JP2013142894A - 印画物および画像形成方法 - Google Patents

印画物および画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2013142894A
JP2013142894A JP2012004617A JP2012004617A JP2013142894A JP 2013142894 A JP2013142894 A JP 2013142894A JP 2012004617 A JP2012004617 A JP 2012004617A JP 2012004617 A JP2012004617 A JP 2012004617A JP 2013142894 A JP2013142894 A JP 2013142894A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particle layer
toner particle
adhesive
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012004617A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuyoshi Goan
一賀 午菴
Asao Matsushima
朝夫 松島
Yoshiyasu Matsumoto
好康 松本
Michiaki Ishikawa
美知昭 石川
Tatsuya Nagase
達也 長瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012004617A priority Critical patent/JP2013142894A/ja
Publication of JP2013142894A publication Critical patent/JP2013142894A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 画像支持体の種類にかかわらず、ドットや細線の再現性に優れた画像品質の高い印画物を得ることができる画像形成方法および印画物の提供。
【解決手段】 画像形成方法は、接着用トナーおよび固着用トナーとして、各々、可視画像用トナーよりも軟化点の低いものを用い、加熱処理を当該接着用トナーおよび当該固着用トナーの軟化点以上かつ前記可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことにより、接着用トナー粒子層を構成する接着用トナーおよび固着用トナー粒子層を構成する固着用トナーを軟化させて有色トナー粒子層を覆うことにより、可視画像が形成されることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像支持体上に有色トナーによる可視画像が形成された印画物およびこれを形成するための画像形成方法に関する。
従来、電子写真法を用いた画像形成方法においては、可視画像を構成する有色トナーを溶融させることにより画像支持体上への定着を図っている。具体的には、図3に示されるように、まず、画像支持体2上に可視画像となる有色トナー粒子層3を形成し(図3(a))、その後、加熱によって有色トナーを溶融させて画像支持体2上に定着させている(図3(b))。
然るに、図3に示されるように、有色トナーを溶融させて画像支持体2に定着する場合には、粉体状態の有色トナー粒子層3の形状(図3(a)参照)に比べて、溶融後の有色トナー溶融層3Xはその形状が面積が広がる方向に変化する(図3(b)参照)ので、このような有色トナーの軟化・溶融により定着されて得られた可視画像は、ハーフトーン画像のドットが太ったものとなる、4本〜8本/mm程度の細線画像の細線が潰れたものとなるなど、ドットや細線の再現性が低いものとなる。
一方、電子写真法を用いた画像形成方法においては、保護層の形成、光沢性の付与などの様々な理由で、可視画像を形成すべき有色トナーと共に透明トナーを用いる技術が多く提案されている。
例えば特許文献1には、有色トナーを軟化・溶融させて形成させた有色トナー層上に透明トナーによる保護層を形成する技術が開示されている。また例えば特許文献2には、有色トナーを軟化・溶融させて形成させた有色トナー層上に透明トナーによる層を形成して光沢性を付与する技術が開示されている。さらに例えば特許文献3には、中間転写体上に透明トナーによるトナー粒子層と有色トナー粒子層とをこの順に重ねて転写に供することにより、中間転写体に残留する有色トナー粒子を低減させて有色トナー粒子層の画像支持体への転写性を向上させる技術が開示されている。
しかしながら、いずれの技術においても、定着工程において有色トナーが軟化・溶融されて画像支持体上に定着されるので、ドットや細線の再現性の向上は図られない。
また、近年、使用される画像支持体の種類が増加しており、普通紙の他に、光沢紙やマット紙などのコート紙やアート紙と呼ばれるものが使用されている。コート紙とは、印刷用塗工紙と呼ばれるものの1種で、その表面にカオリンや炭酸カルシウムなどの白色顔料とデンプンなどの接着剤とが混合された塗料が上級印刷用紙の表面に20〜40g/m2 程度塗工されたものであり、美観や平滑性を向上させるように設計された画像支持体である。同様にアート紙は、塗料を上級印刷用紙の表面に40g/m2 程度塗工されたものである。
然るに、コート紙やアート紙の表面は、塗工処理により普通紙に比べてセルロース分子の露出が少なく平滑な構造を有していることに起因してトナーを定着しにくいため、十分な定着性を得る目的でトナーをより溶融させようとすると、ドットや細線の再現性がさらに低くなる。
特開平10−123853号公報 特開平10−207174号公報 特開2009−25713号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、画像支持体の種類にかかわらず、ドットや細線の再現性に優れた画像品質の高い印画物を得ることができる画像形成方法およびこれにより得られる印画物を提供することにある。
本発明の画像形成方法は、画像支持体上に、透明トナーまたは有色トナーからなる接着用トナーを用いて電子写真法によって形成した接着用トナー粒子層を積層する工程と、
当該接着用トナー粒子層上に、有色トナーからなる可視画像用トナーを用いて電子写真法によって形成した有色トナー粒子層を積層する工程と、
当該有色トナー粒子層上に、透明トナーからなる固着用トナーを用いて電子写真法によって形成した固着用トナー粒子層を積層する工程と、
前記接着用トナー粒子層および前記固着用トナー粒子層の加熱処理を行う工程とを有し、
前記接着用トナーおよび前記固着用トナーとして、各々、前記可視画像用トナーよりも軟化点の低いものを用い、前記加熱処理を当該接着用トナーおよび当該固着用トナーの軟化点以上かつ前記可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことにより、
前記接着用トナー粒子層を構成する接着用トナーおよび前記固着用トナー粒子層を構成する固着用トナーを軟化させて前記有色トナー粒子層を覆うことにより、可視画像が形成されることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、前記接着用トナーが透明トナーからなることが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記固着用トナーの軟化点が、前記接着用トナーの軟化点よりも高いことが好ましい。
本発明の画像形成方法においては、前記可視画像用トナーが、ワックスを含有しないトナー粒子よりなることが好ましい。
本発明の印画物は、上記の画像形成方法によって形成された印画物であって、
画像支持体上に有色トナーよりなる有色トナー粒子層が固定されて可視画像が形成された印画物であって、
有色トナー粒子層が、当該有色トナー粒子層と画像支持体との間を接着する接着層と、当該有色トナー粒子層を覆うと共に前記接着層に接合された透明固着層とに包含された状態で固定されていることを特徴とする。
本発明の画像形成方法によれば、可視画像を構成する可視画像用トナーよりも低い軟化点を有する接着用トナーおよび固着用トナーを用いて、接着用トナー粒子層および固着用トナー粒子層の加熱処理を接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点以上かつ可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことによって、画像支持体の種類にかかわらず、ドットや細線の再現性に優れた画像品質の高い印画物を得ることができる。
本発明の画像形成方法を説明するための模式図であって、(a)は画像支持体上に接着用トナー粒子層、有色トナー粒子層および固着用トナー粒子層が転写された状態、(b)は画像支持体上に有色トナー粒子層が固定された状態を示す図である。 本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置の構成の一例を示す模式断面図である。 従来の画像形成方法の一例を説明するための模式図であって、(a)は画像支持体上に有色トナー粒子層が転写された状態、(b)は画像支持体上に有色トナーが溶融して定着された状態を示す図である。
以下、本発明の画像形成方法および印画物について詳細に説明する。
〔画像形成方法〕
図1は、本発明の画像形成方法を説明するための模式図であって、(a)は画像支持体上に接着用トナー粒子層、有色トナー粒子層および固着用トナー粒子層が転写された状態、(b)は画像支持体上に有色トナー粒子層が固定された状態を示す図である。
本発明の画像形成方法は、画像支持体2上に有色トナーから構成された有色トナー粒子層3を、当該有色トナー粒子層3と画像支持体2との間を接着する接着層8と、当該有色トナー粒子層3を覆うと共に接着層8に接合された透明固着層6とから一体的に形成される定着層9に包含させた状態で固定し、これにより、可視画像が形成された印画物1を得る方法である。
具体的には、画像支持体2上に、透明トナーまたは有色トナーからなる接着用トナーを用いて電子写真法によって形成した接着用トナー粒子層7を積層する接着用トナー粒子層形成工程と、当該接着用トナー粒子層7上に、有色トナーからなる可視画像用トナーを用いて電子写真法によって形成した有色トナー粒子層3を積層する有色トナー粒子層形成工程と、当該有色トナー粒子層3上に、透明トナーからなる固着用トナーを用いて電子写真法によって形成した固着用トナー粒子層5を積層する固着用トナー粒子層形成工程と、接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5の加熱処理を行う工程とを有し、そして、接着用トナーおよび固着用トナーとして、各々、可視画像用トナーよりも軟化点の低いものを用い、加熱処理を接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点以上かつ可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行い、これにより、接着用トナー粒子層7を構成する接着用トナーを軟化させて有色トナー粒子層3と画像支持体2との間を接着する接着層8と、固着用トナー粒子層5を構成する固着用トナーを軟化させて有色トナー粒子層3を覆うと共に接着層8に接合された透明固着層6とが形成され、これにより、画像支持体2上に有色トナー粒子層3が接着層8と透明固着層6とに包含された状態で固定させることを特徴とする。
このように、接着用トナーおよび固着用トナーとして可視画像用トナーよりも軟化点の低いものを用い、加熱処理を接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点以上かつ可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことにより、画像支持体2の種類にかかわらず、ドットや細線の再現性に優れた画像品質の高い印画物1を得ることができる。
これは、加熱処理において、有色トナー粒子層3を構成する有色トナー粒子は軟化されずに接着用トナー粒子層7を構成する接着用トナーおよび固着用トナー粒子層5を構成する固着用トナーのみが軟化・溶融され、さらに、当該有色トナー粒子層3が接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5に挟まれて位置されるので、当該有色トナー粒子層3が溶融された接着用トナーおよび固着用トナーによって包含されることによって画像支持体2に固定される。すなわち、有色トナー粒子層3が、これを構成する有色トナー粒子の変形を伴うことなく画像支持体2に固定されるので、ドットおよび細線の再現性に優れた可視画像を有する印画物1が得られる。
しかも、接着用トナー粒子層7は画像支持体と有色トナー粒子層3との間に位置されるので、当該有色トナー粒子層3と画像支持体2との間の接着力が十分に得られるため、画像支持体2の種類、具体的にはその表面性にかかわらず、上記の効果が得られる。
本発明の画像形成方法において、有色トナー粒子層3は、静電潜像が少なくとも1種の有色トナーからなる可視画像用トナーによって現像されることにより形成された当該可視画像用トナーによる層をいい、全て粉体状のいわゆる未定着トナーによって形成されたものである。
有色トナー粒子層3は、具体的には、可視画像用トナーによって形成された単色画像による層、各色の可視画像用トナーの重ね合わせによって形成された多色画像による層のいずれであってもよい。
また、接着用トナー粒子層7は、静電潜像が透明トナーまたは有色トナーからなる接着用トナーによって現像されることにより形成された当該接着用トナーによる層をいい、全て粉体状の未定着トナーによって形成されたものである。
接着用トナー粒子層7は、少なくとも画像支持体2上の有色トナー粒子層3が形成されるべき領域のすべてに形成されればよく、有色トナー粒子層3に合わせた像様に形成されてもよく、接着用トナーが透明トナーまたは画像支持体2と同色の有色トナーからなるものである場合は有色トナー粒子層3を含む画像支持体2の全面に形成されてもよい。
また、固着用トナー粒子層5は、静電潜像が透明トナーからなる固着用トナーによって現像されることにより形成された当該透明トナーによる層をいい、全て粉体状の未定着トナーによって形成されたものである。
固着用トナー粒子層5は、少なくとも有色トナー粒子層3のすべてを覆う状態に形成されればよく、有色トナー粒子層3に合わせた像様に形成されてもよく、有色トナー粒子層3を含む画像支持体2の全面に形成されてもよいが、当該固着用トナー粒子層5が有色トナー粒子層3を含む画像支持体2の全面に形成されることが好ましい。固着用トナー粒子層5が画像支持体2の全面に形成されることにより、例えば得られる印画物1に光沢を付与することができる。
図2は、本発明の画像形成方法を行うための画像形成装置の構成の一例を示す模式断面図である。
この画像形成装置は、タンデム型のカラー画像形成装置と称せられるものであって、固着用トナー粒子層5を形成する固着用トナー粒子層形成部20Hと、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、黒色などの有色トナー粒子層3を形成する有色トナー粒子層形成部20Y,20M,20C,20Bkと、接着用トナー粒子層7を形成する接着用トナー粒子層形成部20Wと、これらの固着用トナー粒子層形成部20Hにおいて形成された固着用トナー粒子層5、有色トナー粒子層形成部20Y,20M,20C,20Bkにおいて形成された有色トナー粒子層3および接着用トナー粒子層形成部20Wにおいて形成された接着用トナー粒子層7を画像支持体2上に転写する中間転写部10と、固着用トナー粒子層5および接着用トナー粒子層7を加熱処理する定着装置26とを有する。
有色トナー粒子層形成部20Yにおいてはイエローのトナー粒子層の形成が行われ、有色トナー粒子層形成部20Mにおいてはマゼンタ色のトナー粒子層の形成が行われ、有色トナー粒子層形成部20Cにおいてはシアン色のトナー粒子層の形成が行われ、有色トナー粒子層形成部20Bkにおいては黒色のトナー粒子層の形成が行われる。
固着用トナー粒子層形成部20Hは、静電潜像担持体である感光体11Hと、当該感光体11Hの表面に一様な電位を与える帯電手段23Hと、一様に帯電された感光体11H上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Hと、透明トナーからなる固着用トナーを感光体11H上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Hと、一次転写後に感光体11H上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Hとを備えるものである。
また、有色トナー粒子層形成部20Y,20M,20C,20Bkは、静電潜像担持体である感光体11Y,11M,11C,11Bkと、当該感光体11Y,11M,11C,11Bkの表面に一様な電位を与える帯電手段23Y,23M,23C,23Bkと、一様に帯電された感光体11Y,11M,11C,11Bk上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Y,22M,22C,22Bkと、各色の有色トナーからなる可視画像用トナーを感光体11Y,11M,11C,11Bk上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Y,21M,21C,21Bkと、一次転写後に感光体11Y,11M,11C,11Bk上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Y,25M,25C,25Bkとを備えるものである。
また、接着用トナー粒子層形成部20Wは、静電潜像担持体である感光体11Wと、当該感光体11Wの表面に一様な電位を与える帯電手段23Wと、一様に帯電された感光体11W上に所望の形状の静電潜像を形成する露光手段22Wと、透明トナーまたは有色トナーからなる接着用トナーを感光体11W上に搬送して静電潜像を顕像化する現像手段21Wと、一次転写後に感光体11W上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段25Wとを備えるものである。
中間転写部10は、中間転写体16と、固着用トナー粒子層形成部20Hによって形成された固着用トナー粒子層5を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Hと、有色トナー粒子層形成部20Y,20M,20C,20Bkによって形成された各色のトナー粒子層を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkと、接着用トナー粒子層形成部20Wによって形成された接着用トナー粒子層7を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Wと、一次転写ローラ13Hによって中間転写体16上に転写された固着用トナー粒子層5、一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkによって中間転写体16上に転写された有色トナー粒子層3および一次転写ローラ13Wによって中間転写体16上に転写された接着用トナー粒子層7を画像支持体2上に転写する二次転写ローラ13Aと、中間転写体16上に残留した残留トナーを回収するクリーニング手段12とを有する。
中間転写体16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
定着装置26は、一対の加熱加圧ローラ27,28が互いに圧接されてその圧接部にニップ部Nが形成された状態に設けられてなるものである。
〔有色トナー粒子層形成工程、接着用トナー粒子層形成工程および固着用トナー粒子層形成工程〕
以上のような画像形成装置においては、まず、固着用トナー粒子層形成部20H、有色トナー粒子層形成部20Y,20M,20C,20Bkおよび接着用トナー粒子層形成部20Wにおいて、感光体11H,11Y,11M,11C,11Bk,11W上に帯電手段23H,23Y,23M,23C,23Bk,23Wにより一様に帯電され、露光手段22H,22Y,22M,22C,22Bk,23Wにより露光されることにより、固着用トナー粒子層5に係る静電潜像、各色のトナー粒子層に係る静電潜像および接着用トナー粒子層7に係る静電潜像がそれぞれ形成され、当該静電潜像が現像手段21H,21Y,21M,21C,21Bk,21Wにおいて、固着用トナー、各色の可視画像用トナーおよび接着用トナーによってそれぞれ現像されることにより、固着用トナー粒子層5、各色のトナー粒子層および接着用トナー粒子層7が形成され、一次転写ローラ13H,13Y,13M,13C,13Bk,13Wにより中間転写体16上に固着用トナー粒子層5、各色のトナー粒子層および接着用トナー粒子層7が順次に転写され、中間転写体16上において重ね合わされる。当該中間転写体16上においては、中間転写体16側から固着用トナー粒子層5と、イエローのトナー粒子層、マゼンタのトナー粒子層、シアンのトナー粒子層、黒色のトナー粒子層の順に重ねられた有色トナー粒子層3と、接着用トナー粒子層7とがこの順に重ねられた、すなわち、その最下層が固着用トナー粒子層5であると共にその最上層が接着用トナー粒子層7である状態とされる。
一方、給紙カセット41内に収容された画像支持体2が、給紙搬送手段42により給紙され、複数の給紙ローラ44a,44b,44c,44dおよびレジストローラ46によって搬送され、二次転写ローラ13Aにおいて当該画像支持体2上に中間転写体16上の固着用トナー粒子層5、有色トナー粒子層3および接着用トナー粒子層7が一括して転写される。
画像支持体2上においては、画像支持体2側から、接着用トナー粒子層7と、黒色のトナー粒子層、シアンのトナー粒子層、マゼンタのトナー粒子層およびイエローのトナー粒子層がこの順に重ねられた有色トナー粒子層3と、固着用トナー粒子層5とがこの順に重ねられた、すなわち、その最下層が接着用トナー粒子層7であると共にその最上層が固着用トナー粒子層5である状態とされる。
有色トナー粒子層3を形成する可視画像用トナーの各色の合計のトナー付着量(A)と、接着用トナー粒子層7を形成する接着用トナーのトナー付着量(B)との比(付着量比)(B/A)は、1/1〜1/4とされることが好ましい。
付着量比が上記の範囲であることによって、確実に有色トナー粒子層3と画像支持体2との接着性が得られるものと考えられる。
また、有色トナー粒子層3を形成する各色の可視画像用トナーの合計のトナー付着量(A)と、固着用トナー粒子層5を形成する固着用トナーのトナー付着量(C)との比(付着量比)(C/A)は、2/1〜1/4とされることが好ましい。
付着量比が上記の範囲であることによって、加熱処理して得られる透明固着層6が有色トナー粒子層3の上面および側面を覆うものとなり、接着層8と接合されて当該有色トナー粒子層3を包含する状態となるものと考えられる。
具体的な接着用トナー粒子層7の厚みは、有色トナー粒子層3を構成する可視画像用トナーの色数やトナー付着量によっても異なるが、例えば3〜10μmとされることが好ましい。また、固着用トナー粒子層5の厚みは、有色トナー粒子層3を構成する可視画像用トナーの色数やトナー付着量によっても異なるが、例えば3〜30μmとされることが好ましい。
その後、接着用トナー粒子層7、有色トナー粒子層3および固着用トナー粒子層5を有する画像支持体2が定着装置26に搬送されて、当該定着装置26において接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5が加熱処理されることにより、接着用トナー粒子層7を構成する接着用トナーが軟化・溶融されて有色トナー粒子層と前記画像支持体との間を接着する接着層8と、固着用トナー粒子層5を構成する固着用トナーが軟化・溶融されて有色トナー粒子層3を覆うと共に接着層8に接合された透明固着層6とが形成されることにより、有色トナー粒子層3を包含すると共に画像支持体2に定着された定着層9が形成され、当該定着層9により、画像支持体2上に有色トナー粒子層3が固定されて可視画像が形成された印画物1が作製される。
画像支持体2上に可視画像が形成された印画物1は、排紙ローラ47によって機外に排出されて排紙トレイ40上に載置される。
固着用トナー粒子層5、各色のトナー粒子層または接着用トナー粒子層7を中間転写体16に転写させた後の感光体11H,11Y,11M,11C,11Bk,11Wは、クリーニング手段25H,25Y,25M,25C,25Bk,25Wにより当該感光体11H,11Y,11M,11C,11Bk,11Wに残留したトナーを除去した後に、次の固着用トナー粒子層5、各色のトナー粒子層または接着用トナー粒子層7の形成に供される。
一方、二次転写ローラ13Aにより画像支持体2上に固着用トナー粒子層5、有色トナー粒子層3および接着用トナー粒子層7を転写した後の中間転写体16は、クリーニング手段12により当該中間転写体16上に残留したトナーを除去した後に、次の固着用トナー粒子層5、有色トナー粒子層3および接着用トナー粒子層7の中間転写に供される。
〔加熱処理工程〕
定着装置26における接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5の加熱処理は、接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点以上かつ可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行う必要があり、接着用トナー、固着用トナーおよび可視画像用トナーのそれぞれの軟化点によっても異なるが、加熱温度が接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点のいずれか高い方の10℃以上、かつ、可視画像用トナーの軟化点の20℃以下である温度で行われることが好ましい。
本発明において、可視画像用トナーとして複数色の有色トナーを用いる場合は、「可視画像用トナーの軟化点」とは、複数色の有色トナーのうちの最も低い軟化点をいう。
このような温度で加熱処理が行われることにより、確実に有色トナー粒子層3を構成する有色トナー粒子を軟化させずに接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5を構成する接着用トナーおよび固着用トナーのみを軟化・溶融させることができ、その結果、より優れたドットや細線の再現性が得られる。
加熱処理における具体的な加熱温度としては、例えば100〜180℃とすることができる。
定着装置26における加熱温度とは、画像支持体2上に転写された固着用トナー粒子層5が接触する加熱加圧ローラ27の表面温度であり、具体的には非接温度計を用いてニップ部Nの入口の手前5〜50mmの位置の加熱部材(加熱加圧ローラ27)表面を測定したときの温度とされる。
加熱温度が接着用トナーまたは固着用トナーの軟化点未満である場合は、接着用トナーまたは固着用トナーの軟化が図られずに接着層8または透明固着層6を形成することができず、その結果、有色トナー粒子層3を包含する定着層9を形成することができない。また、加熱温度が有色トナーの軟化点以上である場合は、得られる可視画像が有色トナーが軟化してドットや細線の再現性に劣ったものとなる。
この加熱処理においては、加熱と同時に加圧も行われることが好ましい。
加圧力としては、1MPa以下とすることが好ましい。
加圧力が過大である場合は、有色トナー粒子層3を構成する可視画像用トナーのズレが生じてドットや細線の再現性が十分に得られないおそれがある。
〔固着用トナー〕
本発明の画像形成方法に用いる固着用トナーは、透明トナーからなり、静電荷像現像用のトナー粒子よりなるものである。固着用トナーを構成するトナー粒子としては、例えば少なくとも結着樹脂を含有し、さらに所望に応じて荷電制御剤、磁性粉、離型剤(ワックス)などの内添剤を含有するものを用いることができる。
ここに、透明トナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーのことをいう。透明トナーは実質的に無色透明であればよく、例えば、顔料、染料などの着色剤を含まないトナーや、顔料、染料などの着色剤を色認識できない程度に含むトナー、結着樹脂やワックス、外添剤の種類や添加量により透明度が若干低くなっているトナーなどが挙げられる。
以下、透明トナーについて説明する。
〔結着樹脂〕
結着樹脂としては、スチレン−アクリル系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の種々の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。透明トナーの製造時の結着樹脂の軟化点を調整するための分子量の制御性の観点から、スチレン−アクリル系樹脂を用いることが好ましい。
透明トナーに含有される結着樹脂全体の分子量としては、数平均分子量(Mn)が好ましくは3,000〜6,000、より好ましくは3,500〜5,500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2.0〜6.0、好ましくは2.5〜5.5である。
透明トナーに含有される結着樹脂の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定試料をトナーとして測定されるものであり、具体的には、以下のように行われる。
すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(透明トナー)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。また、検出器には屈折率検出器を用いる。
〔離型剤〕
透明トナーが離型剤を含有するものとして構成される場合において、透明トナーに含有されるワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
これらの中でも、溶融状態から固化する結晶化に際して異方性を有さないことにより透明トナー粒子層5内における透明性の向上が図られることから、結晶化度が低いものを用いることが好ましく、例えば、パラフィンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを用いることが好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
〔有色トナー〕
本発明の画像形成方法に用いる可視画像用トナーは、有色トナーからなり、静電荷像を現像する機能を有する静電荷像現像用のトナー粒子よりなるものであればよく、有色トナーを構成するトナー粒子としては、例えば結着樹脂中に着色剤や所望に応じて荷電制御剤、磁性粉などの内添剤が含有されてなる樹脂粒子を用いることができ、着色されたシリカ粒子、フェライト粒子などの無機微粒子などを用いることもできる。
ここに、有色トナーとは、光吸収や光散乱による着色を目的とした着色剤を含有するトナーのことをいう。
以下、有色トナーについて説明する。
有色トナーが樹脂粒子よりなる場合において、当該樹脂粒子はワックスを含有しないものであることが好ましい。ワックスを含有しない樹脂粒子からなるトナー粒子による有色トナーを用いることにより、透明性の高く色再現性に優れた可視画像を形成することができる。
また、樹脂粒子としては、これを構成する結着樹脂が熱可塑性樹脂からなるものであることが好ましく、当該結着樹脂は、透明トナーの結着樹脂と同じものであっても異なるものであってもよい。また、樹脂粒子としては、これを構成する結着樹脂が熱可塑性を有さないものであってもよく、熱可塑性を有さない樹脂と熱可塑性樹脂とが併用された樹脂であってもよい。熱可塑性を有さない結着樹脂としては、具体的には熱硬化性樹脂や架橋樹脂が挙げられる。
〔着色剤〕
有色トナーを構成するトナー粒子に含有される着色剤としては、下記に例示するような有機または無機の各種、各色の顔料を使用することができる。
黒トナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどを使用することができる。また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどを使用することができる。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアントナー用のシアン着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブルー60、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ソルベントブルー93、C.I.ソルベントブルー95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、7、15、60、62、66、76などを使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有量は、トナー中に1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有量がトナー中に1質量%未満である場合は、得られるトナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有量がトナー中の10質量%を超える場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
〔接着用トナー〕
本発明の画像形成方法に用いる接着用トナーは、透明トナーまたは有色トナーからなり、静電荷像現像用のトナー粒子よりなるものである。接着用トナーは、具体的には、上述した透明トナーおよび樹脂粒子からなる有色トナーのいずれからなるものであってもよいが、その中でも、特に、より優れたドットや細線の再現性が得られることから、画像支持体2と同色の有色トナーまたは透明トナーからなるものであることが好ましい。
また、接着用トナーとして透明トナーを用いる場合においては、当該透明トナーはワックスを含有するものであっても、含有しないものであってもよい。また、固着用トナーと同じものを使用しても、異なるものを使用してもよい。
〔接着用トナー、固着用トナーおよび可視画像用トナーの軟化点〕
そして、本発明の画像形成方法に用いる接着用トナー、固着用トナーおよび可視画像用トナーは、接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点が可視画像用トナーよりも軟化点の低いものとされている。可視画像用トナーの軟化点と、接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点のいずれか高い方との差が20℃以上あることがより好ましく、差が30℃以上あることが特に好ましい。可視画像用トナーの軟化点と接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点との差が20℃以上あれば、加熱処理において可視画像用トナーの軟化が確実に抑制されてドットや細線の再現性がより優れたものとなるために好ましい。また、可視画像用トナーの軟化点と接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点との差が30℃以上あれば、加熱処理における加熱温度を接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点のいずれか高い方の10℃以上、かつ、可視画像用トナーの軟化点の20℃以下になるように設定することができるために好ましい。
本発明の画像形成方法に用いる接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点は、共に用いる可視画像用トナーの軟化点によっても異なるが、具体的には、各々80〜120℃であることが好ましく、より好ましくは各々90〜115℃である。接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点は、同じであってもよく異なっていてもよいが、固着用トナー粒子層5に比べて接着用トナー粒子層7が加熱されにくいところ、加熱処理において同等の軟化・溶融状態が得られるという理由から、固着用トナーの軟化点が接着用トナーの軟化点よりも高い、具体的には10℃程度高いことが好ましい。
接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点は、例えばこれに含有される結着樹脂の分子量を調整することによって制御することができる。
また、本発明の画像形成方法に用いる可視画像用トナーの軟化点は、共に用いる接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点によっても異なるが、具体的には120〜160℃であることが好ましい。
可視画像用トナーの軟化点は、当該有色トナーが樹脂粒子よりなる場合においては、接着用トナーおよび固着用トナーと同様にこれに含有される結着樹脂の分子量を調整することによって制御することができる。
接着用トナー、固着用トナーおよび可視画像用トナーの各トナーの軟化点は、下記に示すフローテスターによって測定されるものである。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、各トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、各トナーの軟化点とされる。
〔トナーの粒径〕
各トナーの粒径は、体積基準のメディアン径で3〜8μmであることが好ましい。体積基準のメディアン径が3〜8μmであることにより、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。
各トナーの体積基準のメディアン径は「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメディアン径とされる。
〔トナーの平均円形度〕
また、以上のようなトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.850〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.900〜0.995である。
この平均円形度が0.850〜1.000の範囲にあることにより、画像支持体2に転写された接着用トナー粒子層7、有色トナー粒子層3および固着用トナー粒子層5におけるトナー粒子の充填密度が高くなって透明トナー粒子層5を構成する透明トナー粒子および接着用トナー粒子層7を構成する有色トナー粒子または透明トナー粒子の定着性が向上し、定着オフセットが発生しにくくなる。また、個々のトナー粒子が破砕しにくくなって摩擦帯電付与部材の汚染が減少し、トナーの帯電性が安定する。
トナーの平均円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出した値である。HPF検出数が上記の範囲であれば、再現性が得られる。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
〔透明トナーおよび有色トナーの製造方法〕
以上の固着用トナー、接着用トナーおよび可視画像用トナーを構成する透明トナーおよび有色トナーを製造する方法としては、公知の種々の方法を採用することができる。
透明トナーを製造する方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法などが挙げられる。また、有色トナーが樹脂粒子よりなる場合においても、有色トナーを製造する方法として同様の方法を挙げることができる。
これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒子径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
ここで、樹脂微粒子を、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コア−シェル構造のトナー粒子とすることもトナー構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
〔外添剤〕
各トナーを構成するトナー粒子は、そのままでトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子にいわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加したものをトナーとして用いてもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、光沢処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
以上のような各トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として画像形成に供することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として供してもよい。トナーを一成分現像剤として画像形成に供する場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させて磁性一成分現像剤としたもののいずれも使用することができる。また、トナーを二成分現像剤として画像形成に供する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる樹脂分散型キャリアなどを用いてもよい。
〔画像支持体〕
画像支持体2としては、適宜のものを用いることができ、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの印刷用塗工紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスティックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
特に、本発明の画像形成方法を用いることにより、画像支持体2として、コート紙やアート紙など、当該画像支持体2の表面が平滑な構造を有している種類のものを用いた場合にも、有色トナー粒子層3を構成する可視画像用トナーのズレを伴うことなく画像支持体2に有色トナー粒子層3を固定することができ、従って、ドットおよび細線の再現性に優れた可視画像を有する印画物1を得ることができる。
画像支持体2の厚みは、例えば50〜150μmとされることが好ましい。
以上のような画像形成方法によれば、可視画像を構成する可視画像用トナーよりも低い軟化点を有する接着用トナーおよび固着用トナーを用いて、接着用トナー粒子層7および固着用トナー粒子層5の加熱処理を接着用トナーおよび固着用トナーの軟化点以上かつ可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことによって、画像支持体2の種類にかかわらず、ドットや細線の再現性に優れた画像品質の高い印画物を得ることができる。
〔印画物〕
以上のような画像形成方法によって得られた印画物1は、画像支持体2上に有色トナーよりなる有色トナー粒子層3が固定されて可視画像が形成されたものであって、有色トナー粒子層3が、当該有色トナー粒子層3と画像支持体2との間を接着する接着層8と、当該有色トナー粒子層3を覆うと共に接着層8に接合された透明固着層6とに包含された状態で固定されているものである。
以上、本発明の実施の形態について具体的に説明したが、本発明の実施の形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、上記の実施の形態においては有色トナー粒子層形成工程、接着用トナー粒子層形成工程および固着用トナー粒子層形成工程を並行して行ったが、これに限定されず、まず接着用トナー粒子層7を形成してこれを画像支持体2上に転写して積層させ、次いで有色トナー粒子層3を形成してこれを接着用トナー粒子層7上に転写して積層させ、さらに固着用トナー粒子層5を形成してこれを有色トナー粒子層3上に転写して積層させてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<有色トナーの製造例Bk1>
(1)樹脂微粒子分散液の調製
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃まで昇温させた。
この界面活性剤溶液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)5質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、液温を75℃とした後、
スチレン 567質量部
n−ブチルアクリレート 165質量部
メタクリル酸 68質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下し、この系を75℃で2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合を行うことにより、樹脂微粒子〔A1〕が分散された樹脂微粒子分散液〔A1〕を調製した。
(b)第2段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1270質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、80℃に加熱した後、上記の樹脂微粒子分散液〔A1〕を固形分換算で40質量部を添加し、さらに、
スチレン 123質量部
n−ブチルアクリレート 45質量部
メタクリル酸 20質量部
n−オクチルメルカプタン 0.5質量部
からなる単量体混合液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散処理することにより、乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム(KPS)5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を1時間にわたって加熱、撹拌することによって重合を行うことにより、樹脂微粒子〔A2〕が分散された樹脂微粒子分散液〔A2〕を調製した。
(c)第3段重合
上記の樹脂微粒子分散液〔A2〕中に、過硫酸カリウム(KPS)10g質量部イオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、液温度を80℃にし、
スチレン 393質量部
n−ブチルアクリレート 125質量部
メタクリル酸 51質量部
n−オクチルメルカプタン 13質量部
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した後、80℃の温度下で2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合を行った後、28℃まで冷却することにより、樹脂微粒子〔A3〕が分散された樹脂微粒子分散液〔A3〕を調製した。
(2)着色剤微粒子分散液の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム27質量部をイオン交換水500質量部に添加した溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック30質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子が分散された着色剤微粒子分散液〔Bk〕を調製した。
(3)トナー粒子の形成
樹脂微粒子分散液〔A3〕1250質量部と、イオン交換水2000質量部と、着色剤微粒子分散液〔Bk〕165質量部とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌して会合用溶液を準備した。この会合用溶液の内温を30℃に調整した後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整し、次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて90℃まで昇温した(昇温速度=10℃/分)。
その状態で、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.7μmになった時点で、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。この会合粒子の円形度を「FPIA−2100」(シスメックス社製)にて測定したところ、平均円形度は0.958であった。
次いで、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の熱風で乾燥することにより、トナー母体粒子〔Bk1〕を得た。
このトナー母体粒子〔Bk1〕100質量部に対してヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm、疎水化度68)1.0質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径20nm、疎水化度63)0.3質量部からなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池鉱業社製)で外添処理を行うことにより、黒色の有色トナー〔Bk1〕を作製した。
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
この有色トナー〔Bk1〕の軟化点を表1に示す。
<有色トナーの作製例Bk2〜Bk4>
有色トナーの作製例Bk1において、樹脂微粒子分散液の調製工程の第2段重合において用いる樹脂微粒子分散液〔A1〕の量(固形分換算)およびn−オクチルメルカプタンの量、並びに、第3段重合において用いる各重合性単量体の量を表1に従って変更したことの他は同様にして、有色トナー〔Bk2〕〜〔Bk4〕を作製した。
これらの有色トナー〔Bk2〕〜〔Bk4〕の軟化点を表1に示す。
<透明トナーの製造例C1>
(1)樹脂微粒子分散液の調製
(a)第1段重合
有色トナーの製造例における樹脂微粒子分散液の調製例1の樹脂微粒子分散液の調製工程の第1段重合と同様にして、樹脂微粒子分散液〔A1〕を得た。
(b)第2段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1270質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、80℃に加熱した後、上記の樹脂微粒子分散液〔A1〕を固形分換算で2質量部添加し、さらに、
スチレン 123質量部
n−ブチルアクリレート 45質量部
メタクリル酸 20質量部
n−オクチルメルカプタン 2質量部
「HNP−57」(日本精蝋社製) 82質量部
からなる単量体混合液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、1時間混合分散処理することにより、乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム(KPS)5質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて1時間にわたって加熱、撹拌することによって重合を行うことにより、樹脂微粒子〔A4〕が分散された樹脂微粒子分散液〔A4〕を調製した。
(c)第3段重合
有色トナーの製造例における樹脂微粒子分散液の調製例1の(3)第3段重合工程において、樹脂微粒子分散液〔A2〕の代わりに樹脂微粒子分散液〔A4〕を用いると共に、用いる各重合性単量体の量を表1に従って変更した以外は同様にして、樹脂微粒子分散液〔A5〕を得た。
(2)トナー粒子の形成
樹脂微粒子分散液〔A5〕450質量部(固形分換算)と、ドデシル硫酸ナトリウム2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液とを、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に入れて撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.0に調整し、次いで、塩化マグネシウム6水和物60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を6分間かけて85℃まで昇温した。
その状態で、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.7μmになった時点で、塩化ナトリウム200質量部をイオン交換水860質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度90℃±2℃にて6時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させた。この会合粒子の円形度を「FPIA−2100」(シスメックス社製)にて測定したところ、平均円形度は0.960であった。
次いで、6℃/分の条件で30℃まで冷却し、会合粒子を濾過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の熱風で乾燥することにより、透明トナー母体粒子〔C1〕を得た。
この透明トナー母体粒子〔C1〕100質量部に対してヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm、疎水化度68)1.0質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径20nm、疎水化度63)0.3質量部からなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池鉱業社製)で外添処理を行うことにより、透明トナー〔C1〕を作成した。
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
この透明トナー〔C1〕の軟化点を表1に示す。
<透明トナーの製造例C2>
(1)ポリエステル樹脂微粒子分散液の調製
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応装置に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物316質量部、テレフタル酸13質量部および重縮合触媒としてチタンテトライソプロポキシド2質量部を10回に分割して入れ、200℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで13.3kPa(100mmHg)の減圧下に反応させ、重量平均分子量が15000になったところで反応を停止させ、これにより、ポリエステル樹脂を得た。
得られたポリエステル樹脂200質量部を、400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解し、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「UT−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散をした後、40℃に加重した状態でダイヤフラム真空ポンプ「V−700」(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間撹拌しながら酢酸エチルを完全に除去して体積基準のメディアン径が180nmのポリエステル樹脂微粒子分散液〔B1〕を得た。
(2)離型剤微粒子分散液の調製
「HNP−57」(日本精蝋社製)100質量部、アニオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製)21質量部およびイオン交換水860質量部を混合して110℃に加熱し、ホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)を用いて分散処理することにより、離型剤微粒子分散液〔F1〕を調製した。得られた離型剤微粒子分散液〔F1〕中の離型剤微粒子の平均粒径は250nmであった。
(3)透明トナーの形成
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を取り付けた反応容器に、ポリエステル樹脂微粒子分散液〔B1〕450質量部(固形分換算)と、離型剤微粒子分散液〔F1〕41質量部(固形分換算)と、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部とイオン交換水900質量部とを仕込み、液温を25℃に調整した後、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整し、次いで、多価金属イオン化合物として、塩化マグネシウム70質量部をイオン交換水105質量部に溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて30分間かけて添加し、3分間保持した後に、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメディアン径が6.7μmになった時点で、塩化ナトリウム75質量部をイオン交換水290質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、さらに、液温度88℃にて加熱、撹拌することにより、「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.960になるまで、粒子間の融着を進行させつつ、トナー粒子を形成させ、その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。
生成したトナー粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 形式番号60×40」(松本機械社製)で固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が1.0質量%になるまで乾燥することにより、透明トナー母体粒子〔C2〕を得た。
この透明トナー母体粒子〔C2〕100質量部に対してヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm、疎水化度68)1.0質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径20nm、疎水化度63)0.3質量部からなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサー(三井三池鉱業社製)で外添処理を行うことにより、透明トナー〔C2〕を作成した。
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
この透明トナー〔C2〕の軟化点を測定したところ、95℃であった。
<透明トナーの作製例C3>
透明トナーの作製例C1において、樹脂微粒子分散液の調製工程の第2段重合において「HNP−57」を添加しなかったことの他は同様にして、透明トナー〔C3〕を作製した。
この透明トナー〔C3〕の軟化点を表1に示す。
<透明トナーの作製例C4>
透明トナーの作製例C2において、離型剤微粒子分散液〔F1〕を添加しなかったことの他は同様にして、透明トナー〔C4〕を作製した。
この透明トナー〔C4〕の軟化点を表1に示す。
Figure 2013142894
〔現像剤の調製例Bk1〜Bk4、C1〜C4〕
有色トナー〔Bk1〕〜〔Bk4〕および透明トナー〔C1〕〜〔C4〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積基準のメディアン径が60μmのフェライトキャリアを、V型混合機を用いて、前記トナーの濃度が6質量%になるように混合することにより、有色トナー現像剤〔Bk1〕〜〔Bk4〕および透明トナー現像剤〔C1〕〜〔C4〕を調製した。
<実施例1〜7、比較例1〜7>
有色トナー現像剤〔Bk1〕〜〔Bk4〕および透明トナー現像剤〔C1〕〜〔C4〕を用いて、テスト画像が形成された印画物〔1〕〜〔14〕を作製した。
テスト画像は、具体的には、市販のデジタル画像形成装置「bizhub Pro C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に固着用トナー粒子層形成部および接着用トナー粒子層形成部を搭載した改造機を用いて形成した。
画像支持体としては、市販のA4サイズの普通紙「Jペーパー」(コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)、コート紙「PODグロスコート紙」(王子製紙社製)、アート紙「OK金藤+」(王子製紙社製)を用いた。
各トナー粒子層形成部におけるトナーの供給量を4g/m2 に設定し、画像支持体上に、表2に示す層構造を形成するようにトナー粒子層を転写した。
テスト画像は、直径2.5mmのドットを1.5mm間隔で出力したドット画像部と、8本/mm、6本/mm、4本/mmの3種類の細線画像部を含むものである。
加熱処理は、加熱ローラの表面温度(加熱温度)が120℃(比較例1は140℃)になるように設定し、常温常湿環境下(温度20℃、相対湿度50%RH)、線速100mm/secで行った。
得られた印画物〔1〕〜〔14〕について、以下の評価を行った。
Figure 2013142894
(ドット再現性)
印画物におけるドット画像部の各ドットの直径を、露光スポット径(2.5mm)と比較することにより、ドット再現性を評価した。
具体的には、ドット画像部の任意のドット100個の直径を100倍の拡大鏡を用いて測定し、その平均値(L1)の露光スポット径(L2)に対する増減率を{(L1/L2)×100}によって算出した。この増減率が30%未満であれば、隣接するドット同士はそれぞれ独立に再現されており、ドット再現性は極めて良好であると判断される(合格)。増減率が30〜60%である場合は、一部ドットの連結が発生しており、ドット再現性が劣る(不合格)。増減率60%を超える場合は、部分的にドットが消失したり連結しており、ドット再現性が極めて劣っている(不合格)。結果を表3に示す。
Figure 2013142894
(細線再現性)
印画物における細線画像部を、デジタルマイクロスコープ「VHX−600」(キーエンス社製)にて拡大したモニター画像から、インジケータによって8本/mm、6本/mm、4本/mmの各細線の線幅の測定を行い(W1)、これのオリジナルの線幅(W2)に対する細線再現率を{(W1/W2)×100}によって算出した。線幅の測定においては、線幅の測定位置はトナーの細線画像部の幅方向に凹凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測定点とした。結果を表4に示す。
目視でも細線の重なりが認められないレベルは細線再現率110%以下であるが、細線再現率130%以下であれば実用上問題ない(合格)。細線再現率が130%を超える場合は細線同士の独立性が損なわれて重なりが目立ち、実用上問題となる。なお、表4中「×」は、細線がほとんど重なってしまい測定不能であったことを示す。
Figure 2013142894
1 印画物
2 画像支持体
3 有色トナー粒子層
3X 有色トナー溶融層
5 固着用トナー粒子層
6 透明固着層
7 接着用トナー粒子層
8 接着層
9 定着層
10 中間転写部
11H,11Y,11M,11C,11Bk,11W 感光体
12 クリーニング手段
13H,13Y,13M,13C,13Bk,13W 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写体
16a〜16d 支持ローラ
20H 固着用トナー粒子層形成部
20Y,20M,20C,20Bk 有色トナー粒子層形成部
20W 接着用トナー粒子層形成部
21H,21Y,21M,21C,21Bk,21W 現像手段
22H,22Y,22M,22C,22Bk,22W 露光手段
23H,23Y,23M,23C,23Bk,23W 帯電手段
25H,25Y,25M,25C,25Bk,25W クリーニング手段
26 定着装置
27,28 加熱加圧ローラ
40 排紙トレイ
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a,44b,44c,44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
47 排紙ローラ
N ニップ部





Claims (5)

  1. 画像支持体上に、透明トナーまたは有色トナーからなる接着用トナーを用いて電子写真法によって形成した接着用トナー粒子層を積層する工程と、
    当該接着用トナー粒子層上に、有色トナーからなる可視画像用トナーを用いて電子写真法によって形成した有色トナー粒子層を積層する工程と、
    当該有色トナー粒子層上に、透明トナーからなる固着用トナーを用いて電子写真法によって形成した固着用トナー粒子層を積層する工程と、
    前記接着用トナー粒子層および前記固着用トナー粒子層の加熱処理を行う工程とを有し、
    前記接着用トナーおよび前記固着用トナーとして、各々、前記可視画像用トナーよりも軟化点の低いものを用い、前記加熱処理を当該接着用トナーおよび当該固着用トナーの軟化点以上かつ前記可視画像用トナーの軟化点未満の温度で行うことにより、
    前記接着用トナー粒子層を構成する接着用トナーおよび前記固着用トナー粒子層を構成する固着用トナーを軟化させて前記有色トナー粒子層を覆うことにより、可視画像が形成されることを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記接着用トナーが透明トナーからなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記固着用トナーの軟化点が、前記接着用トナーの軟化点よりも高いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記可視画像用トナーが、ワックスを含有しないトナー粒子よりなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の画像形成方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成方法によって形成された印画物であって、
    画像支持体上に有色トナーよりなる有色トナー粒子層が固定されて可視画像が形成された印画物であって、
    有色トナー粒子層が、当該有色トナー粒子層と画像支持体との間を接着する接着層と、当該有色トナー粒子層を覆うと共に前記接着層に接合された透明固着層とに包含された状態で固定されていることを特徴とする印画物。

JP2012004617A 2012-01-13 2012-01-13 印画物および画像形成方法 Pending JP2013142894A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004617A JP2013142894A (ja) 2012-01-13 2012-01-13 印画物および画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012004617A JP2013142894A (ja) 2012-01-13 2012-01-13 印画物および画像形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013142894A true JP2013142894A (ja) 2013-07-22

Family

ID=49039464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012004617A Pending JP2013142894A (ja) 2012-01-13 2012-01-13 印画物および画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013142894A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055734A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 株式会社沖データ 透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置
JP2017068166A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2017173377A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP2017211573A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法
CN110874031A (zh) * 2018-08-31 2020-03-10 日本冲信息株式会社 图像形成装置和图像形成方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015055734A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 株式会社沖データ 透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置
US9213252B2 (en) 2013-09-11 2015-12-15 Oki Data Corporation Transparent developer, developer housing, development device, and image formation apparatus
JP2017068166A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー
JP2017173377A (ja) * 2016-03-18 2017-09-28 富士ゼロックス株式会社 画像形成装置
JP2017211573A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 株式会社リコー 画像形成装置及び画像形成方法
CN110874031A (zh) * 2018-08-31 2020-03-10 日本冲信息株式会社 图像形成装置和图像形成方法
JP7119786B2 (ja) 2018-08-31 2022-08-17 沖電気工業株式会社 画像形成装置および画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5817492B2 (ja) 箔画像形成方法及び箔画像形成装置
JP5782893B2 (ja) 箔転写面を形成する工程を有する画像形成方法
JP5938905B2 (ja) 画像形成方法
JPH11194542A (ja) 電子写真用トナー、電子写真用現像剤、及び画像形成方法
JP2014010302A (ja) 画像形成方法
JP5729354B2 (ja) 画像形成方法
JP2013142894A (ja) 印画物および画像形成方法
JP5948875B2 (ja) 画像形成方法
JP2002082473A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法、並びに画像形成装置
JP2008180938A (ja) 静電荷像現像用トナー、その製造方法及び画像形成方法
JP2011145321A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法
US20120122021A1 (en) Method of forming hologram image, electrostatic image developing toner and hologram image forming apparatus
JP6089746B2 (ja) クリアトナー、クリアトナーの製造方法およびクリアトナー層形成方法
JPH05181300A (ja) 記録材及び画像形成方法
JP2013109288A (ja) 両面画像形成方法およびトナー
JP5412881B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JP2013142893A (ja) 印画物および画像形成方法
JP5817235B2 (ja) ホログラム画像形成方法、ホログラム画像形成装置およびホログラム画像形成用トナー
JP2013025179A (ja) 画像形成方法
JP2011174970A (ja) フルカラー画像形成方法およびフルカラー画像形成装置
JP6003657B2 (ja) 画像形成方法
US20120270145A1 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developing developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
US10656546B1 (en) Electrostatic-image developing toner, electrostatic-image developer, and toner cartridge
JP2014203056A (ja) クリアトナーおよび画像形成方法
JP5835066B2 (ja) 両面画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130417