JP2003237048A - 定着ベルト、定着ローラ、それらの製造方法、加熱定着装置及び画像形成方法 - Google Patents

定着ベルト、定着ローラ、それらの製造方法、加熱定着装置及び画像形成方法

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JP2003237048A
JP2003237048A JP2002035205A JP2002035205A JP2003237048A JP 2003237048 A JP2003237048 A JP 2003237048A JP 2002035205 A JP2002035205 A JP 2002035205A JP 2002035205 A JP2002035205 A JP 2002035205A JP 2003237048 A JP2003237048 A JP 2003237048A
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Teruyuki Fukuda
輝幸 福田
Shuji Kida
修二 木田
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Makoto Kaga
誠 加賀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れ、且つ、定着画像の光沢度が高
く、光沢変動の少ない定着ベルト、定着ローラ、それら
の製造方法、加熱定着装置及び画像形成方法を提供す
る。 【解決手段】 加熱手段と加圧手段との間を記録材料
と、基材上に少なくとも離型性層を有する定着ベルトの
該離型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定
着を行う定着ベルトにおいて、該基材が表面処理層を有
し、該表面処理層の硬度が鉛筆硬度HB以上であり、且
つ、前記離型性層がシリコーン樹脂を含有することを特
徴とする定着ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は定着ベルト、定着ロ
ーラ、それらの製造方法、加熱定着装置及び画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録はインクの微小液滴
を種々の作動原理により飛翔させて記録材料に付着さ
せ、画像、文字などの記録を行うものであるが、比較的
高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有して
いる。
【0003】また、近年の技術進歩により、光による退
色に強い画像を必要とする用途向けのインクとして、耐
光性が良好である顔料を着色剤として用いる顔料インク
が注目されている。
【0004】顔料は溶媒に不溶であり、色素分子は粒子
を形成して溶媒に分散した状態で着色に寄与しているの
で、例え、表面の分子が光化学反応等により破壊された
としてもその下部に新たな色素分子層があるので見かけ
上の着色力低下が小さく、画像保存性に優れるという特
徴がある。
【0005】しかしながら、画像定着処理後も顔料粒子
に起因する散乱光、反射光の影響により光沢性のある画
像を得ることが困難であるという問題点があった。
【0006】特開平11−208097号においては、
最外層が熱可塑性樹脂層である記録材料に分散剤を含有
しない顔料インクにより記録後、顔料粒子を熱可塑性樹
脂層中に移動させる技術が開示されている。顔料インク
は記録材料表面に付着後顔料粒子は熱可塑性樹脂層表面
に存在し、溶媒成分は記録材料を構成する各層に吸収さ
れる。続いて顔料粒子を熱可塑性樹脂層中に移動させる
ことによって、顔料インク特有の印字部の未印字部に対
する浮き上がりが解消され、平滑性向上に起因する光沢
向上効果が確認された。
【0007】しかしながら、顔料インクの熱可塑性樹脂
層中への埋め込みが中途半端な場合、印字部、未印字部
に画像状の凹凸が発生し、光沢差が生じやすくなり、ま
た、逆に顔料インクの埋め込みが十分に行われた場合、
画像表面の平滑性は向上し、印字部と未印字部の光沢差
は解消されるが、光沢度については充分な特性が得られ
ないという問題点があった。
【0008】また、特開2000−103044には、
記録材料上に吐出されたインクを乾燥させる乾燥手段と
して、加熱ローラと該加熱ローラに対向配置している加
圧ローラが開示されているが、この技術では、確かにイ
ンクの盛り上がりが平坦になり、従来の画像形成装置に
比べ、インクに光沢がでるものの、充分な光沢とはいえ
ず、また、加熱ローラと顔料インクとの剥離性も不十分
であるという問題点があった。
【0009】特開2000−1512には、特定の記録
用紙及びインクを用いなくても、光沢度の高い画像を出
力する為に、インクを用いて被印刷物に画像を形成する
画像形成部と、この画像形成部によって画像が形成され
た被印刷物を加圧する為の加圧部とを備えている画像出
力装置が開示されている。
【0010】この画像出力装置には、定着装置として表
面にフッ素コーティングされたシリコンゴムが開示され
ているが、形成された画像の光沢は充分ではなく、ま
た、ローラと顔料インクとの剥離性も不十分であるとい
う問題点があった。
【0011】電子写真複写機あるいは電子写真式プリン
ター等、電子写真プロセスを利用した画像形成装置にお
いては、感光体表面から複写紙などの被転写物に転写さ
れたトナー像を被転写物に固定する必要がある。このト
ナー像を固定する方法として、互いに圧接回転している
加熱ロールと加圧ロールとの間に複写紙を通過させ、複
写紙上のトナー像を熱融着し、固定する方法が広く採用
されている。
【0012】この方法においては、定着ロールと複写紙
とはロールの曲率により接触巾が小さいため、複写紙は
定着ロールから短時間で分離され、複写紙上のトナーは
高温のままロール表面から離れてしまい、とくに、フル
カラー用トナーは低融点であるのでオフセットしやす
く、トナー表面は荒れた状態になっているので、トナー
像の鏡面化が十分ではなく、光沢性のある画像が得るの
が難しいという問題点があった。
【0013】また、従来、オフセット防止のために定着
ロール表面にシリコーンオイルを塗布することが行われ
ているが、シリコーンオイルを塗布するための装置が必
要になる等、装置的に複雑となるという問題点がある。
さらに、原稿をOHPフィルムにコピーする場合には、
該フィルムがシリコーンオイルにて汚染されるという点
も指摘されている。
【0014】そこで、特開平5−265337号には、
少なくとも基材とその表面に形成された離型性層とから
なる定着ベルトにおいて、該離型性層がシリコーンレジ
ンからなることを特徴とする定着ベルトが開示されてい
る。
【0015】また、特開2000−112271には、
定着部材の基体(基材)より最も離隔した最外面(離型
性層に相当する)に硬化性変性シリコーン樹脂を含有す
る表面層を設ける定着ベルトが開示されている。
【0016】しかしながら、上記の定着ベルトはフルカ
ラーのトナー画像の光沢性向上等には効果があるが、イ
ンクジェット記録画像の光沢度の向上効果は不十分であ
り、定着ベルト上の離型性層の膜剥がれが起こりやすい
等の問題点があった。
【0017】更に、従来、離型性層の膜剥がれを防止す
るために定着ベルトや定着ローラの基材と離型性層との
間に中間層を設ける技術もあるが、定着ベルトや定着ロ
ーラの使用部位と未使用部位とで膜の膨潤率が変化し、
繰り返し使用されたところと未使用のところで光沢発揮
が異なる、具体的には、写真サイズの画像を繰り返し定
着した後に、大判サイズを定着すると同一画像内で光沢
が変わってしまうという問題点があり、また、連続使用
の際に光沢が初期と後期で変わってしまうといいう品質
安定性が十分でないという問題点があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性に優れ、且つ、定着画像の光沢度が高く、光沢変動の
少ない定着ベルト、定着ローラ、それらの製造方法、加
熱定着装置及び画像形成方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の構成1〜17により達成された。
【0020】1.加熱手段と加圧手段との間を記録材料
と、基材上に少なくとも離型性層を有する定着ベルトの
該離型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定
着を行う定着ベルトにおいて、該基材が表面処理層を有
し、該表面処理層の硬度が鉛筆硬度HB以上であり、且
つ、前記離型性層がシリコーン樹脂を含有することを特
徴とする定着ベルト。
【0021】2.表面処理層の膨潤率が5%未満である
ことを特徴とする前記1に記載の定着ベルト。
【0022】3.表面処理層が表面改質剤を含有し、且
つ、該表面改質剤がアルミニウムカップリング剤または
ジルコニウムカップリング剤を含むことを特徴とする前
記1または2に記載の定着ベルト。
【0023】4.前記1〜3のいずれか1項に記載の定
着ベルトを作製するに当たり、基材上に表面改質剤をデ
ィップ塗布することにより表面処理層が設けられる工程
を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法。
【0024】5.基材上に表面改質剤を付与後、高湿条
件下で該表面改質剤を加水分解させ、次いで、加水分解
後の前記表面改質剤を低湿条件下で縮合させることによ
り、表面処理層が設けられる工程を経て作製されたこと
を特徴とする前記4に記載の定着ベルトの製造方法。
【0025】6.加熱手段と加圧手段との間を記録材料
と、基材上に少なくとも離型性層を有する定着ローラの
該離型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定
着を行う定着ローラにおいて、該基材が表面処理層を有
し、該表面処理層の硬度が鉛筆硬度HB以上であり、且
つ、前記離型性層がシリコーン樹脂を含有することを特
徴とする定着ローラ。
【0026】7.表面処理層の膨潤率が5%未満である
ことを特徴とする前記6に記載の定着ローラ。
【0027】8.表面処理層が表面改質剤を含有し、且
つ、該表面改質剤がアルミニウムカップリング剤または
ジルコニウムカップリング剤を含むことを特徴とする前
記6または7に記載の定着ローラ。
【0028】9.前記6〜8のいずれか1項に記載の定
着ローラを作製するに当たり、基材上に表面改質剤をデ
ィップ塗布することにより表面処理層が設けられる工程
を有することを特徴とする定着ローラの製造方法。
【0029】10.基材上に表面改質剤を付与後、高湿
条件下で該表面改質剤を加水分解させ、次いで、加水分
解後の前記表面改質剤を低湿条件下で縮合させることに
より、表面処理層が設けられる工程を経て作製されたこ
とを特徴とする前記9に記載の定着ローラの製造方法。
【0030】11.前記1〜3のいずれか1項に記載の
定着ベルトまたは前記6〜8のいずれか1項に記載の定
着ローラを用いて定着処理を行うことを特徴とするイン
クジェット記録材料用加熱定着装置。
【0031】12.インクを噴射して印字が行われた記
録材料を前記1〜3のいずれか1項に記載の定着ベルト
または前記6〜8のいずれか1項に記載の定着ローラを
用いて定着処理することを特徴とするインクジェット記
録材料用加熱定着装置。
【0032】13.インクが顔料インクであることを特
徴とする前記12に記載のインクジェット記録材料用加
熱定着装置。
【0033】14.記録材料が熱可塑性樹脂粒子を含有
する表層と、該表層に隣接した無機微粒子を含有するイ
ンク吸収層とを有することを特徴とする前記11〜13
のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料用加熱
定着装置。
【0034】15.インクを噴射して印字が行われた記
録材料を前記11〜14のいずれか1項に記載のインク
ジェット記録材料用加熱定着装置を用いて定着処理する
ことを特徴とする画像形成方法。
【0035】16.インクが顔料インクであることを特
徴とする前記15に記載の画像形成方法。
【0036】17.記録材料が熱可塑性樹脂粒子を含有
する表層と、該表層に隣接した無機微粒子を含有するイ
ンク吸収層とを有することを特徴とする前記15または
16に記載の画像形成方法。
【0037】以下、本発明を詳細に説明する。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について、
請求項1〜3に係る定着ベルトについて、図1を用いて
説明し、請求項6〜8に係る定着ローラについては、図
2を用いて説明する。
【0039】図1は、本発明で用いられるインクジェッ
ト記録装置の一例を示す概略構成図である。図1におい
て、搬送ローラ対21から送り出された記録材料1は記
録ヘッド3によりインクジェット記録が行われ、カッタ
61により適宜切断され、第1のローラ対〜第2のロー
ラ対まで、たわみを有する状態で搬送され、次いで、加
熱定着手段4に送られ、内部に発熱体43を有する加熱
ローラ41と加圧ローラ42との間に定着ベルト44と
共に通過することにより、加熱定着処理が行われる。
【0040】図2は、本発明で用いられるインクジェッ
ト記録装置の他の一例を示す概略構成図である。図2に
おいて、搬送ローラ対21から送り出された記録材料1
は記録ヘッド3によりインクジェット記録が行われ、カ
ッタ61により適宜切断され、第1のローラ対〜第2の
ローラ対まで、たわみを有する状態で搬送され、次い
で、加熱定着手段4に送られ、内部に発熱体43を有す
る加熱ローラ41と加圧ローラ42との間を通過するこ
とにより、加熱定着処理が行われる。
【0041】上記記載の加熱ローラの表面には、図示し
ていないが、離型性層が設けられており、前記離型性層
中には本発明に係るシリコーン樹脂が含有されている。
【0042】上記記載の定着ベルトまたは定着ローラが
前記記録材料1と接する面には、図示していないが、離
型性層が設けられており、前記離型性層中には本発明に
係るシリコーン樹脂が含有されている。
【0043】本発明に記載の効果、即ち、画像形成後の
画像の光沢度の変動が低減し、定着時に定着ベルトや定
着ローラに設けられている離型性層の膜剥がれがなく
(耐久性向上)、且つ、定着時のオフセット発生を低減
するためには、請求項1または6に記載のように、加熱
手段と加圧手段との間を記録材料と、基材上に少なくと
も離型性層を有する定着ベルトまたは定着ローラの該離
型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定着を
行う定着ベルトまたは定着ローラにおいて、該基材が表
面処理層を有し、該表面処理層の硬度が鉛筆硬度HB以
上であり、且つ、前記離型性層がシリコーン樹脂を含有
することによって達成できることを見出した。
【0044】《表面処理層》本発明に係る表面処理層に
ついて説明する。
【0045】本発明に記載の効果、即ち、画像形成時の
光沢度の変動を低減し、且つ、定着時の離型性層の膜剥
がれの防止を効果的に得るためには、表面処理層のJI
SK 5401に規定される鉛筆硬度がHB以上である
ことが必須要件であるが、好ましくは鉛筆硬度は、H〜
5Hの範囲であり、特に好ましくは、2H〜5Hの範囲
である。
【0046】また、光沢ムラの更に効果的に防止する為
には、表面処理層のJIS K 6911に規定される
膨潤率が5%未満であることが好ましく、更に好ましく
は、3%以下であり、特に好ましくは、1%以下の範囲
である。
【0047】上記記載のような鉛筆硬度や膨潤率を示す
表面処理層は、定着ベルトや定着ローラの基材と離型性
層との間の接着性を向上させ、且つ、定着時の光沢ムラ
の防止を適切に行う観点から表面改質剤を含有すること
が好ましく、前記表面改質剤としては、アルミニウムカ
ップリング剤、ジルコニウムカップリング剤が好まし
く、更に好ましく用いられるのは、アルミニウムカップ
リング剤である。
【0048】上記記載のアルミニウムカップリング剤や
ジルコニウムカップリング剤は、そのものは接着性を有
しないが、接着したいものの表面(定着ベルトや定着ロ
ーラの基材)をカップリング剤溶液で処理すると、カッ
プリング剤が加水分解−縮合反応を起こして基材表面の
接着性を向上させる作用を有している。
【0049】以下にアルミニウムカップリング剤、ジル
コニウムカップリング剤の具体例を示すが、本発明はこ
れらに限定されない。
【0050】《アルミニウムカップリング剤の具体例》 アセトメトキシアルミニウムジイソプロピレート、 アセトエトキシアルミニウムジイソプロピレート、 アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、 アルミニウムジ−n−ブトキシドモノメチルアセテート アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセテート アルミニウムイソプロピレート モノsec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート アルミニウムsec−ブチレート アルミニウムエチレート エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート) アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレ
ート アルミニウムモノアセチルアセトアセテートビス(エチ
ルアセトアセテート) アルミニウムトリス(アセチルアセトネート) アルミニウム=モノイソプロポキシモノオレオキシエチ
ルアセトアセテート 環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート 《ジルコニウムカップリング剤の具体例》 ジルコニウムテトラアセチルアセテート、 ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、 ジルコウムトリブトキシアセチルアセネート、 ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、 ジルコニウブトキシトリスエチルアセトアセテート、 ジリコニウムブトキシビスエチルアセトアセテート、 ジリコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテー
ト、 ジリコニウムテトラキスエチルラクテート、 ジリコニウムジブトキシビスエチルラクテート、 ビスアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート
ジルコニウム、 モノアセチルアセトネートトリスエチルアセトアセテー
トジルコニウム、 ビスアセチルアセトネートビスエチルラクテートジルコ
ニウム等のジルコニウムキレート化合物、 ジルコニウムn−ブチレート、 ジルコニウムn−プロピレート等のジルコニウムアルコ
キシド 《表面処理層の膜厚》表面処理層の膜厚は、0.2μm
〜10μmの範囲が好ましく、更に好ましくは、0.2
μm〜3μmの範囲である。
【0051】《アルミニウムカップリング剤、ジルコニ
ウムカップリング剤の含有量》・表面処理層中でのアル
ミニウムカップリング剤やジルコニウムカップリング剤
の好ましい含有量の範囲は、1質量%〜100質量%で
あり、更に好ましくは、50質量%〜100質量%であ
る。
【0052】また、本発明に係る表面処理層には、下記
に記載のチタンカップリング剤を併用することが出来
る。前記チタンカップリング剤の具体例としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネー
ト、ジイソプロピルビス(ジオクチルパイロホスフェー
ト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチル
ホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジト
リデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−
ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシ
ル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロ
ホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ジ
ブトキシチタン−ビス(オクチレングリコレート)、ジ
プロポキシチタン−ビス(エチルアセチルアセテー
ト)、ジプロポキシチタン−ビス(トリエタノールアミ
ナート)、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチ
タン等が挙げられる。
【0053】《離型性層》本発明に係る離型性層につい
て説明する。
【0054】本発明に係る離型性層は、シリコーン樹脂
を含有する。本発明に係るシリコーン樹脂は、従来公知
のシリコーン樹脂を用いることができるが、本発明に記
載の効果を好ましく得る観点から、離型性層の剥離力が
30g/5cm以上を満たすようなものが好ましく用い
られる。
【0055】本発明に係るシリコーン樹脂としては、例
えば、下記に示すような溶剤付加型シリコーンまたは縮
合硬化型のシリコーン等のような硬化型シリコーンを用
いて作製されたシリコーン樹脂が好ましく、中でも溶媒
付加型シリコーンを用いて作製されたシリコーン樹脂が
好ましい。
【0056】上記記載の溶剤付加型シリコーンは、両末
端、あるいは、両末端及び鎖中に、ビニル基を有する直
鎖状メチルビニルポリシロキサンとメチルハイドロジェ
ンポリシロキサンとを白金系触媒の存在下で反応させて
得られる。
【0057】溶剤付加型シリコーンの具体例としては、
例えば、信越シリコーン社製のKS−887、KS−7
79H、KS−778、KS−835、X−62−24
56、X−62−2494、X−62−2461、KS
−3650、KS−3655、KS−3600、KS−
847、KS−770、KS−770L、KS−776
A、KS−856、KS−775、KS−830、KS
−830E、KS−839、X−62−2404、X−
62−2405、KS−3702、X−62−223
2、KS−3503、KS−3502、KS−370
3、KS−5508等が挙げられる。
【0058】縮合硬化型シリコーンの具体例としては、
例えば、信越シリコーン社製のKS−881、KS−8
82、KS−883、X−62−9490、X−62−
9028等のシリコーンが好ましく用いられる。
【0059】本発明に係る離型性層の表面接触角は、1
00度〜120度であることが好ましく、更に好ましく
は、105度から115度である。ここで、表面接触角
は、純水に対する接触角の測定であり、例えば、自動接
触角計DAC−VZ(協和界面科学社製)を用い、液適
法(純水約15μlを測定面に静かに垂らし、接触して
から0.5秒後の接触角を測定する)にて測定した。
【0060】本発明に係る離型性層の表面粗さ(定義に
ついては後述する)は、0.2μm以下であることが好
ましく、更に好ましくは、0.1μm以下である。
【0061】本発明に係る離型性層の厚さは、1μm〜
50μmであることが好ましく、更に好ましくは、10
μm〜30μmである。
【0062】また、本発明の定着ベルト、本発明の定着
ローラに係る離型性層は、その剥離力が30g/5cm
以上になるように調整することが好ましく、更に好まし
くは、30g/5cm〜1000g/5cmの範囲に調
製することであり、特に好ましくは、50g/5cm〜
600g/5cmである。
【0063】ここで、離型性層の剥離力は下記に記載の
方法により測定される。(離型性層の剥離力測定方法)
図1に示すような定着ベルトの場合には、定着ベルトの
離型性層に、図2に示すような定着ローラの場合には、
加熱ローラまたは加圧ローラの離型性層に、粘着テープ
(ニットーポリエステルテープNo.31B(日東電工
(株)製))を貼合し、加圧ローラの圧力値を2kgに
設定した状態で、加圧ローラ1回転分の圧着操作を行
い、その後、室温下、定着ベルトまたは定着ローラを2
0時間放置後、上記粘着テープを角度180度、0.3
m/分の速度条件下、市販の引っ張り試験機を用い、剥
離力を測定した。
【0064】但し、定着ローラの加熱ローラと加圧ロー
ラのどちらにも離型性層が設けられている場合には、記
録材料と接する側の離型性層の剥離力を測定した。
【0065】本発明の定着ベルト、定着ローラは、基材
上に表面処理層、離型性層を有するが、離型性層の膜剥
がれを更に効果的に防止する観点からは、下記に記載の
接着性改良層を設けることが好ましい。
【0066】《接着性改良層》本発明に用いられる接着
性改良層について説明する。
【0067】本発明に用いられる接着性改良層は、基材
と離型性層との接着性向上の観点から、水酸基、カルボ
キシル基、前記一般式(a)で表される基及び前記一般
式(b)で表される基からなる群から選択される少なく
とも一つの反応性基を有する化合物を含有することが好
ましい。
【0068】(反応性基を有する化合物)反応性基を有
する化合物としては、低分子化合物でも高分子化合物で
もよいが、本発明においては、ポリビニルアルコール樹
脂(例えば、PVA−124、224,424(いずれ
も、クラレ製))、ブチラール樹脂(例えば、3000
K(電気化学工業社製))、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニリデンおよびポリブタジエン系などのオ
レフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエチレンイ
ミン系樹脂などが好ましい化合物として挙げられる。中
でも、ブチラール樹脂が好ましく用いられる。
【0069】上記の反応性基を有する化合物の接着性改
良層中での含有量は、1質量%〜100質量%が好まし
く、更に好ましくは、50質量%〜100質量%であ
る。また、本発明に用いられる接着性改良層が、反応性
基を有する樹脂(1種類の樹脂でもよく、複数の樹脂の
混合物でもよい)から構成されている場合、樹脂を構成
する全繰り返し単位中、前記反応性基を有する繰り返し
単位の含有比率が20%以下であることが好ましいが、
更に好ましくは、1%〜20%である。
【0070】(カップリング剤、イソシアネート化合
物)本発明に用いられる接着性改良層は、接着性効果を
更に好ましく発揮する観点から、シランカップリング
剤、チタンカップリング剤及びイソシアネート化合物か
らなる群から選択される少なくとも一つの化合物を含有
することが好ましいが、更に好ましくは、チタンカップ
リング剤またはイソシアネート化合物を含有することで
あり、特に好ましく用いられるのは、チタンカップリン
グ剤である。
【0071】チタンカップリング剤としては、例えば、
テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート、
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリデシルベンゼンスルフォニルチタネート、ビ
ス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテー
トチタネート等が挙げられる。
【0072】また、イソプロポキシ基を有するモノアル
コキシ型、オキシ酢酸残基あるいはエチレングリコール
残基を有するキレート型、テトラアルキルチタネートに
亜リン酸エステルを付加させたコーディネート型が挙げ
られる。
【0073】モノアルコキシ型としては、イソプロピル
ジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプ
ロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルト
リ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネート、イソ
プロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルト
リイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデジ
ルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリド
デシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルト
リス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート等が
ある。
【0074】また、チタニウム−i−プロポキシオクチ
レングリコレート(TOG:日本曹達(株)製)、テト
ラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタ
ン、テトラキス(2−エチルヘキソキシ)チタン、テト
ラステアロキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(ア
セチルアセトナト)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス
(トリエタノールアミナト)チタン、ジヒドロキシチタ
ン・トリ−i−ステアレート等が挙げられる。
【0075】キレート型としては、ビス(ジオクチルパ
イロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジク
ミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジクミルフ
ェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイ
ルエチレンチタネート等が挙げられる。
【0076】コーディネート型としては、テトライソプ
ロピルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、
テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタ
ネート等がある。
【0077】シランカップリング剤としては、例えば、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸
塩、ヘキサメチルジシラザン、メチルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトエリメトキシシラン、オクチルト
リメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシ
ルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
o−メチルフェニルトリメトキシシラン、KBM503
(信越化学工業(株)製)、p−メチルフェニルトリメ
トキシシラン、などが挙げられる。
【0078】イソシアネート化合物としては、例えば、
以下の一般式で表される化合物が挙げられる。
【0079】一般式 O=C=N−L−(N=C=O)v 式中、vは0、1または2であり、Lはアルキレン基、
アルケニレン基、アリーレン基またはアラルキル基を部
分構造として有する2価の連結基を表す。
【0080】これらの基は、更に置換基を有していても
良く、好ましい置換基の例は、ハロゲン(例えば、Br
およびCl)、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ア
ルキル基、アルコキシル基等が挙げられる。
【0081】製造元から入手できる特定のイソシアネー
ト化合物の例を以下に示すが、本発明は、これらに限定
されない。
【0082】IC−1 デスモデュ(Desmodu
r)N100、モーベイ社、脂肪族イソシアネート IC−2 デスモデュN3300、モーベイ社、脂肪族
イソシアネート IC−3 モンデュー(Mondur)TD−80、モ
ーベイ社、芳香族イソシアネート IC−4 モンデューM、モーベイ社、芳香族イソシア
ネート IC−5 モンデューMRS、モーベイ社、ポリマーイ
ソシアネート IC−6 デスモデュW、モーベイ社、脂肪族イソシア
ネート IC−7 パピ(Papi)27、ダウ社、ポリマーイ
ソシアネート IC−8 イソシアネートT1890、ヒュルス(Hu
els)、脂肪族イソシアネート IC−9 オクタデシルイソシアネート、アルドリッヒ
社、脂肪族イソシアネート 更に、コロネート2030、コロネート2255、コロ
ネート2513、コロネート2507、コロネートL、
コロネートHL、コロネートHK、コロネートHX、コ
ロネート341、コロネートMX、コロネート206
7、以上日本ポリウレタン社製、タケネートD103
H、タケネートD204EA、タケネートD−172
N、タケネートD−170N、以上武田薬品製、スミジ
ュールん3200、スミジュール44V−20、スミジ
ュールIL、以上住友バイエルウレタン社製等が挙げら
れる。
【0083】また、本発明においては、アルミニウムカ
ップリング剤、例えば、アセトアルコキシアルミニウム
ジイソプロピレート等も用いることが出来る。
【0084】上記記載のカップリング剤、イソシアネー
ト化合物等の接着性改良層中の含有量としては、1質量
%〜99質量%が好ましく、更に好ましくは、1質量%
〜50質量%である。
【0085】(接着性改良層の膜厚)本発明に用いられ
る接着性改良層の膜厚は、1μm〜300μmに調整す
ることが好ましく、更に好ましくは、1μm〜100μ
mであり、特に好ましくは、1μm〜50μmである。
【0086】(熱可塑性樹脂)本発明に係る熱可塑性樹
脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロ
ニトリル、ポリスチレン、ポリスチレン−アクリル共重
合体、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリビニルア
ルコール、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテ
ル、シリコン、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン
共重合体、ABSゴム、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合
体、アクリル変性フッ素樹脂等が挙げられる。
【0087】また、これらの高分子化合物を互いに共重
合体させたランダム共重合体、ブロック共重合体、グラ
フト共重合体なども挙げられる。
【0088】中でも、好ましくは、ビニル基を有するモ
ノマーが重合されたスチレン−アクリル樹脂が挙げられ
る。このスチレン−アクリル樹脂に用いられる好ましい
モノマーを挙げれば、スチレンとアクリレート類(アク
リル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアク
リレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチ
ルメタクリレート)、アクリロニトリルがあげられ、こ
れらのモノマーを主成分にした熱可塑性樹脂が好まし
い。この熱可塑性樹脂には、スチレン−アクリルの他
に、酢酸ビニルを共重合させて、酢酸ビニルの一部、ま
たは全部をビニルアルコールに導いた熱可塑性樹脂、重
合後ウレタン変性、シリコン変性、ポリビニルアルコー
ル変性などの変性処理したものも、好ましく用いられ
る。
【0089】本発明に係る熱可塑性樹脂としては、特定
の重量平均分子量、特定の分子量分布を有する樹脂が用
いられる。熱可塑性樹脂の分子量、分子量分布は、後述
するゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GP
C)によって測定され、ポリスチレン換算の分子量とし
て測定される。本発明においては東ソー社製、HLC−
8220GPC(カラム:TSKゲルSuperHM−
M)をもちいた。
【0090】本発明に記載の効果を得る観点から、熱可
塑性樹脂の分子量としては、重量平均分子量が50,0
00〜2,000,000の範囲のものが好ましく、且
つ、分子量分布としては、重量平均分子量/数平均分子
量の値が4.0以上であることが好ましいが、更に好ま
しくは、重量平均分子量/数平均分子量の値は4.0〜
15.0である。
【0091】上記記載の分子量、分子量分布を有する熱
可塑性樹脂は、複数の分子量分布を有する樹脂を混合す
る、あるいは、従来公知の合成方法を参照して、合成す
ることが出来る。高分子量の樹脂を合成後その反応液中
にモノマーを加えて、さらに重合させるブロック重合、
あるいはグラフト重合など公知の方法を用いて得る事が
出来る。
【0092】また、熱可塑性樹脂はガラス転移点が30
℃〜150℃、好ましくは50℃〜120℃が好まし
い。これらの例としては、ポリカーボネート、ポリアク
リロニトリル、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステル
共重合体、ポリビニルアルコール、ポリメタアクリル
酸、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレ
ン、ポリエチレン−酢酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステ
ル、ポリアミド、ポリエーテル、シリコーン、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、ABSゴム、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリウレタ
ン、シリコン−アクリル共重合体、アクリル変性フッ素
樹脂等が挙げられる。
【0093】また、これらの高分子化合物を互いに共重
合体させたランダム共重合体、ブロック共重合体、グラ
フト共重合体なども挙げられる。
【0094】好ましくは、ビニル基を有するモノマーが
重合された熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましいモノマ
ーを挙げれば、アクリロニトリル、スチレン、アクリレ
ート類(アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリ
シジルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート)、酢酸ビニル、ポリビニ
ルアルコール、ブタジエン、塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデンが挙げられ、これらのモノマーを2つ以上組み合
わせた共重合体が好ましい。また、共重合体に組み込ま
れた酢酸ビニルをケン化し、酢酸ビニルの一部、または
全部をビニルアルコールに導いた熱可塑性樹脂、ポリウ
レタン、シリコーン−アクリル共重合体などが好ましく
用いられる。
【0095】また、ポリエステル、ポリウレタン樹脂も
用いる事が出来る。本発明において用いる熱可塑性樹脂
は適度に架橋されている事が必要である。架橋剤を有す
る熱可塑性樹脂を製造するには、公知のさまざまな方
法、例えばスチレン、アクリル酸エステルなどのラジカ
ル重合により高分子を得る場合は、ジビニルベンゼン、
トリメタノールプロパントリアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレートなどの2官能以上の架橋
剤を適量加えた後、重合すれば良い。
【0096】ポリエステル、ポリウレタンなどの縮合性
高分子の場合は、ポリエステル、ポリウレタンの製造時
に、トリメチロールプロパンなどの3官能以上のアルコ
ール類、3官能以上のイソシアネートを用いて、縮合反
応を行えば良い。
【0097】本発明においては、記録媒体上に画像を形
成した後、圧力又は熱による処理を行うことによりイン
ク顔料が圧力又は熱により軟化した熱可塑性樹脂中に埋
め込まれた状態となることでインクが記録媒体にしっか
りと定着(固着)され本発明の効果が得られると考えら
れる。
【0098】(樹脂のフロー軟化点)本発明に用いられ
る接着性改良層に含有される少なくとも1種の樹脂が、
フロー軟化点が130℃以上であることが好ましく、更
に好ましくは、130℃〜400℃の範囲であり、特の
好ましくは、130℃〜300℃の範囲である。前記の
樹脂としては、上記記載の反応性基を有する化合物とし
て用いられている樹脂、上記記載の熱可塑性樹脂等が挙
げられる。
【0099】ここで、本発明に係るフロー軟化点は、高
架式フローテスタCFT−500(島津製作所製)を用
いて測定した。
【0100】《基材》本発明に係る定着ベルトに用いら
れるベルト部材用の基材や本発明に係る定着ローラの加
熱ローラ、加圧ローラに用いられる各々の基材について
説明する。
【0101】本発明に記載の効果を好ましく得る観点か
ら、ベルト部材に用いられる基材としては、シームレス
のニッケル電鍮が好ましく、加熱ローラ、加圧ローラの
基材としては、ニッケルが好ましい。また、基材の厚さ
は、10μm〜100μmであることが好ましい。
【0102】また、基材の材料としては、ニッケル以外
にもアルミニウム、鉄、ポリエチレン等を用いることが
できる。
【0103】本発明に係る定着ベルトの基材の表面粗さ
は、0.1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.
08μm以下である。更に、ヤング率は、50kN/m
2以上であることが好ましく、更に好ましくは、50
kN/mm2〜300kN/mm2である。
【0104】《表面粗さ》ここで、上記の離型性層の表
面粗さや、定着ベルトや定着ローラの基材の表面粗さの
測定について説明する。
【0105】本発明においては、以下の方法に従い平均
面粗さRaを測定した。原子間力顕微鏡(Atomic
Force Microscopy:AFM)とし
て、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800Nプ
ローブステーションおよびSPA400多機能型ユニッ
トを使用し、約1cm角の大きさに切り取った試料を、
ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、カン
チレバーを試料表面にアプローチし、原子間が働く領域
に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試
料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾス
キャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なもの
を使用した。カンチレバーは、セイコーインスツルメン
ツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周
波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/m
のものを用い、DFMモード(Dynamic For
ce Mode)で測定した。測定領域2μm角を、1
(or2)視野、走査周波数1Hzで測定した。また、
得られた三次元データを最小二乗近似することにより、
試料のわずかの傾きを補正し、基準面を求めた。
【0106】表面粗さの解析は、解析ソフトSPIwi
n(ver.2.05D2、セイコーインスツルメント
社製)の「解析」メニューより表面粗さ解析を呼び出
し、得られた三次元データより平均面粗さを求めた。
【0107】測定により表された測定面はZ=F(X,
Y)で表す。(X,Y)の範囲は(0,0)〜
(Xmax,Ymax)となる。それを粗さ解析の対象となる
指定面*とすると、表面積S0は次式で求められる。
【0108】S0=Xmax・Ymax 指定面内のZデータの平均値をZ0とするとき、Z=Z0
となる平面を基準面とするときZ0は次式で求められ
る。
【0109】
【数1】
【0110】別途JIS B601で中心線平均粗さ
(Ra)は粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さL
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線の方向を
X軸、縦倍率の方向(X軸に垂直)をY軸とし、粗さ曲
線をY=F(X)とした時、
【0111】
【数2】
【0112】で与えられる値と定義される。本発明にお
いては、この中心線平均粗さRaを、測定面に対して適
応できるように三次元に拡張したものを本発明に係る表
面粗さ(平均粗さRaともいう)と定義し、基準面から
指定面までの偏差の絶対値を平均した値として表現し、
次式を適用して得られた値を用いた。
【0113】
【数3】
【0114】《定着ベルト、定着ローラの製造方法》本
発明の定着ベルト、定着ローラの製造方法について説明
する。
【0115】本発明の定着ベルト、定着ローラの製造に
おいては、記録材料と接触する側の定着ベルトや定着ロ
ーラの面に、ディップ塗布方式、バーコート方式、ブレ
ード塗布方式、エアナイフ方式、スライド塗布装置やカ
ーテン塗布等により接着性改良層を塗布し乾燥の後、前
記接着性改良層の上に、溶媒付加型シリコーンや溶剤縮
合型シリコーンなどの硬化型シリコーンをディップ塗布
後、加熱硬化する工程を経て離型性層が形成されること
が好ましい。
【0116】中でも好ましいのは、接着性改良層、離型
性層の各々をディップ塗布方式で塗布することである。
ディップ塗布を行う場合の塗布液の粘度としては、0.
01Pa・s〜0.5Pa/sの範囲に調整することが
好ましい。
【0117】また、本発明においては、前記離型性層の
塗設後、エージング処理Aを行う工程、次いで、エージ
ング処理Bを行う工程を有することを特徴とすることが
好ましい。
【0118】ここで、エージング処理Aは、例えば、離
型性層塗布後の定着ベルトまたは定着ローラを水中に浸
積する、蒸気を噴霧する、加温高湿下に経時保存するこ
とを表す。加温高湿下とは、温度範囲が25℃〜100
℃、高湿とは、相対湿度が50%RH以上、好ましく
は、50%RH〜95%RHの範囲を表す。
【0119】また、エージング処理Bは、前記エージン
グ処理Aの後に定着ベルトまたは定着ローラを高温低湿
下に処理することを表すが、高温とは、40℃〜200
℃の範囲が好ましく、更に好ましくは、40℃〜150
℃の範囲であり、低湿とは、相対湿度が50%RH未満
を表す。
【0120】《記録材料》本発明に係る記録材料(記録
媒体ともいう)について説明する。
【0121】記録材料は顔料インクを受容し、画像形成
することができれば特に制約はないが、強度の観点から
支持体上にインク吸収層を有するものが好ましい。
【0122】支持体としては、従来からインクジェット
記録材料に用いられている支持体、例えば、普通紙、ア
ート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持
体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで被
覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体を用
いることができる。
【0123】支持体とインク吸収層の接着強度を大きく
する等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持
体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好まし
い。さらに、本発明の記録用紙は必ずしも無色である必
要はなく、着色された記録用紙であってもよい。また、
原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネートした紙支
持体を用いることが、記録画像が写真画質に近く、しか
も低コストで高品質の画像が得られるために特に好まし
い。
【0124】そのようなポリエチレンでラミネートした
紙支持体について以下に説明する。紙支持体に用いられ
る原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パ
ルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいは
ナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙さ
れる。木材パルプとしては、例えば、LBKP、LBS
P、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUKP、
NUKPのいずれも用いることができるが、短繊維分の
多いLBKP、NBSP、LBSP、NDP、LDPを
より多く用いることが好ましい。ただし、LBSPまた
はLDPの比率は、10質量%以上、70質量%以下が
好ましい。
【0125】上記パルプには、不純物の少ない化学パル
プ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0126】原紙中には、例えば、高級脂肪酸、アルキ
ルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タル
ク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光
増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分
散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加す
ることができる。
【0127】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッ
シュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和が
30質量%〜70質量%が好ましい。尚、4メッシュ残
分の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0128】原紙の坪量は、30g〜250gが好まし
く、特に50g〜200gが好ましい。原紙の厚さは4
0μm〜250μmが好ましい。
【0129】原紙は、抄紙段階または抄紙後にカレンダ
ー処理して高平滑性を与えることもできる。原紙密度は
0.7g/m2〜1.2g/m2(JIS−P−811
8)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P−8
143に規定される条件で20g〜200gが好まし
い。
【0130】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できる高級脂
肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤を使用でき
る。
【0131】原紙のpHは、JIS−P−8113で規
定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0132】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが
他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用すること
が出来る。
【0133】特に、インク吸収層側のポリエチレン層は
写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはア
ナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不
透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量
%、好ましくは4〜13質量%である。
【0134】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成した物も本発明で使用できる。
【0135】原紙の表裏のポリエチレンの使用量は、空
隙層やバック層を設けた後、低湿および高湿下でのカー
ルを最適化するように選択されるが、通常、空隙層側の
ポリエチレン層が20μm〜40μm、バック層側が1
0μm〜30μmの範囲である。
【0136】更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以
下の特性を有していることが好ましい。
【0137】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1
〜20kgであることが好ましい 2.引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10〜200g、横方向が20〜200g
が好ましい 3.圧縮弾性率≧98.1MPa 4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定さ
れる条件で、20秒以上が光沢面としては好ましいが、
いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い 5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定された表面
平均粗さが、基準長さ2.5mm当たり最大高さが10
μm以下であることが好ましい 6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法
で測定したとき、80%以上、特に85〜98%が好ま
しい 7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a
*、b*がL*=80〜95、a*=−3〜+5、b*
=−6〜+2であることが好ましい 8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される6
0度鏡面光沢度が、10〜95%であることが好ましい 9.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛
直度が、50〜300cm2/100である支持体が好
ましい 10.中紙の含水率:中紙に対して、通常、2〜100
質量%、好ましくは2〜6質量% 記録材料のインク吸収層としては、大きく別けて、膨潤
型と空隙型とがある。
【0138】膨潤型としては、親水性バインダーとし
て、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド等を単独もし
くは併用して塗布しこれをインク吸収層としたものを用
いることができる。
【0139】空隙型としては、微粒子及び親水性バイン
ダーを混合して塗布したもので、特に光沢性のあるもの
が好ましい。微粒子としては、アルミナもしくはシリカ
が好ましく、特に、粒径0.1μm以下のシリカを用い
たものが好ましい。親水性バインダーとしては、例え
ば、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレンオキサイド等を単独もしくは併用
したものが好ましい。
【0140】連続、あるいは高速プリントに適性を持た
せるには、記録材料のインク吸収速度が速い方が適して
おり、この点から、空隙型を特に好ましく用いることが
できる。
【0141】本発明で用いられる空隙型インク吸収層に
ついて説明する。空隙層は、主に親水性バインダーと無
機微粒子の軟凝集により形成されるものである。従来よ
り、皮膜中に空隙を形成する方法は種々知られており、
例えば、2種以上のポリマーを含有する均一な塗布液を
支持体上に塗布し、乾燥過程でこれらのポリマーを互い
に相分離させて空隙を形成する方法、固体微粒子および
親水性または疎水性バインダーを含有する塗布液を支持
体上に塗布し、乾燥後に、インクジェット記録用紙を水
或いは適当な有機溶媒を含有する液に浸漬して固体微粒
子を溶解させて空隙を作製する方法、皮膜形成時に発泡
する性質を有する化合物を含有する塗布液を塗布後、乾
燥過程でこの化合物を発泡させて皮膜中に空隙を形成す
る方法、多孔質固体微粒子と親水性バインダーを含有す
る塗布液を支持体上に塗布し、多孔質微粒子中や微粒子
間に空隙を形成する方法、親水性バインダーに対して概
ね等量以上の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子
油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に
塗布し、固体微粒子の間に空隙を作製する方法等が知ら
れている。本発明においては、空隙層に、平均粒径が1
00nm以下の各種無機固体微粒子を含有させることに
よって形成されることが特に好ましい。
【0142】上記の目的で使用される無機微粒子として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができ
る。
【0143】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で
観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を求めてその
単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々
の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したと
きの直径で表したものである。
【0144】固体微粒子としては、シリカ及びアルミナ
またはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いる
ことが好ましく、シリカがより好ましい。
【0145】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
シリカ等が好ましく用いられ、本発明において特に好ま
しく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダルシリ
カまたは気相法で合成された微粒子シリカであり、中で
も気相法により合成された微粒子シリカは高い空隙率が
得られるだけでなく、染料を固定化する目的で用いられ
るカチオン性ポリマーに添加したときに粗大凝集体が形
成されにくいので好ましい。また、アルミナまたはアル
ミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であってもよ
く、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任意の形
状のものを使用することができる。
【0146】微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する
前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態である
のが好ましい。
【0147】無機微粒子は、その粒径が100nm以下
であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリ
カの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一
次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、
100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜
50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0148】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロジルが
市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に、
例えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリー
ムインダクターミキサーなどにより吸引分散すること
で、比較的容易に一次粒子まで分散することが出来る。
【0149】親水性バインダーとしては、例えば、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリ
ン、カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラ
ン、水溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられ
る。これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能
である。
【0150】本発明で好ましく用いられる水溶性樹脂
は、ポリビニルアルコールである。本発明で好ましく用
いられるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを
加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他
に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやア
ニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール
等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0151】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは、平均重合度が1,000以上のもの
が好ましく用いられ、特に、平均重合度が1,500〜
5,000のものが好ましく用いられる。ケン化度は7
0〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のも
のが特に好ましい。
【0152】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0153】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルア
ミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0154】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0155】アニオン変性ポリビニルアルコールは、例
えば、特開平1−206088号に記載されているよう
なアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭
61−237681号、同63−3079799号に記
載されているようなビニルアルコールと水溶性基を有す
るビニル化合物との共重合体及び特開平7−28526
5号に記載されているような水溶性基を有する変性ポリ
ビニルアルコールが挙げられる。
【0156】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号に記載されて
いるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコ
ールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特
開平8−25795号に記載された疎水性基を有するビ
ニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等
が挙げられる。
【0157】ポリビニルアルコールは、重合度や変性の
種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0158】色材受容層に用いられる無機微粒子の添加
量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、無
機微粒子の種類、水溶性樹脂の種類に大きく依存する
が、一般には記録用紙1m2当たり、通常、5〜30
g、好ましくは10〜25gである。
【0159】また、色材受容層に用いられる無機微粒子
と水溶性樹脂の比率は、質量比で通常2:1〜20:1
であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
【0160】色材受容層は、分子内に第四級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを含有して
も良く、インクジェット記録用紙1m2当たり通常0.
1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で用いられ
る。
【0161】空隙層において、空隙の総量(空隙容量)
は記録用紙1m2当り20ml以上であることが好まし
い。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のイ
ンク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるも
のの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収され
ず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの
問題が生じやすい。
【0162】インク保持能を有する空隙層において、固
形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明にお
いて、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚
を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好まし
い。
【0163】空隙型の他のタイプとして、無機微粒子を
用いてインク溶媒吸収層を形成させる以外に、ポリウレ
タン樹脂エマルジョンと水溶性エポキシ化合物及び/又
はアセトアセチル化ポリビニルアルコールとを併用し、
更にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗
工液を用いてインク溶媒吸収層を形成させてもよい。こ
の場合のポリウレタン樹脂エマルジョンは、ポリカーボ
ネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエステル鎖を有
する粒子径が3.0μmであるポリウレタン樹脂エマル
ジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマルジョンのポ
リウレタン樹脂がポリカーボネートポリオール、ポリカ
ーボネートポリオール及びポリエステルポリオール有す
るポリオールと脂肪族系イソシアネート化合物とを反応
させて得られたポリウレタン樹脂が、分子内にスルホン
酸基を有し、さらにエピクロルヒドリンポリアミド樹脂
及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトアセチル化
ビニルアルコールを有することが更に好ましい。
【0164】上記ポリウレタン樹脂を用いたインク溶媒
吸収層は、カチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、
これに伴い、インク溶媒吸収能を有する空隙が形成され
て、画像形成できると推定される。
【0165】本発明においては、インク吸収層の表層に
熱可塑性樹脂を含む層を設けることは、本発明の目的を
達成する上で好ましい。
【0166】熱可塑性樹脂を含む層は、熱可塑性樹脂の
みからなる層であっても、必要に応じて水溶性バインダ
ー等を添加したものであってもよい。熱可塑性樹脂は、
インク透過性の観点から微粒子状が好ましい。
【0167】熱可塑性樹脂あるいは微粒子としては、例
えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリ
スチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポ
リエステル、ポリアミド、ポリエーテル、これらの共重
合体及びこれらの塩が挙げられ、中でもスチレン−アク
リル酸エステル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、SBRラテックスが好ましい。熱可塑性
樹脂あるいは微粒子は、モノマー組成及び、粒径、重合
度が違う複数の重合体を混合して用いても良い。
【0168】熱可塑性樹脂あるいは微粒子を選択するに
際し、インク受容性、加熱及び加圧による定着後の画像
の光沢性、画像堅牢性及び離型性を考慮すべきである。
【0169】インク受容性については、熱可塑性微粒子
の粒径が0.05μm未満の場合は、顔料インク中の顔
料粒子とインク溶媒の分離が遅くなり、インク吸収速度
の低下を招くことになる。また10μmを越えると、支
持体上に塗設する際にインク受容層に隣接する溶媒吸収
層との接着性や、塗設乾燥後のインクジェット記録材料
の被膜強度の点から好ましくない。このために好ましい
熱可塑性樹微粒子径としては好ましくは0.05μm〜
10μm、より好ましくは0.1μm〜5μmである。
さらに好ましくは、0.1μm〜1μmである。
【0170】また、熱可塑性樹脂あるいは微粒子の選択
の基準としてはガラス転移点(Tg)が挙げられる。T
gが塗布乾燥温度より低い場合は、例えば、記録材料製
造時の塗布乾燥温度が既にTgより高く、インク溶媒が
透過するための熱可塑性微粒子による空隙が消失してし
まう。
【0171】また、Tgが、支持体の熱による変性を起
こす温度以上の場合は、顔料インクによるインクジェッ
ト記録後溶融成膜するために高温での定着操作が必要と
なり、装置上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題とな
る。熱可塑性微粒子の好ましいTgは50℃〜150℃
である。また、最低造膜温度(MFT)としては、50
℃〜150℃のものが好ましい。
【0172】熱可塑性微粒子は、環境適性の観点から、
水系に分散されたものが好ましく、特に、乳化重合によ
り得られた水系ラテックスが好ましい。この際、ノニオ
ン系分散剤を乳化剤として用いて乳化重合したタイプは
好ましく用いることができる形態である。
【0173】また、用いる熱可塑性微粒子は臭気および
安全性の観点から残存するモノマー成分が少ない方が好
ましく、重合体の固形分質量に対して3%以下が好まし
く、更に1%以下が好ましく、特には0.1%以下が好
ましい。
【0174】水溶性バインダーとしては、熱可塑性微粒
子の1〜10%の範囲でポリビニルアルコールや、ポリ
ビニルピロリドンを用いることができる。
【0175】本発明に係る記録材料としては、支持体上
にインク吸収層を有し、表層が少なくとも無機顔料と熱
可塑性微粒子とを含むようなものが好ましく用いられ
る。
【0176】特に、好ましい理由として以下の点をあげ
ることができる。 (a)インク吸収速度が大きく、ビーディング、カラー
ブリード等の画質劣化がおこりにくく、高速印字適性を
有している (b)画像表面強度が強い (c)画像保存時の重ねでの融着がおこりにくい (d)インク吸収層の塗布生産性に優れている (e)筆記性に優れている この場合、表層の熱可塑性微粒子と無機顔料の固形分質
量比としては、熱可塑性微粒子および無機顔料および他
の添加剤などにより個々に決めるのが好ましく、特に制
約はないが、熱可塑性微粒子/無機顔料が2/8から8
/2の範囲で選ぶのが好ましく、より好ましくは3/7
〜7/3であり、4/6〜6/4が更に好ましい。
【0177】《着色剤》次に、本発明に用いられる着色
剤について説明する。
【0178】本発明に使用可能な着色剤としては、従来
公知のものを特に制限無く使用でき、水溶性染料、水分
散性染料、水分散性顔料、溶剤溶解性染料、溶剤分散性
染料、溶剤分散性顔料など何れも使用可能であるが、中
でも本発明において好ましく用いられるのは、溶剤分散
性顔料である。
【0179】これらは単独あるいは複数種類を併用して
も良い。これらの中で特に好ましい着色剤は、分散性染
料又は分散性顔料の分散粒子である。以下に代表的着色
剤を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0180】〈直接染料〉C.I.ダイレクトイエロー
1、4、8、11、12、24、26、27、28、3
3、39、44、50、58、85、86、100、1
10、120、132、142、144;C.I.ダイ
レクトレッド1、2、4、9、11、13、17、2
0、23、24、28、31、33、37、39、4
4、47、48、51、62、63、75、79、8
0、81、83、89、90、94、95、99、22
0、224、227、243;C.I.ダイレクトブル
ー1、2、6、8、15、22、25、71、76、7
8、80、86、87、90、98、106、108、
120、123、163、165、192、193、1
94、195、196、199、200、201、20
2、203、207、236、237;C.I.ダイレ
クトブラック2、3、7、17、19、22、32、3
8、51、56、62、71、74、75、77、10
5、108、112、117、154 〈酸性染料〉C.I.アシッドイエロー2、3、7、1
7、19、23、25、29、38、42、49、5
9、61、72、99;C.I.アシッドオレンジ5
6、64;C.I.アシッドレッド1、8、14、1
8、26、32、37、42、52、57、72、7
4、80、87、115、119、131、133、1
34、143、154、186、249、254、25
6;C.I.アシッドバイオレット11、34、75;
C.I.アシッドブルー1、7、9、29、87、12
6、138、171、175、183、234、23
6、249;C.I.アシッドグリーン9、12、1
9、27、41;C.I.アシッドブラック1、2、
7、24、26、48、52、58、60、94、10
7、109、110、119、131、155 〈反応性染料〉C.I.リアクティブイエロー1、2、
3、13、14、15、17、37、42、76、9
5、168、175;C.I.リアクティブレッド2、
6、11、21、22、23、24、33、45、11
1、112、114、180、218、226、22
8、235;C.I.リアクティブブルー7、14、1
5、18、19、21、25、38、49、72、7
7、176、203、220、230、235;C.
I.リアクティブオレンジ5、12、13、35、9
5;C.I.リアクティブブラウン7、11、33、3
7、46;C.I.リアクティブグリーン8、19;
C.I.リアクティブバイオレット2、4、6、8、2
1、22、25;C.I.リアクティブブラック5、
8、31、39 〈塩基性染料〉C.I.ベーシックイエロー11、1
4、21、32;C.I.ベーシックレッド1、2、
9、12、13;C.I.ベーシックバイオレット3、
7、14;C.I.ベーシックブルー3、9、24、2
5 本発明に用いられるインク用の染料としては、この他に
キレート染料及びいわゆる銀色素漂白法感光材料(例え
ばチバガイギー製チバクローム)に用いられるアゾ染料
を挙げることが出来る。
【0181】キレート染料に関しては例えば英国特許
1,077,484号の記載を参考にすることが出来
る。
【0182】銀色素漂白法感光材料アゾ染料に関して
は、例えば英国特許第1,039,458号、同1,0
04,957号、同1,077,628号、米国特許第
2,612,448号の記載を参考にすることが出来
る。
【0183】本発明のインクに用いる水溶性染料の含有
量は、インク全質量に対して、1〜15質量%であるの
が好ましい。
【0184】本発明に好ましく用いられる分散染料とし
ては、例えばC.I.Disperse Yellow
3、4、5、7、9、13、24、30、33、34、
42、44、49、50、51、54、56、58、6
0、63、64、66、68、71、74、76、7
9、82、83、85、86、88、90、91、9
3、98、99、100、104、114、116、1
18、119、122、124、126、135、14
0、141、149、160、162、163、16
4、165、179、180、182、183、18
6、192、198、199、202、204、21
0、211、215、216、218、224;C.
I.Disperse Orange1、3、5、7、
11、13、17、20、21、25、29、30、3
1、32、33、37、38、42、43、44、4
5、47、48、49、50、53、54、55、5
6、57、58、59、61、66、71、73、7
6、78、80、89、90、91、93、96、9
7、119、127、130、139、142;C.
I.Disperse Red1、4、5、7、11、
12、13、15、17、27、43、44、50、5
2、53、54、55、56、58、59、60、6
5、72、73、74、75、76、78、81、8
2、86、88、90、91、92、93、96、10
3、105、106、107、108、110、11
1、113、117、118、121、122、12
6、127、128、131、132、134、13
5、137、143、145、146、151、15
2、153、154、157、159、164、16
7、169、177、179、181、183、18
4、185、188、189、190、191、19
2、200、201、202、203、205、20
6、207、210、221、224、225、22
7、229、239、240、257、258、27
7、278、279、281、288、298、30
2、303、310、311、312、320、32
4、328;C.I.Disperse Violet
1、4、8、23、26、27、28、31、33、3
5、36、38、40、43、46、48、50、5
1、52、56、57、59、61、63、69、7
7;C.I.Disperse Green9;C.
I.Disperse Brown1、2、4、9、1
3、19;C.I.Disperse Blue3、
7、9、14、16、19、20、26、27、35、
43、44、54、55、56、58、60、62、6
4、71、72、73、75、79、81、82、8
3、87、91、93、94、95、96、102、1
06、108、112、113、115、118、12
0、122、125、128、130、139、14
1、142、143、146、148、149、15
3、154、158、165、167、171、17
3、174、176、181、183、185、18
6、187、189、197、198、200、20
1、205、207、211、214、224、22
5、257、259、267、268、270、28
4、285、287、288、291、293、29
5、297、301、315、330、333;C.
I.Disperse Black1、3、10、2
4;等が挙げられる。
【0185】本発明に用いられる着色剤としては、良好
な光沢度を得る観点から顔料を用いることが好ましい。
また、例えば、顔料インク中に用いられる顔料として
は、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料および、カー
ボンブラック等を好ましく用いることができる。
【0186】不溶性顔料としては、特に限定するもので
はないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェ
ニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アン
トラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソ
インドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、
チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニ
ン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0187】好ましく用いることのできる具体的顔料と
しては、以下の顔料が挙げられる。マゼンタまたはレッ
ド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッ
ド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピ
グメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、
C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレ
ッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、
C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメン
トレッド122、C.I.ピグメントレッド123、
C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメント
レッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.
I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッ
ド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.
ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0188】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.
I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエ
ロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグ
メントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー9
4、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられ
る。
【0189】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグ
メントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。
【0190】その他にも、例えば、カーボンブラック顔
料(C.I.Pigment Black7);C.
I.Pigment Yellow12、13、14、
16、17、73、74、75、83、108、10
9、110、180、182;C.I.Pigment
Red5、7、12、112、123、168、18
4、202;C.I.Pigment Blue1、
2、3、15:3、16、22、60;C.I.Vat
Blue4、60;等が挙げられる。
【0191】以上の他にレッド、グリーン、ブルー、中
間色が必要とされる場合には以下の顔料を単独或いは併
用して用いることが好ましく、例えばC.I.Pigm
ent Red209、224、177、194;C.
I.Pigment Orange43;C.I.Va
t Violet3;C.I.Pigment Vio
let19、23、37;C.I.Pigment G
reen36、7;C.I.Pigment Blue
15:6;等が用いられる。
【0192】本発明で用いられる顔料及び分散染料は、
分散剤及びその他所望する諸目的に応じて必要な添加物
と共に分散機により分散して用いることが好ましい。分
散機としては従来公知のボールミル、サンドミル、ライ
ンミル、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
【0193】分散剤として界面活性剤が用いられる。本
発明に用いられる界面活性剤としては陽イオン性、陰イ
オン性、両性、非イオン性のいずれも用いることができ
る。陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、
脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化
ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム
塩、などが挙げられる。陰イオン性界面活性剤として
は、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、
N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシル
グルタミン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルフォ
ン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナ
フタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エ
ステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級
アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸
エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アル
コールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、
脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエ
ーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等
が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボキシベ
タイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イ
ミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。非イオン活性
剤としては、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチ
レンラノリン誘導体ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化
ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エス
テル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸
モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソル
ビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールア
ミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、ア
セチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げら
れる。
【0194】また、例えば、上記の着色剤をインクジェ
ット用インクとして用いる場合には、インク吐出後のイ
ンク液滴のメディア中への浸透を加速するために界面活
性剤を使用することが好ましく、そのような界面活性剤
としては、インクに対して保存安定性等の悪影響を及ぼ
さないものであれば限られるものではなく、上記の分散
剤として使用する界面活性剤と同様のものが用いられ
る。
【0195】本発明においては電気伝導度調節剤を用い
ることもでき、電気伝導度調節剤としては、例えば塩化
カリウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナ
トリウム、塩化ナトリウムなどの無機塩や、トリエタノ
ールアミンなどの水溶性アミンがある。
【0196】本発明に用いられるインクにおいては、吐
出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合
性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目
的に応じて、さらに粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形
成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防錆
剤、防腐剤等を添加することもできる。
【0197】本発明に用いられるインクは水と水溶性有
機溶媒を主な液媒体成分とする。水溶性有機溶媒として
は、炭素数1〜4のアルキルアルコール類(例えばメチ
ルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアル
コール、イソブチルアルコール等)、アミド類(例えば
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、ケ
トンあるいはケトアルコール類(例えばアセトン、ジア
セトンアルコール等)、エーテル類(例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン等)、ポリアルキレングリコール
類(例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等)、アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含
むアルキレングリコール類(例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチ
レングリコール等)、グリセリン、多価アルコールの低
級アルキルエーテル類(エチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエ
チル)エーテル等)等が挙げられる。
【0198】これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、
ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエチレ
ングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の
多価アルコールの低級アルキルエーテルは好ましいもの
である。
【0199】インク中の上記水溶性有機溶剤の含有量
は、一般にはインク全質量に対して質量%で10〜70
%、好ましくは30〜65%、特に40〜60%が好ま
しい。
【0200】本発明に用いられるインクジェット用イン
クは、被転写媒体との接着及び被転写媒体上での画像強
度を高める目的で、熱可塑性樹脂粒子を添加することが
好ましい。また着色剤の分散粒子を樹脂コートする事が
特に好ましい。着色剤との組み合わせとしては、熱可塑
性樹脂粒子は、溶解染料系、分散染料系、分散顔料系に
何れも好適に使用でき、樹脂コートは、分散染料系、分
散顔料系に特に好適に使用できる。熱可塑性樹脂粒子と
しては、常温での液物性安定のために融点が30℃以上
が好ましく、より好ましくは40℃以上である。熱可塑
性樹脂としては、後述する転写層に用いるものを挙げる
ことができる。樹脂コートに用いられる粒子のコート剤
としては、融点が40℃以上の従来公知の熱可塑性樹脂
が特に制限無く使用でき、より好ましくは、融点50℃
以上であり、熱可塑性樹脂としては、例えばアクリル酸
エステル系、メタクリル酸エステル系、スチレン系、ス
チレン−アクリル共重合体、スチレンブタジエン共重合
体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリブタジ
エン、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、エチレン酢酸ビニル共重合体オレフィン系及びアミ
ノ基、アミド基、カルボキシル基、水酸基等の親水性官
能基を有するモノマー等の単独重合または共重合樹脂エ
マルジョン、マイクロエマルジョン、内部3次元架橋し
た有機微粒子、パラフィンワックス、ポリエチレンワッ
クス、カルナバワックス等の天然・合成ワックスエマル
ジョン、ラテックス、コロイド溶液、懸濁液等を挙げる
ことができる。
【0201】画像形成に用いるインクとしては、水系イ
ンク組成物、油系インク組成物、固体(相変化)インク
組成物等を用いることができるが、水系インク組成物
(例えば、インク総質量あたり10質量%以上の水を含
有する水系インクジェット記録液等)を特に好ましく用
いることができる。
【0202】これらの顔料は、必要に応じて顔料分散剤
を使用してもよく、使用できる顔料分散剤としては、例
えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステ
ル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキ
シアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシア
ルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステ
ル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸ア
ミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、
スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル
酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導
体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル
酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロッ
ク共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩をあげ
ることができる。
【0203】顔料の分散方法としては、その方法に特に
制限はないが、例えば、ボールミル、サンドミル、アト
ライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキ
サ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミ
ル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用
いることができる。
【0204】本発明に係る顔料分散体の粗粒分を除去す
る目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを
使用することも好ましい方法である。
【0205】顔料インク中の顔料の平均粒径は、インク
中での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性などを考慮し
て選択するが、加えて本発明のインクジェット顔料画像
の形成方法では、光沢向上、質感向上の観点からも粒径
を選択するのが好ましい。本発明において、光沢向上、
質感向上する理由は定かでは無いが、画像において顔料
は熱可塑性微粒子が溶融した皮膜中に分散された状態に
あることと関連していると推測している。高速処理を目
的とすると、短時間で熱可塑性微粒子を溶融皮膜化し、
更に顔料を充分に皮膜中に分散しなければならない。こ
のとき顔料の表面積は大きく影響し、それゆえ平均粒径
に最適領域が存在すると推測している。
【0206】顔料インクとして好ましい形態である水系
インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ま
しい。
【0207】水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコ
ール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、
セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベン
ジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチ
レングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペン
タンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオ
ジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例え
ば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、
トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコー
ルモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエ
タノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、
エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレン
イミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメ
チルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホル
ムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロ
リドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシル
ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、
ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スル
ホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げ
られる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコ
ール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価ア
ルコールエーテルを併用することが特に好ましい。
【0208】水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併
用しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量とし
ては、総量で5質量%〜60質量%であり、好ましくは
10質量%〜35質量%である。
【0209】インク組成物は、吐出安定性、プリントヘ
ッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保
存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、熱可塑性微
粒子、粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮
膜形成剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜添加する
こともできる。
【0210】特に、熱可塑性微粒子を添加することは、
本発明の効果を得るうえで好ましい。熱可塑性微粒子に
ついては、上記の記録材料表層に添加することのできる
熱可塑性樹脂あるいは微粒子の説明で記載した種類を利
用できる。特に、インクに添加しても増粘、沈澱等の起
こらないものを適用するのが好ましい。熱可塑性微粒子
の平均粒径としては、0.5μm以下が好ましく、より
好ましくは、インク中の顔料の平均粒径の0.2倍〜2
倍の範囲で選択すると安定性の観点で好ましい。添加す
る熱可塑性微粒子は、50℃〜200℃の範囲で溶融、
軟化するものが好ましい。
【0211】インク組成物は、その飛翔時の粘度として
40mPa・s以下が好ましく、30mPa・s以下で
あることがより好ましい。
【0212】インク組成物は、その飛翔時の表面張力と
して20mN/m以上が好ましく、30mN/m〜45
mN/mであることが、より好ましい。
【0213】インク中の顔料固形分濃度は、0.1質量
%〜10質量%の範囲で選択でき、写真画像を得るに
は、顔料固形分濃度を各々変化した、いわゆる濃淡イン
クを用いることが好ましく、イエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの濃淡インクを各々用いることは特に好ま
しい。また、必要に応じて、赤、緑、青等の特色インク
を用いることも、色再現性上好ましい。
【0214】《加熱定着装置》本発明の加熱定着装置に
ついて説明する。
【0215】本発明に記載の効果、即ち、定着後におい
て良好な光沢度を示す画像を得るために、本発明に係る
加熱定着装置は、本発明に係る定着ベルトを少なくとも
一つその構成成分として有することが特徴である。
【0216】また、加熱定着処理には、本発明の効果が
十分発揮されるだけのエネルギーを画像に与えれば良い
が、加熱する温度としては、特に顔料画像の場合、画像
を平滑化しうる温度であればよく、60℃〜200℃の
範囲が好ましく、より好ましくは80℃〜160℃の範
囲である。
【0217】加熱は、プリンター内蔵の加熱機で行って
も、別に設けた加熱機で行っても良い。加熱手段として
は、定着ベルトを用いる場合も加熱ローラを用いること
が、ムラの発生をなくし、小スペースで、連続処理が出
来るので好ましい。また、これらの装置は、電子写真の
加熱定着機を転用することができ、コスト的にも有利で
ある。
【0218】加熱ローラとしては、中空状のローラを構
成成分として有し、駆動手段により回転するが、その中
空部分に熱源として、例えば、ハロゲンランプヒータ
ー、セラミックヒーター、ニクロム線等からなる発熱体
が内蔵されることが好ましい。
【0219】また、ローラは、熱伝導性の高い材料が好
ましく、特には金属ローラが好ましいが中でもニッケル
が好ましく用いられる。
【0220】定着ベルトを用いる場合の記録材料の搬送
速度は、1mm/秒〜100mm/秒の範囲が好まし
く、更に好ましくは、10mm/秒〜50mm/秒の範
囲が好ましい。これは、高速処理性の観点以外に、画質
の観点からも好ましい。
【0221】より高い質感、光沢を得るために、加熱と
同時、あるいはその直後に加圧することが好ましい。加
圧する圧力としては、皮膜化が促進されるため9.8×
10 4Pa〜4.9×106Paの範囲が好ましい。
【0222】《画像形成方法》本発明の画像形成方法に
ついて説明する。
【0223】本発明の画像形成方法は、画像の定着処理
時に本発明の加熱定着装置を用いることが特徴であり、
本発明においては、例えば、インクジェット顔料画像を
形成する場合には、市販されているプリンターのように
記録材料収納部、搬送部、インクカートリッジ、インク
ジェットプリントヘッドを有するものであれば特に制約
はないが、少なくともロール状の記録材料収納部、搬送
部、インクジェットプリントヘッド、切断部、及び、必
要に応じて加熱部、加圧部、記録プリント収納部から構
成される一連のプリンターセットであると、インクジェ
ット写真を商用利用する場合に有用である。
【0224】記録ヘッドは、ピエゾ方式、サーマル方
式、コンティニュアス方式のいずれでもよいが、顔料イ
ンクでの安定性の観点からピエゾ方式が好ましい。
【0225】印字後に何らかの処理により、後述するC
値を向上させることが好ましい。その処理としては、画
像を加熱あるいは加圧、あるいは加熱、加圧を両方行
う、あるいは、溶媒や可塑剤を付与し、さらに加熱す
る、あるいは、熱可塑性樹脂成分を画像に供給してから
加熱するなどがあり、さらにこれらの処理を組み合わせ
たり、複数回行っても良い。
【0226】また、本発明の画像形成方法は、記録材料
に顔料インクを印字した後、前記記録材料を本発明の加
熱定着装置により加熱定着処理することが特徴である
が、この画像形成方法においては、顔料と熱可塑性樹脂
とが混在、もしくは近傍に存在する顔料画像を加熱定着
処理することが好ましく、この場合、熱可塑性樹脂を部
分的、もしくは完全に溶融し、さらに皮膜化することが
好ましい。
【0227】顔料画像に熱可塑性樹脂を共存させる方法
としては、1)熱可塑性樹脂、好ましくは熱可塑性微粒
子を含有する記録材料を用いる、2)印字前もしくは印
字後に記録材料に熱可塑性樹脂を供給する、3)顔料イ
ンク中に熱可塑性樹脂を共存させたインクを用いる方法
が挙げられる。
【0228】本発明においては、C値と呼ばれる像鮮明
度が60以上であることが好ましい。ここで、C値と
は、JIS K7105に規定されている像鮮明度のう
ち、光学くし2mmを用い反射法により測定した値をC
値とし、写像性の尺度として定義される。
【0229】本発明でいう写像性とは、皮膜表面に対面
する物体の像を移す皮膜表面の性能を表し、入射画像が
画像表面において、どれだけ正確に反射、あるいは投影
されるかを示す値である。入射画像に対して正確な反射
画像を与えるほど、写像性は高くなり、結果としてC値
は大きくなる。このC値は、鏡面光沢度と表面の平滑性
を併せた効果を示すものであり、反射度が高くなるほ
ど、また平滑性が高くなるほど、C値は大きくなる。
【0230】C値の異なる様々なインクジェット顔料画
像を検討したところ、C値の上昇に伴い、光沢感が得ら
れ、銀塩写真に近似の画像を得ることができることを見
い出した。さらに、驚くべきことに、C値の上昇に伴
い、顔料インク特有のブロンジング現象が抑制されるこ
とが判明した。さらに、C値の上昇に伴い、耐水性や酸
性ガス耐性といった画像保存性も向上することを見い出
した。
【0231】C値が60以上ある顔料画像は、本発明の
目的とする効果を得ることができるが、好ましくは70
〜90、さらに好ましくは75〜90である。
【0232】本発明で規定するC値を60以上とする方
法としては、特に制限はないが、例えば、インク顔料を
記録材料に印字した後、画像を加熱あるいは加圧、ある
いは加熱、加圧を両方行う、あるいは、溶媒や可塑剤を
付与し、さらに加熱する、あるいは、熱可塑性樹脂成分
を画像に供給してから加熱するなどの方法を適宜選択、
組み合わせたり、あるいはそれらの処理を複数回行うこ
とにより達成することができる。
【0233】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらに限定されない。
【0234】実施例1 《定着ベルトの製造》 (定着ベルト試料1の製造)ベルト基材(シームレスニ
ッケル電鋳ベルト)上に、下記の表面処理層用塗布液を
用いて表面処理層を塗設、下記の接着性改良層用塗布液
を用いて接着性改良層を塗設、次いで離型性層を塗設し
て、定着ベルト試料1を作製した。
【0235】 (表面処理層用塗布液の調製:1920ml分) アルミニウムカップリング剤 プレンアクトAL−M (川研ファインケミカル(株)製) 120g トルエン 1800ml 上記の素材を混合、攪拌し、表面処理層用塗布液を調製
した。
【0236】(表面処理層の塗設)上記の表面処理層用
塗布液を内径15cm×高さ50cmの円筒形ビーカー
に入れ、市販のディップ型塗布機にシームレスニッケル
電鋳ベルト(直径65mm、長さ240mm、肉厚40
μm:日東工業(株)製)をセットし、ベルトを降下さ
せてビーカー中に浸した。次に引き上げ速度を毎秒4m
mに設定して塗布を行ない、室温で3分おいたあと、1
40℃のオーブンで1時間加熱し、表面処理層を塗設し
た。
【0237】 (接着性改良層用塗布液の調製:2リットル分) デンカブチラール6000C(電気化学工業(株)製) 10g 酢酸エチル 1790ml n−ブタノール 200ml シランカップリング剤KBM503(信越化学工業社製) 1.6ml 上記の素材を混合、3時間撹拌し、デンカブチラールを
完全溶解させ、接着性改良層用塗布液を調製した。
【0238】(表面処理層上への接着性改良層の塗設)
得られた接着性改良層用塗布液を内径15cm×高さ5
0cmの円筒形ビーカーに接着層塗布液2リットル分を
入れ、市販のディップ型塗布機に前記表面処理層を有す
るシームレスニッケル電鋳ベルトをセットし、ベルトを
降下させてビーカー中に浸した。
【0239】次に、引き上げ速度を毎秒4mmに設定し
て塗布を行った。室温で3分おいたあと、100℃オー
ブン内で30分加熱し、接着性改良層を塗設した。
【0240】 (離型性層用塗布液の調製:2リットル分) 剥離紙用離型剤KS830E(信越化学工業(株)製) 500g 硬化用触媒CAT−PL−50T(信越化学工業(株)製) 5ml トルエン 1500ml 上記の素材を混合、撹拌し、離型性層用塗布液を調製し
た。
【0241】(接着性改良層上への離型性層の塗設)得
られた離型性層用塗布液を内径15cm×高さ50cm
の円筒形ビーカーに2リットル分を入れ、市販のディッ
プ型塗布機に前記接着性改良層を有するシームレスニッ
ケル電鋳ベルトをセットし、ベルトを降下させてビーカ
ー中に浸し、次に、引き上げ速度を毎秒15mmに設定
して塗布を行った。室温で5分おいたあと、100℃オ
ーブン内で1時間加熱し、離型性層を塗設した。
【0242】(加水分解・縮合工程)離型性層を塗設し
たベルトを、40℃、80%の雰囲気下で12時間経時
した後、更に、140℃で15時間加熱させ、定着ベル
ト試料1を製造した。
【0243】(定着ベルト試料2〜11の製造)定着ベ
ルト試料1の製造において、加水分解条件・加熱時間を
調整し、表1に記載のように鉛筆硬度を変化させた以外
は同様にして、定着ベルト試料2〜11を各々製造し
た。
【0244】得られた定着ベルト試料1〜11の各々を
下記のように評価した。 《定着ベルトの表面処理層の鉛筆硬度評価》定着ベルト
の評価は、ベルト単独での評価として、シームレスニッ
ケル電鋳ベルト上に表面処理層を塗設した段階で、表面
処理層について鉛筆硬度評価を行った。また、定着ベル
トを用いての画像評価は、後述するようにインクジェッ
ト記録材料、インクジェット用インキを作製し、インク
ジェットプリンタに表1に記載の定着ベルトを図1のよ
うな構成で配置して、定着ベルトの離型性層の接着耐久
性及び定着画像の光沢を評価した。
【0245】《鉛筆硬度試験法》JIS K 5401
に準じて硬度評価を行った。試験にあたり、鉛筆はun
i(三菱鉛筆(株)製)を用いた。JIS K 540
1に記載の手かき法に則り、膜面の鉛筆硬度を測定し
た。表面処理層の膜面が破れ、ニッケル基材表面が露呈
した鉛筆硬度の1段階下(ここで、下とは硬度が高い方
を意味する)の硬度ランクを表1に示す。
【0246】《インクジェット記録材料の作製》下記の
処方で各々の分散液を調製した後、それら分散液を用い
てインクジェット記録材料を作製した。
【0247】〈シリカ分散液−1の調製〉1次粒子の平
均粒径が約0.012μmの気相法シリカ(株式会社ト
クヤマ製:QS−20)125kgを、三田村理研工業
株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキサ
ーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した62
0Lの純水中に室温で吸引分散した後、全量を694L
に純水で仕上げてシリカ分散液−1を調製した。
【0248】〈シリカ分散液−2の調製〉カチオンポリ
マー(P−1)を1.14kg、エタノール2.2L、
n−プロパノール1.5Lを含有する水溶液(pH=
2.3)18Lに、シリカ分散液−1の69.4Lを攪
拌しながら添加し、ついで、ホウ酸260gとホウ砂2
30gを含有する水溶液7.0Lを添加し、消泡剤SN
381(サンノプコ株式会社製)を1g添加した。
【0249】この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモ
ジナイザーで分散し、全量を純水で97Lに仕上げてシ
リカ分散液−2を調製した。
【0250】
【化1】
【0251】〈シリカ塗布液の調製〉ついで上記のよう
にして得られたシリカ分散液−2を使用して、下記のシ
リカ塗布液を調製した。
【0252】シリカ分散液−2の600mlに40℃で
攪拌しながら、以下の添加剤を順次混合した。 (1)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA203)の10%水溶液:6ml (2)ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:
PVA235)の7%水溶液:185ml (3)純水で全量を1000mlに仕上げる。
【0253】〈熱可塑性微粒子塗布液の調製〉ポリビニ
ルアルコールをノニオン系乳化剤として用いて乳化重合
したスチレン−アクリル系ラテックスポリマー(Tg7
8℃、平均粒径250nm、固形分濃度40%)を、6
%硝酸水溶液でpH4.7に調整し、スチレン−アクリ
ル系の熱可塑性微粒子塗布液を調製した。
【0254】〈複合微粒子塗布液の調製〉熱可塑性微粒
子塗布液とシリカ塗布液を固形分質量比率が2/1にな
るようにして複合微粒子塗布液を調製した。
【0255】(インクジェット記録材料1の作製)厚さ
170g/m2の原紙の両面をポリエチレンで被覆した
ポリエチレンコート紙(インク受容層側のポリエチレン
中に8質量%のアナターゼ型酸化チタン含有;インク受
容層面側に0.05g/m2のゼラチン下引き層、反対
側にTgが約80℃のラテックスポリマーをバック層
0.2g/m2として有する)に、ポリエチレンコート
紙側からシリカ塗布液、複合微粒子塗布液を、湿潤膜厚
がそれぞれ120μm、120μmに成るように同時塗
布し、約7℃に一度冷却した後、20℃〜65℃の風を
吹き付けて乾燥し、インクジェット記録材料1を作製し
た。
【0256】《インクジェット用インクの調製》以下の
様にしてインク組成物を調製した。
【0257】 (イエロー顔料分散液) C.I.ピグメントイエロー74 95g デモールC(花王(株)製) 65g エチレングリコール 100g イオン交換水 120g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イエ
ロー顔料分散液を得た。得られた顔料分散物の平均粒径
は122nmであった。尚、粒径測定はマルバーン社製
ゼータサイザ1000により行った。
【0258】 (マゼンタ顔料分散液) C.I.ピグメントレッド122 105g ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製)60g グリセリン 100g イオン交換水 130g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、マゼ
ンタ顔料分散液を得た。得られた顔料分散物の平均粒径
は85nmであった。
【0259】 (シアン顔料分散液) C.I.ピグメントブルー15:3 100g デモールC 68g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 125g を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で5
0%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、シア
ン顔料分散液を得た。得られた顔料分散物の平均粒径は
105nmであった。
【0260】 〈イエローインクの調製〉 イエロー顔料分散液 113g エチレングリコール 100g グリセリン 72g ペレックスOT−P(花王(株)製) 3g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 0.2g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を二度通過させイエローインクを調製した。pHは8.
2であった。
【0261】 〈シアンインクの調製〉 シアン顔料分散液 113g エチレングリコール 100g グリセリン 72g ペレックスOT−P(花王(株)製) 3g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 0.2g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を二度通過させシアンインクを調製した。pHは8.3
であった。
【0262】 〈マゼンタインクの調製〉 マゼンタ顔料分散液 113g エチレングリコール 100g 1,2−ヘキサンジオール 100g ペレックスOT−P(花王(株)製) 3g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 0.2g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を二度通過させマゼンタインクを調製した。pHは8.
5であった。
【0263】 〈ブラックインクの調製〉 Hostfine Black T 167g (クラリアント(株)製、平均粒子径50nm) 1,2−ヘキサンジオール 150g エチレングリコール 220g ジエチレングリコール 90g レベノールWX(花王(株)製) 3g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 0.2g これをイオン交換水で1000gに仕上げ、十分に攪拌
した後に、孔径1ミクロンのミリポアフィルター濾過機
を二度通過させブラックインクを調製した。pHは8.
6であった。
【0264】(画像試料1〜11の作製)上記で得られ
た定着ベルト試料1〜11を図1に記載の加熱定着装置
付きのインクジェットプリンタにセットし、インクジェ
ット用インクを用いてインクジェット記録材料1に黒ベ
タ画像の印字を行った後、装置内の定着装置により加熱
定着処理を行い、画像試料1〜11を、各々得た。ここ
で、定着ベルトに熱を付与する加熱ローラの温度は、1
20℃に設定した。
【0265】《定着ベルトの接着耐久性評価》メディア
にシアンベタを印字し、幅30mm、長さ127mmの
短冊状にした後、定着を行う。定着を150枚(規定枚
数)行った後に、定着ベルトを装置からはずし、室温
(25±5℃)まで冷却した後に、定着使用部に粘着テ
ープ(ニットーポリエステルテープ No.31B(日
東電工(株)製))を離型性層と粘着部間に空気が入ら
ないように貼り付け、3mm/秒の速度で180度の角
度で剥離を行った。剥離試験は場所を変えて4回行っ
た。30mmのテープ幅の剥離後を目視で評価し、下記
のようにランク評価を行った。
【0266】 ◎:全く剥離無し ○:剥離個所が見られる △:複数の剥離個所が発生する ×:1cm角以上の剥離が発生する ここで、△以上が実用可である得られた結果を表1に示
す。
【0267】《光沢度評価》画像試料1〜11の各々の
光沢度は、写像性測定機ICM−IDP(スガ試験機械
(株)製)で反射60度、光学くし2mmでの写像性
(光沢値C値%)を測定した。評価の基準としては、7
0以上を実用可とした。
【0268】得られた結果を表1に示す。
【0269】
【表1】
【0270】表1から、比較の試料に比べて、表面処理
層の鉛筆硬度をHB以上に調整した本発明の定着ベルト
は、画像形成時の定着処理時の離型性層の接着耐久性が
高く、且つ、光沢度も良好であることが明らかである。
【0271】実施例2 《定着ベルト試料12〜19の製造》定着ベルト試料1
の製造において、表面処理層のJIS K 6911に
規定の膨潤率(%)を表2に記載のように調整した以外
は同様にして定着ベルト試料12〜19を各々作製し
た。
【0272】得られた定着ベルト試料12〜19を各々
用いて、実施例1に記載と同様にして光沢度(初期光沢
度)を測定した。また、実施例1に記載のインクジェッ
ト記録材料1を1000枚分画像定着処理後、1000
枚目の定着後の画像の光沢度を同様の方法により測定し
た。初期光沢と1000枚目の光沢度の差を下記のよう
にランク評価した。
【0273】 ◎:初期光沢と1000枚目の光沢度に全く差がない ○:初期光沢と1000枚目の光沢度の差が1以内 △:初期光沢と1000枚目の光沢度の差が1を超え2
以内 ×:初期光沢と1000枚目の光沢度の差が2を超える ここで、△以上が実用可である。
【0274】得られた結果を表2に示す。
【0275】
【表2】
【0276】表2から、膨潤率が5%未満の試料は初期
光沢と1000枚目の光沢度の差が少ないことが明らか
である。
【0277】
【発明の効果】本発明により、耐久性に優れ、且つ、定
着画像の光沢度が高く、光沢変動の少ない定着ベルト、
定着ローラ、それらの製造方法、加熱定着装置及び画像
形成方法を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるインクジェット記録装置の
一例を示す概略構成図。
【図2】本発明で用いられるインクジェット記録装置の
他の一例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1 記録材料 2 記録材料の搬送手段 21 搬送ローラ対 3 記録ヘッド 34 記録材料保持部 4 加熱定着手段 41 加熱ローラ 42 加圧ローラ 43 発熱体 44 定着ベルト 45 下部ベルト 46 従動ローラ 5 温度センサ 6 記録材料の切断手段 61、62 カッタ 7 たるみ形成手段 71 第1のローラ対 72 第2のローラ対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/20 103 B41J 3/04 101Z (72)発明者 鈴木 眞一 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 加賀 誠 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 EC14 EC29 FA03 FA04 FA05 FC02 FC06 FD07 HA45 HA46 2H033 AA10 AA23 AA31 BA11 BB06 BB08 BB14 BB26 2H086 BA05 BA13 BA15 BA33 BA34 BA55

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱手段と加圧手段との間を記録材料
    と、基材上に少なくとも離型性層を有する定着ベルトの
    該離型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定
    着を行う定着ベルトにおいて、 該基材が表面処理層を有し、該表面処理層の硬度が鉛筆
    硬度HB以上であり、且つ、前記離型性層がシリコーン
    樹脂を含有することを特徴とする定着ベルト。
  2. 【請求項2】 表面処理層の膨潤率が5%未満であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の定着ベルト。
  3. 【請求項3】 表面処理層が表面改質剤を含有し、且
    つ、該表面改質剤がアルミニウムカップリング剤または
    ジルコニウムカップリング剤を含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載の定着ベルト。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の定
    着ベルトを作製するに当たり、基材上に表面改質剤をデ
    ィップ塗布することにより表面処理層が設けられる工程
    を有することを特徴とする定着ベルトの製造方法。
  5. 【請求項5】 基材上に表面改質剤を付与後、高湿条件
    下で該表面改質剤を加水分解させ、次いで、加水分解後
    の前記表面改質剤を低湿条件下で縮合させることによ
    り、表面処理層が設けられる工程を経て作製されたこと
    を特徴とする請求項4に記載の定着ベルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 加熱手段と加圧手段との間を記録材料
    と、基材上に少なくとも離型性層を有する定着ローラの
    該離型性層を有する面とを対向させながら通過させ、定
    着を行う定着ローラにおいて、 該基材が表面処理層を有し、該表面処理層の硬度が鉛筆
    硬度HB以上であり、且つ、前記離型性層がシリコーン
    樹脂を含有することを特徴とする定着ローラ。
  7. 【請求項7】 表面処理層の膨潤率が5%未満であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の定着ローラ。
  8. 【請求項8】 表面処理層が表面改質剤を含有し、且
    つ、該表面改質剤がアルミニウムカップリング剤または
    ジルコニウムカップリング剤を含むことを特徴とする請
    求項6または7に記載の定着ローラ。
  9. 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載の定
    着ローラを作製するに当たり、基材上に表面改質剤をデ
    ィップ塗布することにより表面処理層が設けられる工程
    を有することを特徴とする定着ローラの製造方法。
  10. 【請求項10】 基材上に表面改質剤を付与後、高湿条
    件下で該表面改質剤を加水分解させ、次いで、加水分解
    後の前記表面改質剤を低湿条件下で縮合させることによ
    り、表面処理層が設けられる工程を経て作製されたこと
    を特徴とする請求項9に記載の定着ローラの製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    定着ベルトまたは請求項6〜8のいずれか1項に記載の
    定着ローラを用いて定着処理を行うことを特徴とするイ
    ンクジェット記録材料用加熱定着装置。
  12. 【請求項12】 インクを噴射して印字が行われた記録
    材料を請求項1〜3のいずれか1項に記載の定着ベルト
    または請求項6〜8のいずれか1項に記載の定着ローラ
    を用いて定着処理することを特徴とするインクジェット
    記録材料用加熱定着装置。
  13. 【請求項13】 インクが顔料インクであることを特徴
    とする請求項12に記載のインクジェット記録材料用加
    熱定着装置。
  14. 【請求項14】 記録材料が熱可塑性樹脂粒子を含有す
    る表層と、該表層に隣接した無機微粒子を含有するイン
    ク吸収層とを有することを特徴とする請求項11〜13
    のいずれか1項に記載のインクジェット記録材料用加熱
    定着装置。
  15. 【請求項15】 インクを噴射して印字が行われた記録
    材料を請求項11〜14のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録材料用加熱定着装置を用いて定着処理する
    ことを特徴とする画像形成方法。
  16. 【請求項16】 インクが顔料インクであることを特徴
    とする請求項15に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 記録材料が熱可塑性樹脂粒子を含有す
    る表層と、該表層に隣接した無機微粒子を含有するイン
    ク吸収層とを有することを特徴とする請求項15または
    16に記載の画像形成方法。
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