JP3343869B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP3343869B2
JP3343869B2 JP15719193A JP15719193A JP3343869B2 JP 3343869 B2 JP3343869 B2 JP 3343869B2 JP 15719193 A JP15719193 A JP 15719193A JP 15719193 A JP15719193 A JP 15719193A JP 3343869 B2 JP3343869 B2 JP 3343869B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電潜像をトナーを用
いて現像して静電潜像担持体上にトナー画像を形成し、
記録材の表面に該トナー画像を転写し、該記録材の表面
のトナー画像を記録材に定着する画像形成方法に関し、
特に透明な積層フィルムを記録材として用いフルカラー
トナー画像を該記録材に形成する画像形成方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なフルカラーのトナー画像
形成方法について説明する。
【0003】静電潜像担持体である感光体ドラムの感光
体を一次帯電器によって均一に帯電し、原稿のマゼンタ
画像信号にて変調されたレーザー光により画像露光を行
い、感光体ドラム上に静電荷潜像を形成し、マゼンタ現
像器に保有されているマゼンタトナーで該静電荷潜像を
現像して、マゼンタトナー画像を形成する。次に搬送さ
れてきた記録材に転写帯電器によって前記の感光体ドラ
ムに現像されたマゼンタトナー画像を転写する。
【0004】一方、前記の記録材にトナー画像の転写を
行なった後の感光体ドラムは、除電用帯電器により除電
され、さらに、クリーニング手段によってクリーニング
された後、再び一次帯電器によって帯電され、同様にシ
アントナー画像の形成及び前記のマゼンタトナー画像が
転写されている記録材へのシアントナー画像の転写を行
ない、さらにイエロー色、ブラック色と順次同様に行な
って、マゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの4色
のトナー画像を記録材に転写する。該4色のトナー画像
を有する記録材を定着ローラに供給し熱及び圧力の作用
により記録材に定着することによりフルカラーの定着さ
れたトナー画像を形成する。
【0005】該カラーの定着されたトナー画像形成方法
に使用されるトナーは、熱を印加した際の溶融性及び混
色性が良いことが必要であり、さらに軟化点が低く、且
つ溶融粘度が低くシャープメルト性の高いことが好まし
い。
【0006】上記のシャープメルト性が高いトナーを使
用することにより、複写物の色再現範囲を広め、原稿像
に忠実なカラーコピーを得ることができる。
【0007】しかしながらこのようなシャープメルト性
の高いトナーは、定着ローラとの親和性が高く、定着時
に定着ローラにオフセットし易い傾向にある。
【0008】特にフルカラーのトナー画像形成方法にお
ける定着手段の場合、記録材上にマゼンタ、シアン、イ
エロー及びブラックと複数層のトナー層が形成されるた
め、特にオフセットが発生しやすい傾向にある。
【0009】したがって従来においては、定着ローラか
らトナーの離型性を向上させるため、定着ローラにシリ
コーンオイルの如き離型剤を塗布することが行なわれて
いる。しかしながらこのような画像形成方法において
は、以下のような問題が生じていた。
【0010】オイルの如き離型剤を定着ローラに塗付す
るため、装置本体の構成が複雑になるとともに、オイル
を塗付することにより定着ローラの短寿命化を促進する
という問題が生じる。
【0011】さらに近年多様な複写のニーズに伴ない、
記録材として例えばオーバーヘッドプロジェクター(O
HP)用のトランスペアレンシーフィルムの如き樹脂製
のフィルムを用いて定着したトナー画像を形成すること
が広く行なわれ始めているが、前述の如き定着時にオイ
ルを用いた定着方法によりトナー画像をフィルムに定着
した場合には、用いたオイルがフィルムの表面に付着さ
れてしまい、得られたトナー画像を受像するフィルムの
品質を大きく低下させていた。
【0012】したがって、上述の問題を解決した、定着
時にオイルの塗付を必要としない定着システムの確立及
びそれを達成するための新規なトナーの開発にかかる期
待は大なるものであった。
【0013】上記の課題に対してワックスの如き離型剤
を含有したトナーや懸濁重合法トナーが提案されている
(特公昭36−10231号公報)。この懸濁重合法は
重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤及びその他の添加剤)を均一に
溶解または分散せしめて単量体組成物を調製した後、こ
の単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相(例えば
水相)中に適当な攪拌機を用いて分散させると同時に重
合反応を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得
る方法である。
【0014】この懸濁重合法では、水の如き極性の大な
る分散媒中で単量体組成物の液滴を生成せしめるため、
単量体組成物に含まれる極性基を有する成分は水相との
界面である表層部に存在し易く、非極性の成分は表層部
に存在しにくいという、いわゆる擬似カプセル構造にな
る。この製法上の特徴を活用し、他のトナーの製造方法
である粉砕法では使用できない低融点のワックスを含有
させることが可能である。
【0015】重合法により得られたトナーは、この低融
点のワックスの内包化により、耐ブロッキング性と低温
定着という相反する性能を両立することが可能である。
すなわち、低融点ワックスが内包化されていることによ
り、耐ブロッキング性能を低下させることなく、低温で
溶融するワックスによりトナー中の熱伝導性が向上し、
その結果、低温定着が可能となる。さらに好ましいこと
には、定着時に溶解したワックスが離型剤としても働く
ため、定着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布するこ
となく、高温オフセットを防止することが可能となる。
【0016】しかしながらワックスを内包化した重合法
により得られたトナーも確かに定着時に有利な性能を発
揮するものの、記録材として透明なフィルムを用いた場
合には、定着後の画像の透明性が若干落ちてしまうこ
と、さらに離型剤として内包化したワックスが定着時
に、しみ出し画像上に流れ出すという新たな問題が生じ
てしまった。
【0017】すなわち、図3に示すようにトナー中に内
包化されているワックスが定着時の圧及び熱の作用によ
り溶け出し、ワックス吸収性能のない記録材Rである樹
脂製の透明なフィルム上を該フィルムの進行方向Pの後
ろ側に向かってしぼり出される様に流れてしまう為に、
定着された画像Iの後端方向にワックスWが流れ、OH
Pに使用する画像として不具合なものとなってしまって
いた。
【0018】このワックスの流れを防止する為にトナー
に含有されるワックスの量を減少させる事も考えられる
が、この方法ではトナーの離型性を減少させる事にな
り、かつ逆に充分な離型効果が得られる様にある程度以
上のワックスをトナーにさせる内包と、どうしても上記
の現象が避けられなくなってしまう。
【0019】これは、紙の様な記録材においては、紙自
身の吸収能力により、溶け出したワックスを紙が吸収す
るので、前述の様な品質の劣化は見られないが、OHP
フィルムのごとき樹脂製の記録材においては、吸収能力
がなく溶け出したワックスがそのまま表面に残り、非画
像部へ流れ出してしまうためのものである。
【0020】さらに、樹脂製の透明なフィルムの如き記
録材に定着したトナー画像を形成する場合には、記録材
上のトナー画像の光透過性が高いことが強く要求される
ため、通常の紙の如き記録材を用いる場合に比べて定着
スピードをより遅くしてトナーを充分に溶融させること
が、一般に良く行なわれている。
【0021】しかながら、この場合には、記録材上のト
ナーが定着時に、より顕著に定着ローラにオフセットさ
れやすくなる傾向にあるため、充分な離型効果を得るた
めには、紙の如き記録材にトナー画像を定着する場合よ
りも、トナーに内包化させるワックスの量は、多めに設
定しなければならない。
【0022】さらに、このようなワックスを内包化させ
たトナーを用いてトナー画像を形成する方法において
は、ワックス自身の結晶化に伴う白濁により、トランス
ペアレンシーフィルムの透明性が低下してしまうことが
確認されている。これは記録材上のトナー層中に内包化
されているワックスが定着ローラー通過時にトナー内部
よりしみ出し、しみ出したワックスがトナー画像表面に
あるいはその一部を覆ってしまい、ローラー通過後の温
度低下とともに結晶性が高まり、光透過性が極端に悪化
したものと考えられている。
【0023】そこである程度充分な量のワックスを内包
していても、透明性が損なわれずに、かつ樹脂製の透明
なフィルムの如き記録材への定着時にワックスの流れ跡
がでない様にする何らかの対策が急務となった。
【0024】一方、乾式現像方式を有する電子写真方式
を用いて、透明なフィルム上にカラートナー画像又はフ
ルカラートナー画像を形成し、OHP装置を用いて投影
した場合には、フィルム上の画像では十分な発色性を示
しているにもかかわらず、投影画像は全体にグレーの色
調を示すものとなり、色調再現範囲が非常に狭いものと
なってしまうという現象が生じる。この現象は平滑な透
明なフィルム上に形成された未定着のトナー画像が定着
時の加熱によって十分流動されず粒状性を保有している
為に投影時に入射光が散乱され、スクリーン上に陰影を
形成するからである。特に画像濃度が低い中間色調部分
においては、トナー粒子数の減少によりトナー中の染料
または顔料による吸収が下り、この吸収レベルがトナー
粒子の散乱による黒吸収レベルと等しくなる為、再現さ
れるべきカラー色調が灰色となってしまう。
【0025】普通紙の如き記録材上のトナー画像を目視
する場合は、定着したトナー画像に照射されている光の
反射画像を目視する為、トナー表面に多少粒状性が残っ
ていても画質への影響は少ない。しかし、OHP装置の
如く透過光でトナー画像を観察またはスクリーンに投影
する場合、トナー粒子に起因する残留形状が明白である
と光の散乱により、透光性が悪化してしまう。したがっ
て、OHP装置に用いる記録材は、定着後のトナーの粒
状性を減少させ、透光性を向上させ、さらには定着時の
定着ローラへのオフセットを減少させる効果を持つこと
が要求される。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決した画像形成方法を提供することを目的と
する。
【0027】本発明は、定着時にオイルを用いることな
く品質の優れた定着したトナー画像の得られる画像形成
方法を提供することを目的とする。
【0028】本発明は、透明性に優れた品質の良い定着
したカラートナー画像の得られる画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0029】本発明は、トナーに含有されているワック
ス成分が、トナー画像定着時に流れ出すことなく、品質
の良い定着したトナー画像の得られる画像形成方法を提
供することを目的とする。
【0030】本発明は、オーバーヘッドプロジェクター
(OHP)に用いた際に投影画像が全体的にグレーがか
ってしまうことなく、良好な色調再現性を有するカラー
又はフルカラーの投影画像の得られる定着したトナー画
像の得られる画像形成方法を提供することを目的とす
る。
【0031】本発明は、定着時のオフセット性の良好な
定着されたトナー画像の得られる画像形成方法を提供す
ることを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、以下
の構成により前記目的を達成した。
【0033】本発明は、静電潜像担持体における静電潜
像をワックス成分を含有するカラートナーを用いて現像
して静電潜像担持体上にトナー画像を形成し、記録材の
表面に該トナー画像を転写し、記録材の表面の該トナー
画像を該記録材に、オイルを塗布していない定着機によ
り熱及び圧力の作用により定着することによりフルカラ
ー画像を形成する画像形成方法において、該カラートナ
ーは、ワックス成分を含有するシアントナー、ワックス
成分を含有するマゼンタトナー、ワックス成分を含有す
るイエロートナー、及びワックス成分を含有するブラッ
クトナーであり、該記録材は、基材層及び各カラートナ
ーが含有しているワックス成分を吸収するためのワック
ス成分吸収層を有する積層フィルムによって構成され、
該ワックス成分吸収層は、該ワックス成分の結晶成長を
阻害する樹脂として、(i)ジエン成分を含有する樹
脂、又は、(ii)α−オレフィンと、極性基或いは芳
香族基を有するビニル系モノマーとのランダム共重合体
又はブロック共重合体を含んでおり、かつ、該ワックス
成分吸収層は、該記録材にトナー画像を定着する際に
ラートナーが含有しているワックス成分を吸収すること
を特徴とする画像形成方法に関する。
【0034】本発明で使用のトナーは、トナー内部にワ
ックス成分を多量に内包化しているため、定着時に融解
したワックスが離型剤として効果的に働き、そのため定
着ローラーにオイルの如き離型剤を塗布することなく、
高温オフセットを防止することが可能となった。
【0035】しかしながら、記録材に透明なフィルムを
用いた際、定着後の画像の透明性が極端に落ちてしまう
ことが確認されている。
【0036】これは定着時にトナー内部よりしみ出した
ワックスが画像表面あるいは画像表面の一部を覆ってし
まい、定着手段通過後の温度低下とともにワックスの結
晶性が高まり光透過性が極端に悪化してしまったためで
あるが、本発明者らは、上記構成の記録材を用いること
によってこの問題を解決した。
【0037】本発明に用いられる記録材の具体的な態様
を以下に順次説明する。
【0038】本発明に用いられる記録材は、基材層及び
該基材層の表面側にトナーが含有しているワックス成分
を吸収するための合成樹脂製のワックス成分吸収層を有
するラミネートフィルムによって構成される。
【0039】本発明においては、ワックス成分吸収層と
しては、ワックス成分の結晶成長を阻害する樹脂で形成
することが必要である。
【0040】本発明においては、後述する実施例1に記
載の手順に従って測定したワックス成分吸収層を形成す
る樹脂の光透過率の向上率が20%以上の樹脂(すなわ
ち、基材層にワックス成分吸収層を形成した記録材
(i)と基材層にワックス成分吸収層を形成していない
記録材(ii)との各々にワックス成分を含有するトナ
ーを用いたトナー画像定着し、定着された記録材(i)
の光透過率が、定着された記録材(ii)の光透過率に
比較して20%以上向上することが可能なワックス成分
吸収層を形成する樹脂)をもってワックス成分の結晶成
長を阻害する樹脂とする。
【0041】このワックス成分の結晶成長を阻害する樹
脂でワックス成分吸収層を形成することにより、ワック
ス成分の結晶成長が抑えられ、よって記録材の透明性を
向上させることができる。
【0042】一般に言われているところのいわゆるワッ
クスなるものは、冷却されると結晶が析出し、やがて大
きな板状の結晶にまで成長する。さらにこの板状結晶が
互いに絡み合って3次元的な網目構造を形成し巨大結晶
になると言われている。
【0043】当然かかる結晶性の高いワックス成分が定
着画像表面を覆っていれば入射光は散乱され、記録材に
定着されているフルカラー画像は全体にグレーがかった
色再現性に乏しいものになってしまう。
【0044】この様な作用機構から考えると、フィルム
の透明性を高めるためにはワックスの結晶成長を抑えて
やれば良いことになる。いわゆる結晶成長は似たものど
うしが寄り集まって起こるものであるから、この成長を
阻害するには、結晶ができ始めた時点、すなわち定着手
段通過直後の小さな結晶種の時に他の物質で覆ってしま
う、あるいは他の物質に取り込んでしまうと言うような
手段でワックスの結晶種表面の性質を改質してしまえば
良いことになる。
【0045】本発明者らは上記の考えを基にワックスと
の絡み合いの大きな物質を探索した。その結果、第1
に、ワックス成分の結晶成長を阻害する樹脂として、ワ
ックス成分と親和性を有する非極性樹脂、例えば分子構
造中に官能基を持たない不飽和の樹脂を用いることによ
り、ワックスの結晶成長を著しく低下せしめ、ワックス
成分を含有するトナーを用いたトナー画像の定着後の記
録材の透明性が向上することを本発明者らは見い出し
た。
【0046】分子構造中に官能基を持たないことにより
ワックス成分の親和性が向上し、さらに不飽和の結合部
を有することによりワックス成分の結晶成長を低下させ
ることができるためワックス成分の結晶成長を効果的に
阻害することが可能となる。
【0047】このような樹脂としては、例えばジエン成
分を含有する樹脂が挙げられるが、何らこれのみに限定
されるものではない。
【0048】さらに、ワックス成分吸収層を形成する樹
脂としては、好ましくは、トナー定着時に著しく熱変形
を起こさない程度の耐熱性を有していることが良い。
【0049】ジエン成分を含有する樹脂としては、例え
ば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(1−クロ
ロ−1−ブチレン)、ポリ(オクタクロロ−4−メチル
−1−ブチレン)、ポリ(4−メチルオキシ−1−ブチ
レン)、ポリ(1−フェニル−1−ブチレン)、ポリビ
ニルエチレン、ポリ(メトキシカルボニル−3−メチル
−1−ブチレン)、ポリ(1,2−ジメチル−1−ブチ
レン)、ポリ(1−t−1−ブチレン)が挙げられ、さ
らにこれらの重合体を構成するジエン成分を含有する重
合性単量体と、以下に示すビニル系の重合性単量体との
共重合体であっても良く、さらに上記のジエン成分を含
有する樹脂と、以下に示すビニル系の重合性単量体を用
いた重合体とを混合して用いることもできる。
【0050】上記の使用可能なビニル系の重合性単量体
としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシス
チレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、
アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如
きアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エ
ステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ア
クリルアミドの如きその他の単量体が挙げられるが、特
に何らこれに限定されるものではない。
【0051】これらの単量体はジエン系単量体に対して
単独で用いて二元のジエン系共重合体として、又は複数
組合せて三元以上のジエン系共重合体として使用しても
良い。さらにポリジエン系化合物のマレイン化処理、フ
ェノール化処理、エポキシ化処理の如く化学変性を行っ
た変性物でも良い。
【0052】第2にワックス成分の結晶成長を阻害する
樹脂として、分子構造の中にワックスと同じような構造
であるメチレン連鎖や長鎖アルキル基の如き非極性基
と、ワックスとは異なる構造である極性基あるいは芳香
族基の両基を持っている樹脂、例えばα−オレフィン
と、極性基或いは芳香族基を有するビニル系モノマーと
のランダム共重合体又はブロック共重合体を用いること
により、ワックスの結晶成長を著しく低下せしめ、ワッ
クス成分を含有するトナーを用いたトナー画像の定着後
の記録材の透明性が向上することを本発明者らは見い出
した。
【0053】このα−オレフィンと、極性基或いは芳香
族基を有するビニル系モノマーとのランダム共重合体又
はブロック共重合体としては、具体的には、下記(a)
及び(b)の樹脂が挙げられる。
【0054】(a)α−オレフィン−マレエート共重合
体もしくはα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体 (b)エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはエチレン
−アクリレート共重合体 本発明において、ワックス成分吸収層を形成する樹脂成
分の融点はトナーが含有しているワックス成分の融点よ
りも大きく、かつその温度差は100℃以下であること
が好ましい。
【0055】トナーが含有しているワックス成分の融点
よりもワックス成分吸収層を形成する樹脂成分の融点の
方が低い場合には、記録材上に形成した画像の定着時に
おける、記録材基材とワックス成分吸収層の熱安定性が
不良となり、ワックス成分吸収層の記録材基材からの剥
離が生じ易い。
【0056】さらにワックス成分吸収層を形成する樹脂
成分の融点とトナーが含有しているワックス成分の融点
の差が100℃を超える場合、ワックス成分吸収層のワ
ックス成分の吸収能力が低下し、定着されたトナー画像
を有する記録材の透明性が劣化する。
【0057】本発明における、記録材表面のワックス成
分吸収層を形成する樹脂及びトナーが含有しているワッ
クス成分の融点の測定は、DSC測定による最大吸熱ピ
ークの温度とした。
【0058】DSC測定条件としては、昇温速度10℃
/minで−20℃から250℃で行い、その後250
℃で5minホールドさせ、次いで−10℃/minで
降温させたときのDSCカーブより、融点の測定を行っ
た。測定装置としては、パーキンエルマー(株)社製の
DSC−7を用いた。
【0059】ワックス吸収層を形成する樹脂の分解温度
が250℃以下のものに関しては、それ以下の温度で降
温させDSCの測定を行った。
【0060】本発明に用いられる記録材を図1を用いて
具体的に説明する。
【0061】図1において、Aは記録材透明樹脂製のラ
ミネートフィルムの基材層としてのベースフィルムを示
し、ベースフィルムAは、熱定着または熱圧定着時の加
熱によって著しい熱変形を起こさない耐熱性を有する必
要がある。ベースフィルムAはASTMD648に記載
されている4.6Kg/cm2 の測定条件で、好ましく
は145℃以上(好ましくは、150℃以上)の熱変形
温度を有するものが良い。具体的には、ベースフィルム
Aとして、上記の測定温度で145℃以上の熱変形温度
を有し、最高使用温度が100℃以上の耐熱性を有する
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステ
ル、ポリアミドまたはポリイミドが例示される。これら
の中でも、ポリエチレンテレフタレートが耐熱性及び透
明性の点で特に好ましい。ベースフィルムAの厚さは定
着時の加熱によってフィルムが柔らかくなった時にもシ
ワを発生しない厚みが必要であり、ポリエチレンテレフ
タレートの場合50μm以上あれば良い。透明フィルム
であっても厚みが増大すると透光率が低下する為、ベー
スフィルムAの層厚は好ましくは50〜300μm、よ
り好ましくは70〜200μm、さらに好ましくは70
〜150μmが良い。
【0062】本発明の記録材のベースフィルムAの表面
にワックス成分吸収層Bを形成する方法としては、メタ
ノール、エタノールの如きアルコール、またはメチルエ
チルケトン、アセトンの如きケトン類からなる揮発性有
機溶剤にワックス成分吸収層Bを形成するための樹脂を
溶解し、バーコート法、ディップ法、スプレー法、スピ
ンコート法の如きコーティング方法で透明ベースフィル
ムAの表面に塗布し、乾燥する方法がある。場合によっ
ては、ワックス成分吸収層BとベースフィルムAとの密
着性を上げ、定着時及び定着後に、定着トナー画像がベ
ースフィルムAから剥離しないよう、ベースフィルムA
の表面をプラズマ処理或はコロナ放電処理の如き表面処
理を行うことや、ベースフィルムAとワックス成分吸収
層Bとに対して相溶性を有し且つ耐熱性が高く、定着時
の加熱で溶融しない接着層を設けても良い。接着層とし
て用いることが可能な樹脂としてポリエステル樹脂、ア
クリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、ス
チレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エステル共重合体の如き樹脂が挙げられる。
【0063】ワックス成分吸収層Bの層厚は、用いられ
るトナー粒径によっても若干異なるが最低でも0.5μ
mの厚さが必要である。この厚さが0.5μm未満の吸
収層厚では充分に離型性を発揮するための必要最低量の
ワックスの結晶化を充分に阻害しにくくなり、30μm
を超える厚みになると加熱定着時に溶融樹脂量が多くな
り画像のボケや歪を生じやすくなり、さらにトランスペ
アレンシーシート自身の透明性も低下しやすい。
【0064】よって、本発明に用いられる記録材ワック
ス成分の吸収層厚は、好ましくは0.5μm〜30μ
m、より好ましくは1μm〜20μm、さらに好ましく
は1μm〜10μmが良い。
【0065】次に本発明の画像形成方法に使用するトナ
ーについて説明する。
【0066】カラー電子写真装置に使用されるトナー
は、熱を印加した際の溶融性及び混色性が良いことが必
要であり、軟化点が低く、定着温度における貯蔵弾性率
が低く、シャープメルト性のトナーを使用することが好
ましく、粉砕法トナー又は重合トナーが使用される。
【0067】本発明で用いられる粉砕法トナーは、混
練、粉砕及び分級により得られたトナーを使用すること
ができる。トナーの結着樹脂に用いられる重合体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸の如き酸類
及びそのエステル類;ポリエステル;ポリスルホネー
ト;ポリエーテル;ポリウレタンの如き単量体を重合し
て得られた樹脂又はそれらの単量体を2種以上共重合し
て得られた樹脂を用いることができる。これらの樹脂と
ワックス成分を含め他のトナー構成材料を熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機によって良く
混練した後、機械的な粉砕及び分級によって得ることが
できる。
【0068】このようなトナー構成成分の混練、粉砕及
び分級によって得られたトナーにおいては、トナーの重
量を基準として、好ましくは0.1〜10重量%、より
好ましくは0.5〜7重量%ワックス成分を含有してい
ることが良い。該含有量が0.1重量%未満の場合に
は、ワックス成分による定着時のトナーの離型効果が少
なく、含有量が10%重量を超える場合には、トナー中
へのワックス成分の均一分散性が低く、ワックス成分の
偏存が生じやすい。
【0069】本発明で用いられる重合トナーは以下の如
き方法にて得られる。
【0070】重合性単量体中に離型剤、着色剤及び荷電
制御剤の如き添加剤を加え、離型剤が溶解、又は融解す
るまで加温し、ホモジナイザー又は超音波分散機の如き
混合機によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成
物を、分散安定剤を含有する単量体系と略同温の水相中
に通常の撹拌機、又はホモミキサー又はホモジナイザー
の如き混合機により分散せしめる。好ましくは単量体液
滴が所定のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下の
粒径を有するように撹拌速度及び撹拌時間を調整し、そ
の後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、
且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
重合温度は離型剤の析出温度以下の温度に設定して重合
開始剤を添加し、重合を行う。反応終了後、生成したト
ナー粒子を洗浄し、濾過により回収して乾燥する。懸濁
重合法においては、通常単量体組成物100重量部に対
して水300〜3000重合部を分散媒として使用する
のが好ましい。
【0071】上記の重合トナーに使用できる重合性単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n
−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸
フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタク
リル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステ
ル類;その他アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミドの如き単量体が挙げられる。
【0072】これらの単量体は単独で、又は2種以上を
混合して使用し得る。上述の単量体の中でも、スチレン
又はスチレン誘導体を単独で、又は他の単量体と混合し
て使用することがトナーの現像特性、及び耐久性の点か
ら好ましい。
【0073】上記の重合トナーの製造時に用いられる分
散媒は、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチ
ルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン、リン
酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸バリウム及びベント
ナイトの如き安定化剤を水相に分散させて使用できる。
この安定化剤は、重合性単量体100部に対して、0.
2〜20重量部を使用することが好ましい。
【0074】これら安定化剤を微細に分散させる為に、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を使用してもよ
い。この界面活性剤は、分散安定化剤の所期の作用を促
進する為のものであり、その具体例としては、ドデシル
ベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ
ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリ
ウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、
ステアリン酸カリウム及びオレイン酸カルシウムが挙げ
られる。
【0075】単量体組成物には、添加剤としては極性基
を有する重合体又は共重合体を添加して重合することが
より好ましい。更に、本発明においては、極性基を有す
る重合体、共重合体又は環化ゴムを添加した単量体組成
物を、該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた
水相中に懸濁させ重合することが好ましい。即ち、単量
体組成物中に含まれるカチオン性の重合体、共重合体又
は環化ゴム又はアニオン性の重合体、共重合体、又は環
化ゴムは水相中に分散している逆荷電性のアニオン性、
又はカチオン性の分散剤と重合進行中のトナーとなる粒
子表面で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆う
ことにより粒子同士の合一を防ぎ安定化せしめると共
に、重合時に添加した極性重合体がトナーとなる粒子表
層部に集まる為、一種の殻のような形態となり、得られ
た粒子は擬似的なカプセル構造となる。極性基を有する
比較的高分子量の重合体、共重合体又は環化ゴムを用
い、トナー粒子にブロッキング性及び耐オフセット性の
優れた性質を付与する一方で、内部では比較的低分子量
で定着特性向上に寄与するように重合を行うことによ
り、定着性とブロッキング性という相反する要求を満足
するトナーを得ることができる。本発明に使用できる極
性基を有する重合体及び共重合体及び逆荷電性分散剤を
以下に例示する。 (1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの
如き含窒素単量体の重合体もしくは該含窒素単量体と、
スチレン又は不飽和カルボン酸エステルとの共重合体が
挙げられる。 (2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリルの
如きニトリル系単量体、塩化ビニルの如き含ハロゲン系
単量体、アクリル酸又はメタクリル酸の如き不飽和カル
ボン酸、その他不飽和二塩基酸、不飽和二塩基酸無水
物、ニトロ系単量体の重合体もしくはそれらとスチレン
系単量体との共重合体が挙げられる。
【0076】これら極性重合体のかわりに環化ゴムを使
用しても良い。 (3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が挙げ
られ、特に、BET比表面積が200m2 /g以上のコ
ロイダルシリカが好ましい。 (4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が20
0m2 /g以上)の如き親水性正帯電性シリカ微粉末又
は水酸化アルミニウムが挙げられる。
【0077】このような分散剤は、重合性単量体100
重量部に対して、好ましくは0.2〜20重量部、より
好ましくは0.3〜15重量部使用するのが良い。
【0078】本発明おいては、トナーの帯電性を制御す
る目的でトナー中に荷電制御剤が添加されていることが
好ましい。これらの荷電制御剤としては、公知のものの
うち、重合阻害性及び水相移行性の殆ど無いものを用い
ることができる。正荷電制御剤としては例えば、ニグロ
シン系染料、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニ
ウム塩、アミン系化合物及びポリアミン系化合物が挙げ
られ、負荷電制御剤としては、例えば含金属サリチル酸
系化合物、含金属モノアゾ染料系化合物、スチレン−ア
クリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体が
挙げられる。
【0079】本発明で用いられるトナーに含有される着
色剤としては、公知のものが使用でき、例えばカーボン
ブラック;鉄黒;C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アッシドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソル
ベントレッド52、C.I.ダイレクトブルー1、C.
I.ダイレクトブルー2、C.I.アッシドブルー9、
C.I.アッシドブルー15、C.I.ベーシックブル
ー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダン
トブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.
ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6
の如き染料;黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファ
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウム
レッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッド
カルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバ
イオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルー
レーキ、キナクリドン、ジスアゾ系のイエロー顔料、フ
タロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ピグメ
ントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナ
ルイエローグリーンGの如き顔料が挙げられる。本発明
において重合法を用いてトナーを得る場合には、着色剤
の持つ重合阻害性や水相移行性に注意を払う必要があ
り、好ましくは表面改質、例えば重合阻害のない物質に
よる疎水化処理の如く、表面改質を施しておいたほうが
良い。
【0080】本発明で用いられるトナーに含有される離
型剤としてのワックスは、例えばパラフィン系ワック
ス、ポリオレフィン系ワックス及びこれらの変性物(例
えば酸化物やグラフト処理物)、高級脂肪酸及びその金
属塩、アミド系ワックス及びエステル系ワックスが挙げ
られるが何らこれに限定するものではない。
【0081】本発明で用いられるトナーに含有されるワ
ックスの融点は、30〜150℃であるのが好ましく、
より好ましくは40〜140℃が良い。融点が30℃よ
り低い場合、トナーの耐ブロッキング性及び保形性が充
分ではなく、150℃より高い場合、離型性の効果が充
分ではない。
【0082】融点はDSCによる最大吸熱ピークの温度
より算出した。
【0083】本発明で用いられるトナーに含有されるワ
ックスの融解熱量ΔHは50〜250J/gであること
が好ましい。
【0084】この様なワックスは、重合性単量体100
重量部に対して0.1〜50重量部用いるのが好まし
く、より好ましくは1〜45重量部、さらに好ましくは
5〜40重量部が良い。ワックスが0.1重量部より少
ない場合、離型性の効果が少なく、50重量部より多い
場合、製造安定性が低下すると共に耐ブロッキング性及
び保存安定性も低下する傾向にある。
【0085】重合開始剤としては、例えば2,2′−ア
ゾビス−(2,4−ジメチルパレロニトリル)、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2′
−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系又は
ジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチル
エチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシ
カーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジ
クロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ
ドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。さらに、
レドックス開始剤として、先に挙げた過酸化物と、ジメ
チルアニリン、メルカプタン類、第三アミン類、鉄(I
I)塩、亜硫酸水素ナトリウムの如き還元剤とを組み合
わせて用いることができる。
【0086】これら重合開始剤は所望の分子量を得るた
めに好適に使用されるが、一般には、重合性単量体の
0.1〜10重量%の添加量で充分である。
【0087】本発明における離型剤、重合開始剤及び重
合温度について更に詳しく述べる。
【0088】離型剤としては例えばパラフィンワックス
の如く一般に融点又は軟化点の低いワックスを用いた場
合には、重合性単量体組成物から離型剤が析出する温度
が低くなるため、重合温度も低くなる。このような場合
はレドックス開始剤、又は例えば2,2′−アゾビス−
4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリルの如き
半減期の短い開始剤を用いるのが好ましい。
【0089】ポリオレフィンワックスの如く融点又は軟
化点の高いワックス離型剤として用いた場合には、重合
性単量体組成物中に該離型剤を溶解又は融解させるため
にはオートクレープを用いるのが好ましく、さらに該離
型剤の析出温度は前述のパラフィンワックスの如く融点
又は軟化点の高いワックスの場合に比べ、比較的高いの
で、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチレートの
如き重合性開始剤を用いるのが好ましい。
【0090】本発明のトナーには、各種特性の付与を目
的として、公知の添加剤を添加しても良い。添加剤はト
ナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積
平均粒径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子
の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これ
ら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば以下の
ようなものが用いられる。 1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アル
ミニウム、酸化チタン)、カーボンブラック、フッ化カ
ーボン。これには疎水化処理を行ったものがより好まし
い。 2)研磨剤:金属酸化物(酸化セリウム、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化クロムなど)、窒化物
(窒化ケイ素など)、炭化物(炭化ケイ素など)、金属
塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
チタン酸ストロンチウムなど)。 3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレンなど)、脂肪酸金属塩(ステア
リン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど)。 4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウムなど)、
カーボンブラック。
【0091】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、好ましくは0.1〜10重量部の範囲で用いれ
ば良く、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で用い
ることが良い。これら添加剤は単独で用いても、又、複
数併用しても良い。
【0092】次に本発明に係るカラー画像形成方法に関
して説明する。
【0093】図2は本発明に係るフルカラー画像を形成
し得る電子写真装置の概略的断面図を示す。図面上、装
置本体100の右側(図2右側)から装置本体100の
略中央部に亘って設けられている記録材搬送系Iと、装
置本体100の略中央部に、前記記録材搬送系Iを構成
している転写ドラム8に近接して設けられている潜像形
成部IIと、前記潜像形成部IIと近接して配設されて
いる現像手段(即ち回転式現像装置III)とに大別さ
れる。前述した記録材搬送系Iは、前記装置本体100
の右側(図2右側)に形成されている開口部に対して着
脱自在な記録材供給用トレイ101及び102と、該ト
レイ101及び102の略直上部に配設された給紙用ロ
ーラ103及び104と、これら給紙用ローラ103及
び104に近接して配設され給紙ローラ106を備えた
給紙ガイド4A、4bと、前記給紙ガイド4bと近接し
て設けられ、外周面近傍に回転方向上流側から下流側に
向って当接用ローラ7、グリッパ6、記録材分離用帯電
器12、分離爪14が配設されているとともに、内周側
に転写帯電器9、転写材分離用帯電器13が配設されて
いる。図2矢印方向に回転自在な転写ドラム8と、前記
分離爪14と近接して設けられている搬送ベルト手段1
5と、該搬送ベルト手段15の搬送方向終了端側に近接
して配設され装置本体100外へと延在する装置本体1
00に対して着脱自在な排出用トレイ17と近接してい
る定着器16とから成る。
【0094】前記潜像形成部IIは、外周面が前記転写
ドラム8の外周面と当接して配設されているとともに図
2矢印方向に回転自在な静電潜像担持体(即ち感光体ド
ラム2)と、該感光体ドラム2の外周面近傍に該感光体
ドラム2の回転方向上流側から下流側に向って配設され
ている除電用帯電器10、クリーニング手段11、一次
帯電器3及び前記感光体ドラム2の外周面上に静電潜像
を形成するためのレーザービームスキャナのごとき像露
光手段とポリゴンミラーのごとき像露光反射手段を具備
している。前記回転式現像装置IIIは、回転自在な筐
体(以下「回転体」という)4aと、該回転体4a中に
夫々搭載され前記感光体ドラム2の外周面と対向する位
置にて前記感光体ドラム2の外周面上に形成された静電
潜像を可視化(即ち現像)するように構成されているイ
エロー現像器4Y、マゼンタ現像器4M、シアン現像器
4C及びブラック現像器4BKとを有している。
【0095】上述したごとき構成の画像形成装置全体の
シーケンスについて、フルカラーモードの場合を例とし
て説明する。前述した感光体ドラム2が図2矢印方向に
回転すると、該感光体ドラム2上の感光体は一次帯電器
3によって均等に帯電される。一次帯電器3による感光
体に対する均等な帯電が行われると、原稿(図示せず)
のイエロー画像信号にて変調されたレーザー光Eにより
画像露光が行われ、感光体ドラム2上に静電潜像が形成
され、回転体4aの回転によりあらかじめ現像位置に定
置されたイエロー現像器4Yによって前記静電潜像の現
像が行われる。
【0096】給紙ガイド4A、給紙ローラ106、給紙
ガイド4bを経由して搬送されてきた記録材は、所定の
タイミングにてグリッパ6により保持され、当接用ロー
ラ7と該当接用ローラ7と対向している電極とによって
静電的に転写ドラム8に巻き付けられる。転写ドラム8
は感光体ドラム2と同期して図2矢印方向に回転してお
り、イエロー現像器4Yで現像された顕画像は、前記感
光体ドラム2の外周面と前記転写ドラム8の外周面とが
当接している部位にて転写帯電器9によって転写され
る。転写ドラム8はそのまま回転を継続し、次の色(図
2においてはマゼンタ)の転写に備える。
【0097】感光体ドラム2は、前記除電用帯電器10
により除電され、クリーニング手段11によってクリー
ニングされた後、再び一次帯電器3によって帯電され、
次のマゼンタ画像信号により前記のような像露光を受け
る。前記回転式現像装置は、感光体ドラム2上に前記像
露光によってマゼンタ画像信号による静電潜像が形成さ
れる間に回転して、マゼンタ現像器4Mを前述した所定
の現像位置に定置せしめ、所定のマゼンタ現像を行う。
引続いて、上述したごときプロセスをそれぞれシアン色
およびブラック色に対しても実施し、4色分の転写が終
了すると、記録材上に形成された多色顕画像は各帯電器
12、13により除電され、前記グリッパ6による転写
材の把持が解除されると共に、該記録材は分離爪14に
よって転写ドラム8より分離され、搬送ベルト15で定
着器16に送られ、熱と圧力により定着され一連のフル
カラープリントシーケンスが終了し、所要のフルカラー
プリント画像が形成される。
【0098】定着器16は、加熱定着ローラ161、及
び加圧ローラ162を具備している。加熱ローラ161
はシリコーンゴムの如き離型特性の優れた表層を有して
いることが好ましい。加圧ローラ162の表層はフッ素
系樹脂で形成されていることが好ましい。
【0099】以下実施例に基づいて、本発明を具体的に
説明する。
【0100】
【実施例】実施例1 イオン交換水709重量部に0.1M−Na3 PO4
溶液451重量部を投入し、60℃に加温した後、TK
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,00
0rpmにて攪拌した。これに1.0M−CaCl2
溶液67.7重量部を徐々に添加し、Ca3 (PO4
2 を含む分散媒体を得た。
【0101】スチレン 170重量部 2エチルヘキシルアクリレート 30重量部 パラフィンワックス(融点75℃) 60重量部 C.I.ピグメントブルー15:3 10重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体
5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部 上記処方のうち、C.I.ピグメントブルー15:3と
ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物とスチレン
だけをエバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて予備
混合を行った。次に上記処方すべてを60℃に加温し、
溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保
持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビスイソブ
チレート10重量部を加えて溶解し、単量体組成物を調
製した。
【0102】前記ホモミキサーの2リットルフラスコ中
で調製した分散媒に、上記単量体組成物を投入した。6
0℃で、窒素雰囲気としたTK式ホモミキサーを用いて
10000rpmで20分間攪拌し、単量体組成物を造
粒した。その後バドル攪拌翼で攪拌しつつ60℃で3時
間反応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0103】重合反応終了後、反応生成物を冷却し、塩
酸を加えてCa3 (OP42 を溶解し、濾過・水洗乾
燥することにより、重合トナーを得た。
【0104】得られたトナーの粒径をコールターカウン
ターで測定したところ、重量平均径8.2μmでシャー
プな粒度分布を有していた。さらに、粒子の断面を染色
超薄切片法により透過型電子顕微鏡で観察したところ、
スチレン−アクリル樹脂を主体とする表層部とワックス
を主体とする中心部に分かれており、カプセル構造が確
認できた。
【0105】得られたトナー100重量部に対して、B
ET法による比表面積が200m/gである疎水性シ
リカ0.7重量部を外添した。このトナー7重量部に対
し、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体で表面被覆
したCu−Zn−Fe系フェライトキャリア93重量部
を混合し、青色現像剤とした。
【0106】この現像剤を用いて市販のフルカラー複写
機(CLC−500キヤノン製)を用いて画出しした。
現像条件は温度23℃/湿度65%RHの環境下で現像
コントラスト320Vで行った。
【0107】ポリエチレンテレフタレート(以下PE
T)よりなる約70μmの耐熱性樹脂製の基材層上にワ
ックス成分吸収層として、ポリブタジエン(融点140
℃)を乾燥膜厚が5μmになる様にバーコート法により
塗工し、125℃で5分間乾燥炉内で乾燥した記録材A
を調製した。
【0108】この記録材Aを用いてCLC−500の改
造機で現像、転写させただけの上記記録材A上の未定着
画像を外部定着機(定着ローラはフッ素系ソフトローラ
とし、加圧ローラーはシリコーン系のローラー)にてオ
イル塗布せずに定着した。
【0109】得られた定着画像はオフセットすることも
なく、ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな透明画
像であった。実際にオーバーヘッドプロジェクターにて
投影してみたところ、大変きれいなシアン色の投影画像
が得られた。
【0110】下記の樹脂の光透過率の向上率(%)の測
定方法に従って測定された、上記のワックス成分吸収層
を形成したポリブタジエン(融点140℃)の光透過率
の向上率は64.4%であった。
【0111】(樹脂の光透過率の向上率(%)の測定方
法) (画像サンプルの調製)ポリエチレンテレフタレートで
形成された70μmの耐熱性樹脂製の基材層上にワック
ス吸収層を形成する樹脂を乾燥膜厚が5μmとなるよう
にバーコート法により塗工し100℃で5分間乾燥炉内
で乾燥し、基材層上にワックス吸収層を有する記録材を
作成し、これを記録材(i)とする。
【0112】ポリエチレンテレフタレートで形成された
70μmの耐熱性樹脂製の基材層上にワックス吸収層を
形成しない記録材を記録材(ii)とする。
【0113】上記の実施例1で調製した青色現像剤を用
いて、実施例1に従って画出しし、上記の記録材(i)
及び記録材(ii)の各々に定着して画像サンプル
(i)及び画像サンプル(ii)を作成する(このとき
定着前の記録材上のトナー量を0.75mg/cm
にする)。
【0114】(光透過率の測定)光透過率の測定は、島
津自記分光光度計UV2200(島津製作所製)を使用
し、記録材をレファレンスとし(転写剤単独の透過率を
100%とし)、測定波長500nmでの上記の画像サ
ンプル(i)及び(ii)の光透過率(i)及び(i
i)を各々測定する。
【0115】(光透過率の向上率(%)の算出)下記式
に基づいてワックス吸収層を形成する樹脂の光透過率の
向上率(%)を算出する。
【0116】
【外1】
【0117】実施例2 記録材として、PET約100μm厚の基材層上にワッ
クス成分吸収層として、ポリイソプレン(融点125
℃)を乾燥膜厚が5μmになる様にバーコート法により
塗工し、100℃で5分間乾燥炉内で乾燥した記録材B
を用いた以外は、実施例1と同様の複写機、現像条件
下、実施例1の現像剤を用いて画出し、定着を行った。
【0118】その結果、実施例1と同様にワックスのし
み出し跡のないきれいな定着画像が得られた。
【0119】実施例1に記載の樹脂の光透過率(%)の
測定方法に従って測定された上記のワックス成分吸収層
を形成したポリイソプレン(融点125℃)の有する光
透過率の向上率は71.1%であった。
【0120】比較例1 実施例1で使用の記録材Aのかわりに、除電処理したポ
リエチレンテレフタレートフィルムである市販のオーバ
ーヘッドプロジェクター用のフィルム(NPシリーズ用
トランスペアレンシーOHPフィルム;キヤノン販売
(株)販売)を用いた以外は実施例1と同様にして画出
しを行い定着したところ、トナー内包化しているワック
ス成分の効果がオフセットはしなかったものの、画像部
の後端にワックス成分のしみ出し跡が見られ、さらに全
体に透明性の低い画像が得られた。
【0121】実施例3 実施例1で使用の記録材Aのかわりに、融点156℃の
ポリブタジエンを同様に塗工した記録材Cを用いたこと
を除いては実施例1と同様にして現像、転写、定着した
ところ、トナー内包化しているワックスの効果でオフセ
ットはしなかったものの、ワックス吸収能が実施例1よ
りは低く、全体に透明性の若干低い画像が得られたが、
充分に実用レベルであった。
【0122】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って測定された上記のワックス成
分吸収層を形成したポリブタジエン(融点156℃)の
光透過率の向上率は60.0%であった。
【0123】実施例4 実施例1で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えてC.I.ピグメントレッド122
を9重量部用いることを除いては実施例1と同様にして
マゼンタトナーを得て、同様にして赤色現像剤を調製し
た。
【0124】実施例1で用いた青色現像剤に代えて、上
記の赤色現像剤を用いることを除いては、実施例1と同
様にして記録材A上に画出しを行い定着したところ、実
施例1と同様に定着画像はオフセットすることもなく、
ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな透明画像が得
られた。実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影
してみたところ、大変きれいなマゼンタ色の投影画像が
得られた。
【0125】実施例5 実施例1で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えてC.I.ピグメントイエロー17
を8重量部用いることを除いては、実施例1と同様にし
てイエロートナーを得て、同様にして黄色現像剤を調製
した。
【0126】実施例1で用いた青色現像剤に代えて上記
の色現像剤を用いることを除いては、実施例1と同様に
して記録材A上に画出しを行い定着したところ、実施例
1と同様に定着画像はオフセットすることもなく、ワッ
クス成分のしみ出し跡もないきれいな透明画像が得られ
た。実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影して
みたところ、大変きれいなイエロー色の投影画像が得ら
れた。
【0127】実施例6 実施例1で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えて市販のカーボンブラック12重量
部用いることを除いては、実施例1と同様にしてブラッ
クトナーを得て、同様にして黒色現像剤を調製した。
【0128】実施例1で用いた青色現像剤に代えて上記
の色現像剤を用いることを除いては、実施例1と同様に
して記録材A上に画出しを行い定着したところ、実施例
1と同様に定着画像はオフセットすることもなく、ワッ
クス成分のしみ出し跡もないきれいな画像が得られた。
実際にオーバーヘッドプロジェクターにて投影してみた
ところ、大変きれいなブラック色の投影画像が得られ
た。
【0129】実施例7 実施例1で用いた青色現像剤、実施例4で用いた赤色現
像剤、実施例5で用いた黄色現像剤及び実施例6で用い
た黒色現像剤の4色の現像剤を用いて、CLC−500
の改造機で現像、転写しただけのフルカラーの未定着画
像を外部定着機(定着ローラーはフッ素系ソフトローラ
ーとし、加圧ローラーはシリコーン系のローラー)にて
オイル塗布せずに定着した。
【0130】ここで用いた記録材は実施例1で使用のワ
ックス成分吸収層を有する記録材Aである。
【0131】得られた画像は、オフセットすることもな
く、またオイルのしみ出し跡も全く見られない品質の優
れたものであった。
【0132】実施例1と同様にしてオーバーヘッドプロ
ジェクターにて投影してみたところ大変きれいなフルカ
ラー画像であった。さらに、この定着画像を有する記録
材はオイル塗布せずに入手したフルカラー画像であり、
ベタベタ感のない保存安定性にも優れたものであった。
【0133】実施例8 実施例1で用いたパラフィンワックスのかわりに融点8
9℃のポリオレフィン系ワックスを用いたことを除いて
は、実施例1と同様にしてシアントナーを調製し、実施
例1で使用のワックス成分吸収層を有する記録材Aに画
出しを行い定着せしめた。
【0134】得られた定着画像は透明性に優れたトラン
スペアレンシー画像であったが、耐久の途中でほんの一
部オフセットも見られたが、充分に実用レベルであっ
た。
【0135】実施例9 スチレン−ブチレンアクリレート共重合体 100重量
部 ポリオレフィンワックス(融点100℃) 7重量部 フタロシアニン顔料 4.5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部 を混合した後、2軸混練押出し機によって溶融混練した
後冷却し、気流式粉砕機で粉砕し、風力分級機により分
級し重量平均径約8.5μmの青色粉末トナーを得た。
このトナー100重量部に対しネガ帯電性コロイダルシ
リカ0.8重量部を外添し、シアントナーを得た。この
シアントナーとフッ素アクリル樹脂で被覆したフェライ
ト粒子と1:9の比率で混合し青色現像剤を得た。
【0136】PETよりなる約100μmの耐熱性樹脂
製の基材層上にワックス成分吸収層として、ポリブタジ
エン(融点140℃)を乾燥膜厚が5μmになる様にバ
ーコート法により塗工し、125℃で5分間乾燥炉内で
乾燥した記録材Dを調製した。
【0137】上記青色現像剤を用いてCLC−500改
造機にて、上記記録材D上に画出しし、未定着画像を得
た。
【0138】定着には、上ローラーとしてフッ素系樹脂
ソフトローラー、下ローラーとしてシリコンゴムローラ
ーを用い、オイル塗布機能を持たない外部定着機を使用
した。
【0139】上記定着器により定着試験を行ったところ
オイル塗布することなく、かつオフセット現象が生じ
ず、定着画像を得ることができた。更にその画像は透明
性を損なわず、ワックス成分の流れも生じなかった。
【0140】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って測定された上記ワックス吸収
層を形成したポリブタジエン(融点140℃)の光透過
率の向上率は64.4%であった。
【0141】実施例10 ポリエステル 100重量部 パラフィンワックス(融点80℃) 3重量部 フタロシアニン顔料 4.5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 3重量部 上記組成を用い実施例9と同様にしてシアントナーを得
て、同様にして青色現像剤を得た。
【0142】PETよりなる約100μmの耐熱性樹脂
製の基材層上にワックス成分吸収層として、ポリブタジ
エン(融点125℃)を乾燥膜厚が2μmになる様にバ
ーコート法により塗工し、110℃で6分間乾燥炉内で
乾燥した記録材Eを調製した。
【0143】実施例9と同様にして記録材E上に未定着
画像を得、定着試験を行った。
【0144】その結果、オイル塗布なしに透明性に優れ
た定着画像を得ることができた。
【0145】実施例1に記載の光透過率の向上率(%)
の測定方法に従って測定された上記のワックス吸収層を
形成したポリブタジエン(融点125℃)の光透過率の
向上率は71.1%であった。
【0146】実施例11 実施例9で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えてC.I.ピグメントレッド122
を9重量部用いることを除いては実施例9と同様にして
マゼンタトナーを得て、同様にして赤色現像剤を調製し
た。
【0147】実施例9で用いた青色現像剤に代えて上記
の赤色現像剤を用いることを除いては、実施例9と同様
にして記録材D上に画出しを行い定着したところ、実施
例9と同様に定着画像はオフセットすることもなく、さ
らにその画像は透明性を損なわずワックス成分の流れも
生じなかった。
【0148】実施例12 実施例9で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えてC.I.ピグメントイエロー17
を8重量部用いることを除いては実施例9と同様にして
イエロートナーを得て、同様にして黄色現像剤を調製し
た。
【0149】実施例9で用いた青色現像剤に代えて上記
の黄色現像剤を用いることを除いては、実施例9と同様
にして記録材D上に画出しを行い定着したところ、実施
例9と同様に定着画像はオフセットすることもなく、さ
らにその画像は透明性を損なわずワックス成分の流れも
生じなかった。
【0150】実施例13 実施例9で用いたトナーに関し、C.I.ピグメントブ
ルー15:3に代えて市販のカーボンブラックを12重
量部用いることを除いては、実施例9と同様にしてブラ
ックトナーを得て、同様にして黒色現像剤を調製した。
【0151】実施例9で用いた青色現像剤に代えて上記
の黒色現像剤を用いることを除いては、実施例9と同様
にして記録材D上に画出しを行い定着したところ、実施
例9と同様に定着画像はオフセットすることもなく、さ
らにその画像は透明性を損なわずワックス成分の流れも
生じなかった。
【0152】実施例14 実施例10で用いた青色現像剤、実施例11で用いた赤
色現像剤、実施例12で用いた黄色現像剤及び実施例1
3で用いた黒色現像剤の4色の現像剤を用いて、CLC
−500の改造機で現像転写しただけのフルカラーの未
定着画像を外部定着器(定着ローラーはフッ素系ソフト
ローラーとし、加圧ローラーはシリコーン系のローラ
ー)にてオイル塗布せずに定着した。
【0153】ここで用いた記録材は実施例9で使用のワ
ックス吸収層を有する記録材Dである。
【0154】得られた画像は、オフセットすることもな
く、またオイルのしみ出し跡も全く見られない品質の優
れたものであった。
【0155】さらにオーバーヘッドプロジェクターにて
投影してみたところ大変きれいなフルカラー画像であっ
た。さらに、この定着画像を有する記録材はオイル塗布
せずに入手したフルカラー画像であり、ベタベタ感のな
い保存安定性にも優れたものであった。
【0156】実施例15 PETよりなる約70μmの耐熱性樹脂製の基材層上に
ワックス成分吸収層として、ポリイソプレン(融点12
5℃)を乾燥膜厚が5μmになる様にバーコート法によ
り塗工し、100℃で5分間乾燥炉内で乾燥した記録材
Fを調製した。この記録材Fを用いることを除いては、
実施例9と同様にして記録材F上に未定着画像を得、定
着試験を行った。
【0157】その結果、実施例9と同様に、ワックスの
しみ出し跡のないきれいな定着画像が得られた。
【0158】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って測定された上記のワックス成
分吸収層を形成したポリイソプレン(融点125℃)の
光透過率の向上率は66.7%であった。
【0159】比較例2 実施例9で使用の記録材Dのかわりに、除電処理したポ
リエチレンテレフタレートフィルムである市販のオーバ
ーヘッドプロジェクター用のフィルム(NPシリーズ用
トランスペアレンシーOHPフィルム;キヤノン販売
(株)販売)を用いた以外は実施例9と同様にして画出
しを行い定着したところ、トナーに内包化しているワッ
クス成分の効果でオフセットはしなかったものの、画像
部の後端にワックス成分のしみ出し跡が見られ、さらに
全体に透明性の低い画像が得られた。
【0160】実施例16 実施例9で使用の記録材Dのかわりに、PETよりなる
約100μmの耐熱性樹脂製の基材層上にワックス成分
吸収層として、融点95℃のポリブタジエン乾燥膜厚が
5μmになる様にバーコート法により塗工し、125℃
で5分間乾燥炉内で乾燥した記録材Gを用いることを除
いては、実施例9と同様にして画出しを行い、定着した
ところ、定着温度が高温になりすぎるとオフセットが生
じやすく、かつフィルムの剥離が生じることがあり、低
温になりすぎると、トナーの定着性が充分でなく透明性
が実施例9に比較して劣る画像となり、実用可能な定着
温度領域が極めて狭かったが、その実用可能な定着温度
領域では、ワックス成分のしみ出しのないきれいな定着
画像が得られた。
【0161】実施例1に記載の樹脂の光透過率(%)の
測定方法に従って測定された、上記のワックス成分吸収
層を形成したポリブタジエン(融点95℃)の光透過率
の向上率は84.4%であった。
【0162】実施例17 現像剤として実施例1で調製した青色現像剤を用いてC
LC−500にて画出しした。現像条件は温度23℃/
湿度65%RHの環境下で現像コントラスト320Vと
した。
【0163】PETよりなる約70μmの耐熱性樹脂製
の基材層上にワックス成分吸収層としてα−オレフィン
−マレエート共重合体:ダイヤカルナ30(三菱化成
製)を湿度65%RH、温度40℃の環境下に一カ月以
上放置し90%以上開環したもの(構造はIRで確認
済)10%MEK溶液を乾燥膜厚が8μmになる様バー
コート法により、塗工し乾燥炉内で乾燥して記録材Hを
調製した。
【0164】この記録材Hを用いてCLC−500の改
造機で現像転写させただけの上記記録材上の未定着画像
を外部定着機(市販のCLC−500と同一ローラー構
成、オイル塗布機能なし)にて定着した。定着スピード
は20m/secとした。
【0165】得られた定着画像はオフセットすることも
なく、さらにワックス成分のしみ出し跡もないきれいな
透明画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェクタ
ーにて投影してみたところ、大変きれいなシアン画像が
得られた。
【0166】実施例18 記録材として、PETよりなる約100μmの耐熱性樹
脂製の基材層上にワックス成分吸収層としてα−オレフ
ィン−無水マレイン酸共重合体:ダイヤカルナ30(三
菱化成製)10%MEK溶液を乾燥膜厚が5μmになる
様にバーコート法により塗工し、乾燥炉内で乾燥して調
製した。記録材Iを用いることを除いては、実施例17
と同様にして画出しを行い定着して定着画像を得た。
【0167】その結果、実施例17と同様に、ワックス
のしみ出し跡の少ないきれいな定着画像が得られた。
【0168】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って測定された上記のワックス成
分吸収層を形成したα−オレフィン−無水マレイン酸共
重合体の光透過率の向上率は68.9%であった。
【0169】実施例19 実施例17で用いたトナーに関し、C.I.ピグメント
ブルー15:3に代えてC.I.ピグメントレッド12
2を10重量部用いることを除いては、実施例17と同
様にしてマゼンタトナーを得て、同様にして赤色現像剤
を調製した。
【0170】実施例17で用いた青色現像剤に代えて上
記の赤色現像剤を用いることを除いては、実施例17と
同様にして記録材H上に、画出しを行い定着したとこ
ろ、実施例17と同様に定着画像はオフセットすること
もなく、ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな透明
画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェクターに
投影してみたところ、大変きれいなマゼンタ画像が得ら
れた。
【0171】実施例20 実施例17で用いたトナーに関し、C.I.ピグメント
ブルー15:3に代えてC.I.ピグメントイエロー1
7を8重量部用いることを除いては、実施例17と同様
にしてイエロートナーを得て、同様にして黄色現像剤を
調製した。
【0172】実施例17で用いた青色現像剤に代えて上
記の黄色現像剤を用いることを除いては、実施例17と
同様にして記録材H上に画出しを行い定着したところ、
実施例17と同様に定着画像はオフセットすることもな
く、ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな透明画像
であった。実際にオーバーヘッドプロジェクターに投影
してみたところ、大変きれいなイエロー画像が得られ
た。
【0173】実施例21 実施例17で用いたトナーに関し、C.I.ピグメント
ブルー15:3に代えて市販のカーボンブラックを12
重量部用いることを除いては、実施例17と同様にして
ブラックトナーを得て、同様にして黒色現像剤を調製し
た。
【0174】実施例17で用いた青色現像剤に代えて上
記の黒色現像剤を用いることを除いては、実施例17と
同様にして記録材H上に画出しを行い定着したところ、
実施例17と同様に定着画像はオフセットすることもな
く、ワックス成分のしみ出し跡もないきれいな画像であ
った。実際にオーバーヘッドプロジェクターに投影して
みたところ、大変きれいなブラック画像が得られた。
【0175】実施例22 実施例17で用いた青色現像剤、実施例19で用いた赤
色現像剤、実施例20で用いた黄色現像剤及び実施例2
1で用いた黒色現像剤の4色の現像剤を用いて、CLC
−500の改造機で現像転写しただけのフルカラーの未
定着画像を外部定着機(定着ローラーはフッ素系ソフト
ローラーとし、加圧ローラーはシリコーン系のローラ
ー)にてオイル塗布せずに定着した。
【0176】ここで用いた記録材は実施例17で使用の
ワックス成分吸収層を有する記録材Hである。
【0177】得られた画像は、オフセットすることもな
く、またオイルのしみ出し跡も全く見られない品質の優
れたものであった。
【0178】実施例17と同様にしてオーバーヘッドプ
ロジェクターにて投影してみたところ大変きれいなフル
カラー画像であった。さらに、この定着画像を有する記
録材はオイル塗付せずに入手したフルカラー画像であ
り、ベタベタ感のない保存安定性にも優れたものであっ
た。
【0179】比較例3 実施例17で使用の記録材Hのかわりに、除電処理した
ポリエチレンテレフタレートフィルムである市販のオー
バーヘッドプロジェクター用のフィルム(NPシリーズ
用トランスペアレンシーOHPフィルム;キヤノン販売
(株)販売)を用いた以外は実施例17と同様にして画
出しを行い定着したところ、トナーに内包化しているワ
ックス成分の効果でオフセットはしなかったものの、画
像部の後端にワックス成分のしみ出し跡が見られ、さら
に全体に透明性の低い画像が得られた。
【0180】実施例23 実施例17で使用の記録材Hのかわりに、PETよりな
る約70μmの耐熱性樹脂製の基材層上に実施例17で
用いたα−オレフィン−マレエート共重合体を乾燥膜厚
36μmになる様被覆した記録材Jを用いることを除い
ては、実施例17と同様にして画出しを行い定着せしめ
た。
【0181】得られた画像は実施例17に比較して全体
に若干ボケた感じの画像であったが、ワックス成分のし
み出し跡は見られず、実用レベルであった。
【0182】比較例4 実施例17で用いた青色現像剤に代えて、該青色現像剤
におけるトナーのパラフィンワックスを除いたトナーを
有する青色現像剤を用いることを除いては、実施例17
と同様にして画出しし、同様にして定着したところ、オ
フセット現象を生じ、良好な定着画像は得られなかっ
た。
【0183】実施例24 PETよりなる約70μmの耐熱性樹脂製の基材層上
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体10%MEK溶液を
乾燥膜厚が8μmになる様にバーコート法により塗工
し、乾燥炉内で乾燥した記録材Kを用いることを除いて
は、実施例17と同様にして画出しを行い定着せしめ
た。
【0184】得られた定着画像はオフセットすることも
なく、さらに、ワックスのしみ出し跡もないきれいな透
明画像であった。実際にオーバーヘッドプロジェクター
にて投影してみたところ、大変きれいなシアン画像が得
られた。
【0185】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って、測定された上記のワックス
成分吸収層を形成したエチレン−酢酸ビニル共重合体の
光透過率の向上率は62.2%であった。
【0186】実施例25 PETよりなる約100μmの耐熱性樹脂製の基材層上
にエチレン−ラウリルアクリレート共重合体10%ME
K溶液を乾燥膜厚が5μmになる様にバーコート法によ
り塗工し、150℃で5分間乾燥炉内で乾燥した記録材
Lを用いることを除いては、実施例17と同様にして画
出しを行い定着せしめた。
【0187】得られた定着画像は、実施例17と同様に
オフセットすることもなく、さらにワックス成分のしみ
出し跡もないきれいな透明画像であった。実際にオーバ
ーヘッドプロジェクターに投影してみたところ、大変き
れいなシアン画像が得られた。
【0188】実施例1に記載の樹脂の光透過率の向上率
(%)の測定方法に従って、測定された上記のワックス
成分吸収層を形成したエチレン−ラウリルアクリレート
共重合体の光透過率の向上率は55.6%であった。
【0189】実施例26 PETよりなる約70μmの耐熱性樹脂製の基材層上
に、エチレン−酢酸ビニル共重合体10%MEK溶液を
乾燥膜厚が32μmになる様にバーコート法により塗工
し、乾燥炉用で乾燥した記録材Mを用いることを除いて
は、実施例17と同様にして画出しを行い定着せしめ
た。
【0190】得られた画像は、実施例17に比較して全
体に若干ボケた感じの画像であったが、ワックス成分の
しみ出しは見られず、実用レベルであった。
【0191】実施例1に記載の光透過率の向上率(%)
の測定方法に従って、測定された上記のワックス成分吸
収層を形成したエチレン−酢酸ビニル共重合体の光透過
率の向上率は62.2%であった。
【0192】実施例27 実施例1で使用の融点75℃のパラフィンワックスに代
えて融点55℃のパラフィンワックスを用いることを除
いては、実施例1と同様にして調製した青色現像剤を用
いることを除いては、実施例1と同様にして画出しを行
い定着せしめた。
【0193】得られた定着画像は実施例1と同様にオフ
セットすることもなく、ワックス成分のしみ出し跡もな
いきれいな透明画像であった。実際にオーバーヘッドプ
ロジェクターにて投影してみたところ、大変きれいなシ
アン色の投影画像が得られた。
【0194】実施例28 実施例1で使用の融点75℃のパラフィンワックスに代
えて融点85℃のパラフィンワックスを用いることを除
いては、実施例1と同様にして調製した青色現像剤を用
いることを除いては、実施例1と同様にして画出しを行
い定着せしめた。
【0195】得られた定着画像は実施例1と同様にオフ
セットすることもなく、ワックス成分のしみ出し跡もな
いきれいな透明画像であった。実際にオーバーヘッドプ
ロジェクターにて投影してみたところ、大変きれいなシ
アン色の投影画像が得られた。
【0196】
【発明の効果】本発明によれば、記録材がワックス成分
の結晶性を阻害する樹脂で形成されたワックス成分吸収
層を有していることから;ワックス成分を含有している
トナーを用いて定着トナー画像を形成してもワックス成
分がしみ出してくることがなく、さらに定着時にオイル
を使用しないので、オイルによるベタ付きもなく良好な
品質の定着したトナー画像が得られ;かつOHP装置に
用いた際に投影画像が全体的にグレーがかってしまうこ
となく、良好な色調再現性を有するカラー又はフルカラ
ーの投影画像が得られる;と言う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる記録材の一具体例を示す断面図
を示す。
【図2】本発明の画像形成方法を説明するための説明図
を示す。
【図3】従来の記録剤を用いて画像を形成した際に生じ
る問題点を説明する説明図を示す。
【符号の説明】
A 基材層 B ワックス成分吸収層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 9/08 361 (72)発明者 中村 達哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 宮野 和幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−359258(JP,A) 特開 平5−16574(JP,A) 特開 平5−303229(JP,A) 特開 平5−6019(JP,A) 特開 昭59−94762(JP,A) 特開 平3−38650(JP,A) 特開 昭59−93454(JP,A) 特開 昭54−40636(JP,A) 特開 昭63−33749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 7/00 G03G 9/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像担持体における静電潜像をワッ
    クス成分を含有するカラートナーを用いて現像して静電
    潜像担持体上にトナー画像を形成し、記録材の表面に該
    トナー画像を転写し、記録材の表面の該トナー画像を該
    記録材に、オイルを塗布していない定着機により熱及び
    圧力の作用により定着することによりフルカラー画像を
    形成する画像形成方法において、 該カラートナーは、ワックス成分を含有するシアントナ
    ー、ワックス成分を含有するマゼンタトナー、ワックス
    成分を含有するイエロートナー、及びワックス成分を含
    有するブラックトナーであり、 該記録材は、基材層及び各カラートナーが含有している
    ワックス成分を吸収するためのワックス成分吸収層を有
    する積層フィルムによって構成され、 該ワックス成分吸収層は、該ワックス成分の結晶成長を
    阻害する樹脂として、 (i)ジエン成分を含有する樹脂、又は、(ii)α−
    オレフィンと、極性基或いは芳香族基を有するビニル系
    モノマーとのランダム共重合体又はブロック共重合体を
    含んでおり、かつ、該ワックス成分吸収層は、該記録材
    にトナー画像を定着する際にカラートナーが含有してい
    るワックス成分を吸収することを特徴とする画像形成方
    法。
  2. 【請求項2】 該基材層は、光学的に透明な合成樹脂層
    であることを特徴とする請求項1記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 該α−オレフィンと、極性基或いは芳香
    族基を有するビニル系モノマーとのランダム共重合体又
    はブロック共重合体は、α−オレフィン−マレエート共
    重合体又はα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を
    含有することを特徴とする請求項1又は2記載の画像
    形成方法。
  4. 【請求項4】 該α−オレフィンと、極性基或いは芳香
    族基を有するビニル系モノマーとのランダム共重合体又
    はブロック共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体
    又はエチレン−アクリレート共重合体を含有することを
    特徴とする請求項1又は2記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該カラートナーは、懸濁重合法によって
    得られた重合トナーであり、該ワックス成分吸収層は、
    該重合トナーに含有されているワックス成分を吸収する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の画
    像形成方法。
  6. 【請求項6】 該カラートナーは、混練、粉砕及び分級
    を有する方法によって得られた粉砕トナーであり、該ワ
    ックス成分吸収層は、該粉砕トナーに含有されているワ
    ックス成分を吸収することを特徴とする請求項1乃至4
    のいずれか記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該ワックス成分吸収層を構成する樹脂の
    融点は、ワックス成分の融点より高く、かつ、それらの
    融点の温度差は100℃以下であることを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれか記載の画像形成方法。
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