JP2002211107A - インクジェット画像形成方法 - Google Patents

インクジェット画像形成方法

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JP2002211107A
JP2002211107A JP2001014240A JP2001014240A JP2002211107A JP 2002211107 A JP2002211107 A JP 2002211107A JP 2001014240 A JP2001014240 A JP 2001014240A JP 2001014240 A JP2001014240 A JP 2001014240A JP 2002211107 A JP2002211107 A JP 2002211107A
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ink
pigment
image forming
forming method
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JP2001014240A
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Shinichi Suzuki
眞一 鈴木
Makoto Kaga
誠 加賀
Atsushi Asatake
敦 朝武
Hidenobu Oya
秀信 大屋
Shuji Kida
修二 木田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、顔料インクを用いてインク
ジェット記録を行った際の光沢性が向上したインクジェ
ット画像形成方法を提供することにある。 【解決手段】 支持体上の最外層が、平均粒径が1μm
未満の熱可塑性樹脂粒子を含有するインク受容層である
インクジェット記録媒体に、顔料インクを付着させ、次
いで加熱及び加圧処理を施したインクジェット記録媒体
の最外層の引っ掻き強度(JIS K6717)が、2
5g以上であることを特徴とするインクジェット画像形
成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂層上
に顔料インクによりインクジェット画像を記録した後、
加熱及び加圧により透明化処理するインクジェット画像
形成方法に関し、詳しくは、形成した画像表面の光沢性
に優れたインクジェット画像形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルカメラあるいはコンピュ
ータの普及に伴い、それらの画像を紙面などに記録する
ためのハードコピー画像記録技術が急速に発達してい
る。これらのハードコピーの究極の目標は、その画質を
いかに銀塩写真に近づけるかにあり、特に、色再現性、
色濃度、解像度、光沢性、耐光性等を銀塩写真に近づけ
ることが開発の目標となっている。
【0003】この様なハードコピー記録方式としては、
銀塩写真によって画像を表示したディスプレーを直接撮
影するものの他にも、昇華型感熱転写方式、インクジェ
ット方式、静電記録方式等、多種多様な記録方式が提
案、実用化されている。これらの記録方法のうち、イン
クジェット方式によるプリンタは、フルカラー化が容易
であることや印字騒音が少ないと言う利点を有している
ので、近年急速に普及している。
【0004】このインクジェット記録方式は、ノズルか
ら被記録媒体に向けてインク液滴を高速で射出する方式
であるため、インク中には多量の揮発成分が含有される
こととなる。このため、インクジェットプリンター用の
記録媒体には、速やかにインクを吸収し、しかも優れた
発色性を有することが要求される。また、近年の技術進
歩により、染料インクによるインクジェットプリントの
銀塩写真に迫る高画質化や装置の低価格化が、その普及
をより一層加速させている。
【0005】インクジェットプリントで用いられる染料
は、主に、溶媒に可溶であり、色素分子は分子状態もし
くはクラスター状態で着色している。従って、各分子の
環境が似通っているために、その吸収スペクトルはシャ
ープであり、高純度で鮮明な発色を得ることができる。
更に、これらの染料は、粒子性がなく、その結果とし
て、散乱光や反射光が発生しないので、透明性高く、か
つ色相も鮮明であるという利点を有している。
【0006】しかしながら、その一方では、光化学反応
などにより染料の分子が破壊され易い特性を有してお
り、染料分子数の減少がそのまま着色濃度の低下に反映
し、耐光性が悪いという欠点を有している。この様に、
染料インクを用いたインクジェット記録画像では、高画
質である反面、経時保存による画像品質低下が大きく、
画像保存性の観点で、銀塩写真を凌駕する技術が未だ現
れていないのが現状である。
【0007】最近では、顔料を溶媒中に分散させたタイ
プの顔料インクを用いるものが普及し始めている。この
顔料インクを用いたインクジェット記録により得られる
記録物は、耐色性、変色性が小さいという特徴を有して
おり、特に、耐久性に優れると言った点で、染料をイン
ク成分として用いる場合に比較して、良好なハードコピ
ーが得られるという利点を有している。
【0008】しかしながら、従来では、顔料インクを用
いるインクジェット記録方法は、記録インク中に用いら
れている顔料粒子が、記録媒体上で凝集固化して存在し
ているので、どうしても光沢性のない画像になってしま
い、銀塩写真のような高光沢性のある画像を得ることが
難しい。
【0009】この画像光沢性を改良する目的で、特開2
000−85238号や同2000−80316号など
では、顔料インク中に熱可塑性樹脂粒子を含有させて画
像光沢性を向上させている方法が提案されているが、光
沢性としては、未だ不十分なものあり、また、インク中
に樹脂粒子が存在しているため目詰まり等の欠点もあ
る。特開2000−203151号には、記録媒体に熱
可塑性樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上のものを用る
方法が提案されているが、この方法では光沢性は向上す
るものの、これでも銀塩写真に比較すると十分なレベル
までは到達していないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、顔料インクを用
いてインクジェット記録を行った際の光沢性を向上した
インクジェット画像形成方法を提供することにあり、詳
しくは、熱可塑性樹脂層上への顔料インク記録後、加
熱、加圧工程における最外層の引っ掻き強度をある特定
範囲としたインクジェット画像形成方法を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0012】1.支持体上の最外層が、平均粒径が1μ
m未満の熱可塑性樹脂粒子を含有するインク受容層であ
るインクジェット記録媒体に、顔料インクを付着させ、
次いで加熱及び加圧処理を施したインクジェット記録媒
体の最外層の引っ掻き強度(JIS K6717)が、
25g以上であることを特徴とするインクジェット画像
形成方法。
【0013】2.前記熱可塑性樹脂粒子のガラス転移点
温度(Tg)及び最低成膜温度(MFT)のいずれか一
方が、40〜150℃であることを特徴とする前記1項
に記載のインクジェット画像形成方法。
【0014】3.前記インク受容層に隣接して、顔料イ
ンクの溶媒吸収層を有することを特徴とする前記1又は
2項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0015】4.前記顔料インクの溶媒吸収層が、無機
固体微粒子を含有していることを特徴とする前記3項に
記載のインクジェット画像形成方法。
【0016】5.加熱温度が、50〜150℃であるこ
とを特徴とする前記1〜4項のいずれか1項に記載のイ
ンクジェット画像形成方法。
【0017】6.加熱および加圧処理を施す手段が、熱
ローラーであることを特徴とする前記1〜5項のいずれ
か1項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0018】7.前記熱ローラによる線圧が、9.8×
104〜4.9×106Paであることを特徴とする前記
6項に記載のインクジェット画像形成方法。
【0019】8.前記顔料インクが、分散剤を含有する
ことを特徴とする前記1〜7項のいずれか1項に記載の
インクジェット画像形成方法。
【0020】本発明者らは、上記課題を対し鋭意検討を
行った結果、十分な光沢性を得るには、最外層の引っ掻
き強度を25g以上とすることにより達成されることを
見出した。詳しくは、本発明において、改良の目的であ
る光沢性は、最外層の表面粗さ、表面滑り性、膜の緻密
性等の諸性能と綿密な関係にあり、これらの諸特性は、
更に引っ掻き強度との間に相関があることが判明した。
【0021】本発明で言う引っ掻き強度は、JIS規格
K6717に従い測定することができる。引っ掻き強
度の測定装置として、連続加重引掻強度試験機(例え
ば、新東科学製スクラッチメーターHEIDON−18
型)を用い、引掻距離100mmで、加重100g、引
掻き針0.5mm(サファイア針)の条件にて測定す
る。本発明における引っ掻き強度は、引っ掻き開始点
(荷重0g)から荷重を変化させ、表面に傷がつき始め
た点における荷重を測定し、その荷重値(g)を引っ掻
き強度の尺度と定義した。
【0022】以下、本発明に係るインクジェット記録媒
体の詳細について説明する。本発明で用いることのでき
る熱可塑性樹脂粒子としては、例えば、ポリカーボネー
ト、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリエーテル、これらの共重合体及びこれらの塩が
挙げられる。熱可塑性樹脂粒子を選択するにあたり、イ
ンク受容性、加熱及び加圧による定着後の画像の光沢
性、画像堅牢性及び離型性を考慮し、適宜選択すること
ができる。本発明に係る熱可塑性樹脂粒子の平均粒径
は、1μm未満であり、1μmを越えると、支持体上に
塗設する際にインク受容層に隣接する溶媒吸収層との接
着性や、塗設乾燥後のインクジェット記録媒体の被膜強
度や光沢性の点から好ましくない。本発明における熱可
塑性樹脂粒子の平均粒径としては、好ましくは0.05
〜0.95μm、より好ましくは0.1〜0.95μm
である。
【0023】最外層を形成する熱可塑性樹脂粒子は、塗
布乾燥前は、水などの溶媒中に分散状態で存在してい
る。分散粒径にバラツキのない、単一の熱可塑性樹脂粒
子の場合は、塗布後の乾燥で粒子は最密六方充填され
て、単一粒子層を形成し、その際の空隙率は約26%で
ある。しかし、通常、熱可塑性樹脂粒子は多分散系であ
り、その空隙率は熱可塑性樹脂粒子同士の凝集状態によ
り変化する。また、形成される空隙径は熱可塑性樹脂粒
子の粒径に依存する。また、支持体上の塗設膜厚として
は、0.1〜10μmが好ましく、より好ましくは0.
5〜7μmである。
【0024】請求項2に係る発明では、インク受容層に
含有される熱可塑性樹脂粒子のガラス転移点温度(T
g)及び最低成膜温度(MFT)のいずれか一方が、4
0〜150℃であることが特徴である。熱可塑性樹脂粒
子の選択の基準としては、ガラス転移点(Tg)または
最低成膜温度(MFT)が挙げられる。TgまたはMF
Tが塗布乾燥温度より低い場合は、例えば、記録媒体製
造時の塗布乾燥温度が、TgまたはMFTより高いと、
インク溶媒が透過するための熱可塑性微粒子による空隙
が消失してしまう。また、TgまたはMFTが、支持体
の熱による変性を起こす温度より高い場合は、顔料イン
クによるインクジェット記録後、溶融成膜するために高
温での定着操作が必要となり、装置上の負荷及び支持体
の熱安定性等が問題となるため、本発明で規定する範囲
が好ましい。
【0025】請求項3に係る発明では、インク受容層に
隣接して、顔料インクの溶媒吸収層を有することが特徴
であり、請求項4に係る発明では、顔料インクの溶媒吸
収層が、無機固体微粒子を含有していることが特徴であ
る。
【0026】本発明の最外層の熱可塑性樹脂層に隣接す
る顔料インクの溶媒吸収層(以下、単にインク溶媒吸収
層ともいう)は、顔料インク溶媒の吸収能を有すること
が必要であり、これは無機固体微粒子(以下、単に無機
微粒子ともいう)を顔料インクの溶媒吸収層中に含有さ
せることによって発揮する。
【0027】本発明に係るインクジェット記録媒体のイ
ンク溶媒吸収層において、空隙層が形成されていること
が必要であり、該空隙層は、主に親水性バインダーと無
機微粒子の軟凝集により形成されるものである。
【0028】従来より、皮膜中に空隙を形成する方法は
種々知られており、例えば、二種以上のポリマーを含有
する均一な塗布液を支持体上に塗布し、乾燥過程でこれ
らのポリマーを互いに相分離させて空隙を形成する方
法、固体微粒子および親水性または疎水性バインダーを
含有する塗布液を支持体上に塗布し、乾燥後に、インク
ジェット記録用紙を水あるいは適当な有機溶媒を含有す
る液に浸漬して、固体微粒子を溶解させて空隙を作製す
る方法、皮膜形成時に発泡する性質を有する化合物を含
有する塗布液を塗布後、乾燥過程でこの化合物を発泡さ
せて皮膜中に空隙を形成する方法、多孔質固体微粒子と
親水性バインダーを含有する塗布液を支持体上に塗布
し、多孔質微粒子中や微粒子間に空隙を形成する方法、
親水性バインダーに対して概ね等量以上(好ましくは
1.0倍以上)の容積を有する固体微粒子及びまたは微
粒子油滴と親水性バインダーを含有する塗布液を支持体
上に塗布して固体微粒子の間に空隙を作製する方法等が
知られているが、本発明においては、空隙層に、平均粒
径が100nm以下の各種無機固体微粒子を含有させる
ことによって形成されることが好ましい。
【0029】上記の目的で使用される無機微粒子として
は、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜
鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサ
イト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウ
ム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダル
シリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイ
ト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸
化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができ
る。
【0030】無機微粒子の平均粒径は、粒子そのものあ
るいは空隙層の断面や表面に現れた粒子を電子顕微鏡で
観察し、1,000個の任意の粒子の粒径を求めて、そ
の単純平均値(個数平均)として求められる。ここで個
々の粒子の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した
ときの直径で表したものである。
【0031】濃度の高い画像形成、鮮明な画像記録及び
低コストでの製造等の観点からすると、固体微粒子とし
てはシリカ及びアルミナまたはアルミナ水和物から選ば
れた固体微粒子を用いることが好ましく、シリカがより
好ましい。
【0032】シリカとしては、通常の湿式法で合成され
たシリカ、コロイダルシリカあるいは気相法で合成され
たシリカ等が好ましく用いられるが、本発明において特
に好ましく用いられる微粒子シリカとしては、コロイダ
ルシリカまたは気相法で合成された微粒子シリカが好ま
しく、中でも気相法により合成された微粒子シリカは高
い空隙率が得られるだけでなく、染料を固定化する目的
で用いられるカチオン性ポリマーに添加したときに、粗
大凝集体が形成されにくいので好ましい。また、アルミ
ナまたはアルミナ水和物は、結晶性であっても非晶質で
あってもよく、また不定形粒子、球状粒子、針状粒子な
ど任意の形状のものを使用することができる。本発明で
用いることのできる微粒子は、カチオン性ポリマーと混
合する前の微粒子分散液が一次粒子まで分散された状態
であるのが好ましい。
【0033】本発明の効果を得るためには、支持体上の
無機微粒子は、その粒径が100nm以下であることが
好ましい。例えば、上記気相法微粒子シリカの場合、一
次粒子の状態で分散された無機微粒子の一次粒子の平均
粒径(塗設前の分散液状態での粒径)は、100nm以
下のものが好ましく、より好ましくは4〜50nm、最
も好ましくは4〜20nmである。
【0034】最も好ましく用いられる、一次粒子の平均
粒径が4〜20nmである気相法により合成されたシリ
カとしては、例えば、日本アエロジル社のアエロジルが
市販されている。この気相法微粒子シリカは、水中に例
えば、三田村理研工業株式会社製のジェットストリーム
インダクターミキサーなどにより容易に吸引分散するこ
とで比較的容易に一次粒子まで分散することができる。
【0035】本発明で用いることのできる親水性バイン
ダーとしては、例えば、ポリビニルアルコール、ゼラチ
ン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、
デキストラン、デキストリン、カラーギーナン(κ、
ι、λ等)、寒天、プルラン、水溶性ポリビニルブチラ
ール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース等が挙げられる。これらの水溶性樹脂は二種
以上併用することも可能である。
【0036】本発明で好ましく用いられる水溶性樹脂は
ポリビニルアルコールである。本発明で好ましく用いら
れるポリビニルアルコールには、ポリ酢酸ビニルを加水
分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、
末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオ
ン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の
変性ポリビニルアルコールも含まれる。
【0037】酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビ
ニルアルコールは平均重合度が1,000以上のものが
好ましく用いられ、特に平均重合度が1,500〜5,
000のものが好ましく用いられる。ケン化度は70〜
100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが
特に好ましい。
【0038】カチオン変性ポリビニルアルコールとして
は、例えば、特開昭61−10483号に記載されてい
るような、第一〜三級アミノ基や第四級アンモニウム基
を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有す
るポリビニルアルコールであり、カチオン性基を有する
エチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケ
ン化することにより得られる。
【0039】カチオン性基を有するエチレン性不飽和単
量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルア
ミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメ
チルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイ
ミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N
−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、
ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチル−(2−メタクリルアミドプロピル)ア
ンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−
ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0040】カチオン変性ポリビニルアルコールのカチ
オン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して
0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%であ
る。
【0041】アニオン変性ポリビニルアルコールは、例
えば、特開平1−206088号に記載されているよう
なアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭
61−237681号、および同63−3079799
号に記載されているような、ビニルアルコールと水溶性
基を有するビニル化合物との共重合体及び特開平7−2
85265号に記載されているような水溶性基を有する
変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
【0042】また、ノニオン変性ポリビニルアルコール
としては、例えば、特開平7−9758号に記載されて
いるようなポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコ
ールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特
開平8−25795号に記載された疎水性基を有するビ
ニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等
が挙げられる。
【0043】ポリビニルアルコールは、重合度や変性の
種類違いなど二種類以上を併用することもできる。
【0044】インク溶媒吸収層に用いられる無機微粒子
の添加量は、要求されるインク吸収容量、空隙層の空隙
率、無機微粒子の種類、水溶性樹脂の種類に大きく依存
するが、一般には記録用紙1m2当たり、通常5〜30
g、好ましくは10〜25gである。
【0045】また、溶媒吸収層に用いられる無機微粒子
と水溶性樹脂の比率は、質量比で通常2:1〜20:1
であり、特に3:1〜10:1であることが好ましい。
【0046】分子内に第四級アンモニウム塩基を有する
カチオン性の水溶性ポリマーは、インクジェット記録用
紙1m2当たり通常0.1〜10g、好ましくは0.2
〜5gの範囲で用いられる。
【0047】本発明に係るインクジェット記録媒体は、
光沢性に優れ、高い空隙率を皮膜の脆弱性を劣化させず
に得るために、前記水溶性樹脂が硬膜剤により硬膜され
ていることが好ましい。
【0048】硬膜剤は、一般的には前記水溶性樹脂と反
応し得る基を有する化合物あるいは水溶性樹脂が有する
異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、水
溶性樹脂の種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0049】硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキ
シ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロ
ヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキ
シアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系
硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性
ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ
−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合
物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−
s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル
等)、ほう酸とその塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げら
れる。
【0050】特に好ましい水溶性樹脂として、ポリビニ
ルアルコールおよびまたはカチオン変性ポリビニルアル
コールを使用する場合には、ほう酸およびその塩又はエ
ポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ま
しい。最も好ましいのは、ほう酸およびその塩から選ば
れる硬膜剤である。本発明で、ほう酸またはその塩とし
ては、ほう素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩
のことを示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、メ
タほう酸、四ほう酸、五ほう酸、八ほう酸およびそれら
の塩が含まれる。
【0051】上記硬膜剤の使用量は、水溶性樹脂の種
類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や水溶性樹脂に対
する比率等により変化するが、通常水溶性樹脂1g当た
り5〜500mg、好ましくは10〜300mgであ
る。
【0052】上記硬膜剤は、本発明に係るインク受容層
形成用水溶性塗布液を塗布する際に、該塗布液中に添加
してもよく、あるいは予め硬膜剤を含有する塗布液を塗
布してある支持体上に、本発明に係るインク溶媒吸収層
形成用水溶性塗布液を塗布しても良い。また、本発明に
係るインク溶媒吸収層形成用水溶性塗布液(硬膜剤非含
有)を塗布・乾燥した後で硬膜剤溶液をオーバーコート
するなどして供給することができるが、かれらの中で、
好ましくは製造効率の観点から、本発明に係るインク溶
媒吸収層形成用水溶性塗布液中に、硬膜剤を添加して塗
布する方法が好ましい。
【0053】本発明に係るインクジェット記録媒体に
は、得られる画像の耐水性を改良する目的で、カチオン
性ポリマーを添加することもできる。用いられるカチオ
ン性ポリマーは、特に限定なく使用可能であるが、特に
好ましいものは、質量平均分子量が2,000〜10
0,000のものである。
【0054】カチオン性ポリマーは、好ましくは第四級
アンモニウム塩基を有するポリマーであり、特に好まし
くは第四級アンモニウム塩基を有するモノマーの単独重
合体または他の共重合し得る一又は二以上のモノマーと
の共重合体である。
【0055】本発明に係るインクジェット記録媒体の熱
可塑性樹脂層及び溶媒吸収層において、空隙の総量(空
隙容量)は記録用紙1m2当り20ml以上であること
が好ましい。空隙容量が20ml/m2未満の場合、印
字時のインク量が1ml/m2以下であればインク吸収
性は良好であるが、インク量が40ml/m2を越える
とインクが完全に吸収されず、画質を低下させたり、乾
燥性が遅いなどの問題が生じやすい。空隙容量の上限
は、特に制限されないが、空隙型のインク吸収層の膜厚
を通常50μm以下にすることが、ひび割れ等の皮膜の
物理特性を悪化させないためには必要で、この点からす
ると、空隙容量を40ml/m2以上とすることは好ま
しくない。
【0056】本発明における空隙容量は、J.TAPP
I紙パルプ試験方法No.51−87紙又は板紙の液体
吸収性試験方法(ブリストー法)で測定したとき、吸収
時間2秒における液体転移量(ml/m2)で表され
る。なお、上記の測定方法では、測定に純水(イオン交
換水)が使用されているが、測定面積の判別を容易にす
るために、2%未満の水溶性染料を含有させてもよい。
【0057】本発明で用いることのできる支持体として
は、従来からインクジェット記録用紙に用いられる支持
体、例えば、普通紙、アート紙、コート紙及びキャスト
コート紙等の紙支持体、プラスティック支持体、両面を
ポリオレフィンで被覆した紙支持体、これらを貼り合わ
せた複合支持体を用いることができる。本発明に係るイ
ンクジェット記録媒体では、原紙支持体の両面をポリエ
チレンでラミネートした紙支持体を用いることが、記録
画像が写真画質に近く、しかも低コストで高品質の画像
が得られるために、特に好ましい。
【0058】そのようなポリエチレンでラミネートした
紙支持体について以下に説明する。紙支持体に用いられ
る原紙は、木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材
パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるい
はナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙
される。木材パルプとしては、例えば、LBKP、LB
SP、NBKP、NBSP、LDP、NDP、LUK
P、NUKPのいずれも用いることが出来るが、特に
は、短繊維分の多いLBKP、NBSP、LBSP、N
DP、LDPをより多く用いることが好ましい。ただ
し、LBSP及び/またはLDPの比率は、10質量%
以上、70質量%以下が好ましい。
【0059】上記パルプには、不純物の少ない化学パル
プ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いら
れ、また、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプ
も有用である。原紙中には、例えば、高級脂肪酸、アル
キルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タ
ルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアク
リルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍
光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、
分散剤、四級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加
することができる。
【0060】抄紙に使用するパルプの濾水度は、CSF
の規定で200〜500mlが好ましく、また、叩解後
の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッ
シュ残分の質量%と42メッシュ残分の質量%との和
が、30〜70%であることが好ましい。なお、4メッ
シュ残分の質量%は、20質量%以下であることが好ま
しい。原紙の坪量は、30〜250g/m2が好まし
く、特に50〜200g/m2が好ましい。原紙の厚さ
は40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段階また
は抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも
できる。原紙密度は、0.7〜1.2(JIS−P−8
118)が一般的である。更に、原紙剛度はJIS−P
−8143に規定される条件で、20〜200gが好ま
しい。原紙表面には、表面サイズ剤を塗布しても良く、
表面サイズ剤としては前記原紙中に添加できるサイズ剤
と同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JIS
−P−8113で規定された熱水抽出法により測定され
た場合、5〜9であることが好ましい。
【0061】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことができる。ポリエチレン被覆紙は光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融、押
し出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理を
行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹
目面を形成した物も本発明で使用できる。原紙の表裏の
ポリエチレンの使用量は、インク溶媒吸収層やバック層
を設けた後で、低湿および高湿下でのカールを最適化す
るように選択されるが、通常、インク溶媒吸収層側のポ
リエチレン層が20〜40μm、バック層側が10〜3
0μmの範囲である。
【0062】更に、上記ポリエチレンで被覆した紙支持
体は、以下の特性を有していることが好ましい。
【0063】1.引っ張り強さ:JIS−P−8113
で規定される強度で、縦方向が2〜30kg、横方向が
1〜20kgであることが好ましい 2.引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方
法で、縦方向が10〜200g、横方向が20〜200
gが好ましい 3.圧縮弾性率≧98.1MPa 4.不透明度:JIS−P−8138に規定された方法
で測定したときに、80%以上、特に85〜98%が好
ましい 5.白さ:JIS−Z−8729で規定されるL*
*、b*が、L*=80〜95、a*=−3〜+5、b*
=−6〜+2であることが好ましい 6.クラーク剛直度:記録用紙の搬送方向のクラーク剛
直度が、50〜300cm2/100である支持体が好
ましい 7.原紙中の水分:中紙に対して4〜100質量%が好
ましい。
【0064】本発明に係る記録媒体のインク受容層であ
る熱可塑性樹脂層、インク溶媒吸収層または空隙層、下
引き層など、必要に応じて適宜設けられる各種の構成層
を支持体上に塗布する方法は、公知の方法から適宜選択
して行うことができる。好ましい方法は、各層を構成す
る塗布液を支持体上に塗設して乾燥して得られる。ま
た、本発明に係るインクジェット記録媒体の塗布に際し
て、塗布性を向上させるために増粘剤を用いてもよい。
塗布方法としては、例えば、バーコーター、ロールコー
ター、アプリケーター、スピナー等の他に、生産効率を
高める観点から、2種以上の層を同時に塗布する場合、
エクストルージョンコーティング及びカーテンコーティ
ングが特に有効である。
【0065】請求項6に係る発明では、加熱および加圧
処理を施す手段が、熱ローラーであることが特徴であ
り、本発明に好ましく用いられる熱ローラを用いた加熱
及び加圧方法は、加熱源を内蔵した金属シリンダとシリ
コンゴムローラの間を分顔料インクにより画像記録され
たインクジェット記録媒体を通過させる方法である。
【0066】本発明に好ましく用いられる熱ローラは、
金属シリンダ及びシリコンゴムローラを有している。そ
のうち金属シリンダは、鉄やアルミニウムのような一般
的な素材を用いればよく、熱耐久性を高める目的でテト
ラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等により被
覆されていてもよいし、定着後の平滑感を高めるため
に、鏡面仕上げられていてもよい。金属シリンダは内部
に熱源を内蔵していることが好ましく、この熱源は線状
のヒータを有し、請求項5に係る発明では、加熱温度と
して50〜150℃で加熱させることが特徴である。
【0067】熱ローラにおいて、金属シリンダとシリコ
ンゴムローラ間に圧力を加え、シリコンゴムローラを変
形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては
1〜20mm、好ましくは1.5〜7mmである。請求
項7に係る発明では、上記圧力が線圧として9.8×1
4〜4.9×106Paであることが特徴である。線圧
が、9.8×104Pa未満であると、加熱加圧による
熱可塑性樹脂粒子層に十分な硬度が得られず、また、線
圧が4.9×106Paを越えると光沢性が低下しまた
記録媒体のカールが激しくなり好ましくない。
【0068】加熱加圧工程に用いるローラのうち、画像
形成面に接するローラの平均面粗さは、例えば、WYC
O社製 RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定
システムを用いて測定することができる。同測定装置を
用いると、ローラの曲率の補正した上で平均面粗さを測
定することができ好ましい。加圧ローラの平均面粗さと
して、100nm以下であることが、本発明の効果を得
るためには好ましいが、これは顔料インクの場合は、熱
可塑性樹脂層上に存在する色材を加熱加圧によって層中
に移動させ、かつ画像面の印字部、未印字部の光沢感の
均一性を得ることを目標としている。このため、画像表
面の表面平滑性を高めることが必要となる。本発明者ら
は、顔料インクを色材として用いる場合の、加圧部材の
表面状態の制御が本発明の効果を得るために重要である
ことを見出した。
【0069】加熱加圧工程を経た記録画像媒体が加圧ロ
ーラから排出される際に、離型性を高めるために、記録
媒体の熱可塑性樹脂層中に、シリコンエマルジョン又は
ステアリン酸金属塩含有溶液を添加することができる。
シリコンエマルジョンとしては、例えば、KM740、
KM780、KM786、KM788、KM860、K
M862(いずれも、信越化学工業社製)等を用いるこ
とができる。また、ステアリン酸金属塩としては、例え
ば、離型性を有するステアリン酸亜鉛等が挙げられ、例
えば、R−053D、R−1004、R−070U(い
ずれも、日新化学研究所社製)等を用いることができ
る。添加量としては、熱可塑性樹脂固形分に対して添加
する場合には、0.5〜5%程度が好ましい。また、イ
ンクに対して添加する場合は、インク体積に対して同程
度の添加量が好ましいが、ヘッドからの吐出性を損なわ
ない添加量が前提となる。インクに上記離型剤を添加す
る目的は、未印字部の熱可塑性樹脂層中には離型剤が含
有され、加熱加圧時に機能することになるが、顔料イン
クが付与された画像部では、熱可塑性樹脂層が顔料イン
クで被覆されるために、熱可塑性樹脂層中の離型剤が機
能しなくなるため、印字部の離型性を確保することを意
図したものである。
【0070】本発明に係る画像記録に用いる顔料インク
において、顔料の分散安定性を向上するため、界面活性
剤を含有させることが好ましい。本発明に係る顔料イン
クに好ましく使用される界面活性剤としては、例えば、
ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコー
ル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロ
ックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキル
アミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界
面活性剤等が挙げられる。特に、アニオン性界面活性剤
およびノニオン性界面活性剤を、好ましく用いることが
できる。
【0071】本発明で使用できる顔料としては、特に制
限はなく、従来公知の有機及び無機顔料が使用でき、例
えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キ
レートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、
ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナ
クリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔
料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環
式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の
染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブ
ラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック
等の無機顔料が挙げられる。
【0072】以下に、本発明で用いることのできる具体
的な有機顔料を例示する。マゼンタまたはレッド用の顔
料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、
C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッ
ド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメン
トレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.
ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド4
8:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.
ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド
122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピ
グメントレッド139、C.I.ピグメントレッド14
4、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメ
ントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、
C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメント
レッド222等が挙げられる。
【0073】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.
I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエ
ロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.
ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー
15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグ
メントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー9
4、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられ
る。
【0074】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグ
メントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー1
5:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグ
メントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が
挙げられる。
【0075】本発明において用いる顔料インクには、必
要に応じて顔料分散剤を含有させてもよい。使用できる
顔料分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル
硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アル
キルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
リン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ
ール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性
剤、あるいはスチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタ
レン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン
酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導
体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の
単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体お
よびこれらの塩をあげることができる。
【0076】顔料の分散方法としては、例えば、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテ
ータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジ
ナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシ
ェーカー等各種を用いることができる。本発明の顔料分
散体の粗粒分を除去する目的で遠心分離装置を使用する
こと、フィルターを使用することも好ましく用いられ
る。
【0077】本発明に係る顔料インクに使用する顔料分
散体の平均粒径は、10nm以上200nm以下である
ことが好ましく、10nm以上100nm以下がより好
ましく、10nm以上50nm以下がさらに好ましい。
顔料分散体の平均粒径が100nmを越えると、光沢タ
イプの記録媒体に記録した画像では光沢感の劣化が生じ
る。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になる
と顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存
安定性が劣化しやすくなる。
【0078】顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気
泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測
定機器により求めることができる。また、透過型電子顕
微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対
して行い、この像をImage−Pro(メディアサイ
バネティクス社製)等の画像解析ソフトを用いて統計的
処理を行うことによっても求めることが可能である。
【0079】顔料インクに、記録媒体に付与する熱可塑
性樹脂層よりもガラス転移点の低い熱可塑性樹微粒子を
含有させるのは、顔料インクが熱可塑性樹脂層上に着弾
した後の加熱工程において、より低い温度で溶融を開始
するため、熱可塑性樹脂層に対して一種の可塑剤として
作用することにより、色剤直下の熱可塑性樹脂層の溶融
を促進させることを目的としている。
【0080】本発明に係る顔料インクに添加する熱可塑
性樹脂微粒子は、媒質中に分散状態にあるポリマー粒子
のことを指す。ポリマーの種類としては、例えば、スチ
レン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重
合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およ
びアクリル変性フッ素樹脂等があるが、なかでもアクリ
ル酸エステル、ポリウレタンおよびシリコン−アクリル
共重合体が好ましい。
【0081】その製造において、用いられる乳化剤とし
ては、低分子量の界面活性剤が一般的であるが、高分子
量の界面活性剤(例えば、可溶化基がポリマーにグラフ
ト結合しているタイプや可溶化基を持つ部分と不溶性の
部分を連結させたブロックポリマーのタイプ等がある)
を乳化剤として用いることができる。また、可溶化基を
ラテックスの中心ポリマーに直接結合させることにより
乳化剤を用いずに分散されているラテックスも存在す
る。上記のような乳化剤として高分子量の界面活性剤を
用いるラテックスおよび乳化剤を使用しないラテックス
は、ソープフリーラテックスと呼ばれている。本発明に
使用するラテックスとしては、乳化剤の種類、形態を問
わないが、インクの保存安定性に優れるソープフリーラ
テックスを用いることがより好ましい。また、最近は、
中心ポリマーが均一であるラテックス以外に、ポリマー
粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタ
イプのラテックスも存在するが、このタイプのラテック
スも好ましく用いることができる。本発明におけるラテ
ックスの平均粒径は150nm以下が好ましく、50n
m以下がより好ましい。
【0082】ラテックスの平均粒子径は、光散乱方式や
レーザードップラー方式を用いた市販の測定装置を使用
して簡便に計測することが可能である。
【0083】本発明におけるラテックスの固形分添加量
は、インクの全質量に対して0.1質量%以上10質量
%以下が好ましく、0.3質量%以上5質量%以下であ
ることが、特に好ましい。添加量0.1質量%未満では
耐水性に関して十分な効果を発揮することが難しく、ま
た、10質量%を越えると、経時でインク粘度の上昇や
顔料分散粒径の増大が起こりやすいなど、インク保存性
の点で問題が生じることが多い。
【0084】本発明においては、電気伝導度調節剤を用
いることもでき、例えば、塩化カリウム、塩化アンモニ
ウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化ナトリウ
ムなどの無機塩や、トリエタノールアミン等の水性アミ
ン等が挙げられる。
【0085】本発明に係る顔料インク及び必要に応じて
設けられる各構成層においては、吐出安定性、プリント
ヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像
保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、さらに粘
度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤、退色防止剤、防錆剤、防腐剤等を添加する
こともでき、例えば、ポリスチレン、ポリアクリル酸エ
ステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリル
アミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、
尿素樹脂、またはメラミン樹脂等の有機ラテックス微粒
子、流動パラフィン、ジオクチルフタレート、トリクレ
ジルホスフェート、シリコンオイル等の油滴微粒子、カ
チオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭57−
74193号、同57−87988号及び同62−26
1476号に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−741
92号、同57−87989号、同60−72785
号、同61−146591号、特開平1−95091号
及び同3−13376号等に記載されている退色防止
剤、特開昭59−42993号、同59−52689
号、同62−280069号、同61−242871号
および特開平4−219266号等に記載されている蛍
光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消
泡剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤等の公知
の各種添加剤を含有させることもできる。
【0086】本発明のインクジェット画像形成方法で使
用するインクジェットヘッドは、オンデマンド方式で
も、コンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方
式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキ
ャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピ
ストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型
等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェ
ット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引
方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及
び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具
体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方
式を用いても構わない。
【0087】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0088】《インクジェット記録媒体の作製》以下に
示す方法に従って、インクジェット記録媒体を作製し
た。
【0089】〔記録媒体aの作製〕 (酸化チタン分散液−1の調製)平均粒径が0.25μ
mの酸化チタン20kg(石原産業社製:W−10)
を、pH7.5のトリポリリン酸ナトリウム150g、
ポリビニルアルコール(クラレ株式会社製:PVA23
5、平均重合度3500)500g、カチオン性ポリマ
ー(P−1)150g及びサンノブコ株式会社製の消泡
剤SN381を10gとを含有する水溶液90リットル
に添加し、高圧ホモジナイザー(三和工業株式会社製)
で分散した後、全量を100リットルに仕上げて、均一
な酸化チタン分散液−1を得た。
【0090】
【化1】
【0091】(シリカ分散液−1の調製)1次粒子の平
均粒径が0.007μmの気相法シリカ(日本アエロジ
ル工業株式会社製:A300)125kgを、三田村理
研工業株式会社製のジェットストリーム・インダクター
ミキサーTDSを用いて、硝酸でpHを2.5に調整し
た620リットルの純水中に室温で吸引分散した後、全
量を694リットルに純水で仕上げた。この分散液を希
釈して、シリカ粒子の電子顕微鏡写真を撮影したとこ
ろ、ほとんどの粒子が0.01μm以下の平均粒径であ
り、1次粒子まで分散されていることを確認した。ここ
でいうほとんどの粒子とは、85〜90%の粒子のこと
を指す。
【0092】(シリカ分散液−2の調製)カチオン性ポ
リマー(P−2)1.41kg、エタノール4.2リッ
トルとを含有する溶液(pH=2.3)18リットル
に、25〜30℃の温度範囲で、上記調製したシリカ分
散液−1の69.4リットルを攪拌しながら20分かけ
添加し、次いで、ホウ酸260gとホウ砂230gとを
含有する水溶液(pH=7.3)7.0リットルを約1
0分かけて添加し、前記の消泡剤SN381を1g添加
した。この混合液を三和工業株式会社製高圧ホモジナイ
ザーで、24.5MPaの圧力で2回分散し、全量を純
水で97リットルに仕上げて、ほぼ透明なシリカ分散液
−2を調製した。
【0093】
【化2】
【0094】(塗布液の調製)第1層、第2層、第3層
の塗布液を、以下の手順で調製した。
【0095】〈第1層用塗布液〉上記調製したシリカ分
散液−2の600mlに、40℃で攪拌しながら、以下
の添加剤を順次混合して、第1層塗布液を調製した。
【0096】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 平均重合度 3500)の7%水溶液 194.6ml 酸化チタン分散液−1 33ml ラテックスエマルジョン(第一工業株式会社製:AE−803) 18ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0097】〈第2層用塗布液〉上記調製したシリカ分
散液−2の650mlに、40℃で攪拌しながら、以下
の添加剤を順次混合して、第2層塗布液を調製した。
【0098】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 平均重合度 3500)の7%溶液 201.6ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液pHは
4.4であった。
【0099】〈第3層塗布液〉上記調製したシリカ分散
液−2の650mlに、40℃で攪拌しながら、以下の
添加剤を順次混合して、第3層塗布液を調製した。
【0100】 ポリビニルアルコール(クラレ工業株式会社製:PVA235 平均重合度 3500)の7%水溶液 201.6ml シリコン分散液(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製:BY−22 −839) 15ml サポニン50%水溶液 4ml 純水で全量を1000mlに仕上げる。塗布液のpHは
4.5であった。
【0101】上記のように得られた各塗布液を、下記構
成からなるフィルターで濾過した。 第1層、第2層:東洋濾紙株式会社製TCP10で2段
濾過、 第3層:東洋濾紙株式会社製TCP30で2段濾過、 以上のようにして調製した各濾過済み塗布液を、第1層
(50μm)、第2層(100μm)、第3層(50μ
m)の順になるように、両面をポリエチンで被覆した紙
支持体(厚みが220μmで、インク吸収層面のポリエ
チレン中にはポリエチレンに対して13質量%のアナタ
ーゼ型酸化チタン含有)に塗布した。括弧内に記載の数
値は、それぞれの湿潤膜厚を示し、第1層〜第3層は同
時塗布した。塗布は、各々の塗布液を40℃で3層式ス
ライドホッパーで塗布を行い、塗布直後に、0℃に保た
れた冷却ゾーンで20秒冷却した後、25℃の風(相対
湿度15%)で60秒間、45℃の風(相対湿度が25
%)で60秒間、50℃の風(相対湿度が25%)で6
0秒間順次乾燥し、20〜25℃、相対湿度が40〜6
0℃の雰囲気下で2分間調湿して、試料を巻き取り、溶
媒吸収層のみの記録媒体aを得た。
【0102】〔記録媒体Aの作製〕以下の処方からなる
熱可塑性樹脂層用塗布液1を調製した。
【0103】 ヨドゾールGD86B(スチレン−アクリル共重合ラテックス MFT:60 ℃、粒径:0.1μm 日本エヌシーアール製) 53% 水 47% 上記作製した溶媒吸収層のみ有する記録媒体a上に、上
記熱可塑性樹脂層用塗布液1を、前記スライドホッパー
を用いて、乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布を行
い、上記と同様の乾燥条件で記録媒体Aを作製した。
【0104】〔記録媒体Bの作製〕以下の処方からなる
熱可塑性樹脂層用塗布液2を調製した。
【0105】 ケミパールW950(ポリオレフィン系ラテックス MFT:90℃、粒径: 0.6μm 三井石油化学製) 55% 水 45% 同様にして、上記熱可塑性樹脂層用塗布液2を、溶媒吸
収層のみ有する記録媒体a上に、膜厚が5μmとなるよ
うに塗布を行い、記録媒体Bを作製した。
【0106】〔記録媒体Cの作製〕以下の処方からなる
熱可塑性樹脂層用塗布液3を調製した。
【0107】 ケミパールS200(ポリオレフィン系アイオノマーラッテクス MFT: 85℃、粒径:0.5μm 三井石油化学製) 55% 水 45% 同様にして、上記熱可塑性樹脂層用塗布液3を、溶媒吸
収層のみ有する記録媒体a上に、膜厚が5μmとなるよ
うに塗布を行い、記録媒体Cを作製した。
【0108】〔記録媒体Dの作製〕以下の処方からなる
熱可塑性樹脂層用塗布液4を調製した。
【0109】 スーパーフレックスE2500(ウレタン樹脂ラッテクス MFT:40℃、 粒径:0.9μm 第一工業製薬製) 55% 水 45% 同様にして、上記熱可塑性樹脂層用塗布液4を、溶媒吸
収層のみ有する記録媒体a上に、膜厚が5μmとなるよ
うに塗布を行い、記録媒体Dを作製した。
【0110】 《インクジェット記録媒体への画像記録》 (イエロー顔料分散体の調製) C.I.ピグメントイエロー128 150g エチレングリコール 100g グリセリン 80g イオン交換水 270g 上記各素材を混合し、0.3mmのジルコニアビーズ
を、体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ
(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、イエロ
ー顔料分散体を得た。得られたイエロー顔料分散体の平
均粒径は、120nmであった。尚、顔料インク分散体
平均粒径の測定は、ゼータサイザー1000(マルバー
ン社製)を用いた。
【0111】 (マゼンタ顔料分散体の調製) C.I.ピグメントレッド122 100g デモールC 63g グリセリン 100g イオン交換水 130g 上記各素材を混合し、0.3mmのジルコニアビーズ
を、体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ
(株)製システムゼータミニ)を用いて分散し、マゼン
タ顔料分散体を得た。得られたマゼンタ顔料分散体の平
均粒径は、65nmであった。
【0112】 (シアン顔料分散体の調製) C.I.ピグメントブルー15:3 100g デモールC 63g ジエチレングリコール 100g イオン交換水 125g 上記各素材を混合し、0.3mmのジルコニアビーズ
を、体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ
(株)製システムゼータミニ)を用いて分散した後、2
0,000rpmで30分間遠心分離処理を行い、シア
ン顔料分散体を得た。得られたシアン顔料分散体の平均
粒径は、55nmであった。
【0113】 (ブラック顔料分散体の調製) Hostfine Black T(クラリアント(株)製 平均粒径50 nm) 167g エチレングリコール 200g トリエチレングリコールモノメチルエーテル 120g オルフィンGXL(日信化学社製) 4g プロキセルGXL(ゼネカ社製) 2g 上記各素材をイオン交換水で1000gに仕上げ、1μ
mのミリポアフィルターに2度通過させて、ブラック顔
料分散体を調製した。
【0114】(記録媒体への記録)前記作製した各記録
媒体A〜Dについて、ノズル直径20μm、駆動周波数
12kHz、1色当りのノズル数128、同色ノズル密
度180dpi(以下、dpiとは、2.54cm当た
りのドットの数を表す)のピエゾ型ヘッドを搭載し、最
大記録密度720×720dpiのオンデマンド型のイ
ンクジェットを使用して、上記各顔料インクにより、各
色の均一ベタ画像パターン(OD値=1.2)をイエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色について作製し
た。
【0115】(加熱、加圧工程)各画像情報を記録後、
直径30mmφの円柱状の鉄シリンダ(上ローラ)と、
シリコンゴムローラ(直径30mmφの下ローラ)が共
に、テトラフロオロエチレン−パーフルオロアルキルエ
ーテル共重合体により被覆され、鉄シリンダ内にヒータ
を内蔵されている定着装置を用いて、上ローラが画像形
成した表面に接するように、ニップ幅4.3mm、線圧
は8×105Paの条件で、加熱及び加圧同時処理を行
った。このときの搬送速度は、10mm/sとした。ま
た、上ローラの表面温度は、110℃なるように調整し
た。なお、鉄ローラに被覆するテトラフロオロエチレン
−パーフルオロアルキルエーテル共重合体の被覆膜厚
は、100μmとした。
【0116】上記上ローラの表面粗さを、WYCO社製
RSTPLUS非接触三次元微小表面形状測定システム
を用いて、640μm×430μm平均面粗さを測定し
たところ、53nmであった。なお、表面粗さは、ロー
ラの曲率を補正した後の値である。測定条件としては、
VSIモードでResolutionは、368×23
8fullviewで、また、Scan speedは
highで測定した。解析時は、Term remov
alをcylinder and tilt(円筒及び
傾斜補正)で補正した。
【0117】上記装置を用いて印字後の加熱加圧処理を
行い、各画像サンプル試料A〜Dを作製した。
【0118】次いで、以下の方法に従い比較サンプル−
1〜4を作製した。 〔比較サンプル−1の作製〕熱可塑性樹脂層を塗布する
ことなしに、溶媒吸収層のみの記録媒体aとし、顔料イ
ンクを印字し、同様に加熱加圧工程を行い、比較サンプ
ル−1を作製した。
【0119】〔比較サンプル−2の作製〕上記の加熱及
び加熱加圧工程を除いた以外は、記録媒体Bと全く同様
にして比較サンプル−2を作製した。
【0120】〔比較サンプル−3の作製〕ローラーを通
して加圧する際、ヒーターを加熱せず、室温で行った他
は、記録媒体Cと全く同様にして、比較サンプル−3を
作製した。
【0121】〔比較サンプル−4〕以下の処方からなる
熱可塑性樹脂層用塗布液5を調製した。
【0122】 ケミパールW400(ポリオレフィン系ラッテクス MFT:90℃、粒径: 4μm 三井石油化学製) 55% 水 45% 前記記録媒体A〜Dにおいて、熱可塑性樹脂層用塗布液
を上記塗布液5に変更した以外は同様にして、膜厚が5
μmとなるように塗布を行い、比較サンプル−4を作製
した。
【0123】以上のようにして得られた印字済みの記録
媒体A〜D及び比較サンプル−1〜−4に対して、以下
の方法による評価を行った。
【0124】(引っ掻き強度の測定)各印字済み試料の
画像形成面に対し、JIS規格 K6717に従い、引
っ掻き強度の測定装置として、新東科学製スクラッチメ
ーターHEIDON−18型を用い、23℃、55%R
Hの雰囲気下で、引掻距離100mmで、加重100
g、引掻き針0.5mm(サファイア針)の条件にて測
定した。引っ掻き強度は、引っ掻き開始点(荷重0g)
から荷重を変化させ、表面に傷がつき始める点における
荷重を測定し、その荷重値(g)を引っ掻き強度とし
た。
【0125】(光沢性の評価)各評価サンプルの画像
を、写像性測定器ICM−1DP(スガ試験機械社製)
で反射角60度、光学くし2mmでの写像性(C値%)
を測定した。なお、評価は、以下の基準に則り行った。
【0126】 ◎:C値%が61以上 ○:C値%が60〜51 △:C値%が50〜41 ×:C値%が40以下 上記評価ランクにおいて、◎、○が実用上好ましいラン
クと判断した。
【0127】以上により得られた結果を、表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】表1の結果より明らかなように、本発明に
係る最外層の引っ掻き強度を有する試料は、比較試料に
対し、優れた光沢性を示していることが判る。
【0130】
【発明の効果】本発明により、顔料インクを用いてイン
クジェット記録を行った際の光沢性が向上したインクジ
ェット画像形成方法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大屋 秀信 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 (72)発明者 木田 修二 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 HA45 HA46 2H086 BA05 BA15 BA31 BA34 BA41 BA45

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の最外層が、平均粒径が1μm
    未満の熱可塑性樹脂粒子を含有するインク受容層である
    インクジェット記録媒体に、顔料インクを付着させ、次
    いで加熱及び加圧処理を施したインクジェット記録媒体
    の最外層の引っ掻き強度(JIS K6717)が、2
    5g以上であることを特徴とするインクジェット画像形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂粒子のガラス転移点温
    度(Tg)及び最低成膜温度(MFT)のいずれか一方
    が、40〜150℃であることを特徴とする請求項1に
    記載のインクジェット画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層に隣接して、顔料イン
    クの溶媒吸収層を有することを特徴とする請求項1又は
    2に記載のインクジェット画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記顔料インクの溶媒吸収層が、無機固
    体微粒子を含有していることを特徴とする請求項3に記
    載のインクジェット画像形成方法。
  5. 【請求項5】 加熱温度が、50〜150℃であること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のイン
    クジェット画像形成方法。
  6. 【請求項6】 加熱および加圧処理を施す手段が、熱ロ
    ーラーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のインクジェット画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記熱ローラによる線圧が、9.8×1
    4〜4.9×106Paであることを特徴とする請求項
    6に記載のインクジェット画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記顔料インクが、分散剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010112073A (ja) * 2008-11-06 2010-05-20 Seiren Co Ltd 建築板
JP2013188982A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置及び記録方法
CN115450066A (zh) * 2022-10-28 2022-12-09 江苏万宝瑞达高新技术有限公司 一种喷墨合成纸及其制造方法

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