JP2946109B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2946109B2
JP2946109B2 JP2175318A JP17531890A JP2946109B2 JP 2946109 B2 JP2946109 B2 JP 2946109B2 JP 2175318 A JP2175318 A JP 2175318A JP 17531890 A JP17531890 A JP 17531890A JP 2946109 B2 JP2946109 B2 JP 2946109B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] は電子写真法に於て形成される静電荷像を現像するため
のトナーに関する。
[従来の技術] 電子写真法とは米国特許第2,297,691号明細書等に記
載されている如く、多数の方法が知られており、一般に
は光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気
的潜像を形成し、該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した後、加
熱・圧力或は溶剤蒸気等により定着し複写物を得る方法
である。又、トナーを用いて現像する方法或いはトナー
画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案さ
れ、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用さ
れている。
近年、電子写真法に対し、高速複写化,高画質化が求
められ、更にフルカラー化に伴いトナー同士の混色性等
の要求が高まっており、用いられるトナーに対し、低温
定着化・小粒径化・低溶融粘度化が求められている。
一般にトナーを製造する方法としては、熱可塑性樹脂
中に染・顔料等の着色剤、荷電制御剤、離型剤等の添加
剤を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装置,分級
機により所望の粒径を有するトナーを製造する方法が知
られている。
これら粉砕法によるトナーにおいて、低温定着化を図
る為には低軟化点を有する熱可塑性樹脂を用いることが
必要になるが、その結果、高温オフセット現象が発生し
易くなり、離型剤の添加が必須となる。しかしながら、
過剰の離型剤の添加は、トナーの製造上必要な充分な溶
融混合を不可能にし、また量的に調整を行っても、低温
定着性を維持しつつ高温オフセットの防止と混練性、さ
らにカラートナーとして用いたときの透明性のすべてを
満たすことは実際上困難であった。
これら粉砕法トナーに対し、重合トナーが提案されて
いる。例えば、特開昭56−87051号公報において、オフ
セット防止剤存在下に重合を行う重合トナーの製造方法
が、又、特開昭59−218460号公報において、炭化水素化
合物含有重合トナーが、さらに、特開昭61−46955号公
報において、重合カラートナーが開示されている。これ
ら重合法によるトナーは、一般に水系媒体中で重合性単
量体系を懸濁重合することにより得られ、粉砕工程を経
ない為、ワックスのような低軟化点物質を多量に添加す
ることができ、更に、ワックスのような非極性物質は粒
子表面には存在し得ず内包化される為、ブロッキング性
に影響を及ぼす事も殆ど無い。このようにして得られた
重合トナーは、ワックスが添加されている為、耐高温オ
フセット性は付与されているが、低温定着性・耐低温オ
フセット性については未だ充分なものではなかった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナー
を提供することにある。
本発明の目的あ、低温定着性・耐低温オフセット性に
優れ非オフセット領域の広いトナーを提供することにあ
る。
本発明の目的は、混色性、色再現性に優れ、更に、透
明性に優れたトナーを提供することにある。
本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現性、ハイ
ライト階調性に優れたトナーを提供するものである。
[課題を解決する為の手段] 本発明の目的は、少なくとも離型剤と着色剤を含有す
る重合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られる
トナーにおいて、THF可溶性のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーによる分子量分布が2000以下と10000
以上にそれぞれ1以上のピークを有し、各ピークに対応
する成分の示差走査熱量測定において、結着樹脂成分に
よる吸熱ピークと離型剤成分による吸熱ピークが互いに
重複していないことを特徴とするトナーにより達成され
る。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは鋭意検討の結果、トナー中の離型剤は主
として高温オフセット防止に寄与し、トナーの低温定着
化に対しては、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)が支配
的な因子になっていることを見いだした。定着時に離型
剤が高温オフセット防止として充分機能する為には、定
着時に離型剤が融解しトナーと定着ローラーの界面に存
在していることが好ましい。しかしながら、離型剤は融
解する直前に結晶化に起因する吸熱が起こることが一般
的であり、本発明者らの検討の結果、結晶化による吸熱
ピークを有する場合、低温定着を阻害することが判明し
た。
本発明者らはこの理由について以下のように推測して
いる。先にも述べたが、低温定着化に対しては、結着樹
脂のTgを低下させることが必要となる。一方、いたずら
に結着樹脂のTgを低下させると、トナーのブロッキング
が起こり易くなる為、一般には、結着樹脂のTgを50〜70
℃に設定している。定着時の加熱時間は一般的な熱ロー
ラー定着の場合、0.03〜0.1秒と瞬間的である為、特に
低温サイドにおえるトナーに伝わる熱量は非常に微量で
ある。このわずかな熱を定着に有効に使う為には、結着
樹脂のTg付近に吸熱ピークを有する物質を添加しないこ
とが必要となる。しかしながら、離型性物質の添加は高
温オフセット防止に対して有効である為、除外すること
は実質的に不可能である。本発明者らはこれらの問題を
解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、本発明を得るに至
った。
一般に離型性物質の示差走査熱量測定においては、結
晶化による吸熱ピークと融解に伴う吸熱ピークの二つの
吸熱ピークが観測される。このうち、融解は結晶性物質
を用いる以上避け得ない吸熱であるので、本発明者らは
結晶転移に伴う吸熱ピークを押さえるよう検討を行い以
下のような結果を得た。
(1)結晶転移に伴う吸熱ピークを持たない離型剤を使
用する。長分子鎖長の離型剤は結晶転移に伴う吸熱ピー
クを持たないことが知られている。このような離型剤の
中で、適当な融点を有するものを選択することにより、
定着性と耐オフセット性の両立がはかられる。
(2)トナー製造工程中に離型剤の結晶化工程を入れ
る。
トナー製造工程中に離型剤の融点付近若しくは融点以
上に加熱する工程とその後徐冷する工程を入れ、含有し
ている離型剤の結晶化をトナー製造中に行い、トナー化
後の結晶化を押さえる。
これら離型剤ついて具体的に説明する。
高融点パラフィンワックス:パラフィンの精製を高度
に行い、高純度の高分子量成分のみを取り出す。このよ
うにして得られたパラフィンワックスは融点が約75℃以
上で分子の鎖長が長いことにより、結晶転移に伴う吸熱
が起こらない。
グラフト化パラフィンワックス:パラフィンワックス
に側鎖を導入し、再配列を阻害する。例えばパラフィン
ワックスに空気酸化により水酸基を導入し、さらに該水
酸基を修飾することにより結晶化による吸熱ピークを持
たず、且つ融点の比較的高いワックスを得る。
これら離型剤の添加量は、単量体100重量部に対し、
2〜40重量部、好ましくは4〜20重量部の範囲で用いる
のが良い。
本発明においては上記のような離型剤を用いることに
より定着性の改良が達成され、さらにカラー複写におい
て必要な混色性、OHP用シート上の画像の透明性につい
ても改良されている。特にOHP用シート上の画像の透明
性に関していえば、オーバーヘッドプロジェクターの小
型・軽量化が図られるにつれ、従来あった透過式から反
射式が主流となり、より高い透明性が要求されてきてい
る。即ち、透過式では光の画像通過は1回だけなのに対
し、反射式では2回通過する為、透過式において透明性
良好と判断できる光透過率が約40%であったのに対し、
反射式ではその1/2乗の約60%の光透過率が画像におい
て必要となっている。このような点から、画像の透明性
はカラー複写において、重要な性能となっており、本発
明のトナーはこの点の改良が著しいものである。
本発明で用いられる着色剤としては、公知のものが使
用でき、例えば、カーボンブラック、鉄黒の他、C.I.ダ
イレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシ
ッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダン
トレッド30、C.I.ダイクトブルー1、C.I.ダイレクトブ
ルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー1
5、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー
5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン
6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリー
ン6等の染料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルフ
ァストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロ
ーS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネン
トオレンジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレ
ツド、パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカル
ウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレッ
トB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
キナクリドン、ローダミンB、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、マラ
カイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG
等の顔料がある。本発明においては重合法を用いてトナ
ーを得る為、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行性に注
意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例えば、
重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておいたほ
うが良い。特に、染料系やカーボンブラックは、重合阻
害性を有しているものが多いので使用の際に注意を要す
る。染料系を表面処理する好ましい方法としては、あら
かじめこれら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめ
る方法が挙げられ、得られた着色重合体を単量体系に添
加する。又、カーボンブラックについては、上記染料と
同様の処理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応
する物質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でグラフ
ト処理を行っても良い。
これら着色剤は単量体100重量部に対し、0.5〜20重量
部が用いられ、好ましくは1〜10重量部が用いられる。
上記重合トナーに使用できる重合性単量体としては、
スチレン・o−メチルスチレン・m−メチルスチレン・
p−メチルスチレン・p−メトキシスチレン・p−エチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル・
アクリル酸エチル・アクリル酸n−ブチル・アクリル酸
イソブチル・アクリル酸n−プロピル・アクリル酸n−
オクチル・アクリル酸ドデシル・アクリル酸2−エチル
ヘキシル・アクリル酸ステアリル・アクリル酸2−クロ
ルエチル・アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル・メタクリル酸エチル・メタク
リル酸n−プロピル・メタクリル酸n−ブチル・メタク
リル酸イソブチル・メタクリル酸n−オクチル・メタク
リル酸ドデシル・メタクリル酸2−エチルヘキシル・メ
タクリル酸ステアリル・メタクリル酸フェニル・メタク
リル酸ジメチルアミノエチル・メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他アクリロ
ニトリル・メタクリロニトリル・アクリルアミド等の単
量体が挙げられる。
これらの単量体は単独、又は混合して使用し得る。上
述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単
独で、又はほかの単量体と混合して使用することがトナ
ーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明のトナーにおいては、THF可溶分のGPCによる分
子量分布が2000以下と10000以上にそれぞれ1以上のピ
ークを有することが必要である。これは、THF可溶分の
分子量10,000以上の成分が主に耐オフセット性、耐まき
つき性に効果があり、THF可溶分の分子量2,000以下の成
分が定着ローラーとの離型性に効果があることに基づく
ものである。
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的で
トナー材料中に荷電制御剤を添加しておくことが望まし
い。これらの荷電制御剤としては、公知のもののうち、
重合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用いられ、例
えば正荷電制御剤としてニグロシン系染料・トリフェニ
ルメタン系染料・四級アンモニウム塩・アミン系及びポ
リアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤として
は、含金属サリチル酸系化合物・含金属モノアゾ染料系
化合物・スチレンアクリル酸共重合体・スチレン−メタ
クリル酸共重合体等が挙げられる。
これら荷電制御剤は単量体100重量部に対し、0.1〜30
重量部が用いられ、好ましくは、1〜15重量部が用いら
れる。
本発明において用いられる分散媒は、いずれ適当な安
定化剤、例えばポリビニルアルコール・ゼラチン・メチ
ルセルロース・メチルヒドロキシプロピルセルロース・
エチルセルロース・カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩・ポリアクリル酸及びその塩・デンプン・リン
酸三カルシウム・水酸化アルミニウム・水酸化マグネシ
ウム・メタケイ酸カルシウム・硫酸バリウム・ベントナ
イト等を水相に分散させて使用できる。この安定化剤
は、重合性単量体100重量部に対して、0.2〜20重量部を
使用することが好ましい。
又、これら安定化剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1
重量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散
安定化剤の所期の作用を促進する為のものであり、その
具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム・テ
トラデシル硫酸ナトリウム・ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム・オクチル硫酸ナトリウム・オレイン酸ナトリウム・
ラウリル酸ナトリウム・ステアリン酸カリウム・オレイ
ン酸カルシウム等が挙げられる。
単量体系には、添加剤として極性基を有する重合体・
共重合体を添加して重合することがより好ましい。更
に、本発明においては、極性基を有する重合体・共重合
体又は環化ゴムを添加した単量体系を、該極性重合体と
逆荷電性の分散剤を分散せしめた水相中に懸濁させ重合
することが好ましい。即ち、単量体系中に含まれるカチ
オン性、又はアニオン性重合体・共重合体、又は環化ゴ
ムは水相中に分散している逆荷電性のアニオン性、又は
カチオン性分散剤と重合進行中のトナーとなる粒子表面
で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆うことに
より粒子同士の合一を防ぎ安定化せしめると共に、重合
時に添加した極性重合体がトナーとなる粒子表層部に集
まる為、一種の殻のような形態となり、得られた粒子は
擬似的なカプセルとなる。比較的高分子量の極性重合体
・共重合体又は環化ゴムを用い、トナー粒子にブロッキ
ング性、現像耐摩耗性の優れた性質を付与する一方で、
内部では比較的低分子量で定着特性向上に寄与するよう
に重合を行うことにより、定着性とブロッキング性とい
う相反する要求を満足するトナーを得ることができる。
本発明に使用できる極性重合体・共重合体及び逆荷電性
分散剤を以下に例示する。
(1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル,メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
ど含窒素単量体の重合体もしくはスチレン・不飽和カル
ボン酸エステル等との共重合体が挙げられる。
(2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、
その他不飽和二塩基酸・不飽和二塩基酸無水物、ニトロ
系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等との共
重合体が挙げられる。又、これら極性重合体のかわりに
環化ゴムを使用しても良い。
(3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が好ま
しく用いられ、特に、BET比表面積が200m2/g以上のコロ
イダルシリカが適している。
(4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が200m2/g
以上)等の親水性正帯電性シリカ微粉末、水酸化アルミ
ニウム等が挙げられる。
このような分散剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、0.2〜20重量部を使用することが好ましい。更に好
ましくは、0.3〜15重量部である。
重合開始剤としては、いずれか適当な重合開始剤、例
えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,
2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジ
アゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカ
ーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等
の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これら重合開始
剤は一般には、重合性単量体の0.5〜10重量%の添加量
で充分である。
本発明で用いられる重合トナーは以下の如き方法にて
得られる。即ち、重合性単量体中に離型剤・着色剤・荷
電制御剤・重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナ
イザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せ
しめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常
の撹拌機またはホモミキサー・ホモジナイザー等により
分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒
子のサイズ、一般に30μm以下の粒径を有するように撹
拌速度・時間を調整し、その後は分散安定剤の作用によ
り、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される
程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的
には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。反応終了
後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量
部にたいして水300〜3000重量部を分散媒として使用す
るのが好ましい。
本発明によるトナーは実質的に球形で且つ表面に微小
凹凸を有することが好ましい。このようなトナーを得る
方法としては、球形粒子の表面にいずれかの方法で微粒
子を融着させるか、球形粒子を作る段階でその表面の凹
凸化を図ることが挙げられる。本発明による表面に凹凸
を有するトナーを得る方法としては、例えば以下のよう
な方法が挙げられる。
1)メカノケミカル法:球形化トナー粒子と樹脂微粒子
を混合後、メカノケミカル手法によりトナー粒子の表面
に樹脂微粒子を融着させる。
2)乾式加熱処理法:球形化トナー粒子と樹脂微粒子を
混合後、流動加熱層中にて混合加熱を行いトナー粒子の
表面に樹脂微粒子を融着させる。
3)湿式加熱処理法:液体若しくは気体中にて、球形化
トナー粒子と樹脂微粒子を混合後、液体中にて加熱処理
を行いトナー粒子の表面に樹脂微粒子を融着させる。
4)トナー粒子重合時、樹脂微粒子添加法:重合法によ
りトナー粒子を得る場合、あらかじめ樹脂微粒子をモノ
マー中に添加しておくか、又は重合過程に樹脂微粒子を
添加し、樹脂微粒子や分散系の物性をコントロールする
ことにより、樹脂微粒子をトナー表面に移行させ、重合
を完結させる。
5)膨潤後乾燥法:トナー粒子をいったん溶剤に浸漬し
膨潤させた後、加熱気流中若しくは減圧下に乾燥する。
この時併せて球形化処理を行っても良い。
本発明で凹凸付与に用いる樹脂微粒子としては、その
粒径が球形化トナー粒子の1/200〜1/10、好ましくは、1
/100〜1/10の範囲に含まれ、その材質は、例えばスチレ
ン系樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン・メタクリル酸エステル共重合体、スチレンと他
のビニル系単量体(例えば、アクリロニトリル、ブタジ
エン等)との共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ
樹脂の中から適当なものが用いられる。これら樹脂のう
ち、特にビニル系樹脂が乳化重合等により樹脂微粒子を
容易に得られる為、好ましく用いられる。
本発明で用いられる各種特性付与を目的とした添加剤
は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子
の体積平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子
の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これ
ら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、以下
のようなものが用いられる。
1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素,酸化アル
ミニウム,酸化チタンなど)・カーボンブラック・フッ
化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を行ったもの
が、より好ましい。
2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム,酸
化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸
化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物
(炭化ケイ素など)金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリ
ウム,炭酸カルシウムなど)など。
3)滑 剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン,ポ
リテトラフルオロエチレンなど)・脂肪酸金属塩(ステ
アリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)など。
4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫,酸化チタ
ン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニウムなど)・
カーボンブラックなど。
これら添加剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.1〜
10重量部が用いられ、好ましくは、0.1〜5重量部が用
いられる。これら添加剤は、単独で用いても、又、複数
併用しても良い。
本発明における粒度分布測定について述べる。
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コ
ールター社製)を用い、個数平均分布,体積平均分布を
出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パー
ソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し電解液は
1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を0.5〜50mg加え
る。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間
分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型に
より、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて2
〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個
数平均分布を求める。
これら求めた体積平均分布、個数平均分布より、体積
平均粒径を得る。
本発明における示差走査熱量測定(DSC)は、DSC−7
(パーキンエルマー製)を用いて昇温速度10℃/minで行
う。又、ワックス成分のDSCカーブにおいて、最大の吸
熱を示すピークの頂点の温度を、ワックスの融点とす
る。
本発明のトナーの分子量分布は以下の様に測定した。
1サンプル調製 (I)標準試料 標準試料として次に示した市販の標準ポリスチレンを
用いる。
上記標準ポリスチレン約3mgを30mlのテトラヒドロフ
ラン(THF)に溶解して標準試料とする。
(II)未知試料 未知試料(トナー)60mgを15mlのTHFで抽出し遠沈後
濾過を行ない未知試料とする。
2測定条件 装置としてWATERS社150C ALC/GPCを用い以下の条件で
測定した。
溶 媒:THF(キシダ化学製 特級) カラム:ショーデックスKF−801,802,803,804,805,80
6,807(昭和電工製) 温 度:40℃ 流 速:1.0ml/min 注入量:0.1ml 検出器:RI 3データ処理 上記の測定条件にて標準試料のピーク時の保持時間を
よみとり検量線を作成し、その検量線から未知試料の分
子量を算出する。
本発明によるトナーにおける実質的なゲル分の定量は
以下のようにして行った。
内容量100mlの遠沈管にトナー1gをとり、トルエンを5
0ml加え、50℃に加熱下、超音波浴に浸漬し、20分間樹
脂分の抽出を行った。遠沈管を遠心分離器に設置し、1
0,000rpmで30分間分離を行い、上ずみを除去した。さら
にトルエン50mlを加え同様の操作を行い、上ずみを除去
した。この操作をさらに3回繰り返した後、不溶成分を
取り出し、乾燥させた。得られた不溶成分量が初期トナ
ー量の8%以下であるとき、該トナーの実質的なゲル分
はないと判断した。
[実施例] 以下実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。な
お、部数はすべて重量部である。
実施例1 イオン交換水1200mlにγ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン0.25gを加て、さらに親水性コロイダルシリカ
(BET比表面積200m2/g)5gを加え、80℃に加温し、TK式
ホモミキサーM型(特殊機化工業製)を用いて10,000rp
mで15分間分散させた。さらに1/10N−HCl水溶液を加
え、系内pHを6とした。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサー
を用いて溶解・分散して単量体混合物とした。さらに80
℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビスイ
ソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成物を調製
した。前記で得た分散媒を入れた2のフラスコ中に、
上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下で80℃でTK式
ホモミキサーを用い、12,000rpmで60分間撹拌し、単量
体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で20時間重合した。重合反応終了後、反応生成
物を冷却し、NaOH水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾
過、水洗、乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた球形粒子の粒径をコールターカウンター(ア
パーチャー径100μm)で測定したところ、体積平均径
6.8μmでシャープな粒度分布を有していた。
別途、反応容器中にイオン交換水150部を入れ、80℃
に加熱し、さらに撹拌下、スチレン/n−ブチルメタクリ
レート=90/10(部/部)の単量体系1部と10重量%過
硫酸アンモニウム水溶液10部を加え、さらに上記単量体
系99部を3時間かけて滴下し、種ラテックスを得、次い
でメタクリル酸10部を滴下した後、3時間重合を継続し
た。重合終了後、冷却し、水洗、濾過、乾燥を行ない、
コールターN4による体積平均径が0.6μmの球形樹脂微
粒子を得た。
先に得た球形粒子50部に上記樹脂微粒子5部を加え、
ヘンシェルミキサーにより、分散・混合せしめた。別
途、イオン交換水1200mlにγ−アミノプロピルトリメト
キシシラン0.25gを加え、さらに親水性コロイダルシリ
カ(BET比表面積200m2/g)を加え、TK式ホモミキサーM
型(特殊機化工業性)を用いて10,000rpmで15分間分散
後、1/10N−HCl水溶液を加え、系内pHを6とした。これ
をオートクレーブ中に入れ、先の混合粒子を加え、110
℃/1.2Kg/cm2に加熱撹拌下、30分間固定化処理を行なっ
た。処理後分散系を冷却し、さらにアルカリを用いて分
散剤の除去を行った後、水洗・濾過・乾燥を行ない、凹
凸付与球形粒子を得た。得られた粒子のコールターカウ
ンター(アパーチャー径100μm)による体積平均径は
7.9μmであった。
この凹凸付与球形粒子のトルエン溶解法による不溶分
測定の結果、不溶分中の顔料含有率が98重量%で実質的
なゲル分は存在していないことが判明した。さらに該球
形粒子のTHF可溶分のGPCによる分子量分布測定の結果、
分子量が、2.0×104及び1.2×103にピークを有してい
た。得られたGPCチャートを第3図に示す。GPCを用い各
ピークの半値巾に相当する溶出時間でそれぞれの成分を
分取した後、各成分についてDSCによる吸熱ピークを確
認したところ、第1図に示すように樹脂成分の吸熱ピー
ク(62.2℃)と離型剤成分による吸熱ピーク(79.6℃)
は重複していないことが確認できた。
この凹凸付与球形粒子100部に対し、BET法による比表
面積が200m2/gであり、ヘキサメチルジシラザンで疎水
化処理したシリカ微粉体0.6部を外添し、トナーとし
た。このトナー10部に対し、スチレン−アクリル系樹脂
被覆フェライトキャリア90部を混合し、現像剤とした。
このようにして得られた現像剤を用い、キヤノン社製CL
C−500の定着温度を変えて画出しを行い、その定着性評
価を行った。
評価法としては、得られた定着画像を50g/cm2の荷重
をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下
率が5%以下となる温度を定着開始温度とした。また、
オフセットの評価は、画像の観察により行った。さらに
OHPシートの透明性の評価は、プロセススピード20mm/se
cで定着ローラー表面温度150℃で定着させ、その光透過
スペクトルを分光光度計U−3400(日立製作所製)で測
定した。なお、未定着画像上のトナー量は0.55±0.05mg
/cm2とした。
その結果、定着開始温度は110℃と低く、非オフセッ
ト領域は120℃〜190℃となり、低温定着化が達成され
た。定着画像の彩度は74.7で、又、150℃定着時のOHPシ
ート上の画像の透明性は特に良好で、560nmの分光透過
率は83%であった。結果を表−1に示す。又、30,000枚
のランニングテストを行なったところ、画像濃度は1.4
以上で、カブリもなく解像力,階調性共に非常に優れ、
トナーのクリーニング不良も発生せず、複写機内のトナ
ー飛散も目立たなかった。又、耐久前後のトナーを電子
顕微鏡にて観察したところ、シリカ粒子の劣化は見られ
なかった。
実施例2 イオン交換水650mlに0.1M三リン酸ナトリウム水溶液4
80部加え、80℃に加温し、高速撹拌下、1M塩化カルシウ
ム水溶液72部を滴下した。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサー
を用いて、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに
80℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビス
イソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成物を調
製した。前記で得た分散媒を入れた2のフラスコ中
に、上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下で80℃で
TK式ホモミキサーを用い、9000rpmで60分間撹拌し、単
量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、80℃で20時間重合した。重合反応終了後、反応生
成物を冷却し、HCl水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾
過・水洗・乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた粒子のコールターカウンター(アパーチャー
径100μm)による体積平均径は8.4μmであった。実施
例1と同様に球形粒子のトルエン不溶分を測定した結
果、不溶分中の顔料含有率が99.5重量%で、実質的なゲ
ル分は存在しないことが判明した。さらに実施例1と同
様にして分子量分布を測定した結果、1.9×104及び1.3
×103にピークを有していた。又、各成分を実施例1と
同様にして分取後、DSCを測定したところ、樹脂成分の
吸熱ピーク(55.6℃)と離型剤成分の吸熱ピーク(76.2
℃)は重複していないことが確認できた。
この球形粒子100部に対し、BET法による比表面積が20
0m2/gであり、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理し
たシリカ微粉体0.6部を外添し、トナーとした。このト
ナー10部に対し、スチレン−アクリル系樹脂被覆フェラ
イトキャリア90部を混合し、現像剤とした。
このようにして得られた現像剤を用い、キヤノン社製
CLC−500の定着温度をかえて画出しを行い、その定着性
評価を行った。
実施例1と同様の評価を行ったところ、定着開始温度
は110℃と低く、非オフセット領域は120〜190℃とな
り、低温定着化が達成された。定着画像の彩度は47.0
で、又150℃定着時のOHPシート上の画像の透明性は特に
良好で、460nmの分光透過率は84%であった。結果を表
−1に示す。
実施例3 実施例2と同様にして分散媒を調製した。
上記処方を実施例2と同様にして造粒を行なった。さ
らにパドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃で20時間重合を行な
った。さらにオートクレーブに移し、30分間150℃、2kg
/cm2に加熱撹拌した後、10℃/minの割合で室温まで冷却
した。さらにHCl水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾過
・水洗・乾燥をすることにより、球形粒子を得た。
得られた粒子のコールターカウンター(アパーチャー
径100μm)による体積平均径は8.0μmであった。
実施例1と同様に球形粒子のトルエン不溶分を測定し
た結果、不溶分中の顔料含有率が99.9重量%で、実質的
なゲル分は存在しないことが判明した。
さらに実施例1と同様にして分子量分布を測定した結
果、2.1×104及び1.1×103にピークを有していた。又、
各成分を実施例1と同様にして分取後、DSCを測定した
ところ、樹脂成分の吸熱ピーク(56.7℃)と離型剤成分
の吸熱ピーク(74.9℃)は重複していないことが確認で
きた。
この球形粒子に対し、BET法による比表面積が200m2/g
であり、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理したシリ
カ微粉体0.6部を外添し、トナーとした。このトナー10
部に対し、スチレン−アクリル系樹脂被覆フェライトキ
ャリア90部を混合し、現像剤とした。このようにして得
られた現像剤を用い、キヤノン社製CLC−500の定着温度
をかえて画出しを行い、その定着性評価を行った。
実施例−1と同様の評価を行ったところ、定着開始温
度は110℃と低く、非オフセット領域は120〜180℃とな
り低温定着化が達成された。定着画像の彩度は66.7で、
また150℃定着時のOHPシートの画像の透明性は特に良好
で、660nmの分光透過率は84%であった。
結果を表1に示す。
実施例4 実施例1〜3で得た現像剤を用い、キヤノン社製CLC
−500を用い、3色フルカラーの画出しを行い、実施例
−1と同様の定着試験を行った。
特に、フルカラー画像として混色部の彩度、OHPシー
トの透明性について評価を行った。その結果、定着開始
温度はレッド,グリーン,ブルーの各画像部共、110℃
で、非オフセット領域は120〜180℃となり、フルカラー
画像においても低温定着化が達成された。また150℃に
おけるレッド,グリーン,ブルーの各画像部の彩度はそ
れぞれ55.6,47.8,51.3と混色性に優れ、さらに、反射式
のオーバーヘッドプロジェクターを用いた、150℃定着
時のOHPシート上の画像の透明性は特に良好で、レッド
部(660nm),グリーン部(560nm),ブルー部(460n
m)の各波長の分光透過率はそれぞれ、72%(660nm),7
6%(560nm),68%(460nm)であった。結果を表−1に
示す。
比較例1 実施例1における処方を以下の如くかえた以外は実施
例1と同様にしてコールターカウンター(アパーチャー
径100μm)による体積平均径が8.1μmの凹凸付与球形
粒子を得た。
この凹凸付与球形粒子のトルエン溶解法による不溶分
測定の結果、不溶分中の顔料含有率が98重量%で実質的
なゲル分は存在していないことが判明した。さらに実施
例1と同様にして分子量分布を測定した結果、2.0×104
及び1.0×103にピークを有していた。得られたGPCチャ
ートを第4図に示す。又、各成分を実施例1と同様にし
て分取後、DSCを測定したところ、第2図に示すよう
に、樹脂成分の吸熱ピーク(62.0℃)と離型剤成分の吸
熱ピーク(主ピーク値70.0℃、他に結晶化に伴う吸熱ピ
ーク有り)は重複していることが確認できた。
この凹凸付与球形粒子に対し、実施例1と同様にして
現像剤の調製を行い、定着性の評価を行った。
その結果、定着開始温度は120℃で、非オフセット領
域は130〜190℃であった。定着画像の彩度は73.8で、
又、150℃定着時のOHPシート上の画像の透明性は良好
で、560nmの分光透過率は59%であった。又、30,000枚
のランニングテストの結果は実施例1同様良好であっ
た。
比較例2 実施例2におけるグラフト化パラフィンワックスを融
点70℃のパラフィンワックスにかえた他は実施例2と同
時にしてシアン系現像剤を得た。又、実施例3における
(トナー処方において、)高融点パラフィンワックス
(融点75℃)のかわりに融点70℃のパラフィンワックス
を用い、実施例2と同様にしてマゼンタ系現像剤を得
た。比較例1で得たイエロー系現像剤と上記シアン系及
びマゼンタ系現像剤を用い、実施例4と同様にして3色
フルカラー画像の評価を行なった。その結果、定着開始
温度はレッド,グリーン,ブルーの各画像部共、120℃
で、非オフセット領域は130〜180℃であった。また150
℃におけるレッド,グリーン,ブルーの各画像部の彩度
はそれぞれ、53.0,45.7,49.5で、さらに反射式オーバー
ヘッドプロジェクターを用いた150℃定着時のOHPシート
上の画像は色の認識はできるもののやや透明性に欠け黒
味を帯び、レッド部(660nm),グリーン部(560nm),
ブルー部(460nm)の各波長の分光透過率はそれぞれ、5
4%(660nm),56%(560nm),52%(460nm)であった。
結果を表−1に示す。
[発明の効果] 本発明によれば、離型剤として使用されるワックス成
分についてその物性とトナーのブロッキング性の関係を
検討して、離型剤成分の吸熱ピークの吸熱開始温度を規
定することによって、とりわけ耐ブロッキング性と定着
性の双方に優れたトナーを提供することを可能にしたも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1のDSCによる吸熱ピークを示す図であ
り、第2図は比較例1のDSCによる吸熱ピークを示す図
である。第3図は実施例1のGPCチャートを示す図であ
り、第4図は比較例1のGPCチャートを示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−295073(JP,A) 特開 平2−273755(JP,A) 特開 平2−204752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも離型剤と着色剤を含有する重合
    性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナー
    において、THF可溶性のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)による分子量分布が2000以下と10000
    以上にそれぞれ1以上のピークを有し、各ピークに対応
    する成分の示差走査熱量測定において、結着樹脂成分に
    よる吸熱ピークと離型剤成分による吸熱ピークが互いに
    重複していないことを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  2. 【請求項2】結着樹脂成分の吸熱ピーク温度より、離型
    剤成分の吸熱ピーク温度が高いことを特徴とする請求項
    (1)に記載の静電荷像現像用トナー。
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