JP2001331043A - 画像形成装置及び定着装置 - Google Patents

画像形成装置及び定着装置

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JP2001331043A
JP2001331043A JP2000151083A JP2000151083A JP2001331043A JP 2001331043 A JP2001331043 A JP 2001331043A JP 2000151083 A JP2000151083 A JP 2000151083A JP 2000151083 A JP2000151083 A JP 2000151083A JP 2001331043 A JP2001331043 A JP 2001331043A
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JP2000151083A
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Yuichi Fukuda
雄一 福田
Sanehiro Katsuta
修弘 勝田
Nobuyuki Nakayama
信行 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト状の中間転写体を用いた転写定着同時
方式の画像形成装置、又はベルト状の定着部材を用いた
定着装置において、その記録媒体として、薄く剛性の小
さい用紙を用いたとしても、紙づまりを起こさずに中間
転写体又は定着部材から剥離させる。 【解決手段】 感光体ドラム9からベルト状の中間転
写体1上に転写されたトナー像は、加熱溶融され、加熱
・加圧ロール2aと対向ロール2bとの間で記録用紙に
圧着され、転写と定着が同時に行われる。この記録用紙
は、中間転写体に付着したまま冷却され、剥離部ロール
7に沿って大きな曲率で曲げ回されるときに、記録用紙
の剛性によって剥離される。このとき、剥離位置では中
間転写体が送風冷却装置30によって冷却され、温度ひ
ずみによって縦にしわが生じる。このとき、付着してい
る記録用紙にもしわが生じ、記録用紙の見掛けの剛性が
増大し、容易に剥離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機、プリンタ、ファクシミリなど、乾式トナーを利用
した画像形成装置及び定着装置に係り、より詳細には、
像担持体上のトナー像を一旦中間転写体に転写し、その
中間転写体から加熱、加圧により記録媒体上にトナー像
を転写し、同時に定着する画像形成装置及び記録媒体上
の未定着トナー画像を加熱、加圧により記録媒体上に定
着させる定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電記録方式等の乾式ト
ナーを用いた画像形成装置においては、像担持体上に静
電潜像を形成し、それをトナーの付着により現像した
後、そのトナー像を記録媒体に転写し、加熱及び加圧に
より定着している。
【0003】上記トナー像の転写は、像担持体から直接
に記録媒体に転写するものの他、一旦中間転写体に転写
し、さらに記録媒体に転写する装置が普及している。こ
の装置は、特にカラー画像形成装置に適しており、安定
した条件でトナー像の転写を行い、中間転写体で複数色
のトナー像を重ね合わせて高画質の画像を得ることがで
きる。
【0004】トナー像の転写は、電界内でトナーを静電
的に転移させるものが一般的ではあるが、上記のように
中間転写体上のトナー像を記録媒体へ転写する際には、
中間転写体上のトナー像を加熱し、溶融熱転写すること
ができ、たとえば特公昭64-1023号公報に上記技術を用
いる装置が開示されている。このように転写を非静電的
に行うことにより、転写時のトナーの飛散を防止すると
ともに、転写効率を高くして、カラー画像における色バ
ランスを良好なものとすることができる。
【0005】また、特開平5-19642号公報、特開平5-249
798号公報には、トナーを用紙と密着させて加熱及び加
圧した後、中間転写体と用紙とを重ね合わせたまま、ト
ナー粒子の凝集力がトナー像と中間転写体との接着力よ
り大きくなるまで冷却し、その後に用紙を中間転写体か
ら剥離する方法及び装置が開示されている。このような
方法又は装置では、冷却されることによってトナーの凝
集力が強くなり、中間転写体上にトナー層の一部が残っ
てしまう、いわゆるオフセット現像を有効に防止するこ
とができる。さらに、トナーが中間転写体の表面に沿っ
て固化するため、平滑な中間転写体を用いることによっ
て、高光沢でトナーの透明性に優れた高画質画像を得る
ことができる。
【0006】一方、記録媒体上に静電的な方法等によっ
て転写された未定着トナー像を加熱及び加圧して定着す
る際に、ベルト状の定着部材を記録媒体上のトナー像に
密着させ、溶融したトナー層の凝集力がトナーと定着部
材との付着力より大きくなるまで温度を下げてから剥離
する技術が知られており、たとえば特開平6-138785号公
報、特開平11-174874号公報に開示されている。上記の
ような定着を行うことにより、定着時のオフセットを防
止することができるとともに高光沢の良好な画像を得る
ことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記画
像形成装置又は定着装置には、以下のような問題点があ
る。特開平5-19642号公報、特開平5-249798号公報に開
示された装置では、用紙等で代表される記録媒体をベル
ト状の中間転写体から剥離する部分において、ベルト状
の中間転写体を曲率の大きいロール等に巻き回し、中間
転写体がその移動方向を変化させる際に、用紙等の剛性
(いわゆる“こし”の強さ、つまり、中間転写体が大き
な曲率で曲げ回されたときに、変形に抵抗する性質)を
利用して、中間転写体から用紙を剥離するようにしてい
る。特開平5-19642号公報では、さらに剥離する部分に
剥離爪を設けて剥離を補助する技術も開示されている。
【0008】これらの装置では、記録媒体として坪量80
gsm以上の普通紙や厚紙を使用した場合については問題
なく剥離できるが、坪量80gsm以下の薄い紙やコート紙
のように剛性の小さい用紙は、トナー粒子間の凝集力が
トナーと中間転写体との付着力より大きくなるまで冷却
しても、トナーと中間転写体との付着力よりも紙の剛性
の方が弱く、中間転写体から剥離できずに中間転写体に
巻き付いたまま送られ、紙づまりを起こすことがある。
【0009】一方、ベルト状部材を使用した定着装置に
おいても同様の問題がある。例えば、特開平6-138785公
報、特開平11-174873号公報に開示されたベルト状の定
着部材を用いた定着装置では、ベルト状の定着部材をロ
ール等の曲率を有する部材に巻き回し、ベルトがその移
動方向を変化させる際に、用紙の剛性を利用してベルト
から用紙を剥離するようにしているので、坪量80gsm以
下の薄い紙やコート紙のように剛性の小さい紙が剥離で
きずに紙づまりになるという不具合が発生することがあ
る。
【0010】また、剛性の小さい紙は、剥離爪を設けて
剥離を補助するようにしても、爪によって剥離される部
分とそうでない部分との間で紙が折れ曲がったり、裂け
たりして十分に中間転写体等からの剥離を補助できない
のが実情である。
【0011】今後、画質だけでなく、適用できる用紙の
種類も含めて印刷機と同等の機能が要求されるトナーを
用いた画像形成装置においては、印刷の分野で広く用い
られている薄いコート紙を記録媒体として使用可能にす
ることが強く求められる。特に、電子写真方式のカラー
画像形成装置のオンデマンド性等の利点を活かす重要な
要素となる。
【0012】本発明は、上記のような問題点及び要請に
鑑みてなされたものであり、その目的は、ベルト状の中
間転写体を用いた転写定着同時方式の画像形成装置、又
はベルト状の定着部材を用いた定着装置において、その
記録媒体として、薄く剛性の小さい用紙を用いたとして
も、紙づまりを起こさずに容易に中間転写体又は定着部
材から剥離することのできる画像形成装置又は定着装置
を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明は、周面上にトナー像が形成
される像担持体と、複数の部材に張架され、周回駆動さ
れる無端ベルト状の中間転写体と、像担持体上のトナー
像を中間転写体に転写する一次転写装置と、中間転写体
上に転写されたトナー像を加熱及び加圧して記録媒体に
転写する二次転写装置と、この二次転写装置が設けられ
た位置よりも中間転写体の移動方向における下流側で中
間転写体の内側に当接され、その移動方向を曲げ回して
中間転写体に付着している記録媒体を剥離する剥離誘導
部材と、剥離誘導部材の上流側で、中間転写体の移動方
向と直角方向の断面を波状とするしわ形成手段とを有し
て構成される画像形成装置を提供する。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の画像形成装置において、しわ形成手段を、中間転写体
の剥離誘導部材と当接している部分と、これより上流側
の部分との間に温度差を生じさせる温度差生成手段とす
る。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の画像形成装置において、しわ形成手段を、中間転写体
の剥離誘導部材と当接している部分、又はこの近傍に空
気流を送る送風冷却装置とする。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の画像形成装置において、しわ形成手段を、剥離誘導部
材を冷却する冷却装置とする。
【0017】請求項5に記載の発明は、請求項1に記載
の画像形成装置において、しわ形成手段が剥離誘導部材
を兼ねるものであり、剥離誘導部材の中間転写体との当
接面が、中間転写体の移動方向と直角の方向に複数の凹
部又は凸部を有するものとする。
【0018】請求項6に記載の発明は、周回駆動され、
トナー像が転写された記録媒体に当接される無端ベルト
と、記録媒体上のトナー像を加熱するとともに、記録媒
体と無端ベルトとを重ねて加圧する加熱加圧手段と、無
端ベルトの移動方向に沿って加熱加圧手段の下流側に設
けられ、無端ベルトの移動方向を曲げ回して無端ベルト
に付着している記録媒体を剥離する剥離誘導部材と、剥
離誘導部材の上流側で、無端ベルトの移動方向と直角の
方向の断面を波状とするしわ形成手段とを有して構成さ
れる定着装置を提供する。
【0019】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の定着装置において、しわ形成手段を、無端ベルトの剥
離誘導部材と当接している部分と、これより上流側の部
分との間に温度差を生じさせる温度差生成手段とする。
【0020】請求項8に記載の発明は、請求項6に記載
の定着装置において、しわ形成手段を、無端ベルトの剥
離誘導部材と当接している部分、又はこの近傍に空気流
を送る送風冷却装置とする。
【0021】請求項9に記載の発明は、請求項6に記載
の定着装置において、しわ形成手段を、剥離誘導部材を
冷却する冷却装置とする。
【0022】請求項10に記載の発明は、請求項6に記
載の定着装置において、しわ形成手段が、剥離誘導部材
を兼ねるものであり、剥離誘導部材の無端ベルトとの当
接面が、無端ベルトの移動方向と直角の方向に複数の凹
部又は凸部を有するものとする。
【0023】請求項11に記載の発明は、トナーの選択
的な付着によって可視像を形成するトナー像形成手段
と、形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置
と、請求項6から請求項10までのいずれかに記載され
た定着装置とを有して構成される画像形成装置を提供す
る。
【0024】発明の完成に先立ち、本発明者等は、電子
写真式の画像形成装置にOK中質コート紙(72.3gsm、
王子製紙株式会社製)を使用すると紙づまりが生じるこ
とに着目し、該コート紙の剛性を他の3種の用紙と比較
することにした。表1はこのOK中質コート紙と他の紙
種の坪量、厚さ、剛性を比較したものである。紙の剛性
は、別に測定したヤング率と紙の断面について算出した
断面2次モーメントの積を記したもので、断面2次モー
メントは、その厚さ(t)と、A4サイズの用紙の長手
方向の長さ297mmよりなる長方形断面について計算され
たものである。なお、S紙とJ紙とJコート紙は富士ゼ
ロックス株式会社製である。
【0025】
【表1】
【0026】表1からわかるように、OK中質コート紙
はカラー用の普通紙であるJ紙と比較すると、剛性が半
分もなく、普通紙の薄紙であるS紙よりもさらに小さい
剛性となっている。また、このOK中質コート紙は、坪
量ではS紙よりも大きくなっているが、その厚さは逆に
小さく、厚さ(t)の3乗と比例する断面2次モーメン
トの影響で剛性はより小さい値となっている。つまり、
コート紙のコート層は、密度が高く坪量の増加にはなる
が、その厚さが薄いため剛性増大には寄与せず、よって
同程度の坪量の普通紙に比べ剛性の少ないものになって
いることが分かる。
【0027】坪量が小さく薄いコート紙を中間転写体お
よび定着部材から無理なく剥離するためには、用紙の剛
性を大きくする必要がある。用紙剥離部での用紙の剛性
は、用紙の物性として測定される用紙のヤング率と用紙
の断面形状で決まる断面2次モーメントとの積によって
把握されるが、剛性の一因子であるヤング率は物性値と
して普遍的なものであり、これを変えることは不可であ
る。そこで、本発明者は紙の断面形状を変え断面2次モ
ーメントを変える手段を解決方法として採用した。
【0028】請求項1に記載の発明に係る画像形成装置
では、トナー像を加熱及び加圧する二次転写装置が設け
られた位置より中間転写体の移動方向における下流側で
あって、その移動方向を曲げ回して中間転写体に付着し
ている記録媒体を剥離する剥離誘導部材までの間に、ベ
ルト状の中間転写体の移動方向と直角方向の断面を波状
とするしわを形成する。これにより、二次転写装置から
中間転写体に付着し一体となって移動してくる用紙等の
記録媒体も同様に波打った形状となって剥離誘導部材に
至る。
【0029】用紙自体が波打った形をしていることは、
この用紙の厚さ方向の断面形状が単純な長方形より、そ
の断面2次モーメントが大きくなっている。計算によれ
ば深さ80μmで40mmピッチの波ができると、断面2次モ
ーメントが2〜3倍になる。すなわち、本発明に係る画
像形成装置では、剥離部における用紙形状を波打った形
状にすることで、中間転写体から用紙を剥離する部分で
用紙の剛性を大きくしており、薄く剛性の小さいコート
紙でも中間転写体から容易に剥離することができる。
【0030】請求項2に記載の発明では、用紙を波打っ
た形状とするために、中間転写体の剥離誘導部材と当接
している部分と、これより上流側の部分との間に温度差
を作るように構成している。これは、熱によるベルト状
の中間転写体の膨張、収縮を利用するものであり、温度
の高い二次転写装置側のベルト幅寸法と剥離誘導部材と
当接している部分のベルト幅寸法を異ならせ、それによ
って中間転写体に歪みを作り、波打ち形状を形成するも
のである。
【0031】請求項3及び請求項4に記載の発明では、
中間転写体の剥離誘導部材と当接している部分と、これ
より上流側の部分との間に温度差を作る手段として、当
該当接部分又はその近傍に空気流を送る送風冷却装置、
又は剥離誘導部材を冷却する冷却装置を用いている。二
次転写装置では中間転写体を加熱加圧しているので、温
度差を作る手段は、剥離誘導部材と当接している部分又
はその近傍を強制冷却することが有効な手段となる。
【0032】請求項5に記載の発明では、ベルト状の中
間転写体と用紙に波打ち形状を作るために、剥離誘導部
材の中間転写体との当接面が、中間転写体の移動方向と
直角の方向に複数の凹部又は凸部を有する構成となって
いる。たとえば、剥離誘導部材として使用されるベルト
張架ロールの形状を軸方向に直径が大きい部分と小さい
部分とが交互に形成されたものとし、これにベルト状の
中間転写体が張架されることで、強制的にベルト状の中
間転写体に波打ち形状を作るものである。
【0033】この場合も、ベルト状の中間転写体に付着
し一体となって移動している用紙が波打ち、上述のよう
に剥離部での用紙の断面2次モーメントが大きくなっ
て、剥離性が向上する。この方法には、剥離誘導部材と
してのベルト張架ロールの形状を変えることで、波の
数、波のピッチ等の形状を変えることができるという利
点がある。
【0034】請求項6に記載の発明では、定着装置の加
熱加圧手段が設けられた位置より、無端ベルトの移動方
向の下流側であって、その移動方向を曲げ回して中間転
写体に付着している記録媒体を剥離する剥離誘導部材ま
での間に、無端ベルトの移動方向と直角方向の断面を波
状とするしわ形成手段を設けている。これにより、溶融
したトナーによって無端ベルトに付着している用紙は、
波状にしわが形成され、断面2次モーメントが大きくな
り、薄く剛性の小さいコート紙も無端ベルトから容易に
剥離することができる。
【0035】請求項7から請求項9に記載の発明では、
定着装置において、無端ベルトの移動方向と直角の方向
の断面を波状とするしわ形成手段を温度差生成手段と
し、請求項2から請求項4について説明したのと同様の
原理により、無端ベルトから用紙を容易に剥離すること
ができる。
【0036】請求項10に記載の発明は、無端ベルトの
移動方向と直角の方向の断面を波状とするしわ形成手段
を、剥離誘導部材として使用されるベルト張架ロールの
形状を特殊な形状として構成したものであり、軸方向に
ベルト張架ロールの直径が大きい部分と小さい部分とを
交互に有するものとなっている。これに無端ベルトを張
架することで、強制的に波打ち形状を作るものである。
【0037】この場合も、定着装置の無端ベルトに付着
し一体となって移動する用紙が波打った形状となり、剥
離誘導部材と当接する位置での用紙の断面2次モーメン
トが大きくなり、剥離性が向上するものである。この方
法においては、剥離誘導部材として用いるベルト張架ロ
ールの形状を変えることで、波打った形状のピッチを変
えることができるという利点がある。
【0038】請求項11に記載の発明では、請求項6か
ら請求項10に記載の定着装置が、記録媒体上に転写さ
れた未定着トナー像を加熱加圧して定着するために使用
されており、無端ベルトに付着した用紙等の記録媒体を
容易に剥離することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。図1は、請求項1、請求項2及び
請求項3に記載の発明の一実施態様である画像形成装置
を示す概略構成図である。この画像形成装置は、周面が
周回可能に支持された無端ベルト状の中間転写体1を備
えており、この中間転写体1と対向する位置に、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成する
4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10
dが配設されている。
【0040】各画像形成ユニット10a、10b、10
c、10dは、表面に静電潜像が形成される感光体ドラ
ム9a、9b、9c、9dを有しており、各感光体ドラ
ムの周囲に、この感光体ドラムの表面をそれぞれほぼ一
様に帯電する帯電装置11a、11b、11c、11d
と、各感光体ドラム表面にレーザー光を走査して静電潜
像の書き込みを行う光走査装置20と、感光体ドラム上
に形成された各潜像にイエロー、マゼンタ、シアン又は
ブラックのトナーを転移させてトナー像を形成する現像
装置12a、12b、12c、12dと、各感光体ドラ
ム上のトナー像を中間転写体1上に一次転写する転写帯
電器13a、13b、13c、13dとを備えている。
【0041】上記中間転写体1の内側には、支持ロール
6a、6b、加熱・加圧ロール2a、剥離部でベルトを
張架する剥離部ロール7(剥離誘導部材)及び剥離部ロ
ール7の上流側で中間転写体1に当接されるベルト支持
ロール8が配設され、中間転写体1はこれら各ロールに
張架されて図中に示す矢印方向に周回駆動される。ま
た、記録紙Pと中間転写体1とを圧接させるため、加熱
・加圧ロール2aと中間転写体1を介して対向する位置
に、記録紙Pを加熱押圧する対向ロール2bが配設され
ている。
【0042】さらに、中間転写体1の周回方向における
加熱・加圧ロール2aの上流側には、中間転写体上のト
ナー像を加熱するための加熱板4が、中間転写体1の裏
面側に沿って湾曲して設けられている。そして加熱板4
は、その中間転写体1との接触面とは反対の面を面状ヒ
ータ4aで加熱する構成としている。装置内にはさら
に、記録紙Pを収容するトレイ15と、このトレイ15
から記録紙Pを一枚ずつ送り出すフィードローラ16
と、記録紙Pを加熱・加圧ロール2aと対向ロール2b
との圧接部に搬送する搬送ローラ17とが備えられてい
る。
【0043】中間転写体1の周回方向における加熱・加
圧ロール2aの下流側には、剥離部ロール7が配設され
ているが、その剥離部ロール7に対向して剥離プレート
5が設けられている。これはベルト状の中間転写体1か
ら記録紙Pの剥離を補助し、連続的に排出側に導くプレ
ートであり、ベルト表面に対して0.3mmの間隙をもって
取り付けられている。剥離された記録紙Pは用紙排出ロ
ーラ18を介して排出トレイ19へ送り出される。
【0044】中間転写体1の周回方向における加熱・加
圧ロール2aの下流側であって、剥離部ロール7の近傍
の上流側には、ベルト状の中間転写体1を送風冷却する
送風冷却装置30が配設されている。この送風冷却装置
30はベルト状の中間転写体1及び記録紙Pに密着され
たトナー像を冷却し、ベルト状の中間転写体1と記録紙
Pを一体としてベルトの幅方向にしわを形成するしわ形
成手段の一実施態様である。
【0045】以下に、本実施形態を構成している各構成
要素について、より詳しい説明を加える。上記感光体ド
ラム9a、9b、9c、9dは、ドラム表面にSe、a-S
i、a-SiC、CdS等の各種無機感光体層を有するもの、又
は各種有機感光体層を有するものを用いることができ
る。また、トナーはイエロー、マゼンタ、シアン等の色
素を含有した熱可塑性のバインダで構成される公知のも
のを用いることができる。
【0046】ベルト状の上記中間転写体1は、ベース層
と表面層の2層構造のものを用いている。ベース層に
は、カーボンブラックを添加した厚さ75μmの耐熱性ポ
リイミドフィルムを用いている。本実施形態では、トナ
ー像を感光体ドラムから中間転写体1へ静電的に画像乱
れなく転写するために、ベース層の体積抵抗率はカーボ
ンブラックの添加量を変化させて1010Ωcmに調整し
ている。なお、ベース層としては、例えば、厚さが10〜
300μmの耐熱性の高いシートを使用することが可能であ
り、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
エーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリサルフ
ォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアミドなど
のポリマーシート等を用いることが可能である。
【0047】ベルト状の上記中間転写体1の材料として
使用した耐熱性ポリイミドフィルムの熱膨張係数はおよ
そ2×10-5/℃〜5×10-5/℃である。本実施形態
では、幅350mmのベルトを使用しているが、この場合、
温度差100℃のとき、1mm程度のベルト幅の差が生じ
る。中間転写体1の移動方向で温度差が生じている範囲
が短いほど、このベルト幅の差が歪みとなって現れる。
温度差が生じている範囲がおよそ100mm以下のとき、上
記傾向は顕著であり、またベルト張力が大きいと歪みが
増大され、波打つようなしわが発生しやすくなる。な
お、本実施態様では転写体ベルトは8×9.8Nの張力で
張架されている。
【0048】中間転写体1の表面層は、トナー像を感光
体ドラム9a、9b、9c、9dから中間転写体1上に
静電的に画像乱れなく転写するために、その体積抵抗率
を1014Ωcmに調整している。また、トナー像を中間転
写体1から記録紙Pへ転写すると同時に定着させるとき
に、トナー像を挟んで中間転写体1と記録紙Pとを良好
に密着させるために、ゴム硬度24度、厚さ50μmのシリ
コーン共重合体を用いている。
【0049】シリコーン共重合体は弾性を持ち、常温で
その表面がトナーに対して粘着性を示す。さらに、溶融
して流動化したトナーが吸着しにくい特性を有している
ため、記録紙Pへトナーを効率的に移行させることがで
き、表面層の材質には最適である。なお、表面層は、上
記シリコーン共重合体の他、例えば厚さ1〜100μmの離
型性の高い樹脂層を使用することが可能であり、例え
ば、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビ
ニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等
を用いることも可能である。
【0050】上記加熱板4としては、板厚3mmで、曲率
半径が900mmの湾曲したアルミニウム製の接触板の裏
に、面状ヒータ4aとしてシリコーンラバーヒータをつ
けたものを使用している。上記接触板は、熱伝導の良い
ものなら特にアルミニウムに限るものではなく、熱伝導
の良い板を用いることにより、中間転写体1を均一に加
熱できるという効果を得ることができる。シリコーンラ
バーヒータは通電発熱体をシリコンラバーで覆ったもの
であり、通電発熱体から接触板への熱抵抗を小さくする
ことで効率的に加熱が行われるので、シリコーンラバー
厚はできるだけ薄くするのがよい。実施例では0.5mm厚
のシリコーンラバー層を使用している。
【0051】加熱板4の中間転写体1への接触加熱時間
は、接触板の板長を変えることで自由に設定できる。ま
た面状ヒータ4aは通電発熱体の配線パターンを任意に
変えることが可能であるため、面状の発熱部材の中で容
易に発熱分布を変えることができる。なお、加熱板4と
しては、このほかにセラミックヒータ等も用いることが
できる。
【0052】加熱・加圧ロール2a及び対向ロール2b
としては、金属ロール上にシリコーンゴム等の耐熱弾性
層を有したものを用いることができる。金属ロールの内
部には熱源3a、3bが配置されている。本実施形態に
おいては加熱・加圧ロール2a及び対向ロール2bとし
て、アルミニウムの中空ロール上に硬度30度のシリコー
ンゴムを厚さ2.0mmで積層した外径50mmのものを用い、
ロール内部の熱源3a、3bとしては、ハロゲンランプ
を使用した。なお、加熱・加圧ロール2aと対向ロール
2bとの当接圧(ニップ圧という)は5.5×105Paに
設定し、接触範囲(ニップ幅)がおよそ7.5mmになるよ
うに調節している。
【0053】なお、加圧及び加熱するための構成は、上
記のように加熱・加圧ロール2a及び対向ロール2bに
よる構成のみに限定されるものではなく、中間転写体1
と記録紙Pとの間に浮きやずれを発生させることなく均
一に加圧できるものであればどのような構成のものでも
よい。例えば、1つの加熱・加圧ロールと1つの固定パ
ッドを組み合せたもの、あるいは一組の固定パッドで構
成してもよい。また、加熱源としてハロゲンランプを用
いているが、加熱源はハロゲンランプに限定されるもの
でなく、他の加熱手段を用いることができる。
【0054】剥離部ロール7は、直径の小さいものが用
いられ、それにベルト状の中間転写体1を巻き回し、記
録紙P自体の剛性を利用してロールの曲率によって移動
する中間転写体1から記録紙Pを剥離するようになって
いる。しかし、ロール径をあまり小さくするとベルトの
張力によってロールにたわみが生じるので、本実施態様
では剥離部ロール7を直径16mmのステンレスロールにし
ている。なお、剥離部ロール7に対向して設けられてい
る剥離プレート5も同様にステンレスで作られており、
表面をフッ素樹脂で被覆している。
【0055】送風冷却装置30は、中間転写体1である
ベルト及び記録紙Pへ向けて風を送るように構成されて
いる。図2においてその構成を示すように、機外から室
温程度の空気を取り込み、ダクト32で剥離部の中間転
写体1へ風を送るように配設されており、これによって
中間転写体1の剥離部ロール7近傍における温度とそれ
よりも上流部における温度とに差をつけている。送風冷
却装置30のファンとして、ベルトの幅方向にわたって
均一に風が送れるようにクロスフローファン31を用い
ている。図2に示す白抜き矢印は、機外から取り込まれ
た室温程度の空気が中間転写体1の剥離部へ向かうよう
すを表したものである。
【0056】次に上記画像形成装置の動作について説明
する。ベルト状の中間転写体1の周辺に配置された各画
像形成ユニット内で、感光体ドラム9a、9b、9c、9d が
それぞれ帯電装置 11a、11b、11c、11d によりほぼ一様
に帯電された後、画像信号に応じてオンオフされる光走
査装置20によって露光され、静電潜像が形成される。
【0057】各感光体ドラム9a、9b、9c、9d 上の静電
潜像は、それぞれ、黒、イエロー、マゼンタ、シアン色
のトナーが入った現像装置12a、12b、12c、12d により
現像され、面積変調により濃度を表す、いわゆるディジ
タル画像が各感光体ドラム1上にトナー像として形成さ
れる。この各色トナー像は、順次、転写帯電器13a、13
b、13c、13d により中間転写体1上へ重ね合わせて転写
され、中間転写体1上に複数色のトナー像が形成され
る。中間転写体1上に形成された複数色のトナー像は、
中間転写体1が加熱板4と対向する位置を通過する際に
加熱され、溶融する。
【00058】一方、トレイ15から記録紙Pが一枚ず
つ取り出され、搬送ローラ17によって搬送される。こ
の記録紙Pの送紙にともない、中間転写体1に対向する
対向ロール2bが加熱・加圧ロール2aに圧接される。
その後、前記複数色のトナー像を保持した中間転写体1
と記録紙Pとが重ね合わされ、加熱・加圧ロール2aと
対向ロール2bとのニップ間を通過し、加圧及び加熱さ
れる。溶融温度以上に加熱されたトナーは軟化、溶融し
て記録紙Pに圧着される。
【0059】このトナー像は、中間転写体1および記録
紙Pが密着された状態で、送風冷却装置30による冷却
位置へ搬送される。そしてトナーは、送風冷却装置30
により溶融温度以下に冷却されることで凝集固化し、記
録紙Pとの間に強い接着力が生じる。その結果、曲率半
径の小さな剥離部ロール7が配置された位置において、
中間転写体1が大きな曲率で曲げ回されると、記録紙P
が、記録紙P自体の剛性によって中間転写体1からトナ
ーとともに分離され、オフセットを生じることなく記録
紙P上にカラー画像が形成される。
【0060】しかし、剛性の小さい紙は、中間転写体1
が大きな曲率で曲げ回されても、中間転写体1から剥離
できずに巻き付いたまま送られ、紙づまりを起こすこと
がある。そのため、送風冷却装置30はトナーを冷却す
ることのみならず、中間転写体1のベルト部材をも冷却
し、用紙剥離部とこれより上流側の部分との間に、所定
以上の温度差を作って、その収縮によりベルトにしわを
形成し、紙の剛性を大きくしている。その結果、記録紙
は中間転写体1から容易に剥離することが可能となる。
【0061】上記画像形成装置において記録紙剥離不良
による紙づまりの防止効果を確認するために、カラー画
像を出力する実験を行った。その結果について、以下に
説明する。 剛性の小さい記録紙Pとして使用したの
は、王子製紙株式会社製OK中質コート紙(72.3gsm)
であり、A4サイズの長手方向を紙送り方向の先端及び
後端にして画像の転写及び定着を行った。
【0062】本実験では溶融温度145℃のトナーを用
い、265mm/secの中間転写体移動速度で、毎分60枚の高
速画像出力を行った。原則として通紙は100枚を基準と
している。また、中間転写体1は加熱板4によって170
℃に昇温するようにした。加熱・加圧ロール2aの熱源
3aによる加熱温度は125℃に制御し、対向ロール2b
の熱源3bによる加熱温度を100℃に制御して画像出力
を行った。このとき、加熱・加圧ロールと対向ロールと
のニップ部を通過した直後の中間転写体1の裏面の温度
はおよそ150℃となっており、記録紙Pとの間に挟まれ
ているトナーの溶融温度145℃より高い状態であること
が確認された。
【0063】トナー温度が溶融温度より高い状態で記録
紙Pが中間転写体1から剥離されるとホットオフセット
等により正常な画像形成がなされないので、中間転写体
1とトナー像と記録紙Pとは少なくともトナーの溶融温
度(Tm℃)以下になるまで密着した状態のまま搬送する
必要がある。本実験では、ベルト支持ロール8の直後で
中間転写体1の裏面がおよそ130℃となり、剥離部ロー
ル7の直前で中間転写体1の裏面がおよそ80℃となって
いる。
【0064】加熱・加圧ロール2aと対向ロール2bと
のニップ部通過時に、高温の中間転写体1とトナー像
は、室温で送り出されてきた記録紙Pと圧接される。そ
のため記録紙Pへ熱が移動し、互いに密着して一体とな
った中間転写体1の温度は幾分下がる。さらに、送風冷
却装置30によって剥離部での温度が下げられ、中間転
写体1にはベルト支持ロール8と剥離部ロール7との間
で50℃の温度差が生じている。
【0065】ベルト支持ロール8と剥離部ロール7との
間の距離は100mmに設定してあり、加熱・加圧ロール2
aと対向ロール2bとのニップ部からベルト支持ロール
8までの距離は約200mmである。計算によると、中間転
写体1はベルト支持ロール8から剥離部ロール7へ移動
する間に約50℃の温度低下があり、幅方向でおよそ0.5m
mの収縮があったことになる。そのため、ベルト支持ロ
ール8の部位における転写体ベルト幅と剥離部ロール7
の部位での同ベルト幅との寸法の違いによって図2に示
すように、中間転写体1にはその移動方向と直角の方向
に波打つようなしわができる。
【0066】図3は、本実験に用いたOK中質コート紙
(72.3gsm)を100枚通紙し、剥離不良が起きた割合をグ
ラフにしたものである。図3の横軸は、万線スクリーン
の面積変調によりハイライト部からベタ画像までの濃度
を表すいわゆるディジタル画像の面積率を示し、出力し
たトナー画像の紙上で占める割合を表している。縦軸は
各トナー画像面積率における剥離不良率を百分率(%)
で表したものである。トナー画像は、用紙の四方の辺か
ら各3mmを非画像部として残し、全面均一なトナー画像
を形成したものであり、トナー色はイエロー、マゼン
タ、シアンの3色が重なったプロセス黒画像である。但
し、図3の横軸は各単色での面積率である。
【0067】ベルト状の中間転写体1から記録紙Pを剥
離する剥離部において、中間転写体1と記録紙Pに挟ま
れるトナーは両者の接着剤のような働きをし、トナーが
無ければ記録紙Pの中間転写体1への付着力はほとんど
ゼロに近く、トナーの量が増えるに従い付着力が増す。
すなわち、トナーの量が増えトナー画像面積率(図3横
軸)が大きくなると、記録紙がベルトへ強い力で付着し
ているので剥離しにくく、剥離不良が多く発生する。図
3にはこのようすが示されている。
【0068】図3のグラフによれば、本実施形態に係る
画像形成装置の適用以前(図3における実線グラフ)は
特にこの傾向が顕著であり、画像面積率が20%以下では
殆ど剥離不良は生じないが、画像面積率が40%程度から
急激に剥離不良率が高くなり、80%以上の画像面積率で
は、ほとんど剥離できない状況であることが分かる。こ
れに対し、本実施形態では、80%以上の画像面積率で10
%程度の剥離不良が発生したものの、従来の結果に対し
大幅に剥離性能が改善されている。また、このようにし
て記録紙Pに転写、定着されたトナー画像の表面も、中
間転写体1の表面にならい平滑化され、高光沢でかつ十
分に高画質なものであった。
【0069】本願発明の要旨は、ベルト状の中間転写体
1の用紙剥離部より上流側において、波状のしわをつく
ることにより紙の断面2次モーメントを増加させ、その
剛性を大きくすることにあるが、厚紙のように剛性が大
きく、ベルトの変形に追従しにくい記録紙では、ベルト
の変形がある程度発生した時点で、部分的若しくは全体
的にベルト状の中間転写体1から剥離することがある。
このとき、トナーの温度がその溶融温度程度かそれ以上
であると、ホットオフセットを起こしたり、剥がれた部
分の光沢が極度に下がり許容できない画質レベルとなる
ことがある。
【0070】しかし、本画像形成装置では、剥離部ロー
ル7とベルト支持ロール8との間の中間転写体1に波状
のしわをつくるようにしており、加熱・加圧ロール2a
と対向ロール2bとの圧接部からベルト支持ロール8ま
での間はできるだけ中間転写体1を変形させないように
している。すなわち、トナー温度がその溶融温度以下に
十分下がるベルト支持ロール8の部位までは付着してい
るベルトと記録紙Pとをおおよそ平面状に保つようにし
ており、ベルト支持ロール8はおよそ剥離部から発生す
るベルトの波打つようなしわが加熱・加圧ロール2aと
対向ロール2bとの圧接部へは及ばないようにする役目
も果たしている。
【0071】本実施形態では、加熱・加圧ロール2aと
対向ロール2bとの圧接部からベルト支持ロール8まで
の間は、中間転写体1と接触する部材が何もない状態に
しているが、中間転写体1をおよそ平面状に保っておく
ために、中間転写体1の裏側(トナー画像が担持される
面の反対側)に平面若しくは曲面をもった押し当て部材
を当接させる方法もより効果的である。この場合、押し
当て部材を加熱あるいは、冷却することで、ベルト支持
ロール8の部位での中間転写体1の温度を制御でき、確
実にトナー温度をその溶融温度以下にできるという利点
がある。なお、普通紙で確認した結果、ベルト支持ロー
ル8の位置で中間転写体1のしわ形成効果による部分的
な剥離が見られたのは、120gsm を超えた用紙であっ
た。
【0072】以上説明したように、本実施形態によっ
て、薄く剛性の小さいコート紙を使用してもトナー画像
の画質を低下させることなく、極めて有効な紙づまり防
止効果を期待できるものであり、また、記録紙Pとして
120gsm以上の厚紙を使用してもオフセットや画像の光沢
むらを生じさせることなくベルト状の中間転写体1から
剥離できるものである。
【0073】なお、本願発明におけるトナー溶融温度
(Tm℃)とは、島津製作所(株)製フローテスターCFT
−500型 によって求めた値を基準とする。すなわち、加
圧成型器にて成型した1.5gのトナーをフローテスターC
FT−500型を用い、荷重98N(10kgf)、ノズル直径0.5m
m、ノズル長さ1mm、昇温速度5℃/分の条件でノズルか
ら押しだす。各温度の流出量を60℃から150℃まで3℃
きざみで測定し、見かけ粘度η’(poise)を得る。この
際、見かけ粘度η’が104 poiseとなる温度をトナー溶
融温度と定義している。
【0074】図4は、請求項4に記載の発明の一実施形
態である画像形成装置を示す概略構成図である。この画
像形成装置では、図1に示す画像形成装置と同様に、感
光体ドラム9a、9b、9c、9d 、帯電装置11a、11b、11c、
11d、光走査装置20、現像装置12a、12b、12c、12d 等
からなる4つの画像形成ユニット10a、10b、10c、10d
と、中間転写体1と、加熱板4と、加熱・加圧ロール2
aと、対向ロール2bと、ロール部材6a、6bと、ベ
ルト支持ロール8と、トレイ15と、フィードローラ1
6と、搬送ローラ17と、送風冷却装置30とを備えて
いるが、剥離部ロール27の構成が異なっている。
【0075】この画像形成装置で用いられる剥離部ロー
ル27の構成を図5に示す。この剥離部ロール27は、
周面にベルト状の中間転写体1が掛け回され、回転可能
に支持されることによって中間転写体1を張架するもの
であり、その支持軸がヒートパイプ21になっている。
そして、このヒートパイプ21を中間転写体が掛け回さ
れる長さよりも長くしてその先端に放熱板22を取り付
けている。すなわち、ベルト状の中間転写体1が運んで
くる熱によりあたためられた剥離部ロール27から、そ
の熱をヒートパイプ21によって放熱板22へ逃がし、
剥離部ロール27を冷却するものである。
【0076】これにより、剥離部ロール27に巻き回さ
れている中間転写体1のベルト温度を下げ、ベルト支持
ロール8が当接する位置でのベルト温度との差を大きく
するようにしている。放熱板22にはファン等によって
風を送ることで、より放熱効果を促し、冷却効率を高め
ることもできる。また、剥離部ロール27の材質は熱伝
導の良いものがよく、本実施形態ではアルミニウムを用
いている。
【0077】本実施形態の画像形成装置において、記録
紙剥離不良による紙づまり防止効果を確認するために、
カラー画像を出力する実験を行った結果について説明す
る。本実験では、図1に示す画像形成装置と同様に、溶
融温度145℃のトナーを用い、265mm/sの中間転写体移動
速度で、A4サイズの記録紙Pへ毎分60枚の高速画像出
力を行った。その他、中間転写体1の加熱条件、加熱・
加圧ロール2a及び対向ロール2bの加熱条件、通紙枚
数等も前実験例と同じ条件にして行った。
【0078】本実験例では、ベルト支持ロール8の直後
でおよそ130℃であった中間転写体1の温度が、剥離部
ロール27の直後でおよそ65℃となった。およそ65℃の
温度差により、ベルト支持ロール8と剥離部ロール27
間でのベルトの波打ちしわが大きくなり、密着している
用紙の剛性が増大したと推測できる。そこで、OK中質
コート紙(72.3gsm)に前実験例と同様の画像条件で画
像形成を行ったところ、トナー画像面積率80%〜100%
の条件の下でも剥離不良を起こすことは無かった。すな
わち、本実施態様では、図1の実施態様よりも、剥離効
果の良い結果が得られ、その画質も高光沢で十分満足で
きるものであった。
【0079】次に、請求項5に記載の発明の一実施形態
である画像形成装置について説明する。この画像形成装
置は、図1に示す装置とほぼ同じ構成を有するものであ
るが、剥離部ロール37の構成が異なる点、及び送風冷
却装置が備えられていない点で相違する。
【0080】図6は、上記画像形成装置で用いられる剥
離部ロールの形状を示す概略図である。この剥離部ロー
ル37は、その直径を軸方向で周期的に変化させてい
る。具体的には、剥離部ロール37の表面に、ベルト状
の中間転写体1を支持し張架する凸部と、転写体ベルト
に接触しないか又は転写体ベルトのたるみによって、わ
ずかにベルトと接触をする凹部を設けるものである。こ
れにより、ベルト状の中間転写体1には剥離部ロール3
7の凹凸ピッチL1に合った波打つようなしわが発生す
る。
【0081】ベルト状の中間転写体1に生じるしわの高
さはベルトの張力が大きいほど大きくなり、それにより
ベルトに密着した記録紙Pの剛性も大きくなる。また、
剥離部ロール37の凹凸の長さの比を変化させると波打
ちしわの形状も変化する。剥離部ロール37の凹部の長
さL3が長いと、波打ちの振幅が大きくなり、記録紙P
の剛性が大きくなる。また、凹凸ピッチL1が小さいと
波の数が多くなり、これに従ってベルトに密着した記録
紙Pの剛性も大きくなる。すなわち、剥離部ロール37
の形状は、凹凸ピッチL1をより小さくし、凸部長さL
2をより小さく、凹部長さL3をより大きくすることが
望ましい。なお、凹凸ピッチL1、凸部長さL2、凹部
長さL3は剥離部ロール37の軸方向で一定である必要
はなく、たとえば端部と中央部で異ならせてもよい。
【0082】本画像形成装置における記録紙剥離不良に
よる紙づまり防止効果を確認するために、カラー画像を
出力する実験を行った結果について説明する。本実験で
は、図1に示す画像形成装置と同様に、溶融温度145℃
のトナーを用い、265mm/sの中間転写体移動速度で、A
4サイズの記録紙へ毎分60枚の高速画像出力を行った。
中間転写体1の加熱条件、および加熱・加圧ロール2a
及び対向ロール2bの加熱条件も、前実験例と同じ条件
にした。
【0083】本実験では、凹凸ピッチL1を20mm、凸部
長さL2を2.5mm、凹部長さL3を17.5mmにし、また凸
部のロール直径を16mm、凹部のロール直径を15.4mmにし
て行った。凸部と凹部の境の段差部分は、ベルト状の中
間転写体へのストレスを考慮し、はっきりした矩形形状
ではなく、角をとったR1.0mmの滑らかな形状にした。
【0084】図6に示す剥離部ロール37を使用しない
で、通常の円筒形ロールとして中間転写体1のベルト温
度を測定したところ、ベルト支持ロール8の直後でおよ
そ130℃であり、剥離部ロールの直前でおよそ105℃とな
った。この温度差25℃による中間転写体1の波打ち現象
はあまり見られなかった。しかし、表面に前記凹凸形状
を有する剥離部ロール37を用いることで、ベルト支持
ロール8と剥離部ロール37との間で中間転写体1のベ
ルトが波打つようにしわが形成された。なお、ベルト状
の中間転写体1はベルト幅350mmにし、8×9.8Nの張力
で張架している。
【0085】以上の条件で、OK中質コート紙(72.3g
sm)を用いて前述の実験例と同様の条件で画像形成を行
ったところ、トナー画像面積率0%〜100%の条件の下
で100枚の通紙を行っても剥離不良を起こすことは皆無
であった。すなわち、本実施態様では、図1の実施形態
よりも剥離効果がよくなっており、得られた画質も高光
沢で十分満足できるものであった。なお、実験において
特に記していない部材構成および条件は、図1に示す装
置とすべて同じであり、改めての記述を省略する。
【0086】次に、請求項6から請求項11までに記載
の発明の実施形態について説明する。図7は、請求項1
1に記載の発明の一実施形態である画像形成装置を示す
概略構成図である。この画像形成装置は、表面に静電潜
像が形成される感光体ドラム51と、この感光体ドラム
51の周辺にあって、該ドラム51の表面を一様に帯電
する帯電装置52と、一様帯電された感光体ドラム51
に像光を照射して静電潜像を形成する光走査装置53
と、異なる色の現像剤をそれぞれ収容した4つの現像装
置からなり、感光体ドラム51上の静電潜像を各色トナ
ーの選択的な付着によって可視化する回転式現像装置5
4を備えている。
【0087】また、複数のロール62、63、64によ
って周回可能に張架され、上記感光体ドラム51と当接
する無端ベルト状の中間転写体55と、感光体ドラム5
1上に形成されたトナー像を中間転写体55に転写する
転写帯電器56と、順次搬送されてくる記録紙Pに中間
転写体55上のトナー像を転写する転写ロール57と、
記録紙Pを搬送ベルト58にのせて搬送し、記録紙上の
未定着トナー像を加熱・加圧して記録紙上に融着する定
着装置59とが設けられている。なお、図7中に示す符
号60は、トナー像を中間転写体55に転写した後、感
光体ドラム51上に残留するトナーを除去するクリーニ
ング装置、符号61は感光体ドラムの表面を一旦除電す
る除電露光装置である。
【0088】この画像形成装置では、帯電装置52によ
って一様に帯電された感光体ドラム51に、光走査装置
53から像光が照射され、静電潜像が形成される。そし
て、回転式の現像装置54からトナーが転移され、トナ
ー像が形成される。このようなトナー像の形成は、イエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラックについで順次に行わ
れ、次々に中間転写体55上に重ねて転写される。中間
転写体55上に担持されたトナー像は、中間転写体55
の周回移動により、ロール64と転写ロール57との対
向位置に搬送され、記録紙Pと重ね合わされて上記2つ
のロールの対向位置を通過する。
【0089】転写ロール57とロール64との間には転
写用バイアス電圧が印加されており、トナー像は記録紙
P上に静電的に転写される。未定着のトナー像を担持し
た記録紙Pは定着装置59へ搬送され、ここで加熱・加
圧されてトナー像が記録紙に溶融圧着される。
【0090】次に、上記定着装置59の詳細な構成及び
動作について説明する。なお、この定着装置は、請求項
6、請求項7又は請求項8に記載の発明の一実施形態で
ある。図8は、上記定着装置59の構成を示す概略図で
ある。この定着装置59は、未定着トナー像Tを担持し
た記録紙Pを無端ベルト状の定着部材71に当接し、こ
れを加熱ロール72と加熱ロール72に対向して配置さ
れた加圧ロール73とのニップ部に挟み込んで加熱押圧
する。これにより、トナーを溶融して記録紙P上に定着
させるものである。ベルト状の定着部材71は加熱ロー
ル72と剥離部ロール74によって懸架され、図8中に
示す矢印の方向に循環移動しており、トナー像が溶融圧
着された記録紙Pを付着したまま剥離部ロール74(剥
離誘導部材)が設けられた位置まで搬送する。そして、
記録紙Pの剛性を利用し、大きな曲率で曲げ回される定
着部材71から剥離するようになっている。
【0091】加熱ロール72と加圧ロール73とのニッ
プ部を通過したベルト状の定着部材71の裏面に接触し
て、フィン付冷却部材75が配設されている。該冷却部
材75は、ベルト状の定着部材71とトナー像Tを担持
した記録紙Pの形状をおよそ平面又は曲面状に保ちなが
ら冷却し、トナー像Tが定着部材71にオフセットしな
い温度までに冷却するものである。また加熱効果と冷却
効果を干渉させないために、冷却装置75と加熱ロール
72との間には断熱材76が介挿されている。
【0092】本実施形多の定着装置59では、加熱加圧
領域から一体となって搬送されるベルト状の定着部材7
1から記録紙Pを剥離する剥離部ロール74の近傍に、
記録紙Pに定着されたトナー及びベルトを冷却する送風
冷却装置77を設けている。この送風冷却装置77は記
録紙Pの裏面へ向けて風を送るファン78を有し、機外
から室温程度の空気を取り込み、ダクト79で剥離部の
定着部材71へ風を送るようにしている。これにより、
定着部材71の剥離部での温度とそれよりも上流部での
温度とに差をつけている。
【0093】次に、上記定着装置の各構成要素について
さらに説明を加える。ベルト状の定着部材71は、ベー
ス層と表面層の2層構造のものを用いている。ベース層
は、厚さ50μmのポリイミドフィルムを用い、表面層は
ゴム硬度24度、厚さ30μmのシリコーン共重合体を用い
ている。なお、ベース層としては、上記の材料以外であ
っても、たとえば厚さ10〜100μmの耐熱性の高いシー
トを使用することが可能であり、表面層としては、たと
えば厚さ1〜100μmの離型性の高い樹脂層を使用するこ
とが可能である。なお、定着部材71は、ベルト幅320m
mに対し6×9.8Nの張力で張架されている。
【0094】加熱ロール72としては、金属ロール上に
シリコーンゴム等の耐熱弾性層を有したもの用い、加熱
ロール72の内部には熱源を配置している。本実施形態
では、アルミニウムの中空ロール上に硬度30度のシリコ
ーンゴムを厚さ2.0mmで積層した外径50mmのものを用
い、加熱ロール72内の熱源としては、ハロゲンランプ
を使用した。加圧ロール73も加熱ロール72と同様の
構成をとることができ、同一のものを使用している。な
お、本実施形態では、加圧ロール73を用いているが、
定着ベルトと記録紙Pとの間に浮きやずれを発生するこ
となく均一に加圧できる加圧部材であれば、これ以外の
どのような構成のものでもよく、たとえば固定パッドを
押圧するように構成してもよい。
【0095】フィン付冷却部材75は熱伝導の良いもの
がよく、本実施形態では材質としてアルミニウムを使用
している。該冷却部材75がベルト状の定着部材71と
接触している長さはベルトの移動方向で50mmであり、
ベルト幅方向では全幅にわたって接触している。一方、
しわ形成効果を考慮し、フィン付冷却部材75と剥離部
ロール74とは定着部材71の移動経路において、およ
そ50mmの距離を保っている。なお、冷却部材75のフ
ィンに送風することで、フィンからの放熱を促進し、冷
却効果を高めることもできる。
【0096】上記のような定着装置では、ベルト状の定
着部材71が、未定着トナー像を担持する記録紙Pと当
接され、加熱・加圧によってトナーが記録紙Pに溶融圧
着される。そして、記録紙Pはトナーを介して定着部材
71に付着した状態で搬送され、冷却される。定着部材
71及びトナーは冷却部材75によって冷却されるとと
もに、その下流側の剥離部ロール74付近では、送風冷
却装置77から送られてくる風によって、さらに冷却さ
れる。このため、定着部材71の冷却部材75に当接す
る位置と、剥離部ロール74に掛け回される部分とで、
大きな温度差が生じ、ベルト幅に差が生じている。この
ひずみによって剥離部ロール74の上流側では、ベルト
状の定着部材71に、移動方向と直角方向の断面が波状
となるしわが生じ、この定着部材71に付着している記
録紙Pにもしわが発生する。このような状態では、記録
紙Pは波打った形状によって剛性が大きくなっており、
定着部材71が剥離部ロール74に沿って大きな曲率で
曲げ回されると、記録紙Pは定着部材71の曲率に追従
せず、容易に剥離される。したがって、剛性の小さいコ
ート紙や薄い紙を用いた場合にも、剥離不良による紙づ
まりが有効に防止される。また、トナー像は定着部材に
密着した状態で冷却され、溶融温度以下で剥離されるの
で、定着部材の表面に対応した高光沢の画像を得ること
ができる。
【0097】なお、上記実施形態では、剥離部ロール7
4は、円筒状の金属ロールを用いているが、図5に示す
剥離部ロールと同様に、支持軸がヒートパイプとなって
おり、この支持軸の延長された部分に放熱板を有するも
のを用いることもできる。この定着装置は、請求項9に
記載の発明の一実施形態である。
【0098】また、図8に示す定着装置における剥離部
ロール74に代えて図6に示すように、径が周期的に変
化するものを用いることもできる。この定着装置は、請
求項10に記載の発明の一実施形態である。このような
定着装置でも、ベルト状の定着部材にしわを発生させ、
剛性の小さい記録紙でも定着部材から容易に剥離するこ
とができる。
【0099】上記のような定着装置59における用紙剥
離不良の防止効果を確認するために、カラー画像を出力
する実験を行った結果について、次に説明する。本実験
では、溶融温度120℃のトナーを用い、ベルト状の定着
部材の移動速度を160mm/sとして、A4サイズの記録紙
へ毎分40枚のトナー画像定着を行った。加熱ロール72
と加圧ロール73の表面温度は155℃を維持するように
ロール内部のハロゲンランプの出力を調整した。なお、
ニップ圧力は5.5×105Paに設定し、このときのニップ幅
がおよそ7.5mmとなるように調節している。また、剥離
部ロールは、図6に示すような径が変化するものを用い
る。
【0100】実験の結果、ベルト状の定着部材74の温
度はフィン付冷却部材75の直後でおよそ110℃とな
り、剥離部ロール74直前でおよそ85℃となった。この
温度差は25℃と比較的小さいため、この温度差のみによ
って波打ちしわの形成をすることは困難であるが、この
温度差と凹凸形状を持つ剥離部ロールの寄与によって、
定着部材71のベルトには波打ちしわが発生した。そこ
で、OK中質コート紙(72.3gsm)に前記画像形成装置
で行った試験例と同様の画像条件でトナー画像の定着を
行ったところ、画像面積率0%〜100%の条件で、100枚
通紙を行っても、剥離不良を起こすことが無かった。ま
た、得られた画質もベルト状の定着部材44の表面性に
ならった高光沢で十分満足できるものであった。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
中間転写体上のトナー像を加熱・加圧により記録媒体上
に転写し、同時に定着する画像形成装置、並びに記録媒
体上の未定着トナー像をベルト状の定着部材を介して加
熱、加圧し、記録媒体上に定着する定着装置において、
薄い紙やコート紙のように剛性の小さい用紙でも紙づま
りすることなく、ベルト状の中間転写体又はベルト状の
定着部材から確実に剥離することができる。またカラー
画像において普通紙を用いても光沢のある高品質の画質
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明
の一実施形態である画像形成装置を示す概略構成図であ
る。
【図2】図1に示す画像形成装置の用紙剥離部を示す概
略斜視図である。
【図3】出力画像面積率と中間転写体からの用紙剥離不
良率の関係を示すグラフである。
【図4】請求項4に記載の発明の一実施形態である画像
形成装置を示す概略構成図である。
【図5】図4に示す画像形成装置の用紙剥離部を示す概
略斜視図である。
【図6】請求項5に記載の発明の画像形成装置で用いる
ことができる剥離部ロールの概略形状図である。
【図7】請求項11に記載の発明の一実施形態である画
像形成装置を示す概略構成図である。
【図8】請求項6,請求項7又は請求項8に記載の発明
の一実施形態である定着装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1、55 中間転写体 2a 加熱・加圧ロー
ル 2b 対向ロール 3a、3b 熱源 4 加熱板 5 剥離プレート 6a,6b 支持ロール 7、27、37 剥離部ロール
(剥離誘導部材) 8 ベルト支持ロー
ル 9a、9b、9c、9d、51 感光体ドラム 10a、10b、10c、10d 画像形成ユニ
ット 11a、11b、11c、11d、52 帯電装置 12a、12b、12c、12d 現像装置 13a、13b、13c、13d 転写帯電器 15 トレイ 16 フィードロー
ラ 17 搬送ローラ 18 用紙排出ロー
ラ 19 排出トレイ 20、53 光走査装置 21 ヒートパイプ 22 放熱板 30 送風冷却装置 31 クロスフロー
ファン 32 ダクト 54 回転式現像装
置 56 転写帯電器 57 転写ロール 58 搬送ベルト 59 定着装置 60 クリーニング
装置 61 除電露光装置 62、63、64 ロール 71 ベルト状の定
着部材 72 加熱ロール 73 加圧ロール 75 フィン付冷却
部材 76 断熱材 77 送風冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 101 G03G 15/16 101 15/20 106 15/20 106 15/24 15/24 (72)発明者 中山 信行 神奈川県足柄上郡中井町境430 グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H032 AA14 BA09 BA21 BA23 DA11 DA14 DA15 2H033 AA16 AA47 BA10 BA15 BA20 BA29 BE09 2H078 AA21 AA35 BB01 CC06 DD51 DD57 EE27 3F053 AA19 AA26 AA28 HA07 HB01 HB20 LA02 LB03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面上にトナー像が形成される像担持
    体と、 複数の部材に帳架され、周回駆動される無端ベルト状の
    中間転写体と、 前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体に転写する
    一次転写装置と、 前記中間転写体上に転写されたトナー像を加熱及び加圧
    して記録媒体に転写する二次転写装置と、 前記二次転写装置が設けられた位置より、前記中間転写
    体の移動方向における下流側で該中間転写体の内側に当
    接され、該中間転写体の移動方向を曲げ回して該中間転
    写体に付着している記録媒体を剥離する剥離誘導部材
    と、 該剥離誘導部材の上流側で、前記中間転写体の移動方向
    と直角方向の断面を波状とするしわ形成手段とを有する
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記しわ形成手段は、前記中間転写体
    の前記剥離誘導部材と当接している部分と、これより上
    流側の部分との間に温度差を生じさせる温度差生成手段
    であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 前記しわ形成手段は、前記中間転写体
    の前記剥離誘導部材と当接している部分、又はこの近傍
    に空気流を送る送風冷却装置であることを特徴とする請
    求項1に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記しわ形成手段は、前記剥離誘導部
    材を冷却する冷却装置であることを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記しわ形成手段は、前記剥離誘導部
    材を兼ねるものであり、該剥離誘導部材の前記中間転写
    体との当接面が、該中間転写体の移動方向と直角の方向
    に複数の凹部又は凸部を有することを特徴とする請求項
    1に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 周回駆動され、トナー像が転写された
    記録媒体に当接される無端ベルトと、 前記記録媒体上のトナー像を加熱するとともに、該記録
    媒体と前記無端ベルトとを重ねて加圧する加熱加圧手段
    と、 前記加熱加圧手段の、前記無端ベルトの移動方向下流側
    に設けられ、該無端ベルトの移動方向を曲げ回して、該
    無端ベルトに付着している記録媒体を剥離する剥離誘導
    部材と、 該剥離誘導部材の上流側で、前記無端ベルトの移動方向
    と直角の方向の断面を波状とするしわ形成手段とを有す
    ることを特徴とする定着装置。
  7. 【請求項7】 前記しわ形成手段は、前記無端ベルト
    の前記剥離誘導部材と当接している部分と、これより上
    流側の部分との間に温度差を生じさせる温度差生成手段
    であることを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 【請求項8】 前記しわ形成手段は、前記無端ベルト
    の前記剥離誘導部材と当接している部分、又はこの近傍
    に空気流を送る送風冷却装置であることを特徴とする請
    求項6に記載の定着装置。
  9. 【請求項9】 前記しわ形成手段は、前記剥離誘導部
    材を冷却する冷却装置であることを特徴とする請求項6
    に記載の定着装置。
  10. 【請求項10】 前記しわ形成手段は、前記剥離誘導
    部材を兼ねるものであり、該剥離誘導部材の前記無端ベ
    ルトとの当接面が、該無端ベルトの移動方向と直角の方
    向に複数の凹部又は凸部を有することを特徴とする請求
    項6に記載の定着装置。
  11. 【請求項11】 トナーの選択的な付着によって可視
    像を形成するトナー像形成手段と、 形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、 請求項6から請求項10までのいずれかに記載の定着装
    置とを有することを特徴とする画像形成装置。
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