JP2002123089A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002123089A
JP2002123089A JP2000313745A JP2000313745A JP2002123089A JP 2002123089 A JP2002123089 A JP 2002123089A JP 2000313745 A JP2000313745 A JP 2000313745A JP 2000313745 A JP2000313745 A JP 2000313745A JP 2002123089 A JP2002123089 A JP 2002123089A
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roll
endless belt
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Yuichi Fukuda
雄一 福田
Sanehiro Katsuta
修弘 勝田
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄く剛性の小さい用紙を用いたとしても紙詰
まりを起こさずに容易に中間転写ベルトまたは定着部材
から剥離することのできる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 回転駆動される無端ベルト部材と、当該
無端ベルト部材に架けまわされる複数のロールと、その
複数のロールのうちの一のロールに対して当該無端ベル
ト部材を挟んで圧接される圧接部材と、無端ベルト部材
から剥離される記録媒体を所定の搬送経路に案内する剥
離案内部材とを備える画像形成装置において、当該トナ
ー画像を構成するトナーのガラス転移温度をTg℃とす
ると、剥離されるトナー画像又は記録媒体の温度がTg
+20℃以下となるように調整されるとともに、当該剥
離案内部材は無端ベルト部材に対して非接触かつ記録媒
体のトナー画像面に接触可能であり、前記他のロールの
軸方向において少なくとも最大トナー画像幅以上の長さ
にわたって配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式や静
電記録方式等の複写機、プリンタ、ファクシミリなど、
乾式トナーを利用した画像形成装置に係る。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式等の乾式ト
ナーを用いた画像形成装置においては、像担持体上に静
電潜像を形成し、それをトナーの付着により現像した
後、そのトナー画像を記録媒体に転写し、加熱および加
圧により定着している。
【0003】上記トナー画像の転写は像担持体から直接
記録媒体に転写するものの他、一旦中間転写ベルトに転
写し、さらに記録媒体に転写する装置が普及している。
この装置は特にカラー画像形成装置に適しており、安定
した条件でトナー画像の転写を行い、中間転写ベルトで
複数色のトナー画像を重ね合わせて高画質の画像を得る
ことができる。
【0004】トナー画像の転写は、電界内でトナーを静
電的に転移させるものが一般的ではあるが、上記のよう
に中間転写ベルト上のトナー画像を記録媒体へ転写する
際には中間転写ベルト上のトナー画像を加熱し、溶融熱
転写することができ、たとえば特公昭64−1023号
公報に上記技術を用いる装置が開示されている。このよ
うに転写を非静電的に行うことにより、転写時の粉体ト
ナーの飛散を防止し高解像力でドット再現性に優れた画
像を得ることができ、かつ転写効率を高くして、カラー
画像における色バランスを良好なものとすることができ
る。
【0005】また、特開平5−19642号公報、特開
平5−249798号公報には、トナーを用紙と密着さ
せて加熱および加圧した後、中間転写ベルトと用紙とを
重ね合わせたまま、トナー粒子の擬集力がトナー画像と
中間転写ベルトとの接着力より大きくなるまで冷却し、
その後に用紙を中間転写ベルトから剥離する方法および
装置が開示されている。このような方法または装置で
は、冷却されることによってトナーの凝集力が強くな
り、中間転写ベルト上にトナー層の一部が残ってしま
う、いわゆるオフセット現象を有効に防止することがで
きる。さらに、トナーが中間転写ベルト表面に沿って固
化するため、平滑な中間転写ベルトを用いることによっ
て、高光沢でトナーの透明性に優れた高画質画像を得る
ことができる。
【0006】一方、記録媒体上に静電的な方法等によっ
て転写された未定着トナー画像を加熱および加圧して定
着する際に、ベルト状の定着部材を記録媒体上のトナー
画像に密着させ、溶融したトナー層の擬集力がトナーと
定着部材との付着力より大きくなるまで温度を下げてか
ら剥離する技術が知られており、たとえば特開平6−1
38785号公報、特開平11−174873号公報に
開示されている。上記のような定着を行うことにより、
定着時のオフセットを防止することができるとともに高
光沢の良好な画像を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記画
像形成装置または定着装置にはなお、次のような技術的
課題が存在する。特開平5−19642号公報、特開平
5−249798号公報に開示された装置では、用紙等
で代表される記録媒体をベルト状の中間転写ベルトから
剥離する部分において、ベルト状の中間転写ベルトを曲
率の大きいロール等に巻き回し、中間転写ベルトがその
移動方向を変化させる際に、用紙等の剛性(いわゆる
“こし”の強さ、つまり中間転写ベルトが大きな曲率で
曲げ回されたときに、変形に抵抗する性質)を利用し
て、中間転写ベルトから用紙を剥離するようにしてい
る。特開平5−19642号公報では、さらに剥離する
部分に剥離爪を設けて剥離を補助する技術も開示されて
いる。
【0008】これらの装置では、記録媒体として坪量8
0gsm以上の普通紙や厚紙を使用した場合については
問題なく剥離できるが、坪量80gsm以下の薄い紙や
コート紙のように剛性の小さい用紙は、トナー粒子間の
擬集力がトナーと中間転写ベルトとの付着力より大きく
なるまで冷却しても、トナーと中間転写ベルトとの付着
力よりも紙の剛性の方が弱く、中間転写ベルトから紙を
剥離できずに中間転写ベルトに巻きついたまま送られ、
紙詰まりを起こすことがある。
【0009】一方、ベルト状部材を使用した定着装置に
おいても同様の問題がある。例えば、特開平6−138
785号公報、特開平11−174873号公報に開示
されたベルト状の定着部材を用いた定着装置では、ベル
ト状の定着部材をロール等の曲率を有する部材に巻き回
し、ベルトがその移動方向を変化させる際に、用紙の剛
性を利用してベルトから用紙を剥離するようにしている
ので、坪量80gsm以下の薄い紙やコート紙のように
剛性の小さい紙が剥離できずに紙詰まりになるという不
具合が発生することがある。
【0010】また、剛性の小さい紙は、剥離爪を設けて
剥離を補助するようにしても、爪によって剥離される部
分とそうでない部分との間で紙が折れ曲がったり、裂け
たりして、十分に中間転写ベルト等からの剥離を補助で
きないのが実情である。
【0011】今後、画質だけでなく、適用できる用紙の
種類も含めて、印刷機と同等の機能が要求されるトナー
を用いた画像形成装置においては、印刷の分野で広く用
いられている薄いコート紙を記録媒体として使用可能に
することが強く求められる。これは、特に電子写真方式
のカラー画像形成装置のオンデマンド性等の利点を活か
す重要な要素となる。
【0012】本発明は、上記のような問題点および要請
に鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルト状の
中間転写ベルトを用いた転写定着同時方式の画像形成装
置、またはベルト状の定着部材を用いた定着装置などに
おいて、その記録媒体として薄く剛性の小さい用紙を用
いたとしても紙詰まりを起こさずに容易に中間転写ベル
トまたは定着部材から剥離することのできる画像形成装
置または定着装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、回転駆動され
る無端ベルト部材と、当該無端ベルト部材に架けまわさ
れる複数のロールと、その複数のロールのうちの一のロ
ールに対して当該無端ベルト部材を挟んで圧接される圧
接部材と、無端ベルト部材から剥離される記録媒体を所
定の搬送経路に案内する剥離案内部材とを備え、一のロ
ールと当該圧接部材とが圧接される圧接部分において記
録媒体を無端ベルト部材表面に密着させ、当該一のロー
ルに対して無端ベルト部材の回転方向下流側の他のロー
ルが与える無端ベルト部材の曲率変化部分内において記
録媒体を無端ベルト部材表面から剥離させ、記録媒体上
にトナー画像を得る画像形成装置において、当該トナー
画像を構成するトナーのガラス転移温度をTg℃とする
と、当該曲率変化部分におけるトナー画像又は記録媒体
の温度がTg+20℃以下となるように調整されるとと
もに、当該剥離案内部材は無端ベルト部材に対して非接
触かつ記録媒体のトナー画像面に接触可能であり、前記
他のロールの軸方向において少なくとも最大トナー画像
幅以上の長さにわたって配設されるものである。
【0014】画像形成装置をこのように構成することに
より、無端ベルト部材へのトナー付着力が低い状態で剥
離できるため、剛性の小さい記録媒体でも記録媒体詰ま
りせず、良好に剥離できる。なお、剛性の小さい記録媒
体としては、例えば、坪量80gsm以下の薄い紙やコ
ート紙などが挙げられる。また画像形成装置をこのよう
に構成することにより、画像の全幅にわたって剥離補助
できるので、剛性の小さい記録媒体でも記録媒体詰まり
せず、良好に剥離できる。さらに、この剥離される記録
媒体上のトナー画像はすでに溶融状態よりも固化状態に
近く、そのトナー画像が当該剥離案内部材に接触して摺
擦されてもトナー画像表面には傷がつかず、トナー画像
は乱されない。
【0015】また本発明は、前記圧接部分におけるトナ
ー又は記録媒体の温度がTg+20℃よりも高く、当該
圧接部分から曲率変化部分に至るまでの領域内において
トナー画像又は記録媒体を冷却する(強制)冷却手段を
備えるものでもよい。
【0016】画像形成装置をこのように構成することに
より、圧接部分から曲率変化部分までの間隔を比較的短
く設計することができ、装置の小型化に資する。なお、
この冷却手段の具体な構成としては、例えば、圧接部分
から曲率変化部分に至るまでの無端ベルト部材の裏面に
接するヒートシンク(冷却板)や、そのヒートシンクと
そのヒートシンクに対して送風する冷却ファンなどの送
風手段との組み合わせや、圧接部分から曲率変化部分に
至るまでの無端ベルト部材の表面に対して送風する冷却
ファンなどの送風手段などを挙げることができる。
【0017】ところでこのような画像形成装置のより具
体的な構成としては、例えば、中間転写ベルトを用い
た転写定着方式の画像形成装置や、定着ベルトを用い
て定着を行う画像形成装置などが挙げられる。
【0018】つまり、中間転写ベルトを用いた転写定
着方式の画像形成装置は、前記無端ベルト部材が中間転
写ベルト、前記一のロールが一の転写定着ロール、前記
圧接部材が他の転写定着ロールであり、当該中間転写ベ
ルト表面のトナー画像をこれら一の転写定着ロールと他
の転写定着ロールとの圧接部分において記録媒体上に転
写定着するものである。
【0019】転写定着方式の画像形成装置ではトナー画
像を形成するトナー同士を加熱により融着させ、中間転
写ベルト上のトナー画像をすべて記録媒体へ移行させて
いる。トナー画像の記録媒体への移行には、トナー画像
のトナー層でのトナーの凝集力が、トナーの中間転写ベ
ルトへの付着力よりも大きく、かつ、トナーの記録媒体
への付着力がトナーの中間転写ベルトへの付着力よりも
大きい状態をつくることが必要となる。もし、この状態
が達成できない場合には、トナー層の分断等で中間転写
ベルト上にトナー層の一部が残ってしまう、いわゆるオ
フセット現象が起き、正常な画像形成が行われなくな
る。
【0020】一般に、トナーの加熱溶融が十分であれ
ば、溶融トナーは記録媒体表面になじみ分子間力が大き
くなり、さらに投錨効果も加わり記録媒体への強い付着
力が得られる。トナーの凝集力については、トナーの温
度に対する粘度特性を考慮し、トナー温度を下げて軟化
〜固化状態にすることでトナー擬集力を強くすることが
できる。トナーの中間転写ベルトへの付着力は弱い方が
良く、このためには中間転写ベルト表面にトナーを付着
させにくい性質のものを用いることが必要であり、シリ
コーン共重合体などを用いることで実現可能である。
【0021】このように、トナー間の擬集力がトナーと
中間転写ベルトとの付着力より大きくなるまでトナーお
よび中間転写ベルトと一体となっている用紙の温度を下
げてから、用紙を中間転写ベルトから剥離することで、
用紙上にすべてのトナーを乱れなく転写すると同時に定
着することが可能となる。
【0022】また、定着ベルトを用いて定着を行う画
像形成装置は、前記無端ベルト部材が定着ベルト、前記
一のロールが一の定着ロール、前記圧接部材が他の定着
ロールであり、前記記録媒体上のトナー画像をこれら一
の定着ロールと他の定着ロールとの圧接部分において定
着するものである。
【0023】定着ベルトを用いて定着を行う画像形成装
置では、転写定着方式の画像形成装置と同様に、記録媒
体上の未定着トナー画像を定着ベルトを介して記録媒体
へ定着する場合も、トナー間の凝集力がトナーと定着ベ
ルトとの付着力より大きくなるまでトナーおよび定着ベ
ルトと一体となっている記録媒体の温度を下げてから、
記録媒体を定着ベルトから剥離することで、オフセット
なく、記録媒体上に定着ベルトの表面性にならった光沢
のある(定着)トナー画像を得ることが可能となる。
【0024】
【発明の実施による態様】以下、本願発明の実施例に係
る画像形成装置を図面を適宜参照しつつ説明する。
【0025】実施例1 図1は、実施例1に係る画像形
成装置(の一部)の断面概略図である。同図において、
符号1は無端状の中間転写ベルト(無端ベルト部材)で
あり、張架ロール6a、7、および剥離ロール(他のロ
ール)6bにより支持されて矢印方向に回転を行う。記
録紙Pと中間転写ベルト1を圧接する一対の加圧ロール
(一のロール)2a、加圧ロール(加圧部材)2bに
は、それぞれ該加圧ロールを加熱する加熱手段3a、3
bが配置されている。中間転写ベルト1の周辺には4つ
の感光体9K〜Yが配置され、それぞれ帯電器10K〜
Yにより一様に帯電された後、濃度信号に応じ光ビーム
パルス幅変調装置によってオンオフされる光ビーム走査
装置20により露光され、静電潜像が形成される。
【0026】各感光体上の静電潜像は、それぞれ、黒、
イエロー、マゼンタ、シアン色のトナーが入った現像器
11、12、13、14により現像され、面積変調によ
り濃度を表すいわゆるディジタル画像の各色トナー画像
が各感光体上に形成される。この各色トナー画像は、順
次、転写帯電ロール50K〜Yにより、中間転写ベルト
1へ転写され、中間転写ベルト1上に複数色のトナー画
像が形成される。上記光ビーム走査による露光は、襟写
機の場合原稿の反射光を色分解フィルターを通した露光
でもよい。
【0027】記録紙(記録媒体)Pへの転写定着前に中
間転写ベルト1を加熱する加熱手段4は曲率半径が約9
00mの湾曲したアルミニウム板4aの中間転写ベルト
1との接触面とは反対の面を面状ヒータ4bで加熱する
構成としている。アルミニウム板4aは厚さ3mのもの
を用いた。アルミニウム板4aの中間転写ベルト1への
接触加熱時間は板の長さを変えることで自由に設定でき
る。板の材料としては、熱伝導の良いものなら特にアル
ミニウムに限るものではない。熱伝導の良い板を用いる
ことにより、中間転写ベルト1を均一に加熱できるとい
う効果が得られる。
【0028】面状ヒータ4bとしては通電発熱体をシリ
コーンラバーで覆ったシリコーンラバーヒータを用い
た。通電発熱体からアルミニウム板4aへの熱抵抗を小
さくすることで効率的に加熱が行われるのでシリコーン
ラバーはできるだけ薄くするのが良い。本実施例では
0.5m厚のシリコーンラバー層を設けた。面状ヒータ
4bは通電発熱体の配線パターンを任意に変えることが
可能であり、すなわち、容易に面状の発熱部材の中で発
熱量分布を変えることができる。
【0029】加圧ロール2bは、トレイ15からの記録
紙Pの送紙に伴い、加圧ロール2aに圧接する。その
後、前記複数色のトナー画像を保持した中間転写ベルト
1と記録紙(記録媒体)Pが、タイミングを合わせて加
圧ロール2aと加熱ロール2bとの圧接部分に進入し、
加圧加熱される。すでに板状加熱手段4によって加熱さ
れている中間転写ベルト1上のトナーは、圧接部分で記
録紙Pに浸透、その後固化することで転写定着が行われ
る。
【0030】感光体9K〜Yとしては、各種無機感光体
(Se、a−Si、a−SiC、CdS等)の他に、各
種有機感光体を適用でき、トナーはイエロー、マゼン
タ、シアン等の色素を含有した熱可塑性のバインダで構
成され、公知の材料を用いることができる。中間転写ベ
ルト1は全幅350mmに対し、8k g fの張力で張
架している。
【0031】本実施例では、中間転写ベルト1はベース
層と表面層の2層横造のものを用いた。べース層は、カ
ーボンブラックを添加した厚さ75μmのポリイミドフ
ィルムを用い、トナー画像を感光体から中間転写ベルト
に静電的に、画像乱れなく転写するために、ベース層の
体積抵抗率はカーボンブラックの添加量を変化させ、1
10Ωcmに調整した。なお、ベース層としては、例え
ば厚さ10〜300μmの耐熱性の高いシートを使用す
ることが可能であり、ポリエステル、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケ
トン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミ
ド、ポリアミドなどのポリマーシート等を用いることが
可能である。
【0032】また、表面層は、トナー像を感光体から中
間転写ベルトに静電的に画像乱れなく転写するために、
その体積抵抗率を1014Ωcmに調整し、また、中間転
写ベルト1から記録紙Pへの同時転写定着を行うとき
に、トナー画像を挟み中間転写ベルト1と記録紙Pの密
着をよくするために、ゴム硬度24度、厚さ50μmの
シリコーン共重合体を用いた。シリコーン共重合体は、
弾性を持ちその表面が常温でトナーに対して粘着性を示
し、さらに、記録媒体へトナーを効率的に移行させるた
めに、溶融して流動化したトナーを離しやすいため、表
面層には最適である。なお、表面層は、例えば厚さ1〜
100μmの離型性の高い樹脂層を使用することが可能
であり、例えばテトラフルオロエチレンーパーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロ
エチレン等を用いることが可能である。
【0033】加圧ロール2a、bとしては金属ロール上
にシリコーンゴム等の耐熱弾性層を有したものを用いる
ことができる。加圧ロールa、bの内部には熱源が配置
される。本実施例では加圧ロール2a、bともに、アル
ミニウムの中空ロール表面上に硬度30度のシリコーン
ゴムを厚さ2.0mmで積層した外径50mmのものを
用い、ロール内部の熱源としては、ハロゲンランプを使
用した。なお、圧接圧力は5.5×105paに設定し
た。このときの圧接幅はおよそ7.5mmであった。
【0034】一対の加圧部材の構成は、上記のように加
圧ロール2a、bによる構成のみに限定されるものでは
なく、中間転写ベルト1と記録紙Pとの間に浮きやずれ
を発生することなく均一に加圧できるものであればどの
ような構成のものでもよい。例えば、1つの加圧ロール
(一のロール)と1つの固定パッド(圧接部材)を組み
合せたもの、あるいは一組の固定パッドで構成してもよ
い。また、加圧ロールa、bの加熱源としてハロゲンラ
ンプを用いているが、加圧部材の加熱源はハロゲンラン
プに限定されるものでなく、周知の他の加熱手段を用い
ることができる。
【0035】剥離ロール6bは、その直径をできるだけ
小さくして、それに中間転写ベルト1を巻き付け、ロー
ルの曲率によって記録紙P自体の腰を最大限利用して剥
離する構成が望ましい。ロール径をあまり小さくすると
中間転写ベルト1の張力によって剥離ロール6bにたわ
みが生じるので、本実施例ではバランスを考慮して剥離
ロール6bを直径16mmのステンレスロールにより構
成している。
【0036】また、本実施例では、中間転写ベルト1か
らの記録紙Pの剥離を補助し、連続的に排出側へ導く剥
離案内部材として、剥離プレート(剥離案内部材)9
を、剥離ロール6bに対向して設け、中間転写ベルト1
の幅方向(剥離ロール6bの軸方向)全域にわたって
0.3mmの隙間をもって取り付けている。中間転写ベ
ルト1に非接触としているのは、ベルト表面を傷つけ画
像に欠陥を起こすことを避けるためである。剥離プレー
ト9は厚さ0.3mmのステンレスであり、表面をテフ
ロン(登録商標)コートしている。表面にバリのない滑
らかな金属、プラスチック等を用いてもよい。
【0037】ロール対10は、ベルト状中間転写ベルト
から剥離された用紙Pを排出トレイへ送り出す用紙搬送
ロールである。
【0038】剥離プレート9の取り付け条件は、中間転
写ベルト1と剥離プレート9の隙間に記録紙Pが巻き込
まれていかないように工夫される。剥離部では、図2に
示すように記録紙Pは、剥離プレート9の先端部Aと中
間転写ベルト1に付着している部分Bとの間に架け渡さ
れたかたちになる。中間転写ベルト1への付着力が強い
とAとBの距離は短くなり、記録紙Pのたわみも大きく
なる。記録紙Pの剛性が付着力に勝り剥離できる状態で
は、記録紙Pのたわみはある大きさにとどまるが、中間
転写ベルト1への付着力が勝る場合は、記録紙Pのたわ
みは極大になり、記録紙Pが折れて中間転写ベルト1と
剥離プレート9の間に巻き込まれたり、はさまれたりし
て、紙詰まりとなる。
【0039】剥離部でAとBの間に架け渡された記録紙
Pの剛性は、材料力学の両持ちはりのモデルから見積も
ることができる。つまり、AとBの間に距離Lで支持さ
れた記録紙Pをたわませる力Fは、記録紙Pのヤング率
と記録紙Pの断面2次モーメントに比例し、はり長さL
の3乗に反比例するものである。これより、剥離部で記
録紙Pの剛性を最大限引き出すには、剥離プレート9の
厚さtを薄くして、かつ、中間転写ベルト1と剥離プレ
ート9との隙間gを小さくし、距離Lを最小にすること
が有効であることがわかる。
【0040】理想的には、距離Lを最も薄い記録紙P並
みの0.05mm程度以下に設定すればよいが、剥離プ
レート9の厚さは薄くするとプレート自体がたわみ、中
間転写ベルト1に接触して傷つけるおそれがあること
と、中間転写ベルト1と剥離プレート9との隙間gを小
さく保つには、構成部品に高い精度が要求され、高コス
トとなるため、現実的には剥離プレート9の厚さ0.2
mm以上、中間転写ベルト1と剥離プレート9との隙間
0.2mm以上に設定される。
【0041】本実施例では、加熱ロール2a、bの圧接
部分から記録紙Pを剥離する領域(曲率変化部分)にか
けての領域に、記録紙Pを冷却する冷却装置(冷却手
段)16を設けている。冷却装置16は記録紙Pの裏面
へ向けて風を送るファンであり、機外から室温程度の空
気を取り込み、ダクトで剥離部の中間転写ベルト1へ風
を送るようにしており、これによって剥離部での記録紙
Pの温度をトナーのガラス転移温度Tg+20℃以下の
温度に制御するようにしている。符号30は、記録紙P
の剥離部での温度を非接触で測定する放射温度計であ
る。冷却装置16のファンとしては、ベルト幅方向にわ
たって均一に風が送れるようにクロスフローファン(オ
リエンタルモータ株式会社製MFD930)を用いた。
【0042】本実施例では、ガラス転移温度72℃、溶
融温度143℃のトナーを用い、265mm/sの中間
転写ベルト1移動速度で、A4サイズの記録紙Pへ毎分
60枚の高速画像出力を行つた。中間転写ベルト1は接
触加熱手段4によって170℃に昇温するようにした。
加熱手段3aによる加圧ロール2aの加熱温度は125
℃に制御し、加熱手段3bによる加圧ロール2bの加熱
温度は100℃に制御して画像出力を行った。
【0043】このとき、加圧加熱領域である加圧ロール
2a、bの圧接部分を通過した直後の中間転写ベルト1
の裏面の温度はおよそ150℃であり、記録紙Pとの間
に挟まれているトナーも溶融温度143℃より高い状態
である。この状態で記録紙Pが中間転写ベルト1から剥
離すると、オフセット等により正常な画像形成がなされ
ないので、中間転写ベルト1とトナー画像と記録紙Pは
少なくともトナーの溶融温度以下になるまで密着したま
ま搬送する必要がある。
【0044】本実施例では、ベルト支持ロール8の直後
で記録紙Pの裏面がおよそ130℃となり、剥離ロール
6bの直前で記録紙Pの裏面がおよそ80℃となるよう
に冷却装置16を適用、制御した。圧接部分で高温の中
間転写ベルト1とトナー像は、室温から送り出されてき
た記録紙Pと密着することで、記録紙Pへ熱が移動して
中間転写ベルト1の温度は下がる。さらに、冷却装置1
6によって剥離部温度が下げられるわけである。
【0045】剥離部を冷却するのは、トナー温度を下げ
てベルトへの付着力を小さくするためであり、直接トナ
ーのみを冷却することは困難なので、記録紙P側または
ベルト側から冷却するものである。記録紙Pもベルトも
それぞれ熱容量をもっているため、厚さ方向でトナー担
持部まで同じ温度になるのには有限の時間が必要である
が、該熱容量は小さく、およそ0.3〜0.5秒で平衡
温度となるので、剥離部の記録紙Pの裏面温度を測定
し、剥離部トナー温度を把握している。
【0046】なお、本実施例では図3に示す(実験例で
後述する)付着力の上がった経時ベルトを使用し、記録
紙Pとして王子製紙株式会社製OK中質コート紙の7
2.3gsm紙と、さらに薄い60.2gsm紙の2種
類を用い、A4サイズの長手側を紙送り方向先端と後端
にした。
【0047】図4は、該OK中質コート紙(72.3g
sm紙:図4(b)と60.2gsm紙:図4(a))
をそれぞれ100枚通紙し、剥離プレート9設定条件に
対し、剥離不良が起きた割合を○△×で示したものであ
る。○は剥離ミスがなかった条件、△は1%〜50%が
剥離ミスとなった条件、×は50%以上が剥離ミスとな
った条件である。図4の横軸と縦軸は、図5に示すよう
に剥離部へ進入してくる中間転写ベルト1の延長線を基
準にした、剥離プレート9の設定角度と先端高さの値で
ある。
【0048】剥離部において、中間転写ベルト1と記録
紙P間のトナーは、たとえれば接着剤のようなはたらき
をし、トナーが無ければ記録紙Pの中間転写ベルト1へ
の付着力はほとんどゼロに近く、トナーの量が増えるに
従い付着力が増す。すなわち、トナーの量が増え画像面
積率が大きくなると、記録紙Pが中間転写ベルト1へ強
い力で付着しているので剥離しにくく、剥離不良が多く
発生する。この場合、トナー画像面が剥離プレート9に
摺擦しながら剥離、搬送されるため、本実施例のよう
に、この剥離部分ではすでにトナーを固化状態に近くし
て、摺擦によって画像表面に傷がつかないようにする必
要がある。
【0049】本実施例においてトナー画像は、中間転写
ベルト1への付着要因であるトナー量、ディジタルスク
リーン画像の面積率を、それぞれ0.55mg/cm2
のトナー量、100%の画像面積率のいわゆるベタ画像
とし、これをイエロー、マゼンタ、シアンの3色につい
て重ねたプロセス黒画像を、用紙の四方の辺から各3m
mを非画像部として残し、全面均一な画像を形成、出力
した。
【0050】図4は剥離ロール6bの直前で記録紙Pの
裏面がおよそ80℃となるように冷却装置16を適用、
制御した状態での結果である。図4より、72.3gs
m紙より60.2gsm紙が若干剥離ミスが発生しやす
いが、剥離プレート角度を0度以上、剥離プレート高さ
を2mm以上とすることで、いずれの紙も剥離ミスしな
いことがわかる。これに対し、冷却装置16を適用せ
ず、剥離部での記録紙Pの温度を100℃〜110℃で
剥離した結果、剥離プレート9の角度と高さを適当に変
更しても80%以上の割合で紙が剥離プレート9と中間
転写ベルト1の間に折れて巻き込まれ、紙詰まりとなっ
た。
【0051】なお、本実施例とは異なり、剥離案内部材
が図6に示す従来の剥離爪のように数mm幅で、数ヶ所
しかないような構成では、薄いコート紙のように剛性の
小さい記録紙Pは、爪によって支えられる部分と中間転
写ベルト1に付着したまま移動しようとする部分との間
で、紙が折れ曲がったり、裂けたりして(本実施例に比
べて)紙詰まりになりやすい。また、出力されるトナー
画像毎に幅方向でそのトナー付着量が違い、トナー量が
多くベルトに強く付着する部分とトナー量が少なく剥が
れやすい部分が画像によって変化するのは言うまでもな
く、画像毎に記録紙Pが中間転写ベルト1に強く付着す
る部分に剥離爪を位置させるような構成は非現実的であ
る。
【0052】以上記したように、本実施例により、薄く
こしの弱いコート紙を中間転写ベルト1から紙詰まりさ
せることなく剥離できるものであり、このようにして記
録紙Pに転写,定着されたカラートナー画像の表面は、
中間転写ベルト1の表面にならい平滑化され高光沢なも
ので、十分に高画質なものであった。
【0053】実施例2 図7は、本実施例に係る画像形
成装置の一部、定着装置の断面概略図である。記録紙P
上には図示しない周知の電子写真等の画像形成工程によ
ってトナー画像Tが形成されている。符号1'は定着ベ
ルト(無端ベルト部材)、であり加熱ロール(一のロー
ル)2cと剥離ロール(他のロール)6b'に懸架され
矢印方向に循環移動される。加熱ロール2cに対向して
加圧ロール(圧接部材)2dが配置され、定着ベルト
1'とトナー像Tを担持した記録紙Pを挟み、加熱ロー
ル2cに押圧するものである。定着ベルト1'は、全幅
320mmに対し6kgfの張力で張架している。
【0054】本実施例では、定着ベルト1'はベース層
と表面層の2層構造のものを用いている。ベース層は厚
さ50μmのポリイミドフィルムを用い、表面層はゴム
硬度24度、厚さ30μmのシリコーン共重合体を用い
た。なお、ベース層としてはたとえば厚さ10〜100
μmの耐熱性の高いシートを使用することが可能であ
り、表面層としてはたとえば厚さ1〜100μmの離型
性の高い樹脂層を使用することが可能である。
【0055】加熱ロール2cとしては、金属ロール20
c上にシリコーンゴム等の耐熱弾性層21cを有したも
の用い、加熱ロール2cの内部には熱源を配置してい
る。本実施例では、アルミニウムの中空ロール上に硬度
30度のシリコーンゴムを厚さ2.Ommで積層した外
径50mmのものを用い、ロール内部の熱源としては、
ハロゲンランプを使用した。加圧ロール2dも加熱ロー
ル2cと同様の樺成をとることができ、本実施例では、
同一のものを用い、加圧ロール2d内部にも熱源として
ハロゲンランプを適用した。なお、圧接圧力は5.5×
105paに設定した。このときの圧接幅はおよそ7.
5mであった。本実施例では、加圧ロール2dを用いて
いるが、圧接部材は定着ベルト1'と記録紙Pとの間に
浮きやずれを発生することなく均一に加圧できるもので
あればどのような構成のものでもよい。たとえば固定パ
ッド(圧接部材)を押圧するように構成してもよい。
【0056】本実施例では、記録紙Pは、圧接部分にお
いて定着ベルト1'に密着され、定着ベルト1'とともに
搬送され、剥離ロール(他のロール)6b'により形成
される剥離部(曲率変化部分)で定着ベルト1'から剥
離される。この圧接部分から剥離部に至るまでの領域
に、定着ベルト1'の裏面に接触して、定着ベルト1'と
トナー像Tを担持した記録紙Pの形状を略平面または曲
面状に保ちながら冷却するフイン付冷却部材(冷却手
段)30を適用し、剥離部でのトナー温度をそのガラス
転移温度程度まで下げるようにしている。
【0057】冷却部材30が定着ベルト1'と接触して
いる長さは定着ベルト1'移動方向で100mmであ
り、定着ベルト1'幅方向は全幅にわたって接触してい
る。冷却部材30のフインに送風することで、フインか
らの放熱を促進し、冷却効果を高めることができる。な
お、フイン付冷却部材30の材質は熱伝導の良いものが
よく、本実施例ではアルミニウムを使用した。図7で符
号31は断熱材である。
【0058】また、本実施例では、定着ベルト1'から
の記録紙Pの剥離を補助し、連続的に排出側へ導く剥離
案内部材として、剥離プレート(剥離案内部材)9'
を、直径16mmの剥離ロール6b'に対向して設け、
ベルトの幅方向全域にわたって0.3mmの隙間をもっ
て取り付けている。
【0059】本実施例では、ガラス転移温度70℃、溶
融温度128℃のトナーを用い、160mm/sの定着
ベルト1'移動速度で、A4サイズの記録紙へ毎分40
枚のトナー画像定着を行った。加熱ロール2cと加圧ロ
ール2dの表面温度は155℃を維持するように各ロー
ル内部のハロゲンランプの出力を調整した。
【0060】本実施例での定着ベルト1'の温度は、冷
却部材30の直後(回転方向下流側直後)でおよそ80
℃となるように冷却部材30のフインに送風、制御し
た。剥離プレート9'は、剥離部へ進入してくる定着ベ
ルト1'の延長線を基準にし、剥離プレート9'の設定角
度25度、剥離プレート9'の先端高さ5mmの位置に
設定した。
【0061】以上の条件で、OK中質コート紙(72.
3gsm紙と60.2gsm紙)に実施例1と同様の画
像条件のトナー画像の定着を行ったところ、100枚の
通紙で剥離不良を起こすことが無かった。すなわち、本
実施例では、剥離不良を起こすことが無く、得られた画
質も定着ベルト1'の表面性にならった高光沢で十分満
足できるものであった。
【0062】なお、本実施例において特に記していない
部材構成および条件は、実施例1と同じであり、改めて
の記述を省略する。
【0063】実験例 本発明者らは、本発明を完成する
ために、数々の実験を行ったが、ここにその一つ(良好
な剥離性を確保する上での剥離部における温度規定のた
めの実験)を説明する。
【0064】本発明者等は、電子写真式の画像形成装置
にOK中質コート紙(72.3gsm、王子製紙株式会
社製)を使用すると紙詰まりが生じることに着目し、該
コート紙の剛性を他の3種の用紙と比較することにし
た。
【0065】
【表1】 表1はこのOK中質コート紙と他の紙種の坪量、厚さ、
剛性を比較したものである。紙の剛性は、別に測定した
ヤング率と紙の断面について算出した断面2次モーメン
トの積を記したもので、断面2次モーメントは、その厚
さ(t)と、A4サイズの用紙の長手方向の長さ297
mmよりなる長方形断面について計算されたものであ
る。なお、S紙とJ紙とJコート紙は富士ゼロックス株
式会社製である。
【0066】表1からわかるように、OK中質コート紙
はカラー用の普通紙であるJ紙と比較すると、剛性が半
分もなく、普通紙の薄紙であるS紙よりもさらに小さい
剛性となっている。また、このOK中質コート紙は、坪
量ではS紙よりも大きくなっているが、その厚さは逆に
小さく、厚さ(t)の3乗に比例する断面2次モーメン
トの影響で、剛性はより小さい値となっている。つま
り、コート紙のコート層は、密度が高く坪量の増加には
なるが、その厚さが薄いため剛性増大には寄与せず、よ
って同程度の坪量の普通紙に比べ剛性の少ないものにな
っていることがわかる。このように普通紙に比べこし
(剛性)の弱いコート紙を無端ベルト部材から剥離し、
排出方向へ送ることが困難なことは上述した通りであ
る。
【0067】本発明者らは、記録媒体剥離性には剥離時
の無端ベルト部材へのトナー付着力が寄与することを考
慮し、鋭意検討を重ねた結果、このトナー付着力が剥離
時のトナー温度によって変化し、ある温度以上で急激に
付着力が増大することを見出した。
【0068】本発明者等は、図8に示す方法で無端ベル
ト部材へのトナー付着力を測定した。つまり無端ベルト
部材(定着ベルト)を有する定着装置に未定着のトナー
画像を担持した記録紙Pを送り、加熱加圧ニツプ部通過
後のベルト、トナー層および記録紙Pを裏面にラバーヒ
ータ4bを貼付した加熱冷却板4a部分で停止させ、加
熱冷却板4aによって所定の温度に設定し、その状態で
記録紙Pを定着ベルト1'から引き剥がすときの最大剥
離力をテンションゲージで測定したものである。これ
は、富士ゼロックス株式会社製Jコート紙の上に20×
20mmの大きさでトナー画像を作成し、トナー画像の
周囲を約5mの余白をもって切り取ったJコート紙上ト
ナー画像を測定対象としている。なお、トナー量は0.
55mg/cm2に設定して画像を形成している。
【0069】図3は、上記測定方法で剥離部温度と定着
ベルト1'へのトナー付着力の関係を調べた結果であ
る。使用した定着ベルト1'は耐熱性の厚さ75μmの
ポリイミド基材上にシリコーン共重合体を厚さ50μm
で積層したもので、離型性の良いNewベルトと、経時
使用されすでに離型性が低下し画像光沢も失われつつあ
る交換直前の経時ベルトの2種類である。
【0070】また、トナーはガラス転移温度Tg=70
℃で溶融温度Tmが128℃のものと、ガラス転移温度
Tg=72℃で溶融温度Tmが143℃のものを用い
た。つまり、ガラス転移温度はほとんど同じだが、溶融
温度の異なる2種のトナーを用いたものである。本発明
におけるトナーガラス転移温度Tgは、中間点ガラス転
移温度(Tmg)を示し、JIS K7122のDSC
法に準拠し、求めたものである(毎分10℃の加熱速
度)。トナー溶融温度は、島津製作所(株)製フローテ
スターCFT−500型によって求めた値が基準にされ
る。
【0071】すなわち、加圧成型器にて成型した1.5
gのトナーをフローテスターCFT−500型を用い、
荷重98N(10kgf)、ノズル直径0.5mm、ノ
ズル長さ1mm、昇温速度5℃/分の条件でノズルから
押し出す。各温度の流出量を60℃から150℃まで3
℃きざみで測定し、見かけ粘度η'(poise)を
得、見かけ粘度η'が104poiseとなる温度をトナ
ー溶融温度と定義する。
【0072】図3より、定着ベルト1'に対するトナー
付着力は、トナーの溶融温度が異なってもおよそ90℃
から急激に増大することがわかる。これは、ベルトの離
型性が変化しても同様である。すなわち、トナーのガラ
ス転移温度70℃に対し+20℃の温度から急激に付着
力は大きくなっており、この温度以上の状態で用紙をベ
ルトから剥離するのは不利であることは明らかであるこ
とが判明した。
【0073】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、その目的は、ベルト状の中間転写ベルトを用いた
転写定着同時方式の画像形成装置、またはベルト状の定
着部材を用いた定着装置などにおいて、その記録媒体と
して薄く剛性の小さい用紙を用いたとしても紙詰まりを
起こさずに容易に中間転写ベルトまたは定着部材から剥
離することのできる画像形成装置または定着装置を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1に係る画像形成装置の一部を
示す断面概略図である。
【図2】図2は、剥離部周辺の拡大図である。
【図3】図3は、温度と付着力との関係を説明するグラ
フである。
【図4】図4は、剥離プレートの好ましい高さと角度を
説明するグラフである。
【図5】図5は、剥離プレートの高さと角度を説明する
ものである。
【図6】図6は、比較のための従来の剥離案内部材を説
明するものである。
【図7】図7は、実施例2に係る画像形成装置の一部を
示す断面概略図である。
【図8】図8は、実験方法を説明するものである。
【符号の説明】
1…中間転写ベルト(無端ベルト部材)、1'…定着ベ
ルト(無端ベルト部材)、2a…加圧ロール(一のロー
ル)、2b…加圧ロール(圧接部材)、2c…加熱ロー
ル(一のロール)、2d…加圧ロール(加圧部材)、6
b、6b'…剥離ロール(他のロール)、9、9'…剥離
プレート(剥離案内部材)、16…冷却装置(冷却手
段)、30…冷却部材(冷却手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 EA03 2H032 AA14 BA05 BA09 BA21 BA23 DA13 DA23 DA27 DA29 DA30 2H033 AA16 BA11 BA20 BA21 BA29 BA58 BB01 BB28 BB34 BE09 CA08 CA09 2H078 BB01 CC06 DD51 DD53 DD57

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転駆動される無端ベルト部材と、当該
    無端ベルト部材に架けまわされる複数のロールと、その
    複数のロールのうちの一のロールに対して当該無端ベル
    ト部材を挟んで圧接される圧接部材と、無端ベルト部材
    から剥離される記録媒体を所定の搬送経路に案内する剥
    離案内部材とを備え、一のロールと当該圧接部材とが圧
    接される圧接部分において記録媒体を無端ベルト部材表
    面に密着させ、当該一のロールに対して無端ベルト部材
    の回転方向下流側の他のロールが与える無端ベルト部材
    の曲率変化部分内において記録媒体を無端ベルト部材表
    面から剥離させ、記録媒体上にトナー画像を得る画像形
    成装置において、 当該トナー画像を構成するトナーのガラス転移温度をT
    g℃とすると、当該曲率変化部分におけるトナー画像又
    は記録媒体の温度がTg+20℃以下となるように調整
    されるとともに、 当該剥離案内部材は無端ベルト部材に対して非接触かつ
    記録媒体のトナー画像面に接触可能であり、前記他のロ
    ールの軸方向において少なくとも最大トナー画像幅以上
    の長さにわたって配設されることを特徴とする画像形成
    装置。
  2. 【請求項2】 前記圧接部分におけるトナー又は記録媒
    体の温度がTg+20℃よりも高く、当該圧接部分から
    曲率変化部分に至るまでの領域内においてトナー画像又
    は記録媒体を冷却する冷却手段を備える請求項1に記載
    の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記無端ベルト部材が中間転写ベルト、
    前記一のロールが一の転写定着ロール、前記圧接部材が
    他の転写定着ロールであり、当該中間転写ベルト表面の
    トナー画像をこれら一の転写定着ロールと他の転写定着
    ロールとの圧接部分において記録媒体上に転写定着する
    請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記無端ベルト部材が定着ベルト、前記
    一のロールが一の定着ロール、前記圧接部材が他の定着
    ロールであり、前記記録媒体上のトナー画像をこれら一
    の定着ロールと他の定着ロールとの圧接部分において定
    着する請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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