JP2000242039A - 現像装置及び画像形成方法 - Google Patents

現像装置及び画像形成方法

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JP2000242039A
JP2000242039A JP4545299A JP4545299A JP2000242039A JP 2000242039 A JP2000242039 A JP 2000242039A JP 4545299 A JP4545299 A JP 4545299A JP 4545299 A JP4545299 A JP 4545299A JP 2000242039 A JP2000242039 A JP 2000242039A
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Masayoshi Shimamura
正良 嶋村
Kenji Fujishima
健司 藤島
Satoshi Otake
智 大竹
Satoshi Matsunaga
聡 松永
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
Tadashi Michigami
正 道上
Yasuko Shibayama
寧子 柴山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる環境下においても安定且つ適性な電荷
を有し、画像濃度も安定し、ゴーストの発生しない高品
位の画像を得ることができる現像装置を提供することに
ある。 【解決手段】 現像容器3内に収容された現像剤4を現
像剤担持体8上に担持し、該現像剤担持体上に現像剤層
厚規制部材2により現像剤の薄層を形成しながら、潜像
担持体1と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持体
上の潜像を現像剤により現像し、可視像化する現像装置
において、前記現像剤は結着樹脂、着色剤及びワック
スを少なくとも含有し、該結着樹脂が、ビニル系樹脂、
ポリエステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポ
リエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分
を含み、且つ、特定の複数の溶媒に選択的に溶解する組
成と分子量を有する成分を一定量含有し、前記現像剤
担持体は、基体6上に、結着樹脂、該結着樹脂に分散さ
れた導電性微粒子及び含窒素複素環化合物を少なくとも
含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層7が設
けられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体、
或いは静電記録誘導体等の像担持体上に形成された潜像
を現像して現像画像を形成し、顕像化する為のトナーを
有する現像剤を用いた現像装置、更に現像された現像画
像を転写手段により転写材に移行させ、転写材に転写さ
れた転写画像を加熱・定着するするための画像形成方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを有する現像剤を用いて現像
して現像画像(トナー画像)を形成し、必要に応じて紙
の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、
加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得
るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発
されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー又は
耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱方
式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを
通過せしめることによりトナー像の定着を行うものであ
る。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上のト
ナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シ
ート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速
に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状
態、加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ロー
ラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが再
転移し、被定着シートを汚す、オフセット現象が定着速
度、定着温度の影響を大きく受ける。一般に定着速度が
遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設定
される。これは、トナーを定着させる為に加熱ローラー
からトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一定
にするためである。
【0006】被定着シート上のトナーは、何層かのトナ
ー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱ロー
ラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接
触するトナー層と、被定着シートに接触している最下層
のトナー層との温度差が大となる為に、加熱ローラーの
表面温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセット
現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場
合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シ
ートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起
きやすい。
【0007】この問題を解決する方法として、定着速度
が速い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへ
トナーをアンカーリングさせる方法が、通常行われてい
る。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げる
ことができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐ
ことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が
非常に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻
きつき、巻きつきオフセットが発生したり、定着ローラ
ーから被定着シートを分離するための分離爪の分離あと
が定着画像に出現しやすい。さらには、圧力が高いがゆ
えに、定着時にライン画像が押しつぶされたり、トナー
が飛び散ったりして定着画像の画質劣化を生じ易い。
【0008】従来、トナー用樹脂としてはポリエステル
樹脂及びスチレン系樹脂などのビニル系共重合体が主に
使用されている。ポリエステル樹脂は低温定着性に優れ
た性能を有しているが、その反面高温でのオフセット現
象を発生しやすいという欠点を有すると言われ、この欠
点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾
性特性を改良する試みが行われてきたが、この場合には
低温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー
製造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微
粒子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0009】またスチレン系樹脂の如きビニル系共重合
体は、トナー製造時の粉砕性に優れ高分子量化が容易な
ため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性
を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度
を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしま
うという問題点があった。
【0010】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれら樹脂を混合して使用する方
法もいくつか検討されている。
【0011】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性をすべて満足
するものとするのは難しい。
【0012】さらに、トナー製造時に添加される種々の
添加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの
定着性能ばかりでなく、トナーの帯電性や現像性にも問
題が生じやすく、特に近年、微粒子化が進んでいるトナ
ーにおいてはこの問題が顕著となる。
【0013】特開昭56−116043号公報や特開昭
58−159546号公報では、ポリエステル樹脂の存
在下で単量体を重合して得られる重合体を含有すること
を特徴とするトナーが開示されている。
【0014】特開昭58−102246号公報や特開平
1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存在
下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含有
することを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0016】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0017】上述の結着樹脂では、縮重合系樹脂と付加
重合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することがで
きる。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐
高温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低
温定着性は未だ不十分であり、トナーにワックスが含有
される場合にはワックスの分散状態を制御することが困
難である。トナーとした場合には低温定着性ばかりでな
く、現像性においても未だ改良すべき課題を残してい
る。
【0018】一方、複写機、プリンターともに画像の解
像度及び鮮鋭度の向上を求められており、これにはトナ
ーの小粒径化が有効である。しかし、小粒径化したトナ
ーでは相対的にトナーに含有される着色剤(磁性体)が
多くなり、トナーの低温定着性を維持するのは困難とな
り、また現像性も従来以上に厳しい制約を受けることに
なる。
【0019】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者の検討によれば、ハ
ーフトーン部の画像を形成するトナーの載り量がベタ黒
部に比較して相対的に少ないことによるものであり、熱
ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱フィルムを
介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用
する中〜低速機において顕著である。
【0020】更に、電子写真技術を利用したプリンタ
ー、複写機及びFAXの如き記録装置は、小型化、高速
化及び高耐久の要求が強まっている。その中で、一旦オ
フセットしたトナーが熱ロール定着方式での熱ロールと
対向する加圧ローラーに、或いは、圧着加熱方式での耐
熱フィルムと対向する加圧ローラーに、付着・蓄積して
いく「加圧ローラー汚れ」という現象がある。この現象
が進み、蓄積量が多くなると、紙が加圧ローラーに巻き
付き、ジャムの原因になる。他方、小型化のために、オ
フセットしたトナーを取り除くクリーニング部材をはず
して、定着器の簡素化、及び、高耐久性を実現させたい
という要求がある。したがって、上述したジャムの発生
を抑制し、且つ上述した要求の実現のために、この加圧
ローラー汚れの改良が求められる。
【0021】その一方で、グラフィック画像のさらなる
高品位化の要求も強まってきている。グラフィック画像
の品質の一つの観点とした、ベタ画像における画像濃度
の一様性がある。
【0022】このベタ画像における濃度の一様性に関し
て、一成分現像方式においては、図17に示すようにハ
ーフトーンのベタ画像をプリントした際にベタ画像上に
その直前にプリントした画像がトナー担持体の周期で現
れる「スリーブゴースト」と呼ばれる現象があり、グラ
フィック画像の品質を低下させるケースがある。そこ
で、グラフィック画像の高品位化の点で、「スリーブゴ
ースト」の改良が求められている。
【0023】一方、上述のトナーを用いた現像装置とし
ては、従来、例えば、図6に示すような静電潜像保持体
としての感光ドラム表面に形成した静電潜像を、一成分
現像剤である磁性トナーによって顕像化する現像装置が
知られている。図6において、現像剤容器53には、一
成分系現像剤としての磁性トナー54が保有されてお
り、磁性トナー間相互の粒子摩擦及び現像剤担持体とし
ての現像スリーブ58と磁性トナー粒子との間の摩擦に
より、感光ドラム51上に形成された静電潜像電荷と現
像基準電位に対して逆極性の電荷を磁性トナー粒子に与
え、磁性ブレード52により該磁性トナーを現像スリー
ブ58上に極めて薄く塗布して担持させて感光ドラム5
1と現像スリーブ58とで形成された現像領域Dにおい
て、現像スリーブ58内に固着されている磁石55によ
る磁界の作用で、担持されている磁性トナーを飛翔させ
て感光ドラム51上の静電潜像を顕像化するものが知ら
れている。なお、A及びBは、現像スリーブ58及び感
光ドラム51のそれぞれの回転方向を示し、59は現像
時に現像バイアス電圧を印加する為の現像バイアス手段
を示し、60は現像剤容器53中で磁性トナー54を撹
拌するための撹拌翼である。
【0024】しかし、この様な一成分現像剤を用いる場
合にはトナー帯電の調整が難しく、現像剤による工夫が
種々行なわれているものの、トナー帯電の不均一性や帯
電の耐久安定性に関わる問題は、完全には解決されてい
ない。
【0025】特に、現像スリーブが繰り返し回転を行な
っていくうちに、現像スリーブ上にコーティングされた
トナーの帯電量が現像スリーブとの接触により高くなり
過ぎ、トナーが現像スリーブ表面との鏡映力により引き
合って現像スリーブ表面上で不動状態となり、現像スリ
ーブから静電潜像保持体(ドラム)上の潜像に移動しな
くなる、所謂、チャージアップ現象が発生すると、上層
のトナーは帯電しにくくなってトナーの現像量が低下す
るため、ライン画像の細りやベタ画像の画像濃度薄の如
き問題点を生じる。
【0026】更に、画像部(トナー消費部)と非画像部
とのトナー層形成状態が変わり、帯電状態が異なってし
まうため、例えば、一度画像濃度の高いベタ画像を現像
した位置が、現像スリーブの次の回転時に現像位置に来
てハーフトーン画像を現像すると、画像上にベタ画像の
跡が現われてしまう現象、所謂、スリーブゴースト現象
が生じ易い。
【0027】最近では電子写真の更なる高画質化の為
に、トナーの小粒径化及び微粒子化が図られている。例
えば、解像力やシャープネス等を向上させ、潜像を忠実
に再現する為には、重量平均粒径約6〜9μmのトナー
を用いるのが一般的である。更に、ファーストコピー時
間の短縮化や小電力化の目的で、トナーの定着温度を下
げる傾向にある。この様な状況下においては、トナーは
更にスリーブに静電的に付着しやすくなると共に、外部
からの物理的な力がかかることにより現像スリーブ表面
の汚染やトナーの融着が起こり易くなっている。
【0028】この様な現象を解決する方法として、樹脂
中に、固体潤滑剤及びカーボンのごとき導電性微粉末を
分散させた被覆層が金属基体上に設けられているスリー
ブを現像装置に用いる方法の提案がなされている。この
方法を用いることにより、上記した現象は大幅に軽減さ
れることが認められる。しかしながら、この方法では、
現像スリーブ表面の摩擦帯電付与部分も減少することか
ら、トナーの帯電の立ち上がりや均一化が不十分となり
やすく、特に高温高湿環境下での画像濃度の立ち上がり
やカブリの点でまだ十分満足できるものではない。
【0029】更に、特開平2−176762号公報に示
されるように、トナーの帯電の立ち上がりを向上させ、
更に、トナーを均一に帯電させるために、スリーブ表面
の被覆層に荷電制御剤を含有させるスリーブを現像装置
に用いる方法の提案がされている。この方法を用いるこ
とにより、トナーの帯電の立ち上がりやトナーの均一帯
電化はある程度向上するものの、高温高湿下での画像濃
度安定性やカブリに十分効果を発揮するには、被覆層に
荷電制御剤を多量に添加するため、被覆層の強度が低下
し、良好な画像を長期に亘って提供することができな
い。更に、被覆層への多量の荷電制御剤の添加は、トナ
ーのチャージアップによるスリーブゴーストが発生しや
すくなるため、更なる改良が望まれている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の如き
問題点を解決した現像装置及びそれを利用した画像形成
方法を提供するものである。
【0031】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーを用いた場合で
も、トナーに迅速且つ適性に帯電を与えることのできる
現像装置及び該現像装置を用いた画像形成方法を提供す
ることにある。
【0032】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーを用いた場合で
も、良好なハーフトーン部の定着性を示すトナーを用い
た現像装置及び該現像装置を用いた画像形成方法を提供
することにある。
【0033】本発明の目的は、熱ロール定着器を使用す
る高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによ
る圧着加熱方式を使用する中〜低速機であっても良好な
低温定着性を示し、かつ高温までオフセットが生じるこ
とのない広い定着温度領域を示すトナーを用いた現像装
置及び該現像装置を用いた画像形成方法を提供すること
にある。
【0034】本発明の目的は、加圧ローラーにトナーが
付着/蓄積するという加圧ローラー汚れが発生しないト
ナーを用いた現像装置及び該現像装置を用いた画像形成
方法を提供することにある。
【0035】本発明の目的は、繰り返し複写又は耐久に
よる現像剤担持体表面とトナーとの帯電性の劣化が生じ
難く、高耐久性を有し、安定した画質が得られる現像装
置及び該現像装置を用いた画像形成方法を提供すること
にある。
【0036】本発明の目的は、異なる環境条件下におい
ても長期に渡って、濃度低下、スリーブゴースト及びカ
ブリのごとき問題点が発生せず、画像濃度が高い高品位
の画像を安定して得ることのできる現像装置及び該現像
装置を用いた画像形成方法を提供することにある。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明は、現像容器内に
収容されたトナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担
持し、該現像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現
像剤層を形成しながら、潜像担持体と対向する現像領域
へと搬送し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像
し、可視像化する現像装置において、 前記トナーは少なくとも着色剤、結着樹脂及びワック
スを含有し、該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエ
ステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含
み、(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした
10時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50
乃至85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15
乃至50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶
媒とした10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可
溶成分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチ
ル不溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)
クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W
5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量
%(W6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至
4.0であり、(f)THF可溶成分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)測定による分子量
分布において、分子量4000乃至9000の領域にメ
インピークを有し、分子量500乃至1万未満の領域の
成分が35.0乃至65.0%(A1)であり、分子量
1万乃至10万未満の領域の成分が25.0乃至45.
0%(A2)であり、分子量10万以上の成分が10.
0乃至30.0%(A3)であり、A1/A2の値が
1.05乃至2.00であり、 前記現像剤担持体は、その表面に、結着樹脂、該結着
樹脂に分散された導電性微粒子及び含窒素複素環化合物
を少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂
被覆層が設けられていることを特徴とする現像装置に関
する。
【0038】さらに本発明は、現像容器内に収容された
トナーを有する現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現
像剤担持体上に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形
成しながら、潜像担持体と対向する現像領域へと搬送
し、該潜像担持体上の潜像を現像剤により現像し、現像
画像を形成する現像工程;該静電潜像保持体上に形成さ
れた現像画像を中間転写体を用いて、または用いずに記
録材に転写する転写工程;及び、該記録材に転写された
現像画像を加熱定着手段により該記録材に加熱定着する
定着工程;を有する画像形成方法において、 前記トナーは少なくとも着色剤、結着樹脂及びワック
スを含有し、該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリ
エステル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエ
ステルユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含
み、(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした
10時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50
乃至85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15
乃至50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶
媒とした10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可
溶成分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチ
ル不溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)
クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出
で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W
5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量
%(W6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至
4.0であり、(f)THF可溶成分のゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)測定による分子量
分布において、分子量4000乃至9000の領域にメ
インピークを有し、分子量500乃至1万未満の領域の
成分が35.0乃至65.0%(A1)であり、分子量
1万乃至10万未満の領域の成分が25.0乃至45.
0%(A2)であり、分子量10万以上の成分が10.
0乃至30.0%(A3)であり、A1/A2の値が
1.05乃至2.00であり、 前記現像剤担持体は、表面に結着樹脂、該結着樹脂に
分散された導電性微粒子及び含窒素複素環化合物を少な
くとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂被覆層
が設けられていることを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0039】
【発明の実施の形態】{トナー}本発明者の検討によれ
ば、着色剤(特に磁性体)の含有量が増加したトナーで
あっても、定着器の加熱方式によらずハーフトーン画像
でも良好な低温定着性を示し、高温オフセットの発生温
度が高く、オフセットし難いトナーを得るためには、ト
ナーの結着樹脂が特定の複数の溶媒に選択的に溶解する
組成と分子量を有する成分を一定量含有することが重要
である。
【0040】従来は、トナーの結着樹脂に含有されるテ
トラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルの
いずれか一種類の溶媒に不溶な樹脂成分を定量するもの
であり、トナーの高温オフセット発生温度とはある程度
対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでな
く、トナーの現像性にも多大な影響を及ぼす可能性のあ
るトナーに含有されるワックスの分散状態を評価する観
点からの評価ではない。
【0041】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)は本発明のトナーに含有される結着樹脂
のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒である
が、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な溶
媒ではない。THFに不溶な成分を定量することは、ポ
リエステル樹脂中の極めて大きな分子量を有する成分ま
たは高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂成分中の
ポリエステルユニットの割合が相対的に多い成分とを定
量することである。このTHFに不溶な成分は、トナー
の低温定着性を評価することができる。更に、より良好
な低温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が
特定の分子量及び分子量成分を有することが重要であ
る。
【0042】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有す
る成分または高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂
成分中のビニル系重合体ユニットの割合が相対的に多い
成分とを定量することである。酢酸エチル不溶成分中に
は、クロロホルムに溶解する成分とクロロホルムに不溶
な成分とが含まれている。この酢酸エチルに不溶な成分
は、トナーの定着性ばかりでなくトナーに安定した現像
性(例えば、画像濃度、カブリ等の環境依存性)を付与
するのに重大な影響を与えるワックスの分散状態を評価
することができる。
【0043】更に、本発明のトナーにおいて、酢酸エチ
ルに不要な樹脂成分とワックスとの相互作用による分散
状態の安定化が、該トナーと本発明に用いる特別な構成
の被覆層を有する現像剤担持体との摩擦帯電を好適な状
態に保持できる指標ともなる。該トナーの摩擦帯電を好
適な状態に保持するための理由は明確ではないが、本発
明のトナーにおいて、酢酸エチルに不溶な樹脂成分とワ
ックスとの相互作用による分散状態の安定化により、ト
ナー表面での樹脂成分とワックス及び着色剤との存在の
様態が従来に無かったような状態の構成にされることで
トナーの摩擦帯電特性が大きく変化し、更に本発明に用
いる含窒素複素環化合物を含有する特別な表面被覆層を
有する現像剤担持体と共に用いると、トナーの迅速且つ
均一な帯電が格段に向上すると共に耐久による現像剤担
持体表面へのトナーの汚染等も発生しにくくなるため、
トナーの摩擦帯電を好適な状態に保持することが可能と
なり、高温高湿環境下でも画像濃度が安定して高く、カ
ブリのない画像が長期に渡って得られるものと考えられ
る。
【0044】クロロホルムは、本発明のトナーに含有さ
れる結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリエステ
ルユニットのいずれに対しても良好な溶媒である。クロ
ロホルムに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹脂
中の極めて大きな分子量を有する成分または高度に架橋
された成分と、ポリエステル樹脂中の極めて大きな分子
量を有する成分または高度に架橋された成分とハイブリ
ッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有する成分また
は高度に架橋された成分とを定量することである。この
様なハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有
する成分または架橋された成分は、トナーの高温オフセ
ット発生温度と密接に関係するが、更には、トナーが感
光体上に固着する融着あるいはブレード等のクリーニン
グ部材によりトナーがクリーニングされない等の現象
(クリーニング不良)とこれに伴う画像欠陥の発生及び
現像剤担持体へのトナー融着によるトナーの帯電不良の
発生とも関係する。
【0045】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
にワックスの分散及び耐高温オフセットのバランスを示
すだけではなく、トナーが画像欠陥を発生することなく
安定な現像性を示すための指標となる。
【0046】本発明において、結着樹脂は、THF不溶
分(W2)を15乃至50重量%含有していることが良
く、好ましくは20乃至45重量%、更に好ましくは2
5乃至40重量%含有することが良い。THF不溶分の
含有量が15重量%未満となる場合には、トナーの高温
オフセット発生温度が低くなり耐ホットオフセット性に
問題が生じるばかりでなく、トナーの保存性も悪化する
場合があり好ましくない。THF不溶分の含有量が50
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0047】本発明において、結着樹脂は、酢酸エチル
不溶分(W4)を2乃至60重量%含有していることが
良く、好ましくは5乃至50重量%、更に好ましくは1
0乃至40重量%含有することが良い。酢酸エチル不溶
分の含有量が2重量%未満となる場合には、トナーの耐
ホットオフセット性に問題が生じ、トナーに含有される
ワックスの分散状態を制御するのが困難となり、トナー
の迅速且つ均一な帯電が行われにくくなるとともに、耐
久により画像濃度が低下する場合があり好ましくない。
酢酸エチル不溶分の含有量が60重量%超となる場合に
は、トナーの低温定着性に問題が生じ、トナーの迅速且
つ均一な帯電が行われにくくなるとともに、耐久により
カブリ濃度が高くなる場合があり好ましくない。
【0048】本発明において、結着樹脂は、クロロホル
ム不溶分(W6)を10乃至45重量%含有することが
良く、好ましくは15乃至40重量%、更に好ましくは
17乃至37重量%含有することが良い。クロロホルム
不溶分の含有量が10重量%未満となる場合には、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりトナーが感光体上や現像剤担持体に融着する現象が
発生する場合があり好ましくない。クロロホルム不溶分
の含有量が45重量%超となる場合には、トナーの低温
定着性に問題が生じるばかりでなく、耐久により感光体
上のトナーがクリーニングされにくくなる場合があり好
ましくない。
【0049】酢酸エチル不溶分(W4)とクロロホルム
不溶分(W6)との比(W4/W6)の値は、1.1乃
至4.0であるこどが良く、好ましくは1.2乃至3.
5、更に好ましくは1.5乃至3.0であることが良
い。比(W4/W6)が1.1未満あるいは4.0超と
なるいずれの場合においても、トナーの帯電が迅速且つ
均一に行われにくくなるとともに、耐久により画像濃度
も低下する。
【0050】さらに、本発明においては、結着樹脂は、
(i)THF不溶分(W2)を含有しており、THF不
溶分(W2)は、さらにクロロホルム不溶分(W6A)
をA重量%(結着樹脂の重量基準で)含有しており、
(ii)酢酸エチル不溶分(W4)を含有しており、酢
酸エチル不溶分(W4)は、さらにクロロホルム不溶分
(W6B)をB重量%(結着樹脂の重量基準で)含有し
ている。
【0051】このTHF不溶成分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と酢酸エチ
ル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶成
分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足することが
好ましく、 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 さらに好ましくは、下記条件を満足することが良い。
【0052】5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5
【0053】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を3重量%未満含有している場合には、ト
ナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、
トナ一の迅速且つ均一な帯電が行われにくくなるととも
に、耐久による画像濃度が低下する場合があり好ましく
ない。
【0054】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を25重量%より多く含有している場合に
は、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0055】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を7重量%未満含有している場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0056】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を30重量%より多く含有している場
合には、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好
ましくない。
【0057】THF不溶分(W2)が含有しているクロ
ロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル不溶分
(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W6B)
の含有量との合計量(W6A+W6B)は、結着樹脂の
クロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当するもので
あり、よって、合計量(W6A+W6B)の上下限から
外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分(W6)の
含有量の上下限から外れる場合と同様の結果となる。
【0058】さらにTHF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル
不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W
6B)の含有量との比率が1:1未満の場合には、トナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、ト
ナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0059】1:3超の場合には、トナーの低温定着性
が損なわれるばかりでなく、トナーの迅速且つ均一な帯
電が行われにくくなるとともに、耐久により画像濃度が
低下する場合があり好ましくない。
【0060】THF可溶分は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分
布において、メインピークを分子量4000乃至900
0の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃
至8500の領域に有しており、更に好ましくは、分子
量5000乃至8000の領域に有していることが良
い。メインピークを分子量4000未満の領域に有する
場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場
合があり、メインピークを分子量9000超の領域に有
する場合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0061】分子量500乃至1万未満の領域の成分
(A1)は、35.0乃至65.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは37.0乃至60.0%、更に好
ましくは40.0乃至55.0%含有されていることが
良い。分子量500乃至1万未満の領域の成分の含有量
が、35.0%未満となる場合にはトナーの低温定着性
が悪化する場合があり、65.0%超となる場合にはト
ナーの保存性が悪化する場合があり好ましくない。
【0062】分子量1万乃至10万未満の領域の成分
(A2)は、25.0乃至45.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは27.0乃至42.0%、更に好
ましくは30.0乃至40.0%含有されていることが
良い。分子量1万乃至10万未満の領域の成分の含有量
が、25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、45.0%超となる
場合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ま
しくない。
【0063】分子量10万以上の領域の成分(A3)
は、10.0乃至30.0%含有されていることが良
く、好ましくは12.0乃至25.0%、更に好ましく
は15.0乃至22.0%含有されていることが良い。
分子量10万以上の領域の成分の含有量が10.0%未
満となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化
する場合があり、30.0%超となる場合にはトナーの
低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。
【0064】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
OOであることが良く、好ましくは1.10乃至1.9
0、更に好ましくは1.15乃至1.80であることが
良い。比(A1/A2)が1.05未満となる場合には
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00超
となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0065】本発明において、結着樹脂を合成する際に
用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマーとビ
ニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂を合成
するためのモノマー100重量部に対して、ビニル系モ
ノマー10乃至100重量部、好ましくは15乃至80
重量部、さらに好ましくは20乃至70重量部であるこ
とが良い。
【0066】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと
(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル
基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニット
とがエステル交換反応によって形成されるものであり、
好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユ
ニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブ
ロック共重合体)を形成するものである。
【0067】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル系重合体ユニットとポリエステルユニッ
トとは、
【0068】
【化13】 を介して結合するものである。
【0069】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
ビニル系重合体ユニット中の全カルボン酸エステルのポ
リエステルユニットとの反応率、すなわちグラフト化率
がビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エス
テルを基準にして、好ましくはl0乃至60モル%、よ
り好ましくは15乃至55モル%、更に好ましくは20
乃至50モル%含有することが良い。グラフト化率が1
0モル%未満となる場合にはビニル系重合体ユニットと
ポリエステルユニットの相溶性が悪化し、ワックスの分
散性も悪化することがあり好ましくなく、60モル%超
となる場合には相対的に分子量の大きな成分が増大する
結果、トナーの低温定着性が悪化する場合があり好まし
くない。
【0070】酢酸エチルに不溶な成分(W4)は、ポリ
エステル樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し
ていることが良く、好ましくは50乃至95重量%、更
に好ましくは60乃至90重量%含有していることが良
い。ポリエステル樹脂成分(Gp)含有量が40重量%
未満となる場合には、トナーの定着性が悪化する可能性
があり好ましくなく、98重量%超となる場合には、炭
化水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく好ましく
ない。
【0071】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポ
リエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有
していることが良く、好ましくは25乃至85重量%、
更に好ましくは30乃至80重量%含有していることが
良い。ポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20重
量%未満となる場合には、炭化水素系ワックスがトナー
に含有される結着樹脂全体で均一に分散されるために定
着性が改良されず、90重量%超となる場合には、炭化
水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく局在化が生
じ、ホットオフセットが発生しやすい。
【0072】比(Sp/Gp)は、0.5乃至1.0で
あることが良く、好ましくは0.6乃至0.95、更に
好ましくは0.65乃至0.9であることが良い。比
(Sp/Gp)が0.5未満となる場合及び比(Sp/
Gp)が1.0超となる場合には、いずれも酢酸エチル
に不溶な成分と溶解する成分とが均一に混合されず、ト
ナーの現像性が悪化する場合があり好ましくない。
【0073】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、重
量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30
以上であることが良く、好ましくはMwが30万乃至2
00万、Mw/Mnが50乃至300であり、更に好ま
しくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃
至250である。Mwが20万未満又はMw/Mnが3
0未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合
があり好ましくない。
【0074】本発明においては、トナーの結着樹脂全体
の酸価(AV1)は、7〜40mgKOH/gであれば
よいが、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好
ましくは15〜35mgKOH/g、さらに好ましくは
17〜30mgKOH/gであることが良い。
【0075】さらに、トナーの酢酸エチル可溶分(W
3)の酸価(AV2)は、10〜45mgKOH/gで
あればよいが、好ましくは15〜45mgKOH/g、
より好ましくは17〜40mgKOH/g、さらに好ま
しくは20〜35mgKOH/gであることが良い。
【0076】このトナーの結着樹脂全体の酸価(AV
1)とトナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価(AV
2)との比(AV1/AV2)は、好ましくは0.7〜
2.0、より好ましくは0.9〜1.7、さらに好まし
くは1.0〜1.5であることが良い。
【0077】トナーの結着樹脂全体の酸価(AV1)が
7mgKOH/g未満の場合及び40mgKOH/gを
超える場合、ともに耐久によって画像濃度が低下する場
合があり好ましくない。
【0078】トナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価
(AV2)が、10mgKOH/g未満の場合にはトナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれる場合があり好まし
くなく、45mgKOH/gを超える場合にはトナーの
低温定着性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0079】AV1/AV2の値が0.7未満の場合に
は耐久による画像濃度が低下する場合があり好ましくな
く、2.0を超える場合にはトナーの耐高温オフセット
性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0080】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットは、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる
2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸
または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくと
も1種以上を含有するものである。
【0081】
【化14】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R3,R4,R5
及びR6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換
基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R7及びR8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基を表し、nは12乃至4
0の整数を表わす。]
【0082】式(1)で表せる化合物としては、例え
ば、下記化合物(1−1)〜(1−6)が挙げられる。
【0083】
【化15】
【0084】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(2−1)〜(2−4)が挙げられる。
【0085】
【化16】
【0086】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(3−1)〜(3−3)が挙げられる。
【0087】
【化17】
【0088】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(4−1)〜(4−2)が挙げられる。
【0089】
【化18】
【0090】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(5−1)〜(5−5)が挙げられる。
【0091】
【化19】
【0092】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(6−1)〜(6−5)が挙げられる。
【0093】
【化20】
【0094】本発明に用いられるポリエステル樹脂のモ
ノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0095】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−へ
キサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(7−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(7
−2)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0096】
【化21】
【0097】
【化22】
【0098】酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜18のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0099】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0100】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−へキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル酸;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体が
挙げられる。
【0101】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0102】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0103】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリ
エステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸または
その無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋
された架橋構造を有しているものである。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリ
カルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物また
は低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多価
アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパント
リオール、トリメチロールプロパン、へキサントリオー
ル、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、好ましく
は1,2,4ベンゼントリカルボン酸及びその酸無水物
である。
【0104】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
アクリレート、1,6−へキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレー卜をメタクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0105】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテート;が挙げられる。
【0106】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(更に好まし
くは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0107】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0108】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。
【0109】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0110】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパ−オキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパ−オキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパ−オキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレ−ト、
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0111】本発明のトナーに用いられる結着樹脂を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることがてきる。
【0112】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。なお、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル
系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有
機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコー
ルを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行
なって合成されるエステル化合物を用いることができ
る。
【0113】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことがでさる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0114】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニッ卜との反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0115】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0116】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0117】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0118】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニッ卜を使用することができる。
【0119】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散伏態を制御できる点で好ましい。
【0120】本発明のワックスを含有するトナーの示差
走査熱量計で測定されるDSC曲線において、好ましく
は温度70乃至160℃、より好ましくは温度70乃至
140℃、さらに好ましくは75乃至140℃、最も好
ましくは80乃至135℃の領域に吸熱メインピークを
有することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の
点で良い。
【0121】さらに好ましくは、ワックスを含有するト
ナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度80〜155℃、好ましくは90〜130℃の
領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱シ
ョルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット
性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0122】トナーのDSC曲線において、温度70乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点が好ましくは70〜160℃、より好ましくは75〜
160℃、さらに好ましくは75〜140℃、最も好ま
しくは80〜135℃であるものが使用される。
【0123】このようなワックスとしては、例えば、低
分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロク
リスタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪
族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭
化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワック
ス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワックス
などの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックス
にスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用い
てグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセ
リドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化
物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ
ル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0124】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の
利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行
なったものがより好ましく用いられる。母体としての炭
化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元
系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成
されたもの、例えばジントール法、ヒドロコール法(流
動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く
得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られ
る。
【0125】本発明において好ましく用いられる高融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。それ以外の好ましく用いられるワックスと
しては、水酸基、カルボキシル基等の置換機を有する置
換アルキルワックスがある。
【0126】さらに、本発明者らは、上記のハイブリッ
ド樹脂成分を有する結着樹脂と組合わせて用いるワック
スとして、下記式(A),(B)または(C)
【0127】
【化23】 で示される長鎖アルキル化合物を用いることにより、ト
ナー中で長鎖アルキル化合物が良好に分散し得ることを
見い出した。
【0128】本発明で用いられる式(A),(B)及び
(C)で表せる長鎖アルキル化合物は、疎水性のアルキ
ル基と親水性の水酸基及びカルボキシル基を有するため
に、ポリエステルユニット及び無極性ワックスである炭
化水素系ワックス、ポリオレフィンワックスの両者との
相溶性が良好である。
【0129】従って、式(1)乃至(5)で表せるカル
ボン酸あるいはアルコールと同様に、本発明で用いられ
るハイブリッド樹脂成分と組み合わせた場合にワックス
の分散状態を制御することが可能となり、特に混練工程
でワックスを添加してトナーを製造する場合には効果的
である。
【0130】本発明者の検討によれば、ハイブリッド樹
脂成分と式(A),(B)または(C)で表せる長鎖ア
ルキル化合物を組み合わせて使用する場合、ソックスレ
ー抽出でテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムに不溶な成分を定量することにより、前
述した様にトナーの低温定着性、現像性及び耐高温オフ
セット性を評価することができる。更にテトラヒドロフ
ラン(THF)、酢酸エチル及びクロロホルムの各溶媒
に不溶な成分に含有されるワックス量を知ることによ
り、ワックスの分散状態に関する知見を得ることができ
る。
【0131】ワックスの分散状態は、ビニル系重合体及
びポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分に含有されるワックス量と、トナー粒子に含有され
るワックス量(H)を比較することにより評価すること
ができる。
【0132】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)に不溶な成分(W2)に含有されるワッ
クスは主にポリエステルユニットの含有量が相対的に多
いハイブリッド樹脂成分に分散されているワックス量
(H1)に相当し、酢酸エチルに不溶な成分(W4)に
含有されるワックスは主にビニル系重合体ユニットの含
有量が相対的に多いハイブリッド樹脂成分に分散されて
いるワックス量(H2)に相当し、クロロホルムに不溶
な成分(W6)に含有されるワックスは主に極めて大き
な分子量を有する成分または架橋されたハイブリッド樹
脂成分に含有されているワックス量(H3)に相当する
ものと考えられる。
【0133】従って、トナー粒子に含有されるワックス
の分散状態は、トナー粒子及びテトラヒドロフラン(T
HF)、酢酸エチル、クロロホルムの各溶媒に不溶な成
分に含有されるワックス量比(H:H1:H2:H3)
で評価できる。
【0134】本発明のトナーにおいて、比(H:H1:
H2:H3)は1:0.6:0.6:0.6乃至1:
2:2:2となれば良いが、好ましくは1:0.7:
0.7:0.7乃至1:1.7:1.7:1.7となる
場合であり、さらに好ましくは1:0.8:0.8:
0.8乃至1:1.5:1.5:1.5となる場合であ
る。
【0135】もし、比(H:H1:H2:H3)のH
1,H2及びH3が0.6未満となる場合には、ワック
スがビニル系重合体ユニットあるいはポリエステルユニ
ットのどちらかとの相溶性が強く、偏在する傾向がある
か、またはワックスの分散粒径が小さいことを示す。比
(H:H1:H2:H3)のH1,H2及びH3が2超
となる場合には、ワックスがビニル系重合体ユニットあ
るいはポリエステルユニットのいずれとの相溶性が悪
く、ワックスの分散粒径が大きいことを示し、いずれの
場合にも低温定着性、耐高温オフセット性及び耐高温ブ
ロッキング性のいずれかに問題が生じる場合があり好ま
しくない。
【0136】一般的に、トナーの低温での定着性は、溶
媒に溶解する分子量の低い樹脂組成物と関係付けられ、
高温でのオフセット発生は溶媒に不溶である樹脂組成物
と関係付けられ、相互に補完することで定着性と耐ホッ
トオフセット性を両立している。
【0137】換言すれば、低温でのトナー定着性は、溶
媒に不溶である樹脂組成物の存在で阻害される可能性が
ある。本発明のトナーの結着樹脂に含有される酢酸エチ
ルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、式(A),
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物と良好な相溶性
を示すことにより選択的に相互作用し分散状態を安定化
する。それと同時にトナーが加熱定着される際には溶融
した式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
により効率的に軟化し、定着性を阻害することが少な
く、良好な定着性と耐ホットオフセット性を達成でき
る。
【0138】上記の長鎖アルキル化合物(A)を得るに
は、例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて重合し、
重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのアル
コキシドを生成する。この後、加水分解することによ
り、式(A)に示す長鎖アルキルアルコールを得る。さ
らにこの長鎖アルキルアルコールをエポキシ基を有する
物質とを反応させることにより、上記の式(B)で示さ
れる長鎖アルコキシアルコールを得る。この様にして得
られた長鎖アルキルアルコールは、共に分岐が少なく、
さらに、分子量分布がシャープなものが、本発明の目的
に沿ったのもである。
【0139】上記の式(C)の長鎖炭化水素化合物は、
式(A)で示される長鎖炭化水素化合物を酸化すること
により得られる。
【0140】式(A)、(B)及び式(C)に示される
化合物において、平均値xは35〜150が好ましい。
xが35未満の場合は潜像保持体に融着が発生したり、
トナーの保存安定性が低下する。xが150より大きい
場合は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化
合物の極性基と結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分
(G)との相互作用が小さくなり、トナーの迅速且つ均
一な帯電が行われにくくなるとともに、スリーブゴース
トの改良の効果が低下する。平均値yは5以下が好まし
い。yが5より大きいと、融点が低くなり、潜像保持体
に融着が発生しやすいからである。同様の理由でRはH
或いはC1〜C10の炭化水素基が好ましい。
【0141】さらに、本発明に用いられる長鎖アルキル
化合物は、数平均分子量Mnが150〜2500、重量
平均分子量Mwが250〜5000、Mw/Mnが3以
下であることが好ましい。
【0142】Mnが150未満又はMwが250未満の
場合には、潜像保持体融着が発生したり、トナーの保存
安定性が低下する。Mnが2500を超える又はMwが
5000を超える場合には、式(A)、(B)又は
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基と結着樹脂中の
酢酸エチルに不溶な部分(G)との相互作用が小さくな
りトナーの迅速且つ均一な帯電が行われにくくなるとと
もに、スリーブゴーストの改良効果が小さくなる。
【0143】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)は、OH価が、好ましくは2〜150
mgKOH/g、より好ましくは10〜120mgKO
H/gであることが良い。長鎖アルキル化合物(A)及
び(B)のOH価が2mgKOH/g未満である場合
は、式(A)、(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
中の極性基が少なく結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成
分(G)との相互作用が小さくなり、トナーの迅速且つ
均一な帯電が行われにくくなるとともに、スリーブゴー
ストの改良効果が小さくなる。長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)のOH価が、150mgKOH/gよ
り大きい場合は、OH基の電荷密度の偏りが大きくな
り、結着樹脂中のOH基の電荷密度の偏りよりも大きく
なるため、コピー画像において、初期から濃度の低い低
画質のものあるいは、初期の濃度は高くても、コピーを
続けてゆくうちに次第に濃度が低下してゆく現象が出現
しやすい。さらに、OH価が150mgKOH/gより
大きい場合は、長鎖アルキルアルコールの分子量の低い
ものが多く含まれるため、トナーが潜像保持体に融着し
やすくなり、さらに、保存安定性も低下する。
【0144】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(C)は、酸価が、好ましくは2〜150mgKOH/
g、より好ましくは5〜120mgKOH/gであるこ
とが良い。酸価が2mgKOH/g未満の場合は、式
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基が少なく、結着
樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が
小さくなりスリーブゴーストの改良効果が小さい。酸価
が150mgKOH/gより大きい場合には、低分子量
のものが多く含まれるため、トナーが潜像保持体に融着
しやすく、保存安定性も低下する。
【0145】本発明のトナーに含有される式(A)、
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物を含有するトナ
ーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有
することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の点
で好ましい。
【0146】長鎖アルキル化合物は、より好ましくは、
示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度
80〜135℃の領域に吸熱メインピークを有すること
が好ましい。さらに好ましくは、示差走査熱量計で測定
されるDSC曲線において、温度90〜130℃の領域
に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショル
ダーを有していることが低温定着性、耐オフセット性及
び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0147】これら長鎖アルキル化合物を単独で用いる
場合は、結着樹脂100重量部当たり、0.1〜30重
量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ま
しい。
【0148】長鎖アルキル化合物を他のワックスと併用
する場合は、この使用総量を、結着樹脂100重量部当
たり0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量
部使用するのが好ましい。
【0149】本発明のトナーでは、ある特定な結着樹脂
とある特定な長鎖アルキル化合物とともに少なくとも、
炭化水素ワックス、若しくは石油系ワックスを含有する
ことが好ましい。これらワックスの存在により定着器で
発生する加圧ローラー汚れが改良される。本発明者は、
加圧ローラー汚れ現象について鋭意検討したところ、こ
の現象は、単にオフセットするトナーの量に依存するも
のではなく、加圧ローラーとの付着性・離型性が、重要
な因子であることがわかった。
【0150】本発明者らは、この付着性・離型性という
点に着目し、さらに検討を進めた結果、本発明の特定の
結着樹脂、及び、特定の長鎖アルキル化合物及び炭化水
素ワックス若しくは、石油系ワックスを組み合わせるこ
とにより、加圧ローラー汚れが改良できることを見い出
した。
【0151】極性をほとんど有しない炭化水素ワックス
もしくは石油系ワックスは、本発明の結着樹脂中の酢酸
エチルに不溶な成分(G)に主に分散する。
【0152】これらワックスは本発明のトナーに若干の
極性を有する上記式(A)、(B)又は(C)で示され
る長鎖アルキル化合物との相互作用により、酢酸エチル
に不溶な成分(G)における、その存在の様態が従来に
なかった様な状態になり、加圧ローラーに対する離型性
が向上する。これにより、加圧ローラー汚れが改良され
るものと考えている。
【0153】本発明に含有できる炭化水素ワックスとし
ては、具体的には例えばエチレンやプロピレンの如きア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、
高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるア
ルキレンポリマー、一酸化炭素及び水素からなる合成ガ
スからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分か
ら、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水
素などのワックスが用いられる。更に、プレス発汗法、
溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別を行
なったものがより好ましく用いられる。
【0154】石油系ワックスとしては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム
の如き石油より分離されたワックスが使用される。
【0155】本発明における炭化水素ワックス、石油系
ワックスは実質的に官能基を有しない。実質的とは、官
能基の数が1分子あたり0.1個以下であるものを指
す。
【0156】本発明において使用される炭化水素ワック
スもしくは石油系ワックスは、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有する
ことが、トナーの低温定着性及び耐オフセット性の点で
好ましい。
【0157】より好ましくは、炭化水素ワックスもしく
は石油系ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計
で測定されるDSC曲線において温度80〜135℃の
領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さら
に好ましくは、ワックスを含有するトナーは、示差走査
熱量計で測定されるDSC曲線において、温度90〜1
30℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又
は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性、耐オ
フセット性、加圧ローラー汚れ防止及び耐ブロッキング
性の点で好ましい。
【0158】炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、
GPCで測定したその分子量分布から求めた重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが
1.0〜3.0であるものが好ましい。炭化水素ワック
ス及び石油系ワックスがこの範囲を満たす場合、加圧ロ
ーラー汚れの改良の効果がより大きい。
【0159】本発明において用いられる炭化水素ワック
ス若しくは石油系ワックスの含有量(Y)としては、結
着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。ま
た、上記式(1)、(2)又は(3)で示される長鎖ア
ルキル化合物の含有量(X)と炭化水素ワックス若しく
は石油系ワックスの含有量(Y)は、下記条件 X/Y=0.02〜50 を満たしていることが好ましい。
【0160】X/Yが0.02未満及び50を超える場
合は、加圧ローラー汚れの改良の効果が小さくなってし
まう。
【0161】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当たり好まし
くは0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重
量部使用するのが好ましい。
【0162】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0163】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルのフェノール誘導体類等が挙げられる本発明のトナー
は、特に下記式(1)で示される荷電制御剤を含有して
いることが好ましい。
【0164】
【化24】 [式中、Mは、Mn,Fe,Ti及びAlからなるグル
ープから選択される配位中心金属を示し、Arは、ニト
ロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基、炭素
数1〜18のアルキル基及び炭素数1〜18のアルコキ
シ基からなるグループから選択される置換基を有しても
良いアリール基を示し、X,X’,Y及びY’は、−O
−,−CO−,−NH−又は−NR−(Rは炭素数1〜
4のアルキル基)を示し、A+は、水素,ナトリウムイ
オン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪属
アンモニウムイオンを示す。] 上記式(1)で示す荷電制御剤の中で、特に下記式
(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物が好ましく用いら
れる。
【0165】
【化25】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
子、C1〜C18のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
キシ、C1〜C18のアルコキシ、アセチルアミノ、ベン
ゾイルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3
同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1
〜3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニト
ロ基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、
ナトリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イ
オンからなるグループから選択されるカチオンイオンを
示す。]
【0166】さらに、該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノ
ールに対する溶解度が、好ましくは0.1〜8g/10
0ml、より好ましくは0.3〜4g/100ml、さ
らに好ましくは0.4〜2g/100mlであることが
良い。
【0167】このような荷電制御剤を用いることによ
り、ネガ・スリーブゴーストをより良好に改善すること
ができる。この理由としては、はっきりしたことは不明
であるが、式(1)(好ましくは式(2))で示される
化合物は、本発明で用いるハイブリッド樹脂成分を含む
結着樹脂に良好に分散することが可能なためと推察され
る。この結果、トナー粒子個々の帯電が均一になり、ネ
ガ・スリーブゴーストが改良されると考えられる。
【0168】特に、本発明で用いられる結着樹脂との組
合せにおいては、前記式(2)に示したアゾ系鉄錯体化
合物のA+が75〜98モル%のアンモニウムイオンを
含有することが、安定したトナー画像を得るために好ま
しい傾向を示す。アンモニウムイオンがこの範囲内にあ
るときに、酢酸エチルに可溶な成分・不溶な成分両方に
特に良好な分散性を示すと考えられる。アゾ系鉄錯体化
合物において、アンモニウムイオンだけをカチオンとし
て有する場合には、ネガ・スリーブゴーストが悪化する
傾向が見られる。一方、プロトンやアルカリ金属だけを
カチオンとして有する場合にも同様にネガ・スリーブゴ
ーストが悪化する。
【0169】本発明者らが検討したところ、カチオン成
分としてアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオン
および/またはプロトンを共存させることで、本発明で
用いる結着樹脂への分散が良好な化合物が得られる。特
に、アンモニウムイオンが75〜98モル%になると分
散性が良好になる。
【0170】さらに、本発明においてトナーに用いるア
ゾ系鉄錯体化合物はメタノールに対する溶解度が、好ま
しくは0.1〜8g/100ml、より好ましくは0.
3〜4g/100ml、さらに好ましくは0.4〜2g
/100mlであることが良い。
【0171】溶解度が0.1g/100ml未満である
場合には、トナー中への分散性が低くなりやすい。一
方、溶解度が8g/100mlを超える場合には、トナ
ーの帯電性が悪化しやすく、ネガ・スリーブゴーストが
悪化しやすい。
【0172】荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当た
り好ましくは0.2〜5重量部で用いることが好まし
い。
【0173】本発明で用いるアゾ系鉄錯体化合物の代表
的な具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
【0174】
【化26】
【0175】
【化27】
【0176】
【化28】
【0177】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0178】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げ
られる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又
はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0179】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、79
5kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が
抗磁力1.5〜12kA/m(20〜150エルステッ
ド)、飽和磁化50〜200Am2/kg(50〜20
0emu/g)、好ましくは50〜100Am2/kg
(50〜100emu/g)、残留磁化2〜20Am2
/kg(2〜20emu/g)のものが好ましい。
【0180】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0181】本発明に用いられる磁性体としては、球形
度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄を使用することが好
ましい。球形度(ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄がトナ
ー中に存在することで、磁性酸化鉄がトナー粒子表面に
適度に露出し易くなり、トナーの帯電性が安定し、スリ
ーブゴーストの改良に効果があると考えられる。
【0182】本発明で使用する磁性酸化鉄はケイ素元素
を含有することが好ましく、さらには磁性酸化鉄のケイ
素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%
であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%まで
に存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ
素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜
84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の
含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10
〜55%であることが、より好ましい。磁性酸化鉄がケ
イ素元素を含有し、さらに好ましくは上記の条件を満た
すように存在することで、よりスリーブゴーストの改良
に効果がある。
【0183】本発明に係わるケイ素元素を有する磁性酸
化鉄粒子は、例えば下記方法で製造される。
【0184】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物を
添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水
酸化ナトリウムのごときアルカリを加え、水酸化第一鉄
を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以
上(好ましくは8〜10)に維持しながら空気を吹き込
み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の
酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず
生成する。
【0185】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進
め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化
反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒
子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させるこ
とが好ましい。
【0186】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。なお本発明に悪影響を与
えない限り、硫酸アルミ、アルミナのその他の添加剤を
加えても良い。
【0187】水溶液法による磁性酸化鉄の製造におい
て、第一鉄塩水溶液の濃度は反応時の粘度の上昇を防ぐ
ため、また硫酸鉄の溶解度の関係により、鉄濃度0.5
〜2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一
般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。ま
た反応に際しては空気量が多いほど、そして反応温度が
低いほど微粒化しやすい。
【0188】上述の製造方法によりケイ酸成分を有する
磁性酸化鉄粒子を生成し、その磁性酸化鉄粒子をトナー
に使用することが好ましい。
【0189】本発明において、磁性酸化鉄粒子表面のケ
イ素元素の含有量Cは、次のような方法によって求める
ことが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リ
ットルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウ
ォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水で
スラリーとした磁性酸化鉄粒子約25gを約300ml
の脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と共に5リ
ットルビーカー中に加える。
【0190】次いで温度を約60℃、撹拌スピードを約
200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを加
え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化鉄
粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始す
る。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、
0.1μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を採取
する。濾液をプラズマ発光分光(ICP)によってケイ
素元素の定量を行う。
【0191】次式によって各サンプルごとの鉄元素溶解
率が計算される。
【0192】
【数1】
【0193】各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び
含有量は、次式によって計算される。
【0194】
【数2】
【0195】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の全含有量A
は、全て溶解した後の磁性酸化鉄粒子の単位重量当たり
のケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。
【0196】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有量B
は、磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%の場合に、検出さ
れる磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度
(mg/リットル)に相当する。磁性酸化鉄粒子の溶解
率が20%という状態は、磁性酸化鉄の表面付近のみが
塩酸により溶解した状態であり、この時のケイ素元素の
含有量Bは磁性酸化鉄の表面近くに存在しているケイ素
元素の量を示している。
【0197】ケイ素元素の含有量A、B及びCを測定す
る方法としては、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分け
て、ケイ素元素の含有率及び含有量A及びBを測定する
一方で、含有量Cを別途測定する方法と、(2)磁性酸
化鉄の試料の含有量Cを測定し、測定後の試料を使用し
て次いで含有量B’(含有量Bから含有量Cを引いた
量)および含有量A’(含有量Aから含有量Cを引いた
量)を測定し、最終的に含有量A及びBを算出する方法
が挙げられる。
【0198】磁性酸化鉄の球形度の測定は以下のように
して行う。磁性酸化鉄の電子顕微鏡写真を用いてランダ
ムに100個以上の磁性酸化鉄粒子を選び、各粒子の最
小長と最大長の比を求め、次いで各計算値を平均化した
ものとする。
【0199】 球形度(ψ)=最小長(μm)/最大長(μm)
【0200】本発明のトナーは、磁性体の他に、着色剤
としては、カーボンブラック、チタンホワイトやその他
の顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本
発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合に
は、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレ
クトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ア
シッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.
I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー
7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシッ
クグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイ
エロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、
ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フ
ァイナルイエローグリーンGがある。
【0201】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0、51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90、112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19,C.I.バットレッド、1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0202】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料を併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料;C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0203】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料が挙
げられる。
【0204】
【化29】
【0205】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0206】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.
5〜50重量部である。
【0207】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理ア
ルミナがある。
【0208】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0209】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0210】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.002〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0211】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0212】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0213】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0214】疎水化方法としては、カップリング剤の如
きシリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素
化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する
ことによって付与される。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ
微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0215】シランカップリング剤としては、へキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシン
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサン、および1分子当り2から12個
のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ
1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリ
シロキサン等がある。
【0216】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカッ
プリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)が挙げられる。
【0217】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、さらに好ましくは10〜200センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリ
コーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをへンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混
合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオ
イルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーン
オイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を
加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能で
ある。
【0218】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。
【0219】本発明においては、シリカを予めカップリ
ング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方
法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイ
ルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ま
しい。
【0220】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0221】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、へンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。
【0222】本発明のトナーは、重量平均粒径が、好ま
しくは3乃至10μm、より好ましくは3乃至9μmを
有することが解像性、画像濃度の点で好ましく、小粒径
トナーであっても良好に加熱加圧定着できる。
【0223】さらに、本発明において、トナーの体積平
均粒径(Dv)が2.5μm以上の場合には、画像濃度
の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また7.
0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性
が向上することから、トナーの体積平均粒径(Dv)は
2.5乃至7.0μmであることが好ましい。
【0224】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0225】{現像剤担持体}次に、本発明を特徴づけ
る現像剤担持体について説明する。本発明に用いられる
現像剤担持体は、従来のものと同様の金属製等の円筒状
基体を有するが、本発明においては、該基体表面に、結
着樹脂、該結着樹脂中に分散された導電性微粒子及び含
窒素複素環化合物を少なくとも含有する樹脂組成物によ
り形成された樹脂被覆層が設けられていることを特徴と
する。
【0226】該含窒素複素環化合物は、本発明で用いる
特別な構成を有するトナーとの相互作用により、該トナ
ーへの迅速且つ均一な帯電をより向上させ、更に該樹脂
被覆層表面のトナー汚染による帯電の劣化を発生しにく
くさせる為に添加するものである。
【0227】上記の含窒素複素環化合物は、個数平均粒
径が好ましくは20μm以下、より好ましくは0.1〜
15μmのものを使用するのがよい。含窒素複素環化合
物の個数平均粒径が20μmを超える場合には、該樹脂
被覆層中への含窒素複素環化合物の分散性不良による帯
電性能の向上効果が十分に得られ難く好ましくない。
【0228】本発明に使用される含窒素複素環化合物と
しては、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾロン、
ピラゾリン、ピラゾール、ピラゾロン、オキサゾリン、
オキサゾール、オキサゾロン、チアゾリン、チアゾー
ル、チアゾロン、セレナゾリン、セレナゾール、セレナ
ゾロン、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾ
ール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベン
ゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、
オキサジン、チアジン、テトラジン、ポリアザイン、ピ
リダジン、ピリミジン、ピラジン、インドール、イソイ
ンドール、インダゾール、カルバゾール、キノリン、ピ
リジン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キナ
キサリン、フタラジン、プリン、ピロール、トリアゾー
ル、フェナジン等の含窒素複素環基を有する化合物が挙
げられる。本発明においては、特にイミダゾール化合物
が、本発明に用いる現像剤担持体とトナーとの相互作用
による効果を促進するため、好ましい。
【0229】特に、イミダゾール化合物の中でも、下記
一般式(E−1)又は(E−2)
【0230】
【化30】 〔式中、R1及びR2は、水素原子、アルキル基、アラル
キル基またはアリール基を表し、R1及びR2は同一であ
っても異なっていても良い。R3及R4は炭素数が3〜3
0の直鎖状アルキル基を表し、R3及びR4は同一であっ
ても良い。〕
【0231】
【化31】 〔式中、R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アラル
キル基またはアリール基を表し、R5及びR6は同一であ
っても良い。R7は、炭素数が3〜30の直鎖状アルキ
ル基を表す。〕
【0232】で示されるイミダゾール化合物が該トナー
の迅速且つ均一な帯電性及び被覆層の強度の点でより好
ましい。
【0233】その理由は、前記の一般式(E−1)又は
(E−2)で示す構造のイミダゾール化合物は、置換基
として炭素数3〜30の直鎖状アルキル基を有すること
で、被覆層の樹脂に対する分散性が良好であり、且つ、
本発明に使用する特別な表面での分散状態からなるトナ
ーとの摩擦帯電特性が良好であるためと考えられる。
【0234】また、前記の含窒素複素環化合物を構成す
る含窒素複素環基は、単環であっても他の基と縮環して
いても良く、また置換されていても良い。
【0235】この含複素環基が置換されている場合に、
置換基としては、例えばアルキル基、アラルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール
基、置換アミノ基、ウレイド基、ウレタン基、アリール
オキシ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキ
ルまたはアリールチオ基、アルキルまたはアリールスル
ホニル基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、ヒ
ドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、アリ
ールオキシカルボニル基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アシルオキシ基、カルボンアミド基、スルホン
アミド基、カルボキシル基、リン酸アミド基、ジアシル
アミノ基、イミド基等を用いることができる。上記の置
換基は更に置換基を有していてもよい。その置換基の例
としては、含窒素複素環の置換基で挙げた置換基を用い
ることができる。
【0236】本発明において、現像剤担持体の被覆層の
体積抵抗は、103Ω・cm以下、より好ましくは、1
3〜10-2Ω・cmであることがよい。被覆層の体積
抵抗が103Ω・cmを超える場合には、トナーのチャ
ージアップが発生し易くなり、ゴースト抑制の悪化や濃
度低下を引き起こし易い。
【0237】導電性微粒子としては、個数平均粒径が、
好ましくは1μm以下、より好ましくは0.01〜0.
8μmのものがよい。この導電性微粒子の個数平均粒径
が1μmを超え場合には、導電性被覆層の体積抵抗を低
く制御しづらくなり、トナーのチャージ・アップ現象が
発生しやすくなる。
【0238】本発明で使用することのできる導電性微粒
子としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラ
ック、サーマルブラック、アセチレンブラック、チャン
ネルブラックの如きカーボンブラック;酸化チタン、酸
化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリ、酸
化アンチモン及び酸化インジウムの如き金属酸化物;ア
ルミニウム、銅、銀、ニッケル等の金属、グラファイ
ト、金属繊維、炭素繊維の如き無機系充填剤が挙げられ
る。
【0239】本発明の現像剤担持体を構成する被覆層に
は、更に球状粒子を併用して分散させると、より本発明
の効果が促進されるため好ましい。
【0240】該球状粒子は、現像剤担持体の被覆層表面
に均一な表面粗度を保持させると同時に、被覆層表面が
摩耗した場合でも被覆層の表面粗度の変化が少なく、且
つトナー汚染やトナー融着を発生しにくくする効果があ
る。
【0241】更に、球状粒子は、被覆層中に含有する含
窒素複素環化合物との相互作用により、含窒素複素環化
合物の荷電制御の効果をより高め、迅速且つ均一な帯電
をより向上させ、更に帯電性能を安定化させる効果もあ
る。
【0242】本発明に使用される球状粒子としては、個
数平均径が0.3〜30μm、好ましくは2〜20μm
である。
【0243】球状粒子の個数平均粒径が0.3μm未満
では表面に均一な粗さを付与する効果と帯電性能を高め
る効果が少なく、現像剤への迅速且つ均一な帯電が不十
分となると共に、被覆層の磨耗によるトナーのチャージ
アップ、トナー汚染及びトナー融着が発生し、ゴースト
抑制の悪化、画像濃度低下を生じやすくなるため好まし
くない。個数平均粒径が30μmを超える場合には、被
覆層表面の粗さが大きくなり過ぎ、トナーの帯電が十分
に行なわれにくくなってしまうと共に、被覆層の機械的
強度が低下してしまうため好ましくない。
【0244】また、本発明で使用する球状粒子の真密度
は、3g/cm3以下、好ましくは2.7g/cm3
下、より好ましくは0.9〜2.3g/cm3であるこ
とが良い。即ち、球状粒子の真密度が3g/cm3を超
える場合には、被覆層中での球状粒子の分散性が不十分
となる為、被覆層表面に均一な粗さを付与しにくくなる
と共に含窒素複素環化合物の分散も均一に行われなくな
り、トナーの迅速且つ均一な帯電化及び被覆層の強度が
不十分となってしまい好ましくない。
【0245】球状粒子の真密度が0.9g/cm3より
小さい場合にも、被覆層中での球状粒子の分散性が不十
分となるため好ましくない。
【0246】本発明において、導電性球状粒子における
球状とは、粒子の長径/短径の比が1.0〜1.5程度
のものを意味しており、本発明において好ましくは、長
径/短径の比が1.0〜1.2の粒子を使用することが
良い。
【0247】球状粒子の長径/短径の比が1.5を超え
る場合には、被覆層中への球状粒子の分散性が低下する
と共に、被覆層中への含窒素複素環化合物の分散性低下
及び被覆層表面粗さの不均一化が発生し、トナーの迅速
且つ均一な帯電化及び導電性被覆層の強度の点で好まし
くない。
【0248】本発明に用いられる球状粒子は、公知の球
状粒子が使用可能である。例えば、球状の樹脂粒子、球
状の金属酸化物粒子、球状の炭素化物粒子などがある。
【0249】球状の粒子としては、例えば、懸濁重合、
分散重合法等による球状の樹脂粒子などが用いられる。
球状の樹脂粒子は、より少ない添加量で好適な表面粗さ
が得られ、更に均一な表面形状が得られやすい。この様
な球状粒子としては、ポリアクリレート、ポリメタクリ
レート等のアクリル系樹脂粒子、ナイロン等のポリアミ
ド系樹脂粒子、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂粒子、シリコーン系樹脂粒子、フェノ
ール系樹脂粒子、ポリウレタン系樹脂粒子、スチレン系
樹脂粒子、ベンゾグアナミン粒子、等々が挙げられる。
粉砕法により得られた樹脂粒子を熱的にあるいは物理的
な球形化処理を行ってから用いてもよい。
【0250】また、該球状粒子の表面に無機物を付着さ
せる、あるいは固着させて用いてもよい。この様な無機
微粉体としては、SiO2,SrTiO3,CeO2,C
rO,Ai23,ZnO,MgO,の如き酸化物、Si
34の如き窒化物、SiCの如き炭化物、CaSO4
BaSO4,CaCO3,の如き炭化物、炭酸塩、等々が
挙げられる。このような無機微粉末は、カップリング剤
により処理して用いても良い。
【0251】特に結着樹脂との密着性を向上させる目
的、あるいは粒子に疎水性を与える、等々の目的では好
ましく用いることが可能である。このようなカップリン
グ剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタン
カップリング剤、ジルコアルミネートカップリング剤等
がある。より具体的には、例えばシランカップリング剤
としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラ
ン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジク
ロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメ
チルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロ
ルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロル
メチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメル
カプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガ
ノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラ
ン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシ
ロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサ
ン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及
び1分子当たり2から12個のシロキサン単位を有し末
端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合し
た水酸基を含有したジメチルポリシロキサン等が挙げら
れる。
【0252】このように球状樹脂粒子表面に対して無機
微粉末で処理することにより、被覆層中への分散性、被
覆層表面の均一性、被覆層の耐汚染性、トナーへの帯電
付与性、被覆層の耐磨耗性等を向上させることができ
る。
【0253】また、本発明に使用する球状粒子は、導電
性であることが好ましい。即ち、球状粒子に導電性を持
たせることによって、その導電性のゆえに粒子表面にチ
ャージが蓄積しにくく、トナー付着の軽減やトナーの帯
電付与性を向上させることができるからである。本発明
において、球状粒子の導電性としては、体積抵抗値が1
6Ω・cm以下、より好ましくは103〜106Ω・c
mの粒子であることが好ましい。
【0254】本発明において、球状粒子の体積抵抗が1
6Ω・cmを超えると、摩耗によって被覆層表面に露
出した球状粒子を核としてトナーの汚染や融着を発生し
やすくなるとともに、迅速且つ均一な帯電が行われにく
くなるため、好ましくない。
【0255】このような導電性球状粒子を得る方法とし
ては、以下に示す様な方法が好ましいが、必ずしもこれ
らの方法に限定されるものではない。
【0256】本発明に使用される特に好ましい導電性球
状粒子を得る方法としては、例えば、樹脂系球状粒子や
メソカーボンマイクロビーズを焼成して炭素化及び/又
は黒鉛化して得た低密度且つ良導電性の球状炭素粒子を
得る方法が挙げられる。そして、樹脂系球状粒子に用い
られる樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ナフタ
レン樹脂、フラン樹脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼ
ン重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ポリ
アクリロニトリルが挙げられる。
【0257】また、メソカーボンマイクロビーズは、通
常、中ピッチを加熱焼成していく過程で生成する球状結
晶を多量のタール、中油、キノリンの如き溶剤で洗浄す
ることによって製造することができる。
【0258】より好ましい導電性球状粒子を得る方法と
しては、フェノール樹脂、ナフタレン樹脂、フラン樹
脂、キシレン樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、ポリアクリロニトリルの
如き球状樹脂粒子表面に、メカノケミカル法によってバ
ルクメソフェーズピッチを被覆し、被覆された粒子を酸
化性雰囲気下で熱処理した後に不活性雰囲気下又は真空
下で焼成して炭素化及び/又は黒鉛化し、導電性球状炭
素粒子を得る方法が挙げられる。この方法で得る球状炭
素粒子は、黒鉛化すると得られる球状炭素粒子の被覆部
の結晶化が進んだものとなるので導電性が向上し、より
好ましい。
【0259】上記した方法で得られる導電性の球状炭素
粒子は、いずれの方法でも、焼成条件を変化させること
によって得られる球状炭素粒子の導電性を制御すること
が可能であり、本発明において好ましく使用される。ま
た、上記の方法で得られる球状炭素粒子は、場合によっ
ては、更に導電性を高めるために導電性球状粒子の真密
度が3g/cm3を超えない範囲で、導電性の金属及び
/または金属酸化物のメッキを施していても良い。
【0260】本発明で使用される導電性球状粒子を得る
他の方法としては、球状樹脂粒子からなる芯粒子に対し
て、芯粒子の粒径より小さい粒径の導電性微粒子を適当
な配合比で機械的に混合することによって、ファンデル
ワールス力及び静電気力の作用により、芯粒子の周囲に
均一に導電性微粒子を付着した後、例えば機械的衝撃力
を付与することによって生ずる局部的温度上昇により芯
粒子表面を軟化させ、芯粒子表面に導電性微粒子を成膜
して導電化処理した球状樹脂粒子を得る方法が挙げられ
る。上記の芯粒子には、有機化合物からなる真密度の小
さい球形の樹脂粒子を使用することが好ましく、樹脂と
しては、例えば、PMMA、アクリル樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブタジエン、又はこれらの共重合体、ベン
ゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、
ナイロン、フッ素系樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリエステル樹脂が挙げられる。芯粒子(母粒
子)の表面に付着させる導電性微粒子(小粒子)として
は、導電性微粒子被膜を均一に設ける為に、小粒子の粒
径が母粒子の粒径の1/8 以下のものを使用するのが
好ましい。
【0261】本発明に使用される導電性球状粒子を得る
更に他の方法としては、球状樹脂粒子中に導電性微粒子
を均一に分散させることにより、導電性微粒子が分散さ
れた導電性球状粒子を得る方法が挙げられる。球状樹脂
粒子中に導電性微粒子を均一に分散させる方法として
は、例えば、結着樹脂と導電性微粒子とを混練して導電
性微粒子を分散させた後、冷却固化し、所定の粒径に粉
砕し、機械的処理及び熱的処理により球形化して導電性
球状粒子を得る方法;又は、重合性単量体中に重合開始
剤、導電性微粒子及びその他の添加剤を加え、分散機に
よって均一に分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水相中に攪拌機等によって所定の粒子径にな
るように懸濁させて重合を行ない、導電性微粒子が分散
された球状粒子を得る方法;が挙げられる。
【0262】これらの方法で得た導電性微粒子が分散さ
れた導電性球状粒子においても、前記した芯粒子より小
さい粒径の導電性微粒子と適当な配合比で機械的に混合
して、ファンデルワールス力及び静電気力の作用によ
り、導電性球状粒子の周囲に均一に導電性微粒子を付着
させた後、例えば、機械的衝撃力を付与することにより
生ずる局部的温度上昇により導電性球状粒子の表面を軟
化させ、該表面に導電性微粒子を成膜して、更に導電性
を高めて使用してもよい。
【0263】本発明に使用する現像剤担持体を構成する
被覆層には、更に潤滑粒子を併用して分散させると、よ
り本発明の効果が促進されるため好ましい。
【0264】この潤滑性粒子としては、例えば、グラフ
ァイト、二硫化モリブデン、窒化硼素、雲母、フッ化グ
ラファイト、銀−セレン化ニオブ、塩化カルシウム−グ
ラファイト、滑石、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩
等が挙げられ、中でもグラファイト粒子が導電性被覆層
の導電性が損なわれないので特に好ましく用いられる。
これらの潤滑性粒子は、個数平均粒径が好ましくは0.
2〜20μm程度、より好ましくは1〜15μmのもの
を使用するのが良い。潤滑性粒子の個数平均粒径が0.
2μm未満の場合には、潤滑性が十分に得られ難く好ま
しくなく、個数平均粒径が20μmを超える場合には、
導電性被覆層表面の粗さが不均一となり、トナーの均一
な帯電化、及び被覆層の強度の点で好ましくない。
【0265】本発明の現像剤担持体を構成する被覆層の
結着樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、ビニル系
樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド樹脂、
フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如き熱可
塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッ
ド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン
樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂の如
き熱あるいは光硬化性樹脂;を使用することができる。
なかでもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のような離型性を
有するもの、或いはポリエーテルスルホン、ポリカーボ
ネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、フェ
ノール、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系樹
脂、アクリル系樹脂のような機械的性質に優れたものが
より好ましい。また、本発明の現像剤担持体を構成する
被覆層の結着樹脂は、上記の樹脂を2種類以上組み合わ
せて用いても良い。
【0266】次に本発明に用いる現像剤担持体の構成に
ついて説明する。
【0267】本発明に用いる現像剤担持体は、主として
基体である金属円筒管及びそれを取り巻いて被覆する導
電性樹脂層とから構成される。金属円筒管は主として、
ステンレススチール及びアルミニウムが好適に用いられ
る。
【0268】導電性被覆層を構成する各成分の構成比に
ついて説明するが、これは本発明において特に好ましい
範囲である。
【0269】被覆層中に含有させる含窒素複素環化合物
の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して好ま
しくは0.5〜60重量部、より好ましくは1〜50重
量部の範囲で特に好ましい結果を与える。含窒素複素環
化合物の含有量が0.5重量部未満の場合には含窒素複
素環化合物の添加効果が小さく、60重量部を超える場
合には、被覆層の体積抵抗を低く制御しづらくなり、チ
ャージ・アップ現象が発生しやすくなると共に被覆層の
強度が低下しやすくなる。
【0270】被覆層中に球状粒子を併用して含有させる
場合には、球状粒子の含有量は、結着樹脂100重量部
に対して好ましくは2〜120重量部、より好ましくは
2〜80重量部の範囲で特に好ましい結果を与える。球
状粒子の含有量が2重量部未満の場合には球状粒子の添
加効果が小さく、120重量部を超える場合にはトナー
の帯電性が低くなり過ぎてしまう場合がある。
【0271】本発明において、被覆層中での球状粒子の
含有量と含窒素複素環化合物の含有量との比、すなわち
球状粒子の含有量:含窒素複素環化合物の含有量は、好
ましくは1:0.4〜5.0、より好ましくは1:0.
7〜4.5、更に好ましくは1:1.2〜4.0である
ことが、被覆層の帯電性能及び帯電性能の耐久性を一段
と向上できることから良い。
【0272】被覆層中での上記の球状粒子の含有量に対
する含窒素複素環化合物の含有量の比が、0.4未満の
場合には、トナーの迅速且つ均一な帯電特性が充分に制
御しにくくなり、5.0を超える場合には、帯電性能の
耐久性が低下しやすくなる。
【0273】被覆層中に潤滑性粒子を併用して含有させ
る場合には、潤滑性粒子の含有量は、結着樹脂100重
量部に対して好ましくは5〜120重量部、より好まし
くは10〜100重量部の範囲で特に好ましい結果を与
える。潤滑性粒子の含有量が120重量部を超える場合
には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量の低下が認め
られ、5重量部未満では7μm以下の小粒径トナーを用
いて長期間使用した場合など、被覆層表面にトナーの汚
染が発生しやすくなる傾向がある。
【0274】被覆層中に含有させる導電性微粒子の含有
量としては、結着樹脂100重量部に対して、好ましく
は40重量部以下、より好ましくは2〜35重量部の範
囲で使用すると特に好ましい結果が得られる。
【0275】即ち、導電性微粒子の含有量が40重量部
を超える場合には、被膜強度の低下及びトナーの帯電量
の低下が認められ好ましくない。
【0276】本発明において、被覆層表面の粗度として
は、中心線平均粗さ(以下、「Ra」と称す。)が、好
ましくは0.3〜3.5μmの範囲内であり、より好ま
しくは0.5〜3.0μmの範囲内であることが良い。
被覆層表面のRaが0.3μm未満の場合には、トナー
の搬送性が低下しまい十分な画像濃度が得られなくなる
場合があり、被覆層表面のRaが3.5μmを超える場
合には、トナーの搬送量が多くなり過ぎてトナーが十分
に帯電できなくなり、いずれも好ましくない。
【0277】上記したような構成の被覆層の層厚は、好
ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、
更に好ましくは4〜20μmであると均一な膜厚を得る
ために好ましいが、特にこの層厚に限定されるものでは
ない。これらの層厚は、導電性被覆層に使用する材料に
もよるが、付着重量として、4000〜20000mg
/m2程度にすれば得られる。
【0278】{現像装置・画像形成方法}次に、上記し
たような本発明の現像剤担持体が組み込まれる現像装
置、現像方法及び画像形成方法にいて説明する。
【0279】図1は、本発明の現像剤担持体を有する一
実施形態の現像装置の模式図を示す。
【0280】図1において、公知のプロセスにより形成
された静電潜像を保持する静電潜像保持体、例えば、電
子写真感光ドラム1は、矢印B方向に回転される。現像
剤担持体としての現像スリーブ8は、現像剤容器として
のホッパー3によって供給された磁性トナーを有する一
成分系現像剤4を担持して、矢印A方向に回転すること
によって、現像スリーブ8と感光ドラム1とが対向して
いる現像領域Dに現像剤4を搬送する。図1に示すよう
に、現像スリーブ8内には、現像剤4を現像スリーブ8
上に磁気的に吸引且つ保持する為に、磁石が内蔵されて
いるマグネットローラー5が配置されている。
【0281】本発明の現像装置で用いられる現像スリー
ブ8は、基体としての金属円筒管6上に被覆された導電
性被覆層7を有する。ホッパー3中には、現像剤4を攪
拌するための攪拌翼10が設けられている。12は現像
スリーブ8とマグネットローラー5とが非接触状態にあ
ることを示す間隙である。
【0282】現像剤4は、磁性トナー相互間及び現像ス
リーブ8上の導電性被覆層7との摩擦により、感光ドラ
ム1上の静電潜像を現像することが可能な摩擦帯電電荷
を得る。図1の例では、現像領域Dに搬送される現像剤
4の層厚を規制するために、現像剤層厚規制部材として
の強磁性金属製の磁性規制ブレード2が、現像スリーブ
8の表面から約50〜500μmのギャップ幅を持って
現像スリーブ8に臨む様に、ホッパー3から垂下されて
いる。マグネットローラー5の磁極N1からの磁力線が
磁性規制ブレード2に集中することにより、現像スリー
ブ8上に現像剤4の薄層が形成される。本発明において
は、この磁性規制ブレード2にかえて非磁性ブレードを
使用することもできる。
【0283】この様にして、現像スリーブ8上に形成さ
れる現像剤4の薄層の厚みは、現像領域Dにおける現像
スリーブ8と感光ドラム1との間の最小間隙よりも更に
薄いものであることが好ましい。
【0284】本発明の現像剤担持体は、以上の様な現像
剤の薄層により静電潜像を現像する方式の現像装置、即
ち、非接触型現像装置に組み込むのが特に、より均一且
つ迅速にトナーを帯電させることで、高品質・高画質を
達成できる現像装置であることから有効であるが、現像
領域Dにおいて、現像剤層の厚みが現像スリーブ8と感
光ドラム1との間の最小間隙以上の厚みである現像装
置、即ち接触型現像装置にも本発明に用いる現像剤担持
体を適用することができる。
【0285】説明の煩雑を避けるため、以下の説明で
は、上記したような非接触型現像装置を例に採って行
う。
【0286】上記現像スリーブ8に担持された磁性トナ
ーを有する一成分系現像剤4を飛翔させる為、上記現像
スリーブ8にはバイアス手段としての現像バイアス電源
9により現像バイアス電圧が印加される。この現像バイ
アス電圧として直流電圧を使用するときに、静電潜像の
画像部(現像剤4が付着して可視化される領域)の電位
と背景部の電位との間の値の電圧を現像スリーブ8に印
加するのが好ましい。
【0287】現像された画像の濃度を高め、或は階調性
を向上するためには、現像スリーブ8に交番バイアス電
圧を印加し、現像領域Dに向きが交互に反転する振動電
界を形成してもよい。この場合には、上記した現像画像
部の電位と背景部の電位の中間の値を有する直流電圧成
分を重畳した交番バイアス電圧を現像スリーブ8に印加
するのが好ましい。
【0288】高電位部と低電位部を有する静電潜像の高
電位部に一成分系現像剤を付着させて可視化する、所
謂、正規現像の場合には、静電潜像の極性と逆極性に帯
電するトナーを有する一成分系現像剤を使用する。
【0289】高電位部と低電位部を有する静電潜像の低
電位部に一成分系現像剤を付着させて可視化する、所
謂、反転現像の場合には、静電潜像の極性と同極性に帯
電するトナーを有する一成分系現像剤を使用する。
【0290】高電位、低電位というのは、絶対値による
表現である。これらいずれの場合にも、現像剤4は少な
くとも現像スリーブ8との摩擦により帯電する。
【0291】図2は、本発明の現像装置の第2の実施形
態を示す構成模式図、図3は、本発明の現像装置の更に
第3の実施形態を示す構成模式図である。
【0292】図2及び図3に示した現像装置では、現像
スリーブ8上の現像剤4の層厚を規制する現像剤層厚規
制部材として、ウレタンゴム、シリコーンゴムの如きゴ
ム弾性を有する材料、或いはリン青銅、ステンレス鋼の
如き金属弾性を有する材料の弾性板からなる弾性規制ブ
レード11を使用する。この弾性規制ブレード11は図
2の現像装置では現像スリーブ8の回転方向と逆方向の
向きで圧接されており、図3の現像装置では、現像スリ
ーブ8の回転方向と順方向の向きで圧接されているのが
特徴である。
【0293】これらの現像装置では、現像スリーブ8に
対して、現像剤層を介して現像剤層厚規制部材11を弾
性的に圧接することによって、現像スリーブ上に現像剤
の薄層を形成することから、現像スリーブ8上に、上記
した図1の場合よりも更に薄い現像剤層を形成すること
ができる。
【0294】図2及び図3の現像装置の他の基本的構成
は、図1に示した現像装置と同じであり、同符号のもの
は、基本的には同一の部材であることを示す。
【0295】図1乃至図3はあくまでも本発明の現像装
置を模式的に例示したものであり、現像剤容器(ホッパ
ー3)の形状、攪拌翼10の有無、磁極の配置に様々な
形態があることは言うまでもない。勿論、これらの装置
では、トナーとキャリアを含む二成分系現像剤を用いる
現像に使用することもできる。
【0296】図4を参照しながら、図3で例示した本発
明の現像装置を使用した画像形成方法の一例について説
明する。
【0297】一次帯電手段としての接触(ローラー)帯
電手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム
101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光11
5によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。現像剤層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されている現像剤担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナーを有する
一成分系現像剤104によって反転現像される。図4に
示すように、現像領域Dにおいて感光ドラム101の導
電性基体は設置されており、現像スリーブ108にはバ
イアス印加手段109により交互バイアス、パルスバイ
アス及び/又は直流バイアスが印加されている。記録材
Pが搬送されて転写部に来ると、転写手段としての接触
(ローラー)転写手段113により記録材の背面(感光
ドラム側と反対面)から電圧印加手段114で帯電され
ることにより、感光ドラム101の表面上に形成されて
いる現像画像が接触転写手段113で記録材P上へ転写
される。感光ドラム101から分離された記録材Pは、
定着手段としての加熱加圧ローラー定着器117に搬送
され、該定着器117によって記録材P上の現像画像の
定着処理がなされる。
【0298】転写工程後の感光ドラム101に残留する
一成分系現像剤104は、クリーニングブレード118
aを有するクリーニング手段118で除去される。残留
する一成分系現像104が少ない場合にはクリーニング
工程を省くことも可能である。クリーニング後の感光ド
ラム101は、必用によりイレース露光116により除
電され、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)
帯電手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰
り返される。
【0299】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。現像剤担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像容器103内の一
成分系現像剤104は、現像スリーブ108上に塗布さ
れて担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦
及び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マ
イナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレ
ード111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様
に設け、現像剤層の厚さを薄く(30〜300μm)且
つ均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム10
1と現像スリーブ108との間隙よりも薄い現像剤層を
形成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整する
ことによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ド
ラム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれ
に近い速度となるようにする。
【0300】現像領域Dにおいて、現像スリーブ108
に現像バイアス電圧として、交流バイアス又はパルスバ
イアスをバイアス印加手段109により印加してもよ
い。この交流バイアスはfが200〜4000Hz、V
ppが500〜3000Vであればよい。現像領域Dに
おける磁性トナーを有する一成分系現像剤の転移に際
し、感光ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイ
アス又はパルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用
によって、一成分系現像剤は静電潜像側に移転する。
【0301】弾性規制ブレード111の代わりに、鉄の
ごとき磁性ドクターブレードを用いることも可能であ
る。
【0302】一次帯電手段としては、以上のごとく接触
帯電手段として帯電ローラー119を用いて説明した
が、帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でも
よく、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかし
ながら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電
手段の方が好ましい。転写手段としては、以上のごとく
転写ローラー113の如き接触帯電手段を用いて説明し
たが、非接触のコロナ転写手段でもよい。しかしなが
ら、こちらも転写によるオゾンの発生が少ない点で接触
帯電手段の方が好ましい。
【0303】図5に本発明のプロセスカートリッジの一
具体例を示す。
【0304】以下のプロセスカートリッジの説明におい
て、図4を用いて説明した画像形成方法の構成部材と同
様の機能を有するものについては、図4と同じ符号を用
いて説明する。
【0305】本発明のプロセスカートリッジは、少なく
とも現像手段としての現像装置と静電潜像保持体とが一
体的にカートリッジ化されたものであり、画像形成装置
本体(例えば、複写機、レーザービームプリンター、フ
ァクシミリ装置)に脱離可能に装着されている。図5に
示した実施形態では、現像手段120、ドラム状の静電
潜像保持体(感光ドラム)101、クリーニングブレー
ド118aを有するクリーニング手段118、一次手段
としての接触(ローラー)帯電手段119を一体とした
プロセスカートリッジ150が例示される。本実施形態
では、現像手段120は、弾性規制ブレード111と現
像剤容器103内に磁性トナーを有する一成分系現像剤
104を有し、該現像剤104を用い、現像時にはバイ
アス印加手段からの現像バイアス電圧により感光ドラム
101と現像スリーブ108との間に所定の電界が形成
されて現像工程が実施される。この現像工程を好適に実
施するためには、感光ドラム101と現像スリーブ10
8との間の距離が非常に重要である。
【0306】上記では、現像手段120、静電潜像保持
体101、クリーニング手段118及び一次帯電手段1
19の4つの構成要素を一体的にカートリッジ化した実
施形態について説明したが、本発明においては、現像手
段と静電潜像保持体との少なくとも2つの構成要素が一
体的にカートリッジ化されたものであればよく、現像手
段、静電潜像保持体及びクリーニング手段の3つの構成
要素、現像手段、静電潜像保持体及び一次帯電手段の3
つの構成要素、あるいは、その他の構成要素を加えて一
体的にカートリッジ化することも可能である。
【0307】上述の本発明の画像形成方法をファクシミ
リのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信
データをプリントするための露光になる。図15はこの
場合の一例をブロック図で示したものである。
【0308】コントローラー21は画像読取部20とプ
リンター29を制御する。コントローラー21の全体は
CPU27により制御されている。画像読取部からの読
取データは、送信回路23を通して相手局に送信され
る。相手局から得たデータは受信回路22を通してプリ
ンター29に送られる。画像メモリーには所定の画像デ
ータが記憶される。プリンタコントローラ28はプリン
ター29を制御している。24は電話である。画像25
から受信された画像(回線を介して接続されたリモート
端末からの画像情報)は、受信回路22で復調された
後、CPU 27は画像情報の複合処理を行い順次画像
メモリ26に格納される。そして、少なくとも1ページ
の画像がメモリ26に格納されると、そのページの画像
記録を行う。CPU27は、メモリ26より1ページの
画像情報を読み出しプリンタコントローラ28に複合化
された1ページの画像情報を送出する。プリンタコント
ローラ28は、CPU27からの1ページの画像情報を
受け取るとそのページの画像情報記録を行うべく、プリ
ンタ29を制御する。
【0309】なお、CPU27は、プリンタ29による
記録中に、次のページの受信を行っている。以上のよう
に画像の受信と記録が行われる。
【0310】本発明に用いるトナーの溶媒溶解成分の定
量及びその他の物性の測定方法を以下に示す。
【0311】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温度
調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。TH
Fに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に
60℃で24時問真空乾燥することにより定量できる。
トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合は、着
色剤(磁性体)等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(T
W2)から下記式により算出される。
【0312】
【数3】
【0313】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。
【0314】ソックスレー抽出装置の一例を図16に示
す。
【0315】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。
【0316】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量1 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含
有量を重量%で算出する。
【0317】(1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0318】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0319】1H-NMR及び 13C−NMR測定による酢酸エ
チルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエステル樹
脂の含有量の定量の一具体例を図11及び12乃至14
を用いて下記に記載する。
【0320】 1 H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図12及び13参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図14参照)のシグナルと4.3pp
m及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H
相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0321】 1 H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図12及び13参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm、7.8
ppm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素
(各1H相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0322】 1 H−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図12及び13参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。
【0323】 13 C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生生物)の存在
比率の決定(図11参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基
の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の新
たに検出されたピ−クの(メタ)アクリル酸エステルの
カルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度比
から求める。
【0324】 13 C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図11参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族力ルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0325】 13 C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図11参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。
【0326】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至の1H−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族力ルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴
う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重
量%で算出する。
【0327】(3)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−
82に準じて測定する。
【0328】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リフ
ァレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲3
0〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常
湿下で測定を行う。
【0329】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。
【0330】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。
【0331】(4)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0332】(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置)、DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0333】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。これをアルミパン中に入れ、リ
ファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲
30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温
常湿下で測定を行う。
【0334】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0335】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中問点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0336】(6)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0337】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0338】(7)結着樹脂原科又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0339】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0340】カラムとしては、103〜2×106の分子
量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲ
ルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Water
s社製のμ−styragel 500,103,1
4,105の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA801,802,803,804,805,80
6,807の組合せが好ましい。
【0341】(8)トナーに含有される結着樹脂の13
−NMR測定 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による データポイント:32768 遅延時間 :25sec. 積算回数 :50000回 測定温度 :26℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの濃塩酸
(約12M)に添加して約70時間撹拌して、トナーに
含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸性(約
pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹脂組成
物を60℃で約20時間真空乾燥して測定試料とする。
この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチューブに
入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)3ml
を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調製す
る。
【0342】(9)酸価の測定 JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠
して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では
0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(約2
5℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール
30mlを添加して試料溶液とする。
【0343】(10)OH価(水酸基価)の測定 試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、こ
れにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後10
0℃士5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラ
スコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして
無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフ
ラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤で
フラスコの壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いて
N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴
定を行いOH価を求める(JISK0070−1966
に準ずる)。
【0344】(11)荷電制御剤の溶解度測定 荷電制御剤を2g秤量し、300mlの三角フラスコ中
に投入する。ここにメタノール100mlを加え、攪拌
しながら50℃に昇温し、1時間攪拌を続ける(荷電制
御剤がすべて溶解する場合は、荷電制御剤をさらに2g
づつ添加して攪拌を続ける)。
【0345】次いで、室温まで冷却し、不溶の荷電制御
剤を0.1μmのフィルターでろ過して試料溶液とし、
分光光度計を用いて最大吸収波長における吸光度を測定
する。この時、ろ過溶液中の荷電制御剤の濃度が濃い場
合には、必要に応じてメタノールで希釈して測定を行
う。
【0346】一方、別に調製した荷電制御剤の標準溶液
(20ppm濃度メタノール溶液)の最大吸収波長にお
ける吸光度を測定し、標準溶液の吸光度と試料溶液の吸
光度の吸光度の差から、下記ランバート−ベールの法則
に従って試料溶液の荷電制御剤の溶解度を測定する。
【0347】溶解度=荷電制御剤溶解量(g)/メタノ
ール(100ml) ランバート−ベールの法則: loge(I0/I)=ε0cd [式中、Iは溶液の透過光の強度を示し、I0はメタノ
ールの透過光の強度を示し、ε0は吸光係数を示し、c
は荷電制御剤の濃度を示し、dは測定溶液の厚さを示
す。]
【0348】(12)トナー粒径の測定 コールターカウンターのマルチサイザーを用いる。電解
液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaC
l水溶液を調製する。たとえばISOTONR−II
(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜1
50ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアル
キルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更
に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解
液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、
前記測定装置により、アパーチャーとして100μmア
パーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数
を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それか
ら、本発明に係わる体積分布から求めた重量基準の重量
平均径(D4)及び体積平均粒径(Dv)(それぞれ各
チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を
求めた。
【0349】(13)現像剤担持体表面の中心線平均粗
さ(Ra)の測定 JIS B0601の表面粗さに基づき、小坂研究所製
サーフコーダーSE−3300にて、軸方向3点×周方
向2点=6点について各々測定し、その平均値をとっ
た。
【0350】(14)粒子の体積抵抗の測定 粒状試料を40mmφのアルミリングに入れ、2500
Nで加圧成型し、抵抗率計ロレスタAP、又はハイレス
タIP(共に三菱油化製)にて4端子プローブを用いて
体積抵抗値を測定する。なお、測定環境は、20〜25
℃,50〜60%RHとする。
【0351】(15)被覆層の体積抵抗の測定 100μmの厚さのPETシート上に7〜20μmの厚
さの被覆層を形成し、ASTM規格(D−991−8
2)及び、日本ゴム協会標準規格SRIS(2301−
1969)に準拠した、導電性ゴム及びプラスチックの
体積抵抗測定用の4端子構造の電極を設けた電圧降下式
デジタルオーム計(川口電機製作所製)を使用して測定
した。なお、測定環境は20〜25℃,50〜60RH
%とする。
【0352】(16)球状粒子の真密度の測定 本発明で使用する導電性球状粒子の真密度は、乾式密度
計アキュピック1330(島津製作所製)を用いて測定
した。
【0353】(17)球状粒子の粒径測定 レーザー回折型粒度分布計のコールターLS−130型
粒度分布計(コールター社製)を用いて測定する。測定
方法としては、水系モジュールを用い、測定溶媒として
は純水を使用する。純水にて粒度分布計の測定系内を約
5分間洗浄し、消泡剤として測定系内に亜硫酸ナトリウ
ムを10〜25mg加えて、バックグラウンドファンク
ションを実行する。
【0354】次に純水10ml中に界面活性剤3〜4滴
を加え、更に測定試料を5〜25mg加える。試料を懸
濁した水溶液は超音波分散機で約1〜3分間分散処理を
行ない試料液を得て、前記測定装置の測定系内に試料液
を徐々に加えて、装置の画面上のPIDSが45〜55
%になるように測定系内の試料濃度を調整して測定を行
い、個数分布から算術した個数平均粒径を求める。
【0355】(18)導電性微粒子の粒径測定 電子顕微鏡を用いて、導電性微粒子の粒径を測定する。
撮影倍率は6万倍とするが、難しい場合は低倍率で撮影
した後に6万倍となるように写真を拡大プリントする。
写真上で一次粒子の粒径を測る。この際、長軸と短軸を
測り、平均した値を粒径とする。これを、100サンプ
ルについて測定し、50%値をもって平均粒径とする。
【0356】(19)トナー帯電量の測定 現像スリーブ上に担持されたトナーを金属円筒管と円筒
フィルターにより吸引捕集し、その時金属円筒管を通じ
てコンデンサーに蓄えられる電荷量Qを、及び捕集され
るトナー重量Mから、単位重量当たりの電荷量Q/M
(mC/kg)を計算する。
【0357】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0358】 結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1) 低架橋度樹脂組成物(I−L−1)の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0359】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って、2
10℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、
クロロホルム不溶分を約4重量%含有する低架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0360】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(I−L−1)を得た。
【0361】 高架橋度樹脂組成物(I−H−1)の製造 (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.1mol
【0362】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約25重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0363】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−H−1)を得た。
【0364】結着樹脂(I−1)の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−L−
1)60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−H−1)3
0重量部、スチレン5重量部、2−エチルヘキシルアク
リレート5重量部及びジビニルベンゼン0.01重量部
を添加して110℃まで加熱して膨潤・溶解した。窒素
雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイド
ロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶解
したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に1
0時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加熱
しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度ポ
リエステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系
重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロ
ロホルム不溶分を約28重量%含有する結着樹脂(I−
1)を得た。
【0365】(樹脂製造例I−2)樹脂製造例I−1に
おいて、高架橋度樹脂組成物(I−H−1)を製造する
際に、ポリエステル樹脂80重量部に対して16.6重
量部の表5に示すワックス(1)をスチレン及び2−エ
チルヘキシルアクリレートと共に添加して、ワックスを
含有し、かつクロロホルム不溶分を37重量%含有する
高架橋度樹脂組成物(I−H−2)を得た。高架橋度樹
脂組成物(I−H−2)35重量部(ワックス5重量部
を含む)を使用した以外は製造例I−1と同様にして、
低架橋度ポリエステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約30重量%含有する結
着樹脂(I−2)を得た。
【0366】(樹脂製造例I−3〜I−7)低架橋度樹
脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示すモノマー
に変更した以外は樹脂製造例I−1の低架橋度樹脂組成
物(I−L−1)と同様にして、クロロホルム不溶分を
約6重量%含有する低架橋度樹脂組成物(I−L−3)
を得た。 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0367】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−H−2)と同様にして縮重合
反応を行い、樹脂組成物30重量部に対してワックス
(2)を5重量部含有し、クロロホルム不溶分を約19
重量%含有した高架橋度樹脂組成物(I−H−3)を得
た。 ・テレフタル酸 :2.2mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0368】低架橋度樹脂組成物(I−L−3)60重
量部、高架橋度樹脂組成物(I−H−3)35重量部を
用いた以外は、樹脂製造例I−1と同様にして、高架橋
度ポリエステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニ
ル系重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体
ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分からなる表
1乃至3に示す結着樹脂(I−3)を得た。
【0369】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表1乃至3に示す結着樹脂
(I−4)〜(I−7)を得た。
【0370】(樹脂比較製造例I−1)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりにテレ
フタル酸を使用した以外は同様にして、表1乃至3に示
す比較用結着樹脂(I−1)を得た。
【0371】(樹脂比較製造例I−2)樹脂製造例I−
2において、コハク酸誘導体(1−3)及びワックス
(2)のかわりにテレフタル酸及びワックス(4)を使
用した以外は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着
樹脂(I−2)を得た。
【0372】(樹脂比較製造例I−3)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりにテレ
フタル酸、さらに低架橋度樹脂組成物においては無水ト
リメリット酸のかわりにもテレフタル酸を使用した以外
は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I−
3)を得た。
【0373】(樹脂比較製造例I−4)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりに、低
架橋度樹脂組成物においては無水トリメリット酸を、高
架橋度樹脂組成物においてはテレフタル酸を使用した以
外は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I
−4)を得た。
【0374】(樹脂比較製造例I−5)減圧装置、水分
離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置
を装着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキシル
アクリレート共重合体(スチレン84重量部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.9万、
Mw/Mn=2.3)200重量部及び下記組成からな
るポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、減圧
しながら常法に従って210℃まで加熱しながら縮重合
反応を行うことにより、比較用結着樹脂(I−5)を得
た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部
【0375】
【表1】
【0376】
【表2】
【0377】
【表3】
【0378】 [実施例I−1] (トナーの製造) ・結着樹脂(I−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g)) ・ワックス(1) 5重量部
【0379】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径6.2μmの磁性トナー(I−1)を得た。
【0380】このトナー(I−1)を用いて、結着樹脂
に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチ
ル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックスレ
ー抽出により定量したところ、混在するワックスを除外
した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が31重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)が34重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が15重量%であり、
比(W4/W6)が2.3であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が6.8重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.2重量%であった。
【0381】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4400、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が48.9%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が26.7%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.4%であり、比
(A1/A2)は1.83であった。
【0382】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は25.9m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は21.6mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.2であった。
【0383】1H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。
【0384】トナーにおいて、ポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分は、13C−NMRにより新たに生成するエステル結
合のシグナルを検出することにより検証することができ
る。
【0385】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコ−ル
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0386】低架橋度ポリエステルの13C−NMR測定
結果を図9に、スチレン−2−エチルヘキシルアクリレ
ート共重合体の測定結果を図10に、トナーに含有され
る結着樹脂(I−1)の測定結果を図11に示す。この
結果より、アクリル酸エステルの約22モル%がポリエ
ステルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成分
として存在することがわかった。
【0387】各々の13C−NMR測定結果を表4に示
す。
【0388】
【表4】
【0389】さらにNMRにより酢酸エチルに不溶な結
着樹脂成分(W4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)
に含有されるポリエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)
を定量したところ、Gp=約83重量%、Sp=約77
重量%であり、比(Sp/Gp)=0.93であり、式
(1−3)で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量し
たところ、酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約7
4重量%含有されていた。
【0390】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加した全ワッ
クスの約61重量%が存在していることがわかった。
【0391】この磁性トナー(I−1)100重量部
に、疎水性乾式シリカ(BET=200m2/g)1.
1重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して外添ト
ナー(一成分系現像剤)とした。
【0392】(トナー担持体の製造)次に現像スリーブ
の製造について述べる。
【0393】球状粒子として、個数平均粒径7.9μm
の球状フェノール樹脂粒子100重量部に、ライカイ機
(自動乳鉢、石川工場製)を用いて個数平均粒径2μm
以下の石炭系バルクメソフェーズピッチ粉末14重量部
を均一に被覆し、空気中下280℃で熱安定化処理した
後に窒素雰囲気下2000℃で焼成することにより黒鉛
化し、更に分級して得られた個数平均径7.2μmの球
状導電性炭素粒子(導電性球状粒子A−1)を用いた。
導電性球状粒子A−1の物性を表8に示す。
【0394】含窒素複素環化合物としては、一般式(B
−1)で示される個数平均径3μmのイミダゾール化合
物粒子を用いた。
【0395】
【化33】 ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200重量部 ・導電性球状子A−1 7重量部 ・含窒素複素環化物B−1 (イミダゾール化合物) 20重量部 ・個数平均粒径3.4μmのグラファイト 50重量部 ・導電性カーボンブラック 5重量部 ・イソプロピルアルコール 280重量部
【0396】上記材料を、サンドミルを用いて分散し
た。レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%
含有)をイソプロピルアルコールの一部で希釈する。導
電性カーボンブラック、個数平均径3.4μmのグラフ
ァイト及び上記含窒素複素環化合物B−1を添加し、直
径1mmのガラスビーズをメディア粒子として用いたサ
ンドミルにて分散した。ここに、更に残りのイソプロピ
ルアルコール中に分散した上記導電性球状粒子を添加
し、更にサンドミル分散を進めて塗工液を得た。
【0397】この塗工液を用いてスプレー法により外径
20mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を
形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間
加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体C−1
を作製した。
【0398】この現像剤担持体C−1の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0399】C−1の現像剤担持体を図3に示す現像装
置を有する図4に示す画像形成装置として、キヤノン製
プリンターLBP930(24PPM)を1.33倍
(32PPM)にスピードアップした改造機を用いて前
記の一成分系現像剤を供給しながら、画像特性の耐久評
価テストを行った。その結果を表10〜11に示した。
【0400】さらに、キヤノン製プリンターLBP93
0の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御
装置を取り付け、更にスピードを1.33倍に速めた定
着装置にて定着温度を160℃及び240℃に変えて定
着評価テストを行った。
【0401】その結果を表14に示す。
【0402】 [実施例I−2] ・結着樹脂(I−2−N) 105重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc=9.5kA/m(120エルステッド)、σs =75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g))
【0403】実施例I−1において用いた構成材料を上
記の通り変更した以外は実施例I−1と同様にしてトナ
ー(I−2)を得た。また、トナー担持体は実施例I−
1と同様処方を用いた。これを実施例I−1と同様にト
ナー分析(表6及び7)、評価(表10、11及び1
4)を行った。
【0404】[実施例I−3〜I−7]実施例I−1に
おいて、結着樹脂(I−1)を結着樹脂(I−3)〜
(I−7)に変えた以外は実施例I−1と同様にしてト
ナー(I−3)〜(I−7)を得た。
【0405】これを実施例I−1と同様に分析、評価を
行った。
【0406】[比較例I−1〜I−5]比較用結着樹脂
(I−1)〜(I−5)を用いたことを除いては、実施
例(I−1)と同様にして比較用トナー(I−1)〜
(I−5)を製造し、実施例(I−1)と同様に分析、
評価した。その結果を表6、7、12及び13に示す。
【0407】[実施例I−8]実施例I−1の塗工液に
用いられた含窒素複素環化合物B−1の添加量を20重
量部から3.1重量部に変更することを除いては、実施
例I−1と同様にして現像剤担持体C−2を作製した。
この現像剤担持体C−2の導電性被覆層の物性を表9に
示す。
【0408】C−2の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0409】(実施例I−9)実施例I−1の塗工液に
用いられた含窒素複素環化合物B−1の添加量を20重
量部から40重量部に変更することを除いては、実施例
I−1と同様にして現像剤担持体C−3を作製した。こ
の現像剤担持体C−3の導電性被覆層の物性を表9に示
す。
【0410】C−3の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0411】(実施例I−10)球状粒子として、個数
平均粒径5.1μmの球状フェノール樹脂粒子100重
量部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて
個数平均粒径1.4μm以下の石炭系バルクメソフェー
ズピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、空気中下28
0 ℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃
で焼成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた
個数平均径3.8μmの球状導電性炭素粒子(球状粒子
A−2)を用いた。球状粒子A−2の物性を表8に示
す。
【0412】実施例I−1の塗工液に用いた球状粒子A
−1を7重量部添加するかわりに導電性球状粒子A−2
を12.5重量部添加することを除いては、実施例I−
1と同様にして現像剤担持体C−4を作製した。
【0413】この現像剤担持体C−4の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0414】C−4の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0415】(実施例I−11)球状粒子として、個数
平均粒19.5μmの球状フェノール樹脂粒子100重
量部に、ライカイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて
個数平均粒1.4μm以下の石炭系バルクメソフェーズ
ピッチ粉末14重量部を均一に被覆し、空気中下280
℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲気下2000℃で焼
成することにより黒鉛化し、更に分級して得られた個数
平均径19.8μmの球状導電性炭素粒子(球状粒子A
−3)を用いた。導電性球状粒子A−3の物性を表8に
示す。
【0416】実施例I−1の塗工液に用いた球状粒子A
−1を7重量部添加するかわりに球状粒子A−3を2.
5重量部添加する以外は、実施例I−1と同様にして現
像剤担持体C−5を作製した。
【0417】この現像剤担持体C−5の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0418】C−5の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0419】(実施例I−12)球状粒子として、個数
平均径7.5μmの球状フェノール樹脂100重量部
に、個数平均径1.4μm以下の石炭系バルクメソフェ
ーズピッチ粉末14重量部を実施例I−1と同様にライ
カイ機(自動乳鉢、石川工場製)を用いて均一に被覆
し、空気中下280℃で熱安定化処理した後に窒素雰囲
気下1000℃で焼成することにより炭化し、更に銅及
び銀をメッキして、その後分級して得られた個数平均径
8.3μmの球状導電性炭素粒子(導電性球状粒子A−
4)を用いた。導電性球状粒子A−4の物性を表8に示
す。
【0420】実施例I−1の塗工液に用いた球状粒子A
−1を7重量部添加するかわりに球状粒子A−4を7重
量部添加する以外は、実施例I−1と同様にして現像剤
担持体C−6を作製した。
【0421】この現像剤担持体C−6の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0422】C−6の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0423】(実施例I−13)球状粒子として、個数
平均径7.5μmのPMMAからなる球状樹脂粒子(球
状粒子A−5)を用いた。球状粒子A−5の物性を表8
に示す。
【0424】実施例I−1の塗工液に用いた球状粒子A
−1を7重量部添加するかわりに球状粒子A−5を7重
量部添加する以外は、実施例I−1と同様にして現像剤
担持体C−7を作製した。
【0425】この現像剤担持体C−7の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0426】C−7の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0427】(実施例I−14)球状粒子A−1のかわ
りに、PMMA樹脂を粉砕及び分級して、個数平均粒径
7.4μmの樹脂粒子を得た後、ハイブリタイザー(奈
良機械)を用いて球形化処理を行うことによって得られ
た球状樹脂粒子(球状粒子A−6)を用いたことを除い
ては、実施例I−1と同様にして塗工液を得て、現像剤
担持体C−8を作製した。この現像剤担持体C−8の導
電性被覆層の物性を表9に示す。
【0428】C−8の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0429】(実施例I−15)含窒素複素環化合物と
して、一般式(B−2)で示される個数平均径5μmの
イミダゾール化合物粒子を用いた。
【0430】
【化34】
【0431】実施例I−1の塗工液に用いた含窒素複素
環化合物B−1を添加するかわりにB−2を添加する以
外は、実施例I−1と同様にして現像剤担持体C−9を
作製した。
【0432】この現像剤担持体C−9の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0433】C−9の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0434】(実施例I−16)含窒素複素環化合物と
して、一般式(B−3)で示される個数平均径1.5μ
mのイミダゾール化合物粒子を用いた。
【0435】
【化35】
【0436】実施例I−1の塗工液に用いた含窒素複素
環化合物B−1を添加するかわりにB−3を添加する以
外は、実施例I−1と同様にして現像剤担持体C−10
を作製した。
【0437】この現像剤担持体C−10の導電性被覆層
の物性を表9に示す。
【0438】C−10の現像剤担持体を用いたことを除
いては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テス
トを行った。
【0439】(実施例I−17)含窒素複素環化合物と
して、一般式(B−4)で示される個数平均径1.5μ
mのイミダゾール化合物粒子を用いた。
【0440】
【化36】
【0441】実施例I−1の塗工液に用いた含窒素複素
環化合物B−1を添加するかわりにB−4を添加する以
外は、実施例I−1と同様にして現像剤担持体C−11
を作製した。
【0442】この現像剤担持体C−11の導電性被覆層
の物性を表9に示す。
【0443】C−11の現像剤担持体を用いたことを除
いては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テス
トを行った。
【0444】(実施例I−18)含窒素複素環化合物と
して、一般式(B−5)で示される個数平均径3.4μ
mのイミダゾール化合物粒子を用いた。
【0445】
【化37】 実施例I−1の塗工液に用いた含窒素複素環化合物B−
1を添加するかわりにB−5を添加する以外は、実施例
I−1と同様にして現像剤担持体C−12を作製した。
【0446】この現像剤担持体C−12の導電性被覆層
の物性を表9に示す。
【0447】C−12の現像剤担持体を用いたことを除
いては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テス
トを行った。
【0448】(実施例I−19)含窒素複素環化合物と
して、一般式(B−6)で示される個数平均径2.1μ
mのイミダゾール化合物粒子を用いた。
【0449】
【化38】
【0450】実施例I−1の塗工液に用いた含窒素複素
環化合物B−1を添加するかわりにB−6を添加する以
外は、実施例I−1と同様にして現像剤担持体C−13
を作製した。
【0451】この現像剤担持体C−13の導電性被覆層
の物性を表9に示す。
【0452】C−13の現像剤担持体を用いたことを除
いては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テス
トを行った。
【0453】 (実施例I−20) ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200重量部 ・球状粒子A−1 10重量部 ・含窒素複素環化合物B−1(イミダゾール化合物) 15重量部 ・導電性カーボンブラック 30重量部 ・イソプロピルアルコール 230重量部
【0454】上記材料を用いて、実施例I−1と同様に
して塗工液を得て、現像剤担持体C−14を作製した。
この現像剤担持体C−14の導電性被覆層の物性を表9
に示す。
【0455】C−14の現像剤担持体を用いたことを除
いては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テス
トを行った。
【0456】 (実施例I−21) ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200重量部 ・含窒素複素環化合物B−1(イミダゾール化合物) 15重量部 ・個数平均粒径3.5μmのグラファイト 36重量部 ・導電性カーボンブラック 4重量部 ・イソプロピルアルコール 270重量部
【0457】上記材料を用いて、実施例I−1と同様に
して塗工液を得た。
【0458】この塗工液を用いてスプレー法により外径
32mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を
形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間
加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体C−1
5を作製した。この現像剤担持体C−15の導電性被覆
層の物性を表9に示す。
【0459】C−15の現像剤担持体を、図1に示す現
像装置を有する図8に示す画像形成装置(コロナ帯電手
段、コロナ転写手段)NP6085に用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0460】(比較例I−6)実施例I−14の塗工液
に用いた含窒素複素環化合物B−1を添加するかわり
に、含窒素複素環を含まない個数平均径2.2μmの4
級アンモニウム塩粒子b−1を添加することを除いて
は、実施例I−14と同様にして現像剤担持体D−1を
作製した。
【0461】
【化39】
【0462】この現像剤担持体D−1の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0463】D−1の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0464】(比較例I−7)実施例I−14の塗工液
に用いた含窒素複素環化合物B−1を添加するかわり
に、含窒素複素環を含まない個数平均径2.2μmの4
級アンモニウム塩粒子b−2を添加することを除いて
は、実施例I−14と同様にして現像剤担持体D−2を
作製した。
【0465】
【化40】
【0466】この現像剤担持体D−2の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0467】D−2の現像剤担持体を用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0468】 (比較例I−8) ・レゾール型フェノール樹脂溶液(メタノール50%含有) 200重量部 ・個数平均粒径3.5μmのグラファイト 36重量部 ・導電性カーボンブラック 4重量部 ・イソプロピルアルコール 270重量部
【0469】上記材料を用いて、実施例I−1と同様に
して塗工液を得た。
【0470】この塗工液を用いてスプレー法により外径
32mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被覆層を
形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,30分間
加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体D−3
を作製した。この現像剤担持体D−3の導電性被覆層の
物性を表9に示す。
【0471】D−3の現像剤担持体を、図1に示す現像
装置を有する図8に示す画像形成装置(コロナ帯電手
段、コロナ転写手段)NP6080に用いたことを除い
ては、実施例I−5と同様にして画像特性の評価テスト
を行った。
【0472】・評価テスト 下記に挙げる評価項目について画像特性のテスト、定着
テストを行い、実施例及び比較例の評価を行った。表1
0及び12に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、
耐久カブリ、耐久ポジスリーブゴースト、ネガスリーブ
ゴースト及びトナー帯電量の画像特性評価結果を示し
た。また、表11及び13に、高温高湿下における画像
濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ポジスリーブゴース
ト、トナー帯電量、ドラム融着及びクリーニング不良の
画像特性評価結果を示した。なお、高温高湿下において
は現像装置によるトナー帯電の立ち上がりの耐久性を評
価するため、一定枚数耐久後に7日間耐久を休止し、休
止後更に耐久を続け、画像濃度の耐久性、耐久カブリ、
耐久ポジスリーブゴースト及びトナー帯電量の評価を行
った。
【0473】上記の耐久環境としては、低温/低湿(L
/L)下、及び高温/高湿(H/H)下の2つの耐久環
境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)
下を、15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿
(H/H)下を、32.5℃/85%RHとした。
【0474】表14に、定着性の評価結果を示した。
【0475】(トナーの定着性の評価)トナーの定着性
評価としての濃度低下率及びホットオフセットは、以下
の評価方法に基づいて評価した。
【0476】キヤノン製プリンターLBP930改造機
の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装
置を取り付けた定着テスト装置にて定着器の温度を16
0℃及び240℃に変えて、ハーフトーン画像を通紙し
て、定着させた。定着温度を160℃にしたテストで
は、その画像を4900N/m2の荷重をかけ、柔和な
薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低
下率(%)で評価した。また定着温度を240℃にした
テストでは、転写紙を目視で観察し、ホットオフセット
の発生を調べた。そして以下のような基準により評価し
た。評価結果を表14に示した。 A:ホットオフセット未発生 B:軽微なホットオフセット発生 C:顕著なホットオフセット発生
【0477】(耐ブロッキング性の評価)一成分系現像
剤50gを容量が100mlの容器に入れ、50℃の環
境で7日間放置し、その後に、目視で一成分系現像剤の
流動性を確認し、以下のような基準で評価した。 A:一成分系現像剤の流動性に変化無し B:若干の凝集物有り
【0478】評価結果を表14に示した。
【0479】(カブリ濃度の評価)画像形成した記録紙
のベタ白部の反射率(D1)を測定し、更に、画像形成
に用いた記録紙と同一カットの未使用の記録紙の反射率
(D2)を測定し、D1−D2の値を5点求め、その平
均値をカブリ濃度とした。反射率はTC−6DS(東京
電色製)で測定した。
【0480】(ドラム融着の評価)また、ドラム融着に
ついては、30℃/80%RHの高温高湿(H/H)の
環境にて画出し試験によって、以下の基準で評価した。 ランク5:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在しない。 ランク4:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが若干存在するが、容易に除去することができる。実
用上は問題ないレベル。 ランク3:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、容易に除去することはでき
ない。 ランク2:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、画像上にも明確な痕跡を認
めることができる。 ランク1:肉眼で観察してドラム上に筋状の融着物が観
察される。
【0481】(クリーニング不良の評価)また、クリー
ニング不良については、30℃/80%RHの高温高湿
(H/H)の環境にて画出し試験によって、以下の基準
で評価した。 ランク5:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染していない。 ランク4:肉眼で観察してクリーニング部材の一部がト
ナーで汚染している場合があるが、実用上は問題ないレ
ベル。 ランク3:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染している。実用上問題となる場合がある。 ランク2:肉眼で観察してドラム上にクリーニングされ
ないトナーが確認できる。一部は画像に出る。 ランク1:ドラム全面にクリーニングされないトナーが
観察される。
【0482】(ポジ・スリーブゴースト)ベタ白部とベ
タ黒部が隣り合う画像を現像した現像スリーブの位置が
現像スリーブの次の回転時に現像位置に来て、ハーフト
ーン画像を現像するようにして、ハーフトーン画像上に
現われる濃淡差を目視で下記の基準で評価した。 ○ :濃淡差が全く見られない。 ○△:軽微な濃淡差が見られる。 △ :濃淡差がやや見られるが実用可。 × :濃淡差が顕著に見られ、実用不可。
【0483】(画像濃度)画像濃度は、反射濃度計RD
918(マクベス社製)を使用し、ベタ印字した際のベ
タ黒部の濃度を5点測定し、その平均値を画像濃度とし
た。
【0484】
【表5】
【0485】
【表6】
【0486】
【表7】
【0487】
【表8】
【0488】
【表9】
【0489】
【表10】
【0490】
【表11】
【0491】
【表12】
【0492】
【表13】
【0493】
【表14】
【0494】 結着樹脂の製造例II: (樹脂製造例II−1) 低架橋度樹脂組成物(II−L−1)の製造 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0495】上記原料をエステル化触媒とともにオート
クレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、温度計及び
撹拌装置を付し、常法に従って、210℃で縮重合反応
を行わないクロロホルム不溶分を約4重量%含有する低
架橋度ポリエステル樹脂を得た。
【0496】ここで得られたポリエステル樹脂70重量
部をキシレン100重量部に完全に溶解後、スチレン2
3重量部、2−エチルヘキシルアクリレート7重量部、
グラフト化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイド1重量部をキシレン30重量部に溶解したもの
を、窒素雰囲気中下約110℃の温度で、約1時間かけ
て滴下したその温度で6時間保持してラジカル重合反応
を終了した。更に加熱しながら減圧して、脱溶剤するこ
とにより、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合
体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる低架橋度
樹脂組成物(II−L−1)を得た。
【0497】高樹脂組成物(II−H−1)の製造 次に表15の高架橋度樹脂組成物II−H−1の欄に示
した様なモノマーの種類及び組成比とした以外は、低架
橋度樹脂組成物(II−L−1)を製造するのと同様に
してクロロホルム不溶分を約18重量%含有する高架橋
度樹脂組成物II−H−1を得た。得られた高架橋度樹
脂組成物は、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重
合体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分からなってい
た。
【0498】結着樹脂(II−1)の製造 得られた高架橋度樹脂組成物(II−H−1)27重量
部及び低架橋度樹脂組成物(II−L−1)70重量部
をキシレン200重量部に膨潤・溶解後、スチレン2重
量部、2−エチルヘキシルアクリレート0.8重量部、
アクリル酸0.2重量部、ジビニルベンゼン0.01重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイドを0.05重量部溶解したものを窒素雰囲気下、
約125℃の温度で、約1時間かけて滴下した。その温
度を5時間保持し、脱溶剤することにより高架橋度ポリ
エステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共
重合体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユ
ニットを有しているハイブリッド樹脂成分からなる結着
樹脂(II−1)を得た。
【0499】(樹脂製造例II−2〜II−6)モノマ
ーの種類及び組成を表15〜18の様に代えて結着樹脂
(II−1)〜(II−6)を得た。
【0500】(樹脂比較製造例II−1〜II−6)モ
ノマーの種類及び組成を表15〜18の様に代えて比較
用結着樹脂(II−1)〜(II−6)を得た。
【0501】
【表15】
【0502】
【表16】
【0503】
【表17】
【0504】
【表18】
【0505】(磁性酸化鉄の製造例1)硫酸第一鉄水溶
液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が2.0重量
%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに
対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0506】水溶液のpHを7〜10(例えばpH9)
に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反
応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。つ
いでこのスラリー液に当初のアルカリ量(ケイ酸ソーダ
のナトリウム成分及び苛性ソーダのナトリウム成分)に
対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を
加えた後、スラリー液のpH6〜10(例えばpH8)
に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸
化反応の終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケ
イ酸成分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法
により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集しているものを
解砕処理し、磁性酸化鉄粒子(1)を得た。この磁性酸
化鉄粒子を解析した結果を表19に示す。
【0507】(磁性酸化鉄の製造例2)ケイ酸ソーダを
添加しない以外は、磁性酸化鉄の製造例1と同様にして
磁性酸化鉄粒子(2)を得た。これを解析した結果を表
19に示す。
【0508】(磁性酸化鉄の製造例3)磁性酸化鉄粒子
(1)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が3.5重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(3)を得
た。これを解析した結果を表19に示す。
【0509】(磁性酸化鉄の製造例4)磁性酸化鉄粒子
(2)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.6重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(4)を得
た。これを解析した結果を表19に示す。
【0510】(磁性酸化鉄の製造例5)鉄元素に対しケ
イ素元素の含有率が0.8重量%となるようにケイ酸ソ
ーダを添加した点と、酸化反応の終期でのpH調整を、
表面にケイ素元素が存在しないような条件にしたヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(5)を得
た。これを解析した結果を表19に示す。
【0511】(磁性酸化鉄の製造例6)ケイ酸ソーダを
添加せず、苛性ソーダの添加量を変えて、終始水溶液の
pHを12〜13に維持しながら反応させ、八面体(球
形度=0.67)の磁性酸化鉄粒子(6)を得た。これ
を解析した結果を表19に示す。
【0512】
【表19】
【0513】 [実施例II−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表21に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表22に示されているポリエチレンワックス 2重量部
【0514】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)6.1μm、体積平均粒径(Dv)5.5
μmの磁性トナーII−1を得た。
【0515】このトナー(II−1)を用いて、結着樹
脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エ
チル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックス
レー抽出により定量したところ、混在するワックスを除
外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重量
%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であり、
比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0516】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6100、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が47.2%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.8%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.0%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0517】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.8m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分の
酸価(AV2)は20.7mgKOH/gであり、比
(AV1/AV2)は1.2であった。
【0518】実施例I−1で述べたように、1H−NM
R及び13C−NMRにより、トナー中にビニル系共重合
体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニ
ル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分が存在していることを確認した。
【0519】この結果より、アクリル酸エステルの約2
9モル%がポリエステルユニットとエステル化したハイ
ブリッド樹脂成分として存在することがわかった。各々
13C−NMR測定結果を表20に示す。
【0520】
【表20】
【0521】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約91重量%、Sp=約72重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.79であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。
【0522】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワッ
クスの約68重量%が存在していることがわかった。
【0523】この磁性トナー(II−1)100重量部
に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性乾
式シリカ(BET=100m2/g)1.3重量部をヘ
ンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(現像
剤)とした。
【0524】実施例1の塗工液を用いてスプレー法によ
り外径16mmφのアルミニウム製円筒管上に導電性被
覆層を形成させ、続いて熱風乾燥炉により150℃,3
0分間加熱して導電性被覆層を硬化させて現像剤担持体
C−1’を作製した。
【0525】この現像剤担持体C−1’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。
【0526】C−1’の現像剤担持体を図3に示す現像
装置を有する図4に示す画像形成装置として、キヤノン
製プリンターLBP−450(12PPM)を1.25
倍(16PPM)にスピードアップした改造機を用いて
前記の一成分系現像剤を供給しながら、画像特性の耐久
評価テストを行った。その結果を表29〜32に示し
た。
【0527】さらに、キヤノン製プリンターLBP−4
30の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制
御装置を取り付け、更にスピードを1.25倍に速めた
定着装置にて定着温度を130℃及び210℃に変えて
定着評価テストを行った。
【0528】その結果を表33に示す。
【0529】さらに、キヤノン製プリンターLBP−4
30の定着器を1.25倍にスピードアップし、温度設
定を175℃に変更して10万枚の通紙耐久を行い、定
着器の加圧ローラー上の汚れを目視で観察して、加圧ロ
ーラー汚れ評価テストを行った。その評価結果を表33
に示す。
【0530】・評価テスト 下記に挙げる評価項目について画像特性のテスト、定着
テストを行い、実施例及び比較例の評価を行った。表2
9及び30に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、
耐久カブリ、耐久ポジスリーブゴースト、ネガスリーブ
ゴースト及びトナー帯電量の画像特性評価結果を示し
た。また、表31及び32に、高温高湿下における画像
濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ポジスリーブゴース
ト、ネガスリーブゴースト及びトナー帯電量の画像特性
評価結果を示した。なお、高温高湿下においては現像装
置によるトナー帯電の立ち上がりの耐久性を評価するた
め、一定枚数耐久後に7日間耐久を休止し、休止後更に
耐久を続け、画像濃度の耐久性、耐久カブリ、耐久ポジ
スリーブゴースト及び一成分系現像剤の帯電量の評価を
行った。
【0531】上記の耐久環境としては、低温/低湿(L
/L)下、及び高温/高湿(H/H)下の2 つの耐久
環境について行った。具体的には、低温/低湿(L/
L)下を、15℃/10%RHの環境下とし、高温/高
湿(H/H)下を、32.5℃/85%RHとした。
【0532】(トナーの定着性の評価)実施例I−1と
同様にして評価した。評価結果を表33に示す。
【0533】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
と同様にして評価した。評価結果を表33に示した。
【0534】(カブリ濃度の評価)キヤノン製プリンタ
ーLBP−450を16PPMにスピードアップした改
造機を用い、実施例I−1と同様にして評価した。
【0535】(ポジ・スリーブゴースト)キヤノン製プ
リンターLBP−450を16PPMにスピードアップ
した改造機を用い、実施例I−1と同様にして評価し
た。
【0536】(ネガ・スリーブゴースト)キヤノン製プ
リンターLBP−450を16PPMにスピードアップ
した改造機にて、図17に示すような、現像剤担持体1
周分ブロック状のベタ黒画像があり、その下にハーフト
ーンの全面全面ベタが続く画像をプリントし、その際の
ネガスリーブゴーストの画像濃度差をもって評価した。
具体的には、図17におけるBの領域の画像濃度からA
の領域の画像濃度を差し引いた値である。
【0537】(画像濃度)キヤノン製プリンターLBP
−450を16PPMにスピードアップした改造機を用
い、実施例I−1と同様にして評価した。
【0538】(一成分系現像剤の帯電量)キヤノン製プ
リンターLBP−450を16PPMにスピードアップ
した改造機を用い、実施例I−1と同様にして評価し
た。
【0539】(加圧ローラー汚れ)キヤノン製プリンタ
ーLBP−430を1.25倍にスピードアップし、さ
らに定着器の温度設定を175℃に変更して10万枚の
通紙耐久を行い、定着器の加圧ローラー上の汚れを目視
で観察し、加圧ローラー汚れを以下の評価基準により評
価した。 A:汚れ全く無し B:軽微な汚れ発生 C:汚れ発生
【0540】[実施例II−2〜II−6]結着樹脂
(II−1)の代わりに、結着樹脂(II−2)〜(I
I−6)を用いた以外は、実施例II−1と同様にして
表23及び表24に示すトナー(II−2)〜(II−
6)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1
と同様に分析、評価した。
【0541】評価結果を表29〜33に示す。
【0542】[実施例II−7〜II−11]式(A)
で示される長鎖アルキル化合物Aの代わりに、表21に
示す長鎖アルキル化合物B〜Fを用いた以外は、実施例
II−1と同様にして表23及び表24に示すトナー
(II−7)〜(II−11)を得た。得られたトナー
を用いて、実施例II−1と同様に分析、評価した。。
【0543】[実施例II−12]ポリエチレンワック
スの代わりに、表22に示すポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表23及
び表24に示すトナー(II−12)を得た。得られた
トナーを用いて、実施例II−1と同様に分析、評価し
た。
【0544】[実施例II−13]ポリエチレンワック
スの代わりに、表22に示すポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表23及
び表24に示すトナー(II−13)を得た。得られた
トナーを用いて、実施例II−1と同様に分析、評価し
た。
【0545】[実施例II−14]ポリエチレンワック
スの代わりに、表22に示すアーゲ法で合成した炭化
水素ワックスを用いた以外は、実施例II−1と同様
にして表23及び表24に示すトナー(II−14)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様
に分析、評価した。
【0546】[実施例II−15]ポリエチレンワック
スの代わりに、表22に示すポリプロピレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表23
及び表24に示すトナー(II−15)を得た。得られ
たトナーを用いて、実施例II−1と同様に分析、評価
した。
【0547】[実施例II−16〜II−20]磁性酸
化鉄粒子(1)の代わりに、表22に示す磁性酸化鉄粒
子(2)〜(6)を用いた以外は、実施例II−1と同
様にして表23及び表24に示すトナー(II−16)
〜(II−20)を得た。得られたトナーを用いて、実
施例II−1と同様に分析、評価した。
【0548】[実施例II−21]ジメチルシリコーン
オイルで処理した疎水性乾式シリカの代わりに、ヘキサ
メチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ(B
ET:180m2/g)を用いた以外は、実施例II−
1と同様にして表23及び表24に示すトナー(II−
21)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−
1と同様に分析、評価した。
【0549】[実施例II−22]ポリエチレンワック
スを用いなかった以外は、実施例II−1と同様にし
て表23及び表24に示すトナー(II−22)を得
た。得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様に
分析、評価した。
【0550】[実施例II−23]長鎖アルキル化合物
A及びポリエチレンワックスの代わりに表22のポリ
プロピレンワックスを7重量部のみ用いた以外は実施
例II−1と同様にして表23及び表24に示すトナー
(II−23)を得た。得られたトナーを用いて、実施
例II−1と同様に分析、評価した。
【0551】[実施例II−24]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−8の塗工液を用いた以外
は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−2’を
作製した。この現像剤担持体C−2’の導電性被覆層の
物性を表28に示す。C−2’の現像剤担持体を用いた
ことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特性
の評価テストを行った。
【0552】[実施例II−25]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−9の塗工液を用いた以外
は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−3’を
作製した。この現像剤担持体C−3’の導電性被覆層の
物性を表28に示す。C−3’の現像剤担持体を用いた
ことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特性
の評価テストを行った。
【0553】[実施例II−26]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−10の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−4’
を作製した。この現像剤担持体C−4’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−4’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0554】[実施例II−27]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−11の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−5’
を作製した。この現像剤担持体C−5’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−5’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0555】[実施例II−28]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−12の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−6’
を作製した。この現像剤担持体C−6’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−6’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0556】[実施例II−29]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−13の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−7’
を作製した。この現像剤担持体C−7’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−7’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0557】[実施例II−30]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−14の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−8’
を作製した。この現像剤担持体C−7’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−8’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0558】[実施例II−31]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−15の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−9’
を作製した。この現像剤担持体C−9’の導電性被覆層
の物性を表28に示す。C−9’の現像剤担持体を用い
たことを除いては、実施例II−5と同様にして画像特
性の評価テストを行った。
【0559】[実施例II−32]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−16の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
0’を作製した。この現像剤担持体C−10’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−10’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0560】[実施例II−33]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−17の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
1’を作製した。この現像剤担持体C−11’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−11’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0561】[実施例II−34]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−18の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
2’を作製した。この現像剤担持体C−12’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−12’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0562】[実施例II−35]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−19の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
3’を作製した。この現像剤担持体C−13’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−13’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0563】[実施例II−36]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−20の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
4’を作製した。この現像剤担持体C−14’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−14’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0564】[実施例II−37]現像剤担持体に被覆
する塗工液として、実施例I−21の塗工液を用いた以
外は実施例II−1と同様にして現像剤担持体C−1
5’を作製した。この現像剤担持体C−15’の導電性
被覆層の物性を表28に示す。C−15’の現像剤担持
体を用いたことを除いては、実施例II−5と同様にし
て画像特性の評価テストを行った。
【0565】[比較例II−1〜II−6]結着樹脂
(II−1)の代わりに比較用結着樹脂(II−1〜I
I−6)を用いた以外は実施例II−1と同様にして表
23及び表24に示す比較用トナー(II−1)〜(I
I−6)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II
−1と同様に分析、評価した。
【0566】[比較例II−7]現像剤担持体に被覆す
る塗工液として、比較例I−6の塗工液を用いた以外は
実施例II−1と同様にして現像剤担持体D−1’を作
製した。この現像剤担持体C−1’の導電性被覆層の物
性を表28に示す。C−1’の現像剤担持体を用いたこ
とを除いては、実施例II−5と同様にして画像特性の
評価テストを行った。
【0567】
【表21】
【0568】
【表22】
【0569】
【表23】
【0570】
【表24】
【0571】
【表25】
【0572】
【表26】
【0573】
【表27】
【0574】
【表28】
【0575】
【表29】
【0576】
【表30】
【0577】
【表31】
【0578】
【表32】
【0579】
【表33】
【0580】上記実施例II−1〜II−36と比較例
II−1〜II−7との評価結果から、ビニル系共重合
ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド
樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を含有する本発明のト
ナーにワックスとして長鎖アルキル化合物を用い、及び
含窒素複素環化合物を含有する導電性被覆層が表面に形
成された本発明のトナー担持を用いた画像形成装置は、
トナー中の長鎖アルキル化合物が結着樹脂中に均一に分
散されており、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブ
ロッキング性に優れており、またトナーがトナー担持体
により迅速且つ均一に帯電するとともにトナー担持体被
覆層のトナー汚染等が発生しにくいので、異なる環境下
に置いて、多数枚耐久を行ってもトナーの帯電性及び画
像濃度が安定し、ネガスリーブゴースト抑制、耐久ポジ
スリーブゴースト、耐久カブリに優れていることがわか
る。
【0581】 [実施例III−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1)「NH4 +が91%、他9%はNa+,H+の混合物; メタノール溶解度0.88g/100ml」 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表21に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表22に示されているポリエチレンワックス 2重量部
【0582】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)6.0μm、体積平均粒径(Dv)5.3
μmの磁性トナーIII−1を得た。
【0583】このトナー(III−1)を用いて、結着
樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソック
スレー抽出により定量したところ、混在するワックスを
除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%で
あり、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であ
り、比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0584】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6300、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が46.8%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.5%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.7%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0585】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.7m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチルの可溶成分の
酸価(AV2)は21.0mgKOH/gであり、比
(AV1/AV2)は1.2であった。
【0586】実施例I−1で述べたように、1H−NM
R及び13C−NMRにより、トナー中にビニル系共重合
体、ポリエステル樹脂及びポリエステルユニットとビニ
ル系共重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成
分が存在していることを確認した。
【0587】この結果より、アクリル酸エステルの約2
9モル%がポリエステルユニットとエステル化したハイ
ブリッド樹脂成分として存在することがわかった。各々
13C−NMR測定結果を表34に示す。
【0588】
【表34】
【0589】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)と(Sp)を定量したとこ
ろ、Gp=約88重量%、Sp=約63重量%であり、
比(Sp/Gp)=0.72であり、式(1−3)で表
わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸
エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有さ
れていた。
【0590】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量は、DSCにより測定され溶解エンタル
ピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワッ
クスの約60重量%が存在していることがわかった。
【0591】この磁性トナー(III−1)100重量
部に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性
乾式シリカ(BET=100m2/g)1.3重量部を
ヘンシェルミキサーにて外部添加して外添トナー(一成
分系現像剤)とした。
【0592】このトナーを用いたことを除いては、実施
例I−1と同様にしてキヤノン製LBP930を1.3
3倍にスピードアップした改造機を用いて、画像特性の
評価テストを行った。
【0593】その結果を表38〜39に示した。
【0594】さらに、キヤノン製プリンターLBP43
0の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御
装置を取り付け、更にスピードを1.25倍に速めた定
着装置にて定着温度を130℃及び210℃に変えて定
着評価テストを行った。
【0595】その結果を表40に示す。
【0596】・評価テスト 下記に挙げる評価項目について画像特性のテスト、定着
テストを行い、実施例及び比較例の評価を行った。表3
8に、低温低湿下における画像濃度の耐久性、耐久カブ
リ、耐久ポジスリーブゴースト、ネガスリーブゴースト
及びトナー帯電量の画像特性評価結果を示した。また、
表39に、高温高湿下における画像濃度の耐久性、耐久
カブリ、耐久ポジスリーブゴースト、ネガスリーブゴー
スト及びトナー帯電量の画像特性評価結果を示した。な
お、高温高湿下においては現像装置によるトナー帯電の
立ち上がりの耐久性を評価するため、一定枚数耐久後に
7日間耐久を休止し、休止後更に耐久を続け、画像濃度
の耐久性、耐久カブリ、耐久ポジスリーブゴースト及び
トナー帯電量の評価を行った。
【0597】上記の耐久環境としては、低温/低湿(L
/L)下、及び高温/高湿(H/H)下の2つの耐久環
境について行った。具体的には、低温/低湿(L/L)
下を、15℃/10%RHの環境下とし、高温/高湿
(H/H)下を、32.5℃/85%RHとした。
【0598】(トナーの定着性の評価)トナーの定着性
評価としての濃度低下率及びホットオフセットは、以下
の評価方法に基づいて評価した。
【0599】キヤノン製プリンターLBP430の定着
器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取
り付け、更に定着スピードを1.25倍に速めた定着テ
スト装置にて定着器の温度を130℃及び210℃に変
えて、ハーフトーン画像を通紙して、定着させた。定着
温度を130℃にしたテストでは、その画像を4900
N/m2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺
擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率(%)で評価した。
また定着温度を210℃にしたテストでは、転写紙を目
視で観察し、ホットオフセットの発生を調べた。そして
以下のような基準により評価した。評価結果を表40に
示した。 A:ホットオフセット未発生 B:軽微なホットオフセット発生 C:顕著なホットオフセット発生
【0600】(耐ブロッキング性の評価)実施例I−1
と同様にして評価した。評価結果を表40に示した。
【0601】(カブリ濃度の評価)実施例I−1と同様
にして評価した。
【0602】(ポジ・スリーブゴースト)実施例I−1
と同様にして評価した。
【0603】(ネガ・スリーブゴースト)実施例II−
1と同様にして評価した。
【0604】(画像濃度)実施例I−1と同様にして評
価した。
【0605】(一成分系現像剤の帯電量)実施例I−1
と同様にして評価した。
【0606】[実施例III−2〜III−6]実施例
III−1において、結着樹脂(II−1)の代わり
に、結着樹脂(II−2)〜(II−6)を用いた以外
は、実施例III−1と同様にして表36及び表37に
示すトナー(III−2)〜(III−6)を得た。得
られたトナーを用いて、実施例III−1と同様に分
析、評価した。評価結果を表38〜40に示す。
【0607】[比較例III−1]実施例III−1に
おいて、結着樹脂(II−1)を比較用結着樹脂(II
−1)に変えた以外は、実施例III−1と同様にして
表36及び表37に示す磁性比較用トナー(III−
1)を製造し、実施例III−1と同様に分析、評価し
た。
【0608】評価結果を表38〜40に示す。
【0609】[比較例III−2]実施例III−1に
おいて、C−1の現像剤担持体をD−1の現像剤担持体
に変えた以外は、実施例III−1と同様に画像特性を
評価した。
【0610】[実施例III−7〜III−11]アゾ
系鉄錯体化合物(1)の代わりに、表35に示したアゾ
系鉄錯体化合物(2)、(3)、(7)〜(9)をそれ
ぞれ用いる以外は実施例III−1と同様にして表36
及び表37に示す磁性トナー(III−7)〜(III
−11)を得、、実施例III−1と同様に分析、評価
した。評価結果を表38〜40に示す。
【0611】[実施例III−12〜III−16]磁
性粉として、磁性酸化鉄粒子(1)に代えて、製造例2
〜6の磁性酸化鉄(2)〜(6)をそれぞれ用いた以外
は、実施例III−1と同様にして表36及び表37に
示すトナー(III−12)〜(III−16)を得、
実施例III−1と同様に分析、評価した。評価結果を
表38〜40に示す。
【0612】[実施例III−17]疎水性乾式シリカ
として、ヘキサメチルジシラザンで表面処理した疎水性
乾式シリカ(BET:180m2/g)1.3重量部に
代える以外は、実施例III−1と同様にして分析、評
価を行った。評価結果を表38〜40に示す。
【0613】
【表35】
【0614】上記実施例III−1〜III−17と比
較例III−1〜III−2との評価結果から、ビニル
系共重合ユニットとポリエステルユニットを有するハイ
ブリッド樹脂組成物を含む特定の結着樹脂を含有する本
発明のトナーに、特定のアゾ系金属化合物を荷電制御剤
として用いた場合には、特定のアゾ系金属化合物が結着
樹脂中に均一に分散され、且つワックスが均一に分散さ
れることから、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブ
ロッキング性に優れており、また更にトナーがトナー担
持体により迅速且つ均一に帯電するとともにトナー担持
体被覆層のトナー汚染等も発生しにくくなるので、異な
る環境下に置いて、多数枚耐久を行ってもトナーの帯電
性及び画像濃度が安定し、ネガスリーブゴースト抑制、
耐久ポジスリーブゴースト、耐久カブリに優れているこ
とがわかる。
【0615】
【表36】
【0616】
【表37】
【0617】
【表38】
【0618】
【表39】
【0619】
【表40】
【0620】
【発明の効果】本発明の現像装置は、トナーのワックス
がトナー結着樹脂中に均一に分散されており、定着性が
良好で、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び多数枚
耐久性等に優れているとともに、現像剤担持体の導電性
被覆層が含窒素複素環化合物を含有することにより、異
なる環境下においても本発明のトナーを迅速且つ均一に
帯電することが可能となる。更にトナー汚染や融着等に
よる現像剤担持体の被覆層表面の劣化が起きにくい為、
トナーへ迅速且つ均一な帯電を付与する帯電付与性の耐
久性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる導電性被覆層が形成されている
現像剤担持体を有する一実施形態の現像装置の模式図を
示す。
【図2】図1の現像装置における、現像剤層の規制部材
が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示
す。
【図3】図1の現像装置における、現像剤層の規制部材
が異なる本発明の他の実施形態の現像装置の模式図を示
す。
【図4】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の概略構成図を示す。
【図5】本発明のプロセスカートリッジの一具体例の概
略説明図を示す。
【図6】従来よりある樹脂被覆層の形成されていない現
像剤担持体を有する現像装置の模式図を示す。
【図7】本発明の画像形成方法において、定着工程で用
いる他の加熱定着手段としてのフィルム加熱定着装置の
概略図を示す。
【図8】本発明の画像形成方法を実施し得る他の形態の
画像形成装置の概略構成図を示す。
【図9】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図10】スチレン−2−エチルヘキシルアクリレート
共重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図11】本発明に係わる結着樹脂(I−1)の13C−
NMRスペクトルを示す。
【図12】本発明に係わる結着樹脂(I−1)の酢酸エ
チル可溶分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図13】本発明に係わる結着樹脂(I−1)の酢酸エ
チル不溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図14】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナ
ルの帰属を示す説明図である。
【図15】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置の
プリンターとして適用した場合のブロック図を示す。
【図16】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽
出装置の一具体例を示す概略図である。
【図17】ネガスリーブゴーストの試験例を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 感光ドラム(静電潜像保持体) 2 磁性規制ブレード 3 ホッパー(現像剤容器) 4 現像剤(トナー) 5 マグネットローラー 6 金属円筒管 7 導電性樹脂被覆層 8 現像スリーブ(現像剤担持体) 9 現像バイアス電源 10 撹拌翼 11 弾性規制ブレード 12 間隙 101 感光ドラム 103 現像剤容器 104 一成分系現像剤 105 多極永久磁石 108 現像スリーブ 109 バイアス印加電圧 111 弾性規制ブレード 113 接触(ローラー)転写手段 114 電圧印加手段 115 露光 116 イレース露光 118 加熱加圧ローラー定着器 118aクリーニングブレード 119 接触(ローラー)帯電手段 120 現像手段 N1,N2,S1,S2 磁極 A 現像スリーブ回転方向 B 感光ドラム回転方向 D 現像領域 P 記録材(転写材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/06 101 G03G 9/08 361 15/08 507 365 371 375 13/08 15/08 507L (72)発明者 大竹 智 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA04 CA08 CA12 CA14 CA17 CA18 CA22 CB13 DA02 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA06 2H073 AA05 BA04 CA02 2H077 AA11 AB03 AD02 AD06 AD13 AD36 EA11 GA17

Claims (164)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像容器内に収容されたトナーを有する
    現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上に
    現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、潜
    像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持体
    上の潜像を現像剤により現像し、可視像化する現像装置
    において、 前記トナーは少なくとも着色剤、結着樹脂及びワック
    スを含有し、 該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹
    脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニ
    ットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、(b)
    テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間の
    ソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至85重
    量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至50重
    量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした1
    0時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を4
    0乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分
    を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロロホル
    ムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、クロロ
    ホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含有し、
    クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W6)含
    有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であ
    り、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィー(GPC)測定による分子量分布におい
    て、分子量4000乃至9000の領域にメインピーク
    を有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
    5.0乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至
    10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A
    2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃至3
    0.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃
    至2.00であり、 前記現像剤担持体は、その表面に、結着樹脂、該結着
    樹脂に分散された導電性微粒子及び含窒素複素環化合物
    を少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂
    被覆層が設けられていることを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 該含窒素複素環化合物がイミダゾール化
    合物であることを特徴とする請求項1に記載の現像装
    置。
  3. 【請求項3】 該イミダゾール化合物は、下記式(E−
    1)又は(E−2) 【化1】 〔式中、R1及びR2は、水素原子、アルキル基、アラル
    キル基またはアリール基を表し、R1及びR2は同一であ
    っても異なっていても良い。R3及R4は炭素数が3〜3
    0の直鎖状アルキル基を表し、R3及びR4は同一であっ
    ても良い。〕 【化2】 〔式中、R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アラル
    キル基またはアリール基を表し、R5及びR6は同一であ
    っても良い。R7は、炭素数が3〜30の直鎖状アルキ
    ル基を表す。〕で示される化合物であることを特徴とす
    る請求項2に記載の現像装置。
  4. 【請求項4】 該樹脂被覆層が、該含窒素複素環化合物
    及び該導電性微粒子に加えて、個数平均径0.3〜30
    μmの球状粒子を更に含有していることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 該球状粒子が、樹脂からなる球状粒子で
    あることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 該球状粒子が、真密度3g/cm3以下
    の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項4に記
    載の現像装置。
  7. 【請求項7】 該樹脂被覆層が、含窒素複素環化合物び
    該導電性微粒子に加えて、潤滑性粒子を更に含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    現像装置。
  8. 【請求項8】 該トナーの結着樹脂は、ポリエステル樹
    脂及びポリエステルユニットが、三価以上の多価カルボ
    ン酸またはその無水物、または、三価以上の多価アルコ
    ールで架橋された架橋構造を有していることを特微とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。
  9. 【請求項9】 該トナーの結着樹脂は、ビニル系樹脂及
    びビニル系重合体ユニットが、ビニル基を2個以上有す
    る架橋剤で架橋された架橋構造を有していることを特徴
    とする請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置。
  10. 【請求項10】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)を20乃至45重量%含有することを特徴と
    する請求項1乃至9のいずれかに記載の現像装置。
  11. 【請求項11】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)を25乃至40重量%含有することを特徴と
    する請求項1乃至10のいずれかに記載の現像装置。
  12. 【請求項12】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)を5乃至50重量%含有することを特徴
    とする請求項1乃至11のいずれかに記載の現像装置。
  13. 【請求項13】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)を10乃至40重量%含有することを特
    徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の現像装
    置。
  14. 【請求項14】 該トナーの結着樹脂は、クロロホルム
    不溶成分(W6)を15乃至40重量%含有することを
    特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の現像装
    置。
  15. 【請求項15】 該トナーの結着樹脂は、クロロホルム
    不溶成分(W6)を17乃至37重量%含有することを
    特徴とする請求項l乃至13のいずれかに記載の現像装
    置。
  16. 【請求項16】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比
    (W4/W6)の値が1.2乃至3.5であることを特
    徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の現像装
    置。
  17. 【請求項17】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項1乃至15のいずれかに記載の現像装置。
  18. 【請求項18】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    A)の含有量と該酢酸エチル不溶成分(W4)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6B)の含有量とが、
    下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
    かに記載の現像装置。
  19. 【請求項19】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    A)の含有量と該酢酸エチル不溶成分(W4)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6B)の含有量とが、
    下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至17のいずれ
    かに記載の現像装置。
  20. 【請求項20】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量5000乃至8500の領域にピークを有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の現
    像装置。
  21. 【請求項21】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量5000乃至8000の領域にピークを有するこ
    とを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の現
    像装置。
  22. 【請求項22】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量500乃至1万未満の成分(A1)を37.0乃
    至60.0%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至21のいずれかに記載の現像装置。
  23. 【請求項23】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量500乃至1万未満の成分(A1)を40.0乃
    至50.0%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至21のいずれかに記載の現像装置。
  24. 【請求項24】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量1万乃至10万未満の成分(A2)を27.0乃
    至42.0%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至23のいずれかに記載の現像装置。
  25. 【請求項25】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量1万乃至10万未満の成分(A2)を30.0乃
    至40.0%含有していることを特徴とする請求項1乃
    至23のいずれかに記載の現像装置。
  26. 【請求項26】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量10万以上の成分(A3)を12.0乃至25.
    0%含有していることを特徴とする請求項1乃至25の
    いずれかに記載の現像装置。
  27. 【請求項27】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量10万以上の成分(A3)を15.0乃至20.
    0%含有していることを特徴とする請求項1乃至25の
    いずれかに記載の現像装置。
  28. 【請求項28】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量500乃至1万未満の成分(A1)と分子量1万
    乃至10万未満の成分(A2)との比(A1/A2)
    が、1.10乃至1.90であることを特徴とする請求
    項1乃至27のいずれかに記載の現像装置。
  29. 【請求項29】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量500乃至1万未満の成分(A1)と分子量1万
    乃至10万未満の成分(A2)との比(A1/A2)
    が、1.15乃至1.80であることを特徴とする請求
    項1乃至27のいずれかに記載の現像装置。
  30. 【請求項30】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル系重
    合体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化3】 を介して結合していることを特徴とする請求項1乃至2
    9のいずれかに記載の現像装置。
  31. 【請求項31】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項1乃至30のいずれかに記載の現像装置。
  32. 【請求項32】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項1乃至31のいずれかに記載の現像装置。
  33. 【請求項33】 該現像剤の結着樹脂は、10乃至60
    モル%のグラフト化率を有することを特徴とする請求項
    1乃至32のいずれかに記載の現像装置。
  34. 【請求項34】 該現像剤の結着樹脂は、15乃至55
    モル%のグラフト化率を有することを特致とする請求項
    1乃至32のいずれかに記載の現像装置。
  35. 【請求項35】 該現像剤の結着樹脂は、(A)酢酸エ
    チルに不溶な成分(W4)を結着樹脂100重量部に対
    して2乃至60重量部含有し、(B)酢酸エチルに不溶
    な成分(W4)がポリエステル樹脂成分(Gp)を40
    乃至98重量%含有し、(C)酢酸エチルに溶解する成
    分(W3)がポリエステル樹脂成分(Sp)を20乃至
    90重量%含有し、(D)酢酸エチルに不溶な成分(W
    4)が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量
    と酢酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエ
    ステル樹脂成分(SP)の含有量との比(Sp/Gp)
    が、0.5乃至1.0であり、該ワックスは、炭化水素
    系ワックスを有することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載の現像装置。
  36. 【請求項36】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%含
    有することを特徴とする請求項35に記載の現像装置。
  37. 【請求項37】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含
    有することを特徴とする請求項35に記載の現像装置。
  38. 【請求項38】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%
    含有することを特徴とする請求項35乃至37のいずれ
    かに記載の現像装置。
  39. 【請求項39】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重量%
    含有することを特徴とする請求項35乃至37のいずれ
    かに記載の現像装置。
  40. 【請求項40】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(SP)との比(Sp/Gp)が、0.60乃
    至0.95であることを特徴とする請求項35乃至39
    のいずれかに記載の現像装置。
  41. 【請求項41】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が、0.65乃
    至0.90であることを特徴とする請求項35乃至39
    のいずれかに記載の現像装置。
  42. 【請求項42】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至40
    mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを特
    徴とする請求項1乃至41のいずれかに記載の現像装
    置。
  43. 【請求項43】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至3
    7mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項1乃至41のいずれかに記載の現像装
    置。
  44. 【請求項44】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至43のいず
    れかに記載の現像装置。
  45. 【請求項45】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至43のいず
    れかに記載の現像装置。
  46. 【請求項46】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項1乃至45のいず
    れかに記載の現像装置。
  47. 【請求項47】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項1乃至45のいず
    れかに記載の現像装置。
  48. 【請求項48】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求
    項1乃至47のいずれかに記載の現像装置。
  49. 【請求項49】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求
    項1乃至48のいずれかに記載の現像装置。
  50. 【請求項50】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が90乃至130℃であることを特徴とする請求
    項1乃至49のいずれかに記載の現像装置。
  51. 【請求項51】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワッ
    クスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着樹
    脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至50の
    いずれかに記載の現像装置。
  52. 【請求項52】 該トナーは、該ワックスとして下記式
    (A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル化
    合物を一種以上含有することを特徴とする請求項1乃至
    51のいずれかに記載の現像装置。 【化4】
  53. 【請求項53】 該トナーは、炭化水素ワックスもしく
    は石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする請
    求項52に記載の現像装置。
  54. 【請求項54】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測定
    による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が2
    00乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400乃
    至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    52に記載の現像装置。
  55. 【請求項55】 式(A)又は式(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項52に記載の現像装置。
  56. 【請求項56】 式(A)又は式(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項52に記載の現像装
    置。
  57. 【請求項57】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項52に記載の現像装置。
  58. 【請求項58】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項52に記載の現像装置。
  59. 【請求項59】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が70〜140℃であることを
    特徴とする請求項52に記載の現像装置。
  60. 【請求項60】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が80〜135℃であることを
    特徴とする請求項52に記載の現像装置。
  61. 【請求項61】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が90〜130℃であることを
    特徴とする請求項52に記載の現像装置。
  62. 【請求項62】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜14
    0℃であることを特徴とする請求項53に記載の現像装
    置。
  63. 【請求項63】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜13
    5℃であることを特徴とする請求項53に記載の現像装
    置。
  64. 【請求項64】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜13
    0℃であることを特徴とする請求項53に記載の現像装
    置。
  65. 【請求項65】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、GPC測定による分子量分布において、重量平均
    分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至3
    であることを特徴とする請求項53に記載の現像装置。
  66. 【請求項66】 該トナーは、荷電制御剤として、下記
    式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至50のいずれかに記載
    の現像装置。 【化5】 [式中、Mは、Mn,Fe,Ti及びAlからなるグル
    ープから選択される配位中心金属を示し、Arは、ニト
    ロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基,炭素
    数1〜18のアルキル基及び炭素数1〜18のアルコキ
    シ基からなるグループから選択される置換基を有しても
    良いアリール基を示し、X,X’,Y及びY’は、−O
    −,−CO−,−NH−又は−NR−(Rは炭素数1〜
    4のアルキル基)を示し、A+は、水素,ナトリウムイ
    オン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪属
    アンモニウムイオンを示す。]
  67. 【請求項67】 該トナーは、荷電制御剤として、下記
    式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を有することを
    特徴とする請求項66に記載の現像装置。 【化6】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
    1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
    びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
    子、C1〜C18のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
    ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
    キシ、C1〜C18のアルコキシ、アセチルアミノ、ベン
    ゾイルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3
    同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1
    〜3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニト
    ロ基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、
    ナトリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イ
    オンからなるグループから選択されるカチオンイオンを
    示す。]
  68. 【請求項68】 該式(2)中のA+のカチオンイオン
    が、75〜98モル%のアンモニウムイオンと、水素イオ
    ン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれらの
    混合イオンとを有することを特徴とする請求項67に記載
    の現像装置。
  69. 【請求項69】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100m
    lを有することを特徴とする請求項67に記載の現像装
    置。
  70. 【請求項70】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100m
    lを有することを特徴とする請求項67に記載の現像装
    置。
  71. 【請求項71】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.4g/100ml〜2g/100m
    lを有することを特徴とする請求項67に記載の現像装
    置。
  72. 【請求項72】 該トナーは、該着色剤として磁性酸化
    鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至
    71のいずれかに記載の現像装置。
  73. 【請求項73】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着樹
    脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有し
    ていることを特徴とする請求項72に記載の現像装置。
  74. 【請求項74】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が0.
    8以上であることを特徴とする請求項72に記載の現像
    装置。
  75. 【請求項75】 該磁性酸化鉄は、ケイ素化合物を含有
    することを特徴とする請求項72に記載の現像装置。
  76. 【請求項76】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元素
    を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性酸
    化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素
    元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量
    Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該
    磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有
    量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であるこ
    とを特徴とする請求項75に記載の現像装置。
  77. 【請求項77】 該トナーは、疎水化処理されたシリカ
    微粉体が外添されていることを特徴とする請求項1乃至
    76のいずれかに記載の現像装置。
  78. 【請求項78】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイル
    で処理されていることを特徴とする請求項77に記載の
    現像装置。
  79. 【請求項79】 該トナーは、重量平均粒径が3〜9μ
    mであることを特徴とする請求項1乃至78のいずれか
    に記載の現像装置。
  80. 【請求項80】 現像容器内に収容されたトナーを有す
    る現像剤を現像剤担持体上に担持し、該現像剤担持体上
    に現像剤層厚規制部材により現像剤層を形成しながら、
    潜像担持体と対向する現像領域へと搬送し、該潜像担持
    体上の潜像を現像剤により現像し、現像画像を形成する
    現像工程;該静電潜像保持体上に形成された現像画像を
    中間転写体を用いて、または用いずに記録材に転写する
    転写工程;及び、 該記録材に転写された現像画像を加熱定着手段により該
    記録材に加熱定着する定着工程;を有する画像形成方法
    において、 前記トナーは少なくとも着色剤、結着樹脂及びワック
    スを含有し、 該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹
    脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニ
    ットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、(b)
    テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間の
    ソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至85重
    量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至50重
    量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした1
    0時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を4
    0乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分
    を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロロホル
    ムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、クロロ
    ホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含有し、
    クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W6)含
    有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であ
    り、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィー(GPC)測定による分子量分布におい
    て、分子量4000乃至9000の領域にメインピーク
    を有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
    5.0乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至
    10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A
    2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃至3
    0.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃
    至2.00であり、 前記現像剤担持体は、その表面に、結着樹脂、該結着
    樹脂に分散された導電性微粒子及び含窒素複素環化合物
    を少なくとも含有する樹脂組成物により形成された樹脂
    被覆層が設けられていることを特徴とする画像形成方
    法。
  81. 【請求項81】 該含窒素複素環化合物がイミダゾール
    化合物であることを特徴とする請求項80に記載の現像
    装置。
  82. 【請求項82】 該イミダゾール化合物は、下記式(E
    −1)又は(E−2) 【化7】 〔式中、R1及びR2は、水素原子、アルキル基、アラル
    キル基またはアリール基を表し、R1及びR2は同一であ
    っても異なっていても良い。R3及R4は炭素数が3〜3
    0の直鎖状アルキル基を表し、R3及びR4は同一であっ
    ても良い。〕 【化8】 〔式中、R5及びR6は、水素原子、アルキル基、アラル
    キル基またはアリール基を表し、R5及びR6は同一であ
    っても良い。R7は、炭素数が3〜30の直鎖状アルキ
    ル基を表す。〕で示される化合物であることを特徴とす
    る請求項81に記載の画像形成方法。
  83. 【請求項83】 該樹脂被覆層が、該含窒素複素環化合
    物及び該導電性微粒子に加えて、個数平均径0.3〜3
    0μmの球状粒子を更に含有していることを特徴とする
    請求項80乃至82のいずれかに記載の画像形成方法。
  84. 【請求項84】 該球状粒子が、樹脂からなる球状粒子
    であることを特徴とする請求項84に記載の画像形成方
    法。
  85. 【請求項85】 該球状粒子が、真密度3g/cm3
    下の導電性球状粒子であることを特徴とする請求項83
    に記載の画像形成方法。
  86. 【請求項86】 該樹脂被覆層が、含窒素複素環化合物
    び該導電性微粒子に加えて、潤滑性粒子を更に含有して
    いることを特徴とする請求項80乃至85のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  87. 【請求項87】 該トナーの結着樹脂は、ポリエステル
    樹脂及びポリエステルユニットが、三価以上の多価カル
    ボン酸またはその無水物、または、三価以上の多価アル
    コールで架橋された架橋構造を有していることを特微と
    する請求項80乃至86のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  88. 【請求項88】 該トナーの結着樹脂は、ビニル系樹脂
    及びビニル系重合体ユニットが、ビニル基を2個以上有
    する架橋剤で架橋された架橋構造を有していることを特
    徴とする請求項80乃至87のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  89. 【請求項89】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)を20乃至45重量%含有することを特徴と
    する請求項80乃至88のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  90. 【請求項90】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)を25乃至40重量%含有することを特徴と
    する請求項80乃至89のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  91. 【請求項91】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)を5乃至50重量%含有することを特徴
    とする請求項80乃至90のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  92. 【請求項92】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)を10乃至40重量%含有することを特
    徴とする請求項80乃至90のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  93. 【請求項93】 該トナーの結着樹脂は、クロロホルム
    不溶成分(W6)を15乃至40重量%含有することを
    特徴とする請求項80乃至92のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  94. 【請求項94】 該トナーの結着樹脂は、クロロホルム
    不溶成分(W6)を17乃至37重量%含有することを
    特徴とする請求項80乃至92のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  95. 【請求項95】 該トナーの結着樹脂は、酢酸エチル不
    溶成分(W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比
    (W4/W6)の値が1.2乃至3.5であることを特
    徴とする請求項80乃至94のいずれかに記載の画像形
    成方法。
  96. 【請求項96】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項80乃至94のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  97. 【請求項97】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    A)の含有量と該酢酸エチル不溶成分(W4)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6B)の含有量とが、
    下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項80乃至96のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  98. 【請求項98】 該トナーの結着樹脂は、THF不溶成
    分(W2)が含有しているクロロホルム不溶成分(W6
    A)の含有量と該酢酸エチル不溶成分(W4)が含有し
    ているクロロホルム不溶成分(W6B)の含有量とが、
    下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項80乃至96のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  99. 【請求項99】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶成
    分(W1)が、GPC測定による分子量分布において、
    分子量5000乃至8500の領域にピークを有するこ
    とを特徴とする請求項80乃至98のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  100. 【請求項100】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量5000乃至8000の領域にピークを有す
    ることを特徴とする請求項80乃至98のいずれかに記
    載の画像形成方法。
  101. 【請求項101】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量500乃至1万未満の成分(A1)を37.
    0乃至60.0%含有していることを特徴とする請求項
    80乃至100のいずれかに記載の画像形成方法。
  102. 【請求項102】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量500乃至1万未満の成分(A1)を40.
    0乃至50.0%含有していることを特徴とする請求項
    80乃至100のいずれかに記載の画像形成方法。
  103. 【請求項103】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量1万乃至10万未満の成分(A2)を27.
    0乃至42.0%含有していることを特徴とする請求項
    80乃至102のいずれかに記載の画像形成方法。
  104. 【請求項104】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量1万乃至10万未満の成分(A2)を30.
    0乃至40.0%含有していることを特徴とする請求項
    80乃至102のいずれかに記載の画像形成方法。
  105. 【請求項105】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量10万以上の成分(A3)を12.0乃至2
    5.0%含有していることを特徴とする請求項80乃至
    104のいずれかに記載の画像形成方法。
  106. 【請求項106】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量10万以上の成分(A3)を15.0乃至2
    0.0%含有していることを特徴とする請求項80乃至
    104のいずれかに記載の画像形成方法。
  107. 【請求項107】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量500乃至1万未満の成分(A1)と分子量
    1万乃至10万未満の成分(A2)との比(A1/A
    2)が、1.10乃至1.90であることを特徴とする
    請求項80乃至106のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  108. 【請求項108】 該トナーの結着樹脂は、THF可溶
    成分(W1)が、GPC測定による分子量分布におい
    て、分子量500乃至1万未満の成分(A1)と分子量
    1万乃至10万未満の成分(A2)との比(A1/A
    2)が、1.15乃至1.80であることを特徴とする
    請求項80乃至106のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  109. 【請求項109】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル系
    重合体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化9】 を介して結合していることを特徴とする請求項80乃至
    108のいずれかに記載の画像形成方法。
  110. 【請求項110】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエ
    ステルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマ
    ーの重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交
    換反応されて形成された共重合体であることを特徴とす
    る請求項80乃至109のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  111. 【請求項111】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル
    系重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニッ
    トを枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴と
    する請求項80乃至110のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  112. 【請求項112】 該トナーの結着樹脂は、10乃至6
    0モル%のグラフト化率を有することを特徴とする請求
    項80乃至111のいずれかに記載の画像形成方法。
  113. 【請求項113】 該トナーの結着樹脂は、15乃至5
    5モル%のグラフト化率を有することを特致とする請求
    項80乃至111のいずれかに記載の画像形成方法。
  114. 【請求項114】 該トナーの結着樹脂は、(A)酢酸
    エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂100重量部に
    対して2乃至60重量部含有し、(B)酢酸エチルに不
    溶な成分(W4)がポリエステル樹脂成分(Gp)を4
    0乃至98重量%含有し、(C)酢酸エチルに溶解する
    成分(W3)がポリエステル樹脂成分(Sp)を20乃
    至90重量%含有し、(D)酢酸エチルに不溶な成分
    (W4)が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含
    有量と酢酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポ
    リエステル樹脂成分(SP)の含有量との比(Sp/G
    p)が、0.5乃至1.0であり、 該ワックスは、炭化水素系ワックスを有することを特徴
    とする請求項80乃至86のいずれかに記載の画像形成
    方法。
  115. 【請求項115】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    がポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%
    含有することを特徴とする請求項114に記載の画像形
    成方法。
  116. 【請求項116】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    がポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%
    含有することを特徴とする請求項114に記載の画像形
    成方法。
  117. 【請求項117】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重
    量%含有することを特徴とする請求項114乃至116
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  118. 【請求項118】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重
    量%含有することを特徴とする請求項114乃至116
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  119. 【請求項119】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(SP)との比(Sp/Gp)が0.60乃
    至0.95であることを特徴とする請求項114乃至1
    18のいずれかに記載の画像形成方法。
  120. 【請求項120】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が、0.65
    乃至0.90であることを特徴とする請求項114乃至
    118のいずれかに記載の画像形成方法。
  121. 【請求項121】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至4
    0mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項80乃至120のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  122. 【請求項122】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至
    37mgKOH/gの酸価(AV1)を有していること
    を特徴とする請求項80乃至120のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  123. 【請求項123】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項80乃至122の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  124. 【請求項124】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項80乃至122の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  125. 【請求項125】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項80乃至124の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  126. 【請求項126】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該現像剤の酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項80乃至124の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  127. 【請求項127】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が70乃至140℃であることを特徴とする
    請求項80乃至126のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  128. 【請求項128】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が80乃至135℃であることを特徴とする
    請求項80乃至127のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  129. 【請求項129】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が90乃至130℃であることを特徴とする
    請求項80乃至128のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  130. 【請求項130】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワ
    ックスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着
    樹脂を含有していることを特徴とする請求項80乃至1
    29のいずれかに記載の画像形成方法。
  131. 【請求項131】 該トナーは、該ワックスとして下記
    式(A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル
    化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項80
    乃至130のいずれかに記載の画像形成方法。 【化10】
  132. 【請求項132】 該トナーは、炭化水素ワックスもし
    くは石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする
    請求項131に記載の画像形成方法。
  133. 【請求項133】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測
    定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が
    200乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400
    乃至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    131に記載の画像形成方法。
  134. 【請求項134】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項131に記載の画像形
    成方法。
  135. 【請求項135】 式(A)又は式(B)で示される長
    鎖アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH
    /gであることを特徴とする請求項131に記載の画像
    形成方法。
  136. 【請求項136】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項131に記載の画像形成方法。
  137. 【請求項137】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項131に記載の画像形成方法。
  138. 【請求項138】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が70〜140℃であること
    を特徴とする請求項131に記載の画像形成方法。
  139. 【請求項139】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が80〜135℃であること
    を特徴とする請求項131に記載の画像形成方法。
  140. 【請求項140】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が90〜130℃であること
    を特徴とする請求項131に記載の画像形成方法。
  141. 【請求項141】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜1
    40℃であることを特徴とする請求項132に記載の画
    像形成方法。
  142. 【請求項142】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜1
    35℃であることを特徴とする請求項132に記載の画
    像形成方法。
  143. 【請求項143】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜1
    30℃であることを特徴とする請求項132に記載の画
    像形成方法。
  144. 【請求項144】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、GPC測定による分子量分布において、重量平
    均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至
    3であることを特徴とする請求項132に記載の画像形
    成方法。
  145. 【請求項145】 該トナーは、荷電制御剤として、下
    記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有して
    いることを特徴とする請求項80乃至129のいずれか
    に記載の画像形成方法。 【化11】 [式中、Mは、Mn,Fe,Ti及びAlからなるグル
    ープから選択される配位中心金属を示し、Arは、ニト
    ロ基,ハロゲン基,カルボキシル基,アニリド基,炭素
    数1〜18のアルキル基及び炭素数1〜18のアルコキ
    シ基からなるグループから選択される置換基を有しても
    良いアリール基を示し、X,X’,Y及びY’は、−O
    −,−CO−,−NH−又は−NR−(Rは炭素数1〜
    4のアルキル基)を示し、A+は、水素,ナトリウムイ
    オン,カリウムイオン,アンモニウムイオン又は脂肪属
    アンモニウムイオンを示す。]
  146. 【請求項146】 該トナーは、荷電制御剤として、下
    記式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を有すること
    を特徴とする請求項145に記載の画像形成方法。 【化12】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
    1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
    びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
    子、C1〜C18のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
    ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
    キシ、C1〜C18のアルコキシ、アセチルアミノ、ベン
    ゾイルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3
    同じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1
    〜3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニト
    ロ基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、
    ナトリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イ
    オンからなるグループから選択されるカチオンイオンを
    示す。]
  147. 【請求項147】 該式(2)中のA+
    のカチオンイオンが、75〜98モル%の
    アンモニウムイオンと、水素イオン、ナトリウムイオン
    、カリウムイオンまたは
    それらの混合イオンとを有することを特徴とする請求項
    146に記載の画像形成方 法。
  148. 【請求項148】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100
    mlを有することを特徴とする請求項146に記載の画
    像形成方法。
  149. 【請求項149】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100
    mlを有することを特徴とする請求項146に記載の画
    像形成方法。
  150. 【請求項150】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.4g/100ml〜2g/100
    mlを有することを特徴とする請求項146に記載の画
    像形成方法。
  151. 【請求項151】 該トナーは、該着色剤として磁性酸
    化鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項80
    乃至150のいずれかに記載の画像形成方法。
  152. 【請求項152】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着
    樹脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有
    していることを特徴とする請求項151に記載の画像形
    成方法。
  153. 【請求項153】 該磁性酸化鉄は、球形度(ψ)が
    0.8以上であることを特徴とする請求項151のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  154. 【請求項154】 該磁性酸化鉄は、ケイ素化合物を含
    有することを特徴とする請求項151に記載の画像形成
    方法。
  155. 【請求項155】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元
    素を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性
    酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ
    素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有
    量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、
    該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含
    有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%である
    ことを特徴とする請求項154に記載の画像形成方法。
  156. 【請求項156】 該トナーは、疎水化処理されたシリ
    カ微粉体が外添されていることを特徴とする請求項80
    乃至155のいずれかに記載の画像形成方法。
  157. 【請求項157】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイ
    ルで処理されていることを特徴とする請求項156に記
    載の画像形成方法。
  158. 【請求項158】 該トナーは、重量平均粒径が3〜9
    μmであることを特徴とする請求項80乃至157のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  159. 【請求項159】 該現像工程において、該静電潜像保
    持体と該現像剤を担持するための現像剤担持体との間隔
    よりも、該現像剤担持体上に担持されている現像剤層の
    層厚が薄いことを特徴とする請求項80乃至158のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  160. 【請求項160】 該現像工程において、該現像剤担持
    体にバイアス電圧を印加して、該静電潜像保持体に形成
    されている静電潜像を現像することを特徴とする請求項
    159に記載の画像形成方法。
  161. 【請求項161】 該バイアス電圧は、直流電圧及び交
    流電圧を有することを特徴とする請求項159のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  162. 【請求項162】 該静電潜像保持体は、電子写真用感
    光体であることを特徴とする請求項80乃至161のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  163. 【請求項163】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該現像画像は、中間転写体を介さずに該記録材
    に直接転写されることを特徴とする請求項80乃至16
    2のいずれかに記載の画像形成方法。
  164. 【請求項164】 該該転写工程において、該静電潜像
    保持体上の該現像画像は、中間転写体に転写された後、
    該中間転写体から該記録材に転写されることを特徴とす
    る請求項80乃至162のいずれかに記載の画像形成方
    法。
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