JP2000242033A - 現像装置及び画像形成方法 - Google Patents

現像装置及び画像形成方法

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JP2000242033A JP4074099A JP4074099A JP2000242033A JP 2000242033 A JP2000242033 A JP 2000242033A JP 4074099 A JP4074099 A JP 4074099A JP 4074099 A JP4074099 A JP 4074099A JP 2000242033 A JP2000242033 A JP 2000242033A
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正良 嶋村
Satoshi Otake
智 大竹
Satoshi Matsunaga
聡 松永
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
Tadashi Michigami
正 道上
Yasuko Shibayama
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定且つ適性な電荷を有し、均一でムラがな
く、ゴーストの発生しない高品位の画像を得ることがで
きる現像装置を提供する。 【解決手段】 現像剤4を現像剤担持体8上に担持し、
現像剤担持体上に現像剤の薄層を形成しながら、現像領
域へと搬送し、潜像担持体1上の潜像を現像し、可視像
化する現像装置において、 トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを含有し、結
着樹脂が、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビ
ニル系重合体ユニットとポリエステルユニットを有して
いるハイブリッド樹脂成分を含み、且つ、特定の複数の
溶媒に選択的に溶解する組成と分子量を有する成分を一
定量含有し、 現像剤担持体は、基体6、及び基体表面に形成された
バインダー樹脂及び導電性微粉末を含有している樹脂被
覆層7を有し、バインダー樹脂は、メチルメタクリレー
トモノマー単位と含窒素ビニルモノマー単位を含有する
共重合体を有していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法に用いられる現像装置及び画像形成
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを有する現像剤を用いて現像
して現像画像を形成し、必要に応じて紙の如き転写材に
現像画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶
剤蒸気により転写材に定着し、画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程である現像画像を転写材と
してのシートに定着する工程に関して種々の方法や装置
が開発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラー
又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加
熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー画像面を加圧下で接触しながら被定着シート
を通過せしめることによりトナー画像の定着を行なうも
のである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート
上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナー画像
を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好で
あり、迅速に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー画像とが溶融状
態、加圧下で接触する為に、トナー画像の一部が定着ロ
ーラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが
再転移し、被定着シートを汚すという所謂オフセット現
象が定着速度及び定着温度の影響を大きく受ける。一般
に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比
較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラ
ーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナー
を定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量
を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
【0006】被定着シート上のトナー画像は、何層かの
トナー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱
ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラー
に接触するトナー層と、被定着シートに接触している最
下層のトナー層との温度差が大となる。したがって、加
熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナー
が加熱ローラーに転移してしまう高温オフセットという
現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場
合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シ
ートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起
きやすい。
【0007】この問題を解決するために、定着速度が速
い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへトナ
ーをアンカーリングさせることが、通常行われている。
この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げること
ができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐこと
は可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常
に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻き付
いてしまう、所謂巻き付きオフセット現象が発生した
り、定着ローラーから被定着シートを分離するために使
用する分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さ
らには、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押
しつぶされたり、トナーが飛び散ったりして定着画像の
画像劣化を生じ易い。
【0008】従来、トナー用結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂及びスチレン系樹脂の如きビニル系共重合体が
主に使用されている。
【0009】ポリエステル樹脂は低温定着性に優れた性
能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を
発生しやすいという問題点を有している。この問題点を
補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾性特
性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合には低
温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー製
造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微粒
子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0010】スチレン系樹脂の如きビニル系共重合体
は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易な
ため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性
を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度
を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしま
うという問題点があった。
【0011】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。
【0012】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは、化学的
な構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着
性、耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性をすべて
満足するものとするのは難しい。
【0013】さらに、トナー製造時に添加される種々の
添加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの
定着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、
特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの
問題が顕著となる。
【0014】特開昭56−116043号公報及び特開
昭58−159546号公報では、ポリエステルル樹脂
の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有する
ことを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】特開昭58−102246号公報及び特開
平1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存
在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含
有することを特徴とするトナーが開示されている。
【0016】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0017】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0018】上述の結着樹脂では、縮重合系樹脂と付加
重合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することがで
きる。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐
高温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低
温定着性は未だ不十分であり、トナーにワックスが含有
される場合にはワックスの分散状態を制御することが困
難である。トナーとした場合には低温定着性ばかりでな
く、現像性においても未だ改良すべき課題を残してい
る。
【0019】特開昭62−195681号公報及び特開
昭62−195682号公報は、ビニル系樹脂をポリエ
ステル樹脂に対して、特定量含有するビニル系樹脂含有
ポリエステル樹脂よりなる電子写真用現像剤組成物に関
して記載している。
【0020】しかしながら、これらの電子写真用現像剤
組成物において用いられている結着樹脂は、ポリエステ
ル樹脂にビニル系樹脂が分散・混合されている混合物で
あり、低温定着性と耐高温オフセット性を満足すること
は困難である。
【0021】一方、複写機、プリンターともに画像の解
像度及び鮮鋭度の向上が求められている。これにはトナ
ーの小粒径化が有効である。小粒径化したトナーでは相
対的にトナーに含有される着色剤(磁性体)が多くな
り、トナーの低温定着性を維持するのは困難となり、ま
た現像性も従来以上に厳しい制約を受けることになる。
【0022】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者の検討によれば、ハ
ーフトーン部の画像を形成するトナーの載り量がベタ黒
部に比較して相対的に少ないことによるものであり、熱
ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱フィルムを
介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用
する中〜低速機において顕著である。
【0023】更に、電子写真技術を利用したプリンタ
ー、複写機及びFAXの如き記録装置は、小型化、高速
化及び高耐久の要求が強まっている。その中で、一旦オ
フセットしたトナーが熱ロール定着方式での熱ロールと
対向する加圧ローラーに、或いは、圧着加熱方式での耐
熱フィルムと対向する加圧ローラーに、付着・蓄積して
いく「加圧ローラー汚れ」という現象がある。この現象
が進み、蓄積量が多くなると、紙が加圧ローラーに巻き
付き、ジャムの原因になる。他方、小型化のために、オ
フセットしたトナーを取り除くクリーニング部材をはず
して、定着器の簡素化、及び、高耐久性を実現させたい
という要求がある。したがって、上述したジャムの発生
を抑制し、且つ上述した要求の実現のために、この加圧
ローラー汚れの改良が求められる。
【0024】その一方で、グラフィック画像のさらなる
高品位化の要求も強まってきている。グラフィック画像
の品質の一つを観点とした、ベタ画像における画像濃度
の一様性がある。
【0025】このベタ画像における濃度の一様性に関し
て、一成分現像方式においては、図14に示すようにハ
ーフトーンのベタ画像をプリントした際にベタ画像上に
その直前にプリントした画像がトナー担持体の周期で現
れる「スリーブゴースト」と呼ばれる現象があり、グラ
フィック画像の品質を低下させるケースがある。そこ
で、グラフィック画像の高品位化の点で、「スリーブゴ
ースト」の改良が求められている。
【0026】一方、上述の現像装置としては、トナー粒
子相互の摩擦、トナー担持体としての現像スリーブとト
ナー粒子との摩擦、及び現像スリーブ上のトナー塗布量
を規制する部材とトナー粒子との摩擦により、トナー粒
子に正或いは負の電荷を与え、このトナーを現像スリー
ブ上に極めて薄く塗布して感光ドラムと現像スリーブと
が対向した現像領域に搬送し、現像領域においてトナー
を感光ドラム表面の静電潜像に飛翔・付着して現像し、
静電潜像をトナー像として顕像化するものが知られてい
る。
【0027】上述の方式の現像に用いられる現像剤担持
体としては、例えば金属、その合金又はその化合物を円
筒状に成型し、その表面を電解・ブラスト・ヤスリ等で
所定の表面粗度になるように処理したものが用いられ
る。しかしこの場合、規制部材によって現像剤担持体表
面に形成される現像剤層中の現像剤担持体表面近傍に存
在する現像剤は非常に高い電荷を有することとなり、担
持体表面に鏡映力により強烈に引きつけられてしまい、
これによりトナーと担持体との摩擦機会が持てなくなる
ため、現像剤は好適な電荷を持てなくなる。このような
状況下では、十分な現像及び転写は行われず、画像濃度
ムラや文字飛び散り等の多い画像となってしまう。
【0028】このような過剰な電荷を有する現像剤の発
生や現像剤の強固な付着を防止するため、樹脂中にカー
ボン、グラファイトの如き導電性物質や固体潤滑剤を分
散させた被膜を上記現像剤担持体上に形成する方法が特
開平1−277256号公報、特開平3−36570号
公報等に提案されている。
【0029】しかし、近年では省エネのための現像剤の
低温定着化及び高精細画像形成のための小粒径化が望ま
れているため、このような機種においては上記方法だけ
では不十分である。例えば現像剤の低温定着化のため、
現像剤のTgをより低目に設定したり、ワックスなどの
低融点物質を多目に添加したりする傾向にあるため、本
体の昇温等に影響され、現像剤が現像剤担持体上に融着
しやすくなり、その結果画像濃度低下・白筋・ブロッチ
等が発生する。また、特開平1−112253号公報、
特開平2−284158号公報等には、高画質化、高精
細化のために粒径の小さいトナーを用いることが提案さ
れている。このような粒径の小さいトナーでは単位重量
当りの表面積が大きくなるため、表面電荷が大きくなり
やすく、所謂チャージアップ現象によりトナーが現像剤
担持体に固着し、その結果新たに現像剤担持体上に供給
された現像剤が帯電されにくくなり、現像剤の帯電量が
不均一となりやすく、画像上にスリーブゴーストが発生
しやすくベタやハーフトーンなどの画像がスジ状画像、
モヤ状画像など不均一になりやすい。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決した現像装置及びそれを利用した画像形成
方法を提供することにある。
【0031】本発明の目的は、ワックスが結着樹脂中に
均一に分散されたトナーを用いた現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。
【0032】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合でも、良好なハーフトーン部の定着性を示す現
像装置及びそれを利用した画像形成方法を提供すること
にある。
【0033】本発明の目的は、熱ロール定着器を使用す
る高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによ
る圧着加熱方式を使用する中〜低速機であっても良好な
低温定着性を示し、かつ高温までオフセットが生じるこ
とのない広い定着温度領域を示す現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。
【0034】本発明の目的は、スリーブゴーストのない
高品位なグラフィック画像が得られるトナーを用いた現
像装置及びそれを利用した画像形成方法を提供すること
にある。
【0035】本発明の目的は、ワックスの種類、添加量
によらずトナーの定着性及び現像性に悪影響することの
ない分散状態に制御したトナーを用いた現像装置及びそ
れを利用した画像形成方法を提供することにある。
【0036】本発明の目的は、該トナーを使用する際、
現像装置中のトナーの過剰帯電を防止し、かつトナーの
帯電を高めに保持させ、また現像剤担持体上への融着が
発生しにくく、それらの結果から生じる画像濃度低下・
白筋等が起こりにくい現像装置及びそれを利用した画像
形成方法を提供することである。
【0037】本発明の目的は、高温高湿下・常温低湿下
においても良好な画像が得られる現像装置及びそれを利
用した画像形成方法を提供することにある。
【0038】本発明の目的は、長期耐久においても安定
な画像が得られる現像装置及びそれを利用した画像形成
方法を提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は、現像容器内に
収容されたトナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担
持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現
像剤層を形成しながら、潜像担持体と対向する現像領域
へと搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像
し、可視像化する現像装置において、 前記トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
とも含有し、該結着樹脂が、(a)ビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエ
ステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含
み、(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした
10時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50
乃至85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15
乃至50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶
媒とした10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可
溶成分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチ
ル不溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)
クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W
5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量
%(W6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至
4.0であり、(f)THF可溶成分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)測定による分子量
分布において、分子量4000乃至9000の領域にメ
インピークを有し、分子量500乃至1万未満の領域の
成分が35.0乃至65. 0%(A1)であり、分子
量1万乃至10万未満の領域の成分が25.0乃至4
5.0%(A2)であり、分子量10万以上の成分が1
0.0乃至30.0%(A3)であり、A1/A2の値
が1.05乃至2.00であり、 前記現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表
面に形成されたバインダー樹脂及び導電性微粉末を含有
している樹脂被覆層を有し、該バインダー樹脂は、メチ
ルメタクリレートモノマー(M)単位と含窒素ビニルモ
ノマー(N)単位を含有する共重合体を有しており、該
共重合体における該メチルメタクリレートモノマー
(M)と該含窒素ビニルモノマー(N)との共重合モル
比が、下記条件: M:N=4〜999:1 を満足し、該バインダー樹脂は、3000〜50000
の重量平均分子量(Mw)を有していることを特徴とす
る現像装置に関する。
【0040】さらに本発明は、現像容器内に収容された
トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現
像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形
成しながら、潜像担持体と対向する現像領域へと搬送
し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像して現像
画像を形成する現像工程;該静電潜像保持体上に形成さ
れた現像画像を中間転写体を用いてまたは用いずに記録
材に転写する転写工程;及び該記録材に転写された現像
画像を加熱定着手段により該記録材に加熱定着する定着
工程;を有する画像形成方法において、 前記トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
とも含有し、該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエ
ステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含
み、(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした
10時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50
乃至85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15
乃至50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶
媒とした10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可
溶成分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチ
ル不溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)
クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W
5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量
%(W6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至
4.0であり、(f)THF可溶成分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)測定による分子量
分布において、分子量4000乃至9000の領域にメ
インピークを有し、分子量500乃至1万未満の領域の
成分が35.0乃至65. 0%(A1)であり、分子
量1万乃至10万未満の領域の成分が25.0乃至4
5.0%(A2)であり、分子量10万以上の成分が1
0.0乃至30.0%(A3)であり、A1/A2の値
が1.05乃至2.00であり、 前記現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表
面に形成されたバインダー樹脂及び導電性微粉末を含有
している樹脂被覆層を有し、該バインダー樹脂は、メチ
ルメタクリレートモノマー(M)単位と含窒素ビニルモ
ノマー(N)単位を含有する共重合体を有しており、該
共重合体における該メチルメタクリレートモノマー
(M)と該含窒素ビニルモノマー(N)との共重合モル
比が、下記条件: M:N=4〜999:1 を満足し、該バインダー樹脂が、3000〜50000
の重量平均分子量(Mw)の樹脂被覆層であることを特
徴とする画像形成方法に関する。
【0041】
【発明の実施の形態】{トナー}本発明者の検討によれ
ば、着色剤(特に磁性体)の含有量が増加した小粒径化
したトナーであっても、定着器の加熱方式によらずハー
フトーン画像でも良好な低温定着性を示し、高温オフセ
ットの発生温度が高く、オフセットし難いトナーを得る
ためには、トナーの結着樹脂が特定の複数の溶媒に選択
的に溶解する組成と分子量を有する成分を一定量含有す
ることが重要である。
【0042】従来は、トナーの結着樹脂に含有されるテ
トラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルの
いずれか一種類の溶媒に不溶な樹脂成分を定量するもの
であり、トナーの高温オフセット発生温度とはある程度
対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでな
く、トナーの現像性にも多大な影響を及ぼす可能性のあ
るトナーに含有されるワックスの分散状態を評価する観
点からの評価ではない。
【0043】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)は本発明のトナーに含有される結着樹脂
のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒である
が、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な溶
媒ではない。THFに不溶な成分を定量することは、ポ
リエステル樹脂中の極めて大きな分子量を有する成分ま
たは高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂成分中の
ポリエステルユニットの割合が相対的に多い成分とを定
量することである。このTHFに不溶な成分は、トナー
の低温定着性を評価することができる。更に、より良好
な低温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が
特定の分子量及び分子量成分を有することが重要であ
る。
【0044】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有す
る成分または高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂
成分中のビニル系重合体ユニットの割合が相対的に多い
成分とを定量することである。酢酸エチル不溶成分中に
は、クロロホルムに溶解する成分とクロロホルムに不溶
な成分とが含まれている。この酢酸エチルに不溶な成分
は、トナーの定着性ばかりでなくトナーに安定した現像
性(例えば、画像濃度、カブリ等の環境依存性)を付与
するのに重大な影響を与えるワックスの分散状態を評価
することができる。
【0045】クロロホルムは、本発明のトナーに含有さ
れる結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリエステ
ルユニットのいずれに対しても良好な溶媒である。クロ
ロホルムに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹脂
中の極めて大きな分子量を有する成分または高度に架橋
された成分と、ポリエステル樹脂中の極めて大きな分子
量を有する成分または高度に架橋された成分とハイブリ
ッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有する成分また
は高度に架橋された成分とを定量することである。この
様なハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有
する成分または架橋された成分は、トナーの高温オフセ
ット発生温度と密接に関係するが、更には、トナーが感
光体上に固着する融着あるいはブレード等のクリーニン
グ部材によりトナーがクリーニングされない等の現象
(クリーニング不良)とこれに伴う画像欠陥の発生とも
関係する。
【0046】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
にワックスの分散及び耐高温オフセットのバランスを示
すだけではなく、トナーが画像欠陥を発生することなく
安定な現像性を示すための指標となる。
【0047】本発明において、結着樹脂は、THF不溶
分(W2)を15乃至50重量%含有していることが良
く、好ましくは20乃至45重量%、更に好ましくは2
5乃至40重量%含有することが良い。THF不溶分の
含有量が15重量%未満となる場合には、トナーの高温
オフセット発生温度が低くなり耐ホットオフセット性に
問題が生じるばかりでなく、トナーの保存性も悪化する
場合があり好ましくない。THF不溶分の含有量が50
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0048】本発明において、結着樹脂は、酢酸エチル
不溶分(W4)を2乃至60重量%含有していることが
良く、好ましくは5乃至50重量%、更に好ましくは1
0乃至40重量%含有することが良い。酢酸エチル不溶
分の含有量が2重量%未満となる場合には、トナーの耐
ホットオフセット性に問題が生じ、トナーに含有される
ワックスの分散状態を制御するのが困難となり、耐久に
より画像濃度が低下する場合があり好ましくない。酢酸
エチル不溶分の含有量が60重量%超となる場合には、
トナーの低温定着性に問題が生じ、耐久によりカブリ濃
度が高くなる場合があり好ましくない。
【0049】本発明において、結着樹脂は、クロロホル
ム不溶分(W6)を10乃至45重量%含有することが
良く、好ましくは15乃至40重量%、更に好ましくは
17乃至37重量%含有することが良い。クロロホルム
不溶分の含有量が10重量%未満となる場合には、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりトナーが感光体上に融着する現象が発生する場合が
あり好ましくない。クロロホルム不溶分の含有量が45
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性に問題が
生じるばかりでなく、耐久により感光体上のトナーがク
リーニングされにくくなる場合があり好ましくない。
【0050】酢酸エチル不溶分(W4)とクロロホルム
不溶分(W6)との比(W4/W6)の値は、1.1乃
至4.0であるこどが良く、好ましくは1.2乃至3.
5、更に好ましくは1.5乃至3.0であることが良
い。比(W4/W6)が1.1未満あるいは4.0超と
なるいずれの場合においても耐久により画像濃度が低下
する。
【0051】さらに、本発明においては、結着樹脂は、
(i)THF不溶分(W2)を含有しており、THF不
溶分(W2)は、さらにクロロホルム不溶分(W6A)
をA重量%(結着樹脂の重量基準で)含有しており、
(ii)酢酸エチル不溶分(W4)を含有しており、酢
酸エチル不溶分(W4)は、さらにクロロホルム不溶分
(W6B)をB重量%(結着樹脂の重量基準で)含有し
ている。
【0052】このTHF不溶成分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と酢酸エチ
ル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶成
分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足することが
好ましく、 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 さらに好ましくは、下記条件を満足することが良い。
【0053】5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5
【0054】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を3重量%未満含有している場合には、ト
ナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、
トナ一の耐久による画像濃度が低下する場合があり好ま
しくない。
【0055】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を25重量%より多く含有している場合に
は、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0056】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を7重量%未満含有している場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0057】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を30重量%より多く含有している場
合には、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好
ましくない。
【0058】THF不溶分(W2)が含有しているクロ
ロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル不溶分
(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W6B)
の含有量との合計量(W6A+W6B)は、結着樹脂の
クロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当するもので
あり、よって、合計量(W6A+W6B)の上下限から
外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分(W6)の
含有量の上下限から外れる場合と同様の結果となる。
【0059】さらにTHF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル
不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W
6B)の含有量との比率が1:1未満の場合には、トナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、ト
ナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0060】1:3超の場合には、トナーの低温定着性
が損なわれるばかりでなく、耐久により画像濃度が低下
する場合があり好ましくない。
【0061】THF可溶分は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分
布において、メインピークを分子量4000乃至900
0の領域に有しており、好ましくは分子量5000乃至
8500の領域に有しており、更に好ましくは分子量5
000乃至8000の領域に有していることが良い。メ
インピークを分子量4000未満の領域に有する場合に
は、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場合があ
り、メインピークを分子量9000超の領域に有する場
合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があり好ま
しくない。
【0062】分子量500乃至1万未満の領域の成分
(A1)は、35.0乃至65.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは37.0乃至60.0%、更に好
ましくは40.0乃至55.0%含有されていることが
良い。分子量500乃至1万未満の領域の成分の含有量
が35.0%未満となる場合にはトナーの低温定着性が
悪化する場合があり、65.0%超となる場合にはトナ
ーの保存性が悪化する場合があり好ましくない。
【0063】分子量1万乃至10万未満の領域の成分
(A2)は、25.0乃至45.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは27.0乃至42.0%、更に好
ましくは30.0乃至40.0%含有されていることが
良い。分子量1万乃至10万未満の領域の成分の含有量
が25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオフ
セット性が悪化する場合があり、45.0%超となる場
合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好まし
くない。
【0064】分子量10万以上の領域の成分(A3)
は、10.0乃至30.0%含有されていることが良
く、好ましくは12.0乃至25.0%、更に好ましく
は15.0乃至22.0%含有されていることが良い。
分子量10万以上の領域の成分の含有量が10.0%未
満となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化
する場合があり、30.0%超となる場合にはトナーの
低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。
【0065】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
00であることが良く、好ましくは1.10乃至1.9
0、更に好ましくは1.15乃至1.80であることが
良い。比(Al/A2)が1.05未満となる場合には
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00超
となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0066】本発明において、結着樹脂を合成する際に
用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマーとビ
ニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂を合成
するためのモノマー100重量部に対して、ビニル系モ
ノマー10乃至100重量部、好ましくは15乃至80
重量部、さらに好ましくは20乃至70重量部であるこ
とが良い。
【0067】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニット
と、(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エス
テル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニ
ットとがエステル交換反応によって形成されるものであ
り、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステ
ルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるい
はブロック共重合体)を形成するものである。
【0068】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル系重合体ユニットとポリエステルユニッ
トとは、
【0069】
【化11】 を介して結合するものである。
【0070】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
ビニル系重合体ユニット中の全カルボン酸エステルのポ
リエステルユニットとの反応率、すなわちグラフト化率
がビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エス
テルを基準にして、好ましくは10乃至60モル%、よ
り好ましくは15乃至55モル%、更に好ましくは20
乃至50モル%含有することが良い。グラフト化率が1
0モル%未満となる場合にはビニル系重合体ユニットと
ポリエステルユニットの相溶性が悪化し、ワックスの分
散性も悪化することがあり好ましくなく、60モル%超
となる場合には相対的に分子量の大きな成分が増大する
結果、トナーの低温定着性が悪化する場合があり好まし
くない。
【0071】酢酸エチルに不溶な成分(W4)は、ポリ
エステル樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し
ていることが良く、好ましくは50乃至95重量%、更
に好ましくは60乃至90重量%含有していることが良
い。ポリエステル樹脂成分(Gp)含有量が40重量%
未満となる場合には、トナーの定着性が悪化する可能性
があり好ましくなく、98重量%超となる場合には、炭
化水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく好ましく
ない。
【0072】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポ
リエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有
していることが良く、好ましくは25乃至85重量%、
更に好ましくは30乃至80重量%含有していることが
良い。ポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20重
量%未満となる場合には、炭化水素系ワックスがトナー
に含有される結着樹脂全体で均一に分散されるために定
着性が改良されず、90重量%超となる場合には、炭化
水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく局在化が生
じ、ホットオフセットが発生しやすい。
【0073】比(Sp/Gp)は、0.5乃至1.0で
あることが良く、好ましくは0.6乃至0.95、更に
好ましくは0.65乃至0.9であることが良い。比
(Sp/Gp)が0.5未満となる場合や比(Sp/G
p)が1.0超となる場合には、いずれも酢酸エチルに
不溶な成分と溶解する成分とが均一に混合されず、トナ
ーの現像性が悪化する場合があり好ましくない。
【0074】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、重
量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30
以上であることが良く、好ましくはMwが30万乃至2
00万、Mw/Mnが50乃至300であり、更に好ま
しくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃
至250である。Mwが20万未満又はMw/Mnが3
0未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合
があり好ましくない。
【0075】本発明においては、トナーの結着樹脂全体
の酸価(AV1)は、7〜40mgKOH/gであれば
よいが、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好
ましくは15〜35mgKOH/g、さらに好ましくは
17〜30mgKOH/gであることが良い。
【0076】さらに、トナーの酢酸エチル可溶分(W
3)の酸価(AV2)は、10〜45mgKOH/gで
あればよいが、好ましくは15〜45mgKOH/g、
より好ましくは17〜40mgKOH/g、さらに好ま
しくは20〜35mgKOH/gであることが良い。
【0077】このトナーの結着樹脂全体の酸価(AV
1)とトナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価(AV
2)との比(AV1/AV2)は、好ましくは0.7〜
2.0、より好ましくは0.9〜1.7、さらに好まし
くは1.0〜1.5であることが良い。
【0078】トナーの結着樹脂全体の酸価(AV1)が
7mgKOH/g未満の場合及び40mgKOH/gを
超える場合は、ともに耐久によって画像濃度が低下する
場合があり好ましくない。
【0079】トナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価
(AV2)が10mgKOH/g未満の場合にはトナー
の耐高温オフセット性が損なわれる場合があり好ましく
なく、45mgKOH/gを超える場合にはトナーの低
温定着性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0080】AV1/AV2の値が0.7未満の場合に
は耐久による画像濃度が低下する場合があり好ましくな
く、2.0を超える場合にはトナーの耐高温オフセット
性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0081】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットは、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる
2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸
または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくと
も1種以上を含有するものである。
【0082】
【化12】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R3,R4,R5
及びR6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換
基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R7及びR8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基を表し、nは12乃至4
0の整数を表わす。]
【0083】式(1)で表せる化合物としては、例え
ば、下記化合物(1−1)〜(1−6)が挙げられる。
【0084】
【化13】
【0085】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(2−1)〜(2−4)が挙げられる。
【0086】
【化14】
【0087】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(3−1)〜(3−3)が挙げられる。
【0088】
【化15】
【0089】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(4−1)〜(4−2)が挙げられる。
【0090】
【化16】
【0091】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(5−1)〜(5−5)が挙げられる。
【0092】
【化17】
【0093】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(6−1)〜(6−5)が挙げられる。
【0094】
【化18】
【0095】本発明に用いられるポリエステル樹脂のモ
ノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0096】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコ−ル、2−エチル−1,3−へ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(7−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(7
−2)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0097】
【化19】
【0098】
【化20】
【0099】酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0100】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0101】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が
挙げられる。
【0102】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0103】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0104】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリ
エステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸または
その無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋
された架橋構造を有しているものである。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物また
は低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多価
アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパント
リオール、トリメチロールプロパン、へキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、好ましく
は1,2,4ベンゼントリカルボン酸及びその酸無水物
である。
【0105】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
アクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレ一ト、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレー卜をメタクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で緒ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0106】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
【0107】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(更に好まし
くは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0108】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0109】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。
【0110】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0111】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類;2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパ−オキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパ−オキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキンベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0112】本発明のトナーに用いられる結着樹脂を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0113】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機
溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコール
を添加し、加熱することによりエステル交換反応を行な
って合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0114】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことがでさる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0115】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニッ卜との反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0116】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0117】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0118】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0119】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニッ卜を使用することができる。
【0120】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散伏態を制御できる点で好ましい。
【0121】本発明のワックスを含有するトナーの示差
走査熱量計で測定されるDSC曲線において、好ましく
は温度70乃至160℃、より好ましくは温度70乃至
140℃、さらに好ましくは75乃至140℃、最も好
ましくは80乃至135℃の領域に吸熱メインピークを
有することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の
点で良い。
【0122】さらに好ましくは、ワックスを含有するト
ナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度80〜155℃、好ましくは90〜130℃の
領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱シ
ョルダーを有していることが、低温定着性,耐オフセッ
ト性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0123】トナーのDSC曲線において、温度70乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点が好ましくは70〜160℃、より好ましくは75〜
160℃、さらに好ましくは75〜140℃、最も好ま
しくは80〜135℃であるものが使用される。
【0124】このようなワックスとしては、例えば、低
分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロク
リスタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪
族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭
化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワック
ス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワックス
などの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックス
にスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用い
てグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセ
リドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化
物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ
ル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0125】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の
利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行
なったものがより好ましく用いられる。母体としての炭
化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元
系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成
されたもの、例えばジントール法、ヒドロコール法(流
動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く
得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られ
る。
【0126】本発明において好ましく用いられる高融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。それ以外の好ましく用いられるワックスと
しては、水酸基、カルボキシル基等の置換機を有する置
換アルキルワックスがある。
【0127】さらに、本発明者らは、上記のハイブリッ
ド樹脂成分を有する結着樹脂と組合わせて用いるワック
スとして、下記式(A),(B)または(C)
【0128】
【化21】 で示される長鎖アルキル化合物を用いることにより、ト
ナー中で長鎖アルキル化合物が良好に分散し得ることを
見い出した。
【0129】本発明で用いられる式(A),(B)及び
(C)で表せる長鎖アルキル化合物は、疎水性のアルキ
ル基と親水性の水酸基及びカルボキシル基を有するため
に、ポリエステルユニット及び無極性ワックスである炭
化水素系ワックス、ポリオレフィンワックスの両者との
相溶性が良好である。
【0130】従って、式(1)乃至(5)で表せるカル
ボン酸あるいはアルコールと同様に、本発明で用いられ
るハイブリッド樹脂成分と組み合わせた場合にワックス
の分散状態を制御することが可能となり、特に混練工程
でワックスを添加してトナーを製造する場合には効果的
である。
【0131】本発明者の検討によれば、ハイブリッド樹
脂成分と式(A),(B)または(C)で表せる長鎖ア
ルキル化合物を組み合わせて使用する場合、ソックスレ
ー抽出でテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムに不溶な成分を定量することにより、前
述した様にトナーの低温定着性、現像性及び耐高温オフ
セット性を評価することができる。更にテトラヒドロフ
ラン(THF)、酢酸エチル及びクロロホルムの各溶媒
に不溶な成分に含有されるワックス量を知ることによ
り、ワックスの分散状態に関する知見を得ることができ
る。
【0132】ワックスの分散状態は、ビニル系重合体及
びポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分に含有されるワックス量とトナー粒子に含有される
ワックス量(H)を比較することにより評価することが
できる。
【0133】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)に不溶な成分(W2)に含有されるワッ
クスは、主にポリエステルユニットの含有量が相対的に
多いハイブリッド樹脂成分に分散されているワックス量
(H1)に相当し、酢酸エチルに不溶な成分(W4)に
含有されるワックスは、主にビニル系重合体ユニットの
含有量が相対的に多いハイブリッド樹脂成分に分散され
ているワックス量(H2)に相当し、クロロホルムに不
溶な成分(W6)に含有されるワックスは、主に極めて
大きな分子量を有する成分または架橋されたハイブリッ
ド樹脂成分に含有されているワックス量(H3)に相当
するものと考えられる。
【0134】従って、トナー粒子に含有されるワックス
の分散状態は、トナー粒子及びテトラヒドロフラン(T
HF)、酢酸エチル、クロロホルムの各溶媒に不溶な成
分に含有されるワックス量比(H:H1:H2:H3)
で評価できる。
【0135】本発明のトナーにおいて、比(H:H1:
H2:H3)は1:0.6:0.6:0.6乃至1:
2:2:2となれば良いが、好ましくは1:0.7:
0.7:0.7乃至1:1.7:1.7:1.7となる
場合であり、さらに好ましくは、1:0.8:0.8:
0.8乃至1:1.5:1.5:1.5となる場合であ
る。
【0136】もし、比(H:H1:H2:H3)のH
1,H2及びH3が0.6未満となる場合には、ワック
スがビニル系重合体ユニットあるいはポリエステルユニ
ットのどちらかとの相溶性が強く偏在する傾向がある
か、またはワックスの分散粒径が小さいことを示す。比
(H:H1:H2:H3)のH1,H2及びH3が2超
となる場合には、ワックスがビニル系重合体ユニットあ
るいはポリエステルユニットのいずれとの相溶性が悪
く、ワックスの分散粒径が大きいことを示し、いずれの
場合にも低温定着性、耐高温オフセット性及び耐高温ブ
ロッキング性のいずれかに問題が生じる場合があり好ま
しくない。
【0137】一般的に、トナーの低温での定着性は、溶
媒に溶解する分子量の低い樹脂組成物と関係付けられ、
高温でのオフセット発生は溶媒に不溶である樹脂組成物
と関係付けられ、相互に補完することで定着性と耐ホッ
トオフセット性を両立している。換言すれば、低温での
トナー定着性は、溶媒に不溶である樹脂組成物の存在で
阻害される可能性がある。
【0138】本発明のトナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、式
(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物と良好
な相溶性を示すことにより選択的に相互作用し分散状態
を安定化する。それと同時にトナーが加熱定着される際
には溶融した式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキ
ル化合物により効率的に軟化し、定着性を阻害すること
が少なく、良好な定着性と耐ホットオフセット性を達成
できる。
【0139】上記の長鎖アルキル化合物(A)を得るに
は、例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて重合し、
重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのアル
コキシドを生成する。この後、加水分解することによ
り、式(A)に示す長鎖アルキルアルコールを得る。さ
らにこの長鎖アルキルアルコールをエポキシ基を有する
物質を反応させることにより、上記の式(B)で示され
る長鎖アルコキシアルコールを得る。この様にして得ら
れた長鎖アルキルアルコールは、共に分岐が少なく、さ
らに、分子量分布がシャープなものが、本発明の目的に
沿ったのもである。
【0140】上記の式(C)の長鎖炭化水素化合物は、
式(A)で示される長鎖炭化水素化合物を酸化すること
により得られる。
【0141】式(A)、(B)及び(C)に示される化
合物において、平均値xは35〜150が好ましい。x
が35未満の場合は潜像保持体に融着が発生したり、ト
ナーの保存安定性が低下する。xが150より大きい場
合は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化合
物の極性基と結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分
(G)との相互作用が小さくなり、スリーブゴーストの
改良の効果が低下する。平均値yは5以下が好ましい。
yが5より大きいと、融点が低くなり、潜像保持体に融
着が発生しやすいからである。同様の理由でRはH或い
はC1〜C10の炭化水素基が好ましい。
【0142】さらに、本発明に用いられる長鎖アルキル
化合物は、数平均分子量Mnが150〜2500、重量
平均分子量Mwが250〜5000、Mw/Mnが3以
下であることが好ましい。
【0143】Mnが150未満又はMwが250未満の
場合には、潜像保持体融着が発生したり、トナーの保存
安定性が低下する。Mnが2500を超える又はMwが
5000を超える場合には、式(A)、(B)又は
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基と結着樹脂中の
酢酸エチルに不溶な部分(G)との相互作用が小さくな
りスリーブゴーストの改良効果が小さくなる。
【0144】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)は、OH価が、好ましくは2〜150
mgKOH/g、より好ましくは10〜120mgKO
H/gであることが良い。長鎖アルキル化合物(A)及
び(B)のOH価が2mgKOH/g未満である場合
は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
中の極性基が少なく、結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な
成分(G)との相互作用が小さくなりスリーブゴースト
の改良効果が小さくなる。長鎖アルキル化合物(A)及
び(B)のOH価が150mgKOH/gより大きい場
合は、OH基の電荷密度の偏りが大きくなり、結着樹脂
中のOH基の電荷密度の偏りよりも大きくなるため、コ
ピー画像において、初期から濃度の低い低画質のものあ
るいは、初期の濃度は高くても、コピーを続けてゆくう
ちに次第に濃度が低下してゆく現象が出現しやすい。さ
らに、OH価が150mgKOH/gより大きい場合
は、長鎖アルキルアルコールの分子量の低いものが多く
含まれるため、トナーが潜像保持体に融着しやすくな
り、さらに、保存安定性も低下する。
【0145】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(C)は、酸価が、好ましくは2〜150mgKOH/
g、より好ましくは5〜120mgKOH/gであるこ
とが良い。酸価が2mgKOH/g未満の場合は、式
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基が少なく、結着
樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が
小さくなりスリーブゴーストの改良効果が小さい。酸価
が150mgKOH/gより大きい場合には、低分子量
のものが多く含まれるため、トナーが潜像保持体に融着
しやすく、保存安定性も低下する。
【0146】本発明のトナーに含有される式(A)、
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物を含有するトナ
ーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有
することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の点
で好ましい。
【0147】長鎖アルキル化合物は、より好ましくは、
示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度
80〜135℃の領域に吸熱メインピークを有すること
が好ましい。さらに好ましくは、示差走査熱量計で測定
されるDSC曲線において、温度90〜130℃の領域
に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショル
ダーを有していることが低温定着性、耐オフセット性及
び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0148】これら長鎖アルキル化合物を単独で用いる
場合は、結着樹脂100重量部当たり、0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ま
しい。
【0149】長鎖アルキル化合物を他のワックスと併用
する場合は、この使用総量を、結着樹脂100重量部当
たり0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量
部使用するのが好ましい。
【0150】本発明のトナーでは、ある特定な結着樹脂
とある特定な長鎖アルキル化合物とともに少なくとも、
炭化水素ワックス、若しくは石油系ワックスを含有する
ことが好ましい。これらワックスの存在により定着器で
発生する加圧ローラー汚れが改良される。本発明者は、
加圧ローラー汚れ現象について鋭意検討したところ、こ
の現象は、単にオフセットするトナーの量に依存するも
のではなく、加圧ローラーとの付着性・離型性が、重要
な因子であることがわかった。
【0151】本発明者らは、この付着性・離型性という
点に着目し、さらに検討を進めた結果、本発明の特定の
結着樹脂、及び、特定の長鎖アルキル化合物及び炭化水
素ワックス若しくは、石油系ワックスを組み合わせるこ
とにより、加圧ローラー汚れが改良できることを見い出
した。
【0152】極性をほとんど有しない炭化水素ワックス
もしくは石油系ワックスは、本発明の結着樹脂中の酢酸
エチルに不溶な成分(G)に主に分散する。
【0153】これらのワックスは、本発明のトナーに若
干の極性を有する上記式(A)、(B)又は(C)で示
される長鎖アルキル化合物との相互作用により、酢酸エ
チルに不溶な成分(G)における、その存在の様態が従
来になかったような状態になり、加圧ローラーに対する
離型性が向上する。これにより、加圧ローラー汚れが改
良されるものと考えている。
【0154】本発明に含有できる炭化水素ワックスとし
ては、具体的には例えばエチレンやプロピレンの如きア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、
高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるア
ルキレンポリマー、一酸化炭素及び水素からなる合成ガ
スからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分か
ら、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水
素などのワックスが用いられる。更に、プレス発汗法、
溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別を行
なったものがより好ましく用いられる。
【0155】石油系ワックスとしては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム
の如き石油より分離されたワックスが使用される。
【0156】本発明における炭化水素ワックス、石油系
ワックスは実質的に官能基を有しない。ここで「実質
的」とは、官能基の数が1分子あたり0.1個以下であ
るものを指す。
【0157】本発明において使用される炭化水素ワック
スもしくは石油系ワックスは、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有する
ことが、トナーの低温定着性及び耐オフセット性の点で
好ましい。
【0158】より好ましくは、炭化水素ワックスもしく
は石油系ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計
で測定されるDSC曲線において温度80〜135℃の
領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さら
に好ましくは、ワックスを含有するトナーは、示差走査
熱量計で測定されるDSC曲線において、温度90〜1
30℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又
は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性、耐オ
フセット性、加圧ローラー汚れ防止及び耐ブロッキング
性の点で好ましい。
【0159】炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、
GPCで測定したその分子量分布から求めた重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが
1.0〜3.0であるものが好ましい。炭化水素ワック
ス及び石油系ワックスがこの範囲を満たす場合、加圧ロ
ーラー汚れの改良の効果がより大きい。
【0160】本発明において用いられる炭化水素ワック
ス若しくは石油系ワックスの含有量(Y)としては、結
着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。ま
た、上記式(1)、(2)又は(3)で示される長鎖ア
ルキル化合物の含有量(X)と炭化水素ワックス若しく
は石油系ワックスの含有量(Y)は、下記条件 X/Y=0.02〜50 を満たしていることが好ましい。
【0161】X/Yが0.02未満又は50を超える場
合は、加圧ローラー汚れの改良の効果が小さくなってし
まう。
【0162】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当たり好まし
くは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重
量部使用するのが好ましい。
【0163】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0164】トナーを負荷電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物、有機金属塩が挙
げられる。具体的には、モノアゾ金属錯体、芳香族ヒド
ロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸化合物の金属錯
体又は金属塩が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキ
シカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその
無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェノール誘
導体類等がある。
【0165】本発明のトナーは、特に下記式(c)で示
される荷電制御剤を含有していることが好ましい。
【0166】
【化22】 [式中、Mは、Mn,Fe,Ti及びAlからなるグル
ープから選択される配位中心金属を示し、Arは、ニト
ロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アリニド基、炭素
数1〜18のアルコキシ基からなるグループから選択さ
れる置換基を有してもよいアリール基を示し、X,
X’,Y及びY’は、−O−,−CO−,−NH−又は
−NR−(Rは炭素数1−4のアルキル基)を示し、A
+は、水素、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アン
モニウムイオン又は脂肪族アンモニウムイオンを示
す。]
【0167】上記式(c)で示す荷電制御剤の中で、特
に下記式(d)で示されるアゾ系鉄錯体が好ましく用い
られる。
【0168】
【化23】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
子、C1〜C18のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
キシ、C1〜C18のアルコキシ、アセチルアミノ、ベン
ゾイルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3
同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1
〜3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニト
ロ基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イ
オンからなるグループから選択されるカチオンイオンを
示す。]
【0169】このような荷電制御剤を用いることによ
り、ネガ・スリーブゴーストをより良好に改善すること
ができる。この理由としては、はっきりしたことは不明
であるが、式(c)(好ましくは式(d))で示される
化合物は、本発明で用いるハイブリッド樹脂成分を含む
結着樹脂に良好に分散することが可能なためと推察され
る。この結果、トナー粒子個々の帯電が均一になり、ネ
ガ・スリーブゴーストが改良されると考えられる。
【0170】特に、本発明で用いられる結着樹脂との組
合せにおいては、前記式(d)に示したアゾ系鉄錯体化
合物のA+が75〜98モル%のアンモニウムイオンを
含有することが、安定したトナー画像を得るために好ま
しい傾向を示す。アンモニウムイオンがこの範囲内にあ
るときに、酢酸エチルに可溶な成分・不溶な成分両方に
特に良好な分散性を示すと考えられる。アゾ系鉄錯体化
合物において、アンモニウムイオンだけをカチオンとし
て有する場合には、ネガ・スリーブゴーストが悪化する
傾向が見られる。一方、プロトンやアルカリ金属だけを
カチオンとして有する場合にも同様にネガ・スリーブゴ
ーストが悪化する。
【0171】本発明者らが検討したところ、カチオン成
分としてアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオン
および/またはプロトンを共存させることで、本発明で
用いる結着樹脂への分散が良好な化合物が得られる。特
に、アンモニウムイオンが75〜98モル%になると分
散性が良好になる。
【0172】さらに、本発明においてトナーに用いるア
ゾ系鉄錯体化合物はメタノールに対する溶解度が、好ま
しくは0.1〜8g/100ml、より好ましくは0.
3〜4g/100ml、さらに好ましくは0.4〜2g
/100mlであることが良い。
【0173】溶解度が0.1g/100ml未満である
場合には、トナー中への分散性が低くなりやすい。一
方、溶解度が8g/100mlを超える場合には、トナ
ーの帯電性が悪化しやすく、ネガ・スリーブゴーストが
悪化しやすい。
【0174】荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当た
り好ましくは0.2〜5重量部で用いることが好まし
い。
【0175】本発明で用いるアゾ系鉄錯体化合物の代表
的な具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
【0176】
【化24】
【0177】
【化25】
【0178】
【化26】
【0179】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0180】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe
23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げ
られる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又
はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0181】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、79
5kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が
抗磁力1.5〜12kA/m(20〜150エルステッ
ド)、飽和磁化50〜200Am2/kg(50〜20
0emu/g)、好ましくは50〜100Am2/kg
(50〜100emu/g)、残留磁化2〜20Am2
/kg(2〜20emu/g)のものが好ましい。
【0182】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0183】本発明に用いられる磁性体としては、球形
度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄を使用することが好
ましい。球形度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄がトナ
ー中に存在することで、磁性酸化鉄がトナー粒子表面に
適度に露出し易くなり、トナーの帯電性が安定し、スリ
ーブゴーストの改良に効果があると考えられる。
【0184】本発明で使用する磁性酸化鉄はケイ素元素
を含有することが好ましく、さらには磁性酸化鉄のケイ
素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%
であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%まで
に存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ
素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜
84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の
含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10
〜55%であることが、より好ましい。磁性酸化鉄がケ
イ素元素を含有し、さらに好ましくは上記の条件を満た
すように存在することで、よりスリーブゴーストの改良
に効果がある。
【0185】本発明に係わるケイ素元素を有する磁性酸
化鉄粒子は、例えば下記方法で製造される。
【0186】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物を
添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水
酸化ナトリウムのごときアルカリを加え、水酸化第一鉄
を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以
上(好ましくは8〜10)に維持しながら空気を吹き込
み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の
酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず
生成する。
【0187】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進
め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化
反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒
子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させるこ
とが好ましい。
【0188】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。なお本発明に悪影響を与
えない限り、硫酸アルミ、アルミナ、その他の添加剤を
加えても良い。
【0189】水溶液法による磁性酸化鉄の製造におい
て、第一鉄塩水溶液の濃度は反応時の粘度の上昇を防ぐ
ため、また硫酸鉄の溶解度の関係により、鉄濃度0.5
〜2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一
般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。ま
た反応に際しては空気量が多いほど、そして反応温度が
低いほど微粒化しやすい。
【0190】上述の製造方法によりケイ酸成分を有する
磁性酸化鉄粒子を生成し、その磁性酸化鉄粒子をトナー
に使用することが好ましい。
【0191】本発明において、磁性酸化鉄粒子表面のケ
イ素元素の含有量Cは、次のような方法によって求める
ことが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リ
ットルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウ
ォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水で
スラリーとした磁性酸化鉄粒子約25gを約300ml
の脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と共に5リ
ットルビーカー中に加える。
【0192】次いで温度を約60℃、撹拌スピードを約
200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを加
え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化鉄
粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始す
る。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、
0.1μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を採取
する。濾液をプラズマ発光分光(ICP)によってケイ
素元素の定量を行う。
【0193】次式によって各サンプルごとの鉄元素溶解
率が計算される。
【0194】
【数1】
【0195】各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び
含有量は、次式によって計算される。
【0196】
【数2】
【0197】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の全含有量A
は、全て溶解した後の磁性酸化鉄粒子の単位重量当たり
のケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。
【0198】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有量B
は、磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%の場合に、検出さ
れる磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度
(mg/リットル)に相当する。磁性酸化鉄粒子の溶解
率が20%という状態は、磁性酸化鉄の表面付近のみが
塩酸により溶解した状態であり、この時のケイ素元素の
含有量Bは磁性酸化鉄の表面近くに存在しているケイ素
元素の量を示している。
【0199】ケイ素元素の含有量A、B及びCを測定す
る方法としては、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分け
て、ケイ素元素の含有率及び含有量A及びBを測定する
一方で、含有量Cを別途測定する方法と、(2)磁性酸
化鉄の試料の含有量Cを測定し、測定後の試料を使用し
て次いで含有量B’(含有量Bから含有量Cを引いた
量)および含有量A’(含有量Aから含有量Cを引いた
量)を測定し、最終的に含有量A及びBを算出する方法
が挙げられる。
【0200】磁性酸化鉄の球形度の測定は以下のように
して行う。磁性酸化鉄の電子顕微鏡写真を用いてランダ
ムに100個以上の磁性酸化鉄粒子を選び、各粒子の最
小長と最大長の比を求め、次いで各計算値を平均化した
ものとする。
【0201】 球形度(ψ)=最小長(μm)/最大長(μm)
【0202】本発明のトナーは、磁性体の他に、着色剤
としては、カーボンブラック、チタンホワイトやその他
の顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本
発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合に
は、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレ
クトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ア
シッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.
I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー
7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシッ
クグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイ
エロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、
ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フ
ァイナルイエローグリーンGがある。
【0203】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0、51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90、112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19,C.I.バットレッド、1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0204】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレッド8、1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0205】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙
げられる。
【0206】
【化27】
【0207】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0208】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5
〜50重量部である。
【0209】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理ア
ルミナがある。
【0210】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0211】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0212】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.002〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0213】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリ力微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0214】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0215】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0216】疎水化方法としては、カップリング剤の如
きシリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素
化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する
ことによって付与される。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ
微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0217】シランカップリング剤としては、へキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフエニルジタロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシン
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個
のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ
1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリ
シロキサン等がある。
【0218】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカッ
プリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)が挙げられる。
【0219】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、さらに好ましくは10〜200センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリ
コーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをへンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混
合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオ
イルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーン
オイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を
加え混合すし溶剤を除去する方法;を用いることが可能
である。
【0220】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。
【0221】本発明においては、シリカを予めカップリ
ング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方
法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイ
ルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ま
しい。
【0222】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0223】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、へンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。
【0224】本発明のトナーは、重量平均粒径が、好ま
しくは3乃至10μm、より好ましくは3乃至9μmを
有することが解像性、画像濃度の点で好ましく、小粒径
トナーであっても良好に加熱加圧定着できる。
【0225】さらに、本発明において、トナーの体積平
均粒径(Dv)が2.5μm以上の場合には、画像濃度
の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また7.
0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性
が向上することから、トナーの体積平均粒径(Dv)は
2.5乃至7.0μmであることが好ましい。
【0226】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0227】本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及び
その他の物性の測定方法を以下に示す。
【0228】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温度
調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。TH
Fに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に
60℃で24時間真空乾燥することにより定量できる。
トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合は、着
色剤(磁性体)等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(T
W2)から下記式により算出される。
【0229】
【数3】
【0230】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。
【0231】ソックスレー抽出装置の一例を図13に示
す。
【0232】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。
【0233】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量1 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含
有量を重量%で算出する。
【0234】 (1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0235】 (13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0236】1H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を、図3及び4乃至
6を用いて下記に記載する。
【0237】1H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図4及び5参照):プロポキシ化ビ
スフェノールA(PO−BPA)及びエトキシ化ビスフ
ェノールA(EO−BPA)の存在比率は、1H−NM
Rスペクトルにおける5.2ppm、5.3ppm及び
5.4ppm付近のプロポキシ基の水素(各1H相当:
図6参照)のシグナルと4.3ppm及び4.65pp
m付近のエトキシ基の水素(各4H相当)のシグナルと
の強度比から求める。
【0238】1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照):テレフタ
ル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−NMRス
ペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸の水素
(4H相当)のシグナルと7.6ppm、7.8ppm
及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素(各1H
相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0239】1H−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図4及び5参照):スチレンの存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける6.6ppm付近
の水素(1H相当)のシグナルの強度比から求める。
【0240】13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在
比率の決定(図3参照):脂肪族カルボン酸、(メタ)
アクリル酸エステル及びビニル系重合体とポリエステル
樹脂との反応生成物の存在比率は、13C−NMRスペク
トルにおける173.5ppm及び174ppm付近の
脂肪族カルボン酸のカルボキシル基の炭素(各1C相
当)のシグナルと176ppm付近の(メタ)アクリル
酸エステルのカルボキシル基の炭素(1C相当)のシグ
ナルと169ppm付近の新たに検出されたピークの
(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと強度比から求める。
【0241】13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図3参照):
脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族力ルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0242】13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図3参照):スチレンの存在比率は、13
−NMRスペクトルにおける125ppm付近のパラ位
の炭素(1C相当)のシグナルの強度比から求める。
【0243】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定:上記乃
至の1H−NMRスペクトルから、PO−BPA、E
O−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及びスチレ
ンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出し、さら
に上記乃至の13C−NMRスペクトルから、PO−
BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化
合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成
物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸及びスチレ
ンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出すること
により、全構成モノマーの組成存在比率をモル比率で算
出する。このモル比率での各モノマー組成存在比率から
各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴う脱水量は
無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重量%で算出
する。
【0244】(3)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0245】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲3
0〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常
湿下で測定を行う。
【0246】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。
【0247】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。
【0248】(4)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0249】(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0250】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温
常湿下で測定を行う。
【0251】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0252】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0253】(6)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0254】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0255】(7)結着樹脂原科又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0256】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分lmlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0257】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のμ−styragel 500,103,10
4,105の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA801,802,803,804,805,80
6,807の組合せが好ましい。
【0258】(8)トナーに含有される結着樹脂の13
−NMR測定 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による データポイント:32768 遅延時間 :25sec. 積算回数 :50000回 測定温度 :26℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの濃塩酸
(約12M)に添加して約70時間撹拌して、トナーに
含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸性(約
pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹脂組成
物を60℃で約20時間真空乾燥して測定試料とする。
この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチューブに
入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)3ml
を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調製す
る。
【0259】(9)酸価の測定 JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠
して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では
0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(約2
5℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール
30mlを添加して試料溶液とする。
【0260】(10)OH価(水酸基価)の測定 試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、こ
れにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後10
0℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラ
スコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして
無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフ
ラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤で
フラスコの壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いて
N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴
定を行いOH価を求める(JISK0070−1966
に準ずる)。
【0261】(11)粒度分布の測定 粒度分布については、種々の方法によって測定できる
が、本発明においてはコールターカウンターのマルチサ
イザーを用いる。電解液は特級または1級塩化ナトリウ
ムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえばI
SOTON R−II(コールターサイエンティフィッ
クジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記
電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活
性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を
0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加え
る。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチ
ャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以
上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布
とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から
求めた重量基準の重量平均径(D4)及び体積平均粒径
(Dv)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル
毎の代表値とする)を求めた。
【0262】(12)荷電制御剤の溶解度測定法 荷電制御剤を2g秤量し、300mlの三角フラスコ中
に投入する。ここにメタノール100mlを加え、攪拌
しながら50℃に昇温し、1時間攪拌を続ける(荷電制
御剤がすべて溶解する場合は、荷電制御剤をさらに2g
づつ添加して攪拌を続ける)。
【0263】次いで、室温まで冷却し、不溶の荷電制御
剤を0.1μmのフィルターでろ過して試料溶液とし、
分光光度計を用いて最大吸収波長における吸光度を測定
する。この時、ろ過溶液中の荷電制御剤の濃度が濃い場
合には、必要に応じてメタノールで希釈して測定を行
う。
【0264】一方、別に調製した荷電制御剤の標準溶液
(20ppm濃度メタノール溶液)の最大吸収波長にお
ける吸光度を測定し、標準溶液の吸光度と試料溶液の吸
光度の吸光度の差から、下記ランバート−ベールの法則
に従って試料溶液の荷電制御剤の溶解度を測定する。
【0265】溶解度=荷電制御剤溶解量(g)/メタノ
ール(100ml) ランバート−ベールの法則: loge(I0/I)=ε0cd [式中、Iは溶液の透過光の強度を示し、I0はメタノ
ールの透過光の強度を示し、ε0は吸光係数を示し、c
は荷電制御剤の濃度を示し、dは測定溶液の厚さを示
す。]
【0266】{現像剤担持体}次に、本発明に用いられ
る現像剤担持体について説明する。
【0267】現像剤担持体に用いられる基体としては、
金属、樹脂、ゴムあるいはその複合材で作られた円柱状
部材、円筒状部材、ベルト状部材などが適用可能であ
る。特に円筒管が好適に用いられる。このような円筒管
はアルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等の非磁性の金属
または合金を円筒状に成型し研磨・研削等を施したもの
が好適に用いられる。これらの金属円筒管は画像の均一
性を良くするために、高精度に成型あるいは加工されて
用いられる。例えば長手方向の真直度は30μm以下も
しくは20μm以下が好ましく、スリーブと感光ドラム
との間隙の振れ、例えば、垂直面に対し均一なスペーサ
ーを介して突き当て、スリーブを回転させた場合の垂直
面との間隙の振れも30μm以下もしくは20μm以下
であることが好ましい。
【0268】本発明の樹脂層のバインダー樹脂(共重合
体)としては、主成分として、メチルメタクリレートが
含有される。メチルメタクリレートはポリマーとして用
いられた場合、機械的強度に優れている。また、現像剤
に対する摩擦帯電付与性に関して良好である。しかしな
がら、ホモポリマーとして用いた場合には摩擦帯電付与
性が不十分であることが多く、本発明に示される、含窒
素ビニルモノマーを必須成分とすることにより摩擦帯電
付与性を向上させることが可能であり、更には、メチル
メタクリレート以外のビニル基を有する酸あるいはその
エステルモノマーを含む共重合体として用いることによ
り摩擦帯電付与性及び環境安定性を向上させることがで
きる。
【0269】本発明で現像剤担持体の樹脂層に用いられ
る少なくともメチルメタクリレートモノマーと含窒素ビ
ニルモノマーを含む共重合体のメチルメタクリレートモ
ノマーと含窒素ビニルモノマーの共重合モル比は、99
9:1〜8:2であることが好ましい。999:1を上
回ると、含窒素ビニルモノマーの添加効果がほとんどな
い、すなわち摩擦帯電性アップが極めて少なく、共重合
させる効果がほとんどみられない。また8:2を下回る
とTgが下がることにより樹脂層が安定せず、例えば電
子写真本体装置の昇温により樹脂層の帯電付与、耐磨耗
製等の特性が損なわれたり、トナーが固着しやすくなっ
たりする。
【0270】また、メチルメタクリレートモノマーは共
重合体を形成する全モノマーを基準として70〜99.
9モル%未満用いられることが好ましく、70モル%未
満ではメチルメタクリレート成分比率の減少により機械
的強度の低下を招き、99.9モル%以上では共重合の
効果が得られにくい。同様に窒素ビニルモノマーは0.
1〜20モル%未満であることが好ましい。0.1モル
%以下では摩擦帯電性アップの効果が極めて少なくなっ
てしまい、20モル%以上では耐磨耗性の低下など樹脂
層が安定しにくくなる。
【0271】また本発明においては、メチルメタクリレ
ート成分が70%以上の比率で含有されることから、メ
チルメタクリレートのホモポリマーと比較しても機械的
強度、例えば耐磨耗性を損なうことはない。さらに含窒
素ビニルモノマー成分が含有されていることから、樹脂
層中に導電性微粉末などの顔料成分を分散した場合にお
いては、分散性が向上し、この点においても耐磨耗性等
にとっては好ましい。例えば、主成分としてスチレンを
用いた場合には、摩擦帯電付与特性は減少し、更に耐磨
耗性も悪化する。そのため長期耐久性(耐久枚数の多
い)が要求されるものや、スリーブに対してより強い力
の加わるような現像装置構成のもの、例えば弾性規制部
材や剥ぎ取りローラー等がスリーブ表面に当接されてい
るような系には適さない。さらにまたメチルメタクリレ
ート以外のビニル基を有する酸あるいはそのエステルモ
ノマーを含むことで、現像剤担持体上での現像剤の帯電
安定性に効果がある。
【0272】含窒素ビニルモノマーの代表例としては、
例えば、p−ジメチルアミノスチレン、ジメチルアミノ
メチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジエチルア
ミノメチルアクリレート、ジエチルアミノエチルアクリ
レート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ジメチ
ルアミノメチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピ
ルメタクリレート、ジエチルアミノメチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどがあり、
さらに、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルベンズイ
ミダゾール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロ
ール、N−ビニルピペリジン、N−ビニルモルフォリ
ン、N−ビニルインドールなどの含窒素複素環式N−ビ
ニル化合物がある。
【0273】特に、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルメタクリレートなどの下記一
般式に示される含窒素ビニルモノマーを用いることが好
ましい。
【0274】
【化28】 [式中、R1,R2,R3及びR4は、水素原子あるいは炭
素数1〜4の飽和炭化水素基を示し、nは1〜4の整数
を示す。]
【0275】メチルメタクリレート以外のビニル基を有
する酸あるいはそのエステルモノマーとしては、アクリ
ル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、
アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メ
タクリルニトリル、アクリルアミドなどのような二重結
合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;例えば
マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マ
レイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン
酸およびその置換体;例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、
安息香酸ビニルのようなビニルエステル類がある。
【0276】また本発明に用いられる4級アンモニウム
基含有ビニルモノマーとしては、メチルメタクリレート
と共重合可能なものであれば特にその構造は限定される
ものではないが、より好ましい4級アンモニウム基含有
ビニルモノマーとしては、下記一般式に示される4級ア
ンモニウム基含有ビニルモノマーがある。
【0277】
【化29】 [式中、R5は、水素原子又はメチル基を示し、R6は、
炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R7〜R9は、メチ
ル基、エチル基又はプロピル基を示し、X1は、−CO
O−又は−CONH−を示し、A-は、Cl-、(1/
2)SO 2−の如きアニオンを示す。]
【0278】本発明に用いられる上記バインダー樹脂の
分子量としては、重量平均分子量Mwで、3000〜5
0000の範囲にあることが良い。分子量Mwが300
0未満の場合には低分子量成分が多すぎるため、トナー
がスリーブに付着または固着しやすくなったり、樹脂の
帯電付与性が低下する。また50000を超えた場合に
は、分子量が高すぎ、溶媒中の樹脂粘度が高いため、塗
工不良や顔料類を添加した場合には分散不良の原因とな
り、樹脂層の組成が不均一になりトナー帯電が安定しな
い、表面粗さが安定しない、耐磨耗性が減少するなどの
原因となる。
【0279】また本発明に用いられるバインダー樹脂の
重量平均分子量と数平均分子量の比を表すMw/Mnは
3.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは、
3.0以下である。Mw/Mnが3.5を超えた場合、
低分子量成分が増加するために、トナーの付着性の増加
や融着が増加したり、トナーへの摩擦帯電付与性の低下
が生じる。
【0280】本発明において、バインダー樹脂のGPC
によるクロマトグラムの分子量分布は次のように測定さ
れる。すなわち、40℃のヒートチャンバー中でカラム
を安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒として
THFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約
100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあた
っては、試料の有する分子量分布を、数種類の単分散ポ
リスチレン標準試料により作成された検量線の対数値と
カウント数との関係から算出した。測定サンプルの調製
としては、例えば、溶液重合で作製された樹脂溶液を1
50℃,1.5時間,15mmHgの条件下で減圧乾燥
し、重合溶液を除去する。さらにこのサンプルを濃度
0.5wt%にTHFにて溶解し2晩放置後、5μmの
フィルター(東ソー製 マイショリディスク H−25
−5)により濾過を行い測定した。検量線作成用の標準
ポリスチレン試料としては、例えば、東ソー社製あるい
は、昭和電工製の分子量が102〜107程度のものを用
い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)
検出器を用いる。なおカラムとしては、市販のポリスチ
レンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例え
ば昭和電工社製のShodex GPC KF−80
1,802,803,804,805,806,80
7,800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKge
lG1000H(HXL),G2000H(HXL),G3
000H(HXL),G4000H(HXL),G5000
H(HXL),G6000H(HXL),G7000H(H
XL),TSKguardcolumnの組み合わせを挙
げることができる。
【0281】本発明の樹脂層に添加し、樹脂層に導電性
を付与する材料としては、一般に公知の導電性微粉末が
挙げられる。例えば、銅、ニッケル、銀、アルミニウム
等の金属あるいは合金の粉体;酸化アンチモン、酸化イ
ンジウム、酸化スズ、酸化チタン等の金属酸化物;カー
ボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト等の
炭素系導電剤等々が挙げられる。導電性微粉末の添加量
は、その現像システムにより異なるが、例えば、(体積
固有抵抗が1×10-2Ω・cm〜1×105Ω・cmの
範囲)、になるように添加することが好ましい。カーボ
ンブラック、とりわけ導電性のアモルファスカーボンは
特に電気伝導性に優れ、他に比べ、少ない量の添加で導
電性を付与することができ、添加量のコントロールによ
りある程度任意の抵抗値を得ることができるので、好適
に用いられる。
【0282】本発明の樹脂層中には潤滑性粒子を含有さ
せることも好ましい。このような潤滑性粒子の例として
は、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、グラファイ
ト、フッ化グラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カ
ルシウム−グラファイト、滑石、テフロン、PVDF等
のフッ素化重合体、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸アルミニウム、パルミチン酸
亜鉛等の脂肪酸金属塩等々が挙げられる。なかでもグラ
ファイトは、潤滑性とともに導電性も有することから好
ましく用いられる。
【0283】これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好
ましくは0.2〜20μm程度、より好ましくは1〜1
5μmのものを使用するのが良い。潤滑性粒子の個数平
均粒径が0.2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得
られ難く好ましくなく、個数平均粒径が20μmを超え
る場合には、導電性被覆層表面の粗さが不均一となり、
トナーの均一な帯電化及び被覆層の強度の点で好ましく
ない。
【0284】次に本発明に使用される球状粒子について
説明する。球状粒子の添加により現像剤担持体の導電性
被覆層表面に均一な表面粗度を保持させるのと同時に、
被覆層表面にある程度の凸部を形成することで被覆層表
面への規制ブレード圧による間接的な押圧力や、トナー
との接触による負荷を抑え、トナー融着やトナー汚染の
軽減の効果が得られる。球状粒子の粒径としては体積平
均粒径が0.3〜30μm、好ましくは3〜25μm、
より好ましくは10〜25μmであることがよい。球状
粒子の体積平均粒径が0.3μm未満では表面に均一且
つ十分な粗さを付与する効果に乏しく、被覆層の磨耗に
よるトナーのチャージアップ、トナー汚染及びトナー融
着を発生し、ゴーストの悪化や画像濃度低下を引き起こ
す。体積平均粒径が30μmを超えると導電性被覆層表
面の粗さが大きくなり過ぎてしまい、トナーの帯電が十
分に行われなくなってしまうと共に被覆層の機械的強度
が低下してしまう。
【0285】また本発明で用いられる球状粒子の真密度
は3g/cm3以下、好ましくは2.7g/cm3以下、
より好ましくは0.9〜2.3g/cm3であることが
よい。球状粒子の真密度が3g/cm3を超える場合に
は、被覆層中での球状粒子の分散が不十分となるため、
被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなり、被覆層の
強度が不十分となり好ましくない。また球状粒子の真密
度が0.9g/cm3より小さい場合にも被覆層中での
球状粒子の分散が不十分となるため好ましくない。
【0286】本発明に用いられる球状粒子は、公知の球
状粒子が可能である。例えば球状の樹脂粒子、球状の金
属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子などがあり、トナー
の現像性や現像システムに合わせて適宜用いることが出
来る。
【0287】球状の樹脂粒子としては、例えば、懸濁重
合法、分散重合法などによる球状の樹脂粒子などが用い
られる。球状の樹脂粒子は少ない添加量で好適な表面粗
さが得られ、さらに均一な表面形状が得られやすい。こ
のような球状の樹脂粒子としては、ポリアクリレート、
ポリメタクリレート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン
等のポリアミド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂
粒子、フェノール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒
子、スチレン系樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子等々が
あげられる。粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的ある
いは物理的な球形化処理を行ってから用いてもよい。
【0288】また、該球状粒子の表面に無機物を付着、
あるいは固着させて用いてもよい。このような無機微粉
体としては、SiO2、SrTiO3、CeO2、Cr
O、Al23、ZnO、MgOなどの酸化物、Si34
の様な窒化物、SiCの様な炭化物、CaSO4、Ba
SO4、CaCO3の様な硫酸塩、炭酸塩等々があげられ
る。このような無機微粉体はカップリング剤により処理
して用いてもよい。特に結着樹脂との密着性を向上させ
る目的、あるいは粒子に疎水性を与える等々の目的でカ
ップリング剤を好ましく用いることが可能である。この
ようなカップリング剤としては、例えば、シランカップ
リング剤、チタンカップリング剤、ジルコアルミネート
カップリング剤等がある。より具体的には、例えば、シ
ランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザ
ン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリ
メチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチ
ルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ア
リルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロル
シラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロ
ルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロ
ルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオ
ルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプ
タン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチ
ルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、
ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメ
チルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジ
シロキサン及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位
を有し、末端に位置する単位にそれぞれ1個の硅素原子
に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等
があげられる。
【0289】このように球状樹脂粒子表面に対して無機
微粉末で処理することにより、被覆層中への分散性、被
覆層表面の均一性、耐汚染性、耐磨耗性等を向上させる
ことができる。
【0290】また、球状粒子に導電性を持たせることに
よって粒子表面のチャージアップを防ぎ、トナーの付着
や融着などを減少させ、トナーの帯電付与性を向上させ
ることができるので更に好ましい。
【0291】本発明において、球状粒子の導電性として
は、体積抵抗値が106Ωcm以下が好ましい。球状粒
子の体積抵抗が106Ωcmを超えると、磨耗によって
被覆層表面に露出した球状粒子を核としてトナーの汚染
や融着を発生しやすくなるとともに、迅速且つ均一な帯
電が行われにくくなる場合がある。このような導電性球
状粒子を得る方法としては、以下に示すような方法が好
ましいが、これらの方法に限定されるものではない。導
電性球状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状
粒子やメソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及
び/又は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素
粒子を得る方法があげられる。樹脂系球状粒子に用いら
れる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタレ
ン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン
重合体、スチレン−ジビニルベンゼン重合体、ポリアク
リロニトリル等があげられる。メソカーボンマイクロビ
ーズは、通常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成
する球状結晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶
剤で洗浄することによって製造することができる。
【0292】より好ましい導電性球状粒子を得る方法と
しては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹
脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの
如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバ
ルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸
化性雰囲気化で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空
下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭
素粒子を得る方法があげられる。この方法で得る球状炭
素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部
の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より
好ましい。
【0293】上記した方法で得られる導電性の球状炭素
粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させること
によって、得られる球状炭素粒子の導電性を制御するこ
とが可能であり、本発明において好ましく使用される。
また、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によ
っては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真
密度が3g/cm3を超えない範囲で、導電性の金属及
び/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
【0294】本発明で使用される導電性球状粒子を得る
他の方法としては、球状樹脂粒子からなる芯粒子に対し
て、芯粒子の粒径より小さい粒径の導電性微粒子を適当
な配合比で機械的に混合することによって、ファンデル
ワールス力及び静電気力の作用により、芯粒子の周囲に
均一に導電性微粒子を付着した後、例えば機械的衝撃力
を付与することによって生ずる局部的温度上昇により芯
粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜
して導電化処理した球状樹脂粒子を得る方法が挙げられ
る。上記の芯粒子には、有機化合物からなる真密度の小
さい球形の樹脂粒子を使用することが好ましく、樹脂と
しては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベン
ゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、
ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリエステル樹脂があげられる。芯粒子(母粒
子)の表面に付着させる導電性微粒子(小粒子)として
は、導電性微粒子被膜を均一に設ける為に、小粒子の粒
径が母粒子の粒径の1/8以下のものを使用するのが好
ましい。
【0295】本発明に使用される導電性球状粒子を得る
更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子
を均一に分散させることにより、導電性微粒子が分散さ
れた導電性球状粒子を得る方法があげられる。球状樹脂
粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法として
は、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電
性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉
砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性
球状粒子を得る方法;又は、重合性単量体中に重合開始
剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機に
よって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水相中に攪拌機等によって所定の粒子径にな
るように懸濁させて重合を行ない、導電性微粒子が分散
された球状粒子を得る方法;があげられる。
【0296】これらの方法で得た導電性微粒子が分散さ
れた導電性球状粒子においても、前記した芯粒子より小
さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合
して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用によ
り、導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着
させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することにより
生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を軟
化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電性
を高めて使用してもよい。
【0297】本発明の樹脂層を得る方法としては、例え
ば、各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、前記基体
上に塗工することにより得ることが可能である。各成分
の分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダ
イノミル、パールミル等のビーズを利用した公知の分散
装置が好適に利用可能である。また塗工方法としては、
ディッピング法、スプレー法、ロールコート法等公知の
方法が適用可能である。
【0298】この被膜層の表面粗さは、JIS中心線平
均粗さ(Ra)で0.3〜3.5μmの範囲にあること
が好ましい。Raが0.3μm未満ではトナー担持体上
のトナーが鏡映力によりトナー担持体表面に不動層を作
ってしまい、トナーへの帯電付与や現像性が不充分とな
り、ムラ、飛び散り、濃度薄などの画像不良が発生す
る。Raが3.5μmを超えると、トナー担持体上のト
ナーコート層の規制が不十分となり、画像の均一性が不
十分となったり、帯電不十分のため画像濃度薄となった
りする。より好ましい範囲は現像剤層厚の規制方法によ
り異なるが、いずれの形態にせよ上記範囲にあることが
好ましい。
【0299】本発明における表面粗さの測定は、小坂研
究所製表面粗度計SE−3400を用い、測定条件とし
ては、カットオフ0.8mm、測定距離8.0mm、送
り速度0.5mm/sec.にて12箇所の測定値の平
均をとった。
【0300】{現像装置・画像形成方法}次に、上記し
たような本発明の現像剤担持体が組み込まれる現像装
置、現像方法及び画像形成方法にいて説明する。
【0301】図7は、本発明の現像剤担持体を有する一
実施形態の現像装置の模式図を示す。
【0302】図7において、公知のプロセスにより形成
された静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電
子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像
剤担持体としての現像スリーブ8は、現像剤容器として
のホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一
成分系現像剤4を担持して、矢印A方向に回転すること
によって、現像スリーブ8と感光ドラム1とが対向して
いる現像領域Dに現像剤4を搬送する。図7に示すよう
に、現像スリーブ8内には、現像剤4を現像スリーブ8
上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石が内接されて
いるマグネットローラー5が配置されている。本発明の
現像装置で用いられる現像スリーブ8は、基体としての
金属円筒管6上に被覆された導電性被覆層7を有する。
ホッパー3中には、現像剤4を攪拌するための攪拌翼1
0が設けられている。12は現像スリーブ8とマゲネッ
トローラー5とが非接触状態にあることを示す間隙であ
る。
【0303】現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像ス
リーブ8上の導電性被覆層7との摩擦により、感光ドラ
ム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷
を得る。図7の例では、現像領域Dに搬送される現像剤
4の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材として
の強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像スリーブ
8の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って
現像スリーブ8に臨む様に、ホッパー3から垂下されて
いる。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が
磁性規制ブレード2に集中することにより、現像スリー
ブ8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明において
は、この磁性規制ブレード2にかえて非磁性ブレードを
使用することもできる。
【0304】この様にして、現像スリーブ8上に形成さ
れる現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像
スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に
薄いものであることが好ましい。
【0305】本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像
剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即
ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に、より均一且
つ迅速にトナーを帯電させることで、高品質・高画質を
達成できる現像装置であることから有効であるが、現像
領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感
光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装
置、即ち接触型現像装置にも本発明に用いる現像剤担持
体を適用することができる。
【0306】説明の煩雑を避けるため、以下の説明で
は、上記したような非接触型現像装置を例に採って行
う。
【0307】上記現像スリーブ8に担持された磁性トナ
ーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、上記現像
スリーブ8にはバイアス手段としての現像バイアス電源
9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイ
アス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の
画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位
と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ8に印
加するのが好ましい。
【0308】現像された画像の濃度を高め、或は階調性
を向上するためには、現像スリーブ8に交番バイアス電
圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電
界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像
部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成
分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加
するのが好ましい。
【0309】高電位部と低電位部を有する静電潜像の高
電位部に一成分系現像剤を付着させて可視化する、所
謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯
電するトナーを有する一成分系現像剤を使用する。
【0310】高電位部と低電位部を有する静電潜像の低
電位部に一成分系現像剤を付着させて可視化する、所
謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯
電するトナーを有する一成分系現像剤を使用する。
【0311】高電位、低電位というのは、絶対値による
表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少な
くとも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
【0312】図8は、本発明の現像装置の第2の実施形
態を示す構成模式図であり、図9は、本発明の現像装置
の更に第3の実施形態を示す構成模式図である。
【0313】図8及び図9に示した現像装置では、現像
スリーブ8上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規
制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴ
ム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の
如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブ
レード11を使用する。この弾性規制ブレード11は、
図8の現像装置では現像スリーブ8の回転方向と逆方向
の向きで圧接されており、図9の現像装置では現像スリ
ーブ8の回転方向と順方向の向きで圧接されているのが
特徴である。
【0314】これらの現像装置では、現像スリーブ8に
対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材11を弾
性的に圧接することによって、現像スリーブ上に現像剤
の薄層を形成することから、現像スリーブ8上に、上記
した図7の場合よりも更に薄い現像剤層を形成すること
ができる。
【0315】図8及び図9の現像装置の他の基本的構成
は図7に示した現像装置と同じであり、同符号のもの
は、基本的には同一の部材であることを示す。
【0316】図7乃至図9はあくまでも本発明の現像装
置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパ
ー3)の形状、攪拌翼10の有無、磁極の配置に様々な
形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置
では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる
現像に使用することもできる。
【0317】図10を参照しながら、図9で例示した本
発明の現像装置を使用した画像形成方法の一例について
説明する。
【0318】一次帯電手段としての接触(ローラー)帯
電手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム
101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光11
5によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。現像剤層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されている現像剤担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナーを有する
一成分系現像剤104によって反転現像される。図10
に示すように、現像領域Dにおいて感光ドラム101の
導電性基体が設置されており、現像スリーブ108には
バイアス印加手段109により交互バイアス、パルスバ
イアス及び/又は直流バイアスが印加されている。記録
材Pが搬送されて転写部に来ると、転写手段としての接
触(ローラー)転写手段113により記録材の背面(感
光ドラム側と反対面)から電圧印加手段114で帯電さ
れることにより、感光ドラム101の表面上に形成され
ている現像画像が接触転写手段113で記録材P上へ転
写される。感光ドラム101から分離された記録材P
は、定着手段としての加熱加圧ローラー定着器117に
搬送され、該定着器117によって被記録材P上の現像
画像の定着処理がなされる。
【0319】転写工程後の感光ドラム101に残留する
一成分系現像剤104は、クリーニングブレード118
aを有するクリーニング手段118で除去される。残留
する一成分系現像104が少ない場合にはクリーニング
工程を省くことも可能である。クリーニング後の感光ド
ラム101は、必要によりイレース露光116により除
電され、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)
帯電手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰
り返される。
【0320】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。現像剤担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像容器103内の一
成分系現像剤104は、現像スリーブ108上に塗布さ
れて担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦
及び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マ
イナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレ
ード111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様
に設け、現像剤層の厚さを薄く(30〜300μm)且
つ均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム10
1と現像スリーブ108との間隙よりも薄い現像剤層を
形成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整する
ことによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ド
ラム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれ
に近い速度となるようにする。
【0321】現像領域Dにおいて、現像スリーブ108
に現像バイアス電圧として、交流バイアス又はパルスバ
イアスをバイアス印加手段109により印加してもよ
い。この交流バイアスはfが200〜4000Hz、V
ppが500〜3000Vであればよい。現像領域Dに
おける磁性トナーを有する一成分系現像剤の転移に際
し、感光ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイ
アス又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用
によって、一成分系現像剤は静電潜像側に移転する。
【0322】弾性規制ブレード111の代わりに、鉄の
ごとき磁性ドクターブレードを用いることも可能であ
る。
【0323】一次帯電手段としては、以上のごとく接触
帯電手段として帯電ローラー119を用いて説明した
が、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でも
よく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかし
ながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電
手段の方が好ましい。転写手段としては、以上のごとく
転写ローラー113の如き接触帯電手段を用いて説明し
たが、非接触のコロナ転写手段でもよい。しかしなが
ら、こちらも転写によるオゾンの発生が少ない点で接触
帯電手段の方が好ましい。
【0324】図11に本発明のプロセスカートリッジの
一具体例を示す。
【0325】以下のプロセスカートリッジの説明におい
て、図10を用いて説明した画像形成方法の構成部材と
同様の機能を有するものについては、図10と同じ符号
を用いて説明する。
【0326】本発明のプロセスカートリッジは、少なく
とも現像手段としての現像装置と静電潜像保持体とが一
体的にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置
本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、フ
ァクシミリ装置)に脱離可能に装着されている。図11
に示した実施形態では、現像手段120、ドラム状の静
電潜像保持体(感光ドラム)101、クリーニングブレ
ード118aを有するクリーニング手段118、一次手
段としての接触(ローラー)帯電手段119を一体とし
たプロセスカートリッジ150が例示される。本実施形
態では、現像手段120は、弾性規制ブレード111と
現像剤容器103内に磁性トナーを有する一成分系現像
剤104を有し、該現像剤104を用い、現像時にはバ
イアス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラ
ム101と現像スリーブ108との間に所定の電界が形
成されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に
実施するためには、感光ドラム101と現像スリーブ1
08との間の距離が非常に重要である。
【0327】上記では、現像手段120、静電潜像保持
体101、クリーニング手段118及び一次帯電手段1
19の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実
施形態について説明したが、本発明においては、現像手
段と静電潜像保持体との少なくとも2つの構成要素が一
体的にカートリッジ化されたものであればよく、現像手
段、静電潜像保持体及びクリーニング手段の3つの構成
要素、現像手段、静電潜像保持体及び一次帯電手段の3
つの構成要素、あるいは、その他の構成要素を加えて一
体的にカートリッジ化することも可能である。
【0328】上述の本発明の画像形成方法をファクシミ
リーのプリンターに適用する場合には、高像露光Lは受
信データをプリントするための露光になる。図12はこ
の場合の一例をブロック図で示したものである。
【0329】コントローラー21は画像読取部20とプ
リンター29を制御する。コントローラー21の全体は
CPU27により制御されている。画像読取部からの読
取データは、送信回路23を通して相手局に送信され
る。相手局から得たデータは受信回路22を通してプリ
ンター29に送られる。画像メモリーには所定の画像デ
ータが記憶される。プリンタコントローラ28はプリン
ター29を制御している。24は電話である。画像25
から受信された画像(回線を介して接続されたリモート
端末からの画像情報)は、受信回路22で復調された
後、CPU27は画像情報の複合処理を行い順次画像メ
モリ26に格納される。そして、少なくとも1ページの
画像がメモリ26に格納されると、そのページの画像記
録を行う。
【0330】CPU27は、メモリ26より1ページの
画像情報を読み出しプリンタコントローラ28に複合化
された1ページの画像情報を送出する。プリンタコント
ローラ28は、CPU27からの1ページの画像情報を
受け取るとそのページの画像情報記録を行うべく、プリ
ンタ29を制御する。
【0331】なお、CPU27は、プリンタ29による
記録中に、次のページの受信を行っている。以上のよう
に画像の受信と記録が行われる。
【0332】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0333】 ネガトナー用結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1) 低架橋度樹脂組成物の製造(I−L−1) (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0334】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って、2
10℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、
クロロホルム不溶分を約4重量%含有する低架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0335】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(I−L−1)を得た。
【0336】 高架橋度樹脂組成物の製造(I−H−1) (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.1mol
【0337】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約25重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0338】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−H−1)を得た。
【0339】結着樹脂の製造(I−1) キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−L−
1)60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−H−1)3
0重量部、スチレン5重量部、2−エチルヘキシルアク
リレート5重量部及びジビニルベンゼン0.01重量部
を添加して110℃まで加熱して膨潤・溶解した。窒素
雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイド
ロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶解
したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に1
0時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加熱
しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度ポ
リエステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系
重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロ
ロホルム不溶分を約28重量%含有する結着樹脂(I−
1)を得た。
【0340】(樹脂製造例I−2) 樹脂製造例I−1において、高架橋度樹脂組成物(I−
H−1)を製造する際に、ポリエステル樹脂80重量部
に対して16.6重量部の表1に示すワックス(1)を
スチレン及び2−エチルヘキシルアクリレートと共に添
加して、ワックスを含有し、かつクロロホルム不溶分を
37重量%含有する高架橋度樹脂組成物(I−H−2)
を得た。高架橋度樹脂組成物(I−H−2)35重量部
(ワックス5重量部を含む)を使用した以外は製造例I
−1と同様にして、低架橋度ポリエステル樹脂、高架橋
度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステル
ユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブ
リッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約30
重量%含有する結着樹脂(I−2)を得た。
【0341】(樹脂製造例I−3〜I−7) 低架橋度樹脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示
すモノマーに変更した以外は樹脂製造例I−1の低架橋
度樹脂組成物(I−L−1)と同様にして、クロロホル
ム不溶分を約6重量%含有する低架橋度樹脂組成物(I
−L−3)を得た。 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0342】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−H−2)と同様にして縮重合
反応を行い、樹脂組成物30重量部に対してワックス
(2)を5重量部含有し、クロロホルム不溶分を約19
重量%含有した高架橋度樹脂組成物(I−H−3)を得
た。 ・テレフタル酸 :2.2mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0343】低架橋度樹脂組成物(I−L−3)60重
量部、高架橋度樹脂組成物(I−H−3)35重量部を
用いた以外は、樹脂製造例I−1と同様にして、高架橋
度ポリエステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニ
ル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体
ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分からなる表
2乃至4に示す結着樹脂(I−3)を得た。
【0344】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表2乃至4に示す結着樹脂
(I−4)〜(I−7)を得た。
【0345】(樹脂比較製造例I−1)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりにテレ
フタル酸を使用した以外は同様にして、表2乃至4に示
す比較用結着樹脂(I−1)を得た。
【0346】(樹脂比較製造例I−2)樹脂製造例I−
2において、コハク酸誘導体(1−3)及びワックス
(2)のかわりにテレフタル酸及びワックス(4)を使
用した以外は同様にして、表2乃至4に示す比較用結着
樹脂(I−2)を得た。
【0347】(樹脂比較製造例I−3)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸のかわりにテレフタル酸を使用した以外は同様
にして、表2乃至4に示す比較用結着樹脂(I−3)を
得た。
【0348】(樹脂比較製造例I−4)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりに無水
トリメリット酸を使用した低架橋度樹脂組成物以外は同
様にして、表2乃至4に示す比較用結着樹脂(I−4)
を得た。
【0349】(樹脂比較製造例I−5)減圧装置、水分
離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置
を装着したオートクレーブに、スチレン−2−エチルヘ
キシルアクリレート共重合体(スチレン84重量部、2
−エチルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.
9万、Mw/Mn=2.3)200重量部及び下記組成
からなるポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気
下、減圧しながら常法に従って210℃まで加熱しなが
ら縮重合反応を行うことにより、比較用結着樹脂(I−
5)を得た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部
【0350】 [実施例I−1] (トナーの製造) ・結着樹脂(I−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g)) ・ワックス(1) 5重量部
【0351】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径6.6μmの磁性トナー(I−1)を得た。
【0352】このトナー(I−1)を用いて、結着樹脂
に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチ
ル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックスレ
ー抽出により定量したところ、混在するワックスを除外
した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が31重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)が34重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が15重量%であり、
比(W4/W6)が2.3であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が6.7重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.3重量%であった。
【0353】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4400、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が48.9%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が26.7%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.4%であり、比
(A1/A2)は1.83であった。
【0354】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は25.9m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は21.6mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.2であった。
【0355】1H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。
【0356】トナーにおいて、ポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分は、13C−NMRにより新たに生成するエステル結
合のシグナルを検出することにより検証することができ
る。
【0357】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコ−ル
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0358】低架橋度ポリエステルの13C−NMR測定
結果を図1に、スチレン−2−エチルヘキシルアクリレ
ート共重合体の測定結果を図2に、トナーに含有される
結着樹脂(I−1)の測定結果を図3に示す。この結果
より、アクリル酸エステルの約22モル%がポリエステ
ルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成分とし
て存在することがわかった。
【0359】各々の13C−NMR測定結果を表5に示
す。
【0360】さらにNMRにより酢酸エチルに不溶な結
着樹脂成分(W4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)
に含有されるポリエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)
を定量したところ、Gp=約83重量%、Sp=約77
重量%であり、比(Sp/Gp)=0.93であり、式
(1−3)で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量し
たところ、酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約7
4重量%含有されていた。
【0361】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加した全ワッ
クスの約61重量%が存在していることがわかった。
【0362】この磁性トナー(I−1)100重量部
に、疎水性乾式シリカ(BET=200m2/g)1.
2重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して外添ト
ナー(一成分系現像剤)とした。
【0363】次に、本発明に用いる現像スリーブに塗工
する塗料を下記に示す配合比にて作製した。 ・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 (モル比90:10、Mw=10,500、Mn=4,500)100重量部 ・平均粒径7μmの結晶性グラファイト 33重量部 ・トルエン 375重量部
【0364】メチルメタクリレート−ジメチルアミノエ
チルメタクリレート共重合体は、予めトルエンの一部に
溶解させる。結晶性グラファイトを添加しガラスビーズ
を用いたサンドミルで分散する。さらにトルエンを添加
して固形分濃度を26%とした。分散終了後、ガラスビ
ーズと分離して、室温にて粘度を測定したところ、62
mPa・sであった。この塗料を用いてスリーブの塗工
を行った。両端をフランジ加工された、外径16mmφ
のアルミニウム製シリンダを回転台に立てて回転させ、
両端部をマスキングしながらスプレーガンを一定速度で
下降させ、シリンダ表面に塗布することにより膜厚の均
一な塗布スリーブを得た。これを乾燥炉にて160℃で
30分間乾燥硬化させ、スリーブサンプルとした。
【0365】乾燥後の塗料の付着量は8900mg/m
2であった。表面粗さを測定したところ、Raの表記で
平均で0.75μmであった。これとは別のシリンダに
OHPシートとアルミシートを巻き付け同様に塗工し、
これらのシートを体積抵抗測定のサンプルとした(OH
Pシートで抵抗測定、アルミシートで塗工膜厚を測定す
る。)。体積固有抵抗を測定したところ、27.8Ω・
cmであった。体積抵抗値は三菱油化製、ローレスター
APに4端子プローブを取付けて測定した。
【0366】(定着性の評価)トナー定着性評価として
の濃度低下率及びホットオフセットは、以下の評価方法
に基づいて評価した。
【0367】キヤノン社製のLBP−2030改造機を
用いてEP−Hカートリッジにスリーブを装着可能に加
工し取付けた。弾性規制ブレードとしては、ウレタンゴ
ム製のブレードを基材の板金にホットメルト溶着させて
垂下させスリーブの回転方向に対しカウンターに当接さ
せるものを用い、現像スリーブに対し接圧25g/cm
で圧接させた。プロセススピード117mm/秒、現像
領域における感光ドラム表面と現像スリーブ表面との最
近接間隔は300μmに設定し、現像剤層と感光ドラム
とは非接触状態とした。現像時には現像スリーブにf=
2000(Hz)、Vpp=1500(V)、VDC=−
500(V)の矩形波の現像バイアス電圧を印加して現
像を行った。この改造機の定着器を取り外し、外部駆動
及び定着器の温度制御装置を取り付けた定着試験装置に
て定着器の温度を130℃及び220℃に変えて、ハー
フトーン画像を通紙して、定着させた。定着温度を13
0℃にした試験では、その画像を4900N/m2(5
0g/cm2)の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画
像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率(%)で評価
した。定着温度を220℃にした試験では、転写紙を目
視で観察し、ホットオフセットの発生を調べた。評価結
果を表8に示した。
【0368】(耐ブロッキング性の評価)ブロッキング
テストは、以下の評価方法に基づいて評価した。一成分
系現像剤50gを容量が100mlの容器に入れ、50
℃の環境で7日間放置し、その後に、目視で一成分系現
像剤の流動性を確認し、評価した。評価結果を表8に示
す。
【0369】(画像濃度の評価)前記キヤノン社製のL
BP−2030改造機により上記現像剤を用いて、23
℃/5%RHの低湿環境と、30℃/80%RH高湿環
境の2環境にて行った。反射濃度RD918(マクベス
社製)で測定して、画像濃度の耐久について調べた。結
果を表9に示す。良好な結果であった。
【0370】(トリボ測定)現像剤担持体上の吸引法ト
リボ値の測定については、円筒濾紙を有する測定容器を
用い、現像剤担持体表面の形状に沿った金属製の吸引口
を取付け、画像形成直後(5分以内が好ましい)の現像
剤担持体表面上の現像剤層を過不足無く一様に吸引出来
るように吸引圧を調整し現像剤を吸引する。この時吸引
された現像剤の電荷Qを、616ディジタルエレクトロ
メーター(KEITHLEY製)で測定し、質量をMと
して、Q/M(mC/kg)により計算した。その結
果、表9に示した様に、良好な結果が得られた。
【0371】(ゴースト評価)前記キヤノン社製のLB
P−2030改造機により、ベタ白とベタ黒部が隣り合
う画像を画像先端部(スリーブ回転1周目)で現像し、
2周目以下のハーフトーン上に現れるベタ白跡とベタ黒
跡の濃度差を主として目視で比較した。評価結果を下記
の指標により示した。 ◎ :濃淡差が全く見られない。 ○ :目視では濃淡差が確認できるが、画像濃度差は
0.01以内である。 △○:エッジがはっきりしない程度の濃淡差が確認でき
るが実用上OKレベル。 △ :濃淡がややはっきりし、実用レベル下限。 × :濃淡差がはっきり確認でき、画像濃度差として確
認できる。実用レベルに劣る。
【0372】その結果、表9に示した様に、良好な結果
が得られた。
【0373】(ベタ白筋、白帯(白帯)評価)ベタ画像
で、画像進行方向に白筋状または白帯状の濃度薄部分が
発生する現象で、トナーの帯電が不十分で現像が均一に
行なわれない場合やトナー固着や融着が生じている場合
に発生する。 A:全く見られない。 B:通常のベタ画像の目視で現認されるが、実用レベル
範囲。(写真画像では認識しずらい程度。) C:通常のベタ画像の目視ではっきり現認される。写真
などのハーフトーンでも現認される。実用的にもやや問
題あり。
【0374】結果を表9に示す。
【0375】(ドラム融着)また、ドラム融着について
は、30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の環境に
て画出し試験によって、以下の基準で評価した。その結
果、表9に示した様に良好な結果が得られた。 ランク5:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在しない。 ランク4:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが若干存在するが、容易に除去することができる。実
用上は問題ないレベル。 ランク3:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、容易に除去することはでき
ない。 ランク2:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、画像上にも明確な痕跡を認
めることができる。 ランク1:肉眼で観察してドラム上に筋状の融着物が観
察される。
【0376】 [実施例I−2] ・結着樹脂(I−2) 105重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g))
【0377】実施例I−1において用いた構成材料を上
記の通り変更した以外は実施例I−1と同様にしてトナ
ー(I−2)を得た。また、現像スリーブは実施例I−
1と同様処方を用いた。これを実施例I−1と同様にト
ナー分析(表6及び7)、トナー評価(表8)、画出し
評価(表9)を行った。いずれも良好な結果が得られ
た。
【0378】[実施例I−3〜I−4、I−6〜I−
7]実施例I−1において、結着樹脂(I−1)を結着
樹脂(I−3)〜(I−4)、(I−6)〜(I−7)
に変えた以外は実施例I−1と同様にしてトナー(I
−3)〜(I−4)、(I−6)〜(I−7)を得た。
これを実施例I−1と同様にトナー分析(表6及び
7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表9)を行っ
た。いずれも良好な結果が得られた。
【0379】[実施例I−5−1]実施例I−1におい
て、結着樹脂(I−1)を結着樹脂(I−5)に変えた
以外は実施例I−1と同様にしてトナー(I−5)を得
た。トナー担持体は実施例I−1と同じものを用いた。
これを実施例I−1と同様にトナー分析(表6及び
7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表9)を行っ
た。いずれも良好な結果が得られた。
【0380】[実施例I−5−2〜4]実施例I−5−
1において、現像スリーブをメチルメタクリレート−ジ
メチルアミノエチルメタクリレート共重合体に替えて、
メチルメタクリレートとジメチルアミノメチルメタクリ
レートのモル比を変化させた樹脂サンプルについて、実
施例I−1と同様に現像スリーブサンプルを作製し、同
様の評価を行った。現像スリーブの物性を表10、トナ
ー分析(表6及び7)、トナー評価(表8)、画出し評
価(表9)に示す。
【0381】[実施例I−5−5〜8]実施例I−1の
現像スリーブの樹脂サンプルに替えて、共重合体の分子
量を変化させた樹脂サンプルについて、同様にしてスリ
ーブサンプルを作製した。現像スリーブの物性を表1
0、トナー分析(表6及び7)、トナー評価(表8)、
画出し評価(表9)に示す。
【0382】[実施例I−5−9]実施例I−5−1の
現像スリーブの樹脂サンプルに替えて、低分子量成分が
多く、Mw/Mnが3.7を示す樹脂サンプルを用いた
ものである。現像スリーブの物性を表10、トナー分析
(表6及び7)、トナー評価(表8)、画出し評価(表
9)に示す。
【0383】[実施例I−5−10〜11]実施例I−
5−10は現像スリーブに使用する結着樹脂の重量平均
分子量の低いサンプル、実施例I−5−11は重量平均
分子量の高いサンプルの結果である。実施例I−5のト
ナーを用いて同様の評価を行った。
【0384】[実施例I−5−12〜14]実施例I−
5−1において、現像スリーブに用いる樹脂サンプルを
ジメチルアミノエチルメタクリレートモノマーに替え
て、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジブチルア
ミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノスチレンを
モノマーに用い、メチルメタクリレートと共重合させた
樹脂を用いたサンプルである。
【0385】これを同様にトナー分析(表6及び7)、
トナー評価(表8)、画出し評価(表9)を行った。
【0386】[実施例I−5−15]下記に示す配合比
にて現像スリーブに塗工する塗料の作製を行った。 ・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート−アクリル酸共 重合体(モル比90:5:5、Mw=10,200、Mn=4,400) 100重量部 ・平均粒径5μmの結晶性グラファイト 33重量部 ・トルエン 375重量部 トナーI−5を用いて同様の評価を行った。現像スリー
ブの結着樹脂の物性を表10に示す。
【0387】トナー分析(表6及び7)、トナー評価
(表8)、画出し評価(表9)を行った。いずれも良好
な結果が得られた。
【0388】[実施例I−5−16]下記に示す4級ア
ンモニウム基含有ビニルモノマーとメチルメタクリレー
トモノマーの共重合体を用い、以下の配合比にて現像ス
リーブに塗工する塗料の作製を行った。
【0389】
【化30】
【0390】 ・前記共重合体 (モル比90:10、Mw=10,300、Mn=4,600)100重量部 ・平均粒径5μmの結晶性グラファイト 33重量部 ・トルエン 375重量部 トナーI−5を用いて同様の評価を行った。現像スリー
ブの結着樹脂の物性を表10に示す。
【0391】トナー分析(表6及び7)、トナー評価
(表8)、画出し評価(表9)を行った。いずれも良好
な結果が得られた。
【0392】[実施例I−5−17]本発明に用いる現
像スリーブに塗工する塗料を下記に示す配合比にて作製
した。 ・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 (モル比90:10、Mw=10,900、Mn=4,300)100重量部 ・平均粒径5μmの結晶性グラファイト 33重量部 ・トルエン 375重量部 ・表11に示す個数平均粒径D1=7.5μmのポリメチルメタクリレート(P MMA)球状粒子(A−1) 8重量部 トナーI−5を用いて同様の評価を行った。現像スリー
ブの結着樹脂の物性を表10に示す。
【0393】トナー分析(表6及び7)、トナー評価
(表8)、画出し評価(表9)を行った。いずれも良好
な結果が得られた。
【0394】[実施例I−5−18〜21]実施例I−
5−17で用いたポリメチルメタクリレート(PMM
A)球状粒子(A−1)に変えて、表11に示すA−2
〜A−5の導電性球状炭素粒子に変えた例である。トナ
ーI−5を用いて同様の評価を行った。現像スリーブの
結着樹脂の物性を表10に示す。
【0395】トナー分析(表6及び7)、トナー評価
(表8)、画出し評価(表9)を行った。いずれも良好
な結果が得られた。
【0396】[比較例I−1〜I−5]比較用結着樹脂
(I−1)〜(I−5)を用いた以外は実施例I−1と
同様にして比較用トナー(I−1)〜(I−5)を製造
した。
【0397】実施例I−1で用いた現像スリーブを用い
て、これらを実施例I−1と同様にトナー分析・評価、
画出し評価を行った。結果を表6、7、8及び9に示
す。
【0398】定着性評価においては、濃度低下がみられ
(比較例I−1、I−2、I−4、I−5)、ホットオ
フセットが発生しており(比較例I−1〜I−3、I−
5)、またブロッキングテストでは凝集物が発生した
(比較例I−1〜I−3、I−5)。画出し評価ではト
リボが高過ぎて、ゴースト抑制が悪く、またドラム融着
抑制も良くなかった。
【0399】[比較例I−6−1〜2]比較例I−6−
1は現像スリーブの表層に用いる樹脂をメチルメタクリ
レートのホモポリマーとし、実施例I−5で用いたトナ
ーを用いた例であり、比較例I−6−2はジメチルアミ
ノエチルメタクリレートの含有量を増加させたものと実
施例I−5で用いたトナーを用いた場合の例である。実
施例I−1と同様にスリーブサンプルを作製し、同様の
評価を行った。比較例I−6−1についてはジメチルア
ミノエチルメタクリレートが含有されないため、トナー
の帯電量が上がらず、またグラファイト微粒子の分散が
やや劣り、それらに起因する欠陥がみられた。また比較
例I−6−2においては、トナーのスリーブ上への付着
性が増す、膜強度がやや劣る現象といった現象がみられ
た。
【0400】[比較例I−6−3]現像スリーブの結着
樹脂として実施例I−1のメチルメタクリレートに替え
て、メインのモノマーとしてスチレンを用いたサンプル
である。実施例I−5のトナーを用いて同様の評価を行
った。現像スリーブの物性を表10に示す。削れ性悪化
に伴う、画質劣化が認められた。
【0401】
【表1】
【0402】
【表2】
【0403】
【表3】
【0404】
【表4】
【0405】
【表5】
【0406】
【表6】
【0407】
【表7】
【0408】
【表8】
【0409】
【表9】
【0410】
【表10】
【0411】
【表11】
【0412】 結着樹脂の製造例II: (樹脂製造例II−1) 低架橋度樹脂組成物(II−L−1)の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(1−3)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0413】上記原料をエステル化触媒とともにオート
クレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、温度計及び
撹拌装置を付し、常法に従って、210℃で縮重合反応
を行わないクロロホルム不溶分を約4重量%含有する低
架橋度ポリエステル樹脂を得た。
【0414】ここで得られたポリエステル樹脂70重量
部をキシレン100重量部に完全に溶解後、スチレン2
3重量部、2−エチルヘキシルアクリレート7重量部、
グラフト化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイド1重量部をキシレン30重量部に溶解したもの
を、窒素雰囲気中下約110℃の温度で、約1時間かけ
て滴下したその温度で6時間保持してラジカル重合反応
を終了した。更に加熱しながら減圧して、脱溶剤するこ
とにより、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合
体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる低架橋度
樹脂組成物(II−L−1)を得た。
【0415】高架橋度樹脂組成物(II−H−1)の製
造 次に表13の高架橋度樹脂組成物(II−H−1)の欄
に示した様なモノマーの種類及び組成比とした以外は、
低架橋度樹脂組成物(II−L−1)を製造するのと同
様にしてクロロホルム不溶分を約18重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(II−H−1)を得た。得られた高
架橋度樹脂組成物は、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニ
ル系共重合体及びポリエステルユニットとビニル系共重
合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分からな
っていた。
【0416】結着樹脂(II−1)の製造 得られた高架橋度樹脂組成物(II−H−1)27重量
部及び低架橋度樹脂組成物(II−L−1)70重量部
をキシレン200重量部に膨潤・溶解後、スチレン2重
量部、2−エチルヘキシルアクリレート0.8重量部、
アクリル酸0.2重量部、ジビニルベンゼン0.01重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイドを0.05重量部溶解したものを窒素雰囲気下、
約125℃の温度で、約1時間かけて滴下した。その温
度を5時間保持し、脱溶剤することにより高架橋度ポリ
エステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共
重合体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユ
ニットを有しているハイブリッド樹脂成分からなる結着
樹脂(II−1)を得た。
【0417】(樹脂製造例II−2〜II−6)モノマ
ーの種類及び組成を表12、13、14の様に代えて結
着樹脂(II−2)〜(II−6)を得た。
【0418】(樹脂比較製造例II−1〜II−6)モ
ノマーの種類及び組成を表12、13、14の様に代え
て比較用結着樹脂(II−1)〜(II−6)を得た。
【0419】(磁性酸化鉄の製造例1)硫酸第一鉄水溶
液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が2.0重量
%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに
対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0420】水溶液のpHを7〜10(例えばpH9)
に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反
応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。つ
いでこのスラリー液に当初のアルカリ量(ケイ酸ソーダ
のナトリウム成分及び苛性ソーダのナトリウム成分)に
対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を
加えた後、スラリー液のpH6〜10(例えばpH8)
に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸
化反応の終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケ
イ酸成分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法
により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集しているものを
解砕処理し、磁性酸化鉄粒子(1)を得た。この磁性酸
化鉄粒子を解析した結果を表15に示す。
【0421】(磁性酸化鉄の製造例2)ケイ酸ソーダを
添加しない以外は、磁性酸化鉄の製造例1と同様にして
磁性酸化鉄粒子(2)を得た。これを解析した結果を表
15に示す。
【0422】(磁性酸化鉄の製造例3)磁性酸化鉄粒子
(1)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が3.5重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(3)を得
た。これを解析した結果を表15に示す。
【0423】(磁性酸化鉄の製造例4)磁性酸化鉄粒子
(2)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.6重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(4)を得
た。これを解析した結果を表15に示す。
【0424】(磁性酸化鉄の製造例5)鉄元素に対しケ
イ素元素の含有率が0.8重量%となるようにケイ酸ソ
ーダを添加した点と、酸化反応の終期でのpH調整を、
表面にケイ素元素が存在しないような条件にしたヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(5)を得
た。これを解析した結果を表15に示す。
【0425】(磁性酸化鉄の製造例6)ケイ酸ソーダを
添加せず、苛性ソーダの添加量を変えて、終始水溶液の
pHを12〜13に維持しながら反応させ、八面体(球
形度=0.67)の磁性酸化鉄粒子(6)を得た。これ
を解析した結果を表15に示す。
【0426】 [実施例II−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表16に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表17に示されているポリエチレンワックス 2重量部
【0427】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)6.7μm、体積平均粒径(Dv)5.
8μmの磁性トナーII−1を得た。
【0428】このトナー(II−1)を用いて、結着樹
脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エ
チル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックス
レー抽出により定量したところ、混在するワックスを除
外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重量
%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であり、
比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0429】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6100、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が47.2%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.8%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.0%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0430】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.8m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分の
酸価(AV2)は20.7mgKOH/gであり、比
(AV1/AV2)は1.2であった。
【0431】実施例I−1で述べたように、1H−NM
R及び13C−NMRにより、トナー中にビニル系共重合
体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニ
ル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分が存在していることが確認でき、この結果より、アク
リル酸エステルの約29モル%がポリエステルユニット
とエステル化したハイブリッド樹脂成分として存在する
ことがわかった。各々の13C−NMR測定結果を表18
に示す。
【0432】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約91重量%、Sp=約72重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.79であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有され
るワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピー
から定量でき、その結果、トナーに添加した全ワックス
の約68重量%が存在していることがわかった。
【0433】この磁性トナー(II−1)100重量部
に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性乾
式シリカ(BET=100m2/g)1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(一成分
系現像剤)とした。
【0434】トナーの分析結果を表19及び20に示
す。
【0435】このようにして得られた一成分系現像剤に
対し、現像剤担持体として[実施例I−1]と同じもの
を用いて同様の評価を行った。
【0436】実施例I−1と同様にして、耐ブロッキン
グ性の評価、定着性評価、画像濃度の評価、トリボ測
定、ゴースト評価、ドラム融着、ベタ白筋、白帯(白
帯)評価の結果を表21及び22に示す。さらに加圧ロ
ーラ汚れについて評価した。
【0437】(加圧ローラ汚れの評価)キヤノン社製の
LBP−2030改造機を用いて、定着器温度を170
℃に変更し、4000枚の画出し耐久後に定着器の加圧
ローラ上の汚れを目視にて観察し、以下の評価基準によ
り評価した。 A:全く汚れは見られない B:軽微な汚れが見られる C:汚れている [実施例II−2〜II−4、II−6]結着樹脂(I
I−1)の代わりに、結着樹脂(II−2)〜(II−
4)、(II−6)を用いた以外は、実施例II−1と
同様にして表19及び表20に示すトナー(II−2)
〜II−4)、(II−6)を得た。トナーの分析結果
を表19及び表20に、また得られたトナーを用いて、
実施例II−1と同様に行った結果を表21及び22に
示す。
【0438】[実施例II−5−1]結着樹脂(II−
1)の代わりに、結着樹脂(II−5)を用いた以外
は、実施例II−1と同様にして表19及び表20に示
すトナー(II−5)を得た。トナーの分析結果を表1
9及び表20に、また得られたトナーを用いて、実施例
II−1と同様に行った結果を表21及び22に示す。
【0439】[実施例II−5−2〜II−5−4]実
施例II−5−1において、実施例I−5−2〜4に用
いた現像剤担持体に代えた以外は実施例II−5−1と
同様に行った。結果を表21及び22に示す。
【0440】[実施例II−7〜II−11]式(A)
で示される長鎖アルキル化合物Aの代わりに、表16に
示す長鎖アルキル化合物B〜Fを用いた以外は、実施例
II−1と同様にして表19及び表20に示すトナー
(II−7)〜(II−11)を得た。得られたトナー
と実施例II−1に用いた現像剤担持体を用いて、実施
例II−1と同様に評価した。結果を表21及び22に
示す。
【0441】[実施例II−12、II−13]ポリエ
チレンワックスの代わりに、表17に示すポリエチレ
ンワックスおよびポリエチレンワックスを用いた以
外は、実施例II−1と同様にして表19及び表20に
示すトナー(II−12、II−13)を得た。得られ
たトナーを用いて、実施例II−1と同様に評価した結
果を表21及び22に示す。
【0442】[実施例II−14]ポリエチレンワック
スの代わりに、表17に示すアーゲ法で合成した炭化
水素ワックスを用いた以外は、実施例II−1と同様
にして表19及び表20に示すトナー(II−14)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様
に評価した結果を表21及び22に示す。
【0443】[実施例II−15]ポリエチレンワック
スの代わりに、表17に示すポリプロピレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表19
及び表20に示すトナー(II−15)を得た。得られ
たトナーを用いて、実施例II−1と同様に評価した結
果を表21及び22に示す。
【0444】[実施例II−16〜II−20]磁性酸
化鉄粒子(1)の代わりに、表15に示す磁性酸化鉄粒
子(2)〜(6)を用いた以外は、実施例II−1と同
様にして表19及び表20に示すトナー(II−16)
〜(II−20)を得た。得られたトナーを用いて、実
施例II−1と同様に評価を行った結果を表21及び2
2に示す。
【0445】[実施例II−21]ジメチルシリコーン
オイルで処理した疎水性乾式シリカの代わりに、ヘキサ
メチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ(B
ET:180m2/g)を用いた以外は、実施例II−
1と同様にして表19及び表20に示す外添トナー(I
I−21)を得た。得られた外添トナーを用いて、実施
例II−1と同様に評価を行った結果を表21及び22
に示す。
【0446】[実施例II−22]ポリエチレンワック
スを用いなかった以外は、実施例II−1と同様にし
て表19及び表20に示すトナー(II−22)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様に
評価を行った結果を表21及び22に示す。
【0447】[比較例II−1〜II−6]結着樹脂
(II−1)の代わりに比較用結着樹脂(II−1〜I
I−6)を用いた以外は実施例II−1と同様にして表
19及び表20に示す比較用トナー(II−1)〜(I
I−6)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II
−1と同様に評価を行った結果を表21及び22に示
す。
【0448】
【表12】
【0449】
【表13】
【0450】
【表14】
【0451】
【表15】
【0452】
【表16】
【0453】
【表17】
【0454】
【表18】
【0455】
【表19】
【0456】
【表20】
【0457】
【表21】
【0458】
【表22】
【0459】 [実施例III−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1)[NH4 +が91%、他9%はNa+,H+の混合物; メタノール溶解度0.88g/100ml] 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・ワックス〔融点102℃、Mn=1000のポリエチレン〕 5重量部
【0460】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)6.3μm、体積平均粒径(Dv)5.
7μmの磁性トナー(III−1)を得た。
【0461】このトナー(III−1)を用いて、結着
樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソック
スレー抽出により定量したところ、混在するワックスを
除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%で
あり、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であ
り、比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0462】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6300、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が46.8%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.5%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.7%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0463】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.7m
g/KOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分
の酸価(AV2)は21.0mg/KOH/gであり、
比(AV1/AV2)は1.2であった。
【0464】1H−NMR及び13C−NMRにより、ア
クリル酸エステルの約29モル%がポリエステルユニッ
トとエステル化したハイブリッド樹脂成分として存在す
ることがわかった。各々の13C−NMR測定結果を表2
3に示す。
【0465】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約88重量%、Sp=約63重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.72であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有され
るワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピー
から定量でき、その結果、トナーに添加した全ワックス
の約60重量%が存在していることがわかった。
【0466】この磁性トナー(III−1)100重量
部に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性
乾式シリカ(BET=100m2/g)1.5重量部を
ヘンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(一成
分系現像剤)とした。
【0467】トナーの分析結果を表24及び25に示
す。
【0468】現像剤担持体としては[実施例I−1]と
同じものを用いて同様の評価を行った。
【0469】耐ブロッキング性の評価、画像濃度の評
価、ゴースト評価、ドラム融着、ベタ白筋、白帯(白
帯)評価の結果を表26及び27に示す。
【0470】[実施例III−2〜III−6]結着樹
脂(II−1)の代わりに、結着樹脂(II−2)〜
(II−6)を用いた以外は、実施例III−1と同様
にしてトナー(III−2)〜(III−6)を得た。
トナーの分析結果を表24及び25に示す。また、得ら
れたトナーを用いて、実施例III−1と同様に行った
結果を表26及び27に示す。
【0471】[実施例III−7〜III−8]実施例
III−1で用いたアゾ系鉄錯体化合物(1)の代わり
に、表28に示したアゾ系鉄錯体化合物(2)、(3)
をそれぞれ用いる以外は、実施例III−1と同様にし
てトナー(III−7)〜(III−8)を得た。トナ
ーの分析結果を表24及び25に示す。これらを用いて
実施例III−1と同様に評価を行った。結果を表26
及び27に示す。
【0472】[比較例III−1]実施例III−1に
おいて、結着樹脂(II−1)比較用結着樹脂(II−
1)に変えた以外は実施例III−1と同様にして比較
用トナー(III−1)を製造し、実施例III−1と
同様に評価した。トナーの分析結果を表24及び25
に、画出し結果を26及び27に示す。
【0473】[実施例III−9〜III−11]実施
例III−1で用いたアゾ系鉄錯体化合物(1)の代わ
りに、表28に示したアゾ系鉄錯体化合物(7)〜
(9)をそれぞれ用いる以外は、実施例III−1と同
様にしてトナー(III−9)〜(III−11)を得
た。トナーの分析結果を表24及び25に示す。
【0474】次に現像スリーブに塗工する塗料を下記に
示す配合比にて作製した。 ・メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 (モル比90:10、Mw=10,500、Mn=4,500)100重量部 ・平均粒径7μmの結晶性グラファイト 25重量部 ・トルエン 250重量部 ・表11に示す個数平均粒径D1=7.2μmの導電性球状炭素粒子(A−3) 10重量部 実施例I−1と同様にして現像スリーブを作製し、実施
例III−1と同様の評価を行った。これらを用いて実
施例III−1と同様に評価を行った。結果を表26及
び27に示す。
【0475】[実施例III−12〜III−16]実
施例III−1で用いた磁性酸化鉄(1)に代えて製造
例2〜6の磁性酸化鉄(2)〜(6)をそれぞれ用い、
実施例III−1と同様にしてトナー(III−12)
〜(III−16)を得た。トナーの分析結果を表24
及び25に示す。実施例III−9〜III−11で用
いた現像スリーブを使い、実施例III−1と同様にし
て評価を行った。結果を表26及び27に示す。
【0476】[比較例III−2]現像スリーブに塗工
する塗料を下記に示す配合比にて作製した。 ・メチルメタクリレートホモポリマー (Mw=12,000、Mn=4,000) 100重量部 ・平均粒径7μmの結晶性グラファイト 25重量部 ・トルエン 250重量部 ・表11に示す個数平均粒径D1=7.2μmの導電性球状炭素粒子(A−3) 10重量部 実施例I−1と同様にして現像スリーブを作製し、現像
スリーブを代えた以外は実施例III−1と同様の評価
を行った。結果を表26及び27に示す。
【0477】[比較例III−3]現像スリーブに塗工
する塗料を下記に示す配合比にて作製した。 ・スチレン−ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体 (モル比90:10、Mw=10,200、Mn=4,400)100重量部 ・平均粒径7μmの結晶性グラファイト 25重量部 ・トルエン 250重量部 ・表11に示す個数平均粒径D1=7.2μmの導電性球状炭素粒子(A−3) 10重量部 実施例I−1と同様にして現像スリーブを作製し、現像
スリーブを代えた以外は実施例III−1と同様の評価
を行った。結果を表26及び27に示す。
【0478】[比較例III−4]比較例III−2で
作製した現像スリーブの塗料に用いられる結着樹脂を、
ジメチルアミノエチルメタクリレートの含有量を増加さ
せたもの(メチルメタクリレート−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート共重合体;モル比65:35、Mw=
10,700、Mn=3,900)に代えた以外は同様
にして現像スリーブを作製し、実施例III−1と同様
の評価を行った。結果を表26及び27に示す。
【0479】[比較例III−5]比較例III−1で
用いた比較用トナー(III−1)と比較例(III−
2)で使用した現像スリーブにより実施例III−1と
同様の評価を行った。結果を表26及び27に示す。
【0480】
【表23】
【0481】
【表24】
【0482】
【表25】
【0483】
【表26】
【0484】
【表27】
【0485】
【表28】
【0486】
【発明の効果】本発明で用いられるトナーは、ワックス
が結着樹脂中に均一に分散されており、定着性が良好
で、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び、常温低湿
下或いは高温高湿下での多数枚耐久性等に優れているも
のである。
【0487】ただし、上記結着樹脂を用いてネガトナー
を作製したとき、帯電が過剰になる等不安定になりやす
く、これによるゴーストや濃度低下、白筋、濃度の環境
変動が起こりやすい。
【0488】しかしながら以上説明したように、本発明
によれば、現像剤担持体上の現像剤が、繰り返しの画出
しにおいても、安定且つ適性な電荷を有し、均一でムラ
がなく、画像濃度低下・白筋等が起こりにくくゴースト
の発生のない、高品位の画像を得ることができる。また
高温高湿下・常温低湿下においても環境による濃度差及
び長期耐久においても安定な画像が得ることができる。
【0489】特に、高画質及び省エネルギーを目的とし
て、粒径を小粒径化したもの、また、低温定着材料を用
いたトナーにおいて、安定且つ適性な電荷をトナーに付
与し、樹脂被覆層へのトナー付着を軽減させ、更には、
より帯電性あるいは現像性を向上させることにより高精
細・高品位な画像を得ることができる。さらに樹脂被覆
層の耐磨耗性を確保し、かつ均一な樹脂層を形成するこ
とにより長く安定した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図2】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】本発明に係る結着樹脂(I−1)の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図4】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
可溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図5】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
不溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図6】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。
【図7】本発明に用いる導電性被覆層が形成されている
現像剤担持体を有する画像形成方法を実施し得る一実施
形態の現像装置の模式図を示す。
【図8】図7の現像装置における、現像剤層の規制部材
が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示
す。
【図9】図7の現像装置における、現像剤層の規制部材
が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示
す。
【図10】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成
装置の概略説明図を示す。
【図11】本発明の画像形成方法を実施し得るプロセス
カートリッジの一具体例の概略説明図を示す。
【図12】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置の
プリンターとして適用した場合のブロック図を示す。
【図13】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽
出装置の一具体例を示す概略図である。
【図14】スリーブゴーストの試験例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 電子写真感光ドラム(潜像担持体) 2 磁性規制ブレード 3 ホッパー(現像容器) 4 一成分系現像剤 5 マグネットローラー 6 金属円筒管(基体) 7 導電性被覆層 8 現像スリーブ(現像剤担持体) 9 現像バイアス電源 10 攪拌翼 11 弾性規制ブレード 12 間隙 101 感光ドラム 103 ホッパー 104 一成分系現像剤 105 多極永久磁石 108 現像スリーブ 109 バイアス印加手段 111 弾性規制ブレード 113 接触(ローラー)転写手段 114 電圧印加手段 115 レーザー光の露光 117 イレース露光 117 加熱加圧ローラー定着器 118 クリーニング手段 118a クリーニングブレード 119 接触(ローラー)帯電手段 120 現像手段 150 プロセスカートリッジ 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/06 101 G03G 9/08 361 15/08 507 365 371 375 13/08 15/08 507L (72)発明者 嶋村 正良 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大竹 智 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA04 CA08 CA12 CA14 CA17 CA18 CA22 CB03 CB13 DA02 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA06 2H073 AA05 AA10 BA03 BA07 BA13 BA41 CA02 2H077 AD02 AD06 AD13 AD36 AD37 EA11 GA17

Claims (167)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像容器内に収容されたトナーを有する
    現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に
    現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、潜
    像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持体
    上の潜像を現像剤により現像し、可視像化する現像装置
    において、 前記トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
    とも含有し、 該結着樹脂が、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹
    脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニ
    ットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、(b)
    テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間の
    ソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至85重
    量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至50重
    量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした1
    0時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を4
    0乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分
    を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロロホル
    ムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、クロロ
    ホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含有し、
    クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W6)含
    有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であ
    り、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィー(GPC)測定による分子量分布におい
    て、分子量4000乃至9000の領域にメインピーク
    を有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
    5.0乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至
    10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A
    2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃至3
    0.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃
    至2.00であり、 前記現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表
    面に形成されたバインダー樹脂及び導電性微粉末を含有
    している樹脂被覆層を有し、該バインダー樹脂は、メチ
    ルメタクリレートモノマー(M)単位と含窒素ビニルモ
    ノマー(N)単位を少なくとも含有する共重合体を有し
    ており、該共重合体における該メチルメタクリレートモ
    ノマー(M)と該含窒素ビニルモノマー(N)との共重
    合モル比が、下記条件: M:N=4〜999:1 を満足し、該バインダー樹脂は、3000〜50000
    の重量平均分子量(Mw)を有していることを特徴とす
    る現像装置。
  2. 【請求項2】 該メチルメタクリレートモノマー(M)
    は、該共重合体合成時に該共重合体を構成する全モノマ
    ーを基準として、70〜99.9モル%未満用いられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 【請求項3】 該含窒素ビニルモノマー(N)は、該共
    重合体合成時に該共重合体を構成する全モノマーを基準
    として、0.1〜20モル%未満用いられることを特徴
    とする請求項1に記載の現像装置。
  4. 【請求項4】 該バインダー樹脂は、重量平均分子量
    (Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)
    3.5以下を有していることを特徴とする請求項1乃至
    3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 該樹脂被覆層は、1×10-2〜1×10
    5Ωcmの体積固有抵抗を有していることを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 該樹脂被覆層は、0.3〜3.5の中心
    線表面粗さRaを有していることを特徴とする請求項1
    乃至5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 【請求項7】 該含窒素ビニルモノマー(N)は、(メ
    タ)アクリル系モノマー及び含窒素複素環式Nービニル
    化合物からなるグループから選択される1種以上のモノ
    マーを有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の現像装置。
  8. 【請求項8】 該含窒素ビニルモノマー(N)は、下記
    一般式(a) 【化1】 [式中、R1,R2,R3及びR4は、水素原子あるいは炭
    素数1〜4の飽和炭化水素基を示し、nは1〜4の整数
    を示す。]で示されることを特徴とする請求項1乃至7
    のいずれかに記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 該含窒素ビニルモノマー(N)は、4級
    アンモニウム基含有ビニルモノマーを有することを特徴
    とする請求項1乃至8のいずれかに記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 該4級アンモニウム基含有ビニルモノ
    マーは、下記一般式(b) 【化2】 [式中、R5は、水素原子又はメチル基を示し、R6は、
    炭素数1〜4のアルキレン基を示し、R7〜R9は、メチ
    ル基、エチル基又はプロピル基を示し、X1は、−CO
    O−又は−CONH−を示し、A-は、Cl-、(1/
    2)SO4 2-の如きアニオンを示す。]で示されること
    を特徴とする請求項9に記載の現像装置。
  11. 【請求項11】 該バインダー樹脂は、メチルメタクリ
    レートモノマー(M)単位、含窒素ビニルモノマー
    (N)単位及びメチルメタクリレート以外のビニル基を
    有する酸又は酸エステルモノマー(A)単位を含有する
    三元共重合体を有していることを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の現像装置。
  12. 【請求項12】 該メチルメタクリレート以外のビニル
    基を有する酸又は酸エステルモノマー(A)は、二重結
    合を有するモノカルボン酸モノマー、二重結合を有する
    モノカルボン酸エステルモノマー、二重結合を有するジ
    カルボン酸モノマー及び二重結合を有するジカルボン酸
    エステルモノマーからなるグループから選択される1種
    以上のモノマーを有することを特徴とする請求項11に
    記載の現像装置。
  13. 【請求項13】 該メチルメタクリレート以外のビニル
    基を有する酸または酸エステルモノマー(A)は、該三
    元共重合体合成時に該三元共重合体を構成する全モノマ
    ーを基準として、0.1〜30モル%未満用いられるこ
    とを特徴とする請求項11又は12に記載の現像装置。
  14. 【請求項14】 該樹脂被覆層が、個数平均径0.3〜
    30μmの球状粒子を更に含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至13のいずれかに記載の現像装置。
  15. 【請求項15】 該球状粒子が、樹脂からなる球状粒子
    であることを特徴とする請求項14に記載の現像装置。
  16. 【請求項16】 該球状粒子が、真密度3g/cm3
    下の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項14
    に記載の現像装置。
  17. 【請求項17】 該樹脂被覆層が、潤滑性粒子を更に含
    有していることを特徴とする請求項1乃至16のいずれ
    かに記載の現像装置。
  18. 【請求項18】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    ポリエステル樹脂及び該ポリエステルユニットは、三価
    以上の多価カルボン酸またはその無水物、または、三価
    以上の多価アルコールで架橋された架橋構造を有してい
    ることを特微とする請求項1乃至17のいずれかに記載
    の現像装置。
  19. 【請求項19】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    ビニル系樹脂及び該ビニル系重合体ユニットは、ビニル
    基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有し
    ていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに
    記載の現像装置。
  20. 【請求項20】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    THF不溶成分(W2)を20乃至45重量%含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の
    現像装置。
  21. 【請求項21】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    THF不溶成分(W2)を25乃至40重量%含有する
    ことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の
    現像装置。
  22. 【請求項22】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    酢酸エチル不溶成分(W4)を5乃至50重量%含有す
    ることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載
    の現像装置。
  23. 【請求項23】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    酢酸エチル不溶成分(W4)を10乃至40重量%含有
    することを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記
    載の現像装置。
  24. 【請求項24】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    クロロホルム不溶成分(W6)を15乃至40重量%含
    有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに
    記載の現像装置。
  25. 【請求項25】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    クロロホルム不溶成分(W6)を17乃至37重量%含
    有することを特徴とする請求項1乃至23のいずれかに
    記載の現像装置。
  26. 【請求項26】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    酢酸エチル不溶成分(W4)とクロロホルム不溶成分
    (W6)との比(W4/W6)の値が1.2乃至3.5
    であることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに
    記載の現像装置。
  27. 【請求項27】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    酢酸エチル不溶成分(W4)とクロロホルム不溶成分
    (W6)との比(W4/W6)の値が1.5乃至3.0
    であることを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに
    記載の現像装置。
  28. 【請求項28】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF不溶成分(W2)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6A)の含有量と、該酢酸エチル不溶成分
    (W4)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項1乃至27のいずれ
    かに記載の現像装置。
  29. 【請求項29】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF不溶成分(W2)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6A)の含有量と、該酢酸エチル不溶成分
    (W4)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至27のいずれ
    かに記載の現像装置。
  30. 【請求項30】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量5000乃至8500の領域にピー
    クを有することを特徴とする請求項1乃至29のいずれ
    かに記載の現像装置。
  31. 【請求項31】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量5000乃至8000の領域にピー
    クを有することを特徴とする請求項1乃至29のいずれ
    かに記載の現像装置。
  32. 【請求項32】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量500乃至1万未満の成分(A1)
    を37.0乃至60.0%含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至31のいずれかに記載の現像装置。
  33. 【請求項33】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量500乃至1万未満の成分(A1)
    を40.0乃至50.0%含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至31のいずれかに記載の現像装置。
  34. 【請求項34】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量1万乃至10万未満の成分(A2)
    を27.0乃至42.0%含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至33のいずれかに記載の現像装置。
  35. 【請求項35】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量1万乃至10万未満の成分(A2)
    を30.0乃至40.0%含有していることを特徴とす
    る請求項1乃至33のいずれかに記載の現像装置。
  36. 【請求項36】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量10万以上の成分(A3)を12.
    0乃至25.0%含有していることを特徴とする請求項
    1乃至35のいずれかに記載の現像装置。
  37. 【請求項37】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量10万以上の成分(A3)を15.
    0乃至20.0%含有していることを特徴とする請求項
    1乃至35のいずれかに記載の現像装置。
  38. 【請求項38】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量500乃至1万未満の成分(A1)
    と分子量1万乃至10万未満の成分(A2)との比(A
    1/A2)が、1.10乃至1.90であることを特徴
    とする請求項1乃至37のいずれかに記載の現像装置。
  39. 【請求項39】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    THF可溶成分(W1)は、GPC測定による分子量分
    布において、分子量500乃至l万未満の成分(A1)
    と分子量1万乃至10万未満の成分(A2)との比(A
    1/A2)が、1.15乃至1.80であることを特徴
    とする請求項1乃至37のいずれかに記載の現像装置。
  40. 【請求項40】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    ハイブリッド樹脂成分のビニル系重合体ユニットとポリ
    エステルユニットとは、 【化3】 を介して結合していることを特徴とする請求項1乃至3
    9のいずれかに記載の現像装置。
  41. 【請求項41】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    ハイブリッド樹脂成分は、ポリエステルユニットとカル
    ボン酸エステル基を有するモノマーの重合によるビニル
    系重合体ユニットとがエステル交換反応されて形成され
    た共重合体であることを特徴とする請求項1乃至40の
    いずれかに記載の現像装置。
  42. 【請求項42】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体ユニットを幹
    重合体とし、ポリエステルユニットを枝重合体としたグ
    ラフト重合体であることを特徴とする請求項1乃至41
    のいずれかに記載の現像装置。
  43. 【請求項43】 該トナーに用いられる該結着樹脂が1
    0乃至60モル%のグラフト化率を有することを特徴と
    する請求項1乃至42のいずれかに記載の現像装置。
  44. 【請求項44】 該トナーに用いられる該結着樹脂が1
    5乃至55モル%のグラフト化率を有することを特徴と
    する請求項1乃至42のいずれかに記載の現像装置。
  45. 【請求項45】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    (A)酢酸エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂10
    0重量部に対して2乃至60重量部含有し、(B)酢酸
    エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル樹脂成分
    (Gp)を40乃至98重量%含有し、(C)酢酸エチ
    ルに溶解する成分(W3)がポリエステル樹脂成分(S
    p)を20乃至90重量%含有し、(D)酢酸エチルに
    不溶な成分(W4)が含有するポリエステル樹脂成分
    (Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    が含有するポリエステル樹脂成(SP)の含有量との比
    (Sp/Gp)が0.5乃至1.0であり、該ワックス
    は、炭化水素系ワックスを有することを特徴とする請求
    項1に記載の現像装置。
  46. 【請求項46】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    該酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル樹脂
    成分(Gp)を55乃至95重量%含有することを特徴
    とする請求項45に記載の現像装置。
  47. 【請求項47】 該トナーに用いられる該結着樹脂は、
    該酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル樹脂
    成分(Gp)を60乃至90重量%含有することを特徴
    とする請求項45に記載の現像装置。
  48. 【請求項48】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポリエステル樹
    脂成分(Sp)を25乃至85重量%含有することを特
    徴とする請求項45乃至47のいずれかに記載の現像装
    置。
  49. 【請求項49】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポリエステル樹
    脂成分(Sp)を29乃至31重量%含有することを特
    徴とする請求項45乃至47のいずれかに記載の現像装
    置。
  50. 【請求項50】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解する成
    分(W3)が含有するポリエステル樹脂成分(SP)と
    の比(Sp/Gp)が、0.60乃至0.95であるこ
    とを特徴とする請求項45乃至49のいずれかに記載の
    現像装置。
  51. 【請求項51】 該トナーに用いられる該結着樹脂の該
    酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解する成
    分(W3)が含有するポリエステル樹脂成分(SP)と
    の比(Sp/Gp)が、0.65乃至0.90であるこ
    とを特徴とする請求項45乃至49のいずれかに記載の
    現像装置。
  52. 【請求項52】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至40
    mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを特
    徴とする請求項1乃至51のいずれかに記載の現像装
    置。
  53. 【請求項53】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至3
    7mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項1乃至51のいずれかに記載の現像装
    置。
  54. 【請求項54】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至53のいず
    れかに記載の現像装置。
  55. 【請求項55】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至53のいず
    れかに記載の現像装置。
  56. 【請求項56】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項1乃至55のいず
    れかに記載の現像装置。
  57. 【請求項57】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項1乃至55のいず
    れかに記載の現像装置。
  58. 【請求項58】 該トナーに用いられる該ワックスは、
    示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱
    ピーク温度で規定される融点が70乃至140℃である
    ことを特徴とする請求項1乃至57のいずれかに記載の
    現像装置。
  59. 【請求項59】 該トナーに用いられる該ワックスは、
    示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱
    ピーク温度で規定される融点が80乃至135℃である
    ことを特徴とする請求項1乃至57のいずれかに記載の
    現像装置。
  60. 【請求項60】 該トナーに用いられる該ワックスは、
    示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱
    ピーク温度で規定される融点が90乃至130℃である
    ことを特徴とする請求項1乃至57のいずれかに記載の
    現像装置。
  61. 【請求項61】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワッ
    クスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着樹
    脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至60の
    いずれかに記載の現像装置。
  62. 【請求項62】 該トナーは、該ワックスとして下記式
    (A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル化
    合物を一種以上含有することを特徴とする請求項1乃至
    61のいずれかに記載の現像装置。 【化4】
  63. 【請求項63】 該トナーは、炭化水素ワックスもしく
    は石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする請
    求項62に記載の現像装置。
  64. 【請求項64】 該トナーに用いられる該長鎖アルキル
    化合物は、GPC測定による分子量分布において、数平
    均分子量(Mn)が200乃至2500、重量平均分子
    量(Mw)が400乃至5000及び重量平均分子量と
    数平均分子量との比(Mw/Mn)が3以下であること
    を特徴とする請求項62に記載の現像装置。
  65. 【請求項65】 該トナーに用いられる式(A)又は
    (B)で示される長鎖アルキル化合物は、OH価が2〜
    150mgKOH/gであることを特徴とする請求項6
    2に記載の現像装置。
  66. 【請求項66】 該トナーに用いられる式(A)又は
    (B)で示される長鎖アルキル化合物は、OH価が10
    〜120mgKOH/gであることを特徴とする請求項
    62に記載の現像装置。
  67. 【請求項67】 該トナーに用いられる式(C)で示さ
    れる長鎖アルキル化合物は、酸価が2〜150mgKO
    H/gであることを特徴とする請求項62に記載の現像
    装置。
  68. 【請求項68】 該トナーに用いられる式(C)で示さ
    れる長鎖アルキル化合物は、酸価が5〜150mgKO
    H/gであることを特徴とする請求項62に記載の現像
    装置。
  69. 【請求項69】 該トナーに用いられる該長鎖アルキル
    化合物は、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇
    温時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜
    140℃であることを特徴とする請求項62に記載の現
    像装置。
  70. 【請求項70】 該トナーに用いられる該長鎖アルキル
    化合物は、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇
    温時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜
    135℃であることを特徴とする請求項62に記載の現
    像装置。
  71. 【請求項71】 該トナーに用いられる該長鎖アルキル
    化合物は、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇
    温時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜
    130℃であることを特徴とする請求項62に記載の現
    像装置。
  72. 【請求項72】 該トナーに用いられる該炭化水素ワッ
    クス又は石油系ワックスは、示差走査型熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱メインピーク温度で規定
    される融点が80〜135℃であることを特徴とする請
    求項63に記載の現像装置。
  73. 【請求項73】 該トナーに用いられる該炭化水素ワッ
    クス又は石油系ワックスは、示差走査型熱量計(DS
    C)で測定される昇温時の吸熱メインピーク温度で規定
    される融点が90〜130℃であることを特徴とする請
    求項63に記載の現像装置。
  74. 【請求項74】 該トナーに用いられる該炭化水素ワッ
    クス又は石油系ワックスは、GPC測定による分子量分
    布において、重量平均分子量と数平均分子量との比(M
    w/Mn)が1乃至3であることを特徴とする請求項6
    3に記載の現像装置。
  75. 【請求項75】 該トナーは荷電制御剤として、下記式
    (c)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有している
    ことを特徴とする請求項1乃至60のいずれかに記載の
    現像装置。 【化5】
  76. 【請求項76】 該トナーは荷電制御剤として、下記式
    (d)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有しているこ
    とを特徴とする請求項75に記載の現像装置。 【化6】
  77. 【請求項77】 該式(d)中のA+のカチオンイオン
    が、75〜98モル%のアンモニウムイオンと、水素イ
    オン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれら
    の混合イオンとを有することを特徴とする請求項76に
    記載の現像装置。
  78. 【請求項78】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100m
    lを有することを特徴とする請求項76に記載の現像装
    置。
  79. 【請求項79】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100m
    lを有することを特徴とする請求項76に記載の現像装
    置。
  80. 【請求項80】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.4g/100ml〜2g/100m
    lであることを特徴とする請求項76に記載の現像装
    置。
  81. 【請求項81】 該現像装置に用いられる該トナーは、
    該着色剤として磁性酸化鉄を少なくとも含有することを
    特徴とする請求項1乃至80のいずれかに記載の現像装
    置。
  82. 【請求項82】 該現像装置に用いられる該現像剤は、
    該磁性酸化鉄を該結着樹脂100重量部に対して、10
    乃至200重量部含有していることを特徴とする請求項
    81に記載の現像装置。
  83. 【請求項83】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が0.
    8以上であることを特徴とする請求項81に記載の現像
    装置。
  84. 【請求項84】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を含有す
    ることを特徴とする請求項81に記載の現像装置。
  85. 【請求項85】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元素
    を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性酸
    化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素
    元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量
    Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該
    磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有
    量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であるこ
    とを特徴とする請求項84に記載の現像装置。
  86. 【請求項86】 該現像装置に用いられる該トナーは、
    疎水化処理されたシリカ微粉体が外添されていることを
    特徴とする請求項1乃至85のいずれかに記載の現像装
    置。
  87. 【請求項87】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイル
    で処理されていることを特徴とする請求項86に記載の
    現像装置。
  88. 【請求項88】 該現像装置に用いられる該トナーは、
    重量平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求
    項1乃至87のいずれかに記載の現像装置。
  89. 【請求項89】 現像容器内に収容されたトナーを有す
    る現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上
    に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、
    潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持
    体上の潜像を現像剤により現像して現像画像を形成する
    現像工程;該静電潜像保持体上に形成された現像画像を
    中間転写体を用いてまたは用いずに記録材に転写する転
    写工程;及び該記録材に転写された現像画像を加熱定着
    手段により該記録材に加熱定着する定着工程;を有する
    画像形成方法において、 前記トナーは結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
    とも含有し、 該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹
    脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニ
    ットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、(b)
    テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間の
    ソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至85重
    量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至50重
    量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした1
    0時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を4
    0乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分
    を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロロホル
    ムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、クロロ
    ホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含有し、
    クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W6)含
    有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であ
    り、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィー(GPC)測定による分子量分布におい
    て、分子量4000乃至9000の領域にメインピーク
    を有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
    5.0乃至65. 0%(A1)であり、分子量1万乃
    至10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%
    (A2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃
    至30.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.0
    5乃至2.00であり、 前記現像剤担持体は、少なくとも基体、及び該基体表
    面に形成されたバインダー樹脂及び導電性微粉末を含有
    している樹脂被覆層を有し、該バインダー樹脂は、メチ
    ルメタクリレートモノマー(M)単位と含窒素ビニルモ
    ノマー(N)単位を含有する共重合体を有しており、該
    共重合体における該メチルメタクリレートモノマー
    (M)と該含窒素ビニルモノマー(N)との共重合モル
    比が、下記条件: M:N=4〜999:1 を満足し、該バインダー樹脂が、3000〜50000
    の重量平均分子量(Mw)の樹脂被覆層であることを特
    徴とする画像形成方法。
  90. 【請求項90】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該
    ポリエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸ま
    たはその無水物、または、三価以上の多価アルコールで
    架橋された架橋構造を有していることを特微とする請求
    項89に記載の画像形成方法。
  91. 【請求項91】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニ
    ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
    剤で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする
    請求項89又は90に記載の画像形成方法。
  92. 【請求項92】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を20乃至45重量%含有することを特徴とする請
    求項89乃至91のいずれかに記載の画像形成方法。
  93. 【請求項93】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を25乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項89乃至91のいずれかに記載の画像形成方法。
  94. 【請求項94】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする
    請求項89乃至93のいずれかに記載の画像形成方法。
  95. 【請求項95】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を10乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項89乃至93のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  96. 【請求項96】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項89乃至95のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  97. 【請求項97】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項89乃至95のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  98. 【請求項98】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項89乃至97のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  99. 【請求項99】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項89乃至97のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  100. 【請求項100】 該THF不溶成分(W2)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と、該
    酢酸エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホル
    ム不溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項89乃至99のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  101. 【請求項101】 該THF不溶成分(W2)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と、該
    酢酸エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホル
    ム不溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項89乃至99のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  102. 【請求項102】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量5000乃至
    8500の領域にピークを有することを特徴とする請求
    項89乃至101のいずれかに記載の画像形成方法。
  103. 【請求項103】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量5000乃至
    8000の領域にピークを有することを特徴とする請求
    項89乃至101のいずれかに記載の画像形成方法。
  104. 【請求項104】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量500乃至1
    万未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有し
    ていることを特徴とする請求項89乃至103のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  105. 【請求項105】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量500乃至1
    万未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有し
    ていることを特徴とする請求項89乃至103のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  106. 【請求項106】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量1万乃至10
    万未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有し
    ていることを特徴とする請求項89乃至105のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  107. 【請求項107】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量1万乃至10
    万未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有し
    ていることを特徴とする請求項89乃至105のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  108. 【請求項108】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量10万以上の
    成分(A3)を12.0乃至25.0%含有しているこ
    とを特徴とする請求項89乃至107のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  109. 【請求項109】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量10万以上の
    成分(A3)を15.0乃至20.0%含有しているこ
    とを特徴とする請求項89乃至107のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  110. 【請求項110】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量500乃至1
    万未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成
    分(A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.
    90であることを特徴とする請求項89乃至109のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  111. 【請求項111】 該THF可溶成分(W1)は、GP
    C測定による分子量分布において、分子量500乃至1
    万未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成
    分(A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.
    80であることを特徴とする請求項89乃至109のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  112. 【請求項112】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル系
    重合体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化7】 を介して結合していることを特徴とする請求項89乃至
    111のいずれかに記載の画像形成方法。
  113. 【請求項113】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエ
    ステルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマ
    ーの重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交
    換反応されて形成された共重合体であることを特徴とす
    る請求項89乃至112のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  114. 【請求項114】 該ハイブリッド樹脂成分ば、ビニル
    系重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニッ
    トを枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴と
    する請求項89乃至113のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  115. 【請求項115】 該トナーに用いられる該結着樹脂
    は、10乃至60モル%のグラフト化率を有することを
    特徴とする請求項89乃至114のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  116. 【請求項116】 該トナーに用いられる該結着樹脂
    は、15乃至55モル%のグラフト化率を有することを
    特致とする請求項89乃至114のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  117. 【請求項117】 該結着樹脂は、(A)酢酸エチルに
    不溶な成分(W4)を結着樹脂100重量部に対して2
    乃至60重量部含有し、(B)酢酸エチルに不溶な成分
    (W4)がポリエステル樹脂成分(Gp)を40乃至9
    8重量%含有し、(C)酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)がポリエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重
    量%含有し、(D)酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(SP)の含有量との比(Sp/Gp)が0.
    5乃至1.0であることを特徴とする請求項89に記載
    の画像形成方法。
  118. 【請求項118】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が、ポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量
    %含有することを特徴とする請求項117に記載の画像
    形成方法。
  119. 【請求項119】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が、ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量
    %含有することを特徴とする請求項117に記載の画像
    形成方法。
  120. 【請求項120】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85
    重量%含有することを特徴とする請求項117乃至11
    9のいずれかに記載の画像形成方法。
  121. 【請求項121】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80
    重量%含有することを特徴とする請求項117乃至11
    9のいずれかに記載の画像形成方法。
  122. 【請求項122】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(SP)との比(Sp/Gp)が、0.60
    乃至0:95であることを特徴とする請求項117乃至
    121のいずれかに記載の画像形成方法。
  123. 【請求項123】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸工チルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が、0.65
    乃至0.90であることを特徴とする請求項117乃至
    121のいずれかに記載の画像形成方法。
  124. 【請求項124】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至4
    0mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項89乃至123のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  125. 【請求項125】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至
    37mgKOH/gの酸価(AV1)を有していること
    を特徴とする請求項89乃至123のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  126. 【請求項126】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項89乃至125の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  127. 【請求項127】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項89乃至125の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  128. 【請求項128】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項89乃至127の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  129. 【請求項129】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項89乃至127の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  130. 【請求項130】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が70乃至140℃であることを特徴とする
    請求項89乃至129のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  131. 【請求項131】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が80乃至135℃であることを特徴とする
    請求項89乃至129のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  132. 【請求項132】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が90乃至130℃であることを特徴とする
    請求項89乃至129のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  133. 【請求項133】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワ
    ックスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着
    樹脂を含有していることを特徴とする請求項89乃至1
    32のいずれかに記載の画像形成方法。
  134. 【請求項134】 該トナーは、該ワックスとして下記
    式(A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル
    化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項89
    乃至133のいずれかに記載の画像形成方法。 【化8】
  135. 【請求項135】 該トナーは、炭化水素ワックスもし
    くは石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする
    請求項134に記載の画像形成方法。
  136. 【請求項136】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測
    定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が
    200乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400
    乃至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    134に記載の画像形成方法。
  137. 【請求項137】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項134に記載の画像形
    成方法。
  138. 【請求項138】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH
    /gであることを特徴とする請求項134に記載の画像
    形成方法。
  139. 【請求項139】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項134に記載の画像形成方法。
  140. 【請求項140】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項134に記載の画像形成方法。
  141. 【請求項141】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が70〜140℃であること
    を特徴とする請求項134に記載の画像形成方法。
  142. 【請求項142】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が80〜135℃であること
    を特徴とする請求項134に記載の画像形成方法。
  143. 【請求項143】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が90〜130℃であること
    を特徴とする請求項134に記載の画像形成方法。
  144. 【請求項144】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜1
    40℃であることを特徴とする請求項135に記載の画
    像形成方法。
  145. 【請求項145】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜1
    35℃であることを特徴とする請求項135に記載の画
    像形成方法。
  146. 【請求項146】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜1
    30℃であることを特徴とする請求項135に記載の画
    像形成方法。
  147. 【請求項147】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、 GPC測定による分子量分布において、重量
    平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃
    至3であることを特徴とする請求項135に記載の画像
    形成方法。
  148. 【請求項148】 該トナーは荷電制御剤として、下記
    式(c)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有してい
    ることを特徴とする請求項89乃至133のいずれかに
    記載の画像形成方法。 【化9】
  149. 【請求項149】 該トナーは荷電制御剤として、下記
    式(d)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を含有している
    ことを特徴とする請求項148に記載の画像形成方法。 【化10】
  150. 【請求項150】 該式(d)中のA+のカチオンイオ
    ンが、75〜98モル%のアンモニウムイオンと、水素
    イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれ
    らの混合イオンとを有することを特徴とする請求項14
    9に記載の画像形成方法。
  151. 【請求項151】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100
    mlを有することを特徴とする請求項149に記載の画
    像形成方法。
  152. 【請求項152】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100
    mlを有することを特徴とする請求項149に記載の画
    像形成方法。
  153. 【請求項153】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.4g/100ml〜2g/100
    mlであることを特徴とする請求項149に記載の画像
    形成方法。
  154. 【請求項154】 該トナーは、該着色剤として磁性酸
    化鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項89
    乃至153のいずれかに記載の画像形成方法。
  155. 【請求項155】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着
    樹脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有
    していることを特徴とする請求項154に記載の画像形
    成方法。
  156. 【請求項156】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が
    0.8以上であることを特徴とする請求項154に記載
    の画像形成方法。
  157. 【請求項157】 該磁性酸化鉄は、ケイ素化合物を含
    有することを特徴とする請求項154に記載の画像形成
    方法。
  158. 【請求項158】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元
    素を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性
    酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ
    素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有
    量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、
    該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含
    有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%である
    ことを特徴とする請求項157に記載の画像形成方法。
  159. 【請求項159】 該トナーは、疎水化処理されたシリ
    カ微粉体が外添されていることを特徴とする請求項89
    乃至158のいずれかに記載の画像形成方法。
  160. 【請求項160】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイ
    ルで処理されていることを特徴とする請求項159に記
    載の画像形成方法。
  161. 【請求項161】 該トナーは、重量平均粒径が3〜1
    0μmであることを特徴とする請求項89乃至160の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  162. 【請求項162】 該現像工程において、該静電潜像保
    持体と該現像剤を担持するための現像剤担持体との間隔
    よりも、該現像剤担持体上に担持されている現像剤層の
    層厚が薄いことを特徴とする請求項89乃至161のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  163. 【請求項163】 現像工程において、該現像剤担持体
    にバイアス電圧を印加して、該静電潜像保持体に形成さ
    れている静電潜像を現像することを特徴とする請求項1
    62に記載の画像形成方法。
  164. 【請求項164】 該バイアス電圧は、直流電圧及び交
    流電圧を有することを特徴とする請求項162に記載の
    画像形成方法。
  165. 【請求項165】 該静電潜像保持体は、電子写真用感
    光体であることを特徴とする請求項89乃至164のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  166. 【請求項166】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該現像画像は、中間転写体を介さずに該記録材
    に直接転写されることを特徴とする請求項89乃至16
    5のいずれかに記載の画像形成方法。
  167. 【請求項167】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該現像画像は、中間転写体に転写された後、該
    中間転写体から該記録材に転写されることを特徴とする
    請求項89乃至165のいずれかに記載の画像形成方
    法。
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