり、特に限定されるものではない。
(9)乾燥工程
この工程は、洗浄処理された粒子を乾燥処理し、乾燥された粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレイドライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
この工程は、洗浄処理された粒子を乾燥処理し、乾燥された粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレイドライヤ、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。
また、乾燥された粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理された粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサ、コーヒーミル、フードプロセッサ等の機械式の解砕装置を使用することができる。
(10)外添剤処理工程
乾燥された粒子に必要に応じ外添剤を混合して、トナーを作製する工程である。
乾燥された粒子に必要に応じ外添剤を混合して、トナーを作製する工程である。
以上の工程を経て、コアシェル構造のトナーを乳化会合法により作製することができる。
次に、本発明で使用されるトナーを構成する樹脂やワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、トナーに使用可能な樹脂としては、特に限定されるものではないが、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするもので、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて構成されるものである。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、トナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。特に、本発明の着色剤は前述のように弱アルカリ性を有しており、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を単量体の側鎖に有するものを使用した場合に、より樹脂中での分散性を向上させることができ、好ましい。具体的には、以下のものがある。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等
また、トナーに使用可能な樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。特に、本発明の着色剤は前述のように弱アルカリ性を有しており、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を単量体の側鎖に有するものを使用した場合に、より樹脂中での分散性を向上させることができ、好ましい。具体的には、以下のものがある。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。また、スルホン酸基を有するものとしては、スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等があり、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等がある。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
次に、本発明で使用可能なトナーに使用されるワックスとしては、以下に示す様な公知のものがある。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは70〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは70〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
次に、本発明で使用されるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーは、その製造工程で外部添加剤(=外添剤)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子や有機微粒子等を添加してトナーとすることができる。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、たとえば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子の具体例としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVBK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等がある。
チタニア微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等がある。
アルミナ微粒子としては、たとえば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等がある。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用できる。
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能であり、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩がある。
これら外添剤や滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。また、これら外添剤や滑剤を添加する方法は、タービュラミキサ、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機等の種々の公知の混合装置を使用して添加することができる。
次に、本発明に係るカラー印刷物の製造方法で好ましく使用される現像剤である2成分現像剤について説明する。本発明に係るカラー印刷物の製造方法で好ましく使用される現像剤は、前述のシアントナーやマゼンタトナーをキャリアと混合して形成される2成分現像剤である。
本発明に使用される2成分現像剤に使用されるキャリアとしては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとして、磁性粒子表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアやバインダ樹脂中に磁性体微粉末を分散させてなるバインダ型キャリア等を用いることもできる。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定されるものではないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、シリコーン系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等がある。また、バインダ型キャリアを構成するバインダ樹脂も特に限定されるものではなく公知のものが使用でき、たとえば、スチレン−アクリル系共重合体樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
キャリアは、高画質の画像が得られること、及びキャリアかぶりの発生を抑止する観点から、体積基準メディアン径で20〜100μmとすることが好ましく、より好ましくは20〜60μmである。前記体積基準メディアン径を有するキャリアを用いることにより、現像スリーブ41上には均一な穂立ちが実現された磁気ブラシが形成され、ベタ画像を形成したときに均質な画質が得られる。また、現像剤に適度な流動性が付与されて安定した帯電立ち上がり性能も発現される。さらに、現像スリーブ41上に形成された磁気ブラシは適度な高さを有しているので、現像剤の掃きムラが生ずるおそれもなく良好な画質を安定して形成することができる。
キャリアの体積基準メディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)(シンパティック(SYMPATEC)社製)」により測定することができる。この方法でキャリアの体積基準メディアン径を測定する場合、以下の手順による前準備を行う。先ず、ビーカに現像剤、少量の中性洗剤、純水を添加し、これらをよくなじませて、ビーカ底に磁石を当てながら上澄み液を捨てる。さらに、純水を添加して上澄み液を捨てることにより、トナー及び中性洗剤を除去してキャリアのみを分離する。分離したキャリアを40℃で乾燥してキャリア単体を得る。
好ましいキャリアとしては、たとえば、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト共重合体樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリア等がある。その中でも、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合体樹脂(グラフト共重合体樹脂)にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から特に好ましい。なお、上記コートキャリア形成に使用されるビニル系単量体は、イソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体である。
本発明で使用される2成分現像剤は、前述したトナーとキャリアを混合することにより調製が可能である。キャリアとトナーの混合割合は、現像装置内の現像剤はトナー濃度が3〜12質量%とすることが好ましく、5〜9質量%とすることがより好ましい。また、補給用の現像剤は、画像濃度安定の観点からトナー濃度を60〜98質量%とすることが好ましく、80〜96質量%とすることがより好ましい。
キャリアとトナーを混合する混合装置としては、たとえば、ヘンシェルミキサ、ナウターミキサ、V型混合機、タービュラミキサ等の公知の混合装置を用いることができ、これらの中でもヘンシェルミキサが好ましい。
本発明で使用される2成分現像剤で好ましく使用されるコートキャリアは、公知の方法により、磁性粒子表面に樹脂被覆層を形成することにより作製が可能である。
樹脂被覆層は、公知の乾式法、湿式法(溶媒コーティング法、溶媒浸漬法)等により磁性粒子表面に形成することができ、これらの中でも製造コストや環境負荷の観点から乾式法が好ましい。ここで、乾式法とは、溶媒等の液体を用いずに熱可塑性樹脂粒子(バインダ樹脂)と磁性粒子を加熱混合して磁性粒子表面に樹脂被覆層を形成してコートキャリアを作製する方法である。
また、湿式法とは、溶媒を用いて磁性粒子表面に樹脂被覆層を形成してコートキャリアを作製する方法である。湿式法の1つである溶媒コーティング法は、樹脂被覆層を形成するバインダ樹脂を溶媒に溶解させてなるコーティング液を磁性粒子表面にコートして樹脂被覆層を形成することによりコートキャリアを作製するものである。
次に、本発明に係るカラー印刷物の製造方法で採られている非接触方式の現像方法について説明する。本発明に係るカラー印刷物の製造方法では、現像装置を構成するトナー担持体と静電潜像保持体とが非接触の状態で対向配置された構成の画像形成装置を用いて印刷物が作製されるものである。前述した様に、本発明に係るカラー印刷物の製造方法では、非接触現像方式で使用する現像剤は、トナーとキャリアとを混合してなる2成分現像剤として使用することが好ましい。
また、感光体と現像装置とを非接触状態で対向させてトナーのみを飛翔させて顕像化する現像工程を含む画像形成方法には、複数種類のカラートナーを複数重ねて画像形成する多色画像形成方法と呼ばれる画像形成方法にも使用されている。しかしながら、非接触であるために、接触現像よりも現像効率が低くなりやすく、繰り返しの画像形成において帯電性による選択現像が発生し易く、その結果、現像トナー量の変化が大きく、色重ねによる二次色の色相の変化等の画質が変化し易くなる問題があった。
図2は、静電潜像保持体(感光体ドラム)表面に非接触方式でトナー供給を行うことが可能な現像装置の代表的なものの断面図である。なお、本発明に係るカラー印刷物の製造方法に使用可能な非接触方式の現像装置は、図2に示す配置構成のものに限定されるものではない。本発明に係るカラー印刷物の製造方法は、たとえば、後述する図1に示す電子写真方式のフルカラー画像形成装置に、図2に示す非接触方式の現像装置4をイエロー、マゼンタ、シアン及び黒色の各色毎に装填することにより行うことができるものである。
各色毎の現像装置4(4Y〜4Bk)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(Bk)の2成分現像剤をそれぞれ収容してなり、本発明でいう「静電潜像保持体」に該当する感光体ドラム1(1Y〜1Bk)の周面に所定間隔で配置されている。
現像装置4では、本発明でいう「トナー担持体」に該当する現像スリーブ41を介して感光体ドラム1にトナー供給を行っているが、現像スリーブ41は感光体ドラム1に対して一定のギャップを持って配置されている。この現像スリーブ41と感光体ドラム1の周面との間に形成されるギャップのことを現像ギャップといい、一般に0.05mm〜0.5mmとすることが好ましく、0.1〜0.4mmとすることがより好ましい。また、現像スリーブ41は、図2に示す様に、感光体ドラム1の回転に対し逆方向に回転するものである。
この様に、図2の現像装置4は現像スリーブ41が感光体ドラム1に対して非接触の状態で配置されており、現像スリーブ41上ではトナーの薄層化が行われ、薄層化されたトナー層は飛翔して感光体ドラム1上に供給されて、感光体ドラム1上に形成した静電潜像を現像するものである。
図2に示す現像装置4は、以下のものから構成される。40はトナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容するハウジング、42は固定の磁極を有するマグネットローラ、前述した41は内部にマグネットローラ42を配置した現像スリーブ、43は現像スリーブ41上に形成される現像剤層を所定の厚さに規制する層厚規制部材、44は現像剤の受け部材、48は現像剤の除去板、45は搬送供給ローラ、46と47は一対の撹拌スクリューである。
現像スリーブ41は、10mm〜50mmの径を有し、その最表面がアルミニウムやステンレス、導電性樹脂等で構成された円筒状の部材であり、たとえば、金属製の芯金の外周面に導電性樹脂製の被覆層を形成したものとすることもできる。また、現像スリーブ41表面は、前述した様にトナーの薄層化を行う個所であることからある程度の粗さを有していることが好ましい。現像スリーブ41表面における表面粗さ形状は、たとえば、Raが0.2〜2.5μm、好ましくは0.5〜1.5μm、Rsmが10〜300μm、好ましくは30〜150μmとなるものである。ここで、Raは平均中心線粗さ、Rsmは表面粗さの平均間隔と呼ばれるもので、いずれも公知の測定装置や測定手順により測定、算出することができる。
マグネットローラ42は、現像スリーブ41に内包され現像スリーブ41と同心で固定されており、複数個の磁極N1、N2、N3、S1、S2を交互に配することにより、非磁性のスリーブ周面に磁力を作用させる。
層厚規制部材43は、マグネットローラ42の磁極N3と対向し、現像スリーブ41と所定間隔で配置されており、この様に配置することにより現像スリーブ41表面にトナーの薄層を均一に形成するとともに、薄層化したトナーに摩擦帯電を付与している。層厚規制部材43は、たとえば、棒状あるいは板状の磁性ステンレス材やウレタンゴムよりなり、現像スリーブ41表面に当接して周面上の2成分現像剤の層厚を規制する。
層厚規制部材43は、現像スリーブ41に対して0.1〜5.0N/cmの圧力で当接させることが好ましい。前記範囲の圧力で現像スリーブ41に当接させることにより、現像スリーブ41にムラのない均一なトナー搬送が行え、白スジ等の画像不良の発生を回避させることができる。
受け部材44は、現像スリーブ41の回転方向下流側に現像スリーブ41と所定間隔で配置され、層厚規制部材43により規制された現像剤層よりトナーがこぼれない様に現像剤層を現像スリーブ41上に安定に保たせるものである。受け部材44は、ABS樹脂等の非磁性部材よりなり、層厚規制部材43の端面に隣接して配置されるので層厚規制部材43と一体化することも可能である。
現像剤の除去板48は、マグネットローラ42の磁極N2と対向して設けられ、磁極N2、N3の反発磁界と除去板48の背面に設けられる磁石板48aとの作用により現像スリーブ41上から現像剤を除去するものである。
搬送供給ローラ45は、除去板48により除去された現像剤を撹拌スクリュー46に搬送するとともに撹拌スクリュー46により撹拌された現像剤を層厚規制部材43へ供給するもので、現像スリーブ41にトナーを安定供給するものである。搬送供給ローラ45は、図2に示す様な45Aの羽根部を設けた水車状のロールやスポンジ状のロールが使用される。搬送補給ローラ45は、現像スリーブ41に対して直径が0.2倍〜1.5倍の範囲のものが好ましい。搬送補給ローラ45の直径を現像スリーブ41に対して前記範囲にすることにより現像スリーブ41へトナーを過不足なく供給することができ、スジ状の画像不良等の問題を起こさない。
撹拌スクリュー46、47は、互いに相反する方向に等速回転させて現像装置4内に収容されたトナーとキャリアを撹拌、混合して均等に分散させるものである。
図2の現像装置4には、現像スリーブ41に直流バイアス電圧VDC1を印加する直流電源と交流バイアス電圧VACを印加する交流電源、及び、搬送供給ローラ45、層厚規制部材43に直流バイアス電圧VDC2、VDC3を印加する直流電源が設けられている。この様に、直流電源と交流電源を設けて現像スリーブ41等の前述した部材に電圧印加することにより、現像スリーブ41上に厚さが10〜100μmの均一なトナーの薄層を形成し、現像スリーブ41上より感光体ドラム1にトナー供給を行うことができる。
すなわち、図2の現像装置4では、撹拌スクリュー46、47により現像剤が撹拌され、搬送供給ローラ45より現像スリーブ41に現像剤が供給される。その際、層厚規制部材43により、供給されたトナーは摩擦帯電されるとともに層厚が規制されて現像スリーブ41上に厚さが10〜100μmの均一な厚さを有するトナーの薄層が形成される。次に、現像ギャップでは、直流バイアス電圧VDC1を重畳させた交流バイアス電圧VACが印加され、現像スリーブ41上に薄層を形成したトナーが感光体ドラム1に向かって飛翔することにより、感光体表面に形成された潜像を現像する。
各バイアス電圧は、たとえば直流電源により現像スリーブ41に印加される直流バイアス電圧VDC1は200〜900Vとすることが好ましい。また、この直流バイアス電圧VDC1と搬送供給ローラ45に印加される直流バイアス電圧VDC2の電位差をたとえば100〜200Vとすることが好ましい。また、直流バイアス電圧VDC1と層厚規制部材43に印加される直流バイアス電圧VDC3の電位差をたとえば50〜150Vとすることが好ましい。さらに、交流電源により現像スリーブ41に印加する交流バイアス電圧VACはたとえばピーク間電圧1.6kV、周波数2.0kHzとすることが好ましい。
感光体ドラム1上に形成された潜像を現像した現像剤は、磁極N2、N3の反発磁界と除去板48の背面に設けられる磁石板48aとの作用により現像スリーブ41上より除去され、搬送供給ローラ45により再度撹拌スクリュー146へと搬送される。
図2に示す現像装置4は、図示しない補給用トナー収容容器よりトナーの供給がなされる。トナーの供給は、トナー濃度検知センサ49によりハウジング40内のトナー濃度が所定のトナー濃度より低下したと検知されたときに行われる。現像装置4へのトナー供給は、たとえば、補給用トナー収容容器を構成する図示しないホッパより、図示しないトナー搬送路を経て、後述する天板40Aに設けられたトナー補給口Hより行われる。
天板40Aには、撹拌スクリュー47の搬送上流側の端部に位置する面にトナーを搬送する現像剤搬送路の補給口Hが設けられている。この様に部材を配置することにより、新たに補給されるトナーは撹拌スクリュー46、47により十分撹拌され、補給されたトナーを撹拌により帯電させて現像スリーブ41に搬送、供給することができる。
ところで、二成分現像剤を用いた非接触方式の現像方式の1つに「ハイブリッド現像方式」と呼ばれるものがある。この現像方式は、前述の二成分現像剤を担持する磁気ロールと感光体ドラムの間にドナーローラと呼ばれるトナー搬送用ローラを配置し、ドナーローラを介して感光体ドラム表面へのトナー供給を行うものである。すなわち、二成分ブラシ現像機構を利用してドナーローラ上に均一なトナーの薄層を形成し、ドナーローラ上より感光体ドラムに向けてトナーを飛翔させることにより、感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像するものである。図3は、ハイブリッド現像方式を採用した現像装置4の断面構成図である。
現像装置4は、内部に固定磁石を有し、その表面にトナーTとキャリアCとからなる磁気ブラシEを形成、担持して回転する前述の現像スリーブに該当する磁気ロール41と、磁気ロール41に対向する様に配置されたトナー搬送用ロール49とを有するものである。なお、トナー搬送用ロール49は、前述したドナーロールのことである。すなわち、図3の現像装置4は、磁気ロール41上に形成された磁気ブラシEによりトナー搬送用ロール49表面に帯電トナーの薄層が形成される様に、磁気ロール41とトナー搬送用ロール49とが配置されているものである。
トナー搬送ロール49と磁気ロール41は、両者が対向する領域で互いに順方向に回転し、また、トナー搬送ロール49と感光体ドラム1も両者が対向する領域で互いに順方向に回転する構成になっている。
図3に示す様に、現像装置4は、トナー搬送ロール49に直流バイアス電圧VDC3を印加する直流電源49Dと交流バイアス電圧VACを印加する交流電源49A、磁気ロール41に直流バイアス電圧VDC1を印加する直流電源41Dを有する。また、磁気ロール41上に形成される磁気ブラシの高さを一定に規制するための穂高規制部材43を有する。
トナー搬送ロール49は、その最表面がアルミニウムやステンレス、導電性樹脂等で構成された円筒状の部材であり、たとえば、金属製の芯金の外周面に導電性樹脂製の被覆層を形成したものとすることもできる。また、金属製の芯金の外周面に半導電性樹脂製の被覆層を形成したものでもよい。
磁気ロール41とトナー搬送用ロール49のギャップ(トナークラウド形成ギャップとも呼ばれる)は、たとえば、0.3〜1.5mmとすることが好ましい。また、磁気ロール41と穂高規制部材43のギャップは、磁気ブラシEがトナー搬送ロール49の表面に接触する様に設定される。具体的には、キャリアの粒径や二成分現像剤におけるトナー濃度により異なるが、たとえば体積基準メディアン径が50μmのキャリアを含有しトナー濃度が6%の二成分現像剤を用いる場合は0.3〜1.5mmとすることが好ましい。また、トナー搬送用ロール49と感光体ドラム1のギャップ(現像ギャップ)は、たとえば、0.05〜0.5mmとすることが好ましく、0.1〜0.4mmがより好ましい。
図3の現像装置4内では、図示しない撹拌スクリュー等によりトナーとキャリアが撹拌、帯電され、これらが磁気ロール41に供給されてその表面に磁気ブラシEが形成され、穂高規制部材43により磁気ブラシの穂の高さが規制される。そして、トナー形成ギャップにおいて、穂の高さが規制された磁気ブラシよりトナー搬送ロール49表面にトナーが供給されて帯電トナー層が形成される。
このとき、トナークラウド形成ギャップでは、直流電源49Dによりトナー搬送ロール49に印加される直流バイアス電圧VDC3と直流電源41Dにより磁気ロール41に印加される直流バイアス電圧VDC1との電位差により電界が形成される。この電界を作用させることにより、磁気ブラシを構成するトナーをトナー搬送ロール49表面に飛翔させ、トナー搬送ロール49表面にトナーのみからなる帯電トナー層を形成する。
次に、トナー搬送ロール49と感光体ドラム1とで形成される現像ギャップでは、トナー搬送ロール49表面に形成された帯電トナー層より感光体ドラム1に向けてトナーが飛翔して、感光体ドラム1上に形成された静電潜像を現像する。このとき、現像ギャップでは、直流電源49Dによる直流バイアス電圧VDC3に重畳して交流電源49Aによる交流バイアス電圧VACがトナー搬送ロール49に印加されており、これらバイアス電圧による電界の作用でトナー搬送ロール49表面の帯電トナー層よりトナーが飛翔する。
なお、常温常圧環境(温度20℃、相対湿度50%RH)下で吸引式帯電量測定装置によるトナー搬送ロール49上の帯電トナー層に存在するトナーの帯電量は、5〜20μC/gであることが好ましく、5〜10μC/gがより好ましい。
また、直流電源49Dによりトナー搬送ロール49を印加するための直流バイアス電圧VDC3は、たとえば200〜900Vが好ましく、この直流バイアス電圧VDC3と磁気ロール41を印加させる直流バイアス電圧VDC1の電位差は、たとえば100〜250Vが好ましい。この様に、直流バイアス電圧VDC3及び直流バイアス電圧VDC1との電位差を設定したとき、トナー搬送ロール49表面に形成される帯電トナー層の厚みを10〜100μmに設定することが好ましい。
なお、交流電源49Aによりトナー搬送ロール49に印加される交流バイアス電圧VACは、たとえばピーク間電圧を1.6kV、周波数を2.7kHzに設定することが好ましい。
また、図3の現像装置4は、トナー搬送ロール49に形成された帯電トナー層を構成するトナーのうち、感光体ドラム1上に形成された静電潜像の現像に使用されなかったトナーをトナー搬送ローラ49より回収するトナー回収手段を設けることができる。このトナー回収手段は、専用の回収装置を設置するものの他に、磁気ロール41上に形成された磁気ブラシがトナー搬送ローラ49を摺擦することにより回収する構成のものでもよい。
次に、本発明に係るカラー印刷物の製造方法を実施可能な電子写真方式の画像形成装置の一例を説明する。図1は2成分現像剤を用いて前述した非接触方式の現像を行いながらフルカラー画像を形成することが可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図1において、1Y、1M、1C、1Bkは感光体、4Y、4M、4C、4Bkは非接触方式の現像装置(現像手段)、5Y、5M、5C、5Bkは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Bkはクリーニング装置、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と呼ばれるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Bkと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとしてイエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、非接触方式の現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてマゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、非接触方式の現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとしてシアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、非接触方式の現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。
さらに、他の異なる色のトナー像の1つとして黒色の画像を形成する画像形成部10Bkは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Bk、該感光体1Bkの周囲に配置された帯電手段2Bk、露光手段3Bk、非接触方式の現像手段4Bk、1次転写手段としての1次転写ロール5Bk、クリーニング手段6Bkを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Bkより形成された各色の画像は1次転写ロール5Y、5M、5C、5Bkにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Bkは常時、感光体1Bkに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
この様に、感光体1Y、1M、1C、1Bk上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Bkは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残留したトナーを除去後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
また、本発明に係る画像形成方法で実施可能な定着方法は、特に限定されるものではなく、公知の定着方式により対応が可能である。公知の定着方式としては、加熱ローラと加圧ローラからなるローラ定着方式、加熱ローラと加圧ベルトからなる定着方式、加熱ベルトと加圧ローラで構成される定着方式、加熱ベルトと加圧ベルトからなるベルト定着方式等が挙げられ、いずれの方式でもよい。また加熱方式としてはハロゲンランプによる方式、IH定着方式等の加熱方式を採用することができる。
本発明に係るフルカラー画像形成方法に使用可能な記録材は、カラートナー像を保持することが可能な支持体である。具体的には、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙、あるいは、コート紙などの塗工された印刷用紙、市販の和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種支持体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、イエロー着色剤微粒子の体積基準のメディアン径は「MICROTRAC UPA 150」(HONEWELL社製)により、下記の測定条件下で測定したものである。
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調整:測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:0.797(30℃)、1.002(20℃)
ゼロ点調整:測定セル内にイオン交換水を入れて行った。
1.「シアン着色剤微粒子分散液1〜13」、「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」の調製
(1)「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させておき、当該溶液中にシアン着色剤である下記化合物を徐々に添加した。
(1)「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に撹拌、溶解させた溶液を撹拌させておき、当該溶液中にシアン着色剤である下記化合物を徐々に添加した。
化合物I−1 2.5質量部
化合物III−1 22.5質量部
次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである「シアン着色剤微粒子分散液1」を調製した。
化合物III−1 22.5質量部
次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメディアン径が126nmである「シアン着色剤微粒子分散液1」を調製した。
(2)「シアン着色剤微粒子分散液2〜13」と「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」の調製
前記「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製で用いた着色剤である化合物の種類と添加量を表2に示す様に変更した他は同じ手順で「シアン着色剤微粒子分散液2〜13」を調製した。また、前記前記「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製で用いた着色剤の種類と添加量を表3に示すマゼンタ着色剤に変更した他は同じ手順で「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」を調製した。
前記「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製で用いた着色剤である化合物の種類と添加量を表2に示す様に変更した他は同じ手順で「シアン着色剤微粒子分散液2〜13」を調製した。また、前記前記「シアン着色剤微粒子分散液1」の調製で用いた着色剤の種類と添加量を表3に示すマゼンタ着色剤に変更した他は同じ手順で「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」を調製した。
2.「シアントナー1」の作製
2−1.「コア形成用樹脂粒子」の作製
下記に示す手順で「コア形成用樹脂微粒子」を作製した。
2−1.「コア形成用樹脂粒子」の作製
下記に示す手順で「コア形成用樹脂微粒子」を作製した。
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記構造式1で示されるアニオン系界面活性剤(構造式1)4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記構造式1で示されるアニオン系界面活性剤(構造式1)4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
(構造式1) C10H21(OCH2CH2)2SO3Na
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、温度を75℃とした後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
前記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌して重合(第1段重合)を行い樹脂微粒子を調製した。これを「樹脂微粒子A1」とする。
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
前記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌して重合(第1段重合)を行い樹脂微粒子を調製した。これを「樹脂微粒子A1」とする。
(2)第2段重合(中間層の形成)
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物を添加して単量体混合液を調製し、
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
前記単量体混合液に、
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製) 93.8質量部
を添加した後、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物を添加して単量体混合液を調製し、
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
前記単量体混合液に、
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精鑞社製) 93.8質量部
を添加した後、80℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、第1段重合で使用した構造式1のアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤溶液を80℃に加熱し、この界面活性剤溶液に、前記「樹脂微粒子A1」の分散液を固形分換算で32.8部添加した。添加後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記離型剤を溶解させた単量体溶液を8時間混合分散させ、分散粒子径340nmを有する乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い樹脂微粒子の分散液を得た。これを「樹脂微粒子A2」とする。
(3)第3段重合(外層の形成)
上記の様にして作製した「樹脂微粒子A2」の分散液中に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
上記の様にして作製した「樹脂微粒子A2」の分散液中に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
前記単量体混合液の滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア形成用樹脂微粒子A」を作製した。第3段重合により作製した「コア形成用樹脂微粒子A」のガラス転移温度(Tg)は28.1℃であった。
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
前記単量体混合液の滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「コア形成用樹脂微粒子A」を作製した。第3段重合により作製した「コア形成用樹脂微粒子A」のガラス転移温度(Tg)は28.1℃であった。
2−2.「コア粒子1」の作製
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器内に、
「コア形成用樹脂微粒子A」分散液 420.7質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
「シアン着色剤微粒子分散液1」 200質量部(固形分換算)
を投入して撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器内に、
「コア形成用樹脂微粒子A」分散液 420.7質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
「シアン着色剤微粒子分散液1」 200質量部(固形分換算)
を投入して撹拌した。容器内の温度を30℃に調製した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で「コールターカウンターTA−II」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメディアン径(D50v)が5.5μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温度70℃にて1時間にわたり加熱撹拌することにより融着を継続させ、「コア粒子1」を形成した。得られた「コア粒子1」の円形度を「FPIA2100」(シスメックス社製)にて測定したところ、平均円形度は0.912であった。
2−3.「シェル樹脂微粒子1」の作製
前記「コア形成用樹脂微粒子A」の作製において、第1段重合に用いた単量体混合液を、下記化合物と添加量に変更した単量体混合溶液を用いた以外は同様の手順で、
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
重合反応及び反応後の処理を行うことにより、「シェル樹脂微粒子1」を作製した。この「シェル樹脂微粒子1」のガラス転移温度(Tg)は62.6℃であった。
前記「コア形成用樹脂微粒子A」の作製において、第1段重合に用いた単量体混合液を、下記化合物と添加量に変更した単量体混合溶液を用いた以外は同様の手順で、
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
重合反応及び反応後の処理を行うことにより、「シェル樹脂微粒子1」を作製した。この「シェル樹脂微粒子1」のガラス転移温度(Tg)は62.6℃であった。
2−4.シェル層の形成
次いで、65℃において「シェル樹脂微粒子1」の分散液96質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。添加後、70℃(シェル化温度)まで昇温させ、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア粒子1」の表面に「シェル樹脂微粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
次いで、65℃において「シェル樹脂微粒子1」の分散液96質量部(固形分換算)を添加し、さらに塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した。添加後、70℃(シェル化温度)まで昇温させ、1時間にわたり撹拌を継続し、「コア粒子1」の表面に「シェル樹脂微粒子1」を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行い、シェル層を形成させた。
ここで、塩化ナトリウム40.2質量部を添加し、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、生成した着色粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア粒子表面にシェル層が形成された「シアントナー1」を作製した。
3.「シアントナー2〜13」、「マゼンタトナー1〜20」の作製
前記「シアントナー1」の作製で使用した「シアン着色剤微粒子分散液1」に代えて、前記表2に示す「シアン着色剤微粒子分散液2〜13」をそれぞれ使用した他は「シアントナー1」の作製と同じ手順で「シアントナー2〜13」を作製した。また、前記「シアントナー1」の作製で使用した「シアン着色剤微粒子分散液1」に代えて、前記表3に示す「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」をそれぞれ使用した他は「シアントナー1」の作製と同じ手順で「マゼンタトナー1〜20」を作製した。
前記「シアントナー1」の作製で使用した「シアン着色剤微粒子分散液1」に代えて、前記表2に示す「シアン着色剤微粒子分散液2〜13」をそれぞれ使用した他は「シアントナー1」の作製と同じ手順で「シアントナー2〜13」を作製した。また、前記「シアントナー1」の作製で使用した「シアン着色剤微粒子分散液1」に代えて、前記表3に示す「マゼンタ着色剤微粒子分散液1〜20」をそれぞれ使用した他は「シアントナー1」の作製と同じ手順で「マゼンタトナー1〜20」を作製した。
4.現像剤の調製
(1)「キャリア1」の作製
トルエン100部に対して、20部のカーボンブラック「Mogul−L(キャボット社製)」を、粒径0.5mmのジルコニアビーズを用い、室温で4時間分散処理後、ろ過処理を行ってカーボンブラック分散液を調製した。
(1)「キャリア1」の作製
トルエン100部に対して、20部のカーボンブラック「Mogul−L(キャボット社製)」を、粒径0.5mmのジルコニアビーズを用い、室温で4時間分散処理後、ろ過処理を行ってカーボンブラック分散液を調製した。
次に、導電性コア材として数平均1次粒径が40μmのFe2O3/MnO/MgO(含有比率;50/10/40)のフェライト粒子を用意した。
さらに、シリコーン樹脂(商品名:SR−2411、固形分濃度:20質量%、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を用意した。前記シリコーン樹脂固形分に対し、シランカップリング剤(N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン)を10質量%混合した後、上記カーボンブラック分散液をシリコーン樹脂固形分に対して5質量%になる様に添加後、トルエンに溶解させて塗布液を調製した。
前記塗布液を前記導電性コア材(フェライト粒子)に対して1質量%となる様にコーティングし、さらに250℃で2時間焼成し、冷却した後、振動ミルで10分間処理して「キャリア1」を作製した。
(2)「シアン現像剤1」の調製
前記「キャリア1」91質量部に対して前記「シアントナー1」9質量部を添加し、V型混合機「V−20(セイシン企業社製)」により混合処理を行って2成分現像剤である「シアン現像剤1」を調製した。
前記「キャリア1」91質量部に対して前記「シアントナー1」9質量部を添加し、V型混合機「V−20(セイシン企業社製)」により混合処理を行って2成分現像剤である「シアン現像剤1」を調製した。
(3)「シアン現像剤2〜13」、「マゼンタ現像剤1〜20」の調製
前述した「シアン現像剤1」の調製と同じ手順で、前記「キャリア1」と各シアントナー及びマゼンタトナーとを混合処理することにより、「シアン現像剤2〜13」、「マゼンタ現像剤1〜20」を調製した。
前述した「シアン現像剤1」の調製と同じ手順で、前記「キャリア1」と各シアントナー及びマゼンタトナーとを混合処理することにより、「シアン現像剤2〜13」、「マゼンタ現像剤1〜20」を調製した。
5.評価実験
評価機として、図1の構成を有する市販のフルカラー複合機「bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を用い、現像装置を図2及び図3に示す構成に改造し、これに前述した各現像剤を投入して行った。すなわち、評価機に搭載する現像装置は、図2に示す非接触方式に改造した現像装置と図3に示すハイブリッド方式に改造した現像装置を用意した。そして、これら現像装置に前述した「シアン現像剤1〜13」と「マゼンタ現像剤1〜20」をそれぞれ投入した。
評価機として、図1の構成を有する市販のフルカラー複合機「bizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)」を用い、現像装置を図2及び図3に示す構成に改造し、これに前述した各現像剤を投入して行った。すなわち、評価機に搭載する現像装置は、図2に示す非接触方式に改造した現像装置と図3に示すハイブリッド方式に改造した現像装置を用意した。そして、これら現像装置に前述した「シアン現像剤1〜13」と「マゼンタ現像剤1〜20」をそれぞれ投入した。
(1)最大彩度をとるシアントナー画像及びマゼンタトナー画像の明度L*の測定
「シアントナー1〜13」と図2または図3に示す構成の現像装置とを組み合わせ、常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)下で、上記評価機により、各シアントナーで最大彩度となるトナー画像を形成し、当該トナー画像の明度L* Cを測定した。
「シアントナー1〜13」と図2または図3に示す構成の現像装置とを組み合わせ、常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)下で、上記評価機により、各シアントナーで最大彩度となるトナー画像を形成し、当該トナー画像の明度L* Cを測定した。
各シアントナー画像の最大彩度と明度L* Cは、前述した手順により、坪量128g/m2で明度80の電子写真用光沢紙「PODグロスコート紙(王子製紙(株)製)」を用いてトナー付着量より最大彩度を算出した。そして、最大彩度となるシアントナー画像の明度L* Cを前述した分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用いて算出した。
以上の手順により、シアントナー画像について最大彩度値とそのときの明度L* Cを算出した。上記評価の結果、シアントナー画像が最大彩度のときの明度L* Cの値が本発明で規定する範囲内にあるものは実施例用のシアントナーとし、明度L* Cの値が本発明で規定する範囲外にあるものは比較例用のシアントナーとした。なお、各シアントナーと現像装置との組み合わせにより得られる最大彩度とそのときのシアントナー画像の明度L* Cの値を後述する表4に示す。
また、「マゼンタトナー1〜20」についても同じ手順で最大彩度とそのときのマゼンタトナー画像の明度L* Mを算出した。上記評価の結果、マゼンタトナー画像が最大彩度のときの明度L* Mの値が本発明で規定する範囲内にあるものを実施例用のマゼンタトナーとし、明度L* Mの値が本発明で規定する範囲外にあるものを比較例用のマゼンタトナーとした。なお、各マゼンタトナーと現像装置との組み合わせにより得られる最大彩度の値とそのときのマゼンタトナー画像の明度L* Mの値を後述する表4に示す。
(2)画像評価実験
次に、上記評価機を用いて常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)下で、上述したシアントナーとマゼンタトナーとを表4に示す様に組み合わせることにより、ブルーの中間調画像とソリッド画像を出力した。そして、出力した画像を用いて「中間調画像画質」と「エッジ部画質」を下記の様に評価した。ここで、「中間調画像画質」の評価は、前記中間調画像を用いて画像の粒状性と均質性を評価したものであり、「エッジ部画質」は前記ソリッド画像を用いて評価したものである。なお、ここで「ブルー」とは、色相角275±2度の色相を指すものである。また、「ソリッド画像」とは、前述した用紙上へのトナー付着量が8.0±0.2g/m2の範囲とし、「中間調画像」とは、用紙上へのトナー付着量が2.0±0.1g/m2の範囲に設定して出力したものである。
次に、上記評価機を用いて常温常湿環境(温度20℃、湿度50%RH)下で、上述したシアントナーとマゼンタトナーとを表4に示す様に組み合わせることにより、ブルーの中間調画像とソリッド画像を出力した。そして、出力した画像を用いて「中間調画像画質」と「エッジ部画質」を下記の様に評価した。ここで、「中間調画像画質」の評価は、前記中間調画像を用いて画像の粒状性と均質性を評価したものであり、「エッジ部画質」は前記ソリッド画像を用いて評価したものである。なお、ここで「ブルー」とは、色相角275±2度の色相を指すものである。また、「ソリッド画像」とは、前述した用紙上へのトナー付着量が8.0±0.2g/m2の範囲とし、「中間調画像」とは、用紙上へのトナー付着量が2.0±0.1g/m2の範囲に設定して出力したものである。
また、前述したブルーの中間調画像とソリッド画像を出力する際に使用するシアントナーとマゼンタトナーとの組み合わせを表4に示した。ここで、シアントナーとマゼンタトナーの双方が最大彩度をとるときの明度L*が本発明で規定する範囲内のものからなる組み合わせを「実施例1〜18」とした。また、シアントナーとマゼンタトナーの少なくとも一方は最大彩度をとるときの明度L*が本発明で規定する範囲外になるものを入れた組み合わせを「比較例1〜10」とした。
〈中間調画像画質評価(粒状性、均質性)〉
以下の基準に基づいて評価を行い、◎と○を合格とした。すなわち、
(評価基準)
◎:目視で粒状性を全く感じさせない。かつ、20倍のルーペでドット間を観察したところチリの原因となるトナー粒子が観察されなかった
○:目視では優れた粒状性と判断されるが、上記ランク「◎」に準ずる粒状性である
×:「ランク○」の画像に比べて目視でガサツキ感を感じる。もしくは、20倍ルーペでドット間を観察したところチリの原因となるトナー粒子が計数困難なほど存在した。
以下の基準に基づいて評価を行い、◎と○を合格とした。すなわち、
(評価基準)
◎:目視で粒状性を全く感じさせない。かつ、20倍のルーペでドット間を観察したところチリの原因となるトナー粒子が観察されなかった
○:目視では優れた粒状性と判断されるが、上記ランク「◎」に準ずる粒状性である
×:「ランク○」の画像に比べて目視でガサツキ感を感じる。もしくは、20倍ルーペでドット間を観察したところチリの原因となるトナー粒子が計数困難なほど存在した。
〈エッジ部画質評価(エッジ強調、エッジ欠け)〉
以下の基準に基づいて評価を行い、◎と○を合格とした。すなわち、
◎:エッジ強調、エッジ欠け、及びエッジのゆらぎが全く検知不能であった
○:エッジ強調、エッジ欠け、及びエッジのゆらぎともに従来の電子写真画像を凌駕する画質であるものの、上記ランク「◎」に準ずる画質であった
×:従来の電子写真画像と同等のエッジ強調またはエッジ欠けが発生した。
以下の基準に基づいて評価を行い、◎と○を合格とした。すなわち、
◎:エッジ強調、エッジ欠け、及びエッジのゆらぎが全く検知不能であった
○:エッジ強調、エッジ欠け、及びエッジのゆらぎともに従来の電子写真画像を凌駕する画質であるものの、上記ランク「◎」に準ずる画質であった
×:従来の電子写真画像と同等のエッジ強調またはエッジ欠けが発生した。
以上の結果を表4に示す。
表4に示す様に、本発明の構成を満たすシアントナーとマゼンタトナーを用いた「実施例1〜18」はブルーの中間調画質とエッジ部画質ともに良好な結果が得られた。一方、シアントナーとマゼンタトナーの少なくとも一方のトナーが本発明の構成を有さないものを用いた「比較例1〜10」は、良好なブルーの中間調画質とエッジ部画質が得られなかった。この様に、本発明で規定する構成を満たすシアントナーを用いたものと満たさないものでは作製されるトナー画像の画質に顕著な差が見られることが上記実施例の評価結果から確認された。
1(1Y、1M、1C、1Bk) 感光体
2(2Y、2M、2C、2Bk) 帯電装置
3(3Y、3M、3C、3Bk) 露光装置
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置
40 ハウジング
41 現像スリーブ(磁気ロール)
42 マグネットロール
43 層厚規制部材(穂高規制部材)
45 搬送供給ローラ
46、47 撹拌スクリュー
49 トナー搬送ロール
49A 交流電源
49D 直流電源
5(5Y、5M、5C、5Bk、5A) 転写ロール
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
70 中間転写体
10(10Y、10M、10C、10Bk) 画像形成部
24 熱ロール式定着装置
H 補給口
2(2Y、2M、2C、2Bk) 帯電装置
3(3Y、3M、3C、3Bk) 露光装置
4(4Y、4M、4C、4Bk) 現像装置
40 ハウジング
41 現像スリーブ(磁気ロール)
42 マグネットロール
43 層厚規制部材(穂高規制部材)
45 搬送供給ローラ
46、47 撹拌スクリュー
49 トナー搬送ロール
49A 交流電源
49D 直流電源
5(5Y、5M、5C、5Bk、5A) 転写ロール
6(6Y、6M、6C、6Bk) クリーニング装置
7 中間転写体ユニット
70 中間転写体
10(10Y、10M、10C、10Bk) 画像形成部
24 熱ロール式定着装置
H 補給口
Claims (3)
- 少なくともシアントナーを搭載した現像装置、マゼンタトナーを搭載した現像装置及びイエロートナーを搭載した現像装置、それぞれの現像部において、トナーと静電潜像保持体とが非接触で現像される現像方式を採用したカラー印刷物の製造方法において、
前記シアントナーのみで形成されるシアントナー画像の明度L* Cが53以上70以下の範囲において最大彩度に達するシアントナーを用いることを特徴とするカラー印刷物の製造方法。 - 前記マゼンタトナーにより形成されるマゼンタトナー画像の明度L* Mが35以上51以下の範囲において最大彩度に達するマゼンタトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷物の製造方法。
- 前記非接触による現像方式が、ハイブリッド現像方式であることを特徴とする請求項1または2に記載のカラー印刷物の製造方法。
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