JP2003005566A - ベルト定着装置 - Google Patents
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Abstract
上を図り、オイル塗布や分離爪、分離ガイド板等の分離
手段を用いることなく、片面または及び両面定着後の記
録紙の自己分離、即ちセルフストリッピングを可能にす
るベルト定着装置を提供する。 【解決手段】 定着ローラ104と、加熱ローラ106
と、両ローラに張架された定着ベルト103と、該ベル
ト103の外周面に接触して定着ベルト103との間で
ニップを形成する加圧ローラ105を備えたベルト定着
装置において、定着ベルト103を介して定着ローラ1
04と加圧ローラ106によって形成されるニップの出
口分離部に対応した位置であって定着ベルト103の内
側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部
材108を備えた。
Description
ンタ、デジタル複写機、普通紙ファックス等の画像形成
装置、その他、シート材を搬送し且つ熱を供給する装置
に応用するのに好適なベルト定着装置に関するものであ
る。
2000−338811号公報が知られている。該公報
には、加圧ローラの弾性体の硬度が加熱ローラの弾性体
の硬度よりもJIS−A硬度計で20〜30度大きくな
るように設定する技術が開示されており、これによりニ
ップ形状が凸となるため、転写材の加熱ローラからの剥
離角度を大きくすることができ、分離性能が良くなるも
のである。
られている。該公報に開示されている技術は、記録媒体
を分離させる定着分離爪を定着ローラ表面と非接触で配
置するものである。
知られている。該公報には、加圧ベルトを介して定着ロ
ーラと圧接してニップを形成して定着を行なう加圧部材
の開示がある。該公報に開示された技術は、加圧部材
(加圧部材は固定)の一部がニップ出口分離部におい
て、ベルトを介して定着ローラに食い込んで歪を形成
し、該歪によるベルトと定着ローラとの間での微小スリ
ップ効果によって分離性の向上を狙うもので、ベルトは
加圧用固定部材にフリーにセットされ。ベルト張力手段
がない、所謂フリーベルトニップ方式と称されるもので
ある。
にも総じて問題が残されている。特開2000−338
811号公報では、カラー画像形成装置における各色の
トナーが重なったトナー付着量が多い条件にあっては、
ニップ形状の効果で確実に分離するのは難しく、特にオ
イルレスや高線速の厳しい条件では分離爪などの加熱ロ
ーラに当接する分離手段無しで転写材を分離するのは困
難である。
は、定着ローラと加圧ローラが同構成のため、ニップ形
状はフラットで定着ローラに対する剥離角度が小さいの
で、分離爪と定着ローラの間隔を精度良く調整する必要
がある。つまり、間隔の調整機構などが必要になるため
分離爪の部品点数が増えてコストアップになる。又、斯
かる方法においても、前述同様オイル塗布することなく
各紙種に対応する分離性能を確保することは難しい。
開示された技術においても、分離性能が充分に得られな
いところから、分離性を補助するための分離手段を設け
ているため、コストアップ要因になるという問題があ
る。
持つ不具合を解消し、分離部の曲率半径を小さくして分
離性能の向上を図り、オイル塗布や分離爪、分離ガイド
板等の分離手段を用いることなく、片面または及び両面
定着後の記録紙の自己分離、即ちセルフストリッピング
を可能にするベルト定着装置を提供することを目的とす
る。
どの耐久性を著しく低下させることなく、記録材を確実
に分離させることを目的とする。
定着部材とトナー間の離型性が向上しかつ、オイルレス
トナーを用い、オイル塗布手段を特別設ける必要のない
オイルレスベルト定着装置を提供することを目的とす
る。
に請求項1記載の発明は、定着ローラと、加熱ローラ
と、両ローラに張架されたベルトと、該ベルトの外周面
に接触してベルトとの間でニップを形成する加圧ローラ
を備えたベルト定着装置において、ベルトを介して定着
ローラと加圧ローラによって形成されるニップの出口分
離部に対応した位置であってベルトの内側に、出口分離
部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えたベル
ト定着装置を最も主要な特徴とする。
圧ローラによってニップ形成された分離工程を有する請
求項1に記載のベルト定着装置を主要な特徴とする。
圧ローラに近接して設けられた分離工程を有する請求項
1に記載のベルト定着装置を主要な特徴とする。
方向に直角な方向の断面形状が円弧と略直線で形成さ
れ、円弧部がベルトを介して加圧ローラに圧接してニッ
プを形成し、該略直線によって形成された略平面部がニ
ップ出口分離部直後のベルトに接してこれを案内するよ
うに、円弧部と略平面部が配置されている請求項1に記
載のベルト定着装置を主要な特徴とする。
平面部にあってニップ出口分離部側端部を、曲率を有す
る形状とした請求項4に記載のベルト定着装置を主要な
特徴とする。
面硬度を加圧ローラの表面硬度より大きくして、ベルト
を介して固定部材と加圧ローラによって形成されたニッ
プが加圧ローラから記録紙が遠ざかる方向に形成される
ようにした請求項1に記載のベルト定着装置を主要な特
徴とする。
段を有する加熱ローラが固定部材に対して、略垂直方向
に配置されている請求項1ないし6のいずれか1項に記
載のベルト定着装置を主要な特徴とする。
トナーを用いた請求項1ないし6のいずれか1項に記載
のベルト定着装置を主要な特徴とする。
基づき説明する。説明に先立ち、本発明の理解を深める
意味で、図1に基づき本発明が適用されるカラープリン
タ等の画像形成装置の概略構成及び動作について説明す
る。このカラープリンタ1は、感光体ユニット10、書
き込み光学ユニット20、現像ユニット30、中間転写
ユニット40、2次転写ユニット50、定着ユニット6
0、両面印刷用紙反転ユニット70等で構成されてい
る。そして、Black:黒(以下、Bkという)、C
yan:シアン(以下、Cという)、Magenta:
マゼンタ(以下、Mという)、Yellow:イエロー
(以下、Yという)のカラー画像を感光体ユニット10
の感光体ベルト11上に順次顕像化し、これらを重ね合
わせて最終的な4色フルカラー画像を形成する。
に回転し、その周りには、感光体クリーニング装置1
2、帯電ローラ13、現像ユニット30の選択された現
像器、中間転写ユニット40の中間転写ベルト41など
が配置されている。感光体ベルト11は、駆動ローラ1
4、1次転写対向ローラ15、張架ローラ16間に張架
され矢印A方向に図示しない駆動モーターによって回転
移動を行う。なお、つなぎ目のある感光体ベルト11を
用いる場合には、感光体ベルト11端部の非画像形成領
域につなぎ目マークを設け、図示しないセンサにより検
出を行い、つなぎ目を避けて画像形成を行う。
カラー画像データを光信号に変換して、各色画像に対応
した光書き込みを行い、感光体ベルト11に静電潜像を
形成する。この書き込み光学ユニット20は、光源とし
ての半導体レーザ21、レーザー発光駆動制御部(不図
示)、ポリゴンミラー22、3つの反射ミラー23a、
b、cなどで構成されている。
器31K、C現像器31C、M現像器31M、Y現像器
31Yと、各現像器を図中左右方向に移動させ感光体ベ
ルト11に対し接離動作を行う図示しない接離機構など
で構成されている。図示の例では装置本体下側から順に
黒トナーを収容したBk、現像器31K、シアントナー
を収容したC現像器31C、マゼンタトナーを収容した
M現像器31M、イエロートナーを収容したY現像器3
1Yになっている。各現像器31K、C、M、Yは、感
光体ベルト11表面の静電潜像を現像するためにトナー
を表面に担持して回転する現像スリーブ32K、C、
M、Yと、トナーを汲み上げて撹拌するために回転する
トナーパドル33K、C、M、Y等を含む現像第1ユニ
ット35K、C、M、Yと、トナーを収容するトナーカ
ートリッジ34K、C、M、Yの現像第2ユニットの2
つのユニットで構成されている。
所定の極性に帯電され、また、各現像スリーブ32K、
C、M、Yには図示しない現像バイアス電源によって現
像バイアスが印加され、現像スリーブ32K、C、M、
Yが感光体ベルト11に対して所定電位にバイアスされ
ている。また、上記接離機構は、図示しないモータから
各現像器31K、C、M、Yに駆動を伝達するための図
示しない電磁クラッチがオンになるとその駆動力で各現
像器31K、C、M、Yを感光体ベルト11側(図中右
側)に移動させるようになっている。現像時には各現像
器31K、C、M、Yのうち選択されたいずれか一つが
移動し、感光体ベルト11に当接する。一方、電磁クラ
ッチをオフにして駆動伝達を解除すると感光体ベルト1
1に当接していた現像器が感光体ベルト11から離間す
る方向(図中左側)に移動する。
ユニット30はいずれの現像器31K、C、M、Yも感
光体ベルト11と離間した位置にセットされており、プ
リント動作が開始されると、カラー画像データに基づき
レーザー光による光書き込み、静電潜像形成が始まる
(以下、Bk画像データによる静電潜像をBk静電潜像
という。C、M、Yについても同様)。このBk静電潜
像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に静電潜
像先端部が到達する前に、Bk現像スリーブ32Kを回
転開始して、Bk静電潜像をBkトナーで現像する。そ
して、以後Bk静電潜像領域の現像動作を続けるが、B
k静電潜像後端部がBk現像位置を通過した時点で、B
k現像器31kが感光体ベルト11から離間し、速やか
に次の色の現像器が感光体ベルト11に当接する。これ
は少なくとも、次の画像データによる静電潜像先端部が
現像位置に到達する前に完了させる。
転写ベルト41、ベルトクリーニング装置42、位置検
出用センサ43などで構成されている。中間転写ベルト
41は駆動ローラ44、1次転写ローラ45、2次転写
対向ローラ46、クリーニング対向ローラ47及びテン
ションローラ48に張架されており、図示しない駆動モ
ータにより矢印B方向に駆動制御される。中間転写ベル
ト41端部の非画像形成領域には複数の位置検出用マー
ク(不図示)が設けられており、これらの位置検出用マ
ークのうちのいずれか一つ(画像形成動作開始時に位置
検出用センサ43を最初に通過した位置検出用マーク)
を位置出用センサ43で検出し、この検出タイミングで
画像形成を開始する。また、ベルトクリーニング装置4
2は、クリーニングブラシ42a、接離機構(不図示)
等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベル
ト41に転写している間、及び、2、3、4色目の画像
を中間転写ベルト41に転写している間は接離機構によ
って中間転写ベルト41面からクリーニングブラシ42
aを離間させておく。
80内には、転写紙が収納されており、給紙コロ81
a、b、cによってレジストローラ対82方向に給紙、
搬送される。また、カラープリンタ1の右側面には、O
HP用紙や厚紙などの手差し給紙用の手差しトレイ83
が設けられている。
転写ローラ51、2次転写ローラ51を中間転写ベルト
41に対して接離するためのクラッチ等を備えた揺動機
構(不図示)などで構成されている。転写紙が転写位置
に到達するタイミングに合わせて2次転写ローラ51が
揺動機構の回転軸を中心に揺動する。この2次転写ロー
ラ51と上記2次転写対向ローラ46とにより転写紙と
中間転写ベルト41とを一定の圧力で接触させる。2次
転写ローラ51は中間転写ユニット40に設けられた図
示しない位置決め部材により2次転写対向ローラ46と
の平行度の位置精度が保たれている。また、2次転写ロ
ーラ51に設けた図示しない位置決めコロにより中間転
写ベルト41に対する2次転写ローラ51の接触圧を一
定にしている。2次転写ローラ51を中間転写ベルト4
1に接触させると同時に、2次転写ローラ51はトナー
と逆極性の転写バイアスが印加され、中間転写ベルト4
1上の重ねトナー像を転写紙に一括転写する。
着できるようになっている。例えば、 図1において、中
間転写ユニット40をはずす場合には、図示しない前面
カバーを開け、紙面の奥側から手前側にユニットをスラ
イドさせることで、容易にはずすことができる。
像形成サイクルが開始されると、まず感光体ベルト11
は矢印Aの時計回りに、中間転写ベルト41は矢印Bの
反時計回りに図示しない駆動モータによって回転され
る。中間転写ベルト41上に設けられた図示しない位置
検出用マークを位置検出用センサ43で検出し、位置検
出用マークの検知タイミングに応じて感光体ベルト11
上にBkトナー像形成、Cトナー像形成、Mトナー像形
成、Yトナー像形成が行われ、最終的にBk、C、M、
Yの順に中間転写ベルト41上に重ねてトナー像が形成
される。このとき1次転写ローラ45に印加するバイア
スは順次電圧を高くすることが一般的であるが、中間転
写ベルト41の抵抗特性等に応じて異なる。
れる。図示しない電源の印加電圧により帯電ローラ13
は感光体ベルト11を一様帯電する。そして、書込みの
ためのレーザ光LDはBkカラー画像信号に基づいて露
光を行う。この露光が行われたとき、当初一様荷電され
た感光体ベルト11の露光された部分は、露光光量に比
例する電荷が消失し、Bk静電潜像が形成される。そし
て、このBk静電潜像にBk現像スリーブ32K上のB
kトナーが接触することにより、感光体ベルト11の電
荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無い
部分つまり露光された部分にはBkトナーが吸着され、
静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。そして、
感光体ベルト11上に形成されたBkトナー像は、1次
転写位置において中間転写ベルト41に接する。この1
次転写位置では、1次転写ローラ45と1次転写対向ロ
ーラ15とにより中間転写ベルト41と感光体ベルト1
1との間にニップが形成されており、1次転写ローラ4
5にBkトナー像と逆極性のバイアスを印加することに
よりBkトナー像を中間転写ベルト41に転写する。
ナーは、感光体ベルト11の再使用に備えて感光体クリ
ーニング装置12で清掃される。ここで回収されたトナ
ーは回収パイプを経由して図示しない廃トナータンクに
蓄えられる。
の次にC画像形成工程に進み、上記位置検出用センサ4
3の検知タイミングに応じてC画像データによるレーザ
ー光LDによる書き込みが行われ、C静電潜像が形成さ
れる。そして、先のBk静電潜像の後端部が通過した後
で、かつC静電潜像の先端部が到達する前にBk現像器
が現像位置から退避し、C現像器Cが現像位置にセット
されてC静電潜像がCトナーで現像される。以後、C静
電潜像領域の現像を続けるが、C静電潜像の後端部が通
過した時点で、先のBk現像器Bの場合と同様にC現像
器Cが現像位置から退避し、次のM現像器Mを現像位置
に移動させる。これもやはり次のM静電潜像の先端部が
現像位置に到達する前に完了させる。なお、M及びYの
画像形成工程については、それぞれの静電潜像形成、現
像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるので説明
は省略する。
ト11に順次形成するBk、C、M、Yのトナー像を、
同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像が形
成され、次の2次転写工程において、この4色のトナー
像が転写紙に一括転写される。
写紙は上記転写紙カセット80又は手差しトレイ83の
いずれかから給送され、レジストローラ82対のニップ
で待機している。そして、2次転写ローラ51に中間転
写ベルト41上の4色重ねのトナー像先端がさしかかる
ときに、ちょうど転写紙の先端がこのトナー像の先端に
一致するようにレジストローラ対82が駆動され、転写
紙とトナー像との位置合わせが行われる。そして、転写
紙が中間転写ベルト41上のトナー像と重ねられて2次
転写位置を通過する。このとき2次転写ローラ51によ
る転写バイアスで転写紙が荷電され、トナー画像のほと
んどが転写紙上に転写される。
トナー像を一括転写された転写紙は、後述する本願発明
の要旨に係る定着ユニット60に搬送され、所定温度に
制御された定着ベルト61と加圧ローラ62のニップ部
でトナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出され
(矢印C方向)、排紙トレイ84に裏向きにスタックさ
れ、フルカラーコピーを得る。
ット60を通過した転写紙は両面切替爪85により矢印
D方向に案内され、両面印刷用紙反転ユニット70に送
られる。転写紙後端が反転切替爪71を通過した後、反
転ローラ対72が停止し、転写紙も停止する。そして、
反転ローラ対72が一定のブランク時間ののち逆転を開
始し、転写紙はスイッチバックを始める。このとき上記
反転切替爪71が切り替わり、転写紙は矢印E方向に案
内され、レジストローラ対82に送られる。レジストロ
ーラ対82に送られた転写紙は表裏反転した状態でレジ
ストローラ対82のニップで待機する。そして、所定の
タイミングでレジストローラ対82が駆動され、転写紙
は2次転写位置に送られて中間転写ベルト41から4色
重ねトナー像を一括転写された後、定着ユニット60で
トナー像が溶融定着され、装置本体外に送り出される。
面は、感光体クリーニング装置12でクリーニングさ
れ、除電ランプ(不図示)で均一に除電される。また、
転写紙にトナー像を転写した後の中間転写ベルト41の
表面は、ベルトクリーニング装置42のクリーニングブ
ラシ42aを接離機構で押圧することによってクリーニ
ングされる。中間転写ベルト41からクリーングされた
トナーは廃トナータンク49に蓄えられる。ー像を一括
転写された後、定着ユニット60でトナー像が溶融定着
され、装置本体外に送り出される。
ある。ベルト定着装置60は被加熱材である未定着画像
101を担持した記録紙102を無端状定着ベルト10
3を介して定着ローラ104と加圧ローラ105とのニ
ップ部で加熱加圧して未定着画像101を記録紙102
に加熱定着する装置である。
耐熱性樹脂(ポリイミド等)、炭素鋼、或いはステンレ
ス鋼等により形成された薄肉の無端状ベルトであること
が望ましい。また表層には耐熱離型層(フッ素系樹脂、
シリコンゴム等)が被覆された構成になっている。シリ
コンゴム層はゴム硬度25〜65度(JISA硬度
計)、厚さが100〜300umの範囲が良好な定着姓
及び熱応答性を得る条件として望ましい。また、中間層
として耐熱弾性層を設ける構成であってもよい。
ト継ぎ目のないもの、または、ステンレス鋼、鉄系材料
の超薄肉厚板(厚さ100um以下)の精密突き合わせ
技術(例えば溶接)による加工法によって製作した継ぎ
目のあるものを意味する。この場合、突き合わせによる
段差は定着した後の画像が横すじとなって発生しない程
度として20um以下好ましくは10um以下が望まし
い。
し、その外周にニップ巾を十分な広さにするために柔ら
かい耐熱性の材料、例えば発泡シリコンゴム等で構成さ
れた断熱性弾性部材を備えている。また、その厚さも十
分な厚さで、本例では定着ローラ104の直径の15%
〜20% ほどの厚さを有している。
ンレス、若しくは炭素鋼等の芯金の表層に耐熱性の離型
層(フッ素系樹脂、シリコンゴム等)を有している。ま
た、中間層として厚さ0. 5〜1. 0mmのシリコーン
ゴム層を形成している。ここで、芯金を中空に構成し、
中に熱源(ハロゲンヒータ等)を有している場合もあ
る。
からの分離性を良くするために下向きのニップ形状とし
ている。すなわち、加圧ローラ105の硬度を硬くして
いる。本例では加圧ローラ105表層の離型層厚さを、
加圧ローラ105直径の7%未満とし、その硬度もJI
SAで20Hs以上としている。
熱ローラ106との間に掛け渡された構成となってい
る。ここで、加熱ローラ106はアルミ、炭素鋼やステ
ンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラである。さらに
は加熱ローラ106の中に熱源(ハロゲンヒータ等)1
07を具備している。
は、立ち上がり時間が短いことと、トナーのベルトオフ
セット防止効果があって、オイルレスまたはオイル微量
塗布が可能なことである。
部の拡大図である。定着ベルト103が薄く曲げ剛性が
低いという条件下では、定着ベルト103はニップ出口
の定着ローラ104の形状に倣い、図3(a)のように
ニップ出口の曲率半径rは小さい。この場合にはオイル
の塗布がなくても記録紙102の腰により定着ベルト1
03への記録紙102の巻き付きやオフセットなどの問
題なしに、記録紙102を分離することが可能である。
ト103のように厚さが大きく、曲げ剛性が高い場合
(基材のポリイミドが50〜100μmの厚さ、中間層
としてのシリコーンゴムは150〜200μmの厚さ、
表層のフッソ樹脂離型層の厚さが10〜30μm)ニッ
プ出口の定着ローラ104の形状に倣わず、図3(b)
のようにニップ出口の曲率半径rは大きくなる。この場
合は、記録紙102が曲げられずに分離されるため、記
録紙102の腰が十分活用されず、定着ベルト103へ
の巻き付きが発生しやすくなってしまう。
説明する。一般に、ニップ出口分離部において用紙(記
録紙)の剛性(用紙の腰の強さは例えばクラーク剛度で
表される)による曲げモーメント(=1/r×E×I
z)がトナーとローラ表面の接着力によるモーメントよ
りも大きい関係にあるときは用紙がローラに巻き付かず
分離が可能となる。 r;ニップ出口部の曲率半径 E×Iz;用紙の曲げ強さ(腰の強さ)
きいほど、用紙の腰(E・Iz)が強い程、また一方で
トナーとローラ表面の接着力が弱い程、用紙の巻き付き
は起こり難い。
る。図4は、本発明の第1の実施形態のベルト定着装置
の概略断面図で、請求項1に対応するものである。被加
熱材である未定着画像101を担持した記録紙102
は、定着ベルト103を介して定着ローラ104と加圧
ローラ105とのニップ部で加熱加圧され、未定着画像
101を記録紙102に加熱定着する定着工程を経た
後、定着ムラを防止すべく定着ベルト103と加圧ロー
ラ105が密着して接触している状態で記録紙102の
密着搬送を行なう搬送工程を通って、ニップ出口分離部
に到る。
側に固定部材108を有している。この固定部材108
は、定着ベルト103を介してニップ出口分離部に対向
する面が曲率(1/r)の大きな形状を有していて、装
置本体に固定部材用スプリング109を介して固定(回
転しない)されている。固定部材用スプリング109は
加圧ローラ105に圧接してニップを形成している方向
と、ニップ域で定着ベルト103が密着する方向、即ち
出口方向に向かって設けられている。圧接力は分離性を
良くして記録紙102の巻き付きを防止するには少なく
とも5〜10kgは必要である。
=5mm以下とする。ここで、固定部材108の代わり
に回転ローラを用いて行なう場合はローラ径は10φと
する。しかし、前記圧接力(5〜10kg)に対しては
ローラ軸方向の変形が必要以上に大きくなって用紙搬送
シワ、画像幅方向の定着ムラの原因になる。
置のニップ出口部分の第1の例を示す拡大図であり、請
求項2に対応するものである。該固定部材108は断面
形状が円弧と略直線で形成され、円弧部108−1が定
着ベルト103を介して加圧ローラ105に圧接してニ
ップを形成している。一方、略平面部108−2が分離
直後の定着ベルト103に接してこれを案内するように
なっている。
搬送方向に対して、定着ベルト103側には分離角度
(θ1)を形成し、加圧ローラ側は分離角度(θ2)を
形成している。そのため、分離手段(分離爪、分離ガイ
ド板等)は特には必要がない。前記、分離角度θ1及び
θ2は片面及び両面定着時の記録紙102の巻き付き防
止(セルフ分離)可能な角度である。
定着装置のニップ出口部の第2の例を示す拡大図であ
り、請求項3に対応している。前記請求項2の固定部材
108の略平面部108−2の両端エッジ部を曲率半径
(r)に丸み付ける。rは0.3〜1mmの範囲が好ま
しい。かかる形状の固定部材を用いることで、前記請求
項2記載の内容に比べて更に曲率分離の効果が増す。
他の変形例を示す図である。図7の固定部材108はア
ルミ.等の軽量金属材料かまたは金属よりも断熱性のあ
る耐熱樹脂部材である。また、図8の固定部材108は
板金をまげて曲率を形成している。これらの固定部材1
08はその表面を低摩擦特性を有する(例えばフッソ樹
脂)材料で被覆することによって、固定部材108に対
して摺擦して移動する定着ベルト103の回転動作を滑
らかにする。
8のニップ形状は請求項4に対応するものである。本発
明のベルト定着装置60においては、片面定着時の記録
紙102の分離性は前記請求項2ないし3にあるように
曲率分離の効果を有し、一方、両面定着時においては加
圧ローラ105に記録紙102が巻き付かないように出
口分離部のニップ形状を凹形状にして分離の効果を奏し
ている。
すものである。固定部材108が加圧ローラ105に近
接して設けらている。圧接状態にあるニップ入り口を通
過した記録紙102が熱定着によって変形歪を起こす。
かかる状態では、同様に圧接状態にあるニップ出口で記
録紙はシワになってしまう。本発明ではシワを誘発させ
ないようにニップ出口を開放させている。
すものである。ベルト張力手段110を有する加熱ロー
ラ106は固定部材108に対して、略垂直方向に配置
してある。本実施形態のベルト定着装置60の駆動は、
加圧ローラ駆動または加圧ローラ及び定着ローラ同時駆
動で、定着ベルト103がスリップすることなく確実に
回転移動するようになっている。加熱ローラ106は従
動ローラである。かかる駆動構成ではニップ出口から加
熱ローラ106へ移動する定着ベルト103はその間に
緩んで弛みが生じる。そうすると、固定部材108への
ベルト巻回性が甘くなり、ニップ出口分離部にて定着ベ
ルト108の径が膨らんで曲率が小さくなり分離性が低
下してしまう。その防止策として、加熱ローラ106に
ベルト張力手段110を付与して定着ベルト103の緩
みを防止している。
に対して、記録紙102の搬送方向上流側にあると定着
ベルト103に張力を付与しても、定着ベルト103が
十分に固定部材108に密着して巻き付きにくい。また
逆に記録紙102の下流側に加熱ローラ106があると
記録紙102の分離角度(θ1)が小さくなって、分離
性が低下してしまう。ベルト張力手段110を有する加
熱ローラ106は固定部材108に対して略垂直方向が
最適である。
本発明に係る装置を用いて、記録紙102の巻き付現象
を図2に示す従来の装置と対比して実験を試みた。結
果、下記に示すような十分な効果を得た。
験機を用いた。 (b)記録紙…薄紙(45K紙)の紙剛性(*クラーク
剛度で表す)A4サイズ(タテ)のクラーク剛度は46
cm/1003A4サイズ(ヨコ)のクラーク剛度は2
1cm/1003 (*)クラーク剛度とは紙の剛性、所謂紙の腰の強さを
表す指標で、数値が大きいほど剛性が大である。 (c)トナー付着量…1. 0mg/cm2 (d)画像形成パターン…先端から3mm位置にヨコ1
50mm、タテ30mmのベタ画像形成。 〔結果〕
生。 ×の定義…ホットオフセット発生温度以下で巻き付き発
生。 (本実験ではホットオフセット発生温度は160〜17
0度である。また、〇であったものは200度まで巻き
付きの発生ナシであった)
れば、固定部材の存在により、曲率分離による分離性能
の向上を図ることができる。その結果、分離手段(分離
爪、分離ガイド板)を定着ベルトまたは及び加圧ローラ
に当接させる必要なく記録紙の巻き付き防止を図ること
ができる。即ちセルフ分離が可能となる。
出口分離部を開放することで、熱圧定着によってニップ
入り口通過後に起こる記録紙の変形歪がシワを誘発させ
ないようにすることができる。
円弧部と略平面部を有することで、上記と同様の効果を
奏することができる。
略平面部にあってニップ出口分離部側端部を、曲率を有
する形状としたことで、上記の効果を更に増すことがで
きる。
加圧ローラによって、加圧ローラから記録紙が遠ざかる
ように凹ニップが形成されているので、両面定着時に加
圧ローラに記録紙が巻き付くのを防止することができ
る。
手段を有する加熱ローラが固定部材に対して、略垂直方
向に配置されていることで、良好な分離性能を維持する
ことができる。
有トナーを用いることによってオイル塗布手段を特別設
ける必要がなくなる。その結果、オイル使用に伴う不具
合(オイル補給や、オイル塗布部材交換のためのメンテ
ナンス、コストアップ)を解消することができる。
成図である。
である。
略断面図である。
出口部分の第1の例を示す拡大図である。
出口部分の第2の例を示す拡大図である。
概略断面図である。
概略断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 定着ローラと、加熱ローラと、両ローラ
に張架されたベルトと、該ベルトの外周面に接触してベ
ルトとの間でニップを形成する加圧ローラを備えたベル
ト定着装置において、ベルトを介して定着ローラと加圧
ローラによって形成されるニップの出口分離部に対応し
た位置であってベルトの内側に、出口分離部面を曲率の
大きな形状部とした固定部材を備えたことを特徴とする
ベルト定着装置。 - 【請求項2】 固定部材と加圧ローラによってニップ形
成された分離工程を有することを特徴とする請求項1に
記載のベルト定着装置。 - 【請求項3】 固定部材が加圧ローラに近接して設けら
れた分離工程を有することを特徴とする請求項1に記載
のベルト定着装置。 - 【請求項4】 固定部材の軸方向に直角な方向の断面形
状が円弧と略直線で形成され、円弧部がベルトを介して
加圧ローラに圧接してニップを形成し、該略直線によっ
て形成された略平面部がニップ出口分離部直後のベルト
に接してこれを案内するように、円弧部と略平面部が配
置されていることを特徴とする請求項1に記載のベルト
定着装置。 - 【請求項5】 固定部材の略平面部にあってニップ出口
分離部側端部を、曲率を有する形状としたことを特徴と
する請求項4に記載のベルト定着装置。 - 【請求項6】 固定部材の表面硬度を加圧ローラの表面
硬度より大きくして、ベルトを介して固定部材と加圧ロ
ーラによって形成されたニップが加圧ローラから記録紙
が遠ざかる方向に形成されるようにしたことを特徴とす
る請求項1に記載のベルト定着装置。 - 【請求項7】 ベルト張力手段を有する加熱ローラが固
定部材に対して、略垂直方向に配置されていることを特
徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のベル
ト定着装置。 - 【請求項8】 ワックス含有トナーを用いた請求項1な
いし6のいずれか1項に記載のベルト定着装置。
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