JPH05181300A - 記録材及び画像形成方法 - Google Patents

記録材及び画像形成方法

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JPH05181300A
JPH05181300A JP4038020A JP3802092A JPH05181300A JP H05181300 A JPH05181300 A JP H05181300A JP 4038020 A JP4038020 A JP 4038020A JP 3802092 A JP3802092 A JP 3802092A JP H05181300 A JPH05181300 A JP H05181300A
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Makoto Kanbayashi
誠 神林
Takeshi Menjo
健 校條
Takashige Kasuya
貴重 粕谷
Tatsuhiko Chiba
建彦 千葉
Tatsuya Nakamura
達哉 中村
Koji Inaba
功二 稲葉
Takayuki Nagatsuka
貴幸 永塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 オイル塗布することなしに定着し、オフセッ
トすることなく、ワックスのしみ出し跡もないきれいな
画像を得る転写材及び画像形成方法を提供することにあ
る。 【構成】 記録材表面に少なくともワックス成分を含有
するトナーによりトナー画像を形成し、該トナー画像を
定着し顕画像を得る画像形成用の記録材において、該記
録材は、基材層及び上記ワックス成分を吸収する吸収層
を有することを特徴とする記録材に係り、また該記録材
にトナー画像を転写する工程を含む画像形成方法に係
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー画像を形成する
ための記録材及び該記録材にトナー画像を形成する画像
形成方法に関し、特に電子写真方式によりカラー画像又
は、フルカラー画像を形成する画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なフルカラーの画像形成方
法について説明する。
【0003】静電荷潜像担持体である感光体ドラムの感
光体を一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼン
タ画像信号にて変調されたレーザー光により画像露光を
行い、感光体ドラム上に静電荷潜像を形成し、マゼンタ
現像器に保有されているマゼンタトナーで該静電荷潜像
を現像して、マゼンタトナー画像を形成する。次に搬送
されてきた記録材に転写帯電器によって前記の感光体ド
ラムに現像されたマゼンタトナー画像を転写する。
【0004】一方、前記の記録材にトナー画像の転写を
行った後の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電さ
れ、さらにクリーニング手段によってクリーニングされ
た後、再び一次帯電器によって帯電され、同様にシアン
トナー画像の形成及び前記のマゼンタトナー画像が転写
されている記録材へのシアントナー画像の転写を行い、
さらにイエロー色、ブラック色と順次同様に行って、マ
ゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの4色のトナー画
像を記録材に転写する。該4色のトナー画像を有する記
録材を定着ローラに供給し熱及び圧力の作用により記録
材に定着することによりフルカラーの画像を形成する。
【0005】該カラーの画像形成方法に使用されるトナ
ーは、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが
必要であり、さらに軟化点が低く、且つ溶融粘度が低く
シャープメルト性の高いことが好ましい。
【0006】上記のシャープメルト性が高いトナーを使
用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿像
に忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0007】しかしながらこのようなシャープメルト性
の高いトナーは、定着ローラーとの親和性が高く、定着
時に定着ローラーにオフセットし易い傾向にある。
【0008】特にフルカラーの画像形成方法における定
着手段の場合、記録材上にマゼンタ、シアン、イエロー
及びブラックと複数層のトナー層が形成されるため、特
にオフセットが発生しやすい傾向にある。
【0009】したがって、従来においては、定着ローラ
ーからトナーの離型性を向上させるため、定着ローラー
にシリコーンオイルの如き離型剤を塗布することが行わ
れている。しかしながらこのような画像形成方法におい
ては、以下のような問題が生じていた。
【0010】オイルの如き離型剤を定着ローラーに塗布
するため、装置本体の構成が複雑になるとともに、オイ
ルを塗布することにより定着ローラーの短寿命化を促進
するという問題が生じる。
【0011】さらに近年多様な複写のニーズに伴い、記
録材として例えばオーバーヘッドプロジェクター(OH
P)用のトランスペアレンシーフィルムの如き樹脂製の
ラミネートフィルムを用いて定着したトナー画像を形成
することが広く行われ始めているが、前述の如き定着時
にオイルを用いた定着方法によりトナー画像を記録材に
定着した場合には、用いたオイルが記録材の表面に付着
されてしまい、得られたトナー画像を受像する記録材の
品質を大きく低下させていた。
【0012】したがって、上述の問題を解決した、定着
時にオイルの塗布を必要としない定着システムの確立及
びそれを達成するための新規なトナーの開発にかかる期
待は大なるものであった。
【0013】上記の課題に対してワックスの如き離型剤
を含有したトナーや懸濁重合法トナーが提案されている
(特公昭36−10231号公報)。この懸濁重合法は
重合性単量体及び着色剤(更に必要に応じて重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤)を均一に
溶解または分散せしめて単量体組成物を調製した後、こ
の単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例えば
水相)中に適当な攪拌機を用いて分散させると同時に重
合反応を行わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得る
方法である。
【0014】この懸濁重合法では、水の如き極性の大な
る分散媒中で単量体組成物の液滴を生成せしめるため、
単量体組成物に含まれる極性基を有する成分は水相との
界面である表層部に存在し易く、非極性の成分は表層部
に存在しにくいという、いわゆる擬似カプセル構造にな
る。この製法上の特徴を活用し、他のトナーの製造方法
である粉砕法では使用できない低融点のワックスを含有
させることが可能である。
【0015】重合法により得られたトナーは、この低融
点のワックスの内包化により、耐ブロッキング性と低温
定着という相反する性能を両立することが可能である。
すなわち、低融点ワックスが内包化されていることによ
り、耐ブロッキング性能を低下させることなく、低温で
溶融するワックスによりトナー中の熱伝導性が向上し、
その結果、低温定着が可能となる。さらに好ましいこと
には、定着時に融解したワックスが離型剤としても働く
ため、定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布するこ
となく、高温オフセットを防止することが可能となる。
【0016】しかしながらワックスを内包化した重合法
により得られたトナーも確かに定着時に有利な性能を発
揮するものの、記録材としてラミネートフィルムを用い
た場合には、定着後の画像の透明性が若干落ちてしまう
こと、さらに離型剤として内包化したワックスが定着時
にしみ出し、画像上に流れ出すという新たな問題が生じ
てしまった。
【0017】すなわち、図8に示すようにトナー中に内
包化されているワックスが定着時の圧及び熱の作用によ
り溶け出し、ワックス吸収性能のない記録材Rである樹
脂製のラミネートフィルム上を該フィルムの進行方向P
後ろ側に向かってしぼり出される様に流れてしまうため
に、定着された画像Iの後端方向にワックスWが流れ、
OHPに使用する画像として不具合なものとなってしま
っていた。
【0018】このワックスの流れを防止するためにトナ
ーに含有されるワックスの量を減少させることも考えら
れるが、この方法ではトナーの離型性を減少させること
になり、且つ逆に充分な離型効果が得られる様にある程
度以上のワックスをトナーに内包させると、どうしても
上記の現象が避けられなくなってしまう。
【0019】これは、紙の様な記録材においては、紙自
身の吸収能力により、溶け出したワックスを紙が吸収す
るので、前述の様な品質の劣化は見られないが、OHP
フィルムの如き樹脂製の記録材においては、吸収能力が
なく溶け出したワックスがそのまま表面に残り、非画像
部へ流れ出してしまうためのものである。
【0020】更に、樹脂製のラミネートフィルムの如き
記録材に定着したトナー画像を形成する場合には、記録
材上のトナー画像の光透過性が高いことが強く要求され
るため、通常の紙の如き記録材を用いる場合に比べて定
着スピードをより遅くしてトナーを充分に溶融させるこ
とが、一般に良く行われている。
【0021】しかしながら、この場合には、記録材上の
トナーが定着時により、顕著に定着ローラーにオフセッ
トされやすくなる傾向にあるため、充分な離型効果を得
るためには、紙の如き記録材にトナー画像を定着する場
合よりも、トナーに内包化させるワックスの量は、多め
に設定しなければならない。
【0022】更に、このようなワックスを内包化させた
トナーを用いてトナー画像を形成する方法においては、
ワックス自身の結晶化に伴う白濁により、トランスペア
レンシーフィルムの透明性が低下してしまうことが確認
されている。これは記録材上の、トナー層中に内包化さ
れているワックスが定着ローラー通過時にトナー内部よ
りしみ出し、しみ出したワックスがトナー画像表面ある
いはその一部を覆ってしまいローラー通過後の温度低下
とともに結晶性が高まり、光透過性が極端に悪化したも
のと考えられている。
【0023】そこである程度充分な量のワックスを内包
していても、透明性が損なわれずに、且つ樹脂製のラミ
ネートフィルムの如き記録材への定着時にワックスの流
れ跡がでない様にする何らかの対策が急務となった。
【0024】一方、乾式現像方式を有する電子写真方式
を用いて、透明なラミネートフィルム上にカラートナー
画像又は、フルカラートナー画像を形成し、OHP装置
を用いて投影した場合には、フィルム上の画像では十分
な発色性を示しているにもかかわらず、投影画像は全体
にグレーの色調を示すものとなり、色調再現範囲が非常
に狭いものとなってしまうという現象が生じる。この現
象は平滑なラミネートフィルム上に形成された未定着の
トナー画像が定着時の加熱によって十分流動されず粒状
性を保有しているために投影時に入射光が散乱され、ス
クリーン上に陰影を形成するからである。特に画像濃度
が低い中間色調部分においては、トナー粒子数の減少に
よりトナー中の染料または顔料による吸収が下がり、こ
の吸収レベルがトナー粒子の散乱による黒吸収レベルと
等しくなるため、再現されるべきカラー色調が灰色とな
ってしまう。
【0025】普通紙の如き記録材上のトナー画像を目視
する場合は、定着したトナー画像に照射されている光の
反射画像を目視するため、トナー表面に多少粒状性が残
っていても画質への影響は少ない。しかし、OHP装置
の如く透過光でトナー画像を観察またはスクリーンに投
影する場合、トナー粒子に起因する残留形状が明白であ
ると光の散乱により、透光性が悪化してしまう。したが
って、OHP装置に用いる記録材は、定着後のトナーの
粒状性を減少させ、透光性を向上させ、さらには定着時
の定着ローラーへのオフセットを減少させる効果を持つ
ことが要求される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を解決した記録材及び画像形成方法を提供するこ
とを目的とする。
【0027】すなわち、本発明は上述の問題点を解決
し、オイル塗付することなしに定着し品質の優れたフル
カラー画像の得られる記録材及び画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0028】また、本発明は透明性に優れ品質の良いカ
ラー又はフルカラーのトランスペアレンシーシートの得
られる記録材及び画像形成方法を提供することを目的と
する。
【0029】更に、本発明は、トナーに含有されている
ワックス成分がトナー画像を記録材に定着した際に流れ
出すことなく、品質の良い画像の得られる記録材及び画
像形成方法を提供することを目的とする。
【0030】更にまた、本発明は、オーバーヘッドプロ
ジェクター(OHP)に用いた際に、投影画像が全体に
グレーがかってしまうことなく、良好な色調再現性を有
するカラー画像又はフルカラー画像の得られる記録材及
び画像形成装置を提供することを目的とする。
【0031】更にまた、本発明は、定着時の定着手段へ
の耐オフセット性の良好な記録材及び画像形成方法を提
供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、記録
材表面に少なくともワックス成分を含有するトナーによ
りトナー画像を形成し、該トナー画像を定着し顕画像を
得る画像形成用の記録材において、該記録材は基材層及
び上記ワックス成分を吸収する吸収層を有することを特
徴とする記録材である。
【0033】又、本発明は、ワックス成分を含有するト
ナーを用いて静電荷潜像担持体上の静電潜像を現像しト
ナー画像を静電荷潜像担持体上に形成する現像工程、記
録材に該トナー画像を転写する転写工程及び記録材に転
写されたトナー画像を熱と圧力の作用で該記録材に定着
する定着工程を有する画像形成方法において、該記録材
は、基材層及び前記のワックス成分を吸収する吸収層を
有しており、該吸収層は、トナー画像を記録材に定着し
た際にトナーに含有されるワックス成分を吸収すること
を特徴とする画像形成方法である。
【0034】本発明の特徴は、トナーに含有されるワッ
ククス成分を吸収するための吸収層を記録材が有してい
ることである。
【0035】この吸収層は、無機微粒子を含有させるこ
とによって行うことができる。ワックス成分の吸収層へ
の吸収性は、該無機微粒子によって形成された、平均細
孔半径(D)が関与しており、該平均細孔半径(D)
は、好ましくは10Å〜200Åの範囲である。該平均
細孔半径(D)が10Åより小さい場合又は200Åよ
り大きい場合、ワックス成分の吸収性が低下する。
【0036】吸収層の厚さは、好ましくは0.1〜10
μmより好ましくは0.5〜5μmが良い。該厚さが
0.1μm未満の場合には、ワックス成分の吸収能力が
少なく、該厚さが5μmを超える場合には、くもりが生
じフィルムの透光性が低下しやすい。
【0037】又本発明の記録材は、該記録材のBET比
表面積が0.1〜30m2 /gであることが好ましい。
記録材のBET比表面積が、0.1m2 /gより小さく
なるよう吸収層を形成した場合、ワックス成分の吸収性
が低下し、30m2 /gを越えるように吸収層を形成し
た場合には、記録材自体の透明性が低下し、更に離型剤
としてトナーに内包化させているワックス成分のほとん
どが転写材に吸収されてしまい、目的の離型効果が得ら
れにくくなってしまう。
【0038】本発明において無機微粒子の平均細孔半径
及び記録材の比表面積は、窒素吸着による定容法を用
い、それぞれケルビン式及びBET理論より算出した。
【0039】記録材のBET比表面積の測定は、100
(mm)×60(mm)のフィルムを5(mm)×5(mm)の大きさに
切り、切った5(mm)×5(mm)のフィルムの全てをサンプ
ルとして測定装置内に入れて測定した。
【0040】本発明で用いた、ガス吸着量測定装置は、
オートソーブ1(湯浅アイオニクス(株))である。
【0041】本発明における記録材を図1を用いて説明
する。
【0042】図1において、Aは記録材の基材層として
の透明樹脂製のベースフィルムを示し、ベースフィルム
Aは、熱定着または熱圧定着時の加熱によって著しい熱
変形を起こさない耐熱性を有する必要がある。ベースフ
ィルムAは、ASTM D648に記載されている4.
6Kg/cm2 の測定条件で好ましくは、145℃以
上、より好ましくは、150℃以上の熱変形温度を有す
るものが良い。具体的には、ベースフィルムAとして、
上記の測定条件で145℃以上の熱変形温度を有し、最
高使用温度が100℃以上の耐熱性を有するポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミ
ドまたはポリイミドが例示される。これらの中でも、ポ
リエチレンテレフタレートが耐熱性及び透明性の点で特
に好ましい。ベースフィルムAの厚さは定着時の加熱に
よってフィルムが柔らかくなった時にもシワを発生しな
い厚みが必要であり、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートの場合50μm以上あれば良い。透明フィルムであ
っても厚みが増大すると透光率が低下するため、ベース
フィルムAの厚さは好ましくは50〜300μm、より
好ましくは100〜200μm、更に好ましくは70〜
150μmが良い。
【0043】図1において、吸収層Bは、前記の通り無
機微粒子を用いて細孔が形成されるようベースフィルム
A上に含有又は固着させればよい。
【0044】該無機微粒子としては、例えば活性アルミ
ナ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物、シリカ及び
酸化チタンが挙げられ、これらの中から一種又はそれ以
上の組み合わせで用いることができる。
【0045】該無機微粒子の平均粒径は、一次粒子が好
ましくは、0.001〜0.1μm、より好ましくは、
0.001〜0.05μmが良い。
【0046】該平均粒径が0.001未満の場合には粒
子間の凝集力が強くなり、均一な吸収層の形成が難しく
なり、0.1μmを超える場合には、吸収層の吸収能力
が低下する傾向にある。
【0047】基材層上に吸収層を形成する方法として
は、一例として上記に挙げた材料を適当な溶剤に分散又
は溶解させ塗工液を調製し公知のコーティング法により
基材層上に塗工し、その後速効に乾燥させる方法が挙げ
られるがこれに限定されるものではない。
【0048】前記の適当な溶剤とは、基材層である耐熱
性樹脂の表面を若干溶解させる溶剤、無機微粒子を溶解
する溶剤及び無機微粒子を基材層の表面上に保持させる
ためのバインダー層を形成する原料が溶解している溶剤
も含むものである。
【0049】バインダー層を形成する樹脂は、ポリエス
テル系樹脂、ビニル系樹脂、ブタジエン系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリウレタン系樹脂の
如きフィルム形成性樹脂として公知の樹脂が挙げられ
る。
【0050】該バインダー層を形成する樹脂と無機微粒
子との配合割合は好ましくは、1:1〜1:50、より
好ましくは1:3〜1:20が良い。
【0051】又、他の公知のCVD法(化学蒸着法)、
PVD(物理蒸着法)の如き処理方法で無機微粒子を基
材層の表面にコーティングすることもできる。
【0052】更に基材層である耐熱性樹脂フィルムと、
無機微粒子或いはバインダー層との密着性を改良する目
的で、プラズマ処理、コロナ放電処理の如き表面処理を
行うことや接着層を形成することが好ましい。
【0053】接着層として用いることのできる樹脂とし
ては、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メ
タアクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エステル共重
合体の如き樹脂が挙げられる。
【0054】以下に本発明で用いるトナーのうち、重合
トナーに関して詳細に説明する。
【0055】重合トナーは以下の如き方法にて得られ
る。
【0056】重合性単量体中に離型剤、着色剤及び荷電
制御剤の如き添加剤を加え、離型剤が溶解、又は融解す
るまで加温し、ホモジナイザー又は、超音波分散機の如
き混合機によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組
成物、分散安定剤を含有する単量体系と略同温の水相中
に通常の攪拌機又はホモミキサー又はホモジナイザーの
如き混合機により分散せしめる。好ましくは単量体液滴
が所定のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の粒
径を有するように攪拌速度及び攪拌時間を調整し、その
後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且
つ粒子の沈降が防止される程度の攪拌を行えば良い。重
合温度は離型剤の析出温度以下の温度に設定して重合開
始剤を添加し、重合を行う。反応終了後、生成したトナ
ー粒子を洗浄し、濾過により回収し、乾燥する。懸濁重
合法においては、通常単量体組成物100重量部に対し
て水300〜3000重量部を分散媒として使用するの
が好ましい。
【0057】上記の重合トナーに使用できる重合性単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステ
ル類その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミドの如き単量体が挙げられる。
【0058】これらの単量体は単独で、又は2種以上を
混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン
又はスチレン誘導体を単独で、又は他の単量体と混合し
て使用することがトナーの現像特性、及び耐久性の点か
ら好ましい。
【0059】上記の重合トナーの製造時に用いられる分
散媒は、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチ
ルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン、リン
酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム及びベント
ナイトの如き安定化剤を水相に分散させて使用できる。
この安定化剤は、重合性単量体100部に対して、0.
2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0060】これら安定化剤を微細に分散させるため
に、0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用して
もよい。この界面活性剤は分散安定化剤の所期の作用を
促進するためのものであり、その具体例としては、ドデ
シルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリ
ウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナト
リウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウ
ム、ステアリン酸カリウム及びオレイン酸カルシウムが
挙げられる。
【0061】単量体組成物には、添加剤として極性基を
有する重合体又は共重合体を添加して重合することがよ
り好ましい。更に、本発明においては、極性基を有する
重合体、共重合体又は環化ゴムを添加した単量体組成物
を、該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた水
相中に懸濁させ重合することが好ましい。即ち、単量体
組成物中に含まれるカチオン性の重合体、共重合体又は
環化ゴム又はアニオン性重合体、共重合体、又は環化ゴ
ムは水相中に分散している逆荷電性のアニオン性、又は
カチオン性の分散剤と重合進行中のトナーとなる粒子表
面で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆うこと
により粒子どうしの合一を防ぎ安定化せしめると共に、
重合時に添加した極性重合体がトナーとなる粒子表層部
に集まるため、一種の殻のような形態となり、得られた
粒子は擬似的なカプセル構造となる。極性基を有する比
較的高分子量の重合体、共重合体又は環化ゴムを用い、
トナー粒子にブロッキング性及び耐オフセット性の優れ
た性質を付与する一方で、内部では比較的低分子量で定
着特性向上に寄与するように重合を行うことにより、定
着性とブロッキング性という相反する要求を満足するト
ナーを得ることができる。本発明に使用できる極性基を
有する重合体及び共重合体、及び逆荷電性分散剤を以下
に例示する。
【0062】(1)カチオン性重合体としては、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチルの如き含窒素単量体の重合体もしくは該含窒
素単量体と、スチレン又は不飽和カルボン酸エステル等
との共重合体が挙げられる。
【0063】(2)アニオン性重合体としては、アクリ
ロニトリルの如きニトリル系単量体、塩化ビニルの如き
含ハロゲン系単量体、アクリル酸又はメタクリル酸の如
き不飽和カルボン酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二
塩基酸無水物、ニトロ系単量体などの重合体もしくはそ
れらとスチレン系単量体との共重合体が挙げられる。
【0064】これら極性重合体のかわりに環化ゴムを使
用しても良い。
【0065】(3)アニオン性分散剤としては、シリカ
微粉末が挙げられ、特に、BET比表面積が200m2
/g以上のコロイダルシリカが好ましい。
【0066】(4)カチオン性分散剤としては、アミノ
アルキル変性コロイダルシリカ(好ましくは、BET比
表面積が200m2 /g以上)の如き親水性正帯電性シ
リカ微粉末又は水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0067】このような分散剤は、重合性単量体100
重量部に対して、好ましくは0.2〜20重量部、より
好ましくは、0.3〜15重量部使用するのが良い。
【0068】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー中に荷電制御剤が添加されていること
が好ましい。これらの荷電制御剤としては、公知のもの
のうち、重合阻害性及び水相移行性の殆ど無いものを用
いることができる。正荷電制御剤としては例えば、ニグ
ロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、四級アンモ
ニウム塩、アミン系化合物及びポリアミン系化合物が挙
げられ、負荷電制御剤としては、例えば含金属サリチル
酸系化合物、含金属モノアゾ染料系化合物、スチレン−
アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体
が挙げられる。
【0069】本発明で用いられるトナーに含有される着
色剤としては、公知のものが使用でき、例えば、カーボ
ンブラック;鉄黒;C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソル
ベントレッド52、C.I.ダイレクトブルー1、C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、
C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブル
ー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.
ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6
の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファ
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウム
レッド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッド
カルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバ
イオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、キナクリドン、ジスアゾ系のイエロー顔料、フ
タロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメ
ントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナ
ルイエローグリーンGの如き顔料が挙げられる。本発明
において重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤
の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があ
り、好ましくは、表面改質、例えば、重合阻害のない物
質による疎水化処理のごとく、表面改質を施しておいた
ほうが良い。
【0070】本発明で用いられるトナーに含有される離
型剤としてのワックスとしては、例えばパラフィン系ワ
ックス、ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変性物
(例えば酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪族、及び
その金属塩、アミドワックスが挙げられるが何らこれに
限定するものではない。
【0071】本発明で用いられるトナーに含有されるワ
ックスの融点は、30〜150℃であるのが好ましく、
より好ましくは、40〜140℃が良い。融点が30℃
より低い場合、トナーの耐ブロッキング性及び保形性が
充分ではなく、150℃より高い場合、離型性の効果が
充分ではない。
【0072】尚、融点はDSCによる最大吸熱ピークの
温度より算出した。
【0073】本発明で用いられるトナーに含有されるワ
ックスの融解熱量ΔHは50〜250J/gであること
が好ましい。
【0074】この様なワックスは、重合性単量体100
重量部に対して0.1〜50重量部用いるのが好まし
く、より好ましくは1〜45重量部、更に好ましくは5
〜40重量部が良い。ワックスが0.1重量部より少な
い場合、離型性の効果が少なく、50重量部より多い場
合、製造安定性が低下すると共に耐ブロッキング性及び
保存性も低下する傾向にある。
【0075】重合開始剤としては、例えば、2,2′−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又は
ジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシ
カーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジ
クロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。更に、レ
ドックス開始剤として、先に挙げた過酸化物と、ジメチ
ルアニリン、メルカプタン類、第三アミン類、鉄(I
I)塩、亜硫酸水素ナトリウムの如き還元剤とを組み合
わせて用いることもできる。
【0076】これら重合開始剤は所望の分子量を得るた
めに好適に使用されるが、一般には、重合性単量体の
0.1〜10重量%の添加量で充分である。
【0077】本発明における離型剤、重合開始剤及び重
合温度について更に詳しく述べる。
【0078】離型剤として例えばパラフィンワックスの
如く一般に融点又は軟化点の低いワックスを用いた場合
には、重合性単量体組成物から離型剤が析出する温度が
低くなるため、重合温度も低くなる。このような場合は
レドックス開始剤、又は例えば2,2′−アゾビス−4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如き半
減期の短い開始剤を用いるのが好ましい。
【0079】ポリオレフィンワックスの如く融点又は軟
化点の高いワックスを離型剤として用いた場合には、重
合性単量体組成物中に該離型剤を溶解又は融解させるた
めにはオートクレーブを用いるのが好ましく、更に該離
型剤の析出温度は、前述のパラフィンワックスの如く融
点又は軟化点の高いワックスの場合に比べ、比較的高い
ので、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレート
の如き重合性開始剤を用いるのが好ましい。
【0080】本発明では重合トナーの他に、混練、粉砕
及び分級により得られたトナーを使用することができ
る。トナーの結着樹脂に用いられる重合体としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、マレイン酸の如き酸類及びそ
のエステル類;ポリエステル;ポリスルホネート;ポリ
エーテル;ポリウレタンの如き単量体を重合して得られ
た樹脂又は、それらの単量体を2種以上共重合して得ら
れた樹脂を用いることができる。
【0081】これらの樹脂と他のトナー構成材料を熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によ
って良く混練した後、機械的な粉砕及び分級によって得
ることができる。
【0082】本発明のトナーには、各種特性の付与を目
的として、公知の添加剤を添加しても良い。添加剤は、
トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体
積平均粒径の1/10以下の粒径であることが好まし
い。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー
粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、
以下のようなものが用いられる。
【0083】1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化チタン)、カーボンブラッ
ク、フッ化カーボン。これらは、疎水化処理を行ったも
のが、より好ましい。
【0084】2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロ
ンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグ
ネシウム、酸化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、
炭化物(炭化ケイ素等)、金属塩(硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム等)。
【0085】3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、脂肪酸金属
塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)。
【0086】4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化
錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム等)、カーボンブラック。
【0087】これらの添加剤は、トナー粒子100重量
部に対し、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で用い
れば良く、より好ましくは、0.1〜5重量部の範囲で
用いることが良い。これら添加剤は、単独で用いても、
又、複数併用しても良い。
【0088】本発明においては、OHP装置における透
光性及び投影画像の色調再現性の良好な記録材を得る目
的で、基材層である耐熱樹脂フィルムの表面にカラー画
像形成に用うべきトナー粒子を構成する樹脂(結着樹
脂)と相溶性を有し、且つ定着温度における熱溶融特性
がトナー粒子を構成する樹脂と異なる透明樹脂から形成
される透明樹脂層を形成することが好ましい。
【0089】図2及び図3において、31は図1で説明
したのと同様に記録材の基材層としての透明樹脂製のベ
ースフィルムを示す。
【0090】図2及び図3に示す記録材において、32
は定着後のカラー画像の透光性を向上させるための透明
樹脂層を示す。透明樹脂層32はカラー画像を形成する
トナー粒子を構成する樹脂(結着樹脂)と加熱定着時の
温度で相溶することが可能であることが好ましい。トナ
ーの結着樹脂と相溶するということは、定着後の画像に
おいて透明樹脂層32の樹脂とトナーの結着樹脂とが境
界を形成しない状態になる。選択の目安としては、トナ
ーに使用される主要な樹脂(結着樹脂を基準として、5
0重量%以上含有させる主要樹脂)の溶解度パラメータ
の値を中心として好ましくは±1.5以内、より好まし
くは±1.0以内に透明樹脂層32の樹脂の溶解度パラ
メータの値が入っていれば良い。樹脂の溶解度パラメー
タは、ポリマーハンドブックの如き刊行物に記載されて
いる。例えば、ポリエステル樹脂をトナーの結着樹脂に
用いた場合、溶解度パラメータの値が11.0前後であ
ることから、透明樹脂層32の樹脂としては溶解度パラ
メータが11.0±1.5以内の範囲のポリエステル樹
脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体の如き熱可塑性樹脂を用いることが可能で
ある。特に、トナーの主要樹脂と同種の樹脂を透明樹脂
層32に使用することがより好ましい。
【0091】透明樹脂層32に使用される樹脂は、温度
160℃、周波数(w)100rad/secにおける
貯蔵弾性率(G′)が好ましくは1×103 〜1×10
6 dyn/cm2 、より好ましくは5×103 〜5×1
5 dyn/cm2 を有することが良い。温度160
℃、周波数(w)100rad/secにおける貯蔵弾
性率(G′)が1×103 dyn/cm2 未満の樹脂を
透明樹脂層32に使用した場合には、熱圧ローラーでト
ナー画像を定着する時にオフセット現象が発生しやす
く、更に、透明樹脂層32がベースフィルム31から部
分的にはがれて破損しやすくなる。温度160℃、周波
数(w)100rad/secにおける貯蔵弾性率
(G′)が1×106 dyn/cm2 を越える樹脂を透
明樹脂層32に使用した場合には、熱圧ローラーでトナ
ー画像を定着しても、トナー画像が透明樹脂層32に侵
入する度合いが極めて少ないので、投影画像は全体にグ
レーの色調を示すようになる。
【0092】透明樹脂層32に使用される樹脂の貯蔵弾
性率(G′)は、レオメトリックス社製(Rheome
trics Inc.)のメカニカル スペクトロメー
ターRMS−800を使用して測定した。条件は周波数
をw=100rad/secに固定し、歪率は自動とし
た。この状態で温度を昇温し温度依存性測定を行い、こ
の結果から160℃における貯蔵弾性率G′を測定し
た。透明樹脂層32の厚さは、定着されるべきトナーの
粒径によって最適な厚みは変わるが、3〜30μm、好
ましくは8〜15μmを有するものが良い。
【0093】図2及び図3に示す記録材において、Bは
前述の図1に示す記録材で説明したのと同様の、トナー
に含有されるワックス成分を吸収する吸収層を示す。
【0094】ベースフィルム31の表面に形成した透明
樹脂層32の表面への該吸収層Bの形成は、前述の図1
に示す記録材で説明したのと同様の方法により行うこと
ができる。
【0095】図4及び図5に示す記録材は、本発明に係
るワックスを吸収するための前述の無機微粒子が分散さ
れている透明樹脂層32Bを有する構成となっている以
外は、図1に示す記録材の透明樹脂層32と同様の構成
となっている。この場合透明樹脂層32Bの表面は、分
散している無機微粒子によって平均細孔半径Dが10Å
〜200Åの細孔が形成されていることが好ましい。
【0096】本発明の記録材のベースフィルム31の表
面に透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bを形成する方
法としては、メタノール、エタノールの如きアルコー
ル、又はメチルエチルケトン、アセトンの如きケトン類
からなる揮発性有機溶剤に透明樹脂層32又は透明樹脂
層32Bを形成するための樹脂を溶解し、透明樹脂層3
2Bを形成する場合には、更に本発明に係る前述の無機
微粒子を分散させて、バーコート法、ディップ法、スプ
レー法、スピンコート法の如き方法で透明ベースフィル
ム31の表面に塗布し、乾燥する方法が挙げられる。場
合によっては、透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bと
ベースフィルム31との密着性を上げ、定着時及び定着
後に、定着したトナー画像がベースフィルム31からは
く離しないよう、ベースフィルム31の表面をプラズマ
処理或いはコロナ放電処理の如き表面処理を行うこと
や、ベースフィルム31と透明樹脂層32又は透明樹脂
層32Bとに相溶性を有し且つ耐熱性が高く、定着時の
加熱で溶融しない接着層33を図3又は図5の如く設け
ることができる。接着層33として用いることが可能な
樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル
樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル
酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル
共重合体の如き樹脂が挙げられる。
【0097】上述の透明樹脂層32又は透明樹脂層32
Bを有する記録材を用いた画像形成方法に使用するトナ
ーについて、以下で説明する。
【0098】カラー電子写真装置に使用されるトナー
は、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必
要で、軟化点が低く、定着温度における貯蔵弾性率が低
く、シャープメルト性のトナーを使用することが好まし
い。
【0099】前述の記録材との関係において、トナーの
貯蔵弾性率は、透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bを
形成している樹脂の貯蔵弾性率(G′)よりも明確に小
さいことが好ましい。具体的には、トナーは、温度16
0℃、周波数(w)100rad/secにおける貯蔵
弾性率が1×102 〜1×105 dyn/cm2 、好ま
しくは5×102 〜5×104 dyn/cm2 を有する
ことが透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bとの適合性
及びトナー相互の混色性の点で好ましい。
【0100】カラー画像又はフルカラー画像の形成にお
いて、シャープメルトなトナーを使用することにより、
複写物の色再現範囲を広め、原稿の多色又はフルカラー
像に忠実なカラーコピーを良好に得ることができる。
【0101】図2乃至図5の記録材に用いるトナーは、
定着性及びシャープメルト性を考慮すると、結着樹脂と
してポリエステル樹脂を使用したものが特に好ましい。
シャープメルト性ポリエステル樹脂としては、ジオール
化合物とジカルボン酸とから合成される分子の主鎖にエ
ステル結合を有する高分子化合物が例示される。
【0102】特に、次式
【0103】
【外1】 (式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,y
はそれぞれ1以上の正の整数であり、かつx+yの平均
値は2〜10である。)で示されるビスフェノール誘導
体もしくはその置換体をジオール成分とし、2価以上の
カルボン酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエス
テルとからなるカルボン酸成分(例えばフマル酸,マレ
イン酸,無水マレイン酸,フタル酸,テレフタル酸,ト
リメリット酸,ピロメリット酸)とを少なくとも共縮重
合したポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有する
のでより好ましい。
【0104】ポリエステル樹脂の軟化点は好ましくは7
5〜150℃、より好ましくは80〜130℃が良い。
ポリエステル樹脂を結着樹脂として含有するトナーの軟
化特性を図6に示す。本発明で用いる軟化点の測定法に
関して以下に説明する。
【0105】フローテスターCFT−500A型(島津
製作所製)を使用し、ダイ(ノズル)の直径0.2m
m、厚み1.0mmとして20kgの押出荷重を加え初
期設定温度70℃で、予熱時間300秒の後、6℃/分
の速度で等速昇温した時、描かれるトナーのプランジャ
ー降下量−温度曲線(以下軟化S字曲線という)を求め
る。試料となるトナーは1〜3gを精秤した微粉末を用
い、プランジャー断面積は10cm2 とする。軟化S字
曲線は図6のようなカーブとなる。等速昇温するに従
い、トナーは徐々に加熱され流出が開始される(プラン
ジャー降下A→B)。さらに、昇温すると溶融状態とな
ったトナーは大きく流出し(B→C→D)プランジャー
降下が停止し終了する(D→E)。
【0106】S字曲線の高さHは全流出量を示し、H/
2のC点に対応する温度T0 はその試料(例えば、トナ
ーまたは樹脂)の軟化点を示す。
【0107】トナーと記録材との関係において、トナー
または結着樹脂の温度160℃、周波数100rad/
secにおける貯蔵弾性率(G′)は、透明樹脂層32
又は透明樹脂層32Bに使用されている樹脂の温度16
0℃、周波数100rad/secにおける貯蔵弾性率
(G′)よりも小さいことが好ましい。定着温度(例え
ば、130〜170℃)においてトナーまたは結着樹脂
よりも透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bの方が高弾
性を示すことが好ましい。この透明樹脂層32又は透明
樹脂層32Bを形成する樹脂の定着温度時の貯蔵弾性率
(G′)がトナーの結着樹脂のそれに近似している場合
は、フルカラー画像として、2色以上のトナーが重なっ
ている部分と単色のトナー部分を1回の熱定着で透光用
画像として十分な透明性を得られる条件で定着を行なう
と、透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bも十分な加熱
を受けて粘弾性が低下する為、透明樹脂層32又は透明
樹脂層32Bとベースフィルム31との界面で、透明樹
脂層32又は透明樹脂層32Bの分離が発生し易くな
り、画像が定着用の熱ロールに部分的に剥ぎ取られる高
温オフセット現象を引き起す場合がある。
【0108】透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bの透
明樹脂の貯蔵弾性率(G′)がトナーの結着樹脂の貯蔵
弾性率(G′)より低い場合、透明樹脂層32又は透明
樹脂層32B上に単色トナー画像の定着は可能である
が、色調の異なるカラートナー画像を重ねて定着する場
合、透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bの溶融粘度が
トナーの結着樹脂の粘度よりも低くなるために、良好な
混色を発現させることが困難となる。
【0109】トナーと記録材との関係において、定着温
度(例えば160℃)における透明樹脂層32又は透明
樹脂層32Bの貯蔵弾性率(G′)が、トナーの貯蔵弾
性率(G′)の1000倍を越える場合、単一トナーの
薄層画像においては実用可能な透光性が得られるもの
の、多色またはフルカラー画像あるいは高濃度画像にお
いては、透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bが定着時
に十分な変形を起さない為、多層トナーの厚みムラによ
る凹凸が画像上に残る。そのため、透光性が低下する傾
向がある。さらに、透明樹脂層32又は透明樹脂層32
Bとトナーとの接着性が悪い為にトナー層内での分離が
発生し、オフセットを生じる可能性がある。
【0110】透明樹脂層32又は透明樹脂層32Bの厚
みは、用いられるトナー粒径によって異なるが、トナー
粒子1個程度の厚みしかない低濃度の部分をも十分に透
光させる為には最低、トナー粒径の平均値の0.5倍以
上の厚さが必要である。トナー粒径の3倍以上の厚みに
なると、溶融樹脂量が多くなり、画像のボケや歪を生じ
るだけでなく、屈曲による画像のひび割れを生じてしま
う。好ましくは、トナーの体積粒径の平均値の0.5〜
2倍である。
【0111】具体的には、体積平均粒径6μmのトナー
を使用する場合は、3〜12μmの層厚の透明樹脂層3
2又は透明樹脂層32Bを有する記録材を使用すること
が好ましく、体積平均粒径15μmのトナーを使用する
場合は、7.5〜30μmの層厚の透明樹脂層32又は
透明樹脂層を有する記録材を使用することが好ましい。
【0112】本発明において、トナーの平均粒径は下記
方法に基づいて測定した。
【0113】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積
分布、個数平均及び体積平均を出力するインターフェイ
ス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピュータ
(キヤノン製)を接続し電解液は1級塩化ナトリウムを
用いて1%NaCl水溶液を調製する。測定法としては
前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界
面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を
0.1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50m
g、好ましくは2〜20mg加える。試料を懸濁した電
解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前
記コールターカウンターTA−II型により、アパーチ
ャーとして100μアパーチャーを用いて2〜40μの
粒径を有する粒子の粒度分布を測定して体積平均粒径を
求める。
【0114】本発明に係るカラー画像形成方法に関して
説明する。
【0115】図7は本発明に係るフルカラー画像を形成
し得る電子写真装置の概略的断面図を示す。図面上、装
置本体100の右側(図7右側)から装置本体100の
略中央部に亘って設けられている記録材搬送系Iと、装
置本体100の略中央部に、前記記録材搬送系Iを構成
している転写ドラム8に近接して設けられている潜像形
成部IIと、前記潜像形成部IIと近接して配設されて
いる現像手段(即ち回転式現像装置III)とに大別さ
れる。前述した記録材搬送系Iは、前記装置本体100
の右側(図7右側)に形成されている開口部に対して着
脱自在な記録材供給用トレイ101及び102と、該ト
レイ101及び102の略直上部に配設された給紙用ロ
ーラ103及び104と、これら給紙用ローラ103及
び104に近接して配設され給紙ローラ106を備えた
給紙ガイド4A,4Bと、前記給紙ガイド4Bと近接し
て設けられ、外周面近傍に回転方向上流側から下流側に
向って当接用ローラ7、グリッパ6、記録材分離用帯電
器12、分離爪14が配設されているとともに、内周側
に転写帯電器9,転写材分離用帯電器13が配設されて
いる。図7矢印方向に回転自在な転写ドラム8と、前記
分離爪14と近接して設けられている搬送ベルト手段1
5と、該搬送ベルト手段15の搬送方向終了端側に近接
して配設され装置本体100外へと延在する装置本体1
00に対して着脱自在な排出用トレイ17と近接してい
る定着器16とから成る。
【0116】前記潜像形成部IIは、外周面が前記転写
ドラム8の外周面と当接して配設されているとともに図
7矢印方向に回転自在な静電荷潜像担持体(即ち感光体
ドラム2)と、該感光体ドラム2の外周面近傍に該感光
体ドラム2の回転方向上流側から下流側に向って配設さ
れている除電用帯電器10、クリーニング手段11、一
次帯電器3及び前記感光体ドラム2の外周面上に静電荷
潜像を形成するためのレーザービームスキャナのごとき
像露光手段とポリゴンミラーのごとき像露光反射手段を
具備している。前記回転式現像装置IIIは、回転自在
な筐体(以下「回転体」という)18と、該回転体18
中に夫々搭載され前記感光体ドラム2の外周面と対向す
る位置にて前記感光体ドラム2の外周面上に形成された
静電荷潜像を可視化(即ち現像)するように構成されて
いるイエロー現像器18Y、マゼンタ現像器18M、シ
アン現像器18C及びブラック現像器18Bkとを有し
ている。
【0117】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。前述した感光体ドラム2が図7矢印方向に
回転すると、該感光体ドラム2上の感光体は一次帯電器
3によって均等に帯電される。一次帯電器3による感光
体に対する均等な帯電が行われると、原稿(図示せず)
のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより
画像露光が行われ、感光体ドラム2上に静電荷潜像が形
成され、回転体18の回転によりあらかじめ現像位置に
定置されたイエロー現像器18Yによって前記静電荷潜
像の現像が行われる。
【0118】一方、給紙ガイド4A、給紙ローラ10
6、給紙ガイド4Bを経由して搬送されてきた記録材
は、所定のタイミングにてグリッパ6により保持され、
当接用ローラ7と該当接用ローラ7と対向している電極
とによって静電的に転写ドラム8に巻き付けられる。転
写ドラム8は、感光体ドラム2と同期して図7矢印方向
に回転しており、イエロー現像器18Yで現像された顕
画像は、前記感光体ドラム2の外周面と前記転写ドラム
8の外周面とが当接している部位にて転写帯電器9によ
って転写される。転写ドラム8はそのまま回転を継続
し、次の色(図7においてはマゼンタ)の転写に備え
る。
【0119】感光体ドラム2は、前記除電用帯電器10
により除電され、クリーニング手段11によってクリー
ニングされた後、再び一次帯電器3によって帯電され、
次のマゼンタ画像信号により前記のような像露光を受け
る。前記回転式現像装置は、感光体ドラム2上に前記像
露光によってマゼンタ画像信号による静電荷潜像が形成
される間に回転して、マゼンタ現像器18Mを前述した
所定の現像位置に定置せしめ、所定のマゼンタ現像を行
う。引続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシア
ン色およびブラック色に対しても実施し、4色分の転写
が終了すると、記録材上に形成された多色顕画像は各帯
電器12,13により除電され、前記グリッパ6による
記録材の把持が解除されると共に、記録材は分離爪14
によって転写ドラム8より分離され、搬送ベルト15で
定着器16に送られ、熱と圧力により定着され一連のフ
ルカラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラ
ープリント画像が形成される。
【0120】定着器16は、加熱定着ローラ161、及
び加圧ローラ162を具備している。加熱ローラ161
は、シリコーンゴムやフッ素系樹脂等の離型特性の優れ
た表層を有していることが好ましい。加圧ローラ162
の表層は、フッ素系樹脂で形成されていることが好まし
い。
【0121】以下、実施例に基づいて、本発明を具体的
に説明する。
【0122】
【実施例】実施例1 イオン交換水709重量部に0.1M−Na3 PO4
溶液451重量部を投入し、60℃に加温した後、TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,00
0rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2
溶液67.7重量部を徐々に添加し、Ca3 (PO4
2 を含む分散媒体を得た。 ・スチレン 170重量部 ・2エチルへキシルアクリレート 30重量部 ・パラフィンワックス(m.p.75℃) 60重量部 ・C.I.ピグメントブルー15 10重量部 ・スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合
体 5重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量
【0123】上記処方のうちC.I.ピグメントブルー
15とジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物とス
チレンだけをエバラマイルダー(荏原製作所製)を用い
て予備混合を行った。次に上記処方すべてを60℃に加
温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60
℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビス
イソブチレート10重量部を加えて溶解し、単量体組成
物を調製した。
【0124】前記ホモミキサーの2lフラスコ中で調製
した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。60℃
で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用いて100
00rpmで20分間撹拌し、単量体組成物を造粒し
た。その後バドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で3時間反
応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0125】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えて、Ca3 (PO42 を溶解し、濾過・水洗
乾燥することにより、重合トナーを得た。
【0126】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.2μmでシャー
プな粒度分布を有していた。さらに、粒子の断面を染色
超薄切片法により透過型電子顕微鏡で観察したところ、
スチレン−アクリル樹脂を主体とする表層部とワックス
を主体とする中心部に分かれており、カプセル構造が確
認できた。
【0127】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m2/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部に対
し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆
したCu−Zn−Fe系フェライトキャリア93重量部
を混合し、現像剤とした。
【0128】この現像剤を用いて市販のフルカラー複写
機(CLC−500キヤノン製)を用いて画出しした。
現像条件は温度23℃/湿度65%RMの環境下で現像
コントラスト320Vで行なった。
【0129】記録材としては、PET約100μm厚の
基材層上にワックス成分の吸収層としてアルミニウムを
主体元素とする無機微粒子を公知のCVD法(化学蒸着
法)により薄膜形成した記録材Aを用いた。得られた記
録材Aは、平均細孔半径が32Åであり、BET比表面
積は7m2 /gであった。
【0130】CLC−500の改造機で現像転写させた
だけの上記記録材上の未定着トナー画像を外部定着機
(市販のCLC−500と同一ローラー構成、オイル塗
布機能なし)にて定着した。定着スピードは20mm/
secとした。
【0131】得られた定着トナー画像はオフセットする
こともなく、またワックス成分のしみ出し跡もないきれ
いな透明画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェ
クターにて投影してみたところ、大変きれいなシアン色
の投影画像が得られ、本発明の記録材の効果が確認でき
た。
【0132】実施例2 実施例1においてアルミニウムを主体元素とする無機微
粒子のかわりにシリカ系無機微粒子を用いて同様のワッ
クス成分の吸収層を設けたラミネートフィルムBを調製
した。得られた記録材Bのワックス成分の吸収層の平均
細孔半径は55Åであり、BET比表面積は11m2
gであった。
【0133】実施例1と同様にして画出しし、同様にし
て定着したところ、ワックス成分のしみ出し跡もなく良
好な定着画像が得られた。OHP装置にて撮影してみた
ところ透明性を損なわずきれいな投影画像が得られた。
【0134】実施例3 実施例1で使用のトナーにおいてC.Iピグメントブル
ー15のかわりにC.Iピグメントレッド122を9重
量部用いてマゼンタトナーを、また、C.Iピグメント
イエロー17を8重量部用いてイエロートナーを、ま
た、市販のカーボンブラックを12重量部用いてブラッ
クトナーをそれぞれ同様にして得た。
【0135】得られた3色のトナーを実施例1とほぼ同
様にして現像剤を調製し、実施例1で使用した青色現像
剤を含めた4色の現像剤を用いて、CLC−500の改
造機で現像転写しただけのフルカラーの未定着トナー画
像を外部定着機(定着ローラーはフッ素系樹脂コートソ
フトローラーを用い、加圧ローラーは、シリコーン系ゴ
ムのローラーを用いた)にてオイル塗布せずに定着し
た。
【0136】記録材は実施例1で使用したワックス成分
の吸収層を有する記録材Aを用いた。得られた定着した
トナー画像はオフセットすることもなく、ワックス成分
のしみ出し跡も全く見られない品質の優れたものであっ
た。
【0137】実施例1と同様にしてオーバーヘッドプロ
ジェクターにて投影してみたところ大変きれいなフルカ
ラー投影画像であった。さらにこの透明フィルムはオイ
ル塗布せずにフルカラートナー画像を定着したものであ
り、ベタベタ感のない保存安定性にも優れたものであっ
た。
【0138】実施例4 実施例1で使用記録材Aのかわりに、PET約100μ
m厚の基材層上にアルミナ水和物90重量部及びポリビ
ニルアルコール10重量部を、水1000重量部中で混
合して調製した塗工液をバーコート法により塗工し、1
50℃で10分間乾燥炉内で乾燥し、乾燥後の厚みが8
μmになるように形成したワックス成分の吸収層を有す
る記録材Cを用いた。該記録材Cのワックス成分の吸収
層の平均細孔半径は50Åであり、BET比表面積は1
0m2 /gであった。記録材Cを用いること以外は実施
例1と同様にして画出しし、同様にして定着したとこ
ろ、ワックス成分のしみ出し跡のない良好な定着トナー
画像が得られた。OHP装置にて投影して見たところ、
透明性を損なわずきれいな投影画像が得られた。
【0139】比較例1 実施例1で使用した記録材Aのかわりに、除電処理した
ポリエチレンテレフタレートフィルムである市販のオー
バーヘッドプロジェクター用のフィルム(NPシリーズ
用トランスペアレンシーOHPフィルム、キヤノン販売
(株)販売)を用いた以外は実施例1と同様にして現
像、転写、定着したところ、トナーに内包化しているワ
ックス成分の効果でオフセットはしなかったものの、画
像部の後端にワックス成分のしみ出し跡が見られ、また
全体に透明性の低い画像が得られた。
【0140】実施例5 実施例1で使用した記録材Aにおいて、用いた無機微粒
子の量を減らして薄膜形成したところ、得られた記録材
Dの比表面積は0.08m2 /gであった。
【0141】上記の記録材Dを用いることを除いて実施
例1と同様に現像、転写、定着したところオフセットは
しなかったものの、画像部の後端にワックス成分のしみ
出し跡が若干見られたが使用に耐えゆる程度であった。
【0142】実施例6 ・スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100重量
部 ・低分子量ポリオレフィンワックス 7重量部 ・フタロシアニン顔料 4.5重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量
【0143】上記顔料を混合した後、2軸混練押出し機
によって溶融混練した後冷却し、気流式粉砕機で粉砕
し、風力分級機により分級し重量平均径約8.5μmの
青色粉末トナーを得た。このトナー100重量部に対し
ネガ帯電性コロイダルシリカ0.8重量部を外添し、シ
アントナーを得た。これらトナーとフッ素アクリル系樹
脂で被覆したフェライト粒子とを1:9の比率で混合し
青色現像剤を得た。
【0144】記録材としてPET約100μm厚の基材
層上にワックス成分の吸収層としてアルミニウムを主体
元素とする無機微粒子を従来公知のCVD法(化学蒸着
法)により薄膜形成した実施例1で用いた記録材Aを用
いた。
【0145】前記青色現像剤を用いて市販のフルカラー
複写機(CLC−500、キヤノン製)を改造し、記録
材A上に画出しし、未定着トナー画像を得た。
【0146】定着器としては、上ローラーとしてフッ素
系樹脂コートローラ、下ローラーとしてシリコンゴムロ
ーラからなり、オイル塗布機能を持たない外部定着機を
使用した。
【0147】上記定着器によりオイルを塗布せず定着試
験を行ったところオフセット現象を生じず、定着トナー
画像を得ることができた。さらにその画像は透明性を損
なわず、ワックス成分のしみ出し跡もなかった。
【0148】実施例7 記録材としてPET約100μm厚の基材層上にシリカ
をCVD法(化学蒸着法)により薄膜形成して、平均細
孔半径が26Åであり、BET比表面積が12m2 /g
である記録材Eを用いることを除いては実施例6と同様
にして画出しし、同様にして定着したところ、オフセッ
ト現象を生じず、定着トナー画像を得ることができた。
更にその画像は透明性を損なわず、ワックス成分のしみ
出し跡はなかった。
【0149】実施例8 ・ポリエステル 100重量部 ・パラフィンワックス 9重量部 ・フタロシアニン顔料 4.5重量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量
【0150】上記原料を実施例6と同様に混練、粉砕、
分級、外添し、キャリアと混合し青色現像剤を得た。
【0151】実施例6と同様に記録材A上に未定着トナ
ー画像を形成し、定着試験を行った。
【0152】その結果、ワックス成分のしみ出し跡はな
く透明性に優れた定着トナー画像を得ることができた。
【0153】実施例9 実施例6で用いた記録材Aに代えて、実施例4で用いた
記録材Cを用いることを除いて実施例6と同様にして画
出しし、同様にして定着したところ、オフセット現象を
生じず、定着トナー画像を得ることができた。更にその
画像は透明性を損なわず、ワックス成分のしみ出し跡は
なかった。
【0154】比較例2 実施例6で用いた青色現像剤に代えて、該青色現像剤に
おけるトナーのワックス成分を除いたトナーを有する青
色現像剤を用いることを除いては、実施例6と同様にし
て記録材Aに画出しし、同様にして定着したところ、オ
フセット現象を生じ、良好な定着トナー画像は得られな
かった。
【0155】実施例10 実施例6で用いた記録材Aのワックス成分吸収層の成膜
条件を変えてBET比表面積が0.09m2 /gの記録
材Fを得た。
【0156】実施例6で用いた記録材Aに代えて記録材
Fを用いることを除いては、実施例6と同様にして画出
しし、同様にして定着したところ、定着トナー画像の透
明性が若干低下したが実用に耐えゆる程度であった。
【0157】実施例11 2軸延伸した厚さ100μm、152℃の熱変形温度を
有する最高使用温度150℃のポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルムの基材層上に、温度160℃、
周波数(w)100rad/secにおける貯蔵弾性率
(G′)が8×104 dyn/cm2 であり、軟化点が
116℃であるポリエステル樹脂(溶解度パラメーター
約11)をアセトンに溶かした溶液をバーコート法によ
り塗布し、乾燥後の厚みが16μmになるように透明樹
脂層を形成した後、実施例3と同様にしてワックス成分
の吸収層を形成し記録材Gを得た。
【0158】温度160℃、周波数(w)100rad
/secにおける貯蔵弾性率(G′)が4×103 dy
n/cm2 であり、軟化点105℃を有するポリエステ
ル樹脂P2 (溶解度パラメータ約11)100重量部、
パラフィンワックス9重量部、イエロー着色剤3.5重
量部及び含クロム有機錯体4重量部を使用してイエロー
粉末トナーを調製した。イエロー粉末トナーの体積平均
粒径は12μmであり、温度160℃、周波数(w)1
00rad/secにおける貯蔵弾性率(G′)が8×
103 dyn/cm2 であり、軟化点は107℃であっ
た。
【0159】得られたイエロー粉末トナー100重量部
に対し疎水性コロイダルシリカ0.4重量部を外添しイ
エロートナーを得た。これらトナーとフッ素アクリル系
樹脂で被覆したフェライト粒子とを5:100の比率で
混合し黄色現像剤を得た。
【0160】図7に示す画像形成装置(加熱定着ローラ
161の表層はシリコーンゴムで形成され、加圧ローラ
162の表層は、フッ素系樹脂で形成されている。)に
上記黄色現像剤を用いて定着画像濃度が1.5(マクベ
ス反射濃度計)になるように画出しして、均一にイエロ
ートナー画像を形成し、上記で得られた記録材Gに転写
した。この黄色の未定着トナー画像を加熱定着ローラー
温度160℃、平均加熱時間25msec、加圧力3K
g/cm2 の条件で加熱加圧定着器で熱圧定着し、定着
イエロートナー画像を記録材Gに形成した。
【0161】得られた定着トナー画像はオフセットする
こともなく、さらにワックス成分のしみ出し跡もないき
れいな定着トナー画像であった。実際にオーバーヘッド
プロジェクターにて投影してみたところ大変鮮明な黄色
の透過光が得られ、かつきれいな黄色の投影画像が得ら
れ、本発明の記録材の効果が確認できた。
【0162】実施例12 マゼンタ着色剤を1.9重量部使用することを除いて、
実施例13と同様にして、体積平均粒径12μmのマゼ
ンタ粉末トナーを調製した。マゼンタ粉末トナーは温度
160℃、周波数(w)100rad/secにおける
貯蔵弾性率(G′)が6×103 dyn/cm2 であっ
た。
【0163】得られたマゼンタ粉末トナーを用いて実施
例11と同様にして赤色現像剤を調製し該赤色現像剤を
使用することを除いては、実施例11と同様にして記録
材Gに画出しし、同様にして定着したところ、得られた
定着画像はオフセットすることもなく、さらにワックス
成分のしみ出し跡もないきれいな定着トナー画像であっ
た。実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影して
みたところ大変鮮明な赤色の透過光が得られ、かつきれ
いな赤色の投影画像が得られ、本発明の記録材の効果が
確認できた。
【0164】実施例13 シアン着色剤を5.0重量部使用することを除いて、実
施例11と同様にして、体積平均粒径12μmのシアン
粉末トナーを調製した。シアン粉末トナーは温度160
℃、周波数(w)100rad/secにおける貯蔵弾
性率(G′)が1×104 dyn/cm2 であり、軟化
点は108℃であった。
【0165】得られたシアン粉末トナーを用いて実施例
11と同様にして青色現像剤を調製し、該青色現像剤を
使用することを除いては、実施例11と同様にして記録
材Gに画出しし、同様にして定着したところ、得られた
定着トナー画像はオフセットすることもなく、さらにワ
ックス成分のしみ出し跡もないきれいな定着トナー画像
であった。実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投
影してみたところ大変鮮明な青色の透過光が得られ、か
つきれいな青色の投影画像が得られ、本発明の記録材の
効果が確認できた。
【0166】実施例14 実施例11で用いた記録材Gのワックス成分の吸収層を
実施例4と同様の方法で形成し、PET約100μm厚
の基材層上に16μm厚のポリエステル樹脂コート層
(透明樹脂層)、さらにその上に8μm厚のアルミナ微
粒子及びポリビニルアルコールコート層(ワックス成分
の吸収層)が積層された記録材Hを形成した。記録材H
を用いることを除いては、実施例11と同様にして画出
しし、同様にして定着したところ、得られた定着トナー
画像はオフセットすることもなく、さらにワックス成分
のしみ出し跡もないきれいな定着トナー画像であった。
実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影してみた
ところ大変鮮明な黄色の透過光が得られ、かつきれいな
黄色の投影画像が得られ、本発明の記録材の効果が確認
できた。
【0167】実施例15 透明樹脂層に溶解度パラメータの値が10.5であり、
重量平均分子量が20000であり、温度160℃、周
波数(w)100rad/secにおける貯蔵弾性率
(G′)が5×104 dyn/cm2 であり、軟化点が
114℃のエポキシ樹脂をメチルエチルケトンに溶かし
た溶液を塗布し、乾燥後の厚みえを15μmとした透明
樹脂層を実施例11と同じPETフィルムの基材層上に
塗布し、さらに実施例1と同様にしてワックス成分の吸
収層を形成し、記録材Iを調製した。
【0168】得られた記録材Iを用いて定着画像濃度が
0.5になるようにすることを除いては、実施例11と
同様にして画出しし、定着したところ、得られた定着ト
ナー画像はオフセットすることもなく、さらにワックス
成分のしみ出し跡もないきれいな定着画像であった。実
際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影してみたと
ころ大変鮮明な黄色の透過光が得られ、かつきれいな黄
色の投影画像が得られ、本発明の記録材の効果が確認で
きた。
【0169】実施例16 実施例12で調製したマゼンタトナーを用いることを除
いては実施例15と同様にして定着画像濃度が0.5に
なるようにマゼンタカラートナーによる定着トナー画像
を記録材I上に形成した。
【0170】得られた定着トナー画像はオフセットする
こともなく、ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな
定着画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェクタ
ーにて投影してみたところ大変鮮明な赤色の透過光が得
られ、かつきれいな赤色の画像が得られ、本発明の記録
材の効果が確認できた。
【0171】実施例17 実施例13で調製したシアントナーを用いることを除い
ては実施例15と同様にして定着画像濃度が0.5にな
るようにシアンカラートナーによる定着トナー画像を記
録材I上に形成した。
【0172】得られた定着トナー画像はオフセットする
こともなく、さらにワックス成分のしみ出し跡もないき
れいな定着画像であった。実際にオーバーヘッドプロジ
ェクターにて投影してみたところ大変鮮明な青色の透過
光が得られ、かつきれいな青色の画像が得られ、本発明
の記録材の効果が確認できた。
【0173】実施例18乃至20 実施例11で使用したポリエステル樹脂コート層(透明
樹脂層)を有する記録材Gを使用することを除いては、
実施例15乃至17と同様にして画像濃度0.5のイエ
ロートナーによる定着トナー画像、マゼンタトナーによ
る定着トナー画像及びシアントナーによる定着トナー画
像をそれぞれ形成した。記録材Gは、トナーの結着樹脂
と同類のポリエステル樹脂を透明樹脂層に使用している
ので、実施例15乃至17と比較して、透過率がさらに
優れていた。
【0174】実施例21 実施例14で使用したポリエステル樹脂コート層(透明
樹脂層)及びアルミナ微粒子及びポリビニルアルコール
コート層(ワックス吸収層)を有する記録材Hを使用す
ることを除いては、実施例15と同様にして画像濃度
0.5のイエロートナーによる定着トナー画像を形成し
た。記録材Hはトナーの結着樹脂と同類のポリエステル
樹脂を透明樹脂層に使用しているので、実施例14と比
較して透過率がさらに優れていた。
【0175】実施例22 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮重合して得
られたシャープメルト性のポリエステル樹脂をトナーの
結着樹脂として使用した。ポリエステル樹脂の物性を下
記表1に示す。
【0176】
【表1】
【0177】上記ポリエステル樹脂100重量部及び下
記表2に記載の材料を用いて各色粉末トナーを調製し
た。
【0178】
【表2】
【0179】各色粉末トナーの物性を下記表3に示す。
【0180】
【表3】
【0181】得られた各色の粉末トナー100重量部に
対し、それぞれ疎水性コロイダルシリカ0.5重量部を
外添して調製した各色トナーと樹脂コートフェライトキ
ャリアとを5:100の比率で混合して各色現像剤を得
た。得られた各色現像剤及び図7に示す画像形成装置を
用いて実施例11で使用した記録材G上に実施例11と
同様にして多色のフルカラー定着トナー画像を形成し
た。フルカラー定着トナー画像を有する記録材GをOH
P装置に用いて投影したところ、スクリーン上に高精彩
なフルカラーの投影画像が写しだされ、かつワックスの
しみ出し跡は見られなかった。
【0182】実施例23 記録材Gに代えて実施例14で用いた記録材Hを用いる
ことを除いては、実施例22と同様にして画出しし、同
様にして定着してフルカラーの定着トナー画像を形成し
た。該記録材HをOHP装置に用いて投影したところ、
スクリーン上に高精彩なフルカラーの投影画像が写しだ
され、かつワックス成分のしみ出し跡も見られなかっ
た。
【0183】実施例24 前述の記録材Gのポリエステル樹脂層(透明樹脂層)を
実施例16で結着樹脂として使用したポリエステル樹脂
に代えて形成した透明樹脂層を有する記録材I(透明樹
脂層の厚さ16μm)を形成し、該記録材IをOHP用
フィルムとして使用した。
【0184】実施例16と同様にしてイエロートナー、
マゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーで形
成された多色トナー画像を形成し、下記表4に示す定着
条件で定着して混色することにより、フルカラーの定着
トナー画像を記録材Iに形成したところオフセットは発
生せずかつワックスのしみ出し跡はなかった。
【0185】
【表4】
【0186】
【発明の効果】本発明の記録材及び画像形成方法によれ
ば、記録材がトナーに含有されるワックス成分を吸収す
るための吸収層を有しているので、以下の効果を有す
る。 (1)ワックス成分を含有するトナーによって形成され
たトナー画像を定着しても、ワックス成分がしみ出して
くることがない。 (2)定着時にオイルの如き離型剤を使用する必要がな
いのでオイルによるベタ付き等が生じず品質の良好な画
像が得られる。 (3)定着した画像を有する記録材をOHP装置に映写
した際に、投影画像が全体的にグレーがかってしまうこ
となく、良好な色調再現性を有するカラー又はフルカラ
ーの投影画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録材の一具体例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の記録材の他の具体例を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の記録材の他の具体例を示す断面図であ
る。
【図4】本発明の記録材の他の具体例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明の記録材の他の具体例を示す断面図であ
る。
【図6】本発明に係るトナーの溶融特性を説明する図で
ある。
【図7】本発明の記録材が使用可能であり、かつ本発明
の画像形成方法を説明するための説明図である。
【図8】従来の記録材を用いて画像を形成した際に生じ
る問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
2 静電荷像担持体 8 転写ドラム 16 定着器 18Y、18M、18C、18Bk 現像器 31 基材 32 透明樹脂層 32B 透明樹脂層 33 接着層 A 基材 B 透明樹脂層 I 画像 P 記録材の進行方向 R 記録材 W ワックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/01 Z 7818−2H J 7818−2H 15/20 103 15/22 103 Z 6830−2H (72)発明者 千葉 建彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 稲葉 功二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 永塚 貴幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材表面に少なくともワックス成分を
    含有するトナーによりトナー画像を形成し、該トナー画
    像を定着し顕画像を得る画像形成用の記録材において、
    該記録材は基材層及び上記ワックス成分を吸収する吸収
    層を有することを特徴とする記録材。
  2. 【請求項2】 該吸収層は、懸濁重合法により得られた
    重合トナーが含有しているワックス成分を吸収する吸収
    層であることを特徴とする請求項1記載の記録材。
  3. 【請求項3】 該吸収層は、トナーの原料の混練、粉砕
    及び分級により得られたトナーが含有しているワックス
    成分を吸収する吸収層であることを特徴とする請求項1
    記載の記録材。
  4. 【請求項4】 該吸収層は、基材層上に積層されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の記録材。
  5. 【請求項5】 該吸収層は、透明樹脂から形成された透
    明樹脂層を介して基材層上に積層されていることを特徴
    とする請求項1乃至3記載の記録材。
  6. 【請求項6】 該吸収層は、9.5〜12.5の溶解度
    パラメーター及び温度160℃、周波数(w)100r
    ad/secにおける1×103 〜1×106 dyn/
    cm2 の貯蔵弾性率(G′)を有している透明樹脂から
    形成された透明樹脂層を介して基材層上に積層されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の記録材。
  7. 【請求項7】 該吸収層は、温度160℃、周波数
    (w)100rad/cm2 における貯蔵弾性率
    (G′)がトナーのそれよりも大きい透明樹脂から形成
    された透明樹脂層を介して基材層上に積層されているこ
    とを特徴とする請求項5記載の記録材。
  8. 【請求項8】 該吸収層は、無機微粒子を含有し、該吸
    収層の平均細孔半径Dが10Å〜200Åであることを
    特徴とする請求項1乃至7記載の記録材。
  9. 【請求項9】 該吸収層を有する記録材は、0.1〜3
    0m2 /gの比表面積を有することを特徴とする請求項
    1乃至7記載の記録材。
  10. 【請求項10】 ワックス成分を含有するトナーを用い
    て静電荷潜像担持体上の静電潜像を現像しトナー画像を
    静電荷潜像担持体上に形成する現像工程、記録材に該ト
    ナー画像を転写する転写工程及び記録材に転写されたト
    ナー画像を熱と圧力の作用で該記録材に定着する定着工
    程を有する画像形成方法において、該記録材は、基材層
    及び前記のワックス成分を吸収する吸収層を有してお
    り、該吸収層は、トナー画像を記録材に定着した際にト
    ナーに含有されるワックス成分を吸収することを特徴と
    する画像形成方法。
  11. 【請求項11】 該吸収層は、基材層上に積層されてい
    ることを特徴とする画像形成方法。
  12. 【請求項12】 該吸収層は、透明樹脂から形成された
    透明樹脂層を介して基材層上に積層されていることを特
    徴とする画像形成方法。
  13. 【請求項13】 該吸収層は、9.5〜12.5の溶解
    度パラメーター及び温度160℃、周波数(w)100
    rad/secにおける1×103 〜1×106 dyn
    /cm2 の貯蔵弾性率(G′)を有している透明樹脂か
    ら形成された透明樹脂層を介して基材層上に積層されて
    いることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方
    法。
  14. 【請求項14】 該吸収層は、温度160℃、周波数
    (w)100rad/cm2 における貯蔵弾性率
    (G′)がトナーのそれよりも大きい透明樹脂から形成
    された透明樹脂層を介して基材層上に積層されているこ
    とを特徴とする請求項12記載の画像形成方法。
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