JP5790126B2 - 画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、画像支持体上に予めトナーを定着させておき、この上に転写箔を重ね、その上からアイロンでホットプレスした後、転写箔のフィルム状基材を画像支持体から剥がすことにより、画像支持体上に金属箔を転写させる技術も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
そのため、箔画像が形成された画像支持体上にさらに画像を形成させる場合、インクジェット方式やオフセット印刷方式などの電子写真方式以外の画像形成方法を用いることが検討されたが、画像支持体の材質が制限されることや、作業工程が煩雑化することなどの問題があった。
前記箔接着用トナー画像部上に、箔を接触させて加熱することにより、前記箔接着用トナー画像部上に箔画像を形成する箔画像形成工程、
前記箔画像が形成された画像支持体上に、少なくとも1種の可視画像用トナーを用いて電子写真法によって可視トナー像を形成し、200℃以下で加熱しながら加圧して定着することにより、可視画像を形成する可視画像形成工程を有する画像形成方法において、
前記箔接着用トナーが、温度160〜180℃の温度範囲における貯蔵弾性率G´が、1×103 N/m2 以上5×104 N/m2 以下の範囲にあるものであることを特徴とする。
そして、本発明の箔接着用トナーは、温度160〜180℃の温度範囲における貯蔵弾性率G´(以下、「貯蔵弾性率G´160〜180」ともいう。)が、1×103 N/m2 以上5×104 N/m2 以下の範囲にあるものとされる。
本発明において、「貯蔵弾性率G´160〜180が1×103 N/m2 以上5×104 N/m2 以下の範囲にある」とは、温度160〜180℃の温度範囲のいずれの温度における貯蔵弾性率G´も、1×103 N/m2 以上5×104 N/m2 以下の範囲にあることをいう。
通常、貯蔵弾性率G´は温度が低いほど高い値を示すので、本発明の箔接着用トナーは、温度160℃における貯蔵弾性率G´が5×104 N/m2 以下であり、かつ、温度180℃における貯蔵弾性率G´が1×103 N/m2 以上であればよい。
箔接着用トナーの貯蔵弾性率G´160〜180が上記の範囲にあることによって、可視トナー像を定着させるために加熱加圧処理を施した場合においても加熱によって箔接着用トナーによる箔接着用トナー画像部が弾性を失って流動が生じることが極めて抑制されるために、加圧されても画像支持体に接着された箔に歪みによるスジなどが生じることがなく、従って、箔画像形成工程における所期の仕上がり状態が維持された状態において可視画像を形成することができ、その結果、良好な仕上がり状態の箔画像および所望の可視画像の両方が得られた画像を、簡単に形成することができる。
一方、箔接着用トナーの貯蔵弾性率G´160〜180が過小、すなわち可視トナー像を定着させるための加熱加圧処理において箔接着用トナーの加熱される温度における貯蔵弾性率G´が1×103 N/m2 未満である場合は、可視トナー像を定着させるために加熱加圧処理を施したときに、加熱によって箔接着用トナーによる箔接着用トナー画像部が弾性を失って流動が生じ、加圧によって画像支持体に接着された箔に歪みによるスジなどが生じる。また、箔接着用トナーの貯蔵弾性率G´160〜180が過大、すなわち可視トナー像を定着させるための加熱加圧処理において箔接着用トナーの加熱される温度における貯蔵弾性率G´が5×104 N/m2 を超える場合は、箔接着用トナー画像部に十分な接着性が得られない、または、箔画像の形成に係る加熱温度を高く設定する必要および/または加圧力を大きくする必要があるために環境負荷が大きくなると共に箔の欠損などが生じる。図1に、貯蔵弾性率G´160〜180が上記の範囲にある、本発明の箔接着用トナーの粘弾性曲線の一例(図1におけるa)、および、貯蔵弾性率G´160〜180が上記の範囲から逸脱した、比較用のトナーの粘弾性曲線の一例(図1におけるb)を示す。
(1)箔接着用トナーを温度20±1℃、相対湿度50±5%RHの環境下において、測定試料シャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、0.6gを圧縮成型器に装填し、3tの荷重を30秒間加えることにより、直径1cmのペレットを作製する。
(2)ペレットを直径0.977cmのパラレルプレートに装填する。
(3)測定部温度をトナーの軟化点−20℃、パラレルプレートギャップを3mmに設定する。この設定により、測定部はトナーの軟化点−20℃に加熱され、ギャップが3mmになるまでペレットは圧縮される。その後、35℃まで放冷する。
(4)測定部温度を35℃に設定した後、周波数1.0Hzの正弦波振動を加えながら、測定部を毎分5℃の昇温速度で200℃まで昇温し、160℃から180℃における複素弾性率G* を測定する。ひずみ角は自動ひずみ制御にて行う。
(5)複素弾性率G* から、貯蔵弾性率G´を算出する。
具体的には、まず、温度20±1℃、相対湿度50±5%RHの環境下において、測定試料シャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、1.1gを測り取り、成型器「SSP−A」(島津製作所社製)によって3tの荷重を30秒間加えることにより、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成する。次いで、この成型サンプルを、温度24±5℃、相対湿度50±20%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度80℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、軟化点とした。
本発明の箔接着用トナーは、画像支持体上に箔を接着するための接着剤としての作用が発現されるトナーであって、熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有するものであり、着色剤を含むカラートナーであってもよく、透明なクリアトナーであってもよいが、箔画像やその後に形成される可視画像の視認性に対する影響が小さいことから、クリアトナーであることが好ましい。
本発明において、クリアトナーとは、光吸収や光散乱の作用により色が認識されないトナーのことをいう。クリアトナーは実質的に無色透明であればよく、例えば、顔料、染料などの着色剤を含まないトナーや、顔料、染料などの着色剤を色認識できない程度に含むトナー、結着樹脂やワックス、外添剤の種類や添加量により透明度が若干低くなっているトナーなども含まれる。
本発明の箔接着用トナーを構成する箔接着用トナー粒子の結着樹脂に含有される熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリウレタン樹脂などの公知の種々の熱可塑性樹脂を挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のような高分子量成分比率を有することによって、箔画像形成工程において熱が付与されたときに適度な接着性が得られながら、追い刷り工程において付与された熱によって箔接着用トナーによる箔接着用トナー画像部が変形するような流動性が生じることがないために、加圧されても画像支持体に接着された箔に歪みによるスジなどが生じることがなく、従って、箔画像形成工程における所期の仕上がり状態が維持された状態において可視画像を形成することができる。高分子量成分比率が過小である場合は、箔接着用トナーの結着樹脂を構成する樹脂分子鎖同士の絡み合いが十分に得られずに樹脂分子間の凝集力が不足することに起因して、熱による箔接着用トナー画像部の変形が生じ易く、追い刷り工程において箔画像が形成された画像支持体に加熱しながら加圧した場合に箔の歪みによるスジなどが生じるおそれがある。さらに、高分子量成分比率が過大である場合は、箔接着用トナーの結着樹脂を構成する樹脂分子の分子間凝集力が強すぎるため、箔画像の形成に係る加熱温度を高く設定する必要があり、環境負荷が大きくなる。
分子量は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される。すなわち、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2ml/minで流し、測定試料(箔接着用トナー)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。また、得られた分子量チャートの分子量が60,000の箇所に境界線を引き、当該分子量が60,000以上の面積率を算出することにより、高分子量成分比率を得た。
本発明の箔接着用トナーを作製する方法としては、特に限定されず、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、乳化会合法、ミニエマルション重合凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができる。
箔接着用トナーを製造する方法としては、特に、スチレン−アクリル系樹脂を含有する結着樹脂を用いる場合には、結着樹脂における高分子量成分比率の制御が容易であることから、乳化会合法を用いることが好ましい。以下に一例として乳化会合法の例を挙げる。
また、低分子量の結着樹脂微粒子と、高分子量の結着樹脂微粒子を任意の比率で混合したものを用いることによっても、所期の高分子量比率を有するトナー粒子を作製することができる。
さらに、箔接着用トナーを作製する方法として乳化会合法を用いる場合においては、結着樹脂を酸基を有する重合性単量体から得られる樹脂を含むものとして、当該結着樹脂を形成するための重合性単量体中の酸基を有する重合性単量体の量と結着樹脂微粒子を凝集するときに添加する凝集剤の添加量とによってイオン架橋構造の量を調整することができ、その結果、箔接着用トナーの貯蔵弾性率G´を調整することができる。
イオン架橋構造は、酸基を有する構造単位を含有する樹脂に、多価金属を反応させることにより形成することができる。イオン架橋構造とは、カルボキシル基と多価金属イオンとの配位結合(イオン結合)によって生じる架橋構造である。
(1)水系媒体中において結着樹脂を形成すべき重合性単量体にラジカル重合開始剤を作用させることにより結着樹脂微粒子を得る結着樹脂微粒子重合工程、
(2)結着樹脂微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、会合粒子を形成する会合工程、
(3)会合粒子の形状制御をすることにより箔接着用トナーを形成する熟成工程、
(4)水系媒体から箔接着用トナー粒子を濾別し、当該箔接着用トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理された箔接着用トナー粒子を乾燥する乾燥工程、
(6)乾燥処理された箔接着用トナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
から構成される。
この結着樹脂微粒子重合工程は、具体的には、例えば、水系媒体中に少なくとも後述の重合性単量体を添加し、機械的エネルギーを付与して分散させて油滴を形成させておき、この状態において重合性単量体を乳化重合によりラジカル重合反応することにより、大きさが例えば体積基準のメジアン径で50〜300nm程度の結着樹脂微粒子を形成するものである。
・スチレン系単量体(スチレンあるいはスチレン誘導体)
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなど;
・メタクリル酸系単量体(メタクリル酸あるいはメタクリル酸エステル誘導体)
メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなど;
・アクリル酸系単量体(アクリル酸あるいはアクリル酸エステル誘導体)
アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなど。
以上の重合性単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、イオン架橋構造を形成させる観点から、酸基を有する重合性単量体を併用することが好ましい。酸基を有する重合性単量体としては、カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基またはホウ酸基などの1種または2種以上を有するものが挙げられる。これらのうち、酸の強度および共重合の容易さから、カルボン酸基を有する重合性単量体が特に好ましく用いられる。カルボン酸基を有する重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、αーエチルアクリル酸、クロトン酸等の(メタ)アクリル酸、およびα−アルキル誘導体あるいはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;コハク酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、コハク酸モノアクリロイルオキシエチレンエステル、フタル酸モノアクリロイルオキシエチルエステル、フタル酸モノメタクリロイルオキシエチルエステルなどの不飽和ジカルボン酸モノエステル誘導体などが挙げられる。これらの酸基を有する重合性単量体の使用量は、全重合性単量体の3〜10%程度であることが好ましい。
・オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど;
・ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど;
・ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど;
・ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど;
・N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど;
・その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体など。
・多官能性ビニル類
エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなど。
結着樹脂微粒子重合工程においては、水系媒体中に微粒子を安定に分散させるために、適宜の分散安定剤を添加することができる。
分散安定剤としては、例えばリン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナなどが挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、エチレンオキサイド付加物、高級アルコール硫酸ナトリウムなどの一般に界面活性剤として使用されるものも分散安定剤として使用することができる。
このような界面活性剤としては、従来公知の種々のイオン性界面活性剤やノニオン系界面活性剤などを用いることができる。
イオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルフォン酸ナトリウム、3,3−ジスルフォンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6−スルフォン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−トリフェニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフトール−6−スルフォン酸ナトリウムなどのスルフォン酸塩;
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなどがあり、脂肪酸塩には、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどの硫酸エステル塩;脂肪酸塩などが挙げられる。
また、ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレンオキサイドのエステル、ソルビタンエステルなどが挙げられる。
本発明の箔接着用トナー粒子中にワックスを含有させる場合に用いるワックスとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
本発明の箔接着用トナー粒子中に荷電制御剤を含有させる場合に用いる荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ、無色のものであれば特に限定されず、公知の種々の正帯電性の荷電制御剤および負帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
箔接着用トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
箔接着用トナー粒子中に荷電制御剤を含有させる方法としては、上記に示したワックスを含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
結着樹脂微粒子重合工程において使用される重合開始剤としては、適宜の油溶性または水溶性の重合開始剤を使用することができる。
油溶性の重合開始剤の具体例としては、例えば、
(1)アゾ系またはジアゾ系重合開始剤
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなど;
(2)過酸化物系重合開始剤
ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンペルオキサイド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキサイド、ジ−t−ブチルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、2,2−ビス−(4,4−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、トリス−(t−ブチルペルオキシ)トリアジンなどが挙げられる。
また、水溶性の重合開始剤の具体例としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素などが挙げられる。
結着樹脂微粒子重合工程においては、結着樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えばn−オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン、四臭化炭素、α−メチルスチレンダイマーなどを挙げることができる。
会合工程において使用される凝集剤としては、1価、2価または3価の金属イオンが挙げられるが、イオン架橋構造を形成させる観点から、2価または3価の金属イオンを用いることが好ましく、このような金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオンなどが挙げられる。これらの中でも、マグネシウムイオン、アルミニウムイオンが特に好ましく用いられる。なお、これらの金属イオンを組み合わせて用いることもできる。また、上記の金属イオンの塩化物、臭化物、硫化物、およびそれらの水和物も用いることができる。
また、凝集剤の添加量は、結着樹脂微粒子450質量部に対して、40〜100質量部であることが好ましい。
上記の箔接着用トナー粒子は、そのままで本発明の箔接着用トナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該箔接着用トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明の箔接着用トナーを構成してもよい。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
また、外添剤としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を用いることもできる。このような有機微粒子としては、具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体からなる微粒子を使用することができる。
本発明の箔接着用トナーを用いる画像形成方法に用いられる可視画像用トナーは、200℃以下の加熱温度において好適に定着することができるものであれば特に限定されずに、一般に公知の静電荷像現像用トナーを用いることができる。
トナー粒子が着色剤を含有するものとして構成される場合において、着色剤としては、下記に例示するような有機または無機の各種、各色の顔料を使用することができる。
すなわち、黒色のトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
イエローのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアンのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同60、同62、同66、同76などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
着色剤の含有割合は、可視画像用トナーのトナー粒子中0.5〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
本発明に係る可視画像用トナーは、上記の箔接着用トナーの作製方法において、結着樹脂の種類や量を選択することによって200℃以下の加熱温度において好適に定着することができるよう軟化点およびガラス転移点を調整し、かつ、適宜に着色剤を含有させたことの他は同様にして、作製することができる。
具体的には、乳化会合法を用いて可視画像用トナーを作製する場合には、例えば、上記の箔接着用トナーの作製方法における会合工程(2)において、水系媒体中に結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液に、別個に調製した水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液を添加して混合し、この結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行って、着色された会合粒子を形成することによって、可視画像用トナーを作製することができる。
また例えば、上記の箔接着用トナーの作製方法における結着樹脂微粒子重合工程(1)において、結着樹脂を形成すべき重合性単量体に着色剤を添加した液を、水系媒体中に添加し、分散させて油滴を形成させ、この状態において重合性単量体を乳化重合によりラジカル重合反応することにより、着色された結着樹脂微粒子を生成させることによっても、可視画像用トナーを作製することができる。
以上のような箔接着用トナーおよび可視画像用トナーを構成するトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。
トナー粒子の体積基準のメジアン径は、「コールターカウンターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、測定試料(箔接着用トナーまたは可視画像用トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(測定試料の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作成する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャ−径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メジアン径(体積D50%径)とする。
本発明の箔接着用トナーおよび可視画像用トナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明の箔接着用トナーおよび可視画像用トナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
本発明において、「箔」とは、一般の印刷によっては表現が困難な金属感や光沢感を有する文字や絵柄を画像支持体上に付与するために使用されるものである。箔としては、用途に応じて例えば金色や銀色の画像を得るための金銀箔、金属光沢をもったカラー画像を得るためのカラー顔料箔、ホログラム画像を得るためのホログラム箔などの様々な種類のものがあるが、本発明においては用いられる箔の種類は特に限定されるものではない。
また、支持体80aは、単層構造のものであってもよく、多層構造のものであってもよい。
箔層80dは、具体的には、着色層やこれに金属層を積層させたものなどから構成されたものである、
着色層としては、離型層80bからの良好な剥離性や箔画像の形成後における耐久性などの所望の性能を有する公知の樹脂に、必要に応じて公知の染料や顔料などが添加されてなる塗布組成物を、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコーダおよびロールコータなどによって支持体80a上の離型層80b上に塗布して乾燥することにより、形成したものなどを挙げることができる。箔層80dを形成するための樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
金属層は、メタリックな光沢を有する層であって、金属を用いて、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの公知の方法によって形成することができる。金属層を形成するための金属材料としては、例えば、アルミニウム、スズ、銀、クロム、ニッケル、金などの単体の他に、ニッケル−クロム−鉄合金や青銅、アルミ青銅などの合金を用いることができる。金属層は、厚さ約10〜100nmとすることができる。また、金属層としては、例えば、水洗シーライト加工、エッチング加工、レーザ加工などの公知の加工方法を利用して規則的な模様を付与するパターニング処理を施したものとすることもできる。
接着層80eは、例えば、グラビアコータ、マイクログラビアコータおよびロールコータなどを用いて、感熱性の接着剤を形成する熱可塑性樹脂を箔層80d上に塗布することにより、形成することができる。
本発明の箔接着用トナーを用いた画像形成方法に使用される画像支持体としては、箔画像および可視画像を保持することができるものであればよく、具体的には、例えば薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙などの各種の印刷用紙などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の箔接着用トナーを用いた画像形成方法において、箔画像形成工程および追い刷り工程は、それぞれ別個の画像形成装置によって行ってもよく、一の画像形成装置によって連続的に行ってもよい。
この画像形成装置は、箔接着用トナーを用いた箔画像形成工程と可視画像用トナーを用いた追い刷り工程とを連続的に実行することのできるタンデム型のカラー画像形成装置である。
中間転写体16は、複数の支持ローラ16a〜16dにより張架され、回動可能に支持された無端ベルト状のものである。
この箔転写装置70においては、箔転写ローラ73a,73bが、互いに離間した状態に変更する離間機構(図示せず)が備えられており、当該離間機構は、追い刷り工程を経て定着装置50から排出された箔画像Sおよび可視画像が形成された画像支持体Pが当該箔転写装置70を通過するときに、箔転写ローラ73a,73bを互いに離間した状態に変更させる。
搬送手段79の巻き取りローラ72Aの回転速度は、箔転写ローラ73a,73bの圧接部における転写箔80の搬送速度が、当該圧接部における画像支持体Pの搬送速度と同じとなる速度とされる。
このような画像形成装置においては、まず、箔接着用トナー像形成部20Hにおいて、感光体11H上に帯電手段23Hより帯電され、露光手段22Hにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21Hにおいて箔接着用トナーによって現像されることにより箔接着用トナー像が形成され、一次転写ローラ13Hにより中間転写体16上に箔接着用トナー像が転写される。一方、給紙カセット41内に収容された画像支持体Pが、給紙搬送手段42により給紙され、複数の給紙ローラ44a,44b,44c,44dおよびレジストローラ46によって搬送され、二次転写ローラ13Aにおいて当該画像支持体P上に中間転写体16上の箔接着用トナー像が転写される。その後、画像支持体P上に転写された箔接着用トナー像が定着装置50において加圧および加熱により定着されて箔接着用トナー画像部Hが形成される。
・加熱温度:150〜230℃
・ニップ時間:50〜500msec
なお、ニップ時間とは、加熱加圧ローラ51,52のニップ部の搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1000から算出されるものである。
また、箔画像形成工程における加熱温度とは、画像支持体Pの箔接着用トナー像が転写された面に接触する加熱加圧ローラ51の表面温度をいう。
箔転写ローラ73a,73bの圧接部においては、図5に示されるように、箔接着用トナー画像部Hが形成された画像支持体P(図5(a))上に、搬送された転写箔80が接触して積層され(図5(b))、この状態において箔転写ローラ73a,73bにより加熱され(図5(c))、箔転写ローラ73a,73bの圧接部の通過後に自然冷却されることによって箔80cが箔接着用トナー画像部H上に接着され、転写箔80の箔80cにおける箔接着用トナー画像部Hに接触されなかった部分が剥離されることによって(図5(d))、当該箔接着用トナー画像部Hの形状と一致した形状の箔画像Sが形成される(図5(e))。
転写箔80の箔80cにおける箔接着用トナー画像部Hに接触されなかった部分は、支持体80aおよび離型層80bと共に巻き取りローラ72Aに巻き取られる。
・加熱温度:100〜180℃
・ニップ時間:50〜500msec
なお、ニップ時間とは、箔転写ローラ73a,73bの圧接部の搬送方向長さ(mm)/線速(mm/sec)×1000から算出されるものである。
また、加熱温度とは、画像支持体Pの箔接着用トナー画像部Hが形成された面に接触する箔転写ローラ73aの表面温度をいう。
箔画像Sが形成された画像支持体Pは、一度排紙ローラ47を有する排紙搬送路に一旦搬送された後、逆方向に搬送されて分岐板49により排紙搬送路より分岐させて搬送路48a,48bを経由して二次転写ローラ13Aに搬送され、可視トナー像が転写される。
具体的には、有色トナー像形成部20Y,20M,20C,20Bkにおいて、感光体11Y,11M,11C,11Bk上に帯電手段23Y,23M,23C,23Bkより帯電され、露光手段22Y,22M,22C,22Bkにより露光されることにより静電潜像が形成され、当該静電潜像が現像手段21Y,21M,21C,21Bkにおいて可視画像用トナーによって現像されることにより各色の可視トナー像が形成され、一次転写ローラ13Y,13M,13C,13Bkにより各色の可視トナー像が順次に重ね合わされて中間転写体16上に転写され、そして、二次転写ローラ13Aによって、中間転写体16上に転写された各色の可視トナー像が、箔画像Sが形成された画像支持体P上に一括して転写される。
箔画像Sが形成された画像支持体P上に転写された各色の可視トナー像は、定着装置50において加熱されながら加圧される加熱加圧処理により定着されて可視画像が形成され、その後、箔画像Sおよび可視画像が形成された画像支持体Pが、箔転写装置70の離間された状態とされた箔転写ローラ73a,73b間を通過し、さらに、排紙ローラ47によって機外に排出されて排紙トレイ60上に載置される。
追い刷り工程において、可視画像は、画像支持体P上の箔画像Sが形成されていない領域に形成してもよく、画像支持体P上の箔画像S上に形成してもよい。
なお、追い刷り工程における加熱温度とは、画像支持体Pの可視トナー像が転写された面に接触する加熱加圧ローラ51の表面温度をいう。
追い刷り工程における加熱温度およびニップ時間が上記の範囲であることにより、追い刷り工程において付与された熱によって箔80cを接着している箔接着用トナー画像部Hが変形するような流動性が生じることが確実に防止される。一方、追い刷り工程における加熱時間が過度に低い、または、ニップ時間が過度に短い場合は、可視画像に定着不良が生じるおそれがある。また、追い刷り工程における加熱時間が過度に高い、または、ニップ時間が過度に長い場合は、箔80cを接着している箔接着用トナー画像部Hが軟化、変形することにより、加圧により画像支持体Pに接着された箔80cに歪みによるスジが生じるおそれがある。
また、各色の可視トナー像を中間転写体16に転写させた後の感光体11Y,11M,11C,11Bkは、それぞれクリーニング手段25Y,25M,25C,25Bkにより当該感光体11Y,11M,11C,11Bkに残留したトナーを除去した後に、次の各色の可視トナー像の形成に供される。
一方、二次転写ローラ13Aにより画像支持体P上に箔接着用トナー像または各色の可視トナー像を転写した後の中間転写体16は、クリーニング手段12により当該中間転写体16上に残留したトナーを除去した後に、次の箔接着用トナー像または各色の可視トナー像の中間転写に供される。
(1)樹脂微粒子Aの作製
(第一段重合)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部とイオン交換水3000質量部を投入し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら温度を80℃に昇温させた。
昇温後、過硫酸カリウム(KPS)4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、液温を75℃にして、
スチレン 567質量部
n−ブチルアクリレート 165質量部
メタクリル酸 68質量部
を1時間かけて滴下した。滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌して重合反応を行うことにより、樹脂微粒子〔A1〕が分散されてなる樹脂微粒子分散液〔A1〕を調製した。樹脂微粒子〔A1〕の重量平均分子量を測定したところ、300,000であった。
次に、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器にポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム2質量部とイオン交換水1270質量部を投入し、温度を80℃に加熱した。加熱後、上記の樹脂微粒子分散液〔A1〕を固形分換算で40質量部と、
スチレン 129質量部
n−ブチルアクリレート 47質量部
メタクリル酸 15質量部
n−オクチルメルカプタン 0.5質量部
「WEP−5」(日本油脂社製) 80質量部
を80℃に加温して「WEP−5」を溶解させた単量体混合液とを添加し、循環経路を有する機械式分散装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて1時間混合分散処理することにより、乳化粒子分散液を調製し、当該乳化粒子分散液中に、過硫酸カリウム(KPS)6質量部をイオン交換水100質量部に溶解させた開始剤溶液を添加した後、80℃で1時間加熱、撹拌して重合反応を行うことにより、樹脂微粒子〔A2〕が分散されてなる樹脂微粒子分散液〔A2〕を調製した。樹脂微粒子〔A2〕の高分子量成分比率は、52面積%であった。
次に、樹脂微粒子分散液〔A2〕中に過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤を添加した後、液温を80℃にし、
スチレン 386質量部
n−ブチルアクリレート 140質量部
メタクリル酸 45質量部
n−オクチルメルカプタン 13質量部
を1時間かけて滴下した後、80℃の温度下で2時間加熱、撹拌して重合反応を行った後、28℃まで冷却することにより、樹脂微粒子〔A3〕が分散されたなる樹脂微粒子分散液〔A3〕を調製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、樹脂微粒子分散液〔A3〕450質量部(固形分換算)、イオン交換水1100質量部およびドデシル硫酸ナトリウム2質量部を投入して撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整した後、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物70質量部をイオン交換水75質量部に溶解した水溶液を撹枠の下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この系を60分間かけて85℃まで昇温させ、85℃に保持させたまま樹脂微粒子〔A3〕の凝集、融着を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて形成されている凝集粒子の粒径測定を行い、凝集粒子の体積基準メディアン径が6.7μmになったときに、塩化ナトリウム200質量部をイオン交換水860質量部に溶解させた水溶液を添加して凝集を停止させた。
凝集停止後、熟成処理として液温を98℃にして加熱撹拌を8時間行って凝集粒子の微粒子間の融着を進行させてトナー母体粒子〔A〕を形成した。熟成処理の後、液温を30℃に冷却し、塩酸を使用して液中のpHを2に調整して撹拌を停止した。
得られたトナー母体粒子〔A〕をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40(松本機械(株)製)」を用いて固液分離し、トナー母体粒子〔A〕のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで40℃のイオン交換水で洗浄した後、「フラッシュジェットドライヤ」(セイシン企業(株)製)に移し、水分量が0.5質量%になるまで乾燥処理を行うことにより、トナー母体粒子〔A〕を得た。
このトナー母体粒子〔A〕100質量部に対してヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm、疎水化度68)1.0質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径20nm、疎水化度63)0.3質量部からなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)で外添処理を行うことにより、箔接着用トナー〔A〕を作製した。
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
以上の箔接着用トナー〔A〕の温度160〜180℃の温度範囲における貯蔵弾性率G´(貯蔵弾性率G´160〜180)、軟化点および高分子量成分比率を表1に示す。
箔接着用トナーの作製例Aにおいて、樹脂微粒子Aの作製工程における第二段重合において用いられる樹脂微粒子分散液〔A1〕およびn−オクチルメルカプタンの添加量、箔接着用トナーAの作製工程において用いられる塩化マグネシウム・6水和物の添加量を表1に従って変更したことの他は同様にして、箔接着用トナー〔B〕〜〔E〕、〔G〕、〔H〕を作製した。これらの箔接着用トナー〔B〕〜〔E〕、〔G〕、〔H〕の貯蔵弾性率G´160〜180、軟化点および高分子量成分比率を表1に示す。
(1)混合工程
下記の材料を「ヘンシェルミキサ」(三井鉱山社製)により、撹拌羽の周速を25m/秒とした条件において5分間混合することにより混合物を得た。
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物:重量平均分子量20,000):95質量部
・ポリエステル樹脂(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物:重量平均分子量80,000):5質量部
・ワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート):6質量部
・荷電制御剤(ジベンジル酸ホウ素):1質量部
(2)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により110℃に加熱しながら混練して混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(3)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕して微粉末を得た。
(4)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行なうことにより、トナー母体粒子〔F〕を得た。
(5)外添工程
このトナー母体粒子〔F〕について、トナー母体粒子〔A〕と同様にして、トナー母体粒子〔F〕100質量部に対してヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm、疎水化度68)1.0質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径20nm、疎水化度63)0.3質量部からなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサ(三井三池鉱業社製)で外添処理を行うことにより、箔接着用トナー〔F〕を作製した。この箔接着用トナー〔F〕の貯蔵弾性率G´160〜180、軟化点および高分子量成分比率を表1に示す。
製造された箔接着用トナー〔A〕〜〔H〕について、シリコーン樹脂を被覆した体積基準のメジアン径60μmのフェライトキャリアを、V型混合機を用いて、前記箔接着用トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、箔接着用現像剤〔A〕〜〔H〕を調製した。
表1に従って、箔接着用トナー〔A〕〜〔H〕による箔接着用現像剤〔A〕〜〔H〕、および、可視画像用トナーとして市販のシアントナー〔C〕または市販の黒トナー〔Bk〕を用いて、図6に示す意匠の箔画像Sa,Sb,Scおよび可視画像Taを有するテスト画像が形成されたプリント〔1〕〜〔8〕を作製し、当該プリントについて評価した。箔画像Sa,Sbの線の太さは0.5mmであり、可視画像Taの文字の大きさは10.5ポイントである。
プリント物は、具体的には、図3に示す画像形成装置と同様の構成を有する市販のデジタル画像形成装置「bizhub Pro C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に箔接着用トナー像形成部を搭載した改造機を用いて形成した。
画像支持体(P)としては、市販のB4サイズの画像支持体「OKトップコート+」(王子製紙社製、坪量:157g/m2 、紙厚:131μm)を用いた。
各トナー像形成部におけるトナーの供給量を4g/m2 に設定した。
転写箔としては、(株)村田金箔製の「BL 2号金2.8」を使用した。
シアントナー〔C〕は、「bizhub C6500」に対応する市販品である。
黒トナー〔Bk〕は、「bizhub C6500」に対応する市販品である。
定着装置は、外径100mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)よりなる被覆層がこの順に配置されてなる上加熱加圧ローラと、外径80mm、厚さ10mmのアルミニウム製基体上に厚さ3mmのシリコーンゴム層が配置されてなる下加熱加圧ローラとを備え、各加熱加圧ローラの内部に、加熱源としてハロゲンランプが各々配置され、サーミスタにより温度制御されるものである。
・上加熱加圧ローラの表面温度:190℃に設定
・下加熱加圧ローラの表面温度:100℃に設定
・ニップ幅(ニップ部の搬送方向長さ):7mm
・画像支持体の搬送速度(線速):100mm/sec
・ニップ時間:70msec
・画像支持体の搬送方向:縦方向
・環境:常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)
・箔転写ローラ(上)の表面温度:150℃に設定
・箔転写ローラ(下)の表面温度:100℃に設定
・ニップ幅(ニップ部の搬送方向長さ):7mm
・画像支持体の搬送速度(線速):100mm/sec
・ニップ時間:70msec
・画像支持体の搬送方向:縦方向
・環境:常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)
・上加熱加圧ローラの表面温度:180℃に設定
・下加熱加圧ローラの表面温度:100℃に設定
・ニップ幅(ニップ部の搬送方向長さ):7mm
・ニップ時間:40msec
・画像支持体の搬送方向:縦方向
・環境:常温常湿環境(温度20℃、相対湿度50%RH)
図6に示したテスト画像の2種の箔画像Sa,Sb上にテープ「スコッチメンディングテープMP−18」(住友スリーエム社製)を貼り付けた後、手でそのテープを剥がし、テープを剥がしたときの箔画像の状態を肉眼および倍率10倍のルーペで観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、ランク3またはランク2である場合が、実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
ランク3:ルーペ観察で確認可能な微細な剥離を起こしたものはない。
ランク2:ルーペ観察で確認可能な微細な剥離を起こしたものがあるが、肉眼では問題ないレベルと判断できる。
ランク1:肉眼で剥離を確認できるものがある。
図6に示したテスト画像の箔画像Sc上に形成されたアルファベットの可視画像Ta上を、さらし布を巻いた1kgの重りを15回往復させることにより定着トナーを擦り、擦り後の画像を肉眼および倍率10倍のルーペで確認し、以下の評価基準に従って評価した。なお、ランク3またはランク2である場合が、実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
ランク3:ルーペ観察で確認可能な微細なはがれを起こしたものはない。
ランク2:ルーペ観察で確認可能な微細なはがれを起こしたものがあるが、肉眼観察では問題ないレベルと判断できる。
ランク1:肉眼観察ではがれを確認できるものがある。
図6に示したテスト画像の箔画像Scを、肉眼および倍率10倍のルーペで観察し、以下の評価基準に従って評価した。なお、ランク5またはランク4である場合が、実用上問題ないと判断される。
−評価基準−
ランク5:肉眼観察とルーペ観察の両方でスジの発生が認められない。
ランク4:肉眼観察ではスジの発生は認められず、ルーペ観察により1箇所または2箇所のスジの発生が認められる。
ランク3:肉眼観察ではスジの発生は認められず、ルーペ観察により3箇所〜5箇所のスジの発生が認められる。
ランク2:肉眼観察ではスジの発生は認められず、ルーペ観察により6箇所以上のスジの発生が認められる。
ランク1:肉眼観察で1箇所以上のスジの発生が認められる。
11H,11Y,11M,11C,11Bk 感光体
12 クリーニング手段
13H,13Y,13M,13C,13Bk 一次転写ローラ
13A 二次転写ローラ
16 中間転写体
16a〜16d 支持ローラ
20H 箔接着用トナー像形成部
20Y,20M,20C,20Bk 有色トナー像形成部
21H,21Y,21M,21C,21Bk 現像手段
22H,22Y,22M,22C,22Bk 露光手段
23H,23Y,23M,23C,23Bk 帯電手段
25H,25Y,25M,25C,25Bk クリーニング手段
41 給紙カセット
42 給紙搬送手段
44a,44b,44c,44d 給紙ローラ
46 レジストローラ
47 排紙ローラ
48a,48b,48c 搬送路
49 分岐板
50 定着装置
51,52 加熱加圧ローラ
60 排紙トレイ
70 箔転写装置
71 元巻き部
71A 元巻きローラ
72 巻き取り部
72A 巻き取りローラ
73a,73b 箔転写ローラ
79 搬送手段
80 転写箔
80a 支持体
80b 離型層
80c 箔
80d 箔層
80e 接着層
N ニップ部
P 画像支持体
H 箔接着用トナー画像部
S,Sa,Sb 箔画像
Ta,Tb,Tc 可視画像
Claims (3)
- 熱可塑性樹脂を含む結着樹脂を含有する箔接着用トナーを用いて、電子写真法によって画像支持体上に箔接着用トナー画像部を形成する工程、
前記箔接着用トナー画像部上に、箔を接触させて加熱することにより、前記箔接着用トナー画像部上に箔画像を形成する箔画像形成工程、
前記箔画像が形成された画像支持体上に、少なくとも1種の可視画像用トナーを用いて電子写真法によって可視トナー像を形成し、200℃以下で加熱しながら加圧して定着することにより、可視画像を形成する可視画像形成工程を有する画像形成方法において、
前記箔接着用トナーが、温度160〜180℃の温度範囲における貯蔵弾性率G´が、1×103 N/m2 以上5×104 N/m2 以下の範囲にあるものであることを特徴とする画像形成方法。 - 前記箔接着用トナーとしてクリアトナーを用いることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記箔接着用トナーがゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定される分子量が60,000以上の樹脂成分の含有比率が10〜30面積%である結着樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
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