JP2000089514A - トナー - Google Patents

トナー

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JP2000089514A
JP2000089514A JP25496198A JP25496198A JP2000089514A JP 2000089514 A JP2000089514 A JP 2000089514A JP 25496198 A JP25496198 A JP 25496198A JP 25496198 A JP25496198 A JP 25496198A JP 2000089514 A JP2000089514 A JP 2000089514A
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Satoshi Matsunaga
聡 松永
Ganichi Endo
巌一 遠藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱ロール定着器を使用する中〜高速機、ある
いは、耐熱フィルムを介した固定発熱ヒーターによる圧
着加熱定着方式を使用する中〜低速機であっても良好な
低温定着性を示し、かつ低温から高温までオフセットに
よる加熱部材の汚染を生じることのないトナーを提供す
るものである。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤、ワックス及びサッカ
ライド化合物を少なくとも含有するトナーにおいて、
(a)サッカライド化合物がシクロデキストリンであ
り、(b)結着樹脂は、ビニル系重合体ユニットとポリ
エステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を
含み、(c)結着樹脂の酸価が5乃至40mgKOH/
gであり、(d)トナーの樹脂成分は、テトラヒドロフ
ラン(THF)不溶分を15乃至50重量%含有し、
(e)ワックスがゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー(GPC)で測定されるクロマトグラムにおいて、
分子量300乃至5000にメインピーク(Mp)を有
し、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/M
n)が1.2乃至15であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法,静電
記録法,静電印刷法,トナージェット方式記録法などを
利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧
力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像
を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発
されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー又は
耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱方
式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを
通過せしめることによりトナー像の定着を行なうもので
ある。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上の
トナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着
シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅
速に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状
態,加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ロー
ラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが再
転移し、被定着シートを汚す、オフセット現象が定着速
度,定着温度の影響を大きく受ける。一般に定着速度が
遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的低く設定
され、定着速度が速い場合は、加熱ローラーの表面温度
は比較的高く設定される。これは、トナーを定着させる
為に加熱ローラーからトナーに与える熱量を、定着速度
によらずほぼ一定にするためである。
【0006】被定着シート上のトナーは、何層かのトナ
ー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱ロー
ラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接
触するトナー層と、被定着シートに接触している最下層
のトナー層との温度差が、大となる為に、加熱ローラー
の表面温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセッ
ト現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い
場合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着
シートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が
起きやすい。
【0007】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへ
トナーをアンカーリングさせる方法が、通常行われてい
る。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げる
ことができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐ
ことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が
非常に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻
きつき、巻きつきオフセットが発生したり、定着ローラ
ーから被定着シートを分離するための分離爪の分離あと
が定着画像に出現しやすい。さらには、圧力が高いがゆ
えに、定着時にライン画像が押しつぶされたり、トナー
が飛びちったりして定着画像の画質劣化を生じ易い。
【0008】従来、トナー用樹脂としてはポリエステル
樹脂及びスチレン系樹脂などのビニル系共重合体が主に
使用されている。ポリエステル樹脂は低温定着性に優れ
た性能を有しているが、その反面高温でのオフセット現
象を発生しやすいという欠点を有すると言われ、この欠
点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾
性特性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合に
は低温定着性を損なうという問題点があり、また、トナ
ー製造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの
微粒子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0009】またスチレン系樹脂などのビニル系共重合
体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易
なため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着
性を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温
度を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してし
まうという問題点があった。
【0010】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。
【0011】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性、耐ブロッキング性をすべて満足す
るものとするのは難しい。
【0012】また、トナー製造時に添加される種々の添
加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの定
着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、特
に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの問
題が顕著となる。
【0013】また、特開昭56−116043号公報、
特開昭58−159546号公報では、ポリエステル樹
脂の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0014】特開昭58−102246号公報、特開平
1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存在
下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含有
することを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】特開平2−881号公報では、酸基を有す
る単量体を共重合したスチレン系樹脂とポリエステル樹
脂とがスチレン系樹脂の酸基を介してエステル結合した
重合体を含むことを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0016】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0017】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0018】上述の結着樹脂では、縮重合系樹脂と付加
重合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することがで
きる。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐
高温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低
温定着性は未だ不十分であり、トナーにワックスが含有
される場合にはワックスの分散状態を制御することが困
難であり、トナーに着色剤として磁性体を含有する磁性
トナーにおいては、磁性体の分散状態を制御することが
困難である。トナーとした場合には低温定着性ばかりで
なく、画像濃度、カブリ、画質等を総称する現像性にお
いても未だ改良すべき課題を残している。
【0019】特開平6−118719号公報、同6−1
24002号公報、同8−325305号公報ではシク
ロデキストリン誘導体、サイクロオリゴ糖、ポリサッカ
ライド等からなる包接化合物を荷電制御剤として使用し
たトナーあるいは使用方法が開示されているが、この様
な化合物を結着樹脂がビニル系重合体あるいはポリエス
テルであるトナーの荷電制御剤として使用した場合には
必ずしも帯電性が充分ではなく改善を求められている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決したトナーを提供するものである。
【0021】すなわち、本発明の目的は、熱ロール定着
器を使用する中〜高速機、あるいは、耐熱フィルムを介
した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用す
る中〜低速機であっても良好な低温定着性を示し、かつ
低温から高温までオフセットによる加熱部材の汚染を生
じることのないトナーを提供するものである。
【0022】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合においても良好なハーフトーン部の定着性を示
す低温定着性に優れたトナーを提供することにある。
【0023】本発明の他の目的は、着色剤(特に磁性
体)の含有量が増大した小粒径化したトナーに用いた場
合でも磁性体の分散状態及び荷電制御剤の分散状態を最
適に制御でき、トナーの粒度によらず一定の磁性体を含
有する耐久による画像濃度の変化が少ないトナーを提供
することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、着
色剤、ワックス及びサッカライド化合物を少なくとも含
有するトナーにおいて、(a)サッカライド化合物がシ
クロデキストリンであり、(b)結着樹脂は、ビニル系
重合体ユニットとポリエステルユニットを有しているハ
イブリッド樹脂成分を含み、(c)結着樹脂の酸価が5
乃至40mgKOH/gであり、(d)トナーの樹脂成
分は、テトラヒドロフラン(THF)不溶分を10乃至
50重量%含有し、(e)ワックスがゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)で測定されるクロマ
トグラムにおいて、分子量300乃至5000にメイン
ピーク(Mp)を有し、重量平均分子量と数平均分子量
との比(Mw/Mn)が1.2乃至15であることを特
徴とするトナーに関する。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明者の検討によれば、定着器
の加熱方式によらずオフセットによる定着部材の汚染を
発生させないためには、トナーの低温定着性、耐高温オ
フセット性を改良するだけでは不十分であり、定着部材
に対するトナーの離型性を向上させることが重要である
ことが判った。
【0026】従来は、トナーのオフセット現象を改良す
ることとトナーの定着性を改良することは同一視されて
きたが、結着樹脂、トナーに含有されるワックス等の改
良による定着性向上に付随する形でのオフセット改良で
は限界があり、不十分である。
【0027】また、水あるいはトナーの接触角で規定さ
れる定着部材、クリーニング部材の離型性の向上もトナ
ーの離型性が不十分である場合には、使用初期の段階で
は充分なオフセット防止効果が期待できても長期間使用
した場合には各部材の経年劣化を生じ、最終的にはオフ
セットが発生する場合がある。
【0028】従来、トナーの結着樹脂がTHF等の有機
溶媒に対する不溶分を有することは、トナーの耐ホット
オフセット性改良の観点で提案されるが、この様なトナ
ーであっても経年劣化した定着部材、クリーニング部材
に対しては充分なオフセット防止効果を発揮しない場合
がある。また、トナーは離型性を付与する目的でワック
スを含有させる場合があるが、経年劣化した定着部材、
クリーニング部材に対しては充分なオフセット防止効果
を維持するためには多量のワックスを含有させる必要が
ある。この場合にはトナーの現像性すなわち、画像濃度
の低下、カブリ濃度の上昇等の問題が生じ、更にはトナ
ー粒子に含有されるワックスの分散状態を制御するのが
困難であり、トナーが遊離したワックスを多量に含有す
ることになる。結果的に、感光体上のトナーのクリーニ
ングが充分にできずに残存し、画像欠陥となる場合があ
る。結着樹脂にポリエステルユニットを含有する場合は
ワックスの分散が困難であり、より顕著となる。
【0029】結着樹脂として、ビニル系重合体ユニット
とポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
組成物を含むトナーにおいて、経年劣化した定着部材及
びクリーニング部材に対しても充分なトナー付着防止効
果及びクリーニング効果を維持するには、ハイブリッド
樹脂組成物と良好な混合状態を示すばかりでなく、磁性
体及び荷電制御剤の分散を好適な状態に制御する特定の
構造を有するサッカライド化合物を含有させる必要があ
る。
【0030】本発明のトナーは特定のサッカライド化合
物を含有するものであり、好ましくはサッカライド化合
物が式(1)で表せるシクロデキストリン化合物となる
場合であり、更に好ましくは式(2)で表せるシクロデ
キストリン化合物となる場合であり、シクロデキストリ
ンが包接化合物を形成する場合である。
【0031】
【化6】 (式中、R1,R2は水酸基または炭素数1乃至30の直
鎖または分岐のアルキル基を表し、各々が同一であって
も異なっていても良い。R3は水素原子、メチル基また
は炭素数1乃至4のアルキル基を有するカルボン酸との
エステル結合を表し、jは6乃至20の整数を表す。)
【0032】
【化7】 (式中、kは6乃至8の整数を表す。)
【0033】本発明のトナーにおいて、シクロデキスト
リンが包接化合物を形成する場合には、好ましくは4級
アンモニウム化合物または金属を含有する塩、錯塩また
は錯体と包接化合物を形成する場合であり、更に好まし
くは金属がリチウム、ナトリウム、カリウム、ストロン
チウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム
及び亜鉛から選択されるもののうち少なくとも一種を含
有するものである。特に好ましくはナトリウム、カルシ
ウム、鉄、ジルコニウム及び亜鉛から選択されるものの
うち少なくとも一種を含有するものである。
【0034】本発明のトナーにおいて、シクロデキスト
リン化合物が包接化合物を形成する場合には、予め特定
の金属塩、錯塩または錯体と反応させて包接化合物とし
たものをトナー粒子の製造工程で添加することができ
る。また、シクロデキストリン化合物及びこれと包接化
合物を形成しうる金属原子を含有する金属塩、錯塩、錯
体あるいは有機金属化合物をトナー粒子の混練工程で添
加することができ、有機金属化合物を添加する場合に
は、該有機金属化合物が式(4)で表せる鉄原子を有す
るモノアゾ化合物からなる荷電制御剤となる場合であ
る。荷電制御剤である鉄原子を有するモノアゾ化合物と
シクロデキストリン化合物が同時にトナー粒子に存在す
ると、トナー粒径に依存することなく均一に分散するこ
とができる。
【0035】
【化8】
【0036】本発明のトナーにおいて、サッカライド化
合物は結着樹脂100重量部に対して0.5乃至10重
量部添加されていればよいが、好ましくは0.7乃至7
重量部含有される場合であり、更に好ましくは1乃至5
重量部含有される場合である。もし、サッカライド化合
物の添加量が0.5重量部未満となる場合には、磁性体
及び荷電制御剤の分散を制御することが困難であり、1
0重量部超となる場合には、サッカライド化合物が親水
性の化合物であるためにトナーの帯電性に悪影響を及ぼ
す可能性があり好ましくない。
【0037】本発明のトナーにおいて、サッカライド化
合物としてシクロデキストリン化合物を含有する場合に
は、該シクロデキストリン化合物が包接化合物を形成し
たものと包接化合物を形成していないものとを併せて使
用することができ、この場合の各々の添加量は、重量比
で1/20乃至1/1であればよいが、好ましくは1/
15乃至1/3となる場合であり、更に好ましくは1/
10乃至1/5となる場合である。もし、重量比で1/
20未満となる場合には磁性体あるいは荷電制御剤の分
散状態を良好な状態に保持することが困難であり、重量
比で1/1超となる場合にはサッカライド化合物が親水
性の化合物であるためにトナーの帯電性に悪影響を及ぼ
す可能性があり好ましくない。
【0038】本発明のトナーにおいて、結着樹脂に含有
されるビニル系重合体ユニットとポリエステルユニット
を有するハイブリッド樹脂組成物は、芳香族ビニルモノ
マー及び(メタ)アクリル酸エステルモノマーを付加重
合したビニル系重合体ユニットとポリエステルユニット
とが化学的に結合したものである。ポリエステルユニッ
トには、ワックスの分散を制御する効果を有するアルコ
ール成分及び/またはカルボン酸を含有するものであ
る。
【0039】また、ハイブリッド樹脂組成物は、ポリエ
ステルのモノマーであるアルコールと(メタ)アクリル
酸エステルとのエステル交換反応により生成する。上記
ハイブリッド樹脂組成物は、ビニル系重合体ユニットを
構成する(メタ)アクリル酸エステルの10乃至60モ
ル%がポリエステルユニットとエステル化反応していれ
ば良いが、好ましくは15乃至50モル%エステル化反
応する場合であり、更に好ましくは20乃至45モル%
エステル化反応している場合である。もし、ビニル系重
合体ユニットを構成する(メタ)アクリル酸エステルの
10モル%未満しかポリエステルユニットとエステル化
反応していない場合には、ワックスの分散状態を制御す
ることが困難であり、60モル%超となる場合には相対
的に分子量の大きな成分が増大する結果、トナーの低温
定着性が悪化する場合があり好ましくない。
【0040】本発明のトナー粒子の結着樹脂は、サッカ
ライド化合物及びワックスの良好な分散状態を達成する
ために5乃至40mgKOH/gの酸価を有するもので
あり、好ましくは10乃至35mgKOH/gの酸価を
有する場合であり、更に好ましくは15乃至30mgK
OH/gの酸価を有する場合である。もし、酸価が5m
gKOH/g未満となる場合には、サッカライド化合物
の分散を良好に保持することが困難であり、40mgK
OH/g超となる場合にはサッカライド化合物の分散に
は問題ないが、ワックスの分散に悪影響を及ぼす可能性
があり好ましくない。
【0041】本発明のトナーにおいて、式(4)で表せ
る鉄原子を有するモノアゾ化合物を荷電制御剤として含
有する場合には、結着樹脂100重量部に対して0.5
乃至10重量部含有することができ、好ましくは0.7
乃至7重量部含有する場合であり、更に好ましくは1乃
至5重量部含有する場合である。もし、含有量が0.5
重量部未満となる場合にはトナーの帯電性が不十分とな
り、10重量部超となる場合には画像のカブリ濃度が高
くなる場合があり、どちらの場合も好ましくない。
【0042】本発明のトナーにおいて、サッカライド化
合物と上記鉄原子を有するモノアゾ化合物は重量比で1
/20乃至2/1で使用することができ、好ましくは重
量比で1/15乃至1/1で使用する場合であり、更に
好ましくは重量比で1/10乃至1/2で使用する場合
である。サッカライド化合物の添加量が重量比で1/2
0未満となる場合には荷電制御剤の分散状態に悪影響を
及ぼす場合があり、2/1超となる場合には荷電制御剤
の帯電付与力に悪影響を及ぼす場合があり、どちらの場
合も好ましくない。
【0043】本発明のトナーにおいて、結着樹脂に含有
されるTHF不溶分はトナーに耐ホットオフセット性を
付与するだけではなく、トナー製造時の混練工程で結着
樹脂の溶融粘度はワックスの分散を制御するためにも重
要であり、15乃至50重量%含有していれば良いが、
好ましくは17乃至45重量%含有する場合であり、更
に好ましくは20乃至40重量%含有する場合である。
もし、含有量が15重量%未満となる場合には、トナー
の耐ホットオフセット性が悪化するばかりでなく、混練
工程での溶融粘度が低くなりすぎてワックスの再凝集が
生じ分散状態を制御できず、含有量が50重量%超とな
る場合には、低温オフセットが生じ易くなるばかりでな
く、混練工程での溶融粘度が高い成分と低い成分が混在
することになりワックスの分散粒度が広くなり分散状態
を制御できず、好ましくない。
【0044】本発明者のさらなる検討によれば、テトラ
ヒドロフラン(THF)は、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶
媒であるが、ポリエステルユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。THFに不溶な成分を定量するこ
とは、相対的にポリエステルユニットの含有量が多いハ
イブリッド樹脂成分を定量することであり、トナーの低
温定着性を評価することができる。更に、より良好な低
温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が特定
の分子量及び分子量成分を有することが重要である。
【0045】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、相対的にビニル系重合体ユニットの含有量が
多いハイブリッド樹脂成分を定量することであり、酢酸
エチル不溶成分中には、クロロホルムに溶解する成分と
クロロホルムに不溶な成分とが含まれている。トナーの
定着性ばかりでなく、トナーに安定した現像性(例え
ば、画像濃度、カブリ等の環境依存性)を付与するのに
重大な影響を与えるワックスの分散状態を評価すること
ができる。
【0046】一方、クロロホルムは、本発明のトナーに
含有される結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリ
エステルユニットのいずれに対しても良好な溶媒であ
る。クロロホルムに不溶な成分を定量することは、極め
て大きな分子量を有するハイブリッド樹脂成分または最
も高度に架橋されたハイブリッド樹脂成分を定量するこ
とである。この様なハイブリッド樹脂成分の定量はトナ
ーの高温オフセット発生温度と密接に関係するが、更に
は、トナーが感光体上に固着する融着あるいはブレード
等のクリーニング部材によりトナーがクリーニングされ
ない等の現象とこれに伴う画像欠陥の発生とも関係す
る。
【0047】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
にワックスの分散及び耐高温オフセットのバランスを示
すだけではなく、トナーが画像欠陥を発生することなく
安定な現像性を示すための指標となる。
【0048】酢酸エチル不溶分(W4)は2乃至60重
量%含有していれば良いが、好ましくは5乃至50重量
%含有する場合であり、更に好ましくは10乃至40重
量%含有する場合である。もし、2重量%未満となる場
合には、トナーの耐ホットオフセット性に問題が生じ、
トナーに含有されるワックスの分散状態を制御するのが
困難となり、耐久により画像濃度が低下する場合があり
好ましくない。また、60重量%超となる場合には、ト
ナーの低温定着性に問題が生じ、耐久によりカブリ濃度
が高くなる場合があり好ましくない。
【0049】クロロホルム不溶分(W6)は10乃至4
5重量%含有すれば良いが、好ましくは15乃至40重
量%含有する場合であり、更に好ましくは17乃至37
重量%含有する場合である。もし、10重量%未満とな
る場合には、耐ホットオフセット性に問題が生じるばか
りでなく、耐久によりトナーが感光体上に融着する現象
が発生する場合があり好ましくない。また、45重量%
超となる場合には、トナーの低温定着性に問題が生じる
ばかりでなく、耐久により感光体上のトナーがクリーニ
ングされにくくなる場合があり好ましくない。
【0050】比(W4/W6)の値は1.1乃至4.0
であれば良いが、好ましくは1.2乃至3.5となる場
合であり、更に好ましくは1.3乃至3.0となる場合
である。もし、1.1未満あるいは4.0超となるいず
れの場合においても耐久により画像濃度が低下する。
【0051】THF可溶成分のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定されるクロマト
グラムにおいて、メインピークを分子量4000乃至9
000に有するものであるが、好ましくは、分子量50
00乃至8500に有する場合であり、更に好ましく
は、分子量4500乃至8000に有する場合である。
もし、メインピークが分子量4000未満となる場合に
は、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場合があ
り、メインピークが分子量9000超となる場合にはト
ナーの低温定着性が損なわれる場合があり好ましくな
い。
【0052】分子量500乃至1万未満の領域の成分
(A1)は35.0乃至65.0%含有されれば良い
が、好ましくは37.0乃至60.0%となる場合であ
り、更に好ましくは40.0乃至55.0%となる場合
である。もし、35.0%未満となる場合にはトナーの
低温定着性が悪化する場合があり、65.0%超となる
場合にはトナーの保存性が悪化する場合があり好ましく
ない。
【0053】分子量1万乃至10万未満の成分(A2)
は25.0乃至45.0%含有されれば良いが、好まし
くは27.0乃至42.0%となる場合であり、更に好
ましくは30.0乃至40.0%となる場合である。も
し、25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、45.0%超となる
場合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ま
しくない。
【0054】分子量10万以上の成分(A3)は10.
0乃至30.0%含有されれば良いが、好ましくは1
2.0乃至25.0%となる場合であり、更に好ましく
は15.0乃至22.0%となる場合である。もし、1
0.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオフセッ
ト性が悪化する場合があり、30.0%超となる場合に
はトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ましくな
い。
【0055】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
00であれば良いが、好ましくは1.10乃至1.90
となる場合であり、更に好ましくは1.15乃至1.8
0となる場合である。もし、1.05未満となる場合に
はトナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00
超となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化
する場合があり好ましくない。
【0056】本発明のトナーに含有されるワックスは、
GPCで測定されるMpが300乃至5000、比(M
w/Mn)が1.2乃至15であれば良いが、好ましく
は350乃至4500、比(Mw/Mn)が1.3乃至
10となる場合であり、更に好ましくは400乃至40
00、比(Mw/Mn)が1.4乃至8となる場合であ
る。もし、Mpが500未満、比(Mw/Mn)が1.
2未満となる場合にはトナー粒子におけるワックスの分
散粒径が小さくなりすぎ、Mpが5000超、比(Mw
/Mn)が15超となる場合には分散粒径が大きくなり
すぎ、どちらの場合でもワックスの分散粒径を制御する
ことが困難であり好ましくない。
【0057】本発明のトナーにおいて、異なる2種以上
のワックスを含有していても良く、その場合にはGPC
で測定されるMpが300乃至5000、比(Mw/M
n)が1.2乃至15であれば良いが、好ましくは35
0乃至4500、比(Mw/Mn)が1.5乃至12と
なる場合であり、更に好ましくは400乃至4000、
比(Mw/Mn)が2乃至10となる場合である。も
し、Mpが300未満、比(Mw/Mn)が1.2未満
となる場合、Mpが5000超、比(Mw/Mn)が1
5超となる場合のどちらの場合でもトナー粒子内のワッ
クスの粒度分布が広くなり、制御することが困難であり
好ましくない。
【0058】本発明のトナーに含有されるワックスは、
炭化水素系ワックス、ポリエチレン系ワックスまたはポ
リプロピレン系ワックスのいずれかから選択されるもの
である。
【0059】本発明のトナーに含有されるワックスは、
一酸化炭素・水素からなるアーゲ法により得られる炭化
水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得
られる合成炭化水素などのワックスがよい。更に、プレ
ス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式によ
り炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好まし
く用いられる。
【0060】本発明のトナーに含有されるワックスは、
式(3)で表せる構造を有するものである。
【0061】
【化9】 式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは3
5乃至150の整数を表すが、好ましくはAが水酸基を
表し、aが30乃至50の整数を表す場合である。
【0062】本発明のトナーに含有されるワックスは、
酸変性ポリエチレンである場合には、1乃至20mgK
OH/gの酸価を有し、ポリエチレンをマレイン酸、マ
レイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸のうち少なく
とも1種類以上から選択される酸モノマーにより変性さ
れているものであり、好ましくは1.5乃至15mgK
OH/gの酸価を有するものである。
【0063】本発明のトナーに含有されるワックスは、
酸変性ポリプロピレンである場合には、1乃至20mg
KOH/gの酸価を有し、ポリエチレンをマレイン酸、
マレイン酸ハーフエステル、無水マレイン酸のうち少な
くとも1種類以上から選択される酸モノマーにより変性
されているものであり、好ましくは1.5乃至15mg
KOH/gを有するものである。
【0064】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合には、好ましくは、少なくとも1種のワックス
が上述したワックスを使用することである。
【0065】本発明のトナーに2種のワックスが含有さ
れる場合の好ましいワックスの組合せを以下の表1に示
す。
【0066】
【表1】
【0067】本発明のトナーに含有されるワックスは、
ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計(DSC)
で測定されるDSC曲線において、温度70乃至140
℃の領域に吸熱メインピークを有するものであり、好ま
しくは温度75乃至135℃の領域に吸熱メインピーク
を有する場合であり、更に好ましくは温度80乃至13
0℃の領域に吸熱メインピークを有し、同時に吸熱サブ
ピークまたは吸熱ショルダーを有するものである。も
し、上記温度領域以外に吸熱メインピークを有する場合
には、低温定着性、耐ホットオフセット性及び耐ブロッ
キング性の全てを満足することが困難となる。
【0068】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットを構成するカルボン酸及びアルコールは好ましく
は、式(5)乃至(8)で表せる2価のカルボン酸、式
(9)で表せる1価のカルボン酸または式(10)で表
せる1価のアルコールをの少なくとも1種以上を含有す
るものである。
【0069】
【化10】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わす。R3,R4は水素
原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基を表わし、同一の置換基であってもよ
いが、同時に水素原子になることはない。R5,R6は水
素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または環状のアルキ
ル基、アルケニル基を表わし、同一の置換基であっても
よいが、同時に水素原子になることはない。R7,R8
炭素数12以上の直鎖、分岐または環状のアルキル基、
アルケニル基を表わす。nは12乃至40の整数を表わ
す。]
【0070】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、
【0071】
【化11】 等を挙げることができる。
【0072】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、
【0073】
【化12】 等を挙げることができる。
【0074】式(7)で表わせる化合物としては、例え
ば、
【0075】
【化13】
【0076】式(8)で表わせる化合物としては、例え
ば、
【0077】
【化14】
【0078】式(9)で表わせる化合物としては、例え
ば、
【0079】
【化15】 等を挙げることができる。
【0080】式(10)で表わせる化合物としては、例
えば、
【0081】
【化16】 等を挙げることができる。
【0082】本発明に用いられるポリエステルユニット
のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0083】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、また(11−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体;
【0084】
【化17】
【0085】また(11−2)式で示されるジオール
類;
【0086】
【化18】 等が挙げられる。
【0087】酸性分としては、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライ
ン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、また
さらに炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく
酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラ
コン酸、またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸などのジカルボン酸類が挙げられる。
【0088】ビニル系重合体ユニットを生成するための
ビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられ
る。
【0089】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等
が挙げられる。
【0090】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0091】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0092】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0093】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0094】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(さらに好ま
しくは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0095】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0096】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒド
ロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリ
ル酸エステル類が挙げられる。
【0097】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等があげられる。
【0098】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当り0.1〜
10重量部、好ましくは0.2〜5重量部使用するのが
好ましい。
【0099】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0100】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0101】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0102】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuFe
24)、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、酸化鉄ニッケ
ル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe
23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙
げられる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の
組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄
又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0103】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、10K
エルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エ
ルステッド、飽和磁化50〜200emu/g(好まし
くは50〜100emu/g)、残留磁化2〜20em
u/gのものが好ましい。
【0104】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0105】磁性体の他に、着色剤としては、カーボン
ブラック,チタンホワイトやその他の顔料及び/又は染
料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性
カラートナーとして使用する場合には、染料としては、
C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッ
ド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシック
レッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダ
イレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.
I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、
C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブル
ー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレク
トグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.
I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、ミ
ネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトー
ルイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエロ
ーNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベ
ンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネント
レッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、フ
ァストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コ
バルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブル
ーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブ
ルー、インダンスレンブルーBC、ピグメントグリーン
B、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグ
リーンG等がある。
【0106】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0107】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0108】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料であ
る。
【0109】
【化19】
【0110】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0111】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5
〜50重量部である。
【0112】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理ア
ルミナがある。
【0113】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0114】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0115】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0116】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0117】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0118】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0119】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0120】有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチル
ジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個のシ
ロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個
宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシロ
キサン等がある。さらに、ジメチルシリコーンオイルの
如きシリコーンオイルが挙げられる。これらは1種ある
いは2種以上の混合物で用いられる。
【0121】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0122】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。
【0123】本発明のトナーは、重量平均粒径が3乃至
9μm(より好ましくは、3〜8μm)を有することが
解像性,画像濃度の点で好ましく、小粒径トナーであっ
ても良好に加熱加圧定着され得る。
【0124】さらに、本発明において、トナーの体積平
均粒径(DV)が2.5μm以上の場合には、画像濃度
の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また6.
0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性
が向上することから、トナーの体積平均粒径(DV)は
2.5乃至6.0μmであることが好ましい。
【0125】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0126】本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及び
その他の物性の測定方法を以下に示す。
【0127】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THF、酢酸エチル、クロロホルムの抽出溶媒
は各々200ml用いる。約120℃に温度調整された
オイルバスを用いて10時間還流する。THFに可溶な
成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に60℃で2
4時間真空乾燥することにより定量できる。トナーのT
HF不溶成分(W2)を定量する場合は、着色剤(磁性
体)等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(TW2)から
下記式により算出される。
【0128】
【数1】
【0129】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。
【0130】ソックスレー抽出装置の一例を図11に示
す。
【0131】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。
【0132】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル交換に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の
含有量を重量%で算出する。
【0133】(1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0134】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0135】H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を図1及び4乃至6
を用いて下記に記載する。
【0136】 1H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図4及び5参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図6参照)のシグナルと4.3ppm
及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H相
当)のシグナルとの強度比から求める。
【0137】 1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm7.8p
pm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素(各
1H相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0138】 1HNMR測定によるスチレンの存在比
率の決定(図4及び5参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。
【0139】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在
比率の決定(図1参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基
の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の新
たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステルの
カルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度比
から求める。
【0140】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図1参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0141】 13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図1参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。
【0142】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至の1H−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル交換に
伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を
重量%で算出する。
【0143】(3)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0144】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。
【0145】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0146】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。
【0147】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。
【0148】(4)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0149】(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0150】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0151】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0152】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0153】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0154】(6)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0155】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0156】(7)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0157】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0158】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0159】(8)トナーに含有される結着樹脂の13
−NMR測定 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による データポイント:32768 遅延時間 :25sec. 積算回数 :50000回 測定温度 :26℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの濃塩酸
(約12M)に添加して約70時間撹拌して、トナーに
含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸性(約
pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹脂組成
物を60℃で約20時間真空乾燥して測定試料とする。
この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチューブに
入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)3ml
を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調整す
る。
【0160】(9)トナー及びトナーの酢酸エチル可溶
成分の酸価の測定 JIS K0070に記載の測定方法に準拠して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では
0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(約2
5℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール
30mlを添加して試料溶液とする。
【0161】本発明のトナーの粒度分布の測定は、コー
ルターカウンターTA−II型あるいはコールターマル
チサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。例えば、ISOTONR−II(コールターサイエ
ンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法と
しては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤
として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフ
ォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜2
0mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器
で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置によ
り、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い
て、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分
布と個数分布とを算出した。
【0162】それから、本発明に係る体積分布から求め
た重量基準の重量平均粒径(D4)及び体積平均粒径
(DV)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル
毎の代表値とする)を求めた。
【0163】次に、図7及び図8を参照しながら、本発
明トナーが適用可能な画像形成装置の一例について説明
する。一次帯電器2で静電荷像担持体(感光体)1表面
を負極性又は正極性に帯電し、アナログ露光又はレーザ
光による露光5により静電荷像(例えば、イメージスキ
ャニングによりデジタル潜像)を形成し、磁性ブレード
11と、磁極N1,N2,S1及びS2を有する磁石23を
内包している現像スリーブ4とを具備する現像器9の磁
性トナー13で静電荷像を反転現像又は正規現像により
現像する。現像部において感光体1の導電性基体16と
現像スリーブ4との間で、バイアス印加手段12により
交互バイアス,パルスバイアス及び/又は直流バイアス
が印加されている。磁性トナー像は、中間転写体を介し
て、又は、介さずに転写材へ転写される。転写紙Pが搬
送されて、転写部にくると転写帯電器3により転写紙P
の背面(感光体側と反対面)から正極性または負極性の
帯電をすることにより、感光体表面上の負荷電性磁性ト
ナー像または正荷電性磁性トナー像が転写紙P上へ静電
転写される。除電手段22で除電後、感光体1から分離
された転写紙Pは、ヒータ21を内包している加熱加圧
ローラ定着器7により転写紙P上のトナー画像は、加熱
加圧定着される。
【0164】転写工程後の感光体1に残留する磁性トナ
ーは、クリーニングブレード8を有するクリーニング手
段で除去される。クリーニング後の感光体1は、イレー
ス露光6により除電され、再度、一次帯電器2により帯
電工程から始まる工程が繰り返される。
【0165】静電荷像担持体(例えば感光ドラム)1は
感光層15及び導電性基体16を有し、矢印方向に動
く。現像スリーブ4である非磁性円筒の現像スリーブ4
は、現像部において静電荷像担持体1表面と同方向に進
むように回転する。非磁性の円筒状の現像スリーブ4の
内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネッ
トロール)23が回転しないように配されている。現像
器9内の磁性トナー13は現像スリーブ4に塗布され、
かつ現像スリーブ4の表面と磁性トナー粒子との摩擦に
よって、磁性トナー粒子はトリボ電荷が与えられる。さ
らに鉄製の磁性ドクターブレード17を円筒状の現像ス
リーブ4の表面に近接して(間隔50μm〜500μ
m)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置す
ることにより、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm〜
300μm)且つ均一に規制して、現像部における感光
体1と現像スリーブ4の間隙と同等又は間隙よりも薄い
磁性トナー層を形成する。現像スリーブ4の回転速度を
調節することにより、現像スリーブ表面速度が感光体1
の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれに近い速度
となるようにする。磁性ドクターブレード17として鉄
のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像部において現像スリーブ4に交流バイアスまた
はパルスバイアスをバイアス手段12により印加しても
よい。この交流バイアスはfが200〜4,000H
z、Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0166】現像部における磁性トナー粒子の転移に際
し、感光体面の静電的力及び交流バイアスまたはパルス
バイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電荷像側に
移行する。
【0167】磁性ブレード11のかわりに、シリコーン
ゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレードを用いて
押圧によって磁性トナー層の層厚を規制し、現像スリー
ブ上に磁性トナーを塗布しても良い。
【0168】図9は、本発明の画像形成方法を実施し得
る画像形成装置の他の例を示す。
【0169】一次帯電手段としての接触(ローラー)帯
電手段119により静電荷像保持体としての感光ドラム
101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光11
5によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。トナー層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されているトナー担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナー104に
よって反転現像される。図9に示すように、現像領域D
において感光ドラム101の導電性基体は接地されてお
り、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109に
より交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイ
アスが印加されている。記録材Pが搬送されて転写部に
来ると、転写手段としての接触(ローラー)転写手段1
13により記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)か
ら電圧印加手段114で帯電されることにより、感光ド
ラム101の表面上に形成されているトナー画像が接触
転写手段113で記録材P上へ転写される。感光ドラム
101から分離された記録材Pは、定着手段としての加
熱加圧ローラー定着器117に搬送され、該定着器11
7によって記録材P上のトナー画像の定着処理がなされ
る。
【0170】転写工程後の感光ドラム101に残留する
磁性トナー104は、クリーニングブレード108aを
有するクリーニング手段118で除去される。残留する
磁性トナー104が少ない場合にはクリーニング工程を
省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム1
01は、必要によりイレース露光116により除電さ
れ、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電
手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰り返
される。
【0171】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。トナー担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像剤容器103内の
磁性トナー104は、現像スリーブ108上に塗布され
て担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及
び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイ
ナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレー
ド111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様に
設け、トナー層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ
均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101
と現像スリーブ108との間隙よりも薄いトナー層を形
成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整するこ
とによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ドラ
ム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれに
近く速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現像
スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイア
ス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109により
印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,
000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよ
い。現像領域Dにおける磁性トナーの転移に際し、感光
ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス又は
パルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によっ
て、磁性トナーは静電潜像側に移転する。
【0172】本発明の画像形成方法においては、定着工
程で用いた熱ロール定着装置に代えて、他の加熱定着手
段として、フィルム加熱定着装置を用いることができ
る。図12は、このフィルム加熱定着装置の概略図を示
す。
【0173】図12に示す定着装置において加熱体は、
従来の熱ロールに比べてその熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜30
0℃であることが好ましい。
【0174】加熱体と加圧部材の間に位置するフィルム
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高
い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミドのご
ときポリマーシート、アルミニウムのごとき金属シート
及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミ
ネートシートが用いられる。
【0175】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/または低抵抗層を有し
ていることである。
【0176】図12を参照しながら、定着装置の一具体
例を説明する。
【0177】61は、装置に固定支持された低熱容量線
状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,巾10
mm,長手長240mmのアルミナ基板70に抵抗材料
69を巾1.0mmに塗工したもので、長手方向両端よ
り通電される。通電はDC100Vの周期20msec
のパルス状波形で検温素子71によりコントロールされ
た所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルスをその
パルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5ms
ec〜5msecとなる。この様にエネルギー及び温度
を制御された加熱体61に当接して、図中矢印方向に定
着フィルム62は移動する。
【0178】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えばポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、PESまたはPFAに少なくとも画像当接面側に
PTFE、PFAのごときフッ素樹脂)に導電材を添加
した離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムで
ある。一般的には層厚は100μm未満、より好ましく
は40μm未満が良い。フィルム駆動は駆動ローラー6
3と従動ローラー64による駆動とテンションにより矢
印方向にシワなく移動する。
【0179】65は、シリコーンゴムのごとき離型性の
良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20
kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧
接回転する。転写材66上の未定着トナー67は、入口
ガイド68により定着部に導かれ上述の加熱により定着
像を得るものである。
【0180】以上は、エンドレスベルトで説明したが、
シート送り出し軸、及び巻き取り軸を使用し、定着フィ
ルムは有端のフィルムであっても良い。
【0181】上述の本発明の画像形成装置をファクシミ
リのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信
データをプリントするための露光になる。図10はこの
場合の一例をブロック図で示したものである。
【0182】コントローラー131は画像読取部130
とプリンター139を制御する。コントローラー131
の全体はCPU137により制御されている。画像読取
部からの読取データは、送信回路133を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路13
2を通してプリンター139に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラー138はプリンター139を制御している。134
は電話である。
【0183】回線135から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路132で復調された後、CPU137は画像情報の
複号信号を行い順次画像メモリ136に格納される。そ
して、少なくとも1ページの画像がメモリ136に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU137
は、メモリ136より1ページの画像情報を読み出しプ
リンタコントローラー138に複合化された1ページの
画像情報を送出する。プリンタコントローラー138
は、CPU137からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンタ13
9を制御する。
【0184】尚、CPU137は、プリンタ139によ
る記録中に、次のページの受信を行っている。
【0185】以上の様に、画像の受信と記録が行われ
る。
【0186】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0187】本発明のトナーの結着樹脂に適用できる製
造方法としては、例えば、以下の製造方法を挙げること
ができる。
【0188】(1)ビニル系重合体ユニット、ポリエス
テルユニット及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造
後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例
えば、キシレン等)に溶解、膨潤した後に有機溶剤を留
去するものであり、好ましくは、このブレンド工程でワ
ックスを添加して製造される。
【0189】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸等)及び/またはポリエステルとの反応
により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用す
ることができる。好ましくは、この工程でワックスを添
加する。
【0190】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0191】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸等)を添加することにより
ハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、
有機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工
程でワックスを添加する。
【0192】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸等)を添加して付加重合及び縮重
合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポ
リエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリ
ッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により
製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公
知の製造方法により製造されたものを使用することもで
きる。また、適宜、有機溶剤を使用することができる。
好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0193】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。また、適宜、有機溶剤を使用
することができる。好ましくは、この工程でワックスを
添加する。
【0194】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0195】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0196】 結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例1) 低架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造 ) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(5−1)で表せるコハク酸誘導体 :1.5mol ・無水トリメリット酸 :1.5mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0197】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約4重量%含有する低架橋度ポリエ
ステル樹脂を得た。
【0198】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約6重量
%含有する低架橋度樹脂組成物を得た。
【0199】 高架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :3.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :3.0mol ・無水トリメリット酸 :3.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.0mol
【0200】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約19重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0201】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約22重量%含有する高
架橋度樹脂組成物を得た。
【0202】結着樹脂の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物60重量
部、高架橋度樹脂組成物30重量部、スチレン6重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びジビ
ニルベンゼン0.01重量部を添加して110℃まで加
熱して膨潤・溶解した。窒素雰囲気下、ラジカル重合開
始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイド1重量部
をキシレン10重量部に溶解したものを約30分かけて
滴下した。その温度で更に10時間保持してラジカル重
合反応を終了した。更に加熱しながら減圧して、脱溶剤
することにより、低架橋度ポリエステル樹脂、高架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約9重量
%含有する結着樹脂(1)を得た。
【0203】(樹脂製造例2〜12)樹脂製造例1にお
いて、高架橋度樹脂組成物を製造する際に、ポリエステ
ル樹脂80重量部に対して16.6重量部の表5に示す
ワックス(3)をスチレン及び2−エチルヘキシルアク
リレートと共に添加して、ワックスを含有し、かつクロ
ロホルム不溶分を22重量%含有する高架橋度樹脂組成
物を得た。この高架橋度樹脂組成物35重量部(ワック
ス5重量部を含む)を使用した以外は製造例1と同様に
して、低架橋度ポリエステル樹脂、高架橋度ポリエステ
ル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビ
ニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分からなり、クロロホルム不溶分を約22重量%含有す
る結着樹脂(2)を得た。
【0204】他に、添加するワックスを代えて結着樹脂
(3)〜(12)を得た。
【0205】(樹脂製造例13〜16)低架橋度樹脂組
成物の製造で用いたモノマーを以下に示すモノマーに変
更した以外は樹脂製造例1の低架橋度樹脂組成物と同様
にして、クロロホルム不溶分を約8重量%含有する低架
橋度樹脂組成物を得た。 ・テレフタル酸 :4.0mol ・式(6−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.5mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0206】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
製造例1の高架橋度樹脂組成物と同様にして縮重合反応
を行い、クロロホルム不溶分を約32重量%含有した高
架橋度樹脂組成物を得た。 ・テレフタル酸 :3.0mol ・式(6−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :3.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0207】低架橋度樹脂組成物60重量部、高架橋度
樹脂組成物30重量部を用いた以外は、樹脂製造例I−
1と同様にして、高架橋度ポリエステル樹脂、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなる結着樹脂(13)を得た。
【0208】以下、ワックスを高架橋度樹脂組成物の製
造時に添加することにより、結着樹脂(14)〜(1
6)を得た。
【0209】(樹脂比較製造例1)樹脂製造例1におい
て、コハク酸誘導体(5−1)のかわりにトリメリット
酸を使用した以外は同様にして、比較用結着樹脂(1)
を得た。
【0210】(樹脂比較製造例2)減圧装置、水分離装
置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を装
着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキシルアク
リレート共重合体(スチレン84重量部、2−エチルヘ
キシルアクリレート16重量部、Mw=1.9万、Mw
/Mn=2.3)200重量部及び下記組成からなるポ
リエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、減圧しな
がら常法に従って210℃まで加熱しながら縮重合反応
を行うことにより、比較用結着樹脂(2)を得た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部
【0211】 [実施例1] ・本発明のハイブリッド樹脂組成物(1) 100重量部 ・式(12)で表せるシクロデキストリン化合物(表4参照) 1重量部 ・式(4)で表せる鉄を有する荷電制御剤 2重量部 ・ワックス(3) 7重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.18μm、保磁力10.7KA/m、残留磁化11.2Am2/ kg、飽和磁化81.5Am2/kg)
【0212】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混錬し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで粉砕
条件を変えながら微粉砕して体積平均粒径の異なる微粉
砕品を3種類得た。これらの微粉砕品を風力分級機で分
級して体積平均粒径10.2μm、7.3μm及び5.
8μmの磁性トナーを得た。上記体積平均粒径の異なる
各トナーについてワックス、磁性体及び荷電制御剤の存
在量を定量し、体積平均粒径7.3μmのトナーを基準
にしてワックス、磁性体及び荷電制御剤の各存在量比を
比較したところ、表5に示す様にほぼ一定であり、良好
であることを確認した。
【0213】トナーの結着樹脂100重量部に対するT
HF不溶分(W2)は、トナーの重量平均粒径によらず
混在するワックス量を除いた樹脂組成物に換算して約1
4重量%で一定であった。トナーに含有される磁性酸化
鉄及びワックスを除いて換算した結着樹脂の酸価は2
3.1mgKOH/gであった。
【0214】トナーの結着樹脂に含有されるハイブリッ
ド樹脂組成物の存在は図1及び表2に示すトナーの結着
樹脂の13C−NMR測定により確認され、ビニル系重合
体ユニットに含有される2−エチルヘキシルアクリレー
トの22mol%がポリエステルユニットとエステル交
換反応またはエステル化反応してハイブリッド樹脂組成
物を形成していることを確認した。
【0215】
【表2】
【0216】また、トナーの酢酸エチル及びクロロホル
ムに不溶成分を定量した結果及びTHF可溶成分のGP
Cによる分子量測定結果を表6に示す。
【0217】前記体積平均粒径7.3μmの磁性トナー
100重量部に対して、疎水性乾式シリカ(BET=2
00m2/g)1.0重量部をヘンシェルミキサーにて
外添添加してトナーとした。このトナーを用いて、キヤ
ノン製デジタル複写機GP−215(プロセススピード
105mm/秒、サーフ定着)及びキヤノン製複写機N
P−6250(プロセススピード320mm/秒、熱ロ
ール定着)の定着器からトナーのクリーニング部材を取
り外す改造を加え、画像特性及び定着器の加熱部材(耐
熱フィルム、加熱ローラー、加圧ローラー)のトナーの
付着状態を評価を行ったところ、表8に示したように良
好な結果が得られた。
【0218】またGP−215及びNP−6250の定
着器を取り外して外部駆動装置及び定着器の温度制御装
置をつけた。定着スピードはそれぞれの複写機と同じに
設定して定着温度を変えて定着試験を行ったところ、表
8に示したように良好な結果が得られた。
【0219】[実施例2〜16]表7に示す結着樹脂及
びワックスを使用した以外は実施例1と同様にして本発
明のトナー(2)〜(16)を得た。実施例1と同様に
分析及び評価した結果をそれぞれ表7及び表8に示す。
【0220】[比較例1]比較用樹脂(1)を用い、シ
クロデキストリン化合物を使用しなかった以外は実施例
1と同様にして比較用トナー(1)を製造した。分析及
び評価を行った結果を表5乃至8に示す。
【0221】[比較例2]比較用樹脂(1)を用いた以
外は実施例1と同様にして比較用トナー(1)を製造し
た。分析及び評価を行った結果を表7及び表8に示す。
【0222】
【表3】
【0223】
【表4】
【0224】
【表5】
【0225】
【表6】
【0226】
【表7】
【0227】
【表8】
【0228】(GP−215による低温定着性のラン
ク)150℃に設定した定着器に画像濃度1.3〜1.
4のベタ黒画像を通紙して定着し、50g/cm2の荷
重をかけダスパー(小津産業製)で摺擦したときの濃度
低下率で判定する。 ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満 ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満 ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満 ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満 ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
【0229】(NP−6550による低温定着性のラン
ク)定着器の設定温度を180℃とした以外はGP−2
15による定着テストと同様の条件で行った。 ランク5:摺擦による濃度低下率が5%未満 ランク4:摺擦による濃度低下率が10%未満 ランク3:摺擦による濃度低下率が15%未満 ランク2:摺擦による濃度低下率が20%未満 ランク1:摺擦による濃度低下率が20%以上
【0230】(ホットオフセットのランク) ランク5:まったく発生せず ランク4:軽微なオフセット発生するが、実用的には許
容できる ランク3:目視で容易に判別できるオフセット発生 ランク2:顕著なオフセット発生 ランク1:紙がローラーに巻き付く
【0231】(定着器の加熱部材のトナー汚染のラン
ク) ランク5:まったくトナー汚染発見られず ランク4:軽微な汚染有るが、実用的には許容できる ランク3:目視で容易に判別できる汚染見られる ランク2:顕著な汚染見られる ランク1:紙の表面、裏面等に汚染トナーが付着する
【0232】
【発明の効果】本発明は、トナーの低温定着性及び耐高
温オフセット性が十分なことに加え、定着部材に対する
離型性の向上がなされているため、定着器の加熱方式に
よらず長期使用によってもオフセットが発生せず、高品
質の画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る結着樹脂(1)の13C−NMRス
ペクトルを示す。
【図2】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図3】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図4】本発明に係る結着樹脂(1)の酢酸エチル可溶
成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図5】本発明に係る結着樹脂(1)の酢酸エチル不溶
成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図6】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。
【図7】本発明のトナーを用いる画像形成方法を実施し
得る画像形成装置の概略構成図を示す。
【図8】図7に示す画像形成装置の現像部の部分拡大図
を示す。
【図9】本発明のトナーを用いる画像形成方法を実施し
得る他の形態の画像形成装置の概略構成図を示す。
【図10】本発明のトナーを用いる画像形成方法をファ
クシミリ装置のプリンターとして適用した場合のブロッ
ク図を示す。
【図11】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽
出装置の一具体例を示す概略図である。
【図12】本発明のトナーを用いる画像形成方法におい
て、定着工程で用いる他の加熱定着手段としてのフィル
ム加熱定着装置の概略図を示す。
【符号の説明】
1 静電潜像保持体(感光体) 4 トナー担持体(現像スリーブ) 7 定着器 9 現像器 11 ブレード 13 トナー P 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AB03 CA04 CA08 CA13 CA14 CA17 CA20 CA22 CA25 DA02 DA10 EA03 EA06 EA07 EA10 FB01

Claims (54)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤、ワックス及びサッカ
    ライド化合物を少なくとも含有するトナーにおいて、
    (a)サッカライド化合物がシクロデキストリンであ
    り、(b)結着樹脂は、ビニル系重合体ユニットとポリ
    エステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を
    含み、(c)結着樹脂の酸価が5乃至40mgKOH/
    gであり、(d)トナーの樹脂成分は、テトラヒドロフ
    ラン(THF)不溶分を15乃至50重量%含有し、
    (e)ワックスがゲルパーミエーションクロマトグラフ
    ィー(GPC)で測定されるクロマトグラムにおいて、
    分子量300乃至5000にメインピーク(Mp)を有
    し、重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/M
    n)が1.2乃至15であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 サッカライド化合物が、式(1)で表せ
    るサッカライド単位からなるシクロデキストリンである
    ことを特徴とする請求項1に記載のトナー。 【化1】 (式中、R1,R2は水酸基または炭素数1乃至30の直
    鎖または分岐のアルキル基を表し、各々が同一であって
    も異なっていても良い。R3は水素原子、メチル基また
    は炭素数1乃至4のアルキル基を有するカルボン酸との
    エステル結合を表し、jは6乃至20の整数を表す。)
  3. 【請求項3】 サッカライド化合物が、式(2)で表せ
    るサッカライド単位からなるシクロデキストリンである
    ことを特徴とする請求項1に記載のトナー。 【化2】 (式中、kは6乃至8の整数を表す。)
  4. 【請求項4】 サッカライド化合物が、包接化合物を形
    成していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載のトナー。
  5. 【請求項5】 サッカライド化合物が、金属を含有する
    塩と包接化合物を形成していることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 金属がリチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、ストロンチウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、
    ジルコニウム及び亜鉛から選択されるもののうち少なく
    とも一種を含有することを特徴とする請求項5に記載の
    トナー。
  7. 【請求項7】 サッカライド化合物が、結着樹脂100
    重量部に対して0.5乃至10重量部添加されているこ
    とを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  8. 【請求項8】 サッカライド化合物が、結着樹脂100
    重量部に対して0.7乃至7重量部添加されていること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナ
    ー。
  9. 【請求項9】 サッカライド化合物が、結着樹脂100
    重量部に対して1乃至5重量部添加されていることを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 結着樹脂の酸価が10乃至35mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 結着樹脂の酸価が15乃至30mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 結着樹脂がTHF不溶分を15乃至4
    5重量%含有することを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれかに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 結着樹脂がTHF不溶分を20乃至4
    0重量%含有することを特徴とする請求項1乃至11の
    いずれかに記載のトナー。
  14. 【請求項14】 ワックスが分子量350乃至4500
    にメインピークを有し、比(Mw/Mn)が1.5乃至
    10であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれ
    かに記載のトナー。
  15. 【請求項15】 ワックスが分子量400乃至4000
    にメインピークを有し、比(Mw/Mn)が1.7乃至
    8であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか
    に記載のトナー。
  16. 【請求項16】 ワックスが炭化水素系ワックス、ポリ
    エチレン系重合体またはポリプロピレン系重合体のいず
    れかであることを特徴とする請求項1乃至15のいずれ
    かに記載のトナー。
  17. 【請求項17】 ワックスが式(3)で表せる構造を有
    することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記
    載のトナー。 【化3】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    35乃至150の整数を表す。)
  18. 【請求項18】 ワックスが1乃至20mgKOH/g
    の酸価を有する酸変性ポリプロピレンであることを特徴
    とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  19. 【請求項19】 ワックスが1乃至20mgKOH/g
    の酸価を有する酸変性ポリエチレンであることを特徴と
    する請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
  20. 【請求項20】 異なるワックスが2種含有され、分子
    量300乃至5000にメインピークを有し、比(Mw
    /Mn)が1.2乃至15であることを特徴とする請求
    項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  21. 【請求項21】 異なるワックスが2種含有され、分子
    量350乃至4500にメインピークを有し、比(Mw
    /Mn)が1.5乃至12であることを特徴とする請求
    項1乃至14のいずれかに記載のトナー。
  22. 【請求項22】 異なるワックスが2種含有され、分子
    量400乃至4000にメインピークを有し、比(Mw
    /Mn)が2乃至10であることを特徴とする請求項1
    乃至14のいずれかに記載のトナー。
  23. 【請求項23】 少なくとも1種のワックスが炭化水素
    系ワックス、ポリエチレン系重合体またはポリプロピレ
    ン系重合体のいずれかであることを特徴とする請求項1
    乃至22のいずれかに記載のトナー。
  24. 【請求項24】 少なくとも1種のワックスが式(3)
    で表せる構造を有することを特徴とする請求項1乃至2
    2のいずれかに記載のトナー。 【化4】 (式中、Aは水酸基またはカルボキシル基を表し、aは
    35乃至150の整数を表す。)
  25. 【請求項25】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリプロピレン
    であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに
    記載のトナー。
  26. 【請求項26】 少なくとも1種のワックスが1乃至2
    0mgKOH/gの酸価を有する酸変性ポリエチレンで
    あることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記
    載のトナー。
  27. 【請求項27】 ワックスが示差走査熱量計(DSC)
    で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点
    が70乃至140℃であることを特徴とする請求項1乃
    至26のいずれかに記載のトナー。
  28. 【請求項28】 ワックスが示差走査熱量計(DSC)
    で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点
    が80乃至135℃であることを特徴とする請求項1乃
    至26のいずれかに記載のトナー。
  29. 【請求項29】 ワックスが示差走査熱量計(DSC)
    で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点
    が85乃至130℃であることを特徴とする請求項1乃
    至26のいずれかに記載のトナー。
  30. 【請求項30】 少なくとも1種のワックスが結着樹脂
    製造時に添加されていることを特徴とする請求項1乃至
    29のいずれかに記載のトナー。
  31. 【請求項31】 荷電制御剤として式(4)で表せる鉄
    原子を有するモノアゾ化合物を含有することを特徴とす
    る請求項1乃至30のいずれかに記載のトナー。 【化5】
  32. 【請求項32】 式(4)で表せる鉄原子を有するモノ
    アゾ化合物を、結着樹脂100重量部に対して0.5乃
    至10重量部含有することを特徴とする請求項1乃至3
    1のいずれかに記載のトナー。
  33. 【請求項33】 式(4)で表せる鉄原子を有するモノ
    アゾ化合物を、結着樹脂100重量部に対して0.7乃
    至7重量部含有することを特徴とする請求項1乃至31
    のいずれかに記載のトナー。
  34. 【請求項34】 式(4)で表せる鉄原子を有するモノ
    アゾ化合物を、結着樹脂100重量部に対して1乃至5
    重量部含有することを特徴とする請求項1乃至31のい
    ずれかに記載のトナー。
  35. 【請求項35】 サッカライド化合物と鉄原子を有する
    モノアゾ化合物が、重量比で1/20乃至2/1で添加
    されていることを特徴とする請求項1乃至34のいずれ
    かに記載のトナー。
  36. 【請求項36】 サッカライド化合物と鉄原子を有する
    モノアゾ化合物が、重量比で1/15乃至1/1で添加
    されていることを特徴とする請求項1乃至34のいずれ
    かに記載のトナー。
  37. 【請求項37】 サッカライド化合物と鉄原子を有する
    モノアゾ化合物が、重量比で1/10乃至1/2で添加
    されていることを特徴とする請求項1乃至34のいずれ
    かに記載のトナー。
  38. 【請求項38】 結着樹脂が、(A)テトラヒドロフラ
    ン(THF)を溶媒とした10時間のソックスレー抽出
    で、THF可溶成分(W1)を50乃至85重量%含有
    し、THF不溶分(W2)を15乃至50重量%含有
    し、かつ(B)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソッ
    クスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分(W3)を40乃
    至98重量%含有し、酢酸エチル不溶成分(W4)を2
    乃至60重量%含有し、(C)クロロホルムを溶媒とし
    た10時間のソックスレー抽出で、クロロホルム可溶成
    分(W5)を55乃至90重量%含有し、クロロホルム
    不溶分(W6)を10乃至45重量%含有し、(D)W
    4/W6の値が1.1乃至4.0であり、(E)THF
    可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
    PC)のクロマトグラムにおいて、分子量4000乃至
    9000の領域にメインピークを有し、分子量500乃
    至1万未満の領域の成分(A1)が35.0乃至65.
    0%であり、分子量1万乃至10万未満の領域の成分
    (A2)が25.0乃至45.0%であり、分子量10
    万以上の成分(A3)が10.0乃至30.0%であ
    り、A1/A2の値が1.05乃至2.00であること
    を特徴とする請求項1乃至37のいずれかに記載のトナ
    ー。
  39. 【請求項39】 酢酸エチル不溶成分を5乃至50重量
    %含有する請求項1乃至38のいずれかに記載のトナ
    ー。
  40. 【請求項40】 酢酸エチル不溶成分を10乃至40重
    量%含有する請求項1乃至38のいずれかに記載のトナ
    ー。
  41. 【請求項41】 クロロホルム不溶成分を15乃至40
    重量%含有する請求項1乃至40のいずれかに記載のト
    ナー。
  42. 【請求項42】 クロロホルム不溶成分を17乃至37
    重量%含有する請求項1乃至40のいずれかに記載のト
    ナー。
  43. 【請求項43】 比(W4/W6)の値が1.2乃至
    3.5であることを特徴とする請求項1乃至42のいず
    れかに記載のトナー。
  44. 【請求項44】 比(W4/W6)の値が1.5乃至
    3.0であることを特徴とする請求項1乃至42のいず
    れかに記載のトナー。
  45. 【請求項45】 THF可溶成分が分子量5000乃至
    8500にピークを有することを特徴とする請求項1乃
    至44のいずれかに記載のトナー。
  46. 【請求項46】 THF可溶成分が分子量5000乃至
    8000にピークを有することを特徴とする請求項1乃
    至44のいずれかに記載のトナー。
  47. 【請求項47】 THF可溶成分において、分子量50
    0乃至1万未満の成分(A1)が37.0乃至60.0
    %であることを特徴とする請求項1乃至46のいずれか
    に記載のトナー。
  48. 【請求項48】 THF可溶成分において、分子量50
    0乃至1万未満の成分(A1)が40.0乃至50.0
    %であることを特徴とする請求項1乃至46のいずれか
    に記載のトナー。
  49. 【請求項49】 THF可溶成分において、分子量1万
    乃至10万未満の成分(A2)が27.0乃至42.0
    %であることを特徴とする請求項1乃至46のいずれか
    に記載のトナー。
  50. 【請求項50】 THF可溶成分において、分子量1万
    乃至10万未満の成分(A2)が30.0乃至40.0
    %であることを特徴とする請求項1乃至46のいずれか
    に記載のトナー。
  51. 【請求項51】 THF可溶成分において、分子量10
    万以上の成分(A3)が12.0乃至25.0%である
    ことを特徴とする請求項1乃至46のいずれかに記載の
    トナー。
  52. 【請求項52】 THF可溶成分において、分子量10
    万以上の成分(A3)が15.0乃至20.0%である
    ことを特徴とする請求項1乃至46のいずれかに記載の
    トナー。
  53. 【請求項53】 THF可溶成分において、比(A1/
    A2)の値が、1.10乃至1.90であることを特徴
    とする請求項1乃至46のいずれかに記載のトナー。
  54. 【請求項54】 THF可溶成分において、比(A1/
    A2)の値が、1.15乃至1.80であることを特徴
    とする請求項1乃至46のいずれかに記載のトナー。
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