JP3029144B2 - 熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法 - Google Patents

熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は定着性及び耐オフセット
性に優れている熱圧用トナー及び該トナーのトナー像を
転写材の如き記録材に定着させる熱圧定着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法とは米国特許第2,297,
691号明細書等に記載されている如く、多数の方法が
知られている。一般には、光導電性物質を利用し、種々
の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、該潜像をトナ
ーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナ
ー画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤
蒸気等により定着し複写物を得る方法である。トナーを
用いて現像する方法或いはトナー画像を定着する方法と
しては、従来各種の方法が提案され、それぞれの画像形
成プロセスに適した方法が採用されている。
【0003】近年、電子写真法に対し、高速複写化、高
画質化が求められている。
【0004】一般にトナーを製造する方法としては、熱
可塑性樹脂,染料または顔料の如き着色剤,荷電制御剤
の如き添加剤を溶融混合し、均一に分散した後、溶融混
練物を冷却し、冷却物を粉砕装置で粉砕し、粉砕物を分
級機により所望の粒径を有するように分級してトナーを
製造する方法が知られている。
【0005】これら粉砕法によるトナーにおいては、ワ
ックスの如き離型性物質を添加する場合に制約がある。
例えば、離型性物質の分散性を十分なレベルとするため
には、樹脂との混練温度において、溶解して液状にな
っていないこと、離型性物質の含有量を約5重量%以
下にすることなどである。このような制約のため、粉砕
法によるトナーの定着性を向上させることに困難性があ
る。
【0006】粉砕法にて得られるトナーにおいては、離
型性物質を添加した場合、該離型性物質はトナー粒子内
部のみならずトナー粒子表面にも存在する。熱定着方法
に、粉砕法により得られたトナーを適用する場合、定着
器の定着ローラーと定着画像間で充分な離型性を付与す
るために、トナーに溶融粘度の低い低分子量物質を適当
量添加することが必要である。しかし、粉砕法によるト
ナーでは、該低分子量物質もトナー粒子表面に存在する
ため、トナーのブロッキング性が問題となる。該低分子
量物質を用いて、トナーの離型性と耐ブロッキング性を
両立することは粉砕法によるトナーでは困難である。一
方、ブロッキング性において問題のない高分子量成分を
添加する場合、充分な耐オフセット性をトナーに付与す
るためには、高分子量成分を多量にトナーに添加する必
要がある。しかし、この場合、融点の高い物質または軟
化点の高い物質が多量にトナーに添加されるため、トナ
ーの定着エネルギーの増大(即ち、定着温度の高温化、
定着スピードの低速化)を余儀なくされる。さらに、カ
ラートナーの場合には、OHPフィルムの如き透明担持
体上のカラートナー定着画像の透明性も低下する。さら
に、熱定着方法に適したカラートナーとしては、耐オフ
セット性を向上させるために離型性付与に優れた低分子
量成分を含有し、且つ、耐ブロッキング性、定着後の透
明性を満足することが必要である。
【0007】従来、熱定着法に用いられる定着装置は、
所定の温度に維持された定着ローラーと、弾性層を有し
て該定着ローラーに圧接する加圧ローラーとによって、
未定着のトナー画像を表面に有する転写材を挟持搬送し
つつ定着する方式が使用されている。
【0008】この種の装置にあっては、転写材上の未定
着トナーが、該トナーを加熱してこれを転写材に融着す
るための定着ローラー側に付着し、これが次の転写材に
転写されてしまう(いわゆるオフセット現象)場合があ
る。特に、フルカラーのトナー画像形成装置にあって
は、単にトナーを軟化してこれを加圧しながら定着させ
る単色トナーの定着の場合と異なり、複数種のカラート
ナーを溶融に近い状態で混色するため、比較的高温定着
がなされるので、オフセット現象が発生する傾向がより
強い。
【0009】オフセット現象を防止する手段として、ト
ナーに架橋された樹脂成分を含有させることが一般的に
行われている。この方法では、耐オフセット性は付与さ
れるが、トナーの熱溶融特性の低下がみられる。中間色
の再現のために、転写材上で複数種のカラートナーの混
在と、それらトナーの良好な溶融が必要なマルチカラー
定着においては、トナー中の架橋樹脂成分の存在は好ま
しくない。そのため一般に、カラートナーの熱ローラー
定着方法においては、熱ローラー側にシリコーンオイル
の如き離型性物質を塗布することで高温オフセットを防
止しているのが一般的である。
【0010】一方、トナーにポリエチレンワックスまた
はポリプロピレンワックスの如き離型性物質を添加し、
定着ローラーへの耐オフセット性を向上させることが知
られている(特公昭52−3304号公報及び特公昭5
7−52574号公報)。しかしながら、定着ローラー
に対して充分な離型性を付与するに必要な量のポリエチ
レンワックスまたはポリプロピレンワックスをカラート
ナーに添加した場合、透明なトナー担持体上の定着され
たカラートナー画像は充分な透明性が得ることが困難で
ある。
【0011】オフセットの問題を解決する他の方法の1
つとして、米国特許第3,578,797号にトナー像
を加熱体でその融点まで加熱し、溶融し、その後トナー
像を冷却して比較的高い粘性状態とし、トナーの付着性
を弱めた状態で加熱ウエブからトナー像を有するトナー
担持体を剥離することによって、オフセットを生ぜずに
定着する方法が提案されている。米国特許第3,57
8,797号では、さらに、加熱体に対してトナー像及
びトナー担持体を加圧圧接することなしにトナー像を加
熱する方式をとっているので、トナー担持体が積極的に
加熱されることがなく、他の方法に比べて少ないエネル
ギーでトナーを溶融できると記載されている。しかしな
がら、加圧圧接することがなく加熱体に接触した場合に
は、熱伝達効率が低下し、トナーを加熱溶融するのに比
較的長時間を要する。特にフルカラーのトナー画像にお
いては、各色のカラートナーが溶融に近い状態で混色す
ることが必要となる。したがって、米国特許第3,57
8,879号に記載の定着方法はフルカラートナー像を
形成する場合には、さらに改良が必要である。
【0012】特公昭51−29825号公報では、米国
特許第3,578,797号の定着方法に加圧・圧接手
段を付加して熱伝達効率の向上を図り、トナーの加熱溶
融を短時間でしかも充分に行うことが提案されている。
この方法によれば、加圧・圧接を行っているのでトナー
を充分に加熱し溶融することが可能となり、特にカラー
トナー画像における混色に関して好ましい。しかし、加
熱・溶融時に加圧されているので、加熱体とトナー間の
接着力は強くなり、冷却後においてもその剥離性が問題
となる。特公昭51−29825号公報においては、加
熱体の表面に表面エネルギーの低いテフロン(ポリ4フ
ッ化エチレン等のフッ素樹脂の商品名)を用い、トナー
と加熱体との接着力の低下を図り、剥離性を向上させて
いる。
【0013】米国特許第3,578,797号または特
公昭51−29825号公報に開示されたような定着器
または定着方法を使用してカラートナーを良好に定着し
且つオフセット現象を抑制するために、トナー中に離型
性を有する材料を含んだカラートナーを用いることが考
えられる。しかしながら、加熱体に対して充分な離型性
を付与するに必要な量のポリエチレンワックスまたはポ
リプロピレンワックスをカラートナーに添加した場合、
前述の如く、透明なトナー担持体上の定着されたカラー
トナー画像において、充分な透明性を得ることは困難で
ある。熱定着法に適した離型性に優れているカラートナ
ーが待望されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の問題点を解消した熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法
を提供することにある。
【0015】本発明の目的は、低温定着性に優れている
熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法を提供することにあ
る。
【0016】本発明の目的は、高温時の耐オフセット性
に優れている熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法を提供
することにある。
【0017】本発明の目的は、定着ローラーに転写材が
巻き付きにくい熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法を提
供することにある。
【0018】本発明の目的は、多数枚耐久性に優れてい
る熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法を提供することに
ある。
【0019】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ
ている熱圧定着用トナーを提供することにある。
【0020】本発明の目的は、表面光沢性に優れた定着
画像を形成し得る熱圧定着用カラートナーを提供するこ
とにある。
【0021】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、相互
に圧接している定着ローラー及び加圧ローラーを具備
し、排紙方向が該定着ローラーの中心と該加圧ローラー
の中心を結ぶ線の直角方向より該加圧ローラー側であ
り、該定着ローラーと該加圧ローラーとの間にかかる圧
力が2Kg/cm2以上であり、該定着ローラーの表面
の材質がフッ素含有物質である定着手段で熱圧定着され
るトナーであり、該トナーは、ビニル系樹脂100重量
部に対して重量平均分子量(Mw)500〜1500で
あり且つ融点55〜100℃のワックスを10〜50重
量部含有し、且つ、重量平均粒径が2〜8.5μmであ
り、該ワックスは該ビニル系樹脂によってトナー粒子内
に内包されており、該トナーのテトラヒドロフラン(T
HF)可溶分のゲルクロマトグラフィーにおける重量平
均分子量(Mw)が1万乃至50万であり、数平均分子
量が1000乃至10万であり、Mw/Mnの値Aが4
〜20であり、分子量1500以上の領域におけるトナ
ーのTHF可溶分のMw/Mnの値Bが2〜10である
ことを特徴とする熱圧定着用トナーに関する。
【0022】さらに、本発明は、静電像担持体上の負の
電荷を有するトナー画像を転写材へ転写し、定着ローラ
ー及び加圧ローラーでトナー画像を転写材に加熱及び加
圧して定着する熱圧定着方法において、トナー像を形成
するトナーは、ビニル系樹脂100重量部に対して重量
平均分子量(Mw)500〜1500であり且つ融点5
5〜100℃のワックスを10〜50重量部含有し、且
つ、重量平均粒径が2〜8.5μmであり、該ワックス
は該ビニル系樹脂によってトナー粒子内に内包されてお
り、該トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の
ゲルクロマトグラフィーにおける重量平均分子量(M
w)が1万乃至50万であり、数平均分子量が1000
乃至10万であり、Mw/Mnの値Aが4〜20であ
り、分子量1500以上の領域におけるトナーのTHF
可溶分のMw/Mnの値Bが2〜10であり、転写材上
のトナー画像を、相互に圧接している定着ローラー及び
加圧ローラーを具備し、排紙方向が該定着ローラーの中
心と該加圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向より該加
圧ローラー側であり、該定着ローラーと該加圧ローラー
との間にかかる圧力が2Kg/cm2以上であり、該定
着ローラーの表面の材質がフッ素含有物質である定着手
段で、定着することを特徴とする熱圧定着方法に関す
る。
【0023】本発明では、定着装置として、定着ローラ
ー及び加圧ローラーを具備する熱ローラー定着装置であ
り、定着ローラー表面の材質がフッ素含有物質であり、
白紙を通したときにその排紙方向が定着ローラーと加圧
ローラーの中心を結ぶ線の直角方向より加圧ローラー側
であり、さらに該定着ローラーと加圧ローラーにかかる
圧力が2.0kg/cm2以上である定着装置を用い
る。
【0024】ここで、加圧ローラー側とは、紙及びOH
P用シートの如き転写材で言うと、トナー像が乗ってい
ない側である。つまり、加圧ローラー側の方向に向けて
排紙されると、定着ローラーで加熱されたトナー像は、
定着ローラーとの分離の角度を大きく取ることができ
る。
【0025】オフセット現象は、トナー粒子とトナー粒
子との凝集力と、トナー粒子と定着ローラーとの親和力
と、トナー粒子と転写材との親和力に関係している。定
着ローラーとトナー像の分離角度を大きくすることによ
り、トナー粒子と定着ローラーとの親和力が弱い状態で
転写材を定着ローラーから分離し、排紙することによ
り、オフセット現象及び転写材の定着ローラーへの巻き
付きが良好に防止される。
【0026】この結果、特に高温時の耐オフセットが著
しく改善される。
【0027】本発明では、熱ローラー対間にかかる圧力
を2.0kg/cm2以上とし、好ましくは3.0kg
/cm2以上とする。定着の圧力が2.0kg/cm2
満であると、耐オフセット性が悪くなる。この理由とし
て考えられるのは、ひとつとしてトナーに内包化された
ワックスが、低い圧力ではトナー粒子と定着ローラーと
の間に浸み出して来にくいからである。さらに、低い圧
力ではトナー粒子の変形が不十分であり、トナー粒子と
トナー粒子との凝集力が弱いからである。
【0028】このように、定着圧を高くすることによっ
て高温オフセットが良好に改善される。また、定着圧を
高くすることによって、得られる定着画像の表面平滑性
が向上するので、高画質となる。特に、オーバーヘッド
プロジェクタ(OHP)用シートにトナー像を定着した
場合、透明性が向上するので好ましい。
【0029】白紙を定着装置に通した時の排紙方向につ
いて具体的に説明する。図2に示すように、定着ローラ
ー11の中心Aと加圧ローラー12の中心Bを結ぶ線l
に対し、ニップの後端(両ローラーが離れる点)を通る
ように垂線hを引く。
【0030】排出側の定着ローラー11と加圧ローラー
12とに接する線mを引き、この直線mを排紙方向基準
線とする。垂線hと基準線mとの交点を位置0とし、白
紙を通した時に、位置0を通過した転写材の先端が基準
線mよりも加圧ローラー側であれば、排紙方向が加圧ロ
ーラー側であるとする。
【0031】このとき、用いる白紙は、単位面積当りの
重量が60〜85g/m2であり、紙のすき方向とロー
ラー軸方向を一致させて通紙する。また、定着ローラー
の表面温度を150〜200℃とし、通紙速度は、85
〜140mm/secにする。排紙方向はハイスピード
カメラなどを使用して判定する。
【0032】排紙方向を加圧ローラー側になる様にする
方法としては、例えば、加圧ローラーの硬度を定着ロ
ーラーの硬度より高くする。
【0033】この加圧ローラー硬度を高くする方法とし
ては、
【0034】
【外1】 弾性体の硬度を高くする方法
【0035】
【外2】 弾性体層を薄くする方法がある。定着ローラーの径を
加圧ローラーの径より大きくする。などが挙げられる。
【0036】さらに、加熱装置を定着ローラー側だけで
なく、加圧ローラー側にも取りつけることにより、“紙
の巻き付き”を著しく減少することが可能である。
【0037】これらの方法を取り入れた定着装置として
は、例えば定着ローラーとして弾性体がシリコーンゴム
でRTVタイプまたはLTVタイプであり、表面がフッ
素含有物質で形成されているローラーが挙げられる。フ
ッ素含有物としては、フッ素樹脂が好ましい。
【0038】さらに、定着ローラーの材質として、耐摩
耗性の向上を目的としてシリコーンゴムとフッ素ゴムと
の組合せ、シリコーンゴムまたはフッ素ゴムとテフロン
コート材との組合せなどの二層構造を有するものや、シ
リコーンゴムまたはフッ素ゴムとテフロンコートとフッ
素ゴムとの組合せなどの三層構造を有するものを用いて
も良い。定着ロールの芯金の被覆層の下層に弾性体のシ
リコーンゴム系HTVを設け、上層にはPFA樹脂を設
けた2層構造のものや、下層にHTVを設け、上層には
フッ素樹脂分散型フッ素ゴムの層を設け、熱処理によ
り、フッ素樹脂を表面に偏析させたものを好ましく用い
ることができる。フッ素樹脂層の厚さは、5〜100μ
m(好ましくは10〜60μm)が良い。
【0039】定着ローラーの硬度(二層の場合は二層合
わせたときの硬度)としては、ゴム硬度(JIS−A)
が30〜70度、好ましくは35〜60度であり、定着
ローラの芯金上の層厚は0.5〜5mm、好ましくは
1.0〜3.5mm、さらに好ましくは1.0〜3mm
が良い。
【0040】加圧ローラーの表面材料としては、定着ロ
ーラの表面層より硬く、硬度40度以上、好ましくは5
0度以上のもので、材質はシリコーンゴム系、フッ素ゴ
ム、テフロンコート材などが使用できる。ローラー径と
しては、複写機の小型化が要求されているため、あまり
大きくできない。またローラー径を小さくすると、ニッ
プが充分にとれないため、トナーが充分に溶融せず、し
たがって混色性が悪くなったり、混色性を上げるために
定着速度をおとさなければならなくなる。したがって定
着ローラー及び加圧ローラーの径としては30〜90m
mφ、好ましくは40〜80mmφが適当である。
【0041】図1に好ましい、定着装置の一具体例の概
略図を示す。図1において、定着ローラー11は、芯金
内にヒータを内包し、芯金上にHTVシリコーンゴム層
を有し、さらにその上にテトラフルオロエチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA樹
脂)層を有しており、加圧ローラー12は、芯金内にヒ
ーターを内包し、芯金上にフッ素ゴム層を有している。
図1に示す定着装置においては、排紙方向が図2に示す
如く、加圧ローラー側にある。さらに、本発明において
は、トナーとして負帯電性のトナーを使用するため、ト
ナー画像は負の摩擦電荷を有しており、フッ素含有物質
を有する定着ローラ表面と静電的に反発する。そのた
め、本発明の定着方法は、さらに耐オフセット性、耐巻
き付性が向上する。
【0042】これに対し、図3の様なローラー構成によ
り形成されるニップ部は、排紙方向が上方を向いている
ため、ニップ部を通過した転写材は、定着ローラー13
に沿うように排出される。
【0043】このような排出挙動を示した場合、トナー
は、加熱をニップ部中だけでなくニップ部を出した後も
定着ローラー13から輻射熱を受ける。場合により定着
ローラー13に付着したまま、分離爪まで移動し、過剰
な熱によりトナーが溶けすぎることがある。その結果、
定着画像として光沢度が極端に上がったり、さらにオフ
セット現象が発生しやすくなる。
【0044】このような現象は、白黒複写においては、
高融点トナーを用いているために発生しにくく、さらに
白黒画像の原稿自体が文字情報または線画像が多いため
に、光沢度がアップしても問題とはなりにくい。しか
し、多色画像では、低融点トナーを用いることが多く、
原稿として、画像面積が大きいものが多いため、上記の
問題が発生しやすい。
【0045】本発明の定着方法は、多色カラートナー画
像の定着に顕著な効果を発揮し得る。
【0046】本発明のトナーは、重量平均分子量(M
w)500〜1500のワックスが非極性物質で且つ離
型性を有していることが好ましく、例えばパラフィンワ
ックスが好ましい。ワックスは、トナー粒子内に内包化
されている。ワックスを内包化しているトナーは後述す
る懸濁重合法によって良好に調製することが可能であ
る。ワックスは、その融点が環境温度より低い場合に
は、環境温度で液化するので、トナー粒子内に内包され
ている場合でも表層部にしみ出してブロッキングの原因
となる場合がある。そのため、ワックスの融点は55〜
100℃(好ましくは60〜100℃、さらに好ましく
は65〜80℃)であることが好ましい。ワックス量
は、ビニル系樹脂100重量部に対して10〜50重量
部(好ましくは15〜45重量部)含有されるのがよ
い。10重量部より少ないと充分な離型性をトナーに付
与しにくくなり、トナーのブロッキングの原因になりや
すい。
【0047】ワックスの融点は下記の方法で測定するこ
とが可能である。
【0048】ワックスの融点の測定方法:ワックスの融
点は、示差熱分析法(DSC)によって測定する。
【0049】示差熱分析測定装置としては、例えばバー
キンエルマー社製のDSC−7を用い測定する。
【0050】測定試料は5〜20mg(好ましくは10
mg)を精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、
リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範
囲30℃〜200℃の間で、昇温温度10℃/minで
常温常湿下で測定を行う。
【0051】この昇温過程で、温度30〜160℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られた温度
を、本発明におけるワックスの融点とする。第7図参
照。
【0052】本発明では、トナーを成形したペレットと
水との接触角が80〜110度となるようにトナー材質
を選ぶことが好ましい。さらに、定着装置の定着ローラ
ー表面の材質をフッ素含有物質とする。
【0053】定着ローラー表面のフッ素含有物質は、表
面エネルギーが小さく、離型性に優れた物質である。こ
のようなローラーの特長をより効果的にするために、ト
ナーとしても、トナーを成型したペレットの水に対する
接触角が80〜110度となるような材質を使用するこ
とが好ましい。
【0054】これにより、定着時に、トナー粒子と定着
ローラーとの間の引力を弱めることができ、耐オフセッ
ト性が向上する。
【0055】トナーのペレットの水に対する接触角が、
80〜110度であっても、表面がフッ素含有物質のロ
ーラーでないと、トナーの特長が十分発揮されない。た
とえば、シリコーンオイルを塗布したシリコーンゴムの
表面層を有する定着ローラーは、耐オフセット性に優れ
たローラーであるが、本発明のトナーと組み合せても、
フッ素系の定着ローラーに比べて良い結果が得られると
は限らない。しかも、シリコーンゴムローラーは、シリ
コーンオイルを多く消費する分だけランニングコストが
かかる。また、本発明における接触角の測定は次の通り
である。
【0056】トナーを錠剤成型器を用いてペレットとす
る。このとき、成型器には鏡面仕上げのものを用い、十
分な圧力をかけて、平滑面が得られるようにする。得ら
れたペレットの水に対する接触角を、接触角計(協和科
学CA−DS型)を用いて測定する。
【0057】本発明で用いられるトナーは例えば以下の
如き方法にて得られる。重合性単量体中にワックス(例
えば、パラフィンワックス)、着色剤、重合開始剤、そ
の他の添加剤を加え超音波分散機またはホモジナイザー
の如き分散機によって均一に溶解または分散せしめた単
量体組成物を、懸濁安定剤を含有する水相(すなわち連
続相)中に通常の撹拌機または、ホモミキサー、ホモジ
ナイザーの如き高剪断撹拌機により分散せしめる。好ま
しくは単量体組成物の液滴が所望のトナー粒子のサイズ
(一般に30μm以下の大きさ)を有する様に撹拌速
度、撹拌時間を調整し、その後は分散安定剤の作用によ
りほぼその状態が維持される様撹拌を粒子の沈降が防止
される程度に行えば良い。重合温度は40℃以上、一般
的には、50〜90℃の温度に設定して重合を行う。重
合温度を重合途中で変えることは、樹脂成分の分子量分
布を調整する点で好ましい。反応終了後、生成したトナ
ー粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。懸濁重合法
においては、通常モノマー100重量部に対して水20
0〜3000重量部を分散媒体として使用するのが好ま
しい。
【0058】懸濁重合法では、水酸基、カルボキシル基
またはエステル基を実質的に有していないワックスは、
トナー粒子内に内包化されてやすい。
【0059】本発明中のトナーの製造に適用できる重合
性単量体としては、ビニル系単量体がある。例えば、ス
チレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチル
スチレンの如きスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸フエニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリ
ル酸エステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フ
エニルの如きアクリル酸エステル類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体がある。
【0060】これらのモノマーは単独ないし混合して使
用しうる。上述したモノマーの中でも、スチレンまたは
スチレン誘導体を単独で、またはスチレンと他のモノマ
ーと混合して、重合性単量体として使用することがトナ
ーの現像特性および耐久性の点で好ましい。
【0061】モノマーを重合するための重合開始剤とし
ては、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1′−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニト
リル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−
ジメチルバレロニトリルその他のアゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)の如きアゾ系またはジアゾ系重合開
始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネー
ト、キユメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロ
リルベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサ
イドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これら
重合開始剤は、一般には、重合性単量体の重量約0.5
〜5%の量で使用することが好ましい。
【0062】本発明のトナーを懸濁重合法で調製するた
めには、重合開始剤を2種以上混合して使用することが
樹脂成分の分子量特性を調整する点で好ましい。さら
に、好ましくは重合初期の反応温度における半減期が1
00〜500分の重合開始剤と、半減期が1000〜5
000分の重合開始剤とを混合して使用することが好ま
しい。
【0063】単量体の重合時に、添加剤として極性基を
有する重合体、または、極性基を有する共重合体の如き
極性物質を添加して単量体を重合することは好ましい。
【0064】本発明において、単量体中に含有される極
性物質としては、分子に極性基を有し、水と重合性単量
体組成物との界面にて表面張力の低下を起こす物質が用
いられる。
【0065】本発明に用いる上記極性物質は、トナー粒
子の環境特性向上の点から、難水溶性物質であることが
好ましい。
【0066】ここに「難水溶性物質」とは、水100m
lに1g以下の溶解度を有するものをいい、好ましくは
500mg以下、特に好ましくは100mg以下の溶解
度を有するものをいう。
【0067】本発明においては、このような極性物質と
して、低分子化合物または高分子化合物が用いられる
が、高分子化合物が好ましい。高分子化合物の場合、G
PC(ゲルパーミエーション クロマトグラフィー)で
測定した重量平均分子量が5,000〜500,000
のものが、重合性単量体に良好に溶解、分散し、且つト
ナーに耐久性をも付与する点から好ましく使用される。
【0068】この極性物質としては、より具体的には、
以下に示すようなアニオン性化合物が好ましく用いられ
る。
【0069】アニオン性化合物:例えば、カルボキシル
基、水酸基、二塩基酸基、二塩基酸無水物基、スルフォ
ン酸基、スルフォン酸塩基、リン酸エステル基の如きア
ニオン性極性基を含む化合物である。
【0070】より具体的には、アクリル酸、メタクリル
酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二塩基酸、不飽和二塩
基酸の無水物、水酸基を有するアクリル酸エステル、メ
タクリル酸エステルの如き極性ビニルモノマーの重合体
ないし共重合体、;これらの極性ビニルモノマーと、ス
チレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルと
の共重合体;ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0071】極性物質がアニオン性極性ポリマーの場合
には、酸価および/または水酸基価が0.5〜100
(好ましくは、1〜30)であることが好ましい。重合
性単量体100重量部に対する添加量は、0.5〜50
重量(より好ましくは1〜40重量部)部であることが
好ましい。
【0072】本発明に用いられる極性ポリマーの酸価お
よび/または水酸基価が0.5未満では、界面張力の低
下の効果が少なく、一方、これらが100を越えると、
親水性が強すぎて好ましくない。
【0073】ここに、酸価とは、試料1g中に含有され
ているカルボキシル基を中和するのに要する水酸化カリ
ウムのmg数をいう。
【0074】水酸基価とは、試料1gを規定の方法によ
ってアセチル化した際、水酸基と結合した酢酸を中和す
るのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。
【0075】これら極性物質は、重合性単量体100重
量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜40
重量部を添加するのが良い。0.5重量部未満では、充
分な擬似カプセル構造をとることが難しく、ワックスを
良好に内包すること困難であり、耐ブロッキング性が低
下する。50重量部を越えると、重合性単量体の量が不
足して、トナーとしての特性が低下する傾向が強くな
る。
【0076】本発明においては、これら極性物質を加え
た重合性単量体組成物を塩酸の如きブレンステット酸に
可溶な難水溶性無機分散安定剤を分散せしめた水系媒体
の水相中に懸濁させ、重合させることが好ましい。この
場合、添加した極性物質が、トナーとなる粒子表層部に
集まるため、一種の殻のような形態となり、得られた粒
子は擬似的なカプセル構造を有する様になる。そして、
粒子表層部に集まった比較的高分子量の極性物質はトナ
ーに耐ブロッキング性、現像性、荷電制御性、耐摩耗性
等の優れた性質をトナーに付与する。
【0077】一方、本発明に用いられるブレンステッド
酸に可溶性である難水溶性無機分散剤とは、難水溶性無
機化合物であって、且つ、ブレンステッド酸に可溶(よ
り具体的には、水100mlに対して、20g以上の溶
解度を有する)ものをいう。
【0078】ここに、難水溶性無機化合物とは、中性の
イオン交換水100mlに対して、10mg以下(好ま
しくは5mg以下)の溶解度を有するものをいう。
【0079】本発明に用いられる難水溶性無機分散剤の
例を以下に示す。
【0080】水中にて中性またはアルカリ性を示す無機
化合物として、例えば、リン酸カルシューム、リン酸マ
グネシューム、硫酸カルシューム、炭酸マグネシュー
ム、炭酸カルシューム、Ca3(PO42、Ca(O
H)2等が挙げられる。
【0081】このような無機化合物の粒径は、1次粒子
で2μm以下、更には1μm以下であることが好まし
い。
【0082】上記した難水溶性無機分散剤の分散媒体中
での粒径は、コールタカウンターにより測定される。例
えば、1%食塩水中におよそ10%の濃度になるように
試料(無機化合物)を添加し、常法により超音波分散
(36KHz、100W、1分間)した後、100μm
オリフィスを用いて常法によりコールターカウンターで
測定する。
【0083】かかる方法により測定された無機分散剤の
個数分布において、粒径5.04μm以上の粒子の割合
が個数にて5%以下であることが好ましく、粒径3.1
7μm以上の粒子の割合が個数にて5%以下であること
が更に好ましい。
【0084】これら無機分散剤は、リン酸ナトリウムと
塩化カルシュームとを用いて水中にてリン酸カルシウム
の如き難溶性無機化合物を生成させ、そのまま用いる方
法が、微粒子状態で、且つ分散性が良好な無機化合物が
容易に得られる点で好ましい。
【0085】一般に、粉末状の難溶性無機化合物がとる
凝集は、一般に強い凝集状態であり、この凝集状態にお
ける粒径も不均一であるため、このような粉末を用いた
場合、水中への分散を注意深く行なう必要がある場合が
多い。しかしながら、上記のように水中にて難溶性無機
化合物を生成させる方法を用いれば、このような心配も
なく、該無機化合物の良好な分散状態が容易に得られ
る。
【0086】更に、このように水中で難水溶性化合物を
生成させる際に、難溶性化合物とともに生成する水溶性
の中性塩類は、モノマーの水中への溶解を防ぐ効果と、
水系媒体の比重を大きくする効果とを併せ持つ。
【0087】本発明においては、上記のような難水溶性
無機分散剤を含有する分散媒体のpHを、好ましくは、
7.1〜11.0とする。
【0088】このpHが、11.0を越える場合では、
分散媒体のアルカリ性が強くなり過ぎて、単量体組成物
の造粒性が不充分となりやすい。
【0089】一方、上記分散媒体のpHが7.1未満の
場合では、単量体組成物表面の表面張力低下が不充分に
なりやすい。
【0090】このようにpHを調整する場合、難水溶性
無機分散剤を含む分散媒体中に、アルカリ性を示す水溶
性無機塩を加えてpHを調整し、極性物質の表面活性を
促進するような水系分散媒体に調整することが好まし
い。
【0091】このような場合に用いられるアルカリ性を
示す水溶性無機塩としては、Na3PO4、Na2CO3
NaOH、KOH等がある。
【0092】かかる方法において、水溶性無機塩を必要
に応じて2種以上、併用してもよい。
【0093】これらの好ましい組み合わせとして、アニ
オン性化合物と、水中で中性またはアルカリ性を示す難
水溶性無機分散剤との組み合わせがある。該組み合わせ
において、アルカリ性を示す水溶性無機塩を加えてpH
を調整することが更に好ましい。
【0094】以下、難溶性無機化合物を生成させる反応
の例を示すが、これらに限定されるものではない。 (1)2Na3PO4+3CaCl2=Ca3(PO42
6NaCl (2)2Na3PO4+3MgSO4=Mg3(PO42
3Na2SO4 (3)2Na3PO4+Al2(SO43=2AlPO4
3Na2SO4 (4)Na2SO4+CaCl2=CaSO4+2NaCl (5)Na2CO3+MgSO4=MgCO3+Na2SO4 (6)Na2CO3+CaCl2=CaCO3+2NaCl (7)2Na3PO4+3ZnSO4=Zn3(PO42
3Na2SO4 (8)Na2CO3+ZnCl2=ZnCO3+2NaCl (9)Na2CO3+ZnSO4=ZnCO3+Na2SO4
【0095】更に、上記した方法において、必要に応じ
て、難水溶性無機分散剤を2種以上併用してもよい。
【0096】本発明において、分散媒体としては、重合
性単量体と実質的に非相溶性のものを用いるが、水性分
散媒体を用いることが好ましい。
【0097】本発明においては、難水溶性無機分散剤を
含有する分散媒体として、水溶性界面活性剤を実質的に
含有しないものを用いる。本発明において、水溶性界面
活性剤は、前出の無機分散安定剤粉末100重量部に対
して、0.001重量部以下の量で使用することは可能
であるが、水溶性界面活性剤を全く使用しなくとも良
い。
【0098】上記方法は、分子量分布を調整する目的
で、重合温度を低くして重合開始剤の分解を遅くし、分
子量を大きくする方法において、重合の進行に伴う粘度
増大による合一が起こり易く、時間が比較的長い重合方
法を用いる場合に、特に好ましい方法である。
【0099】このような場合の重合温度は、重合開始剤
の半減期が500分以上(更に好ましくは1000分以
上)となる温度が好ましい。
【0100】このような重合方法においては、更に、粒
子の分散性が安定した後、重合温度を高くして、分子量
のより小さい重合体を生成させ、重量平均分子量と数平
均分子量との比(Mw/Mn)を大きくする方法も採用
することが可能である。
【0101】本発明において、単量体組成物を水性分散
媒体中で造粒するに際しては、例えば高速回転するター
ビンとステーターをもつホモミキサー、ホモジナイザー
等により造粒せしめる。一般に、単量体組成物粒子が3
0μm以下の大きさを有する様に攪拌速度、時間を調整
することが好ましい。回転数は、タービンの周速が10
〜30m/secとなるように用いることが好ましく、
造粒時間は特に限定はないが、5〜60分が好ましい。
【0102】造粒工程時の液温は、単量体組成物が粘度
1〜100万cps、好ましくは10〜10万cpsに
なる温度に調整すると、単量体組成物粒子の粒径を1〜
10μmにすることができ、最終的には重量平均粒径1
〜10μmの現像用トナーを製造し得る。液状分散媒体
としては通常水または水を主成分とする水性媒体を使用
するため、分散液の液温は20〜80℃(更には40〜
70℃)に調整されていることが好ましい。
【0103】分散液においては、単量体組成物100重
量部に対して、液状分散媒体が200〜1000重量部
存在することが好ましく、難水溶性無機分散剤は、(造
粒時ないし重合初期において)重合性単量体組成物の重
量を基準にして、1〜20重量%(更には1〜10重量
%)使用されることが好ましい。
【0104】本発明においては、形成された単量体組成
物粒子が所定粒度を有していることを確認した後に、該
粒子を含む水性媒体等の液温(例えば55〜70℃)を
調節して重合反応を進める方法、または、分散媒体の液
温を調整し、造粒・分散と同時に重合を進める方法等が
用いられる。
【0105】単量体組成物の重合反応終了後、通常の方
法で後処理することにより、トナー粒子が得られる。例
えば、生成した重合体粒子を含む系にブレンステッド酸
を加えて、難水溶性無機分散剤安定剤を除去した後、ろ
過、デカンテーション、遠心分離等の如き適当な方法で
重合体粒子を回収し、乾燥することにより、トナーが得
られる。
【0106】本発明で用いるブレンステッド酸可溶の難
水溶性無機分散剤は、上記の酸処理により、容易にトナ
ー粒子表面から除去できる。このように分散剤を除去し
たトナーにおいては、(分散剤の残留に基づく)トナー
表面の親水化という悪影響は実質上なく、良好なトナー
現像特性を得ることができる。
【0107】上述の製造方法においては、重量平均分子
量(Mw)が500〜1500であり、融点が55〜1
00℃のワックスが良好に内包されるように製造条件を
選択することが重要である。さらに、重合性単量体組成
物を懸濁重合法により、得られるトナーのTHF可溶分
のゲルクロマトグラフィーにおける重量平均分子量(M
w)が1万乃至50万(好ましくは15000乃至20
万)であり、数平均分子量(Mn)が1000乃至10
万(好ましくは2000乃至3万)であり、Mw/Mn
の値Aが4〜20(好ましくは5〜15)であり、該ゲ
ルクロマトグラフィーのクロマトグラムにおける分子量
1500以上の領域におけるMw/Mnの値Bが2〜1
0(好ましくは2.5〜8)であるように製造条件を選
択する必要がある。好ましくは、Mw/Mnの値Aは、
値Bよりも2以上大きい方が耐オフセット性の点で好ま
しい。
【0108】図4に、後述の実施例1で得られたトナー
のTHF可溶分のGPCクロマトグラムを示す。図4の
クロマトグラムにおいては、重量平均分子量(Mw)が
56000であり、数平均分子量(Mn)が6000で
あり、Mw/Mnの値は9.3である。
【0109】図5は、図4のクロマトグラムにおいて分
子量1500以下の領域を削除して分子量データを算出
した際のクロマトグラムを示す。図5に示すクロマトグ
ラムにおいては、重量平均粒径(Mw)が62000で
あり、数平均分子量(Mn)は17000であり、Mw
/Mnの値Bは3.6である。したがって、Mw/Mn
の値Aは、値Bよりも5.7大きい。
【0110】この様な条件を満足することにより、本発
明のトナーは熱圧定着に好ましく適する様になる。
【0111】更に、懸濁重合の際に、重合性単量体組成
物に含まれるワックスを重合性単量体に溶解し、重合温
度は、ワックスの融点以下の温度でおこない、重合の進
行に伴ってワックスが徐々に析出し、トナー粒子の中央
部に内包される様にすることが好ましい。
【0112】本発明のトナーの分子量分布は、例えば、
以下の様に測定する。
【0113】1.サンプル調整 (i)標準試料 標準試料として次に示した市販の標準ポリスチレンを用
いる。分子量8.42×106、4.48×106、2.
98×106、1.09×106、7.06×105
3.55×105、1.90×105、9.64×1
4、3.79×104、1.96×104、9.10×
103、5.57×103、2.98×103、870、
500 (東洋ソーダ工業(株)製)
【0114】上記標準ポリスチレン約3mgを30ml
のテトラヒドロフラン(THF)に溶解して標準試料と
する。
【0115】(ii)試料調整 試料(トナー)60mgを15mlのTHFで抽出し遠
沈後、濾過を行ない分子量測定のための試料とする。
【0116】2.測定条件 装置としてWATERS社150C ALC/GPCを
用い以下の条件で測定する。 溶媒:THF カラム:Shodex KF801,802,803,
804,805,806,807(昭和電工製) 温度;40℃ 流速:1.0ml/min 注入量:0.1ml 検出器:RI
【0117】3.データ処理 上記の測定条件にて標準試料・ピークトップの保持時間
を読み取り、検量線を作成し、その検量線から試料・分
子量を算出する。
【0118】本発明のトナーに含有される着色剤として
は、染料または顔料があげられる。
【0119】例えば、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔
料、キナクリドン系顔料、キサンテン系染料、カーボン
ブラックなどがあげられる。
【0120】着色剤は、樹脂成分100重量部に対し
て、0.5〜40重量部(好ましくは、1〜25重量
部)使用するのが良い。必要に応じてトナーに荷電制御
性物質を添加しても良い。例えば、炭素数2〜16のア
ルキル基を含むアジン系染料、モノアゾ染料の金属錯
塩、サリチル酸、ジアルキルサリチル酸の金属錯塩等の
荷電制御物質が用いられる。
【0121】アジン系染料の場合は、シアントナー、マ
ゼンタトナー及びイエロートナーの如きカラートナーの
色調を阻害しない程度に極く少量(例えば、樹脂成分を
基準にして、0.3重量%以下、より好ましくは0.0
5〜0.2重量%)使用することが好ましい。
【0122】本発明のトナーは、温度50℃で48時間
放置後においても、凝集度が40%以下(好ましくは、
1〜30%)であることが好ましい。温度50℃で48
時間放置の凝集度は、トナーの耐ブロッキング性及びワ
ックスのトナー粒子内における内包の程度を示すバロメ
ータの1つと考えられる。耐ブロッキング性の劣ってい
るトナーは、温度50℃で48時間放置された場合、ト
ナーは凝集して塊状化するために凝集度の値は大きくな
る。
【0123】トナーまたは疎水性コロイダルシリカの如
き添加剤が混合されているトナーの凝集度は、下記方法
で測定することができる。
【0124】凝集度の測定法:試料(トナーまたはコロ
イダルシリカの如き添加剤が混合されているトナー)を
23℃の環境下で約12時間放置したものを用いる。測
定環境は温度23℃、湿度60%RHである。
【0125】一方、試料5gを100ml容量のポリエ
チレン容器に入れ温度50℃で48時間放置し、放置後
の試料の凝集度を測定する。
【0126】測定装置としては、パウダーテスター(細
川ミクロン社製)を用いる。
【0127】測定法としては、振動台に200メッシ
ュ、100メッシュ、60メッシュのフルイを目開の狭
い順に、すなわち60メッシュフルイが最上位にくるよ
うに200メッシュ、100メッシュ、60メッシュの
フルイ順に重ねてセットする。
【0128】このセットした60メッシュフルイ上に正
確に秤量した試料5gを加え、振動台への入力電圧を2
1.7Vになるようにし、その際の振動台の振幅が60
〜90μの範囲に入るように調整し(レオスタット目盛
約2.5)、約15秒間振動を加える。その各フルイ上
に残った試料の重量を測定して下式にもとずき凝集度を
得る。
【0129】
【外3】
【0130】本発明のトナーにおいて、流動性改質剤を
カラートナー粒子と混合(外添)して用いても良い。、
流動性改質剤としてはコロイダルシリカ微粉体、疎水性
コロイダルシリカ微粉体、酸化チタン微粉体、疎水性酸
化チタン微粉体、脂肪酸金属塩、テフロン微粉末などが
ある。
【0131】本発明のトナーは、フローテスターによる
流出開始点が温度75〜95℃であることが、低温定着
性及びフルカラー画像における定着時の混色性の点で好
ましい。
【0132】本発明におけるトナーの溶融挙動の測定
は、図8に示す高架式フローテスター(島津フローテス
ターCFT−500型)を用い、先ず加圧成形器を用い
て成形した重量1.0gの試料83を昇温速度5.0℃
/minでプランジャー81により20kgfの荷重を
かけ直径1mm、長さ1mmのノズル84より押し出す
ようにし、これによりフローテスターのプランジャー降
下量を測定する。
【0133】この時フローテスターのプランジャー降下
量−温度曲線(図9フローテスター流出曲線参照)の試
料流出開始点における温度を流出開始温度とする。
【0134】上述の製造方法で得られたトナーは、乾式
静電荷像現像法に適用できる。例えば、カスケード法、
磁気ブラシ法、マイクロトーニング法、二成分ACバイ
アス現像法などの二成分現像法;導電性一成分現像法、
絶縁性一成分現像法、ジャンピング現像法などの磁性ト
ナーを使用する一成分現像法;粉末雲法およびファーブ
ラシ法;トナー担持体上に静電気的力によって保持され
ることによってトナーが現像部へ搬送され、現像に供さ
れる非磁性一成分現像法;電界カーテン法によりトナー
が現像部へ搬送され、現像に供される電界カーテン現像
法などに適用可能である。本発明の方法により得られた
トナーは、シャープな粒度分布が必要な重量平均粒径
(d4)2〜8.5μmの小粒径トナーを使用する現像
法に、特に好ましく適用できる。
【0135】本発明において、流動性改質剤をトナー粒
子と混合して用いることが好ましい。流動性改質剤とし
てはコロイダルシリカ微粉末,疎水性コロイダルシリカ
微粉末,脂肪酸金属塩微粉末,テフロン微粉末,酸化チ
タン微粉末,疎水性酸化チタン微粉末が例示される。
【0136】トナーの粒度分布は種々の方法によって測
定できるが、本発明においてはコールターカウンターを
用いて行った。
【0137】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数分布、体積
分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX
−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、
電解液は1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水
溶液を調製する。例えば、ISOTON
【0138】
【外4】 −II(コールターサイエンティフィックジャパン社
製)が使用できる。測定法としては前記電解水溶液10
0〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましく
はアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加
え、さらに測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁
した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行
い、前記コールターカウンターTA−II型により、ア
バチャーとして100μアパチャーを用いて、個数を基
準として2〜40μの粒子の粒度分布を測定して、それ
から本発明に係るところの値を求めた。
【0139】本発明は、多色画像の場合に効果がよりい
っそう発揮される。多色画像を得る方法の一例を図6を
用いて説明する。
【0140】即ち、感光体ドラム32が図6に図示する
矢印の向きに回転し、ドラム32上の感光層が一次帯電
器33によって均等に帯電されると、原稿のイエロー画
像に対応して変調されたレーザ光Eにより画像の露光が
行われ、感光体ドラム32上にイエロー画像の静電潜像
が形成される。このイエロー画像の静電潜像は、現像装
置IIIの回転体34の回転により予め現像位置に定置
されたイエロー現像器34Yによって現像される。
【0141】給紙カセット101または102から給紙
ローラ106、給紙ガイド24a、給紙ローラ107、
給紙ガイド24bを経由して搬送されてきた転写材(図
示せず)は、所定のタイミングでグリッパ26により保
持され、当接用ローラ27およびこれと対向している電
極によって静電的に転写ドラム28に巻き付けられる。
転写ドラム28は、感光体ドラム32と同期して図6に
図示する矢印の方向に回転しており、イエロー現像器3
4Yで現像された可視画像(トナー像)は、感光体ドラ
ム32の外周面と転写ドラム28の外周面とが当接して
いる部位にて転写帯電器29により転写される。転写ド
ラム28は、そのまま回転を継続し、次の色(図6にお
いてはマゼンタ)の転写に備える。
【0142】他方、感光体ドラム32は、除電用帯電器
30により除電され、クリーニング手段31によってク
リーニングされた後、再び一次帯電器33により帯電さ
れ、次のマゼンタ画像信号により前記のような像露光を
受ける。現像装置IIIは、感光体ドラム32上に前記
の像露光によってマゼンタ画像信号による静電潜像が形
成される間に回転して、マゼンタ現像器34Mを現像位
置に定置せしめ、所定のマゼンタ現像を行う。引き続い
て、上述したプロセスをそれぞれシアン色およびブラッ
ク色に対しても実施し、4色分の転写が終了すると、転
写材上に形成された4色の可視画像(トナー像)は各帯
電器22、23により除電され、グリッパ26による転
写材の把持が解除されると共に、該転写材は分離爪40
によって転写ドラム28から分離され、搬送ベルト手段
25で定着ロール11及び加圧ロール12を有する画像
定着装置に送られ、そこで熱と圧力とにより混色及び定
着されて、排紙トレイ41に定着画像を有する転写材が
排紙され、一連のフルカラープリントのシーケンスが終
了し、所要のフルカラープリント画像が形成されたこと
となる。
【0143】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。
【0144】実施例1 イオン交換水1200重量部に、撹拌しながら0.1N
リン酸ナトリウム水溶液400重量部及び1N塩化カル
シウム水溶液35重量部を添加し、粒径1μm以下のリ
ン酸カルシウム微粒子含有水系分散媒体を調製した。該
水系分散媒体のpHは約10であった。 スチレンモノマー 183重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 17重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃,重量平均分子量約1000) 40重量 部 ピグメントイエロー17 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(モル比88:10:2 ;重量平均分子量58000;酸価20) 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0145】上記材料を容器中で温度60℃に加温し、
TK式ホモミキサー(3000rpm)を使用して、溶
解及び分散し、モノマー混合物を調製した。該モノマー
混合物においては、パラフィンワックスは完全に溶解し
ていた。温度60℃に維持しながら、重合開始剤2,
2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
(温度60℃の半減期240分;トルエン中の10時間
半減期温度51℃)10重量部及びジメチル−2,2′
−アゾビスイソブチレート(温度60℃の半減期200
0分;トルエン中の10時間半減期温度60℃)1重量
部を該モノマー混合物に加え、重合性単量体組成物を調
製した。
【0146】温度60℃の該水系分散媒体の入っている
容器中に、調製した温度60℃の重合性単量体組成物を
投入し、窒素雰囲気下でTK式ホモミキサーを用いて温
度60℃、撹拌翼の回転数10000rpmで20分間
撹拌して、重合性単量体組成物を該水系分散媒体中で造
粒した。造粒後、TK式ホモミキサーにかえてパドル撹
拌翼の撹拌機(60rpm)で水系分散媒体を温度60
℃に維持しながら3時間撹拌して重合反応をすすめ、さ
らに、水系分散媒体の温度を80℃に上げて10時間撹
拌しながら重合反応をすすめた。
【0147】重合反応終了後に、重合粒子を含有する水
系分散媒体中に5N塩酸50重量部を加えて、リン酸カ
ルシウム微粒子を溶解し、冷却後、瀘過し、重合粒子を
得た。得られた重合粒子を水洗し、乾燥することにより
懸濁重合法により調製されたイエロートナーAを得た。
【0148】得られたイエロートナーAは、コールター
カウンターで測定したところ重量平均径(d4)が8μ
mであり、シャープな粒度分布を有していた。
【0149】該イエロートナーAのフローテスターによ
る流出開始点は温度76℃であった。さらに、該イエロ
ートナーAを成形して得たペレットの表面は、水に対す
る接触角が103度であった。イエロートナー粒子の切
断面を電顕写真でみたところ、パラフィンワックスが中
心部に良好に内包されているのが確認された。該イエロ
ートナーAのゲルパーミエーションクロマトグラムにお
いて、重量平均分子量(Mw)は56000であり、数
平均分子量(Mn)は6000であり、Mw/Mnの値
Aは9.3であった。さらに、ゲルパーミエーションク
ロマトグラムにおいて、分子量1500以上の領域にお
けるMwは62000であり、Mnは17000であ
り、Mw/Mnの値Bは3.6であった。さらに、ゲル
パーミエーションクロマトグラムにおいて分子量150
0以上の領域と分子量1500〜300の領域との重量
比は、210:40であった。
【0150】得られたイエロートナーA100重量部と
負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体(BET比表面
積約200m2/g)0.5重量部とを混合し、疎水性
コロイダルシリカをトナー粒子表面に有するイエロート
ナーAを調製した。イエロートナーの23℃における凝
集度は7.2であり、50℃で48時間後の凝集度は
7.5であった。さらにアクリル系樹脂でコートされた
樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒径45μ
m)900重量部とシアントナー100重量部とを混合
し、二成分系現像剤を調製した。該二成分系現像剤を振
とうした後のトナーは負の摩擦電荷を有していた。
【0151】調製した二成分系現像剤を図6に概略図を
示すフルカラー複写機(CLC−1、キヤノン製)の改
造機に供給し、疎水性コロイダルシリカ微粉体をイエロ
ートナー粒子表面に有するイエロートナーAを逐次供給
し、画出し試験及び熱ローラ定着試験をおこなった。定
着機の定着ローラとして、ヒータを内蔵した直径約34
mmのアルミニウム製芯金表面に厚さ2mmのHTVシ
リコーンゴム層を有し、該HTVシリコーンゴム層上
に、厚さ30μmのPFA樹脂(テトラフルオロエチレ
ン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)層
を有するローラの直径40mmのものを用いた。定着ロ
ーラ表面の硬度は45度であった。一方、定着機の加圧
ローラとして、ヒータを内蔵した直径約38mmのアル
ミニウム製芯金表面に厚さ1mmのフッ素ゴム層を有す
るローラの直径40mmのものを用いた。加圧ローラ表
面の硬度は55度であった。
【0152】上記定着機においては、排紙方向は、図2
に示す如く、加圧ローラ側であった。
【0153】ローラー間の圧力は、3kg/cm2に調
整し、定着のプロセススピードは90mm/secとし
て100℃〜200℃の温度範囲で5℃おきに温調し普
通紙に対する定着試験を行った。評価は、得られた定着
画像を50g/cm2の荷重をかけたシルボン紙で摺擦
し、摺擦前後の画像濃度低下率が5%以下となる温度を
定着開始温度とした。またオフセットの評価は、定着画
像の観察で行った。さらにOHP用シートにプロセスス
ピード20mm/secで温度150℃でトナー像を定
着し、そのシートの透過スペクトルを分光光度計U−3
400(日立製作所製)で測定することによりイエロー
トナー像の透明性を評価した。多数枚耐久性は定着温度
150℃でおこなった。トナーの物性及び試験結果を第
1表及び第2表に示す。
【0154】実施例2 スチレンモノマー 170重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 30重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃;Mw約1000) 40重量部 C.I.ピグメントブルー15:3 10重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(モル比88:10:2 ;Mw58000;酸価20) 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 3重量部
【0155】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりシアントナーBを調製
した。さらに、実施例1と同様にして、得られたシアン
トナーBと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混
合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合
し、二成分系現像剤を調製した。
【0156】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0157】実施例3 スチレンモノマー 170重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 30重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃;Mw約1000) 40重量部 C.I.ピグメントレッド122 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(モル比88:10:2 ;Mw58000;酸価20) 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 3重量部
【0158】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりマゼンタトナーCを調
製した。さらに、実施例1と同様にして得られたマゼン
タトナーCと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と
混合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混
合し、二成分系現像剤を調製した。
【0159】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0160】実施例4 スチレンモノマー 170重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 30重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃;Mw約1000) 40重量部 カーボンブラック(平均粒径36mμ;揮発分1wt%) 20重量部 アルミニウムカップリング剤 0.2重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(モル比88:10:2 ;Mw58000;酸価20) 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 3重量部
【0161】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりブラックトナーDを調
製した。さらに、実施例1と同様にして得られたブラッ
クトナーDと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と
混合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混
合し、二成分系現像剤を調製した。
【0162】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び定着試験結果を第1
表及び第2表に示す。
【0163】実施例5 パラフィンワックスの量を95重量部にすること以外は
実施例1と同様にしてイエロートナーEを調製した。さ
らに、実施例1と同様にして、得られたイエロートナー
Eと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混合し、
次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合し、二
成分系現像剤を調製した。
【0164】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0165】実施例6 パラフィンワックスの量を22重量部にすること以外は
実施例1と同様にしてイエロートナーFを調製した。さ
らに、実施例1と同様にして、得られたイエロートナー
Fと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混合し、
次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合し、二
成分系現像剤を調製した。
【0166】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0167】実施例7 融点60℃のパラフィンワックスを使用すること以外は
実施例1と同様にしてイエロートナーGを調製した。さ
らに、実施例1と同様にして、得られたイエロートナー
Gと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混合し、
次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合し、二
成分系現像剤を調製した。
【0168】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0169】実施例8 融点100℃のポリエチレンワックスを使用すること以
外は実施例1と同様にしてイエロートナーHを調製し
た。さらに、実施例1と同様にして、得られたイエロー
トナーHと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混
合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合
し、二成分系現像剤を調製した。
【0170】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0171】実施例9 スチレンモノマー 183重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 17重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃;Mw約1000) 30重量部 ピグメントイエロー17 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体(モル比88:10:2 ;Mw10万;酸価20) 20重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0172】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりイエロートナーを調製
した。さらに、実施例1と同様にして、得られたイエロ
ートナーと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体と混
合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと混合
し、二成分系現像剤を調製した。
【0173】該二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第1表及
び第2表に示す。
【0174】実施例10 定着ローラと加圧ローラとの間の圧力を5kg/cm2
とすること以外は実施例1と同様にしてトナー像の定着
試験をおこなった。実施例1と同様に、良好な結果が得
られた。
【0175】実施例11 実施例1で調製したイエロートナーAを有する二成分系
現像剤、実施例2で調製したシアントナーBを有する二
成分系現像剤及び実施例3で調製したマゼンタトナーC
を有する二成分系現像剤を使用して、図6に示す改造機
を使用してトナー画像を形成し、実施例1と同様にして
定着してフルカラー画像を生成した。フルカラー画像の
定着においても実施例1と同様に良好な結果が得られ
た。
【0176】
【表1】
【0177】
【表2】
【0178】比較例1 スチレンモノマー 183重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 17重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 4重量部 ピグメントイエロー17 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0179】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりイエロートナーLを調
製した。さらに、実施例1と同様にして、得られたイエ
ロートナーLと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体
と混合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと
混合し、二成分系現像剤を調製した。
【0180】実施例1の定着装置とは異なり、定着ロー
ラーとして、フッ素ゴム−テフロンコート(4フッ化エ
チレン樹脂,PTFE)二層のもので、硬度70度、層
厚1.0mm、ローラー径40mmφのものを用い、加
圧ローラーとしては、シリコンゴム(HTV)一層のも
ので、硬度55度、層厚5.0mm、ローラー径40m
mφ、定着ローラと加圧ローラとの圧力3kg/cm2
のものを用いた。加熱装置は、定着ローラー側及び加圧
ローラ側に取り付けた。この定着装置を用いた白紙通紙
テストでは、その排紙方向は、定着ローラー側になっ
た。
【0181】上記二成分系現像剤及び定着装置を使用す
ることを除いて、実施例1と同様にして画出しし、トナ
ー像の定着試験をおこなった。トナーの物性及び試験結
果を第3表及び第4表に示す。
【0182】比較例2 実施例1の定着装置とは異なり、定着ローラーとして
は、シリコンゴムの2層(RTV/HTV)で、ゴム層
厚1mm,硬度55度、定着ローラー径40mmφのも
のを用い、加圧ローラーとしては、フッ素ゴム系ローラ
ーで、硬度45度、層厚3mm、ローラー径40mm
φ、定着ローラと加圧ローラの圧力3kg/cm2のも
のを用いた。加熱装置は加圧ローラー側にもとりつけ
た。これにより、白紙通紙テストでは、その排紙方向は
定着ローラー側になった。
【0183】比較例1で調製した二成分系現像剤及び上
記定着装置を使用することを除いて実施例1と同様にし
て画出しし、トナー像の定着試験をおこなった。試験結
果を第4表に示す。
【0184】比較例3 比較例1で調製した二成分系現像剤を使用することを除
いて、実施例1と同様にして画出しし、実施例1と同様
にトナー像の定着試験をおこなった。試験結果を第4表
に示す。
【0185】比較例4 比較例1で使用した定着装置を使用することを除いて、
実施例1の二成分系現像剤を使用し実施例1と同様にし
て画出しし、トナー像の定着試験をおこなった。試験結
果を第4表に示す。
【0186】比較例5 スチレンモノマー 183重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 17重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 120重量部 ピグメントイエロー17 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0187】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりイエロートナーMを調
製した。さらに、実施例1と同様にして、得られたイエ
ロートナーMと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体
と混合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと
混合し、二成分系現像剤を調製した。
【0188】上記二成分系現像剤及び比較例1で使用し
た定着装置を使用することを除いて、実施例1と同様に
して画出しし、トナー像の定着試験をおこなった。トナ
ーの物性及び試験結果を第3表及び第4表に示す。
【0189】比較例6 比較例5で調製した二成分系現像剤及び比較例2で使用
した定着装置を使用することを除いて実施例1と同様に
して画出しし、トナー像の定着試験をおこなった。試験
結果を第4表に示す。
【0190】比較例7 比較例5で調製した二成分系現像剤及び比較例3で使用
した定着装置を使用することを除いて、実施例1と同様
にして画出しし、トナー像の定着試験をおこなった。試
験結果を第4表に示す。
【0191】比較例8 スチレンモノマー 183重量部 2−エチルヘキシルアクリレートモノマー 17重量部 ジビニルベンゼン 1重量部 パラフィンワックス(m.p.75℃) 4重量部 ピグメントイエロー17 7重量部 スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体 10重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2重量部
【0192】上記材料を使用することを除いて、実施例
1と同様にして懸濁重合法によりイエロートナーNを調
製した。さらに、実施例1と同様にして、得られたイエ
ロートナーNと負帯電性疎水性コロイダルシリカ微粉体
と混合し、次いで樹脂コート磁性フェライトキャリアと
混合し、二成分系現像剤を調製した。
【0193】上記二成分系現像剤を使用することを除い
て、実施例1と同様にして画出しし、トナー像の定着試
験をおこなった。トナーの物性及び試験結果を第3表及
び第4表に示す。
【0194】比較例9 分子量500融点50℃のワックスを使用することを除
いて実施例1と同様にしてイエロートナーOを生成し、
得られたイエロートナーO100重量部と疎水性コロイ
ダルシリカ微粉体0.5重量部とを混合して、イエロー
トナーを調製した。
【0195】該イエロートナーの温度23℃、湿度60
%RH環境下における凝集度は16.1%であり、温度
50℃で48時間放置後の凝集度は55.4%であり、
実施例1と比較して耐ブロッキング性に劣っていた。
【0196】比較例10 分子量2000融点120℃のワックスを使用すること
以外は実施例1と同様にしてイエロートナーPを生成し
た。得られたトナーPは実施例1と比較して粒度分布が
広かった。
【0197】比較例11 実施例1の定着装置とは異なり、定着ローラーとして
は、シリコンゴムの2層(RTV/HTV)で、ゴム層
厚3mm,硬度45度、定着ローラー径40mmφのも
のを用い、加圧ローラーとしては、フッ素ゴム系ローラ
ーで、硬度55度、層厚1mm、ローラー径40mmφ
のものを用いた。加熱装置は加圧ローラー側にもとりつ
けた。これにより、白紙通紙テストでは、その排紙方向
は加圧ローラー側となった。
【0198】上記定着装置を使用することを除いて、実
施例1と同様にしてトナー像の定着試験をおこなった。
試験結果を第4表に示す。
【0199】比較例12 実施例1の定着装置において、定着ローラと加圧ローラ
との間の圧力を1kg/cm2とすることを除いて、実
施例1と同様にしてトナー像の定着試験をおこなった。
結果を第4表に示す。
【0200】
【表3】
【0201】
【表4】
【0202】
【発明の効果】本発明の熱圧定着方法及び該方法に使用
されるトナーは、低温定着性及び耐ローラ巻き付き性に
優れるとともに、多数枚耐久性に優れ、カラートナーの
定着方法として優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用される定着装置の一具体例を概略
的に示した図である。
【図2】排紙方向が加圧ローラ側にある定着装置に関す
る図を示す。
【図3】排紙方向が定着ローラ側にある定着装置に関す
る図を示す。
【図4】トナーのGPCクロマトグラムに関する図を示
す。
【図5】分子量1500以上の領域のGPCクロマトグ
ラムに関する図を示す。
【図6】フルカラー複写機の概略図を示す。
【図7】本発明におけるワックスの融点に関する説明図
を示す。
【図8】フローテスターの概略図を示す。
【図9】フローテスターで測定されたトナーの流出曲線
を示す。
【符号の説明】
11 定着ローラ 12 加圧ローラ 22 帯電器 23 帯電器 24a 給紙ガイド 24b 給紙ガイド 25 搬送ベルト手段 26 グリッパ 27 当接用ローラ27 28 転写ドラム 29 転写帯電器 30 除電用帯電器 31 32 感光ドラム 33 一次帯電器 34 回転体(現像装置) 34Y イエロー現像器 34M マゼンタ現像器 34C シアン現像器 34BK ブラック現像器 40 分離爪 41 排紙トレイ 101 給紙カセット 102 給紙カセット 106 給紙ローラ 107 給紙ローラ 81 ピストン 82 シリンダ 83 試料 84 ダイ 85 ダイ押え
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上滝 隆晃 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−39971(JP,A) 特開 平2−294665(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に圧接している定着ローラー及び加
    圧ローラーを具備し、排紙方向が該定着ローラーの中心
    と該加圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向より該加圧
    ローラー側であり、該定着ローラーと該加圧ローラーと
    の間にかかる圧力が2Kg/cm2以上であり、該定着
    ローラーの表面の材質がフッ素含有物質である定着手段
    で熱圧定着されるトナーであり、 該トナーは、ビニル系樹脂100重量部に対して重量平
    均分子量(Mw)500〜1500であり且つ融点55
    〜100℃のワックスを10〜50重量部含有し、且
    つ、重量平均粒径が2〜8.5μmであり、 該ワックスは該ビニル系樹脂によってトナー粒子内に内
    包されており、該トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)可溶分のゲルクロマトグラフィーにおける重量平均
    分子量(Mw)が1万乃至50万であり、数平均分子量
    が1000乃至10万であり、Mw/Mnの値Aが4〜
    20であり、分子量1500以上の領域におけるトナー
    のTHF可溶分のMw/Mnの値Bが2〜10であるこ
    とを特徴とする熱圧定着用トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーは、負の電荷を有することを特
    徴とする請求項1に記載の熱圧定着用トナー。
  3. 【請求項3】 該トナーは、重合性単量体、該ワックス
    及び着色剤を少なくとも有する重合性単量体組成物を水
    相中で懸濁重合することにより製造されたものであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載の熱圧定着用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 静電像担持体上の負の電荷を有するトナ
    ー画像を転写材へ転写し、定着ローラー及び加圧ローラ
    ーでトナー画像を転写材に加熱及び加圧して定着する熱
    圧定着方法において、 トナー像を形成するトナーは、ビニル系樹脂100重量
    部に対して重量平均分子量(Mw)500〜1500で
    あり且つ融点55〜100℃のワックスを10〜50重
    量部含有し、且つ、重量平均粒径が2〜8.5μmであ
    り、 該ワックスは該ビニル系樹脂によってトナー粒子内に内
    包されており、該トナーのテトラヒドロフラン(TH
    F)可溶分のゲルクロマトグラフィーにおける重量平均
    分子量(Mw)が1万乃至50万であり、数平均分子量
    が1000乃至10万であり、Mw/Mnの値Aが4〜
    20であり、分子量1500以上の領域におけるトナー
    のTHF可溶分のMw/Mnの値Bが2〜10であり、 転写材上のトナー画像を、相互に圧接している定着ロー
    ラー及び加圧ローラーを具備し、排紙方向が該定着ロー
    ラーの中心と該加圧ローラーの中心を結ぶ線の直角方向
    より該加圧ローラー側であり、該定着ローラーと該加圧
    ローラーとの間にかかる圧力が2Kg/cm2以上であ
    り、該定着ローラーの表面の材質がフッ素含有物質であ
    る定着手段で、定着することを特徴とする熱圧定着方
    法。
  5. 【請求項5】 該トナーは、重合性単量体、該ワックス
    及び着色剤を少なとも有する重合性単量体組成物を水相
    中で懸濁重合することにより製造されたのであることを
    特徴とする請求項4に記載の熱圧定着方法。
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