JP4655822B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
ところが、従来の2ロール方式の定着装置を用いて高速化を図ろうとすると、短時間に連続して送られてくる多数枚の記録紙に対して充分な定着処理を行うことが困難であるという問題が生じる。すなわち、従来の2ロール方式の定着装置においては、定着ロールを構成する芯金や芯金に被覆されたシリコーンゴム等からなる弾性層等が熱的抵抗体として作用してしまうため、記録紙によって定着ロールの表面から奪われる熱量に対応した熱量を、定着ロールの内部に配置したヒータから即応的に、かつ充分に供給することが困難であるという構造上の問題が存在している。
そのため、連続通紙中に定着ロールの表面温度が漸次低下し、次第に定着性能が低下するという不都合が生じる場合がある。また、画像形成装置の立ち上がり時において、定着ロールの表面温度が一時的に落ち込む所謂「温度ドループ現象」が発生し易くなる。特に、記録紙として熱容量の大きい厚紙等が使用される場合においては、定着ロールの表面から奪われる熱量が大きくなるので、定着性能の低下や温度ドループが大きくなり、定着不良に基づく画像品質の劣化が発生し易い。
このようなベルト部材を用いた定着装置では、定着処理の間に記録紙から熱を奪われても、ベルト部材の熱容量が小さいことから、短時間でベルト部材を所定の定着可能温度まで回復させることが容易である。そのため、画像形成装置の高速化を図るに際しては、定着装置の構成として極めて有効なものの一つとなる。
また、他の目的は、画像形成装置の高速化を図った場合においても、高い定着性能を維持することができる定着装置を提供することにある。
また、剥離部材は、定着ロール側に面する側面が定着ロールの表面形状に倣った略円弧状に形成されたことを特徴とすることができる。さらに、剥離部材は、定着ロール側とは反対側に位置する側面が定着ベルトの進行方向を屈曲するように変化させる形状に形成されたことを特徴とすることもできる。
また、定着ベルトモジュールは、第2ニップ部においてベルト部材を加圧部材側に押圧する剥離部材をさらに備えたことを特徴とすることができる。特に、剥離部材は、ベルト部材を介して加圧部材を押圧する面の上流側端部が定着ロールと加圧部材とで画成されるくさび状領域内に配置されることを特徴とすることができる。
加えて、加圧部材は、表面に弾性層が形成されたロール部材で構成することができる。また、定着ロールは内部に加熱部材が配設され、張架ロールは内部に加熱部材が配設されたことを特徴とすることもできる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材(記録紙)である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴って搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は本実施の形態の定着装置60の概略構成を示す側断面図である。この定着装置60は、加熱部材の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架する張架ロール612、外側から定着ベルト610を張架する張架ロール613、定着ロール611と張架ロール612との間で定着ベルト610の姿勢を矯正する姿勢矯正ロール614、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接する領域であるニップ部N内の下流側領域であって、定着ロール611の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615により主要部が構成されている。
また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配設され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置の制御部40(図1参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
また、張架ロール612の両端部には定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配設され、定着ベルト610全体の張力を15kgfに設定している。その際に、定着ベルト610の張力を幅方向に亘って均一にするとともに、定着ベルト610の軸方向の変位をできる限り小さく抑えるため、張架ロール612は、外径が端部よりも中央部のほうを100μmだけ大きくした所謂クラウン形状で形成されている。
張架ロール613の内部には、加熱源としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配設されており、温度センサ617cと制御部40(図1参照)とによって表面温度が190℃に制御されている。したがって、張架ロール613は、定着ベルト610を張架する機能とともに、定着ベルト610を外表面から加熱する機能をも併せ持っている。したがって、本実施の形態では、定着ロール611と張架ロール612および張架ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
また、張架ロール615は、外径12mm、長さ360mmのアルミニウムで形成された円柱状ロールである。そして、剥離パッド64を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に回動するように、剥離パッド64の定着ベルト610進行方向下流側近傍に配置されている。
図3は、ニップ部Nの近傍領域を表す概略断面図である。図3に示したように、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接されたニップ部Nには、定着ベルト610が定着ロール611に巻き付けられた(ラップされた)領域(ラップ領域)内において、加圧ロール62が定着ベルト610の外周面に圧接するように配置されることにより、ロールニップ部(第1ニップ部)N1が形成されている。
このように、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1において定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611は殆ど変形せず、円筒形状が維持されている。そのため、定着ベルト610は定着ロール611表面の円周面に沿って回動し、その回動半径に変動が生じることがないので、進行速度を一定に維持しながらロールニップ部N1を通過することができる。それにより、定着ベルト610がロールニップ部N1を通過する際にも、定着ベルト610にはシワや歪みが極めて発生し難い。その結果、定着画像に画像乱れが生じることが抑制され、良質の定着画像を安定的に提供することができる。なお、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1は定着ベルト610の進行方向に沿って15mmの幅に設定されている。
図3に示したように、剥離パッドニップ部N2を形成する剥離パッド64は断面が略円弧形状に形成されている。それにより、剥離パッドニップN2を通過した定着ベルト610は、剥離パッドニップN2に倣って移動し、その進行方向は張架ロール615に向けて屈曲するように急激に変化する。そのため、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2を通過した用紙Pは、剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610から剥離され、用紙Pに対する曲率分離が安定的に行なわれる。なお、本実施の形態の定着装置60では、剥離パッドニップN2は定着ベルト610の進行方向に沿って2.5mmの幅に設定されている。
剥離パッド64は、上述したようにロールニップ部N1の下流側近傍に配設されている。それにより、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2からなるニップ部N内において、ニップ圧が落ち込む谷間の領域が発生することを抑制し、ロールニップ部N1内でニップ圧がピークとなる位置(後段の図4参照)から剥離パッドニップ部N2の最下流位置に至る領域で、ニップ圧が連続的に単調減少するように設定することが可能となる。
しかし、かかる定着ベルトモジュール61を用いた定着装置60においても、用紙Pの表面にはトナー像が担持されているため、定着ベルト610の熱によってトナー像が溶融した際に、用紙Pと定着ベルト610との間に付着力が働く。そのため、定着ベルト610表面から用紙Pを剥離する機構を設ける必要がある。特に画像形成装置の高速化を図る場合には、定着装置60において一旦剥離不良が生じて紙詰まり(ジャム)が生じると、その影響を受けて損傷する後続の記録紙の枚数も多くなることから、ニップ部Nを高速で通過した記録紙を定着ベルト610側から安定的に剥離する必要がある。
そこで、本実施の形態の定着ベルトモジュール61では、ニップ部Nの下流部に定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる部材、すなわち剥離パッド64を配設している。
ここで図4は、剥離パッド64をロールニップ部N1の下流側端部N1Eから所定の距離以上に離隔して配設した場合のニップ部N(ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2)のニップ圧分布の概略を示した図である。図4に示したように、この場合には、剥離パッドニップ部N2において、ロールニップ部N1との境界領域N2Sにニップ圧が落ち込んだ谷間の領域が形成されている。
しかし、剥離パッドニップ部N2内のロールニップ部N1との境界領域N2Sにおいてニップ圧が低い状態が形成されていると、ロールニップ部N1で抑え込まれていた気泡が境界領域N2Sにおいては抑えられずに発生することとなる。そして、気泡が発生した状態で、用紙Pが剥離パッド64の配設されたニップ圧の高い領域に進入すると、境界領域N2Sにおいて発生した気泡がその高いニップ圧によって用紙Pの表面上を動き回ることとなる。そうすると、用紙P上のトナー像は、ロールニップ部N1を通過した直後であって、溶融したトナーが未だ完全に固化されていない状態にあるため、気泡が動き回ることによってトナー像が乱される現象が生じる。その結果、定着画像にムラ等の画像不良が発生するという事態が招来することとなる。
このようにロールニップ部N1内でニップ圧がピークとなる位置から剥離パッドニップ部N2の最下流位置に至るまで、ニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により抑え込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気は、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路で徐々に開放されることとなり、上記したような気泡が動き回る現象の発生を抑制することが可能となる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像不良が発生するという問題を抑制することができる。
図3に示したように、剥離パッド64には、主として定着ロール611側に面する内側面64a、剥離パッドニップ部N2を通過した定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる外側面64b、定着ベルト610を加圧ロール62に押圧する押圧面64cが形成されている。
剥離パッド64の内側面64aは、剥離パッド64を定着ロール611側に極力近接させて配置するために、定着ロール611の周面に倣った湾曲面で形成している。すなわち、図3に示した境界領域N2Sを極力狭く設定するためには、剥離パッド64は、ロールニップ部N1の下流側近傍であって、定着ロール611と加圧ロール62とで画成されたくさび状領域Q(図3参照)において加圧ロール62表面を押圧するように配置する必要がある。そのため、内側面64aの上流側端部(押圧面64cの上流側端部)64pをロールニップ部N1の下流側端部N1Eの近傍、すなわち上記したくさび状領域Q内の定着ロール611に近接した位置に設置できるように、内側面64aは定着ロール611の周面に倣った湾曲面に形成している。なお、本実施の形態の剥離パッド64では、内側面64aは曲率半径33mmの略円周面で形成している。
また、境界領域N2Sを極力狭く設定するために、内側面64aの上流側端部(押圧面64cの上流側端部)64pを定着ロール611の表面に当接するように設置することも可能である。
また、上記したように、押圧面64cの上流側端部64pは、ロールニップ部N1と剥離パッド64が配設された領域との間の境界領域N2Sの幅を極力狭くするため、定着ロール611に近接した位置または定着ロール611と当接する位置に配置される。
なお、外側面64bと押圧面64cとは、定着ベルト610と摺擦するため、定着ベルト610の進行をスムーズに行なうため、その表面にテフロン(登録商標)を被覆した構成とすることも好ましい。
図6に示したように、剥離パッド64と定着ロール611との距離が1.0mm以上では、画像ディフェクトの発生が認められる。これは、剥離パッド64と定着ロール611との距離が1.0mm以上となると、上記したロールニップ部N1内において熱を受けた用紙Pやトナーから生じた水蒸気や熱膨張した空気が、ニップ圧が低い状態となった境界領域N2Sにおいて抑えきれずに発生し、剥離パッドニップ部N2において再度高いニップ圧で押圧された際に気泡が動き回ることにより、画像ディフェクトを引き起こしたものと考えられる。そのため、図6に示した結果から、剥離パッド64の定着ロール611からの距離は0.7mm以下に設定することが必要である。なお、本実施の形態の剥離パッド64では、定着ロール611から0.5mmだけ離隔した位置に設定している。
図7に示したように、剥離パッド64の押圧力が平均5N/cm2以下では、画像ディフェクトの発生が認められる。これは、剥離パッド64の押圧力が平均5N/cm2以下となると、水蒸気や熱膨張した空気が、ニップ圧の低い状態となった境界領域N2Sを含めた剥離パッドニップ部N2において抑えられずに動き回るため、画像ディフェクトを引き起こしたものと考えられる。そのため、図7に示した結果から、剥離パッド64の押圧面64cから作用される押圧力は、平均7N/cm2以上に設定する必要がある。なお、本実施の形態の剥離パッド64では、押圧面64cの幅は2mmに形成され、定着ベルト610を介して加圧ロール62を10kgfで押圧している。
このようにニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により抑え込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気を、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路で徐々に開放することが可能となり、水蒸気や熱膨張した空気が気泡となってニップ内で動き回る現象の発生を抑制することができる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
画像形成装置の二次転写部20(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト55および定着入口ガイド56により、定着装置60のニップ部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送されてくる。そして、ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
その結果、本実施の形態の定着装置60においては、連続通紙時においても定着温度を略一定に維持することが可能となる。また、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生を抑制することが可能となる。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生を抑制することができる。さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ616a、さらにはハロゲンヒータ616b、ハロゲンヒータ616cの出力調整により、所望の温度への切り替えを容易、かつ速やかに行うことも可能となる。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙Pは、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙Pは定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
このようにして、用紙Pは剥離パッドニップ部N2を出た時点で定着ベルト610から剥離され、安定的に曲率分離される。
そして、定着ベルト610から分離された用紙Pは、排紙ガイド65および排紙ロール66によって機外に排出されて、定着処理が完了する。
このようにニップ圧を連続的に単調減少するように設定することにより、ロールニップ部N1において高いニップ圧により押さえ込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気を、剥離パッドニップ部N2を通過するまでの経路において徐々に開放することが可能となり、水蒸気や熱膨張した空気が気泡となってニップ内で動き回る現象の発生を抑制することができる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像が乱されることが殆ど無くなり、定着画像に画像ムラ等の画像ディフェクトの発生を抑制することが可能となる。
実施の形態1では、画像形成装置に搭載される定着装置60において、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置される加圧部材として、加圧ロール62を用いた構成について説明した。実施の形態2では、加圧部材として複数のロールにより加圧ベルト700が張架された加圧ベルトモジュール70を用いた構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態に係る定着装置90では、加圧ベルト700の内側に圧力パッド704が加圧ベルト700を介して定着ロール611側に向けて付勢された状態で配置され、加圧ベルト700を定着ロール611のラップ領域に押圧している。また、ベルトニップ部N3の最下流部では、加圧ロール701が、加圧手段としての圧縮コイルスプリング(不図示)によって、加圧ベルト700および定着ベルト610を介して定着ロール611の中心軸に向けて付勢されており、定着ロール611および定着ベルト610の当接部に局所的な高圧を生じさせている。
そのため、ベルトニップ部N3を幅広く形成することができるので、用紙P上のトナー像に対するさらなる安定した定着性能を実現することが可能となる。また、加圧ロール701による局所的な高圧によって溶融したトナー像に効率的に圧力を加えるので、高い定着性を保持するとともに、トナー像表面を平滑にしてカラー画像に良好な画像光沢を付与することができる。
なお、加圧ロール701、インレットロール702および張架ロール703のいずれかのロールには、加圧ベルト700のベルトエッジ位置を検知するベルトエッジ位置検知機構と、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて加圧ベルト700の軸方向における当接位置を変位させる軸変位機構とを配設し、加圧ベルト700の蛇行(ベルトウォーク)を制御するように構成することも可能である。
圧力パッド704の弾性体部材としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性の高い弾性体や、板バネ等を用いることができる。弾性体部材上に形成された低摩擦層は、加圧ベルト700内周面と圧力パッド704との摺動抵抗を小さくするために設けられ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のある材質であることが望ましい。具体的には、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、フッ素樹脂シート、フッ素樹脂塗膜等を用いることができる。
Claims (20)
- 記録材に担持されたトナー像を定着する定着装置であって、
回動可能な定着ロールと、
前記定着ロールに張架される定着ベルトと、
前記定着ベルトを張架する張架ロールと、
前記定着ロールに押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記定着ベルトの外表面を前記加圧部材に押圧するように配置された剥離部材とを備え、
前記定着ベルトを介して前記加圧部材と前記剥離部材とにより形成されたニップ部のニップ圧が当該定着ベルトの進行方向に向けて単調減少するように設定されたことを特徴とする定着装置。 - 前記剥離部材は、断面が略円弧状に形成されたブロック部材で構成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記定着ベルトの進行方向に沿って所定の幅を持った押圧面を備え、当該押圧面により前記加圧部材を押圧することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材の前記押圧面は、前記加圧部材を平均7N/cm2以上の圧力で押圧することを特徴とする請求項3記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記押圧面の前記定着ベルトの移動方向上流側端部が前記定着ロールと0.7mm以下の距離に位置するように配置されたことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記押圧面の前記定着ベルトの移動方向上流側端部が前記定着ロールと当接するように配置されたことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
- 前記剥離部材の前記押圧面は、平面または前記加圧部材の表面形状に倣った曲面で形成されたことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記定着ロール側に面する側面が当該定着ロールの表面形状に倣った略円弧状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記定着ロール側とは反対側に位置する側面が前記定着ベルトの進行方向を屈曲するように変化させる形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 定着ロールと張架ロールとによってベルト部材が張架された定着ベルトモジュールと、
前記ベルト部材を介して前記定着ロールを押圧するように配置された加圧部材とを備え、
前記定着ベルトモジュールと前記加圧部材とは、前記ベルト部材が前記定着ロール上にラップされる領域に形成される第1ニップ部と、当該ベルト部材が前記加圧部材上にラップされる領域に形成され、当該ベルト部材の進行方向に向けてニップ圧が単調減少するように設定された第2ニップ部とにて当接することを特徴とする定着装置。 - 前記第2ニップ部は、前記第1ニップ部の下流側近傍にて前記ベルト部材の進行方向に連続して形成されたことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記第1ニップ部と前記第2ニップ部とは、湾曲方向が互いに相反する方向であることを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記加圧部材は、前記第1ニップ部での凹み量が当該第1ニップ部での前記定着ロールの凹み量よりも大きいことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記定着ベルトモジュールは、前記第2ニップ部において前記ベルト部材を前記加圧部材側に押圧する剥離部材をさらに備えたことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記剥離部材は、前記ベルト部材を介して前記加圧部材を押圧する面の上流側端部が前記定着ロールと前記加圧部材とで画成されるくさび状領域内に配置されることを特徴とする請求項14記載の定着装置。
- 前記加圧部材は、表面に弾性層が形成されたロール部材であることを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- 前記定着ロールは内部に加熱部材が配設され、前記張架ロールは内部に加熱部材が配設されたことを特徴とする請求項10記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを含み、
前記定着手段は、
回動可能な定着ロールと、
前記定着ロールに張架される定着ベルトと、
前記定着ベルトを張架する張架ロールと、
前記定着ロールに押圧するように配置された加圧部材と、
前記定着ロールと前記加圧部材との圧接部の下流側近傍にて、前記定着ベルトの外表面を前記加圧部材に押圧するように配置された剥離部材とを有し、
前記定着ベルトを介して前記加圧部材と前記剥離部材とにより形成されたニップ部のニップ圧が当該定着ベルトの進行方向に向けて単調減少するように設定されたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段の前記加圧部材は、ロール部材で形成されたことを特徴とする請求項18記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記加圧部材は、複数の張架ロールによってベルト部材が張架された加圧ベルトモジュールで形成されたことを特徴とする請求項18記載の画像形成装置。
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