JPH0973243A - 定着方法及びその装置 - Google Patents

定着方法及びその装置

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JPH0973243A
JPH0973243A JP8021809A JP2180996A JPH0973243A JP H0973243 A JPH0973243 A JP H0973243A JP 8021809 A JP8021809 A JP 8021809A JP 2180996 A JP2180996 A JP 2180996A JP H0973243 A JPH0973243 A JP H0973243A
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heating medium
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正 小笠原
Hidekazu Akutsu
英一 圷
Tetsuo Kodera
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    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2041Heating belt the fixing nip being formed by tensioning the belt over a surface portion of a pressure member

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インスタントスタートが可能で、高速化に対
応でき、フルカラー画像に対してもオフセットを発生す
ることがなく、良好なカラー画像が得られ、消費電力を
低減でき、更に、光沢度の異なる画像にも対応できるよ
うにする。 【解決手段】 定着ステージSTに沿って移動する薄肉
の加熱媒体2を定着ステージSTの手前にて加熱し該加
熱媒体2に対して蓄熱させる蓄熱工程Aと、この蓄熱工
程A後に定着ステージSTにて前記加熱媒体2と前記記
録媒体1とをトナー像Tを挟んで接触させ、前記加熱媒
体2に蓄熱された蓄熱エネルギを用いて記録媒体1上の
トナー像Tを加熱、溶融すると共に加圧定着する加熱加
圧工程Bと、この加熱加圧工程B後に前記加熱媒体2か
ら記録媒体1を剥離する剥離工程Cとからなる。更に、
定着ステージSTの手前にて記録媒体1が予め加熱され
る予熱工程Dを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリンタや複写機等の
画像記録装置に用いられる定着方法及びその装置に係
り、特に、記録媒体上にトナー像を加熱、溶融するタイ
プの定着方法及びその装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プリンタや複写機等の画像記
録装置に用いられる定着装置としては、内部にヒータを
有する加熱ローラと、弾性体で被覆された加圧ローラと
で構成されたローラ対の間に記録用紙を通すことにより
未定着トナー画像を定着させる方式(熱ローラ定着方
式)が広く使用されている。しかしながら、熱ローラ定
着方式では、加熱ローラの熱容量が大きいため、加熱ロ
ーラを定着に必要な所定の温度に加熱するにはかなりの
時間を要し、これが装置のウォームアップタイムを長く
する要因になっていた。また、加熱ローラの温度を維持
するために多くの消費電力を必要とするため、これが装
置全体の消費電力を大幅に増加させる原因になってい
た。
【0003】そこで、これらの欠点を回避するため、各
種のベルト定着方式が提案されている。例えば特開昭6
3−313182号公報において、薄肉の耐熱性エンド
レスフィルムと線状ヒータとを使用し、ヒータの熱をフ
ィルムを介して印加することで未定着トナー画像を定着
させる方式が提案されている。この方式では、熱容量の
小さいフィルムとヒータとを使用し局部加熱することに
より、ウォームアップタイムの短縮化と省電力化とを図
っている。その実用化例は「SURF方式」という名称
で、平成2年6月に開催された電子写真学会主催の「J
apan Hardcopy ’90」で報告されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このSURF
方式では、薄肉のエンドレスポリイミドフィルムを使用
しているので、フィルム寿命が短い、フィルムを安定走
行させるための機構が複雑でありコスト高になるといっ
た技術的課題や、線状ヒータから短時間に熱を印加して
いるためにヒータの温度を高温にしなければならず、従
って、熱効率が悪く消費電力の低減を阻害しているとい
った技術的課題もあった。また、SURF方式は定着に
必要な熱エネルギをその都度与えていく方式であり、加
熱時にヒータはフィルムを介してトナー像及び記録用
紙、更に加圧ローラと接触しているので、ヒータは短時
間に全体として大きな熱容量体を加熱しなければなら
ず、これが高速化を阻害する原因になっていた。
【0005】更に、フルカラー画像を定着する場合に
は、トナー層厚が厚いため、短時間にトナーを加熱する
ことが困難になり、コールドオフセット(トナー全体に
十分熱が印加されていないため、加熱面にトナーが付着
する現象)が発生するといった技術的課題もあった。
【0006】その他、加熱面側がセラミックヒータと樹
脂フィルムという組合せであることは、金属製の芯金に
テフロンコート層を有する加熱ローラ、すなわち、ハー
ドローラを使用した場合と同様に、オフセット(加熱面
にトナーが付着する現象)が発生し易いといったフルカ
ラー画像定着時に特有の技術的課題を有していた。これ
は、ハードローラのような剛性の高い加熱面ではトナー
層や用紙の凹凸を吸収できず、トナーに対して均一に熱
を印加することができないことと、フルカラー定着では
トナーを紙に定着するという機能の他に、トナーを十分
に溶融すると共にトナー表面に平滑性を与えて、カラー
画像として必要な発色性・光沢性を得るという機能が要
求されるため、一般に、溶融粘度が低い、すなわち、ホ
ットオフセット(トナー全体が高温に加熱されて凝集力
が低下することにより、加熱面にトナーが付着する現
象)し易いトナーを使用していることに起因している。
【0007】かかるフルカラー画像の定着の技術的課題
を回避するために、例えば特開平4−372975号公
報において、トナー画像の加熱溶融後、トナーが未だ冷
却固化するに至らず溶融軟化している状態の時に、加圧
手段でフィルムと記録用紙とを加圧し、トナーが冷却固
化後にフィルムと記録用紙とを剥離する方式が提案され
ている。この方式では、加圧手段でトナーの混色が十分
に行われるので色再現性・光沢性の良好な定着画像が得
られ、冷却固化後に剥離するのでオフセットが発生しな
いとしている。しかし、本方式でも短時間に全体として
大きな熱容量体(フィルム・トナー・用紙・加圧ロー
ラ)を加熱しなければならないことに起因する前述の技
術的課題は改善されていない。
【0008】また、一般に、定着装置のインスタントス
タートを実現するためには、比較的熱容量の小さな加熱
媒体を使用し、短時間で加熱媒体を蓄熱させることが可
能で、ウォームアップタイムを短くすることが必要であ
る。しかし、逆に、熱容量が小さいために、蓄熱させた
熱エネルギでトナー画像を定着させる場合、比較的大き
な熱容量をもつ加圧部材に接触した瞬間にその加圧部材
に熱を奪われてしまい、定着に必要な熱エネルギがトナ
ー画像に十分伝達されないという新たな技術的課題が生
じることになる。
【0009】更に、記録用紙も比較的大きな熱容量をも
っているために、熱容量の小さな加熱媒体を用いてトナ
ー画像を定着させる場合には、次のような技術的課題が
あった。すなわち、トナー画像のうち高温の加熱媒体に
接している側と、相対的に低い温度の記録用紙に接して
いる側とで溶融状態(トナー粘度)が異なってしまい、
特にトナー粘度の低くなった表面側のトナーが拡がっ
て、良好なカラー画像が得られなくなるという技術的課
題があった。これは、表面側のトナーを溶かす時と記録
用紙側のトナーを溶かす時とで、加熱媒体自身の温度が
変化してしまっていることに主として起因する。
【0010】また、近年、プリンタ、複写機等の画像記
録装置に対してフルカラー化の要求が強まってきてい
る。しかし、フルカラー記録と白黒記録における望まし
いトナー画像構造は、作成されるドキュメントによって
全く異なったものである。すなわち、フルカラー記録の
場合には、その色再現性のためにはトナーが溶融して完
全に溶け合い、かつトナー表面が平滑になっているもの
が好まれる。これは光沢度(JIS Z8741−75
゜方法)で50%以上、望ましくは80%以上である。
トナーが完全に溶融せずにトナー層中に界面が存在する
と光が散乱するため色の鮮やかさが損なわれる。また、
トナー表面が平滑になっていないと外部の光がトナー層
に入る前に乱反射されてトナー層中に取り込まれず、色
が濁ってしまう。そのため、フルカラー記録を行うため
に、粘度が非常に低い状態にして完全に溶け合い表面が
平滑化するよう、一般に溶融温度の低いトナーが用いら
れている。一方、ビジネスドキュメントにみられる白黒
記録やマルチカラー記録の場合には、表面に光沢のある
場合には文字や図形が光を反射して読みにくいものにな
ってしまうため、表面はマットな(光沢度10%以下)
ものの方が好まれる。
【0011】従来、フルカラー画像形成装置の定着装置
としては、例えば特開平2−72376号公報に開示さ
れるようなベルト定着装置が知られている。これは、定
着画像に十分な光沢度を持たせるために、記録用紙上の
トナーを融点温度以上に加熱した後、トナーが溶融温度
以下になるまでベルトを密着させて記録用紙を圧接搬送
させ、搬送端部においてベルトを屈曲させて記録用紙を
分離させるようにしたものである。また、この種のベル
ト定着装置において、光沢度の異なる画像を得るものと
しては、例えば特開平4−362679号公報に開示さ
れるようなものが知られている。これは、記録用紙上の
トナーを融点温度以上に加熱した後、ベルトを密着させ
て記録用紙を圧接搬送させ、剥離工程までの区間でベル
トの内面側から冷却ローラを接触させ、冷却ローラの位
置や接触/非接触を制御することにより剥離時のトナー
を変化させ、画像の光沢度を制御するものである。
【0012】このようなベルト定着装置においては、ト
ナーが融点温度以上で記録用紙とベルトとの間に保持さ
れそのまま冷却される。このとき、トナーが溶融状態で
比較的長時間ベルトと接触しているために、トナーには
ベルト面に倣った変形が進み、その形状を保って融点温
度以下になり固化する。このため、ベルトとして平滑な
シート面部材を用いることでトナー表面はシート面部材
表面をほぼそのまま転写し平滑な形状となり、また、ト
ナー同士も境界なく溶融し合い、品質の高いフルカラー
画像を得ることが可能になる。
【0013】しかしながら、このような定着装置におい
ては、ベルトの速度や接触部での圧力あるいは加熱温度
を変えても、トナー表面はベルト表面をそのまま転写す
るため、光沢度の低い面像を得ることはできない。ま
た、圧接搬送中に十分にトナーを冷却しないでベルトか
ら剥離しようとしても、トナーは搬送中に一旦ベルト面
に倣った変形をしているため、剥離後に表面が熱収縮等
により粗れたとしても、このような定着装置では白黒画
像の画質を満足する様な低い光沢度を実現することはで
きなかった。また、トナーを冷却していない粘度の低い
状態で剥離しようとすると、ベルトへのオフセットが起
こり易く、光沢度の制御できる範囲は非常に狭い範囲で
あった。更に、この種のベルト定着装置で光沢度の低い
画像を得るためには、ベルトとして平滑度の低いシート
面部材を用いるようにすれば実現可能であるが、1台の
定着装置で高光沢度と低光沢度双方の画像を得ようとす
ると、ベルトとして2種類のシート面部材を用い、それ
らを選択して定着を行わなければならず、装置が複雑
化、大型化してしまうという技術的課題が生ずる。
【0014】本発明の目的は、上記技術的課題に鑑みて
なされたものであって、インスタントスタートが可能
で、高速化に対応でき、フルカラー画像に対してもオフ
セットを発生することがなく、良好なカラー画像が得ら
れ、消費電力を低減できる定着方法及びその装置を提供
することにある。また、本発明のさらなる目的は、簡単
な構成で画像の光沢度を、白黒画像で要求される非常に
小さいものからカラー画像で要求される非常に大きいも
のまで広い範囲で制御できる定着装置を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明に係る
定着方法は、図1(a)に示すように、記録媒体1上に
トナー像Tを加熱、溶融して定着する定着方法におい
て、定着ステージSTに沿って移動する薄肉の加熱媒体
2を前記定着ステージSTの手前にて加熱し該加熱媒体
2に対して蓄熱させる蓄熱工程Aと、この蓄熱工程A後
に定着ステージSTにて前記加熱媒体2と前記記録媒体
1とをトナー像Tを挟んで接触させ、前記加熱媒体2に
蓄熱された蓄熱エネルギを用いて記録媒体1上のトナー
像Tを加熱、溶融すると共に加圧定着する加熱加圧工程
Bと、この加熱加圧工程B後に前記加熱媒体2から記録
媒体1を剥離する剥離工程Cとからなることを特徴とす
る。
【0016】また、本発明に係る他の定着方法は、図1
(b)に示すように、図1(a)の蓄熱工程A、加熱加
圧工程B及び剥離工程Cに加えて、定着ステージSTの
手前にて記録媒体1が予め加熱される予熱工程Dを設け
たことを特徴とするものである。
【0017】このような方法発明において、蓄熱工程A
は加熱媒体2を加熱して加熱媒体2に蓄熱させる工程で
あればよいが、その蓄熱量については、図1(a)に示
すタイプにあっては、トナーの融点温度以上に加熱媒体
2を加熱することが必要であるのに対し、図1(b)の
タイプにあっては、予熱工程Dにて記録媒体1上のトナ
ー像Tが予め加熱される分、トナー像Tへ与えられる加
熱媒体2からの熱エネルギ量が少なくて済み、通常蓄熱
工程Aにおいてはトナーの融点温度未満に加熱媒体2を
加熱するようにすれば足りる。
【0018】また、図1(a)のタイプにおいて、蓄熱
工程Aは加熱媒体2を加熱して加熱媒体2に蓄熱させる
ものであるが、加熱媒体2に蓄積された熱エネルギの一
部は必ず空気中に放出される。この放出熱エネルギを有
効に利用するという観点からすれば、加熱媒体2に対し
て記録媒体1を近接非接触配置することが好ましい。
【0019】一方、図1(b)のタイプにあっては、予
熱工程Dは記録媒体1を加熱する工程であればよく、そ
の加熱量については、少なくとも加熱媒体2からの蓄熱
エネルギと合わせた状態で記録媒体1上のトナー像が溶
融状態へ移行する程度に記録媒体1を予熱するものであ
ればよいが、記録媒体1をトナーの融点以上の温度に加
熱するようにしてもよい。
【0020】また、加熱加圧工程Bは、加熱と加圧とを
略同時に行うもので差し支えないが、加圧部材による熱
損失を極力少なくするという観点からすれば、図1
(a)に示すように、加熱加圧工程Bとしては、定着ス
テージSTの前段側で前記加熱媒体2と前記記録媒体1
上のトナー像Tとを接触させ、加熱媒体2に蓄熱された
蓄熱エネルギを用いてトナー像Tを加熱、溶融する加熱
工程B1と、定着ステージSTの後段側で前記加熱工程
B1後に前記加熱媒体2と前記記録媒体1とをトナー像
Tを挟んで加圧接触させる加圧工程B2とに分離するこ
とが好ましい。
【0021】更にまた、剥離工程Cとしては、トナー像
Tが完全に固定固化した後に行なうようにしても差し支
えないが、オフセットの発生を確実に回避するという観
点からすれば、トナー像が軟化状態の時に行うことが好
ましい。
【0022】次に、図1(a)に係る定着方法を具現化
する装置発明について説明する。この装置発明は、図2
(a)に示すように、記録媒体1上にトナー像Tを加
熱、溶融して定着する定着装置において、定着ステージ
STに沿って移動する薄肉の加熱媒体2と、定着ステー
ジSTにて前記加熱媒体2に接触するように前記記録媒
体1を搬送する記録媒体搬送手段3と、定着ステージS
Tの手前にて前記加熱媒体2を加熱し該加熱媒体2に対
して蓄熱する蓄熱手段4と、定着ステージSTにて前記
加熱媒体2と前記記録媒体1とをトナー像Tを挟んで接
触させ、前記加熱媒体2に蓄熱された蓄熱エネルギを用
いて記録媒体1上のトナー像Tを加熱、溶融すると共に
加圧定着する加熱加圧手段5と、定着ステージST通過
後の記録媒体1を加熱媒体2から剥離する剥離手段6と
を備えたことを特徴とするものである。
【0023】このような装置発明において、加熱媒体2
としては、耐熱性エンドレスフィルムや薄肉の耐熱性ロ
ーラを用いればよく、また、トナー像が担持されるトナ
ー像担持体を兼用するようにしてもよい。また、加熱媒
体2の一例として耐熱性エンドレスフィルムを使用する
場合には、金属製の支持層を有する耐熱エンドレスフィ
ルムを使用することが好ましい。この態様においては、
第一に、SURF方式のポリイミドフィルムと比較して
かなり大きな機械的強度をもっているので、長寿命化が
可能である。第二に、フィルムエッジ部の機械的強度も
大きいので、搬送ローラや搬送経路などにフィルムの寄
りを規制するガイドを設けるだけの簡易な方法で、フィ
ルムの蛇行制御が可能である。第三に、ポリイミド等の
樹脂フィルムと比較して熱伝導性に優れるため、加熱効
率が高く損失が少ない。
【0024】また、図2(a)に示す定着装置では、外
部からエネルギを供給するのは蓄熱工程Aにおける蓄熱
手段4(加熱媒体2の加熱手段)のみであり、この蓄熱
手段4は、加熱媒体2の加熱だけを考慮すればよいの
で、各種の加熱方式が自由に採用できる。例えば、加熱
媒体2を間接的に加熱する方法として、セラミックヒー
タ等の線状あるいは面状発熱体、赤外線ランプ等の放射
熱体等を使用することが可能である。この場合、加熱体
温度、加熱幅、加熱時間(定着速度との関係で決ま
る)、接触圧、加熱体との距離(非接触の場合)などの
パラメータを任意に設定することができるので、熱効率
を考慮して最適な条件で加熱媒体2を加熱することがで
き、消費電力を低減することが可能であると同時に、速
度に応じて最適設計ができるので、高速機への適応も可
能となる。
【0025】また、加熱媒体2を直接発熱させる方式と
して、通電発熱、電磁誘導発熱等を使用することが可能
であり、この場合、さらに熱効率が良くなる。ここで、
通電発熱方式の具体的態様としては、加熱媒体2として
少なくとも導電層と抵抗層とを具備させ、蓄熱手段4と
して、前記加熱媒体2の抵抗層に接触する電極と加熱媒
体2の導電層との間で通電し前記抵抗層を発熱させる発
熱手段8を具備させるものが挙げられる。他の態様とし
ては、加熱媒体2として少なくとも抵抗層を具備させ、
蓄熱手段4として、加熱媒体2の抵抗層に接触する電極
対にて抵抗層に通電し該抵抗層を発熱させる発熱手段8
を具備させるものが挙げられる。また、電磁誘導発熱方
式としては、例えば加熱媒体2として少なくとも導電層
を具備させ、蓄熱手段4として加熱媒体2に近接して配
置した誘導コイルに通電することにより該導電層に渦電
流を発生させ該導電層を発熱させる発熱手段を具備させ
るものが挙げられる。
【0026】今、加熱媒体2の加熱方式として直接発熱
方式、例えば加熱媒体2として耐熱性エンドレスフィル
ムを使用して、エンドレスフィルムに抵抗層を設けて通
電するという通電加熱方式を採用した場合、フィルムが
直接発熱するため、SURF方式のように、ヒータを用
いてフィルムを加熱する間接発熱方式に比べてより熱エ
ネルギロスが少なくて済む。すなわち、ヒータを用いて
フィルムを加熱する場合は、ヒータからフィルムへ熱伝
達を行うので、その際の接触不良によるロス、空隙に存
在する空気層へのロス、その他ヒータを支持するホルダ
等へのロスと大気中への放熱によるロスなどが生じ、直
接発熱方式の方が熱エネルギロスが少なく省電力化が可
能である。
【0027】なお、いずれの蓄熱手段4を採っても、被
加熱体が比較的小さな熱容量を有する加熱媒体2である
ので、短時間で加熱することができ、従って、定着装置
のインスタントスタートが可能となる。
【0028】更に、図2(a)に係る定着装置におい
て、蓄熱手段4としては、少なくとも加熱媒体2に接触
して加熱媒体2を発熱させる発熱手段8が具備されてい
ればよいが、蓄熱手段4の蓄熱効果をより向上させると
いう観点からすれば、前記発熱手段8との間で加熱媒体
2が摺動自在に挟持される断熱部材9を設けるようにす
ることが好ましい。この断熱部材9としては、断熱性に
加えて、耐熱性、耐久性、摺動性に優れた材料を使用す
ることが好ましい。
【0029】また、加熱媒体2から放出される熱エネル
ギを有効に利用するには、図3に示すように、加熱媒体
2に対して記録媒体1を近接非接触配置し、蓄熱手段4
により、加熱媒体2を加熱し、かつ、加熱媒体2に対し
て近接配置された記録媒体1を予熱するように構成すれ
ばよい。
【0030】また、図2(a)に係る定着装置におい
て、加熱加圧手段5としては例えば一対の加圧部材で加
熱媒体2及び記録媒体1を同時に加熱、加圧するように
構成して差し支えないが、加圧部材への熱損失を極力少
なくするという観点からすれば、加熱加圧手段5として
は、図4に示すように、定着ステージSTの前段側に設
けられ、加熱媒体2と非接触な状態で、加熱媒体2と記
録媒体1上のトナー像とを接触させ、加熱媒体2に蓄熱
された蓄熱エネルギを用いてトナー像を加熱、溶融する
加熱手段5aと、定着ステージSTの後段側に設けら
れ、加熱媒体2と記録媒体1とをトナー像Tを挟んで加
圧接触させる加圧手段5bとで構成するようにすること
が好ましい。
【0031】この場合において、加熱手段5aと加圧手
段5bとを別部材(例えば案内搬送するガイド部材と一
対の加圧部材)で構成するようにしても差し支えない
が、加熱手段5a及び加圧手段5bの構成を簡略化する
という観点からすれば、図4に示すように、加熱媒体2
と記録媒体1とを加圧接触させる一対の加圧部材15,
16からなる加圧手段5bを有し、定着ステージSTの
前段側で加熱媒体2側の加圧部材15を加熱媒体2から
非接触配置し、記録媒体1側の加圧部材16のみで記録
媒体1及び加熱媒体2を接触搬送させることにより、定
着ステージSTの前段側を加熱媒体2側の加圧部材15
からの放熱量が抑えられた加熱手段5aとして機能させ
るようにしたものが好ましい。
【0032】また、剥離手段6としては、定着ステージ
ST通過後に加熱媒体2から記録媒体1を剥離すること
が可能な態様であれば、加熱媒体2を掛け渡すロール部
材を利用したり、記録媒体1を剥離する剥離爪のような
部材を用いたり、あるいは、加熱加圧手段5を構成する
加圧部材を兼用する等適宜選定して差し支えない。ここ
で、剥離手段6としては、蓄熱昇温を防止する放熱構造
を備えたものであることが好ましい。
【0033】次に、図1(b)の定着方法を具現化する
装置発明について説明する。これは、図2(b)に示す
ように、図2(a)の加熱媒体2、記録媒体搬送手段
3、蓄熱手段4、加熱加圧手段5及び剥離手段6に加え
て、定着ステージSTの手前で記録媒体1が予め加熱さ
れる予熱手段7を設けたことを特徴とするものである。
【0034】図2(b)の定着装置においては、加熱媒
体2、記録媒体搬送手段3、蓄熱手段4、加熱加圧手段
5及び剥離手段6について図2(a)と同様な各種の態
様を採用することができることは勿論である。例えば、
加熱加圧手段5を例に挙げれば、図5(a)に示すよう
に、一対の加圧部材にて加熱媒体2と記録媒体1とを加
圧接触し、加熱と加圧とを略同時に行うようにしてもよ
いし、図5(b)に示すように、一対の加圧部材15,
16にて加圧手段5bを構成し、この加圧手段5bの加
圧接触部の手前側では、加熱媒体2側の加圧部材15を
加熱媒体2から非接触配置し、記録媒体1側の加圧部材
16のみで記録媒体1及び加熱媒体2を接触搬送させる
ことにより、加熱媒体2側の加圧部材15からの放熱量
が抑えられた加熱手段5aとして機能させるようにして
もよい。
【0035】また、図2(b)に係る定着装置におい
て、予熱手段7としては、担持された未定着トナーに対
して非接触で記録媒体1を予め加熱するものであればよ
く、例えば抵抗発熱体等を金属板等に取り付けた平板状
のヒータ(ホットプレート)にて加熱したり、ハロゲン
ランプや赤外線ヒータ等の放射線体から近赤外線等記録
媒体1の吸収効率のよい光を照射させ、記録媒体1を加
熱したり、あるいは、記録媒体搬送経路にヒートチャン
バ(オーブン)を設けて記録媒体を加熱する等適宜選定
することが可能である。なお、接触式の予熱手段7は未
定着トナー像Tとの接触を避けるため記録媒体1の裏側
に配置することが必要であるが、非接触の予熱手段7に
ついては、記録媒体1の裏側のみ、表側のみ、裏側と表
側の両方に配置することが可能である。また、接触式の
予熱手段7による予熱を効率的に行うには、記録媒体1
の搬送方向に対して直交方向に凸状の曲率を持った加熱
部材を配設し、搬送方向に対して直交方向に記録媒体1
にテンションをかけるような張架部材を設けるようにす
ることが好ましい。例えば、記録媒体1として連続紙を
用いた記録装置においては、予熱手段7として記録媒体
1の搬送方向に対して接触する面が凸状の曲率を持った
加熱部材を用い、記録媒体1にバックテンションをかけ
ることで加熱部材との接触を向上させることが好まし
い。更に、予熱手段7としては記録媒体1を直接加熱す
るものに限られるものではなく、例えば記録媒体1搬送
用の搬送ベルトと共に記録媒体1を加熱するようにして
もよい。なお、このような搬送ベルトを加熱する方法に
関しては、ベルトに接触する前に記録媒体に帯電手段に
より電荷を与え、静電吸着により接触状態を向上させる
こともできる。
【0036】更に、本発明に係る定着装置のより発展し
た態様としては、図6、図7に示すものが挙げられる。
図6、図7において、符号10は蓄熱手段4に付設さ
れ、加熱媒体2への蓄熱条件を可変設定する蓄熱条件可
変手段であり、11は加熱加圧手段5に付設され、加熱
条件及び加圧条件の少なくともいずれか一方を可変設定
する加熱加圧条件可変手段であり、12は剥離手段6に
付設され、剥離手段6の温度条件を可変設定する温度条
件可変手段であり、更に、13は予熱手段7に付設さ
れ、記録媒体1への予熱条件を可変設定する予熱条件可
変手段である。これらの蓄熱条件可変手段10〜予熱条
件可変手段13の少なくともいずれか一つについて、例
えば光沢度等の選択条件や湿度等の環境条件に基づいて
最適な状態で動作させるようにすればよい。
【0037】次に、上述した技術的手段の作用について
説明する。先ず、図2(a)に示す定着装置の作用につ
いて説明する。同図の定着装置の蓄熱手段4では、比較
的小さな熱容量を有する加熱媒体2を加熱して加熱媒体
2に蓄熱させる蓄熱工程Aが行われる。この蓄熱工程A
では、次の加熱加圧工程Bにおいて、トナー像T全体が
溶融するのに十分な熱エネルギと、少なくともトナーと
接する記録媒体1表面をトナーの溶融温度以上に加熱す
るだけの熱エネルギとが加熱媒体2に蓄熱される。加熱
媒体2はこの熱エネルギを保持した状態で加熱加圧手段
5に送られる。この間に、加熱媒体2からの放熱により
熱エネルギは減少するが、加熱媒体2の界面は熱伝導率
の低い空気であり、しかも、放熱時間も短時間であるた
め、全蓄熱エネルギに対して放熱による熱エネルギ損失
は無視できる位小さい。
【0038】次いで、加熱加圧手段5では加熱加圧工程
Bが行われる。今、加熱と加圧とを同時に行うタイプを
例に挙げると、加熱加圧工程Bでは、加熱媒体2はトナ
ー像と接触し、加熱媒体2の持つ蓄熱エネルギによりト
ナー像Tは加熱・溶融される。また、同時に、トナー像
Tには加熱媒体2を介して均一に圧力が印加されるの
で、トナー像Tは記録媒体1に対して加圧される。な
お、この時の加熱・加圧条件を変えることにより、白黒
画像に対してもカラー画像に対して適応が可能である。
使用するトナーの特性にもよるが、一般に、白黒画像に
対しては比較的低温度・低圧力で定着すると光沢のない
良好なトナー像が得られ、一方、カラー画像に対しては
比較的高温度・高圧力で定着すると良好なカラー画像が
得られる。
【0039】また、比較的高温度・高圧力を印加して良
好なカラー画像を得るためには、必要な光透過性と表面
平滑性とがトナーに付与される。すなわち、優れた発色
性を得るためには、多層に重ね合わされたイエロ、マゼ
ンタ、シアン、(ブラック)のカラートナー全てに対し
て、夫々の色に対応する波長の光が反射(OHPシート
の場合は透過)してこなければならないので、光透過性
と表面平滑性が必須であり、これはトナーに印加された
熱によりトナー全体が十分に溶融することと、圧力によ
りトナー層が圧縮され平らにつぶされることで達成され
る。
【0040】さて、加熱加圧工程Bを通過したトナー像
Tは加熱媒体2と密着した状態で次の剥離手段6に向か
う。すると、この剥離手段6による剥離工程Dが行わ
れ、記録媒体1が加熱媒体2から剥離される。この剥離
工程Dに至る間に、少なくともトナー像Tは放熱により
溶融状態から粘度を増して軟化状態に変化する。特に、
この軟化状態では、トナーの凝集力が増加している一
方、加熱媒体2に対する付着力はあまり増大していない
ため、この時点で加熱媒体2からトナー像Tを剥離する
ことにより、オフセットの発生が有効に防止される。な
お、この時、剥離するタイミングを変えるとトナー表面
の平滑性が変わるので、必要に応じてトナー画像の光沢
を変化させることも可能である。
【0041】この図2(a)に係る定着装置が図3に示
す態様に構成される場合には、前記蓄熱手段4による蓄
熱工程Aは、加熱媒体2を加熱することを第一義に行う
が、加熱媒体2からの放熱を利用して記録媒体1(若し
くは加熱媒体2)上のトナー像を予熱する。
【0042】また、図2(a)に示す定着装置が図4に
示す態様に構成される場合には、加熱加圧手段5による
加熱加圧工程Bは以下のように行われる。すなわち、先
ず、加熱加圧手段5の加熱手段5aによる加熱工程B1
では、加熱媒体2は記録媒体1とトナー像Tを挟んで軽
接触する。このとき、加熱媒体2と記録媒体1とは、小
さな圧力で接触しているだけであり、少なくとも加熱媒
体2の裏側には、加熱媒体2に接触して加圧する加圧部
材は存在しない。このように、加熱媒体2に接触する加
圧部材がないことにより、加熱媒体2から加圧部材に逃
げる熱エネルギをなくすことができるので、加熱媒体2
に蓄熱された熱エネルギは、トナー像T側に、より積極
的に伝達されることになる。そして、この熱エネルギ
は、トナー像Tを溶融し、記録媒体1に定着するために
使用される。なお、このとき、加熱媒体2の裏側へ放熱
するが、加熱媒体2との界面は熱伝導率の低い空気であ
り、しかも、放熱時間も短時間であるために、放熱によ
る熱エネルギ損失は無視できる位小さい。
【0043】次に、加熱加圧手段5の加圧手段5bによ
る加圧工程B2が行われ、加熱媒体2は、記録媒体1と
トナー像Tを挟んで加圧接触する。すなわち、トナー像
Tは、加熱媒体2の裏側と記録媒体1の裏側とにそれぞ
れ接触する加圧部材15,16により均一に圧力が印加
され、記録媒体1に対して加圧される。この圧力によ
り、トナー像Tは、より強固に記録媒体1に定着する。
このように、上記加熱工程B1による接触部では、主と
して、加熱媒体2からトナー像Tに熱エネルギが伝達さ
れ、上記加圧工程B2による加圧部では、主として、ト
ナー像Tは圧力を受けることになる。
【0044】次に、図2(b)に係る定着装置の作用に
ついて、先ず、図5(a)に示す態様のものを例に挙げ
て説明する。この定着装置では、蓄熱手段4による蓄熱
工程Aと、加熱加圧手段5による加熱加圧工程Bと、剥
離手段6による剥離工程Cと、予熱手段7による予熱工
程Dとが順次異なる部位で行われる。先ず、蓄熱工程A
では加熱媒体2が加熱されて蓄熱され、これと並行し
て、予熱工程Dでは記録媒体1の予熱が行われる。この
とき、熱を印加するのは記録媒体1に対してであるが、
記録媒体1上のトナー像Tも熱を受けることになる。こ
の後、蓄熱工程Aを経た加熱媒体2と予熱工程Dを経た
記録媒体1とは、それぞれ次の加熱加圧工程Bに送られ
る。この加熱加圧工程Bでは、加熱媒体2はトナー像と
接触し加熱媒体2の持つ蓄熱エネルギ及び記録媒体1の
持つ予熱エネルギによりトナー像Tは加熱・溶融され
る。また、同時に、トナー像Tには加熱媒体2を介して
均一に圧力が印加されるので、トナー像Tは記録媒体1
に対して加圧される。ここで、良好なカラー画像を得る
ために必要な光透過性と表面平滑性とがトナーに付与さ
れる。すなわち、優れた発色性を得るためには、多層に
重ね合わされたイエロ、マゼンタ、シアン、(ブラッ
ク)のカラートナー全てに対して、それぞれの色に対応
する波長の光が反射(OHPシートの場合は透過)して
こなければならないので光透過性と表面平滑性が必須で
あり、これはトナーに印加された熱によりトナー全体が
十分に溶融することと、圧力によりトナー層が圧縮され
平らにつぶされることで達成される。一方、白黒画像や
マルチカラー画像を得る場合には、予熱工程Dで与えら
れる熱エネルギを多くしてトナーを溶融状態にし、加熱
媒体2の蓄熱エネルギを少なく、あるいはなくすことで
達成できる。すなわち、予熱工程Dでトナー粒子同士及
びトナーと記録媒体1との結着力が得られた後に、加熱
媒体2で加圧される際にトナーは熱を奪われるので、ト
ナー表面は予熱工程Dでの非接触で溶融した表面形状を
そのまま保ったまま、平らにつぶされることなく軟化状
態へ移行する。次に、加熱加圧工程Bを通過したトナー
像Tは次の剥離工程Cに送られ、加熱媒体2から剥離さ
れる。なお、この剥離工程Cとしては図2(a)の定着
装置の剥離工程と同様であり、オフセットの発生を有効
に回避するという観点からすれば、トナー像Tが完全に
固化する前段階、すなわち、軟化状態にある時に剥離工
程Cを行うことが好ましい。
【0045】次に、図5(b)に係る定着装置の作用に
ついて説明する。この定着装置は図5(a)と異なる加
熱加圧手段5を備えており、その箇所の加熱加圧工程B
が図5(a)タイプと異なる。すなわち、蓄熱工程Aを
経た加熱媒体2と予熱工程Dを経た記録媒体1とは、そ
れぞれ、次の加熱加圧工程Bに送られるが、この加熱加
圧工程Bでは、先ず、加熱手段5aによる加熱工程B1
(加熱媒体2と記録媒体1とをトナー像Tを挟んで軽接
触させる工程)が行われ、しかる後に、加圧手段5bに
よる加圧工程B2(加熱媒体2と記録媒体1とをトナー
像Tを挟んで加圧接触させる工程)が行われる。このと
き、前記加熱工程B1では、トナー像Tには予熱工程D
においてすでに熱エネルギが加えられているが、さらに
加熱媒体2の持つ蓄熱エネルギが加えられてトナー像T
は加熱・溶融されるため、カラー画像を得る場合には、
ここで加熱媒体2に十分に熱を蓄熱させることで、必要
な光透過性と表面平滑性とがトナーに付与される。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。 ◎実施の形態1 図8は本発明が適用された定着装置の実施の形態1を示
し、この実施の形態ではカラー画像記録装置の定着工程
に使用されている。同図において、21は記録用紙31
上のトナー像を加熱するための定着フィルム(加熱媒体
に相当)、22は定着フィルム21蓄熱用のヒータ、2
3はヒータ22に対して電圧を印加する電圧印加制御回
路、24はヒータ22からの熱エネルギ損失を抑えるた
めの断熱部材、25,26は定着フィルム及び記録用紙
31を加圧する加圧ローラ及びバックアップローラ、2
7は定着工程後の記録用紙31を定着フィルム21と共
に搬送する搬送ガイド板、28は定着フィルム21を回
転駆動する駆動ローラ、29は定着フィルム21に所定
の引張力を与え定着フィルム21の弛みを防止するテン
ションローラ、30は定着工程後に定着フィルム21か
ら記録用紙31を剥離する剥離ローラである。
【0047】本実施の形態の定着フィルム21は、図9
に示すように、ヒータ22と接触する側(裏面)から順
に、支持層21aと離型層21bとから成る。支持層2
1aとしては耐熱性、耐久性、機械的強度に優れている
材料が使用され、例えばニッケル、アルミニウム、銅、
ステンレス等の金属フィルムや、ポリイミド、ポリアラ
ミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリエーテル
エーテルケトン(PEEK)、エチレンテトラフルオロ
エチレン共重合体(PTFE)等の高分子樹脂フィルム
が使用される。また、離型層21bとしては耐熱性があ
り、表面エネルギの小さい材料が使用され、例えばシリ
コーン樹脂、フッ素樹脂等の高分子樹脂や、シリコーン
ゴム、フッ素ゴム等のゴム材が使用される。
【0048】また、定着フィルム21の製造方法として
は種々の方法があるが、例えば、支持層21aとして金
属フィルムや樹脂フィルムのエンドレスベルトを作製
し、その表面に離型層21bをコーティングして作られ
る。金属製の支持層21aを使用する場合、材料によっ
ても異なるが、厚さは1〜100μm、好ましくは強
度、製造性の面と低熱容量化、可撓性の面から10〜5
0μmであるのがよい。また、樹脂製の支持層21aを
使用する場合、材料によっても異なるが、その厚さは1
〜150μm、好ましくは強度の点と低熱容量化の点か
ら10〜100μmであるのがよい。離型層21bは、
材料によっても異なるが、その厚さが0.1〜500μ
m、好ましくは強度の点と低熱容量化の点から1〜50
μmであり、表面エネルギが30mN/m以下であり、
耐熱性が150゜C以上のものが使用される。尚、本実
施の形態では、定着フィルム21は二層構造のものを使
用したが、層構造としてはこれに規定されることはな
く、例えば、耐熱性、耐久性、機械的強度に優れ、表面
エネルギの小さい材料であれば、単層構造でも構わな
い。
【0049】本実施の形態の定着フィルム21は、ニッ
ケルを支持層21aとして製造したものであり、先ず、
電鋳法で厚さ20μm、幅310mm、周長311mm
(99mmφ)のニッケル製エンドレスフィルムを作製
して支持層21aとし、その表側に、厚さ10μmのフ
ッ素樹脂(PFA)をコーティングして離型層21bを
形成した。
【0050】また、ヒータ22は、図10に示すよう
に、基板22a、発熱抵抗層22b、保護層22c、断
熱ホルダ22d、温度センサ22eとから成る。基板2
2aとしてはアルミナ等の耐熱性、絶縁性材料が使用さ
れ、発熱抵抗層22bとしてはAg/Pd(銀パラジウ
ム)等からなる電気抵抗材料が使用される。また、保護
層22cとしては耐熱性、絶縁性、耐久性、摺動性に優
れた材料が使用され、例えばガラス等が使用される。断
熱ホルダ22dとしては断熱性材料で作られ、例えばフ
ェノール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の断熱性
樹脂等が使用される。また、温度センサ22eとしては
サーミスタや熱電対など小型の温度センサが使用され
る。本実施の形態のヒータ22は、アルミナ基板22a
に、発熱抵抗層22bとしてAg/Pdをスクリーン印
刷により厚さ10μm、幅6mm形成し、その上に保護
層22cとしてガラスコート材を厚さ10μm成膜して
発熱体を作製し、これと温度センサ22eであるサーミ
スタをフェノール樹脂製の断熱ホルダ22dに取り付け
たものである。
【0051】更に、断熱部材24は、図11にその断面
形状を示すように、蓄熱部Aにおいて定着フィルム21
がヒータ22から有効に熱を受けるように、定着フィル
ム21とヒータ22との接触を良くする部材で、断熱性
があり、耐熱性、耐久性、摺動性に優れた材料が使用さ
れる。本実施の形態では、シリコーンゴムの表面にテフ
ロンをコーティングしたものを使用している。また、本
実施の形態では、図11に示すように、断熱部材の本体
24aに、定着フィルム21の表面温度を検知するため
の温度センサ24b(サーミスタ)が取り付けられてい
る。なお、本実施の形態では板状の断熱部材24を使用
しているが、接触を良好にするためのものであれば、ロ
ール状のものでもベルト状のものでもよい。
【0052】また、加圧ローラ25は、ステンレス等の
金属製の芯金に耐熱性のシリコーンゴムやフッ素ゴムを
ライニングしたローラで、本実施の形態ではSUS製の
芯金にゴム硬度40(JIS A)のシリコーンゴムを
厚さ8mmライニングした、外径30mmのローラを使
用している。そして、この加圧ローラ25は駆動系によ
って定着フィルム21の回転速度と同期して回転駆動さ
れるようになっている。
【0053】一方、バックアップローラ26は、加圧ロ
ーラ25に対向して配置されるローラであり、加圧ロー
ラ25と同様にステンレス等の金属製の芯金の耐熱性の
シリコーンゴムやフッ素ゴムをライニングしたローラで
ある。本実施の形態では、SUS製の芯金にゴム硬度5
5(JIS A)のシリコーンゴムを厚さ8mmライニ
ングした、外径30mmのローラを使用している。そし
て、この実施の形態では、前記バックアップローラ26
は定着フィルム21に従動するように構成されるが、必
要に応じて駆動系を付加してもよい。
【0054】また、剥離ローラ30は、剥離部Cにおい
て、その高曲率を利用して定着フィルム21からトナー
像をセルフストリップするためのローラである。本実施
の形態では、外径12mmのSUS製ローラを使用して
いる。また、この実施の形態では、剥離ローラ30とテ
ンションローラ29の両サイドに定着フィルム21の寄
りを規制するサイドガイド(図示せず)が設けられてお
り、これにより定着フィルム21は複雑な蛇行制御なし
に安定に搬送されるようになっている。
【0055】次に、本実施の形態の定着フィルム21に
よる定着動作について説明する。図8に示すように、定
着フィルム21は、駆動ローラ28の回転力で記録用紙
31の搬送速度と略同一速度で矢印方向に回転駆動され
る。また、定着時に定着フィルム21の回転を安定に行
うため加圧ローラ25にも駆動系が取り付けられてお
り、加圧ローラ25の周速は定着フィルム21の回転速
度と同一速度で回転するようになっている。
【0056】さて、本実施の形態の定着装置は以下のよ
うなプロセスに従って定着が行われる。 先ず、本定着
装置が適用されているカラー画像記録装置が印刷動作を
行っていない時には、定着フィルム21の回転動作は停
止しており、ヒータ22には電圧が印加されていない状
態になっている。次に、印刷動作が開始され、通常の電
子写真記録プロセスに従って現像が行われた後に、記録
用紙31にカラートナー像がイエロ、マゼンタ、シアン
各色毎に転写され、記録用紙31上の未定着トナー像3
2aとして搬送ローラ(図示せず)によって加熱加圧部
Bまで送られてくる。この動作と同期して、ヒータ22
に電圧印加制御回路23からパルス電圧が送られ、ヒー
タ22は発熱する。この時、ヒータ22の温度は温度セ
ンサ22eで検知されており、過剰発熱しないようにパ
ルス電圧を調整することによりコントロールされてい
る。
【0057】一方、定着フィルム21は、図8及び図1
2に示すように、ヒータ22の昇温に比例して昇温する
が、定着フィルム21が定着に必要な蓄熱エネルギを保
持する状態(温度)まで昇温されると、これと略同時
に、定着フィルム21の回転動作が開始する。そして、
記録用紙31が加熱加圧部Bに送られてくるまでに、定
着フィルム21は安定な回転状態になると共に、定着フ
ィルム21の表面温度は温度センサ24bによって検知
され、ヒータ22通過後に所定の温度に維持するように
ヒータ22によりコントロールされている。この実施の
形態では、ヒータ22及び定着フィルム21の熱容量は
小さいので、パルス電圧を印加すると定着フィルム21
は瞬時に所定の温度に達する。従って、定着フィルム2
1を予熱しておく必要はなく、定着装置はインスタント
スタートが可能である。また、本実施の形態では、定着
フィルム21はヒータ22との接触を良くするために断
熱部材24により押圧を印加されており、これにより、
ヒータ22から定着フィルム21への良好な熱伝達が行
われる。
【0058】さて、蓄熱部Aを通過した定着フィルム2
1は、図8及び図12に示すように、定着に必要な熱エ
ネルギを保持した状態で、次の加熱加圧部Bに送られ
る。この時、定着フィルム21からの放熱により熱エネ
ルギは減少するが、定着フィルム21の界面は熱伝導率
の低い空気であり、蓄熱部Aから加熱加圧部Bに至る時
間も短時間(本実施の形態では0.1秒程度)であるた
め、放熱による熱エネルギ損失は無視できる位小さく、
本実施の形態では定着フィルム21表面温度で1゜C程
度の低下である。
【0059】一方、記録用紙31上の未定着トナー像3
2aは、図8及び図12に示すように、加熱加圧部Bに
送られ、定着フィルム21からの蓄熱エネルギにより加
熱溶融されてトナー像32bとなる。この時の加熱条件
は、多層に転写されたトナー像全体が熱溶融して、トナ
ーの光透過性が十分得られる位まで熱エネルギが印加さ
れることである。従って、蓄熱部Aにおいて、この条件
を満足するような熱エネルギが定着フィルム21に蓄熱
されている。また、加熱加圧部Bでは、熱と同時に圧力
も印加されるが、このときの加圧条件としては、トナー
像が層厚方向に圧縮されて平らにつぶされ、各色のトナ
ー共に表面平滑性が得られるのに十分な圧力が印加され
ることである。この加圧力は、総圧100〜1500N
程度が適当であり、本実施の形態では総圧600Nが印
加されている。
【0060】このような加熱加圧部Bによって、カラー
画像に必要なトナーの光透過性と表面平滑性とが付与さ
れる。次に、加熱加圧部Bを通過したトナー像32c
は、次の剥離部C(剥離ローラ30配設部に相当)に搬
送される間に、放熱により溶融状態から粘度を増して軟
化状態に変化する。そして、剥離部Cにおいて、剥離ロ
ーラ30の高曲率により、トナー像は定着フィルム21
からセルフストリップされる。このときの剥離条件とし
ては、トナーの凝集力が溶融状態の時に比べて増加して
いる一方、定着フィルム21の離型層21bに対する付
着力はあまり増大していないことである。この条件を満
たすことにより、トナーはオフセットすることなく剥離
され、良好なカラー定着像32dが得られる。なお、本
実施の形態では、蓄熱条件・加熱加圧条件を変えること
で、光透過性及び表面平滑性は微妙に調節される他、加
熱加圧部Bと剥離部Cとの距離や時間差を変えること
で、表面平滑性についての調節が容易に行なわれる。
【0061】さて、以上説明したような構成を成し、動
作をするように調整された定着装置を富士ゼロックス
(株)製のカラー複写機A colorに組み込んで試
験機を準備し、A color用のカラートナーを使用
して、定着速度160mm/sで定着を行った。その結
果、発色性・定着性共に良好であり、高品位のカラー画
像が得られた。また、定着フィルムへのオフセットが発
生することなく、500枚の通紙後も定着フィルムが汚
染するようなことはなかった。更に、A4版用紙10万
枚印刷相当の耐久試験を実施した結果、定着フィルムの
機械的劣化は見られず、定着を行ってみたところ、カラ
ー画像の発色性・定着性共に初期状態と遜色なく、定着
フィルムへのオフセットも発生しなかった。なお、本実
施の形態では離型剤を使用していないが、必要に応じ
て、オフセットを防止するために、シリコーンオイル等
の離型剤を使用してもよい。
【0062】◎実施の形態2 図13は本発明が適用された定着装置の実施の形態2を
示し、実施の形態1と同様な構成要素については実施の
形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を
省略する。同図において、この実施の形態に係る定着装
置は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と
異なる定着フィルム41、ヒータ42及び断熱部材44
を備えている。定着フィルム41は、特に図14(a)
に示すように、記録用紙31に面していない裏側から順
に、ポリイミドフィルムからなるベース層41aと、こ
のベース層41a上に積層されるニッケル基層41bと
で支持層を構成し、前記ニッケル基層41b上に離型層
としてのテフロンコート層41cを積層したものであ
り、例えば幅220mm、132mmφの大きさに構成
されている。
【0063】また、この実施の形態において、ヒータ4
2は、特に図14(a)に示すように、定着フィルム4
1の記録用紙31側に配設されており、フェノール樹脂
からなるヒータホルダ42aにセラミックヒータ42b
を取り付けたものである。ここで、セラミックヒータ4
2bとしては、図14(b)に示すように、セラミック
基板42cに例えば幅4mm×厚さ2μmの発熱抵抗体
42d(ヒータ抵抗値:10Ω)を2本配設したものが
用いられる。
【0064】一方、断熱部材44は、特に図14(a)
に示すように、ヒータ42に対応した定着フィルム41
の裏側に配設されており、アルミニウム製のパッドホル
ダ44aにシリコーンゴム製のパッド44bを固着した
もので、荷重F(この実施の形態では100N/220
mm)にて定着フィルム41に押圧されている。
【0065】この実施の形態において、実施の形態1と
同様な作用を奏することが確認された。
【0066】◎実施の形態3 図15は本発明が適用された定着装置の実施の形態3を
示すものであり、実施の形態1と同様な構成要素につい
ては実施の形態1と同様の符号を付してある。同図にお
いて、定着装置は、実施の形態1と略同様に構成されて
いるが、定着フィルム51の加熱方式が実施の形態1と
異なる。すなわち、本実施の形態の定着フィルム51
は、図16に示すように、通電入力ツール52と接触す
る側(裏側)から順に、発熱抵抗層51a、電極層51
b、離型層51cとから成る。定着フィルムの製造方法
としては種々の方法があるが、例えば電極層51bを基
材とする場合や、発熱抵抗層51aを基材とする場合が
ある。
【0067】電極層51bを基材とする場合は、例えば
ニッケル、アルミニウム、銅、ステンレス等の導電性金
属から成る電極層51bを基材として、裏側に導電性の
ぺーストを印刷塗布・焼成して発熱抵抗層51aを形成
し、表側に例えばシリコーン系の樹脂或いはゴムか、フ
ッ素系の樹脂或いはゴムをコーティングして離型層51
cを形成する。このとき、電極層51bの厚さは材料に
よっても異なるが、1〜100μm、好ましくは強度、
製造性の面と低熱容量化、可撓性の面から10〜50μ
mであるのがよい。また、発熱抵抗層51aの厚さは着
膜方法によっても異なるが、0.05〜50μm、好ま
しくは強度、製造性の面と低熱容量化の面から1〜10
μmであり、その体積抵抗率が10-4〜104Ωcmの
ものが使用される。更に、離型層51cの厚さは材料に
よっても異なるが、0.1〜500μm、好ましくは強
度の点と低熱容量化の点から1〜50μmであり、その
表面エネルギが30mN/m以下であり、その耐熱性が
150゜C以上のものが使用される。
【0068】また、発熱抵抗層51aを基材とする場合
は、例えばカーボンブラック、金属粉末、導電性セラミ
ックス粉末等の導電性フィラーをポリイミド、ポリアラ
ミド、ポリアミドイミド、フッ素系樹脂等の合成樹脂中
に分散させて得られた導電性樹脂フィルムや、導電性セ
ラミックスシート等が発熱抵抗層51aとして使用さ
れ、その厚さは0.3〜150μmであって、その体積
抵抗率は10-4〜104Ωcmのものが使用される。こ
の発熱抵抗層51aの上に積層される電極層51bは、
例えば銅、銀等の金属材料、導電性セラミック材料、導
電性粒子分散材等で形成され、その体積抵抗率について
は1Ωcm以下、好ましくは10-3Ωcm以下のものが
よい。
【0069】更に、この電極層51bの上に積層される
離型層51cは、例えば、シリコーン系の樹脂あるいは
ゴムか、フッ素系の樹脂あるいはゴムが使用され、その
厚さは0.1〜500μm、好ましくは強度の点と低熱
容量化の点から1〜50μmで、その表面エネルギが3
0mN/m以下であり、その耐熱性が150゜C以上の
ものが使用される。
【0070】尚、本実施の形態の定着フィルム51は三
層構造のものを使用したが、層構造としてはこれに限定
されることはなく、例えば、離型層を導電性にして電極
層の機能を兼ねさせ、電極・離型層として一つの層にし
て、これに発熱抵抗層を加えた二層構造としてもよい。
【0071】本実施の形態の定着フィルム51は、電極
層51bを基材とする方法で製造した。先ず、電鋳法で
厚さ20μm、幅310mm、周長311mm(99m
mφ)のニッケル製エンドレスフィルムを作製し電極層
51bとした。その裏側に、アルミニウム・ニッケル混
合ペーストを塗布・焼成し、厚さ3μmの発熱抵抗層5
1aを作製した。また、表側には、厚さ10μmのフッ
素樹脂(PFA)をコーティングして離型層51cを形
成した。
【0072】また、通電入力ツール52は、図15に示
すように、定着フィルム51の裏側に配設されており、
特に図17に示すように、コンタクト電極52aと絶縁
性ホルダ52bと温度センサ52cとから成る。コンタ
クト電極52aは高融点金属材料や導電性セラミックス
等で製作し、高融点金属材料としては例えばタングステ
ン、モリブデン、チタン等が使用される。その体積抵抗
率は1Ωcm以下、好ましくは10-3Ωcm以下のもの
がよい。絶縁性ホルダ52bは、耐熱性材料で作られ、
例えばセラミックスやフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フ
ェノール樹脂等の耐熱性樹脂が使用される。また、温度
センサ52cはサーミスタや熱電対など小型の温度セン
サが使用される。
【0073】本実施の形態の通電入力ツール52は、セ
ラミックス製の絶縁性ホルダ52bに、コンタクト電極
52aとしてタングステンをスクリーン印刷により厚さ
10μm、幅8mmに形成し、温度センサ52cとして
サーミスタを取り付けたものである。
【0074】さて、本実施の形態の定着プロセスは、実
施の形態1の定着プロセスと略同一であり、異なるの
は、蓄熱工程における定着フィルムの加熱方法である。
すなわち、本実施の形態では、定着フィルム51が直接
発熱する通電発熱法を使用している。これを詳細に示し
たものが図18である。同図において、定着フィルム5
1の電極層51bはアースに接続されており、電圧印加
制御回路23から送られてくるパルス電圧に対応して、
通電入力ツール52のコンタクト電極52aと電極層5
2bとの間で図18の矢印で示すように電流が流れ、定
着フィルム51の発熱抵抗層51aはジュール熱により
発熱する。この時、発熱抵抗層51aの温度は温度セン
サ51cで検知され、所定の温度になるようにパルス電
圧を調整することによりコントロールされている。
【0075】また、定着フィルム51の熱容量は小さい
ので、パルス電圧を印加すると瞬時に所定の温度に達す
る。更に、定着フィルム51の厚さ方向の温度分布はほ
とんど均一で、発熱抵抗層51aの温度と離型層51c
の表面温度はほとんど同一である。
【0076】このように調整した定着装置を実施の形態
1と同様に富士ゼロックス(株)製のカラー複写機A
colorに組み込んで同一条件で評価を行った。その
結果、定着特性は、実施の形態1と同様な結果が得られ
た上に、本実施の形態では、定着フィルムが直接発熱す
るため、実施の形態1の外部ヒータを用いる場合より熱
エネルギロスが少なく、より一層の省電力化が図れた。
【0077】◎実施の形態4 次に、上記実施の形態3と蓄熱工程における通電発熱部
分が異なる実施の形態を示す。本実施の形態の構成は、
実施の形態3と略同様であるが、定着フィルム61及び
通電入力ツール62が実施の形態3と異なる。
【0078】本実施の形態の定着フイルム61は、図1
9に示すように、通電入力ツール62(詳細は図20参
照)と接触する側(裏側)から順に、発熱抵抗層61
a、絶縁層61b、基材層61c、離型層61dとから
成り、実施の形態3で用いた定着フィルム51に絶縁層
61bを付加した構成である。従って、定着フィルム5
1と同様に、以下に示すような方法で製造した。
【0079】先ず、電鋳性で厚さ20μm、幅310m
m、周長311mm(99mmφ)のニッケル製エンド
レスフィルムを作製し基材層61cとした。次にその裏
側に、ガラスペーストを塗布・焼成し、厚さ10μmの
絶縁層61bを作製し、その上にアルミニウム・ニッケ
ル混合ペーストを塗布・焼成し、厚さ3μmの発熱抵抗
層61aを作製した。また、表側には厚さ10μmのフ
ッ素樹脂(PFA)をコーティングして離型層61dを
形成した。
【0080】尚、発熱抵抗層61a、離型層61dは夫
々実施の形態3の定着フィルム51における発熱抵抗層
51a、離型層51cと基本的に同一のものである。ま
た、本実施の形態では基材層61cとして導電性のニッ
ケルフィルムを用いたため、発熱抵抗層61aと絶縁す
る必要から絶縁層61bを設けたが、基材層61cが絶
縁性材料の場合は、絶縁層61bを省くことができる。
更に、発熱抵抗層61a、離型層61dのうち、少なく
とも一層の機械強度が十分の場合は、基材層61cも省
いて構わない。
【0081】また、導電入力ツール62は、図20に示
すように、コンタクト電極62aと絶縁性ホルダ62b
と温度センサ62cとから成る。通電入力ツール62が
実施の形態3の通電入力ツール52と異なる点は、図2
0に示すように、コンタクト電極62aが二つに分かれ
ていることである。それ以外は、コンタクト電極や絶縁
性ホルダの材質にしても、温度センサの種類にしても同
一のものが使用できる。
【0082】本実施の形態の通電入力ツール62は、実
施の形態3の通電入力ツール52と同様に、セラミック
ス製の絶縁性ホルダ62bに、タングステンをスクリー
ン印刷により厚さ10μm、幅1mm、間隔12mmで
二本形成してコンタクト電極62aとし、温度センサ6
2cとしてサーミスタを取り付けたものである。
【0083】さて、本実施の形態の定着プロセスは、前
記実施の形態3の定着プロセスと略同一であり、異なる
のは通電発熱する部分である。これを詳細に示したもの
が図21である。すなわち、通電入力ツール62のコン
タクト電極62aのうち、一方は電圧印加制御回路23
に接続されており、他方はアースに接続されている。電
圧印加制御回路23から送らてくるパルス電圧に対応し
て、コンタクト電極62aの二つの電極間で図21の矢
印で示すように電流が流れ、定着フィルム61の発熱抵
抗層61aはジュール熱により発熱する。この時、発熱
抵抗層61aの温度は温度センサ61cで検知され、所
定の温度になるようにパルス電圧を調整することにより
コントロールされている。
【0084】このように調整した定着装置を実施の形態
1,3と同様に富士ゼロックス(株)製のカラー複写機
A colorに組み込んで同一条件で評価を行った。
その結果、定着特性は、実施の形態1と同様な結果が得
られた上に、本実施の形態でも実施の形態3と同様に定
着フィルムが直接発熱するため、実施の形態1の外部ヒ
ータを用いる場合より省電力化が図れた。しかも、搬送
方向に通電して発熱させることにより、加熱幅を自由に
変えられ、また、比較的長い加熱幅も実現できるため、
より高速のプリンタや複写機へも適応できることが確認
された。
【0085】◎実施の形態5 図22は本発明が適用された定着装置の実施の形態5を
示し、実施の形態1と同様な構成要素については実施の
形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を
省略する。この実施の形態に係る定着装置は、実施の形
態1と略同様に構成されているが、実施の形態1と異な
り、定着フィルム71が中間転写ベルトを兼用してお
り、かつ、ヒータ22に対応した部位に設けられていた
断熱部材24を削除したものである。すなわち、この実
施の形態に係る定着装置が用いられる画像記録装置は、
例えば図22に示すように、感光ドラム72と、この感
光ドラム72を帯電する帯電器73と、帯電された感光
ドラム72に潜像を書き込むレーザ等の露光器74と、
感光ドラム72上に形成された静電潜像をトナーにて可
視像化する現像器75と、感光ドラム72上の残留トナ
ーを除去するクリーナ76と、感光ドラム72上の残留
電荷を除去する除電器77とを備え、現像器75とクリ
ーナ76との間に位置する感光ドラム72部位を定着フ
ィルム71に接触転動させ、定着フィルム71の駆動ロ
ーラ28に所定のバイアスを印加し、感光ドラム72上
のトナー像を定着フィルム71に静電転写させるように
したものである。尚、感光ドラム72上のトナー像を定
着フィルム71に圧力転写させるようにしてもよい。
【0086】この実施の形態においては、定着フィルム
71上にトナー像32が転写保持され、定着フィルム7
1と共に蓄熱部A、加熱加圧部B、剥離部Cへと移動し
ていく。このような過程において、先ず、蓄熱部Aでは
ヒータ22が定着フィルム71を加熱し、定着フィルム
71に蓄熱すると共に、定着フィルム71上のトナー像
を予熱する。このとき、定着フィルム71のトナー像担
持面側には、実施の形態1のような断熱部材24が存在
しないので、蓄熱部Aを通過する過程で定着フィルム7
1上のトナー像32が破壊される懸念はない。この後、
定着フィルム71上のトナー像32は、加熱加圧部Bに
て定着フィルム71からの蓄熱エネルギにて加熱溶融
し、同時に、記録用紙31上に加圧定着、すなわち、圧
縮されて平らに潰される。そして、記録用紙31上のト
ナー像32は、剥離部Cにて定着フィルム71から剥離
される。
【0087】◎実施の形態6 図23は本発明が適用された定着装置の実施の形態6を
示し、実施の形態3と同様な構成要素については実施の
形態3と同様な符号を付してここではその詳細な説明を
省略する。同図において、この実施の形態に係る定着装
置は実施の形態3と略同様であるが、蓄熱部Aが実施の
形態3と異なるものである。すなわち、この実施の形態
に係る蓄熱部Aは、図23及び図24に示すように、定
着フィルム51の裏面側に通電入力ツール52を接触配
設する一方、定着フィルム51の記録用紙31側(表面
側)にサポートローラ53を近接配置し、記録用紙31
上のトナー像32と定着フィルム51との間に微小間隙
δを確保するようにしたものである。
【0088】この実施の形態において、サポートローラ
53は、蓄熱部Aで記録用紙31を定着フィルム51に
近づける位置決め搬送用の補助的ローラであり、本実施
の形態では、耐熱性のシリコーンスポンジローラを使用
している。
【0089】従って、この実施の形態によれば、蓄熱部
Aでは、実施の形態3と同様に、通電入力ツール52に
より定着フィルム51が発熱し、定着フィルム51に蓄
熱される。また、定着フィルム51から放出される熱を
利用して記録用紙31上のトナー像32が予熱される。
そして、蓄熱部Aを経た定着フィルム51が加熱加圧部
Bに到達すると、この加熱加圧部Bに進入した記録用紙
31上のトナー像32は前記定着フィルム51からの蓄
熱エネルギによって加熱溶融し、同時に、記録用紙31
上に加圧定着、すなわち、圧縮されて平らに潰される。
この後、記録用紙31上のトナー像32は、剥離部Cに
て定着フィルム51から剥離される。
【0090】尚、この実施の形態では、蓄熱部Aでは、
定着フィルム51と記録用紙31上のトナー像32とは
非接触に保たれているが、トナー像32が溶融しない程
度で、定着フィルム51と記録用紙31上のトナー像3
2とを軽接触させるようにしても差し支えない。
【0091】◎実施の形態7 図25は本発明が適用された定着装置の実施の形態7を
示し、実施の形態4と同様な構成要素については実施の
形態4と同様な符号を付してここではその詳細な説明を
省略する。同図において、この実施の形態に係る定着装
置は実施の形態4と略同様であるが、蓄熱部Aが実施の
形態4と異なるものである。すなわち、この実施の形態
に係る蓄熱部Aは、図25に示すように、定着フィルム
61の裏面側に通電入力ツール62を接触配設する一
方、定着フィルム61の記録用紙31側(表面側)にバ
ックアップベルト63を近接配置し、記録用紙31上の
トナー像32と定着フィルム61との間に微小間隙を確
保するようにしたものである。
【0092】この実施の形態において、バックアップベ
ルト63は、蓄熱部Aで記録用紙31を定着フィルム6
1に近づける位置決め搬送用の補助的ベルトであり、本
実施の形態では、耐熱性のポリイミド樹脂をシームレス
ベルトにしたものを使用し、一対の搬送ローラ64,6
5間に掛け渡されている。
【0093】従って、この実施の形態によれば、蓄熱部
Aでは、実施の形態4と同様に、通電入力ツール62に
より定着フィルム61が発熱し、定着フィルム61に蓄
熱される。また、定着フィルム61から放出される熱を
利用して記録用紙31上のトナー像32が予熱される。
この後、加熱加圧部Bにて、記録用紙31上のトナー像
32は前記定着フィルム61からの蓄熱エネルギによっ
て加熱溶融し、同時に、記録用紙31上に加圧定着、す
なわち、圧縮されて平らに潰される。そして、記録用紙
31上のトナー像32は、剥離部Cにて定着フィルム6
1から剥離される。尚、この実施の形態においても、蓄
熱部Aでは、定着フィルム61と記録用紙31上のトナ
ー像32とは非接触に保たれているが、トナー像32が
溶融しない程度で、定着フィルム61と記録用紙31上
のトナー像32とを軽接触させるようにしても差し支え
ない。
【0094】◎実施の形態8 図26は本発明が適用された定着装置の実施の形態8を
示し、この実施の形態ではカラー画像記録装置の定着工
程に使用されている。同図において、21は記録用紙3
1上のトナー像を加熱するための定着フィルム(加熱媒
体に相当)、22は定着フィルム21蓄熱用のヒータ、
23はヒータ22に対して電圧を印加する電圧印加制御
回路、24はヒータ22からの熱エネルギ損失を抑える
ための断熱部材、25,26は定着フィルム21及び記
録用紙31を加圧する加圧ローラ及びバックアップロー
ラ、30は定着工程後に定着フィルム21から記録用紙
31を剥離する剥離ローラである。
【0095】本実施の形態において、前記定着フィルム
21、ヒータ22、電圧印加制御回路23及び断熱部材
24としては、実施の形態1と同様な構成のものが用い
られる。なお、定着フィルム21、ヒータ22等につい
て、他の実施の形態の構成を採用してもよいことは勿論
である。しかしながら、実施の形態1と異なり、前記定
着フィルム21は、前記ヒータ22の外形部、剥離ロー
ラ30及び搬送ガイド板81に掛け渡されている。な
お、前記搬送ガイド板81は所定の湾曲形状に形成され
て定着フィルム21を案内搬送するものであるが、図示
外のバネにて定着フィルム21に所定の引張力を与えて
定着フィルム21の弛みを防止する機能を兼ね備えてい
る。そして、本実施の形態では、剥離ローラ30は、剥
離部Cにおいて、その高曲率を利用して定着フィルム2
1からトナー像をセルフストリップするためのローラで
あるほか、駆動ローラの機能をも有しており、駆動系に
よって定着フィルム21を回転駆動するようになってい
る。本実施の形態では、外径10mmのSUS製ローラ
を使用している。
【0096】特に、本実施の形態の特徴とするところ
は、バックアップローラ26を加圧ローラ25よりも大
径のものを用い、バックアップローラ26と加圧ローラ
25との加圧領域83の手前側に、定着フィルム21及
び記録用紙31が加圧ローラ25と非接触でバックアッ
プローラ26にのみ掛け渡された接触領域82を確保す
るようにしたものである。
【0097】より具体的に述べると、加圧ローラ25
は、ステンレス等の金属製の芯金に耐熱性のシリコーン
ゴムやフッ素ゴムをライニングしたローラで、本実施の
形態ではSUS製の芯金にゴム硬度40(JIS A)
のシリコーンゴムを厚さ4mmライニングした、外径2
0mmのローラを使用している。そして、この加圧ロー
ラ25は駆動系によって定着フィルム21の回転速度と
同期して回転駆動されるようになっている。一方、バッ
クアップローラ26は、定着フィルム21及び記録用紙
31と接触する接触領域82を作ると共に、その下流で
加圧ローラ25と対向配置されて加圧領域83を作るロ
ーラであり、加圧ローラ25と同様にステンレス等の金
属製の芯金の耐熱性のシリコーンゴムやフッ素ゴムをラ
イニングしたローラである。本実施の形態では、SUS
製の芯金にゴム硬度55(JIS A)のシリコーンゴ
ムを厚さ4mmライニングした、外径40mmのローラ
を使用している。そして、この実施の形態では、前記バ
ックアップローラ26は定着フィルム21に従動するよ
うに構成されるが、必要に応じて駆動系を付加してもよ
い。
【0098】次に、本実施の形態に係る定着装置の作動
について説明する。先ず、本定着装置が適用されている
カラー画像記録装置の印刷動作が開始される際には、実
施の形態1と同様に、蓄熱部Aでは、ヒータ22による
定着フィルム21の蓄熱工程が行われる。
【0099】この後、蓄熱部Aを通過した定着フィルム
21は、図26及び図27に示すように、定着に必要な
熱エネルギを保持した状態で、先ず、次の加熱加圧部B
の接触領域82に送られる。このとき、定着フィルム2
1からの放熱により熱エネルギは減少するが、定着フィ
ルム21の界面は熱電導率の低い空気であり、蓄熱部A
から接触領域83に至る時間も短時間(本実施の形態で
は0.2秒程度)であるため、放熱による熱エネルギ損
失は無視できる位小さく、本実施の形態では定着フィル
ム21表面温度で1゜C程度の低下である。
【0100】一方、記録用紙31上の未定着トナー像3
2aは接触領域82に送られ、定着フィルム21からの
蓄熱エネルギにより加熱溶融されてトナー像32bとな
る。このとき、定着フィルム21と記録用紙31とは、
定着フィルム21のテンションにより発生する小さな圧
力で軽接触しているだけであり、少なくとも定着フィル
ム21の裏側には、定着フィルム21に接触して加圧す
る加圧部材は存在しない。このように、定着フィルム2
1に接触する加圧部材がないことにより、定着フィルム
21から加圧部材に逃げる熱エネルギをなくすことがで
きるので、定着フィルム21に蓄熱された熱エネルギ
は、トナー像32b側に、より積極的に伝達されること
になる。そして、この熱エネルギは、トナー像32bを
溶融し、記録用紙31に定着するために使用される。な
お、このとき、定着フィルム21の裏側へ放熱するが、
定着フィルム21との界面は熱伝導率の低い空気であ
り、しかも、放熱時間も短時間であるため、放熱による
熱エネルギ損失は無視できる位小さい。従って、接触領
域82で定着フィルム21からトナー像32bに熱エネ
ルギを伝達することにより、効率のよい熱伝達が行われ
る。
【0101】次に、接触領域82を通過したトナー像3
2bは、加圧ローラ25とバックアップローラ26とが
加圧接触している加圧領域83に送られ、トナー像32
cとなる。このとき、トナー像32cは、定着フィルム
21から、前記接触領域83でトナー像に伝達されなか
った分の熱エネルギを受けるが、主として圧力を受ける
ことになり、この圧力により、トナー像32cはより強
固に記録用紙31に定着される。また、特にカラー画像
の場合には表面平滑性が同時に付加される。
【0102】このときの加圧条件としては、トナー像が
層厚方向に圧縮されて平らにつぶされ、各色のトナーと
共に表面平滑性が得られるのに十分な圧力が印加される
ことである。この加圧力は、総圧100〜1500N程
度が適当であり、本実施の形態では総圧600Nが印加
されている。また、定着フィルム21からトナー像と記
録用紙31への熱エネルギは、上記接触領域82と加圧
領域83とで伝達されるが、このときの加熱条件は、多
層に転写されたトナー像全体が熱溶融して、トナーの光
透過性が十分得られる位まで熱エネルギが印加されるこ
とと、トナー像の記録用紙31への定着性を得るため
に、少なくともトナーと接する記録用紙31表面をトナ
ー溶融温度以上にすることである。従って、蓄熱部Aに
おいて、この条件を満足するような熱エネルギが定着フ
ィルム21に蓄熱されていればよい。
【0103】次に、加圧領域83を通過したトナー像3
0dは、剥離ローラ30のある剥離部Cに搬送される。
この剥離部Cにおいて、定着フィルム21は剥離ローラ
30に接することにより熱を奪われ、同時にトナー像3
2dも熱を奪われることになる。そのため、トナー像3
0dは、溶融状態から粘度を増して軟化状態に変化す
る。そして、剥離部Cにおいて、剥離ローラ30の高曲
率により、トナー像は定着フィルム21からセルフスト
リップされる。このときの剥離条件としては、トナーの
凝集力が溶融状態の時に比べて増加している一方、定着
フィルム21の離型層に対する付着力はあまり増大して
いないことである。この条件を満たすことにより、トナ
ーはオフセットすることなく剥離され、良好なカラー定
着像32eが得られる。なお、本実施の形態では、蓄熱
条件・加熱加圧条件を変えることで、光透過性及び表面
平滑性は微妙に調節される他、加熱加圧部Bと剥離部C
との距離や時間差を変えることで、表面平滑性について
の調節が容易に行われる。
【0104】さて、以上説明したような構成を成し、動
作をするように調整された定着装置を富士ゼロックス
(株)製のカラー複写機A colorに組み込んで試
験機を準備し、A color用のカラートナーを使用
して、定着速度160mm/sで定着を行った。その結
果、発色性・定着性共に良好であり、高品位のカラー画
像が得られた。また、定着フィルムのオフセッ卜が発生
することなく、500枚の通紙後も定着フィルムが汚染
するようなことはなかった。さらに、A4版用紙10万
枚印刷相当の耐久試験を実施した結果、定着フィルムの
機械的劣化は見られず、定着を行ってみたところ、カラ
ー画像の発色性・定着性共に初期状態と遜色なく、定着
フィルムへのオフセットも発生しなかった。なお、本実
施の形態では離型剤を使用していないが、必要に応じ
て、オフセットを防止するために、シリコーンオイル等
の離型剤を使用してもよい。
【0105】また、本実施の形態の定着装置において、
接触領域82の効果を確認するために、接触領域82を
持たずに加圧領域83のみの定着装置(他の構成はすべ
て本実施の形態の定着装置と同一)を用意し、本実施の
形態の定着装置との比較を行った。図28は断熱部材2
4に取り付けられた温度センサ24b(図11参照)に
より測定された定着フィルム21の蓄熱時の温度と、定
着したカラー画像の定着性との関係を示したグラフであ
る。同図において、縦軸は、折り曲げ試験で評価したト
ナーの定着度である。折り曲げ試験とは、ソリッド画像
を定着した記録用紙をトナ一画像側を内側にして一定条
件で折り曲げた後、記録用紙を広げてソリッド画像の折
り曲げた部分を脱脂綿で軽くふき取る試験で、剥がれ落
ちた部分の程度を画像解析装置で処理することで定量化
し定着度を求めている。定着度は数値が小さいほど定着
性がよく、目標値は20以下である。接触領域82がな
い場合は定着度20以下を満足するために165゜C以
上に定着フィルム21を蓄熱する必要があるのに対し、
接触領域82がある場合では150゜C以上と、約15
゜C蓄熱時の温度が下げられることが確認された。従っ
て、これにより省電力化が図れることがわかった。
【0106】◎実施の形態9 図29は本発明が適用された定着装置の実施の形態9の
剥離部構成を示すものであり、剥離部以外の構成要素に
ついては実施の形態8と同様な構成要素を備えているの
で、実施の形態8と同様な構成要素についてはここでは
その詳細な説明を省略する。剥離部において、安定して
トナー像を定着フィルム21から剥離させるためには、
剥離ローラ30が蓄熱により昇温することを防止するこ
とが好ましい。そのためには、本実施の形態において
は、例えば図29(a)に示すように、剥離ローラ30
としてヒートパイプ91を用い、そのヒートパイプ91
の少なくとも一端に冷却フィン92を設けて放熱させる
ようにしたものである。この際、冷却フィン92をファ
ン93により強制冷却すれば、より安定した冷却が行わ
れる。また、図29(b)に示すように、前記ヒートパ
イプ91に温度センサ95を取り付けて、所定の温度以
上にヒートパイプ91がなった時、剥離ローラ温度コン
トローラ96にてファン93を作動させるようにすれ
ば、剥離ローラ30の温度制御がより正確に行われる。
【0107】従って、本実施の形態では、蓄熱条件・加
熱加圧条件を変えることで、光透過性及び表面平滑性は
微妙に調節される他、剥離部における剥離ローラ30の
温度を変えることで、表面平滑性についての調節が容易
に行われる。
【0108】◎実施の形態10 図30は本発明が適用された定着装置の実施の形態10
を示すもので、基本的に実施の形態8と同様に構成され
ているが、加圧ローラ25の支持構造が実施の形態8と
異なる。なお、実施の形態8と同様な構成要素について
は同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略す
る。図30において、加圧ローラ25の回動軸25aは
図示外の支持フレームの支持孔に回動自在に支持されて
いるが、前記支持フレームの支持孔はバックアップロー
ラ26の外周形状と相似形の円弧軌跡mに沿ったスリッ
ト状に形成されており、この支持孔に沿って加圧ローラ
25の回動軸25aが移動自在係合し、加圧ローラ位置
調整機構100にて加圧ローラ25のバックアップロー
ラ26の周方向に対する位置が所定位置に位置決め調整
されるようになっている。従って、本実施の形態におい
て、加圧ローラ位置調整機構100にてバックアップロ
ーラ26の周方向に対する加圧ローラ25位置を例えば
図30の実線位置から仮想線位置へ微調整するようにす
れば、加圧ローラ25とバックアップローラ26との加
圧領域83の手前側の接触領域82の面積が微調整され
ることになり、加熱加圧部Bの主として加熱条件が容易
に可変設定される。
【0109】◎実施の形態11 図31は本発明が適用された定着装置の実施の形態11
を示すもので、基本的に実施の形態8と同様に構成され
ているが、剥離部構成が実施の形態8と異なる。なお、
実施の形態8と同様な構成要素については同様な符号を
付してここではその詳細な説明を省略する。同図におい
て、定着フィルム21は、ヒータ22の外形部、加圧ロ
ーラ25及び搬送ガイド板81に掛け渡されており、加
圧ローラ25が剥離ローラの機能を兼用するようになっ
ている。従って、本実施の形態においては、加熱加圧部
Bを通過した記録用紙31上のトナー像は、剥離部Cと
して機能する加圧ローラ25の曲率により、定着フィル
ム21からセルフストリップされる。
【0110】◎実施の形態12 図32は本発明が適用された定着装置の実施の形態12
を示し、実施の形態8と同様な構成要素については実施
の形態8と同様な符号を付してここではその詳細な説明
を省略する。同図において、この実施の形態に係る定着
装置は、実施の形態8と略同様であるが、実施の形態8
と異なり、記録用紙31の裏側に接するように予熱板1
10を配置すると共に、この予熱板110に対向した部
位に搬送ローラ120を配置し、更に、加圧ローラ25
とバックアップローラ26との箇所には実施の形態8の
接触領域82を設けることなく、加圧領域83のみを確
保するようにしたものである。
【0111】本実施の形態において、予熱板110は、
図33(a)に示すように、基板111の記録用紙31
の非接触面側に発熱体112を接着し、この発熱体11
2に温度センサ113を取り付けたものである。なお、
発熱体112からの放熱を防止するには、図33(b)
に示すように、前記発熱体112を断熱層114で被覆
するようにすればよい。そして、この予熱板110には
電圧印加制御回路115が接続され、前記温度センサ1
13の温度が一定になるように電圧が印加されるように
なっている。
【0112】ここで、基板111は金属等の熱伝導性の
よい材料が使用される。また、発熱体112はニッケル
・クロム合金箔やステンレス箔等の抵抗発熱体用金属箔
を絶縁性材料でコートしたもの等が使用される。また、
温度センサ113は、サーミスタや熱電対など小型の温
度センサが使用される。本実施の形態の予熱板110
は、基板111として、幅310mm、長さ50mm、
厚さ100μmのSUS製板に、発熱体112として、
幅310mm、長さ50mmの発熱フィルムを接着し、
温度センサ113としてサーミスタを取り付けたもので
ある。発熱フィルムは、310mm×50mmの面積に
均等にパターニングしたSUS箔ヒータ(厚さ50μ
m)を、絶縁性耐熱フィルムであるポリイミドフィルム
(厚さ25μm)で挟みこんで接着したものである。
【0113】また、本実施の形態において、搬送ローラ
120は、前記予熱板110に対向して記録用紙31の
進行方向に沿って前後に一対配置されており、SUS製
の芯金にゴム硬度50(JIS A)のシリコーンゴム
を厚さ1mmライニングした、外径8mmのローラを使
用している。更に、搬送ローラ120は、記録用紙31
上に転写されたトナー像と接触して画像を乱さないよう
にするために、記録用紙31の両端から10mm以下の
範囲でのみ記録用紙31に接触するように配置されてい
る。なお、搬送ローラ120の配置数については前後に
一対に限られず、それ以上であってもよいことは勿論で
ある。
【0114】更に、本実施の形態においては、基板11
1としてのSUS製板は、図33(a)に示すように、
記録用紙31の搬送方向に湾曲させたものを使用してい
る。この湾曲は、記録用紙31と予熱板110との接触
をよくするために設けたものであり、湾曲方向は下を凸
にしても上を凸にしてもどちらでもよいが、この際、記
録用紙31が予熱板110上を通過する時に、記録用紙
31が予熱板110に押しつけられるようなテンション
が記録用紙31に作用するようにしておくことが好まし
い。このようなテンションをかけるには、例えば搬送ロ
ーラ120の前後の搬送ローラの周速に速度差をつけれ
ばよい。すなわち、予熱板110が下に凸の場合には搬
送ローラ120の後側120bを早くし、上に凸の場合
は搬送ローラ120の前側120aを早くすればよい。
本実施の形態では図33(a)に示すように、下に凸の
湾曲タイプを使用した。なお、上を凸にするタイプは記
録用紙31として連続紙を使用する際に特に有効であ
る。また、記録用紙31と予熱板110の接触をよくす
る方法は上述したものに限られるわけではなく、いわゆ
る静電吸着やバキューム吸着などを利用してもよい。
【0115】さて、本実施の形態の定着プロセスは、前
記実施の形態8と略同様であるが、記録用紙31に対す
る予熱工程Dが付加されている点が異なる。先ず、本定
着装置が適用されているカラー画像記録装置が印刷動作
を行っていない時には、予熱板110の抵抗発熱体に電
圧が印加されていない状態になっている。次に、印刷動
作が開始され、通常の電子写真記録プロセスに従って現
像が行われた後に、記録用紙31にカラートナー像がイ
エロ、マゼンタ、シアン各色毎に転写され、記録用紙3
1上の未定着トナー像32aとして搬送ローラ(不図
示)によって予熱板110まで送られてくる。この動作
と同期して、予熱板110の抵抗発熱体に電圧が印加さ
れ、予熱板110は急速に昇温して所定の温度に達す
る。そして、記録用紙31が予熱板110に送られてく
るまで、予熱板110の温度は所定の温度のまま維持す
るようにコントロールされている。
【0116】次に、図32及び図34に示すように、記
録用紙31は予熱板110に接しながら移動し、予熱板
110の熱は記録用紙31に伝達され、予熱工程が行わ
れる。このとき、熱を印加するのは記録用紙31に対し
てであるが、記録用紙31上のトナー像32aも熱を受
けることになる。なお、予熱板110の温度、通過時間
(予熱板110の長さ/搬送速度)等により、記録用紙
31の予熱条件を変えることができる。例えば、予熱板
110の温度をより高く、通過時間をより長くすること
により、予熱における定着に必要な熱の依存率をより高
くすることができる。極端な場合、定着に必要な熱エネ
ルギの全てを、ここで与えることも可能である。その場
合、次の加熱加圧部Bでは熱の授受は行われず、定着に
必要な加圧のみが行われることになる。
【0117】次に、予熱部Dを通過した記録用紙31
は、加圧ローラ25とバックアップローラ26とが加圧
接触している加圧領域83に送られる。ここで、記録用
紙31は、すでに蓄熱されている定着フィルム21とト
ナー像を挟んで加圧接触する。そして、定着フィルム2
1の持つ蓄熱エネルギと記録用紙31の持つ予熱エネル
ギとにより、トナー像32aは加熱・溶融されてトナー
像32bとなる。また、同時に、トナー像32bは均一
に加圧されるので、良好なカラー画像を得るための光透
過性と表面平滑性とが付与される。
【0118】次に、加圧領域83を通過したトナー像3
2cは、前記実施の形態8と同様に剥離ローラ30の高
曲率により剥離される。このように調整した定着装置を
実施の形態8と同様に富士ゼロックス(株)製のカラー
複写機A colorに組み込んで同一条件で評価を行
った。
【0119】図35は予熱板110の温度を25(室
温)、100、130、160゜Cと変えたときの、温
度センサ24bにより測定された定着フィルム21の蓄
熱時の温度と、定着したカラー画像の定着性との関係を
示したグラフである。同図において、縦軸は図28と同
様に折り曲げ試験で評価した定着度である。例えば予熱
板110の温度を100゜Cとした場合、予熱しなかっ
た場合(予熱板の温度=25゜C)と比較して、定着度
20以下を満足するための定着フィルム蓄熱温度は16
5゜Cから145゜Cへと約20゜C温度が下げられる
ことがわかる。また、予熱板110の温度が高くなれ
ば、さらに定着フィルム21温度を下げることができ
る。
【0120】図36は、図35に示した各実験条件にお
ける、画像の光沢度(JIS Z8741−75゜方
法)と定着度との関係を示したグラフである。予熱板1
10の温度を高く(160゜C)すると、定着度を満足
しながら画像の光沢度を広い領域(10〜98)で制御
できることがわかる。この条件を用いれば、表面平滑性
を必要とするカラー画像と光沢度が低いことが必要な白
黒画像とを同一の定着装置で定着することが可能にな
る。
【0121】◎実施の形態13 図37は本発明が適用された定着装置の実施の形態13
を示し、実施の形態12と同様な構成要素については実
施の形態12と同様な符号を付してある。同図におい
て、定着装置は、実施の形態12と略同様に構成されて
いるが、加熱加圧部B構成が実施の形態12と異なるも
のである。すなわち、本実施の形態において、加熱加圧
部Bは、バックアップローラ26を加圧ローラ25より
も大径のものを用い、バックアップローラ26と加圧ロ
ーラ25との加圧領域83の手前側に、定着フィルム2
1及び記録用紙31が加圧ローラ25と非接触でバック
アップローラ26にのみ掛け渡された接触領域82を確
保するようにしたものである。このように調整した定着
装置を実施の形態12と同様に富士ゼロックス(株)製
のカラー複写機A colorに組み込んで同一条件で
評価を行った。その結果、定着特性は実施の形態12と
同様な結果が得られた上に、本実施の形態では、加熱加
圧部Bでの熱損失がより少なく抑えられる分、実施の形
態12に比べて、ヒータ22による蓄熱温度や予熱板1
10による予熱温度が下げられることになり、より省電
力化を図ることが可能である。
【0122】◎実施の形態14 図38は本発明が適用された定着装置の実施の形態14
を示すもので、光沢度の異なる画像を選択的に得ること
を可能としたものである。同図において、符号131は
エンドレスベルト状の耐熱性フィルムからなる定着フィ
ルムであり、この定着フィルム131は加圧ローラ13
2、テンションロール134、従動ロール135間に掛
け渡されいる。そして、加圧ローラ132は端部で図示
しない駆動装置に接続され、定着フィルム131の駆動
ローラを兼ねており、定着フィルム131を記録用紙3
1の走行方向へ回動させるようになっている。
【0123】本実施の形態において、133は加圧ロー
ラ132に平行に対向して配置されたバックアップロー
ラであり、両ローラ132,133は定着フィルム13
1を挟んで図示しない加圧手段により、総圧100〜1
500Nの加圧力で加圧されている。また、両ローラ1
32,133の表面は加圧力をローラ軸方向に均一にさ
せるために、少なくとも片方が弾性体であることが望ま
しい。また、バックアップローラ133の表面は、離型
性の高いものが望ましい。本実施の形態では、両ローラ
132,133ともに金属製芯金にシリコーンゴムを被
覆したものである。
【0124】また、本実施の形態に係る定着フィルム1
31は繰り返しローラ間を回転すると同時に、記録用紙
31およびトナー画像と加圧接触するため、耐熱性、離
型性、耐久性に優れたものであることが好ましい。一般
的には厚さ100μm以下、好ましく40μm以下の薄
肉のものがよい。例えばポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、PES、PFAなどの耐熱性の単層樹脂フィルム
や、樹脂フィルム、あるいはニッケル、ステンレス、ア
ルミニウムなどの金属フィルムの、少なくともトナー画
像と接触する面側にPTFE、PFA、FEPなどのフ
ッ素樹脂に代表される離型性コート層を形成したもので
ある。更に、フィルム131のトナー画像と接触する面
の表面は、高光沢度の画像を得るためには平滑である必
要があり、表面粗さ(Ra)0.3μm以下、望ましく
は0.1μm以下のものである。
【0125】また、図38において、符号140は定着
フィルム131を加熱して定着フィルム131に蓄熱さ
せるヒータである。本実施の形態では、ヒータ140
は、例えば図39に示すように、フィルム131の移動
方向と直交する方向を長手方向とする低熱容量加熱体で
あり、基板141、通電発熱抵抗体142、表面保護層
143、断熱ホルダ144、温度センサ145からな
る。基板141は耐熱性、絶縁性、低熱容量の部材であ
り、本実施の形態では厚さ1.0mm、幅15mm、長
さ220mmのアルミナ基板である。通電発熱抵抗体1
42は、基板141の下面(フィルム131を接触する
面)略中央部に長手に沿って形成された電気抵抗材料膜
で、ここでは、Ag/Pd(銀パラジウム)を厚さ約1
0μmで形成している。表面保護層143は耐熱ガラス
を約10μmコートしたものである。断熱ホルダ144
はヒータ基板141を断熱支持する断熱性、高耐熱性、
剛性を有するもので構成される。温度センサ145は基
板141の上面に接触配置されている。そして、ヒータ
140には電圧印加制御回路146が接続され、前記ヒ
ータ140の温度センサ145の温度が所定温度になる
ように電圧が印加され、定着フィルム131が加熱され
るようになっている。
【0126】また、本実施の形態では、前記電圧印加制
御回路146には光沢度モード設定器147が接続され
ており、この光沢度モード設定器147は、例えば高光
沢度モード及び低光沢度モードのいずれかを選択設定す
るスイッチ構成のものであり、高光沢度モードを設定す
ると、電圧印加制御回路146による電圧印加動作を許
容し、一方、低光沢度モードを設定すると、電圧印加制
御回路146による電圧印加動作を禁止するように動作
するものである。
【0127】図40は本実施の形態で用いられる予熱板
を示すもので、この予熱板150は、記録用紙31の進
行方向と直交する方向を長手方向として進行方向に対し
曲率をもって配設された加熱体あり、金属基板151、
発熱フィルム152、温度センサ153及び断熱層15
4からなる。ここで、金属基板151は、記録用紙31
の進行方向に対して記録用紙と接触する側を内側とする
凹状の曲率を持ち、記録用紙31進行方向に対して先端
側の接線がローラ132,133のニップ部を通過する
ように支持されている。本実施の形態では、厚さ2.0
mm、幅20mm、長さ220mmの鋼性板材を半径2
0mmの曲率で曲げたものである。また、金属基板15
1の下側(記録用紙と接触する面の反対側)には発熱フ
ィルム152が接着固定されている。この発熱フィルム
152は、絶縁性耐熱フィルム上に抵抗発熱材料をパタ
ーニングし、さらに絶縁性耐熱フィルムで挟んで形成し
たものである。発熱フィルム152の下側には、発熱フ
ィルム152からの放熱を防止するため、断熱層154
が形成されている。また、温度センサ153は基板15
1の下面に接触して配設されている。
【0128】また、本実施の形態において、予熱板15
0の上側(記録用紙31と接触する面側)の記録用紙3
1の幅方向両端部に対応する部分には、記録用紙31進
行方向に沿って、搬送ローラ155が少なくとも一対以
上(本実施の形態では3つ)金属基板151と接触して
回動可能に配設されており、実施の形態では、シリコー
ンゴムを被覆したものを用いている。そして、この搬送
ローラ155は、記録用紙が搬送されてきた時、記録用
紙に担持されたトナー像と接触して画像を乱さないため
に、記録用紙の幅方向両端部から多くとも10mm、好
ましくは5mm以内の範囲でのみ記録用紙31と接触す
るようにしている。
【0129】更に、この予熱板150には電圧印加制御
回路156が接続されており、予熱板150の温度セン
サ153の温度が所定温度になるように電圧が印加さ
れ、本実施の形態では、記録用紙31を少なくともトナ
ーの融点温度以上に加熱するようになっている。
【0130】次に、本実施の形態による定着プロセスに
ついて説明する。図示しない画像形成装置により、未定
着トナー画像32aを担持した記録用紙31は、予熱板
150による予熱部Dへと搬送される。この予熱部Dで
は、記録用紙31は進行方向に直交する方向の両端部を
搬送ローラ155により予熱板150に押しつけられる
と同時に、予熱板150に沿って記録用紙31が曲げら
れることに対抗する復元力により予熱板150と接触
し、加熱される。このとき、記録用紙31は、予熱板1
50と比較的長い時間接触しているため、予熱板150
の設定温度に対し略等しい温度にまで加熱される。記録
用紙31に担持されている未定着トナーへは、記録用紙
31という熱伝導の悪い材料を挟んで熱が伝えられるた
め、予熱部D通過後のトナー温度は記録用紙31と略同
じで、かつ、表面と記録用紙31側界面とが比較的均一
な温度に加熱される。
【0131】また、予熱板150の設定温度は、所定の
プロセススピードで記録用紙31が予熱板150を通過
した後の温度がトナーの融点温度以上、本実施の形態で
はトナーの融点温度より10゜C程度高い温度になるよ
うに120゜Cに設定されている。そのため、トナーは
予熱部D通過後溶融状態になるが、このときの粘度は1
2〜104(Pa・s)と比較的高いために、液体状に
流れることはなく、粒子同士が互いに溶融しあう程度で
比較的もとの形状を維持している。その後、記録用紙3
1は加熱加圧部Bへと進む。本実施の形態では、高光沢
度の記録を設定した場合と、低光沢度の記録を設定した
場合とでプロセスが異なる。
【0132】高光沢度の記録時には、所定のタイミング
でヒータ140が通電加熱され、加熱加圧部Bでは、定
着フィルム131の記録用紙31と圧接する部分が所定
の温度に加熱される。実施の形態においては、定着フィ
ルム131がトナー溶融温度程度となるように、ヒータ
140の温度が決定されている。そして、加熱加圧部B
では、定着フィルム131と記録用紙31とが加圧ロー
ラ132及びバックアップローラ133により圧接され
る。大きく分けて、この加熱加圧部Bの前半では、粘度
が比較的高い状態のトナーと、トナー溶融温度程度に加
熱された定着フィルム131とが接触し、トナーは冷え
ることなく加圧され、定着フィルム131と記録用紙3
1との間で流動して一体化するとともに定着フィルム1
31表面に倣う。この後、加熱加圧部B後半において
は、定着フィルム131および記録用紙31から、加圧
ローラ132、バックアップローラ133への熱伝導に
よりトナーが冷却され、溶融温度以下になる。
【0133】一方、低光沢度の記録時には、ヒータ14
0が通電加熱されない。そのため、加熱加圧部B前半で
は、粘度が比較的高い状態のトナーが加圧されると同時
に定着フィルム131への吸熱が起こり、トナーは加熱
加圧部B前の表面の形状を比較的保ちながら、記録用紙
31との界面では記録用紙31との密着性が向上してい
く。この後、加熱加圧部B後半では、定着フィルム13
1および記録用紙31から、加圧ローラ132、バック
アップローラ133への熱伝導によりトナーが冷却さ
れ、溶融温度以下になる。
【0134】この後、加熱加圧部Bの出口においては、
定着フィルム131が加圧ロール132の曲率に沿って
記録用紙31の進行方向に対して垂直方向へと離されて
いく。このとき、トナーは冷却固化しているため、分離
可能状態になっており、定着フィルム131にオフセッ
トすることなく剥離を完了する。
【0135】本実施の形態では、定着フィルム131を
加熱/非加熱の2つのレベルで制御することにより、加
熱時には光沢度を80%以上90%以下、非加熱時には
光沢度を5%以上10%以下の画像を形成することがで
きた。
【0136】なお、画像光沢度の制御方法は、この方式
に限られないことは言うまでもなく、定着フィルム13
1の加熱温度を2点以上で設定可能にすることもでき、
また、連続的に変化させて所望の光沢度の画像を形成す
るようにすることもできる。もちろん、一定の光沢度の
画像を形成するために、定着フィルム131の加熱温度
を固定にしてもよい。
【0137】◎実施の形態15 図41は本発明が適用された定着装置の実施の形態15
を示し、実施の形態14と同様な構成要素については同
様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る定着装置は、実施の形態14と略同
様であるが、実施の形態14と異なり、従動ロール13
5の代わりに、加熱加圧部B終了後の記録用紙31の進
行方向の延長線上に剥離ローラ161を配設して定着フ
ィルム131を懸架し、剥離ローラ161と対向する部
位に加圧ローラ162を当接したものである。本実施の
形態において、加圧ローラ162は図示しない加圧手段
により、総圧20〜100Nの加圧力で加圧されてお
り、加圧ローラ162の表面はシリコーンゴム等、離型
性のよい弾性層で形成されている。
【0138】次に、本実施の形態に係る定着装置の定着
プロセスについて説明する。本実施の形態では、加熱加
圧部B通過後の記録用紙31は、定着フィルム131と
接触したまま剥離ローラ161、加圧ローラ162で構
成される剥離部Cへと搬送されていく。この搬送工程で
記録用紙31は自然冷却、あるいは、図示外の強制冷却
手段により冷却され、剥離部Cにて定着フィルム131
と記録用紙31とが曲率分離されて記録用紙31が排出
されていく。従って、実施の形態14の様な定着装置に
おいては、定着を重ねていくにつれて加圧ローラ13
2、バックアップローラ133が蓄熱していき、ある程
度の温度まで上昇すると、両ローラ132,133を冷
却する必要があった。しかし、本実施の形態において
は、連続定着を行った場合でも、両ローラ132、13
3を冷却することなく、安定して画像を形成することが
可能になった。
【0139】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、比較的小さな熱容量を有する加熱媒体を所定の温度
に加熱するだけで定着に必要な熱エネルギが得られるの
で、インスタントスタートが可能であり、高速化にも対
応できる。また、定着に必要な熱エネルギを加熱媒体に
蓄熱させる工程がトナー像の定着部位と切り分けられて
いるため、加熱媒体に対して各種の加熱方式を自由に採
用することができる。このため、熱効率を考慮して最適
な条件で加熱媒体を加熱することが可能になり、消費電
力を低減することができる。
【0140】更に、本発明において、加熱媒体を蓄熱す
る際に、加熱媒体に対して記録媒体を近接非接触配置す
るようにすれば、加熱媒体から放出される熱を有効に利
用して記録媒体上のトナー像を予熱することができる。
【0141】更にまた、本発明において、トナー像の定
着部位として加圧領域の前に軽接触による加熱領域を確
保するようにすれば、熱効率の良い条件で、加熱媒体に
蓄熱された熱エネルギをトナー像に伝達することがで
き、これにより、加熱媒体の蓄熱時の温度を下げること
が可能になり、加熱と加圧とを同時に行う定着方式に比
べて、消費電力をより低減することができる。
【0142】また、トナー像の定着部位(加熱加圧部
位)と加熱媒体からトナー像を剥離する工程とを異なる
部位で行なうようにすれば、夫々良好な条件でトナー像
を溶融、加圧し、定着フィルムから剥離することがで
き、フルカラー画像に対してもオフセットが発生するこ
となく良好なカラー画像が得られる。更に、本発明にお
いて、トナー像が軟化状態の時に剥離工程を行なうよう
にすれば、トナーの凝集力が増加する一方、加熱媒体に
対する付着力があまり増大しないため、オフセットの発
生を確実に回避することができるばかりか、トナー像が
冷却固化後に剥離するタイプに比べて、記録媒体の剥離
性を良好に保つことができ、しかも、平面平滑性が高く
なり過ぎて、記録媒体の平滑性との間で違和感を感じ易
いという事態を有効に回避することができる。
【0143】また、本発明において、定着部位の前工程
で記録媒体を予熱するようにすれば、記録媒体上のトナ
ー像に対して均一に熱を印加することができるので、よ
り一層の高画質なカラー画像を得ることができる。
【0144】更に、本発明において、蓄熱手段の蓄熱条
件、加熱加圧手段の加熱加圧条件、剥離手段の温度条
件、予熱手段の予熱条件の少なくともいずれかを光沢度
等の選択条件や湿度等の環境条件に応じて可変設定する
ようにすれば、常に最適な状態で定着装置を動作させる
ことが可能になる。例えば、記録媒体に対する予熱を十
分に行い、加熱媒体の蓄熱エネルギを少なめにしてかつ
それを変化させるようにすれば、光沢度の低い画像から
高い画像まで広範囲に制御することができ、所望の光沢
度の画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)(b)は本発明に係る定着方法を夫々
示す説明図である。
【図2】 (a)(b)は本発明に係る定着装置を夫々
示す説明図である。
【図3】 図2(a)に係る定着装置の一態様を示す説
明図である。
【図4】 図2(a)に係る定着装置の他の態様を示す
説明図である。
【図5】 図2(b)に係る定着装置の夫々別異の態様
を示す説明図である。
【図6】 図2(a)に係る定着装置の更に発展した態
様を示す説明図である。
【図7】 図2(b)に係る定着装置の更に発展した態
様を示す説明図である。
【図8】 実施の形態1に係る定着装置を示す説明図で
ある。
【図9】 実施の形態1に係る定着フィルムの構成を示
す断面説明図である。
【図10】 実施の形態1に係るヒータの構成を示す断
面説明図である。
【図11】 実施の形態1に係る断熱部材の構成を示す
断面説明図である。
【図12】 実施の形態1の蓄熱部及び加熱加圧部の詳
細を示す説明図である。
【図13】 実施の形態2に係る定着装置を示す説明図
である。
【図14】 (a)は実施の形態2に係る定着フィルム
及びヒータの詳細を示す説明図、(b)はヒータ表面の
状態を示す説明図である。
【図15】 実施の形態3に係る定着装置を示す説明図
である。
【図16】 実施の形態3に係る定着フィルムの構成を
示す断面説明図である。
【図17】 実施の形態3に係る通電入力ツールの構成
を示す説明図である。
【図18】 実施の形態3に係る蓄熱部の詳細を示す説
明図である。
【図19】 実施の形態4に係る定着フィルムの構成を
示す断面説明図である。
【図20】 実施の形態4に係る通電入力ツールの構成
を示す説明図である。
【図21】 実施の形態4に係る蓄熱部の詳細を示す説
明図である。
【図22】 実施の形態5に係る定着装置を示す説明図
である。
【図23】 実施の形態6に係る定着装置を示す説明図
である。
【図24】 実施の形態6の蓄熱部及び加熱加圧部の詳
細を示す説明図である。
【図25】 実施の形態7に係る定着装置を示す説明図
である。
【図26】 実施の形態8に係る定着装置を示す説明図
である。
【図27】 実施の形態8の蓄熱部及び加熱加圧部の詳
細を示す説明図である。
【図28】 実施の形態8に係る定着装置における定着
フィルム温度と定着度との関係を接触領域の有無をパラ
メータとして調べたグラフ図である。
【図29】 (a)(b)は実施の形態9に係る定着装
置の剥離部構成を示す説明図である。
【図30】 実施の形態10に係る定着装置を示す説明
図である。
【図31】 実施の形態11に係る定着装置を示す説明
図である。
【図32】 実施の形態12に係る定着装置を示す説明
図である。
【図33】 (a)(b)は実施の形態12で用いられ
る予熱板の具体的構成例を示す説明図である。
【図34】 実施の形態12の蓄熱部A、加圧加熱部B
及び予熱部Dの詳細を示す説明図である。
【図35】 実施の形態12に係る定着装置における定
着フィルム温度と定着度との関係を予熱板温度をパラメ
ータとして調べたグラフ図である。
【図36】 実施の形態12に係る定着装置における光
沢度と定着度との関係を予熱板温度をパラメータとして
調べたグラフ図である。
【図37】 実施の形態13に係る定着装置を示す説明
図である。
【図38】 実施の形態14に係る定着装置を示す説明
図である。
【図39】 実施の形態14で用いられるヒータの構成
を示す断面説明図である。
【図40】 実施の形態14で用いられる予熱板の構成
を示す説明図である。
【図41】 実施の形態15に係る定着装置を示す説明
図である。
【符号の説明】
1…記録媒体,2…加熱媒体,3…記録媒体搬送手段,
4…蓄熱手段,5…加熱加圧手段,6…剥離手段,7…
予熱手段,8…発熱手段,9…断熱部材,A…蓄熱工
程,B…加熱加圧工程,B1…加熱工程,B2…加圧工
程,C…剥離工程,D…予熱工程,31…記録用紙,2
1,41,51,61,71,131…定着フィルム,
22,42…ヒータ,25…加圧ローラ,26…バック
アップローラ,30…剥離ローラ,52,62…通電入
力ツール,22b,51a,61a…発熱抵抗層,42
d…発熱抵抗体,24…断熱部材,82…接触領域,8
3…加圧領域,110,150…予熱板

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体(1)上にトナー像(T)を加
    熱、溶融して定着する定着方法において、 定着ステージ(ST)に沿って移動する薄肉の加熱媒体
    (2)を前記定着ステージ(ST)の手前にて加熱し該
    加熱媒体(2)に対して蓄熱させる蓄熱工程(A)と、 この蓄熱工程(A)後に定着ステージ(ST)にて前記
    加熱媒体(2)と前記記録媒体(1)とをトナー像
    (T)を挟んで接触させ、前記加熱媒体(2)に蓄熱さ
    れた蓄熱エネルギを用いて記録媒体(1)上のトナー像
    (T)を加熱、溶融すると共に加圧定着する加熱加圧工
    程(B)と、 この加熱加圧工程(B)後に前記加熱媒体(2)から記
    録媒体(1)を剥離する剥離工程(C)とからなること
    を特徴とする定着方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の定着方法において、定着
    ステージ(ST)の手前にて記録媒体(1)が予め加熱
    される予熱工程(D)を設けたことを特徴とする定着方
    法。
  3. 【請求項3】 記録媒体(1)上にトナー像(T)を加
    熱、溶融して定着する定着装置において、 定着ステージ(ST)に沿って移動する薄肉の加熱媒体
    (2)と、 定着ステージ(ST)にて前記加熱媒体(2)に接触す
    るように前記記録媒体(1)を搬送する記録媒体搬送手
    段(3)と、 定着ステージ(ST)の手前にて前記加熱媒体(2)を
    加熱し該加熱媒体(2)に対して蓄熱する蓄熱手段
    (4)と、 定着ステージ(ST)にて前記加熱媒体(2)と前記記
    録媒体(1)とをトナー像(T)を挟んで接触させ、前
    記加熱媒体(2)に蓄熱された蓄熱エネルギを用いて記
    録媒体(1)上のトナー像(T)を加熱、溶融すると共
    に加圧定着する加熱加圧手段(5)と、 定着ステージ(ST)通過後の記録媒体(1)を加熱媒
    体(2)から剥離する剥離手段(6)とを備えたことを
    特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の定着装置において、定着
    ステージ(ST)の手前で記録媒体(1)が予め加熱さ
    れる予熱手段(7)を設けたことを特徴とする定着装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の定着方法において、蓄熱
    工程(A)は加熱媒体(2)をトナーの融点以上の温度
    に蓄熱するものであることを特徴とする定着方法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の定着方法において、蓄熱
    工程(A)は、加熱媒体(2)を加熱し、かつ、加熱媒
    体(2)に対して近接非接触配置される記録媒体(1)
    を加熱媒体(2)からの放熱にて予熱するものであるこ
    とを特徴とする定着方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の定着方法において、加熱
    加圧工程(B)は、定着ステージ(ST)の前段側で前
    記加熱媒体(2)と前記記録媒体(1)上のトナー像
    (T)とを接触させ、加熱媒体(2)に蓄熱された蓄熱
    エネルギを用いてトナー像(T)を加熱、溶融する加熱
    工程(B1)と、定着ステージ(ST)の後段側で前記
    加熱工程(B1)後に前記加熱媒体(2)と前記記録媒
    体(1)とをトナー像(T)を挟んで加圧接触させる加
    圧工程(B2)とからなることを特徴とする定着方法。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の定着方法において、剥離
    工程(C)はトナー像(T)が軟化状態のときに行うこ
    とを特徴とする定着方法。
  9. 【請求項9】 請求項2記載の定着方法において、蓄熱
    工程(A)は加熱媒体(2)をトナーの融点未満の温度
    に蓄熱し、予熱工程(D)は、加熱媒体(2)からの蓄
    熱エネルギと合わせた状態で記録媒体(1)上のトナー
    像が溶融状態へ移行する程度に記録媒体(1)を予熱す
    るものであることを特徴とする定着方法。
  10. 【請求項10】 請求項2記載の定着方法において、蓄
    熱工程(A)は加熱媒体(2)をトナーの融点未満の温
    度に蓄熱し、予熱工程(D)は記録媒体(1)をトナー
    の融点以上の温度に加熱するものであることを特徴とす
    る定着方法。
  11. 【請求項11】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱媒体(2)は耐熱性エンドレスフィルム又は薄肉の耐
    熱性ローラであることを特徴とする定着装置。
  12. 【請求項12】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱媒体(2)はトナー像(T)を担持するトナー像担持
    体を兼用していることを特徴とする定着装置。
  13. 【請求項13】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱媒体(2)は少なくとも導電層と抵抗層とを備え、蓄
    熱手段(4)は、加熱媒体(2)の抵抗層に接触する電
    極と加熱媒体(2)の導電層との間で通電し前記抵抗層
    を発熱させる発熱手段(8)を備えたことを特徴とする
    定着装置。
  14. 【請求項14】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱媒体(2)は少なくとも抵抗層を備え、蓄熱手段
    (4)は、加熱媒体(2)の抵抗層に接触する電極対に
    て抵抗層に通電し該抵抗層を発熱させる発熱手段(8)
    を備えたことを特徴とする定着装置。
  15. 【請求項15】 請求項3記載の定着装置において、蓄
    熱手段(4)は、加熱媒体(2)に接触して加熱媒体
    (2)を発熱させる発熱手段(8)と、この発熱手段
    (8)との間で加熱媒体(2)を摺動自在に挟持する断
    熱部材(9)とを備えていることを特徴とする定着装
    置。
  16. 【請求項16】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱加圧手段(5)は、定着ステージ(ST)の前段側に
    設けられ、加熱媒体(2)と非接触な状態で、加熱媒体
    (2)と記録媒体(1)上のトナー像とを接触させ、加
    熱媒体(2)に蓄熱された蓄熱エネルギを用いてトナー
    像を加熱、溶融する加熱手段(5a)と、定着ステージ
    (ST)の後段側に設けられ、加熱媒体(2)と記録媒
    体(1)とをトナー像(T)を挟んで加圧接触させる加
    圧手段(5b)とからなることを特徴とする定着装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の定着装置において、
    加熱加圧手段(5)は、加熱媒体(2)と記録媒体
    (1)とを加圧接触させる一対の加圧部材(15,1
    6)からなる加圧手段(5b)を有し、定着ステージ
    (ST)の前段側で加熱媒体(2)側の加圧部材(1
    5)を加熱媒体(2)から非接触配置し、記録媒体
    (1)側の加圧部材(16)のみで記録媒体(1)及び
    加熱媒体(2)を接触搬送させることにより、定着ステ
    ージ(ST)の前段側を加熱媒体(2)側の加圧部材
    (16)からの放熱量が抑えられた加熱手段(5a)と
    して機能させるようにしたことを特徴とする定着装置。
  18. 【請求項18】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱加圧手段(5)が剥離手段(6)を兼用していること
    を特徴とする定着装置。
  19. 【請求項19】 請求項3記載の定着装置において、剥
    離手段(6)は蓄熱昇温を防止する放熱構造を備えたも
    のであることを特徴とする定着装置。
  20. 【請求項20】 請求項3記載の定着装置において、蓄
    熱手段(4)は加熱媒体(2)への蓄熱条件が可変設定
    される蓄熱条件可変手段(10)を備えたものであるこ
    とを特徴とする定着装置。
  21. 【請求項21】 請求項3記載の定着装置において、加
    熱加圧手段(5)は加熱加圧条件が可変設定される加熱
    加圧条件可変手段(11)を備えたものであることを特
    徴とする定着装置。
  22. 【請求項22】 請求項3記載の定着装置において、剥
    離手段(6)は温度条件が可変設定される温度条件可変
    手段(12)を備えたものであることを特徴とする定着
    装置。
  23. 【請求項23】 請求項4記載の定着装置において、予
    熱手段(7)は記録媒体(1)への予熱条件が可変設定
    される予熱条件可変手段(13)を備えたものであるこ
    とを特徴とする定着装置。
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