JP2004226819A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱ベルト方式の加熱装置において、圧接ニップ長手方向に関して被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては記録材内の定着性の均一化、さらには光沢度やカラー画像特性の均一化の向上を図った装置を提供する。
【解決手段】加熱ローラ3と定着ローラ2に張架された定着ベルト1を有し、定着ベルト1を介して定着ローラ2と加圧ローラ4が圧接して定着ニップNを形成する構成において、定着ローラ2を正クラウン形状または正テーパー形状として、定着ニップ形状を略ストレート形状とすることで定着性を均一化する。
【選択図】図2
【解決手段】加熱ローラ3と定着ローラ2に張架された定着ベルト1を有し、定着ベルト1を介して定着ローラ2と加圧ローラ4が圧接して定着ニップNを形成する構成において、定着ローラ2を正クラウン形状または正テーパー形状として、定着ニップ形状を略ストレート形状とすることで定着性を均一化する。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルト(フィルム)と、前記ベルトを支持するバックアップ部材と、前記ベルトを間に挟み前記バックアップ部材と圧接ニップ部を形成する加圧部材を有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧部材との間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱ベルト方式の加熱装置、及び該加熱装置を定着装置として具備する画像形成装置に関する。
【0003】
上記の加熱ベルト方式の加熱装置は、電子写真方式等の画像形成装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等)において、記録材上に形成された未定着トナー画像を加熱及び加圧し、トナー画像を記録材に定着させる定着装置、未定着画像を記録材に仮に定着せしめる仮定着装置、定着画像を担持した記録材の表面性を改質する表面改質装置等の像加熱装置として用いられる。
【0004】
また、像加熱装置の他にも、例えば紙幣のシワ除去用の熱プレス装置、熱ラミネート装置、紙の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱手段として用いることができる。
【0005】
【従来の技術】
便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成装置に具備させる、トナー画像を記録材に加熱、加圧して定着させる定着装置を例にして説明する。
【0006】
1)熱ローラ方式の定着装置
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で、記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙・封筒等)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた画像情報の未定着画像(トナー画像)を記録材に永久固着画像として加熱・加圧定着させる定着装置としては熱ローラ方式の定着装置が広く用いられている。
【0007】
熱ローラ方式の定着装置は、加熱源としてのハロゲンヒータ等を内包した加熱体としての定着ローラと、これに圧接させた加圧体としての加圧ローラを基本構成とし、このローラ対を回転させて、ローラ対の圧接ニップ(定着ニップ)部に未定着画像を担持した記録材を挿通し、定着ローラからの熱と定着ニップ部の加圧力によって、未定着画像を記録材に永久定着させるものである。
【0008】
熱ローラ方式の定着装置は、モノクロ画像形成装置はもちろん、フルカラー画像形成装置にも用いられている。但し、フルカラー画像はモノクロ画像の場合に比べて記録材上のトナー層が厚く、トナーの付着量が多いことから、定着ニップ部の記録材搬送方向長さ(定着ニップ幅)をできる限り広く確保し、プリント時(定着工程時)において、記録材上に形成された未定着トナー画像を可能な限り低温で長時間加熱して、記録材上に定着することが望ましい。
【0009】
また、記録材の光沢や記録材としてOHPにおける透光色再現性を確保するため、フルカラー用定着装置は、トナー面を均一に溶融して平滑化し、高光沢に仕上げるべく、定着ローラ及び加圧ローラ双方に高平滑ないし鏡面な耐熱弾性層を表層に設けた熱ローラ方式の定着装置が主流となっている。
【0010】
ところが、フルカラー用の熱ローラ方式の定着装置において、広いニップ幅を確保すべくローラを大径化した場合には、定着装置ひいては画像形成装置全体の大型化を招く問題がある。一方、耐熱弾性体表層の厚みを厚くした場合には、加熱源から定着ローラ表層への熱伝導の低下による熱供給速度の低下によって、定着ローラ表層温度が低下して、未定着トナーが記録材上に固着できない定着不良が発生するため、プリント速度が低下して、高スループット(単位時間当たりのプリント枚数)追従性が低下する等の問題がある。
【0011】
フルカラー用定着装置において、定着装置の小型化を図り、かつ、高速化および高スループット化を実現するには、ニップ幅を拡大しつつ熱の供給速度を低下させないことが重要な課題であるが、熱ローラ方式におけるニップ幅の拡大手法としては、上述したローラの大径化及び耐熱弾性体の厚肉化しかないことから、当該課題に応えるには限界があった。
【0012】
2)定着ベルト方式(加熱ベルト方式)の定着装置
そこで、熱ローラ方式による限界を打破すべく、定着ベルトを加圧ローラに圧接させてニップ部を形成する定着ベルト方式の定着装置が提案されている。
【0013】
この定着ベルト方式の定着装置は、定着ローラ以外の部位に加熱源を配設し、ウォームアップ時間を短縮できるようにしたものであり、弾性定着ローラと加熱ローラに張架された無端状の定着ベルトを配設し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラを圧接させ、この圧接ニップ(定着ニップ)部に未定着画像を担持した記録材を挿通し、定着ベルトからの熱と定着ニップ部の加圧力によって、未定着画像を記録材に永久定着させるものである。
【0014】
定着ベルト方式の定着装置は、弾性定着ローラを低硬度化することで、熱ローラ方式に比べて、広いニップ幅を容易に確保することができ、また、熱容量の小さい定着ベルトを加熱ローラによって加熱するため、急速に定着ベルトを加熱し、さらに熱供給速度を低下させずに記録材を加熱することができるので、ウォームアップ時間を短縮でき、小型でかつ高速プリントが可能になるという利点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成装置の定着装置に上述した定着ベルト方式を採用するにあたって、従来、低硬度の弾性定着ローラとして、外径が長手方向で均一な略ストレート形状の定着ローラを用いていた。
【0016】
しかしながら、ストレート形状の定着ローラによって、定着ベルトを介して加圧ローラとの圧接ニップ(以下定着ニップ)を形成した時、この定着ニップ形状は、定着ローラ及び加圧ローラの両端部で加圧される構成のため、定着ローラ及び加圧ローラのたわみ等によって、中央部で幅が狭く、両端部で幅が広いような中細り形状となる。
【0017】
このような定着ニップの中細り形状によって、定着ニップ部でトナーと記録材に付与する熱量が中央部と端部で異なることとなり、トナーと記録材との接着力(以下、定着性)は、中央部で定着性が悪く、端部で定着性が良い、という定着性の不均一が発生してしまうという問題があった。
【0018】
この定着性の不均一が大きい場合、中央部で適正な定着性を確保するように定着ベルト表面温度を設定すると、端部ではトナーが過剰溶融して定着ベルトに付着し、付着トナーが定着ベルト1周後に記録材に再付着して、記録材を汚してしまうホットオフセットが発生する。また、端部で適正な定着性を確保するように定着ベルト表面温度を設定すると、中央部ではトナーが未溶融して記録材に定着できずに定着ベルトに付着し、付着トナーが定着ベルト1周後に記録材に再付着して、記録材を汚してしまうコールドオフセットが発生する。
【0019】
また、特に、フルカラー画像形成装置の定着装置においては、上述した定着ニップの中細り形状による定着性の不均一から、フルカラー画像のトナー表面の平滑度の不均一による光沢度の不均一や、トナーの溶融具合の不均一によるカラー画像特性(明度、彩度、色度)の不均一が発生し、この光沢ムラやカラー画像特性ムラによって、鮮明なフルカラー画像を得られないという問題があった。
【0020】
そこで本発明は、上述した従来技術に伴う課題を解決するため、加熱ベルト方式の加熱装置において、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては記録材内の定着性の均一化、さらには光沢度やカラー画像特性の均一化の向上を図った装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の本発明に係る加熱装置及び画像形成装置にて達成される。
【0022】
(1)加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
【0023】
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0024】
(2)前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0025】
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0026】
(3)加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
【0027】
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0028】
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。
【0029】
(4)前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【0030】
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0031】
(5)前記被加熱材は画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0032】
(6)前記被加熱材は加熱定着すべき未定着画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0033】
(7)前記弾性バックアップローラ及び前記加圧ローラは、弾性体層を被覆してあり、「弾性バックアップローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0034】
(8)前記弾性バックアップローラは表層に弾性体層を設け、弾性バックアップローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の加熱装置。
【0035】
(9)前記弾性バックアップローラの弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする(7)または(8)に記載の加熱装置。
【0036】
(10)前記ベルトは弾性体層を有し、被加熱材としての記録材に担持のフルカラー画像を定着することを特徴とする(1)から(9)の何れかに記載の加熱装置。
【0037】
(11)前記ベルトの表層及び前記加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、被加熱材としての記録材に担持させる画像の構成材にオイル含有トナーを用いることで、前記ベルトまたは前記加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする(1)から(10)の何れかに記載の加熱装置。
【0038】
(12)定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
【0039】
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0040】
(13)無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする(12)に記載の加熱装置。
【0041】
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0042】
(14)定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「定着ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
【0043】
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0044】
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。
【0045】
(15)無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする(14)に記載の加熱装置。
【0046】
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0047】
(16)定着ローラ及び加圧ローラは弾性体層を被覆してあり、「定着ローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする(12)から(15)の何れかに記載の加熱装置。
【0048】
(17)定着ローラは表層に弾性体層を設け、定着ローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする(12)から(15)の何れかに記載の加熱装置。
【0049】
(18)定着ローラの表層の弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする(16)または(17)に記載の加熱装置。
【0050】
(19)定着ベルトは弾性体層を有し、フルカラー画像を定着することを特徴とする(12)から(18)の何れかに記載の加熱装置。
【0051】
(20)定着ベルトの表層及び加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、オイル含有トナーを用いることで、定着ベルトまたは加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする(12)から(19)の何れかに記載の加熱装置。
【0052】
(21)記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着画像を加熱定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から請求項20の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0053】
(作 用)
1)弾性バックアップローラ(=定着ローラ、以下同じ)の形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることにより、圧接ニップ(=定着ニップ、以下同じ)形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0054】
2)弾性バックアップローラとともにベルト(=定着ベルト、以下同じ)を支持して加圧ローラとの間にベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを設けた3軸構成においても、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることにより、圧接ニップ形状を略ストレート形状とすることができるので、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0055】
3)弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、前記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることにより、圧接ニップにおける長手方向の記録材搬送スピードを調整して、記録材のシワの発生を防止し、かつ圧接ニップ形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0056】
4)弾性バックアップローラとともにベルトを支持して加圧ローラとの間に移動部材を挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを設けた3軸構成においても、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることにより、圧接ニップにおける長手方向の被加熱材搬送スピードを調整して、被加熱材のシワの発生を防止し、かつ圧接ニップ形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0057】
5)弾性バックアップローラ及び加圧ローラは、弾性体層を被覆してあり、「弾性バックアップローラ硬度<加圧ローラ硬度」にして、加圧ローラの熱容量を小さくすることで装置の立ち上げを早くし、弾性バックアップローラ硬度を低硬度とすることで圧接ニップ幅を大きく取って被加熱材均一加熱性(定着性)を向上させ、さらに、圧接ニップの断面形状を上に凸形状にできるので、被加熱材とベルトとの分離性を向上することができる。
【0058】
6)弾性バックアップローラは表層に弾性体層を設け、弾性バックアップローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることにより、圧接ニップ幅を増加して被加熱材均一加熱性(定着性)を向上させ、かつベルトとの機械的磨耗を防止して、高耐久にできる。また、低硬度弾性バックアップローラにおいても圧接ニップを略ストレート化できる。
【0059】
7)弾性バックアップローラの弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることにより、ベルトを断熱し、ベルトから弾性バックアップローラへの熱の逃げを小さくできるので、装置の立ち上げを早くできる。また、弾性層をスポンジ状とすることで、圧接ニップを略ストレート形状とするための弾性バックアップローラの正クラウン量を小さくすることができる。
【0060】
8)ベルトは弾性体層を有し、被加熱材としての記録材に担持のフルカラー画像を定着することにより、フルカラー画像において、トナー表面を均一に溶融させ平滑化でき、さらに圧接ニップを略ストレート形状にできるので、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0061】
9)ベルトの表層及び加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、オイル含有トナーを用いることで、ベルトまたは加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスの装置にすることにより、オイルレスの装置において、圧接ニップを略ストレート形状にできるので、像加熱装置にあってはコールドオフセットまたはホットオフセットを防止して、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
〈実施形態1〉
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う像加熱装置としての定着装置を具備させた画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、自動両面印字機能を有するタンデムタイプのフルカラープリンタである。
【0063】
Y・M・C・Bは図面上右から左に順に配列した第1〜第4の4つの画像形成ステーションである。
【0064】
各画像形成ステーションY・M・C・Bは何れも、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体31、帯電装置32、レーザースキャナやLEDアレイ等の露光装置33、現像装置34、クリーニング装置35等からなる電子写真プロセス機構である。感光体31は矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0065】
第1の画像形成ステーションYは感光体31の面にフルカラー画像のイエロー成分のトナー画像を形成する。第2の画像形成ステーションMは感光体31の面にフルカラー画像のマゼンタ成分のトナー画像を形成する。第3の画像形成ステーションCは感光体31の面にフルカラー画像のシアン成分のトナー画像を形成する。そして第4の画像形成ステーションBは感光体31の面にブラックのトナー画像を形成する。各画像形成ステーションにおけるトナー画像の形成原理・プロセスは公知であるからその説明は省略する。
【0066】
36は複数の支持ローラ37に懸架させて張設した転写ベルトであり、第1〜第4の画像形成ステーションY・M・C・Bの下側に、全画像形成ステーションに渡たらせて配設してある。転写ベルト36は矢印の反時計方向に、感光体31の周速度に対応した周速度で回動駆動される。
【0067】
38は転写電極ローラであり、第1〜第4の各画像形成ステーションY・M・C・Bにおいて、感光体31の下面に対して転写ベルト36を挟んで圧接して転写ニップ部を形成している。39は各転写電極ローラ38に対する転写バイアス印加電源であり、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の電圧を転写バイアスとして所定の制御タイミングで印加する。
【0068】
40はシート給送路であり、不図示の給紙機構部から一枚分離給紙された記録材(転写材)Pを、転写ベルト36の第1の画像形成ステーションY側の端部に給送する。43は手差し給紙トレイであり、記録材Pはこのトレイ43から手差し方式で給紙することも出来る。
【0069】
転写ベルト36は給送された記録材Pを静電的に吸着保持して、あるいはチャックで把持して第1から第4の画像形成ステーションY・M・C・Bの各転写ニップ部を順次に搬送する。これにより、同一の記録材Pの面にイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、およびブラックトナー画像が順次に位置合わせ状態で重畳転写されてフルカラートナー画像が合成形成される。
【0070】
第4の画像形成ステーションBの転写ニップ部を搬送されて通過した記録材Pは転写ベルト36から分離され、定着装置101に導入されて未定着のトナー画像の加熱定着処理を受ける。
【0071】
モノクロプリントモードの場合はブラックトナー画像を形成する第4の画像形成ステーションBだけが作動する。
【0072】
片面プリントモードの場合には定着装置101を出た記録材Pはシートパスaに入って機外に排出される。
【0073】
自動両面プリントモードの場合には定着装置101を出た第1面側プリント済みの記録材Pはフラッパ41の切換えにより記録材再循環搬送機構側のシートパスb側に進路変更され、スイッチバックトパスcに導入され、次いでスイッチバック搬送され、フラッパ42の切換えによりシートパスd側に進路変更されて搬送されることで、表裏反転されて再び転写ベルト36の第1の画像形成ステーションY側の端部に給送される。これにより記録材Pの第2面側に対するトナー画像の転写形成がなされ、定着装置101に再び導入されて第2面側に対するトナー画像の定着がなされ、定着装置101を出た記録材Pはシートパスaに入って機外に排出される。
【0074】
(2)定着装置101
図2は本実施形態における像加熱装置としての定着装置101の概略構成を示す模式的横断面図である。図3は図2の(3)−(3)線位置における模式的縦断面図である。
【0075】
この定着装置101は、弾性バックアップローラとしての定着ローラ2と、加熱部材としての加熱ローラ3と、この定着ローラ2及び加熱ローラ3に所定の張力で張架された、可撓性の移動部材としての無端状定着ベルト1と、この定着ベルト1を介して定着ローラ2に対向加圧して設けられた、回転弾性加圧部材としての加圧ローラ4とを有し、加熱ローラ3と加圧ローラ4の両方の内部に定着ベルト加熱用ヒータ5・6を備え、加圧ローラ4と定着ベルト1との間の圧接ニップ部(以下、定着ニップ部と記す)Nに記録材Pを導入して挟持搬送させることで、定着ニップ部Nにおいて、記録材P上に保持された未定着トナー画像Tを、ヒータ5で熱せられている加熱ローラ3で加熱された定着ベルト1の熱と、ヒータ6で熱せられている加圧ローラ4の熱と、定着ニップ部Nの圧力により記録材P上に加熱、加圧して定着させるベルト定着装置である。
【0076】
本実施形態において、加圧ローラ4は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能に定着装置に固定配置され、定着ローラ2は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能で、かつ両端部が不図示のバネ等の加圧機構Kによって、定着ベルト1を介して加圧ローラ4に加圧されるように定着装置に配置される。互いに圧接された定着ベルト1と加圧ローラ4との間には、未定着のトナー画像Tを担持した記録材Pが挿通され、トナー画像Tを加熱溶解するとともに加圧して、記録材Pに定着する定着ニップ部Nが形成される。また、加熱ローラ3は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能で、かつテンションローラとして定着ベルト1に所定のテンションを付与するように加圧機構(不図示)によって加圧されている。
【0077】
不図示の駆動源による回転駆動で定着ベルト1、定着ローラ2、加熱ローラ3、加圧ローラ4が回転する。
【0078】
本実施形態では、画像形成装置本体からの駆動源によって加圧ローラ4が矢印X方向に回転する。定着ベルト1は、この加圧ローラ4の回転により、加圧ローラ4と定着ベルト1との外周面での摩擦力で、定着ベルト1に矢印Y方向に回転力が作用する。さらに定着ベルト1の内周面と、定着ローラ2及び加熱ローラ3の外周面との摩擦力で、定着ローラ2及び加熱ローラ3に回転力が作用する。従って、加圧ローラ4が駆動回転されることによって、定着ベルト1、定着ローラ2及び加熱ローラ3が加圧ローラ4の周速度と略同じ周速度を持って従動回転する加圧ローラ駆動方式を採用している。定着ニップ部Nに記録材Pが挿通された場合には、加圧ローラ4と記録材Pと定着ベルト1との摩擦力で前記同様に従動回転がなされる。
【0079】
ここで、定着ローラ2と加圧ローラ4は、定着ローラ2の端部に配置したワンウェイギヤ(不図示)と、加圧ローラ4の端部に配置したギヤ(不図示)によって連結され、加圧ローラ4と定着ベルト1、または記録材Pを介して加圧ローラ4と定着ベルト1において、スリップが発生した場合には、前記ワンウェイギヤ(不図示)によって定着ローラ2が駆動回転され、加圧ローラ4と定着ベルト1は略同じ周速度を持って回転するようにスリップ対策がなされている。
【0080】
加圧ローラ4の周面の前後には、トナー画像Tを担持した記録材Pが搬送される搬送路を構成するガイド部材としての定着入り口ガイド9、定着排紙ガイド10が配置されている。
【0081】
▲1▼.定着ベルト1
定着ベルト1は、低熱容量化を図り、クリックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は150μm以下、好ましくは30〜80μm程度の耐熱素材たるPTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする無端帯状体であるという単層構造、或いは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES又はPPS等の樹脂材や、Ni、SUS等の金属材を主成分とするベース層としての無端帯状体の外周面に、PTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする離型層を被覆するという複層構造等を使用できる。
【0082】
また、フルカラー画像形成装置においては、トナー画像面を均一に溶融して平滑化し、高光沢に仕上げるべく、前記ベース層としての無端帯状体の外周面に、厚み100μm〜800μm程度のシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱弾性層を被覆する複層構造等を使用できる。この場合には、定着ベルト1と記録材P上のトナー画像Tとの離型性を向上してオフセットを防止するために、定着ベルト1にオイルを塗布するオイル塗布装置(不図示)が配置されるオイル塗布定着装置とする必要がある。
【0083】
或いは、さらに前記シリコーンゴム等の耐熱弾性層の外周面に、PTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする離型層を被覆する複層構造等も使用できる。この場合には、定着ベルト1にオイルを塗布するオイル塗布装置を削除してオイルレス定着装置とすることができ、低コスト化が実現できる。
【0084】
本実施形態では、厚み50μmのベース層としてのポリイミド樹脂の外周面に、厚み300μmのシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、さらに最外周面に厚み30μmのPFAチューブの離型層を被覆した総厚み380μm、内径φ60mmの可撓性の定着ベルト1を使用したオイルレス定着装置とした。
【0085】
▲2▼.定着ローラ2
定着ローラ2は、芯金2a上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、または定着ベルト1の温度を早く立ち上げるために、断熱性を向上させたシリコーンスポンジ等の耐熱弾性層2bを被覆してある。
【0086】
本実施形態では、鉄の外径φ14mmの芯金2aの外周に、厚み8mmのシリコーンスポンジ層2bを被覆し、硬度40度(アスカーC硬度計)、シリコーンスポンジの熱伝導率0.08[W/(m・℃)]とした、外径約φ30mmの定着ローラ2を使用した。
【0087】
▲3▼.加熱ローラ3
ヒータ5を内包した加熱ローラ3は、立ち上がりを早くするために、小径かつ薄肉で熱伝導の良いアルミニウム、鉄等の金属材を主成分とする金属パイプで構成して低熱容量化してある。
【0088】
定着ベルト1はヒータ5により加熱ローラ1を介して加熱され、温度検知素子(サーミスタ)7で加熱ローラ1の温度を検知して、ヒータ5をON/OFFして、加熱ローラ1の温度を制御することによって、定着ベルト1の表面温度を所定の温度に維持する構成となっている。
【0089】
本実施形態では、アルミニウムの厚み1mm、外径φ24mmの加熱ローラ3を使用し、ヒータ5としてハロゲンヒータを使用した。
【0090】
▲4▼.加圧ローラ4
加圧ローラ4は、芯金4aにシリコーンゴム・フッ素ゴム等の耐熱弾性層4bを設けた構成の場合には、定着ベルト1にオイル塗布が必要なオイル塗布定着装置となる。また、加圧ローラ4の表面性及びトナーに対する離型性を向上させるため、耐熱弾性層4bの外周面にPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層を設けて、オイルレス定着装置としても良い。
【0091】
本実施形態では、鉄の厚み1mmの芯金4aの外周に、厚み2mmのシリコーンゴムの耐熱弾性層4bを被覆し、さらに最外周面に厚み50μmのPFAチューブの離型層4cを被覆した外径φ40mm、硬度70度(アスカーC硬度計)の加圧ローラ4を使用したオイルレス定着装置とした。
【0092】
また、本実施形態では、定着ベルト1を所定の温度に早く立ち上げるために、加圧ローラ4にヒータ6としてハロゲンヒータを内包させ、温度検知素子(サーミスタ)8で加圧ローラ4の温度を検知して、ヒータ6をON/OFFして、加圧ローラ4の温度を制御する構成となっている。しかし、装置構成によっては、ヒータ6を削除し、加熱源をヒータ5のみとする構成でも良い。
【0093】
▲5▼.トナー
トナーは、オイルレス定着装置において、コールドオフセットやホットオフセットの防止、またはトナーの定着ベルト1や加圧ローラ4からの分離性向上のため、オイル成分を含有したオイル内包トナーやオイル分散トナーを使用すると良い。本実施形態においては、オイル内包トナーを使用したオイルレス定着装置とした。
【0094】
(3)定着ニップ形状の適正化
1)従来の定着装置において、定着ローラ2は、図11の(a)で示すように、外径が長手方向で略等しいストレート形状となっており、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部である定着ニップ部Nの平面形状は、図11の(b)に誇張して示すように、長手方向の中央部でニップ幅が小さく、端部でニップ幅が大きい、中細り形状となっていた。
【0095】
これは、定着ローラ2の両端部を加圧機構K(不図示)により加圧ローラ4に加圧するために、定着ローラ2のたわみや加圧ローラ4のたわみ等によって、定着ニップ部Nの形状は、図11の(b)で示すような中細り形状となってしまう。
【0096】
この中細り形状の定着ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを挿通した場合、前述したように、定着ニップ部Nの中細り形状によって、トナー画像Tと記録材Pが定着ニップ部Nにおいて定着ベルト1及び加圧ローラ4から付与される熱量は、定着ニップ部Nの長手方向の中央部で小さく端部で大きいため、定着性が中央部で低く端部で高くなり、定着ニップ部Nの長手方向で定着性の不均一が発生してしまう。さらにはホットオフセットまたはコールドオフセットの発生や、フルカラー画像においては、定着ニップ部Nの長手方向の中央部と端部で色みや明るさが違う等、光沢ムラやカラー画像特性(明度、彩度、色度)ムラ等によって、鮮明な画像を得られないという問題があった。
【0097】
2)ここで、本発明の本実施形態の定着装置101において、定着ローラ2は、図4の(a)で示すように、最大通紙幅の中央部外径Cが端部外径A及びBよりも大きい正クラウン形状とすることで、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部である定着ニップ部Nの形状は、図4の(b)に誇張して示すように、定着ニップ長手方向の中央部と端部で幅が略等しいストレート形状とすることができる。
【0098】
これは、定着ローラ2の両端部を加圧ローラ4に加圧するために発生する定着ローラ2のたわみや加圧ローラ4のたわみ等の影響を、定着ローラ2の形状を図4の(a)で示すような正クラウン形状として補正することで、図4の(b)で示すような定着ニップ部Nの形状を略ストレート形状に補正することができるためである。
【0099】
この略ストレート形状の定着ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを挿通した場合、トナー画像Tと記録材Pが定着ベルト1及び加圧ローラ4から付与される熱量は、定着ニップ長手方向の中央部と端部で略等しいため、定着性が中央部と端部で略等しくなり、長手方向で定着性は均一となる。さらにはホットオフセットまたはコールドオフセットを防止でき、フルカラー画像においては、定着ニップ長手方向の中央部と端部で色みや明るさが等しく、光沢ムラやカラー画像特性(明度、彩度、色度)ムラ等が発生せずに、鮮明な画像を得ることができる。
【0100】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、定着ベルト表面温度を180℃として、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0101】
従来の図11の(a)で示すような、外径φ30mmの略ストレート形状の定着ローラ2を用いた場合、図11の(b)で示すような定着ニップ部Nの中細り形状によって、画像の定着性は定着ニップ長手方向の端部で良く中央部で悪く、中央部においては爪で軽く擦るとトナーが記録材Pから剥離してしまった。また、フルカラー画像の場合には、中央部でトナーの溶融が端部に比べて少ないため、トナーの混色が不十分となり、色みが中央部と端部で差があり、さらに中央部で画像が暗く端部で明るくなり、中央部で光沢が低く端部で光沢が高くなり、記録材P内の長手方向で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が不均一な画像品質が非常に低い画像しか得られなかった。
【0102】
本発明に係る本実施形態の図4の(a)で示すような中央部外径C=φ30mm、端部外径A=B=φ29.7mmの正クラウン量=300μmの正クラウン形状の定着ローラ2を用いた場合、図4の(b)で示すような定着ニップ部Nの略ストレート形状によって、画像の定着性は端部及び中央部でも良好で均一であり、端部及び中央部とも爪で擦ってもトナーが記録材Pから剥離することはなかった。また、フルカラー画像の場合には、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0103】
ここで、定着ローラ2の正クラウン量は、定着ローラ2の最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラ2の最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正クラウン量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0104】
定着ニップ部Nの中細り形状による問題に関して、モノクロ画像においては定着性の不均一のみであるが、フルカラー画像においては定着性の不均一に加えて、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の不均一が発生するため、フルカラー画像の方が定着ニップ部Nの幅の定着ニップ長手方向不均一による影響が大きい。従って、モノクロ画像に比べて、フルカラー画像に対して、本発明に係る本実施形態を適用する効果は大きくなる。
【0105】
定着ローラ2の正クラウン量は、前記数値に限定されるものでは無く、定着ローラ2における耐熱弾性層2bの厚みや硬度、芯金2aの剛性、加圧ローラ4における耐熱弾性層4bの厚みや硬度、芯金4aの剛性、加圧機構Kの加圧力、紙搬送スピード等、定着装置構成や画像形成装置構成に応じて任意に設定して良い。ただし、正クラウン量を大きくしすぎると、逆に定着ニップ部Nの形状が定着ニップ長手方向の端部で小さく中央部で大きい中太り形状となり、定着性の不均一、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度の不均一が発生してしまうので、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となって、かつ、なるべく小さい正クラウン量を選択するのが良い。
【0106】
3)加圧ローラ4は、定着ベルト1の所定温度への立ち上げを早くするため、加圧ローラ4が定着ベルト1の熱を奪わず、加圧ローラ4が早く温まるように、加圧ローラ4の熱容量を小さくするのが良い。そのためには、加圧ローラ4の芯金4aを薄くして、かつ加圧ローラ4の耐熱弾性層4bを薄くするのが良い。しかし、耐熱弾性層4bを薄くすると定着ニップ部Nの幅が小さくなってしまう。そこで、定着ニップ部Nの幅を大きく取るためには、定着ローラ硬度を小さくする必要があるため、
定着ローラ2の硬度<加圧ローラ4の硬度
とするのが望ましい。
【0107】
また、定着ローラ2の硬度<加圧ローラ4の硬度、とすることにより、図5の定着ニップ部Nの模式的断面図で示すように、定着ニップ部Nの断面形状が上に凸形状となって、定着ベルト1とトナーとの分離性が向上し、定着ニップ部Nを抜けた記録材Pが定着ベルト1に張り付いて、定着ベルト1と記録材Pが分離しないという分離不良を防止することができる。
【0108】
定着ローラ2の硬度は、定着ニップ部Nの幅を大きく取るためには、なるべく低硬度が適しており、60度(アスカーC硬度計)以下とするのが良い。ただし、定着ローラ2と定着ベルト1の内周面との摩擦力によって定着ローラ2を従動回転させるため、定着ローラ2には、ある程度の強度が要求されるので、定着ローラ2の硬度は、10度(アスカーC硬度計)以上とするのが良い。また、定着ローラ2の硬度が小さいほど、定着ローラ2の形状が略ストレート形状の場合、定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ長手方向中央部で幅が小さく、端部で幅が大きい、中細り形状となりやすい。従って、定着ローラ2の硬度が小さいほど、本発明の本実施形態を適用する効果は大きくなる。
【0109】
4)本実施形態の定着装置101のように定着ローラ2にヒータが内包されていない構成の場合、定着ベルト1の所定温度への立ち上げを早くするため、定着ローラ2が定着ベルト1の熱を奪わないように、断熱構成とするのが良い。そのためには、定着ローラ2の耐熱弾性層2bの熱伝導率を小さくするのが好ましく、耐熱弾性層2bの熱伝導率は、0.16[W/(m・℃)]以下とするのが好適である。
【0110】
従って、断熱効果を高めるため、耐熱弾性層2bは、ソリッドゴム状弾性層ではなく、断熱効果の高い空気層を含んだスポンジ状弾性層とするのが好ましい。また、スポンジ状弾性層は、定着ローラ2や加圧ローラ4のたわみを空気層が吸収するために、ソリッドゴム状弾性層と比べて、定着ローラ2が略ストレート形状の場合、定着ニップ部Nの幅の中央部と端部の差が小さい(中細り形状度合が小さい)ので、定着ローラ2の正クラウン量を小さくすることができる。これは、研磨によって定着ローラ2の形状を正クラウン形状とする場合、研磨部を小さくでき、製造時間短縮による低コスト化、廃棄物削減につなげることができる利点を持つ。
【0111】
本実施形態は、定着ベルト1の表層、及び加圧ローラ4の表層にフッ素樹脂等の離型層を被覆し、オイル内包トナーを使用したオイルレス定着装置に関して述べたが、定着ベルト1の表層、及び加圧ローラ4の表層にシリコーンゴム等の耐熱弾性層を被覆して、別途配置したオイル塗布装置によって定着ベルト1または加圧ローラ4にオイルを塗布する構成のオイル塗布定着装置に適用しても効果は同様である。ただし、オイルレス定着装置は、オイル塗布定着装置と比較して、コールドオフセット及びホットオフセットが発生し易く、トナーの定着ベルト1や加圧ローラ4との分離性能が低い。
【0112】
従って、本発明の本実施形態を定着装置に適用した場合、オイル塗布定着装置に適用した場合に比べて、オイルレス定着装置に適用した場合の方が定着性均一化や色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の均一化への効果は大きくなる。
【0113】
〈実施形態2〉
図6により本発明に係る実施形態2について説明する。
【0114】
前述の実施形態1は、定着ローラ2の形状を中央部から端部に行くに従って曲線状に外径を小さくする構成であったが、本実施形態の構成は、定着ローラ2の形状を、図6の(a)に誇張して示すように、両端部の外径を直線的に小さくするような正テーパー形状として、定着ニップ部Nの平面形状を図6の(b)で示すようなストレート形状とする構成である。
【0115】
このように、定着ローラ2の形状を正テーパー形状とする構成においても、定着ニップ部Nの形状を略ストレート形状とすることができ、定着性の均一化、フルカラー画像においては定着性の均一化に加えて、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができるので、本発明の効果は実施形態1と同等である。
【0116】
ここで、定着ローラ2の正テーパー量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正テーパー量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0117】
従って、この正テーパー形状の場合においても、正テーパー量は、実施形態1の正クラウン量と同様の計算式で計算される値である。
【0118】
テーパーは、定着ローラ2の長手方向中央部から開始しても良いし、定着ローラ2の中央部は略ストレート形状として、中央部から端部に少しずれた位置から開始しても良く、定着装置に応じて任意に設定して良い。
【0119】
本実施形態においては、実施形態1の正クラウン量と正テーパー量を同じ数値とした場合に、定着ニップ部Nの平面形状が略等しいストレート形状となるように、定着ローラ2の中央部は、最大通紙幅の1/3の幅の略ストレート形状とし、定着ローラ2の両端部約1/3幅をテーパー形状とした定着ローラ2を用いた。
【0120】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、定着ベルト表面温度を180℃として、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0121】
本発明に係る本実施形態の図6の(a)で示すような中央部外径C=φ30mm、端部外径A=B=φ29.7mmの正テーパー量=300μmの正テーパー形状の定着ローラ2を用いた場合、図6の(b)で示すような定着ニップ部Nの略ストレート形状によって、画像の定着性は端部及び中央部でも良好で均一であり、端部及び中央部とも爪で擦ってもトナーが記録材Pから剥離することはなかった。また、フルカラー画像の場合には、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0122】
本実施形態のように定着ローラ2を正テーパー量として、研磨によって定着ローラ2の形状を正テーパー形状とする場合においては、実施形態1のように定着ローラ2の長手方向全域を曲線状に研磨する正クラウン形状と比較して、直線状に研磨するため、また場合によっては両端部のみを直線状に研磨するため、製造条件が容易であり、かつ製造時間短縮による低コスト化ができる利点を持つ。
【0123】
〈実施形態3〉
図7〜図9により本発明に係る実施形態3について説明する。
【0124】
定着ベルト方式を採用する従来の定着装置においては、定着装置を記録材である紙が通過する時に定着ニップ部Nにおいて紙にシワが発生する場合がある。このシワは、特に紙のコシが小さい条件、すなわち高湿環境、薄紙、再生紙において発生し易い。
【0125】
従来、一般的に使用されている熱ローラ方式の定着装置においては、定着ローラ外径に逆クラウン形状を持たせることにより定着ニップ部における紙搬送スピードを両端部で速く、中央部で遅くして紙を両側に引っ張る力を生じさせ、これによってシワを防止する手段が用いられている。
【0126】
一方、定着ベルト方式の定着装置においては、熱ローラ方式の定着ローラに対応するものが定着ベルトであるが、この定着ベルトに逆クラウン形状をもたせるのは至難である。
【0127】
そこで、従来の定着ベルト方式の定着装置において、加圧ローラ4の形状を、図7で示すような略ストレート形状から、図8に誇張して示すような最大通紙幅の中央部外径Fが端部外径D及びEより小さい逆クラウン形状とする構成が提案されている。
【0128】
しかしながら、図9のような逆クラウン形状の加圧ローラ4を用いた場合、実施形態1や実施形態2で述べた定着ニップ部Nの形状を、中細り形状から略ストレート形状へと補正する本発明の効果を、打ち消す方向に作用することが判明した。
【0129】
そこで、本発明の本実施形態においては、定着ニップ部Nの平面形状を略ストレート形状として定着性の均一化を図ると同時に、シワの発生を防止する定着ベルト方式の定着装置に関して説明する。
【0130】
本発明の本実施形態は、図9に誇張して示したように、定着ローラ2の形状を正クラウン形状、加圧ローラ4の形状を逆クラウン形状とし、
定着ローラ2の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン形状
とする構成によって、定着性均一化とシワ防止を両立することができる定着装置を提供するものである。
【0131】
ここで、定着ローラ2の正クラウン量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正クラウン量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0132】
加圧ローラ4の逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとE、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、
逆クラウン量=(D+E)/2−F
で計算される値である。
【0133】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、高湿環境(30℃/85%)、記録材Pとして64g/m2の再生紙を使用し、定着ベルト表面温度を180℃として、定着ローラ2の正クラウン量と加圧ローラ4の逆クラウン量を振って、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0134】
定着ローラ2の正クラウン量と加圧ローラ4の逆クラウン量と、A3紙100枚通紙して何枚シワが発生したかを示す記録材Pのシワの発生頻度と、定着均一性との関係を表1に示す。なお、表を見やすいように、一部組み合わせに重複が有る。
【0135】
【表1】
【0136】
表1の検討1によれば、定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量が0μm(ストレート形状)の場合、シワ発生頻度が78/100で、かつ実施形態1で述べたように、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。
【0137】
ここで、表1の検討1で示すように、定着均一性は、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと良化し、定着ローラ2の正クラウン量が150μm以上で、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となり定着性は均一となってOKとなる。しかし、定着ローラ2の正クラウン量が600μm以上になると、逆に定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ部Nの幅が中央部で大きく端部で小さい「中太り形状」となって、定着均一性は、端部の定着性が悪く、端部NGとなる。
【0138】
また、表1の検討1で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、記録材Pを端部方向に引き伸ばす力が発生するため、シワ発生頻度が次第に低下していく。
【0139】
この原理を図9で説明する。定着ローラ2の正クラウン形状によって、加圧ローラ4が図7で示すようなストレート形状の場合においても、加圧ローラ4は、潰されて逆クラウン形状となり、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ4の回転径が端部で大きく、中央部で小さくなる。従って、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送スピードは、端部の搬送スピードが速く、中央部での搬送スピードが遅くなり、記録材Pを両側に引っ張る力が発生し、記録材Pのシワ発生頻度が低下することを示している。なお、定着ベルト1は、定着ローラ2と加圧ローラ4との間に存在するが、説明の簡略化のために省略してある。
【0140】
表1の検討1に示すように、定着ローラ2の正クラウン量を600μmまで増加すると、記録材Pにシワの発生は無くなった。ただし、上述したように、この時の定着均一性は、端部NGとなってしまい、加圧ローラ4形状がストレート形状(逆クラウン量が0μm)の場合には、シワ防止と定着性均一化の両立できる範囲は無いことが判明した。
【0141】
そこで、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせるようにした。例として、加圧ローラ4の逆クラウン量を150μmに設定して検討2を行った。
【0142】
表1の検討2によれば、定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μmの場合、シワ発生頻度が43/100で、シワに対する効果はあるが、未だ不十分である。これは、加圧ローラ4に150μm程度の逆クラウン量をつけても、定着ローラ2がストレート形状(正クラウン量CRが0μm)のためシワ防止効果には不十分なためである。さらに、この時、実施形態1で述べたように、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。この時の中央部NGのレベルは、前記検討1の定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量0μm(ストレート形状)の場合よりも、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μmのために、定着ニップ部Nの中細り形状を助長するため、悪化した。
【0143】
ここで、表1の検討2で示すように、定着均一性は、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと良化し、定着ローラ2の正クラウン量CRが300μm以上で、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となり定着性は均一となってOKとなる。しかし、定着ローラ2の正クラウン量が750μm以上になると、逆に定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ部Nの幅が中央部で大きく端部で小さい中太り形状となって、定着均一性は、端部の定着性が悪く、端部NGとなる。
【0144】
また、表1の検討2で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、シワ発生頻度が次第に低下していく。この原理は、上述した図9で示すように、加圧ローラ4が逆クラウン形状の場合においても同様である。
【0145】
表1の検討2で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を450μmまで増加すると、記録材Pにシワの発生は無くなった。従って、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせて、加圧ローラ4の逆クラウン量を150μmに設定した場合には、定着ローラ2の正クラウン量が450μm〜600μmにおいて、シワ防止と定着性均一化を両立できる範囲を確保することができた。よって、シワが発生せず、定着性が均一で、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0146】
さらに、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせて、例として、定着ローラ2の正クラウン量を450μmに設定して検討3を行った。
【0147】
表1の検討3によれば、定着ローラ2の正クラウン量が450μm、加圧ローラ4の逆クラウン量が0μm(ストレート形状)の場合、シワ発生頻度が7/100で、シワに対する効果はあるが、未だ不十分である。この時、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状で、定着性は均一でOKとなる。
【0148】
ここで、表1の検討3で示すように、定着均一性は、加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくしていくと悪化し、加圧ローラ4の逆クラウン量が450μm以上で、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。
【0149】
また、表1の検討3で示すように、加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、シワ発生頻度が次第に低下していく。この原理は、上述した図9でしたものと同様であり、加圧ローラ4の逆クラウン量が大きいほど、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送スピードは、端部の搬送スピードが速く、中央部での搬送スピードが遅くなり、記録材Pを両側に引っ張る力がより大きく発生し、記録材Pのシワ発生頻度が低下する。
【0150】
従って、表1の検討3で示すように、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせ、定着ローラ2の正クラウン量を450μmに設定した場合には、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μm〜300μmにおいて、シワ防止と定着性均一化を両立できる範囲を確保することができた。よって、シワが発生せず、定着性が均一で、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0151】
表1の検討1〜検討3より、定着ローラ2の正クラウン量を大きくすると、シワは低減するが、大きくし過ぎると、定着ニップ部Nの平面形状が中太り形状となって、端部の定着性が低下する。
【0152】
加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくすると、シワは低減するが、大きくし過ぎると、定着ニップ部Nの平面形状が中細り形状となって、中央部の定着性が低下する。
【0153】
従って、定着ローラ2を正クラウン形状、加圧ローラ4を逆クラウン形状とすることで、シワと定着性均一化とを両立できる範囲が存在可能となる。ただし、シワと定着性均一化を両立させるためには、
定着ローラ2の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン量
とする必要がある、ということが判明した。
【0154】
また、定着ローラ2は、図6の(a)で示すように、定着ローラ2の形状を正テーパー形状としても、定着ローラ2の形状を正クラウン形状とした本実施形態における効果と同等である。実施形態2で用いた正テーパー形状の定着ローラ2を用い、表1における定着ローラ2の正クラウン量を、正テーパー量に置き換えて検討しても、表1のシワ発生頻度及び定着均一性は、ほぼ同等の結果であり、同様の効果を得ることができた。
【0155】
〈実施形態4〉
図10により本発明に係る実施形態4について説明する。
【0156】
実施形態1〜実施形態3は、定着ベルト1を、定着ローラ2と加熱ローラ3の2軸に張架させる2軸系に関して述べたが、図10で示すように、定着ニップ部Nの幅を増加させて、より記録材P及びトナー画像Tに付与する加熱量を大きくする目的で定着補助ローラ11を配置したような3軸系にも本発明を適用することができる。
【0157】
本実施形態においては、図10で示す3軸系において本発明を適用した構成に関して説明する。
【0158】
本実施形態は、図10で示すように、定着ベルト1を加圧ローラ4に巻き付けるように定着補助ローラ11を加圧ローラ4に所定の加圧力で加圧するように配置して、定着ニップ部Nの幅を増加し、記録材P及びトナー画像Tの加熱時間を増加することで、定着性を向上させる構成となっている。
【0159】
定着補助ローラ11は、アルミニウムや鉄等の金属ローラや、定着ローラ2と同様に、金属ローラに耐熱弾性層を被覆した複層構成でも良い。本実施形態においては、鉄の外径φ10mmの金属ローラの外周に、厚み2mmのシリコーンスポンジを被覆し、硬度50度(Asker−C)、シリコーンスポンジの熱伝導率0.08[W/(m・℃)]とした、外径φ14mmの定着補助ローラ11を使用した。
【0160】
また、図10の定着ニップ部Nにおいて、回転方向の圧力を均等にするために、定着ローラ2と定着補助ローラ11との間に、押圧部材12を配置する構成でも良い。
【0161】
定着補助ローラ11は、定着ローラ2の上流側と下流側のどちらに配置しても良い。本実施形態においては、記録材搬送方向の上流側に配置してある。
【0162】
本実施形態においても、定着ローラ2及び定着補助ローラ11がストレート形状の場合には、ローラのたわみ等によって、定着ニップ部Nの形状は中細り形状となる。ここで、実施形態1及び実施形態2と同様に、定着ローラ2の形状を正クラウン形状または正テーパー形状とするだけでも、定着ローラ2側の定着ニップ部Nの中細り形状が補正されて、長手方向の定着性均一化にある程度の効果は発揮できる。しかし、さらに、定着補助ローラ11も正クラウン形状または正テーパー形状とすることによって、定着補助ローラ側の定着ニップ部Nの中細り形状を補正することで、長手方向の定着性均一化、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0163】
定着補助ローラ11の正クラウン量または正テーパー量は、定着ローラ2と同様に、定着補助ローラ11の最大通紙幅両端部外径をGとH、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、
正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2
で計算される値である。
【0164】
また、本実施形態においても、実施形態3と同様に、定着ローラ2を正クラウン形状または正テーパー形状、加圧ローラ4を逆クラウン形状の組み合わせとするだけでも、定着性均一化とシワ防止の効果は発揮できる。しかし、さらに、定着補助ローラ11も正クラウン形状または正テーパー形状として組み合わせることによって、定着性均一化とシワ防止の効果がより向上して、より画像品質が高く、鮮明な画像を得ることができる。
【0165】
実施形態3の表1において、定着ローラ2の正クラウン量を、定着補助ローラ11の正クラウン量または正テーパー量に置き換えても、加圧ローラ4の逆クラウン量との組み合わせにおいて、シワ発生頻度、定着均一性は、ほぼ同様の結果を示すことが判明している。
【0166】
従って、シワと定着性均一化を両立させるためには、
定着補助ローラ11の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン量
とする必要がある。
【0167】
〈その他〉
1)以上、本発明の実施形態に関して説明したが、実施形態1〜実施形態4における諸数値は、実施形態の説明を簡略化するための一例であって、前記諸数値は、像加熱装置または画像形成装置の構成及び設定に応じて、任意に設定することができる。
【0168】
2)実施形態1〜実施形態4は、各々の実施形態を自在に組み合わせて実施しても良い。
【0169】
3)本発明は、実施形態1〜実施形態4で説明した定着装置に限定されるものではなく、他の形態のベルト定着装置にも適用することができる。
【0170】
4)可撓性の移動部材である定着ベルト1は、実施形態例の無端状の形態に限られず、ロール巻きにした長尺の有端部材にし、これを繰り出し軸側から巻取り軸側に走行移動させる装置構成にすることも出来る。
【0171】
5)可撓性の移動部材である定着ベルト1の加熱構成は、実施形態例の加熱ローラ3以外の、任意の内部加熱手段あるいは外部加熱手段によるものにすることが出来る。また、例えば、定着ベルト1に電磁誘導発熱性層を具備させて、この定着ベルト1に交番磁界を作用させることでベルト自体を誘導発熱させる装置構成にすることもできる。
【0172】
6)本発明の像加熱装置は、実施形態例の定着装置としての使用に限られず、未定着画像を記録材に仮に定着せしめる仮定着装置、あるいは定着画像を担持した記録材の表面性を改質する表面改質装置等としても有効であることは勿論である。
【0173】
また、像加熱装置の他にも、例えば紙幣等のシワ除去用の熱プレス装置、熱ラミネート装置、紙等の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱装置として用いても有効であることは勿論である。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加熱ベルト方式の加熱装置において、圧接ニップ長手方向に関して被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては記録材内の定着性の均一化、さらには光沢度やカラー画像特性の均一化の向上を図った装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略構成模型図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る定着装置の概略構成を示す模式的横断面図である。
【図3】図2の(3)−(3)線位置における模式的縦断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る定着ローラと定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る定着ニップ部の模式的断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る定着ローラの形状と定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【図7】従来の加圧ローラの形状の模式図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る加圧ローラの形状の模式図である。
【図9】本発明の実施形態3に係るシワ良化メカニズムの説明図である。
【図10】本発明の実施形態4に係る定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図11】従来の定着ローラの形状と定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【符号の説明】
1−定着ベルト
2−定着ローラ
3−加熱ローラ
4−加圧ローラ
5−加熱ローラ内包ヒータ
6−加圧ローラ内包ヒータ
7、8−温度検知体(温度センサ)
11−定着補助ローラ
101−定着装置
A、B−定着ローラ端部外径
C−定着ローラ中央部外径
D、E−加圧ローラ端部外径
F−加圧ローラ中央部外径
G、H−定着補助ローラ端部外径
I−定着補助ローラ中央部外径
N−定着ニップ
P−記録材
T−トナー
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱装置及び画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルト(フィルム)と、前記ベルトを支持するバックアップ部材と、前記ベルトを間に挟み前記バックアップ部材と圧接ニップ部を形成する加圧部材を有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧部材との間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱ベルト方式の加熱装置、及び該加熱装置を定着装置として具備する画像形成装置に関する。
【0003】
上記の加熱ベルト方式の加熱装置は、電子写真方式等の画像形成装置(複写機、ファクシミリ、プリンタ等)において、記録材上に形成された未定着トナー画像を加熱及び加圧し、トナー画像を記録材に定着させる定着装置、未定着画像を記録材に仮に定着せしめる仮定着装置、定着画像を担持した記録材の表面性を改質する表面改質装置等の像加熱装置として用いられる。
【0004】
また、像加熱装置の他にも、例えば紙幣のシワ除去用の熱プレス装置、熱ラミネート装置、紙の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱手段として用いることができる。
【0005】
【従来の技術】
便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成装置に具備させる、トナー画像を記録材に加熱、加圧して定着させる定着装置を例にして説明する。
【0006】
1)熱ローラ方式の定着装置
画像形成装置において、電子写真プロセス・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像形成プロセス手段部で、記録材(転写材シート・エレクトロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印刷用紙・フォーマット紙・封筒等)に転写方式あるいは直接方式にて形成担持させた画像情報の未定着画像(トナー画像)を記録材に永久固着画像として加熱・加圧定着させる定着装置としては熱ローラ方式の定着装置が広く用いられている。
【0007】
熱ローラ方式の定着装置は、加熱源としてのハロゲンヒータ等を内包した加熱体としての定着ローラと、これに圧接させた加圧体としての加圧ローラを基本構成とし、このローラ対を回転させて、ローラ対の圧接ニップ(定着ニップ)部に未定着画像を担持した記録材を挿通し、定着ローラからの熱と定着ニップ部の加圧力によって、未定着画像を記録材に永久定着させるものである。
【0008】
熱ローラ方式の定着装置は、モノクロ画像形成装置はもちろん、フルカラー画像形成装置にも用いられている。但し、フルカラー画像はモノクロ画像の場合に比べて記録材上のトナー層が厚く、トナーの付着量が多いことから、定着ニップ部の記録材搬送方向長さ(定着ニップ幅)をできる限り広く確保し、プリント時(定着工程時)において、記録材上に形成された未定着トナー画像を可能な限り低温で長時間加熱して、記録材上に定着することが望ましい。
【0009】
また、記録材の光沢や記録材としてOHPにおける透光色再現性を確保するため、フルカラー用定着装置は、トナー面を均一に溶融して平滑化し、高光沢に仕上げるべく、定着ローラ及び加圧ローラ双方に高平滑ないし鏡面な耐熱弾性層を表層に設けた熱ローラ方式の定着装置が主流となっている。
【0010】
ところが、フルカラー用の熱ローラ方式の定着装置において、広いニップ幅を確保すべくローラを大径化した場合には、定着装置ひいては画像形成装置全体の大型化を招く問題がある。一方、耐熱弾性体表層の厚みを厚くした場合には、加熱源から定着ローラ表層への熱伝導の低下による熱供給速度の低下によって、定着ローラ表層温度が低下して、未定着トナーが記録材上に固着できない定着不良が発生するため、プリント速度が低下して、高スループット(単位時間当たりのプリント枚数)追従性が低下する等の問題がある。
【0011】
フルカラー用定着装置において、定着装置の小型化を図り、かつ、高速化および高スループット化を実現するには、ニップ幅を拡大しつつ熱の供給速度を低下させないことが重要な課題であるが、熱ローラ方式におけるニップ幅の拡大手法としては、上述したローラの大径化及び耐熱弾性体の厚肉化しかないことから、当該課題に応えるには限界があった。
【0012】
2)定着ベルト方式(加熱ベルト方式)の定着装置
そこで、熱ローラ方式による限界を打破すべく、定着ベルトを加圧ローラに圧接させてニップ部を形成する定着ベルト方式の定着装置が提案されている。
【0013】
この定着ベルト方式の定着装置は、定着ローラ以外の部位に加熱源を配設し、ウォームアップ時間を短縮できるようにしたものであり、弾性定着ローラと加熱ローラに張架された無端状の定着ベルトを配設し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラを圧接させ、この圧接ニップ(定着ニップ)部に未定着画像を担持した記録材を挿通し、定着ベルトからの熱と定着ニップ部の加圧力によって、未定着画像を記録材に永久定着させるものである。
【0014】
定着ベルト方式の定着装置は、弾性定着ローラを低硬度化することで、熱ローラ方式に比べて、広いニップ幅を容易に確保することができ、また、熱容量の小さい定着ベルトを加熱ローラによって加熱するため、急速に定着ベルトを加熱し、さらに熱供給速度を低下させずに記録材を加熱することができるので、ウォームアップ時間を短縮でき、小型でかつ高速プリントが可能になるという利点がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
画像形成装置の定着装置に上述した定着ベルト方式を採用するにあたって、従来、低硬度の弾性定着ローラとして、外径が長手方向で均一な略ストレート形状の定着ローラを用いていた。
【0016】
しかしながら、ストレート形状の定着ローラによって、定着ベルトを介して加圧ローラとの圧接ニップ(以下定着ニップ)を形成した時、この定着ニップ形状は、定着ローラ及び加圧ローラの両端部で加圧される構成のため、定着ローラ及び加圧ローラのたわみ等によって、中央部で幅が狭く、両端部で幅が広いような中細り形状となる。
【0017】
このような定着ニップの中細り形状によって、定着ニップ部でトナーと記録材に付与する熱量が中央部と端部で異なることとなり、トナーと記録材との接着力(以下、定着性)は、中央部で定着性が悪く、端部で定着性が良い、という定着性の不均一が発生してしまうという問題があった。
【0018】
この定着性の不均一が大きい場合、中央部で適正な定着性を確保するように定着ベルト表面温度を設定すると、端部ではトナーが過剰溶融して定着ベルトに付着し、付着トナーが定着ベルト1周後に記録材に再付着して、記録材を汚してしまうホットオフセットが発生する。また、端部で適正な定着性を確保するように定着ベルト表面温度を設定すると、中央部ではトナーが未溶融して記録材に定着できずに定着ベルトに付着し、付着トナーが定着ベルト1周後に記録材に再付着して、記録材を汚してしまうコールドオフセットが発生する。
【0019】
また、特に、フルカラー画像形成装置の定着装置においては、上述した定着ニップの中細り形状による定着性の不均一から、フルカラー画像のトナー表面の平滑度の不均一による光沢度の不均一や、トナーの溶融具合の不均一によるカラー画像特性(明度、彩度、色度)の不均一が発生し、この光沢ムラやカラー画像特性ムラによって、鮮明なフルカラー画像を得られないという問題があった。
【0020】
そこで本発明は、上述した従来技術に伴う課題を解決するため、加熱ベルト方式の加熱装置において、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては記録材内の定着性の均一化、さらには光沢度やカラー画像特性の均一化の向上を図った装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記の本発明に係る加熱装置及び画像形成装置にて達成される。
【0022】
(1)加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
【0023】
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0024】
(2)前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0025】
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0026】
(3)加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
【0027】
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0028】
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。
【0029】
(4)前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
【0030】
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0031】
(5)前記被加熱材は画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0032】
(6)前記被加熱材は加熱定着すべき未定着画像を担持した記録材であることを特徴とする(1)から(4)の何れかに記載の加熱装置。
【0033】
(7)前記弾性バックアップローラ及び前記加圧ローラは、弾性体層を被覆してあり、「弾性バックアップローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする(1)から(6)の何れかに記載の加熱装置。
【0034】
(8)前記弾性バックアップローラは表層に弾性体層を設け、弾性バックアップローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする(1)から(7)の何れかに記載の加熱装置。
【0035】
(9)前記弾性バックアップローラの弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする(7)または(8)に記載の加熱装置。
【0036】
(10)前記ベルトは弾性体層を有し、被加熱材としての記録材に担持のフルカラー画像を定着することを特徴とする(1)から(9)の何れかに記載の加熱装置。
【0037】
(11)前記ベルトの表層及び前記加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、被加熱材としての記録材に担持させる画像の構成材にオイル含有トナーを用いることで、前記ベルトまたは前記加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする(1)から(10)の何れかに記載の加熱装置。
【0038】
(12)定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
【0039】
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0040】
(13)無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする(12)に記載の加熱装置。
【0041】
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0042】
(14)定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「定着ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
【0043】
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
【0044】
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。
【0045】
(15)無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする(14)に記載の加熱装置。
【0046】
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。
【0047】
(16)定着ローラ及び加圧ローラは弾性体層を被覆してあり、「定着ローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする(12)から(15)の何れかに記載の加熱装置。
【0048】
(17)定着ローラは表層に弾性体層を設け、定着ローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする(12)から(15)の何れかに記載の加熱装置。
【0049】
(18)定着ローラの表層の弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする(16)または(17)に記載の加熱装置。
【0050】
(19)定着ベルトは弾性体層を有し、フルカラー画像を定着することを特徴とする(12)から(18)の何れかに記載の加熱装置。
【0051】
(20)定着ベルトの表層及び加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、オイル含有トナーを用いることで、定着ベルトまたは加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする(12)から(19)の何れかに記載の加熱装置。
【0052】
(21)記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着画像を加熱定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から請求項20の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0053】
(作 用)
1)弾性バックアップローラ(=定着ローラ、以下同じ)の形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることにより、圧接ニップ(=定着ニップ、以下同じ)形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0054】
2)弾性バックアップローラとともにベルト(=定着ベルト、以下同じ)を支持して加圧ローラとの間にベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを設けた3軸構成においても、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることにより、圧接ニップ形状を略ストレート形状とすることができるので、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0055】
3)弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、前記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることにより、圧接ニップにおける長手方向の記録材搬送スピードを調整して、記録材のシワの発生を防止し、かつ圧接ニップ形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0056】
4)弾性バックアップローラとともにベルトを支持して加圧ローラとの間に移動部材を挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを設けた3軸構成においても、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、前記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることにより、圧接ニップにおける長手方向の被加熱材搬送スピードを調整して、被加熱材のシワの発生を防止し、かつ圧接ニップ形状を略ストレート形状にできるので、被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0057】
5)弾性バックアップローラ及び加圧ローラは、弾性体層を被覆してあり、「弾性バックアップローラ硬度<加圧ローラ硬度」にして、加圧ローラの熱容量を小さくすることで装置の立ち上げを早くし、弾性バックアップローラ硬度を低硬度とすることで圧接ニップ幅を大きく取って被加熱材均一加熱性(定着性)を向上させ、さらに、圧接ニップの断面形状を上に凸形状にできるので、被加熱材とベルトとの分離性を向上することができる。
【0058】
6)弾性バックアップローラは表層に弾性体層を設け、弾性バックアップローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることにより、圧接ニップ幅を増加して被加熱材均一加熱性(定着性)を向上させ、かつベルトとの機械的磨耗を防止して、高耐久にできる。また、低硬度弾性バックアップローラにおいても圧接ニップを略ストレート化できる。
【0059】
7)弾性バックアップローラの弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることにより、ベルトを断熱し、ベルトから弾性バックアップローラへの熱の逃げを小さくできるので、装置の立ち上げを早くできる。また、弾性層をスポンジ状とすることで、圧接ニップを略ストレート形状とするための弾性バックアップローラの正クラウン量を小さくすることができる。
【0060】
8)ベルトは弾性体層を有し、被加熱材としての記録材に担持のフルカラー画像を定着することにより、フルカラー画像において、トナー表面を均一に溶融させ平滑化でき、さらに圧接ニップを略ストレート形状にできるので、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0061】
9)ベルトの表層及び加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、オイル含有トナーを用いることで、ベルトまたは加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスの装置にすることにより、オイルレスの装置において、圧接ニップを略ストレート形状にできるので、像加熱装置にあってはコールドオフセットまたはホットオフセットを防止して、定着性均一化、カラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができる。
【0062】
【発明の実施の形態】
〈実施形態1〉
(1)画像形成装置例
図1は本発明に従う像加熱装置としての定着装置を具備させた画像形成装置の一例の概略構成模型図である。本実施形態の画像形成装置は、電子写真プロセスを用いた、自動両面印字機能を有するタンデムタイプのフルカラープリンタである。
【0063】
Y・M・C・Bは図面上右から左に順に配列した第1〜第4の4つの画像形成ステーションである。
【0064】
各画像形成ステーションY・M・C・Bは何れも、像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体31、帯電装置32、レーザースキャナやLEDアレイ等の露光装置33、現像装置34、クリーニング装置35等からなる電子写真プロセス機構である。感光体31は矢印の時計方向に所定の周速度で回転駆動される。
【0065】
第1の画像形成ステーションYは感光体31の面にフルカラー画像のイエロー成分のトナー画像を形成する。第2の画像形成ステーションMは感光体31の面にフルカラー画像のマゼンタ成分のトナー画像を形成する。第3の画像形成ステーションCは感光体31の面にフルカラー画像のシアン成分のトナー画像を形成する。そして第4の画像形成ステーションBは感光体31の面にブラックのトナー画像を形成する。各画像形成ステーションにおけるトナー画像の形成原理・プロセスは公知であるからその説明は省略する。
【0066】
36は複数の支持ローラ37に懸架させて張設した転写ベルトであり、第1〜第4の画像形成ステーションY・M・C・Bの下側に、全画像形成ステーションに渡たらせて配設してある。転写ベルト36は矢印の反時計方向に、感光体31の周速度に対応した周速度で回動駆動される。
【0067】
38は転写電極ローラであり、第1〜第4の各画像形成ステーションY・M・C・Bにおいて、感光体31の下面に対して転写ベルト36を挟んで圧接して転写ニップ部を形成している。39は各転写電極ローラ38に対する転写バイアス印加電源であり、トナーの帯電極性とは逆極性の所定の電圧を転写バイアスとして所定の制御タイミングで印加する。
【0068】
40はシート給送路であり、不図示の給紙機構部から一枚分離給紙された記録材(転写材)Pを、転写ベルト36の第1の画像形成ステーションY側の端部に給送する。43は手差し給紙トレイであり、記録材Pはこのトレイ43から手差し方式で給紙することも出来る。
【0069】
転写ベルト36は給送された記録材Pを静電的に吸着保持して、あるいはチャックで把持して第1から第4の画像形成ステーションY・M・C・Bの各転写ニップ部を順次に搬送する。これにより、同一の記録材Pの面にイエロートナー画像、マゼンタトナー画像、シアントナー画像、およびブラックトナー画像が順次に位置合わせ状態で重畳転写されてフルカラートナー画像が合成形成される。
【0070】
第4の画像形成ステーションBの転写ニップ部を搬送されて通過した記録材Pは転写ベルト36から分離され、定着装置101に導入されて未定着のトナー画像の加熱定着処理を受ける。
【0071】
モノクロプリントモードの場合はブラックトナー画像を形成する第4の画像形成ステーションBだけが作動する。
【0072】
片面プリントモードの場合には定着装置101を出た記録材Pはシートパスaに入って機外に排出される。
【0073】
自動両面プリントモードの場合には定着装置101を出た第1面側プリント済みの記録材Pはフラッパ41の切換えにより記録材再循環搬送機構側のシートパスb側に進路変更され、スイッチバックトパスcに導入され、次いでスイッチバック搬送され、フラッパ42の切換えによりシートパスd側に進路変更されて搬送されることで、表裏反転されて再び転写ベルト36の第1の画像形成ステーションY側の端部に給送される。これにより記録材Pの第2面側に対するトナー画像の転写形成がなされ、定着装置101に再び導入されて第2面側に対するトナー画像の定着がなされ、定着装置101を出た記録材Pはシートパスaに入って機外に排出される。
【0074】
(2)定着装置101
図2は本実施形態における像加熱装置としての定着装置101の概略構成を示す模式的横断面図である。図3は図2の(3)−(3)線位置における模式的縦断面図である。
【0075】
この定着装置101は、弾性バックアップローラとしての定着ローラ2と、加熱部材としての加熱ローラ3と、この定着ローラ2及び加熱ローラ3に所定の張力で張架された、可撓性の移動部材としての無端状定着ベルト1と、この定着ベルト1を介して定着ローラ2に対向加圧して設けられた、回転弾性加圧部材としての加圧ローラ4とを有し、加熱ローラ3と加圧ローラ4の両方の内部に定着ベルト加熱用ヒータ5・6を備え、加圧ローラ4と定着ベルト1との間の圧接ニップ部(以下、定着ニップ部と記す)Nに記録材Pを導入して挟持搬送させることで、定着ニップ部Nにおいて、記録材P上に保持された未定着トナー画像Tを、ヒータ5で熱せられている加熱ローラ3で加熱された定着ベルト1の熱と、ヒータ6で熱せられている加圧ローラ4の熱と、定着ニップ部Nの圧力により記録材P上に加熱、加圧して定着させるベルト定着装置である。
【0076】
本実施形態において、加圧ローラ4は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能に定着装置に固定配置され、定着ローラ2は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能で、かつ両端部が不図示のバネ等の加圧機構Kによって、定着ベルト1を介して加圧ローラ4に加圧されるように定着装置に配置される。互いに圧接された定着ベルト1と加圧ローラ4との間には、未定着のトナー画像Tを担持した記録材Pが挿通され、トナー画像Tを加熱溶解するとともに加圧して、記録材Pに定着する定着ニップ部Nが形成される。また、加熱ローラ3は、両端部がベアリング等(不図示)を介して回転可能で、かつテンションローラとして定着ベルト1に所定のテンションを付与するように加圧機構(不図示)によって加圧されている。
【0077】
不図示の駆動源による回転駆動で定着ベルト1、定着ローラ2、加熱ローラ3、加圧ローラ4が回転する。
【0078】
本実施形態では、画像形成装置本体からの駆動源によって加圧ローラ4が矢印X方向に回転する。定着ベルト1は、この加圧ローラ4の回転により、加圧ローラ4と定着ベルト1との外周面での摩擦力で、定着ベルト1に矢印Y方向に回転力が作用する。さらに定着ベルト1の内周面と、定着ローラ2及び加熱ローラ3の外周面との摩擦力で、定着ローラ2及び加熱ローラ3に回転力が作用する。従って、加圧ローラ4が駆動回転されることによって、定着ベルト1、定着ローラ2及び加熱ローラ3が加圧ローラ4の周速度と略同じ周速度を持って従動回転する加圧ローラ駆動方式を採用している。定着ニップ部Nに記録材Pが挿通された場合には、加圧ローラ4と記録材Pと定着ベルト1との摩擦力で前記同様に従動回転がなされる。
【0079】
ここで、定着ローラ2と加圧ローラ4は、定着ローラ2の端部に配置したワンウェイギヤ(不図示)と、加圧ローラ4の端部に配置したギヤ(不図示)によって連結され、加圧ローラ4と定着ベルト1、または記録材Pを介して加圧ローラ4と定着ベルト1において、スリップが発生した場合には、前記ワンウェイギヤ(不図示)によって定着ローラ2が駆動回転され、加圧ローラ4と定着ベルト1は略同じ周速度を持って回転するようにスリップ対策がなされている。
【0080】
加圧ローラ4の周面の前後には、トナー画像Tを担持した記録材Pが搬送される搬送路を構成するガイド部材としての定着入り口ガイド9、定着排紙ガイド10が配置されている。
【0081】
▲1▼.定着ベルト1
定着ベルト1は、低熱容量化を図り、クリックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は150μm以下、好ましくは30〜80μm程度の耐熱素材たるPTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする無端帯状体であるという単層構造、或いは、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES又はPPS等の樹脂材や、Ni、SUS等の金属材を主成分とするベース層としての無端帯状体の外周面に、PTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする離型層を被覆するという複層構造等を使用できる。
【0082】
また、フルカラー画像形成装置においては、トナー画像面を均一に溶融して平滑化し、高光沢に仕上げるべく、前記ベース層としての無端帯状体の外周面に、厚み100μm〜800μm程度のシリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱弾性層を被覆する複層構造等を使用できる。この場合には、定着ベルト1と記録材P上のトナー画像Tとの離型性を向上してオフセットを防止するために、定着ベルト1にオイルを塗布するオイル塗布装置(不図示)が配置されるオイル塗布定着装置とする必要がある。
【0083】
或いは、さらに前記シリコーンゴム等の耐熱弾性層の外周面に、PTFE、PFA又はFEP等のフッ素樹脂を主成分とする離型層を被覆する複層構造等も使用できる。この場合には、定着ベルト1にオイルを塗布するオイル塗布装置を削除してオイルレス定着装置とすることができ、低コスト化が実現できる。
【0084】
本実施形態では、厚み50μmのベース層としてのポリイミド樹脂の外周面に、厚み300μmのシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、さらに最外周面に厚み30μmのPFAチューブの離型層を被覆した総厚み380μm、内径φ60mmの可撓性の定着ベルト1を使用したオイルレス定着装置とした。
【0085】
▲2▼.定着ローラ2
定着ローラ2は、芯金2a上に、シリコーンゴム、フッ素ゴム、または定着ベルト1の温度を早く立ち上げるために、断熱性を向上させたシリコーンスポンジ等の耐熱弾性層2bを被覆してある。
【0086】
本実施形態では、鉄の外径φ14mmの芯金2aの外周に、厚み8mmのシリコーンスポンジ層2bを被覆し、硬度40度(アスカーC硬度計)、シリコーンスポンジの熱伝導率0.08[W/(m・℃)]とした、外径約φ30mmの定着ローラ2を使用した。
【0087】
▲3▼.加熱ローラ3
ヒータ5を内包した加熱ローラ3は、立ち上がりを早くするために、小径かつ薄肉で熱伝導の良いアルミニウム、鉄等の金属材を主成分とする金属パイプで構成して低熱容量化してある。
【0088】
定着ベルト1はヒータ5により加熱ローラ1を介して加熱され、温度検知素子(サーミスタ)7で加熱ローラ1の温度を検知して、ヒータ5をON/OFFして、加熱ローラ1の温度を制御することによって、定着ベルト1の表面温度を所定の温度に維持する構成となっている。
【0089】
本実施形態では、アルミニウムの厚み1mm、外径φ24mmの加熱ローラ3を使用し、ヒータ5としてハロゲンヒータを使用した。
【0090】
▲4▼.加圧ローラ4
加圧ローラ4は、芯金4aにシリコーンゴム・フッ素ゴム等の耐熱弾性層4bを設けた構成の場合には、定着ベルト1にオイル塗布が必要なオイル塗布定着装置となる。また、加圧ローラ4の表面性及びトナーに対する離型性を向上させるため、耐熱弾性層4bの外周面にPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂層を設けて、オイルレス定着装置としても良い。
【0091】
本実施形態では、鉄の厚み1mmの芯金4aの外周に、厚み2mmのシリコーンゴムの耐熱弾性層4bを被覆し、さらに最外周面に厚み50μmのPFAチューブの離型層4cを被覆した外径φ40mm、硬度70度(アスカーC硬度計)の加圧ローラ4を使用したオイルレス定着装置とした。
【0092】
また、本実施形態では、定着ベルト1を所定の温度に早く立ち上げるために、加圧ローラ4にヒータ6としてハロゲンヒータを内包させ、温度検知素子(サーミスタ)8で加圧ローラ4の温度を検知して、ヒータ6をON/OFFして、加圧ローラ4の温度を制御する構成となっている。しかし、装置構成によっては、ヒータ6を削除し、加熱源をヒータ5のみとする構成でも良い。
【0093】
▲5▼.トナー
トナーは、オイルレス定着装置において、コールドオフセットやホットオフセットの防止、またはトナーの定着ベルト1や加圧ローラ4からの分離性向上のため、オイル成分を含有したオイル内包トナーやオイル分散トナーを使用すると良い。本実施形態においては、オイル内包トナーを使用したオイルレス定着装置とした。
【0094】
(3)定着ニップ形状の適正化
1)従来の定着装置において、定着ローラ2は、図11の(a)で示すように、外径が長手方向で略等しいストレート形状となっており、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部である定着ニップ部Nの平面形状は、図11の(b)に誇張して示すように、長手方向の中央部でニップ幅が小さく、端部でニップ幅が大きい、中細り形状となっていた。
【0095】
これは、定着ローラ2の両端部を加圧機構K(不図示)により加圧ローラ4に加圧するために、定着ローラ2のたわみや加圧ローラ4のたわみ等によって、定着ニップ部Nの形状は、図11の(b)で示すような中細り形状となってしまう。
【0096】
この中細り形状の定着ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを挿通した場合、前述したように、定着ニップ部Nの中細り形状によって、トナー画像Tと記録材Pが定着ニップ部Nにおいて定着ベルト1及び加圧ローラ4から付与される熱量は、定着ニップ部Nの長手方向の中央部で小さく端部で大きいため、定着性が中央部で低く端部で高くなり、定着ニップ部Nの長手方向で定着性の不均一が発生してしまう。さらにはホットオフセットまたはコールドオフセットの発生や、フルカラー画像においては、定着ニップ部Nの長手方向の中央部と端部で色みや明るさが違う等、光沢ムラやカラー画像特性(明度、彩度、色度)ムラ等によって、鮮明な画像を得られないという問題があった。
【0097】
2)ここで、本発明の本実施形態の定着装置101において、定着ローラ2は、図4の(a)で示すように、最大通紙幅の中央部外径Cが端部外径A及びBよりも大きい正クラウン形状とすることで、定着ベルト1と加圧ローラ4との圧接部である定着ニップ部Nの形状は、図4の(b)に誇張して示すように、定着ニップ長手方向の中央部と端部で幅が略等しいストレート形状とすることができる。
【0098】
これは、定着ローラ2の両端部を加圧ローラ4に加圧するために発生する定着ローラ2のたわみや加圧ローラ4のたわみ等の影響を、定着ローラ2の形状を図4の(a)で示すような正クラウン形状として補正することで、図4の(b)で示すような定着ニップ部Nの形状を略ストレート形状に補正することができるためである。
【0099】
この略ストレート形状の定着ニップ部Nに、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを挿通した場合、トナー画像Tと記録材Pが定着ベルト1及び加圧ローラ4から付与される熱量は、定着ニップ長手方向の中央部と端部で略等しいため、定着性が中央部と端部で略等しくなり、長手方向で定着性は均一となる。さらにはホットオフセットまたはコールドオフセットを防止でき、フルカラー画像においては、定着ニップ長手方向の中央部と端部で色みや明るさが等しく、光沢ムラやカラー画像特性(明度、彩度、色度)ムラ等が発生せずに、鮮明な画像を得ることができる。
【0100】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、定着ベルト表面温度を180℃として、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0101】
従来の図11の(a)で示すような、外径φ30mmの略ストレート形状の定着ローラ2を用いた場合、図11の(b)で示すような定着ニップ部Nの中細り形状によって、画像の定着性は定着ニップ長手方向の端部で良く中央部で悪く、中央部においては爪で軽く擦るとトナーが記録材Pから剥離してしまった。また、フルカラー画像の場合には、中央部でトナーの溶融が端部に比べて少ないため、トナーの混色が不十分となり、色みが中央部と端部で差があり、さらに中央部で画像が暗く端部で明るくなり、中央部で光沢が低く端部で光沢が高くなり、記録材P内の長手方向で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が不均一な画像品質が非常に低い画像しか得られなかった。
【0102】
本発明に係る本実施形態の図4の(a)で示すような中央部外径C=φ30mm、端部外径A=B=φ29.7mmの正クラウン量=300μmの正クラウン形状の定着ローラ2を用いた場合、図4の(b)で示すような定着ニップ部Nの略ストレート形状によって、画像の定着性は端部及び中央部でも良好で均一であり、端部及び中央部とも爪で擦ってもトナーが記録材Pから剥離することはなかった。また、フルカラー画像の場合には、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0103】
ここで、定着ローラ2の正クラウン量は、定着ローラ2の最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラ2の最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正クラウン量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0104】
定着ニップ部Nの中細り形状による問題に関して、モノクロ画像においては定着性の不均一のみであるが、フルカラー画像においては定着性の不均一に加えて、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の不均一が発生するため、フルカラー画像の方が定着ニップ部Nの幅の定着ニップ長手方向不均一による影響が大きい。従って、モノクロ画像に比べて、フルカラー画像に対して、本発明に係る本実施形態を適用する効果は大きくなる。
【0105】
定着ローラ2の正クラウン量は、前記数値に限定されるものでは無く、定着ローラ2における耐熱弾性層2bの厚みや硬度、芯金2aの剛性、加圧ローラ4における耐熱弾性層4bの厚みや硬度、芯金4aの剛性、加圧機構Kの加圧力、紙搬送スピード等、定着装置構成や画像形成装置構成に応じて任意に設定して良い。ただし、正クラウン量を大きくしすぎると、逆に定着ニップ部Nの形状が定着ニップ長手方向の端部で小さく中央部で大きい中太り形状となり、定着性の不均一、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度の不均一が発生してしまうので、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となって、かつ、なるべく小さい正クラウン量を選択するのが良い。
【0106】
3)加圧ローラ4は、定着ベルト1の所定温度への立ち上げを早くするため、加圧ローラ4が定着ベルト1の熱を奪わず、加圧ローラ4が早く温まるように、加圧ローラ4の熱容量を小さくするのが良い。そのためには、加圧ローラ4の芯金4aを薄くして、かつ加圧ローラ4の耐熱弾性層4bを薄くするのが良い。しかし、耐熱弾性層4bを薄くすると定着ニップ部Nの幅が小さくなってしまう。そこで、定着ニップ部Nの幅を大きく取るためには、定着ローラ硬度を小さくする必要があるため、
定着ローラ2の硬度<加圧ローラ4の硬度
とするのが望ましい。
【0107】
また、定着ローラ2の硬度<加圧ローラ4の硬度、とすることにより、図5の定着ニップ部Nの模式的断面図で示すように、定着ニップ部Nの断面形状が上に凸形状となって、定着ベルト1とトナーとの分離性が向上し、定着ニップ部Nを抜けた記録材Pが定着ベルト1に張り付いて、定着ベルト1と記録材Pが分離しないという分離不良を防止することができる。
【0108】
定着ローラ2の硬度は、定着ニップ部Nの幅を大きく取るためには、なるべく低硬度が適しており、60度(アスカーC硬度計)以下とするのが良い。ただし、定着ローラ2と定着ベルト1の内周面との摩擦力によって定着ローラ2を従動回転させるため、定着ローラ2には、ある程度の強度が要求されるので、定着ローラ2の硬度は、10度(アスカーC硬度計)以上とするのが良い。また、定着ローラ2の硬度が小さいほど、定着ローラ2の形状が略ストレート形状の場合、定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ長手方向中央部で幅が小さく、端部で幅が大きい、中細り形状となりやすい。従って、定着ローラ2の硬度が小さいほど、本発明の本実施形態を適用する効果は大きくなる。
【0109】
4)本実施形態の定着装置101のように定着ローラ2にヒータが内包されていない構成の場合、定着ベルト1の所定温度への立ち上げを早くするため、定着ローラ2が定着ベルト1の熱を奪わないように、断熱構成とするのが良い。そのためには、定着ローラ2の耐熱弾性層2bの熱伝導率を小さくするのが好ましく、耐熱弾性層2bの熱伝導率は、0.16[W/(m・℃)]以下とするのが好適である。
【0110】
従って、断熱効果を高めるため、耐熱弾性層2bは、ソリッドゴム状弾性層ではなく、断熱効果の高い空気層を含んだスポンジ状弾性層とするのが好ましい。また、スポンジ状弾性層は、定着ローラ2や加圧ローラ4のたわみを空気層が吸収するために、ソリッドゴム状弾性層と比べて、定着ローラ2が略ストレート形状の場合、定着ニップ部Nの幅の中央部と端部の差が小さい(中細り形状度合が小さい)ので、定着ローラ2の正クラウン量を小さくすることができる。これは、研磨によって定着ローラ2の形状を正クラウン形状とする場合、研磨部を小さくでき、製造時間短縮による低コスト化、廃棄物削減につなげることができる利点を持つ。
【0111】
本実施形態は、定着ベルト1の表層、及び加圧ローラ4の表層にフッ素樹脂等の離型層を被覆し、オイル内包トナーを使用したオイルレス定着装置に関して述べたが、定着ベルト1の表層、及び加圧ローラ4の表層にシリコーンゴム等の耐熱弾性層を被覆して、別途配置したオイル塗布装置によって定着ベルト1または加圧ローラ4にオイルを塗布する構成のオイル塗布定着装置に適用しても効果は同様である。ただし、オイルレス定着装置は、オイル塗布定着装置と比較して、コールドオフセット及びホットオフセットが発生し易く、トナーの定着ベルト1や加圧ローラ4との分離性能が低い。
【0112】
従って、本発明の本実施形態を定着装置に適用した場合、オイル塗布定着装置に適用した場合に比べて、オイルレス定着装置に適用した場合の方が定着性均一化や色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の均一化への効果は大きくなる。
【0113】
〈実施形態2〉
図6により本発明に係る実施形態2について説明する。
【0114】
前述の実施形態1は、定着ローラ2の形状を中央部から端部に行くに従って曲線状に外径を小さくする構成であったが、本実施形態の構成は、定着ローラ2の形状を、図6の(a)に誇張して示すように、両端部の外径を直線的に小さくするような正テーパー形状として、定着ニップ部Nの平面形状を図6の(b)で示すようなストレート形状とする構成である。
【0115】
このように、定着ローラ2の形状を正テーパー形状とする構成においても、定着ニップ部Nの形状を略ストレート形状とすることができ、定着性の均一化、フルカラー画像においては定着性の均一化に加えて、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度等の均一化を達成することができるので、本発明の効果は実施形態1と同等である。
【0116】
ここで、定着ローラ2の正テーパー量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正テーパー量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0117】
従って、この正テーパー形状の場合においても、正テーパー量は、実施形態1の正クラウン量と同様の計算式で計算される値である。
【0118】
テーパーは、定着ローラ2の長手方向中央部から開始しても良いし、定着ローラ2の中央部は略ストレート形状として、中央部から端部に少しずれた位置から開始しても良く、定着装置に応じて任意に設定して良い。
【0119】
本実施形態においては、実施形態1の正クラウン量と正テーパー量を同じ数値とした場合に、定着ニップ部Nの平面形状が略等しいストレート形状となるように、定着ローラ2の中央部は、最大通紙幅の1/3の幅の略ストレート形状とし、定着ローラ2の両端部約1/3幅をテーパー形状とした定着ローラ2を用いた。
【0120】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、定着ベルト表面温度を180℃として、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0121】
本発明に係る本実施形態の図6の(a)で示すような中央部外径C=φ30mm、端部外径A=B=φ29.7mmの正テーパー量=300μmの正テーパー形状の定着ローラ2を用いた場合、図6の(b)で示すような定着ニップ部Nの略ストレート形状によって、画像の定着性は端部及び中央部でも良好で均一であり、端部及び中央部とも爪で擦ってもトナーが記録材Pから剥離することはなかった。また、フルカラー画像の場合には、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0122】
本実施形態のように定着ローラ2を正テーパー量として、研磨によって定着ローラ2の形状を正テーパー形状とする場合においては、実施形態1のように定着ローラ2の長手方向全域を曲線状に研磨する正クラウン形状と比較して、直線状に研磨するため、また場合によっては両端部のみを直線状に研磨するため、製造条件が容易であり、かつ製造時間短縮による低コスト化ができる利点を持つ。
【0123】
〈実施形態3〉
図7〜図9により本発明に係る実施形態3について説明する。
【0124】
定着ベルト方式を採用する従来の定着装置においては、定着装置を記録材である紙が通過する時に定着ニップ部Nにおいて紙にシワが発生する場合がある。このシワは、特に紙のコシが小さい条件、すなわち高湿環境、薄紙、再生紙において発生し易い。
【0125】
従来、一般的に使用されている熱ローラ方式の定着装置においては、定着ローラ外径に逆クラウン形状を持たせることにより定着ニップ部における紙搬送スピードを両端部で速く、中央部で遅くして紙を両側に引っ張る力を生じさせ、これによってシワを防止する手段が用いられている。
【0126】
一方、定着ベルト方式の定着装置においては、熱ローラ方式の定着ローラに対応するものが定着ベルトであるが、この定着ベルトに逆クラウン形状をもたせるのは至難である。
【0127】
そこで、従来の定着ベルト方式の定着装置において、加圧ローラ4の形状を、図7で示すような略ストレート形状から、図8に誇張して示すような最大通紙幅の中央部外径Fが端部外径D及びEより小さい逆クラウン形状とする構成が提案されている。
【0128】
しかしながら、図9のような逆クラウン形状の加圧ローラ4を用いた場合、実施形態1や実施形態2で述べた定着ニップ部Nの形状を、中細り形状から略ストレート形状へと補正する本発明の効果を、打ち消す方向に作用することが判明した。
【0129】
そこで、本発明の本実施形態においては、定着ニップ部Nの平面形状を略ストレート形状として定着性の均一化を図ると同時に、シワの発生を防止する定着ベルト方式の定着装置に関して説明する。
【0130】
本発明の本実施形態は、図9に誇張して示したように、定着ローラ2の形状を正クラウン形状、加圧ローラ4の形状を逆クラウン形状とし、
定着ローラ2の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン形状
とする構成によって、定着性均一化とシワ防止を両立することができる定着装置を提供するものである。
【0131】
ここで、定着ローラ2の正クラウン量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとB、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、
正クラウン量=C−(A+B)/2
で計算される値である。
【0132】
加圧ローラ4の逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとE、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、
逆クラウン量=(D+E)/2−F
で計算される値である。
【0133】
実際に、最大通紙幅が297mm(A3紙縦通紙)の定着装置101において、記録材の搬送スピードを104mm/sec、加圧機構Kの加圧力を総圧(両端の加圧力の合計)300N(約30Kgf)、高湿環境(30℃/85%)、記録材Pとして64g/m2の再生紙を使用し、定着ベルト表面温度を180℃として、定着ローラ2の正クラウン量と加圧ローラ4の逆クラウン量を振って、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pを通紙して定着画像を得る検討を行った。
【0134】
定着ローラ2の正クラウン量と加圧ローラ4の逆クラウン量と、A3紙100枚通紙して何枚シワが発生したかを示す記録材Pのシワの発生頻度と、定着均一性との関係を表1に示す。なお、表を見やすいように、一部組み合わせに重複が有る。
【0135】
【表1】
【0136】
表1の検討1によれば、定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量が0μm(ストレート形状)の場合、シワ発生頻度が78/100で、かつ実施形態1で述べたように、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。
【0137】
ここで、表1の検討1で示すように、定着均一性は、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと良化し、定着ローラ2の正クラウン量が150μm以上で、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となり定着性は均一となってOKとなる。しかし、定着ローラ2の正クラウン量が600μm以上になると、逆に定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ部Nの幅が中央部で大きく端部で小さい「中太り形状」となって、定着均一性は、端部の定着性が悪く、端部NGとなる。
【0138】
また、表1の検討1で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、記録材Pを端部方向に引き伸ばす力が発生するため、シワ発生頻度が次第に低下していく。
【0139】
この原理を図9で説明する。定着ローラ2の正クラウン形状によって、加圧ローラ4が図7で示すようなストレート形状の場合においても、加圧ローラ4は、潰されて逆クラウン形状となり、定着ニップ部Nにおける加圧ローラ4の回転径が端部で大きく、中央部で小さくなる。従って、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送スピードは、端部の搬送スピードが速く、中央部での搬送スピードが遅くなり、記録材Pを両側に引っ張る力が発生し、記録材Pのシワ発生頻度が低下することを示している。なお、定着ベルト1は、定着ローラ2と加圧ローラ4との間に存在するが、説明の簡略化のために省略してある。
【0140】
表1の検討1に示すように、定着ローラ2の正クラウン量を600μmまで増加すると、記録材Pにシワの発生は無くなった。ただし、上述したように、この時の定着均一性は、端部NGとなってしまい、加圧ローラ4形状がストレート形状(逆クラウン量が0μm)の場合には、シワ防止と定着性均一化の両立できる範囲は無いことが判明した。
【0141】
そこで、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせるようにした。例として、加圧ローラ4の逆クラウン量を150μmに設定して検討2を行った。
【0142】
表1の検討2によれば、定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μmの場合、シワ発生頻度が43/100で、シワに対する効果はあるが、未だ不十分である。これは、加圧ローラ4に150μm程度の逆クラウン量をつけても、定着ローラ2がストレート形状(正クラウン量CRが0μm)のためシワ防止効果には不十分なためである。さらに、この時、実施形態1で述べたように、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。この時の中央部NGのレベルは、前記検討1の定着ローラ2の正クラウン量が0μm(ストレート形状)、加圧ローラ4の逆クラウン量0μm(ストレート形状)の場合よりも、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μmのために、定着ニップ部Nの中細り形状を助長するため、悪化した。
【0143】
ここで、表1の検討2で示すように、定着均一性は、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと良化し、定着ローラ2の正クラウン量CRが300μm以上で、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状となり定着性は均一となってOKとなる。しかし、定着ローラ2の正クラウン量が750μm以上になると、逆に定着ニップ部Nの形状は、定着ニップ部Nの幅が中央部で大きく端部で小さい中太り形状となって、定着均一性は、端部の定着性が悪く、端部NGとなる。
【0144】
また、表1の検討2で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、シワ発生頻度が次第に低下していく。この原理は、上述した図9で示すように、加圧ローラ4が逆クラウン形状の場合においても同様である。
【0145】
表1の検討2で示すように、定着ローラ2の正クラウン量を450μmまで増加すると、記録材Pにシワの発生は無くなった。従って、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせて、加圧ローラ4の逆クラウン量を150μmに設定した場合には、定着ローラ2の正クラウン量が450μm〜600μmにおいて、シワ防止と定着性均一化を両立できる範囲を確保することができた。よって、シワが発生せず、定着性が均一で、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0146】
さらに、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせて、例として、定着ローラ2の正クラウン量を450μmに設定して検討3を行った。
【0147】
表1の検討3によれば、定着ローラ2の正クラウン量が450μm、加圧ローラ4の逆クラウン量が0μm(ストレート形状)の場合、シワ発生頻度が7/100で、シワに対する効果はあるが、未だ不十分である。この時、定着均一性は、定着ニップ部Nの形状が略ストレート形状で、定着性は均一でOKとなる。
【0148】
ここで、表1の検討3で示すように、定着均一性は、加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくしていくと悪化し、加圧ローラ4の逆クラウン量が450μm以上で、定着ニップ部Nの形状が中細り形状となって、中央部の定着性が悪く、中央部NGとなる。
【0149】
また、表1の検討3で示すように、加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくしていくと、定着ニップ部Nでの記録材Pを搬送する搬送スピードが端部で速く、中央部で遅くなるため、シワ発生頻度が次第に低下していく。この原理は、上述した図9でしたものと同様であり、加圧ローラ4の逆クラウン量が大きいほど、定着ニップ部Nにおける記録材Pの搬送スピードは、端部の搬送スピードが速く、中央部での搬送スピードが遅くなり、記録材Pを両側に引っ張る力がより大きく発生し、記録材Pのシワ発生頻度が低下する。
【0150】
従って、表1の検討3で示すように、加圧ローラ4の逆クラウン量を定着ローラ2の正クラウン量と組み合わせ、定着ローラ2の正クラウン量を450μmに設定した場合には、加圧ローラ4の逆クラウン量が150μm〜300μmにおいて、シワ防止と定着性均一化を両立できる範囲を確保することができた。よって、シワが発生せず、定着性が均一で、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0151】
表1の検討1〜検討3より、定着ローラ2の正クラウン量を大きくすると、シワは低減するが、大きくし過ぎると、定着ニップ部Nの平面形状が中太り形状となって、端部の定着性が低下する。
【0152】
加圧ローラ4の逆クラウン量を大きくすると、シワは低減するが、大きくし過ぎると、定着ニップ部Nの平面形状が中細り形状となって、中央部の定着性が低下する。
【0153】
従って、定着ローラ2を正クラウン形状、加圧ローラ4を逆クラウン形状とすることで、シワと定着性均一化とを両立できる範囲が存在可能となる。ただし、シワと定着性均一化を両立させるためには、
定着ローラ2の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン量
とする必要がある、ということが判明した。
【0154】
また、定着ローラ2は、図6の(a)で示すように、定着ローラ2の形状を正テーパー形状としても、定着ローラ2の形状を正クラウン形状とした本実施形態における効果と同等である。実施形態2で用いた正テーパー形状の定着ローラ2を用い、表1における定着ローラ2の正クラウン量を、正テーパー量に置き換えて検討しても、表1のシワ発生頻度及び定着均一性は、ほぼ同等の結果であり、同様の効果を得ることができた。
【0155】
〈実施形態4〉
図10により本発明に係る実施形態4について説明する。
【0156】
実施形態1〜実施形態3は、定着ベルト1を、定着ローラ2と加熱ローラ3の2軸に張架させる2軸系に関して述べたが、図10で示すように、定着ニップ部Nの幅を増加させて、より記録材P及びトナー画像Tに付与する加熱量を大きくする目的で定着補助ローラ11を配置したような3軸系にも本発明を適用することができる。
【0157】
本実施形態においては、図10で示す3軸系において本発明を適用した構成に関して説明する。
【0158】
本実施形態は、図10で示すように、定着ベルト1を加圧ローラ4に巻き付けるように定着補助ローラ11を加圧ローラ4に所定の加圧力で加圧するように配置して、定着ニップ部Nの幅を増加し、記録材P及びトナー画像Tの加熱時間を増加することで、定着性を向上させる構成となっている。
【0159】
定着補助ローラ11は、アルミニウムや鉄等の金属ローラや、定着ローラ2と同様に、金属ローラに耐熱弾性層を被覆した複層構成でも良い。本実施形態においては、鉄の外径φ10mmの金属ローラの外周に、厚み2mmのシリコーンスポンジを被覆し、硬度50度(Asker−C)、シリコーンスポンジの熱伝導率0.08[W/(m・℃)]とした、外径φ14mmの定着補助ローラ11を使用した。
【0160】
また、図10の定着ニップ部Nにおいて、回転方向の圧力を均等にするために、定着ローラ2と定着補助ローラ11との間に、押圧部材12を配置する構成でも良い。
【0161】
定着補助ローラ11は、定着ローラ2の上流側と下流側のどちらに配置しても良い。本実施形態においては、記録材搬送方向の上流側に配置してある。
【0162】
本実施形態においても、定着ローラ2及び定着補助ローラ11がストレート形状の場合には、ローラのたわみ等によって、定着ニップ部Nの形状は中細り形状となる。ここで、実施形態1及び実施形態2と同様に、定着ローラ2の形状を正クラウン形状または正テーパー形状とするだけでも、定着ローラ2側の定着ニップ部Nの中細り形状が補正されて、長手方向の定着性均一化にある程度の効果は発揮できる。しかし、さらに、定着補助ローラ11も正クラウン形状または正テーパー形状とすることによって、定着補助ローラ側の定着ニップ部Nの中細り形状を補正することで、長手方向の定着性均一化、フルカラー画像においては、記録材P内で、色度、明度、彩度等のカラー画像特性や光沢度が均一な画像品質が非常に高く、鮮明な画像を得ることができた。
【0163】
定着補助ローラ11の正クラウン量または正テーパー量は、定着ローラ2と同様に、定着補助ローラ11の最大通紙幅両端部外径をGとH、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、
正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2
で計算される値である。
【0164】
また、本実施形態においても、実施形態3と同様に、定着ローラ2を正クラウン形状または正テーパー形状、加圧ローラ4を逆クラウン形状の組み合わせとするだけでも、定着性均一化とシワ防止の効果は発揮できる。しかし、さらに、定着補助ローラ11も正クラウン形状または正テーパー形状として組み合わせることによって、定着性均一化とシワ防止の効果がより向上して、より画像品質が高く、鮮明な画像を得ることができる。
【0165】
実施形態3の表1において、定着ローラ2の正クラウン量を、定着補助ローラ11の正クラウン量または正テーパー量に置き換えても、加圧ローラ4の逆クラウン量との組み合わせにおいて、シワ発生頻度、定着均一性は、ほぼ同様の結果を示すことが判明している。
【0166】
従って、シワと定着性均一化を両立させるためには、
定着補助ローラ11の正クラウン量>加圧ローラ4の逆クラウン量
とする必要がある。
【0167】
〈その他〉
1)以上、本発明の実施形態に関して説明したが、実施形態1〜実施形態4における諸数値は、実施形態の説明を簡略化するための一例であって、前記諸数値は、像加熱装置または画像形成装置の構成及び設定に応じて、任意に設定することができる。
【0168】
2)実施形態1〜実施形態4は、各々の実施形態を自在に組み合わせて実施しても良い。
【0169】
3)本発明は、実施形態1〜実施形態4で説明した定着装置に限定されるものではなく、他の形態のベルト定着装置にも適用することができる。
【0170】
4)可撓性の移動部材である定着ベルト1は、実施形態例の無端状の形態に限られず、ロール巻きにした長尺の有端部材にし、これを繰り出し軸側から巻取り軸側に走行移動させる装置構成にすることも出来る。
【0171】
5)可撓性の移動部材である定着ベルト1の加熱構成は、実施形態例の加熱ローラ3以外の、任意の内部加熱手段あるいは外部加熱手段によるものにすることが出来る。また、例えば、定着ベルト1に電磁誘導発熱性層を具備させて、この定着ベルト1に交番磁界を作用させることでベルト自体を誘導発熱させる装置構成にすることもできる。
【0172】
6)本発明の像加熱装置は、実施形態例の定着装置としての使用に限られず、未定着画像を記録材に仮に定着せしめる仮定着装置、あるいは定着画像を担持した記録材の表面性を改質する表面改質装置等としても有効であることは勿論である。
【0173】
また、像加熱装置の他にも、例えば紙幣等のシワ除去用の熱プレス装置、熱ラミネート装置、紙等の含水分を蒸発させる加熱乾燥装置など、シート状部材を加熱処理する加熱装置として用いても有効であることは勿論である。
【0174】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、加熱ベルト方式の加熱装置において、圧接ニップ長手方向に関して被加熱材の加熱均一化、像加熱装置にあっては記録材内の定着性の均一化、さらには光沢度やカラー画像特性の均一化の向上を図った装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略構成模型図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る定着装置の概略構成を示す模式的横断面図である。
【図3】図2の(3)−(3)線位置における模式的縦断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る定着ローラと定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る定着ニップ部の模式的断面図である。
【図6】本発明の実施形態2に係る定着ローラの形状と定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【図7】従来の加圧ローラの形状の模式図である。
【図8】本発明の実施形態3に係る加圧ローラの形状の模式図である。
【図9】本発明の実施形態3に係るシワ良化メカニズムの説明図である。
【図10】本発明の実施形態4に係る定着装置の概略構成を示す模式的断面図である。
【図11】従来の定着ローラの形状と定着ニップ部の平面形状の模式図である。
【符号の説明】
1−定着ベルト
2−定着ローラ
3−加熱ローラ
4−加圧ローラ
5−加熱ローラ内包ヒータ
6−加圧ローラ内包ヒータ
7、8−温度検知体(温度センサ)
11−定着補助ローラ
101−定着装置
A、B−定着ローラ端部外径
C−定着ローラ中央部外径
D、E−加圧ローラ端部外径
F−加圧ローラ中央部外径
G、H−定着補助ローラ端部外径
I−定着補助ローラ中央部外径
N−定着ニップ
P−記録材
T−トナー
Claims (21)
- 加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。 - 前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。 - 加熱手段で加熱されて移動する可撓性のベルトと、前記ベルトを支持する弾性バックアップローラと、前記ベルトを間に挟み前記弾性バックアップローラと圧接ニップ部を形成する加圧ローラを有し、前記圧接ニップ部の前記ベルトと前記加圧ローラとの間に被加熱材を導入して挟持搬送させて前記ベルトの熱で加熱する加熱装置において、
前記弾性バックアップローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
記
弾性バックアップローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。 - 前記弾性バックアップローラとともに前記ベルトを支持して前記加圧ローラとの間に前記ベルトを挟んで圧接ニップ部を形成する弾性補助ローラを有し、該弾性補助ローラの形状を、「ローラ端部外径<ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする請求項3に記載の加熱装置。
記
弾性補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。 - 前記被加熱材は画像を担持した記録材であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の加熱装置。
- 前記被加熱材は加熱定着すべき未定着画像を担持した記録材であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の加熱装置。
- 前記弾性バックアップローラ及び前記加圧ローラは、弾性体層を被覆してあり、「弾性バックアップローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の加熱装置。
- 前記弾性バックアップローラは表層に弾性体層を設け、弾性バックアップローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の加熱装置。
- 前記弾性バックアップローラの弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の加熱装置。
- 前記ベルトは弾性体層を有し、被加熱材としての記録材に担持のフルカラー画像を定着することを特徴とする請求項1から請求項9の何れかに記載の加熱装置。
- 前記ベルトの表層及び前記加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、被加熱材としての記録材に担持させる画像の構成材にオイル含有トナーを用いることで、前記ベルトまたは前記加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記載の加熱装置。
- 定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする加熱装置。
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、該ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、該ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。 - 無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とすることを特徴とする請求項12に記載の加熱装置。
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。 - 定着ローラと、加熱ローラと、この加熱ローラ及び定着ローラに張架された無端状定着ベルトと、この定着ベルトを介して定着ローラに対向加圧して設けられた加圧ローラとを有し、
加圧ローラと加熱ローラのうちいずれか一方若しくは両方の内部に設けられた定着ベルト加熱用ヒータを備え、
この加圧ローラと定着ベルトとの間に記録材を搬送して、記録材上に保持された画像を加熱する加熱装置において、
定着ローラの形状を、「定着ローラ端部外径<定着ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、加圧ローラの形状を「加圧ローラ端部外径>加圧ローラ中央部外径」とする、下記で定義される逆クラウン形状とするとともに、「定着ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする加熱装置。
記
定着ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着ローラの最大通紙幅両端部外径をAとBとし、定着ローラの最大通紙幅中央部外径をCとすると、「正クラウン量または正テーパー量=C−(A+B)/2」とする。
加圧ローラの逆クラウン量は、加圧ローラの最大通紙幅両端部外径をDとEとし、加圧ローラの最大通紙幅中央部外径をFとすると、「逆クラウン量=(D+E)/2−F」とする。 - 無端状定着ベルトは、定着ローラ、加熱ローラ、及び定着補助ローラに張架され、加圧ローラは定着ベルトを介して定着ローラ及び定着補助ローラに対向加圧して設けられ、
定着補助ローラの形状を、「定着補助ローラ端部外径<定着補助ローラ中央部外径」とする、下記で定義される正クラウン形状または正テーパー形状とし、「定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量>加圧ローラの逆クラウン量」とすることを特徴とする請求項14に記載の加熱装置。
記
定着補助ローラの正クラウン量または正テーパー量は、定着補助ローラの最大通紙幅両端部外径をGとHとし、定着補助ローラの最大通紙幅中央部外径をIとすると、「正クラウン量または正テーパー量=I−(G+H)/2」とする。 - 定着ローラ及び加圧ローラは弾性体層を被覆してあり、「定着ローラ硬度<加圧ローラ硬度」とすることを特徴とする請求項12から請求項15の何れかに記載の加熱装置。
- 定着ローラは表層に弾性体層を設け、定着ローラ硬度は10〜60度(アスカーC硬度計)とすることを特徴とする請求項12から請求項15の何れかに記載の加熱装置。
- 定着ローラの表層の弾性体層は熱伝導率0.16[W/(m・℃)]以下とするスポンジ状弾性層であることを特徴とする請求項16または請求項17に記載の加熱装置。
- 定着ベルトは弾性体層を有し、フルカラー画像を定着することを特徴とする請求項12から請求項18の何れかに記載の加熱装置。
- 定着ベルトの表層及び加圧ローラの表層にフッ素樹脂層を設け、オイル含有トナーを用いることで、定着ベルトまたは加圧ローラにオイル塗布機構を使用しないオイルレスを特徴とする請求項12から請求項19の何れかに記載の加熱装置。
- 記録材に未定着画像を形成担持させる作像手段と、記録材上の未定着画像を加熱定着させる定着手段を有する画像形成装置において、前記定着手段が請求項1から請求項20の何れかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装置。
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