JP2556544B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP2556544B2 JP63052426A JP5242688A JP2556544B2 JP 2556544 B2 JP2556544 B2 JP 2556544B2 JP 63052426 A JP63052426 A JP 63052426A JP 5242688 A JP5242688 A JP 5242688A JP 2556544 B2 JP2556544 B2 JP 2556544B2
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    • G03G9/00Developers
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける
静電荷像を現像するためのトナーに関し、特に熱ローラ
ー定着に適したトナーに関する。
〔従来の技術〕 従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明
細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公
報等に記載されているごとく、多数の方法が知られてい
るが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段によ
り感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナ
ーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー
画像を転写した後、加熱、圧力或いは溶剤蒸気などによ
り定着し複写物を得るものである。
上述の最終工程であるトナー像を紙などのシートに定
着する工程に関しては種々の方法や装置が開発されてい
る。現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱
方式である。
加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナーに対し離型
性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被
定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せ
しめることにより定着を行うものである。この方法は熱
ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で
接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際
の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことが
でき、高速度電子写真複写機において非常に有効であ
る。しかしながら、上記方法では、熱ローラー表面とト
ナー像とが溶融状態で加圧下で接触するためにトナー像
の一部が定着ローラー表面に付着・転移し、次の被定着
シートにこれが再転移して所謂オフセツト現象を生じ、
被定着シートを汚すことがある。熱定着ローラー表面に
対してトナーが付着しないようにすることは熱ローラー
定着方式の必須条件の1つとされている。
従来、定着ローラー表面にトナーを付着させない目的
で、例えば、ローラー表面をトナーに対して離型性の優
れた材料、シリコンゴムや弗素系樹脂などで形成し、さ
らにその表面にオフセツト防止及びローラー表面の疲労
を防止するためにシリコンオイルの如き離型性の良い液
体の薄膜でローラー表面を被覆することが行われてい
る。しかしながら、この方法はトナーのオフセツトを防
止する点では極めて有効であるが、オフセツト防止用液
体を供給するための装置が必要なため、定着装置が複雑
になること等の問題点を有している。それゆえ、オフセ
ツト防止用液体の供給によってオフセツトを防止する方
向は好ましくなく、むしろ定着温度領域の広い耐オフセ
ツト性の高いトナーの開発が望まれているのが現状であ
る。そこでトナーとして離型性を増すために加熱時に充
分溶融するような低分子量ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のワツクスを添加する方法も行われているが、オフ
セツト防止には有効である反面、トナーの凝集性が増
し、帯電特性が不安定となり、耐久性の低下を招き易
い。そこで他の方法としてバインダー樹脂に改良を加え
る工夫がいろいろと試みられている。
例えば特公昭51−23354号公報に結着樹脂として架橋
された重合体を用いたトナーが提案されている。その方
法に従えば耐オフセツト性、耐まきつき性の改良には著
しいものがあるが反面架橋度をますと定着点が上昇して
しまい、充分定着温度が低くて、耐オフセツト性、耐ま
きつき性が良好な十分な定着特性のものは得られていな
い。一般的に定着性を向上させるためには、バインダー
樹脂を低分子量化して軟化点を低下させねばならず、耐
オフセツト性の改善処置とは相反することになり、また
低軟化点とするために必然的に樹脂のガラス転移点が低
下し、保存中のトナーがブロツキングするという好まし
くない現象もおこる。そこで特開昭59−88748号公報の
ごとく低温定着と耐オフセツト性を満足させるべく低分
子量化した重合体とゲル成分が70%以上に架橋した重合
体とをブレンドしたトナーが提案されたが、架橋した重
合体は他の重合体と相溶性が悪く良好な定着性及び現像
性を満足するトナーは得られていない。さらに架橋され
た重合体においては、トナー中に添加する成分である顔
料、荷電制御剤、離型剤などが分散しにくいという問題
があり、トナーとして良好な現像特性を得ることが難し
いという問題点がある。
また、粉砕性と定着性向上のために、特公昭60−2041
1号公報のごとく数平均分子量が100,000〜500,000の高
重合体と、他のモノマー成分を混合後、重合させて均一
の重合体を得、バインダー樹脂とすることが提案された
が、この方法では樹脂成分中に耐オフセツト性、定着ロ
ーラーへの非巻き付き性を満足させるほどの高架橋域成
分を含有させることはできず、また一部できた場合でも
重合体同志の相溶性が悪いために均一に含有させること
ができず、トナーバインダーとして用いた場合には、添
加剤の分散性が悪く、現像特性定着性を満足するトナー
が得られていないのが現状である。
またさらに、特開昭56−158340号公報に、低分子量重
合体と高分子量重合体とよりなるトナーが提案されてい
るが、このバインダー樹脂は、実際には架橋成分を含有
させることが難しいため、より高性能に耐オフセツト性
を向上させるためには、高分子量重合体の分子量を大き
くするか、比率を増す必要があり、この方向は粉砕性を
著しく低下させる方向であり、実用上満足するものは得
られにくい。さらに、低分子量重合体と架橋した重合体
とをブレンドしたトナーに関し、特開昭58−86558号公
報に、低分子量重合体と不溶不融性高分子量重合体を主
要樹脂成分とするトナーが提案されている。その方法に
従えば、定着性,粉砕性の改良は行われると思われる
が、低分子量重合体の重量平均分子量/数平均分子量
(Mw/Mn)が3.5以下と小さいこと、及び不溶不融性高分
子量重合体が40〜90wt%と大きいことにより、耐オフセ
ツト性と粉砕性を共に高性能で満足することが難しく、
実際上はオフセツト防止用液体の供給装置をもつ定着機
でなければ、定着性,耐オフセツト性,粉砕性を充分満
足するトナーを生成することは極めて困難である。さら
に不溶不融性高分子量重合体が、多くなるとトナー作成
時の熱混練で、溶融粘度が非常に高くなるため、通常よ
りはるかに高温で熱混練するか、あるいは高いシエアで
熱混練しなければならず、その結果、前者は他の添加剤
の熱分解によるトナー特性の低下、後者はバインダー樹
脂の分子の過度の切断が起り、当初の耐オフセツト性能
が出にくいという問題を有している。
一方、通常の複写機には、定着工程、特に排紙工程に
おいて、分離爪がつけられている。これは、定着工程に
おいてトナー像が熱ローラーによって紙などの被定着シ
ート上に定着後、定着ローラー間から排出される際に、
ローラーと画像定着シートとの分離を容易にする一手段
として備えられているものである。
複写画像が全面黒の場合には、時として上記の分離爪
によって、画像上にひっかいた様な白スジが発生するこ
とがあり、この現象は、高速複写スピードほどおこり易
い傾向があり、高速複写スピード用トナーにおいては、
前述の定着,現像回りの性能を満足させると共に、この
爪跡による白スジを発生させないことが特に要求されて
いる。
この要求を満足させるものとしてこれまで不飽和ある
いは飽和ポリエステル系バインダーレジン、または高密
度架橋タイプレジンなどを用いることが提案され、さら
に機械本体の爪の形状を変えるなどの種々の対応がとら
れてきたが、安価なスチレン−アクリル系バインダー樹
脂でさらに一段とこの性能を満足するものが望まれてい
るのが現状である。
〔発明の目的〕
しかるに、本発明は上述の問題点を著しく改良したト
ナーを提供するものである。
以下に本発明の目的を列挙する。
本発明の目的は、オイルを塗布しない熱ロール定着方
式に適した乾式トナーを提供することにある。
本発明の目的は、高架橋成分及び低分子量成分を含
み、これらが均一に混合分散している樹脂組成物を使用
することで、より低い温度で十分定着し、オフセツト及
び巻き付きが十分に防止され、かつ、定着可能温度域の
広いトナーを提供することにある。
本発明の目的は、許容可能な塊状化温度をもち、貯蔵
および使用に際してブロツキング等の起こらないトナー
を提供することにある。
本発明の目的は、顔料,荷電制御剤,離型剤などの添
加剤の分散性にすぐれた樹脂組成物を使用することで画
像濃度が充分で鮮明な解像力のあるカブリのない画像の
得られる現像特性の優れたトナーを提供することにあ
る。
本発明の目的は、連続使用による繰り返しに対して優
れた耐久性をもち、前項記載の良質な画像が安定して保
たれるトナーを提供することにある。
本発明の目的は、定着ローラーと画像定着シートとを
分離する際に時としておこる分離爪による白スジが発生
しないトナーを提供することにある。
〔発明の概要〕
すなわち本発明は、バインダー樹脂としてゲル成分を
0.1〜60重量%含有し、テトラヒドロフラン可溶成分のG
PCによるクロマトグラムにおいて、分子量1,000〜25,00
0の領域にメインピークを有し、かつ分子量3,000〜150,
000の領域に少なくとも1つのサブピーク又はサブシヨ
ルダーを有するビニル重合体であり、該重合体がポリオ
ルガノシロキサンを側鎖に持つビニル重合体を含有する
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供すること
にある。
〔発明の具体的説明〕
本発明の構成について説明する。
前記の様な目的を同時に達成するため、種々のバイン
ダー樹脂を用い、その構成と性能について鋭意検討した
結果、バインダー樹脂のゲル成分の割合とTHF可溶分の
分子量分布の特定の構成をもつバインダー樹脂が特定の
樹脂組成を含む組み合せの時に、トナーとして前述の目
的を達成しうることを見い出した。特にゲル成分及びTH
F可溶分の分子量分布による特定の組合せは、トナーの
耐オフセツト性,粉砕性,巻き付き性,低温定着性,耐
ブロツキング性そして添加剤の分散性などに多大に影響
していることから、両成分の存在は必須であり、また特
定樹脂組成であるポリオルガノシロキサンを側鎖に有す
るビニル重合体の存在は、複写機の定着器中の分離爪に
よる白スジ発生をおさえる効果があることが知見され
た。
本発明におけるトナー内の樹脂組成物においては、架
橋域成分を含む高分子重合体から低分子重合体まで、均
一に混合れていることが必要である。
一般に、架橋域成分を含む高分子量重合体は、溶媒に
不溶であるため、この高分子量重合体と低分子量重合体
を溶液状の混合状態にするのは困難であり、見かけ上混
合していても、真に均一混合しているわけではない。さ
らにこの高分子量重合体を、低分子量重合体と熱溶融し
て機械的に混合する方法では、これまた真に均一に混合
しているとは言えない。そこで、低温定着,添加剤の分
散性に有効な低分子量成分と、オフセツト,巻き付きに
有効な架橋域成分とを均一に混合した状態にするために
は、低分子量成分と架橋域成分とをつなぐ架橋していな
い中,高分子量域成分の存在が有効となる。さらに、
中,高分子量域成分は、分子量とその割合がつなぎの役
目のみならず、低温定着,オフセツト,トナーの粉砕性
などの点に大きく効果のあることが判明した。そこで架
橋域成分をもつ高分子量重合体と、低分子量重合体を均
一に混合した樹脂組成物を得るためには、低分子量重合
体をあらかじめ架橋剤と共に、中,高分子量重合体を与
えるモノマー成分に溶解または混合させて、再び重合さ
せ、2段目の重合によって、架橋域成分をもたせた高分
子量重合体を得る方法が好ましい。
本発明に用いる樹脂組成物中の低分子量重合体は、塊
状重合法,溶液重合法などの通常用いられる重合法で得
ることができる。
塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度をは
やめることで、低分子量の重合体を得ることができる
が、反応をコントロールしにくい問題点がある。その
点、溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差
を利用して、また開始剤量や反応温度を調節することで
低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、
本発明で用いる樹脂組成物中の低分子量体を得るには好
ましい。尚、溶液重合法のみでゲル成分を必要量含有し
ている樹脂を合成することは難しい。この低分子量重合
体存在下で後述の架橋剤と架橋域成分を含む中,高分子
量重合体を与えるモノマーとは共に、再び重合されるわ
けであるが、溶媒に不溶成分となるまでの架橋域のゲル
成分を得る重合法としては、乳化重合法や懸濁重合法が
好ましい。
懸濁重合法を例にとると、懸濁状態となった低分子量
重合体を含んだモノマーが、架橋剤と共に重合すること
によって、樹脂組成物は、パール状に形状が整い、低分
子量重合体から架橋域成分を含む中,高分子量重合体ま
でが、均一に混合された好ましい状態で得ることができ
る。こうして得られた本発明のトナーに用いられる樹脂
組成物は、ゲル成分0.1〜60重量%、好ましくは1〜55
重量%、特に好ましくは10〜50重量%、それ以外の溶媒
可溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量が1,0
00〜25,000、好ましくは1,500〜18,000、特に好ましく
は2,000〜15,000にメインピーク値(GPCクロマトグラム
において最も高いピークの位置する値)を有し、かつ分
子量が3,000〜150,000、好ましくは5,000〜100,000、特
に好ましくは8,000〜80,000にサブピーク値(メインピ
ークに次ぐ高さを有するピークの位置する値)またはサ
ブシヨルダー値を有する特徴をもつ。
上記樹脂組成物は、本発明のトナー中に主成分として
含まれるが、結着樹脂全量に対して60重量%以上、好ま
しくは80重量%、特に好ましくは90重量%以上が良い。
さらに、前記GPCの分子量分布において、分子量が3
万と50万を境界としてクロマトグラムを三分割し、高分
子量側より、それぞれA成分(50万以上の領域)、B成
分(3万〜50万の領域)、C成分(3万以下の領域)と
し、クロマトグラム全体に対するそれぞれの構成割合
を、クロマトグラムの積分値あるいは、クロマトグラム
を切りぬいて三分割し、それぞれの重量により割合を算
出するという重量法で求めたとき、その構成割合がA成
分0〜20%、好ましくは0〜15%、さらに好ましくは0
〜10%;B成分10〜60%、好ましくは15〜55%、さらに好
ましくは20〜50%;C成分20〜90%、好ましくは35〜80
%、さらに好ましくは40〜70%であることが好ましい。
これの理由は、樹脂組成物中のゲル成分が、60%以上
では、架橋成分の溶融特性のために、トナーに用いた場
合、定着温度の上昇を招き、さらに添加剤の分散が悪く
なる。さらに樹脂混練時に高架橋域成分の切断がおこり
やすく、トナーの設計に支障をきたす原因となる。ゲル
成分が0.1%以下では、オフセツト,ローラーへの巻き
付きがおこりやすく、さらにゲル成分が0.1%以下かつ
高分子量域が多い場合には、粉砕性が著しく悪化する。
溶媒可溶成分の分子量が1,000〜25,000にメインピー
ク値がなく、メインピーク値が25,000以上であると作成
したトナーの定着温度が上昇し、定着温度域がせまくな
り、粉砕性も悪化して生産効率の低下を招く。メインピ
ーク値の分子量が1,000以下であると作成したトナー
は、耐オフセツト性,ローラーへの巻き付きが著しく悪
くなり、またブロツキングに問題が生じることがある。
サブピークまたはサブシヨルダー値の分子量が3,000〜1
50,000になく、その値が150,000以上では、添加剤の分
散性が悪く定着温度も著しく上昇し、さらに粉砕性も著
しく悪化する。サブピークまたはサブシヨルダー値の分
子量が3,000以下では、作成したトナーは耐オフセツト
性,ローラーへの巻き付きが悪くなり、ブロツキングに
問題を生じることがある。本発明のトナーにおいては、
上記問題は著しく改善され、耐オフセツト,耐ローラー
巻き付きに優れ、定着温度域が広く、しかも現像特性が
優れた粉砕性の良好なトナーが得られる。
この原因は、架橋域を含む高分子量重合体成分から低
分子量重合体成分まで均一に混合されている樹脂組成物
では、架橋領域の中に高分子量及び低分子量のセグメン
トが混然一体化していると考えられ、架橋を含む高分子
量成分が、熱溶融時に、マトリツクスとして凝集力の低
下及び過度の流動性を防ぎ、一方では低分子量成分が熱
溶融性を示す結果、低温度で熱溶融されるが、高温度で
も凝集力の低下、過度の流動がおさえられるというすぐ
れた熱溶融特性の示すものと考えられる。本発明で言う
低分子量成分から高架橋成分まで均一に混合されている
重合体とは、それを用いてトナーを作成した場合、不均
一に混合された重合体の場合に生じる繰り返しの使用に
よる画像濃度の低下、カブリが実際上発生しないものを
意味する。
また、粉砕性に関しては、架橋領域以外の高分子量域
成分が組成物に強靭性を与える一方で架橋領域成分がも
ろさを与え、低分子量域成分がさらに粉砕され易さを付
与することで、全体的にすぐれた生産効率を良くするた
めに必要な粉砕特性が生じるものと考えられる。
本発明における特定の樹脂成分は、前述のごとく定着
工程における熱ローラーと画像定着シートとの分離の際
に時として発生する分離爪による白スジに効果があるこ
とがわかった。
特定の樹脂成分としてはポリオルガノシロキサン側鎖
を有するビニル系重合用モノマーすなわちマクロモノマ
ーをモノマー成分として用いたビニル系重合体である。
一般にマクロモノマーは、末端カルボン酸,アルコール
などのプレポリマーを合成し、末端基変換によって二重
結合を導入したもので、特に本特許に述べるところのマ
クロモノマーは、アクリル系モノマーとメルカプタン系
連鎖移動剤とを組み合せて合成された分子量2,000〜8,0
00のモノマーである。
このポリオルガノシロキサン側鎖を有するマクロモノ
マーは、必要に応じてスチレンあるいはアクリル系モノ
マーと共重合させて本発明に用いることができる。次に
分離爪による白スジについて述べる。分離爪による白ス
ジは、高速スピードの連続複写時に発生し易い。これ
は、高速スピード複写機ではトナーの定着工程では瞬時
に連続してトナーを被画像定着シート上に定着させるた
めに、熱容量の大きな、また一般に曲率の大きな定着ロ
ーラーを用いねばならず、低速スピード複写機の分離の
様に、画像定着シートの持つ本来の腰の強さと定着ロー
ラーの曲率との差に必ずしも依存できないため、その割
合だけ分離爪にたよって分離していることに原因があ
る。分離爪においては、疑似的に考えると画像定着シー
ト表面のトナー層を物理的にかき取る様にしているた
め、トナー物性として定着性の悪いトナーは白スジが発
生し易く、また脆い性質が強いトナーも同様の傾向があ
る。一方、トナーに表面滑性がある場合は、例えトナー
層がかき取られても分離爪跡が白スジとして残ることは
なく、トナー自身に表面滑性を付与することは分離爪に
よる白スジ対策にとって非常に有利である。
表面滑性を付与する方法としては、各種ワツクスや低
分子量ポリオレフインをトナー作成時に添加することが
考えられるが、これらブレンド法では分散,混練状態に
問題が残り、トナーの安定性に関して不充分であり、根
本的問題解決には至らない。本発明における必須成分で
あるポリオルガノシロキサン側鎖を有するビニル重合体
は、上記の表面滑性を定着特性に優れた、ゲル成分とTH
F可溶分におけるメインピーク及びシヨルダー又はサブ
ピークとを合わせもつ樹脂そのものに導入でき、さらに
トナー作成時においても分散,混練状態に全く影響され
ない状態で優れた表面滑性を発現しうる特徴をもつ。
この理由は、ポリオルガノシロキサン側鎖を有するビ
ニル重合体が樹脂中に導入された場合、その樹脂の構造
が定着特性及び現像特性にも優れた形態(ゲル成分及び
分子量分布)をもつのみならず、化学構造として低分子
シリコンポリマーをグラフト重合した重合体が、架橋タ
イプのスチレン−アクリル重合体に均一に混合された状
態となるため、樹脂そのもの及びトナーに優れた表面滑
性が導入されると推測できる。
さらにこのグラフト側鎖は、低分子量重合体存在下で
の重合反応過程において生成する架橋重合体と、低分子
量重合体との相溶化の向上に一層の効果があると考えら
れ、側鎖の長さを調節することでその効果の応用範囲を
広げることができる。
本発明におけるポリオルガノシロキサンを側鎖に有す
るビニル重合体は、前述のごとくマクロモノマーとスチ
レン系あるいは、及びアクリル系モノマー(メタクリル
系を含む)とを共重合させた重合体である。マクロモノ
マーとしては、好ましくはポリジメチルシロキサンのメ
タクリル酸エステル系あるいはポリジメチルシロキサン
のスチレン誘導体系を主成分としているものが良く、数
平均分子量として好ましくは1,000〜7,000、さらに好ま
しくは2,000〜6,000のものが良い。これらのマクロモノ
マーは、例えば反応性高分子マクロモノマー市販品とし
てマクロモノマーAK−5,HK−20(東亜合成化学工業製)
などを用いても良い。このモノマーはコモノマー成分と
して3〜50wt%、好ましくは5〜30wt%の範囲で使用す
ることが望ましい。含有量がコモノマー成分として3wt
%以下ではトナーとした時、高速スピード複写機におけ
る分離爪による白スジが時として発生し、また50wt%以
上ではバインダー樹脂そのものあるいはトナーのTgが低
下しブロツキングが発生し易い。
本発明でのゲル成分とは、樹脂組成物中の架橋されて
溶媒に対して不溶性となったポリマー成分の重量割合を
示し、高架橋成分を含む樹脂組成物の架橋の程度を示す
パラメーターとして、使うことができる。ゲル成分と
は、以下のように測定された値をもって定義する。
すなわち試料が樹脂のみの場合には、0.5〜1.0gの一
定量樹脂を秤量し(W1g),円筒濾紙(東洋濾紙製No.86
R)に入れてソツクスレー抽出器にかけ、溶媒としてク
ロロホルム100〜200mlを用いて6時間抽出し、溶媒によ
って抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃
で数時間真空乾燥し可溶樹脂成分量を秤量し(W2g)、
以下の式にしたがって計算する。
ゲル成分含有率=(W1−W2)/W1×100(%) また試料がトナーの場合には、一連の抽出操作は樹脂
の場合と同じであるが非磁性トナーでは試料トナー重量
から顔料重量を、磁性トナーでは試料トナー重量から顔
料及び磁性体重量などをさし引いた重量(W3g)と、ト
ナー中の溶媒可溶成分重量(W4g)とから次式にしたが
って計算することができる。
ゲル成分含有率=(W3−W4)/W3×100(%) 以上の操作で得られた溶媒可溶成分の蒸発乾固物はTH
F(テトラヒドロフラン)に溶解させ、サンプル処理フ
イルターを通過させた後、GPCの試料とする。
本発明において、GPC(ゲツパーミエーシヨンクロマ
トグラフイ)によるクロマトグラムのピークまたは/お
よびシヨルダーの分子量は次の条件で測定される。
すなわち、40℃のヒートチヤンバー中でカラムを安定
化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF
(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料
濃度として0.05〜0.1重量%に調整した樹脂のTHF試料溶
液を50〜200μ注入して測定する。試料の分子量測定
にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分
散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数
値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の
標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Ch
emical Co.製、あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量
が6×102,2.1×103,4×103,1.75×104,5.1×104,1.1×
105,3.9×105,8.6×105,2×106,4.48×106のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用い
るのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出
器を用いる。
なお、カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を
適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラム
を複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−st
yragel500,103,104,105の組み合せや、昭和電工社製のs
hodex KF−80Mや、KF−802,803,804,805の組合せ、KA
−802,803,804,805の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSK
gel G1000H,G2000H,G2500H,G3000H,G4000H,G5000H,G600
0H,G7000H,GMHのうちの任意の組合せが望ましい。
本発明のトナーにおける樹脂組成物は、架橋成分を含
む高分子量重合体成分と低分子量重合体成分を含有し、
そのどちらも、スチレン類、アクリル酸類、メタクリル
酸類及びその誘導体から選ばれる1種以上のモノマーを
前述のマクロモノマーと共重合して得られるものが現像
特性及び帯電特性等から好ましく、使用できるモノマー
の例としては、スチレン類としてスチレン,α−メチル
スチレン、ビニルトルエン,クロルスチレンなどがあげ
られ、アクリル酸類、メタクリル酸類及びその誘導体と
しては、アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エ
チル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル,アクリ
ル酸オクチル,アルリル酸2−エチルヘキシル,アクリ
ル酸n−テトラデシル,アクリル酸n−ヘキサデシル,
アクリル酸ラウリル,アクリレート(MANDA日本化
薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートにかえ
たもの全て、多管能の架橋剤としてペンタエリスリトー
ルトリアクリレート,トリメチロールエタントリアクリ
レート,トリメチロールプロパントリアクリレート,テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート,オリゴエス
テルアクリレート及びそのメタクリレート,2,2−ビス
(4−メタクリロキシ,ポリエトキシフエニル)プロパ
ン,ジアリルフタレート,トリアリルシアヌレート,ト
リアリルイソシアヌレート,トリアリルトリメリテー
ト,ジアリールクロレンデート等があげられる。
本発明のトナーに使用する荷電制御剤としては、従来
公知の正あるいは負の荷電制御剤が用いられる。今日、
当該技術分野で知られている荷電制御剤としては、以下
のものがあげられる。
(1)トナーを正荷電性に制御するものとして下記物質
がある。
ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン
系染料(特公昭42−1627号)、塩基性染料(例えば、C.
I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello
w 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、下記物質が
ある。特公昭41−20153号公報、同43−27596号公報、同
44−6397号公報、同45−26478号公報など記載されてい
るモノアゾ染料の金属錯塩。
特開昭50−133338号公報に記載されているニトロフミ
ン酸及びその塩あるいはC.I.14645などの染顔料、特公
昭55−42752号公報、特公昭58−41508号公報、特公昭58
−7384号公報、特公昭59−7385号公報などに記載されて
いるサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のCo,Cr,
Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔
料、ニトロ基、ハロゲンを導入したスチレンオリゴマ
ー、塩素化パラフイン等。
また本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を混合し
た場合にもよい結果が得られる。添加剤としては、例え
ばテフロン、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤あるいは酸化
セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロンチウム等の研
磨剤、あるいは例えばコロイダルシリカ、酸化アルミニ
ウム等の流動性付与剤、ケーキング防止剤、あるいは例
えばカーボンブラツク,酸化亜鉛,酸化アンチモン,酸
化スズ等の導電性付与剤、あるいは低分子量ポリエチレ
ン,低分子量ポリプロピレン、各種ワツクス類などの定
着助剤等または耐オフセツト剤がある。また、逆極性の
白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用
いることもできる。
さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤として用い
る場合にキヤリヤー粉と混合して用いられる。この場合
には、トナーのキヤリアー粉との混合比はトナー濃度と
して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜10重量%、さらに
好ましくは3〜5重量%が望ましい。
本発明に使用しうるキヤリヤーとしては、公知のもの
がすべて使用可能であり、例えば鉄粉、フエライト粉、
ニツケル粉の如き磁性を有する粉体、ガラスビーズ等及
びこれらの表面を樹脂等で処理したものなどがあげられ
る。
さらに本発明のトナーは更に磁性材料を含有させ磁性
トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色
剤の役割をかねている。本発明の磁性トナー中に含まれ
る磁性材料としては、マグネタイト,ヘマタイト,フエ
ライト等の酸化鉄;鉄,コバルト,ニツケルのような金
属あるいはこれらの金属のアルミニウム,コバルト,
銅,鉛,マグネシウム,スズ,亜鉛,アンチモン,ベリ
リウム,ビスマス,カドミウム,カルシウム,マンガ
ン,セレン,チタン,タングステン,バナジウムのよう
な金属の合金およびその混合物等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒子が0.1〜2μm、好まし
くは0.1〜1μm程度のものが好ましく、トナー中に含
有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200
重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜1
50重量部が良い。
さらに本発明のトナーには必要に応じて着色剤を添加
しても良い。
本発明のトナーに使用する着色剤としては、任意の適
当な顔料または染料が使用される。トナー着色剤は周知
であって、例えば顔料としてカーボンブラツク,アリニ
ンブラツク,アセチレンブラツク,ナフトールイエロ
ー,ハンザイエロー,ローダミンレーキ,アリザリンレ
ーキ,ベンガラ,フタロシアニンブルー,インダンスレ
ンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を維持
するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量部に対
し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量部の添加量が
良い。また同様の目的で、さらに染料が用いられる。例
えばアゾ系染料,アントラキノン系染料,キサンテン系
染料,メチン系染料等があり、樹脂100重量部に対し0.1
〜20重量部、好ましくは0.3〜3重量部の添加量が良
い。
本発明に係る静電荷像現像用トナーを作成するには前
記本発明に係る樹脂組成物及び荷電制御剤、必要に応じ
て磁性材料及び着色剤としての顔料または染料、添加剤
等をボールミルその他の混合機により充分混合してから
加熱ロール,ニーダー,エクストルーダー等の熱混練機
を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せ
しめた中に顔料または染料を分散または溶解せしめ、冷
却固化後粉砕及び分級して平均粒径5〜20μmのトナー
を得ることが出来る。
あるいは結着樹脂溶液中に材料を分散した後、噴霧乾
燥することにより得る方法、あるいは結着樹脂を構成す
べき単量体に所定材料を混合して乳化,懸濁液とした後
に重合させてトナーを得る重合法トナーあるいは芯及び
殻からなるカプセルトナーを形成する方法等が応用出来
る。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、これ
は本発明をなんら限定するものではない。なお以下の配
合における部数はすべて重量部である。
[合成例1] 反応器にトルエン200重量部を入れ、還流温度まで昇
温した。これにスチレンモノマー90重量部及び分子量5,
000のポリジメチルシロキサンのメタクリル酸エステル1
0部、さらにジ−tert−ブチルパーオキサイド12重量部
の混合物を4時間かけて滴下し、さらにトルエン還流下
で溶液重合を完了し、次にでトルエンを除去して低分子
量重合体−1を得た。得られた重合体のGPCによるメイ
ンピーク値は8,800であった。
次に低分子量重合体−1 50部,スチレン75部,n−ブ
チルアクリレート24部,ジビニルベンゼン1部,ベンゾ
イルパーオキシド4部の均一混合液をポリビニルアルコ
ール部分ケン化物0.8部を溶解させた水300部中に懸濁分
散させ、重合温度80℃にて15時間重合させ、ゲル成分を
含む高分子量重合体から低分子量重合体まで均一に混合
されたパール状の樹脂組成物を得、減圧乾燥して、樹脂
組成物−1とした。
樹脂組成物−1を、約0.5g精秤し、円筒濾紙(東洋濾
紙製No.86R)に入れて、溶媒としてクロロホルム180ml
を用いて6時間ソツクスレー抽出し、抽出された可溶成
分中の媒体をのぞくためにエバポレートした後、100℃
で12時間真空乾燥し、可溶樹脂成分量を秤量した。試料
重量及びこの値から前述の式にしたがってゲル成分重量
(架橋度)を求めた。さらにこの可溶樹脂成分をTHFに
溶解させ、濃度0.1重量%の試料とし、非水系用のサン
プル前処理フイルターを通し、GPCの試料とした。GPC測
定用カラムとして、Shodex KF−80M 2連カラムを用
い、GPC測定装置(ウオーターズ社製150C ALC/GPC)の
40℃のヒートチヤンバーに組み込みTHF流速1ml/min,検
出器はRIの条件下、試料を200μ注入することでGPCを
測定した。分子量測定の検量線としては分子量0.5×1
03,2.35×103,10.2×103,35×103,110×103,200×103,4
70×103,1200×103,2700×103,8420×103の10点の単分
散ポリスチレン基準物質(ウオーターズ社製)のTHF溶
液を用いた。
樹脂組成物−1のゲル成分重量は27重量%、溶出成分
の分子量メインピーク値は8,800、シヨルダー62,000で
あった。GPCによるクロマトグラムを第1図に示す。
[合成例2] 懸濁重合において、架橋剤としてジビニルベンゼンの
かわりにトリエチレングリコールジアクリレート0.3部
を用いること以外は、合成例1と同様にしてパール状樹
脂組成物−2を得た。該樹脂組成物のゲル成分は36重量
であり、溶出成分の分子量のメインピーク値は8,800で
あり、サブピーク値は70,000であった。
[合成例3] 低分子量重合体の合成においてポリジメチルシロキサ
ンのメタクリル酸エステルを用いずに開始剤としてベン
ゾイルパーオキシド3部を用い、低分子量重合体−1の
合成例と同様にして低分子量重合体−2を得た。次に低
分子量重合体−2を70部,スチレン75部,n−ブチルアク
リレート24部,ジビニルベンゼン1部,t−ブチルパーオ
キシ−2−エチルヘキサノエート0.8部を添加して、合
成例−1と同様にしてパール状樹脂組成物−3を得た。
該樹脂組成物のゲル成分36%,溶出成分の分子量メイン
ピーク値は28,000,サブピーク値は98,000であった。
[合成例4] 低分子量重合体の合成においてポリジメチルシロキサ
ンのメタクリル酸エステルを用いずにスチレンモノマー
100部に対してベンゾイルパーオキシド2.4部を用いる以
外は、低分子量重合体−1の合成例と同様にして低分子
量重合体−3を得た。次に低分子量重合体−3 70部,
開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート0.5部,スチレン75部,n−ブチルアクリレート2
4部,ジビニルベンゼン1部を用いる以外は、全て合成
例1と同様にしてパール状樹脂組成物−4を得た。該樹
脂組成物のゲル成分は32%、溶出成分の分子量メインピ
ーク値は124,000、サブピーク値は30,000であった。
各合成例で得られたビニル系重合体のA成分,B成分及
びC成分の割合を下記表に示す。
[実施例−1] 上記材料をヘンシエルミキサーで前混合した後、150
℃に熱したエクストルーダーで混練した。混練物を自然
放冷後カツターミル,ジエツト気流を用いた微粉砕機の
順で粉砕し、続いて風力分級機を用いて分級し、体積平
均粒径10〜11μmの黒色微粉体を得た。次いで黒色微粉
体100部に対して、アミノシリコンオイルで処理したコ
ロイダルシリカ微粉体0.4部を乾式混合しトナーとし
た。このトナーをキヤノン製複写機NP−5540を用いて連
続5000枚耐久を行ったところ、画像濃度1.25〜1.3、カ
ブリのない高解像力の鮮明な画像が得られた。さらにNP
−5540の定着器を用いて定着ローラー温度をかえてオフ
セツト及び定着性試験,巻きつきそしてブロツキング、
さらにはトナーの粉砕性について鋭意検討したところ、
表−2に示すごとく140〜230℃までの広温度範囲でオフ
セツトは発生せず、150℃における定着性も良好でロー
ラーへの巻き付きも発生しなかった。またこのトナーは
粉砕性及び50℃1日における耐ブロツキング性にも優れ
ていた。
本発明における分離爪による白スジの評価は、キヤノ
ン製高速複写機NP−5540を用いて行った。すなわち、紙
上に乗るトナー量が単位面積当たりで一定量になる様に
して全面黒画像をA−3で連続10枚とった時の画像にお
ける先端部の白スジ(爪跡によるケズレ状態及びその長
さ)の状態で判断した。表−2に示すごとく白スジに関
してこのトナーは全く問題がなかった。
[実施例2] 樹脂組成物−2を100部用いること以外は実施例1と
同様にトナーを作成し、キヤノン製NP−5540複写機にお
いて連続5000枚耐久を行ったところ、画像濃度1.25〜1.
3、カブリのない高解像力の鮮明な画像が得られた。NP
−5540定着器を用いて、定着ローラー温度をかえて、オ
フセツト,定着性,巻き付き,ブロツキング、さらには
トナーの粉砕性について検討したところ表−2に示すご
とく、オフセツトは140〜230℃まで発生せず、150℃で
の定着性は比較的良好で、ローラーへの巻き付きは発生
しなかった。さらに50℃1日のブロツキングも発生せ
ず、粉砕性も良好であった。また分離爪による白スジ発
生も全く問題がなかった。
[比較例1] 樹脂組成物−3 100部を用いること以外は、実施例
1と同様にしてトナーを作成した。このトナーはキヤノ
ン製NP−5540複写機で連続5000枚耐久を行ったところ、
画像濃度1.15〜1.25,カブリのない鮮明な画像が得ら
れ、NP−5540定着器によるオフセツト,定着性,巻き付
きの評価では、230℃でのオフセツト及び巻き付き、50
℃1日でのブロツキングは発生しなかったが、表3に示
すように140℃でオフセツトが発生し、150℃での定着性
が悪く、粉砕性が著しく悪いことがわかった。
また分離爪による白スジは全面黒画像の連続複写初期
から発生した。
[比較例2] 樹脂組成物−4を100部用いること以外は、実施例1
と同様にしてトナーを作成し、キヤノン製NP−5540で連
続5000枚耐久を行ったところ、画像濃度1.1〜1.2、若干
カブリ気味の画像が得られ、NP−5540定着器によるオフ
セツト,定着性,巻き付きの評価では230℃でのオフセ
ツト,さらに50℃1日でのブロツキング及びローラーへ
の巻き付きは発生しなかったが140℃でのオフセツト、1
50℃での定着性ともに悪く、また粉砕性が著しく悪かっ
た。さらに分離爪による白スジは全面黒画像初期から画
像の上端から下端まで発生した。
【図面の簡単な説明】
添付図面中、第1図は実施例1の樹脂に関するクロマト
グラムを示し、第2図は比較例2の樹脂に関するクロマ
トグラムを示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダー樹脂としてゲル成分を0.1〜60
    重量%含有し、テトラヒドロフラン可溶成分のGPCによ
    るクロマトグラムにおいて、分子量1,000〜25,000の領
    域にメインピークを有し、かつ分子量3,000〜150,000の
    領域に少なくとも1つのサブピーク、又はサブシヨルダ
    ーを有するビニル重合体であり、該重合体がポリオルガ
    ノシロキサンを側鎖に有するビニル重合体を含有するこ
    とを特徴とする静電荷像現像用トナー。
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