JP2681791B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2681791B2
JP2681791B2 JP63044369A JP4436988A JP2681791B2 JP 2681791 B2 JP2681791 B2 JP 2681791B2 JP 63044369 A JP63044369 A JP 63044369A JP 4436988 A JP4436988 A JP 4436988A JP 2681791 B2 JP2681791 B2 JP 2681791B2
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電子写真,静電記録,静電印刷などにおけ
る静電荷像を現像するためのトナーに関し、特に熱混,
練粉砕による製造方法で得られた熱ローラー定着に適す
る静電荷像現像用トナーに関する。
[従来の技術] 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等に記載されている如く多数の方法が知られている
が、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により
感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
を用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画
像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気
などにより定着し複写物を得るものであり、そして感光
体上に転写せず残ったトナーは種々の方法でクリーニン
グされ、上述の工程が繰り返される。
近年このような複写装置は、単なる一般にいうオリジ
ナル原稿を複写するための事務処理用複写機というだけ
でなく、コンピューターの出力としてのプリンターある
いは個人向けのパーソナルコピーという分野で使われ始
めた。
そのため、より小型,より軽量そしてより高速、より
高信頼性が厳しく追究されてきており、機械は種々な点
でよりシンプルな要素で構成されるようになってきてい
る。その結果、トナーに要求される性能はより高度にな
り、トナーの性能向上ず達成できなければよりすぐれた
機械が成り立たなくなってきている。
例えばトナー像を紙などのシートに定着する工程に関
して種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一
般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型
性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被
定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せ
しめることにより定着を行うものである。この方法は熱
ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で
接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際
の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことが
でき、高速度電子写真複写機において非常に有効であ
る。しかしながら上記方法では、熱ローラー表面とトナ
ー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像の
一部が定着ローラー表面に付着,転移し、次の被定着シ
ートにこれが再転移して所謂オフセット現象を生じ、被
定着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に対
してトナーが付着しないようにすることが熱ローラー定
着方式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的
で、例えばローラー表面をトナーに対して離型性のすぐ
れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さ
らにその表面にオフセット防止及びローラー表面の疲労
を防止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液
体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われてい
る。しかしながら、この方法はトナーのオフセットを防
止する点では極めて有効であるが、オフセット防止用液
体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑
になること等の問題点を有している。
これは小型化,軽量化と逆方向であり、しかもシリコ
ンオイルなどが熱により蒸発し、機内を汚染する場合が
ある。そこでシリコンオイルの供給装置などを用いない
で、かわりにトナー中から加熱時にオフセット防止液体
を供給しようという考えから、トナー中に低分子量ポリ
エチレン,低分子量ポリプロピレンなどの離型剤を添加
する方法が提案されている。充分な効果を出すために多
量にこのような添加剤を加えると、感光体へのフィルミ
ングやキャリアやスリーブなどのトナー担持体の表面を
汚染し、画像が劣化し実用上問題となる。そこで画像を
劣化させない程度に少量の離型剤をトナー中に添加し、
若干の離型性オイルの供給もしくはオフセットしたトナ
ーを巻きとり式の例えばウェブの如き部材を用いた装置
でクリーニングする装置を併用することが行われてい
る。
しかし最近の小型化,軽量化,高信頼性の要求を考慮
するとこれらの補助的な装置すら除去することが必要で
あり好ましい。従ってトナーの定着,オフセットなどの
さらなる性能向上がなければ対応しきれず、それはトナ
ーのバインダー樹脂のさらなる改良がなければ実現する
ことが困難である。トナーのバインダー樹脂の改良に関
する技術として、例えば特公昭51−23354号公報に結着
樹脂として架橋された重合体を用いたトナーが提案され
ている。その方法に従えば耐オフセット性及び耐巻付き
性の改良には効果があるが、反面架橋度をますと定着点
が上昇してしまい、充分定着温度が低くて耐オフセット
性及び耐巻付き性が良好で且つ十分な定着特性のものは
得られていない。一般的に定着性を向上させるために
は、バインダー樹脂を低分子量化して軟化点を低下させ
ねばならず、耐オフセット性の改善処置とは相反するこ
とになり、また低軟化点とするために必然的に樹脂のガ
ラス転移点が低下し保存中のトナーがブロッキングする
という好ましくない現象もおこる。
これに対して、特開昭56−158340号公報に低分子量重
合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されてい
るが、このバインダー樹脂は実際には架橋成分を含有さ
せることが難しく、より高性能に耐オフセット性を向上
させるためには、高分子量重合体の分子量を大きくする
か比率を増す必要がある。この方向は粉砕性を著しく低
下させる方法であり、実用上満足するものは得られにく
い。さらに低分子量重合体と架橋した重合体とをブレン
ドしたトナーに関し、例えば特開昭58−86558号公報に
低分子量重合体と不溶不融性高分子量重合体を主要樹脂
成分とするトナーが提案されている。その方法に従えば
定着性及び粉砕性の改良は行われる傾向にあるが、低分
子量重合体の重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)
が3.5以下と小さいこと及び不溶不融性高分子量重合体
の含有量が40〜90wt%と多量であることにより、耐オフ
セット性と粉砕性を共に高性能で満足することが難し
く、実際上はオフセット防止用液体の供給装置をもつ定
着器用でなければ定着性(特に高速定着),耐オフセッ
ト性,粉砕性を充分満足するトナーを生成することは極
めて困難である。また、画像を折り曲げた時に、紙から
トナーがはがれやすく、好ましくない。
さらに不溶不融性高分子量重合体が多くなると、トナ
ー作成時の熱混練で溶融粘度が非常に高くなるため通常
よりはるかに高温で熱混練するか、あるいは高いシェア
で熱混練しなければならず、その結果前者は他の添加剤
の熱分解によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹
脂の分子の過度な切断が起り、当初の耐オフセット性能
が出にくいという問題を有している。
また特開昭60−166958号公報に、数平均分子量(Mn)
500〜1,500である低分子量のポリα−メチルスチレンの
存在下で重合して得られる樹脂組成分からなるトナーが
提案されている。
特に該公報では、数平均分子量(Mn)が9,000〜30,00
0の範囲が好ましいとあるが、耐オフセット性をより向
上させるためMnを大きくしていくと定着性及びトナー製
造時の粉砕性が実用上問題となり、故に高性能に耐オフ
セット性と粉砕性を満足することは難しい。
このようにトナー製造時における粉砕性の悪いトナー
は、トナー製造時の生産効率が低下する他、トナー特性
として粗いトナーが混入しやすいため飛びちった画像と
なる場合があり好ましくない。
また特開昭56−16144号公報にGPCによる分子量分布に
おいて、分子量103〜8×104及び分子量105〜2×106
それぞれの領域に少なくとも1つの極大値をもつ結着樹
脂成分を含有するトナーが提案されている。この場合、
粉砕性,耐オフセット性,定着性,感光体へのフィルミ
ングや融着,画像性などすぐれているが、さらにトナー
における耐オフセット性及び定着性の向上が要望されて
いる。特に定着性をより向上させて他の種々の性能を保
つか、あるいは向上させつつ今日の厳しい要求に対応す
るのは該樹脂ではむずかしい。
また、特開昭58−82258号公報に、GPCによる分子量分
布において、分子量103〜8×104,分子量105〜106,分
子量106以上のそれぞれの領域に少なくとも1つの極大
値乃至は肩を持つ結着樹脂成分を含有する乾式現像剤が
提案されている。
この場合、定着性,熱ロールへのトナーのオフセット
性,ローラよりの排紙性、すなわちローラへの耐巻付き
性、適度な粉砕性など総合的にある程度すぐれた性能を
有しているが、今日の複写機は、はるかに高速化し、そ
のため、定着性,オフセット性,巻付き性など不充分と
なっている。さらに、従来、現像器内でトナーが微粉化
され、画像上のカブリなどの問題を生じるとして、適度
な硬さの結着樹脂が必要とされてきたが、今日では、現
像器が改善され、脆すぎて使えないということを実質的
に考慮する必要がなく、それ以上に、省エネルギー、生
産効率の面から、より粉砕性の良い結着樹脂が望まれる
ようになってきている。
[発明が解決しようとする課題] このように定着に関わる性能と粉砕性を共に高性能で
実現することは極めて困難である。特にトナー製造時に
おける粉砕性は、複写画像の高品位化,高解像化,高細
線再現性の要望によりトナーの粒径をより小さくしてい
く今日の方向に重要な因子であり、また粉砕工程はひじ
ょうに大きなエネルギーを要するため粉砕性の向上は省
エネルギーの面からも重要である。
また粉砕装置内壁へのトナーの融着現象も定着性能の
良いトナーに発生しやすく、そのため粉砕効率を悪くす
る。さらに別な側面として他の複写工程において、転写
後の感光体上に残ったトナーをクリーニングする工程が
ある。今日、装置の小型化,軽量化,信頼性の面からブ
レードによるクリーニング(ブレードクリーニング)が
一般的になっている。感光体の高寿命化と感光体ドラム
などの小型化及びシステムの高速化に伴い、トナーに要
求される感光体に対する耐融着,耐フィルミング性など
が厳しくなっている。特に最近実用化されてきたアモル
ファスシリコン感光体はひじょうに高耐久性であり、ま
たOPC(有機感光体)も寿命が延びてきており、そのた
めトナーに要求される諸性能はより高度になってきてい
る。
また小型化はせまい所に各要素をうまく納めていくこ
とをしなければならない。そのため空気がうまくながれ
る空間が少なくなる上、定着器や露光系の熱源がトナー
ホッパーやクリーナーと非常に接近するため、トナーは
高温雰囲気にさらされる。そのため、より優れた耐ブロ
ッキング性を有するトナーでないと実用化できなくなっ
てきた。また、複写画像は、公文書,長期使用などが普
通となり強い折り曲げ性が要求されるようになってきて
いる。
添付の第6図に示すように、トナーに要求される諸性
能は相反する場合がほとんどであり、しかもそれらを共
に高性能に満足することがますます望まれ、研究されて
いるが、未だ充分なものがない。
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した静電荷
像現像用トナーを提供するものである。
以下に本発明の目的を列挙する。
本発明の目的は、オイルを塗布しない熱ロール定着方
式に適した静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。
本発明の目的は、ブレードを用いたクリーニング方式
に適した静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し得、且つ耐オフセ
ット性のすぐれた静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。
本発明の目的は、低い温度で定着し、感光体への融
着,フィルミングが高速システムにおいても、また長期
間の使用でも発生しない静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つ耐ブロッキン
グ性がすぐれ、特に小型機の中の高温雰囲気中でも充分
使え得る静電荷像現像用トナーを提供することにある。
本発明の目的は、低い温度で定着し且つトナーの製造
時における粉砕工程での装置の内壁へ粉砕物が融着しな
いため、効率よく連続で生産できる静電荷像現像用トナ
ーを提供することにある。
本発明の目的は、耐オフセット性がすぐれ且つ粉砕性
がすぐれているため、生産効率が良い静電荷像現像用ト
ナーを提供することにある。
本発明の目的は、耐オフセット性がすぐれ、またテト
ラヒドロフラン(THF)不溶分が必要以上に多くなく、
トナーの熱混練工程で変質,劣化しない静電荷像現像用
トナーを提供することにある。
本発明の目的は、粉砕性が良いため粗粉などの発生が
少なく、そのため画像のまわりのとびちりが少なく、安
定した良好な現像画像を形成し得る静電荷像現像用トナ
ーを提供することにある。
本発明の目的は、特に折り曲げても画像がとれにくい
静電荷像現像用トナーを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、ビニル系バインダー樹脂及び着色剤を少な
くとも有する静電荷像現像用トナーにおいて、該ビニル
系バインダー樹脂のTHF不溶分が10乃至60wt%(バイン
ダー基準)含有されており、該ビニル系バインダー樹脂
のTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、Mw/Mnが
5以上であり、分子量2,000乃至10,000の領域に少なく
とも1つのピークがありこの領域の最大ピークP1の高さ
をH1とし、分子量10,000超乃至500,000未満には、ピー
クもしくは肩がなく、分子量500,000以上の領域に少な
くとも1つのピークもしくは肩があり、この領域の最大
ピークもしくは肩P2の高さをH2とすると、H1/H2が0.5
乃至10であることを特徴とする静電荷像現像用トナーに
関する。
本発明について以下に詳細に説明する。
前記のような目的を同時に達成するため、種々のバイ
ンダー樹脂を用い、その構成と性能についてさまざまの
角度から鋭意検討した。その結果バインダー樹脂のTHF
不溶分の割合と、THF可溶分の分子量分布の特定の構成
のときに種々の問題点を解決できることを見い出した。
特に高速機,あるいは超高速機において、有効である。
THF不溶分とTHF可溶分の分子量分布のピークの位置に
着目すると、その位置と粉砕性の関係は第7図に示すと
おりである。これからTHF不溶分は単に通常言われてい
るような耐オフセット性のためだけでなく、粉砕性を良
化する目的で特定量含有させることが有効である。
さらに、THF可溶分の分子量分布と定着可能温度が高
いか低いかという性質(以後、単に定着性という)、耐
オフセット性,粉砕性,耐ブロッキング性について検討
した。その結果、例えば第8図のようにGPC分子量分布
での分子量約10,000以下と約10,000以上の分子量を有す
る成分の働きが異なることを見い出した。すなわち、バ
インダー樹脂全体に対する分子量10,000以下の分子量を
有する成分の含有割合は、通常言われているように、定
着性あるいは耐オフセット性を強く左右するのではな
く、特定範囲ではどちらかというとほとんど関係せず、
かわりに粉砕性に強く関係していることが判明した。
さらに他の検討などからバインダー樹脂は、基本的に
はTHF不溶分が主に耐オフセット性,巻付き性,粉砕性
に影響を与え、そしてTHF可溶分の分子量10,000以下の
成分が主に粉砕性,ブロッキング性,感光体への融着
性,フィルミング性そして粉砕装置内壁への融着に影響
を与え、さらにTHF可溶分の分子量10,000を超える成分
が主に定着性を左右していることが判明した。そして、
分子量10,000以下の成分の割合は、20〜65wt%が良く、
好ましくは20〜60wt%である。充分な性能を出すために
は、さらに分子量2,000乃至10,000の領域(好ましくは
2,000乃至8,000の領域)に少なくとも1つのピークを有
し、分子量10,000超乃至500,000未満にピークもしくは
肩がなく、分子量500,000以上の領域に少なくとも1つ
のピークもしくは肩を有し、分子量2,000乃至10,000の
領域の最大ピークの高さH1と分子量500,000以上の領域
の最大ピークもしくは肩の高さH2の比(H1/H2)が、0.
5乃至10であることが必要である。分子量2,000乃至10,0
00の領域にピークがなく分子量2,000未満にピークがあ
るが、分子量10,000以下の成分の割合があ65wt%を超え
ると、耐ブロッキング性,感光体への融着,フィルミン
グ,粉砕装置内壁への融着などがやや問題となる。分子
量10,000以下にピークがなく10,000を超える領域にピー
クがあるが、分子量10,000以下の成分の割合が20wt%未
満であると特に粉砕性が問題となり、粗粒子の生成も問
題となる。さらにTHF可溶分はMw/Mnが5以上であること
が必要であり、Mw/Mnが5未満になると耐オフセット性
が低下する傾向が高まり問題となる。
ここでMwとは後述のGPCによって測定された重量平均
分子量であり、Mnとは同様の測定による数平均分子量で
ある。
そして、さらにトナーのバインダー樹脂のTHF不溶分
は10乃至60wt%が必要である。THF不溶分が10wt%未満
だと耐オフセット性が問題となり、60wt%を超えるとト
ナー製造時の熱混練による過度の分子鎖切断などの劣化
の問題を生じる。
また、THF可溶分の分子量分布の1万以下の分子量分
の樹脂のガラス転移点Tg1とトナー全体のガラス転移点T
gtを比較したとき、Tg1≧Tgt−5の関係になると定着
性,粉砕性,感光体への融着,フィルミング性,粉砕装
置内壁への融着性,耐ブロッキング性などがより良好に
なる。またTg1は55℃以上が良い。
ここでいうTg1とは次の方法により測定されたもので
ある。温度25℃にてTHFを毎分7mlの流速にて流し、トナ
ーのTHF可溶成分の濃度約3mg/mlのTHF試料溶液を3ml程
度分子量分布測定装置に注入し、分子量1万以下の成分
を分取する。分取の後、溶媒を減圧留去し、さらに90℃
雰囲気中減圧で24時間乾燥する。分子量1万以下の成分
が20mg程度得られるまで上記操作を繰り返し行い、50℃
で48時間のアニーリングを行い、この後に示差走査熱量
測定法によりTgを測定し、この値をTg1とする。この時
の測定は、一般に知られているASTM D 3418−82法に準
じて行った。
すなわち、10℃/minの昇温測定で120℃以上に昇温
し、そこで約10分間保持し、これを0℃に急冷し、そこ
で10分間保持後、10℃/minで、昇温し、吸熱カーブを得
る。Tgは、ベースラインの中間線と変曲線の交点をもっ
て定義する。
分取用カラムとしてはTSKgel G2000H,TSKgel G2500H,
TSKgel G3000H,TSKgel G4000H(共に東洋曹達工業
(株))等が用いられるが、本発明ではTSKgel G2000H
とTSKgel G3000Hを組み合せて用いた。
またトナーのTgであるTgtの値はトナーを50℃,48時間
アニーリングし、その後示差走査熱量測定法により求め
る。
本発明の最も好ましい態様は、第1図に示すように、
THF可溶分のGPC分子量分布において、分子量2,000乃至1
0,000の領域にある最も高いピークの高さをH1,分子量5
00,000以上の領域にある最も高いピークをH2とするとH1
/H2が0.5乃至10を有するバインダー樹脂を含有するト
ナーである。
ここでいう分子量500,000以上の分子は、基本的に架
橋した分子が熱混練などで切断して生じたものである。
この部分が上記の比率であると、折り曲げ性が向上す
る。折り曲げ性とは、紙などへ熱定着したトナーが折り
曲げ、開いた後に、折り曲げられた部分のトナーがとれ
やすいかどうかという見方をした時の性能である。これ
は、摺擦テストを使った時の定着性とは別の見方をした
もので、特に、紙とトナーの接着力を見たものであると
いうことができる。
折り曲げに対する強さは、公文書的使い方をする複写
画像などに特に重要であり、また、地図などを複写した
時、折り曲げた部分の画像が消えてしまうようなことに
なるとひじょうに問題である。
この折り曲げ性を向上させる方向は単純には、バイン
ダー樹脂を低粘度化することが上げられる。しかし、こ
の方向は、オフセット性を悪化させ、問題となる。
オフセット性を悪化させずに、折り曲げ性を向上させ
るための重要な点は、高分子量部分の分子の構造にある
ことがわかってきた。高分子量部分の分子が、線状で枝
分かれが少ないと、折り曲げ性粉砕性が悪く、枝分かれ
が多いと、折り曲げ性の良いことがわかった。特に高分
子量部分が、架橋成分の切断によって生じた場合、良い
ことがわかった。
これは、高分子で粘度が高いため、オフセット性など
が維持されつつ、枝分かれが多いことで、同じ分子量で
も、末端が多くそのため、紙などへの接着力が増すと考
えられる。
しかし、架橋成分がすべて切断するのは、耐オフセッ
ト性,感光体融着性などのために好ましくなく、その割
合は、他のピークの高さとの特定な関係の時に総合的性
態を満足する。
H1/H2が0.5より小さいとき、粉砕性,定着性で不充
分となり、これが10より大きいとオフセット性,粉砕装
置内壁への融着性,感光体への融着性,オフセット性が
悪化する。
ここでいう折り曲げ性は、以下のようにテストする。
折り曲げ性の評価は、全面黒画像を出し、画像面を重
さねる様にして折り曲げ約200g荷重で往復10回こすり、
折り曲げ部の画像をシルボン紙C紙で往復10回約200g荷
重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で
表わした。
THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって
定義する。
すなわち、トナーサンプル0.5〜1.0gを秤量し(W
1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)に入れてソ
ックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF100〜200mlを
用いて6時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分
をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF
可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の磁性体
あるいは顔料の如き樹脂成分以外の成分の重量を(W
3g)とする。THF不溶分は、下記式から求められる。
本発明において、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィ)によるクロマトグラムのピーク又は/およ
びショルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチャンバー中てカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてTHF(テ
トラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度
として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を
50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあ
たつては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリ
スチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカ
ウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポ
リスチレン試料としては、例えばPressureChemical Co.
製或いは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102,2.1×1
03,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×105,3.9×105,8.6
×105,2×106,4.48×106のものを用い、少なくとも10点
程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。
また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
カラムとしては市販のポリスチレンゲルカラムを複数
組合せるのか良く、例えば、Waters社製のμ−styragel
500,103,104,105の組み合せや、昭和電工社製のShod
ex KF−80Mや、KF−802,803,804,805の組合せ、あるい
は東洋曹達製のTSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000H,G
4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHの組合せが好ましい。
本発明の分子量10,000以下のバインダー樹脂に対する
重量%はGPCによるクロマトグラムの分子量10,000以下
を切りぬき、分子量10,000を超える切りぬきとの重量比
を計算し、前記のTHF不溶分の重量%を使い、全体のバ
インダー樹脂に対する重量%を算出する。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、スチレン類,
アクリル酸類,メタクリル酸類及びその誘導体から選ば
れる1種以上のビニル系モノマーを重合して得られたビ
ニル系バインダー樹脂であり、このビニル系バインダー
樹脂は、現像特性及び帯電特性等が好ましい。本発明に
用いられるビニル系モノマーの例としては、スチレン類
としてスチレン,α−メチルスチレン,ビニルトルエ
ン,クロルスチレンなどがあげられる。アクリル酸類,
メタクリル酸類及びその誘導体としては、アクリル酸,
アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロ
ピル,アクリル酸ブチル,アクリル酸オクチル,アクリ
ル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸n−テトラデシ
ル,アクリル酸n−ヘキサデシル,アクリル酸ラウリ
ル,アクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸ジエチルア
ミノエチル,アクリル酸ジメチルアミノエチルなどのア
クリル酸エステル類があげられ、同様にメタクリル酸,
メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル
酸プロピル,メタクリル酸ブチル,メタクリル酸アミ
ル,メタクリル酸ヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘ
キシル,メタクリル酸オクチル,メタクリル酸デシル,
メタクリル酸ドデシル,メタクリル酸ラウリル,メタク
リル酸シクロヘキシル,メタクリル酸フェニル,メタク
リル酸2−ヒドロキシエチル,メタクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル,メタクリル酸ジメチルアミノエチル,メ
タクリル酸グリシジル,メタクリル酸ステアリルなどの
メタクリル酸エステル類があげられる。前述のビニル系
モノマー以外に、本発明の目的を達成しうる範囲で少量
の他のビニル系モノマー、例えばアクリロニトリル,2−
ビニルピリジン,4−ビニルピリジン,ビニルカルバゾー
ル,ビニルメチルエーテル,ブタジエン,イソブレン,
無水マレイン,マレイン酸,マレイン酸モノエステル
類,マレ酸イン酸ジエステル類,酢酸ビニルなどが用い
られても良い。
本発明のトナーに用いられる架橋剤としては、2官能
の架橋剤として、ジビニルベンゼン,ビス(4−アクリ
ロキシポリエトキシフェニル)プロパン,エチレングリ
コールジアクリレート,1,3−ブチレングリコールジアク
リレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,5−ペ
ンタンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオール
ジアクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト,ジエチレングリコールジアクリレート,トリエチレ
ングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコー
ルジアクリレート,ポリエチレングリコール#200,#40
0,#600の各ジアクリレート,ジプロピレングリコール
ジアクリレート,ポリプロピレングリコールジアクリレ
ート,ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化
薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートにかえ
たものが挙げられる。
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアク
リレート,トリメチロールエタントリアクリレート,ト
リメチロールプロパントリアクリレート,テトラメチロ
ールメタンテトラアクリレート,オリゴエステルアクリ
レート及びそのメタクリレート,2,2−ビス(4−メタク
リロキシ,ポリエトキシフェニル)プロパン,ジアリル
フタレート,トリアリルシアヌレート,トリアリルアソ
シアヌレート,トリアリルイソシアヌレート,トリアリ
ルトリメリテート,ジアリールクロレンデート等があげ
られる。
本発明に係るバインダー樹脂の合成方法は、基本的に
2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
すなわち、THFに可溶で且つ重合モノマーに可溶な第
1の重合体を重合モノマー中に溶解し、モノマーを重合
して樹脂組成物を得る方法である。この場合、前者と後
者の重合体が均一に混合している組成物が形成される。
THFの可溶な第1の重合体は、溶液重合もしくはイオ
ン重合などが好ましく、THFに不溶な成分を生成するた
めの第2の重合体は、第1の重合体を溶解している条件
下で架橋性モノマー存在下で懸濁重合もしくは塊状重合
で合成することが好ましい。第1の重合体は第2の重合
体を生成するための重合性単量体100重量部に対して10
〜150(好ましくは20〜100重量部)重量部使用するのが
好ましい。
添付図面の第2図は、後述の合成例1で得られた樹脂
組成物のTHF可溶分のGPCのチャートを示している。第3
図は、第1の重合である溶液重合で調製されたポリスチ
レンのGPCのチャートを示している。該ポリスチレンはT
HFに可溶であり、重合単量体であるスチレンモノマー及
びアクリル酸n−ブチルモノマーに可溶であり、分子量
4,300にメインピークを有していた。第4図は、該ポリ
スチレンを添加しない以外は同様の条件で第2の重合で
調製されるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を
懸濁重合で生成したもののTHF可溶分のGPCのチャートを
示している。該スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体は、分子量35,000にメインピークを有していた。
第5図は、第2図のチャートと第3図のチャートと第
4図のチャート(破線で示した)を組み合わせて示した
ものである。第5図からも明白な如く、本発明に係る合
成例1で得られた樹脂組成物は、別個に重合したポリス
チレンとスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体を単
に混合したものと異なるGPCチャートを有していた。特
に、高分子量側に、スチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体単独では生成していなかった高分子成分が生成し
ていることが知見される。この高分子量成分は、第2段
目の重合である懸濁重合時に、第1段目の溶液重合で調
製されたポリスチレンが存在しているために、該ポリス
チレンが重合調整剤の如き働きをし、その結果スチレン
−アクリル酸n−ブチル共重合体のTHF不溶分とTHF可溶
分の合成が調整されたと考えられる。本発明に係る樹脂
組成物は、THF不溶分、THF可溶な高分子量成分、THF可
溶な低分子量成分が均一に混合されている。本発明に係
る樹脂組成物は、トナー製造時の溶融混練工程による分
子鎖の切断により、分子量50万以上(好ましくは100万
以上)の領域に新たなピークを生成して、トナーの特に
折り曲げ性を向上させる。
このような構成において、分子量50万以上の領域にピ
ークがない場合、折り曲げ性が問題となる。また、分子
量50万以上に架橋成分の切断により生じたピークを発生
させるためには、混練工程を改善することによって可能
であり、他にあらかじめ樹脂のみを熱混練装置で分子切
断し、用いても良い。
本発明のトナーに使用する荷電制御剤としては、従来
公知の正あるいは負の荷電制御剤が用いられる。今日、
当該技術分野で知られている荷電制御剤としては以下の
ものがあげられる。
(1)トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質
がある。
ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン
系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料(例えば
C.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow
3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9
(C.I.42500)、C.I.Basic Vioet 1(C.I.42535)、C.
I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10
(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、
C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3
(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.
Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.5
2015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic
Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.4402
5)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Gre
en 4(C.I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ
顔料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸,りん
モリブデン酸,りんタングステンモリブデン酸,タンニ
ン酸,ラウリン酸,没食子酸,フェリシアン化物、フェ
ロシアン化物など)、C.I.Sovent Black 3(C.I.2615
0),ハンザイエローG(C.I.11680)、C.I.Mordlant B
iack 11,C.I.Pigment Biack 1等。
または、例えばベンゾルメチル−ヘキサデシルアンモ
ニウムクロライド,デシルートリメチルアンモニウムク
ロライドあるいはジブチル,ジオクチルなどのジアルキ
ルチン化合物,高級脂肪酸の金属塩,ガラス,雲母,酸
化亜鉛等の無機微粉末,EDTA,アセチルアセトンの金属錯
体等,アミノ基を含有するビニル係ポリマー,アミノ基
を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂。特に分
散性などの面から、ニグロシン,高級脂肪酸の金属塩,
アミノ基を有するビニル系ポリマーなどが好ましい。
(2)トナーを負荷電性を制御するものとして下記物質
がある。特公昭41−20153号、同42−27596号、同44−63
97号、同45−26478号など記載されているモノアゾ染料
の金属錯塩が挙げられる。
特開昭50−133338号に記載されているニトロアミン酸
およびその塩或いはC.I.14645などの染顔料、特公昭55
−42752号,特公昭58−41508号,特公昭58−7384号,特
公昭59−7384号などに記載されているサリチル酸,ナフ
トエ酸,ダイカルボン酸のZn,Al,Co,Cr,Fe等の金属錯
体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、ニトロ基、
ハロゲンを導入したスチレンオリゴマー、塩素化パラフ
ィン等。特に分散性の面などから、モノアゾ染料の金属
錯塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ナフトエ酸、
ダイカルボン酸の金属錯体が好ましい。
本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合した場
合にも良い結果が得られる。添加剤としては、例えばテ
フロン,ステアリン酸亜鉛,ポリ弗化ビニリデンの如き
滑剤、中でもポリ弗化ビニリデンが好ましい。あるいは
酸化セリウム,炭化ケイ素,チタン酸ストロンチウム等
の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが好ましい。
あるいは例えばコロイダルシリカ,酸化アルミニウム等
の流動性付与剤、中でも特に疎水性コロイダルシリカが
好ましい。ケーキング防止剤、あるいは例えばカーボン
ブラック,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸化スズ等の導
電性付与剤、あるいは低分子量ポリエチレン,低分子量
ポリプロピレン,各種ワックス類などの定着助剤等また
は耐オフセット剤がある。また逆極性の白色微粒子及び
黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもでき
る。
さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にはキャリヤー粉と混合して用いられる。この場
合には、トナーとキャリヤー粉との混合比はトナー濃度
として0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さら
に好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキャリヤーとしては公知のものが
使用可能であり、例えば鉄粉,フェライト粉,ニッケル
粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及びこれら
の表面をフッ素系樹脂またはシリコン系樹脂等で表面処
理したものなどがあげられる。
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性
トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色
剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれ
る磁性材料としては、マグネタイト,ヘマタイト,フェ
ライト等の酸化鉄又は二価金属と酸化鉄との化合物;
鉄,コバルト,ニッケルのような金属或いはこれらの金
属とアルミニウム,コバルト,銅,鉛,マクネシウム,
スズ,亜鉛,アンチモン,ベリリウム,ビスマス,カド
ミウム,カルシウム,マンガン,セレン,チタン,タン
グステン,バナジウムのような金属の合金およびその混
合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜0.5μm程度のものが好ましく、特に球形のも
のは好ましい。トナー中に含有させる量としては樹脂成
分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹
脂成分100重量部に対し40〜180重量部が良い。
さらに本発明のトナーには必要に応じて着色剤を添加
しても良い。
本発明のトナーに使用する着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される。トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラック,アニリ
ンブラック,アセチレンブラック,ナフトールイエロ
ー,ハンザイエロー,ローダミンレーキ,アリザリンレ
ーキ,ベンガラ,フタロシアニンブルー,インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の添加量が
良い。また同様の目的で、さらに染料が用いられる。例
えばアゾ系染料、アントラキノン系染料、キサンテン系
染料、メチン系染料等があり樹脂100重量部に対し0.1〜
20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加量が良い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作成するには前
記本発明に係る樹脂組成物及び荷電制御剤、必要に応じ
て磁性材料及び着色剤としての顔料又は染料,添加剤等
をボールミルその他の混合機により充分混合してから加
熱ロール,ニーダー,エクストルーダー等の熱混練機を
用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に顔料又は染料を分散又は溶解せしめ、冷却固化
後粉砕及び分級して平均粒径3〜20μmのトナーを得る
ことができる。
[実施例] 以下、部は重量部を意味する。
合成例1 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。これにスチレンモノマー100部及びジ−tert−ブチ
ルパーオキサイド8.2部の混合物をクメン還流下で4時
間かけて滴下した。さらにクメン還流下(146℃〜156
℃)で重合を完了し、クメンを除去した。得られたポリ
スチレンはTHFに溶解しMw=4,300、Mw/Mn=2.70,GPCの
メインピークの位置する分子量は4,300,Tg=58℃であっ
た。
上記ポリスチレン50部を下記単量体混合物に溶解し混
合溶液とした。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1部を溶解した水170部を加え、懸濁分散液とした。水
15部を入れ窒素置換した反応器に上記分散液を添加し、
反応温度70〜95℃で6時間懸濁重合反応させた。反応終
了後別,脱水,乾燥し、ポリスチレンとスチレン−ア
クリル酸n−ブチル共重合体の組成物を得た。該組成物
は、THF不溶分とTHF可溶分が均一に混合しており、且つ
ポリスチレンとスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合
体が均一に混合していた。得られた樹脂組成物のTHF不
溶分(24メッシュパス,60メッシュオンの樹脂組成物粉
体を使用)は、30wt%であった。また、THF可溶分の分
子量分布を測定したところ、0.46万の位置にピークを有
し、Mn=0.35万,Mw=2.2万,Mw/Mn=6.3,分子量1万以下
が45wt%であった。さらに、樹脂のTgは59℃であり、GP
Cにより分取された1万以下の成分のガラス転移点Tg1
58℃であった。
THF可溶分のGPCクロマトグラムを第2図に示す。
尚、各樹脂及び樹脂組成物の分子量に関わる特性は下
記方法で測定した。
GPC測定用カラムとしてShodex KF−80Mを用い、GPC測
定装置(ウォーターズ社製150C ALC/GPC)の40℃のヒー
トチャンバーに組み込みTHF流速1ml/min,検出器はRIの
条件下、試料(THF可溶分の濃度約0.1重量%)を200μ
l注入することでGPCを測定した。分子量測定の検量線
としては分子量0.5×103,2.35×103,10.2×103,35×1
03,110×103,200×103,470×103,1200×103,2700×103,
8420×103の10点の単分散ポリスチレン基準物質(ウォ
ーターズ社製)のTHF溶液を用いた。
合成例2 反応器にクメン200部を入れ、還流温度まで昇温し
た。下記混合物をクメン還流下で4時間かけて滴下し
た。
更にクメン還流下(146℃〜156℃)で重合を完了しク
メンを除去した。得られたスチレン重合体はMw=4,900,
Mw/Mn=2.8,GPCのチャートにおいて分子量4,900の位置
にメインピークを有し、Tg=62℃であった。
上記スチレン共重合体30部を下記単量体混合物に溶解
し、混合溶液とした。
上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1部を溶解した水170部を加え、懸濁分散液とした。水
15部を入れ、窒素置換した反応器に上記分散液を添加
し、反応温度70〜95℃で6時間反応させた。反応終了
後、別,脱水,乾燥しスチレン重合体とスチレン−ア
クリル酸2−エチルヘキシル共重合体の組成物を得た。
この組成物のTHF不溶分は、32WT%であった。またTHF
可溶分の分子量分布を測定したところ分子量0.50万の位
置にピークを有し、Mn=0.40,Mw=2.8万,Mw/Mn=6,分子
量1万以下が29wt%であった。さらに、樹脂のTgは、64
℃であり、GPCにより分取された1万以下の成分のガラ
ス転移点Tg1は62℃であった。
実施例1 合成例1の樹脂100部に対して、下記の割合でトナー
を作成した。
作成は一般に行なわれる。熱混練,粉砕という工程に
よる。この時、熱混練時の時間を通常の1.5倍とし、架
橋成分の切断を適度に行った。得られたトナーは、粒径
が約10.4μであった。この時、トナーのTHF可溶分のGPC
は63万の所にピークが出ており、これは架橋成分が切断
したものである。またH1/H2は1.9であった。粉砕性は
良好であり、粉砕装置内への融着などもなかった。ま
た、50℃1日放置によるブロッキングテストでも、実用
上まったく問題ないレベルであった。
これを、キヤノン製複写機,NP−7550で、画像テスト
及び定着テストを行ったが、問題はなく良好であった。
この複写機で全面黒画像を出し、折り曲げ性テストを
行った。
その結果、反射画像濃度1.37の画像で折り曲げた所
が、1.31となり、低下率が4.4%であり、ひじょうに良
好であった。ちなみに、低下率は+10%で、良好のレベ
ルであるので、特に良いと言える。
折り曲げ性評価の方法については以下に示す。
折り曲げ性の評価は、全面黒画像を出し、画像面を重
ねる様にして折り曲げ、約200g荷重で往復10回こすり、
折り曲げ部の画像をシルボン紙C紙で往復10回約200g荷
重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で
表わした。
比較例1 実施例1と同様であるが、熱混練のみ通常の時間で行
った。ここで得られたトナーのTHF可溶分のGPCは、分子
量29万に肩が表われた。
このトナーの性能は、ほぼ実施例1と同様であるが、
折り曲げ性のみ、低下率約+9.5%であったので、やや
実施例1より劣っていた。
実施例2 合成例1の樹脂100部に対して、下記の割合でトナー
を作成した。
作成は一般に行なわれる。熱混練,粉砕という工程に
よる。この時熱混練のみ、エクストルーダーの軸回転数
を通常の1.2倍とした。得られたトナーは、粒径が約12.
5μであった。この時、トナーのTHF可溶分のGPCは約150
万の所にピークが出ており、これは架橋成分が切断した
ものである。またH1/H2は1.4であった。粉砕性は良好
であり、粉砕装置内への融着などもなかった。また、50
℃1日放置によるブロッキングテストでも、実用上まっ
たく問題ないレベルであった。
これを、キヤノン製複写機,NP−5540で、画像テスト
及び定着テストを行ったが、問題はなく良好であった。
この複写機で全面黒画像を出し、折り曲げ性テストを
行った。
その結果、反射画像濃度1.38の画像で折り曲げた所
が、1.32となり、低下率が+4.3%であり、ひじょうに
良好であった。ちなみに、低下率は+10%で、良好のレ
ベルであるので、特に良いと言える。
折り曲げ性評価の方法については以下に示す。
折り曲げ性の評価は、全面黒画像を出し、画像面を重
ねる様にして折り曲げ、約200g荷重で往復10回こすり、
折り曲げ部の画像をシルボン紙C紙で往復10回約200g荷
重でこすり、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で
表わした。
実施例3 合成例2の樹脂組成物を用い、実施例1と同様にトナ
ーを作成し、評価を行った。結果は、表−1にまとめて
示す。
実施例4 合成例2の樹脂組成物を用い、実施例2と同様にトナ
ーを作成し、評価を行った。この時、樹脂組成物は、あ
らかじめ、150℃設定の2本ロールミルで20分間熱溶融
し、架橋成分を若干切断し、れを冷却後、カッターミル
で粗粉砕し、用いた。また、トナーの混練は通常の条件
で行った。結果は表−1にまとめて示す。
[発明の効果] 本発明のトナーは、低い温度で定着し得、耐オフセッ
ト性及び耐ブロッキング性に優れ、小型機の中の高温雰
囲気中でも充分使用できるものである。
また、粉砕性が良いため粗粉などの発生が少なく、安
定した良好な現像画像を形成し得、更には折り曲げても
画像がとれにくいトナーである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で調製されたトナーのTHF可溶分のGPC
のチャートを示す。第2図は合成例1で調製された樹脂
組成物のTHF可溶分のGPCのチャートを示す。第3図は合
成例1で使用したポリスチレンのGPCのチャートを示
し、第4図は合成例1で使用したスチレン−アクリル酸
n−ブチル共重合体を単独で懸濁重合して得たもののTH
F可溶分のGPCのチャートを示す。第5図は第2図と第3
図と第4図のチャートを組み合せたものである。第6図
はトナーに要求される各特性の相関関係を示す図であ
り、第7図はTHF不溶分の含有量と粉砕性との関係を示
すグラフであり、第8図は分子量10,000以下の成分の含
有量とトナー特性との相関関係に関わるグラフを示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−45449(JP,A) 特開 昭59−107359(JP,A) 特開 昭57−111543(JP,A) 特開 昭50−134652(JP,A) 特開 昭58−202455(JP,A) 特公 昭51−23354(JP,B2)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル系バインダー樹脂及び着色剤を少な
    くとも有する静電荷像現像用トナーにおいて、該ビニル
    系バインダー樹脂のTHF不溶分が10乃至60wt%(バイン
    ダー基準)含有されており、該ビニル系バインダー樹脂
    のTHF可溶分のGPCによる分子量分布において、Mw/Mnが
    5以上であり、分子量2,000乃至10,000の領域に少なく
    とも1つのピークがありこの領域の最大ピークP1の高さ
    をH1とし、分子量10,000超乃至500,000未満には、ピー
    クもしくは肩がなく、分子量500,000以上の領域に少な
    くとも1つのピークもしくは肩があり、この領域の最大
    ピークもしくは肩P2の高さをH2とすると、H1/H2が0.5
    乃至10であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】該最大ピークもしくは肩P2は、分子量1,00
    0,000以上の領域にあることを特徴とする請求項1に記
    載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】該THF可溶分のGPCによる分子量分布におい
    て、分子量10,000以下の成分が20乃至60wt%(バインダ
    ー基準)含有されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】該静電荷像現像用トナーは、少なくとも該
    ビニル系バインダー樹脂を熱混練及び粉砕することによ
    って製造されたものであることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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