JP2002023424A - カラートナー - Google Patents

カラートナー

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JP2002023424A
JP2002023424A JP2000208025A JP2000208025A JP2002023424A JP 2002023424 A JP2002023424 A JP 2002023424A JP 2000208025 A JP2000208025 A JP 2000208025A JP 2000208025 A JP2000208025 A JP 2000208025A JP 2002023424 A JP2002023424 A JP 2002023424A
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Japan
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toner
color toner
temperature
resin
mass
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JP2000208025A
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English (en)
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Nobuyoshi Sugawara
庸好 菅原
Takayuki Itakura
隆行 板倉
Yojiro Hotta
洋二朗 堀田
Takaaki Kamitaki
隆晃 上滝
Hagumu Iida
育 飯田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐ブロッキング性、低温定着性、耐高温オフ
セット性、光沢性、OHP透明性に優れるとともに転写
性も良好なカラートナーを提供することにある。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及び
エステルワックスを少なくとも含有するカラートナーに
おいて、該トナーの酸価が5〜45mgKOH/gであ
り、該結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポ
リエステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有
しているハイブリッド樹脂成分、又は(c)それらの混
合物を含有し、該トナーの樹脂成分は、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)による分子量分布
において、分子量5,000〜70,000の領域にメ
インピークが存在し、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が100以上であ
り、該有機金属化合物が該結着樹脂100質量部に対し
て2.3〜10質量部含有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカラートナー−に関
し、高温オフセットを防止するためのオイルを使用しな
いか、又は、オイルの使用量を少なくした加熱加圧定着
手段を用いても高精細性を発現するカラートナーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、提案されているフルカラー複写機
においては、4つの感光体とベルト状転写体を用い、各
感光体上にそれぞれ形成された静電荷像をシアントナ
ー,マゼンタトナー,イエロートナー及びブラックトナ
ーを用い現像後、感光体とベルト転写体間に転写材を搬
送しストレートパス間で転写後、フルカラー画像を形成
せしめる方法や、感光体に対向せしめた転写体表面に静
電気力やグリッパーの如き機械的作用により転写材を巻
き付け、現像−転写工程を4回実施することでフルカラ
ー画像を得る方法が一般的に利用されている。
【0003】これらフルカラー用複写機に登載されるト
ナーとしては、色再現性の向上やオーバーヘッドプロジ
ェクター(OHP)画像の透明性を損なうことなく加熱
加圧定着工程で各トナーが十分混色することが必要であ
る。一般の白黒複写機用黒トナーと較べフルカラー画像
用トナーは、シャープメルト性を有する低分子量結着樹
脂が好ましい。しかしながら、通常、シャープメルト性
結着樹脂を用いると加熱加圧定着工程でトナーが溶融し
た際、結着樹脂の自己凝集力が低いため耐高温オフセッ
ト性に問題を生じ易い。一般の白黒複写機用黒トナーで
は、定着時の耐高温オフセット性を向上させるためポリ
エチレンワックスやポリプロピレンワックスに代表され
る比較的高結晶性のワックスが離型剤として用いられて
いる。例えば特公昭52−3304号公報、特公昭52
−3305号公報、特開昭57−52574号公報に提
案されている。フルカラー画像用トナーにおいては、こ
の離型剤自身の高結晶性やOHP用シートの材質との屈
折率の違いのためOHPで透映した際、透明性が阻害さ
れ、投影像は彩度や明度が低くなる。
【0004】この問題を解決するため、造核材をワック
スと併用することでワックスの結晶性を低下させる方法
が、特開平4−149559号公報や特開平4−107
467号公報に提案されている。更に結晶化度の低いワ
ックスを用いる方法が特開平4−301853号公報や
特開平5−61238号公報に提案されている。比較的
透明性が良く融点の低いワックスとしてモンタン系ワッ
クスがあり、モンタン系ワックスの使用が、特開平1−
185660号公報、特開平1−185661号公報、
特開平1−185662号公報、特開平1−18566
3号公報、特開平1−238672号公報に提案されて
いる。しかしながら、これらのワックスは、OHPでの
透明性と加熱加圧定着時の低温定着性及び耐高温オフセ
ット性の全てが十分満足されるものではない。
【0005】更に特開平10−207126号公報で
は、少なくとも結着樹脂、着色剤、ワックスを有するカ
ラートナーにおいて、前記結着樹脂のうち、重量平均分
子量(Mw)と、数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が15〜30であり、かつMwが15000〜70
000の範囲である結着樹脂(A)を70質量%以上含
有することを特徴とするカラートナーの提案がされてい
る。しかしこのトナーではMw/Mnが小さく、広い定
着温度領域を確保することが不十分である。
【0006】このため通常のカラートナーでは、離型剤
を極力添加せずに加熱定着ローラーへシリコーンオイル
やフッ素オイルの如きオイルを塗布せしめ耐高温オフセ
ット性の向上とOHPでの透明性を図っている。しかし
ながら、このようにして得られた定着画像は、その表面
に余分のオイルが付着している。オイルが感光体に付着
して汚染したりオイルが定着ローラーを膨潤し、定着ロ
ーラーの寿命を短かくする場合がある。定着画像上への
オイルスジを発生させないため、オイルを均一に且つ定
量的に定着ローラー表面上に供給する必要性があり、定
着装置が大型化する傾向にある。
【0007】そのため、高温オフセットを防止するため
のオイルを使用しないか、又は、オイルの使用量を少な
くした加熱加圧定着手段において、オフセットの発生が
抑制されているトナーであり、さらに、定着画像の透明
性に優れているトナーが待望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したカラートナーを提供するもので
ある。
【0009】本発明の目的は、OHPでの透明性が良好
で且つ耐高温オフセット性に優れた広い定着温度幅を有
するカラートナーを提供することにある。
【0010】本発明の目的は、低温定着性に優れたカラ
ートナーを提供することにある。
【0011】本発明の目的は、耐ブロッキング性に優れ
たカラートナーを提供することにある。
【0012】本発明の目的は、転写性に優れたカラート
ナーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、結着
樹脂、着色剤、有機金属化合物及びエステルワックスを
少なくとも含有するカラートナーにおいて、該トナーの
酸価が5〜45mgKOH/gであり、該結着樹脂は、
(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエステルユニット
とビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッ
ド樹脂成分、又は(c)それらの混合物を含有し、該ト
ナーの樹脂成分は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)による分子量分布において、分子量
5,000〜70,000の領域にメインピークが存在
し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比(Mw/Mn)が100以上であり、該有機金属化
合物が該結着樹脂100質量部に対して2.3〜10質
量部含有していることを特徴とするカラートナーに関す
る。
【0014】本発明者らは鋭意検討の結果、高温オフセ
ットを防止するためのオイルを使用しないか、又は、オ
イルの使用量を少なくした加熱加圧定着手段において
も、低温定着性と耐高温オフセット性を両立させたカラ
ートナーを得るために、GPCによる分子量分布におい
て、分子量5,000〜70,000の領域にメインピ
ークが存在し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)との比(Mw/Mn)が100以上であること
を特徴とする(a)ポリエステル樹脂(b)ポリエステ
ルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有している
ハイブリッド樹脂成分又は(c)それらの混合物を結着
樹脂とし、有機金属化合物を結着樹脂100質量部に対
して2.3〜10質量部、そしてワックスを用いること
により上記問題を解決できることを見出した。
【0015】本発明者らはさらに鋭意検討の結果、上記
ワックスとしてエステルワックスを用いることにより、
OHPでの透明性が良好で、さらに優れた転写性を保持
できることを見出し、上記構成の本発明に至ったもので
ある。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、トナーの樹脂成
分におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)による分子量分布とは、トナーをTHF溶媒
に溶解させて得られたTHF可溶成分を用いてGPCに
より測定した分子量分布を意味する。
【0017】本発明のトナーは、THF可溶分(樹脂成
分)のGPCにより測定される分子量分布が、メインピ
ークを分子量5,000〜70,000の領域に有して
おり、好ましくは、分子量5,500乃至60,000
の領域に有していることが良く、Mw/Mnが100以
上であることが好ましい。メインピークを分子量5,0
00未満の領域に有する場合には、トナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、メインピークを分子
量70,000超の領域に有する場合にはトナーの低温
定着性が損なわれる場合があり好ましくない。また、M
w/Mnが100未満である場合には広い定着温度幅を
得ることが不可能となる。
【0018】また、トナーの酸価は5〜45mgKOH
/gであることが良く、より好ましくは10〜40mg
KOH/gが良い。5mgKOH/g未満であると、顔
料や有機金属化合物が分散しにくいためか、帯電不良や
画像にムラができたり、カブリなどが発生しやすくな
る。45mgKOH/gを超える場合は結着樹脂の吸湿
性が高まるためにトナーの電荷緩和が強くなり、トナー
飛散や転写性が悪くなる。
【0019】本発明に用いられる結着樹脂について説明
する。
【0020】結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用
いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボ
ン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとし
て使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分
としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ
プロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポ
リオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン
(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノー
ルAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテ
トラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加
ビスフェノールA等が挙げられる。
【0021】3価以上のアルコール成分としては、例え
ばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,
2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリ
オール、グリセロール、2−メチルプロパントリオー
ル、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリ
メチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,
5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0022】酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0023】それらの中でも、特に、下記一般式(1)
で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分と
し、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその
低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例え
ば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル
酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸
等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル
樹脂が、カラートナーとして、良好な帯電特性を有する
ので好ましい。
【0024】
【化1】
【0025】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと
(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル
基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニット
とがエステル交換反応によって形成されるものであり、
好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユ
ニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブ
ロック共重合体)を形成するものである。
【0026】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレ
ン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチ
レン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレ
ン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニ
トロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレ
ン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの
如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、
臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの
如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モ
ノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、
アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニル
ケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタ
リン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導
体等が挙げられる。
【0027】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0028】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0029】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられる。
【0030】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0031】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。
【0032】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0033】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0034】本発明のトナーに用いられるハイブリッド
樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の
(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0035】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造され
る。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポ
リエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解
・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、
加熱することによりエステル交換反応を行なって合成さ
れるエステル化合物を用いることができる。
【0036】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。
【0037】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0038】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。
【0039】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。
【0040】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。
【0041】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0042】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
上記ポリエステルとビニル系共重合体との混合物を使用
しても良い。
【0043】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
上記ハイブリッド樹脂とビニル系共重合体との混合物を
使用しても良い。
【0044】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
上記ポリエステル樹脂と上記ハイブリッド樹脂に加えて
ビニル系共重合体の混合物を使用しても良い。
【0045】本発明のトナーに含有される結着樹脂のガ
ラス転移温度は40〜90℃が好ましく、より好ましく
は45〜85℃である。樹脂の酸価は5〜45mgKO
H/gであることが好ましい。
【0046】本発明のトナーに含有される有機金属化合
物としては、トナーに電荷を保有せしめるほかに、結着
樹脂と混練時架橋させるためのものであればいずれのも
のを用いても良いが、例えば下記に示す芳香族オキシカ
ルボン酸誘導体の金属化合物が挙げられる。
【0047】
【化2】
【0048】上記式中のM2は2価の金属原子であり、
Mg2+,Ca2+,Sr2+,Pb2+,Fe2+,Co2+,N
2+,Zn2+,Cu2+が挙げられる。M3は3価の金属
原子であり、Al3+,Cr3+,Fe3+,Ni3+が挙げら
れる。M4は4価の金属原子であり、Zr4+,Hf4+
Mn4+,Co4+が挙げられる。これらの金属原子の中で
好ましいのはAl3+,Fe3+,Cr3+,Zr4+,H
4+,Zn2+である。
【0049】また、式中R1乃至R4は同一又は異なる基
を示し、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素
数2〜12のアルケニル基、−OH,−NH2,−NH
(CH3),−N(CH32,−OCH3,−O(C
25),−COOH又は−CONH2を示す。好ましい
1としては、ヒドロキシル基、アミノ基及びメトキシ
基が挙げられるが、中でもヒドロキシル基が好ましい。
【0050】本発明のトナーに用いられる有機金属化合
物は、結着樹脂100質量部に対して2.3〜10質量
部、好ましくは2.5〜9質量部、より好ましくは2.
8〜8質量部含有していることが望ましい。2.3質量
部未満では混練時架橋があまり進行せず、トナーの耐高
温オフセット性が悪くなり、10質量部を超えると混練
時架橋が進行し過ぎて光沢性やOHP透明性が悪くな
る。
【0051】本発明のトナーに用いられるエステルワッ
クスは、高級アルコール成分と同じく高級カルボン酸成
分から合成されるのが一般的である。これら高級アルコ
ールや高級カルボン酸成分は、通常天然物から得られる
ことが多く一般的には、偶数の炭素数を有する混合物か
ら構成されている。これら混合物をそのままエステル化
した場合、目的とするエステル化合物の他に各種の類似
構造物を持つ副生成物を副生するために、トナーの各特
性に悪影響を及ぼしやすい。そのため原材料や生成物を
溶剤抽出や減圧蒸留操作を用いて精製することで、本発
明で使用するエステルワックスを得ることができる。
【0052】本発明でエステルワックスを構成するエス
テル化合物R1−COO−R2としては、R1及び/又は
2が飽和炭化水素基(より好ましくはアルキル基)で
ある化合物が好ましい。特に、R1が炭素数15〜45
の直鎖状のアルキル基であり、R2が炭素数16〜44
の直鎖状のアルキル基であるエステル化合物が好まし
い。例えば、以下のエステル化合物が挙げられる。
【0053】
【化3】
【0054】本発明に用いられるエステルワックスは、
トータルの炭素数が異なるエステル化合物同士を併用し
て用いても良い。
【0055】さらに本発明に用いられるトナーは、エス
テルワックスと他のワックスを併用して用いても良い。
その際、全ワックス中のエステルワックスの比率が10
質量%以上であることが好ましい。
【0056】エステル化合物R1−COO−R2を有する
エステルワックスはASTM D3418−8に準じて
測定される吸熱曲線における主体極大ピーク(main
peak)値の温度(以下、「融点」と称す)が40〜
100℃(より好ましくは、50〜90℃)であること
がトナーの低温定着性と耐オフセット性の点で好まし
い。
【0057】融点が40℃未満であるエステルワックス
は、エステルワックスの自己凝集力が弱く、結果として
耐高温オフセット性が低下するので好ましくない。一
方、融点が100℃を超えるエステルワックスは、トナ
ーの定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に平滑化
せしめることが困難となり混色性が低下することから好
ましくない。
【0058】ASTM D3418−8に準ずる測定に
は、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用い行
う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を
用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用い
る。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パ
ンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行
う。
【0059】エステルワックスの添加量は、両面定着画
像を得る場合を考慮すると、結着樹脂100質量部あた
り1〜30質量部使用する。1質量部未満の添加では耐
高温オフセット性が低下する。30質量部を超える場合
は、トナーの製造時に、装置内の融着が発生しやすく、
またトナーの耐久性が低下しやすい。
【0060】カラートナーの着色剤としては、公知の染
料または/及び顔料が使用される。
【0061】例えば染料としては、C.I.ダイレクト
レッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシ
ッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.
モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー
9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシック
ブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モー
ダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.
I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリー
ン6、ソルベントイエロー162、等が挙げられる。
【0062】顔料としては、ミネラルファストイエロ
ー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザ
イエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジ
ンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、
パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウ
ム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マ
ンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビ
クトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロム
グリーン、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーン
レーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられ
る。
【0063】また、フルカラー画像形成用トナーとして
使用する場合には、マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209,238,C.I.ピ
グメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,
2,10,13,15,23,29,35等が挙げられ
る。
【0064】係る顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121,C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1の如き油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0065】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17;C.I.アシ
ッドブルー6;C.I.アシッドブルー45又はフタロ
シアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換し
た銅フタロシアニン顔料等である。
【0066】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73、74,83,93,97,155、180、
C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0067】本発明に用いられる黒色着色剤としてカー
ボンブラック,磁性体,上記に示すイエロー/マゼンタ
/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用でき
る。
【0068】着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部
に対して好ましくは0.1〜15質量部、より好ましく
は0.5〜12質量部、最も好ましくは3〜10質量部
が良い。
【0069】本発明のトナーは、示差熱分析(DSC)
測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の
範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜10
0℃、より好ましくは55〜95の範囲にあることが好
ましい。
【0070】さらに本発明のトナーは、DSC測定にお
ける発熱曲線において、温度30〜200℃の範囲にお
ける最大発熱ピークのピーク温度が40〜90℃、より
好ましくは45〜85の範囲にあることが好ましい。
【0071】吸熱曲線の最大ピークが100℃超、発熱
曲線の最大ピークが90℃超である場合はトナーの低温
定着性が悪くなり、吸熱曲線の最大ピークが50℃未
満、発熱曲線の最大ピークが40℃未満である場合はト
ナーの耐ブロッキング性が悪くなる。
【0072】さらに本発明のトナーの吸熱曲線の最大ピ
ークと発熱曲線の最大ピークとの差が10℃以下である
ことが定着性において望ましい。
【0073】本発明のトナー粒子には、流動性向上剤が
外添されていることが画質向上のために好ましい。流動
性向上剤としては、ケイ酸微粉体,酸化チタン,酸化ア
ルミニウム等の無機微粉体が好ましい。該無機微粉体
は、シランカップリング剤,シリコーンオイル又はそれ
らの混合物の如き疎水化剤で疎水化されていることが好
ましい。トナー粒子がフルカラー画像形成用の非磁性の
カラートナー粒子である場合は、外添剤として、酸化チ
タン微粒子を使用することが好ましい。流動性向上剤は
通常、トナー粒子100質量部に対して0.1〜5質量
部使用される。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシ
ェルミキサーの如き混合機を用いるのが良い。
【0074】本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる
場合は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。
磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の
鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロ
ム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物
粒子及びフェライト等が使用できる。
【0075】上記磁性キャリア粒子の表面を樹脂で被覆
した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印
加する現像法において特に好ましい。被覆方法として
は、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せし
めて調製した塗布液を磁性キャリアコア粒子表面に付着
せしめる方法、磁性キャリアコア粒子と被覆材とを粉体
で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
【0076】磁性キャリアコア粒子表面への被覆材料と
しては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチ
ラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これら
は、単独或いは複数で用いる。
【0077】上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒
子に対し0.1〜30質量%(好ましくは0.5〜20
質量%)が好ましい。これらキャリアの平均粒径は10
〜100μm、好ましくは20〜70μmを有すること
が好ましい。
【0078】本発明のトナーと磁性キャリアとを混合し
て二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像
剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは
4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、
15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやす
い。
【0079】次に、本発明のトナーを適用し、電子写真
法によりフルカラー画像を形成する方法を図1を参照し
ながら説明する。
【0080】図1は、電子写真法によりフルカラーの画
像を形成するための画像形成装置の一例を示す概略構成
図である。図1の画像形成装置は、フルカラー複写機又
はフルカラープリンタとして使用される。フルカラー複
写機の場合は、図1に示すように、上部にデジタルカラ
ー画像リーダ部、下部にデジタルカラー画像プリンタ部
を有する。
【0081】画像リーダ部において、原稿30を原稿台
ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査す
ることにより、原稿30からの反射光像をレンズ33に
よりフルカラーセンサ34に集光し、カラー色分解画像
信号を得る。カラー色分解画像信号は、増幅回路(図示
せず)を経てビデオ処理ユニット(図示せず)にて処理
を施され、デジタル画像プリンタ部に送出される。
【0082】画像プリンタ部において、像担持体である
感光ドラム1は、たとえば有機光導電体を有する感光層
を有し、矢印方向に回転自在に担持されている。感光ド
ラム1の回りには、前露光ランプ11、コロナ帯電器
2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、色の異なる
4個の現像器4Y,4C,4M,4B、ドラム上光量検
知手段13、転写装置5およびクリーニング器6が配置
されている。
【0083】レーザ露光光学系において、リーダ部から
の画像信号は、レーザ出力部(図示せず)にてイメージ
スキャン露光の光信号に変換され、変換されたレーザ光
がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3bおよびミ
ラー3cを介して、感光ドラム1の面上に投影される。
【0084】プリンタ部は、画像形成時、感光ドラム1
を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後
に感光ドラム1を帯電器2により一様にマイナス帯電さ
せて、各分解色ごとに光像Eを照射し、感光ドラム1上
に静電荷像を形成する。
【0085】次に、所定の現像器を動作させて感光ドラ
ム1上の静電荷像を現像し、感光ドラム1上にトナーに
よるトナー画像を形成する。現像器4Y,4C,4M,
4Bは、それぞれの偏心カム24Y,24C,24M,
24Bの動作により、各分解色に応じて択一的に感光ド
ラム1に接近して、現像を行う。
【0086】転写装置は、転写ドラム5a、転写帯電器
5b、記録材としての転写材を静電吸着するための吸着
帯電器5cおよびこれと対向する吸着ローラ5g、そし
て内側帯電器5d、外側帯電器5e、分離帯電器5hを
有している。転写ドラム5aは、回転駆動可能に軸支さ
れ、その周面の開口域に転写材を担持する転写材担持体
である転写シート5fが、円筒上に一体的に調節されて
いる。転写シート5fにはポリカーボネートフィルムの
如き樹脂フィルムが使用される。
【0087】転写材はカセット7a、7bまたは7cか
ら転写シート搬送系を通って転写ドラム5aに搬送さ
れ、転写ドラム5a上に担持される。転写ドラム5a上
に担持された転写材は、転写ドラム5aの回転にともな
い感光ドラム1と対向した転写位置に繰り返し搬送さ
れ、転写位置を通過する過程で転写帯電器5bの作用に
より、転写材上に感光ドラム1上のトナー画像が転写さ
れる。
【0088】トナー画像は、感光体から直接転写材へ転
写されても良く、また、感光体上のトナー画像を中間転
写体へ転写し、中間転写体からトナー画像を転写材へ転
写しても良い。
【0089】上記の画像形成工程を、イエロー(Y)、
マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(B)に
ついて繰り返し、転写ドラム5上の転写材上に4色のト
ナー画像を重ねたカラー画像が得られる。
【0090】このようにして4色のトナー画像が転写さ
れた転写材は、分離爪8a、分離押上げコロ8bおよび
分離帯電器5hの作用により、転写ドラム5aから分離
して加熱加圧定着器9に送られ、そこで加熱加圧定着す
ることによりトナーの混色、発色および転写材への固定
が行われて、フルカラーの定着画像とされたのちトレイ
10に排紙され、フルカラー画像の形成が終了する。
【0091】このとき、加熱加圧定着器9での定着動作
速度は、本体のプロセススピード(例えば160mm/
sec)より遅い(例えば90mm/sec)で行われ
る。これは、トナーが二層から四層積層された未定着画
像を溶融混色させる場合、十分な加熱量をトナーに与え
なければならないためで、現像速度より遅い速度で定着
を行うことによりトナーに対する加熱量を多くしてい
る。
【0092】図2において、定着手段である定着ローラ
ー39は、例えば厚さ5mmのアルミ製の芯金41上に
厚さ2mmのRTV(室温加硫型、JIS−A硬度2
0)シリコーンゴム層42、この外側に厚さ50μmの
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)層43を有し
ている。
【0093】一方、加圧手段である加圧ローラー40
は、例えば厚さ5mmのアルミの芯金44の上に厚さ2
mmのRTVシリコーンゴム層45(ゴム硬度JIS−
A硬度40)、この外側に厚さ150μm厚のPTFE
層を有している。
【0094】図2において、定着ローラー、加圧ローラ
ー共にその外径は、60mmφであるが、加圧ローラー
の方が硬度が高いため、白紙による排紙テストでは、両
ローラーの中心線を結ぶ線に対しての垂線より、排紙方
向は、加圧ローラー側になる。この排紙方向を加圧ロー
ラー側にすることが、画像面積の大きいコピー画像を定
着する場合の定着支持体の定着ローラー巻きつき防止に
極めて重要である。排紙方向を加圧ローラー側にする手
段としては、前記した硬度差をつける方法、或いは、加
圧ローラーの径を定着ローラーよりも小さくする方法、
加圧ローラー側の設定温度を定着ローラーよりも高く
し、定着紙背面、つまり加圧ローラー側の紙面の水分を
より多く蒸発させることにより、ごく少量の紙のちぢみ
を利用する方法などが挙げられる。
【0095】また、上記定着ローラー39には発熱手段
であるハロゲンヒータ46が配設され、加圧ローラー4
0には同じくハロゲンヒータ47が芯金内に配設されて
両面からの加熱を行っている。定着ローラー39及び加
圧ローラー40に当接されたサーミスタ48a及び48
bにより定着ローラー39及び加圧ローラーの温度が検
知され、この検知温度に基づき制御装置49a及び49
bによりハロゲンヒータ46及び47がそれぞれ制御さ
れ、定着ローラー39の温度及び加圧ローラー40の温
度が共に一定の温度(例えば、160℃±10℃に保つ
ように制御される。定着ローラー39と加圧ローラー4
0は加圧機構(図示せず)によって総圧390N(40
kgf)で加圧されている。
【0096】図2においてCオイル含浸紙ウェブによる
定着ローラークリーニング装置であり、C1は加圧ロー
ラーに付着したオイル及び汚れを除去するためのクリー
ニングブレードである。紙ウェブ含浸用オイルは、50
〜3000cStのシリコーンオイル(ジメチルシリコ
ーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル等のシリコー
ンオイル類)を用いることが、オイル塗布量を少量で一
定に供給することが容易であり、かつ、定着画像の品位
(特に均一光沢性、オイル痕)の高いものとなる。ま
た、オイルを塗布しない場合は、Cのクリーニング装置
を取り外すか、オイルを含浸していない紙、または布ウ
ェブを用いるか、クリーニングブレード、もしくはクリ
ーニングパッド、クリーニングローラーを用いるのが良
い。
【0097】クリーニング装置Cは、ノーメックス(商
品名)より成る不織布ウェブ46を押圧ローラー45に
て定着ローラー29に押し当ててクリーニングしてい
る。該ウェブ46は巻き取り装置(図示せず)により適
宜巻き取られ、定着ローラ29との当接部にトナー等が
堆積しないようにされている。
【0098】本発明のトナーは、低温定着性及び耐高温
オフセット性に優れているので離型剤の塗布量を少なく
することが可能であり、また、クリーニング装置の汚れ
量も少ない。
【0099】本発明のトナーのトナー像は、定着ローラ
ーの表面温度150℃±30℃の温度条件で加熱加圧定
着するのが良く、該記録材への該トナー画像の定着時
に、該定着部材から該記録材のトナー画像の定着面に供
給されるシリコーンオイルの記録材単位面積当たりの塗
布量が0〜1×10-7g/cm2であるのが良い。
【0100】塗布量が1×10-7g/cm2を超える場
合は、該記録材のギラツキが大きく、特に文字画像の視
認性を著しく阻害する。
【0101】上記の画像形成プロセスによって、本発明
のトナーを少なくとも有するカラートナー画像が記録材
シートに定着されることによって記録シートに形成され
たカラー画像が得られる。
【0102】本発明のトナーの物性値の測定方法は次の
通りである。
【0103】(1)酸価の測定方法 試料2〜10gを200〜300mlの三角フラスコに
秤量し、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒
約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性が悪いようで
あれば少量のアセトンを加えても良い。0.1%のブロ
ムチモールブルーとフェノールレッドの混合指示薬を用
い、あらかじめ標定されたN/10水酸化カリウム〜ア
ルコール溶液で滴定し、アルコールカリウム液の消費量
から次の計算式で酸価を求める。
【0104】酸価=KOH(ml数)×f×56.1/
試料質量 (ただしfはN/10 KOHのファクター)
【0105】トナー中に磁性粉が含有する場合には、磁
性体を酸で溶出させた残分を試料として測定する。
【0106】(2)示差熱分析測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0107】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲3
0〜200℃の間で、昇温速度,降温速度10℃/mi
nで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程,降温過程
で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメ
インピークの吸熱ピークが得られる。
【0108】(3)GPC測定による分子量分布 トナーの樹脂成分におけるGPCによる分子量分布は、
下記の通り、トナーをTHF溶媒に溶解させて得られた
THF可溶成分を用いて、GPCにより測定する。
【0109】すなわち、トナーをTHF中に入れ、数時
間放置した後十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の
合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。
このときTHF中への放置時間が24時間以上となるよ
うにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ
0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスク
H−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR
ゲルマンサイエンスジャパン社製などが利用できる)
を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃
度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調
整する。
【0110】上記の方法で調製された試料のGPCの測
定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化さ
せ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロ
フラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度
として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF
試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料
の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との
関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試
料としては、例えば東ソー社製或いはPressure
Chemical Co.製の分子量が6×102
2.1×103、4×103、1.75×104、5.1
×104、1.1×105、3.9×105、8.6×1
5、2×106、4.48×106のものを用い、少な
くとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが
適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用い
る。
【0111】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジ
ェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和
電工社製のshodex GPC KF−801,80
2,803,804,805,806,807の組み合
わせや、Waters社製のμ−styragel50
0、103、104、105の組み合わせを挙げることが
できる。
【0112】(4)トナー粒度分布の測定 本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布はコー
ルターカウンターTA−II型(コールター社製)を用
いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社
製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナト
リウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例え
ば、ISOTON R−II(コールターサイエンティ
フィックジャパン社製)が使用できる。測定法として
は、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤とし
て界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン
酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1
〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00
μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個
数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布か
ら求めた重量基準の重量平均粒径(D4)(各チャンネ
ルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0113】チャンネルとしては、2.00〜2.52
μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μ
m;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μ
m;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μ
m;10.08〜12.70μm;12.70〜16.
00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜
25.40μm;25.40〜32.00μm;32.
00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0114】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0115】(ハイブリッド樹脂製造例)ビニル系共重
合体として、スチレン2.0mol、2−エチルヘキシ
ルアクリレート0.21mol、フマル酸0.16mo
l、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジク
ミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れ
る。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mo
l、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフ
タル酸3.0mol、無水トリメリット酸2.0mo
l、コハク酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2g
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度
計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマ
ントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガス
で置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の
温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の
単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下し
た。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめて
ハイブリッド樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測
定の結果を表1に示す。
【0116】ビニル系共重合体の組成比、および、ポリ
エステルに対する量を変える以外は上記と同様にして、
表1に示したハイブリッド樹脂(2)を得た。
【0117】(ポリエステル樹脂製造例)ポリオキシプ
ロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン3.5mol、ポリオキシエチレン
(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン1.5mol、テレフタル酸1.5mol、無
水トリメリット酸1.0mol、フマル酸2.5mol
及び酸化ジブチル錫0.1gをガラス製4リットルの4
つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及
び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。
窒素雰囲気下で、220℃で5時間反応させ、ポリエス
テル樹脂(1)を得た。GPCによる分子量測定の結果
を表1に示す。
【0118】組成は変えないで、組成比と分子量を変
え、表1に示したポリエステル樹脂(2)を得た。
【0119】(ビニル系樹脂の製造例)トルエン溶媒1
000mlとビニル系共重合体として、スチレン2.4
mol、n−ブチルアクリレート0.26mol、モノ
ブチルマレート0.09mol、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド0.11molを、温度計,ステンレス製撹拌
棒,流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した3リ
ットルの4つ口フラスコに入れ、マントルヒーター中
で、窒素雰囲気にて120℃の温度で撹拌しつつトルエ
ンを還流させながら、反応させ、ビニル系樹脂(1)を
得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
【0120】・エステルワックス(A),(B)及び比
較エステルワックス(C)の調製ジムロート還流器、D
ean−Stark水分離器を備えた4つ口フラスコ反
応装置にベンゼン1740質量部、長鎖アルキルカルボ
ン酸成分1300質量部、長鎖アルキルアルコール成分
1200質量部、さらにp−トルエンスルホン酸120
質量部を加え十分撹拌し溶解後、5時間還流せしめた
後、水分離器のバルブを開け、共沸留去を行った。共沸
留去後炭酸水素ナトリウムで十分洗浄後、乾燥しベンゼ
ンを留去した。得られた生成物を再結晶後、洗浄し精製
してエステルワックスを得た。各エステルワックスは、
長鎖アルキルカルボン酸の種類及び量と、長鎖アルキル
アルコールの種類及び量とを変更することにより調製し
た。
【0121】各エステルワックスのデータを表2に示
す。
【0122】エステル化合物の含有量は、下記に説明す
るガスクロマトグラフィー法によって測定することがで
きる。
【0123】ガスクロマトグラフィー法(GC法)は、
GC−17A(島津製作所製)を用い測定される。試料
は、予めトルエンに1質量%濃度で溶解させた溶液を1
μlをオンカラムインジェクターを備えたGC装置に注
入する。カラムは、0.5mm径×10m長のUltr
a Alloy−1(HT)を用いる。カラムは初め4
0℃から40℃/min.の昇温スピードで200℃迄
昇温させ、更に15℃/min.で350℃迄昇温さ
せ、次に7℃/min.の昇温スピードで450℃迄昇
温させる。キャリアガスは、Heガスを50kPaの圧
力条件で流す。化合物種の同定は、別途炭素数が既知の
アルカンを注入し同一の流出時間同士を比較することや
ガス化成分をマススペクトマトグラフィーに導入するこ
とで構造を同定する。エステル化合物の含有量はクロマ
トグラムの総ピーク面積に対するピーク面積の比を求め
ることで算出する。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】<実施例1>以下の方法でシアントナー1
を調製した。 ・ハイブリッド樹脂(1) 100質量部 ・エステルワックス(A) 10質量部 ・C.I.ピグメントブルー15:3 5質量部 ・ジ−tert−ブチルサリチル酸アルミニウム錯体 4質量部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行った後、
二軸式押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用い
て粒径約1〜2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージ
ェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得ら
れた微粉砕物を多分割分級装置で分級して、重量平均粒
径8.0μmのシアン系樹脂粒子を得た。
【0127】上記シアン系樹脂粒子100質量部に対し
て、n−C49Si(OCH33で処理した疎水性酸化
チタン(BET110m2/g)1.0質量部を合せて
シアントナー1とした。さらにシアントナー1と、シリ
コーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子
(平均粒径50μm)とを、トナー濃度が6質量%にな
るように混合し、二成分系シアン現像剤1とした。トナ
ーの測定結果を表3に示す。
【0128】このシアン現像剤1を用いて、カラー複写
機CLC−800(キヤノン製)にて、未定着画像を作
成した。得られた未定着画像は、図2に示した定着装置
からローラークリーニング装置Cを取り外した定着装置
を用い、定着温度、速度を変えて定着試験をおこなっ
た。このときの画像面積比率は25%であり、単位面積
当たりのトナー載り量は、0.7mg/cm2に設定し
た。
【0129】OHP透明性の測定は、島津自記分光光度
計UV2200(島津製作所社製)を使用し、OHPフ
ィルム単独の透過率を100%とし、 マゼンタトナーの場合:650nm シアントナーの場合:500nm イエロートナーの場合:600nm での最大吸収波長における透過率を測定する。 A:85%以上 B:75〜85% C:65〜75% D:65%未満
【0130】転写性は、カラー複写機CLC−800
(キヤノン製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り
外した改造機を用いて50,000枚の耐久試験を行
い、耐久前後のベタ画像を現像,転写し、感光体上の転
写前のトナー量(単位面積あたり)と、転写材上のトナ
ー量(単位面積あたり)をそれぞれ測定し、下式により
求めた。
【0131】転写率(%)=(転写材上のトナー量)/
(感光体上の転写前のトナー量)×100
【0132】サンプルトナーの耐ブロッキング性に関し
ては、50℃のオーブン内にて1週間放置することによ
り評価した。該評価としては目視による凝集性のレベル
を判定した。
【0133】トナー凝集性評価基準を以下に示す。 A:凝集体が全く見られなく流動性が非常に良い B:凝集体が全く見られない C:若干の凝集体は見られるがすぐにほぐれる D:現像剤撹拌装置で凝集体がほぐれる(普通) E:現像剤撹拌装置では凝集体が十分にほぐれない(や
や悪い)
【0134】実施例1で得られた画像は転写性に優れる
とともに、光沢性、OHT透光性ともに良く、優れた定
着性、耐ブロッキング性を示した。結果を表4に示す。
【0135】<実施例2>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてポリエステル樹脂(1)を使用した以外は実施例1
と同様にしてシアントナー2及びシアン現像剤2を得
た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0136】さらに、実施例1と同様にしてトナーを評
価した。実施例2で得られた画像は、転写性に優れると
ともに、光沢性、OHT透光性ともに良く、優れた定着
性、耐ブロッキング性を示した。結果を表4に示す。
【0137】<実施例3>ハイブリッド樹脂(1)に替
えて、50質量部のポリエステル樹脂(1)と50質量
部のハイブリッド樹脂(1)との混合物を使用した以外
は実施例1と同様にしてシアントナー3及びシアン現像
剤3を得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0138】さらに、実施例1と同様にしてトナーを評
価した。実施例3で得られた画像は、転写性に優れると
ともに、光沢性、OHT透光性ともに良く、優れた定着
性、耐ブロッキング性を示した。結果を表4に示す。
【0139】<実施例4>ハイブリッド樹脂(1)に替
えて、80質量部のポリエステル樹脂(1)と20質量
部のビニル系樹脂(1)との混合物を使用した以外は実
施例1と同様にしてシアントナー4及びシアン現像剤4
を得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0140】さらに、実施例1と同様にしてトナーを評
価した。実施例4で得られた画像は、転写性に優れると
ともに、光沢性、OHT透光性ともに良く、優れた定着
性、耐ブロッキング性を示した。結果を表4に示す。
【0141】<実施例5>ハイブリッド樹脂(1)に替
えて、90質量部のハイブリッド樹脂(1)と10質量
部のビニル系樹脂(1)との混合物を使用した以外は実
施例1と同様にしてシアントナー5及びシアン現像剤5
を得た。トナーの測定結果を表3に示す。さらに、実施
例1と同様にしてトナーを評価した。実施例5で得られ
た画像は、転写性に優れるとともに、光沢性、OHT透
光性ともに良く、優れた定着性、耐ブロッキング性を示
した。結果を表4に示す。
【0142】<実施例6>ハイブリッド樹脂(1)に替
えて、60質量部のポリエステル樹脂(1),30質量
部のハイブリッド樹脂(1)及び10質量部のビニル系
樹脂(1)の混合物を使用した以外は実施例1と同様に
してシアントナー6及びシアン現像剤6を得た。トナー
の測定結果を表3に示す。さらに、実施例1と同様にし
てトナーを評価した。実施例6で得られた画像は、転写
性に優れるとともに、光沢性、OHT透光性ともに良
く、優れた定着性、耐ブロッキング性を示した。結果を
表4に示す。
【0143】<実施例7>エステルワックス(A)に替
えてエステルワックス(B)使用した以外は実施例1と
同様にしてシアントナー7及びシアン現像剤7を得た。
トナーの測定結果を表3に示す。さらに、実施例1と同
様にしてトナーを評価した。実施例7で得られた画像
は、転写性に優れるとともに、光沢性、OHT透光性と
もに良く、優れた定着性、耐ブロッキング性を示した。
結果を表4に示す。
【0144】<実施例8>エステルワックス(A)に替
えてエステルワックス(B)を6質量部、市販のパラフ
ィンワックス(パラフィンワックス 融点75.1℃)
を2質量部使用した以外は実施例1と同様にしてシアン
トナー8及びシアン現像剤8を得た。トナーの測定結果
を表3に示す。さらに、実施例1と同様にしてトナーを
評価した。実施例8で得られた画像は、転写性に優れる
とともに、光沢性、OHT透光性ともに良く、優れた定
着性、耐ブロッキング性を示した。結果を表4に示す。
【0145】<実施例9>ジ−tert−ブチルサリチ
ル酸アルミニウム錯体に替えてジ−tert−ブチルサ
リチル酸クロム錯体を6質量部使用した以外は実施例1
と同様にしてシアントナー9及びシアン現像剤9を得
た。トナーの測定結果を表3に示す。さらに、実施例1
と同様にしてトナーを評価した。実施例9で得られた画
像は、転写性に優れるとともに、光沢性、OHT透光性
ともに良く、優れた定着性、耐ブロッキング性を示し
た。結果を表4に示す。
【0146】<実施例10>ジ−tert−ブチルサリ
チル酸アルミニウム錯体を2.4質量部使用した以外は
実施例1と同様にしてシアントナー10及びシアン現像
剤10を得た。トナーの測定結果を表3に示す。さら
に、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例1
0で得られた画像は、転写性には優れていたが、混練時
架橋があまり進行しないため、高温側の定着温度幅はあ
まり広くなかった。光沢性、OHT透光性、耐ブロッキ
ング性はともに良かった。結果を表4に示す。
【0147】<実施例11>ハイブリッド樹脂(1)に
替えて、50質量部のポリエステル樹脂(1),20質
量部のハイブリッド樹脂(2)及び30質量部のビニル
系樹脂(1)の混合物を使用し、ジ−tert−ブチル
サリチル酸アルミニウム錯体を9質量部使用した以外は
実施例1と同様にしてシアントナー11及びシアン現像
剤11を得た。トナーの測定結果を表3に示す。さら
に、実施例1と同様にしてトナーを評価した。実施例1
1で得られた画像は、実施例1で得られたトナーに比べ
て低温定着性、光沢性、OHT透光性が若干低下する
が、優れた転写性及び耐ブロッキング性を示した。結果
を表4に示す。
【0148】<実施例12>C.I.ピグメントブルー
15:3に替えてC.I.ピグメントレッド202を6
質量部、C.I.ピグメントイエロー17を4質量部、
及びカーボンブラックを3部使用した以外は実施例1と
同様にしてマゼンタトナー1及びマゼンタ現像剤1、イ
エロートナー1及びイエロー現像剤1、ブラックトナー
1及びブラック現像剤1を得た。各トナーの測定結果を
表3に示す。
【0149】さらに実施例1のシアン現像剤1、実施例
12のマゼンタ現像剤1、イエロー現像剤1及びブラッ
ク現像剤1でカラー複写機CLC−800の改造機(定
着機構成をCP660と同様にオイルレス構成に改造)
にて、フルカラーモードで常温常湿環境下(23℃,6
0%)でオリジナル原稿を用いて、定着試験を行った。
光沢性、OHT透光性ともに良く、高精細なフルカラー
画像を得ることができた。
【0150】<比較例1>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてハイブリッド樹脂(2)を使用した以外は実施例1
と同様にしてシアントナー12及びシアン現像剤12を
得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0151】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
12を用いて評価した。
【0152】シアントナー12はMpが大きいため、非
常に硬いトナーとなり、光沢性、OHTの透過性が悪
く、またワックスが定着時にトナー表面に出にくくな
り、低温定着性を悪化させた。また、転写性も悪くなっ
た。結果を表4に示す。
【0153】<比較例2>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてポリエステル樹脂(2)を使用した以外は実施例1
と同様にしてシアントナー13及びシアン現像剤13を
得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0154】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
13を用いて評価した。
【0155】シアントナー13はMpが小さいため、非
常に軟らかいトナーとなり、耐ブロッキング性が悪くな
り、耐高温オフセット性を悪化させた。結果を表4に示
す。
【0156】<比較例3>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてビニル系樹脂(1)を使用した以外は実施例1と同
様にしてシアントナー14及びシアン現像剤14を得
た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0157】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
14を用いて評価した。
【0158】シアントナー14は光沢性、OHTの透過
性が悪く、また、耐ブロッキング性がやや悪くなった。
結果を表4に示す。
【0159】<比較例4>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてポリエステル樹脂(2)を使用し、エステルワック
ス(A)に替えてエステルワックス(C)を使用した以
外は実施例1と同様にしてシアントナー15及びシアン
現像剤15を得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0160】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
15を用いて評価した。
【0161】シアントナー15は低融点なワックスであ
るため、耐ブロッキング性が悪くなり、高温定着性を悪
化させた。結果を表4に示す。
【0162】<比較例5>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてポリエステル樹脂(2)を使用し、ジ−tert−
ブチルサリチル酸アルミニウム錯体を使用しない以外は
実施例1と同様にしてシアントナー16及びシアン現像
剤16を得た。トナーの測定結果を表3に示す。
【0163】さらに、実施例1と同様にしてシアン現像
剤16を用いて評価した。
【0164】シアントナー16はMpが小さいため、非
常に軟らかいトナーとなり、耐ブロッキング性が悪くな
り、耐高温オフセット性を悪化させた。また、混練時架
橋があまり進行しないため、高温側の定着温度幅も狭く
なり、定着点がほとんど無かった。
【0165】<比較例6>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてハイブリッド樹脂(2)を使用し、エステルワック
ス(A)に替えて市販のポリエチレンワックス(融点1
28℃)を使用した以外は実施例1と同様にしてシアン
トナー17及びシアン現像剤17を得た。トナーの測定
結果を表3に示す。
【0166】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
17を用いて評価した。
【0167】シアントナー17はワックスの高結晶性等
からOHPの透過性が悪く、また高融点であるためにワ
ックスが定着時にトナー表面に出にくくなり、低温、高
温定着性を悪化させた。さらに転写性も悪化した。結果
を表4に示す。
【0168】<比較例7>ハイブリッド樹脂(1)に替
えてハイブリッド樹脂(2)を使用し、エステルワック
ス(A)に替えて市販のポリプロピレンワックス(融点
148℃)を使用した以外は実施例1と同様にしてシア
ントナー18及びシアン現像剤18を得た。トナーの測
定結果を表3に示す。
【0169】さらに実施例1と同様にしてシアン現像剤
18を用いて評価した。
【0170】シアントナー18はワックスの高結晶性等
からOHPの透過性が悪く、また高融点であるためにワ
ックスが定着時にトナー表面に出にくくなり、低温、高
温定着性を悪化させた。さらに転写性も悪化した。結果
を表4に示す。
【0171】
【表3】
【0172】
【表4】
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、耐ブロッキング性、低
温定着性、耐高温オフセット性、光沢性、OHP透明性
に優れるとともに転写性も良好なカラートナーを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーを用いる画像形成装置の一例を
示す概略的断面図である。
【図2】加熱加圧定着手段の一例を示す概略的説明図で
ある。
【符号の説明】
1 感光ドラム(像担持体) 4 現像器 9 加熱加圧定着器
フロントページの続き (72)発明者 堀田 洋二朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 上滝 隆晃 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 飯田 育 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA02 CA08 CA14 CA21 CA25 DA02 DA04 DA06 DA10 EA03 EA06 EA07 EA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤、有機金属化合物及び
    エステルワックスを少なくとも含有するカラートナーに
    おいて、 該トナーの酸価が5〜45mgKOH/gであり、 該結着樹脂は、(a)ポリエステル樹脂、(b)ポリエ
    ステルユニットとビニル系共重合体ユニットとを有して
    いるハイブリッド樹脂成分、又は(c)それらの混合物
    を含有し、 該トナーの樹脂成分は、ゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)による分子量分布において、分子
    量5,000〜70,000の領域にメインピークが存
    在し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)
    との比(Mw/Mn)が100以上であり、 該有機金属化合物が該結着樹脂100質量部に対して
    2.3〜10質量部含有していることを特徴とするカラ
    ートナー。
  2. 【請求項2】 該トナーの酸価が10〜40mgKOH
    /gであることを特徴とする請求項1に記載のカラート
    ナー。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂は、(a)ポリエステル樹
    脂、(b)ポリエステルユニットとビニル系共重合体ユ
    ニットとを有しているハイブリッド樹脂成分、又は
    (c)それらの混合物に加えて、ビニル系共重合体をさ
    らに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラ
    ートナー。
  4. 【請求項4】 該結着樹脂は、ポリエステル樹脂とビニ
    ル系共重合体との混合物を含むことを特徴とする請求項
    1又は2に記載のカラートナー。
  5. 【請求項5】 該結着樹脂は、ポリエステルユニットと
    ビニル系共重合体ユニットとを有しているハイブリッド
    樹脂成分と、ビニル系共重合体との混合物を含むことを
    特徴とする請求項1又は2に記載のカラートナー。
  6. 【請求項6】 該有機金属化合物が該結着樹脂100質
    量部に対して2.5〜9質量部含有していることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載のカラートナ
    ー。
  7. 【請求項7】 該エステルワックスは、下記式 R1−COO−R2 (式中、R1及びR2は、同一又は異なる炭素数15〜4
    5の有機基を示す。)で示されるエステルワックスを含
    むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    カラートナー。
  8. 【請求項8】 該有機基は、炭素数15〜45のアルキ
    ル基を示すことを特徴とする請求項7に記載のカラート
    ナー。
  9. 【請求項9】 該カラートナーは、示差熱分析(DS
    C)測定における吸熱曲線において、温度30〜200
    ℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が50〜
    100℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至8
    のいずれかに記載のカラートナー。
  10. 【請求項10】 該カラートナーは、示差熱分析(DS
    C)測定における吸熱曲線において、温度30〜200
    ℃の範囲における最大吸熱ピークのピーク温度が55〜
    95℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至8の
    いずれかに記載のカラートナー。
  11. 【請求項11】 該カラートナーは、示差熱分析(DS
    C)測定における発熱曲線において、温度30〜200
    ℃の範囲における最大発熱ピークのピーク温度が40〜
    90℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれかに記載のカラートナー。
  12. 【請求項12】 該カラートナーは、示差熱分析(DS
    C)測定における発熱曲線において、温度30〜200
    ℃の範囲における最大発熱ピークのピーク温度が45〜
    85℃の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至10
    のいずれかに記載のカラートナー。
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