JP2681789B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける
静電荷像を現像するためのトナーに関し、特に熱ローラ
ー定着に適した静電荷像現像用トナーに関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等に記載されている如く、多数の方法が知られている
が、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画
像を転写した後、加熱、圧力、或いは溶剤蒸気などによ
り定着し複写物を得るものである。
上述の最終工程であるトナー像を紙などのシートに定
着する工程に関しては種々の方法や装置が開発されてい
る。現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱
方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型
性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被
定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せ
しめることにより定着を行なうものである。この方法は
熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下
で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する
際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行なうこ
とができ、高速度電子写真複写機において非常に有効で
ある。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面と
トナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー
像の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定
着シートにこれが再転移して所謂オフセット現象を生
じ、被定着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表
面に対してトナーが付着しないようにすることは熱ロー
ラー定着方式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的
で、例えば、ローラー表面をトナーに対して離型性の優
れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さ
らにその表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労
を防止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液
体の薄膜でローラー表面を被覆することが行なわれてい
る。しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防
止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液
体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑
になること等の問題点を有している。それゆえ、オフセ
ット防止用液体の供給によってオフセットを防止する方
向は好ましくなく、むしろ定着温度領域の広い耐オフセ
ット性の高いトナーの開発が望まれているのが現状であ
る。そこでトナーとして離型性を増すために加熱時に充
分溶融するような低分子量ポリエチレン,ポリプロピレ
ン等のワックスを添加する方法も行なわれているが、オ
フセット防止には有効である反面、トナーの凝集性が増
し、帯電特性が不安定となり、耐久性の低下を招き易
い。そこで他の方法としてバインダー樹脂に改良を加え
る工夫がいろいろと試みられている。
例えば特公昭51−23354号公報に結着樹脂として架橋
された重合体を用いたトナーが提案されている。その方
法に従えば耐オフセット性、耐巻き付き性の改良には著
しいものがあるが反面架橋度を増すと定着点が上昇して
しまい、充分定着温度が低くて、耐オフセット性、耐巻
き付き性が良好な十分な定着特性のものは得られていな
い。一般的に定着性を向上させるためには、バインダー
樹脂を低分子量化して軟化点を低下させねばならず、耐
オフセット性の改善処置とは相反することになり、また
低軟化点とするために必然的に樹脂のガラス転移点が低
下し保存中のトナーがブロッキングするという好ましく
ない現象もおこる。そこで、特開昭59−88748号公報あ
るいは特開昭58−86558号公報のごとく、低温定着と耐
オフセット性を満足させるべく低分子量化した重合体と
架橋した重合体あるいは不溶不融性高分子量重合体とを
ブレンドしたトナーが提案されたが、架橋体の含有量が
多いこと、また低分子量体はMw/Mn≦3.5と分布幅が小さ
いことなどから、ブレンドする重合体同志の相溶性が悪
く、良好な定着特性及び現像特性を満足するトナーは得
られていない。
さらに架橋された重合体と低分子量体がMw/Mn≦3.5で
ある重合体からなる樹脂においては、トナー中に添加す
る成分である顔料、荷電制御剤、離型剤などが分散しに
くいという問題があり、トナーとして良好な現像特性を
得ることが難しいという問題点がある。また、特公昭60
−20411号公報のごとく粉砕性と定着性向上のために、
数平均分子量が100,000〜500,000の高重合体と、他のモ
ノマー成分を混合後、重合させて均一の重合体を得、バ
インダー樹脂とすることが提案されたが、この方法では
樹脂成分中に耐オフセット性、定着ローラーへの非巻き
付き性を満足させるほどの高架橋域成分を含有させるこ
とはできず、また一部できた場合でも重合体同志の相溶
性が悪いために均一に含有させることができず、トナー
バインダーとして用いた場合には、添加剤の分散性が悪
く、現像特性定着性を満足するトナーが得られていない
のが現状である。
[発明が解決しようとする課題] 一方、現像性に関しては、前述の種々の定着特性を満
足することを前提として、長期にわたる連続複写でもカ
ブリがなく、鮮明でしかも高画像濃度を維持し環境変動
に影響されない高画質画像を与えるトナーが望まれてい
る。
さらに長期にわたる複写のくり返しによって画像濃度
低下が生じるトナーは、時として環境依存性があり、特
に高温、高湿環境下においてトナー自身の摩擦帯電能が
低下して、画像濃度低下が発生し、その早期解決も望ま
れている。
本発明は上述の問題点を著しく改良したトナーを提供
するものである。
以下に本発明の目的を列挙する。
(1)本発明の目的は、オイルを塗布しない熱ロール定
着方式に適した静電荷像現像用トナーを提供することに
ある。
(2)本発明の目的は、高架橋成分及び低分子量成分を
含み、これらが均一に混合分散している樹脂組成物を使
用することで、より低い温度で十分定着し、オフセット
及び巻き付きが十分に防止され、かつ、定着可能温度域
の広い静電荷像現像用トナーを提供することにある。
(3)本発明の目的は、許容可能な塊状化温度を持ち、
貯蔵および使用に際してブロッキング等の起こらない静
電荷像現像用トナーを提供することにある。
(4)本発明の目的は、顔料、荷電制御剤、離型剤など
の添加剤の分散性にすぐれた樹脂組成物を使用すること
で、画像濃度が充分で鮮明な解像力のあるカブリのない
画像の得られる現像特性の優れた静電荷像現像用トナー
を提供することにある。
(5)本発明の目的は、連続使用による繰り返しに対し
て優れた耐久性をもち、前項記載の良質な画像が安定し
て保たれる静電荷像現像用トナーを提供すること。
(6)本発明の目的は、特定のバインダー樹脂とある種
の荷電制御剤との組合せにおいても、高速機において長
期にわたる連続使用による繰り返しに対して、優れた耐
久性をもち、さらに環境依存性の少ない、カブリのない
鮮明な良質な画像が安定して保たれる静電荷像現像用ト
ナーを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、第1のビニル系重合体をビニル系モノマー
成分に溶解または混合させてモノマー組成物を調製し、
該モノマー組成物を架橋剤の存在下で重合することによ
って得られたゲル成分及びテトラヒドロフラン可溶成分
を含有しているバインダー樹脂及び含窒素荷電制御剤を
少なくとも含有し、且つ安息香酸の含有量が500ppm以下
であるトナーであって、 該バインダー樹脂は、ゲル成分を0.1〜60重量%含
有し、且つ、テトラヒドロフラン可溶成分のGPCによ
るクロマトグラムにおいて、分子量が1000〜25000の領
域にメインピーク値を有し、かつ分子量が3000〜150000
の領域であってかつ該メインピーク値よりも高分子量側
に少なくとも1つのサブピークまたはサブショルダーを
有しており、分子量50万以上の成分を0〜20重量%、分
子量3万超〜50万未満の成分を10〜60重量%及び分子量
3万以下の成分を20〜90重量%、それぞれテトラヒドロ
フラン可溶成分の重量基準で含有していることを特徴と
する静電荷像現像用トナーに関する。
本発明でのゲル成分とは、樹脂組成物中の架橋されて
溶媒に対して不溶性となったポリマー成分の重量割合を
示し、高架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示す
パラメータとして使うことができる。ゲル成分とは、以
下の様に測定された値をもって定義する。
すなわち試料が樹脂のみの場合には、0.5〜1.0gの一
定量樹脂を秤量し(W1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86
R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてク
ロロホルムあるいはテトラヒドロフラン100〜200mlを用
いて6時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分を
エバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し可溶樹
脂成分量を秤量し(W2g)、以下の式に従って計算す
る。
ゲル成分含有率=(W1−W2)/W1×100(%) また、試料がトナーの場合には、一連の抽出操作は樹脂
の場合と同じであるが非磁性トナーでは試料トナー重量
から顔料重量を、磁性トナーでは試料トナー重量から顔
料及び磁性体重量などをさし引いた重量(W3g)と、ト
ナー中の溶媒可溶成分重量(W4g)とから次式に従って
計算することができる。なお、抽出操作に用いる有機溶
媒は、クロロホルムでも、テトラヒドロフランでも良
く、どちらともゲル成分含有率はほぼ同じ値を与える。
ゲル成分含有率=(W3−W4)/W3×100(%) 以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
ィルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピークまたは/お
よびショルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料
濃度として0.05〜0.1重量%に調整した樹脂のTHF試料溶
液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定
にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分
散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数
値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の
標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Che
mical Co.製或いは東洋ソーダ工業製の分子量が6×1
02,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9
×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用い、少な
くとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適
当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用い
る。
なお、カラムとしては103〜4×106の分子量領域を適
確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを
複数組合せるのが良く、例えば、Waters製のμ−Styrag
el 500,103,104,105の組み合せや、昭和電工社製のシ
ョウデックスShodex K F−80M2本連続や、KF−802,803,
804,805の組合せ、KA−802,803,804,805の組合せ、ある
いは東洋曹達製のTSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000
H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHの中の任意の組合
せが望ましい。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、架橋成分を含
む高分子量重合体成分と低分子量重合体成分を含有し、
そのどちらも、スチレン類、アクリル酸類、メタクリル
酸類及びその誘導体から選ばれる1種以上のビニル系モ
ノマーを重合して得られたビニル系樹脂であり、このビ
ニル系樹脂は、現像特性及び帯電特性等が好ましい。本
発明に用いられるビニル系モノマーの例としては、スチ
レン類としてスチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン,クロルスチレンなどがあげられ、アクリル酸
類,メタクリル酸類及びその誘導体としては、アクリル
酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸
プロピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸オクチル,ア
クリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−テトラデ
シル,アクリル酸n−ヘキサデシル,アクリル酸ラウリ
ル,アクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸ジエチルア
ミノエチル,アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのア
クリル酸エステル類があげられ、同様にメタクリル酸,
メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル
酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸アミ
ル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘ
キシル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸デシル,
メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタク
リル酸シクロヘキシル,メタクリル酸フェニル,メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メ
タクリル酸グリシジル,メタクリル酸ステアリルなどの
メタクリル酸エステル類があげられる。さらに本発明の
樹脂成分における架橋域を含む高分子量重合体成分と、
低分子量重合体成分には、前述のビニル系モノマー以外
に本発明の目的を達成しうる範囲で少量の他のビニル系
モノマー、例えばアクリロニトリル,2−ビニルピリジ
ン,4−ビニルピリジン,ビニルカルバゾール,ビニルメ
チルエーテル,ブタジエン,イソブレン,無水マレイン
酸,マレイン酸,マレイン酸モノエステル類,マレイン
酸ジエステル類,酢酸ビニルなどが用いられても良い。
本発明のトナーの樹脂成分の架橋成分を形成するため
に用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、
ジビニルベンゼン,ビス(4−アクリロキシポリエトキ
シフェニル)プロパン,エチレングリコールジアクリレ
ート,1,3−ブチレングリコールジアクリレート,1,4−ブ
タンジオールジアクリレート,1,5−ペンタンジオールジ
アクリレート,1,6−ヘキサングリコールジアクリレー
ト,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ジエチレ
ングリコールジアクリレート,トリエチレングリコール
ジアクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレ
ート,ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各
ジアクリレート,ジプロピレングリコールジアクリレー
ト,ポリプロピレングリコールジアクリレート,ポリエ
ステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬製)、及び以
上のアクリレートをメタクリレートにかえたもの全て、
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリ
レート,トリメチロールエタントリアクリレート,トリ
メチロールプロパントリアクリレート,テトラメチロー
ルメタンテトラアクリレート,オリゴエステルアクリレ
ート及びそのメタクリレート,2,2−ビス(4−メタクリ
ロキシ,ポリエトキシフェニル)プロパン,ジアリルフ
タレート,トリアリルシアヌレート,トリアリルイソシ
アヌレート,トリアリルトリメリテート,ジアリールク
ロレンデート等があげられる。
本願発明におけるトナー内の樹脂組成物においては、
架橋域成分を含む高分子重合体から低分子重合体まで、
均一に混合されていることが必要である。架橋域成分を
含む高分子量重合体は、溶媒に不溶であるため、この高
分子量重合体と低分子量重合体を溶液状の混合状態にす
るのは困難であり、見かけ上混合していても、真に均一
混合しているわけではない。さらにこの高分子量重合体
を、低分子量重合体と熱溶融して機械的に混合する方法
では、これもまた真に均一に混合しているとは言えな
い。そこで、粉砕性、低温定着、添加剤の分散性に有効
な低分子量成分と、オフセット、巻き付きに有効な架橋
域成分とを均一に混合した状態にするためには、低分子
量成分と架橋域成分とをつなぐ架橋していない中,高分
子量域成分の存在が有効となる。さらに中,高分子量域
成分は、分子量とその割合がつなぎの役目のみならず、
低温定着、オフセット、トナーの粉砕性、などの点に大
きく効果のあることが判明した。そこで架橋域成分をも
つ高分子量重合体と、低分子量重合体を均一に混合した
樹脂組成物を得るためには、低分子量重合体をあらかじ
め架橋剤と共に、中,高分子量重合体を与えるモノマー
成分に溶解または混合させて、再び重合させ、2段目の
重合によって、架橋域成分をもたせた高分子量重合体を
得る方法が好ましい。
従って、本発明においては、第1のビニル系重合体を
ビニル系モノマー成分に溶解または混合させてモノマー
組成物を調製し、該モノマー組成物を架橋剤の存在下で
重合することによってゲル成分及びテトラヒドロフラン
可溶成分を含有しているバインダー樹脂を得る方法が用
いられる。
本発明に用いる樹脂組成物中の低分子量重合体は、塊
状重合法、溶液重合法などの通常用いられる重合法で得
ることができる。
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度をは
やめることで、低分子量の重合体を得ることができる
が、反応をコントロールしにくい問題点がある。その
点、溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差
を利用して、また開始剤量や反応温度を調節することで
低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、
本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得るには好
ましい。尚、溶液重合法のみでゲル成分を必要量含有し
ている樹脂を合成することは難しい。この低分子量重合
体は、前述の架橋剤及び架橋域成分を含む中,高分子量
重合体を与えるモノマーと共に、再び重合するわけであ
るが、溶媒に不溶成分となるまでの架橋域のゲル成分を
得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が好まし
い。
懸濁重合法を例にとると、懸濁状態となった低分子量
重合体を含んだモノマーが、架橋剤と共に重合すること
によって、樹脂組成物は、パール状に形状が整い、低分
子量重合体から架橋域成分を含む中,高分子量重合体ま
でが、均一に混合された好ましい状態で得ることができ
る。こうして得られた本発明のトナーに用いられる樹脂
組成物は、ゲル成分0.1〜60重量%、好ましくは1〜55
重量%、特に好ましくは10〜50重量%、それ以外の溶媒
可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量が100
0〜25000、好ましくは1500〜18000、特に好ましくは200
0〜15000にメインピーク値(GPCクロマトグラムにおい
て最も高いピークの位置する値)を有し、かつ分子量が
3000〜150000、好ましくは5000〜100000、特に好ましく
は8000〜80000にサブピーク値(メインピークに次ぐ高
さを有するピークの位置する値)またはサブショルダー
値を有する特徴をもつ。
上記樹脂組成物は、本発明のトナー中に主成分として
含まれるが、結着樹脂全量に対して60重量%以上、好ま
しくは80重量%、特に好ましくは90重量%以上が良い。
さらに、前記GPCの分子量分布において、分子量が3
万と50万と境界としてクロマトグラムを三分割し、高分
子量側よりそれぞれA成分(50万以上の領域)、B成分
(3万超〜50万未満の領域)、C成分(3万以下の領
域)とし、クロマトグラム全体に対するそれぞれの構成
割合を、クロマトグラムの積分値あるいは、クロマトグ
ラムを切り抜いて三分割し、それぞれの重量により割合
を算出するという重量法で求めたとき、その構成割合が
A成分0〜20%、好ましくは0〜15%、さらに好ましく
は0〜10%;、B成分10〜60%、好ましくは15〜55%、
さらに好ましくは20〜50%;、C成分20〜90%、好まし
くは35〜80%、さらに好ましくは40〜70%であることが
好ましい。
これらの理由は、樹脂組成物中のゲル成分が、60%を
超えると、架橋成分の溶融特性のために、トナーに用い
た場合、定着温度の上昇を招き、さらに添加剤の分散が
悪くなる。さらに樹脂混練時に高架橋域成分の切断がお
こりやすく、トナーの設計に支障を来たす原因となる。
ゲル成分が0.1%未満では、オフセット、ローラーへの
巻付きがおこりやすく、さらにゲル成分が0.1%以下か
つ高分子量域が多い場合には、粉砕性が著しく悪化す
る。
溶媒可溶成分の分子量が1000〜25000にメインピーク
値がなく、メインピーク値が25000を超えると作成した
トナーの定着温度が上昇し、定着温度域がせまくなり、
粉砕性も悪化して生産効率の低下を招く。メインピーク
値の分子量が1000未満であると、作成したトナーは、耐
オフセット性、ローラーへの巻き付きが著しく悪くな
り、またブロッキングに問題が生じることがある。サブ
ピークまたはサブショルダー値の分子量が3000〜150000
になく、その値が150000を超える場合には、添加剤の分
散性が悪く、定着温度も著しく上昇し、さらに粉砕性も
著しく悪化する。サブピークまたはサブショルダー値の
分子量が3000未満では、作成したトナーは耐オフセット
性、ローラーへの巻き付きが悪くなり、ブロッキングに
問題を生じることがある。本発明のトナーにおいては、
上記問題は著しく改善され、耐オフセット、耐ローラー
巻付きに優れ、定着温度域が広く、しかも現像特性が優
れた粉砕性の良好なトナーが得られる。
この原因は、架橋域を含む高分子量重合体成分から低
分子量重合体成分まで均一に混合されている樹脂組成物
では、架橋領域の中に高分子量及び低分子量のセグメン
トが混然一体化していると考えられ、架橋を含む高分子
量成分が、熱溶融時に、マトリックスとして凝集力の低
下及び過度の流動性を防ぎ、一方では低分子量成分が熱
溶融性を示す結果、低温度で熱溶融されるが、高温度で
も凝集力の低下、過度の流動がおさえられるというすぐ
れた熱溶融特性を示すものと考えられる。本発明で言う
低分子量成分から高架橋成分まで均一に混合されている
重合体とは、それを用いてトナーを作成した場合、不均
一に混合された重合体の場合に生じる繰り返しの使用に
よる画像濃度の低下、カブリが実際上発生しないものを
意味する。
また粉砕性に関しては、架橋領域以外の高分子量域成
分が組成物に強靱性を与える一方で架橋領域成分がもろ
さを与え、低分子量域成分がさらに粉砕され易さを付与
することで、全体的に優れた生産効率を良くするために
必要な粉砕特性が生じるものと考えられる。
以上のことから、本請求の範囲に記すところの粉砕
性,低温定着性さらにトナー用の種々の添加剤の分散性
に有効な低分子量重合体の存在下で、モノマー,架橋剤
を重合させて、耐オフセット性,粉砕性にすぐれた架橋
成分を含む低分子量域から架橋域まで均一に混在してい
るバインダー樹脂は、現像特性,定着特性の観点から非
常に有効である。
このバインダー樹脂は、通常のポジトナー,ネガトナ
ー用バインダー樹脂として非常に優れているが、トナー
用荷電制御剤として含窒素荷電制御剤を用い、樹脂中
に、重合開始剤分解残存物である安息香酸がある程度存
在している場合に限ってトナーの現像特性、特に長期に
わたる連続複写において若干の画像濃度低下をおこす場
合がある。
具体的に述べると、本発明に用いる樹脂組成物は、低
分子量域を架橋マトリックス中にもっているため、トナ
ーとする時に用いられる含窒素荷電制御剤の分散性にす
ぐれ、分散不良による画像濃度低下はほとんどおこり得
ないが、中〜高速複写機での長期にわたる連続複写で
は、時として若干の画像濃度低下をおこすことがある。
これは、高速複写での長期連続耐久では含窒素荷電制
御剤と樹脂組成物の一部が、複写機の現像スリーブ表面
に、少量物理付着あるいは吸着されてスリーブを汚染す
ることによる。
このスリーブ汚染は、検討の結果、含窒素荷電制御剤
と樹脂組成物中の安息香酸の存在によって特異的に発生
し易いことから、含窒素荷電制御剤と安息香酸とのイン
ターラクションによって、含窒素荷電制御剤を含んだ樹
脂組成物の一部がスリーブ表面に物理付着あるいは吸着
されることで発生すると推測される。またこの様な含窒
素荷電制御剤と安息香酸とのインターラクションは、一
種の塩形成と考えられ、トナー中にこの様な状態が存在
することは、トナーの環境特性において好ましくなく、
高温,高湿環境下における画像濃度低下、あるいは画質
低下の原因となる。
上記の樹脂組成物中の安息香酸とは、重合開始剤の分
解残存物であり、樹脂中の安息香酸量が500ppmを超える
場合には、スリーブ汚染による画像濃度低下がおこり易
く、500ppm以下ではおこりにくく、好ましくは300ppm以
下であり、安息香酸量0ppmが最も好ましい。なおこの安
息香酸量は、トナーに使用する樹脂組成物の酸価とも対
応しており、酸価0.5以上ではスリーブ汚染による画像
濃度低下がおこり易く、酸価0.5以下ではおこりにく
く、酸価0が最も好ましい。なお、樹脂の酸価に関して
は特開昭58−198049号公報、同55−134861号公報に酸価
5〜100などの記載があるが、本発明とは発想が全く異
なるものである。
安息香酸量が500ppm以下にする方法としては種々の方
法が考えられるが、分解残存物として安息香酸を与える
重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイドの使用量を
通常より減らす方法、通常の懸濁重合法で得られた樹脂
組成物を再び溶媒に膨潤させて、溶液重合法のごとく分
解残存物を溶媒と共に減圧留去する方法、さらには開始
剤として分解残存物が安息香酸として樹脂中に残らない
重合開始剤、たとえば一般に下記の基本構造式で示され
る重合開始剤が好ましく、具体的には、2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2′−
アゾビスイソブチレート、2,2′−アゾビス(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等を用いて低分
子量重合体及び架橋剤の存在下でモノマーを懸濁重合さ
せる方法などがさらに好ましい。
(式中R1〜R6はメチル基、エチル基、t−ブチル基、ネ
オペンチル基、などのアルキル基、シクロヘキシル基、
シクロペンチルなどの如き環状アルキル基、フェニル
基、ナフチル基の如きアリール基、ベンジル基、フェニ
ルエチル基などのアラルキル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基の如きアシル基、メトキシ基、エトキシ基、シアノ
基、エステル基の中から単独あるいは複数に選択され組
み合わされる。さらにそれらは、上述した置換基で一部
置換されていても良い。) 本発明に用いられる重合開始剤としては、従来公知の
過酸化物系開始剤やアゾ系開始剤が用いられる。過酸化
物系開始剤としてはアセチルシクロヘキシルスルフォニ
ルパーオキサイド、i−ブチルパーオキサイド、クミル
パーオキシネオデカノエート、ジ−イソプロピルパーオ
キシジカルボネート、ジ−アリルパーオキシジカルボネ
ート、ジ−n−プロピルパーオキシジカルボネート、ジ
−ミリスチル−パーオキシジカルボネート、クミルパー
オキシネオヘキサノエート、ジ(2−エトキシエチル)
パーオキシジカルボネート、ジ(メトキシイソプロピ
ル)パーオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシ
ル)パーオキシジカルボネート、t−ヘキシルパーオキ
シネオデカノエート、ジ(3−メチル−3−メトキシブ
チル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキ
シネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシネオヘキサノエー
ト、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘ
キシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピ
バレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサ
イド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、クミルパーオキ
シオクトエート、スクシニックアシドパーオキサイド、
アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−
エチルヘキサノエート)、m−トルオイルパーオキサイ
ド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
i−ブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオ
キシマレイックアシド、t−ブチルパーオキシラウレー
ト、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサ
ノエート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシアリルカーボネート、t−ブチルパーオキ
シイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5′−
ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ビス(t
−ブチルパーオキシ)オクタン、t−ブチルパーオキシ
アセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタ
ン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−
4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−
t−ブチルジパーオキシイソフタレート、メチルエチル
ケトンパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソ
プロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイ
ド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイ
ドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1,3,3−テトラメチ
ルブチルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド
等があげられる。
アゾ系開始剤としては、2,2′−アゾビス(4−メト
キシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニル
エチル)アゾジ−フェニルメタン、2,2′−アゾビスイ
ソブチロニトリル、ジメチル2,2′−アゾビスイソブチ
レート、2,2′−アゾビス(2メチルブチロニトリ
ル)、1,1′−アソビス(1−シクロヘキサンカルボニ
トリル)、2−(カルバモイルアゾ)−イソブチロニト
リル、2,2′−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタ
ン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル4−メトキシ
バレロニトリル、2,2′−アゾビス(2メチルプロパ
ン)、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチル
アミジン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,
2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジ
ン)、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタノイックア
シド)、等があげられる。
本発明における安息香酸量は、ジフェニルエーテルを
内部標準としてガスクロマトグラフィーを用いて測定す
ることができる。
具体的には、樹脂組成物1,2gおよび1,2−ジクロロエ
タン(EDC)25mlを秤取し、室温下、3時間攪拌させて
サンプルを膨潤させ、安息香酸をEDC中に抽出し、内部
標準としてジフェニルエーテルの1%EDC溶液を約0.2g
精秤してこれに添加し、さらにアセトン25mlを加えて、
サンプル溶液とする。サンプル溶液は、ガスクロマトグ
ラフ装置(GC−9A,島津製作所製)に注入してクロマト
グラフを得る。一方、同様にして、サンプル溶液のかわ
りに市販の安息香酸試薬(和光純薬製、1級)を用いて
測定し、作成したジフェニルエーテル−安息香酸の検量
線に基づいて測定サンプル中の安息香酸含量を求めるこ
とができる。なお測定条件としては、使用カラム:NPGS
充填ガラスカラム(3m/mφ×2m)、カラム温度:190℃、
インジェクション温度:210℃、キャリアガス(N2)流
量:50ml/min.が選ばれる(第4図,第5図のクロマトグ
ラム参照)。
本発明における含窒素荷電制御剤としては、従来公知
の荷電制御剤から選ばれる。含窒素荷電制御剤として
は、一般にニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含
むアジン系染料(特公昭42−1627号)、塩基性染料(例
えばC.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yel
low 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red
9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、
C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet
10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.4251
0)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue
3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.
I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.
I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Bas
ic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44
045)、C.I.Basic Green Green 1(C.I.42040)、C.I.B
asic Green 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料
のレーキ顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン
酸,りんモリブデン酸,りんタングステンモリブデン
酸,タンニン酸,ラウリン酸,没食子酸,フェリシアン
化物、フェロシアン化物など)、C.I.Sovent Black 3
(C.I.26150),ハンザイエローG(C.I.11680)、C.I.
MordlantBlack 11,C.I.Pigment Black 1,ギルソナイ
ト、アスファルト等。
または、例えばベンゾルメチル−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド,デシル−トリメチルアンモニウムク
ロライドなどのビニル系ポリマー,アミノ基を含有する
縮合系ポリマー等があげられるが、好ましくはニグロシ
ン,四級アンモニウム塩,トリフェニルメタン系含窒素
化合物,ポリアミンなどがあげられる。
本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合しても
良い。添加剤としては、例えばテフロン,ステアリン酸
亜鉛の如き滑剤、あるいは酸化セリウム,炭化ケイ素,
チタン酸ストロンチウム等の研磨剤、あるいは例えばコ
ロイダルシリカ,酸化アルミニウム等の流動性付与剤、
ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボンブラック,
酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化スズ等の導電性付与
剤,あるいは低分子量ポリエチレン,低分子量ポリプロ
ピレン,各種ワックス類などの定着助剤等または耐オフ
セット剤がある。また、逆極性の白色微粒子及び黒色微
粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にはキャリヤー粉と混合して用いられる。この場
合には、トナーとキャリヤー粉との混合比はトナー濃度
として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さら
に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキャリヤーとしては、公知のもの
が使用可能であり、例えば鉄粉,フェライト粉,ニッケ
ル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれ
らの表面を樹脂等で処理したものなどがあげられる。
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性
トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色
剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれ
る磁性材料としては、マグネタイト,ヘマタイト,フェ
ライト等の酸化鉄;鉄,コバルト,ニッケルのような金
属或いはこれらの金属のアルミニウム,コバルト,銅,
鉛,マグネシウム,スズ,亜鉛,アンチモン,ベリリウ
ム,ビスマス,カドミウム,カルシウム,マンガン,セ
レン,チタン,タングステン,バナジウムのような金属
の合金およびその混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、トナー中に含
有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200
重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜1
80重量部が良い。
さらに本発明のトナーには必要に応じて着色剤を添加
しても良い。
本発明のトナーに使用する着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される。トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラック,アニリ
ンブラック,アセチレンブラック,ナフトールイエロ
ー,ハンザイエロー,ローダミンレーキ,アリザリンレ
ーキ,ベンガラ,フタロシアニンブルー,インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の添加量が
良い。また同様の目的で、さらに染料が用いられる。例
えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系
染料、メチン系染料等があり樹脂100重量部に対し、0.1
〜20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加量が良
い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作成するには前
記本発明に係る樹脂組成物及び荷電制御剤、必要に応じ
て磁性材料及び着色剤としての顔料又は染料,添加剤等
をボールミルその他の混合機により充分混合してから加
熱ロール,ニーダー,エクストルーダー等の熱混練機を
用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化
後粉砕及び分級して平均粒径5〜20μmのトナーを得る
ことができる。
あるいは結着樹脂溶液中に材料を分散した後、噴霧乾
燥することにより得る方法、あるいは、結着樹脂を構成
すべき単量体に所定材料を混合して乳化,懸濁液とした
後に重合せさてトナーを得る重合法トナーあるいは芯及
び殼からなるカプセルトナーを形成する方法等が応用出
来る。
[実施例] 以下の配合における部数は重量部である。
合成例1 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。これにスチレンモノマー100部及びジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド8部の混合物をクメン還流下で4時間
かけて滴下した。さらにクメン還流下(146℃〜156℃)
で溶液重合を完了し、クメンを除去し低分子重合体−1
を得た。この重合体のGPCのメインピークの位置する分
子量は4,300,安息香酸含量は0ppmだった。
次に低分子量重合体−1 30部、スレチン53部、n−ブ
チルアクリレート16部、α−メチルスチレン1部、ジビ
ニルベンゼン93部、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、2部の均一混合液をポリビニルアルコ
ール分ケン化物0.8部を溶解させた水300部中に懸濁分散
させ、重合温度80℃にて15時間反応させ、ゲル成分を含
む高分子量重合体から低分子量重合体まで均一に混合さ
れたパール状の樹脂組成物を得、減圧乾燥して、樹脂組
成物−1を得た。
樹脂組成物−1を、約0.5g精秤し、円筒濾紙(東洋濾
紙製No.86R)に入れて、溶媒としてクロロホルム180ml
を用いて6時間ソックスレー抽出し、抽出された可溶成
分中の媒体をのぞくためにエバポレートした後、100℃
で12時間真空乾燥し、可溶樹脂成分量を秤量した。試料
重量及びこの値から前述の式にしたがってゲル成分重量
(架橋度)を求めた。さらにこの可溶樹脂成分をTHFに
溶解させ、濃度0.1重量%の試料とし、非水系用のサン
プル前処理フィルターを通し、GPCの試料とした。GPC測
定用カラムとしてShodex K F−80Mを用い、GPC測定装置
(ウォーターズ社製150C ALC/GPC)の40℃のヒートチャ
ンバーに組み込みTHF流速1ml/min、検出器はRIの条件
下、試料を200μl注入することでGPCを測定した。分子
量測定の検量線としては分子量0.5×103,2.35×103,10.
2×103,35×103,110×103,200×103,470×103,1200×10
3,2700×103,8420×103の10点の単分散ポリスチレン基
準物質(ウォーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
樹脂組成物−1のゲル成分重量は33重量%、溶出成分
の分子量メインピーク値は4,300、サブピーク値35,000
であり、安息香酸含量は0ppmだった。また酸価は0だっ
た。GPCによるクロマトグラムを第1図に示す。
合成例2 懸濁重合においてジビニルベンゼン0.6部、開始剤と
して2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)
2部、及び1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン0.3部を用いる以外は全て
合成例1と同様にしてパール状樹脂組成物−2を得た。
該樹脂組成物のゲル成分44%、溶出成分の分子量のメイ
ンピーク値は4,300、ショルダー値は42,000、安息香酸
含量は0ppmだった。
合成例3 懸濁重合において架橋剤をトリエチレングリコールジ
アクリレート0.4部を用いる以外は全て合成例1と同様
にしてパール状の樹脂組成物−3を得た。該樹脂組成物
のゲル成分25%、溶出成分の分子量のメインピーク値は
4,300、サブピーク値は39,000であり、安息香酸含量は0
ppmだった。
合成例4 懸濁重合においてトリエチレングリコールジアクリレ
ート0.6部、開始剤としてジメチル2,2′−アゾビスイソ
ブチレート2.5部を用いる以外は、全て合成例1と同様
にしてパール状樹脂組成物−4を得た。該樹脂組成物の
ゲル成分46%、溶出成分の分子量のメインピーク値は4,
300、サブピーク値は53,000であり、安息香酸含量は0pp
mだった。
合成例5 懸濁重合において低分子量重合体−1 30部、スチレン
49部、n−ブチルアクリレート17部、α−メチルスチレ
ン4部、開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエー
ト0.5部及び1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン0.3部、架橋剤としてジビ
ニルベンゼン0.27部を用いて、合成例−1と同様な方法
でパール状樹脂組成物−5を得た。該樹脂組成物はゲル
分は38%、溶出成分の分子量メインピーク値は4,300、
サブピーク値は40,000、安息香酸含量は330ppmだった。
合成例6 懸濁重合において低分子量重合体−1を30部、スチレ
ン53部、n−ブチルアクリレート17部、ジビニルベンゼ
ン0.4部、開始剤としてベンゾイルパーオキシド1部、
t−ブチルパーオキシ(2エチルヘキサノエート)0.7
部を用いて合成例−1と同様の方法で、パール状樹脂組
成物−6を得た。該樹脂組成物のゲル分36%、溶出成分
の分子量メインピーク値は4,300、サブピーク値は39,00
0、安息香酸含量は1410ppmだった。
合成例7 懸濁重合において低分子量重合体−1を8部、ジビニ
ルベンゼン0.7部、開始剤としてベンゾイルパーオキシ
ド1.5部を用いる以外は全て合成例1と同様にしてパー
ル状樹脂組成物−7を得た。該樹脂組成物のゲル分は50
%、溶出成分の分子量のメインピーク値は29,000、ショ
ルダー値は4,200、安息香酸含量は1720ppmだった。また
酸価は0.8であった。
合成例8 低分子量重合体の合成において溶媒に四塩化炭素を加
え、スチレン70部、α−メチルスチレン30部、ベンゾイ
ルパーオキシド5部を用いること以外は、低分子量体1
の合成と同様にして低分子量重合体−2を得た。該低分
子量体の分子量ピーク値は980、安息香酸含有量は1690p
pmだった。次に低分子量重合体−2を70部、スチレン30
部、α−メチルスチレン8部、ベンゾイルパーオキシド
5部を用いて合成例1と同様に反応させ、パール状の樹
脂組成物−8を得た。該樹脂組成物のゲル成分11%、溶
出成分の分子量メインピーク値は980、ショルダー値は1
3,000、そして安息香酸含有量は5800ppmだった。
合成例9 低分子量重合体の合成において開始剤のジ−t−ブチ
ルパーオキサイド0.8部を用いる以外は全て低分子重合
体−1と同様にして低分子量重合体3を得た。該低分子
量重合体の分子量メインピーク値は27,000、安息香酸含
量は0ppmだった。次に低分子量重合体−3を30部、開始
剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエー
ト1.3部添加する以外は、全て合成例1と同様にして、
パール状の樹脂組成物−9を得た。該樹脂組成物のゲル
成分は36%、溶出成分の分子量メインピーク値は27,00
0、サブピーク値は98,000で、安息香酸量は0ppmだっ
た。
合成例10 懸濁重合において低分子量重合体−1を6部、ジビニ
ルベンゼン2.2部、開始剤としてt−ブチルパーオキシ
2−エチルヘキサノエート2部添加する以外は、全て合
成例1と同様にして、パール状樹脂組成物−8を得た。
該樹脂組成物のゲル成分76%、溶出成分の分子量のメイ
ンピーク値は4,300、サブピーク値は86,000であり、安
息香酸量は0ppmだった。
合成例11 低分子量重合体の合成において、開始剤としてベンゾ
イルパーオキシド1部を用いる以外は全て低分子量重合
体−1の合成と同様にして低分子量重合体−4を得た。
該低分子量重合体の分子量ピーク値は26,000、安息香酸
量は830ppmだった。次に低分子量重合体−4 30部、開始
剤としてベンゾイルパーオキシド0.4部及びt−ブチル
パーオキシ2エチルヘキサノエート0.3部、ジビニルベ
ンゼン0.14部を用いること以外は、全て合成例−1と同
様にしてパール状の樹脂組成物−11を得た。該樹脂組成
物のゲル成分50%、溶出成分の分子量のメインピーク値
は111,000、サブピークは26,000であり安息香酸量は113
0ppmだった。
合成例12 低分子量重合体の合成において、開始剤としてベンゾ
イルパーオキシド1.2部を用いる以外は全て低分子量重
合体−1の合成と同様にして低分子量重合体−5を得
た。該低分子量重合体の分子量ピーク値は24,000、安息
香酸量880ppmだった。次に低分子量重合体−5を30部、
開始剤としてt−ブチルパーオキシ2エチルヘキサエー
ト0.3部、ジビニルベンゼン0.08部用いること以外は、
全て合成例−1と同様にしてパール状の樹脂組成物−12
を得た。該樹脂組成物のゲル成分37%、溶出成分の分子
量メインピーク値は23,000、サブピーク値は188,000で
あり、安息香酸量は260ppmだった。
各合成例で得られたビニル系重合体のA成分、B成分
及びC成分の割合を下表に示す。
実施例1 樹脂組成物−1 100部 マグネタイト 60部 低分子量ポリプロピレン 4部 ニグロシン 2部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、150℃に熱
した2本ロールで混練した。混練物を自然放冷後、カッ
ターミルで粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機
を用いて粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級し、堆
積平均粒径11〜12μmの黒色微粉体を得た。これに湿式
で製造されたシリカを、ヘンシェルミキサーで混合し、
トナーとした。このトナーをOPC感光体を用いたキヤノ
ン製NP−5540複写機を用いて連続50,000枚耐久を行なっ
たところ、画像濃度1.2〜1.3、カブリのない高解像力の
鮮明な画像が得られた。またスリーブ汚染による画像濃
度低下の評価は、複写開始時の画像濃度と、連続10,000
枚複写後の画像濃度差(ΔD1万枚)、及び連続50,000枚
複写後の画像濃度差(ΔD5万枚)との両方を比較するこ
とで判断した。それによればΔD1万枚=±0.03、Δ5万
枚=±0.03であり、スリーブ汚染は問題がなかった。さ
らに30℃、相対湿度90%の環境下での連続複写では画像
濃度1.3と安定でカブリのない鮮明な画像が得られ耐高
湿特性に優れていた。また、NP−5540定着器を用いて定
着ローラー温度をかえて、オフセット及び定着性試験、
巻付きについて検討したところ、表−2に示すごとく14
0℃〜230℃までオフセットは発生せず、150℃における
定着性も良好でローラへの巻付きも発生しなかった。ま
た、このトナーは粉砕性及び50℃1日における耐ブロッ
キング性にも優れていることがわかった。
実施例2 樹脂組成物−2 100部を用いること以外は全て実施例
1と同様にトナーを作成し、キヤノン製NP−5540複写機
を用いて連続50,000枚耐久を行なった処、画像濃度1.2
〜1.3カブリのない高解像力の鮮明な画像が得られた。
またΔD1万枚=±0.03、ΔD5万枚=±0.05であり、ス
リーブ汚染は問題がなかった。さらに30℃、相対温度90
%の環境下での連続複写では画像濃度1.3、カブリのな
い鮮明な画像が得られ、耐高湿特性に優れていた。
さらにNP−5540定着器を用いて定着ローラー温度をか
えてオフセット定着性試験、巻付きについて検討したと
ころ、表2に示すごとく145℃〜230℃までオフセットは
発生せず、150℃における定着性も良好でローラーへの
巻付きも発生しなかった。このトナーの粉砕性及び50℃
1日における耐ブロッキング性も良好でありトナーの粉
砕性も優れていることがわかった。
実施例3 樹脂組成物−3を用いることを除いては、全て実施例
1と同様にトナーを作成し、キヤノン製NP−5540複写機
で連続50,000枚耐久を行なったところ、画像濃度1.15〜
1.3、カブリのない高解像力の鮮明な画像が得られた。
また、ΔD1万枚=±0.03、ΔD5万枚±0.03でありスリー
ブ汚染は問題がなかった。さらに30℃、相対湿度90%の
環境下での連続複写でも画像濃度1.2〜1.3、カブリのな
い鮮明な画像が得られ、耐高湿特性に優れていた。さら
にNP−5540定着器を用いて、定着ローラー温度をかえて
オフセット、定着性、巻付きについて検討したところ、
表−2に示すごとく、オフセットは140℃〜230℃まで発
生せず、150℃での定着性は比較的良好で、ローラーへ
の巻付きは発生しなかった。さらに50℃1日におけるブ
ロッキング性は、本トナーは問題なく、トナーの粉砕性
も優れていることがわかった。
実施例4 樹脂組成物−4 100部を用いることを除いては、全て
実施例1と同様にトナーを作成し、キヤノン製NP−5540
複写機で連続50,000枚耐久を行なったところ、画像濃度
1.15〜1.3、カブリのない高解像力の鮮明な画像が得ら
れた。またΔD1万枚=±0.03,ΔD5万枚=±0.03であ
り、スリーブ汚染は問題がなかった。さらに30℃、相対
湿度90%の環境下での連続複写でも、画像濃度1.2〜1.
3、カブリのない鮮明な画像が得られ、耐高湿特性に優
れていた。またNP−5540定着器を用いて定着ローラー温
度をかえてオフセット、定着性、巻付きについて検討し
たところ、表−2に示すごとく、オフセットは140℃〜2
30℃まで発生せず、150℃における定着性は良好であ
り、ローラーへの巻付きは全く発生しなかった。さらに
50℃1日でのブロッキング性及びトナーの粉砕性が優れ
ていることがわかった。
実施例5 樹脂組成物−5 100部を用いることを除いては全て実
施例1と同様にトナーを作成し、キヤノン製NP5540複写
機で連続50,000枚耐久を行なったところ、画像濃度1.2
〜1.3、カブリのない鮮明な高解像力の画像が得られ
た。また、ΔD1万枚=±0.05、ΔD5万枚±0.08であり、
スリーブ汚染はほぼ問題がなかった。さらに30℃、相対
湿度90%の環境下での連続複写では画像濃度1.15〜1.
3、カブリのない鮮明な画像が得られ、耐高湿特性も良
好であった。またNP−5540定着器を用いて、定着ローラ
ー温度をかえてオフセット、定着性、巻付きについて検
討したところ、表−2に示すごとく、オフセットは140
〜230℃まで発生せず、150℃における定着性は良好であ
り、ローラーへの巻付きは全く発生しなかっか。さらに
50℃1日でのブロッキング性及びトナーの粉砕性が優れ
ていることがわかった。
参考例 樹脂組成物−6 100部を用いることを除いては全て実
施例1ト同様にトナーを作成し、キヤノン製NP−5540複
写機で連続50,000枚耐久を行なったところ、画像濃度1.
2〜1.3、カブリのない鮮明な高解像力の画像が得られ
た。この時ΔD1万枚=±0.08、ΔD5万枚±0.09であり、
耐久によるスリーブ汚染は、ほぼ良好であったが実施例
1と比較して、若干のスリーブ汚染がみられた。さらに
30℃、相対湿度90%の環境下における連続複写では、画
像濃度1.15〜1.3、カブリのない鮮明な画像が得られ耐
高湿特性も、ほぼ満足しうるものであった。またNP−55
40定着器を用いて、定着ローラー温度をかえて、オフセ
ット、定着性、巻付きについて検討したところ、表−2
に示すごとく、オフセットは140〜230℃まで発生せず15
0℃における定着性は良好であり、ローラーへの巻付き
も全く発生しなかった。さらに50℃1日でのブロッキン
グ性にも問題はなく、トナーの粉砕性が優れていた。
比較例1 樹脂組成物−7 100部を用いることを除いては全て実
施例1と同様にトナーを作成し評価した。トナーの定着
性に関して、NP−5540定着器を用いて定着ローラー温度
をかえてオフセット、定着性、巻付きについて検討した
ところ、表−3に示すごとく、オフセットは140℃〜230
℃まで発生せず、150℃における定着性は比較的良好で
あり、ローラーへの巻付きは発生しなかった。さらに50
℃1日におけるブロッキング性は全く問題がなく、トナ
ーの粉砕性もほぼ満足できるものであった。だが現像性
に関して、キヤノン製NP−5540複写機で連続50,000枚耐
久を行なったところ、初期〜10,000枚程度は画像濃度1.
2〜1.3、カブリのない鮮明な画像が得られたが、耐久に
したがって濃度低下が発生した。この時ΔD1万枚=±0.
15、ΔD5万枚=±0.15であり、これはスリーブ汚染によ
るものであった。また30℃、相対湿度90%の環境下での
連続複写では画像濃度1.0〜1.1となり、耐高湿特性が低
下していた。
比較例2 樹脂組成物−8 100部を用いること以外は実施例1と
全く同様にトナーを作成し評価した。トナーの定着性に
関して、表3に示すごとくNP−5540定着器を用いたオフ
セット性、定着性、巻付きの評価では、150℃での定着
性は問題なかったが、画像上で140℃でのオフセット及
び230℃でのオフセットが目立ち、ローラーへの巻付き
が発生した。さらに50℃1日の条件下ではトナーのブロ
ッキングが確認された。
一方現像性に関しては、キヤノン製NP−5540複写機で
連続8,000枚耐久を行なったところ、初期〜5,000枚では
画像濃度1.2〜1.3、カブリのない鮮明画像が得られた
が、たびたびオフセットが発生し、ローラーへの巻付き
が頻発するためそれ以上の耐久は続けられなかった。
比較例3 樹脂組成物−9 100部を用いること以外は実施例1と
全く同様にトナーを作成し評価した。トナーの定着性に
関してキヤノン複写機NP−5540の定着器によるオフセッ
ト、定着性、巻付きの評価では、230℃でのオフセット
及び巻付き、50℃1日でのブロッキングは発生しなかっ
たが、表3に示すように140℃でオフセットが発生し、1
50℃での定着性が悪く、粉砕性が著しく悪いことがわか
った。
一方現像性に関しては、キヤノン製NP−5540複写機で
連続8,000枚耐久を行なったところ、初期〜5,000枚程度
では画像濃度1.2〜1.3、カブリのない鮮明画像が得られ
たが、たびたびオフセットが発生し、ローラーへの巻付
きが頻発するため、耐久試験を途中で中断せざるを得な
かった。
比較例4 樹脂組成物−10 100部を用いること以外は実施例1と
同様にしてトナーを作成し評価した。トナーの定着性に
関してキヤノン複写機NP−5540の定着器によるオフセッ
ト、定着性、巻付きの評価では、230℃でのオフセッ
ト、巻付き、50℃1日での耐ブロッキング性は問題なか
ったが、150℃における定着性、140℃でのオフセットが
悪く、さらに粉砕性も満足できるものではなかった。
一方、現像性に関しては、キヤノン製複写機で連続8,
000枚耐久を行なったところ、初期〜5,000枚程度では画
像濃度1.2〜1.3、カブリのない鮮明画像が得られたが、
オフセットが頻発し、ローラーへの巻付きがおこるた
め、耐久試験を途中で中断せざるを得なかった。
比較例5 樹脂組成物−11 100部を用いること以外は実施例1と
同様にしてトナーを作成し評価した。トナーの定着性に
関してキヤノン製NP−5540定着器によるオフセット、定
着性、巻付きの評価では230℃でのオフセット、さらに5
0℃1日でのブロッキング及びローラーへの巻付きは発
生しなかったが140℃でのオフセット、150℃での定着性
ともに悪く、また粉砕性が著しく悪かった。
一方、現像性に関しては、キヤノン製NP−5540複写機
で連続50,000枚耐久を行なったところ初期から画像濃度
1.1〜1.2と低く、若干カブリ気味の画像しか得られなか
った。さらに耐久にしたがって濃度低下がおこり、ΔD1
万枚=±0.18、ΔD5万枚=±0.2であり、これはスリー
ブ汚染によるものであった。また30℃、相対湿度90%の
環境下での連続複写では画像濃度が0.8程度と低下し、
さらにカブリも目立ち耐高湿特性が低下していた。
比較例6 樹脂組成物−12 100部を用いること以外は実施例1と
同様にトナーを作成し、評価した。トナーの定着性に関
してキヤノン製NP−5540定着器によるオフセット、定着
性、巻付きの評価では、230℃でのオフセット及び50℃
1日でのブロッキング、ローラーへの巻付きは発生しな
かったが、140℃でのオフセット、150℃での定着性とも
に悪く、トナー粉砕性は著しく悪かった。
一方、現像性に関しては、キヤノン製NP−5540複写機
で連続50,000枚耐久を行なったところ、得られた画像は
カブリはないが、画像濃度が1.05〜1.15と低かった。耐
久にしたがってスリーブ汚染を原因とする濃度低下はな
かったが、オフセットが頻発したため試験を中断せざる
を得なかった。
合成例13 スチレン75部、n−ブチルアクリレート23部、α−メ
チルスチレン1部、ジビニルベンゼン0.4部、2,2′−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2部の均一混
合液を、重合度2000のポリビニルアルコール部分ケン化
物0.8部を溶解させた水400部中に攪拌スピード200r.p.
m.で特定の攪拌羽根を用いて懸濁分散させ、重合温度80
℃にて15時間重合させ、ゲル成分を含むパール状の樹脂
組成物を得、減圧乾燥して、樹脂組成物−13とした。
該樹脂組成物−13のゲル成分量は39重量%、溶出成分
の分子量メインピーク値は34000であり、サブピーク及
びショルダーは見られなかった。安息香酸含有量は0ppm
であり、酸価は0であった。
比較例7 実施例1で用いた樹脂組成物−1 100重量部に代え
て、低分子量重合体−1を0.1〜0.7mmに粉砕したもの33
重量部及び樹脂組成物−13 67重量部を用いる以外は実
施例1と同様にトナーを作製した。
粉体混合において磁性体がヘンシェルミキサーの内壁
に選択的に付着し、また、離型剤も、分散の良くないこ
とが認められた。
次のエクストルーダーの熱混練工程において、混練物
は樹脂組成物−13の一部が溶融せずに粒子状態で存在
し、かつ磁性体の分散も充分とはいえない状況であっ
た。
粉砕工程において、安定した状態での粉砕を行うこと
ができず磁性体を含有していないか、または含有量が極
端に少ないと思われる微粉砕物が多数観察されたので、
分級工程で可能なかぎり除いた。
トナーの定着性に関してキヤノン複写機NP−5540の定
着器によるオフセット、定着性、巻付きの評価では、23
0℃でのオフセット及び巻付きが発生したが、50℃1日
でのブロッキングは発生しなかった。表3に示すように
140℃でオフセットが発生した。
上記の実施例1乃至5及び参考例の評価結果を表−2
に示し、比較例1乃至7の評価結果を表−3に示す。
[発明の効果] 本発明のトナーは、高架橋成分及び低分子量成分を含
み、これらが均一に混合分散している樹脂組成物を使用
しているため、より低い温度で十分定着し、オフセット
及び巻付きが十分に防止され、かつ、定着可能温度域の
広いものである。
また、許容可能な塊状化温度をもち、貯蔵および使用
に際してブロッキング等の起こらないものである。
また、顔料,荷電制御剤,離型剤などの添加剤の分散
性にすぐれた樹脂組成物を使用しているため、画像濃度
が充分で鮮明なものである。
さらに、特定のバインダー樹脂とある種の荷電制御剤
との組合せにおいても、高速機において長期にわたる連
続使用による繰り返しに対して、優れた耐久性をもち、
さらに環境依存性の少ない、カブリのない鮮明な良質な
画像が安定して保たれるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で使用した樹脂組成物−1の可溶成分
クロマトグラムを示す図であり、第2図は、比較例6で
使用した樹脂組成物−12の可溶成分クロマトグラムを示
す図であり、第3図は安息香酸の含有量と画像濃度低下
量との関係を示すグラフであり、第4図は安息香酸のガ
スクロマトグラムを示す図であり、第5図は安息香酸と
ジフェニルエーテルとの検量線を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−86558(JP,A) 特開 昭57−97546(JP,A) 特開 昭56−1644(JP,A) 特開 昭57−211157(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のビニル系重合体をビニル系モノマー
    成分に溶解または混合させてモノマー組成物を調製し、
    該モノマー組成物を架橋剤の存在下で重合することによ
    って得られたゲル成分及びテトラヒドロフラン可溶成分
    を含有しているバインダー樹脂及び含窒素荷電制御剤を
    少なくとも含有し、且つ安息香酸の含有量が500ppm以下
    であるトナーであって、 該バインダー樹脂は、ゲル成分を0.1〜60重量%含有
    し、且つ、テトラヒドロフラン可溶成分のGPCによる
    クロマトグラムにおいて、分子量1000〜25000の領域に
    メインピーク値を有し、かつ分子量が3000〜150000の領
    域であってかつ該メインピーク値よりも高分子量側に少
    なくとも1つのサブピークまたはサブショルダーを有し
    ており、分子量50万以上の成分を0〜20重量%、分子量
    3万超〜50万未満の成分を10〜60重量%及び分子量3万
    以下の成分を20〜90重量%、それぞれテトラヒドロフラ
    ン可溶成分の重量基準で含有していることを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
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