JP2002166533A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002166533A
JP2002166533A JP2000364916A JP2000364916A JP2002166533A JP 2002166533 A JP2002166533 A JP 2002166533A JP 2000364916 A JP2000364916 A JP 2000364916A JP 2000364916 A JP2000364916 A JP 2000364916A JP 2002166533 A JP2002166533 A JP 2002166533A
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ink
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fine particles
image forming
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JP2000364916A
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English (en)
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Hidenobu Oya
秀信 大屋
Shuji Kida
修二 木田
Atsushi Asatake
敦 朝武
Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Makoto Kaga
誠 加賀
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料インクを用いてインクジェットにより染料
近似の高画質プリントを得ることができる画像形成方法
及び高速で画像作成する共に、加熱処理を高速で行うこ
とができる画像形成方法を提供する。 【解決手段】表層に熱可塑性微粒子含有層を有する記録
媒体上に顔料インクでインクジェット記録後、少なくと
も加熱処理を行う画像形成方法において、単位面積当た
りの最大顔料打ち込み量が0.5〜1.8g/m2であ
り、かつ該記録媒体表層の熱可塑性微粒子量が0.5〜
9g/m2である。また、単位面積当たりの最大顔料打
ち込み量がXg/m2であり、該記録媒体表層の熱可塑
性微粒子量がYg/m2であるとき下記式Iの関係を満
足するものである。 式I: 1≦Y/X≦16

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットに
よる画像形成方法に関し、詳しくは顔料インクを用い
て、表層に熱可塑性微粒子を含有する層を有する記録媒
体にインクジェットプリンタにて記録後、少なくとも加
熱処理をすることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット技術の進歩は目覚
ましく、プリンタ技術、インク技術、専用記録媒体技術
があいまって写真画質とよばれるようになっている。ま
た、高い画像保存性(特に耐光性)を得るために、顔料
インクの開発が近年盛んである。顔料インクを用いた場
合、顔料粒子が記録媒体の深部に浸透しにくいため、画
像表面に顔料粒子が多く存在し、その結果、顔料粒子が
摩擦で擦れ落ちる(擦れ耐性)ことが問題となってい
る。
【0003】また、顔料インクによる画像は染料インク
や銀塩写真による画像に比べて透明感がなく、質感が低
下しており、光沢も低い。さらに、ブロンズと呼ばれる
金属光沢が特に高濃度部に発現することがあり、画質を
低下させている。
【0004】一方、特開平11−157207号、同1
1−192775号、同11−208097号、特開2
000−158803号、2000−203152号各
公報には、表層に熱可塑性微粒子を含有する層を有する
記録媒体にインクジェットプリンタにて顔料インクを記
録後、少なくとも加熱処理をすることを特徴とする画像
形成方法が提案されている。
【0005】これらの方法で、顔料粒子の摩擦による擦
れ落ちが改善されたり、質感が向上はするが、未だ染料
インク画像や銀塩写真と比較すると満足いくレベルでは
ない。さらに、表層に熱可塑性微粒子量があまり多いと
インク吸収速度低下が激しく、いわゆるカラーブリード
が発生し画質を大幅に低下させる。
【0006】また、特開2000−168066号公報
には、従来の銀塩写真に代えて、写真現像所や、小規模
写真現像所においてインクジェット方式を使用する旨が
示唆されている。インクジェット方式を利用し、商業的
に写真プリントを作成する際には、高速処理が要求され
インクジェットプリントの高速化と同時に、上記のよう
な加熱処理を必要とするシステムの場合、短時間での加
熱処理が必要とされるが、上記の公知例の処理時間では
未だ不十分である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の課題
は、顔料インクを用いてインクジェットにより染料近似
の高画質プリントを得ることができる画像形成方法を提
供することにある。
【0008】また本発明の第2の課題は、高速で画像作
成する共に、加熱処理を高速で行うことができる画像形
成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述したように、顔料イ
ンクを用いる場合の課題である、擦れ耐性や、画質低下
に対して、表層に熱可塑性微粒子含有層を有する記録媒
体を用いてインクジェット記録後、少なくとも加熱処理
を行う画像形成方法は効果的であるが、染料インクを用
いた画像や銀塩写真に対しては、未だ見劣りがする。さ
らに、加熱工程の処理時間が長く、インクジェット方式
を利用し商業的に写真プリントを作成する際には、画
質、処理時間ともに満足いくレベルではない。本発明者
らは画像に必要な色材としての顔料量や顔料の特性、イ
ンク特性および、記録媒体中の熱可塑性微粒子の量、特
性の組み合わせについて、加熱処理後の画質や画像保存
性、処理に必要な時間を詳細に検討し、種々の画像イメ
ージにおいて最も優れた結果が得られる組み合わせを検
討し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、上記課題は、以下の各発明によって
解決される。
【0011】(請求項1)表層に熱可塑性微粒子含有層
を有する記録媒体上に顔料インクでインクジェット記録
後、少なくとも加熱処理を行う画像形成方法において、
単位面積当たりの最大顔料打ち込み量が0.5〜1.8
g/m2であり、かつ該記録媒体表層の熱可塑性微粒子
量が0.5〜9g/m2であることを特徴とする画像形
成方法。
【0012】(請求項2)単位面積当たりの最大顔料打
ち込み量が0.7〜1.6g/m2であり、かつ該記録
媒体表層の熱可塑性微粒子量が2〜5g/m2であるこ
とを特徴とする請求項1記載の画像形成方法。
【0013】(請求項3)表層に熱可塑性微粒子含有層
を有する記録媒体上に顔料インクでインクジェット記録
後、少なくとも加熱処理を行う画像形成方法において、
単位面積当たりの最大顔料打ち込み量がXg/m2であ
り、該記録媒体表層の熱可塑性微粒子量がYg/m2
あるとき下記式Iの関係を満足することを特徴とする画
像形成方法。 式I: 1≦Y/X≦16
【0014】(請求項4)顔料インク中の顔料の平均粒
径が50〜150nmであることを特徴とする請求項1
〜3の何れかに記載の画像形成方法。
【0015】(請求項5)顔料インクの表面張力が30
〜45mN/mであることを特徴とする請求項1〜4の
何れかに記載の画像形成方法。
【0016】(請求項6)加熱処理と同時もしくは直後
に加圧処理することを特徴とする請求項1〜5の何れか
に記載の画像形成方法。
【0017】(請求項7)加熱温度が100℃〜200
℃であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載
の画像形成方法。
【0018】(請求項8)加圧処理における圧力が9.
8×10-4〜4.9×10-6Paであることを特徴とす
る請求項6又は7記載の画像形成方法。
【0019】(請求項9)加熱処理を熱ローラで行い、
熱ローラ部の搬送速度が、1〜15mm/秒であること
を特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の画像形成方
法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0021】はじめに、表層に熱可塑性微粒子含有層を
有する記録媒体について説明する。記録媒体の構成とし
ては、表層に熱可塑性微粒子含有層を有するものであれ
ば特に限定されないが、好ましくは支持体上に単層もし
くは多層のインク吸収性を有する層(インク吸収層)を
設け、その上層に熱可塑性微粒子含有層を設ける構成が
好ましい。熱可塑性微粒子含有層のインク吸収性、特に
吸収速度が極めて速い場合や充分な容量を有する場合
は、下層にインク吸収層を設ける必要はない。
【0022】表層の熱可塑性微粒子含有層は実質的に最
表層であることが好ましいが、画質低下をきたさない程
度に熱可塑性微粒子含有層のさらに上層に例えば表面物
性を改良する目的に別途層を設けても良い。
【0023】支持体としては、従来からインクジェット
記録媒体に用いられている支持体、例えば、普通紙、ア
ート紙、コート紙およびキャストコート紙などの紙支持
体、プラスティック支持体、両面をポリオレフィンで被
覆した紙支持体、これらを張り合わせた複合支持体を用
いることができる。
【0024】支持体とインク吸収層の接着強度を大きく
する等の目的で、インク吸収層の塗布に先立って、支持
体にコロナ放電処理や下引処理等を行うことが好まし
い。さらに、本発明の記録用紙(支持体)は必ずしも無
色である必要はなく、着色された記録用紙であってもよ
い。
【0025】原紙支持体の両面をポリエチレンでラミネ
ートした紙支持体を用いることが、記録画像が写真画質
に近く、しかも低コストで高品質の画像が得られるため
に特に好ましい。そのようなポリエチレンでラミネート
した紙支持体について以下に説明する。
【0026】紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステ
ルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとし
てはLBKP、LBSP、NBKP、NBSP、LD
P、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用いること
が出来るが短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBS
P、NDP、LDPをより多く用いることが好ましい。
但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10質量%
以上、70質量%以下が好ましい。
【0027】上記パルプには不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも
有用である。
【0028】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことが出来る。
【0029】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500 mlが好ましく、また、叩解
後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メ
ッシュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和
が30乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の
質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0030】原紙の坪量は、30乃至250gが好まし
く、特に50乃至200gが好ましい。原紙の厚さは4
0乃至250μmが好ましい。
【0031】原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー
処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は
0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が
一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に
規定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0032】原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良
く、表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるサイ
ズ剤と同様のサイズ剤を使用できる。
【0033】原紙のpHは、JIS−P−8113で規
定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であ
ることが好ましい。
【0034】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが
他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用すること
が出来る。
【0035】特に、インク吸収層側のポリエチレン層は
写真用印画紙で広く行われているようにルチルまたはア
ナターゼ型の酸化チタンをポリエチレン中に添加し、不
透明度および白色度を改良したものが好ましい。酸化チ
タン含有量は、ポリエチレンに対して通常3〜20質量
%、好ましくは4〜13質量%である。
【0036】ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用いる
ことも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し出
してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って
通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を
形成したものも本発明で使用できる。
【0037】原紙の表裏に用いられるポリエチレンの使
用量は空隙層やバック層を設けた後で低湿および高湿下
でのカールを最適化するように選択されるが、通常空隙
層側のポリエチレン層が20〜40μm、バック層側が
10〜30μmの範囲である。
【0038】更に上記ポリエチレンで被覆紙支持体は以
下の特性を有していることが好ましい。
【0039】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で縦方向が2〜30kg、横方向が1
乃至20kgであることが好ましい 2.引き裂き強度はJIS−P−8116による規定方
法で縦方向が10〜200g、横方向が20乃至200
gが好ましい 3.圧縮弾性率≧98.1 MPa 4.表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定さ
れる条件で20秒以上が光沢面としては好ましいが、い
わゆる型付け品ではこれ以下であっても良い 5.表面粗さ:JIS−B−0601に規定された表面
粗さが、基準長さ2.5mm当たり最大高さは10μm
以下であることが好ましい 6.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法
で測定したときに80%以上、特に85〜98%が好ま
しい 7.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*、a
*、b*がL*=80〜95、a*=−3〜+5、b*
=−6〜+2であることが好ましい 8.表面光沢度:JIS−Z−8741に規定される6
0度鏡面光沢度が10〜95%であることが好ましい 9.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛
直度が50〜300cm3/100である支持体が好ま
しい 10.中紙の含水率:中紙に対して通常2〜100質量
%、好ましくは2〜6質量%
【0040】次に、記録媒体のインク吸収層について説
明する。インク吸収層としては、大きく別けて、膨潤型
と空隙型がある。
【0041】膨潤型としては、親水性バインダーとし
て、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリエチレンオキサイド等を単独もしくは併用
して塗布し、これをインク吸収層としたものである。
【0042】空隙型としては、微粒子及び、親水性バイ
ンダーを混合して塗布したもので、特に光沢性のあるも
のが好ましい。微粒子としては、アルミナもしくはシリ
カが好ましく、特に粒径0.1μm以下のシリカを用い
たものが好ましい。親水性バインダーとしては、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポ
リエチレンオキサイド等を単独もしくは併用したものが
好ましい。
【0043】連続、高速プリントに適応するには、記録
媒体のインク吸収速度が速い方が適しており、この点か
ら、空隙型を特に好ましく用いることができる。
【0044】以下に、空隙型インク吸収層について詳し
く説明する。
【0045】空隙層は、主に親水性バインダーと無機微
粒子の軟凝集により形成されるものである。
【0046】従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は
種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有
する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれ
らのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方
法、固体微粒子および親水性または疎水性バインダーを
含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インク
ジェット記録用紙を水或いは適当な有機溶媒を含有する
液に浸漬して固体微粒子を溶解させて空隙を作製する方
法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含有す
る塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡させて
皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と親水
性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布し、多
孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、親水性
バインダーに対して概ね等量以上(好ましくは1.0倍
以上)の容積を有する固体微粒子及びまたは微粒子油滴
と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布
して固体微粒子の間に空隙を作製する方法等が知られて
いる。
【0047】本発明においては、空隙層に、平均粒径が
100nm以下の各種無機(固体)微粒子を含有させる
ことによって形成されることが特に好ましい。
【0048】上記の目的で使用される無機微粒子として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができ
る。
【0049】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で
観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を求めてその
単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個々
の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定したと
きの直径で表したものである。
【0050】無機微粒子としては、シリカ及びアルミナ
またはアルミナ水和物から選ばれた固体微粒子を用いる
ことが好ましく、シリカがより好ましい。
【0051】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカ或いは気相法で合成された
シリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特に
好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダル
シリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好まし
く、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高い
空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的で
用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに粗大凝
集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミナま
たはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質であっ
てもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子など任
意の形状のものを使用することができる。
【0052】微粒子は、カチオン性ポリマーと混合する
前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態である
のが好ましい。
【0053】無機微粒子は、その粒径が100nm以下
であることが好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリ
カの場合、一次粒子の状態で分散された無機微粒子の一
次粒子の平均粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、
100nm以下のものが好ましく、より好ましくは4〜
50nm、最も好ましくは4〜20nmである。
【0054】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロジルが
市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に例
えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム
インダクターミキサーなどにより容易に吸引分散するこ
とで比較的容易に一次粒子まで分散することが出来る。
【0055】親水性バインダーとしては、例えばポリビ
ニルアルコール、ゼラチン、ポリエチレンオキサイド、
ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル
アミド、ポリウレタン、デキストラン、デキストリン、
カラーギーナン(κ、ι、λ等)、寒天、プルラン、水
溶性ポリビニルブチラール、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等の水溶性樹脂が挙げ
られる。
【0056】これらの水溶性樹脂は二種以上併用するこ
とも可能である。
【0057】本発明で好ましく用いられる水溶性樹脂は
ポリビニルアルコールである。
【0058】本発明で好ましく用いられるポリビニルア
ルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる
通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変
性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するア
ニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルア
ルコール、あるいは後述のノニオン変性ポリビニルアル
コールも含まれる。
【0059】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1,000以上のものが
好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,
000のものが好ましく用いられる。
【0060】ケン化度は70〜100%のものが好まし
く、80〜99.5%のものが特に好ましい。
【0061】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば特開昭61−10483号公報に記載されて
いるような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム
基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有
するポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有す
るエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体を
ケン化することにより得られる。
【0062】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えばトリメチル−(2−アクリルアミ
ド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクローライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクローライド、N−ビニル
イミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、
N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミ
ド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロー
ライド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピ
ル)アンモニウムクローライド、N−(1,1−ジメチ
ル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が
挙げられる。
【0063】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0064】アニオン変性ポリビニルアルコールは例え
ば、特開平1−206088号公報に記載されているよ
うなアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開
昭61−237681号公報、および同63−3079
799号公報に記載されているような、ビニルアルコー
ルと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体及び特
開平7−285265号公報に記載されているような水
溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられ
る。
【0065】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号公報に記載さ
れているようなポリアルキレンオキサイド基をビニルア
ルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導
体、特開平8−25795号公報に記載された疎水性基
を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック
共重合体等が挙げられる。
【0066】ポリビニルアルコールは重合度や変性の種
類の異なったものなどを二種類以上併用することもでき
る。
【0067】インク吸収層に用いられる無機微粒子の添
加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙率、
無機微粒子の種類、水溶性樹脂の種類に大きく依存する
が、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜30g、
好ましくは10〜25gである。
【0068】またインク吸収層に用いられる無機微粒子
と水溶性樹脂の比率は質量比で通常2:1〜20:1で
あり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
【0069】またインク吸収層には、分子内に第四級ア
ンモニウム塩基を有するカチオン性の水溶性ポリマーを
含有してもよく、インクジェット記録用紙1m2当たり
通常0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gの範囲で
用いられる。
【0070】空隙層において、空隙の総量(空隙容量)
は記録用紙1m2当り20ml以上であることが好まし
い。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印字時のイ
ンク量が少ない場合には、インク吸収性は良好であるも
のの、インク量が多くなるとインクが完全に吸収され
ず、画質を低下させたり、乾燥性の遅れを生じるなどの
問題が生じやすい。
【0071】インク保持能を有する空隙層において、固
形分容量に対する空隙容量を空隙率という。本発明にお
いて、空隙率を50%以上にすることが、不必要に膜厚
を厚くさせないで空隙を効率的に形成できるので好まし
い。
【0072】空隙型の他のタイプとして無機微粒子を用
いてインク吸収層を形成させる以外に、ポリウレタン樹
脂エマルジョン、これに水溶性エポキシ化合物及び/又
はアセトアセチル化ポリビニルアルコールを併用し、更
にエピクロルヒドリンポリアミド樹脂を併用させた塗工
液を用いてインク吸収層を形成させてもよい。
【0073】この場合のポリウレタン樹脂エマルジョン
はポリカーボネート鎖、ポリカーボネート鎖及びポリエ
ステル鎖を有する粒子径が3.0μmであるポリウレタ
ン樹脂エマルジョンが好ましく、ポリウレタン樹脂エマ
ルジョンのポリウレタン樹脂がポリカーボネートポリオ
ール、ポリカーボネートポリオール及びポリエステルポ
リオール有するポリオールと脂肪族系イソシアネート化
合物とを反応させて得られたポリウレタン樹脂が、分子
内にスルホン酸基を有し、さらにエピクロルヒドリンポ
リアミド樹脂及び水溶性エポキシ化合物及び/又はアセ
トアセチル化ビニルアルコールを有することが更に好ま
しい。
【0074】上記ポリウレタン樹脂を用いたインク吸収
層はカチオンとアニオンの弱い凝集が形成され、これに
伴い、インク吸収能を有する空隙が形成されて、画像形
成できると推定される。
【0075】次に、熱可塑性微粒子含有層について説明
する。熱可塑性微粒子含有層は熱可塑性微粒子及び必要
に応じて添加するバインダーを主成分として構成され
る。熱可塑性微粒子含有層に添加してもよい他の成分と
しては、微量の無機フィラー(インク吸収層の説明で具
体的に記載した無機微粒子)、画像保存性向上剤(例え
ば、UV吸収剤、酸化防止剤など)、油剤などが挙げら
れる。
【0076】本発明に用いられる熱可塑性樹脂粒子とし
ては、例えば、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリ
ル、ポリスチレン、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル
酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル、これ
らの共重合体及びこれらの塩が挙げられる。熱可塑性樹
脂粒子を選択するにあたりインク受容性、加熱及び加圧
による定着後の画像の光沢性、画像堅牢性及び離型性を
考慮すべきである。
【0077】インク受容性については、熱可塑性樹脂粒
子の粒径が0.05μm未満の場合は、顔料インク中の
顔料粒子とインク溶媒の分離が遅くなり、インク吸収速
度の低下を招くことになる。また10μmを越えると、
支持体上に塗設する際にインク受容層に隣接する溶媒吸
収層との接着性や、塗設乾燥後のインクジェット記録媒
体の被膜強度の点から好ましくない。このために好まし
い熱可塑性樹脂粒子径としては好ましくは0.05〜1
0μm、より好ましくは0.1〜5μmである。
【0078】また、熱可塑性樹脂粒子の選択の基準とし
てはガラス転移点(Tg)が挙げられる。
【0079】Tgが塗布乾燥温度より低い場合は、例え
ば記録媒体製造時の塗布乾燥温度が既にTgより高く、
インク溶媒が透過するための熱可塑性微粒子による空隙
が消失してしまう。またTgが、支持体の熱による変性
を起こす温度以上の場合は、顔料インクによるインクジ
ェット記録後溶融成膜するために高温での定着操作が必
要となり、装置上の負荷及び支持体の熱安定性等が問題
となる。
【0080】以上の点を考慮すると、熱可塑性樹脂粒子
の好ましいTgは50〜150℃である。
【0081】熱可塑性樹脂粒子の付き量としては、0.
5〜9g/m2が好ましく、2〜5g/m2がさらに好ま
しい。熱可塑性樹脂粒子の付き量は、少なすぎると充分
な皮膜が形成されず、顔料を充分に皮膜中に分散するこ
とができない。このため、画質、光沢が充分に向上しな
い。また樹脂粒子の付き量が多すぎると、短時間の加熱
工程で熱可塑性微粒子を完全に皮膜化できず、微粒子の
まま残り不透明性がありかえって画質が低下する。ま
た、インク吸収速度も低下させてしまい境界にじみが発
生し問題となる。
【0082】記録媒体の製造方法としては、単層もしく
は2層以上のインク吸収層および、単層もしくは2層以
上の熱可塑性微粒子含有層を各々もしくは同時に公知の
方法から適宜選択して支持体上に塗布、乾燥して製造す
ることができる。製造コストの観点からは、全層を一回
の塗布で済ます同時塗布が好ましい。
【0083】塗布方式としては、ロールコーティング
法、ロッドバーコーティング法、エアナイフコーティン
グ法、スプレーコーティング法、カーテン塗布方法ある
いは米国特許第2,681,294号公報記載のホッパ
ーを使用するエクストルージョンコート法が好ましく用
いられる。
【0084】次に顔料インクについて説明する。顔料イ
ンクとしては、水系インク組成物、油系インク組成物、
固体(相変化)インク組成物等を用いることができる
が、水系インク組成物(例えばインク総重量あたり10
重量%以上の水を含有する水系インクジェット記録液
等)を特に好ましく用いることができる。顔料インク中
の顔料としては、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料
および、カーボンブラックを好ましく用いることができ
る。
【0085】不溶性顔料としては、特に限定するもので
はないが、例えばアゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニ
ルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アント
ラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソイ
ンドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チ
アジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、
ジケトピロロピロール等が好ましい。
【0086】好ましく用いることのできる具体的顔料と
しては、以下の顔料が挙げられる。
【0087】マゼンタまたはレッド用の顔料としては、
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッ
ド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピ
グメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメン
トレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、
C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント
レッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.
I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッ
ド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げら
れる。
【0088】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0089】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0090】これらの顔料は必要に応じて顔料分散剤を
使用してもよく、使用できる顔料分散剤としては、例え
ば高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫
酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフ
タレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシア
ルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキ
レンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、
ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミ
ド、アミンオキシド等の活性剤、あるいはスチレン、ス
チレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、
アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イ
タコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導
体から選ばれた1種の単量体からなる重合体、あるいは
2種以上の単量体からなる共重合体もしくはブロック共
重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げるこ
とができる。
【0091】顔料の分散方法としては、ボールミル、サ
ンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘ
ンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザ
ー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカ
ー等各種を用いることができる。
【0092】本発明において、顔料分散体の粗粒分を除
去する目的で遠心分離装置を使用すること、フィルター
を使用することも好ましく用いられる。
【0093】顔料インク中の顔料の平均粒径はインク中
での安定性、画像濃度、光沢感、耐光性などを考慮して
選択するが、加えて本発明の画像形成方法では、光沢向
上、質感向上の観点からも粒径を選択するのが好まし
い。本発明において、顔料インク中の顔料の平均粒径は
30〜200nmが好ましく、光沢向上、質感向上とい
う観点からすると50〜150nmの範囲が特に好まし
い。本発明において平均粒径が50〜150nmの場合
に光沢向上、質感向上する理由は定かでは無いが、画像
において顔料は熱可塑性微粒子が溶融した皮膜中に分散
された状態にあることと関連していると思われる。
【0094】高速処理を目的とすると短時間で熱可塑性
微粒子を溶融皮膜化し、更に顔料を充分に皮膜中に分散
しなければならない。このとき顔料の表面積は大きく影
響し、それゆえ平均粒径に適点があるようである。
【0095】顔料インクとして好ましい形態である水系
インク組成物は、水溶性有機溶媒を併用することが好ま
しい。
【0096】水溶性有機溶媒の例としては、アルコール
類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、
イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカ
ンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタ
ノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジル
アルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタン
ジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグ
リコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブ
チルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモ
ノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノー
ルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタ
ノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エ
チレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテ
トラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイ
ミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチ
ルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリ
ドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピ
ロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2
−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジ
メチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホ
ラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げら
れる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコー
ル類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アル
コールエーテルを併用することが特に好ましい。
【0097】水溶性有機溶媒は単独もしくは複数を併用
しても良い。水溶性有機溶媒のインク中の添加量として
は、総量で5〜60重量%であり、好ましくは10〜3
5重量%である。
【0098】インク組成物は必要に応じて吐出安定性、
プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定
性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、
粘度調整剤、表面張力調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成
剤、分散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を添加することもでき
る。
【0099】インク組成物は、その飛翔時の粘度として
40cps以下が好ましく、30cps以下であること
がより好ましい。
【0100】インク組成物は、その飛翔時の表面張力と
して20mN/m以上が好ましく、30〜45mN/m
であることがより好ましい。
【0101】次に、本発明における単位面積当たりの最
大顔料打ち込み量について説明する。先に説明したよう
に、短時間の加熱工程で熱可塑性微粒子を完全に皮膜化
しうる熱可塑性微粒子量は限りがあり、その熱可塑性微
粒子量で充分に顔料を被覆し、その結果として画質、光
沢等を満足いくレベルにするには、顔料量にも制約があ
ることが判った。単位面積当たりの最大顔料打ち込み量
としては、0.5〜1.8g/m2の範囲であれば画
質、光沢等を満足いくレベルになるが、0.7〜1.6
g/m2の範囲であることがより高い画質を得る上で好
ましい。
【0102】最大顔料打ち込み量は、単色の打ち込み量
ではなく、多色でありさらに濃あるいは淡インクの総計
である。これはプリンタで設定されている最大インク打
ち込み量とインク中の顔料濃度により決めることができ
る。
【0103】次に、本発明において、顔料と熱可塑性微
粒子量の比率について説明する。単位面積当たりの最大
顔料打ち込み量がXg/m2であり、該記録媒体表層の
熱可塑性微粒子量がYg/m2であるとき質感、光沢、
ブロンズの有無といった画質向上の観点から下記の関係
にあることが好ましい。
【0104】1≦Y/X≦16
【0105】これは先に説明したように、顔料を皮膜化
した熱可塑性微粒子中に充分に分散するには、Y/Xの
関係が重要である。
【0106】次に、本発明における加熱処理について説
明する。加熱処理は記録媒体中の熱可塑性微粒子を溶融
皮膜化し、その結果として質感、光沢、ブロンズの有無
といった画質向上および擦り性改善を目的に行う。加熱
処理では記録媒体中の熱可塑性微粒子をほぼ完全に溶融
皮膜化するのに必要な熱量を付与することが望ましい、
一方処理時間の短縮にはなるべく短時間で加熱すること
が望ましく、画質に実質的に差が見られないようであれ
ば、熱可塑性微粒子の溶融皮膜化は完全でなくてもかま
わない。
【0107】短時間で必要な熱量を付与するためには、
できる限り高温の熱源を用いて加熱することが望ましい
が、あまり高温になると支持体の破損、激しいカール発
生、あるいは、画像表面の荒れが生じることがあり、1
00〜200℃の範囲が好ましく、100〜150℃の
範囲がさらに好ましい。
【0108】加熱はプリンタ内臓の加熱機で行っても、
別の加熱機で行っても良い。加熱手段としては、熱ロー
ラを用いることが、ムラの発生をなくし、小スペース
で、連続処理をするのに適している。また、電子写真の
加熱定着機を転用できることからコスト的にも有利であ
る。
【0109】例えば発熱体が内蔵した熱ローラと圧着ロ
ーラとの間に記録媒体を通すことによって加熱、加圧す
る。2つの熱ローラで記録媒体をはさんで加熱してもよ
い。
【0110】熱ローラは、中空状のローラからなり、駆
動手段により回転する。ローラ内には熱源である、ハロ
ゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線
等からなる発熱体を内蔵する。ローラは、熱伝導性の高
い材料が好ましく、金属ローラが好ましい。ローラ表面
は、汚染を防ぐためにフッ素樹脂コートされてることが
好ましい。その他、耐熱シリコンを被覆したシリコンゴ
ムローラを用いることができる。
【0111】熱ローラを用いる場合の記録媒体の搬送速
度は1〜15mm/秒の範囲が好ましい。これは、高速
処理性の観点意外に、画質の観点からも好ましいことが
判った。
【0112】より高い質感、光沢を得るために、加熱処
理と同時もしくはその直後に加圧処理することが好まし
い。加圧処理する圧力としては、9.8×10-4〜4.
9×10-6Paの範囲が好ましい。これは加圧により皮
膜化が促進されるためである。
【0113】以下、図面に基づいて、プリンター(イン
クジェット記録装置)の好ましい例を説明する。
【0114】図1は、インクジェット記録装置の概略構
成図である。
【0115】記録媒体1は、ロール状に巻回された長尺
状のロールペーパーであり、記録媒体搬送手段(以下、
単に搬送手段という。)2によって図示右方向へ搬送さ
れ、搬送手段2の下流側に配置された記録ヘッド3によ
って記録媒体1の記録面上に所定の画像が記録形成され
るようになっている。
【0116】搬送手段2は、図示しない駆動手段により
回転駆動される駆動ローラと記録媒体1を駆動ローラと
の間に挟みつけるための従動ローラとを有する搬送ロー
ラ対21によって構成され、記録媒体1を搬送ローラ対
21の間に挟持した状態で、駆動ローラの回転駆動によ
り、後述する記録ヘッド3による画像記録に応じて図示
右方向(副走査方向)へ所定量搬送するようになってい
る。
【0117】記録ヘッド3は、搬送手段2の記録媒体搬
送方向の下流側に配置され(以下、本明細書で「上流
側」又は「下流側」というときは、記録媒体1の搬送方
向に沿う上流側又は下流側をいう。)、例えばY(イエ
ロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラッ
ク)等の各色のインクが貯留された複数のインクタンク
を有しており、画像データに応じて所定のインクを所定
のタイミングで噴射させることにより、上記搬送手段2
による記録媒体1の搬送と協働して、記録媒体1の記録
面上に所定の画像を記録形成する。
【0118】記録媒体1を挟んで記録ヘッド3の反対側
には、記録媒体保持部34が配置されており、図示しな
い吸引手段によりその表面に記録媒体1を吸着保持し、
記録媒体1の記録面上に記録ヘッド3により画像を記録
形成する際の記録媒体1の浮き上がりを防止する。
【0119】加熱加圧手段4は、記録ヘッド3によって
画像が記録形成された後の記録媒体1に対して加熱加圧
するべく記録ヘッド3の下流側に配置されており、熱ロ
ーラ41と、記録媒体1を該熱ローラ41との間に挟み
付けるための圧着ローラ42とを有して構成されてい
る。
【0120】熱ローラ41は中空状のローラからなり、
図示しない駆動手段により回転駆動可能に構成されると
共に、熱源であるハロゲンランプヒーター、セラミック
ヒーター、ニクロム線等からなる発熱体43を内蔵して
おり、該発熱体43の熱により熱ローラ41を加熱さ
せ、記録媒体1のインク受容層中に含まれる熱可塑性樹
脂粒子を溶融させる。この熱ローラ41は、発熱体43
から発せられる熱により効率良く記録媒体1を加熱する
ことができるように熱伝導率の高い材質により形成され
ることが好ましく、金属ローラが好ましく用いられる。
表面には記録媒体1を加熱加圧した際のインクによる汚
染を防止するためフッ素樹脂コートされていることが好
ましい。その他、耐熱シリコンを被覆したシリコンゴム
ローラを用いることもできる。
【0121】また、圧着ローラ42は、図示しない付勢
手段により記録媒体1を挟んで熱ローラ41に対して所
定の加圧力をもって圧着するように付勢され、熱ローラ
41との間で記録媒体1を加圧する。
【0122】この圧着ローラ42と熱ローラ41との間
で形成されるニップ領域は、記録媒体1を熱ローラ41
の表面に対して大きな接触面積で圧接させて加熱加圧時
間を多く稼ぐことができるように、ある程度の幅を有し
ていることが望ましい。従って、圧着ローラ42は、少
なくともその表面が弾性を有することが好ましく、例え
ば金属軸の表面に弾性ゴムを被覆した弾性ローラが好ま
しく用いられる。
【0123】熱ローラ41の表面に近接して温度センサ
5が配置されており、加熱加圧手段4はこの温度センサ
5によりその表面温度が検出される。温度センサ5によ
り検出された加熱ロール41の表面温度の検出信号は温
度制御手段(図示せず)に送られ、該温度制御手段にお
いて発熱体43の発熱量を制御することにより、加熱加
圧手段4を記録媒体1のインク受容層中の熱可塑性樹脂
粒子を適切に溶融及び平滑化させて好ましく透明化し得
る所定の温度範囲に制御するようになっている。
【0124】6は記録媒体切断手段(以下、単に切断手
段という。)であり、上記記録ヘッド3と加熱加圧手段
4との間の搬送路途上に配設されている。図示する切断
手段6は、記録媒体1の幅方向に亘る長さを有すると共
に該記録媒体1を挟んで対向状に設けられた一対のカッ
タ61、62を有し、記録ヘッド3により画像が記録さ
れた後の長尺状の記録媒体1をその幅方向に亘って一度
に切断するようにしたものを示しているが、単一のカッ
タを記録媒体1の幅方向に沿って移動可能に設け、該カ
ッタの走査移動により記録媒体1をその幅方向に亘って
切断するようにしてもよい。
【0125】7はたるみ形成手段であり、切断手段6と
加熱加圧手段4との間の搬送路途上に配設されている。
たるみ形成手段7は、上流側から、記録媒体1を挟んで
対向する第1のローラ対71と第2のローラ対72とを
それぞれ有し、それら第1及び第2のローラ対71、7
2がそれぞれ図示しない駆動手段により独立して回転駆
動可能に構成されている。そして、記録媒体1の先頭
(記録ヘッド3により最初に画像記録が行われた側)が
第2のローラ対72に挟持された時に、第2のローラ対
72の回転を停止し、第1のローラ対71のみにより記
録媒体1を搬送することで、第1のローラ対71と第2
のローラ対72との間の搬送路に記録媒体1のたるみ1
aを形成可能としている。
【0126】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はかかる実施例によって何ら限定される
ものでない。
【0127】 (インク作成) [顔料分散液の作製] イエロー顔料分散体1の調製 C.I.ピグメントイエロー74 20質量% スチレン−アクリル酸共重合体(分子量10,000、酸価120) 12質量% ジエチレングリコール 15質量% イオン交換水 残量 を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、イエロー顔料分散体1
を得た。得られたイエロー顔料の平均粒径は112nm
であった。
【0128】 マゼンタ顔料分散体1の調製 C.I.ピグメントレッド122 25質量% ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) (固形分)18質量% ジエチレングリコール 15質量% イオン交換水 残量 を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、マゼンタ顔料分散体1
を得た。得られたマゼンタ顔料の平均粒径は105nm
であった。
【0129】 シアン顔料分散体1の調製 C.I.ピグメントブルー15:3 25質量% ジョンクリル61(アクリル−スチレン系樹脂、ジョンソン社製) (固形分)15質量% グリセリン 10質量% イオン交換水 残量 を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、シアン顔料分散体1を
得た。得られたシアン顔料の平均粒径は87nmであっ
た。
【0130】 ブラック顔料分散体1の調製 カーボンブラック 20質量% スチレン−アクリル酸共重合体(分子量7,000、酸価150) 10質量% グリセリン 10質量% イオン交換水 残量 を混合し、0.3mmのジルコニアビーズを体積率で6
0%充填した横型ビーズミル(アシザワ(株)製システ
ムゼータミニ)を用いて分散し、ブラック顔料分散体1
を得た。得られたブラック顔料の平均粒径は75nmで
あった。
【0131】上記の顔料分散体の分散時間を短縮し、以
下の平均粒径の各色の顔料分散体を各々得た。 イエロー顔料分散体2 平均粒径 170μm マゼンタ顔料分散体2 平均粒径 190μm シアン顔料分散体2 平均粒径 180μm ブラック顔料分散体2 平均粒径 160μm
【0132】また、上記顔料分散体の分散条件を変更
し、更に得られた顔料分散体を遠心分離により大粒径成
分を除去することで小粒径の以下の平均粒径の各色の顔
料分散体を各々得た。 イエロー顔料分散体3 平均粒径 41μm マゼンタ顔料分散体3 平均粒径 42μm シアン顔料分散体3 平均粒径 40μm ブラック顔料分散体3 平均粒径 35μm
【0133】 [顔料インクの調製] イエロー濃インク1) イエロー顔料分散体1 15質量% アクリルエマルジョン 10質量% (ヨドゾールAD53 Tg80℃ 平均粒径80nm 日本NCS社) エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0134】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は120nmであり、表面張力γ
aは36mN/mであった。
【0135】 イエロー淡インク1 イエロー顔料分散体1 3質量% アクリルエマルジョン 10質量% (ヨドゾールAD53 Tg80℃ 平均粒径80nm 日本NCS社) エチレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0136】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は118nmであり、表面張力γ
bは37mN/mであった。
【0137】 マゼンタ濃インク1 マゼンタ顔料分散体1 15質量% スチレン−アクリルエマルジョン 10質量% (マイクロジェルE−1002 Tg約60℃ 平均粒径100nm 日本ペ イント社) エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0138】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は113nmであり、表面張力γ
aは35mN/mであった。
【0139】 マゼンタ淡インク1 マゼンタ顔料分散体1 3質量% アクリルエマルジョン 8質量% (マイクロジェルE−1002 Tg約60℃ 平均粒径100nm 日本ペ イント社) エチレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0140】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は110nmであり、表面張力γ
bは37mN/mであった。
【0141】 シアン濃インク1 シアン顔料分散体1 10質量% スチレン−アクリルエマルジョン 10質量% (ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0142】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は95nmであり、表面張力γa
は36mN/mであった。
【0143】 シアン淡インク1 シアン顔料分散体1 2質量% アクリルエマルジョン 10質量% (ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) エチレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.2質量% イオン交換水 残量
【0144】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は92nmであり、表面張力γb
は33mN/mであった。
【0145】 ブラック濃インク1 ブラック顔料分散体1 10質量% アクリルエマルジョン 8質量% (ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) エチレングリコール 20質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 5質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0146】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は85nmであり、表面張力γa
は35mN/mであった。
【0147】 ブラック淡インク1 ブラック顔料分散体1 2質量% アクリルエマルジョン 8質量% (ヨドゾールGD86B Tg60℃ 平均粒径90nm 日本NCS社) エチレングリコール 25質量% ジエチレングリコール 10質量% マルチトール 10質量% 界面活性剤(サーフィノール465 日信化学工業社) 0.1質量% イオン交換水 残量
【0148】以上の組成を混合攪拌し、1μmフィルタ
ーでろ過し、本発明の水性顔料インクを作製した。イン
ク中の顔料の平均粒径は89nmであり、表面張力γa
は36mN/mであった。
【0149】上記の各色、各濃淡インク処方にならい下
表のインクを作成した。
【0150】
【表1】
【0151】(メディア作成)記録媒体1の作製 〈酸化チタン分散液−1の調製〉平均粒径が0.25μ
mの酸化チタン20kg(石原産業:W−10)をpH
7.5のトリポリリン酸ナトリウムを150g、ポリビ
ニルアルコール(クラレ株式会社:PVA235、平均
重合度3500)500g、カチオン性ポリマー(P−
1)の150g及びサンノブコ株式会社消泡剤SN38
1を10g含有する水溶液90リットルに添加し、高圧
ホモジナイザー(三和工業株式会社製)で分散した後全
量を100リットルに仕上げて均一な酸化チタン分散液
−1を得た。
【0152】
【化1】
【0153】〈シリカ分散液−1の調製〉1次粒子の平
均粒径が0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジ
ル工業株式会社:A300)125kgを三田村理研工
業株式会社製のジェットストリーム・インダクターミキ
サーTDSを用いて、硝酸でpH=2.5に調整した6
20リットルの純水中に室温で吸引分散した後に、全量
を694リットルに純水で仕上げた。この分散液を希釈
した粒子の電子顕微鏡写真を撮影したところ、ほとんど
の粒子が0.01μm以下の平均粒径であり1次粒子ま
で分散されていることを確認した(ほとんどの粒子とは
85〜90%の粒子のことをいう)。
【0154】〈シリカ分散液−2の調製〉カチオン性ポ
リマー(P−2)を1.41kg、エタノール4.2リ
ットルを含有する溶液(pH=2.3)18リットルに
25〜30℃の温度範囲で、シリカ分散液−1の69.
4リットルを攪拌しながら20分かけ添加し、ついでホ
ウ酸260gとホウ砂230gを含有する水溶液(pH
=7.3)7.0リットルを約10分かけて添加し、前
記の消泡剤SN381を1g添加した。この混合液を三
和工業株式会社製高圧ホモジナイザーで24.5MPa
の圧力で2回分散し、全量を純水で97リットルに仕上
げてほぼ透明なシリカ分散液−2を調製した。
【0155】
【化2】
【0156】〈蛍光増白剤分散液−1の調製〉チバガイ
ギー株式会社製の油溶性蛍光増白剤UIVITEX−O
B、400gをジイソデシルフタレート9000g及び
酢酸エチル12リットルに加熱溶解し、これを酸処理ゼ
ラチン3500g、カチオン性ポリマー(P−2)、サ
ポニン50%水溶液6000mlを含有する水溶液65
リットルに添加混合して三和工業株式会社製の高圧ホモ
ジナイザーで24.5Mpa(250kgf/cm2)
の圧力で3回乳化分散し、減圧で酢酸エチルを除去した
後全量を100リットルに仕上げた。この分散液のpH
は約5.3であった。
【0157】〈塗布液の調製〉第1層、第2層、第3層
の塗布液を以下の手順で調製した。
【0158】第1層用塗布液 シリカ分散液−1の600mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度:3500))の7%水溶液 194.6ml 蛍光増白剤分散液−1 25ml 酸化チタン分散液−1 33ml 第一工業株式会社製:ラテックスエマルジョン・AE−803 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0159】第2層用塗布液 シリカ分散液−2の650mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度3500))の7%溶液 201.6ml 蛍光増白剤分散液−1 35ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0160】第3層用塗布液 シリカ分散液−2の650mlに40℃で攪拌しなが
ら、以下の添加剤を順次混合した。 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 (平均重合度3500))の7%水溶液 201.6ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製・ BY−22−839) 15ml サポニン50%水溶液 4ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
4.5であった。
【0161】上記のように得られた塗布液を下記のフィ
ルターで濾過した。 第1層と第2層:東洋濾紙株式会社製TCP10で2段
濾過 第3層:東洋濾紙株式会社製TCP30で2段濾過
【0162】次いで、両面をポリエチレンで被覆した紙
支持体(厚みが220μmでインク吸収層面のポリエチ
レン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナター
ゼ型酸化チタン含有)に第1層(50μm)、第2層
(100μm)、第3層(50μm)の順になるように
各層を塗布した。括弧内はそれぞれ湿潤膜厚を示し、第
1層〜第3層は同時塗布した。
【0163】塗布はそれぞれの塗布液を40℃で3層式
スライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に0℃に保た
れた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相対
湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25
%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で6
0秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜6
0℃の雰囲気下で2分間調湿して試料を巻き取った。
【0164】さらに、上記試料の上に熱可塑性微粒子含
有層用の塗工液を下表の付き量になるように塗布し、記
録媒体を完成した。
【0165】
【表2】
【0166】熱可塑性樹脂層用の塗工液調液処方1 AT−2000(スチレン−アクリル酸共重合ラテックス (Tg:80℃、MFT:85℃(株)昭和高分子製)) 50% AS−7180 3% 水 47%
【0167】(記録、定着処理)図1に示す構成のプリ
ンタの8色対応ヘッドに顔料インク(イエロー、マゼン
タ、シアン、ブラック各濃淡インク)をセットし、ロー
ル幅12.7cmロール状の記録媒体1をセットし、イ
エロー、マゼンタ、シアン、ブラックのウエッジ画像を
含む画像を連続プリントした。記録媒体は8.9cm毎
に内蔵カッターにて切断した。このようにしてL版相当
のプリントを連続して500枚作成した。記録されたプ
リントは、装置内の加熱手段により加熱処理した。
【0168】得られた画像を以下の評価項目に付いて以
下の方法で評価した。結果を表3にまとめた。
【0169】〔質感の評価〕20人の一般評価者による
目視評価を行った。評価対象サンプルを同じ画像のハロ
ゲン化銀塩写真(光沢タイプ)と比較評価した。 写真同等と評価した人が15人以上の場合 評価3 写真同等と評価した人が5人以上14人未満の場合 評価2 写真同等と評価した人が5人未満の場合 評価1
【0170】〔光沢性評価〕60°光沢値を測定し、以
下のように分類評価した。 90以上 評価3 70以上90未満 評価2 70未満 評価1
【0171】〔ブロンズの評価〕画像を蛍光灯下で種々
の角度(真上を90°とし、真横を0°とした時、80
°、60°、45°、30°から観察)から観察し金属
光沢が見られる画像を1、見られない画像を2とした。
【0172】〔境界にじみの評価〕縦、横に1cm幅
で、Y、M、C、B、G、R、Bkの帯を各々描いたテ
ストチャートを作成し、これを記録し、各色の境界での
にじみ発生を目視観察し、以下のように評価した。 境界にじみがほとんど確認できないもの 評価3 1〜2箇所でわずかに境界にじみが確認できたもの 評価2 数カ所で境界にじみが確認できたもの 評価1
【0173】
【表3】
【0174】本発明で規定した、単位面積当たりの最大
顔料打ち込み量が0.5〜1.8g/m2であり、かつ
該記録媒体表層の熱可塑性微粒子量が0.5〜9g/m
2である画像は比較2〜4に対して質感、光沢、ブロン
ズといった画質項目で非常に優れていることがわかる。
比較1は顔料打ち込み量が少なく、最大濃度が低く種々
の画像表現に適していない。また、比較5は境界にじみ
が非常に悪く本発明の画像に大きく劣る。
【0175】さらに、画質的には単位面積当たりの最大
顔料打ち込み量が0.7〜1.6g/m2であり、かつ
該記録媒体表層の熱可塑性微粒子量が2g〜5g/m2
である画像1、2が最も優れていることがわかる。
【0176】また、単位面積当たりの最大顔料打ち込み
量がXg/m2であり、該記録媒体表層の熱可塑性微粒
子量がYg/m2であるとき下記の関係にある画像はそ
うで無い画像に対して光沢性で特に優れていることがわ
かる。 1≦Y/X≦16
【0177】また、顔料インク中の平均粒径が50〜1
50nmの場合は、そうで無い場合と比較して質感、光
沢に優れていることが判る。
【0178】また、顔料インクの表面張力が30〜45
mN/mの場合は、そうで無い場合と比較して質感、光
沢に優れていることが判る。
【0179】また、加熱と同時もしくは直後に加圧する
ことは、そうで無い場合と比較して質感、光沢に優れて
いることが判る。さらに加圧しない場合は、加熱時間を
より長くとる必要があり、搬送速度を低下させざるを得
ない点で不利である。
【0180】加熱温度が100℃〜200℃である場合
は、そうで無い場合と比較して質感、光沢に優れている
ことが判る。さらに、加熱温度が低い場合は、加熱時間
をより長くとる必要があり、搬送速度を低下させざるを
得ない点で不利である。
【0181】また、加圧が9.8×10-4〜4.9×1
-6Paである場合は、そうで無い場合と比較して質
感、光沢に優れていることが判る、加圧が4.9×10
-6Paより高い場合はまれに画像のはがれが生じること
もあり好ましく無い。
【0182】また、加熱処理を熱ローラで行い、熱ロー
ラ部の搬送速度が、1〜15mm/秒である場合は、そ
うで無い場合と比較して質感、光沢に優れていることが
判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の概略構成図
【符号の説明】
1:記録媒体 2:(記録媒体)搬送手段 21:搬送ローラ対 3:記録ヘッド 34:記録媒体保持部 4:加熱加圧手段 41:熱ローラ 42:圧着ローラ 43:発熱体 5:温度センサ 6:(記録媒体)切断手段 61:カッタ 62:カッタ 7:たるみ形成手段 71:第1のローラ対 72:第2のローラ対
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 眞一 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 加賀 誠 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA05 EB14 EB30 EC14 EC29 FC01 FC02 FC06 HA46 2H086 BA02 BA55 BA59 BA60

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表層に熱可塑性微粒子含有層を有する記録
    媒体上に顔料インクでインクジェット記録後、少なくと
    も加熱処理を行う画像形成方法において、単位面積当た
    りの最大顔料打ち込み量が0.5〜1.8g/m2であ
    り、かつ該記録媒体表層の熱可塑性微粒子量が0.5〜
    9g/m2であることを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】単位面積当たりの最大顔料打ち込み量が
    0.7〜1.6g/m2であり、かつ該記録媒体表層の
    熱可塑性微粒子量が2〜5g/m2であることを特徴と
    する請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】表層に熱可塑性微粒子含有層を有する記録
    媒体上に顔料インクでインクジェット記録後、少なくと
    も加熱処理を行う画像形成方法において、単位面積当た
    りの最大顔料打ち込み量がXg/m2であり、該記録媒
    体表層の熱可塑性微粒子量がYg/m2であるとき下記
    式Iの関係を満足することを特徴とする画像形成方法。 式I: 1≦Y/X≦16
  4. 【請求項4】顔料インク中の顔料の平均粒径が50〜1
    50nmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか
    に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】顔料インクの表面張力が30〜45mN/
    mであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載
    の画像形成方法。
  6. 【請求項6】加熱処理と同時もしくは直後に加圧処理す
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の画像
    形成方法。
  7. 【請求項7】加熱温度が100℃〜200℃であること
    を特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の画像形成方
    法。
  8. 【請求項8】加圧処理における圧力が9.8×10-4
    4.9×10-6Paであることを特徴とする請求項6又
    は7記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】加熱処理を熱ローラで行い、熱ローラ部の
    搬送速度が、1〜15mm/秒であることを特徴とする
    請求項1〜8の何れかに記載の画像形成方法。
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