JP2019191395A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019191395A
JP2019191395A JP2018084949A JP2018084949A JP2019191395A JP 2019191395 A JP2019191395 A JP 2019191395A JP 2018084949 A JP2018084949 A JP 2018084949A JP 2018084949 A JP2018084949 A JP 2018084949A JP 2019191395 A JP2019191395 A JP 2019191395A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
fluorescent
image
sheet
viscosity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018084949A
Other languages
English (en)
Inventor
浩平 木川
Kohei Kikawa
浩平 木川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Data Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Data Corp filed Critical Oki Data Corp
Priority to JP2018084949A priority Critical patent/JP2019191395A/ja
Publication of JP2019191395A publication Critical patent/JP2019191395A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】物体への画像印刷を良好に行うことができる手段を提供する。【解決手段】蛍光剤を含有する現像剤を用いて媒体に印刷を行う画像形成装置であって、前記現像剤の重量平均分子量を、0超、10995以下とし、前記現像剤のゲル分率を、0%超、8.1%以下として、前記現像剤の140℃における粘度を、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下とする。【選択図】 図4

Description

本発明は、電子写真方式のプリンタやファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関する。
従来の印刷技術においては、画像形成装置で転写紙上に形成した画像を、物体に転写している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−95784号公報(段落0013)
しかしながら、上述した従来の技術においては、転写紙上の画像を物体に転写する際に、画像の一部が転写紙に残留してしまい、物体上の画像の品質を低下させる場合があるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するために、蛍光剤を含有する現像剤を用いて媒体に印刷を行う画像形成装置であって、前記現像剤の重量平均分子量を、0超、10995以下とし、前記現像剤のゲル分率を、0%超、8.1%以下として、前記現像剤の140℃における粘度を、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下としたことを特徴とする。
これにより、本発明は、媒体へのトナー残りを解消し、かつ白点抜けを品質水準以上とする物体への画像印刷を行うことができるという効果が得られる。
実施例のプリンタを示す説明図 実施例の画像形成工程を示す説明図 実施例の1次アイロン転写工程を示す説明図 実施例の2次アイロン転写工程を示す説明図 実施例のトナー粘度によるトナー残りおよび白点抜けの評価結果を示す説明図 実施例の蛍光トナー粘度によるトナー残りレベルを示す説明図 実施例の蛍光トナー粘度による白点抜けレベルを示す説明図 実施例のトナー残りレベルと白点抜けレベルの評価例を示す説明図 実施例の蛍光トナーによる印刷画像の励起波長と発光波長を示す説明図 実施例の蛍光顔料の熱吸収量を示す説明図 実施例の蛍光トナーの粘度特性を示す説明図 実施例のトナー物性を変化させた蛍光トナーによる評価結果を示す説明図 実施例の重量平均分子量による140℃蛍光トナー粘度を示す説明図 実施例のゲル分率による140℃蛍光トナー粘度を示す説明図 実施例の蛍光トナー付着量によるトナー残りレベルを示す説明図 実施例の蛍光トナー付着量による白点抜けレベルを示す説明図
以下に、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例について説明する。
以下に、図1ないし図16を用いて本実施例のプリンタについて説明する。
本実施例の画像形成装置としてのプリンタ1は、カラー画像を印刷する電子写真方式の印刷装置であって、多媒体への印刷に対応している。
このプリンタ1により印刷する媒体Pとしては、印刷用の定型紙等の用紙以外に、ラベル紙や耐水紙、転写紙等がある。
転写紙は、Tシャツ等の布地類、マグカップや皿等の食器類、筆箱や下敷き等の文具類のような物体に画像Gを転写して印刷するために用いる媒体Pである。
プリンタ1は、図1に示すように、装置本体1aの一方の側部に、媒体Pを供給する給紙部2が配置され、他方の側部には、印刷済みの媒体Pを排出する排紙部3が配置されている。
装置本体1a内には、その上部に、現像剤像としてのトナー像を形成する複数の現像装置4を有する画像形成部5が配置され、その下部に、図1に破線で示す媒体Pの搬送経路に沿って、給紙部2側に給紙ローラ6、その下流側に搬送ベルト7、定着手段としての定着装置8、排紙部3の直近に排出ローラ9等が配置されている。
画像形成部5には、それぞれに設定された設定色、つまりシアン(C)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、ブラック(K)の現像剤としてのトナーを収容した、4つの現像装置4c、4y、4m、4kが、媒体Pの搬送方向(図1に示す矢印参照)に沿って順に配置され、これら4つの現像装置4はそれぞれ同一の構造であるため、以下に一つの現像装置4について説明する。
現像装置4は、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム11、感光体ドラム11を一様に帯電させる像担持体帯電部材としての帯電ローラ12、感光体ドラム11上の静電潜像にトナーを付着させて現像する現像剤担持体としての現像ローラ13、現像ローラ13へトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ14等を備えており、設定色のトナーが充填された現像剤収容部材としてのトナーカートリッジ16が着脱可能に取付けられている。
また、各現像装置4の各感光体ドラム11の上方には、静電潜像を結像させるための露光部材としての露光ヘッド17が対向配置され、感光体ドラム11の搬送ベルト7を挟んだ反対側には、画像形成部5で形成されたトナー像を媒体P上に転写する、転写部材としての転写ローラ18が配置されている。
給紙ローラ6は、対向配置された2つのローラで構成され、給紙部2上にセットされた媒体Pをローラ間で挟持して搬送ベルト7の方向へ搬送する。
搬送ベルト7は、駆動プーリ7aと従動プーリ7bの間に掛渡された無端ベルトであって、駆動プーリ7aによりベルト駆動方向(図1において時計方向)に回転駆動され、給紙ローラ6から受渡された媒体Pを定着装置8の方向へ搬送する。
この媒体Pの搬送の間に、各転写ローラ18により各現像装置4の感光体ドラム11に形成されたトナー像が順次に媒体P上に転写される。
定着装置8は、ヒートローラ8a、バックアップローラ8b等を備えており、転写ローラ18によって媒体P上に転写されたトナー像を加圧および加熱によって媒体P上に定着させる。
排出ローラ9は、対向配置された2つのローラで構成され、定着装置8から搬送経路に沿って搬送された定着後の媒体Pを挟持して下流側の排紙部3へ排出する。
なお、以下の説明においては、媒体Pは転写紙、転写紙によって画像Gを印刷する物体はTシャツとして説明する(以下、Tシャツ21と記す。)。
また、プリンタ1の画像形成部5の現像装置4cのトナーカートリッジ16cには蛍光色のシアントナー(蛍光シアントナーという。他の設定色において同じ。)が、現像装置4yのトナーカートリッジ16yには蛍光イエロートナーが、現像装置4mのトナーカートリッジ16mには蛍光マゼンダトナーが、現像装置4kのトナーカートリッジ16kには、蛍光色ではない通常のブラックトナーが充填されている。
Tシャツ21に画像Gを印刷するために、本実施例では、1次転写紙としてのMシート22と、2次転写紙としてのTシート23を用いる。
Mシート22は、台紙22a上に熱可塑性樹脂からなる接着層22aが形成された2層構造の媒体であって(図2(a)参照)、プリンタ1により画像Gが形成される。
また、Tシート23は、台紙23a上に離型剤23bが塗布されたアイロン転写専用の媒体である(図3(a)参照)。
本実施例では、最初に、Mシート22上の画像GをTシート23上にアイロン転写した後に、Tシート23上の画像GをTシャツ21上へアイロン転写することによって、Tシャツ21に画像Gを印刷する。
このアイロン転写は、アイロン台25、下面に熱源26aを有するアイロン26を備えたアイロンプレス器を用いて行うことができる(図3(a)参照)。
前記のMシート22としては、例えば、The Magic Touch社の濃淡色布地用転写紙WoW7.8Mシートを用いることができ、Tシート23としては、例えば、同社の濃淡色布地用転写紙WoW7.8Tシートを用いることができる。
本実施例で用いるトナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子に無機微粉体や有機微粉体等の外部添加剤(以下、外添剤という。)を添加したものである。
この結着樹脂には、離型剤や着色剤が添加され、帯電制御剤、導電性調整剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜添加するようにしてもよい。
結着樹脂は、単一樹脂または複数種の樹脂の混合であってもよく、本実施例では、複数の非晶質ポリエステル樹脂の他に結晶構造を持った結晶性ポリエステル樹脂を用いる。
離型剤としては、特に限定するものではないが、フィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス、酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類、脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、オレフィンの共重合物、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等、公知のものを用いる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して、0.1〜20(重量部)、好ましくは0.5〜12(重量部)を添加するのが効果的であり、また、複数のワックスを併用することも好ましい。
帯電制御剤としては、特に限定するものではないが、負帯電性トナーの場合は、アゾ系錯体帯電制御剤、サリチル酸系錯体帯電制御剤、カリックスアレン系帯電制御剤等、公知のものを用いる。
帯電制御剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して、0.05〜15(重量部)、好ましくは0.1〜10(重量部)を添加する。
着色剤としては、ブラック、イエロー、マゼンダ、シアン等の通常のトナー用着色剤として用いられている染料や顔料等を単独または複数併用して用いることができ、蛍光顔料や蛍光増白剤、磁性顔料といった特殊用途に用いられる顔料を用いるようにしてもよい。
上記した蛍光トナーは、蛍光剤としての蛍光顔料や蛍光増白剤等を含有したトナーである。
蛍光イエローに用いる蛍光染料としては、特に限定するものではないが、シンロイヒ社製のSX−100シリーズやSX−1000シリーズを用いることができ、SX−100シリーズとしては、SX−105 Lemon Yellow、SX−106 Orange Yellow等があり、SX−1000シリーズとしては、SX−1005 Lemon Yellow等がある。
本実施例の蛍光イエローは、SX−1005 Lemon Yellowを不溶化した蛍光顔料を着色剤として用いたものである。
蛍光マゼンダに用いる蛍光染料としては、特に限定するものではないが、シンロイヒ社製のSX−100シリーズやSX−1000シリーズを用いることができ、SX−100シリーズとしては、SX−101 Red Orange、SX−103 Red、SX−104 Orange、SX−117 Pink、SX−127 Rose等があり、SX−1000シリーズとしては、SX−1004 Orange、SX−1007 Pink、SX−1037 Magenta等がある。
本実施例の蛍光マゼンダは、SX−1037 Magentaを不溶化した蛍光顔料を着色剤として用いたものである。
蛍光シアンの着色剤としては、特に限定するものではないが、通常のシアンのトナー用着色剤として用いられている染料や顔料等を単独または複数併用して用いることができ、フタロシアニンブルー、ピグメントグリーンB、ピグメントブルー15:3、ソルベントブルー35等を用いることができる。
本実施例の蛍光シアンは、フタロシアニンブルーを着色剤として、これに蛍光増白剤を添加したものである。
これらの着色剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して、2〜25(重量部)、好ましくは2〜15(重量部)を添加する。
また、蛍光増白剤は無色透明の発光剤であって、スチルベン系化合物やクマリン系化合物、ビフェニル系化合物等を用いることができる。
蛍光増白剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して、2〜25(重量部)、好ましくは2〜15(重量部)を添加する。
本実施例のトナー母粒子の製造においては、粉砕法を用いた。
粉砕法とは、予め結着樹脂、離型剤、帯電制御剤、着色剤等の外添剤以外の材料を押出成形機や二軸混練機等を用いて溶融混練することで樹脂母粒子の塊を作成し、冷却後にカッタミル等で粗粉砕した後、更に衝突式粉砕機で粉砕し、その後に、風力分級機等によって分級することにより所定の粒子径のトナー母粒子を得る製造方法のことである。
本実施例では、結着樹脂と離型剤、帯電制御剤、着色剤等を溶融混練したものを樹脂母粒子とし、粉砕工程において、カッタミルで粗粉砕した後、更にジェットミルを用いて粉砕し、分級工程によって粒径6〜7μmのトナー母粒子を得た。
トナー母粒子に対して後から添加する外添剤は、公知のものを用いることができ、環境安定性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上のために添加される。
外添剤の含有量は、結着樹脂100(重量部)に対して、0.01〜10(重量部)、好ましくは0.05〜8(重量部)を添加する。
このような外添剤は、粉砕工程および外添工程において、一定の割合で投入してトナー母粒子に付着させる。
また、トナーの流動性等の調整のために50nmより大きいシリカを外添剤として0.5〜3.0(重量部)添加してもよい。
以下に、図2ないし図4を用いて、本実施例のプリンタ1を用いた、Tシャツ21への画像Gの印刷工程について説明する。
画像形成工程:プリンタ1の給紙部2上に、図2(a)に示す接着層22bを上にしたMシート22をセットする。
プリンタ1へTシャツ21に印刷する画像Gの画像データを送信すると、プリンタ1は、受信した画像データの展開処理を行い、当該画像Gのビットマップデータを生成すると共に、定着装置8のウォームアップを開始する。
定着装置8のウォームアップが終了すると、プリンタ1は、各現像装置4の各ローラに予め設定してある高電圧を印可すると共に、給紙ローラ6により給紙部2にセットされているMシート22を取込んで搬送ベルト7の方向に搬送する。
このとき、各現像装置4では、帯電ローラ12によって感光体ドラム11の表面を一様に帯電させると共に、トナーカートリッジ16内のトナーを供給ローラ14によって現像ローラ13上に付着させ、図示しない現像ブレードによって均一な薄層に整える。
また、プリンタ1は、画像Gのビットマップデータを基に露光ヘッド17を点滅させ、一様に帯電された感光体ドラム11を露光してその表面上に静電潜像を形成する。
一方、現像ローラ12と感光体ドラム11とが接触または近接しながら回転すると、トナーが帯電して現像ローラ12から感光体ドラム11上の静電潜像にトナーが付着し、潜像が可視化されたトナー像が形成される。
そして、搬送ベルト7に受渡されたMシート22が感光体ドラム11に達すると、感光体ドラム11上の各色のトナー像が転写ローラ18によって順次にMシート22の接着層22b上に転写される。
トナー像が転写されたMシート22は定着装置8へ搬送され、定着装置8のヒートローラ8aおよびバックアップローラ8bによる加熱と圧力によってトナーが溶かされ、画像GがMシート22の接着層22b上に定着される。
定着を終えたMシート22は、搬送経路に沿って排出ローラ9へ搬送され、搬送ローラ9によって排紙部3上に排出される。
このようにして、図2(b)に示す接着層22b上に画像Gを転写、定着させたMシート22が形成される。
1次アイロン転写工程:図3(a)に示すように、アイロンプレス器のアイロン台25上に、離型剤23bを塗布したTシート23を載置し、その上に画像Gを下にしたMシート22を重ね合わせ、熱源26aにより加熱されたアイロン26を下降させてMシート22の台紙22a上を加圧する。
そして、所定の加圧時間の経過後にアイロン26を上昇させ、Mシート22が冷却される前に台紙22aを接着層22bから剥がし取る。
これにより、図3(b)に示すように、接着層22bを上にした画像Gがアイロン転写されたTシート23が形成される。
この1次アイロン転写工程におけるアイロン転写条件は、転写温度140℃、加圧時間45秒、加圧力314kPaである。
2次アイロン転写工程:図4(a)に示すように、アイロンプレス器のアイロン台25上にTシャツ21を載置し、その上の画像Gを印刷すべき位置に、接着層22bを下にしたTシート23を重ね合わせ、熱源26aにより加熱されたアイロン26を下降させてTシート23の台紙23a上を加圧する。
そして、所定の加圧時間の経過後にアイロン26を上昇させ、Tシート23を充分冷却した後に離型剤23bが塗布されたTシート23を剥がし取る。
これにより、図4(b)に示すように、接着層22bにより画像Gがアイロン転写されたTシャツ21が形成される。
この2次アイロン転写工程におけるアイロン転写条件は、転写温度135℃、加圧時間5秒、加圧力314kPaである。
なお、1次および2次アイロン転写工程におけるアイロン転写条件は、The Magic Touch社が指定した、濃淡色布地用転写紙WoW7.8MシートおよびTシートの標準転写条件である。
このようなTシャツ21への画像Gのアイロン転写における蛍光トナー粘度ηによるトナー残りと白点抜けの評価試験を実施した。
評価試験は、1次アイロン転写工程における転写温度を120℃から190℃まで10℃毎に上昇させてMシート22からTシート23へ画像Gを転写し、2次アイロン転写工程は上記した標準転写条件でTシート23からTシャツ21へ画像Gを転写することにより実施した。
なお、Mシート22へのトナー付着量は、各試験毎に同一の0.3mg/cmとした。
また、蛍光トナー粘度ηは、各転写温度における粘度を、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製のHhybrid rheometer DISCOVERY HR−2を用いて測定した値である。
この装置による粘度測定は、台座と回転円盤との間にトナーを挟み込み、環境温度を50℃から230℃へ毎分5℃で昇温させながら、毎秒1回転で回転する円盤の駆動に要するトルクの測定し、これを粘度に換算して各温度における粘度を測定する。
試験に用いた蛍光トナー粘度ηの測定値とトナー残りの評価結果を図5に、蛍光トナー粘度ηによるトナー残りレベルを図6に示す。
この場合に、10段階で評価したMシート22上のトナー残りレベルは、数値が大きいほど良化していることを示し、レベル10はトナー残りが全く発生していない状態を示し、レベル8は目視でMシート22上に残ったトナーが一部確認できるものの目立たない状態を示す。
品質としてはレベル8であっても一定の水準を満たしているといえるが、トナー残りを解消したとはいえないため、本実施例ではトナー残りがレベル10となる蛍光トナー粘度ηを求めた。
図6に示すように、トナー残りをレベル10とするためには、蛍光トナー粘度ηを、1921Pa・s以下にする必要がある。
図7に蛍光トナー粘度ηによる白点抜けレベルを示す。
この場合に、10段階で評価したTシャツ21上の白点抜けレベルは、数値が大きいほど良化していることを示し、レベル10は白点抜けが全く発生していない状態を示し、レベル6は目視でTシャツ21上に発生した白点抜けが一部確認できるものの目立たない状態を示す。
本実施例では白点抜けがレベル6以上となる蛍光トナー粘度ηを求めた。
図7に示すように、白点抜けを品質水準のレベル6以上とするためには、蛍光トナー粘度ηを1011Pa・s以上にする必要がある。
上記のように、蛍光トナーを用いた1次および2次アイロン転写工程によるTシャツ21への画像印刷において、蛍光トナー粘度ηを、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下とすれば、トナー残りレベルを「10」としてトナー残りを解消し、かつ白点抜けレベルを「6」以上として品質水準以上とすることができることが分かった。
これは、トナー粘度ηが高いと、1次アイロン転写工程によるTシート23への画像Gの転写において、Mシート22上のトナーとTシート23との界面接着力が減少するため、Mシート22上にトナーが残ってしまい、図8(a)に示すようなトナー残りが発生し易くなるからである。なお、図に示したトナー残りのレベルは「1」である。
また、トナー粘度ηが低いと、画像Gを構成するトナーがTシート23に局所的に異常接着するため、2次アイロン転写工程においてTシャツ21上でトナーが白点状の抜ける、図8(b)に示すような白点抜けが発生し易くなるからである。なお、図に示した白点抜けのレベルは「4」である。
本実施例で用いた蛍光顔料は、図9に示すように、それを用いた蛍光トナーにより印刷した印刷画像の可視光における励起波長が、539.0nm以上、563.0nm以下であり、発光波長は、600.0nm以上、610.0nm以下である。なお、図9に示す励起波長の353.5nmのピークは、紫外光における励起波長である。蛍光増白剤の場合も同様である。
蛍光顔料は通常顔料とは異なり、図10に示すように、パーキンエルマジャパン社の熱分析装置システムによるDSC(Differential Scanning Calorimeter)測定において、90℃付近に吸熱ピークを有している。
これは、蛍光顔料が結晶構造を有していることを示しており、ガラス転移温度が80℃〜85℃であることから、蛍光顔料を含有させたトナーは硬くなる性質を有しており、図11に示すように、蛍光顔料を含有する蛍光トナーは、通常顔料を含有する通常トナーに比べてトナー粘度ηが高くなる。
このため、蛍光顔料や蛍光増白剤を含有する蛍光トナーを用いて、1次および2次アイロン転写工程によるTシャツ21への良好な画像印刷を行うためには、蛍光トナー粘度ηが、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下の範囲となる蛍光トナーを新たに製造することが必要になる。
本実施例では、上記した標準転写条件による転写温度が140℃程度であるので、140℃における蛍光トナー粘度ηで規定することとし、140℃蛍光トナー粘度ηが前記の範囲となる蛍光トナーを得るために、トナー物性を変化させた複数の蛍光トナーの供試品を製造し、1次および2次アイロン転写工程によってTシャツ21へ画像Gを印刷したときのトナー残りと白点抜けの評価試験を実施した。
この場合に用いたトナー物性は、トナー粘度η(単位:Pa・s)、重量平均分子量、ゲル分率(単位:%)である。
重量平均分子量とは、トナーの分子量を測定し、その平均値を算出した値である。
また、ゲル分率とは、結着樹脂に含まれる架橋した高分子の割合のことであり、ゲル分率が高いと、同じ分子量の高分子よりも架橋しているためトナー粘度ηが高くなる。
このようなゲル分率の測定は、ガラス瓶に、供試品のトナー2gとTHF(Tetra Hydro Furan)100ccを入れ、これを500rpmの撹拌機を用いて室温で6時間撹拌し、20時間静置後に上澄み液20ccを採取する。
採取した上澄み液を濾紙により濾過した濾過液を予め重量を測定したシャーレに回収し、ドラフトチャンバに4時間放置し、60℃の真空乾燥で4時間乾燥させてTHFを除去し、その後に、シャーレの重量を計測して重量の増分を求め、その増分を5倍して、加えたトナーの重量(本説明では2g)から減じ、これを加えたトナーの重量で除してゲル分率を求めることにより測定する。
上記した各供試品を用いた評価試験は、標準転写条件による1次アイロン転写工程によりMシート22からTシート23へ画像Gを転写し、標準転写条件による2次アイロン転写工程によってTシート23からTシャツ21へ画像Gを転写することにより実施した。
試験に用いた供試品のトナー物性の測定結果と、トナー残りおよび白点抜けの評価結果を図12に示す。
図13に重量平均分子量と、140℃蛍光トナー粘度ηとの関係を示す。
図13から分かるように、重量平均分子量が小さくなるほど140℃蛍光トナー粘度ηが低くなることが分かる。
また、重量平均分子量が、0を超え(0超という。)、10995以下のとき、好ましくは982以上、10995以下のときに、140℃蛍光トナー粘度ηが、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下の範囲になり、Tシャツ21への印刷品質を良好なものとすることはできる。
重量平均分子量が小さいと、粉体として取扱うことが困難になるからである。
図14にゲル分率と、140℃蛍光トナー粘度ηとの関係を示す。
図14から分かるように、ゲル分率が小さくなるほど140℃蛍光トナー粘度ηが低くなることが分かる。
また、ゲル分率が、0%超、8.1%以下のとき、好ましくは1.5%以上、8.1%以下のときに、140℃蛍光トナー粘度ηが、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下の範囲になり、Tシャツ21への印刷品質を良好なものとすることはできる。
ゲル分率が小さいと、トナーの熱耐性が低下してプリンタ1内でのトナーの保存性が悪化するからである。
なお、ゲル分率の調整は、結着樹脂の混練強度を高めるとゲル分が減少し、結着樹脂の重合反応時間を長くするとゲル分が増加するため、これらを適宜変更して調整する。
また、蛍光トナー粘度ηを上記の範囲とした蛍光トナーの場合におけるトナー残りと白点抜けに対するMシート22へのトナー付着量の依存性についても評価した。
図15にMシート22への蛍光トナー付着量の、トナー残りに対する依存性を示す。
図15から分かるように、トナー残りをレベル10とするためには、蛍光トナー付着量を0.30mg/cm以上にする必要がある。
図16にMシート22への蛍光トナー付着量の、白点抜けに対する依存性を示す。
図16から分かるように、白点抜けを品質水準のレベル6以上とするためには、蛍光トナー付着量を0.45mg/cm以下にする必要がある。
このように、蛍光トナーを用いた1次および2次アイロン転写工程によるTシャツ21への画像印刷において、Mシート22への蛍光トナー付着量を、0.30mg/cm以上、0.45mg/cm以下とすれば、トナー残りレベルを「10」としてトナー残りを解消し、かつ白点抜けレベルを「6」以上として品質水準以上とすることができる。
以上説明したように、本実施例では、物体としてのTシャツ21に蛍光トナーを用いて画像Gを印刷する場合に、蛍光トナーのトナー粘度ηを、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下とすることによって、1次アイロン転写時にMシート22からTシート23へ転写するときの蛍光トナーとTシート23の界面接着力を制御して、Mシート22へのトナー残りを解消し、かつ白点抜けを品質水準以上とするTシャツ21への画像印刷を行うことができる。
また、蛍光トナーの重量平均分子量を、0超、10995以下とし、ゲル分率を0%超、8.1%以下とすることによって、蛍光トナーのトナー粘度ηを上記の範囲とする蛍光トナーを製造することができる。
更に、蛍光トナー粘度ηを上記の範囲とした蛍光トナーのMシート22への付着量を、0.30mg/cm以上、0.45mg/cm以下とすることによって、トナー残りを解消し、かつ白点抜けを品質水準以上とするTシャツ21への画像印刷を行うことができる。
なお、上記実施例においては、4つの現像装置4はシアン、イエロー、マゼンダ、ブラックの順に、媒体Pの搬送方向に沿って配置するとして説明したが、配置順は前記に限らず、いかなる配置順であってもよい。
また、上記実施例においては、現像装置4は4つとして説明したが、1以上3以下、または5以上であってもよい。
更に、上記実施例においては、画像形成装置は、電子写真方式のプリンタであるとして説明したが、画像形成装置は前記に限らず、MFP装置やファクシミリ装置、ラベル製造機、または複写装置等であってもよく、いずれの装置であっても本発明を適用すれば、上記と同様の効果を得ることができる。
1 プリンタ
1a 装置本体
2 給紙部
3 排紙部
4、4c、4m、4y、4k 現像装置
5 画像形成部
6 給紙ローラ
7 搬送ベルト
7a 駆動プーリ
7b 従動プーリ
8 定着装置
8a ヒートローラ
8b バックアップローラ
9 排出ローラ
11 感光体ドラム
12 帯電ローラ
13 現像ローラ
14 供給ローラ
16 トナーカートリッジ
17 露光ヘッド
18 転写ローラ

Claims (3)

  1. 蛍光剤を含有する現像剤を用いて媒体に印刷を行う画像形成装置であって、
    前記現像剤の重量平均分子量を、0超、10995以下とし、前記現像剤のゲル分率を、0%超、8.1%以下として、
    前記現像剤の140℃における粘度を、1011Pa・s以上、1921Pa・s以下としたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    前記現像剤により印刷した印刷画像の可視光における励起波長が、539.0nm以上、563.0nm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記現像剤の前記媒体への現像剤付着量を、0.30mg/cm以上、0.45mg/cm以下としたことを特徴とする画像形成装置。
JP2018084949A 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置 Pending JP2019191395A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084949A JP2019191395A (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018084949A JP2019191395A (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019191395A true JP2019191395A (ja) 2019-10-31

Family

ID=68389894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018084949A Pending JP2019191395A (ja) 2018-04-26 2018-04-26 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019191395A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013022754A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Piotec Co Ltd 画像印刷転写シートの製造方法、画像印刷転写シート及び画像転写方法
JP2013166939A (ja) * 2013-02-22 2013-08-29 Casio Electronics Co Ltd 熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシート
JP2015055734A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 株式会社沖データ 透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置
JP2017102343A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 株式会社リコー トナー、トナー収容ユニット、及び画像形成装置
JP2017227712A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 株式会社リコー 黒色蛍光トナー、画像形成装置および画像形成方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013022754A (ja) * 2011-07-15 2013-02-04 Piotec Co Ltd 画像印刷転写シートの製造方法、画像印刷転写シート及び画像転写方法
JP2013166939A (ja) * 2013-02-22 2013-08-29 Casio Electronics Co Ltd 熱転写プリントシート作成装置、作成方法及び熱転写プリントシート
JP2015055734A (ja) * 2013-09-11 2015-03-23 株式会社沖データ 透明現像剤、現像剤収容体、現像装置及び画像形成装置
JP2017102343A (ja) * 2015-12-03 2017-06-08 株式会社リコー トナー、トナー収容ユニット、及び画像形成装置
JP2017227712A (ja) * 2016-06-21 2017-12-28 株式会社リコー 黒色蛍光トナー、画像形成装置および画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5420020B2 (ja) シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、ブラックトナー、及び、フルカラー画像形成方法
JP5971347B2 (ja) 液体現像剤の製造方法
US8903281B2 (en) Image forming apparatus including an image forming unit with white developer
JP5870654B2 (ja) 液体現像剤
JP2012185359A (ja) 液体現像剤
JP2017134137A (ja) 黒色液体現像剤、及びそれを用いて得られる印刷物
JP2015145985A (ja) 液体現像剤、及び印刷物
CN104115070B (zh) 静电显影用调色剂及使用该调色剂的图像形成装置以及图像形成方法
JP6525663B2 (ja) 現像剤、現像剤収容体、現像装置および画像形成装置
CN104062867A (zh) 热转印印刷薄板制造装置以及制造方法
US20180246440A1 (en) Image forming apparatus
JP2019191395A (ja) 画像形成装置
CN101093372B (zh) 彩色图像形成方法及彩色图像形成装置
JP2016090843A (ja) 液体現像剤、及び印刷物
JP2012230238A (ja) 湿式画像形成方法
JP2020118896A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2020122903A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2019117300A (ja) 液体現像剤、およびそれを用いた印刷物
JP2019028440A (ja) 画像形成装置
JP5871568B2 (ja) 光沢画像形成方法および光沢画像積層物
JP6248745B2 (ja) 液体現像剤セット、及びそれを用いた印刷物
JP5789505B2 (ja) 光沢画像形成方法
JPWO2018131422A1 (ja) 液体現像剤、及び印刷物の製造方法
CN101482709A (zh) 调色剂及其制造方法、显影剂、双成分显影剂、显影装置及图像形成装置
JP2016011969A (ja) 現像装置および画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200904

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20210329

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210531

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210615

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20210615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220215