JP7313882B2 - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などに用いられるトナー及びその製造方法に関する。
近年電子写真装置では、プリンターの高速化が要求されている。この要求は年々増しており、より短時間で定着させるためにトナーの低温定着性の改良が行われている。
低温定着性の改良として、一般的なトナーの主成分である非晶性の結着樹脂のガラス転移点を低下させる手法が提案されている。しかし、ガラス転移点を低下させると耐熱保存性が低下するため、低温定着性の要求を満たすような低いガラス転移点を示すトナーは、高温での輸送や長期保管での耐熱保存性が十分ではなくなってしまうという課題がある。
そこで、低温定着性と耐熱保存性を満たすことができる結着樹脂として、結晶性樹脂の検討が行われている。結晶性樹脂は、非晶性樹脂のように明確なガラス転移点を持たず、融点までは状態が変化しないという特徴を持つ。また、分子の規則的な配列が成されていることで、融点においては急激に溶融するシャープメルト性を有する。そのため、耐熱保存性と低温定着性を満たすことができるという特徴を持つ。
例えば特許文献1では、シャープメルト性が得られる改良として、長鎖のアルキル基を有する重合性単量体と、非晶性の重合性単量体を共重合した結晶性ビニル樹脂をトナーの結着樹脂に用いることが提案されている。
特許文献2では、三次元架橋した樹脂を結着樹脂に用いることによって、定着時の濃度ムラを良化させる提案がされている。
特開2014-130243号公報 特開2003-107774号公報
しかし、特許文献1のように結晶性ビニル樹脂を多量に用いてシャープメルト性を良化させたトナーは、小さな温度変化で溶融状態が大きく変わってしまう。このため、高速機において定着時の濃度ムラという画像弊害が出やすくなってしまう課題があることが分かった。これは、高速機では定着器を通過する時間がより短時間になってしまうため、トナーにかかる温度が紙の凹凸で大きく変わっているためであると考えられる。
また、高速機においては、全面ベタ画像のように多量にトナーを印字した画像で濃度が低くなるという現像性の課題もあることが分かった。これは、結晶性部位における電気抵抗の低下で電荷のリークが起こりやすくなり、トナー全体を十分に帯電できないためであると考えられる。
一方、特許文献2の方法では、濃度ムラの改良には一定の効果はあるものの、三次元架橋した樹脂を結晶性樹脂とともに用いた場合には十分ではないことが分かった。これは、溶融時に結晶性部位と不溶部位がトナー中に均一に存在しないためであると考えられる。さらに、全面ベタ画像の濃度の課題も解決できていない。
以上のように、耐熱保存性と低温定着性を改良させた上で、定着時の濃度ムラ、現像性の項目全てを満足することは非常に困難である。
本発明は、耐熱保存性と低温定着性に優れ、濃度一様性、現像性を高次元で両立することができるトナーを提供する事にある。
本発明の第一の態様は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナーの150℃における貯蔵弾性率Gt’(150)が、1.0×10Pa以上であり、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモ
ノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)を満
足することを特徴とするトナーに関する。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
また、本発明の第二の態様は、結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナーの150℃における貯蔵弾性率Gt’(150)が、1.0×10Pa以上であり、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性
単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2)を満足するこ
とを特徴とするトナーに関する。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(2)
本発明によれば、耐熱保存性と低温定着性に優れ、濃度一様性、現像性を高次元で両立したトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明において、「モノマーユニット」とは、ポリマー中のモノマー物質の反応した形態をいう。
結晶性樹脂とは、示差走査熱量計(DSC)測定において明確な吸熱ピークを示す樹脂を指す。
トナーのシャープメルト性と耐熱保存性を両立しようとした場合、トナーの結着樹脂の
主成分を結晶性樹脂にする事が効果的である。しかし、結晶性樹脂を主成分にした場合は、現像においては帯電を阻害し、定着においては均一な濡れ広がりに悪影響を与える場合がある。
そこで、低温定着性と耐熱保存性を有するトナーで、良好な現像性かつ良好な定着時の濃度一様性を高めることが重要である。ただし、これら全てを満足する事は容易ではない。当然、結晶性樹脂や低融点ワックスといった物質を多量に有すれば、シャープメルト性を促進した上で耐熱保存性を良化させる事は可能である。しかし、このような物質は電気抵抗値が低いため、電子写真システムにおいて、トナーの現像性におけるデメリットが生じる場合もある。また、シャープメルト性を促進した場合、小さな温度の違いで溶融状態に変化が生じる。
以上のような課題がある中で、本発明により、低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立した上で、現像性を両立できることを見出した。この発明により、さらなる高速機でトナーを使用でき、低温定着性とトレードオフの関係になる定着時の濃度均一性が良好になる。
本発明では、トナーの150℃における貯蔵弾性率Gt’(150)が、1.0×10Pa以上であることが必要である。
トナーが外部から溶融できるだけの熱を受けた際には、当然トナーの粘弾性は下がっていくが、高温で貯蔵弾性率が一定の値に留まることは、トナー中の不溶成分がトナー全体を一定の粘弾性に保っていることを意味すると推測される。
高温でのトナーの貯蔵弾性率が高い方が定着時の濃度ムラを良好にすることができ、150℃における貯蔵弾性率の値が、1.0×10以上である事が必要であり、2.0×10以上である事が好ましく、2.7×10以上である事がより好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは1.0×10以下であり、より好ましくは1.0×10以下である。この値は、結着樹脂の分子量、架橋密度で制御することができる。
また、本発明の第一の態様では、結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有する。そして、該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として5.0モル%~60.0モル%であり、該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。また、該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモ
ノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)の関
係を満たす。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
また、本発明の第二の態様では、結着樹脂が、第一の重合性単量体、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有する。該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。また、該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2)の関係を満たす。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(2)
ここで、SP値とは、溶解度パラメータ(soluble parameter)の略であり、溶解性の指標となる値である。算出方法については後述する。
本発明におけるSP値の単位は、(J/m0.5であるが、1(cal/cm0.5=2.045×10(J/m0.5によって(cal/cm0.5の単位に換算することができる。
本発明では、SP21-SP11の値が3.00以上25.00以下であり、5.00以上22.00以下であることが好ましく、6.00以上20.00以下であることがより好ましい。
また、第二の態様においては、SP22-SP12の値が0.60以上15.00以下であり、3.00以上12.00以下であることが好ましい。
上記を満足することで、重合体Aの結晶性が低下することなく、融点が維持される。それにより、低温定着性と耐熱保存性の両立が図られる。このメカニズムについて、以下のように推察している。
第一のモノマーユニットは、重合体Aに組み込まれ、第一のモノマーユニット同士が集合することで結晶性を発現するが、通常の場合、他のモノマーユニットが組み込まれていると結晶化を阻害するため、重合体として結晶性を発現しにくくなる。この傾向は、重合体の一分子内にて該第一のモノマーユニットと該他のモノマーユニットがランダムに結合されていると顕著になる。
一方、本発明においては、SP22-SP12が上記範囲となる重合性単量体を使用する又はSP21-SP11が上記範囲となるようなモノマーユニットで重合体Aを構成することで、重合時に第一の重合性単量体と第二の重合性単量体がランダムに結合するのではなく、ある程度連続して結合できると考えられる。それにより、重合体Aは、該第一のモノマーユニット同士が集合できるようになり、他のモノマーユニットが組み込まれていても結晶性を高めることが可能となることで、融点も維持できると考えられる。
また、SP21-SP11が上記範囲にあることで、重合体Aにおいて第一のモノマーユニットと第二のモノマーユニットが相溶することなく明確な相分離状態を形成しうると考えられ、結晶性を低下させることなく、融点が維持されると考えられる。
重合体Aは第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットを含む結晶性部位を有することが好ましい。また、重合体Aは、第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを含む非晶性部位を有することが好ましい。
SP22-SP12が0.60よりも小さいと、重合体Aの融点が低下し、耐熱保存性が低下する。また、15.00よりも大きいと、重合体Aの共重合性が劣ると考えられ、不均一化が生じ、低温定着性が低下する。
同様に、SP21-SP11が3.00よりも小さいと、重合体Aの融点が低下し、耐熱保存性が低下する。また、25.00よりも大きいと、重合体Aの共重合性が劣ると考えられ、不均一化が生じ、低温定着性が低下する。
また、第一の重合性単量体が、炭素数18~36の(好ましくは直鎖の)アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであることが重要である。第一の重合性単量体が特定の(メタ)アクリル酸エステルであることで、重合体Aが結晶性を持ち、シャープメルト性によって低温定着性が良化し、保存性も両立することが可能である。
低温定着性を良化させる観点から、第一の重合性単量体が炭素数30以下の(好ましくは直鎖の)アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。保存性を良化させる観点から、第一の重合性単量体が炭素数22以上の(好ましくは直鎖の)アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
また、第一の態様において、重合体A中の第一のモノマーユニットの含有割合が、重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であることが重要である。
また、第二の態様において、上記組成物中の第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であることが重要である。
上記第一のモノマーユニット又は第一の重合性単量体の含有割合は、10.0モル%~60.0モル%であることが好ましく、20.0モル%~40.0モル%であることがより好ましい。含有割合が、上記範囲であることで、トナー中の結晶性部分が良好なシャープメルト性を示し、低温定着性が良化する。
また、第一の態様において、重合体A中の第二のモノマーユニットの含有割合が、重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であることが重要である。第二の態様において、第二の重合性単量体の含有割合が、上記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であることが重要である。
上記第二のモノマーユニット又は第二の重合性単量体の含有割合は、40.0モル%~95.0モル%であることが好ましく、40.0モル%~70.0モル%であることがより好ましい。含有割合が、この範囲であると、重合体A中の第一のモノマーユニットの結晶化度が高くなり、低温定着性と保存性が良好になる。
重合体A中には、第一のモノマーユニット及び第二のモノマーユニット以外に、上記式(1)又は(2)のいずれの範囲に含まれない第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットを含んでもよい。このとき、第一の態様において、第三のモノマーユニットのSP値をSP31(J/cm0.5としたとき、SP31はSP11以上SP21
未満であることが好ましい。また、第二の態様において、第三の重合性単量体のSP値をSP32(J/cm0.5としたとき、SP32はSP12以上SP22未満である
ことが好ましい。上記範囲であると、重合体A中の第一のモノマーユニットの結晶化度が高くなり、保存性が良化する。
第一の重合性単量体は、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであることが重要である。
炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコサ、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドドリアコンタ等]及び炭素数18~36の分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシル等]が挙げられる。
これらの内、トナーの保存安定性の観点から、好ましくは炭素数18~36の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、より好ましいのは炭素数18~30の直鎖のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、さらに好ましいのは直鎖の(メタ)アクリル酸ステアリル及び(メタ)アクリル酸ベヘニルからなる群から選択される少なくとも一つである。
第一の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第二の重合性単量体としては、例えば以下のうち、式(1)又は式(2)を満たす重合性単量体を用いることができる。第二の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以
上を併用してもよい。
ニトリル基を有する単量体;例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
ヒドロキシ基を有する単量体;例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等。
アミド基を有する単量体;例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)を公知の方法で反応させた単量体。
ウレタン基を有する単量体:例えば、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~22のアルコール(メタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ビニルアルコール等)と、炭素数1~30のイソシアネート[モノイソシアネート化合物(ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、t-ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、2-エチルヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、アダマンチルイソシアネート、2,6-ジメチルフェニルイソシアネート、3,5-ジメチルフェニルイソシアネート及び2,6-ジプロピルフェニルイソシアネート等)、脂肪族ジイソシアネート化合物(トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等)、脂環族ジイソシアネート化合物(1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)、及び芳香族ジイソシアネート化合物(フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等)等]とを公知の方法で反応させた単量体、及び
炭素数1~26のアルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール等)と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネート[2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等]とを公知の方法で反応させた単量体等。
ウレア基を有する単量体:例えば炭素数3~22のアミン[1級アミン(ノルマルブチルアミン、t-ブチルアミン、プロピルアミン及びイソプロピルアミン等)、2級アミン
(ジノルマルエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン等)、アニリン及びシクロキシルアミン等]と、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体等。
カルボキシ基を有する単量体;例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル
酸-2-カルボキシエチル。
中でも、ニトリル基、アミド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、又はウレア基を有する単量体を使用することが好ましい。より好ましくは、ニトリル基、アミド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、及びウレア基からなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体である。
また、第二の重合性単量体として、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニルといったビニルエステル類も好ましく用いられる。
ビニルエステル類は、非共役モノマーであり、第一の重合性単量体との反応性が適度に保たれやすいため、重合体Aの結晶性を向上させやすく、低温定着性と耐熱保存性をより両立しやすくなる。
第二の重合性単量体は、エチレン性不飽和結合を有することが好ましく、エチレン性不飽和結合を一つ有することがより好ましい。
また、第二の重合性単量体が、下記式(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
Figure 0007313882000001
(式中、Xは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示す。
は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10(R10は水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、
ヒドロキシ基、
-COOR11(R11は炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のヒドロキシアルキル基)、
ウレタン基(-NHCOOR12(R12は炭素数1~4のアルキル基))、
ウレア基(-NH-C(=O)-N(R13(R13はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基))、
-COO(CHNHCOOR14(R14は炭素数1~4のアルキル基)、又は
-COO(CH-NH-C(=O)-N(R15(R15はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基)
である。
好ましくは、Rは、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR10(R10は水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、
ヒドロキシ基、
-COOR11(R11は炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のヒドロキシアルキル基)、
ウレア基(-NH-C(=O)-N(R13(R13はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基))、
-COO(CHNHCOOR14(R14は炭素数1~4のアルキル基)、又は
-COO(CH-NH-C(=O)-N(R15(R15はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6(好ましくは1~4)のアルキル基)
である。
は、炭素数1~4のアルキル基であり、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。)
本発明におけるモノマーユニットとは、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。
ビニル系モノマーとは下記式(A)で示すことができる。
Figure 0007313882000002

[式(A)中、R1は、水素原子、又はアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル
基であり、より好ましくはメチル基)を表し、R2は、任意の置換基を表す。]
なお、本発明において重合体A中に上記第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが複数種類存在する場合、式(1)におけるSP11の値はそれぞれのモノマーユニットのSP値を加重平均した値とする。例えば、SP値がSP111のモノマーユニットAを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準としてAモル%含み、SP値がSP112のモノマーユニットBを第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準として(100-A)モル%含む場合のSP値(SP11)は、
SP11=(SP111×A+SP112×(100-A))/100
である。第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。一方、SP12も同様に、それぞれの第一の重合性単量体のモル比率で算出した平均値を表す。
また、本発明において第二のモノマーユニットは、上記方法で算出したSP11に対して式(1)を満たすSP21を満たすモノマーユニット全てが該当する。同様に、第二の重合性単量体は、上記方法で算出したSP12に対して式(2)を満たすSP22を有する重合性単量体全てが該当する。
すなわち、該第二の重合性単量体が2種類以上の重合性単量体である場合、SP21はそれぞれの重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値を表し、SP21-SP11はそれぞれの第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットに対して決定される。同様に、SP22はそれぞれの重合性単量体のSP値を表し、SP22-SP12はそれぞれの第二の重合性単量体に対して決定される。
重合体Aは、第一のモノマーユニット、第二のモノマーユニットのモル比率の範囲を逸脱しない形で、上記式(1)又は(2)の範囲に含まれない(すなわち、第一の重合性単量体、及び第二の重合性単量体とは異なる)第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットを含んでいてもよい。
第三の重合性単量体は、例えば、スチレン、o-メチルスチレン等のスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。
第三の重合性単量体は、トナーの保存性を良化させるため、スチレン、メタクリル酸メ
チル及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
重合体Aは、ビニル重合体であることが好ましい。ビニル重合体は、例えば、エチレン性不飽和結合を含むモノマーの重合体が挙げられる。エチレン性不飽和結合とは、ラジカル重合することが可能な炭素-炭素二重結合を指し、例えば、ビニル基、プロペニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
また、重合体A中の第一のモノマーユニットは、結着樹脂中の全モノマーユニットを基準として、7モル%以上含有されることが好ましく、15モル%以上含有されることがより好ましい。上限は特に制限されないが、80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましい。重合体A中の第一のモノマーユニットが、結着樹脂中にこの割合で存在すると、シャープメルト性が良化するため、低温定着性が良好になる。
重合体Aの酸価は、30.0mgKOH/g以下であることが好ましく、20.0mgKOH/g以下であることがより好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは0mgKOH/g以上である。酸価が30.0mgKOH/g以下であると、重合体Aの結晶化を阻害しにくく、融点が良好に保たれる。
また、重合体Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されるテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量(Mw)が、8000以上200000以下であることが好ましく、12000以上100000以下であることがより好ましい。Mwが上記範囲内であることで、トナーの室温付近での脆性が良好になる。
また、重合体Aの融点は、50℃以上80℃以下であることが好ましく、53℃以上70℃以下であることがより好ましい。重合体Aの融点が上記範囲であると、耐熱保存性と低温定着性が良好になる。
トナー粒子に含まれる結着樹脂は、重合体Aとは異なる重合体Bを含有することが好ましい。
重合体Bとしては、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙げられる。特に、高温での粘弾性を制御する目的から、架橋密度を制御しやすいビニル系樹脂、ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。また、トナー中に重合体Bを良好に分散性させるという観点から、重合体Aの非晶部分のSP値に近いポリエステル樹脂を含有することが特に好ましい。
耐熱保存性の観点で、重合体Bのガラス転移点(Tg)が、55℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましく、65℃以上であることがさらに好ましい。また、重合体Aの低温定着性を阻害しないという観点で、ガラス転移点(Tg)が90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂中の重合体Aの含有量は、40質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~90質量%であることがより好ましい。
結着樹脂中の重合体Bの含有量は、0質量%~60質量%であることが好ましく、10質量%~50質量%であることがより好ましい。
ビニル系樹脂に使用可能な重合性単量体は、上述した第一の重合性単量体、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に使用可能な重合性単量体等が挙げられる。必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合体Bにビニル系樹脂を用いる場合には、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有することが好ましい。この場合に用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
芳香族ジビニル化合物(ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン);アルキル鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類(エチレングリコールジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,5-ペンタンジオールアクリレート、1,6-へキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの);エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類(例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレー卜をメタクリレートに代えたもの);芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジアクリレート化合物類[ポリオキシエチレン(2)-2,2-ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)-2,2-ビス(4ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの];ポリエステル型ジアクリレート化合物類。
多官能の架橋剤としては、以下のものが挙げられる。ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテート。
これらの架橋剤は、架橋剤以外のモノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10.00質量部以下、より好ましくは0.03質量部以上5.00質量部以下用いることができる。
これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
また、重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有することが好ましい。重合体Bがポリエステル樹脂を含有すると、初期の現像性が良好になる。
これは、重合体BのSP値が重合体Aの第二のモノマーユニットのSP値と近いために、重合体Aと重合体Bが近傍に存在するため、重合体A同士の凝集部分が少なくなり、電荷のリークが抑えられるためであると筆者らは考えている。
多価カルボン酸としては例えば以下の化合物が挙げられる。琥珀酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、ドデセニルコハク酸のような二塩基酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル、並びに、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びシトラコン酸のような脂肪族不飽和ジカルボン酸。1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、及びこれらの無水物又はこれらの低級アルキルエステル。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、以下の化合物を挙げることができる。
アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール及び1,3-プロピレングリコール);アルキレンエーテルグリコール(ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール);ビスフェノール類(ビスフェノールA);脂環式ジオール又はビルフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)付加物。
アルキレングリコール及びアルキレンエーテルグリコールのアルキル部分は直鎖状であっても、分岐していてもよい。さらに、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びペンタエリスリトール等。これらは1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
なお、酸価や水酸基価の調整を目的として、必要に応じて酢酸及び安息香酸のような1価の酸、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールのような1価のアルコールも使用することができる。
また、第一の態様において、重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有し、多価カルボン酸由来のモノマーユニットのSP値をSP41(J/cm0.5としたとき、下記式(3)を満たすことが好ましく、式(3)’を満たすことがより好ましい。
0.0≦|(SP41-SP21)|≦6.5 ・・・(3)
0.0≦|(SP41-SP21)|≦5.5 ・・・(3)’
第二の態様において、重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有し、該多価カルボン酸のSP値をSP42(J/cm0.5としたとき、下記式(4)を満たすことが好ま
しく、式(4)’を満たすことがより好ましい。
0.0≦|(SP42-SP22)|≦6.0 ・・・(4)
0.0≦|(SP42-SP22)|≦5.0 ・・・(4)’
SP値差が上記範囲であると、重合体Bが重合体Aの第二のモノマーユニットと近い親水性であることを示し、重合体Aと重合体Bがより近傍に存在しやすくなると考えられる。これにより、重合体Aの第一のモノマーユニット同士の凝集部分が少なくなり、電荷のリークが抑えられると筆者らは考えている。
重合体Bのポリエステル樹脂を三次元的に架橋させるために架橋剤を用いてもよい。架橋剤は、特に制限されるものではなく、3価以上の多価カルボン酸、3価以上の多価アルコール、又はこれらの誘導体であることが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、ソルビトール、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセロール、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシベンゼンが挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8-オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物が挙げられる。
これらの中でも、架橋剤としてはより反応性が高く、均一な架橋構造が形成され易い点で、トリメリット酸及び/又はトリメリット酸無水物を用いることが好ましい。
また、結着樹脂は、テトラヒドロフラン不溶分を5質量%以上含むことが好ましく、10質量%以上含むことがより好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは、40質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下である。
結着樹脂中のTHF不溶分の含有量が上記範囲であることで、定着時の濃度ムラを良化させることができる。これは、トナー粒子全体に不溶分が存在できるため、高温時にトナーの粘弾性を一定以上に保つことができるためであると考えられる。THF不溶分の量は、重合体Bの架橋密度で制御することができる。
また、トナーのテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布測定において、重量平均分子量が、30000以上であることが好ましく、40000以上であることがより好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは、200000以下であり、より好ましくは100000以下である。
分子量がこの範囲であると、重合体A中の第一のモノマーユニットが重合体Bに相溶しにくくなり、加熱時にトナー全体が均一に溶融するため、定着ムラが良好になる。
また、トナーのテトラヒドロフラン可溶分の粘弾性測定において、50℃における貯蔵弾性率Gk’(50)が、下記式(5)を満たすことが好ましい。
Gk’(50)≧ 1.0×10Pa ・・・(5)
Gk’(50)は、1.5×10Pa以上であることがより好ましく、2.0×10Pa以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、好ましくは、1.0×1010Pa以下であり、より好ましくは1.0×10Pa以下である。
Gk’(50)がこの範囲であると、トナーの融点やガラス転移点が十分となり、保存性が良好になる。Gk’(50)は、結着樹脂の分子量で制御することができる。
また、トナーのテトラヒドロフラン可溶分の粘弾性測定において、100℃における貯蔵弾性率Gk’(100)が、下記式(6)を満たすことが好ましい。
Gk’(100)≦1.0×10Pa ・・・(6)
Gk’(100)は、0.9×10以下であることがより好ましく、0.8×10以下であることがさらに好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは、1.0×10Pa以上であり、より好ましくは1.0×10Pa以上である。
Gk’(100)がこの範囲であると、シャープメルト性に優れるため、低温定着性が良好になる。Gk’(100)は、重合体A中の第一のモノマーユニットの量などによって制御することができる。
また、トナーのテトラヒドロフラン不溶分のDSC測定において、吸熱量が4.0J/g以下であることが好ましく、3.5J/g以下であることがより好ましく、2.0J/g以下であることがさらに好ましい。下限は特に制限されないが、好ましくは0J/g以上である。該吸熱量は低い方が好ましい。該吸熱量は、重合体Aの架橋密度により制御できる。
THF不溶分の吸熱量が上記の範囲であることで、現像性が良好になる。これは、重合体A中の第一のモノマーユニットが重合体Bに相溶しにくくなり、帯電性が均一な状態で保たれるためであると考えられる。また、THF不溶分が可塑されなくなるため、定着時の画像ムラも小さくなる。
トナー粒子に用いられる結着樹脂以外の材料について具体的に記載する。
トナーには磁性酸化鉄粒子を含有させ磁性トナーとしても使用してもよい。この場合、磁性酸化鉄粒子は着色剤の役割をかねることもできる。
磁性酸化鉄粒子としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトのような酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ビスマス、カルシウム、マンガン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金及びその混合物が挙げられる。
これらの磁性酸化鉄粒子は平均粒子径が2μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.05μm以上0.5μm以下である。トナー中の含有量は結着樹脂100質量部に対し20質量部以上200質量部以下であることが好ましく、40質量部以上150質量部以下であることがより好ましい。
トナーには着色剤を用いてもよい。着色剤の例を以下に挙げる。
黒色着色剤としては、例えば、カーボンブラック、グラフト化カーボンや以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用可能である。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー中への分散性の点から選択される。着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、好ましくは1質量部以上20質量部以下である。
トナーは、定着時の離型性を付与するために、ワックスを含有してもよい。ワックスとしては、例えばポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス、エステルワックス等が挙げられる。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して1.0質量部~30.0質量部であることが好ましい。
トナーには、その摩擦帯電性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金属塩による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ-4-ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体;ホスホニウム塩のようなオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、例えば粉砕法や、乳化重合法、懸濁重合法及び溶解懸濁法などのいわゆる重合法を用いることができる。
高温での粘弾性を保つことで、定着時の濃度ムラを少なくするという観点から、トナー全体に高温での不溶成分を分散できるようにするため、粉砕法であることが好ましい。すなわち、トナーが粉砕トナーであることが好ましい。また、トナーの製造方法は、重合体Aを溶融混練する工程を含むことが好ましい。
粉砕法では、まず、トナー粒子を構成する重合体A、並びに必要に応じて、重合体B、着色剤、ワックス、及び電荷制御剤などの添加剤を、ヘンシェルミキサ、ボールミル等の混合機により充分に混合する(混合工程)。次いで、得られた混合物を二軸混練押出機、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機を用いて溶融混練する(溶融混練工程)。溶融混練物を冷却固化後、粉砕し(粉砕工程)、必要に応じて分級などを行う。これによって、トナー粒子を得られる。
上記混合工程の前に、重合体A及びBを溶融混練しながら架橋剤を添加し、これらを架橋する工程を行うことも好ましい。これにより、結着樹脂の一部が高温で不溶となるため、高温時の粘弾性を上昇させることが可能である。
トナー粒子はそのままトナーとして用いてもよい。必要に応じ公知の外添剤をヘンシェルミキサのような混合機により充分混合し、トナーを得てもよい。
本発明のトナー及びトナー材料の各種物性についての算出方法、測定方法の一例を以下に記す。
<重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定方法>
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
得られたH-NMRチャートより、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。同様に、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
さらに、第三の重合性単量体を使用している場合は、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークから、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値Sを算出する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S、S、及びSを用いて、以下のようにして求める。なお、n、n2、はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
同様に、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの割合は以下のように求める。
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの割合(モル%)=
{(S/n)/((S/n)+(S/n)+(S/n))}×100
なお、重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、H-NMRにて同様にして算出する。
また、トナーが懸濁重合法によって製造される場合、ワックスやその他の樹脂のピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの割合が算出できない場合が生じる。その場合、離型剤やその他の樹脂を使用しないで同様の懸濁重合を行うことで、重合体A’を製造し、重合体A’を重合体Aとみなして分析することができる。
<貯蔵弾性率の測定方法>
測定装置としては、回転平板型レオメータ「ARES」(TA INSTRUMENT
S社製)を用いる。
測定試料としては、25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、トナーを直径8.0mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
試料をパラレルプレートに装着し、室温(25℃)から55℃に15分間で昇温して、試料の形を整えた後、粘弾性の測定開始温度まで冷却し、測定を開始する。この際、初期のノーマルフォースが0になるようにサンプルをセットすることが、重要である。また、以下に述べるように、その後の測定においては、自動テンション調整(Auto Ten
sion Adjustment ON)にすることで、ノーマルフォースの影響をキャンセルできる。
測定は、以下の条件で行う。
(1) 直径7.9mmのパラレルプレートを用いる。
(2) 周波数(Frequency)は6.28rad/sec(1.0Hz)とする

(3) 印加歪初期値(Strain)を0.1%に設定する。
(4) 30℃から200℃の間を、昇温速度(Ramp Rate)2.0℃/minで測定を行う。なお、測定においては、以下の自動調整モードの設定条件で行う。自動歪み調整モード(Auto Strain)で測定を行う。
(5) 最大歪(Max Applied Strain)を20.0%に設定する。
(6) 最大トルク(Max Allowed Torque)200.0g・cmとし、
最低トルク(Min Allowed Torque)0.2g・cmと設定する。
(7) 歪み調整(Strain Adjustment)を 20.0% of Curr
ent Strain と設定する。測定においては、自動テンション調整モード(Auto Tension)を採用する。
(8) 自動テンションディレクション(Auto Tension Direction
)をコンプレッション(Compression)と設定する。
(9) 初期スタティックフォース(Initial Static Force)を10
.0g、自動テンションセンシティビティ(Auto Tension Sensitivity)を40.0gと設定する。
(10) 自動テンション(Auto Tension)の作動条件は、サンプルモデュラス(Sample Modulus)が1.0×10Pa以上である。
また、トナーのTHF可溶分を試料として用いる場合は、以下の方法により、サンプルを調製する。
貯蔵弾性率を測定するトナー1.5gを精秤し、円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、抽出されたTHF溶液からTHFをエバポレーターにより取り除いた後、40℃で8時間真空乾燥し、THF可溶分を採取する。25℃の環境下で、錠剤成型器を用いて、採取したTHF可溶分を直径8.0mm、厚さ2.0±0.3mmの円板状に加圧成型した試料を用いる。
<SP値の算出方法>
SP12、SP22、SP32及びSP42は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求めた。
それぞれの重合性単量体について、分子構造中の原子又は原子団に対して、「polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm/mol)を求め、(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5をSP値(J/cm0.5とする

なお、SP11、SP21SP31及びSP41は、該重合性単量体の二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造の原子又は原子団に対して、上記と同様の算出方法によって算出する。
<ガラス転移点Tgの測定方法>
ガラス転移点Tgは、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲-10~200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて-10℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30℃~100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、ガラス転移点Tgとする。
<重量平均分子量Mwの測定(トナーのTHF可溶分の分子量分布測定)>
重合体AのTHF可溶分の分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
・装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
・カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0ml/min
・オーブン温度:40.0℃
・試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<融点の測定方法>
重合体A及び離型剤などの融点は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料約5mgを精秤し、アルミ製のパンの中に入れ、示差走査熱量測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。
1回目の昇温過程における最大吸熱ピークのピーク温度を、融点とする。
なお、最大吸熱ピークとは、ピークが複数あった場合に、吸熱量が最大となるピークの
ことである。
<テトラヒドロフラン(THF)不溶分の測定方法>
THF不溶分を測定するトナー1.5g(樹脂単体のTHF不溶分を測定する場合は0.7g)を精秤(Wg)し、予め精秤した円筒濾紙(商品名:No.86R、サイズ28×100mm、アドバンテック東洋社製)に入れてソックスレー抽出器にセットする。
溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)200mLを用いて18時間抽出し、その際に溶媒の抽出サイクルが約5分に一回になるような還流速度で抽出を行う。
抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾した後、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を含む円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量を差し引くことにより、抽出残分の質量(Wg)を算出する。
次に、樹脂成分以外の成分の含有量(Wg)を以下の手順で求める(樹脂単体のTHF不溶分を測定する場合はWを0gとする)。
予め秤量した30mLの磁性るつぼに約2gのトナーを精秤(Wg)する。
磁性るつぼを電気炉に入れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷し、焼却残灰分を含むるつぼの質量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことにより焼却残灰分(Wg)を算出する。
そして、下記式(A)により、試料W1g中の焼却残灰分の質量(Wg)を算出する。
=W×(W/W)・・・(A)
この場合、THF不溶分は、下記式(B)で求められる。
THF不溶分(質量%)={(W-W)/(W-W)}×100・・・(B)
<トナーのテトラヒドロフラン不溶分の吸熱量の測定>
トナーのテトラヒドロフラン不溶分の吸熱量は、DSC Q1000(TA Instruments社製)を使用して以下の条件にて測定を行う。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:20℃
測定終了温度:180℃
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、THF不溶分の測定方法に記載の抽出残分約5mgを精秤し、アルミ製のパンの中に入れ、示差走査熱量測定を行う。リファレンスとしては銀製の空パンを用いる。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて10℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この昇温過程で得られるDSC曲線において、温度10~200℃の範囲における最大の吸熱ピークのピークトップの温度を求める。また、吸熱ピークの吸熱量(ΔH)は、上記吸熱ピークの積分値である。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに制約されるものではない。実施例中で使用する部は特に断りのない限り質量基準である。
<重合体A1の製造例>
・還流冷却管、撹拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、下記材料を投入した。
・溶媒 トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル・メタクリロニトリル・スチレンを以下に示す割合で混合したものとする)
・アクリル酸ベヘニル(第一の重合性単量体) 67.0部(28.9モル%)
・メタクリロニトリル(第二の重合性単量体) 22.0部(53.8モル%)
・スチレン(第三の重合性単量体) 11.0部(17.3モル%)
・t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV) 3.0部
上記反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、更にメタノールで洗浄後、40℃で24時間真空乾燥して重合体A1を得た。重合体A1の重量平均分子量は20100、酸価は0.0mgKOH/g、融点は62℃であった。
上記重合体A1をNMRで分析したところ、アクリル酸ベヘニル由来のモノマーユニットが28.9モル%、メタクリロニトリル由来のモノマーユニットが53.8モル%、スチレン由来のモノマーユニットが17.3モル%含まれていた。
<ウレタン基を有する単量体の調製>
メタノール50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、40℃にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート](昭和電工株式会社)5.0部を滴下した。滴下終了後、40℃を維持しながら2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のメタノールを除去することで、ウレタン基を有する単量体を調製した。
<ウレア基を有する単量体の調製>
ジブチルアミン50.0部を反応容器に仕込んだ。その後、撹拌下、室温にてカレンズMOI[2-イソシアナトエチルメタクリレート]5.0部を滴下した。滴下終了後、2時間撹拌を行った。その後、エバポレーターにて未反応のジブチルアミンを除去することで、ウレア基を有する単量体を調製した。
<重合体A2~A25の製造例>
重合体A1の製造例からモノマー処方を表1のように変更し、重合体A2~A25を得た。重合体A1~A25の物性を表2に示す。
Figure 0007313882000003

表1,2中の略号は以下の通り。
HPMA:メタクリル酸2ヒドロキシプロピル
UT:ウレタン基を有する単量体
UR:ウレア基を有する単量体
Figure 0007313882000004
<重合体B1の製造例>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.0mol付加)
30.0部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.0mol付加)
15.0部
・テレフタル酸 33.0部
・アジピン酸 15.0部
・トリメリット酸 7.0部
上記ポリエステルモノマー混合物を5リットルオートクレーブに仕込み、ポリエステルモノマー混合物総量に対して、0.05質量%のテトライソブチルチタネートを添加した。還流冷却器、水分分離装置、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を付し、オートクレーブ内に窒素ガスを導入しながら230℃で重縮合反応を行った。表4に記載の分子量になるように反応時間を調整した。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して重合体B1を得た。得られた重合体B1は、重量平均分子量Mw45000、Tg62℃であった。
<重合体B2~B5の製造例>
重合体B1の製造例からモノマー処方を表3のように変更し、重合体B2~B5を得た。重合体B2~B5の物性を表4に示す。
Figure 0007313882000005
Figure 0007313882000006
<重合体B6の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.0モル付加物)30.0部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.0モル付加物)28.0部
・テレフタル酸 30.0部
・無水トリメリット酸 7.0部
・アクリル酸 5.0部
上記ポリエステルモノマーを4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌した。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:60.0部、アクリル酸-2-エチルヘキシル:40.0部)40部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、表4に記載の分子量となるように反応時間を調節した。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して重合体B6を得た。得られた重合体B6の物性を表4に示す。
<重合体B7の製造例>
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(2.0モル付加物) 30.0部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(2.0モル付加物)28.0部
・テレフタル酸 30.0部
・無水トリメリット酸 7.0部
・アクリル酸 5.0部
上記ポリエステルモノマーを4口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着して窒素雰囲気下にて160℃で攪拌した。そこに、ビニル重合体部位を構成するビニル系重合モノマー(スチレン:60.0部、ア
クリル酸-2-エチルヘキシル:40.0部)40部と重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2.0部を混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。その後、160℃で5時間反応した後、230℃に昇温してテトライソブチルチタネートを0.05質量%添加し、表4に記載の分子量となるように反応時間を調節した。反応終了後容器から取り出し、冷却、粉砕して重合体B7を得た。得られた重合体B7の物性を表4に示す。
<重合体B8の製造例>
四つ口フラスコ内にキシレン300部を投入し、攪拌しながら容器内を充分に窒素で置換した後、昇温して還流させる。
・スチレン 78.0部
・n-ブチルアクリレート 21.0部
・ジビニルベンゼン 1.0部
この還流下で、上記の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持し重合を完了し、重合体B8の溶液を得た。この溶液の有機溶剤を留去し、得られた樹脂を冷却、固化後粉砕し重合体B8を得た。得られた重合体B8の物性を表4に示す。
<重合体A26の製造例>
・重合体A1: 70.0部
・重合体B1: 30.0部
上記材料をFMミキサー(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))に10kg/時で供給した。これと同時に、t-ブチルパーオキシピバレート(日油社製:パーブチルPV)を0.20kg/時で供給して架橋反応を行った。得られた樹脂を冷却、固化後粉砕し重合体A26を得た。
<重合体A27の製造例>
重合体26の製造例の重合体A1を重合体A5に変更し、重合体A27を得た。
<重合体A28の製造例>
重合体26の製造例の重合体A1を重合体A6に変更し、重合体A28を得た。
<トナー粒子1の製造例>
・重合体A1: 60.0部
・重合体B1: 40.0部
・球状磁性酸化鉄粒子(一次粒子の個数平均粒径0.20μm、Hc=6.0kA/m、σs=85.2Am/kg、σr=6.5Am/kg): 95.0部
・C105(サゾール社製): 4.0部
・T-77(保土谷化学工業社製): 2.0部
上記材料をFMミキサー(日本コークス工業(株)製)で前混合した後、二軸混練押し出し機(池貝鉄工(株)製PCM-30型))によって、溶融混練した。
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業(株)製T-250)で粉砕し、得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)7.5μmの負帯電性のトナー粒子1を得た。
<トナー1の製造例>
・トナー粒子1: 100部
・疎水性シリカ微粉体(一次粒子の個数平均粒子径:10nm、原体シリカのBET比表面積200m/g) 1部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で外添混合しトナー1を得た。
トナー1の物性は表5に示す。
<トナー2~32の製造例>
トナー粒子1の製造例から用いる材料を表6のように変更し、トナー粒子2~32を得た。さらに、トナー1の製造例において、用いるトナー粒子を変更した以外は、同様にして、トナー2~32を得た。
Figure 0007313882000007
Figure 0007313882000008

表中の材料の数値は部数を表す。
<比較トナー1~7の製造例>
トナー粒子1の製造例から用いる材料を表6のように変更し、比較トナー粒子1~7を得た。さらに、トナー1の製造例において、用いるトナー粒子を変更した以外は同様にして、比較トナー1~7を得た。
<実施例1>
本実施例で用いる評価機は、市販の磁性一成分方式のプリンターHP LaserJet Enterprise M609dn(ヒューレットパッカード社製:プロセススピード420mm/s)である。これを用いて、トナー1を用いた下記の評価を実施した。また、評価紙はVitality(Xerox社製、坪量75g/cm、レターサイズ)
を用いた。評価結果を表7に示す。
<実施例2~32>
トナー2~32を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。なおトナー23は、非磁性トナーのため、市販のカラーレーザープリンタColor Laser Jet
CP4525(HP社製)を用いた。評価結果を表7に示す。
<比較例1~7>
比較トナー1~7を用いる以外は実施例1と同様にして評価を行った。比較例1~7の評価結果を表7に示す。
<低温定着性の評価>
低温定着性の評価について、上記改造評価機の定着器を外部に取り出し、定着器の温度を任意に設定可能にし、プロセススピードを520mm/secとなるように改造した外部定着器を用いた。この装置を用いて、120℃以上180℃以下の範囲で5℃おきに温調制御を行い、画像濃度が0.60以上0.65以下となるようにハーフトーン画像を出力した。得られた画像を4.9kPaの荷重をかけたシルボン紙で5往復摺擦し、摺擦前後の画像濃度の濃度低下率を測定した。
定着器の設定温度横軸に、濃度低下率を縦軸にして座標平面にプロットし、全てのプロットを直線で繋ぎ、濃度低下率10%の時の定着器の設定温度をトナーの定着開始温度とし、下記の基準により低温定着性を評価した。定着開始温度が低いトナーは低温定着性が良いことを示す。低温定着性の評価はトナーの熱定着に対し不利な条件である低温低湿環境下(7.5℃/15%RH)で行った。C以上を良好と判断した。
・評価基準
・A:定着開始温度が145℃未満
・B:定着開始温度が145℃以上150℃未満
・C:定着開始温度が150℃以上155℃未満
・D:定着開始温度が155℃以上
<画像ムラの評価>
常温常湿環境下(23℃,60%RH)において、全ベタ画像をサンプル画像として100枚連続で出力したうちの最後の5枚を得た。得られた全ベタ画像濃度全体から均等に9点を選択し、反射濃度計であるマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、反射濃度を測定した。9点の最大と最小の値からその差を算出し、この差の5枚平均から定着時の画像ムラの評価を行った。C以上を良好と判断した。
・評価基準
・A:0.04未満
・B:0.04以上0.06未満
・C:0.06以上0.08未満
・D:0.08以上
<初期現像性の評価>
常温常湿環境下(23℃,60%RH)において、全ベタ画像をサンプル画像として5枚連続で出力した。得られた全ベタ画像の中心1点の反射濃度を、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して測定し、5枚の平均濃度から初期現像性の評価を行った。C以上を良好と判断した。
・評価基準
・A:1.25以上
・B:1.15以上1.25未満
・C:1.05以上1.15未満
・D:1.05未満
<保存性の評価>
トナー10gを50mLの樹脂製カップに計りとり、50℃から2℃刻みの6台の恒温槽にそれぞれ3日間放置した。放置後のトナーを目視で観察し、カップを回すうちに塊が小さくなってほぐれてくる上限の温度で保存性の評価を行った。C以上を良好と判断した。
・評価基準
・A:58℃以上
・B:54℃以上58℃未満
・C:50℃以上54℃未満
・D:50℃未満
Figure 0007313882000009

Claims (13)

  1. 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該トナーの150℃における貯蔵弾性率Gt’(150)が、1.0×10Pa以上であり、
    該結着樹脂が、ビニル重合体である重合体Aを含有し、
    該重合体Aが、
    ビニル系モノマーである第一の重合性単量体に由来し、ビニル系モノマーが重合した重合体の主鎖中の、第一の重合性単量体が反応した形態である、第一のモノマーユニット、及び
    該第一の重合性単量体とは異なるビニル系モノマーである第二の重合性単量体に由来し、ビニル系モノマーが重合した重合体の主鎖中の、第二の重合性単量体が反応した形態である、第二のモノマーユニット
    を有し、
    該結着樹脂中の該重合体Aの含有量が、40質量%~100質量%であり、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
    該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
    該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモ
    ノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)を満
    足することを特徴とするトナー。
    3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
  2. 結着樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該トナーの150℃における貯蔵弾性率Gt’(150)が、1.0×10Pa以上であり、
    該結着樹脂が、ビニル重合体である重合体Aを含有し、
    該重合体Aが、
    ビニル系モノマーである第一の重合性単量体、及び
    該第一の重合性単量体とは異なるビニル系モノマーである第二の重合性単量体
    を含有する組成物の重合体であり、
    該結着樹脂中の該重合体Aの含有量が、40質量%~100質量%であり、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
    該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
    該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性
    単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(2)を満足するこ
    とを特徴とするトナー。
    0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(2)
  3. 前記結着樹脂中の前記重合体Aの含有量が、50質量%~100質量%である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記結着樹脂中の前記重合体Aの含有量が、40質量%~90質量%であり、
    前記結着樹脂が前記重合体Aとは異なる重合体Bを含有し、
    該重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有する請求項1又は2に記載のトナー。
  5. 前記結着樹脂中の前記重合体Aの含有量が、40質量%~90質量%であり、
    前記結着樹脂が前記重合体Aとは異なる重合体Bを含有し、
    該重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有し、
    該多価カルボン酸由来のモノマーユニットのSP値をSP41(J/cm0.5
    したとき、下記式(3)を満たす請求項1に記載のトナー。
    0.0≦|(SP41-SP21)|≦6.5 ・・・(3)
  6. 前記結着樹脂中の前記重合体Aの含有量が、40質量%~90質量%であり、
    前記結着樹脂が前記重合体Aとは異なる重合体Bを含有し、
    該重合体Bは、多価アルコール由来のモノマーユニット及び多価カルボン酸由来のモノマーユニットを有するポリエステル樹脂を含有し、
    該多価カルボン酸のSP値をSP42(J/cm0.5としたとき、下記式(4)
    を満たす請求項2に記載のトナー。
    0.0≦|(SP42-SP22)|≦5.0 ・・・(4)
  7. 前記第二の重合性単量体が、下記式(A)及び(B)からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 0007313882000010
    (式(A)中、Xは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
    は、
    C≡N、
    C(=O)NHR10(R10は水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基)、
    ヒドロキシ基、
    -COOR11(R11は炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のヒドロキシアルキル基)、
    NH-C(=O)-N(R13(R13はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)、
    -COO(CHNHCOOR14(R14は炭素数1~4のアルキル基)、又は
    -COO(CH-NH-C(=O)-N(R15(R15はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)
    であり、
    は、水素原子又はメチル基である。)
    Figure 0007313882000011

    (式(B)中、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、
    は、式(A)におけるRと同義である。)
  8. 前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の分子量分布測定において、重量平均分子量が、30000以上である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記重合体Aが、前記第一の重合性単量体、及び前記第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体に由来する第三のモノマーユニットを有し、
    該第三の重合性単量体が、スチレン、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の粘弾性測定において、50℃における貯蔵弾性率Gk’(50)及び100℃における貯蔵弾性率Gk’(100)が、下記式(5)及び(6)を満足する請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
    Gk’(50)≧1.0×10Pa ・・・(5)
    Gk’(100)≦1.0×10Pa ・・・(6)
  11. 前記トナーのテトラヒドロフラン不溶分のDSC測定において、吸熱量が4.0J/g以下である請求項1~10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 粉砕トナーである請求項1~11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載のトナーの製造方法であって、
    前記重合体Aを溶融混練する工程を含むトナーの製造方法。
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