JP5871568B2 - 光沢画像形成方法および光沢画像積層物 - Google Patents

光沢画像形成方法および光沢画像積層物 Download PDF

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Description

本発明は、光沢画像形成方法および光沢画像積層物に関する。
電子写真方式を利用した画像形成装置では、たとえば帯電工程と、露光工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを経ることによりトナー画像が形成される。
帯電工程では、帯電装置によって、回転駆動される感光体の表面を均一に帯電する。露光工程では、露光装置によって、帯電した感光体表面にレーザ光を照射し、感光体表面に静電潜像を形成する。現像工程では、現像装置によって、感光体表面の静電潜像がトナーにより現像され、感光体表面にトナー像が形成される。転写工程では、転写装置によって、感光体表面のトナー像が記録媒体に転写される。定着工程では、定着装置によって、トナー像が記録媒体に定着される。このようにして、記録媒体にトナー画像が形成される。トナーは、結着樹脂および着色剤を含むものであり、トナーとしてカラートナーを用いた場合には、カラートナー画像が形成される。
近年、電子写真方式の画像形成装置におけるカラー化の技術が急速に発展し、フルカラー画像形成装置が開発され市場に提供されている。フルカラー画像形成装置の市場は、白黒画像形成装置の普及とともに拡大している。一般に、フルカラー画像形成装置における色の再現には、減法混色の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色、または、この3色に黒色(K)を加えた4色のトナーが用いられる。
ユーザーのメンテナンス性を高めるため、フルカラー画像形成装置では、たとえば、トナー像の定着に用いる定着装置として、定着オイルを用いないオイルレス定着装置が用いられる。しかしながら、オイルレス定着装置は、定着オイルを用いる定着装置に比べて、ホットオフセットが発生しやすくなる。そのため、オイルレス定着装置を用いる場合、弾性の高い結着樹脂(たとえば、重量平均分子量Mwが100000以上の高分子量成分や架橋成分を含む結着樹脂など)を含むトナーを使用することによって、耐ホットオフセット性を向上させている。
しかしながら、弾性の高い結着樹脂を含むトナーを使用すると、得られたカラートナー画像の表面にトナーに起因する凹凸が残り易くなり、この凹凸によってカラートナー画像の光沢度が低くなる問題がある。
このような問題を解決するために、たとえば、特許文献1には、カラートナー画像が形成された記録媒体に熱転写性保護層を接着することで、カラートナー画像に光沢を付与する方法が開示されている。
熱転写性保護層は、具体的には、カラートナー画像が形成された記録媒体に、基材シートと熱転写性保護層とを含むフィルムを加熱および加圧しながら押圧することによって接着させる。基材シートは、その後、熱転写性保護層が接着した記録媒体から剥離される。以下、熱転写性保護層が接着され、基材シートが剥離されたカラートナー画像を光沢画像とよぶ。
特開2002−254793号公報
特許文献1に開示の方法では、光が乱反射して白っぽくなった光沢画像、すなわちカラートナー画像よりも彩度の低下した光沢画像が得られるおそれがある。その理由としては、光沢画像において、カラートナー画像と熱転写性保護層との間に光学的な界面が生じ、この光学的な界面で光が乱反射するためである。
本発明の目的は、彩度の低下のない光沢画像を得ることができる光沢画像形成方法、および光沢画像積層物を提供することである。
本発明は、結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像が形成された記録媒体と、基材シートおよび該基材シートに積層される転写樹脂層を有する光沢シートであって、転写樹脂層が、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する光沢シートとを、前記記録媒体の前記カラートナー画像が形成された面と前記転写樹脂層とが接するように重ねて加圧する加圧工程と、
加圧された状態の前記記録媒体と前記光沢シートとを加熱して、前記記録媒体表面に前記転写樹脂層を接着させる接着工程と、
前記記録媒体に接着した前記転写樹脂層から、前記基材シートを剥離する剥離工程とを含み、
前記転写樹脂層は、前記第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有する光沢樹脂層とを積層してなり、
前記光沢樹脂層は、前記第2の透明樹脂以外の樹脂の含有量が、樹脂全量に対して10重量%以下であり、
前記第1の透明樹脂の軟化温度が、前記結着樹脂の軟化温度以下であり、前記第2の透明樹脂の軟化温度が、前記第1の透明樹脂の軟化温度より高いことを特徴とする光沢画像形成方法である。
また本発明は、結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像と、
前記カラートナー画像に接着される熱接着性樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、
前記熱接着性樹脂層上に設けられる光沢樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有する光沢樹脂層と、を含み、前記第1の透明樹脂の軟化温度が、前記結着樹脂の軟化温度以下であり、前記第2の透明樹脂の軟化温度が、前記第1の透明樹脂の軟化温度より高いことを特徴とする光沢画像積層物である。
本発明によれば、光沢画像形成方法は、加圧工程と接着工程と剥離工程とを含む。加圧工程では、結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像が形成された記録媒体と、基材シートおよび該基材シートに積層される転写樹脂層を有する光沢シートであって、転写樹脂層が、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する光沢シートとを、記録媒体のカラートナー画像が形成された面と転写樹脂層とが接するように重ねて加圧する。接着工程では、加圧された状態の記録媒体と光沢シートとを加熱して、記録媒体表面に転写樹脂層を接着させる。剥離工程では、記録媒体に接着した転写樹脂層から、基材シートを剥離する。
第1の透明樹脂を含有する転写樹脂層を有する光沢シートを用いて光沢画像を形成することによって、カラートナー画像と転写樹脂層とが、主鎖を構成する原料モノマーが同じである樹脂を含有し、カラートナー画像と転写樹脂層との屈折率が等しい光沢画像が得られる。このような光沢画像は、カラートナー画像と転写樹脂層との間に光学的な界面がなく、カラートナー画像と転写樹脂層との間で光が乱反射することもない。したがって、本発明の光沢画像形成方法では、彩度の低下がなく、発色が良好で、かつ光沢が付与された光沢画像を得ることができる。
た、転写樹脂層は、第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有する光沢樹脂層とを積層してなる。また、第1の透明樹脂の軟化温度が、結着樹脂の軟化温度以下の温度である。
第1の透明樹脂の軟化温度が、結着樹脂の軟化温度以下であることによって、加圧された状態の記録媒体と光沢シートとを加熱するときに、カラートナー画像の結着樹脂が軟化する前に、熱接着性樹脂層に含まれる第1の透明樹脂が軟化して、カラートナー画像表面を覆うので、カラートナー画像が圧力の低い方向に広がることを抑制することができる。
また本発明によれば、第2の透明樹脂の軟化温度が、前記第1の透明樹脂の軟化温度より高い。
これによって、熱接着性樹脂層を軟化させて、カラートナー画像に対する密着性を向上させることができるとともに、光沢樹脂層が軟化して変形することを防止することができる。したがって、カラートナー画像に対して転写樹脂層が密着し、かつ光沢樹脂層の表面が平滑な光沢画像を得ることができる。このような光沢画像は、光沢樹脂層表面、およびカラートナー画像と熱接着性樹脂層との界面で光が乱反射しにくく、彩度の高い画像である。
また本発明によれば、光沢画像積層物は、結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像と、前記カラートナー画像に接着される熱接着性樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、前記熱接着性樹脂層上に設けられる光沢樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有する光沢樹脂層と、を含み、前記第1の透明樹脂の軟化温度が、前記結着樹脂の軟化温度以下であることを特徴とする。
この光沢画像積層物は、熱接着性樹脂層と光沢樹脂層とが、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂および第2の透明樹脂を含有する。そのため、光沢画像積層物において、カラートナー画像と熱接着性樹脂層と光沢樹脂層との屈折率が等しく、カラートナー画像と熱接着性樹脂層と光沢樹脂層との間に光学的な界面がない。このような光沢画像は、カラートナー画像と熱接着性樹脂層と光沢樹脂層との間で光が乱反射しないので、彩度の低下がなく、発色が良好で、かつ光沢が付与されたものである。
また、第1の透明樹脂の軟化温度は、前記結着樹脂の軟化温度以下である。
第1の透明樹脂の軟化温度が、結着樹脂の軟化温度以下であることによって、加圧された状態のカラートナー画像熱接着性樹脂層と光沢樹脂層とを加熱するときに、カラートナー画像の結着樹脂が軟化する前に、第1の透明樹脂が軟化して、カラートナー画像表面を覆うことができる。したがって、本発明の光沢画像は、カラートナー画像の広がりのないものである。
本実施形態で用いる光沢シート1を示す断面図である。 電子写真方式のカラー画像形成装置200および熱転写装置100の構成を示す図である。 光沢画像の形成に使用する熱転写装置100の模式図である。 本実施形態の光沢画像形成方法を示すフローチャートである。
本発明の実施の一形態である光沢画像形成方法は、図1に示す光沢シート1を用いてカラートナー画像に光沢を付与する方法に関する。光沢画像(光沢画像積層物)とは、カラートナー画像の表面に、光沢シート1を構成する複数の層のうちの転写樹脂層20のみを接着させたものである。カラートナー画像は、結着樹脂中に着色剤が分散したカラートナーによって形成されるものである。
図1は、本実施形態で用いる光沢シート1を示す断面図である。光沢シート1は、基材シート14と基材シート14に積層された転写樹脂層20とから構成される。基材シート14は、基材本体12と、基材本体12の転写樹脂層20側の面に形成された離型層13とからなる。転写樹脂層20は、光沢樹脂層22と、光沢樹脂層22の基材シート14側の面と反対側の面に形成された熱接着性樹脂層23とからなる。転写樹脂層20のうち、光沢樹脂層22によって、カラートナー画像に光沢を付与することができ、熱接着性樹脂層23によって、転写樹脂層20をカラートナー画像に接着させることができる。
本実施形態では、転写樹脂層20に特徴がある光沢シート1を用いて、光沢画像を形成する。その特徴とは、転写樹脂層20が、カラートナー画像を構成する結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂を含有することである。なお、本実施形態において、「樹脂の成分」とは、樹脂の主鎖を構成する原料モノマーのことを示す。結着樹脂と同じ成分を含む樹脂とは、それぞれの樹脂で用いる主鎖を構成する原料モノマーが同一であることを示す。

ここで、たとえば、積層された2つの層があり、それぞれの層が、互いに異なる成分を含む樹脂で形成されたものであると、2つの層の間には光学的な界面が生じる。これは、それぞれの層の屈折率が異なるためである。
この状況は、従来の光沢画像に相当する。従来の光沢画像では、カラートナー画像および転写樹脂層が互いに異なる成分を含む樹脂を含むことから、カラートナー画像と転写樹脂層との間に光学的な界面が生じ、その界面で光が乱反射して、光沢画像の彩度が低下する。
これに対して、2つの層が、それぞれ同じ成分を含む樹脂で構成されていると、それぞれの層の屈折率が等しいので、2つの層の間に光学的な界面が生じない。
前述のように本実施形態では、転写樹脂層20が、結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂を含有する光沢シート1を用いて光沢画像を形成する。そのため、光沢シート1を用いて得られた光沢画像は、カラートナー画像と転写樹脂層20との間に光学的な界面が生じることがなく、カラートナー画像と転写樹脂層20との間で光が乱反射することもない。したがって、彩度の低下がなく、発色が良好で、かつ光沢が付与された光沢画像を得ることができる。
以下では、(1)カラートナー画像を構成するカラートナー、(2)このカラートナーを用いて、記録媒体にカラートナー画像を形成する画像形成装置、(3)光沢画像の形成に用いる光沢シート1、(4)光沢画像を形成する熱転写装置、および(5)カラートナー画像が形成された記録媒体と、光沢シート1と、熱転写装置とを用いて、光沢画像を形成する方法について詳細に説明する。
(1)カラートナー
カラートナーは、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤および離型剤を含む着色樹脂粒子であり、その体積平均粒径は、5μm以上8μm以下である。
<結着樹脂>
結着樹脂としては、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また原料モノマー混合物に離型剤を混合し、重合反応を行って得られる樹脂を用いてもよい。結着樹脂は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
結着樹脂の中でも、ポリエステルは、透明性に優れ、トナー粒子に良好な粉体流動性、低温定着性および二次色再現性などを付与できるため、カラートナー用の結着樹脂に好適である。ポリエステルとしては公知のものを使用でき、たとえば多塩基酸と多価アルコールとの重縮合物などが挙げられる。すなわち、結着樹脂がポリエステル樹脂である場合、結着樹脂の原料モノマーは、多塩基酸と多価アルコールである。
多塩基酸としては、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリト酸、ピロメリト酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類、無水マレイン酸、フマル酸、琥珀酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類、これら多塩基酸のメチルエステル化物などが挙げられる。多塩基酸は1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多価アルコールとしても、ポリエステル用モノマーとして知られるものを使用でき、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオール類などが挙げられる。多価アルコールは1種を単独で使用でき、または2種以上を併用できる。
多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応は常法に従って実施でき、たとえば、有機溶媒の存在下または非存在下および重縮合触媒の存在下で、多塩基酸と多価アルコールとを接触させて行い、生成されたポリエステルの酸価、軟化温度などが所定の値になったところで終了する。これによりポリエステル樹脂が得られる。
結着樹脂のガラス転移温度は、30℃以上80℃以下が好ましい。結着樹脂のガラス転移温度が30℃未満であると、画像形成装置内部においてトナーが熱凝集するブロッキングを発生しやすくなり、保存安定性が低下するおそれがある。結着樹脂のガラス転移温度が80℃を超えると、記録媒体へのトナーの定着性が低下し、定着不良が発生するおそれがある。
結着樹脂の数平均分子量(Mn)は、2500以上5000以下が好ましく、結着樹脂の重量平均分子量(Mw)は、32000以上80000以下が好ましい。
<着色剤>
着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のカラートナーを構成する従来公知のものを用いることができる。
これら着色剤の含有量は、カラートナー全量に対して2重量%以上20重量%以下であることが好ましい。この範囲であれば、着色力、色再現性、定着性に優れた、画像全体が均一な高濃度画像を得ることができる。
<帯電制御剤>
帯電制御剤としてはこの分野で常用される正電荷制御用および負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。
<離型剤>
離型剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、パラフィンワックスおよびその誘導体、マイクロクリスタリンワックスおよびその誘導体などの石油系ワックス、フィッシャートロプシュワックスおよびその誘導体、ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど)およびその誘導体、低分子量ポリプロピリンワックスおよびその誘導体、ポリオレフィン系重合体ワックス(低分子量ポリエチレンワックスなど)およびその誘導体などの炭化水素系合成ワックス、カルナバワックスおよびその誘導体、ライスワックスおよびその誘導体、キャンデリラワックスおよびその誘導体、木蝋などの植物系ワックス、蜜蝋、鯨蝋などの動物系ワックス、脂肪酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系合成ワックス、長鎖カルボン酸およびその誘導体、長鎖アルコールおよびその誘導体、シリコーン系重合体、高級脂肪酸などが挙げられる。誘導体には、酸化物、ビニル系モノマーとワックスとのブロック共重合物、ビニル系モノマーとワックスとのグラフト変性物などが含まれる。
離型剤の使用量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるが、結着樹脂100重量部に対して0.2重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下がより好ましく、1.0重量部以上8.0重量部以下がさらに好ましい。
<カラートナーの作製方法>
カラートナーを作製する方法としては、たとえば、混練粉砕法などの乾式法、ならびに懸濁重合法、乳化凝集法、分散重合法、溶解懸濁法および溶融乳化法などの湿式法が挙げられる。以下、混練粉砕法によってカラートナーを作製する方法について例示する。
粉砕法によるカラートナーの作製では、結着樹脂、着色剤およびその他の添加剤を含む着色樹脂粒子原料を、混合機で乾式混合した後、混練機によって溶融混練することによって溶融混練物を得る。この溶融混練物を冷却固化し、固化物を粉砕機で粉砕することによって微粉砕物を得る。その後、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことによって、カラートナー粒子が得られる。
このようにして得られたカラートナー粒子は、そのままカラートナーとして用いてもよいが、カラートナー粒子に外添剤を添加したものをカラートナーとして用いてもよい。
<外添剤>
外添剤としては公知のものを使用でき、たとえば、シリカ、酸化チタンなどが挙げられ、これらの外添剤は、シリコーン樹脂、シランカップリング剤などによって表面処理されていることが好ましい。
外添剤の使用量は、カラートナー粒子100重量部に対して0.5重量部以上10重量部以下であることが好ましい。
以上のようなカラートナーを、後述する電子写真方式の画像形成装置であるカラープリンターやカラー複写機に充填し、画像形成動作を行うことで、中性紙、厚紙およびOHPシートなどの記録媒体上に、カラートナー画像を形成することができる。
(2)画像形成装置
図2は、電子写真方式のカラー画像形成装置200および熱転写装置100の構成を示す図である。ここでは、電子写真方式のカラー画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」と記載する)200について記載し、画像形成装置200の側方に設置されている熱転写装置100については、後で記載する。
カラー画像形成装置200は、複数の現像装置202a〜202dがケーシング内に収容された現像装置収容部200Aと、定着装置212がケーシング内の現像装置収容部200Aの上方に収容された定着装置収容部200Bと、それらの間に設けられて定着装置212の熱が現像装置側に伝わらないように断熱するための隔壁230とを備え、外部から伝達される画像データに応じてシート状の記録媒体(記録用紙)にカラートナー画像を形成することができるカラープリンターである。定着装置収容部200Bの横には、熱転写装置100を介して、排紙トレイ215が設けられている。
本実施形態では、画像形成装置200としてプリンターの場合を例示しているが、画像形成装置200としては、外部から伝達される画像データおよび/またはスキャナによって原稿から読み取った画像データに応じても記録媒体に多色または単色の画像を形成することができるコピー機、ファクシミリ装置またはこれらの機能を備えた複合機であってもよい。
現像装置収容部200Aには、図2に示すように、4つの感光体ドラム203a、203b、203c、203dと、各感光体ドラム203a〜203dの表面を帯電させる4つの帯電器(帯電装置)205a、205b、205c、205dと、各感光体ドラム203a〜203dの表面に静電潜像を形成する露光ユニット(露光装置)201と、黒、シアン、マゼンタおよびイエローのトナーを個別に収容して各感光体ドラム203a〜203dの表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する4つの現像装置202a、202b、202c、202dと、現像および画像転写後の各感光体ドラム203a〜203dの表面に残存する残留トナーを除去するクリーナユニット204a、204b、204c、204dと、各現像装置202a〜202dに前記4色のトナーを個別に補給する4つのトナー補給装置222a、222b、222c、222dと、各感光体ドラム203a〜203dの表面のトナー像を記録媒体に転写する中間転写ベルトユニット(転写装置)208と、中間転写ベルトクリーニングユニット209などが収容されている。
さらに、現像装置収容部200Aは、その最下部に配置された複数の記録媒体を収容する給紙トレイ210と、一側面に配置されて不定形サイズの記録媒体がセットされる手差しトレイ220と、給紙トレイ210または手差しトレイ220から記録媒体を中間転写ベルトユニット(転写装置)208に搬送するためのシート搬送路Sなどを備えている。
なお、a〜dを有する符号で示された各部材において、aは黒画像形成用の部材、bはシアン画像形成用の部材、cはマゼンタ画像形成用の部材、dはイエロー画像形成用の部材である。
すなわち、この画像形成装置200は、黒、シアン、マゼンタおよびイエローの色成分毎の画像データに基づいて、各感光体ドラム203a〜203dの表面に、黒トナー画像、シアントナー画像、マゼンタトナー画像およびイエロートナー画像が選択的に形成され、形成された各トナー画像が中間転写ベルトユニット208上で重ねられ、記録媒体上にカラートナー画像が形成されるように構成されている。
各色に対応する感光体ドラム203a〜203dは同じ構成であるため、それらの構成の説明では符号を203に統一し、これと同様に、現像装置は符号を2、帯電器は符号を205、クリーナユニットは符号を204、トナー補給装置は符号を222に統一して説明する。
<現像装置>
現像装置202は、カラートナーとキャリアとを含む2成分現像剤を収容する装置である。また現像装置202は、感光体ドラム203の表面にカラートナーを供給して、感光体ドラム203の表面に形成された静電潜像にカラートナーを付着させて顕像化する(現像する)ものである。
<感光体ドラム>
感光体ドラム203は、導電性基体およびその表面に形成される感光層から構成され、帯電と露光による潜像形成を担う円筒状部材であり、光の照射によって導電性を示し、その表面に静電潜像とよばれる電気的な画像が形成される。感光体ドラム203は、軸線回りに回転駆動が可能となるよう図示しない駆動手段により支持されている。
<帯電器>
帯電器205としては、接触ローラ型、接触ブラシ型または非接触チャージャー型などの帯電器が用いられ、感光体ドラム203の表面を所定の電位に均一に帯電させる。
<露光ユニット>
露光ユニット201は、画像データに応じた光を、帯電器205と現像装置202との間を通過させて、帯電された感光体ドラム203の表面に照射して露光することにより、感光体ドラム203の表面に画像データに応じた静電潜像を形成する。
本実施形態においては、露光ユニット201として、レーザ照射部および反射ミラーを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)を使用した場合を例示しているが、発光素子をアレイ状に並べたEL(エレクトロルミネッセンス)またはLED書込みヘッドを用いることもできる。
<中間転写ベルトユニット>
中間転写ベルトユニット208は、中間転写ベルト207と、中間転写ベルト207を張架して図2の矢印B方向に回転駆動させるための中間転写ローラ206a、206b、206c、206d(以下、符号を206に統一して説明する)、駆動ローラ271、従動ローラ272およびベルトテンション機構(図示省略)と、駆動ローラ271の横に近接して配置された転写ローラ211とを備え、各感光体ドラム203の上方に配置されている。なお、各中間転写ローラ206は、ベルトテンション機構におけるローラ取付部に回転可能に支持されている。
中間転写ベルト207は、厚さがたとえば200〜150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されており、その外側の面上に、各感光体ドラム203に形成された各色成分のトナー像が順次重ねて転写されてカラートナー像(多色トナー像)が形成される。
各感光体ドラム203から中間転写ベルト207へのトナー像の転写は、中間転写ベルト207の内側の面に接触している各中間転写ローラ206によって行われる。
中間転写ベルト207の外側の面上に積層されたトナー像は、中間転写ベルト207が回転することによって転写ローラ211の位置(転写部)に移動する。一方、記録媒体もシート搬送路Sを通って転写部に搬送され、転写ローラ211によって記録媒体が中間転写ベルト207側へ押し付けられることにより、中間転写ベルト207上のトナー像が記録媒体上に転写される。
<中間転写ベルトクリーニングユニット>
中間転写ベルトユニット208の従動ローラ272側には中間転写ベルトクリーニングユニット209が配置されている。
中間転写ベルトクリーニングユニット209は、中間転写ベルト207上に新たなトナー像を積層する際にトナーの混色を発生させる原因となる、中間転写ベルト207から記録媒体へ転写されずに中間転写ベルト207上に残存したトナーを除去し、回収する。
中間転写ベルトクリーニングユニット209は、中間転写ベルト207に接触して残留トナーを除去するクリーニングブレードと、除去されたトナーを回収するトナー回収部とを備えている。なお、中間転写ベルト207におけるクリーニングブレードに接触している部分は、従動ローラ272にて支持されている。
<シート搬送路>
シート搬送路Sは、給紙トレイ210および手差しトレイ220から、後述する定着装置212および熱転写装置100を通って排紙トレイ215に通じており、その周辺には、ピックアップローラ216a、216b、搬送ローラ225a〜225f(以下、符号を225に統一して説明する場合がある)、レジストローラ214、転写ローラ211、定着装置212などが配置されている。
搬送ローラ225は、シートの搬送を促進および補助するための小型ローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ216aは、給紙トレイ210の端部に備えられ、給紙トレイ210からシート状の記録媒体(記録用紙)を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
ピックアップローラ216bは、手差しトレイ220の近傍に備えられ、手差しトレイ220から記録媒体を1枚ずつシート搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ214は、シート搬送路Sを搬送されている記録媒体を一旦保持し、中間転写ベルト207上のカラートナー像の先端と記録媒体の先端とを合わせるタイミングで、記録媒体を転写部に搬送するものである。
<定着装置>
定着装置収容部200Bに収容された定着装置212は、トナー画像が転写された記録媒体を挟んで相互に逆方向に回転するヒートローラ281および加圧ローラ282と、搬送ローラ225bと、搬送(排紙)ローラ225cとを備えている。
ヒートローラ281は、所定の定着温度となるように図示しない制御部によって制御される。なお、この制御部は、図示しない温度検出器からの検出信号に基づいてヒートローラ281の温度を制御する。
定着温度に昇温したヒートローラ281と加圧ローラ282は、記録媒体に圧接してトナーを溶融することにより、記録媒体上にカラートナー像を定着させる。
カラートナー像が定着され、カラートナー画像が形成された記録媒体は、搬送ローラ225b、225cによって、熱転写装置100に搬送される。
(3)光沢シート
図1に示す光沢シート1は、前述のように、基材本体12と離型層13とからなる基材シート14と、基材シート14に積層され、光沢樹脂層22と熱接着性樹脂層23とからなる転写樹脂層20とから構成される。
<基材本体>
基材本体12は、離型層13を介して転写樹脂層20をその表面に担持して搬送するフィルム状の樹脂材料である。
基材本体12としては、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルホンなどの耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレンの誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテン、アイオノマーなどのプラスチックフィルム、およびこれらの積層体などが用いられる。プラスチックフィルムは、延伸されたものであってもよいし、未延伸であってもよい。
基材本体12の厚さは、強度、耐熱性、柔軟性などを考慮して適宜選択されるが、通常1〜100μm程度である。
基材本体12の転写樹脂層20が設けられる側の表面粗さ(以下、単に「基材本体12の表面粗さ」と記載する。)(Ra)は、0.01以上0.1以下であることが好ましい。表面粗さ(Ra)が0.01以上0.1以下と、基材本体12の表面が平滑であることによって、カラートナー画像に充分な光沢度を付与することができる光沢シート1とすることができる。
<離型層>
離型層13は、後述する光沢画像形成時において、カラートナー画像が形成された記録媒体と光沢シート1とを加圧しながら加熱し、カラートナー画像が形成された記録媒体に転写樹脂層20を接着させた後、記録媒体に接着した転写樹脂層20から基材シート14をスムーズに剥離させることを目的として基材本体12の表面に形成される。
離型層13を構成する樹脂としては、たとえば、シリコーンワックスなどの各種ワックス類、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、水溶性樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂などの各種樹脂などやこれらの混合物が使用できる。
離型層13は、上記ワックス類および上記樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する塗布液(離型層用塗布液)を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通常のコーティング方法により基材本体12上に塗布し、乾燥することで形成することができる。
離型層の厚さは、0.5〜5.0μm程度が好ましい。
<光沢樹脂層>
光沢樹脂層22は、光沢画像において最表面層となる層であり、離型層13の一方表面に形成される。
光沢樹脂層22は、カラートナー画像を構成する結着樹脂、すなわち、カラートナーに含まれる結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂で構成される。光沢樹脂層22を構成する、結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂は、第2の透明樹脂に相当する。
光沢樹脂層22には、光沢樹脂層22を構成する樹脂全量に対して、10重量%以下の範囲で、結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂以外の樹脂が含まれていてもよい。
光沢樹脂層22を構成する樹脂の軟化温度は、130℃以上160℃以下が好ましい。
光沢樹脂層22を構成する樹脂の軟化温度は、熱接着性樹脂層23の軟化温度より20℃以上高い温度であることが好ましい。これによって、後述する光沢画像形成時に、熱接着性樹脂層23を軟化させて、カラートナー画像に対する密着性を向上させることができるとともに、光沢樹脂層22が軟化して変形することを防止することができる。したがって、カラートナー画像に対して転写樹脂層20が密着し、かつ光沢樹脂層22の表面が平滑な光沢画像を得ることができる。このような光沢画像は、光沢樹脂層22表面、およびカラートナー画像と熱接着性樹脂層23との界面で光が乱反射せず、深みのある画像、すなわち彩度の高い画像である。
光沢樹脂層22を構成する樹脂の軟化温度は、たとえば、光沢樹脂層22を構成する樹脂の分子量によって、調整することができる。
光沢樹脂層22を構成する樹脂の軟化温度を上記数値範囲内とするためには、光沢樹脂層22を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)を4800以上10000以下にすることが好ましく、光沢樹脂層22を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)を57000以上150000以下にすることが好ましい。
光沢樹脂層22を構成する樹脂の分子量を調整するためには、その樹脂の作製時に、架橋剤などの分子量を調整できる成分を用いる。たとえば、光沢樹脂層22の軟化温度を、熱接着性樹脂層23の軟化温度より50度以上高めるためには、光沢樹脂層22を構成する樹脂の作製時に、重量平均分子量が100000以上の高分子を添加したり、重合反応時にトリメリット酸などの3価の酸成分などの架橋モノマーを添加する。
なお、本実施形態において、結着樹脂、光沢樹脂層22を構成する樹脂および熱接着性樹脂層23を構成する樹脂としては、それぞれ分子量の異なる樹脂を用いるが、分子量が異なっていても成分が同じであれば、カラートナー画像の屈折率と、光沢樹脂層22の屈折率と、熱接着性樹脂層23の屈折率とは等しくなる。
光沢樹脂層22は、基材本体12上に形成された離型層13上にフィルムとして直接貼りつける方法によって形成される。または、光沢樹脂層22を構成する樹脂と、その他添加剤とを、水および有機溶剤などの溶媒に溶解または分解せしめてなるインキ(光沢樹脂層用塗布液)を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通常のコーティング方法によって、基材本体12上に形成された離型層13上に塗布し、乾燥することにより形成される。光沢樹脂層22の厚さは、柔軟性と表面の平滑性の点で1〜20μm程度が好ましい。
<熱接着性樹脂層>
熱接着性樹脂層23は、カラートナー画像が形成された記録媒体表面に光沢シート1の転写樹脂層20を接着させる際に、カラートナー画像および記録媒体に直接接着される層であり、カラートナー画像と、転写樹脂層20との接着性を向上させることを目的として形成される。
熱接着性樹脂層23を構成する樹脂としては、前述のように、カラートナー画像を構成する結着樹脂、すなわち、カラートナーを構成する結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂を用いる。熱接着性樹脂層23を構成する、結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂は、第1の透明樹脂に相当する。
前述のように、光沢樹脂層22も、結着樹脂の成分と同じ成分を含む樹脂を含有することから、光沢樹脂層22の屈折率と熱接着性樹脂層23の屈折率とが等しくなり、光沢画像において、光沢樹脂層22と熱接着性樹脂層23との間に光学的な界面が生じることを抑制できるので、彩度の低下がなく、発色が良好で、かつ光沢が付与された光沢画像を得ることができる。
熱接着性樹脂層23を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50〜80℃が好ましい。
熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の軟化温度は、カラートナーに含まれる結着樹脂の軟化温度以下の温度であることが好ましい。
熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の軟化温度は、たとえば、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂を構成する樹脂の分子量によって調整することができる。
熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の軟化温度を上記数値範囲内とするためには、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の数平均分子量(Mn)を4000以上40000以下とすることが好ましく、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の重量平均分子量(Mw)を15000以上60000以下とすることが好ましい。
熱接着性樹脂層23は、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂とその他添加剤とを、水、有機溶剤などの溶媒に溶解または分散せしめてなるインキ(熱接着性樹脂層用塗布液)を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法などの通常のコーティング方法により、光沢樹脂層22上に塗布し、乾燥することによって形成される。熱接着性樹脂の厚さは、0.5〜5μmが好ましい。
光沢樹脂層22および熱接着性樹脂層23における光の透過率は、85%以上が好ましい。
(4)熱転写装置
図3は、光沢画像の形成に使用する熱転写装置100の模式図である。熱転写装置100は、光沢シート供給ローラ101と、記録媒体供給ローラ102と、加熱部材103と、加圧部材104と、基材シート回収ローラ105と、光沢画像シート排紙ローラ106とを備える。なお、本実施形態において、熱転写装置100は、画像形成装置200の側方に設置されており、画像形成装置200においてカラートナー画像が形成された記録媒体が、直接、熱転写装置100に供給されるが、画像形成装置200においてカラートナー画像が形成された記録媒体が、ユーザによって熱転写装置100に供給されるように構成されてもよい。
<光沢シート供給ローラ>
光沢シート供給ローラ101は、円筒周面に光沢シート1が巻きつけられた回転軸を中心に回転する円筒状のローラであり、光沢シート1を加熱部材103と加圧部材104との圧接部に供給する。
<記録媒体供給ローラ>
記録媒体供給ローラ102は、回転軸を中心に回転する円筒状のローラであり、カラー画像形成装置200で形成された、カラートナー画像が形成された記録媒体2を加熱部材103と加圧部材104との圧接部に供給する。
<加熱部材>
加熱部材103は、角柱状のサーマルヘッドであり、光沢シート1を基材本体12側から加熱して、光沢シート1の転写樹脂層20を記録媒体2に接着させる。
<加圧部材>
加圧部材104は、表面が弾性ゴムで形成された回転軸を中心に回転する円筒状のローラであり、光沢シート1と記録媒体2とを、加熱部材103に向けて加圧する。
<基材シート回収ローラ>
基材シート回収ローラ105は、円筒周面に基材シート14が巻きつけられた回転軸を中心に回転する円筒状のローラであり、記録媒体2に接着した転写樹脂層20から基材シート14を剥離させ、基材シート14を回収する。
<光沢画像シート排紙ローラ>
光沢画像シート排紙ローラ106は、回転軸を中心に回転する円筒状のローラであり、転写樹脂層20が接着され、基材シート14が剥離された記録媒体2を、熱転写装置100の外部へ、すなわち排紙トレイ215上へ排出する。
(5)光沢画像形成方法
図4は、本実施形態の光沢画像形成方法を示すフローチャートである。本実施形態の光沢画像形成方法は、加圧工程S1と、接着工程S2と、剥離工程S3とを含む。
<加圧工程>
加圧工程S1では、光沢シート供給ローラ101によって供給された光沢シート1と、記録媒体供給ローラ102によって供給された記録媒体2とを、記録媒体2のカラートナー画像が形成された面の全面に熱接着性樹脂層23が接するように、加熱部材103と加圧部材104との間で重ね合わせる。これによって、光沢シート1と記録媒体2とが、記録媒体2のカラートナー画像が形成された面と光沢シート1の熱接着性樹脂層23とが接するように重ね合わされた状態で加圧される。
加熱部材103および加圧部材104によって、重ね合わせた記録媒体2および光沢シート1に付与される圧力は、1kgf/cm以上2kgf/cm以下が好ましい。
加熱部材103と加圧部材104とによって形成されるニップ幅は、0.5mm以上2mm以下が好ましい。
<接着工程>
接着工程S2では、加熱部材103からの熱によって、重ねて加圧された状態の記録媒体2および光沢シート1を加熱し、熱接着性樹脂層23を軟化させて、記録媒体2表面に転写樹脂層20を接着させる。
加熱部材103の温度は、160℃以上200℃以下が好ましい。また、加熱部材103の温度は、熱接着性樹脂層23の軟化温度以上、光沢樹脂層22の軟化温度未満の温度であることがより好ましい。これによって、熱接着性樹脂層23を軟化させて、カラートナー画像に対する密着性を向上させることができるとともに、光沢樹脂層22が軟化して変形することを防止することができる。したがって、カラートナー画像に対して転写樹脂層20が密着し、かつ光沢樹脂層22の表面が平滑な光沢画像を得ることができる。このような光沢画像は、光沢樹脂層22表面、およびカラートナー画像と熱接着性樹脂層23との界面で光が乱反射しにくく、深みのある画像、すなわち彩度の高い画像である。
接着工程S2では、カラートナー画像は、記録媒体2の搬送方向下流側(排紙トレイ215側)から記録媒体2の搬送方向上流側(画像形成装置200側)に向かって加圧されながら加熱されるので、カラートナー画像は、圧力の低い前記搬送方向上流側に向かって広がりやすくなる。
光沢シート1として、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂の軟化温度が、カラートナーに含まれる結着樹脂の軟化温度以下の温度のものを用いた場合、カラートナー画像を構成する結着樹脂が軟化する前に、熱接着性樹脂層23を構成する樹脂が軟化して、カラートナー画像表面を覆うので、カラートナー画像が前記搬送方向上流側に向かって広がることを抑制することができる。
<剥離工程>
剥離工程S3では、転写樹脂層20が接着された記録媒体2を、光沢画像シート排紙ローラ106によって排出するとともに、基材シート回収ローラ105によって基材シート14を回収することによって、記録媒体2に接着された転写樹脂層20から、基材シート14を剥離させる。これによって、光沢画像が形成される。
光沢画像は、その後、光沢画像シート排紙ローラ106によって、排紙トレイ215上に排出される。
加圧工程S1から剥離工程S3にわたって、カラートナー画像が形成された記録媒体2の搬送速度は、50mm/s以上200mm/s以下が好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。
本発明において測定した各測定値は、以下の方法により測定した。
(基材本体の表面粗さ(Ra))
基材本体の表面粗さ(Ra)は、表面粗さ測定機(SJ−400,ミツトヨ社製)を用いて、この測定機の仕様書に記載された測定方法に従って測定した。
(光沢樹脂層および熱接着性樹脂層の光の透過率)
光沢樹脂層および熱接着性樹脂層の光の透過率は、分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
(樹脂のガラス転移温度(Tg))
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業社製)を用いて昇温速度10℃/minで100℃まで昇温し、降温速度100℃/minで−10℃まで冷却した試料を3分間放置し、その後、昇温速度60℃/minで25℃まで昇温し2分間保持して、昇温速度10℃/minで測定を開始する。ガラス転移温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移温度とする。
(樹脂の酸価)
JIS K 0070の方法に基づき樹脂の酸価を測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
(樹脂の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw))
樹脂の数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定することで求めた。
濃度が0.04g/10mlになるように、樹脂をテトラヒドロフラン(THF)に溶解させた。その後、この溶液をメッシュ0.45μmのフッ素樹脂フィルター(DISMIC−25JP、アドバンテック株式会社製)を用いて濾過して不溶成分を除き、試料溶液とした。
GPC分析装置として東ソー株式会社製HLC−8220を使用した。分析カラムとして、東ソー株式会社製GMHXL+G3000HXLを用い、それをGPC分析装置にセットした。GPC分析装置の測定条件としては、クロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させた後、試料溶液100μlを注入して測定を行った。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出した。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いた。
(樹脂の軟化温度(Tm))
フローテスター(株式会社島津製作所製、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
(ワックスの融点)
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用い、試料1gを温度20℃から昇温速度毎分10℃で200℃まで加熱し、次いで200℃から20℃に急冷する操作を2回繰返し、DSC曲線を測定した。2回目の操作で測定したDSC曲線の融解に相当する吸熱ピークの温度をワックスの融点とした。
(トナー粒子の体積平均粒径および変動係数)
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター社製)50mlに、試料20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:卓上型2周波超音波洗浄器VS−D100、アズワン株式会社製)を用い周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料とした。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:Multisizer3、ベックマン・コールター社製)を用い、アパーチャ径:100μm、測定粒子数:50000カウントの条件下で測定を行い、試料粒子の体積粒度分布から体積平均粒径および体積粒度分布における標準偏差を求めた。変動係数(CV値(%))は、下記式(1)に基づいて算出した。
CV値(%)=(体積粒度分布における標準偏差/体積平均粒子径)×100
…(1)
[実施例1]
カラートナーの作製に用いるポリエステル樹脂A1を以下のようにして作製した。
(ポリエステル樹脂A1の作製)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1162g、フマル酸324g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸38gを添加し、210℃で1時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることにより、ガラス転移温度(Tg)67℃、数平均分子量(Mn)4300、重量平均分子量(Mw)32000、軟化温度(Tm)115℃のポリエステル樹脂A1を得た。
ポリエステル樹脂A1を用いて、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーおよびブラックトナーを以下のようにして作製した。
(シアントナーの作製)
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂A1 1000g
・シアン顔料(商品名:クロモファイン、PB−15:3、大日精化工業株式会社製) 50g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、東亜化成株式会社製、融点82℃)
30g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック社製)により微粉砕し、さらに分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン社製)で分級することによって、シアントナー粒子を作製した。
得られたシアントナー粒子500gと、平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gとを、ヘンシェルミキサ(商品名:20B,三井鉱山社製)を用いて1分間混合し、外添処理を行うことによって、体積平均粒径6.5μm、変動係数22%のシアントナーを作製した。
(マゼンタトナーの作製)
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂A1 1000g
・マゼンタ顔料(商品名:クロモファイン、PR−122、大日精化工業株式会社製) 50g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、融点82℃、東亜化成株式会社製)
30g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック社製)により微粉砕し、さらに分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン社製)で分級することによって、マゼンタトナー粒子を作製した。
得られたマゼンタトナー粒子500gと、平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gとを、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)を用いて1分間混合し、外添処理を行うことによって、体積平均粒径6.5μm、変動係数22%のマゼンタトナーを作製した。
(イエロートナーの作製)
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂A1 1000g
・イエロー顔料(商品名:FY7413、PY−74、山陽色素株式会社製)
50g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、融点82℃、東亜化成株式会社製)
30g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック社製)により微粉砕し、さらに分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン社製)で分級することによって、イエロートナー粒子を作製した。
得られたイエロートナー粒子500gと、平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gとを、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)を用いて1分間混合し、外添処理を行うことによって、体積平均粒径6.5μm、変動係数22%のイエロートナーを作製した。
(ブラックトナーの作製)
下記のトナー原料を、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)により3分間前混合した後、二軸押出機(商品名:PCM−30、株式会社池貝製)を用いて、溶融混練した。
・ポリエステル樹脂A1 1000g
・カーボンブラック(商品名:MA−100、三菱化学社製) 50g
・ワックス(商品名:カルナウバワックス、融点82℃、東亜化成株式会社製)
30g
・帯電制御剤(商品名:ボントロンE84、オリエント化学工業株式会社)
20g
得られた溶融混練物を冷却ベルトにて急冷後、φ2mmのスクリーンを有するスピードミルで粗粉砕し、ジェット式粉砕機(商品名:IDS−2、日本ニューマチック社製)により微粉砕し、さらに分級機(商品名:TSPセパレータ、ホソカワミクロン社製)で分級することによって、ブラックトナー粒子を作製した。
得られたブラックトナー粒子500gと、平均粒子径12nmのコロイダルシリカ5gとを、ヘンシェルミキサ(商品名:20B、三井鉱山社製)を用いて1分間混合し、外添処理を行うことによって、体積平均粒径6.5μm、変動係数22%のブラックトナーを作製した。
これらのカラートナーを用いて、以下のようにしてカラートナー画像を形成した。
画像形成装置としてフルカラー複合機(商品名:MX−5001FN、シャープ株式会社製)を用い、記録紙(商品名:PP116JA4、シャープドキュメント株式会社製)上に、カラートナーの付着量が0.5mg/cmになるように調整して、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー画像(一辺が2cmの正方形のベタ画像)を形成した。なお、定着温度は、165℃とした。
光沢シートの作製に用いるポリエステル樹脂B1およびポリエステル樹脂C1を、以下のようにして作製した。
(ポリエステル樹脂B1の作製)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1162g、フマル酸290g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸95gを添加し、210℃で1時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)69℃、数平均分子量(Mn)4800、重量平均分子量(Mw)57000、軟化温度(Tm)138℃のポリエステル樹脂B1を得た。
(ポリエステル樹脂C1の作製)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1162g、フマル酸347g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、210℃で2時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)65℃、数平均分子量(Mn)4000、重量平均分子量(Mw)15000、軟化温度(Tm)105℃のポリエステル樹脂C1を得た。
ポリエステル樹脂B1およびポリエステル樹脂C1を用いて、以下のようにして光沢シートAを作製した。
(光沢シートAの作製)
基材本体として、幅25cm、長さ1m、厚さ6μm、表面粗さ(Ra)0.05のポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製)を使用した。
基材本体上に下記組成の離型層用塗布液を、乾燥後の塗布量が0.7g/mになるようにグラビアコート法により塗布し、その後、乾燥させて離型層を形成した。
・シリコーン変性アクリル系樹脂(セルトップ226、固形分50%、ダイセル化学工業社製) 16重量部
・アルミニウム触媒(セルトップCAT−A、固形分10%、ダイセル化学工業社製) 3重量部
・メチルエチルケトン 8重量部
・トルエン 8重量部
離型層上に、下記組成の光沢樹脂層用塗布液を、乾燥後の膜厚が1μmになるようにグラビアコート法により塗布し、その後、乾燥させて光沢樹脂層を形成した。
・ポリエステル樹脂B1 40重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
・トルエン 50重量部
光沢樹脂層上に、下記組成の熱接着性樹脂層用塗布液を、乾燥後の膜厚が1.5μmになるようにグラビアコート法により塗布し、その後、乾燥させて熱接着性樹脂層を形成した。光沢樹脂層および熱接着性樹脂層における光の透過率は、92%である。
・ポリエステル樹脂C1 100重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
・イソプロピルアルコール 50重量部
以下のようにして光沢画像を形成した。
(光沢画像の形成)
カラートナー画像が形成された記録媒体と光沢シートAとを用いて、図3に示す熱転写装置100によって光沢画像を形成した。
熱転写装置における光沢画像の形成条件は以下の通りである。
・加熱手段の温度:180℃
・圧力:1kgf/cm
・ニップ幅:1mm
・搬送速度:100mm/s
[実施例2]
光沢シートAの代わりに光沢シートBを用いたこと以外は実施例1と同様にして光沢画像を形成した。
光沢シートBは、ポリエステル樹脂B1の代わりにポリエステル樹脂B2を用い、ポリエステル樹脂C1の代わりにポリエステル樹脂C2を用いること以外は光沢シートAと同様にして作製した。光沢樹脂層および熱接着性樹脂層における光の透過率は、91%である。
ポリエステル樹脂B2およびポリエステル樹脂C2は、以下のようにして作製した。
(ポリエステル樹脂B2)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1126g、フマル酸276g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸78gを添加し、210℃で1時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)69℃、数平均分子量(Mn)6500、重量平均分子量(Mw)86500、軟化温度(Tm)145℃のポリエステル樹脂B2を得た。
(ポリエステル樹脂C2)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1162g、フマル酸338g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸12gを添加し、210℃で2時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)65℃、数平均分子量(Mn)4100、重量平均分子量(Mw)17500、軟化温度(Tm)107℃のポリエステル樹脂C2を得た。
[実施例3]
光沢シートAの代わりに光沢シートCを用いたこと以外は実施例1と同様にして光沢画像を形成した。
光沢シートCは、ポリエステル樹脂B1の代わりにポリエステル樹脂B3を用い、ポリエステル樹脂C1の代わりにポリエステル樹脂C3を用いること以外は光沢シートAと同様にして作製した。光沢樹脂層および熱接着性樹脂層における光の透過率は、91%である。
ポリエステル樹脂B3およびポリエステル樹脂C3は、以下のようにして作製した。
(ポリエステル樹脂B3)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1112g、フマル酸246g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸95gを添加し、210℃で1時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)70℃、数平均分子量(Mn)8200、重量平均分子量(Mw)122000、軟化温度(Tm)158℃のポリエステル樹脂B3を得た。
(ポリエステル樹脂C3)
ポリオキシプオピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン2800g、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン650g、テレフタル酸1162g、フマル酸325g、および酸化ジブチル錫10gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、無水トリメリット酸25gを添加し、210℃で2時間、常圧で反応させた後、8.3kPaで所望の軟化温度に達するまで反応させることによって、ガラス転移温度(Tg)66℃、数平均分子量(Mn)4150、重量平均分子量(Mw)18000、軟化温度(Tm)109℃のポリエステル樹脂C3を得た。
[比較例1]
光沢シートAの代わりに光沢シートDを用いたこと以外は実施例1と同様にして光沢画像を形成した。
光沢シートDは、以下のようにして作製した。
(光沢シートDの作製)
基材本体として、幅25cm、長さ1m、厚さ6μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(表面粗さRa(0.05)、東レ株式会社製)を用いた。
基材本体上に、グラビアコート法により下記の組成の離型層用塗布液を塗布し(塗布量0.7g/m(乾燥時))、その後、乾燥させて離型層を形成した。
・シリコーン変性アクリル系樹脂(セルトップ226、固形分50%、ダイセル化学工業社製) 16重量部
・アルミニウム触媒(セルトップCAT−A、固形分10%、ダイセル化学工業社製) 3重量部
・メチルエチルケトン 8重量部
・トルエン 8重量部
離型層上に、グラビアコート法により下記組成の光沢樹脂層用塗布液を、乾燥後の膜厚が1μmになるように塗布し、その後、乾燥させて光沢樹脂層を形成した。
・アクリル樹脂(BR−85、三菱レーヨン社製) 40重量部
・ポリエステル樹脂(バイロン200、東洋紡社製) 2重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
・トルエン 50重量部
メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体(ガラス転移温度Tg:70℃、SP値:11.6)を合成した。この共重合体を含む下記組成の熱接着性樹脂層用塗布液を、グラビアコート法により、乾燥後の膜厚が1.5μmになるように光沢樹脂層上に塗布し、その後、乾燥させて熱接着性樹脂層を形成した。光沢樹脂層および熱接着性樹脂層における光の透過率は、92%である。
・メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体 100重量部
・メチルエチルケトン 50重量部
・イソプロピルアルコール 50重量部
実施例および比較例で光沢画像の形成に用いたカラートナー画像、ならびに実施例および比較例で得られた光沢画像の光沢度、彩度を測定した。
(光沢度)
光沢度計(VG−2000、日本電色工業株式会社製)を用いて、カラートナー画像および光沢画像の光沢度(75度測定)を測定した。
(彩度)
形成されたベタ画像について、色度計(X−Rite938、X−Rite社製)を用いて、L*a*b*表色系(CIE:1976)におけるクロマチックネス指数a*およびb*を測定し、下記式(2)で示されるC*の値を求め、カラートナー画像および光沢画像の彩度(C*)を評価した。
C*=[(a*)^2+(b*)^2]^1/2 …(2)
測定結果を表1に示す。
Figure 0005871568
表1に示すように、実施例1〜3では、彩度の低下のない光沢画像が得られた。比較例1では、実施例1〜3に比べて彩度の低下した光沢画像が得られた。
1 光沢シート
12 基材本体
13 離型層
14 基材シート
20 転写樹脂層
22 光沢樹脂層
23 熱接着性樹脂層
100 熱転写装置
101 光沢シート供給ローラ
102 カラートナー画像供給ローラ
103 加熱部材
104 加圧部材
105 基材シート回収ローラ
106 光沢画像シート排紙ローラ

Claims (2)

  1. 結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像が形成された記録媒体と、基材シートおよび該基材シートに積層される転写樹脂層を有する光沢シートであって、転写樹脂層が、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する光沢シートとを、前記記録媒体の前記カラートナー画像が形成された面と前記転写樹脂層とが接するように重ねて加圧する加圧工程と、
    加圧された状態の前記記録媒体と前記光沢シートとを加熱して、前記記録媒体表面に前記転写樹脂層を接着させる接着工程と、
    前記記録媒体に接着した前記転写樹脂層から、前記基材シートを剥離する剥離工程とを含み、
    前記転写樹脂層は、前記第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有する光沢樹脂層とを積層してなり、
    前記光沢樹脂層は、前記第2の透明樹脂以外の樹脂の含有量が、樹脂全量に対して10重量%以下であり、
    前記第1の透明樹脂の軟化温度が、前記結着樹脂の軟化温度以下であり、前記第2の透明樹脂の軟化温度が、前記第1の透明樹脂の軟化温度より高いことを特徴とする光沢画像形成方法。
  2. 結着樹脂中に着色剤が分散されてなるカラートナーで構成されるカラートナー画像と、
    前記カラートナー画像に接着される熱接着性樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第1の透明樹脂を含有する熱接着性樹脂層と、
    前記熱接着性樹脂層上に設けられる光沢樹脂層であって、主鎖を構成する原料モノマーが、前記結着樹脂の主鎖を構成する原料モノマーと同じである第2の透明樹脂を含有し、前記第2の透明樹脂以外の樹脂の含有量が、樹脂全量に対して10重量%以下である光沢樹脂層と、を含み、前記第1の透明樹脂の軟化温度が、前記結着樹脂の軟化温度以下であり、前記第2の透明樹脂の軟化温度が、前記第1の透明樹脂の軟化温度より高いことを特徴とする光沢画像積層物
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