JP4566483B2 - トナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法の如き画像形成方法において形成される静電荷像の現像に用いるトナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載されている如く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。また、転写材上に転写されずに感光体上に残ったトナー粒子はクリーニング工程により感光体上より除外され、上述の工程が繰り返される。
【0003】
例えば、デジタルプリンター及び高細密画像のコピーにおいてトナーに要求される性能のうち最も重要なものに、定着性能がある。定着工程に関しては、種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラーによる圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機において非常に有効である。
【0004】
トナー中に離型剤としてワックスを含有させることは知られている。例えば、特開昭52−3304号公報、特開昭52−3305号公報、特開昭57−52574号公報等の技術が開示されている。
【0005】
これらのワックス類は、トナーの低温時や高温時の耐オフセット性の向上のために用いられている。しかしながら、これらの性能を向上させる反面、耐ブロッキング性を悪化させたり、現像性が悪化したりしていた。
【0006】
更に、近年においては、オフセット現象を防止することが求められているのと同時に、定着において、ウエイト時間が短くし、且つ、低消費電力である定着方法を実現することが求められており、トナーに対して、より低い温度で定着することを実現できる設計が求められている。例えば、特開昭51−14333号公報、特開昭57−14852号公報、特開昭58−97056号公報、特開昭60−247250号公報、特開平4−362953号公報、特開平6−230600号公報及び特開平8−030036号公報に、離型剤として、固形シリコーンワニス、高級脂肪酸系ワックス、高級アルコール系ワックス、植物天然系ワックス(カルナバ、ライス)、モンタン系エステルワックスを用いることが提案されている。
【0007】
しかし、離型剤として、この様な低軟化点離型剤であるワックス類をトナーに含有させると、トナーの現像特性や帯電性、耐久性、保存性に悪影響を及ぼし易い。また、これらのワックス類はトナー中に均一に分散されにくく、トナー中に遊離或いは偏在したワックスは、現像性や耐久性等に悪影響を及ぼし易い。
【0008】
また、特開平8−278657号公報、特開平8−334919号公報、特開平8−334920号公報などには、低温定着性及び耐オフセット性に優れるトナーを得るために、2種類のワックス成分をトナーに含むことが提案されている。また、特開平7−281478号公報には、定着下限温度を下げ、ホットオフセット温度を高くするために、ポリプロピレン系樹脂と、酸変性したポリエチレン系樹脂をトナー用の離型剤として使用することが提案されている。
【0009】
さらに特開昭63−191817、特開平9−73185等ではポリオレフィンやポリエチレンにスチレン系モノマーや不飽和カルボン酸系モノマーで変性する方法が提案されている。
【0010】
しかしながら、これらのいずれの離型剤を使っても、低温定着性や耐高温オフセット性、およびトナーの耐久安定性を両立させるには今ひとつであり、更なる改良が望まれていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、定着ローラーとの離型性を良くするためのオイルを塗布しなくても、低温定着性、耐オフセット性に優れ、画像の耐久安定性が良く、カブリも発生しにくいトナーを提供することにある。さらに転写性、クリーニング性に優れたトナーを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下により達成される。即ち、結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該トナーの示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60〜90℃の範囲にあり、
該結着樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂であり、
該離型剤は、スチレン系モノマー又はスチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーの5乃至100質量部でラジカル触媒の存在下でパラフィンワックス100質量部を処理した処理ワックスであり、該処理ワックスは、テトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で2ピークを有し、高分子量側のピークの面積を(1)、低分子量側のピークの面積を(2)とすると、面積比が、
0.2≦(2)/((1)+(2))≦0.8 (式1)
を満たし、
さらに、(1)の数平均分子量(Mn(1))が8,000以下、(2)の数平均分子量(Mn(2))が200以上を満足し、さらに下記式
1000≦(Mn(1)−Mn(2))≦6000 (式2)
を満足し、
該トナーの酸価が23.1〜30.7mgKOH/gであり、
該トナーのTHF可溶分のGPCによる分子量分布が、分子量3,000〜40,000の領域にメインピークが存在し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が100以上であり、
該処理ワックスは、トナー中の樹脂成分100質量部に対して2乃至10質量部含有されていることを特徴とするトナーである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0014】
本発明者らは、トナーの原材料である離型剤に、スチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーで処理した処理ワックスを使用することにより、上記課題を達成することを見出した。通常、パラフィンワックスはポリエチレン、ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン、あるいはグラフトポリオレフィンなどに比べ、更に低分子量であり、低溶融粘度である。それゆえに優れた離型性を示す。しかし非常に軟質であるため、トナー樹脂とパラフィンとの界面接着力が弱く、トナーからパラフィンが脱離しやすい。その脱離したパラフィンがクリーニングブレードや感光体に融着し、現像性やクリーニング性を悪化させていた。また、自己凝集性や付着力が高く、トナーの流動性が悪くなる。そのため、帯電の立ち上がり速度の低下や帯電不良によるカブリ、現像器のスリーブ汚染、二成分現像ではキャリア汚染等の問題も生じていた。
【0015】
そこで本発明者らは、パラフィンをトナー樹脂成分と相溶し易いように処理することにより、界面接着力を向上させ、脱離を防ぐことを考えた。そして鋭意検討の結果、結着樹脂との相溶性、トナー中に含有させたときの分散性、流動性、現像性や定着性に対して、少なくともスチレン系モノマーでパラフィンを処理したものが最も効果的な方法であることを見出した。この効果について詳細は定かではないがおそらく次のような理由であると考えられる。
【0016】
本発明の処理ワックスはスチレン系モノマーを使用しているが、処理により変性されたパラフィンのコポリマーが形成された部分と結着樹脂との分子構造が似ているため、互いの相溶性が高くなり、ワックスの脱離が起こりにくくなっていると考えられる。このことにより、クリーニングブレードや感光体へのワックスの融着、帯電不良などがなくなり、カブリのない優れた現像性、クリーニング性を保持することができた。
【0017】
特に今回の検討においては、トナー樹脂成分が、ポリエステル単体よりもビニル系ユニットを有する共重合体であるハイブリッド樹脂、ポリエステルとハイブリッド樹脂成分との混合物、ポリエステルとビニル系共重合体等、トナー樹脂にビニル系の樹脂成分が含有されているほうがワックスの分散性、現像性の点で非常に効果的であった。
【0018】
また本発明のトナーではワックスがトナー表面の析出する量も少なくなっているため、トナーの自己凝集や付着性を抑え、流動性を向上させることができる。
ゆえに、帯電の立ち上がり速度が速くなり、現像器のスリーブ汚染、二成分現像ではキャリア汚染等もなくなった。
【0019】
次に本発明で使用される処理ワックスについて説明する。
【0020】
本発明で使用される処理ワックスは、パラフィンワックスをスチレン系モノマーで処理したものが制限無く使用でき、さらにスチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーで処理したものが好ましく使用できる。処理ワックスはトナー中で離型剤として機能する。
【0021】
処理前のパラフィンワックスとしては、天然パラフィンワックス、合成パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、また、フィッシャー・トロプシュワックスなど何でも使用できる。
【0022】
スチレン系モノマーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、イソプロペニルトルエン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、m−メチルスチレン等が挙げられる。
【0023】
不飽和カルボン酸系モノマーとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸2−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸イソヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸2−クロロフェニル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸2−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸2−クロロヘキシル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸2−ヘキシルエチル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル等のメタクリル酸エステル類、その他に、マレイン酸エチル、マレイン酸プロピル、マレイン酸ブチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸エステル類、フマル酸エチル、フマル酸ブチル、フマル酸ジブチル等のフマル酸エステル類、イタコン酸エチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ブチル等のイタコン酸エステル類などをあげることができる。
【0024】
以上のパラフィンワックスとスチレン系モノマーや不飽和カルボン酸系モノマーを用い、通常の方法及び、条件に従って処理ワックスを得ることができる。具体的には例えば、放射線を利用する方法、ラジカル触媒を用いる方法等を利用することができるが、ラジカル触媒を用いる方法が好ましい。
【0025】
ラジカル触媒としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、例えばベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテート;その他アゾ化合物、例えばアゾビスイソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどがある。これらの中ではジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
【0026】
モノマーの選択として、スチレン系モノマーから2種以上、不飽和カルボン酸系モノマーから2種以上選択してもよい。
【0027】
本発明で使用される処理ワックスはスチレン系モノマー単体、あるいはスチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーで処理されているが、処理ワックスのTHF可溶分のGPCによる分子量測定で2ピークを有している。高分子量側のピークである(1)はモノマーで変性された変性ワックスのピークであり、低分子量側のピークである(2)はわずかに変性されたワックスあるいは未変性のワックスのピークである。定着性の点からも未変性ワックスは存在していることが好ましい。(1)のピークの面積と(2)のピーク面積が下記式
0.2≦(2)/((1)+(2))≦0.8 (式1)
であることが好ましいが、より好ましくは0.3≦(2)/((1)+(2))≦0.7である。
【0028】
(2)/((1)+(2))が0.8より大きいと、ワックスのトナー中への分散が悪くなり、現像性、耐久性において不利になる。(2)/((1)+(2))が0.2より小さいと、定着の際、ワックスのしみ出しが不利になり、定着温度幅が小さくなる。
【0029】
(1)及び(2)のピーク面積は図1、図2に示すようにGPC分子量分布曲線の変極点から垂直に横軸に降ろした線で分割し、高分子量側の面積を(1)、低分子量側の面積を(2)とした。
【0030】
さらに(1)の数平均分子量(Mn(1))が8,000以下、(2)の数平均分子量(Mn(2))が200以上を満足し、さらに下記式
1000≦(Mn(1)−Mn(2))≦6000 (式2)
であることが望ましい。
【0031】
Mn(1)が8,000より大きいと変性ワックスの離型性が無くなり、定着温度幅が狭くなる。Mn(2)が200より小さいと定着時の耐高温オフセット性、トナー保存性が悪化する。
【0032】
また、(Mn(1)−Mn(2))は、変性されたパラフィンのコポリマー部分の数平均分子量を表している。(Mn(1)−Mn(2))が1000より小さいとコポリマー部分の分子量が小さすぎるため、トナー化したときに保存性が悪くなる。(Mn(1)−Mn(2))が6000を超えると、コポリマー部分の分子量が大きすぎるため、定着時にワックスのしみ出しが悪くなり、離型剤としての効果が無くなる。
【0033】
本発明で使用される処理ワックスは、モノマーで処理された成分と未処理成分に加え、ポリスチレン系モノマーの重合体、あるいはスチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーの共重合体が含有されているがこの量比については何ら限定するところではない。
【0034】
本発明の処理ワックスはパラフィン系ワックス100質量部に対して、処理するモノマーの総計が5乃至100質量部であるのが好ましい。モノマーの総計が5質量部未満であると処理ワックスとしての効果が得られず、クリーニングブレードや感光体のワックス融着や帯電の立ち上がり速度の低下や帯電不良、スリーブ、キャリア汚染等に対して不利になる。モノマーの総計が100質量部超であると、処理ワックスの定着時のワックスしみ出し速度が低下し、定着性が不利になる。
【0035】
また、スチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーを併用する時は(スチレン系モノマー質量部数/不飽和カルボン酸系モノマーの質量部数)がトナー保存性、帯電安定性、トナー中への分散性から、1乃至20であることが好ましい。
【0036】
本発明のトナーはDSC吸熱曲線における主体極大ピーク値(mainpeak)の温度(最大吸熱ピークのピーク温度)が60〜90℃であることが好ましい。このピーク値は処理ワックスの融点と直接関係している。つまりピーク値が60℃未満であるとトナーの保存性が悪くなってしまう。また、ピーク値が90℃超であるとトナーの低温定着性が悪くなる。
【0037】
本発明で使用される処理ワックスはトナー中の樹脂成分100質量部に対して1乃至20質量部、より好ましくは2乃至10質量部であるのが良い。1質量部未満では変性パラフィンワックスの離型剤としての効果が無くなり、定着の温度幅が減少する。20質量部超ではトナー自身が軟化してしまい、耐久性が不利になる。
【0038】
DSC測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い行う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
【0039】
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0040】
本発明のトナーはTHF可溶分(樹脂成分)のGPCにより測定される分子量分布が、メインピークを分子量3,000〜40,000の領域に有していることが良く、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比であるMw/Mnが100以上であることが好ましい。メインピークを分子量3,000未満の領域に有する場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場合があり、メインピークを分子量40,000超の領域に有する場合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があり、また、カラートナーで用いる場合には光沢性が悪くなるという点であまり好ましくない。また、Mw/Mnが100未満である場合には広い定着温度幅を得ることが不利になる。
【0041】
また、トナーの酸価は5〜45mgKOH/gであることが良い。5mgKOH/g未満であると、顔料等が分散しにくいためか、帯電不良や画像にムラができたり、カブリなどが発生しやすくなる。45mgKOH/gを超える場合は、結着樹脂の吸湿性が高まるためにトナーの電荷緩和が強くなり、トナー飛散や転写性が悪くなるという点であまり好ましくない。
【0042】
次に、本発明に用いられる結着樹脂について説明する。
【0043】
結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0044】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0045】
酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
【0046】
それらの中でも、特に、下記一般式(7―1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0047】
【化1】
【0048】
本発明のトナーに含有される結着樹脂において、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
【0049】
ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0050】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0051】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0052】
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0053】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0054】
本発明ではビニル系共重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0055】
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0056】
本発明のビニル系共重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0057】
本発明のトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0058】
(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0059】
(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0060】
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0061】
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0062】
(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0063】
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0064】
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
【0065】
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、上記ポリエステルとビニル系共重合体との混合物を使用しても良い。
【0066】
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、上記ハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物を使用しても良い。
【0067】
本発明のトナーに含有される結着樹脂は、上記ポリエステル樹脂と上記ハイブリッド樹脂に加えてビニル系共重合体の混合物を使用しても良い。
【0068】
本発明で使用される着色剤として、黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、イエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用される。
【0069】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し30〜200質量部添加して用いられる。
【0070】
磁性体としては、鉄,コバルト,ニッケル,銅,マグネシウム,マンガン,アルミニウム,珪素などの元素を含む金属酸化物などがある。中でも四三酸化鉄,γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。また、トナー帯電性コントロールの観点から硅素元素またはアルミニウム元素等、他の金属元素を含有していてもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET比表面積が2〜30m2/g、特に3〜28m2/gが好ましく、更にモース硬度が5〜7の磁性粉が好ましい。
【0071】
磁性体量は結着樹脂100質量部に対し30〜200質量部、好ましくは40〜200質量部、さらには50〜150質量部が好ましい。30質量部未満では、着色力が不足したりトナー搬送に磁気力を用いる現像器においては、搬送性が不十分で現像剤担持体上の現像剤層にムラが生じ画像ムラが発生する傾向があり、さらに現像剤トリボの上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向がある。
一方、200質量部を超えると定着性に問題が生ずる傾向がある。
【0072】
本発明のトナーをカラートナーとして用いた場合の着色剤としては、公知の染料または/及び顔料が使用される。
【0073】
マゼンタトナー用着色顔料としてはC.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207.209;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35などが挙げられる。
【0074】
顔料単独使用でもかまわないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
【0075】
マゼンタトナー用染料としては、C.Iソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40;C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28などの塩基性染料が挙げられる。
【0076】
シアントナー用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45または下記式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料などが挙げられる。
【0077】
【化2】
〔式中、nは1〜5の整数を示す〕
【0078】
イエロー用着色顔料としてはC.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83,97,180;C.I.バットイエロー1,3,20などが挙げられる。
【0079】
着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜12質量部、最も好ましくは3〜10質量部が良い。
【0080】
本発明のトナーは、トナーに電荷を保有せしめるために有機金属化合物を用いても良いが、例えば下記に示す芳香族オキシカルボン酸誘導体の金属化合物が挙げられる。
【0081】
【化3】
【0082】
式中のM2は2価の金属原子であり、Mg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Zn2+,Cu2+が挙げられる。M3は3価の金属原子であり、Al3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+が挙げられる。M4は4価の金属原子であり、Zr4+,Hf4+,Mn4+,Co4+が挙げられる。これらの金属原子の中で好ましいのはAl3+,Fe3+,Cr3+,Zr4+,Hf4+,Zn2+である。
【0083】
また、式中R1乃至R4は同一又は異なる基を示し、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基、−OH,−NH2,−NH(CH3),−N(CH3)2,−OCH3,−O(C2H5),−COOH又は−CONH2を示す。好ましいR1としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びメトキシ基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好ましい。
【0084】
本発明のトナー粒子には、流動性向上剤が外添されていることが画質向上のために好ましい。流動性向上剤としては、ケイ酸微粉体,酸化チタン,酸化アルミニウム等の無機微粉体が好ましい。該無機微粉体は、シランカップリング剤,シリコーンオイル又はそれらの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。トナー粒子がフルカラー画像形成用の非磁性のカラートナー粒子である場合は、外添剤として、酸化チタン微粒子を使用することが好ましい。
【0085】
流動性向上剤は通常、トナー粒子100質量部に対して0.1〜5質量部使用される。
【0086】
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き混合機を用いるのが良い。
【0087】
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
【0088】
上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
【0089】
磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。
【0090】
本発明のトナーと磁性キャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
【0091】
酸価の測定方法
試料2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えても良い。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10水酸化カリウム〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量から次の計算式(III)で酸価を求める。
酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料質量 ……(III)
(ただしNはN/10 KOHのファクター)
【0092】
トナー中に磁性粉が含有する場合には、磁性体を酸で溶出させた残分を試料として測定する。
【0093】
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いて以下のようにして測定する。
【0094】
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。
【0095】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
【0096】
この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0097】
GPC測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0098】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0099】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0100】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0101】
(処理ワックスの製造法)
スチレンモノマー520gとノルマルブチルアクリレート120gに反応開始剤としてジクミルパーオキサイド80gを添加した後、加熱溶融したパラフィンワックスA3280g中に撹拌しながら滴下し、4時間反応させ、処理ワックス1を得た。
【0102】
パラフィンワックスの種類、スチレンモノマーの比率、不飽和カルボン酸系モノマーの種類や比率、加熱温度等を変え、同様に処理ワックスを得た。比率及び特性を表1、表2に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
(トナー製造法)
表3、表4に示すトナー材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。
さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、重量平均粒径8.0μmのトナー樹脂粒子を得た。
【0106】
上記トナー樹脂粒子100質量部に対して、n−C4H9Si(OCH3)3で処理した疎水性酸化チタン(BET110m2/g)1.0質量部を合せてトナー1とした。さらにトナー1と、シリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径50μm)とを、トナー濃度が6質量%になるように混合し、二成分系現像剤1とした。同様にしてトナー1〜21及び、現像剤1〜21を得た。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】
<実施例1>
以下のようにしてトナー1及び現像剤1の評価を行った。
【0110】
市販の普通紙フルカラー複写機(CLC900)を用い、常温環境下(23℃/60%)で、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて、連続複写2万枚の耐久試験を行った。
【0111】
現像性は耐久初期と2万枚耐久後の画像濃度の変化を評価の基準とした。画像濃度は、マクベス社製のマクベス濃度計にてオリジナル画像のベタ部(初期画像濃度=1.5)を5回平均し、画像濃度の変化値を見た。
【0112】
転写性は、耐久前後の画像を現像,転写し、感光体上の転写前のトナー量(単位面積あたり)と、転写材上のトナー量(単位面積あたり)をそれぞれ測定し、下式により求めた。
転写率(%)=(転写材上のトナー量)/(感光体上の転写前のトナー量)
×100
【0113】
クリーニング性は、クリーニング不良が若干でも発生した時点の耐久枚数を表示する。
【0114】
カブリは白地部分の白色度をリフレクトメーター(東京電色社製)により測定し、その白色度と転写紙の白色度の差からカブリ濃度(%)を算出し、評価した。評価基準は次の通りである。
A:非常に良好(1.0%未満)
B:良好(1.0%〜2.0%)
C:普通(2.0%〜3.0%)
D:悪い(3.0%以上)
【0115】
定着温度領域はカラー複写機CLC900(キヤノン製)のオイル塗布機構を取り外し、さらに定着温度を自由に設定できるように改造して定着試験をおこなった。このときの画像面積比率は25%であり、単位面積当たりのトナー載り量は、0.7mg/cm2に設定した。定着開始温度とオフセット開始温度の測定は、定着器の設定温度を110〜250℃迄の温度範囲で5℃おきに温度調節して、各々の温度で定着画像を出力し、得られた定着画像を4.9kPa(50g/cm2)の荷重をかけたシルボン紙で摺擦し、摺擦前後の濃度低下率が10%以下となる定着温度を定着開始温度とした。また定着開始温度から更に設定温度を上げて行き、目視で高温オフセットの発生した温度をオフセット開始温度とした。
【0116】
トナーの保存性に関しては、50℃のオーブン内にて1週間放置することにより評価した。該評価としては目視による凝集性のレベルを判定した。トナー凝集性評価基準を以下に示す。
A:凝集体が全く見られなく流動性が非常に良い
B:凝集体が全く見られない
C:若干の凝集体は見られるがすぐにほぐれる
D:現像剤撹拌装置で凝集体がほぐれる(普通)
E:現像剤撹拌装置では凝集体が十分にほぐれない(やや悪い)
【0117】
評価の結果、転写性、クリーニング性が良く、20000枚後の耐久性も非常に良好現像性を示し、カブリも発生しなかった。
【0118】
また、低温定着性、耐ホットオフセット性にも優れ、広い定着温度幅をとることができた。結果を表5、6に示す。
【0119】
<実施例2、3、参考例4、実施例5、6、7、参考例8>
実施例1と同様にしてトナー2〜8及び現像剤2〜8の評価を行った。
【0120】
実施例2、3、参考例4、実施例5、6、7、参考例8も実施例1と同様に、転写性、クリーニング性が良く、20000枚後の耐久性も非常に良好現像性を示し、カブリも発生しなかった。
【0121】
また、低温定着性、耐ホットオフセット性にも優れ、広い定着温度幅をとることができた。結果を表5、6に示す。
【0122】
<参考例9>
実施例1と同様にしてトナー9及び現像剤9の評価を行った。
【0123】
参考例9では耐久後において、若干の画像濃度の低下が見られたが、問題無かった。また、保存性が若干不利であったが、問題ないレベルであった。結果を表5、6に示す。
【0124】
<参考例10>
実施例1と同様にしてトナー10及び現像剤10の評価を行った。
【0125】
参考例10では定着開始温度が若干高くなったが、使用上問題無かった。結果を表5、6に示す。
【0126】
<実施例11>
実施例1と同様にしてトナー11及び現像剤11の評価を行った。
【0127】
実施例11では定着温度幅が狭くなったが問題無かった。結果を表5、6に示す。
【0128】
<参考例12>
実施例1と同様にしてトナー12及び現像剤12の評価を行った。
【0129】
参考例12では耐久後において、画像濃度の低下が見られ、保存性が若干不利であったが、使用上問題無かった。結果を表5、6に示す。
【0130】
<実施例13>
マゼンタ現像剤、イエロー現像剤、シアン現像剤、及び現像剤1を用いてカラー複写機CLC−900にてフルカラーモードで常温環境下(23℃/60%)で、画像面積比率25%のオリジナル原稿を用いて、連続複写2万枚の耐久試験を行った。フルカラーモードにおいても画像濃度の低下やカブリが無く、転写性、クリーニング性にも優れたトナーを得ることができた。
【0131】
また、CLC−900のオイル塗布機構を取り外し、さらに定着温度を160℃設定してフルカラーの画像を出力した。色再現性の優れた画像を出力することができた。
【0132】
<比較例1>
実施例1と同様にしてトナー16及び現像剤16の評価を行った。
【0133】
比較例1では処理ワックスの軟化点が低いためか、保存性が著しく悪くなった。また、耐久後、画像濃度の低下やカブリが発生した。結果を表5、6に示す。
【0134】
<比較例2>
実施例1と同様にしてトナー17及び現像剤17の評価を行った。
【0135】
比較例2では処理ワックスの軟化点が高いためか、低温定着性が悪くなった。
結果を表5、6に示す。
【0136】
<比較例3>
実施例1と同様にしてトナー18及び現像剤18の評価を行った。
【0137】
比較例3では処理ワックスの離型性がほとんど無いためか定着温度領域がほとんど無かった。結果を表5、6に示す。
【0138】
<比較例4>
実施例1と同様にしてトナー19及び現像剤19の評価を行った。
【0139】
比較例4ではトナー中の処理ワックスが脱離しているためか、耐久後、画像濃度の低下が見られた。また、脱離ワックスがキャリアも汚染しているためか、カブリが発生した。また、クリーニング不良の発生も早く、転写性も悪化した。結果を表5、6に示す。
【0140】
<比較例5>
実施例1と同様にしてトナー20及び現像剤20の評価を行った。
【0141】
比較例5ではトナーの保存性が著しく悪くなった。また、軟化したトナーがキャリア等を汚染しているためか、十分な帯電が得られず、カブリが発生した。また、クリーニング不良の発生も早く、転写性も悪化した。結果を表5、6に示す。
【0142】
<比較例6>
実施例1と同様にしてトナー21及び現像剤21の評価を行った。
【0143】
比較例6では処理ワックスの定着時のしみ出しが阻害されているためか、定着温度幅が狭くなった。結果を表5、6に示す。
【0144】
<比較例7>
実施例1と同様にしてトナー22及び現像剤22の評価を行った。
【0145】
比較例7では処理ワックスが樹脂中に微分散し過ぎているためか、定着温度幅がほとんど無くなった。結果を表5、6に示す。
【0146】
<比較例8>
実施例1と同様にしてトナー23及び現像剤23の評価を行った。
【0147】
比較例8ではトナー中のワックスが脱離しているためか、耐久後、画像濃度の低下が見られた。また、脱離ワックスがキャリアも汚染しているためか、カブリが発生した。また、クリーニング不良の発生も早く、転写性も悪化した。結果を表5、6に示す。
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、トナーの原材料である離型剤の改良によって、低温定着が可能で、耐オフセット性に優れ、さまざまな環境に対して、長期にわたり使用しても高い画像品質の安定性、耐久性に優れるとともに転写性、クリーニング性に優れたトナーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】GPC分子量分布曲線における、高分子側の面積▲1▼と低分子側の面積▲2▼の説明図である。
【図2】GPC分子量分布曲線における、高分子側の面積▲1▼と低分子側の面積▲2▼の説明図である。
Claims (1)
- 結着樹脂、着色剤及び離型剤を少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーにおいて、
該トナーの示差走査熱量計(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が60〜90℃の範囲にあり、
該結着樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド樹脂であり、
該離型剤は、スチレン系モノマー又はスチレン系モノマーと不飽和カルボン酸系モノマーの5乃至100質量部でラジカル触媒の存在下でパラフィンワックス100質量部を処理した処理ワックスであり、該処理ワックスは、テトラヒドロフラン(THF)の可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量測定で2ピークを有し、高分子量側のピークの面積を(1)、低分子量側のピークの面積を(2)とすると、面積比が、
0.2≦(2)/((1)+(2))≦0.8 (式1)
を満たし、
さらに、(1)の数平均分子量(Mn(1))が8,000以下、(2)の数平均分子量(Mn(2))が200以上を満足し、さらに下記式
1000≦(Mn(1)−Mn(2))≦6000 (式2)
を満足し、
該トナーの酸価が23.1〜30.7mgKOH/gであり、
該トナーのTHF可溶分のGPCによる分子量分布が、分子量3,000〜40,000の領域にメインピークが存在し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が100以上であり、
該処理ワックスは、トナー中の樹脂成分100質量部に対して2乃至10質量部含有されていることを特徴とするトナー。
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