JP2946108B2 - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

Info

Publication number
JP2946108B2
JP2946108B2 JP2174408A JP17440890A JP2946108B2 JP 2946108 B2 JP2946108 B2 JP 2946108B2 JP 2174408 A JP2174408 A JP 2174408A JP 17440890 A JP17440890 A JP 17440890A JP 2946108 B2 JP2946108 B2 JP 2946108B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
fixing
temperature
polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2174408A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0463358A (ja
Inventor
裕美 森
達哉 中村
貴幸 永塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2174408A priority Critical patent/JP2946108B2/ja
Publication of JPH0463358A publication Critical patent/JPH0463358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2946108B2 publication Critical patent/JP2946108B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は静電荷像現像用の磁性トナーに関する。
[従来の技術] 電子写真法とは米国特許第2,297,691号明細書等に記
載されている如く、多数の方法が知られており、一般に
は光導電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気
的潜像を形成し、該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙等の転写部材にトナー画像を転写した後、加
熱・圧力或は溶剤蒸気等により定着し複写物を得る方法
である。又、トナーを用いて現像する方法或いはトナー
画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案さ
れ、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用さ
れている。
近年、電子写真法に対し、高速複写化,高画質化が求
められ、用いられるトナーに対し、低温定着化・小粒径
化が求められている。
一般に磁性トナーを製造する方法としては、熱可塑性
樹脂中に磁性体・荷電制御剤・離型剤等の添加剤を溶融
混合し、均一に分散した後、微粉砕装置,分級機により
所望の粒径を有するトナーを製造する方法が知られてい
る。
これら粉砕法によるトナーにおいて、低温定着化を図
る為には低軟化点を有する熱可塑性樹脂を用いることが
必要になるが、その結果、高温オフセット現象が発生し
易くなり、離型剤の添加が必須となる。しかしながら、
過剰の離型剤の添加はトナーの製造上必要な充分な溶融
混合を不可能にし、また量的に調整を行っても、低温定
着性を維持しつつ高温オフセットの防止と混練性のすべ
てを満たすことは実際上困難であった。
これら粉砕法トナーに対し、重合トナーが提案されて
いる。例えば特開昭56−87051号公報において、オフセ
ット防止剤存在下に重合を行う重合トナーの製造方法
が、又、特開昭59−218460号公報において、炭化水素化
合物含有重合トナーが、さらに、特開昭62−148971号公
報において、疎水化処理磁性体及び、炭化水素化合物を
含む重合磁性トナーが開示されている。これら重合法に
よるトナーは、一般に水系媒体中で重合性単量体系を懸
濁重合することにより得られ、粉砕工程を経ない為、ワ
ックスのような低軟化点物質を多量に添加することがで
き、更に、ワックスのような非極性物質は粒子表面には
存在し得ず内包化される為、ブロッキング性に影響を及
ぼす事も殆ど無い。このようにして得られた重合トナー
は、ワックスが添加されている為、耐オフセット性の点
で粉砕法トナーより優れたものとなる。しかしながら、
この重合トナーを用いた場合、画像の濃度が粉砕法によ
るトナーに比べ低いという問題が生じた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したトナー
を提供することにある。
本発明の目的は、低温定着性に優れ非オフセット領域
の広いトナーを提供することにある。
本発明の目的は、画像濃度が高く、細線再現性、ハイ
ライト階調性に選れたトナーを提供するものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明の目的は、少なくとも磁性体と離型剤を含む重
合性単量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナ
ーにおいて、離型剤成分の示差走査熱量測定における吸
熱ピークの吸熱開始点が40℃以上であり、且つその融点
が140℃以下である重合磁性トナーにより達成される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、重合トナーを用いて画出しを行った際
の画像濃度が低いという現象について検討を行った結
果、重合トナーの定着画像において、トナー全体が完全
溶融しているわけではなく、主として樹脂成分が溶融
し、磁性体の集合体がトナー径よりわずかに小さい粒子
状になって存在していることが主たる原因であることを
つきとめた。即ち、紙上のトナーが定着時に溶融する際
にその樹脂成分が溶融流動し、トナーに含まれる磁性体
は、樹脂と共に流動することなく磁性体の凝集粒子とし
て紙上に定着する。その結果、定着後の画像部分におい
て、着色部分と非着色部分に分かれる為、トナーのカバ
ーリングパワー(単位面積当りのトナー重量に対する画
像濃度)は低くなり、画像濃度が低いという結果をもた
らす。又、重合トナーの先に述べたような定着状態にお
いては、定着画像の表面凹凸が激しく、その為、反射光
の散乱が激しく、これによっても画像濃度が低い状態を
もたらしている。即ち、重合トナーにおける画像濃度向
上の為には、定着画像において、磁性体が溶融した結着
樹脂と共に流動し、且つその表面が平滑になることが好
ましい。
重合トナーはオフセット防止の為に離型剤として主に
低融点のパラフィンワックスを添加している。さらに高
温オフセット性付与と耐ブロッキング性付与を目的とし
て架橋剤を添加し、架橋成分、いわゆるゲル分を生成せ
しめている。この架橋成分が磁性体の凝集体のバインダ
ーになっていると考えられるが、従来のような低融点の
パラフィンワックスを作用している場合、長期保存時の
ブロッキング性に欠け、単に架橋剤の除去では問題の解
決にならなかった。又、ブロッキング性を向上する為に
ワックスの融点を単純にあげても充分な効果が得られな
かった。
本発明者らは、このワックス成分について、その物性
とトナーのブロッキング性の関係を検討した結果、本発
明に示す如く、トナーとして耐ブロッキング性に優れ且
つ定着性においても優れた性能を付与する離型剤を得る
に至った。即ち、離型剤として示差走査熱量測定(DS
C)における吸熱ピークの吸熱開始温度が40℃以上で、
融点が140℃以下のものが重合磁性トナーに用いるのに
好ましい。
トナーの結着樹脂に起因する吸熱ピークは一般に、結
着樹脂のガラス転移に伴うもので、いわゆるガラス転移
点(Tg)はトナーの定着性と耐ブロッキング性を考慮し
て、50〜70℃に設定されている。離型剤含有系のDSCの
吸熱ピークをみると、結着樹脂のTgによるピークの他
に、離型剤の融解に伴うピーク(いわゆる融点)と、融
点より低温側に離型剤の分子構造の再配列、いわゆる結
晶転移に伴う吸熱ピークが現われる。又、精製度の低い
離型剤においても低温部より吸熱を開始する。これら、
結晶転移や不純物による吸熱は一般に結着樹脂のTgによ
るピークよりも低く、この吸熱開始点が架橋剤を含ま
ず、離型剤含有系トナーのブロッキング性と密接に関係
している。検討の結果、吸熱開始温度が40℃以上であれ
ば耐ブロッキング性は良好となることが判明した。ま
た、離型剤の融点は耐オフセット性付与の点から40℃以
下が好ましい。
このような離型剤は、離型剤の高純度化、離型剤
の高分子量化、グラブト処理などによって得られ、
又、製造工程の改善、例えばトナー製造工程中に離型剤
の融点付近若しくは融点以上に加熱する工程とその後徐
冷する工程を入れ、含有している離型剤の結晶転移をト
ナー製造中に行い、トナー化後の結晶転移を押さえるな
どの方法によって得られる。
これら離型剤について具体的に説明する。
高融点パラフィンワックス:パラフィンの精製を高度
に行い、高純度の高分子量成分のみを取り出す。このよ
うにして得られたパラフィンワックスは融点が約75℃以
上で、分子の鎖長が長いことにより、結晶転移に伴う吸
熱が起こらず、吸熱開始温度は40℃以上になる。
グラフト化パラフィンワックス:パラフィンワックス
に側鎖を導入し、再配列を阻害する。例えばパラフィン
ワックスに空気酸化により水酸基を導入し、さらに該水
酸基を修飾することにより結晶転移による吸熱ピークを
持たず、且つ融点の比較的高いワックスを得る。
この場合も吸熱開始温度は40℃以上になる。
これら離型剤の添加量は、単量体100重量部に対し、
2〜40重量部、好ましくは、4〜20重量部の範囲で用い
るのが良い。
本発明で用いられる磁性体としては、磁場の中に置か
れて磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケ
ルなどの強磁性金属の粉末若しくは、マグネタイト、フ
ェライトなどの化合物がある。特に、本発明において
は、重合法を用いてトナーを得る為、磁性体の持つ重合
阻害性や水相移行性に注意を払う必要があり、好ましく
は、表面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水
化処理を施しておいたほうが良い。これら磁性体は単量
体100重量部に対し、30〜100重量部が用いられ、好まし
くは、40〜80重量部が用いられる。
上記重合トナーに使用できる重合性単量体としては、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチ
ルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−
オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロ
ルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタク
リル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル等のメタクリル酸エステル類その他アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の単
量体が挙げられる。
これらの単量体は単独、又は混合して使用し得る。上
述の単量体の中でも、スチレン又はスチレン誘導体を単
独で、又は他の単量体と混合して使用すことがトナーの
現像特性及び耐久性の点から好ましい。
本発明においては、トナーの帯電性を制御する目的で
トナー材料中に荷電制御剤を添加しておくことが望まし
い。これら荷電制御剤としては、公知のもののうち、重
合阻害性・水相移行性の殆ど無いものが用いられ、例え
ば、正荷電制御剤としてニグロシン系染料、トリフェニ
ルメタン系染料、四級アンモニウム塩、アミン系及びポ
リアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制御剤として
は、含金属サリチル酸系化合物、含金属モノアゾ染料系
化合物、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メ
タクリル酸共重合体等が挙げられる。
これら荷電制御剤は、単量体100重量部に対し、0.1〜
30重量部が用いられ、好ましくは、1〜15重量部が用い
られる。
本発明において用いられる分散媒は、いずれ適当な安
定化剤、例えばポリビニルアルコール、ゼラチン、メチ
ルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナト
リウム塩、ポリアクリル酸及びその塩、デンプン、リン
酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、メタケイ酸カシウム、硫酸バリウム、ベントナイ
ト等を水相に分散させて使用できる。この安定化剤は、
重合性単量体100部に対して、0.2〜20重量部を使用する
ことが好ましい。
又、これら安定化剤の微細な分散の為に、0.001〜0.1
重量部の界面活性剤を使用してもよい。これは上記分散
安定化剤の所期の作用を促進する為のものであり、その
具体例としては、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テ
トラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウ
ム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、
ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイ
ン酸カルシウム等が挙げられる。
単量体系には、添加剤として極性基を有する重合体・
共重合体を添加して重合することがより好ましい。
更に、本発明においては、極性基を有する重合体・共
重合体又は環化ゴムを添加した単量体系を、該極性重合
体と逆荷電性の分散剤を分散せしめた水相中に懸濁させ
重合することが好ましい。即ち、単量体系中に含まれる
カチオン性、又はアニオン性重合体・共重合体、又は環
化ゴムは水相中に分散している逆荷電性のアニオン性、
又はカチオン性分散剤と重合進行中のトナーとなる粒子
表面で静電気的に引き合い、粒子表面を分散剤が覆うこ
とにより粒子同士の合一を防ぎ安定化せしめると共に、
重合時に添加した極性重合体がトナーとなる粒子表層部
に集まる為、一種の殻のような形態となり、得られた粒
子は擬似的なカプセルとなる。比較的高分子量の極性重
合体・共重合体又は環化ゴムを用い、トナー粒子にブロ
ッキング性、現像耐摩耗性の選れた性質を付与する一方
で、内部では比較的低分子量で定着特性向上に寄与する
ように重合を行うことにより、定着性とブロッキング性
という相反する要求を満足するトナーを得ることができ
る。本発明に使用できる極性重合体・共重合体及び逆荷
電性分散剤を以下に例示する。
(1)カチオン性重合体としては、メタクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルな
ど含窒素単量体の重合体もしくはスチレン・不飽和カル
ボン酸エステル等との共重合体が挙げられる。
(2)アニオン性重合体としては、アクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸・メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、
その他不飽和二塩基酸・不飽和二塩基酸無水物、ニトロ
系単量体等の重合体もしくはスチレン系単量体等との共
重合体が挙げられる。又、これら極性重合体のかわりに
環化ゴムを使用しても良い。
(3)アニオン性分散剤としては、シリカ微粉末が好ま
しく用いられ、特に、BET比表面積が200m2/g以上のコロ
イダルシリカが適している。
(4)カチオン性分散剤としては、アミノアルキル変性
コロイダルシリカ(好ましくは、BET比表面積が200m2/g
以上)等の親水性正帯電性シリカ微粉末、水酸化アルミ
ニウム等が挙げられる。
このような分散剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、0.2〜20重量部を使用することが好ましい。更に好
ましくは、0.3〜15重量部である。
重合開始剤としては、いずれか適当な重合開始剤、例
えば、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−ア
ゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,
2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジ
アゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシド、メチルエ
チルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカ
ーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロ
ロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等
の過酸化物系重合開始剤が挙げられる。これら重合開始
剤は一般には、重合性単量体の0.5〜10重量%の添加量
で充分である。
本発明で用いられる重合トナーは以下の如き方法にて
得られる。即ち、重合性単量体中に離型剤・着色剤・荷
電制御剤・重合開始剤その他の添加物を加え、ホモジナ
イザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せ
しめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中に通常
の撹拌機またはホモミキサー・ホモジナイザー等により
分散せしめる。好ましくは単量体液滴が所望のトナー粒
子のサイズ、一般に30μm以下の粒径を有するように撹
拌速度・時間を調整し、その後は分散安定剤の作用によ
り、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される
程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的
には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。反応終了
後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾
燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100重量
部に対して水300〜3000重量部を分散媒として使用する
のが好ましい。
本発明によるトナーは実質的に球形で且つ表面に微小
凹凸を有することが好ましい。このようなトナーを得る
方法としては、球形粒子の表面にいずれかの方法で微粒
子を融着させるか、球形粒子を作る段階でその表面の凹
凸化を図ることが挙げられる。本発明による表面に凹凸
を有するトナーを得る方法としては、例えば以下のよう
な方法が挙げられる。
1)メカノケミカル法:球形化トナー粒子と樹脂微粒子
を混合後、メカノケミカル手法によりトナー粒子の表面
に樹脂微粒子を融着させる。
2)乾式加熱処理法:球形化トナー粒子と樹脂微粒子を
混合後、流動加熱層中にて混合加熱を行いトナー粒子の
表面に樹脂微粒子を融着させる。
3)湿式加熱処理法:液体若しくは気体中にて、球形化
トナー粒子と樹脂微粒子を混合後、液体中にて加熱処理
を行いトナー粒子の表面に樹脂微粒子を融着させる。
4)トナー粒子重合時、樹脂微粒子添加法:重合法によ
りトナー粒子を得る場合、あらかじめ樹脂微粒子をモノ
マー中に添加しておくか、又は重合過程に樹脂微粒子を
添加し、樹脂微粒子や分散系の物性をコントロールする
ことにより、樹脂微粒子をトナー表面に移行させ、重合
を完結させる。
5)膨潤後乾燥法:トナー粒子をいったん溶剤に浸漬し
膨潤させた後、加熱気流中若しくは減圧下に乾燥する。
このとき併せて球形化処理を行っても良い。
本発明で凹凸付与に用いる樹脂微粒子としては、その
粒径が球形化トナー粒子の1/200〜1/10、好ましくは、1
/100〜1/10の範囲に含まれ、その材質は、例えばスチレ
ン系樹脂、スチレン・アクリル酸エステル共重合体、ス
チレン・メタクリル酸エステル共重合体、スチレンと他
のビニル系単量体(例えば、アクリロニトリル、ブタジ
エン等)との共重合体、ポリエステル系樹脂、エポキシ
樹脂の中から適当なものが用いられる。これら樹脂のう
ち、特にビニル系樹脂が乳化重合等により樹脂微粒子を
容易に得られ為、好ましく用いられる。
本発明で用いられる各種特性付与を目的とした添加剤
は、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子
の体積平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。
この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子
の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。これ
ら特性付与を目的とした添加剤としては、たとえば、以
下のようなものが用いられる。
1)流動性付与剤:金属酸化物(酸化ケイ素,酸化アル
ミニウム,酸化チタンなど)、カーボンブラック、フッ
化カーボンなど。それぞれ、疎水化処理を行ったもの
が、より好ましい。
2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム,酸
化セリウム,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,酸
化クロムなど)、窒化物(窒化ケイ素など)、炭化物
(炭化ケイ素など)、金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バ
リウム,炭酸カルシウムなど)など。
3)滑 剤:フッ素系樹脂粉末(フッ化ビニリデン,ポ
リテトラフルオロエチレンなど)、脂肪酸金属塩(ステ
アリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)など。
4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫,酸化チタ
ン,酸化亜鉛,酸化ケイ素,酸化アルミニウムなど)、
カーボンブラックなど。
これら添加剤は、トナー粒子100重量部に対し、0.1〜
10重量部が用いられ、好ましくは、0.1〜5重量部が用
いられる。これら添加剤は、単独で用いても、又、複数
併用しても良い。
本発明における重合磁性トナーに適した定着器として
は、従来より一般に用いられている表面フッ素系の熱定
着ローラーが好ましく用いられるが、この他にも、固定
支持された加熱体と、該加熱体に対向圧接した加圧部材
からなり、該加圧部材がフィルムを介して記録材を該加
熱体に密着させる加熱定着装置(いわゆるサーフ定着装
置)を用いることも可能である。
この加熱定着装置において加熱体は従来の熱ロールに
比べてその熱容量が小さく、線状の加熱部を有するもの
で、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが好まし
い。
また、加熱体と加圧部材の間に位置するフィルムは、
厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが好まし
く、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高い、ポリ
エステル、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PFA
(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニ
ルエーテル共重合体)、PTFE(ポリエトラフルオロエチ
レン)、ポリイミド、ポリアミドなどのポリマーシート
の他、アルミニウムなどの金属シート及び、金属シート
とポリマーシートから構成されたラミネートシートが用
いられる。
より好ましいフィルムの構成としては、これら耐熱性
シートが離型層及び又は低抵抗層を有していることであ
る。
フィルムの記録材に圧接する面の表面特性としては、
30dyn/cm2以下の臨界表面張力を有しかつ1010Ω/cm2
下の表面電気抵抗を有することである。
このようなフィルムとしては、ポリイミド、ポリエー
テルイミド、PES、PFA等の耐熱材料を加熱体圧接面とし
て、少なくとも画像当接面側にPTFE等の臨界表面張力30
0dyn/cm2以下の結着樹脂中に、導電材を添加分散させ、
表面電気抵抗として1010Ω/cm2以下の値を有する低抵抗
離型層を有してなる多層コートフィルムがより好ましく
使用される。
本発明で好ましく使用される表面電気抵抗を制御する
導電材料としては、カーボンブラック、グラファイト、
無機酸化物等がある。
この加熱定着方法に用いるフィルムの記録材に圧接す
る面の臨界表面張力が30dyn/cm2を上回る場合、トナー
がフィルム面に付着するいわゆるオフセット現象が顕著
となる。また、表面電気抵抗が1010Ω/cm2を上回る場
合、フィルム面に静電的にトナーが付着してしまういわ
ゆる静電オフセット現象が顕著となる。
なお、表面電気抵抗の測定方法は、JIS規格K6911に準
ずる。また、記録材に圧接する面の臨界表面は、表面張
力γの異なる種々の有機液体(炭化水素系その他)がフ
ィルム表面で示す接触角θを測定し、Zismanプロットを
行うことにより求めた。
第5(a)図に、上述の定着装置の構造図を示す。
11は装置に固定支持された低熱容量線状加熱体であっ
て一例として厚み1.0mm,巾10mm,長手長240mmのアルミナ
基板12に抵抗材料13を巾1.0mmに塗工したもので長手方
向両端より通電される。通電はDC100Vの周期20msecのパ
ルス状波形で検温素子14によりコントロールされた所望
の温度、エネルギー放出量に応じたパルスをそのパルス
巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5msec〜5msecと
なる。この様にエネルギー、温度制御された加熱体11に
当接して、図中矢印方向に定着フィルム15は移動する。
この定着フィルムの一例として厚み20μmの耐熱フィル
ム、例えば加熱体当接面側にポリイミド,イミド,画像
当接面側にPTFEに導電材としてカーボンブラックを添加
した離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムであ
る。
このフィルムの記録材に圧接する面の臨界表面張力
は、20dyn/cm2であり、表面電気抵抗は、106Ω/cm2であ
った。
一般的には総厚100μm、より好ましくは40μm未満
フィルム駆動は駆動ローラー16と従動ローラー17による
駆動とテンションにより矢印方向にシワなく移動する。
18はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有す
る加圧ローラで総圧4〜20kgでフィルムを介して加熱体
を加圧しフィルムと圧接回転する。転写材19上の未定着
トナー20は入口ガイド21により定着部に導かれ上述の加
熱により定着像を得るものである。
以上はエンドレスベルトで説明したが、第5(b)図
の如く、シート送り出し軸24及び巻取り軸27を使用し、
定着フィルムは有端のフィルムであっても良い。
また画像形成装置としては複写機、プリンター、Fax
等のトナーを用いて画像を形成する装置全ての定着装置
に適応するものである。
低熱容量線状加熱体11において検温素子14で検出され
た温度がT1の場合、抵抗材料13に対向するフィルム15の
表面温度T2はT1よりも約10〜30℃低い。またフィルム15
がトナー定着面より剥離する部分におけるフィルム表面
温度T3は前記温度T2とほぼ等しい温度である。
本発明における粒度分布測定について述べる。
測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(コ
ールター社製)を用い、個数平均分布,体積平均分布を
出力するインターフェイス(日科機製)及びFCX−1パ
ーソナルコンピューター(キヤノン製)を接続し電解液
は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。
測定法としては前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホ
ン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに測定試料を0.5〜50mg加
える。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間
分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型に
より、アパチャーとして100μmアパチャーを用いて2
〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個
数平均分布を求める。
これら求めた体積平均分布、個数平均分布より、体積
平均粒径を得る。
本発明における示差走査熱量測定(DSC)は、DSC−7
(パーキンエルマー製)を用いて昇温速度10℃/minで行
う。又、ワックス成分のDSCカーブにおいて、最大の吸
熱を示すピークの頂点の温度を、ワックスの融点とす
る。
本発明のトナーの分子量分布は以下の様に測定した。
1.サンプル調製 (i)標準試料 標準試料として次に示した市販の標準ポリスチレンを
用いる。
分子量 メーカー 8.42×106 東洋ソーダ工業(株)(以下、T) 2.7 ×106 Waters Associates(以下、W) 1.2 ×106 W 7.75×105 T 4.7 ×105 W 2.0 ×105 W 3.5 ×104 W 1.5 ×104 W 1.02×104 T 3.6 ×103 W 2.35×103 W 5.0 ×102 T 上記標準ポリスチレン約3mgを30mlのテトラヒドロフ
ラン(THF)に溶解して標準試料とする。
(ii)未知試料 未知試料(トナー)60mgを75mlのTHFで抽出し遠沈後
濾過を行ない未知試料とする。
2.測定条件 装置としてWATERS社 150C ALC/GPCを用い、以下の
条件で測定した。
溶 媒:THF(キシダ化学製 特級) カラム:ショーデックス KF−801,802,803,804,805,8
06,807(昭和電工製) 温 度:40℃ 流 速:1.0ml/min 注入量:0.1ml 検出器:RI 3.データ処理 上記の測定条件にて標準試料のピーク時の保持時間を
よみとり検量線を作成し、その検量線から未知試料の分
子量を算出する。
本発明における重合磁性トナーの樹脂成分は架橋成分
を実質的に含有しない。
本発明において、樹脂成分中の架橋成分とは、樹脂成
分中のトルエン不溶分で表わし、以下の測定によって、
樹脂成分中のトルエン不溶分が5%以下の数値を与える
時に、樹脂成分中の架橋成分が実質的に存在していない
と判断する。
トルエン不溶分の測定 試料1gを円筒濾紙(東洋濾紙、No86R使用)に精秤す
る。これを1のトルエンに浸漬し、沸とう状態で20hr
抽出する。抽出後の濾紙を乾燥後秤量し、以下の計算式
に基づいてトルエン不溶分を算出する。
W0:円筒濾紙重量(g) W1:抽出前の(試料+円筒濾紙)重量(g) W2:抽出・乾燥後の円筒濾紙重量(g) WM:別途トナーの熱重量分析(TG)より求めた磁性体
含有量を基に算出した試料中の磁性体重量(g) [実施例] 以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。な
お、部数はすべて重量部である。又、定着性評価に供す
る未定着画像上のトナー量はすべて、0.85±0.05mg/cm2
に調整した。
実施例1 イオン交換水1200mlにγ−アミノプロピルトリメトキ
シシラン0.5gを加え、さらに親水性コロイダルシリカ
(BET比表面積200m2/g)10gを加え、80℃に加温し、TK
式ホモミキサーM型(特殊機化工業製)を用いて10,000
rpmで15分間分散させた。さらに1/10N−HCl水溶液を加
え、系内pHを6とした。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサー
を用いて溶解・分散して単量体混合物とした。さらに80
℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビスイ
ソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成物を調製
した。前記で得た分散媒を入れた2のフラスコ中に、
上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下80℃でTK式ホ
モミキサーを用い、12,000rpmで60分間撹拌し、単量体
組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつ
つ、80℃で20時間重合した。重合反応終了後、反応生成
物を冷却し、NaOH水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾
過、水洗、乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた球形粒子の粒径をコールターカウンター(ア
パーチャー径100μm)で測定したところ、体積平均径
6.8μmでシャープな粒度分布を有していた。
別途、反応容器中にイオン交換水150部を入れ、80℃
に加熱し、さらに撹拌下、スチレン/n−ブチルメタクリ
レート=90/10(部/部)の単量体系1部と10重量%過
硫酸アンモニウム水溶液10部を加え、さらに上記単量体
系99部を3時間かけて滴下し、種ラテックスを得、次い
でメタクリル酸10部を滴下した後、3時間重合を継続し
た。重合終了後、冷却し、水洗、濾過、乾燥を行ない、
コールターN4による体積平均径が0.6μmの球形樹脂微
粒子を得た。
先に得た球形粒子50部に上記樹脂微粒子5部を加え、
ヘンシェルミキサーにより、分散・混合せしめた。別
途、イオン交換水1200mlにγ−アミノプロピルトリメト
キシシラン0.25gを加え、さらに親水性コロイダルシリ
カ(BET比表面積200m2/g)を加え、TK式ホモミキサーM
型(特殊機化工業製)を用いて10,000rpmで15分間分散
後、1/10N−HCl水溶液を加え、系内pHを6とした。これ
をオートクレーブ中に入れ、先の混合粒子を加え、110
℃/1.2Kg/cm2に加熱撹拌下、30分間固定化処理を行なっ
た。処理後分散系を冷却し、さらにアルカリを用いて分
散剤の除去を行った後、水洗・濾過・乾燥を行ない、凹
凸付与球形粒子を得た。得られた粒子のコールターカウ
ンター(アパーチャー径100μm)による体積平均径は
7.9μmであった。
この凹凸付与球形粒子のトルエン浸漬法による不溶分
測定の結果、実質的な架橋成分は存在していないことが
判明した。さらに該球形粒子のTHF可溶分のGPCによる分
子量分布測定の結果、分子量が、2.0×104及び1.2×103
にピークを有していた。得られたGPCチャートを第3図
に示す。GPCを用い各ピークの半値巾に相当する溶出時
間でそれぞれの成分を分取した後、各成分についてDSC
による吸熱ピークを確認したところ、第1図に示すよう
に離型剤成分による吸熱開始温度は67℃であった。
この凹凸付与球形粒子100部に対しBET法による比表面
積が200m2/gであり、ヘキサメチルジシラザンで疎水化
処理したシリカ微粉体0.6部を外添し重合磁性トナーと
した。このトナー5gをホリエチレン容器にとり、50℃に
2日間放置したが、ブロッキングは観察されなかった。
このトナーを用い、キヤノン社製NP−6550の定着器の
温度を90℃〜200℃まで10度きざみで変化させ定着試験
を行なった。
評価法としては、得られた定着画像を50g/cm2の荷重
をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の画像濃度低下
率が10%以下となる温度を定着開始温度とした。また、
オフセットの評価は、画像の観察により行なった。
その結果、定着開始温度は140℃と低く、非オフセッ
ト領域は150℃〜200℃超となり、低温定着化が達成され
た。結果を表−1に示す。また、3万枚のランニングテ
ストを行なったところ画像濃度は1.5以上で、カブリも
無く、解像力・階調性共に優れ、トナーのクリーニング
不良も発生せず、複写機内のトナー飛散も目立たなかっ
た。また定着画像の電子顕微鏡による表面観察により凝
集磁性粒子は観察されなかった。結果を表−1に示す。
実施例2 イオン交換水650mlに0.1M三リン酸ナトリウム水溶液4
80部加え、80℃に加温し、高速撹拌下、1M塩化カルシウ
ム水溶液72部を滴下した。
上記処方を容器中で80℃に加温し、TK式ホモミキサー
を用いて、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに
80℃に保持しながら、開始剤ジメチル2,2′−アゾビス
イソブチレート10部を加えて溶解し、単量体組成物を調
製した。前記で得た分散媒を入れた2のフラスコ中
に、上記単量体組成物を投入し、窒素雰囲気下で80℃で
TK式ホモミキサーを用い、9000rpmで60分間撹拌し、単
量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌し
つつ、80℃で20時間重合した。重合反応終了後、反応生
成物を冷却し、HCl水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾
過・水洗・乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた粒子のコールターカウンター(アパーチャー
径100μm)による体積平均径は8.4μmであった。
実施例1と同様に球形粒子のトルエン不溶分を測定し
た結果、実質的な架橋成分は存在しないことが判明し
た。さらに実施例1と同様にして分子量分布を測定した
結果、1.9×104及び1.3×103にピークを有していた。
又、各成分を実施例1と同様にして分取後、DSCを測定
したところ、離型剤成分の吸熱開始温度は42℃であっ
た。
この球形粒子100部に対し、BET法による比表面積が20
0m2/gであり、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理し
たシリカ微粉体0.6部を外添し、トナーとした。このト
ナーについて、実施例1と同様の評価を行ったところ、
耐ブロッキング性に優れ、定着開始温度は140℃と低
く、非オフセット領域は150〜200℃超となった。又、定
着画像濃度は1.5と高く、表面の電子顕微鏡観察によ
り、磁性体の凝集体は存在しなかった。結果を表−1に
示す。
実施例3 実施例2と同様にして分散媒を調製した。
上記処方を実施例2と同様にして造粒を行なった。さ
らにパドル撹拌翼で撹拌しつつ80℃で20時間重合を行な
った。さらにオートクレーブに移し、30分間150℃/2Kg/
cm2に加熱撹拌した後、10℃/minの割合で室温まで冷却
した。さらにHCl水溶液を加え、分散剤を溶解し、濾過
・水洗・乾燥することにより、球形粒子を得た。
得られた粒子のコールターカウンター(アパーチャー
径100μm)による体積平均径は8.0μmであった。
実施例1と同様に球形粒子のトルエン不溶分を測定し
た結果、実質的な架橋成分は存在しないことが判明し
た。さらに実施例1と同様にして分子量分布を測定した
結果、2.1×104及び1.1×103にピークを有していた。
又、各成分を実施例1と同様にして分取後、DSCを測定
したところ、離型剤成分の吸熱開始温度は40℃であっ
た。
実施例1と同様にしてシリカ外添、トナー評価を行っ
たところ、耐ブロッキング性に優れ、定着開始温度は14
0℃で、非オフセット領域は150〜200℃超となった。
又、定着画像の濃度は1.5と高く、表面の電子顕微鏡観
察により、磁性体の凝集体は存在しなかった。
結果を表−1に示す。
実施例4 実施例1と同様にしてトナーを得、キヤノン社製NP−
6550を用いて未定着画像を得た。この未定着画像を第5
(a)図に示す熱定着器を使用して定着試験を行った。
第5(a)図に示す加熱定着器において、加熱部の抵
抗材料13の消費電力は150W,加熱体11と加圧ローラー18
間の総圧は5Kg,加圧ローラー18とフィルム15のニップは
3mm,定着処度は25mm/secに設定した。
定着フィルム15としてはトナー20を有するトナー担持
体19との接触面にPTFEに導電性物質(カーボンブラッ
ク)を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ20μmの
ポリアミドフィルムを使用した。定着試験に際しては、
加熱体11の検温素子14により温度制御を行い、90〜200
℃まで10℃おきに定着装置を行った。
実施例1と同様にして定着性の評価を行ったところ、
定着開始温度は120℃で、非オフセット域は130〜170℃
であった。又、定着画像の濃度は1.5と高く、表面の電
子顕微鏡観察により、磁性体の凝集体は存在しなかっ
た。
結果を表−1に示す。
実施例5 ワックスとして、融点63℃の精製パラフィンワックス
にかえた他は実施例2と同様にしてトナーを得、実施例
1と同様にしてブロッキング性、定着性、画像濃度等の
評価を行ったところ、良好なブロッキング性・定着性を
示し、画像濃度も1.5と高く、凝集磁性粒子も観察され
なかった。
実施例6 ワックス添加量を12部にかえた他は実施例3と同様に
してトナーを得、実施例1と同様の評価を行った。その
結果、表−1に示すように良好な定着性、耐ブロッキン
グ性を有し、又、画像濃度も高かった。
実施例7 ワックス添加量を50部にかえた他は、実施例3と同様
にしてトナーを得、実施例1と同様の評価を行った。そ
の結果、表−1に示すように、良好な定着性、耐ブロッ
キング性を有し、又画像濃度も高かった。
比較例1 パラフィンワックスとして融点55℃でDSCにおける吸
熱開始温度が32℃であるワックスを用いた他は実施例1
と同様にしてトナーを得、同様の評価を行った。その結
果、ブロッキング性、及び耐高温オフセット性に劣った
トナーとなった。なお、実施例1と同じように、第4図
にGPCチャート、第2図にトナーのDSCチャートを示し
た。
比較例2 比較例1のワックスとさらに、ジビニルベンゼン3部
を用いた他は実施例1と同様にしてトナーを得、同様の
評価を行った。その結果、架橋成分が42%となり定着温
度が高くなり、又、定着画像上に凝集磁性体が存在し、
画像濃度は1.2と低かった。
比較例3 ワックスを添加しないで実施例1と同様の操作を行
い、トナーを得、同様の評価を試みた。その結果、耐ブ
ロッキング性は良好ではあるものの、定着性の点で非オ
フセット領域が存在せず、トナーとして使用しうるもの
ではなかった。但し、定着画像上の凝集磁性体は存在し
なかった。
比較例4 比較例3と同様にしてトナーを得、実施例4で用いた
定着装置を用いて評価を行なったが、熱ロール定着器と
同様に非オフセット領域が存在しなかった。
[発明の効果] 本発明によれば、離型剤として使用されるワックス成
分についてその物性とトナーのブロッキング性の関係を
検討して、離型剤成分の吸熱ピークの吸熱開始温度及び
融点を規定することによって、とりわけ耐ブロッキング
性と定着性の双方に優れたトナーを提供することを可能
にしたものである。
【図面の簡単な説明】 第1図は実施例1のDSCによる吸熱ピークを示す図であ
り、第2図は比較例1のDSCによる吸熱ピークを示す図
である。第3図は実施例1のGPCチャートを示す図であ
り、第4図は比較例1のGPCチャートを示す図である。
第5(a)図は、本発明の定着方法を実施するための定
着装置の概略的断面図を示し、第5(b)図は、本発明
の別な態様の定着方法を実施するための定着装置の概略
的断面図を示す。 11……加熱体、12……アルミナ基板 13……抵抗材料、14……検温素子 15……定着フィルム、16……駆動ローラー 17……従動ローラー、18……加圧ローラー 19……記録材 20……記録材に担持された未定着トナー顕画像 21……定着装置入り口ガイド 24……シート送り出し軸 27……巻取り軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−295073(JP,A) 特開 平2−273755(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/083

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも磁性体と離型剤を含む重合性単
    量体系を水系媒体中で懸濁重合して得られるトナーにお
    いて、離型剤成分の示差走査熱量測定における吸熱ピー
    クの吸熱開始点が40℃以上であり、且つその融点が140
    ℃以下である重合磁性トナー。
JP2174408A 1990-07-03 1990-07-03 磁性トナー Expired - Lifetime JP2946108B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2174408A JP2946108B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 磁性トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2174408A JP2946108B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 磁性トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0463358A JPH0463358A (ja) 1992-02-28
JP2946108B2 true JP2946108B2 (ja) 1999-09-06

Family

ID=15978037

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2174408A Expired - Lifetime JP2946108B2 (ja) 1990-07-03 1990-07-03 磁性トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2946108B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3907303B2 (ja) * 1997-03-11 2007-04-18 キヤノン株式会社 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法
JPH1144969A (ja) * 1997-07-28 1999-02-16 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法並びにそのトナーを使用する画像形成方法
JP2002006542A (ja) 2000-06-22 2002-01-09 Fujitsu Ltd 離型剤内包型トナー及びその製造方法
JP4566483B2 (ja) * 2001-09-10 2010-10-20 キヤノン株式会社 トナー
JP5505692B2 (ja) * 2009-05-29 2014-05-28 株式会社リコー 画像形成用トナー、画像形成装置、画像形成方法、およびプロセスカートリッジ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0463358A (ja) 1992-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3029144B2 (ja) 熱圧定着用トナー及び熱圧定着方法
US5300386A (en) Developer for developing electrostatic image, image forming method and heat fixing method
US5143812A (en) Color toner and process for fixing the same
JP3195362B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2946108B2 (ja) 磁性トナー
JP2946133B2 (ja) 重合法トナー粒子の製造方法
JP2923820B2 (ja) 懸濁重合法トナー粒子の製造方法
JP3230027B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP4085590B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、その製造方法及び画像形成装置
JP3010303B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその定着方法
JP3637464B2 (ja) 静電荷現像用トナー及びその製造方法
JP2748183B2 (ja) 重合カラートナー及び画像形成方法
JP2967277B2 (ja) 定着方法
JP3884506B2 (ja) 重合トナー
JP3206978B2 (ja) 熱圧力定着用カプセルトナー及びその製造方法
JP3332680B2 (ja) 画像形成方法
JP2505773B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JP2614222B2 (ja) 画像形成方法及び装置
JPH0467045A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその定着方法
JP2946109B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2872258B2 (ja) イエロートナー
JPH0830924B2 (ja) 熱ロ−ラ定着方法及び定着装置
JP3129899B2 (ja) 重合トナー及びその製造方法
JP3927824B2 (ja) ブラックトナー
JP3000472B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びこれを用いた加熱定着方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080702

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090702

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100702

Year of fee payment: 11