JP5817492B2 - 箔画像形成方法及び箔画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、箔画像を形成する方法及び装置に関する。特に本発明は、電子写真技術を利用して箔画像を形成する方法及び装置に関する。
金属のような光沢を有する箔画像は、包装や装飾の分野において広く用いられている。このような箔画像を形成する一般的な方法としては、ホットスタンピング法が知られている。ホットスタンピング法では、まず形成すべき画像が凸部に浮き上がるように彫刻された金属金型を加熱する。その一方で箔画像を形成すべき基材に、ベースフィルム、箔層、接着層等からなる転写箔(以下、「箔シート」とも言う)を、接着層が基材に密着するように重ねる。そして箔シートを介して、加熱した金属金型の凸部を基材に押し当てる。これにより、箔シートの接着層を溶融して箔シートを基材に接着させる。次いで冷却し、冷却後、箔シートを剥がす。これにより、前記の凸部の形状に応じた箔層が基材に形成される。
しかしこのホットスタンピング法は、金属金型の作製に時間とコストがかかり、多品種小ロットの箔画像の形成には不向きであった。そのため、金型を用いないで箔転写を行うために様々な提案がされている。
金型を用いない箔転写方法の一つに、電子写真方式で形成したトナー画像を用いる方法がある。この方法は、まず、結着樹脂成分を含有するトナーを用いて基材にトナー画像を形成する。次いで、基材と前記箔シートとを、前記接着層が基材のトナー画像面に密着するように重ねて熱圧着する。次いで冷却し、冷却後、箔シートを剥がして箔画像を得る(例えば、特許文献1参照。)。この方法は、加熱によるトナーの軟化、溶融による接着力と、箔シートにおける接着層の熱溶融による接着力との相乗効果による接着力を利用している。このため、金型を用いない箔画像の形成が可能になる。
しかしながら、この箔画像形成方法では、画像形成速度を高速にした場合に、トナー画像に忠実な箔画像を形成することが難しい。具体的には画像のエッジ部分に箔の切れ端が残るいわゆるバリが発生してしまうことがある。また、細かい画像への箔の定着が乱れ、トナー画像を箔で再現する再現性が悪化する等の問題が生じることがある。これらは、前記の熱圧着後に箔シートを剥離する際の不安定さに起因している。
特開2000−127691号公報
本発明は、接着強度、細線再現性、及び定着均一性に優れる箔画像を形成する技術を提供することを課題とする。
本発明は、前記の課題を解決する手段として、以下の箔画像形成方法を提供する。
[1] 基材上に定着されたトナー画像を用意する工程と、
ベースフィルム上に箔層と接着層とを有する箔シートの接着層を前記基材のトナー画像形成面に向けて、前記基材及び前記箔シートを重ねる工程と、
重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱部材に押圧して加熱する加熱加圧工程と、
前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離工程と、を含む、トナー画像の形状に箔を基材に定着させる箔画像形成方法であって、
前記加熱加圧工程における前記加熱部材の表面温度が、前記トナー画像を形成するトナーの軟化点よりも25〜55℃高い温度であり、
前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度が、前記トナーの軟化点よりも20〜75℃低い温度のときに、前記箔シートを前記基材から剥がすことを特徴とする箔画像形成方法。
[2] 前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度と前記加熱部材の表面温度との差が60〜105℃であるときに、前記箔シートを前記基材から剥がすことを特徴とする[1]に記載の箔画像形成方法。
[3] 前記加熱加圧工程と前記箔シート剥離工程との間に、冷却装置によって剥離シートを冷却する工程をさらに含むことを特徴とする[1]又は[2]に記載の箔画像形成方法。
[4] 前記トナーにクリアトナーを用いることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか一項に記載の箔画像形成方法。
[5] 前記トナー画像を用意する工程が、電子写真方法によって前記トナー画像を前記基材上に形成するトナー画像形成工程であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の箔画像形成方法。
また本発明は、前記の課題を解決する手段として、以下の箔画像形成装置を提供する。
[6] 電子写真方法によって基材上にトナー画像を形成するトナー画像形成装置と、
ベースフィルムと箔と接着層とを有する箔シートの前記接着層を前記基材のトナー画像形成面に向けて前記基材と前記箔シートとが重なるように前記箔シートを搬送する箔シート搬送装置と、
重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に前記基材及び前記箔シートを押圧する加圧装置と、
加熱された前記箔シートの表面温度を調整するための温度調整装置と、
温度が調整された前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離装置と、を有し、
前記加熱部材は、前記トナー画像を形成するトナーの軟化点より25〜55℃高い表面温度を有し、
前記箔シート剥離装置は、前記基材に重なっている前記箔シートの表面温度が前記トナーの軟化点より20〜75℃低いときに前記箔シートを前記基材から剥離する、箔画像形成装置。
[7] 前記温度調整装置がファンであることを特徴とする[6]に記載の箔画像形成装置。
本発明では、トナー画像を有する基材と箔シートとを加熱加圧することによる箔画像の形成において、加熱加圧時の加熱部材の表面温度と、箔シートを基材から剥がすときの箔シートの表面温度とを、トナーの軟化点に基づいて特定の温度に制御する。このため、接着強度、細線再現性、及び定着均一性に優れる箔画像を形成することができる。
本発明の箔画像形成装置の一例の構成を概略的に示す図である。 本発明に用いられる箔定着装置の第一の例の構成を概略的に示す図である。 本発明に用いられる箔シートの一例の構成を概略的に示す図である。 箔定着工程を説明する図である。 本発明に用いられる箔定着装置の第二の例の構成を概略的に示す図である。
本発明の箔画像形成方法は、基材上に定着されたトナー画像を用意する工程と、前記基材のトナー画像形成面に箔シートの接着層を向けて前記基材及び前記箔シートを重ねる工程と、重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱部材に押圧して加熱する加熱加圧工程と、前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離工程と、を含む。
前記トナー画像は、前記基材に形成されたトナー層を定着させることによって用意することができる。前記トナー画像は、通常、電子写真方法によって前記トナー画像を前記基材上に形成する工程(トナー画像形成工程)によって用意される。
前記トナー画像形成工程は、電子写真方法によって、基材上に定着されたトナー画像を形成する公知の方法によって行うことができる。前記トナー画像形成工程は、通常、感光体を帯電する工程、帯電した感光体に露光によって潜像を形成する工程、形成された潜像をトナーによって現像する工程、感光体上のトナー像を感光体から基材に直接、又は転写体を介して転写する工程、及び、基材に転写されたトナー像を加熱加圧によって定着させる工程、を含む方法によって行うことができる。前記トナー画像を構成するトナーは、特に限定されないが、透明樹脂層等の光透過性を有する箔層を有する箔シートを用いる場合、箔層越しに基材を透かして見えるようにすることが必要である場合がある。このため、着色成分を実質的に含有しない後述するクリアトナーであることが、より好ましい。
前記加熱加圧工程は、通常、基材と箔シートとの積層物を加熱加圧する以外は、未定着のトナー像を有する基材に接して当該基板を加熱加圧する通常の定着工程と同様に行うことができる。前記加熱加圧工程では、基材及び箔シートを、基材側から加熱してもよいし、箔シート側から加熱してもよい。通常は、基材及び箔シートに対して、箔シート側、基材側の両方から加熱を行う。基材及び箔シートは、加熱の効率の観点から、通常、箔シート側から主に加熱され、基材側から補助的に加熱される。
前記箔シート剥離工程は、基材上に重ねられた箔シートを、基材から剥がれる方向へ案内することによって行うことができる。前記箔シート剥離工程は、例えば、箔シートがロールの形態である場合は、箔シートを張架する二以上のローラのうちの一つを、剥離位置に配置することによって行うことができる(図2参照)。この場合、剥離位置のローラの曲率は、基材の剛性に応じて、基材を巻き込まない十分に小さな値に設定される。
本発明では、前記加熱加圧工程における前記加熱部材の表面温度(以下、「箔シート加熱温度」とも言う)が、前記トナー画像を形成するトナーの軟化点(以下、「T」とも記す)よりも25〜55℃高い温度である。ここで言う箔シート加熱温度とは、加熱加圧装置のニップ部への入口直前の加熱部材の表面の温度のことをいう。具体的には、加熱部材の表面の移動方向におけるニップ入口の手前5〜50mmの位置の加熱部材の表面を、非接触温度計を用いて測定した時の温度、とされる。前記箔シート加熱温度が前記T+25℃以上であることは、箔画像の基材への十分な接着強度を得る観点から良好であると言える。また、前記箔シート加熱温度がT+55℃以下であることは、箔画像定着時における過剰な加熱によるブリスターの発生を防止する観点から良好であると言える。ここで「ブリスター」とは、加熱部位における水分や空気の膨張による箔画像の欠陥を言う。
前記加熱加圧工程における加熱加圧時間は、基材上のトナー画像を構成する樹脂組成物と、箔シートの接着層成分とが溶融し、かつブリスターが発生しない時間の範囲から選ぶことができる。前記加熱加圧時間は、0.03〜0.40秒であることが好ましく、0.05〜0.35秒であることがより好ましい。前記加圧加熱時間は、例えば、前記加熱加圧工程における基材及び箔シートの搬送速度によって調整することができる。
前記加熱加圧工程における前記基材及び箔シートへの圧力は、箔シートと基材とを密着させたときに、箔シートの接着層成分とトナー画像の結着樹脂成分とを相溶させる観点、及び、トナー画像が潰れることによる画像劣化の防止の観点、から選ぶことができる。前記加熱加圧工程の圧力は、ニップ面圧で、100〜800kPaであることが好ましく、200〜600kPaであることがより好ましい。前記加熱加圧工程の圧力は、例えば、加熱ローラに対する加圧ローラの相対的な付勢力の大きさによって調整することができる。前記加熱加圧工程の圧力は、加熱ローラと加圧ローラの少なくとも一方が表面に弾性層を有する場合では、加熱ローラと加圧ローラとの軸間の距離によって調整するこができる。
本発明では、前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度(以下、「剥離温度」とも言う)が、前記トナーの軟化点Tよりも20〜75℃低い温度のときに、前記箔シートを前記基材から剥がす。ここで言う剥離温度とは、トナーが定着された基材と接触している面と反対側の箔シートの表面の剥離直前の温度のことをいう。具体的には、剥離シートの移動方向における、基材から剥離される位置の手前5〜50mmの位置の箔シートの前記の表面を非接触温度計にて測定した時の温度、とされる。前記剥離温度が前記T−75℃以上であることは、箔シートや基板の収縮による歪みを抑制し、前記トナー画像に対する箔画像の十分な再現性を得る観点から良好であると言える。前記剥離温度が前記T−20℃以下であることは、前記基板上のトナー画像を構成する樹脂層が安定した状態で箔シートを剥離し、前記トナー画像に対する箔画像の再現性の悪化を防止する観点から良好であると言える。
前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度と前記加熱部材の表面温度との差が60〜105℃であるときに、前記箔シートを前記基材から剥がすことは、箔シートや基材の収縮を抑制する観点から良好であると言える。
前記剥離温度は、加熱加圧工程におけるニップ部から剥離位置までの距離の調整、前記ニップ部から前記剥離位置までの前記箔シート及び基材の搬送時間の制御や、加熱加圧工程後の箔シート及び基材の一方又は両方の冷却によって調整することができる。箔画像をより速い速度で形成する観点から、前記箔シート剥離工程では、加熱加圧工程後の箔シート及び基材の一方又は両方を冷却装置によって冷却することが好ましく、さらに冷却効率の観点から、箔シート側から冷却することがより好ましい。
前記箔シートを前記剥離温度へ冷却する時間は、箔画像の生産性の観点、及び、形成される箔画像の品質の観点から、短いことが好ましい。
箔シートは、通常、ベースフィルムと箔と接着層との他に、ベースフィルムから箔を剥離しやすくするための離型層を有する。加熱加圧工程では、接着層成分はトナー画像の結着樹脂成分と溶融するが、離型層もまた加熱により不安定化する。離型層の不安定状態が前記箔シート剥離工程まで続くと、基材から箔シートを剥離するときに、ベースフィルムと箔との分離が不安定になる。このため、接着部と非接着部との切り分けが難しくなり、箔画像にバリが発生しやすくなる。前記冷却時間が短いことによって、離型層の不安定状態をより短時間とすることが可能となり、優れた再現性を有する箔画像を形成することが可能となる。
本発明の箔画像形成方法に用いられるトナーは、箔シートの接着層成分が接着する部位を規定する。すなわち、基材表面のうち、トナー画像が形成されている部分のみで前記接着層成分が接着し、箔シートが定着する。前記トナーには、電子写真方法によるトナー画像の形成に用いることができ、前記基材に比べて前記接着層成分との間で高い接着性を発現するトナーを用いることができる。前記トナーには、着色剤を含有する通常のトナーを用いることが可能であるが、着色成分を含有しないクリアトナーを用いることが好ましい。クリアトナーについては後に詳述する。
本発明の箔画像形成方法は、本発明の効果が得られる範囲で、さらなる工程を含んでいてもよい。このようなさらなる工程としては、例えば、前記箔が定着した基材に、電子写真方法によってトナー画像を形成する工程(以下、「追い刷り工程」とも言う)、が挙げられる。前記追い刷り工程を含むことによって、箔画像にさらにトナー画像を形成することが可能となり、一基材上に箔画像とカラートナー画像とを含むカラー箔画像を形成することが可能となる。前記追い刷り工程は、箔画像が形成された基材を、トナー画像形成工程を行う装置に再送し、そこでさらなるカラートナー画像を形成することによって行うことができる。
本発明の箔画像形成方法は、以下に説明する本発明の箔画像形成装置を用いて行うことができる。
本発明の箔画像形成装置は、電子写真方法によって基材上に定着したトナー画像を形成するトナー画像形成装置と、前記箔シートの前記接着層を前記基材のトナー画像形成面に向けて、前記基材と前記箔シートとが重なるように前記箔シートを搬送する箔シート搬送装置と、重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱する加熱部材と、前記加熱部材に前記基材及び前記箔シートを押圧する加圧装置と、加熱された前記箔シートの表面温度を調整するための温度調整装置と、温度が調整された前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離装置と、を有する。
前記トナー画像形成装置は、通常の電子写真装置によって構成される。トナー画像形成装置は、箔画像にカラートナー画像がさらに形成されるカラー箔画像を形成する観点から、クリアトナーを含む複数種のトナーのためのトナー画像形成部を有するカラートナー画像形成装置であることが好ましい。
前記トナー画像形成部は、単一又は複数のトナーによるトナー画像を形成する。トナー画像形成部は、通常、感光体;感光体を帯電させる帯電装置;帯電した感光体に静電潜像を形成するための光を照射する露光装置;感光体の静電潜像をトナーで現像する現像装置;感光体上のトナー像を直接、又は中間転写体を介して基材に転写する転写装置;及び、基材に転写されたトナー像を加熱加圧によって基材に定着する定着装置;から構成される。トナー画像形成部は、転写後の感光体上のトナーを除去するクリーニング装置等の他の装置をさらに有していてもよい。また、複数のトナー画像形成部のそれぞれが前述した装置の全てを有していてもよいし、複数のトナー画像形成部が前述した装置の一部(例えば転写装置や定着装置)を共有してもよい。
前記箔シート搬送装置には、箔シートの形態に応じた装置が用いられる。例えば、箔シートが基材と同程度の大きさの平面形状に形成されている場合は、一基材に対して一箔シートを重ねて加熱、加圧装置に搬送する搬送装置によって構成することができる。この搬送装置は、前記トナー画像形成装置における基材の搬送装置と同様に構成することができる。或いは前記基材の搬送装置を箔シートの搬送装置に兼用してもよい。箔シートがロールの形態である場合は、加熱、加圧装置の加熱加圧部位を経て箔シートを張架する二以上のローラによって構成することができる。
前記加熱部材は、基材に接触して基材上のトナー像を定着する通常の定着装置における加熱部材を利用することができる。このような加熱部材としては、例えば、前記定着装置で通常使用される、表面温度を制御自在な加熱ローラが挙げられる。
前記加圧装置も、前記の通常の定着装置における加圧装置を利用することができる。このような加圧装置としては、例えば、前記定着装置で通常使用される加圧ローラが挙げられる。前記加圧装置は、前記加熱部材に対して常時押圧する装置であってもよいし、前記加熱部材に対して前記基材及び前記箔シートの加熱時に選択的に加熱部材を押圧する装置であってもよい。加圧装置が後者であることは、箔画像が形成された基材にトナー画像をさらに形成する場合に、箔画像の乱れや画質の低下を防止する観点から好ましい。さらに前記加圧装置も表面温度を制御自在な加圧装置であってもよい。
前記加熱ローラ及び加圧ローラは、一般に、アルミニウムのロールが基体として用いられる。前記加熱ローラ及び加圧ローラは、このような基体そのものでもよいが、箔シートを送り出す際に箔シートを傷つけない表面を有することがより好ましい。このような加熱ローラ及び加圧ローラとしては、円筒状の前記基体とその外周面を覆う被覆層とを有するローラが挙げられる。加熱ローラ用の被覆層の材料としては、例えばフッ素系樹脂及びシリコーンゴムが挙げられる。加圧ローラ用の被覆層の材料としては、例えばシリコーンゴム、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、及びフッ素系樹脂が挙げられる。
前記温度調整装置には、通常、加熱加圧された基材及び箔シートを冷却する冷却装置が用いられる。温度調整装置は、所望の温度となる位置に箔シート剥離装置を配置する機構であってもよいし、前記基材及び箔シートの温度の低下を抑制し、又は箔シートの温度を上げるための加温装置を含んでいてもよい。前記冷却装置は、箔シートと接触して冷却する装置であってもよいが、箔シートとの当接ムラによる冷却ムラが起こらないことや、冷却効率が良いことから、空冷方式の非接触式冷却機構が好ましい。より具体的には前記冷却装置は、ファンであることが好ましい。
前記箔シート剥離装置は、前記箔シートから前記基材を分離する装置であってもよいが、基材の屈曲による箔画像の品質低下を防止する観点から、前記基材から前記箔シートを分離させる装置であることが好ましい。前記箔シート剥離装置は、例えば、基材及び箔シートの一方又は両方を同一又は別の方向へ案内する分岐板、前記基材から離れる方向にベースフィルムを案内する剥離ローラ、及びこれらの組み合わせ、によって構成することができる。
前記箔シート剥離装置は、箔シートの表面温度が前記トナーの軟化点より20〜75℃低い箔シートを基材から剥離する。箔シートの表面温度とは、前記基材と重なっている箔シートの、基材と反対側の表面(例えばベースフィルム)の温度である。前記箔シート剥離装置は、さらに、箔シートの表面温度が前記加熱部材の表面温度よりも60〜105℃低い箔シートから基材を剥離することが好ましい。箔シートの表面温度は、例えば非接触温度計によって測定することができる。
本発明の箔画像形成装置は、本発明の効果が得られる範囲においてさらなる構成を有していてもよい。このようなさらなる構成としては、例えば、箔シートが剥離された基材を前記トナー画像形成装置におけるトナー画像形成位置に送る基材回送装置と、複数のトナー画像形成部と、が挙げられる。これらの装置を有する箔画像形成装置は、箔画像が形成された基材に、さらにトナー画像を形成することが可能である。よって箔画像を含むカラートナー画像を形成することができる。
本発明に用いられる前記基材は、トナー画像の形成においては、電子写真方式によってトナーの定着画像の形成が可能であり、かつ、前記加熱部材及び前記加圧装置による加熱加圧条件下での箔シートの接着層成分に対して実質的に接着性を有さない部材である。前記基材は、通常、紙を用いることができる。前記基材としては、例えば、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙のような塗工された印刷用紙、及び、和紙やはがき用紙のような市販されている印刷用紙、が挙げられる。
本発明に用いられる前記箔シートは、ベースフィルムと、ベースフィルム上に形成される箔層と、箔層上に形成される接着層とを有する。前記箔シートは、ベースフィルムと箔層との間に離型層をさらに有していてもよい。これらの箔シートの形態としては、独立した1枚のシートでもよく、ロールに巻き取られた長尺な帯状のシートでもよい。
本発明において、「箔」とは、一般の印刷によっては表現が困難な金属感、光沢感を有する文字や絵柄、また、透明感を有する透かし文字や絵柄などを基材上に付与するために使用される。箔としては、用途に応じて例えば金色や銀色の画像を得るための金銀箔、金属光沢をもったカラー画像を得るためのカラー顔料箔、ホログラム画像を得るためのホログラム箔、等の様々な種類がある。本発明においては、用いられる箔の種類は特に限定されない。
前記箔シートには、例えば図3に示されるように、ベースフィルム80aと、ベースフィルム80a上に形成される離型層80bと、離型層80b上に形成される箔層80dと、箔層80d上に形成される接着層80eとを有する箔シート80が挙げられる。箔層80dと接着層80eとが後に基材Pに定着する箔80cとなる。
ベースフィルム80aは、例えば樹脂等からなるフィルム又はシートや、紙のシートからなる。ベースフィルム80aの樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリイミド樹脂等の公知の樹脂材料が挙げられる。ベースフィルム80aは、単層構造であっても多層構造であってもよい。
離型層80bは、箔層80d及び接着層80eからなる箔80cのベースフィルム80aからの良好な剥離性を確保するための層である。離型層80bを構成する材料としては、箔層80dに対する離型性を有する材料が用いられる。例えば、メラミン又はイソシアネートを硬化剤として用いた熱硬化性樹脂、アクリレート又はエポキシ樹脂を含有した紫外線又は電子線硬化性樹脂に例えば、フッ素系又はシリコン系のモノマー又はポリマー等の公知のワックスを添加した組成物等が挙げられる。
箔層80dは、顔料等の着色剤、金属材料、透明樹脂、光干渉を生じさせる材料等の種々の成分によって構成することができる。箔層80dは、基材P上に転写された後は箔層を構成する成分による外観を発現する。箔層80dは、具体的には、着色層、金属層、透明樹脂層、ホログラム層、着色層に金属層を積層させた層、透明樹脂層に金属層を積層させた層、又はホログラム層に金属層を積層させた層、等から構成される。
着色層としては、さらに、所望の性能を有する公知の樹脂に、必要に応じて公知の染料や顔料等が添加されてなる塗布組成物をベースフィルム80a上の離型層80b上に塗布して乾燥することにより、形成した層を挙げることができる。前記公知の樹脂が有する所望の性能としては、例えば離型層80bからの良好な剥離性や、箔画像の形成後における耐久性等が挙げられる。前記塗布組成物の塗布方法としては、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコーダ及びロールコータ等が挙げられる。
箔層80dを形成するための樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
金属層は、メタリックな光沢を有する層であって、金属を用いて、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の公知の方法によって形成することができる。金属層を形成するための金属材料としては、例えば、アルミニウム、スズ、銀、クロム、ニッケル、金等の単体の他に、ニッケル−クロム−鉄合金や青銅、アルミ青銅等の合金を用いることができる。
金属層は、厚さ約10〜100nmとすることができる。また、金属層としては、例えば、水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザ加工等の公知の加工方法を利用して規則的な模様を付与するパターニング処理を施した金属層を用いることもできる。
接着層80eは、例えば、加熱の有無に関わらず基材Pに対する接着性を有さず、加熱によりトナー成分に対する結着性を発現させる、いわゆるホットメルトタイプと呼ばれる感熱性の接着剤よりなる層である。感熱性の接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体等のホットメルトタイプの接着剤に使用することができる公知の種々の熱可塑性樹脂が挙げられる。
接着層80eは、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコータ及びロールコータ等を用いて、感熱性の接着剤を形成する熱可塑性樹脂を箔層80d上に塗布することにより、形成することができる。
このような箔シート80としては、例えば、村田金箔株式会社製「BL2.8 2合金」が挙げられる。これらは市販品として入手することができる。
本発明に用いられる前記トナーは、通常、トナー粒子と外添剤とから構成される。前記トナーは、さらにキャリアを含む二成分現像剤として使用されてもよく、キャリアを用いない一成分現像剤として使用されてもよい。トナー粒子は、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を少なくとも含有する。前記トナーは、着色剤を含むカラートナーであってもよく、透明なクリアトナーであってもよいが、透明箔を用いた時の箔画像の美観の観点から、前記トナーはクリアトナーであることが好ましい。
本発明において、クリアトナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーのことをいう。クリアトナーは、トナー画像としたときに、実質的に無色透明であればよい。可視領域で見えない成分はクリアトナー中に含まれてもよい。クリアトナーには、例えば、着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性粉等の着色剤を含まないトナーや、顔料、染料等の着色剤を色認識できない程度に含有するトナー、結着樹脂やワックス、外添剤の種類や添加量により透明度が若干低くなっているトナーが含まれる。
前記トナーの軟化点は、90〜140℃であることが好ましい。前記軟化点が90℃以上であることは、耐ブリスター性の低下による箔画像の定着不良を防止する観点から好ましい。前記軟化点が140℃以下であることは、箔画像の接着性の観点から好ましい。前記トナーの軟化点は、上記の観点から、105〜140℃であることが好ましく、112〜137℃であることがより好ましい。前記トナーの軟化点は、通常、トナー又はトナー粒子をフローテスターによって測定することによって求めることができる。また前記トナーの軟化点は、結着樹脂の種類、原材料種及びその比率、分子量の調整等により調整することができる。
本発明トナーの軟化点の測定方法について説明する。
20℃±1℃、50±5%RH環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器SSP−10A(島津製作所製)にて3,000kg/cmの力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製する。24℃±5℃、50±20%RH環境下において、フローテスター CFT−500D(島津製作所製)により、上記成型サンプルを、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出す。この押し出しにおける条件は、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分、である。溶融温度測定方法(昇温法)のオフセット法にて、オフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、トナーの軟化点とする。
[トナー粒子の粒径]
前記トナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で3〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜8μmとされる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、「コールターカウンター マルチサイザー 3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
前記メジアン径の測定手順としては、測定試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませる。その後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTON II(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25,000個、アパチャー径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒径を体積基準メジアン径(体積D50%径)とする。
[熱可塑性樹脂]
前記結着樹脂に含有される熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂等のビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂等の公知の種々の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、結着樹脂の軟化点を調整するための分子量制御の観点から、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂が好ましい。
前記結着樹脂中における熱可塑性樹脂の含有量は、結着樹脂の軟化点の調整の観点から、50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましい。
前記結着樹脂は、重量平均分子量(Mw)のピーク値が10,000〜30,000程度であることが好ましい。
[ワックス]
前記トナー粒子は、ワックスをさらに含有していてもよい。前記ワックスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスな
どのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス;エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックス;などが挙げられる。
トナー粒子中にワックスを含有させる方法としては、トナー粒子の材料としての結着樹脂微粒子にワックスを含有させる方法や、トナー粒子を形成する会合工程において、水系媒体中にワックス微粒子が分散されてなる分散液を添加し、結着樹脂微粒子とワックス微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法等を挙げることができる。これらの方法を組み合わせてもよい。
トナー粒子中におけるワックスの含有割合は、十分なオフセット防止効果を得る観点、及び、トナーの透光性や色再現性等のトナーの所望の光学的特性を得る観点から、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜15質量部であり、好ましくは5〜10質量部である。
[着色剤]
前記トナー粒子は、着色剤をさらに含有していてもよい。前記着色剤としては、下記に例示するような有機又は無機の各種、各色の顔料を使用することができる。
すなわち、黒色のトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラック等が挙げられる。カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等が挙げられる。また、黒色トナー用の着色剤のうち、磁性体としてはフェライト、マグネタイト等が挙げられる。
イエローのトナー用の着色剤としては、以下の染料及び顔料が挙げられる。染料としては、例えばC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等が挙げられる。また、顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185等が挙げられる。これらの混合物も使用することができる。
マゼンタのトナー用の着色剤としては、以下の染料及び顔料が挙げられる。染料としては、例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122等が挙げられる。顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222等が挙げられる。これらの混合物も使用することができる。
シアンのトナー用の着色剤としては、以下の染料及び顔料が挙げられる。染料としては、例えばC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等が挙げられる。顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同60、同62、同66、同76等が挙げられる。これらの混合物も使用することができる。
着色剤の含有割合は、クリアトナーであれば0質量%であることが好ましい。カラートナーであれば、トナー粒子中0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
[トナー粒子の作製方法]
前記トナー粒子を作製する方法としては、特に限定されない。前記トナーの作製方法としては、例えば混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法が挙げられる。これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒径にトナー粒子の粒径を揃える観点、トナー粒子の形状を制御する観点、及び、コアシェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法が好ましい。
乳化凝集法では、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合する。そして、前記分散液に凝集剤を添加することによって、所望のトナーの粒径となるまで凝集させる。その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行う。こうして、トナー粒子を製造する。
ここで、樹脂微粒子には、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有してもよい。また樹脂微粒子を、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コアシェル構造のトナー粒子とすることも、トナーの構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
[外添剤]
上記のトナー粒子は、そのままで本発明に係るトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性等を改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤等の外添剤を添加して本発明に係るトナーを構成してもよい。
外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子等よりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等が挙げられる。これらは1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等によって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
また、外添剤としては、数平均一次粒径が10〜2,000nm程度の球形の有機微粒子を用いることもできる。このような有機微粒子としては、具体的には、スチレンやメチルメタクリレート等の単独重合体やこれらの共重合体からなる微粒子を使用することができる。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
[キャリア]
前記トナーは、磁性又は非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。前記トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂等の被覆剤で被覆したコートキャリアや、結着樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる結着型キャリア等を用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
以下、本発明を、図面を用いてさらに説明する。
図1は、本発明の箔画像形成装置の構成の一例を概略的に示す図である。
前記箔画像形成装置は、概略的には、タンデム型のカラー画像形成装置に、箔接着用トナー像形成部20H、箔定着装置70、及び、箔定着装置70からカラー画像形成装置の転写位置へ基材を回送する基材回送装置をさらに有する構成となっている。
前記箔画像形成装置は、箔画像と同じ画像をクリアトナーで形成する箔接着用トナー像形成部20Hと、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン又は黒色のトナー像を形成する有色トナー像形成部20Y、20M、20C、20Bkと、これらの箔接着用トナー像形成部20H又は有色トナー像形成部20Y、20M、20C、20Bkにおいて形成されたトナー像を中間転写体16に転写した後に、前記トナー像の一つ、又は二以上を重ねて基材Pに転写する中間転写部10と、基材Pに対して加熱しながら加圧してトナー像を定着させる定着装置50と、基材Pに対して箔80c(図4参照)を供給する箔定着装置70と、を有する。
箔接着用トナー像形成部20H、イエロー画像形成用トナー形成部20Y、マゼンタ画像形成用トナー形成部20M、シアン画像形成用トナー形成部20C、及びブラック画像形成用トナー形成部20Bkは、それぞれ、中間転写体16である転写ベルトに感光体が対向するように、転写ベルトの無端軌道に沿って並んで配置されている。
箔接着用トナー像形成部20Hは、静電潜像担持体である感光体11Hと、当該感光体11Hの表面に一様な電位を与える帯電装置23Hと、一様に帯電された感光体11H上に所望の形状の静電潜像を形成する露光装置22Hと、クリアトナーを感光体11H上に搬送して静電潜像を顕像化する現像装置21Hと、静電潜像の顕像化によるクリアトナー像を中間転写体16へ一次転写した後に感光体11H上に残留した残留トナーを回収するクリーニング装置25Hとを有する。
同様に、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの有色トナー像形成部20Y、20M、20C、20Bkは、静電潜像担持体である感光体11Y、11M、11C、11Bkと;当該感光体11Y、11M、11C、11Bkの表面に一様な電位を与える帯電装置23Y、23M、23C、23Bkと;一様に帯電された感光体11Y、11M、11C、11Bk上に所望の形状の静電潜像を形成する露光装置22Y、22M、22C、22Bkと;カラートナーを感光体11Y、11M、11C、11Bk上に搬送して静電潜像を顕像化する現像装置21Y、21M、21C、21Bkと;静電潜像の顕像化によるカラートナー像を中間転写体16へ一次転写した後に感光体11Y、11M、11C、11Bk上に残留した残留トナーを回収するクリーニング装置25Y、25M、25C、25Bkと;を有する。本発明におけるトナー画像形成装置は、例えば、箔定着装置70を除く上記の装置によって構成される。
中間転写部10は、中間転写体16と、箔接着用トナー像形成部20Hによって形成されたクリアトナー像を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Hと、有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkによって形成されたカラートナー像を中間転写体16に転写するための一次転写ローラ13Y、13M、13C、13Bkと、一次転写ローラ13Hによって中間転写体16上に転写されたクリアトナー像、又は、一次転写ローラ13Y、13M、13C、13Bkによって中間転写体16上に転写されたカラートナー像を箔画像が形成された基材P上に転写する二次転写ローラ13Aと、中間転写体16上に残留した残留トナーを回収するクリーニング装置12とを有する。
中間転写体16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
定着装置50は、互いに圧接されている加熱ローラ51と加圧ローラ52とを有する。両ローラの圧接部にはニップ部Nが形成されている。
箔定着装置70は、図2に示されるように、適宜の駆動手段により駆動されて時計方向に回転される加熱ローラ73aと、加熱ローラ73aに圧接し、加熱ローラ73aとの圧接部に箔定着ニップ部Nを形成する、加熱ローラ73aに従動して回転する加圧ローラ73bと、基材Pに対して供給されるべき箔80cを有する長尺なシート状の箔シート80が巻き付けられている供給ローラ71Aと、供給ローラ71Aの箔シートを、基材Pの搬送路に沿って箔定着ニップ部Nに案内する案内ローラ74aと、箔定着ニップ部Nを通過した箔シート80を基材Pの表面から剥がす方向へ案内する剥離ローラ74bと、剥離ローラ74bで案内された箔シート80を巻き取る巻き取りローラ72Aと、加熱ローラ73aと剥離ローラ74bとの間を案内される箔シート80を冷却するためのファン75と、を有する。
加熱ローラ73aは本発明における加熱部材に該当する。加圧ローラ73bは本発明における加圧装置に該当する。供給ローラ71A、案内ローラ74a、剥離ローラ74b、及び巻き取りローラ72Aは、本発明における箔シート搬送装置に該当する。剥離ローラ74bは本発明における箔シート剥離装置に該当する。ファン75は本発明における温度調整装置に該当する。
この箔定着装置70は、加熱ローラ73aと加圧ローラ73bとを互いに離間した状態に変更する離間機構(図示せず)をさらに備えている。当該離間機構は、追い刷り工程を経て定着装置50から排出された箔画像S及び可視画像の両方が形成された基材Pが箔定着装置70を通過するときに、加熱ローラ73aと加圧ローラ73bとを互いに離間させる。
加熱ローラ73a及び加圧ローラ73bは、例えばそれぞれ、アルミニウム製のスリーブ(円筒体)と、その外周面を覆うシリコーンゴム等の弾性層とから形成されている。加熱ローラ73a及び加圧ローラ73bには、各々、ハロゲンランプ等の図示しない加熱源が備えられている。
巻き取りローラ72Aは、箔シート80の搬送方向が供給ローラ71Aの表面の移動方向と同方向となるように、駆動源によって反時計方向(図2の矢印方向)に回転する。巻き取りローラ72Aの回転速度は、箔定着ニップ部Nにおける箔シート80の搬送速度が、当該箔定着ニップ部Nにおける基材Pの搬送速度と同じとなる速度とされる。
案内ローラ74a及び剥離ローラ74bは、共に、箔シート80の移動に従動して回転するローラである。案内ローラ74aのロール径は例えば10mmであり、剥離ローラ74bのロール径は例えば10mmである。
ファン75は、加熱ローラ73a側から箔シート80に向けて空気を送る送風機である。ファン75は、例えば不図示の赤外線非接触温度計による箔シート80の加熱ローラ73a側の表面の温度測定値に応じて送風量を調整する。
図1の箔画像形成装置は、さらに、基材Pを収容する複数の給紙カセット41と;給紙カセット41から基材Pを一枚ずつ取り出す給紙搬送装置42と;給紙搬送装置42から二次転写ローラ13Aまで基材Pを搬送するための複数の給紙ローラ44a、44b、44c、44d及びレジストローラ46と;箔定着装置70から排出された基材Pを排出経路に向けて案内する分岐板49と;基材Pを排紙トレイ60又は回送経路48aに向けて案内する排紙ローラ47と;排出された基材Pを収容する排紙トレイ60と;排紙ローラ47から分岐板49を経て基材Pを二次転写ローラ13Aまで搬送するための回送経路48a及び48bと;を有する。回送経路48a及び48bには、回送経路48a及び48bの基材Pを案内するための複数の回送ローラが配置されている。分岐板49、排紙ローラ47、及び回送経路48a、48bに基材Pを案内する前記複数の回送ローラは、前記基材回送装置に該当する。
[箔画像形成工程]
図1の箔画像形成装置においては、まず、箔接着用トナー像形成部20Hにおいて、感光体11Hが帯電装置23Hより帯電する。帯電した感光体11Hが露光装置22Hにより露光されることにより、感光体11Hに静電潜像が形成される。当該静電潜像が現像装置21Hによってクリアトナーで現像されることにより、箔接着用トナー像としてのクリアトナー像が感光体11Hに形成される。形成されたクリアトナー像は、一次転写ローラ13Hにより中間転写体16上に転写される。
一方、給紙カセット41内に収容された基材Pが、給紙搬送装置42により給紙カセット41から取り出される。取り出された基材Pは、複数の給紙ローラ44a、44b、44c、44d及びレジストローラ46によって搬送される。基材Pには、二次転写ローラ13Aによってクリアトナー像が中間転写体16から転写される。その後、基材P上に転写されたクリアトナー像が定着装置50において加圧及び加熱により定着される。こうして基材Pにクリアトナー画像部Hが形成される(図4(a))。
箔画像形成工程における定着装置50の定着条件は、用いるクリアトナーの種類、及び次の追い刷り工程で用いるカラートナーの種類によっても異なるが、例えば以下の通りにすることができる。
・加熱温度:170〜230℃
・ニップ時間:50〜500msec
なお、ニップ時間とは、加熱、加圧ローラ51、52のニップ部Nの搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1,000から算出される。
また、定着装置50における前記加熱温度とは、加熱ローラ51の表面温度をいう。
クリアトナー画像部Hが形成された基材Pが箔定着装置70に到着すると、巻き取りローラ72Aが回転駆動する。この回転駆動により、供給ローラ71Aに巻回されている箔シート80が箔定着ニップ部Nを通って、巻き取りローラ72Aに向けて搬送される。なお箔シート80は、接着層80eが基材Pに対面する向きで、供給ローラ71Aから搬送される。基材Pは、搬送される箔シート80に伴って、基材Pのクリアトナー画像部H側の表面と、箔シート80の接着層80e側の表面とが密着するように、箔シート80と重なる(図4(b))。そして、箔定着ニップ部Nに送られる。
箔定着ニップ部Nでは、基材Pと箔シート80とが重なった状態で、加熱ローラ73aにより加熱されると共に加圧ローラ73bによって加圧される(図4(c))。この加熱加圧により、クリアトナー画像部Hのクリアトナーの樹脂成分と、箔シート80の接着層80eの接着剤とが溶融し、密着する。
箔定着装置70における箔定着条件は、用いるクリアトナーの軟化点、ファンの冷却能力、及びニップ時間によって異なるが、例えば以下の通りにすることができる。
・加熱温度:110〜200℃
・ニップ時間:50〜500msec
なお、ニップ時間とは、箔定着ニップ部Nの搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1,000から算出される。箔定着装置70におけるニップ時間は、箔の接着強度の確保の観点や、ブリスターを原因とする箔画像の劣化が起こらない事を考慮して設定される。
また、箔定着における加熱温度とは、加熱ローラ73aの表面温度をいう。前記加熱温度は、クリアトナーの軟化点より25〜55℃高い温度に設定される。
さらに、ファン75の送風量は、前記ニップ時間によって剥離ローラ74bを通過するときの箔シート80の前記表面温度を、クリアトナーの軟化点より20〜75℃低い温度まで下げる送風量に設定される。外気温が十分に低い場合や、箔定着装置70の近傍に他の冷却機構(例えば箔画像形成装置が有する冷却装置や冷却液の管)が加熱後の箔シート80の冷却に利用できる場合は、ファン75の運転を停止することも可能である。
こうしてクリアトナー画像部Hに接着層80eが密着した基材P及び箔シート80は、ファン75によって冷却される。この冷却によって箔シート80の離型層80bが安定し、かつ箔シート80の接着層80eとクリアトナー画像部Hのクリアトナー成分とが混合した状態で固定されるため、箔80cのクリアトナー画像部Hへの接着性が強固になる。
互いに接着した基材P及び箔シート80は、剥離ローラ74bに到達する。剥離ローラ74bに到達したときの箔シート80のベースフィルム80a側の表面温度は、ファン75による冷却によって、クリアトナーの軟化点により異なるが、例えば15〜120℃の範囲の温度となっている。剥離ローラ74bは、基材Pから箔シート80を剥がす方向に箔シート80を案内する。このような剥離ローラ74bによる箔シート80の案内によって、クリアトナー画像部Hに接着した箔80cは基材Pに定着し、クリアトナー画像部Hに接触されなかった部分の箔シート80はそのまま剥離される(図4(d))。よって、クリアトナー画像部Hの形状と一致した形状の箔画像Sが形成される(図4(e))。
剥離した箔シート80には、クリアトナー画像部Hに接触した部分ではベースフィルム80aと離型層80bとが残り、クリアトナー画像部Hに接触しなかった部分ではベースフィルム80aから接着層80eの全てが残っている。剥離した箔シート80は、巻き取りローラ72Aに巻き取られる。
箔画像形成方法は、追い刷り工程をさらに含んでいてもよい。このため、カラートナーによるカラー画像をさらに有するフルカラー箔画像を形成することができる。ただし、本発明では、箔画像の形成のみであってもよい。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明の実施形態は上記の例に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
本発明の箔画像形成方法において、箔画像形成工程及び追い刷り工程は、それぞれ別個の箔画像形成装置によって行ってもよい。
例えば、以上においては、基材Pの表面上に箔画像S及び可視画像を形成する場合について説明したが、基材Pの両面にそれぞれ箔画像と可視画像を形成することもできる。この場合においては、基材Pの表面に箔画像(S1)と可視画像(T1)を形成した後、基材Pの裏面に箔画像(S2)と可視画像(T2)を形成してもよい。しかしながら、まず基材Pの表面に箔画像(S1)を形成し、次に基材Pの裏面に箔画像(S2)を形成し、さらに次に基材Pの表面に可視画像(T1)を形成し、最後に基材Pの裏面に可視画像(T2)を形成することが、より好ましい。
また例えば、中間転写部10が箔画像形成工程及び追い刷り工程において共通に使用される構成とすることに限定されず、それぞれに対して中間転写部を設けてもよい。このような構成の場合、箔接着用トナー画像部及び可視画像の形成に同じ転写装置を用いることに限定されず、それぞれに対して別個に転写装置を設けてもよい。
なお、本実施の形態では、箔定着装置70について、加熱加圧後の箔シート80及び基材Pをファン75によって冷却し、剥離温度を制御する構成を示したが、本発明は、剥離温度を所期の温度範囲に制御することが可能な他の構成を採用することができる。
箔定着装置における他の構成としては、例えば図5に示すように、箔シート80の剥離位置を調整可能な構成が挙げられる。
図5に示す箔定着装置は、ファン75に代えて、箔シート80の搬送方向における剥離ローラ74bよりも上流側に、非接触で箔シート80のベースフィルム80a側の表面温度を測定する非接触温度計76と、巻き取りローラ72A、剥離ローラ74b、及び非接触温度計76を、これらの相対的な位置関係を維持したまま箔定着ニップ部Nに対して接近離間自在な移動装置77とを有する以外は、前述の箔定着装置70と同じ構成を有する。非接触温度計76と移動装置77は本発明における温度調整装置に該当する。
この箔定着装置では、加熱加圧後の箔シート80のベースフィルム80aの表面温度に応じて、箔定着ニップ部Nから剥離ローラ74bまでの距離を調整することが可能である。よって、剥離温度の調整や、剥離温度の最適化の検討の観点から、より効果的である。
以上、ロール状の箔シート80による箔画像の形成を説明した。本発明では、箔定着時の加熱加圧後に基材から剥離させる構成を、例えばローラや分岐板を適宜配置することで形成することにより、種々の形態の箔シートを箔画像の形成に用いることができる。
本実施例に用いたクリアトナーの製造方法を以下に示す。
[トナーAの製造例]
(第一段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4gとイオン交換水3,000gを仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム5gをイオン交換水200gに溶解させた水溶液を添加し、液温75℃とし、下記単量体混合液1を1時間かけて滴下した。その後、75℃にて2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を調製した。これを「樹脂粒子(A1)」とする。
(単量体混合液1)
スチレン 567g
n−ブチルアクリレート 165g
メタクリル酸 68g
(第二段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水1,270gに溶解させた溶液を仕込んだ。80℃に加熱後、前記樹脂粒子(A1)を固形分換算40gと、離形剤であるパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)82gを下記単量体混合液2に80℃で溶解させた溶液と、をさらに添加した。循環経路を有する機械式分散機CLEARMIX(エム・テクニック(株)製)により、1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
(単量体混合液2)
スチレン 123g
n−ブチルアクリレート 45g
メタクリル酸 20g
n−オクチルメルカプタン 0.5g
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム5gをイオン交換水100gに溶解させた開始剤溶液を添加した。この系を80℃にて1時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(A2)」とする。
(第三段重合)
前記樹脂粒子(A2)を含有する前記分散液に、さらに、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加した。80℃の温度条件下で、下記単量体混合液3を1時間かけて前記分散液に滴下した。滴下終了後、2時間にわたり加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し樹脂粒子を得た。これを「樹脂粒子(A3)」とする。
(単量体混合液3)
スチレン 390g
n−ブチルアクリレート 143g
メタクリル酸 37g
n−オクチルメルカプタン 13g
(凝集・融着工程)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、前記樹脂粒子(A3)を固形分換算で450gと、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2gをイオン交換水1,100gに加えた。液温を30℃に調整した後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した。次いで、塩化マグネシウム60gをイオン交換水60gに溶解した水溶液を、攪拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温し、85℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で、「コールターカウンター マルチサイザー 3」にて会合粒子の粒径を測定した。体積基準におけるメジアン径が6.7μmになった時点で、塩化ナトリウム200gをイオン交換水860gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、熟成工程として液温度95℃にて8時間にわたり加熱攪拌することにより粒子間の融着を進行させ、所望の円形度になった時点で30℃に冷却した。こうして所望の円形度を有する粒子を得た。
(洗浄・乾燥工程)
生成した粒子をバスケット型遠心分離機「MARK III型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成した。該ウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄した。その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥してトナー母体粒子を作製した。
(トナーの作製)
上記で得られたトナー母体粒子に、疎水性シリカ(数平均一次粒径:12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均一次粒径:20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナーを作製した。得られたトナーを「トナーA」とする。
[トナーBの製造例]
第二段重合における単量体混合液2、及び第三段重合における単量体混合液3をそれぞれ以下の混合液に変更し、かつ第二段重合におけるHNP−57の使用量を77gに変更した以外は、トナーAの製造例と同様の方法でトナーを作製した。得られたトナーを「トナーB」とする。
(単量体混合液2)
スチレン 140g
n−ブチルアクリレート 40g
n−オクチルメルカプタン 0.5g
HNP−57 77g
(単量体混合液3)
スチレン 420g
n−ブチルアクリレート 131g
メタクリル酸 14g
n−オクチルメルカプタン 13g
[トナーCの製造例]
(ポリエステル樹脂粒子分散液A1の調液)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物316質量部、テレフタル酸138質量部及び重縮合触媒としてチタンテトライソプロポキシド2質量部を10回に分割して仕込んだ。200℃で窒素気流下にて、生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで13.3kPa(100mmHg)の減圧下で反応させた。重量平均分子量が15,000になったところで反応を停止させ、非晶性ポリエステル樹脂を作製した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂200質量部を400質量部の酢酸エチル(関東化学社製)に溶解した。さらに、予め作製した0.26質量%のラウリル硫酸ナトリウム水溶液638質量部と混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザー「UT−150T」(日本精機製作所製)でV−LEVEL 300μAで30分間超音波分散をした。その後、40℃に加温した状態でダイヤフラム真空ポンプV−700(BUCHI社製)を使用し、減圧下で3時間攪拌しながら酢酸エチルを完全に除去した。こうして平均粒径(体積基準によるメジアン径(D50))が180nmの樹脂粒子を含有する「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液A1」を得た。
(離型剤分散液F−1の調液)
マイクロクリスタリンワックス(HNP−0190:日本精鑞社製)100質量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK:第一工業製薬社製)21質量部及びイオン交換水860質量部を混合し110℃に加熱して、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて分散した。その後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、離型剤微粒子分散液F−1を得た。得られた分散液中の離型剤微粒子平均粒径は250nmであった。
(トナー粒子Cの作製)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液A1を450質量部(固形分換算)と、前記「離型剤分散液F−1」を41質量部(固形分換算)と、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部と、イオン交換水900質量部と、を仕込んだ。液温を25℃に調整した後、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応容器内の混合液のpHを10に調整した。
次いで、多価金属イオン化合物として、塩化マグネシウム70質量部をイオン交換水105mLに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて30分間かけて前記混合液に添加した。3分間保持した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。
この状態で、「コールターカウンター マルチサイザー 3」にて凝集粒子の粒径を測定した。所望の粒径になった時点で、塩化ナトリウム75質量部をイオン交換水290mLに溶解した水溶液を添加して、粒子成長を停止させた。
さらに、熟成工程として液温度88℃にて加熱撹拌することにより、「FPIA−2100」による測定で平均円形度0.960になるまで、粒子間の融着を進行させつつ、トナー粒子を形成させた。その後、液温30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整し、撹拌を停止した。
上記の工程にて生成したトナー粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離して、トナー粒子のウェットケーキを形成した。このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄した。その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が1.0質量%となるまで乾燥してトナー粒子Cを得た。
トナー粒子Cに、トナーAと同様に、疎水性シリカ(数平均一次粒径:12nm)を1質量%及び疎水性チタニア(数平均一次粒径:20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナーを作製した。得られたトナーを「トナーC」とする。
[トナーDの製造例]
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(Mw=111,000、Mn=4,000、Mw/Mn=28)100重量部と、低分子量ポリプロピレン「ビスコール660P」(三洋化成社製)5重量部とをヘンシェルミキサーで混合した後、110℃に設定した2軸混練押出機を用いて溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにより粗粉砕した後、ローターを備えた気流式粉砕機を用いて微粉砕し、風力分級機で分級することにより、体積平均粒径9.5μmの粒子を得た。
得られた粒子100重量部と、疎水性シリカ微粒子0.6重量部とを、ヘンシェルミキサーを用い、攪拌羽根の周速が30m/秒となる回転数にて20分間混合することによりトナーを得た。得られたトナーを「トナーD」とする。
なお、結着樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって以下の方法で測定される。
まず、装置「HLC−8220」(東ソー社製)及びカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用いる。カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流す。測定試料(トナー)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させる。次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得る。この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出する。測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10のものを用いる。少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成する。
得られたトナーA〜Dの軟化点を以下の方法で測定した。得られたトナーA〜Dの軟化点を表1に示す。
[トナーの軟化点(T)の測定方法]
トナーの軟化点を下記に示すフローテスターによって測定した。
まず、20℃、50%RHの環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならした。12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3,820kg/cm(375MPa)の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作製した。次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出した。そして、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetをトナーの軟化点(T)として求めた。
Figure 0005817492
[箔画像の形成]
画像形成装置には図1に示す箔画像形成装置を用い、トナーにはトナーA〜Dを用い、以下に示す条件で箔画像を形成した。
箔画像のベース画像となるトナー像として、ベタパッチ画像、及び、細線画像を形成した。トナーの現像量は4g/mとした。また基材にはOKトップコート紙128g/m紙を使用した。
箔シートには、村田金箔株式会社製「BL2.8 2号金」を使用した。
箔定着装置における加熱ローラには、長さ357mm、外径62mm、厚さ5mmのアルミニウム製基体上に厚さ1.5mmのシリコーンゴム層を配置したロールを使用した。
箔定着装置における加圧ローラには、長さ357mm、外径52mm、厚さ5mmのアルミニウム製基体上に厚さ1.5mmのシリコーンゴム層を配置したロールを使用した。
加熱ローラと加圧ローラのニップ幅は7mmとした。ニップにおける面圧は290kPaである。
加熱ローラの表面温度は、加熱ローラの回転方向におけるニップ入口の手前10mmの位置の加熱ローラの表面温度が、下記表2に示す所定の温度になるよう設定した。加圧ローラの表面温度は、加熱ローラの表面温度から60℃低い温度に設定した。
箔定着装置における通紙速度は、100mm/secとした。
剥離前の冷却装置には、箔フィルムが重ねられた基材を箔フィルム側から風冷するファンを用いた。ファンの電流値によって風量を調整した。
剥離装置には、ロール径が10mmである剥離ローラを使用した。
剥離ローラによる剥離地点から、箔シートの移動方向の30mm手前における箔シートの温度を剥離温度として測定した。剥離温度の測定には、赤外線放射温度計「IR0510」(ミノルタ社製)を使用した。
[評価]
トナーA〜Dを用い、表2に示す温度条件で形成した箔画像を、以下の項目で評価した。
(接着強度)
5cm×10cmの大きさに形成した箔画像(ベタパッチ画像)にテープを貼り付けた後、手でそのテープを剥がす。テープを剥がしたときの箔画像の状態を肉眼及び倍率10倍のルーペで観察して以下の基準で評価した。なお、テープには「スコッチメンディングテープ MP−18(住友スリーエム(株)製)」を使用した。
○;ルーペ観察で確認可能な微細な剥離を起こしたものはなかった。
△;ルーペ観察で確認可能な微細な剥離を起こしたものがあるが、肉眼では問題ないレベルと判断した。
×;肉眼で剥離を確認できるものがあった。
(細線再現性(バリの有無の評価))
幅2mmの線画を1.0mm幅間隔で通紙方向に対し縦(垂直)と横(平行)になるように配置した箔画像、及び、幅1mmの線画を0.5mm幅間隔で縦と横に配置した箔画像、の三種類の細線画像を作成した。肉眼及び倍率10倍のルーペにより目視観察し、細線間に余分な箔が存在しないことと、細線上における箔の欠落の有無とを、以下の基準で評価した。○と△を合格とし、×を不合格とした。
○;2つの細線画像とも細線間に余分な箔が存在せず、かつ、細線上に箔の欠けがないことがルーペ観察で認められた。
△;幅0.5mmの細線画像上に微小な欠けが見られたが、肉眼観察では問題のないレベルであった。また、2つの細線画像とも細線間に余分な箔は存在していなかった。
×;細線間に余分な箔が残存していることが肉眼観察で認められた。
(定着均一性(箔画像表面における箔の欠損の有無の評価))
5cm×10cmの大きさに形成した箔画像(ベタパッチ画像)の表面を、肉眼及び倍率10倍のルーペにより目視観察して、箔画像表面における箔の欠落の有無を以下の基準で評価した。○と△を合格とし、×を不合格とした。
○;全ての箔画像についてルーペ観察でも箔の欠落は認められなかった。
△;ルーペ観察により微小な欠落を有する箔画像があったが、肉眼観察では問題のないレベルだった。
×;肉眼観察で箔の欠落が認められる箔画像があった。
Figure 0005817492
表2の1〜5の評価結果の比較より、加熱ローラの表面温度Tがトナーの軟化点Tよりも25〜55℃高い範囲にあるときに、接着強度、細線再現性、及び定着均一性について合格とされる箔画像が得られることがわかる。また表2の6〜8の評価結果の比較より、剥離温度Tがトナーの軟化点Tよりも20〜75℃低い範囲にあるときに、接着強度、細線再現性、及び定着均一性について合格とされる箔画像が得られることがわかる。
さらに表2の6、7、10及び11の評価結果の比較より、加熱ローラの表面温度Tと剥離温度Tとの差が60〜105℃の範囲にあることが、良好な細線再現性及び良好な定着均一性を得る観点から好ましいことがわかる。
さらに表2の12〜14の評価結果の比較より、上記の良好な箔画像は、上記の温度の条件の範囲内であれば、トナーの種類に関わらずに得られることがわかる。
箔画像は、装飾や包装の分野で広く利用されている。本発明によれば、電子写真法を利用して定着性に優れた箔画像を基材に高速で形成することができる。さらに、箔画像にカラートナー画像を組み合わせたフルカラー箔画像の形成にも適用できる。よって、本発明によって、箔画像のさらなる利用の促進が期待される。
10 中間転写部
11H、11Y、11M、11C、11Bk 感光体
12 クリーニング装置
13H、13Y、13M、13C、13Bk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写体
16a〜16d 支持ローラ
20H 箔接着用トナー像形成部
20Y、20M、20C、20Bk 有色トナー像形成部
21H、21Y、21M、21C、21Bk 現像装置
22H、22Y、22M、22C、22Bk 露光装置
23H、23Y、23M、23C、23Bk 帯電装置
25H、25Y、25M、25C、25Bk クリーニング装置
41 給紙カセット
42 給紙搬送装置
44a、44b、44c、44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
47 排紙ローラ
48a、48b、48c 搬送路
49 分岐板
50 定着装置
51、73a 加熱ローラ
52、73b 加圧ローラ
60 排紙トレイ
70 箔定着装置
71A 供給ローラ
72A 巻き取りローラ
74a、74c、74d 案内ローラ
74b 剥離ローラ
75 ファン
76 非接触温度計
77 移動装置
80 箔シート
80a ベースフィルム
80b 離型層
80c 箔
80d 箔層
80e 接着層
H クリアトナー画像部
N ニップ部
箔定着ニップ部
P 基材
S 箔画像

Claims (7)

  1. 基材上に定着されたトナー画像を用意する工程と、
    ベースフィルム上に箔層と接着層とを有する箔シートの接着層を前記基材のトナー画像形成面に向けて、前記基材及び前記箔シートを重ねる工程と、
    重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱部材に押圧して加熱する加熱加圧工程と、
    前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離工程と、を含む、トナー画像の形状に箔を基材に定着させる箔画像形成方法であって、
    前記加熱加圧工程における前記加熱部材の表面温度が、前記トナー画像を形成するトナーの軟化点よりも25〜55℃高い温度であり、
    前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度が、前記トナーの軟化点よりも20〜75℃低い温度であって50〜105℃のときに、前記箔シートを前記基材から剥がすことを特徴とする箔画像形成方法。
  2. 前記箔シート剥離工程において、前記箔シートの表面温度と前記加熱部材の表面温度との差が60〜105℃であるときに、前記箔シートを前記基材から剥がすことを特徴とする請求項1に記載の箔画像形成方法。
  3. 前記加熱加圧工程と前記箔シート剥離工程との間に、冷却装置によって剥離シートを冷却する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の箔画像形成方法。
  4. 前記トナーにクリアトナーを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の箔画像形成方法。
  5. 前記トナー画像を用意する工程が、電子写真方法によって前記トナー画像を前記基材上に形成するトナー画像形成工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の箔画像形成方法。
  6. 電子写真方法によって基材上にトナー画像を形成するトナー画像形成装置と、
    ベースフィルムと箔と接着層とを有する箔シートの前記接着層を前記基材のトナー画像形成面に向けて前記基材と前記箔シートとが重なるように前記箔シートを搬送する箔シート搬送装置と、
    重ねられた前記基材及び前記箔シートを加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材に前記基材及び前記箔シートを押圧する加圧装置と、
    加熱された前記箔シートの表面温度を調整するための温度調整装置と、
    温度が調整された前記箔シートを前記基材から剥がす箔シート剥離装置と、を有し、
    前記加熱部材は、前記トナー画像を形成するトナーの軟化点より25〜55℃高い表面温度を有し、
    前記箔シート剥離装置は、前記基材に重なっている前記箔シートの表面温度が前記トナーの軟化点より20〜75℃低く、かつ50〜105℃のときに前記箔シートを前記基材から剥離する、箔画像形成装置。
  7. 前記温度調整装置がファンであることを特徴とする請求項6に記載の箔画像形成装置。
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