JP2003170650A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003170650A
JP2003170650A JP2001371914A JP2001371914A JP2003170650A JP 2003170650 A JP2003170650 A JP 2003170650A JP 2001371914 A JP2001371914 A JP 2001371914A JP 2001371914 A JP2001371914 A JP 2001371914A JP 2003170650 A JP2003170650 A JP 2003170650A
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pigment
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Makoto Kaga
誠 加賀
Atsushi Asatake
敦 朝武
Shuji Kida
修二 木田
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Masaki Nakamura
正樹 中村
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料インクを用いてインクジェット記録を行
った場合の光沢性、耐擦過性、及び離型性の向上を可能
にする画像形成方法の提供。 【解決手段】 支持体上の最外層に熱可塑性樹脂粒子を
含有するインク受容層、該インク受容層の隣接に顔料イ
ンク溶媒吸収層を有するインクジェット記録媒体に、分
散剤を含有する顔料インクをインクジェット法により付
着した後に加熱及び加圧を同時に行うことにより、最外
層の熱可塑性微粒子インク受容層を透明化し、画像を得
ることを特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂層上
に分散剤含有顔料インクにより記録後、加熱及び加圧に
より透明化処理する画像形成方法に関し、詳しくは画像
表面の耐擦過性、光沢性に優れた画像形成方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録はインクの微小液滴
を種々の作動原理により飛翔させて記録媒体に付着さ
せ、画像、文字などの記録を行うものであるが、比較的
高速、低騒音、多色化が容易であるという利点を有して
いる。
【0003】また、近年の技術進歩により、染料インク
によるインクジェットプリントの銀塩写真に迫る高画質
化や装置の低価格化が、その普及を加速させている。
【0004】染料は溶媒に可溶であり、色素分子は分子
状態もしくはクラスター状態で着色している。従って各
分子の環境が似通っているために、その吸収スペクトル
はシャープであり高純度で鮮明は発色を示す。更に粒子
性がなく、散乱光、反射光が発生しないので、透明性高
く、色相も鮮明である。
【0005】しかしその一方光化学反応などにより分子
が破壊された場合には分子数の減少がそのまま着色濃度
に反映するために耐光性が悪い。染料インクを用いたイ
ンクジェット記録画像は高画質だが、経時保存による画
像品質低下が大きく、画像保存性の観点で銀塩写真を凌
駕する技術が未だ現れていないのが現状である。
【0006】染料インクに対して、光による退色に強い
画像を必要とする用途向けのインクとして、耐光性が良
好である顔料を着色剤として用いる顔料インクが使用さ
れている。顔料は溶媒に不溶であり、色素分子は粒子を
形成して溶媒に分散した状態で着色に寄与している。表
面の分子が光化学反応等により破壊されたとしてもその
下部に新たな色素分子層があるので見かけ上の着色力低
下が小さく、画像保存性に優れるものの、粒子に起因す
る散乱光、反射光の影響により光沢性の著しい劣下があ
った。
【0007】しかしながら、顔料インクを用いて作製し
た画像は顔料粒子が記録媒体の表面にあるためにプロン
ジングが発生し、光沢が失われるなどの画質の劣化が見
られ、得られる画質は、写真画質に比較し劣る品質であ
った。上記課題を解決するために、例えば、特開平6−1
45570号公報、同6−171072号公報には、インク中にラテ
ックスを加える方法が開示、提案されているが、この方
法で得られる画質は、従来に比較すると向上はするもの
の、光沢、質感ともにまだ十分と言えるレベルではな
く、特に高濃度部でのプロンジングが依然として大きな
問題であった。
【0008】また、特開平11−208097号において、最外
層が熱可塑性樹脂層である記録媒体に分散剤を含有しな
い顔料インクにより記録後、顔料粒子を熱可塑性樹脂層
中に移動させる技術が開示されている。該特許では、熱
可塑性樹脂層の外側表面に付着している顔料を熱可塑性
樹脂層中に移動させる方法として、 110℃〜140℃で20
分間加熱保温する方法が実施例で具体的に開示されてい
るが、このような加熱だけの処理では、熱可塑性樹脂の
融着は起こるが、顔料粒子の樹脂中への移動は不完全
で、表面の平滑化も不十分である。
【0009】従って、得られるプリントは擦過性や光沢
が未だ不十分であった。顔料インクと熱可塑性樹脂層を
有するメディアを用いて、十分な耐擦過性や光沢を得る
には、印字後の後処理で如何に顔料粒子を樹脂中に埋め
込むかが重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、顔料
インクを用いてインクジェット記録を行った場合の光沢
性、耐擦過性及び離型性の向上を可能にする画像形成方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0012】1.支持体上の最外層に熱可塑性樹脂粒子
を含有するインク受容層、該インク受容層の隣接に顔料
インク溶媒吸収層を有するインクジェット記録媒体に、
分散剤を含有する顔料インクをインクジェット法により
付着した後に加熱及び加圧を同時に行うことにより、最
外層の熱可塑性微粒子インク受容層を透明化し、画像を
得ることを特徴とする画像形成方法。
【0013】2.熱ローラを用いて加熱及び加圧するこ
とを特徴とする前記1に記載の画像形成方法。
【0014】3.熱ローラが金属シリンダとシリコンゴ
ムローラを有することを特徴とする前記1又は2に記載
の画像形成方法。
【0015】4.金属シリンダ中に熱源を内蔵している
ことを特徴とする前記1〜3の何れか1項に記載の画像
形成方法。
【0016】5.金属シリンダとシリコンゴムローラの
間の加圧により形成されるニップ幅が1〜20mmであ
ることを特徴とする前記1〜4の何れか1項に記載の画
像形成方法。
【0017】6.金属シリンダ内に内蔵されている熱源
による加熱温度が50〜150℃であることを特徴とす
る前記1〜5の何れか1項に記載の画像形成方法。
【0018】7.熱ローラによる線圧が500〜300
0N/mであることを特徴とする前記1〜6の何れか1
項に記載の画像形成方法。
【0019】8.熱可塑性樹脂層中にシリコンエマルジ
ョン又は水溶性シリコン化合物を熱可塑性樹脂粒子の質
量100に対して質量比で0.5〜10%含有させるこ
とを特徴とする前記1〜7の何れか1項に記載の画像形
成方法。 9. 支持体上の層の中に熱可塑性樹脂粒子を含有する
層を有するインクジェット記録媒体に、インクをインク
ジェット法により付着した後に加熱を行う画像形成方法
において、前記熱可塑性樹脂旨粒子のガラス転移点(T
g)が、前記インクジェット記録媒体の製造時の前記熱
可塑性樹脂粒子の塗布乾燥温度よりも高く、かつ前記加
熱により前記支持体の熱変性を起こる温度より低いこと
を特徴とする画像形成方法。 10.支持体上の層の中に熱可塑性樹脂粒子を含有する
インク受容層及び顔料インク溶媒吸収層を有するインク
ジェット記録媒体に、イン平方メートルクをインクジェット
法により付着した後に加熱を行う画像形成方法におい
て、前記インク受容層及び顔料インク溶媒吸収層の空隙
容量が20m1/平方メートル以上、40m1/平方メートル未満である
ことを特徴とする画像形成方法。
【0020】即ち、本発明者らは、分散剤を含有する顔
料インクにより熱可塑性樹脂粒子インク層表面にインク
ジェット記録後、加熱のみをおこなった場合、顔料粒子
の樹脂層中への入り込みが不十分なことに起因すると推
定される、耐擦過性に劣ることを見いだした。一方、分
散剤を含有しない自己分散性顔料インクによるインクジ
ェット記録後に加熱し、同様の耐擦過性評価を行ったと
ころ、改良効果はみられるものの改良効果が十分ではな
く、光沢性は分散剤含有顔料インクに比べ逆に低下する
ことも見いだした。
【0021】これに対して分散剤含有顔料インクによる
インクジェット記録後に加熱及び加圧を同時に行うこと
によって耐擦過性が向上することが判明した。加熱と加
圧を同時に行うことによって顔料粒子の熱可塑性樹脂粒
子インク層(以下、単に熱可塑性樹脂ともいう)の埋め
込みが効果的に行われ、かつ分散剤が顔料粒子間に介在
することにより、顔料粒子同士の記録材料表面での付着
後の凝集を防止し、加熱及び加圧によるエネルギーを均
一に画像表面に付与できることによると推定される。
【0022】従って、加熱及び加圧を同時に行うとは、
加圧時に熱エネルギーが与えられていれば良く、加熱動
作は加圧と同時でも、加圧に先立って行われていても良
い。
【0023】以下、本発明を更に詳細に説明する。本発
明のインクジェット記録媒体は支持体上の最外層に熱可
塑性樹脂粒子を含有するインク受容層及び色材とインク
溶媒成分がインク受容層表面で分離したのちにインク溶
媒成分が吸収される熱可塑性樹脂層に隣接する空隙層を
有する溶媒吸収層により構成されている。
【0024】本発明はインク受容層中に分散剤を含有す
る顔料インクによるインクジェット記録後、加熱及び加
圧を同時に行うことによりインク受容層を透明化し、画
像を得ることを特徴としている。これにより、インク受
容層を透明化し画質の向上させることができる。ここ
で、本発明でいうインク受容層の透明化とは、インク受
容層の透明度を増加させる処理をさす。その透明度の程
度は特に問わないが、イシク受容層の色により、画像を
阻害しないようにするため、透明度が高い方が好まし
い。透明化は顔料インクジェット記録後、加熱及び/ま
たは加圧により行うことができる。これは、インク受容
層の熱可塑性樹脂粒子同志を融着させるとともに着色剤
の粒子を樹脂中に埋め込ませることにより表面が平滑化
され、結果として顔料粒子や熱可塑性樹Л旨粒子の表面
での乱反射が防止されることなどが起因している。
【0025】本発明の熱可塑性樹脂粒子としては、例え
ば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリス
チレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリエーテル、これらの共重合
体及びこれらの塩が挙げられる。熱可塑性樹脂粒子を選
択するにあたりインク受容性、加熱及び加圧による定着
後の画像の光沢性、画像堅牢性及び離型性を考慮すべき
である。
【0026】インク受容性については、熱可塑性樹脂粒
子の粒径が0.01μm未満の場合は、顔料インク中の
顔料粒子とインク溶媒の分離が遅くなり、インク吸収速
度の低下を招くことになる。また10μmを越えると、
支持体上に塗設する際にインク受容層に隣接する溶媒吸
収層との接着性や、塗設乾燥後のインクジェット記録媒
体の被膜強度の点から好ましくない。このために好まし
い熱可塑性樹脂粒子径としては好ましくは0.01〜1
0μm、より好ましくは0.05〜1μmである。
【0027】最外層を形成する熱可塑性樹脂粒子は、塗
布乾燥前は水などの溶媒中に分散状態で存在している。
分散粒径にバラツキのない、単一の熱可塑性樹脂粒子の
場合は、塗布後の乾燥で粒子は最密六方充填されて、単
一粒子層を形成し、その際の空隙率は約26%である。
しかし通常熱可塑性樹脂粒子は多分散性であり、その空
隙率は熱可塑性樹脂粒子同士の凝集状態で変化する。ま
た、形成される空隙径は熱可塑性樹脂粒子の粒径に依存
する。
【0028】また、支持体上の塗設膜厚としては、0.
1〜20μmが好ましく、より好ましくは0.5〜10
μmである。
【0029】また、熱可塑性樹脂粒子の選択の基準とし
てはガラス転移点(Tg)が挙げられる。
【0030】Tgが塗布乾燥温度より低い場合は、例え
ば記録媒体製造時の塗布乾燥温度が既にTgより高く、
インク溶媒が透過するための熱可塑性微粒子による空隙
が消失してしまう。
【0031】またTgが、支持体の熱による変性を起こ
す温度以上の場合は、顔料インクによるインクジェット
記録後溶融成膜するために高温での定着操作が必要とな
り、装置上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題とな
る。熱可塑性樹脂粒子の好ましいTgは50〜130℃
である。
【0032】また、画像形成後、記録画像はその経時保
存による画質劣化をできるだけ抑制する必要がある。顔
料インクを用いた場合は、染料インクの様な比較的短期
間での濃度低下、変色を気にする必要はないが、未印字
部がUV光により黄変(分解)することを抑制する観点
から熱可塑性樹脂粒子を選択する必要がある。
【0033】本発明の最外層の熱可塑性樹脂層に隣接す
る顔料インクの溶媒吸収層(以下、単にインク溶媒吸収
層ともいう)は顔料インク溶媒の吸収能を有することが
必要であり、これは無機固体微粒子(以下、単に無機微
粒子ともいう)を顔料インクの溶媒吸収層中に含有させ
ることによって発揮する。無機団体微粒子に代えて有機
固体微粒子を利用することも可能ではあるが、無機固体
微粒子の方が高い空隙容量を得られる点で好ましい。
【0034】上記の目的で使用される無機微粒子として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等が挙げられる。
【0035】無機微粒子の平均粒径は、微粒子そのもの
あるいは空隙型のインク溶媒吸収層の断面や表面に現れ
た微粒子を電子顕微鏡で観察し、100個の任意粒子の
平均粒径を求めてその単純平均値(個数平均)として求
められる。ここで個々の微粒子の粒径はその投影面積に
等しい円を仮定したときの直径で表したものである。
【0036】高濃度の画像が形成される、鮮明な画像が
記録できる、低コストで製造できる等の観点からする
と、無機固体微粒子としては、気相法により合成された
微粒子シリカ、コロイダルシリカ及びアルミナまたはア
ルミナ水和物から選ばれた無機固体微粒子を用いること
が好ましい。
【0037】アルミナまたはアルミナ水和物は、結晶性
であっても非晶質であってもよく、また不定形粒子、球
状粒子、針状粒子など任意の形状のものを使用すること
ができる。
【0038】現在、このような気相法によって合成され
た微粒子シリカは市販されており、市販の微粒子シリカ
には日本アエロジル社の各種のアエロジルがある。
【0039】本発明の効果を得るためには、無機微粒子
の平均粒径に特に制限はないが100nm以下が好まし
く、空隙層を形成するために最も好ましい平均粒径は化
合物によって異なる。例えば、上記気相法シリカの場
合、1次粒子の状態で分散された無機微粒子の1次粒子
の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)が4〜20
nmのものを最も好ましく用いることができる。
【0040】また、インク溶媒吸収層としては、上記無
機微粒子を用いる他に、例えば特開昭59−14858
3号、同55−51583号、同58−72495号等
に記載されている各種親水性樹脂及びシリカとの配合
液、特開平9−150574号、同10−181189
号に記載されているアルキレンオキサイド含有又はポリ
カーボネイトを含有するウレタン樹脂エマルジョン等を
用いることもできる。
【0041】また、前記無機微粒子を用いてインク溶媒
吸収層を形成させる以外に、ポリウレタン樹脂エマルジ
ョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/又はアセトア
セチル化ポリビニルアルコールを併用し、更にエピクロ
ルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗工液を用いて
インク溶媒吸収層を形成させてもよい。
【0042】この場合のポリウレタン樹脂エマルジョン
はポリカーボネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエ
ステル鎖を有する粒子径が3.0μmであるポリウレタ
ン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマ
ルジョンのポリウレタン樹脂がポリカーボネートポリオ
ール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポ
リオール有するポリオールと脂肪族系イソシアネート化
合物とを反応させて得られたポリウレタン樹脂が、分子
内にスルホン酸基を有し、さらにエピクロルヒドリンポ
リアミド樹脂及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセ
トアセチル化ビニルアルコールを有することが更に好ま
しい。
【0043】上記ポリウレタン樹脂を用いたインク溶媒
吸収層はカチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、こ
れに伴い、インク溶媒吸収能を有する空隙が形成され
て、画像形成できると推定される。
【0044】本発明のインクジェット記録媒体の熱可塑
性樹脂層及び溶媒吸収層において、空隙の総量(空隙容
量)は記録用紙1平方メートル当り20ml以上であること
が好ましい。
【0045】空隙容量が20ml/平方メートル未満の場
合、印字時のインク量が1ml/平方メートル以下である
と、インク吸収性は良好であるものの、インク量が40
ml/平方メートルを越えるとインクが完全に吸収されず、
オーバーフローすることにより画質を低下させたり、乾
燥性が遅いなどの問題が生じやすい。
【0046】空隙容量の上限は特に制限されないが、空
隙型のインク吸収層の膜厚を通常50μm以下にするこ
とがひび割れ等の皮膜の物理特性を悪化させないために
は必要で、この点からすると、空隙容量を40ml/平
方メートル以上とすることは難しい。空隙容量の測定は液体
吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したときの吸収
時間2秒における液体転移量(ml/平方メートル)として
表される。
【0047】本発明において、空隙容量はJ.TAPP
I紙パルプ試験方法No.51−87紙又は板紙の液体
吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したとき、吸収
時間2秒における液体転移量(ml/平方メートル)で表さ
れる。なお、上記の測定方法では、測定に純水(イオン
交換水)が使用されているが、測定面積の判別を容易に
するために、2%未満の水溶性染料を含有させてもよ
い。
【0048】本発明の支持体としては、従来からインク
ジェット記録用紙に用いられる支持体、例えば、普通
紙、アート紙、コート紙及びキャストコート紙等の紙支
持体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで
被覆した紙支持体、これらを貼り合わせた複合支持体を
用いることができる。
【0049】本発明のインクジェット記録媒体の塗布に
際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよ
い。塗布法としてはバーコーター、ロールコーター、ア
プリケーター、スピナー等の他に、生産効率を高める観
点から2種以上の層を同時に塗布する場合エクストルー
ジョンコーティング及びカーテンコーティングが特に有
効である。
【0050】本発明のインクにおいては、吐出安定性、
プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定
性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、
さらに粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線
吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防錆剤、防腐剤等を
添加することもできる。
【0051】本発明において用いられる顔料インクが付
着させられたインクジェット記録媒体を加熱方法は、少
なくともその片方に加熱源を有する1つのローラを有す
るローラ対である熱ローラを利用した方法を利用でき
る。この熱ローラを用いて加熱及び加圧を同時に行うこ
とが装置の簡略化の点で好ましいが、この熱ローラとは
別に熱ローラによる加熱後のインクジェット記録媒体を
加圧する加圧ローラを設けるようにしてもよい。加熱源
を有するローラは、インクジェット記録媒体の顔料イン
クが付着した側を加熱する場合の方が、インク受容層を
透明化する効率が良く、高い加熱温度を用いても、支持
体の熱変性が起こりにくい為、好ましい。第1、2および
3図において、記録媒体Rは、ヒーター11を内蔵するヒー
トローラー1とバネ21によって圧力を加えられヒートロ
ーラー1に対向して設けられた加圧ローラー2の間を通
り、加熱、および加圧される。この前に、予熱装置を設
けることができる。第1および2図に示されるように、ガ
イド31および32に予熱のための面ヒーター33を備えるこ
とができる。また、第3図に示されるように、内部にヒ
ーター37を有する予熱ローラー36およびそれに対向して
設けられたローラーの間に記録媒体Rを通すことによっ
て予熱してもよい。第2および3図に示されるように、ヒ
ートローラー1に対向して設けられた加圧ローラー2によ
って加熱、加圧された記録媒体Rはこれらのローラーに
懸架されたベルト4によって搬送されてもよい。本発明
に好ましく用いられる熱ローラを用いた加熱及び加圧方
法は、加熱源を内蔵した金属シリンダとシリコンゴムロ
ーラの間を分散剤を含有した顔料インクにより画像記録
されたインクジェット記録媒体を通過させる方法であ
る。
【0052】本発明に好ましく用いられる熱ローラは金
属シリンダ及びシリコンゴムローラを有している。その
うち金属シリンダは鉄やアルミニウムのような一般的な
素材を用いればよく、熱耐久性を高める目的でテトラフ
ルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレンーパーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体等により被覆さ
れていてもよいし、定着後の平滑感を高めるために、鏡
面仕上げられていてもよい。金属シリンダは内部に熱源
を内蔵していることが好ましく、この熱源は線状のヒー
タを有し、加熱温度は50〜150℃に加熱させること
が好ましい。尚、さらに好ましくは、80〜130℃で
ある。
【0053】熱ローラにおいて、金属シリンダとシリコ
ンゴムローラ間に圧力を加え、シリコンゴムローラを変
形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては
1〜20mm、好ましくは1.5〜7mmである。
【0054】上記圧力は線圧として500〜3000N
/mが好ましく、500N/m未満であると加熱加圧によ
り顔料インクが熱可塑性樹脂粒子層に十分に押し込まれ
ず、また線圧が3000N/mを越えると顔料インクの
押し込みは十分だが、平滑性、光沢性が低下する。
【0055】本発明の熱可塑性樹脂粒子層を形成する塗
布液中に好ましく添加されるシリコンエマルジョン又は
水溶性シリコン化合物としては、例えばシロキサンの官
能基がメチルで離型剤として一般的なジメチルシロキサ
ン化合物、その他該化合物に置換基としてビニル基、水
素原子、メルカプト基、メタクリル基、アクリル基、ア
ミノ基、フェニル基等を導入した化合物が挙げられる。
【0056】また、含有量としては熱可塑性樹脂粒子1
00に対して質量比で0.5〜10%であることが好ま
しい。添加量が10%以上であると、離型性は向上する
が、加熱及び加圧による定着の不均一性に起因すると推
定される色ムラが発生し好ましくない。
【0057】本発明の顔料インクは、顔料を分散剤また
は界面活性剤を用いて水に分散させたものでもよいし、
親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合しており
分散剤なしで水に分散可能な顔料(自己分散顔料)を色
材として含むものでもよいが、顔料を分散剤または界面
活性剤を用いて水に分散させたものが好ましい。分散剤
としては、特に制限はないが、高分子分散剤を用いるこ
とができる。本発明の顔料インクの分散安定性を向上さ
せるために界面活性剤を含有することが好ましい。本発
明の顔料インクに好ましく含有される界面活性剤として
は、例えばジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナ
フタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポ
リオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレ
ングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロ
ピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性
剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等の
カチオン性界面活性剤等が挙げられる。特にアニオン性
界面活性剤及びノニオン性界面活性剤をより好ましく用
いることができる。
【0058】本発明の顔料インクとしては、従来公知の
有機及び無機顔料が使用できる。例えばアゾレーキ、不
溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のア
ゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリレン
顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキ
サンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔
料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型
レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔
料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等
の有機顔料又はカーボンブラック等の無機顔料が挙げら
れる。
【0059】具体的な有機顔料を以下に例示する。マゼ
ンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメン
トレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピ
グメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.
I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド1
5、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメン
トレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:
1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグ
メントレッド122、C.I.ピグメントレッド12
3、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメ
ントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、
C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメント
レッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.
I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0060】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0061】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0062】顔料をインクジェット記録用の色材として
使用するためには、高度の分散安定性を実現することが
必要となる。また、色相鮮明化の要求も顕在化してきて
いる。このためには一般的に顔料粒子をより細かいレベ
ルで分散させることが必要となる。しかし細かくすれば
する程、凝集力も強くなり分散及びその安定性を維持す
ることが困難となる。このために、顔料インクの調製に
は、顔料を適切に分散したり、それを維持したりするた
めの分散剤の選択が重要となる。本発明の分散剤として
は、高分子分散剤が好ましい。その例としては天然高分
子が挙げられ、にかわ、ゼラチン、ガゼイン、アルブミ
ンなどのタンパク質類、アラビアゴム、トラガントゴム
などの天然ゴム類、サボニンなどのグルコシド類、アル
ギン酸およびアルギン酸プロピレングリコールエステル
アルギン酸トリエタノールアミン、アルギン酸アンモニ
ウムなどのアルギン酸誘導体、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、エチルヒドロキシセルロースなどのセルロース誘導
体などが挙げられる。さらに、高分子分散剤の好ましい
例として合成高分子が挙げられ、ポリビニルアルコール
類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリ
ル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル酸カリウム
ーアクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸
エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共
重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共
重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−
メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン
−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン
−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステ
ル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−
マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナ
フタレン−マレイン酸共重合体、および酢酸ビニル−エ
チレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共
重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢
酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニルーアクリル
酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体およびそれらの
塩が挙げられ、特に好ましくは、スチレン−アクリル酸
共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン
−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレ
ン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、ステレ
ンーα―メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エス
テル共重合体などのスチレンーアクリル樹脂およびそれ
らの塩が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持
つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、お
よび疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノ
マーからなる重合体が好ましい。これらの共重合体は、
重量平均分子量が3,000−30,000であるのが好まし
く、より好ましくは5,000−15,000である。分散剤の
添加量は、インク組成物中の顔料の総量に対して5−60
重量%程度が好ましく、より好ましくは20−50重量%程
度である。なお、これら高分子の分散剤以外にも低分子
の分散剤を用いることもできるが、高分子の分散剤を用
いると支持体上の層の中に熱可塑性樹脂粒子を含有する
インク受容層を有するインクジェット記録媒体に顔料イ
ンクで記録した場合、記録後のインクジェット記録媒体
の耐水性が優れているという点で好ましい。
【0063】顔料インクの分散方法としては、ボールミ
ル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテー
ター、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモ
ジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイント
シェーカー等各種を用いることができる。
【0064】本発明の顔料インク分散体の粗大粒子成分
を除去する目的で遠心分離装置を使用すること、フィル
ターを使用することも好ましい。
【0065】本発明のインクに使用する顔料分散体の平
均粒径は10nm〜200nmであることが好ましく、
30nm〜150nmがより好ましく50nm〜120
nmがさらに好ましい。顔料分散体の平均粒径が200
nmを越えると光沢メディアに記録した画像では光沢性
の劣化が起こり、トランスペアレンシーメディアに記録
した画像では著しい透明性の劣化が起こる。また、顔料
分散体の平均粒径が10nm未満であると顔料分散体の
安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化し
やすくなる。
【0066】顔料インク分散体の粒径は、光散乱法、電
気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径
測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子
顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に
対して行い、この像をImage−Pro(メディアサ
イバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的
処理を行うことによって求めることも可能である。
【0067】本発明の顔料インクは、ラテックスを含有
しても良い。ここでいうラテックスとは媒質中に分散状
態にあるポリマー粒子のことを指す。ポリマーの種類の
例としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体、ポ
リスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
ポリアクリル酸エステル、ポリウレタン、シリコン−ア
クリル共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等が挙げられ
るが、なかでもポリアクリル酸エステル、ポリウレタ
ン、シリコン−アクリル共重合体が好ましい。
【0068】ラテックスの製造に用いられる乳化剤とし
ては低分子量の界面活性剤が用いられるのが一般的であ
るが、中では高分子量の界面活性剤(例えば可溶化基が
ポリマーにグラフト結合しているタイプや可溶化基を持
つ部分と不溶性の部分を連結させたブロックポリマーの
タイプ等がある)を乳化剤として用いたり、あるいは可
溶化基をラテックスの中心ポリマーに直接結合させるこ
とにより乳化剤を用いずに分散されているラテックスも
存在する。この乳化剤に高分子量の界面活性剤を用いる
ラテックスおよび乳化剤を使用しないラテックスはソー
プフリーラテックスと呼ばれている。本発明に好ましく
用いられるラテックスとしては乳化剤の種類、形態を問
わないが、顔料インクの保存安定性に優れるソープフリ
ーラテックスを用いることがより好ましい。
【0069】また、最近は中心部のポリマーが均一であ
るラテックス以外にポリマー粒子の中心部と外縁部で組
成を異にしたコア・シェルタイプのラテックスも存在す
るが、このタイプのラテックスも好ましく用いることが
できる。
【0070】本発明に好ましく用いられるラテックスの
平均粒径は10〜150nmが好ましく、20〜50n
mがより好ましい。
【0071】ラテックスの平均粒径は光散乱法式やレー
ザードップラー法式を用いた市販の測定装置を使用して
簡便に計測することが可能である。
【0072】ラテックスの固形分添加量は顔料インクの
全質量に対して0.1質量%〜10質量%であり、0.
3質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
【0073】添加量0.1質量%未満では耐水性に関し
て十分な効果を発揮することが難しく、また10質量%
を越えると経時で顔料インク粘度の上昇や顔料インク分
散粒径の増大が起こりやすいなど顔料インク保存性の点
で問題が生じる。
【0074】本発明においては電気伝導度調節剤を用い
ることもでき、例えば塩化カリウム、塩化アンモニウ
ム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウム
などの無機塩や、トリエタノールアミン等の水性アミン
等が挙げられる。
【0075】本発明の顔料インクにはこの他に防腐剤、
防黴剤、粘度調整剤等を必要に応じて含有しても良い。
【0076】本発明の画像形成方法で使用するインクジ
ェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス
方式でも構わない。また吐出方式としては、電気ー機械
変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキ
ャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモー
ド型、シェアードウォール型等)、電気ー熱変換方式
(例えば、サーマルインクジェット型、バブル発生イン
クジェット型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御
型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、ス
パークジェット型等)などを具体的な例として挙げるこ
とができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0077】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに実施態様に限定されるもので
はない。
【0078】尚、実施例中で(%)は特に断りのない限
り質量%を示す。 実施例1 (記録媒体Aの作製) 〈酸化チタン分散液ー1の調製〉平均粒径が0.25μ
mの酸化チタン20kg(石原産業:W−10)をpH
7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、ポリビ
ニルアルコール(クラレ株式会社:PVA235、平均
重合度3500)500g、カチオン性ポリマー(P−
1)の150g及びサンノブコ株式会社シリコン乳剤消
泡剤SN381を10g含有する水溶液90リットルに
添加し、高圧ホモジナイザー(三和工業株式会社製)で
分散した後全量を100リットルに仕上げて均一な酸化
チタン分散液−1を得た。
【0079】
【化1】
【0080】〈シリカ分散液−1の調製〉1次粒子の平
均粒径が0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジ
ル工業株式会社:A300)125kgを三田村理研工
業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキ
サーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した6
20リットルの純水中に室温で吸引分散した後に、全量
を694リットルに純水で仕上げた。この分散液を希釈
した粒子の電子顕微鏡写真を撮影したところ、ほとんど
の粒子が0.01μm以下の平均粒径であり1次粒子ま
で分散されていることを確認した(ほとんどの粒子とは
85〜90%の粒子のことをいう)。
【0081】〈シリカ分散液−2の調製〉カチオン性ポ
リマー(P−2)を1.41kg、エタノール4.2リ
ットルを含有する溶液(pH=2.3)18リットルに
25〜30℃の温度範囲で、シリカ分散液−1の69.
4リットルを攪拌しながら20分かけ添加し、ついでホ
ウ酸260gとホウ砂230gを含有する水溶液(pH
=7.3)7.0リットルを約10分かけて添加し、前
記の消泡剤SN381を1g添加した。この混合液を三
和工業株式会社製高圧ホモジナイザーで24.5MPa
の圧力で2回分散し、全量を純水で97リットルに仕上
げてほぼ透明なシリカ分散液ー2を調製した。
【0082】
【化2】
【0083】〈蛍光増白剤分散液−1の調製〉チバガイ
ギー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UIVITEX−O
B、400gをジイソデシルフタレート9000g及び
酢酸エチル12リットルに加熱溶解し、これを酸処理ゼ
ラチン3500g、カチオン性ポリマー(P−2)、サ
ポニン50%水溶液6000mlを含有する水溶液65
リットルに添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホモ
ジナイザーで24.5Mpa(250kgf/c平方メー
トル)の圧力で3回乳化分散し、減圧で酢酸エチルを除去
した後全量を100リットルに仕上げた。この分散液の
pHは約5.3であった。
【0084】〈塗布液の調製〉第1層、第2層、第3層
の塗布液を以下の手順で調製した。
【0085】第1層用塗布液 シリカ分散液−1の600mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0086】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度:3500))の7%水溶液 194.6ml 蛍光増白剤分散液−1 25ml 酸化チタン分散液−1 33ml 第一工業株式会社製:ラテックスエマルジョン・AE−803 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0087】第2層用塗布液 シリカ分散液−2の650mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0088】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度3500))の7%溶液 201.6ml 蛍光増白剤分散液−1 35m 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0089】第3層塗布液 シリカ分散液−2の650mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。
【0090】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度3500))の7%水溶液 201.6ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製・ BY−22−839) 15ml サポニン50%水溶液 4ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
4.5であった。
【0091】上記のように得られた塗布液を下記のフィ
ルターで濾過した。 第1層と第2層:東洋濾紙株式会社製TCP10で2段
濾過、 第3層:東洋濾紙株式会社製TCP30で2段濾過、 ついで両面をポリエチレンで被覆した紙支持体(厚みが
220μmでインク吸収層面のポリエチレン中にはポリ
エチレンに対して13質量%のアナターゼ型酸化チタン
含有)に第1層(50μm)、第2層(100μm)、
第3層(50μm)の順になるように各層を塗布した。
括弧内はそれぞれ湿潤膜厚を示し、第1層〜第3層は同
時塗布した。
【0092】塗布はそれぞれの塗布液を40℃で3層式
スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保た
れた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相対
湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25
%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で6
0秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜6
0℃の雰囲気下で2分間調湿して試料を巻き取り溶媒吸
収層のみの記録媒体を得た。
【0093】次に以下の処方により熱可塑性樹脂層用の
塗工液を調製した。 AT−2000(スチレンーアクリル酸共重合ラテックス (Tg:80℃、MFT:85℃(株)昭和高分子製)) 50% AS−7180(アクリル系共重合ナトリウム塩東亞合成化学株式会社 ) 3% 水 47% 前記溶媒吸収層のみ有する記録媒体に乾燥膜厚が5μm
となるようにワイヤーバーを用いて熱可塑性樹脂層用の
塗工液を塗布し、50℃にて30分乾燥し、記録媒体A
を作製した。
【0094】 C.I.ピグメントイエロー74 20質量% スチレンーアクリル酸共重合体(分子量10,000、酸価120) 12質量% ジエチレングリコール 15質量% イオン交換水 53質量% 上記各組成物をそれぞれ混合した後、0. 3mmのジルコ
ニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(ア
シザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散して、イ
エロー顔料分散体1を調製した。得られたイエロー顔料
の平均粒径は112nmであった。 (マゼンタ分散体1の調製) C. I.ピグメントレッド122 25質量% ジョンクリル61 (アクリルーステレン系樹脂、ジョンソン社製) (固形分)18質量% ジエチレングリコール 15質量% イオン交換水 42質量% 上記各組成物をそれぞれ混合した後、0. 3mmのジルコ
ニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(ア
シザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散して、マ
ゼンタ顔料分散体1を調製した。得られたマゼンタ顔料
の平均粒径は105nmであった。 (シアン分散体1の調製) C. I. ピグメントブルー15:3 25質量% ジョンクリル61 (アクリルーステレン系樹脂、ジョンソン社製) (固形分)15質量% グリセリン 10質量% イオン交換水 50質量% 上記各組成物をそれぞれ混合した後、0. 3mmのジルコ
ニアビーズを体積率で60%充填した横型ピーズミル(ア
シザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散して、シ
アン顔料分散体1を調製した。得られたシアン顔料の平
均粒径は87nmであった。 (ブラック分散体1の調製) カーボンブラック 20質量% スチレンーアクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価150) 10質量% グリセリン 10質量% イオン交換水 60質量% 上記各組成物をそれぞれ混合した後、0. 3mmのジルコ
エアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(ア
シザワ社製システムゼータミニ)を用いて分散して、ブ
ラック顔料分散体1を調製した。得られたブラック顔料
の平均粒径は75nmであった。
【0095】 〔顔料インクの調製〕 (イエロー濃インク1の調製) イエロー分散体1 15質量% アクリルエマルジョン(ヨドゾールAD53 Tg80℃ 平均粒径80nm 日本NCS社) 10質量% エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0. 1質量% イオン交換水 39. 9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、 lμmフィルターでろ
過して、イエロー濃インク1を調製した。このインク中
に含まれる顔料の平均粒径は120nmであり、表面張力γ
は36mN/mであった。 (イエロー淡インク1の調製) イエロー分散体1 3質量% アクリルエマルジョン(ヨドゾールAD53 Tg80℃ 平均粒径80nm 日本NCS社) 10質量% エテレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 41.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、 lμmフィルターでろ
過して、イエロー淡インク1を調製した。このインク中
に含まれる顔料の平均粒径は118nmであり、表面張力γ
は37mN/mであった。
【0096】 (マゼンタ濃インク1の調製) マゼンタ分散体1 15質量% ステレンーアクリルエマルジョン(マイクロジェルE−1002 Tg約60℃ 平均粒径100nm 日本ベイント社) 10質量% エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 39.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、lμmフィルターでろ過
して、マゼンタ濃インク1を調製した。このインク中に
含まれる顔料の平均粒径は113nmであり、表面張力γは3
5mN/mであった。 (マゼンタ淡インク1の調製) マゼンタ分散体1 3質量% アクリルエマルジョン(マイクロジェルE−1002 Tg約60℃ 平均粒径100nm 日本ベイント社) 8質量% エチレングリコール 25質量% ジエテレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0. 1質量% イオン交換水 43.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、lμmフィルターでろ過
して、マゼンタ淡インク1を調製した。このインク中に
含まれる顔料の平均粒径は110nmであり、表面張力γは3
7mN/mであった。
【0097】 (シアン濃インク1の調製) シアン分散体1 10質量% ステレンーアクリルエマルジョン(ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) 10質量% エテレングリコール 20質量% ジエテレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学ェ業社) 0.1質量% イオン交換水 44.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、 lμmフィルターでろ
過して、シアン濃インク1を調製した。このインク中に
含まれる顔料の平均粒径は95nmであり、表面張力γは36
mN/mであつた。 (シアン淡インク1の調製) シアン分散体1 2質量% アクリルエマルジョン(ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) 10質量% エチレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.2質量% イオン交換水 42.8質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、lμmフィルターでろ過
して、シアン淡インク1を調製した。このインク中に含
まれる顔料の平均粒径は92nmであり、表面張力γは33mN
/mであった。 (プラック濃インク1の調製) ブラック分散体1 10質量% アクリルエマルジョン(ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) 8質量% エテレングリコール 20質量% ジエテレングリコール 10質量% マルチトール5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 46.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、 lμmフィルターでろ
過して、ブラック濃インク1を調製した。このインク中
に含まれる顔料の平均粒径は85nmであり、表面張力γは
35mN/mであった。 (ブラック淡インク1の調製) ブラック分散体1 2質量% アクリルエマルジョン(ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) 8質量% エテレングリコール 25質量% ジエテレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 44.9質量% 上記各組成物を混合攪拌した後、lμmフィルターでろ過
して、プラック淡インク1を調製した。このインク中に
含まれる顔料の平均粒径は89nmであり、表面張力γは36
mN/mであった。
【0098】(記録媒体Aへの記録)ノズル粒径20μ
m、駆動周波数12kHz、1色当りのノズル数12
8、同色ノズル密度180dpi(dpiとは2.54
cm当たりのドットの数を表す)であるピエゾ型ヘッド
を搭載し、最大記録密度720×720dpi(dpi
とは2.54cm当たりのドットの数を表す)のオンデ
マンド型のインクジェットプリンタを使用して、上記顔
料インクにより反射濃度1.0を与える均一画像パター
ンをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色につ
いて作製した。
【0099】画像形成10分後に90℃で10分間加熱
乾燥させたプリント試料を作製し、試料101とした。
【0100】次に、直径30mmφの円柱状の鉄シリン
ダ(上ローラ)と、シリコンゴムローラ(直径30mm
φの下ローラ)を有する定着ユニットを線圧2000N
/m、ニップ幅を4.3mmに調整した。試料101を
線速10mm/sで、この定着ユニット内を通過させ試
料102を作製した。
【0101】続いて、試料102とは、定着ユニットの
上下ローラがテトラフロオロエチレン−パーフルオロア
ルキルエーテル共重合体により被覆され、鉄シリンダ内
にヒータを内蔵されており、定着時のローラの表面温度
が120℃に調整されていることが異なる試料103を
作製した。
【0102】試料103とは、ローラの表面が170℃
に加温されていることのみが異なる試料104を作製し
た。
【0103】試料104とは、インクジェット記録媒体
作製時に熱可塑性樹脂粒子層に、スチレンーアクリル酸
共重合ラテックスに対して質量比で固形分として5%と
なるようにジメチルポリシロキサンの水分散体を添加さ
せてインクジェット記録媒体を作製したことのみが異な
る試料105を作製した。
【0104】このようにして作製した試料101〜10
5について、以下の方法により耐擦過性及び離型性を評
価した。
【0105】(耐擦過性評価)定着済みのサンプルにつ
いて、プラスチック消しゴムで印字部を5回こすり、濃
度低下の程度を以下のようにグレード分類した。
【0106】 ◎:色落ちが全くなし ○:若干の色落ちはみられるが、画像としては気になら
ない △:色落ちが確認でき、画質が低下 ×:色落ちが大きく、画質への影響が大 (離型性評価)試料101〜105について、印字後未
定着試料を各30枚準備し、前記各条件での定着を実施
し、以下のような分類をおこなった。
【0107】 ◎:ロールへの巻き付きなし ○:ロールへの巻き付きなしが1〜2枚 △:ロールへの巻き付きなしが3〜4枚 ×:ロールへの巻き付きなしが5枚以上 これらの評価結果を表1にまとめた。
【0108】
【表1】
【0109】表1の結果から明らかなように、試料10
1は、加熱のみで加圧がされておらず、顔料粒子の熱可
塑性樹脂層への押し込みが不十分なことに起因すると推
定される耐擦過性の劣化がみられる。また、離型性も十
分でない。
【0110】一方、加熱がなく、加圧のみで画像定着を
おこなった試料102では、試料101に比べ、耐擦過
性が大きく劣化しており、加熱による熱可塑性樹脂の溶
融が顔料粒子の移動が耐擦過性向上には必要であること
がわかる。
【0111】これらに対して、加熱及び加圧を同時にか
つ適切におこなった試料103は耐擦過性に優れ、離型
性も問題ないことがわかる。
【0112】試料103に対して、定着時の温度を高温
にした試料104の場合は、定着ローラへの張り付きが
発生した。
【0113】これに対して、熱可塑性樹脂層中にシリコ
ンエマルジョンを含有させた試料105は耐擦過性及び
離型性に優れていることがわかる。
【0114】実施例2 〈記録媒体Bの作製〉膜厚220μmのポリエチレンで
被覆された紙支持体上に、ポリウレタン樹脂をベースに
したインク吸収溶媒塗工液(水溶性ウレタン樹脂として
パテラコールIJ−40:大日本インク社(株)製)を
乾燥膜厚が30μmになるようにワイヤーバーを用いて
塗設後、70℃で20分間乾燥した。その後、実施例1
と同様の塗工液を、乾燥膜厚で5μmとなるようにイン
クジェット記録媒体Bを作製した。
【0115】実施例1と同様の顔料インク及びその記録
装置を用いて、反射濃度1.0を与える均一画像パター
ンをイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色につ
いて作製した。
【0116】この作製したサンプルについて、試料10
1〜103と同様の定着方法により試料201〜203
を作製した。試料103とは、定着時の線圧が500N
/mであることのみ異なる試料204を作製した。
【0117】次に、試料203とは、ブラックインクが
以下に示す方法で調製した自己分散性顔料であることが
異なる試料205を作製した。
【0118】(自己分散性カーボンブラック顔料インク
の調製)還流冷却器及びガラス製攪拌羽根を取り付けた
4つ口フラスコに、カーボンブラック(デグサ社製プリ
ンテックス#75)20g及び濃硫酸80gを仕込み、
油浴中120℃で10時間還流させ、酸化処理をおこな
った。その後冷却し、遠心分離、デカンテーションを行
い、遠心分離により沈殿が発生しないようになった後、
限外濾過を行い、イオン交換水にて顔料濃度を調整し、
顔料濃度20%の自己分散顔料体を得た。更に以下のよ
うな処方により顔料インクを作製した。
【0119】 顔料インク分散体 20g グリセリン 20g ジエチレングリコールモノブチルエーテル 5g プロキセルGXL 0.01g 以上をイオン交換水で100gに仕上げ、0.45μm
のメンブランフィルターを2度通過させて顔料インクを
調製した。
【0120】このように作製した試料201〜205に
ついて、耐擦過性及び光沢性の評価をおこなった。
【0121】耐擦過性については実施例1と同様の評価
をおこなった。光沢性については、定着前の光沢性に対
する相対的な光沢性の程度を以下のように評価した。
尚、試料205は自己分散性カーボンブラック顔料によ
りプリントを行っており、ブラックのみに着目して、以
下の評価をおこなった。
【0122】 ◎:定着による光沢性の向上効果が著しい ○:定着による光沢性の向上効果が高い △:定着による光沢性の向上効果は見られたが、小さか
った ×:定着による光沢性の向上効果が逆に低下した 評価結果を表2にまとめた。
【0123】
【表2】
【0124】表2から明らかなように、試料201は、
耐擦過性が低く、光沢性については加圧がなく、画像表
面の平滑性向上効果が不十分なためか低い。
【0125】試料202は、加熱がなく、加圧のみのた
めに、試料201に比べ更に光沢性が劣る。加熱及び加
圧が適切に行われた試料203は耐擦過性、光沢性のい
ずれにも満足できる結果がえられている。試料204
は、耐擦過性向上効果がみられるものの、光沢性が足り
ない。
【0126】一方試料205は、ブラックに自己分散顔
料を使用しており、光沢性、耐擦過性の低下、加えて濃
度の低下がみられる。
【0127】実施例3 実施例1の試料103とはニップ幅、媒体到達温度、線
圧を表3のように変えて試料301〜307を作成し
た。そして、実施例2と同様に光沢性、耐擦過性につい
て評価した。
【0128】
【表3】
【0129】実施例4 実施例1の試料105とはジメチルポリシロキサンの固
形分含有量を表4のように変えて試料401〜405を
作成した。ただし、離型性評価は枚数を各200枚に増
やして、より厳しい評価を行った。
【0130】(色ムラ評価)試料401〜405につい
て、印字後未定着試料を各200枚準備し前記各条件で
の定着を実施し、以下のような分類をおこなった。、 ◎:色ムラが全くなし ○:若干の色ムラがみられる
が、画像としては気にならない △:色ムラが確認でき、画質が低下 ×:色ムラがひどく、画質への影響が大
【0131】
【表4】
【0132】
【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明による画
像形成方法は顔料インクを用いてインクジェット記録を
行った場合の光沢性、耐擦過性及び離型性に優れた効果
を有する。
【0133】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ローラ関連図1。
【図2】 ローラ関連図2。
【図3】 ローラ関連図3。
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞一 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 大屋 秀信 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 中村 正樹 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 EC14 EC29 EC32 FB02 FC02 FC06 HA45 HA46 2H086 BA05 BA14 BA15 BA33 BA36 BA41

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の最外層に熱可塑性樹脂粒子を
    含有するインク受容層、該インク受容層の隣接に顔料イ
    ンク溶媒吸収層を有するインクジェット記録媒体に、分
    散剤を含有する顔料インクをインクジェット法により付
    着した後に加熱及び加圧を同時に行うことにより、最外
    層の熱可塑性微粒子インク受容層を透明化し、画像を得
    ることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 熱ローラを用いて加熱及び加圧すること
    を特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 熱ローラが金属シリンダとシリコンゴム
    ローラを有することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 金属シリンダ中に熱源を内蔵しているこ
    とを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の画像
    形成方法。
  5. 【請求項5】 金属シリンダとシリコンゴムローラの間
    の加圧により形成されるニップ幅が1〜20mmである
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の画
    像形成方法。
  6. 【請求項6】 金属シリンダ内に内蔵されている熱源に
    よる加熱温度が50〜150℃であることを特徴とする
    請求項1〜5の何れか1項に記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 熱ローラによる線圧が500〜3000
    N/mであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1
    項に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂層中にシリコンエマルジョ
    ン又は水溶性シリコン化合物を熱可塑性樹脂粒子の質量
    100に対して質量比で0.5〜10%含有させること
    を特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の画像形
    成方法。
  9. 【請求項9】 支持体上の層の中に熱可塑性樹脂粒子を
    含有する層を有するインクジェット記録媒体に、インク
    をインクジェット法により付着した後に加熱を行う画像
    形成方法において、前記熱可塑性樹脂旨粒子のガラス転
    移点(Tg)が、前記インクジェット記録媒体の製造時の
    前記熱可塑性樹脂粒子の塗布乾燥温度よりも高く、かつ
    前記加熱により前記支持体の熱変性を起こる温度より低
    いことを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】 支持体上の層の中に熱可塑性樹脂粒子
    を含有するインク受容層及び顔料インク溶媒吸収層を有
    するインクジェット記録媒体に、インクをインクジェッ
    ト法により付着した後に加熱を行う画像形成方法におい
    て、前記インク受容層及び顔料インク溶媒吸収層の空隙
    容量が20m1/平方メートル以上、40m1/平方メートル未満である
    ことを特徴とする画像形成方法。
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