JP2015055734A - 透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、ガラス転移点が63.0℃以上66.0℃以下、1/2法による軟化点を示す溶融温度が94.3℃以上97.0℃以下であることを特徴とする透明現像剤である。
【選択図】 図1
Description
以下では、本発明の透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置の主たる実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態は、溶解懸濁法により作製された透明現像剤(以下、透明トナーともいう)を用いるタンデム方式の画像形成装置に本発明を適用する場合を例示する。なお、この実施形態では、画像形成装置がプリンタの場合を想定して説明するが、画像形成装置はプリンタに限定されるものではなく、複写機、ファクシミリ機器等に広く適用できる。
図1は、この実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す内部構成図である。なお、図1に示す画像形成装置1は、両面印刷対応のものであり、かつ、2種類の記録媒体のうちいずれの記録媒体に画像形成を行うものを例示している。しかし、画像形成装置1は、片面印刷対応の画像形成装置としても良いし、又、1種類の記録媒体に画像形成を行うものとしても良い。
図2は、実施形態に係る現像装置100の内部構成を示す断面図である。図2では、画像形成ユニット6T、6Y、6M、6C及び6Kのうち、これらを代表して透明(T)のトナーを使用する画像形成ユニット6Tの現像装置100の構成を例示している。
次に、実施形態に係る画像形成装置1の画像形成プロセスを説明する。ここでは、まず現像プロセスを説明する。
次に、この実施形態に係る透明トナーについて、図面を参照しながら説明する。
結着樹脂は、特に制限されないが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類などの単量体からなる単独重合体が挙げられる。また、結着樹脂は、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体、さらにはこれらの混合物が挙げられる。さらに、結着樹脂は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合樹脂、又は、これらと前記ビニル樹脂との混合物や、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。
油相を作製する際に用いる有機溶媒は、一般的な有機溶媒を用いることができる。有機溶媒は、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類がある。また、有機溶媒は、例えばトルエン、キシレン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、メタノール、エタノール等のアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類などが挙げられる。有機溶媒は、2種類以上のものを混合して用いてもよい。
離型剤は、トナーの定着性及び耐オフセット性を向上させるためのものである。離型剤としては、例えば、パラフィンワックス、酸価パラフィンワックス等の石油ワックス、ポリオレフィンワックス、酸価ポリオレフィンワックス等の合成ワックス、エステルワックス、エーテルワックス、動植物に由来するワックス等が挙げられる。
水相を生成するための水性媒体は、主として水が用いられる。なお、水性媒体は、水に水溶性溶媒を混合したものであってもよい。
無機分散剤としての懸濁安定剤は、無機微粒子を用いることができる。懸濁安定剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、シリカ等が挙げられる。
透明トナーは、光沢を獲得するために、有色トナー上に付着させたり、用紙等の記録媒体上に付着させたりするために用いられる。そのため、透明トナーは、有色トナー上に付着させる場合にはその有色トナーを視認できるように、又は記録媒体上に付着させる場合にはその記録媒体を視認できるように構成される。透明トナーを作製する場合には、着色剤を配合せず、蛍光増白剤を配合するようにしてもよい。また、透明トナーは、例えば外添剤として無機微粒子(例えば、二酸化ケイ素、二酸化チタン等)が外添される。
以下では、実施形態に係る透明トナーの作製について複数の実施例及び比較例を挙げて各評価結果を示す。
(a)水相調製工程
まず、無機分散剤を分散させた水性媒体を得る工程として、純水19540重量部に工業用リン酸三ナトリウム十二水和物650重量部を混合し、液温60℃で溶解させた後、pH調整用の希硝酸を添加する。そこへ、純水2560重量部に工業用塩化カルシウム無水物320重量部を溶解させた塩化カルシウム水溶液を投入し、ネオミクサー(プライミクス株式会社製)にて4300回転/分、液温を60℃に保ちながら34分間高速撹拌させて懸濁安定剤(分散剤)を含む水相を調製する。
次に、結着樹脂としてのポリエステル樹脂を含む油相の調製方法を説明する。
次に、水相の液温を55℃に冷ました後、上記油相を液滴投入し、ネオミクサー(プライミクス株式会社製)で1000回転/分にて5分撹拌することによって懸濁させ、粒子を形成した。その後減圧蒸留にて酢酸エチルを除去した。
液中のトナーを一度脱水した後、脱水したトナーを純水に再分散させ、トナーを含むスラリーに硝酸を加えてpHを1.5以下にして撹拌し酸洗浄を行い、懸濁安定剤であるリン酸三カルシウムを溶解させ、脱水する。さらに脱水したトナーを純水に再分散させ、撹拌し、水洗浄を行う。その後、トナーを脱水し、乾燥してトナーを生成した。
次に、外添工程として、生成したトナー100重量部に疎水性シリカRX50(日本アエロジル社製、平均一次粒子径40nm)1.0重量部、疎水性シリカRX200(日本アエロジル社製、平均一次粒子径12nm)0.8重量部を添加し、10リットル容積のヘンシェルミキサーで5400回転/分の回転速度で10分間撹拌することで、ガラス転移点(Tg)が64.7℃、1/2法による軟化点を示す溶融温度(T1/2)が95.9℃のトナーを得る。
実施例2は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が63.1℃、溶融温度(T1/2)が109.6℃、重量平均分子量が12000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が66.0℃、溶融温度(T1/2)が97.0℃のトナーを得る。
実施例3は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が61.4℃、溶融温度(T1/2)が106.0℃、重量平均分子量が10000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が63.0℃、溶融温度(T1/2)が94.3℃のトナーを得る。
比較例1は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が65.5℃、溶融温度(T1/2)が107.7℃、重量平均分子量が10000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が68.8℃、溶融温度(T1/2)が102.2℃のトナーを得る。
比較例2は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が55.6℃、溶融温度(T1/2)が102.8℃、重量平均分子量が11000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が55.2℃、溶融温度(T1/2)が89.2℃のトナーを得る。
比較例3は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が67.7℃、溶融温度(T1/2)が124.7℃、重量平均分子量が20000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が72.4℃、溶融温度(T1/2)が112.2℃のトナーを得る。
比較例4は、(b)油相調製工程で用いる結着樹脂が、実施例1のポリエステル樹脂に代えて、ガラス転移点(Tg)が60.4℃、溶融温度(T1/2)が105.4℃、重量平均分子量が10000のポリエステル樹脂を使用した。それ以外の条件は、実施例1の場合と同様である。また、トナー生成工程も第1の実施例と同様の工程である。これにより、ガラス転移点(Tg)が62.7℃、溶融温度(T1/2)が92.8℃のトナーを得る。
上記のようにして生製したトナーのガラス転移点(Tg)は、次のように測定した。まず、生製したトナー10mgをアルミパンに封入し、示差走査熱量計「DSC6220」(セイコーインスツル株式会社製)によりトナーのガラス転移点を測定した。測定条件は、開始温度:20.0℃、昇温速度:10℃/分とした。
トナーの溶融温度(T1/2)は、生製されたトナー1.0gをペレット状にし、そのペレット状のトナーの溶融温度(T1/2)を流動特性評価装置(フローテスター)「CFT−500D」(株式会社島津製作所製)により測定した。測定条件は、開始温度:50.0℃、昇温速度:3℃/分、荷重:10kg、ダイ穴径:1mmとした。
トナーの保存性は、トナー容器101にトナーを収容したときの運搬、保管等を行うときの保存状態を判断するためのものである。トナーの保存性の測定方法は、ガラス板の上に直径30mm、高さ80mmの金属製の円筒を設置し、円筒内にそれぞれのトナーを10g投入し、トナーの上に20gのおもりを乗せた状態で、温度50℃、湿度55%に保たれた環境に48時間放置した。その後、おもりと円筒をゆっくり外し、トナー上に10g刻みでおもりを増やしながら乗せ、トナーが崩壊する荷重を判断した。なお、円筒を外した段階でトナーが崩壊した場合は、崩壊荷重=0gとする。
光沢度の評価は、タンデム方式の画像形成装置1で、T(透明)と、Y(イエロー)、M(マゼンダ)及びC(シアン)の各トナーとを用いて露光、現像、転写、定着をして印刷を行なった。定着器20の定着温度は130℃〜190℃の範囲で適宜変化させた。また、印刷はA4ヨコ送り(搬送方向の用紙距離長は210mm)で、印刷速度は16ppm(5.6cm/sec)で印刷した。
光沢差の評価は、上記の光沢度の評価と同様の測定方法で測定した、同一印刷物における透明トナー部の光沢度と有色トナー部の光沢度とを測定すると共に、透明トナー部と有色トナー部との光沢度の差が「15以上」となる温度範囲(ここでは、定着温度範囲)を測定した。
有色トナーの飛び散りの評価は、タンデム方式の画像形成装置1において、Y(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)の各トナーを重畳させた有色トナー画像上に、記録媒体上の付着量0.4mg/cm2あるいは0.5mg/cm2の透明トナーのトナー像が重なるように露光、現像、転写、定着し、印刷速度16ppmで文字を印刷し、目視観察して評価した。有色トナーであるY(イエロー)、M(マゼンダ)、C(シアン)の各トナーの記録媒体上への付着量は0.4mg/cmとした。
以上のように、ガラス転移点(Tg)が63.0以上66.0℃以下で、1/2法による軟化点を示す溶融温度(T1/2)が94.3℃以上97.0℃以下の透明トナーを、付着量0.4mg/cm2以上0.5mg/cm2以下にすることで、中間転写による印刷でもトナーの飛び散りが発生せず、かつ、透明トナー部と有色トナー部の光沢差を十分に出すことが可能である。
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を例示したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用することができる。
Claims (9)
- ガラス転移点が63.0℃以上66.0℃以下、1/2法による軟化点を示す溶融温度が94.3℃以上97.0℃以下であることを特徴とする透明現像剤。
- 当該透明現像剤の保存性を示す崩壊荷重が0g以上90g以下であることを特徴とする請求項1に記載の透明現像剤。
- 少なくとも結着樹脂及び添加剤を有機溶媒中に溶解又は分散させた油相成分を、無機分散剤を分散させた水性媒体中に分散造粒させて得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明現像剤。
- 現像剤像を担持する現像剤担持体に供給する透明現像剤を収容する現像剤収容体において、
前記透明現像剤が、請求項1〜3のいずれかに記載の透明現像剤であることを特徴とする現像剤収容体。 - 現像剤収容体から供給される透明現像剤を用いて現像剤担持体に現像剤像を形成する現像装置において、
前記透明現像剤が、請求項1〜3のいずれかに記載の透明現像剤であることを特徴とする現像装置。 - 前記透明現像剤が、画像形成処理による記録媒体上への付与量が0.4mg/cm2以上0.5mg/cm2以下であることを特徴とする請求項5に記載の現像装置。
- 記録媒体上に画像形成される当該透明現像剤を含む画像部の光沢度が70以上であり、かつ、当該透明現像剤を含む画像部と当該透明現像剤を含まない画像部との光沢差が15以上となる定着温度範囲が20℃以上となることを特徴とする請求項5又は6に記載の現像装置。
- 複数の現像剤担持体のそれぞれが透明現像剤像又はそれぞれ異なる色の有色現像剤像を形成し、前記複数の現像剤担持体のそれぞれに形成された前記透明現像剤像の上に、前記それぞれ異なる色の有色現像剤像を順番に中間転写体に多重転写した後、前記中間転写体上に多重転写された現像剤像を2次転写手段により記録媒体上に2次転写する画像形成装置に用いられることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の現像装置。
- 複数の現像剤担持体のそれぞれが透明現像剤像又はそれぞれ異なる色の有色現像剤像を形成し、前記複数の現像剤担持体のそれぞれに形成された前記透明現像剤像の上に、前記それぞれ異なる色の有色現像剤像を順番に中間転写体に多重転写した後、前記中間転写体上に多重転写された現像剤像を2次転写手段により記録媒体上に2次転写する画像形成装置において、
前記透明現像剤像に用いる透明現像剤が、請求項1〜3のいずれかに記載の透明現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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