JP5938905B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
このような印刷物においては、印刷物全面または一部を所望の光沢度に調整することができるものが求められ、その上、その光沢度についても精細な制御をすることができるものが求められている。
前記原画像上に、クリアトナーによるクリアトナー定着画像により構成された光沢調整層を形成する工程とを有し、
前記光沢調整層が、光沢調整単位の集合体により形成されており、
前記光沢調整単位が、クリアトナーが付着した部分と、クリアトナーが付着していない部分とにより構成されており、
前記クリアトナーが付着した部分と、前記クリアトナーが付着していない部分とにより形成される境界線が直線であり、
前記光沢調整単位が、正方形形状であって、一辺の長さが100〜500μmであり、
前記正方形形状である光沢調整単位が、当該光沢調整単位の正方形形状の領域を縦横に2等分して形成される4つの正方形から形成され、縦または横に並んでいない2つが、前記クリアトナーが付着した部分として形成されている市松模様状の構成であることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、画像支持体上に画像を形成して原画像を得る工程(以下、「原画像形成工程」ともいう。)と、この原画像上にクリアトナーによるクリアトナー定着画像により構成された光沢調整層を形成する光沢調整層形成工程とを経ることにより、光沢度が調整された画像(以下、「光沢調整画像」ともいう。)を得る方法である。
従って、本発明の画像形成方法によれば、形成される画像全面またはその一部を所望の光沢度に制御することができる。
本発明においては、原画像とは、任意の個所が任意の光沢度に調整される前の画像をいい、画像形成方式を問わず形成された無色または有色の画像をいう。
原画像形成工程において、原画像の形成方法としては、特に限定されず、公知の画像形成方法を採用することができ、例えば、電子写真方式、インクジェット方式、印刷方式などの画像形成方法が挙げられる。ただし、これらの中でも光沢調整層を構成するクリアトナーとの関係から、電子写真方式による画像形成方法が好ましい。また、原画像は、有色の画像であることが好ましい。
以下、原画像が電子写真方式による画像形成方法により形成される例を具体的に説明する。図1(A)に示すように、静電潜像担持体上において形成された静電潜像をトナーにより現像することによって形成されるトナー像を画像支持体10上に転写し、転写されたトナー像を加熱・加圧定着することにより原画像2が形成される。
光沢調整層形成工程において、光沢調整層の形成方法としては、電子写真方式による画像形成方法を採用することができる。例えば、図1(B)に示すように、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をクリアトナーにより現像することによって形成されるクリアトナー像を原画像2上に転写し、転写されたクリアトナー像を加熱・加圧定着することによりクリアトナー定着画像3が形成され、これにより、光沢調整層3Aが形成される。
なお、本発明において、光沢調整単位とは、クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とによって図案化された最小の繰り返し単位をいう。
光沢調整層3Aの層厚が上記範囲内であることにより、光沢調整画像Pにおいて、任意の個所を任意の光沢度に確実に調整することができる。
光沢調整層3Aの層厚が過小である場合においては、十分なクリアトナー付着量が確保されないので、光沢調整層3Aに良好な再現性が得られず、光沢調整画像Pにおいて、任意の個所を任意の光沢度に調整することができないおそれがある。一方、光沢調整層3Aの層厚が過大である場合においては、クリアトナー同士が十分に融着せず、クリアトナー付着部分の透光性が損なわれ、その結果、光沢調整層3Aに良好な透光性が得られず原画像2の色彩を阻害するおそれがある。
本発明において、光沢調整単位は、クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とにより構成されており、クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とにより形成される境界線が直線とされる。ここで、クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とにより形成される境界線が直線とは、書き込み状態が直線状のものをいい、書き込みドットまたはトナー形状の一部によるごく微小な曲線は、実質的に直線とみなすものとする。クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とにより形成される境界線が直線とされる具体例としては、光沢調整単位の領域中のクリアトナー付着部分が、直線辺からなる多角形形状のものが挙げられる。一方、特開平5−232840号公報および特開平6−273994号公報などの特許文献に提案されているような円形形状のものなどは含まない(図5参照)。これらの特許文献には、クリアトナーを用いて画像表面を加工して光沢度を付与する方法が提案されているが、クリアトナー付着部分が円形形状であり、これにより形成される画像は、光沢調整層の光沢度の制御性が十分ではなく、所望の光沢度に調整することができない場合がある。クリアトナー付着部分が円形形状である場合には、定着の際に広がりやすくなるため、光沢調整層の凹凸が少なくなり、光沢制御性が低下する。また、円形形状での書き込みでは、光沢調整単位の大きさの制御が難しいため、クリアトナー付着部分は直線で形成されるものであることが好ましい。
任意の光沢度を調整すべき原画像の任意の個所の面積を一定とし、光沢調整単位が縦横に密に配列された場合において、光沢調整単位の一辺の長さが長くなるに従って、光沢度は高くなり、光沢調整単位の一辺の長さが短くなるに従って、光沢度は低くなる。これは、光沢調整単位の一辺の長さが長くなる、すなわち、光沢調整単位の繰り返し数が少ないことにより、得られる光沢調整画像Pにおけるクリアトナーの付着の有無による凹凸も少なくなり、拡散反射光の割合が減少、正反射光の割合が増加し、その結果、光沢度は高くなる。一方、光沢調整単位の一辺の長さが短くなる、すなわち、光沢調整単位の繰り返し数が多いことにより、得られる光沢調整画像Pにおけるクリアトナーの付着の有無による凹凸も多くなり、拡散反射光の割合が増加、正反射光の割合が減少し、その結果、光沢度は低くなる。
図2(A)は、光沢調整単位の正方形形状の領域を縦横に2等分して形成される4つの正方形のうち、縦または横に並んでいない2つがクリアトナー付着部分5Aとして形成され、その他の2つがクリアトナー未付着部分5Bとして形成されている市松模様状の構成であり、図2(B)は、光沢調整単位の正方形形状の領域の四辺に沿って伸びる四角枠状部分がクリアトナー付着部分5Aとして形成されている構成であり、図2(C)は、光沢調整単位の正方形形状の領域を横に2等分して形成される2つの長方形のうち、上側がクリアトナー付着部分5Aとして形成され、下側がクリアトナー未付着部分5Bとして形成されている構成である。
図5(A)は、本発明に用いられるもの以外の光沢調整単位の例、すなわち、クリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分とにより形成される境界線が直線ではない光沢調整単位を示す例であって、光沢調整単位の一辺の長さの1/2の長さを直径とする2つの円形形状のクリアトナー付着部分5Aが形成されている構成である。
なお、光沢調整単位の領域中のクリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分との境界線の総距離とは、光沢調整単位が繰り返されて縦横に密に配列された場合において、隣接する光沢調整単位との間に存在する境界線を含めた光沢調整単位当たりが有するクリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分との境界線の総距離をいう。具体的には、図3において示す破線がクリアトナー付着部分とクリアトナー未付着部分との境界線である。また、光沢調整単位の占有距離とは、ひとつの光沢調整単位が占有する辺の長さをいう。具体的には、図3において、光沢調整単位の一辺の長さをAとすると、ひとつの光沢調整単位が占有する辺の長さは、占有距離「2A」となる。以下、境界線の総距離を占有距離と比較して説明する。
図3(A)においては、光沢調整単位の占有距離を2Aとすると、境界線の総距離は、破線部分の4Aとなり、占有距離に対して200%となる。
また、図3(B)においては、クリアトナー未付着部分の一辺の長さを1/2Aとし、光沢調整単位の占有距離を2Aとすると、境界線の総距離は、破線部分の2Aとなり、占有距離に対して100%、図3(C)においては、光沢調整単位の占有距離を2Aとすると、境界線の総距離は、破線部分の2Aとなり、占有距離に対して100%となる。
さらに、図5(B)においては、光沢調整単位の占有距離を2Aとすると、境界線の総距離は、破線部分の3.14Aとなり、占有距離に対して157%となる。
光沢調整層形成工程において用いられるクリアトナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーをいう。すなわち、クリアトナーは実質的に無色透明であればよく、具体的には、顔料、染料などの着色剤を含まないトナー、前記着色剤を色認識ができない程度に含むトナー、または、クリアトナーを構成する成分、例えば結着樹脂、離型剤および外添剤などの種類や添加量によって透光性が若干低くなっているトナーなどが挙げられる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
まず、20℃、50%RHの環境下において、測定試料(クリアトナー)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、クリアトナーの軟化点温度とされる。
測定手順としては、測定試料(クリアトナー)3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、本体サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用する。測定条件としては、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd.Heatにおけるデータをもとに解析を行う。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて5分間保持した。ガラス転移点(Tg)は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移点として示す。
クリアトナー粒子の粒径が上記範囲内であることにより、光沢調整単位の繰り返しによる集合体により形成される光沢調整層3Aに良好な再現性が得られ、光沢調整画像Pにおいて、任意の個所を任意の光沢度に確実に調整することができる。
クリアトナー粒子の粒径が過小である場合においては、良好な現像性が得られず、十分なクリアトナー付着量を確保することができなくなるので、光沢調整単位の繰り返しによる集合体により形成される光沢調整層3Aに良好な再現性が得られず、光沢調整画像Pにおいて、任意の個所を任意の光沢度に調整することができないおそれがある。一方、クリアトナー粒子の粒径が過大である場合においては、光沢調整層3Aに良好な再現性が得られないおそれがあり、また、光沢調整層3Aに良好な透光性が得られず原画像2の色彩を阻害するおそれがある。
測定手順としては、測定試料(クリアトナー)0.02gを、界面活性剤溶液20ml(クリアトナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、測定試料分散液を作成する。この測定試料分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径とする。
クリアトナー粒子の平均円形度が上記範囲内であることにより、光沢調整単位の繰り返しによる集合体により形成される光沢調整層3Aに良好な再現性が得られ、光沢調整画像Pにおいて、任意の個所を任意の光沢度に確実に調整することができる。
具体的には、測定試料(クリアトナー)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々の粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各粒子の円形度を加算し、全粒子数で除することにより算出される。
式(T):平均円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明の画像形成装置は、上記画像形成方法を実行するものであり、静電潜像担持体上に形成された静電潜像をクリアトナーが含有される現像剤により現像してクリアトナー像を形成するクリアトナー像形成手段と、画像支持体上に画像を形成して得られた原画像上にクリアトナー像を転写・定着して、クリアトナー定着画像により構成された光沢調整層を形成する光沢調整層形成手段とを有するものであり、光沢調整層が、光沢調整単位の集合体により形成されており、この光沢調整単位が、クリアトナー付着部分と、クリアトナー未付着部分とにより構成されており、当該クリアトナー付着部分と、当該クリアトナー未付着部分とにより形成される境界線が直線とされる。
この画像形成装置は、有色のトナーによる原画像形成工程と光沢調整層形成工程とを連続的に実行することのできるタンデム型のカラー画像形成装置である。
また、クリアトナー定着画像形成部70におけるクリアトナー像形成手段20Sにおいては、光沢調整層を形成すべきクリアトナー像形成が行われる。
同様に、クリアトナー定着画像形成部70におけるクリアトナー中間転写体ユニット14は、複数のローラ11A,11B,11C,11Dにより巻回され、回動可能に支持された無端ベルト状の中間転写体26Bと、一次転写ローラ27Sと、クリーニング装置12Bとを有する。
一方、二次転写ローラ29Aにより画像支持体10上に有色トナー像を転写した後、中間転写体26Aは、クリーニング装置12Aにより残留トナーが除去される。また、二次転写ローラ29Bにより原画像2上にクリアトナー像を転写した後、中間転写体26Bは、クリーニング装置12Bにより残留トナーが除去される。
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4gをイオン交換水3000gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)5gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、液温を75℃とした後、
スチレン 567g
n−ブチルアクリレート 165g
メタクリル酸 68gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃で2時間にわたって加熱、
撹拌することによって重合(第1段重合)反応を行うことにより、樹脂微粒子〔A1〕が分散された分散液〔A1〕を得た。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた6Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水1270gに溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、80℃に加熱した後、上記の分散液〔A1〕を固形分換算で40g投入し、さらに、
スチレン 123g
n−ブチルアクリレート 45g
メタクリル酸 20g
n−オクチルメルカプタン 0.5g
パラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製) 82gからなる単量体混合液を80℃で溶解させた単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(CLEARMIX)」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5gをイオン交換水100gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃で1時間にわたって加熱撹拌することによって重合(第2段重合)反応を行うことにより、樹脂微粒子〔A2〕が分散された分散液〔A2〕を得た。
上記の分散液〔A2〕に、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、
スチレン 390g
n−ブチルアクリレート 143g
メタクリル酸 37g
n−オクチルメルカプタン 13gからなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することによって重合(第3段重合)反応を行った後、28℃まで冷却することにより、
複合樹脂微粒子よりなる樹脂微粒子〔1〕が分散された樹脂微粒子分散液〔1〕を得た。
この樹脂微粒子〔1〕のガラス転移点は49℃であった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、樹脂微粒子分散液〔1〕を固形分換算で450gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水1100gに溶解させた界面活性剤溶液とを仕込み、液温を30℃に調整した後、この溶液に5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム6水和物60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、
撹拌下、30℃で10分間かけて添加し、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま粒子成長反応を継続し、その状態で「コールターカウンターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径が7.4μmになった時点で、塩化ナトリウム200gをイオン交換水860gに溶解した水溶液を添加して粒径成長を停止させ、さらに、熟成処理として液温度95℃で加熱撹拌することにより融着させ、これを平均円形度が0.90になるまで継続し、その後、液温30℃に冷却した。
そして、バスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械(株)製)を用いて固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、クリアトナー粒子〔1〕を得た。
このクリアトナー粒子〔1〕に対して、疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm)を1質量%と疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山社製)により混合することにより、クリアトナー〔1〕を作製した。
このクリアトナー〔1〕の軟化点は133℃、ガラス転移点は49℃、体積基準のメジアン径は5.3μm、平均円形度は0.910であった。
クリアトナー1の製造例において、会合粒子に加える塩化ナトリウムの添加のタイミングを変更することの他は同様にして、体積基準のメジアン径が7.2μm、14.8μm、3.3μm、20.2μmのクリアトナー〔2〕〜〔5〕を作製した。なお、いずれのクリアトナーも軟化点は133℃、ガラス転移点は49℃、平均円形度は0.910であった。
画像形成装置「bizhub C353」(コニカミノルタビジネステクロノジーズ社製)に、市販の「bizhub C353」用の有色のトナー(シアントナーおよび黒トナー)を投入し、画像支持体「OKトップコート+157g/m2 」(王子製紙社製)上に黒ベタのパッチ画像(20mm×50mm)を3つおよびシアンベタのパッチ画像(20mm×50mm)を3つの原画像を形成した。
その後、クリアトナー〔1〕を、新たな画像形成装置「bizhub C353」(コニカミノルタビジネステクロノジーズ社製)に投入し、原画像上に、図2(A)に示す光沢調整単位を使用し、その一辺の長さ(a)を100μmとして、当該光沢調整単位が面方向に縦横に密に配列されたクリアトナー定着画像により構成された光沢調整層を形成し、光沢調整画像を得た。光沢調整単位の一辺の長さ(a)が200μm、300μm、400μm、500μmである場合についてもそれぞれ同様に光沢調整層を形成して下記の評価を行った。
実施例1において、クリアトナーおよび光沢調整単位の種類を表1に示す通りに従って変更したことの他は同様にして実施例2〜5、参考例1,2を行った。
なお、参考例1で用いられる、図2(B)で表わされる光沢調整単位においては、当該光沢調整単位の中心に位置する、当該光沢調整単位の一辺の長さ(a)の1/2の長さを一辺とする正方形をクリアトナー未付着部分として形成されている構成とした。
実施例2において、光沢調整単位を図5(A)に示すものに変更したことの他は同様にして比較例1を行った。
「JIS Z8741」に準拠して、光沢調整画像の光沢度を測定した。
なお、光沢度の測定は、「ガードナー・マイクロ−グロス75°」(東洋精機製作所社製)を用いて、入射角を75°として行った。
得られた光沢調整画像における3つ黒ベタのパッチ画像上の光沢度につき各1箇所、3つのシアンベタのパッチ画像上の光沢度につき各1箇所の合計6箇所の光沢度の平均値を表1に示す。
「光沢度の制御性」は、光沢度制御範囲、すなわち光沢調整単位の一辺の長さ(a)を100〜500μmの範囲で変化させたときの光沢度の「最大値−最小値」の値で評価した。
得られた光沢調整画像を目視により観察し、光沢調整層の透明性を下記基準により評価した。
○:光沢調整層が良好な透明性を有し、原画像の色彩を阻害していない。
△:光沢調整層の透明性が若干低く、原画像の色彩が少し阻害されているが、実用上問題ない。
×:光沢調整層の透明性が低く、原画像の色彩が阻害されている。
特に、実施例1〜3によれば、光沢調整層の層厚が3〜20μmであり、クリアトナーの粒径が5〜15μmであり、光沢調整単位として、図2(A)に示すものを用いたことにより、光沢度制御範囲が広いものとなり、光沢度を高い精細さをもって調整することができることが確認された。
3 クリアトナー定着画像
3A 光沢調整層
5A クリアトナー付着部分
5B クリアトナー未付着部分
10 画像支持体
10A,10B,10C,10D ローラ
11A,11B,11C,11D ローラ
12A,12B クリーニング装置
13 有色トナー中間転写ユニット
14 クリアトナー中間転写ユニット
20Y,20M,20C,20K,20S トナー像形成手段
21Y,21M,21C,21K,21S 感光体
22Y,22M,22C,22K,22S 帯電手段
24Y,24M,24C,24K,24S 現像手段
25Y,25M,25C,25K,25S クリーニング手段
26A,26B 中間転写体
27Y,27M,27C,27K,27S 一次転写ローラ
29A,29B 二次転写ローラ
30Y,30M,30C,30K,30S 露光手段
40 給紙装置
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44A,44B,44C,44D 給紙ローラ
46 レジストローラ
50A,50B 定着装置
60 原画像形成部
70 クリアトナー定着画像形成部
90 排紙トレイ
P 光沢調整画像
Claims (3)
- 画像支持体上に画像を形成して原画像を得る工程と、
前記原画像上に、クリアトナーによるクリアトナー定着画像により構成された光沢調整層を形成する工程とを有し、
前記光沢調整層が、光沢調整単位の集合体により形成されており、
前記光沢調整単位が、クリアトナーが付着した部分と、クリアトナーが付着していない部分とにより構成されており、
前記クリアトナーが付着した部分と、前記クリアトナーが付着していない部分とにより形成される境界線が直線であり、
前記光沢調整単位が、正方形形状であって、一辺の長さが100〜500μmであり、
前記正方形形状である光沢調整単位が、当該光沢調整単位の正方形形状の領域を縦横に2等分して形成される4つの正方形から形成され、縦または横に並んでいない2つが、前記クリアトナーが付着した部分として形成されている市松模様状の構成であることを特徴とする画像形成方法。 - 前記光沢調整層の層厚が、3〜20μmであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記クリアトナーが、粒径が5〜15μmのものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
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