JP4109748B2 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法,静電記録法,静電印刷法,トナージェット方式記録法などを利用した記録方法に用いられるトナーに関し、さらに該トナーを用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法としては米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されている如く多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得るものである。
【0003】
上述の最終工程であるトナー像を紙の如きシートに定着する工程に関して種々の方法や装置が開発されているが、現在最も一般的な方法は熱ローラー又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱方式である。
【0004】
加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シートのトナー像面を加圧下で接触しながら被定着シートを通過せしめることによりトナー像の定着を行なうものである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上のトナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができる。
【0005】
加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態,加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ローラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが再転移し、被定着シートを汚す、オフセット現象が定着速度,定着温度の影響を大きく受ける。一般に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナーを定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
【0006】
被定着シート上のトナーは、何層かのトナー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラーに接触するトナー層と、被定着シートに接触している最下層のトナー層との温度差が、大となる為に、加熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセット現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起きやすい。
【0007】
この問題を解決する方法として、定着速度が速い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへトナーをアンカーリングさせる方法が、通常行われている。この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げることができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐことは可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻きつき、巻きつきオフセットが発生したり、定着ローラーから被定着シートを分離するための分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さらには、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押しつぶされたり、トナーが飛びちったりして定着画像の画質劣化を生じ易い。
【0008】
従来、トナー用樹脂としてはポリエステル樹脂及びスチレン系樹脂などのビニル系共重合体が主に使用されている。ポリエステル樹脂は低温定着性に優れた性能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を発生しやすいという欠点を有すると言われ、この欠点を補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾性特性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合には低温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー製造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微粒子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0009】
またスチレン系樹脂などのビニル系共重合体は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易なため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしまうという問題点があった。
【0010】
これら2種類の樹脂の長所を有効に生かし、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する方法もいくつか検討されている。
【0011】
例えば、特開昭54−114245号公報では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしながら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、耐高温オフセット性、耐ブロッキング性をすべて満足するものとするのは難しい。
【0012】
また、トナー製造時に添加される種々の添加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの定着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの問題が顕著となる。
【0013】
また、特開昭56−116043号公報、特開昭58−159546号公報では、ポリエステル樹脂の存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有することを特徴とするトナーが開示されている。
【0014】
特開昭58−102246号公報、特開平1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含有することを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】
特開平2−881号公報では、酸基を有する単量体を共重合したスチレン系樹脂とポリエステル樹脂とがスチレン系樹脂の酸基を介してエステル結合した重合体を含むことを特徴とするトナーが開示されている。
【0016】
上述の結着樹脂では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体の相溶性は向上するが、低温での定着性はポリエステル樹脂と同程度であり、トナー製造時に添加されるワックスを均一に分散するのは困難であり、トナーとした場合には定着性ばかりでなく、現像性においても未だ改良すべき課題を残している。
【0017】
複写機、プリンターともに画像の解像度及び鮮鋭度の向上を求められており、これにはトナーの小粒径化が有効であるが、ハーフトーン部の定着性が悪化する傾向にある。これは、本発明者の検討によれば、ハーフトーン部分のトナーの載り量が少ないことによるものであり、熱ロール定着器を使用する高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱方式を使用する中〜低速機において顕著である。
【0018】
更に、電子写真技術を利用したプリンター、複写機、FAX等は、小型化、高速化、高耐久の要求が強まっている。その中で、一旦オフセットしたトナーが熱ロール定着方式での熱ロールと対向する加圧ローラーや、圧着加熱方式での耐熱フィルムと対向する加圧ローラーに、付着・蓄積していく『加圧ローラー汚れ』という現象がある。この現象が進み、蓄積量が多くなると、紙が加圧ローラーに巻き付き、ジャムの原因になる。小型化のために、オフセットしたトナーを取り除くクリーニング部材をはずす等の定着器の簡素化、及び、高耐久性という要求の実現のために、この加圧ローラー汚れの改良が求められる。
【0019】
その一方で、グラフィック画像のさらなる高品位化の要求も強まってきている。グラフィック画像の品質の一つの観点として、ベタ画像における画像濃度の一様性がある。
【0020】
このベタ画像における濃度の一様性に関して、一成分現像方式においては、ハーフトーン等のベタ画像をプリントした際にベタ画像上にその直前にプリントした画像の反転がトナー担持体の周期で現れる「ネガスリーブゴースト」と呼ばれる現象があり、グラフィック画像の品質を低下させるケースがある。
【0021】
そこで、グラフィック画像の高品位化の点で、「ネガスリーブゴースト」の改良が求められている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の如き問題点を解決したトナーを提供するものである。
【0023】
即ち、本発明の目的は、ワックスが結着樹脂中に均一に分散されたトナーを提供するものである。
【0024】
本発明の他の目的は、着色剤(特に磁性体)の含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用した場合でも、良好なハーフトーン部の定着性を示すトナーを提供するものである。
【0025】
本発明の他の目的は、熱ロール定着器を使用する高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着加熱方式を使用する中〜低速機であっても良好な低温定着性を示し、かつ高温までオフセットが生じることのない広い定着温度領域を示すトナーを提供するものである。
【0026】
本発明の他の目的は、ネガスリーブゴーストのない高品位なグラフィック画像が得られるトナーを提供するものである。
【0027】
本発明の他の目的は、加圧ローラーにトナーが付着/蓄積するという加圧ローラー汚れが発生しないトナーを提供するものである。
【0028】
さらに本発明の目的は、これらのトナーを使用する画像形成方法を提供するものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも着色剤、結着樹脂及びエステルワックスを含有するトナーにおいて、
該結着樹脂が、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂との反応生成物を少なくとも含み、
該反応生成物は、 13 C−NMR測定において少なくとも約168ppmにシグナルを有し、
該結着樹脂において、
(a)該結着樹脂は、該結着樹脂100重量部に対して、酢酸エチルに不溶な成分(G)を2乃至60重量部及び酢酸エチルに溶解する成分(S)を40乃至98重量部含有し、
(b)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量が40乃至98重量%であり、かつ
(c)該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20乃至90重量%であり、
(d)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.5乃至1であることを特徴とするトナーに関する。
【0030】
また、本発明は、外部より電圧を印加した帯電装置により帯電を行なう帯電工程;帯電した潜像保持体に静電荷像を形成する工程;該潜像保持体上に形成された静電荷潜像を、トナー担持体上に形成されるトナー層の層厚を規制するためのトナー層厚規制部材によって層厚が規制された該トナー担持体上のトナー層により、現像して画像を形成する現像工程を少なくとも有する画像形成方法において、
該トナー層厚規制部材は、該トナー担持体の表面にトナー層を介して圧接して、該トナー担持体上に形成されるトナー層の層厚を規制するものであり、
該トナーとして、上記構成のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明者の検討によれば、着色剤(特に磁性体)の含有量が増加した小粒径化したトナーで、定着器の加熱方式によらずハーフトーン画像でも良好な低温定着性を示し、オフセット発生温度が高く、オフセットしないトナーを得るためには、トナーの結着樹脂が特定の溶媒にのみ選択的に溶解する組成と分子量を有する成分を一定量含有することが重要である。
【0032】
従来から知られているテトラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルでも同様であるが、これらの溶媒に対するトナーの結着樹脂に含有される不溶分量の規定は、単純な架橋した樹脂成分の定量であり、トナーのオフセット発生とはある程度対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでなく、現像性にも多大な影響を及ぼす可能性のあるトナーに含有されるワックスの分散状態を評価するという観点からの評価ではない。
【0033】
本発明者の検討によれば、酢酸エチルは本発明のトナーに含有される結着樹脂、特にポリエステル樹脂成分に対して良好な溶媒であるが、ビニル系共重合体及びエステルワックスに対しては必ずしも良好な溶媒ではない。従って、本発明でいう酢酸エチルに不溶なポリエステル樹脂成分は、一般的なポリエステル樹脂とは異なる特徴を有するものであり、これは単純に分子量が極めて大きな場合、架橋されている場合を意味するわけではない。
【0034】
酢酸エチルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、換言すればビニル系共重合体あるいはエステルワックスに類似した特性をも有することを意味し、本発明の目的であるポリエステル系樹脂とビニル系共重合体がトナーの定着性及び現像性を発揮するのに好適な状態に保持するために必要である。
【0035】
また、酢酸エチルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、エステルワックスの分散を本発明のトナーに好適な状態に保持するためにも重要である。
【0036】
一般的に、トナーの低温での定着性は溶媒に溶解する分子量の低い樹脂組成物と関係付けられ、高温でのオフセット発生は溶媒に不溶である樹脂組成物と関係付けられ、相互に補完することで定着性と耐ホットオフセット性を両立している。
【0037】
換言すれば、低温でのトナーの定着性は、溶媒に不溶である樹脂組成物の存在で阻害される可能性がある。本発明のトナーの結着樹脂に含有される酢酸エチルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、エステルワックスと良好な相溶性を示すことにより選択的に相互使用し分散状態を安定化する。それと同時にトナーが加熱定着される際には溶融したエステルワックスにより効率的に軟化し、定着性を阻害することが少なく、良好な定着性と耐ホットオフセット性を達成できる。
【0038】
本発明のトナーにおいて、酢酸エチルに不溶な成分(G)は、トナーに含有される結着樹脂100重量部に対して2乃至60重量部含有していれば良いが、好ましくは5乃至50重量部含有する場合であり、より好ましくは10乃至40重量部含有する場合であり、更に好ましくは15乃至35重量部含有する場合である。もし、2重量部未満となる場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化するばかりでなく、エステルワックスを均一に分散することが困難になり好ましくない。更に、ネガ・スリーブゴーストの改良の効果も得られない。また、60重量部超となる場合には、トナーの定着性が悪化し好ましくない。
【0039】
酢酸エチルに不溶な成分(G)はポリエステル樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有していれば良いが、好ましくは50乃至95重量%含有する場合であり、更に好ましくは60乃至90重量%含有する場合である。もし、40重量%未満となる場合には、トナーの定着性が悪化する可能性があり好ましくない。また、98重量%超となる場合には、エステルワックスとの相溶性が悪くなりやすく好ましくない。更に、40重量%未満、98重量%超のどちらの場合にもネガ・スリーブゴーストの改良の効果が得られない。
【0040】
酢酸エチルに溶解する成分(S)はポリエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有していれば良いが、好ましくは25乃至85重量%含有する場合であり、更に好ましくは30乃至80重量%含有する場合である。もし、20重量%未満となる場合には、エステルワックスがトナーに含有される結着樹脂全体で均一に分散されるために定着性が改良されず、更に、ネガ・スリーブゴーストの改良の効果も得られない。90重量%超となる場合には、エステルワックスとの相溶性が悪くなりやすく局在化が生じ、ホットオフセットが発生しやすくない。
【0041】
比(Sp/Gp)が0.5乃至1であれば良いが、好ましくは0.6乃至0.95となる場合であり、更に好ましくは0.65乃至0.9となる場合である。もし、比(Sp/Gp)が0.5未満となる場合でも、 比(Sp/Gp)が1超となる場合でも、酢酸エチルに不溶な成分と溶解する成分とが均一に混合されず、トナーの現像性が悪化する場合があり好ましくない。
【0042】
酢酸エチルに溶解する成分(S)は、重量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30以上であれば良いが、好ましくはMwが30万乃至200万となり、Mw/Mnが50乃至300となる場合であり、更に好ましくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃至250となる場合である。もし、Mwが20万未満、Mw/Mnが30未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合があり好ましくない。
【0043】
本発明のトナーにおいて、ポリエステル樹脂成分は、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくとも1種以上を含有するものである。
【0044】
【化1】
[式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基を表わす。R3,R4は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換基であってもよいが、同時に水素原子になることはない。R5,R6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換基であってもよいが、同時に水素原子になることはない。R7,R8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケニル基を表わす。nは12乃至40の整数を表わす。]
式(1)で表わせる化合物としては、例えば、
【0045】
【化2】
等を挙げることができる。
【0046】
式(2)で表わせる化合物としては、例えば、
【0047】
【化3】
等を挙げることができる。
【0048】
式(3)で表わせる化合物としては、例えば、
【0049】
【化4】
【0050】
式(4)で表わせる化合物としては、例えば、
【0051】
【化5】
【0052】
式(5)で表わせる化合物としては、例えば、
【0053】
【化6】
等を挙げることができる。
【0054】
式(6)で表わせる化合物としては、例えば、
【0055】
【化7】
等を挙げることができる。
【0056】
本発明に用いられるポリエステル樹脂のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0057】
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(7−1)式で表わされるビスフェノール誘導体;
【0058】
【化8】
【0059】
また(7−2)式で示されるジオール類;
【0060】
【化9】
等が挙げられる。
【0061】
酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物、またさらに炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、またはその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのジカルボン酸類が挙げられる。
【0062】
また本発明のポリエステル樹脂は、3価以上の多価カルボン酸もしくは多価アルコールによって架橋されていることが好ましく、架橋成分としては無水トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ペンタエリスリトール、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルが好ましいものとして挙げられる。
【0063】
ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0064】
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0065】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0066】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0067】
また必要に応じて以下に例示するような架橋性モノマーで架橋された重合体であってもよい。
【0068】
芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が挙げられる。
【0069】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0070】
これらの架橋剤は、他のモノマー成分100重量部に対して、0.01〜10重量部(さらに好ましくは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0071】
これらの架橋性モノマーのうち、トナー用樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0072】
本発明ではビニル系共重合体成分及び/又はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分を構成するモノマーとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル類が挙げられる。
【0073】
ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る方法が好ましい。
【0074】
本発明のビニル系共重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート等があげられる。
【0075】
本発明で用いるエステルワックスは、ポリオレフィンワックスや炭化水素系離型剤とは異なり、若干の極性を有している。
【0076】
このために本発明の特別な結着樹脂と組み合せた場合、酢酸エチルに不溶な成分(G)中にポリオレフィン炭化水素系ワックスに比べ、より均一に分散し、その分散状態もより安定化する。また、この均一分散化の効果により、加熱定着される際には、より効率的にトナーを軟化させ、より良好な定着性が得られる。
【0077】
また、本発明の特別な結着樹脂にエステルワックスを組み合せることによりネガ・スリーブゴースト抑制が良好になる。その理由は不明であるが、酢酸エチルに不溶な成分(G)とエステルワックスの極性部分との相互作用により、酢酸エチルに不溶な成分の帯電特性を向上させ、ネガ・スリーブゴーストが改良されるものと推測される。
【0078】
本発明に用いられるエステルワックスとしては、その分子中に少なくとも長鎖のアルキルもしくはアルケニル部分とエステル結合部分を有しているものを指す。
【0079】
炭素数が15から60の、さらに好ましくは、炭素数が20から50のアルキルもしくはアルケニル部分を少なくとも1個以上有しているものが特に好ましい。
【0080】
エステルワックス中に炭素数が15以上のアルキルもしくはアルケニル部分を有しない場合は、エステルワックスの分子量が小さく、トナーが潜像保持体に融着し易くなり、また、保存安定性も低下する。
【0081】
また、エステルワックス中に炭素数が60以下のアルキルもしくはアルケニル部分を有しない場合は、エステルワックス中の極性基と酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が小さくなり、ネガ・スリーブゴースト改良の効果が小さくなる。
【0082】
エステル結合部分については、分子中に1個以上存在すれば良く、2個以上あるものも用いることができる。
【0083】
エステルワックスとしては、合成によって得られた比較的長鎖のアルキルもしくはアルケニルを有するアルコールとカルボン酸、または、天然の比較的長鎖のアルキルもしくはアルケニルを有するアルコール、カルボン酸を原料に縮合反応させることによって得られたエステルワックスを用いることができる。
【0084】
また、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然のエステルワックス成分を含んだワックスを用いることもできる。
【0085】
本発明のトナーに含有されるエステルワックスは、ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度70乃至140℃の領域に吸熱メインピークを有することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の点で好ましい。
【0086】
より好ましくは、エステルワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において温度75〜135℃の領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さらに好ましくは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度80〜130℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0087】
また、本発明に含有されるエステルワックスを含有するトナーの示差走査型熱量計で測定されるDSC曲線において、その吸熱メインピークの半値幅が2.5℃未満であるものが好ましい。吸熱メインピークの半値幅が2.5℃未満である場合、トナーの保存安定性の点でより好ましい。
【0088】
エステルワックスを単独で用いる場合は、結着樹脂100重量部当り、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。
【0089】
また、エステルワックスを併用する場合は、この使用総量を、結着樹脂100重量部当り0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。
【0090】
本発明のトナーでは、ある特定な結着樹脂とエステルワックスとともに、炭化水素ワックス若しくは石油系ワックスを含有することが好ましい。これらワックスの存在により、定着器で発生する加圧ローラー汚れが改良される。本発明者は、加圧ローラー汚れ現象について鋭意検討したところ、この現象は、単にオフセットするトナーの量に依存するものではなく、加圧ローラーとの付着性・離型性が、重要な因子であることがわかった。
【0091】
本発明者らは、この付着性・離型性という点に着目し、さらに検討を進めた結果、本発明の特定の結着樹脂及びエステルワックス、さらに炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスを組み合わせることにより、加圧ローラー汚れが改良できることを見い出した。
【0092】
本発明のトナーにおいて、酢酸エチルに不溶な成分(G)が、トナーに含有される結着樹脂100重量部に対して2重量部未満となる場合には、加圧ローラー汚れの改良効果は得られない。
【0093】
またポリエステル樹脂成分(Gp)が酢酸エチルに不溶な成分(G)に対して40重量%未満及び98重量%超となる場合、更にポリエステル樹脂成分(Sp)が酢酸エチルに溶解する成分(S)に対して20重量%未満となる場合にも、加圧ローラー汚れの改良効果は得られない。
【0094】
極性をほとんど有しない炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスは、本発明の結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分(G)に主に分散する。
【0095】
これらワックスは本発明のトナーに若干の極性を有するエステルワックスとの相互作用により、酢酸エチルに不溶な成分(G)における、その存在の様態が従来になかった様な状態になり、加圧ローラーに対する離型性が向上する。これにより、加圧ローラー汚れが改良されるものと考えている。
【0096】
本発明に含有される炭化水素ワックスとしては、具体的には例えばエチレンやプロピレン等のアルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワックスが用いられる。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸着の利用や分別結晶方式により分別を行ったものが、より好ましく用いられる。
【0097】
また、石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油より分離されたワックスが使用される。
【0098】
本発明における炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、実質的に官能基を有しない。実質的とは、官能基の数が1分子あたり0.1個以下であるものを指す。
【0099】
本発明において使用される炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスは、ワックスを含有するトナーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有することが、トナーの低温定着性,耐オフセット性及び加圧ローラー汚れ防止の点で好ましい。
【0100】
より好ましくは、炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において温度80〜135℃の領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さらに好ましくは、ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度90〜130℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット性,加圧ローラー汚れ防止及び耐オフセット性の点で好ましい。
【0101】
また、炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、GPCで測定したその分子量分布から求めた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.0〜3.0であるものが好ましい。炭化水素ワックス及び石油系ワックスがこの範囲を満たす場合、加圧ローラー汚れの効果がより大きい。
【0102】
本発明において用いられる炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスの含有量(Y)としては、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用するものが好ましい。また、エステルワックスの含有量(X)と炭化水素ワックスもしくは石油系ワックスの含有量(Y)は、下記条件
X/Y=0.02〜50
を満たしていることが好ましい。
【0103】
X/Yが0.02未満及び50を超える場合は、加圧ローラー汚れの改良の効果が小さくなってしまう。
【0104】
本発明のトナーは、その帯電性をさらに安定化させるために必要に応じて荷電制御剤を用いても良い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部使用するのが好ましい。
【0105】
荷電制御剤としは、以下のものが挙げられる。例えば有機金属錯体、キレート化合物、有機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0106】
本発明のトナーを磁性トナーとして用いる場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0107】
具体的には、磁性材料としては、四三酸化鉄(Fe3O4)、γ−三二酸化鉄(γ−Fe2O3)、酸化鉄亜鉛(ZnFe2O4)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5O12)、酸化鉄カドミウム(CdFe2O4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuFe2O4)、酸化鉄鉛(PbFe12O19)、酸化鉄ニッケル(NiFe2O4)、酸化鉄ネオジム(NdFe2O3)、酸化鉄バリウム(BaFe12O19)、酸化鉄マグネシウム(MgFe2O4)、酸化鉄マンガン(MnFe2O4)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。上述した磁性材料は単独で或いは2種以上組み合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0108】
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm(より好ましくは0.1〜0.5μm)で、10kエルステッド印加での磁気特性が抗磁力20〜150エルステッド、飽和磁化50〜200emu/g(好ましくは50〜100emu/g)、残留磁化2〜20emu/gのものが好ましい。
【0109】
結着樹脂100重量部に対して、磁性体10〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用するのが良い。
【0110】
本発明のトナーは、磁性酸化鉄を含む磁性トナーであることが好ましく、さらには球形度(Ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄を使用することが好ましい。球形度(Ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄がトナー中に存在することで、磁性酸化鉄がトナー粒子表面に適度に露出し易くなり、トナーの帯電性が安定し、ネガ・スリーブゴーストの改良に効果があると考えられる。
【0111】
また、本発明で使用する磁性酸化鉄はケイ素元素を含有することが好ましく、さらには磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であることが、より好ましい。磁性酸化鉄がケイ素元素を含有し、さらに好ましくは上記の条件を満たすように存在することで、よりネガ・スリーブゴーストの改良に効果がある。
【0112】
本発明に係るケイ素元素を有する磁性酸化鉄粒子は、例えば下記方法で製造される。
【0113】
第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物添加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸化ナトリウムのごときアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以上(好ましくは8〜10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
【0114】
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させることが好ましい。
【0115】
添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケイ酸等のケイ酸が例示される。なお本発明に悪影響を与えない限り、硫酸アルミ、アルミナ等のその他の添加剤を加えても良い。
【0116】
第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、さらに塩化鉄等可能である。
【0117】
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法は、一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと及び硫酸鉄の溶解度から、鉄濃度0.5〜2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また反応に際しては空気量が多いほど、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
【0118】
上述の製造方法によりケイ酸成分を有する磁性酸化鉄粒子を生成し、その磁性酸化鉄粒子をトナーに使用することが好ましい。
【0119】
磁性酸化鉄の球形度の測定は以下のようにして行う。磁性酸化鉄の電子顕微鏡写真を用いてランダムに100個以上の磁性酸化鉄粒子を選び、各粒子の最小長と最大長の比を求め、次いで各計算値を平均したものとする。
【0120】
球形度(Ψ)=最小長(μm)/最大長(μm)
【0121】
本発明において、磁性酸化鉄粒子表面のケイ素元素の含有量Cは、次のような方法によって求めることが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄粒子約25gを約300mlの脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と共に5リットルビーカー中に加える。
【0122】
次いで温度を約60℃,撹拌スピードを約200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを加え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化鉄粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始する。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によってケイ素元素の定量を行う。
【0123】
ケイ素元素の含有量Cは、水酸化ナトリウム水溶液中の磁性酸化鉄の単位重量当たりのケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。
【0124】
本発明において、磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有率(鉄元素を基準とする)及び鉄元素の溶解率及びケイ素元素の含有量A及びBは、次のような方法によって求めることが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45〜50℃になるようにウォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約300mlの脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水とともに5リットルビーカー中に加える。
【0125】
次いで温度を約50℃,撹拌スピードを約200rpmに保ちながら特級塩酸を加え、溶解を開始する。このとき、磁性酸化鉄濃度は約5g/リットル、塩酸水溶液は約3規定となっている。溶解開始から、全て溶解して透明になるまでの間に数回約20mlサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によって、鉄元素及びケイ素元素の定量を行う。
【0126】
次式によって各サンプルごとの鉄元素溶解率が計算される。
【0127】
【数1】
【0128】
各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び含有量は、次式によって計算される。
【0129】
【数2】
【0130】
磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の全含有量Aは、全て溶解した後の磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。
【0131】
磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有量Bは、磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%の場合に、検出される磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%という状態は、磁性酸化鉄の表面付近のみが塩酸により溶解した状態であり、この時のケイ素元素の含有量Bは磁性酸化鉄の表面近くに存在しているケイ素元素の量を表している。
【0132】
含有率A、B及びCを測定する方法としては、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分けて、ケイ素元素の含有率及び含有量A及びBを測定する一方で、含有量Cを別途測定する方法と、(2)磁性酸化鉄の試料の含有量Cを測定し、測定後の試料を使用して次いで含有量B’(含有量Bから含有量Cを引いた量)および含有量A’(含有量Aから含有量Cを引いた量)を測定し、最終的に含有量A及びBを算出する方法等が挙げられる。
【0133】
磁性酸化鉄の他に、着色剤としては、カーボンブラック,チタンホワイトやその他の顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0134】
本発明のトナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0135】
上記顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0136】
シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料である。
【0137】
【化10】
【0138】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0139】
非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜50重量部である。
【0140】
本発明のトナーに流動性向上剤を添加しても良い。流動性向上剤は、トナーに添加することにより、流動性が添加前後を比較すると向上し得るものである。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理アルミナがある。
【0141】
本発明のトナーでは、疎水化処理されたシリカを含有することが好ましく、さらにシリカはカップリング剤で処理されていることが好ましく、シリコーンオイルで処理されていることが、より好ましい。このようなシリカを含有することで帯電の立ち上がりや安定性が良好になり、ネガ・スリーブゴーストが改良される。
【0142】
本発明で用いられるシリカとしては、例えば、硅素ハロゲン化物の上記相酸化により生成されたいわゆる乾式法又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガラスから製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 −等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ましい。乾式シリカにおいては、製造工程において、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン、他の金属ハロゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、本発明においては、それらも包含する。
【0143】
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。
【0144】
シランカップリング剤としては、例えばヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び、1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチルポリシロキサンが挙げられる。
【0145】
窒素原子を有するアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
【0146】
本発明で用いる好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜1000cSt、好ましくは1〜1000cSt、さらに好ましくは10〜200cStのものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリコーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能である。
【0147】
シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
【0148】
本発明においては、シリカを予め、カップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイルを同時に処理する方法によって処理されたシリカが好ましい。
【0149】
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー100重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0150】
本発明のトナーを作製するには結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができる。
【0151】
本発明のトナーは、重量平均粒径が3乃至9μm(より好ましくは、3〜8μm)を有することが解像性,画像濃度の点で好ましく、小粒径トナーであっても良好に加熱加圧定着され得る。
【0152】
さらに、本発明において、トナーの体積平均粒径(DV)が2.5μm以上の場合には、画像濃度の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また6.0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性が向上することから、トナーの体積平均粒径(DV)は2.5乃至6.0μmであることが好ましい。
【0153】
さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができる。
【0154】
本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及びその他の物性の測定方法を以下に示す。
【0155】
(1)トナーの酢酸エチル不溶成分の定量とNMR測定試料の調製
トナー4gを精秤して500mlのビーカーにいれ酢酸エチル300mlを加え、室温でマグネチックスターラーを用いて約5時間撹拌する。1時間程静置した後に、慎重に沈殿物と酢酸エチル溶液をデカンテーションにより分離する。少量の酢酸エチルで沈殿物を洗浄した後に、酢酸エチルを蒸発乾固して溶解した樹脂成分を定量することにより酢酸エチル不溶樹脂成分を定量する。
【0156】
ビーカーに残った酢酸エチルに不溶な沈殿物は、ビーカーに200mlのクロロホルムを加え、室温でマグネチックスターラーを用いて約2時間半撹拌する。1時間程静置した後に、慎重に浮遊物(不溶成分)と沈殿している着色剤(磁性体)をデカンテーションにより分離して、クロロホルムを蒸発乾固する。以上の操作により、酢酸エチルに不溶な成分の定量とNMR測定試料を得ることができる。
【0157】
(2)酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分のNMR測定
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
データポイント:32768
遅延時間:25sec.
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :16回
測定温度 :40℃
試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.05%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0158】
(3)ワックスの融点測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0159】
測定試料は2〜10mg、好ましくは5mgを精密に秤量する。
【0160】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
【0161】
この昇温過程で、温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0162】
この吸熱メインピークの温度をもってワックスの融点及びピークの半値幅を求める。
【0163】
(4)トナーのDSC曲線の測定
上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温過程におけるDSC曲線を測定する。
【0164】
(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定
示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0165】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。
【0166】
これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。
【0167】
この昇温過程で、温度40〜200℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0168】
このときの吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0169】
(6)ワックスの分子量分布の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0170】
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0171】
(7)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂の分子量分布の測定
GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定される。
【0172】
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μmフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×104 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×105 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0173】
カラムとしては、103 〜2×106 の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103 ,104 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex KA−801,802,803,804,805,806,807の組合せが好ましい。
【0174】
(8)分子量分布の測定(長鎖アルキル化合物)
(GPC測定条件)装置 GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0175】
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算することによって算出される。
【0176】
(9)酸価・OH価の測定
a)酸価について
試料を精秤し、混合溶媒に溶かし水を加える。この液をガラス電極を用いて0.1N−NaOHで電位差滴定を行い酸価を求める。(JIS K1557−1970に準ずる)
【0177】
b)OH価(水酸基価)について
試料を100mlのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後100℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするために再びフラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤でフラスコの壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いてN/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴定を行いOH価を求める(JIS K0070−1966に準ずる)
【0178】
(10)結着樹脂の13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:100.40MHz
パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による
データポイント:32768
遅延時間 :25sec.
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :10000回
測定温度 :110℃
試料 :測定試料200mgをφ10mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0179】
(11)粒度分布の測定
本発明のトナーの粒度分布の測定は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用いる。電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
【0180】
それから、本発明に係る体積分布から求めた重量基準の重量平均粒径(D4)及び体積平均粒径(DV)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0181】
本発明のトナーを用いる画像形成方法の現像工程について詳しく説明をする。
【0182】
本発明のトナーを用いる現像方法には、磁性トナーを用いる方法と非磁性トナーを用いる方法がある。
【0183】
まず、磁性トナーを用いる方法から説明する。
【0184】
図1において、トナー担持体102の略右半周面はトナー容器106内のトナー溜りに常時接触していて、そのトナー担持体表面近傍のトナーがトナー担持体表面にトナー担持体内の磁気発生手段103の磁力で及び/又は静電気力により付着保持される。トナー担持体102が回転駆動されるとそのトナー担持体表面の磁性トナー層がトナー規制部材104の位置を通過する過程で各部均一の厚さの薄層T1として整層化される。磁性トナーの帯電は主としてトナー担持体102の回転に伴なうトナー担持体表面とその近傍のトナー溜りの磁性トナーとの摩擦接触によりなされ、トナー担持体102上の上記磁性トナー薄層面はトナー担持体の回転に伴ない感光体101側へ回転し、感光体101とトナー担持体102の最接近部である現像領域部Aを通過する。この通過過程でトナー担持体102表面側の磁性トナー薄層の磁性トナーが感光体101とトナー担持体102間に印加した直流と交流電圧による直流と交流電界により飛翔し、現像領域部Aの感光体101表面と、トナー担持体102面との間(間隙α)を往復運動する。最終的にはトナー担持体102側の磁性トナーが感光体101表面の表面に潜像の電位パターンに応じて選択的に移行付着してトナー像T2が順次に形成される。
【0185】
現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選択的に消費されたトナー担持体表面はトナー容器106のトナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給を受け、現像領域部Aへトナー担持体102の磁性トナー薄層T1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0186】
本発明の画像形成方法に用いられるトナー規制部材は、トナー担持体表面にトナー規制部材が当接する形態である場合に、画像濃度,「ネガ・スリーブゴースト」が良好である。
【0187】
トナー規制部材がトナー担持体表面に当接する形態のトナー規制の場合、本発明のトナーにおいては、トナーの帯電特性をさらに向上し、画像濃度,「ネガ・スリーブゴースト」がさらに良好になると考えている。
【0188】
トナー規制部材としては、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチレンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であっても使用できる。好ましくは、ゴム弾性体が良い。
【0189】
また、トナー規制部材の材質は、トナー担持体上のトナーの帯電に大きく関与する。そのため、弾性体中に、有機物,無機物を添加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、界面活性剤などがある。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体に、トナーの帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸化物、金属などの物質をトナー担持体当接部分に当たるようにつけたものを用いても良い。弾性体、トナー担持体に耐久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴムをトナー担持体当接部に当たるように貼り合わせるものが好ましい。
【0190】
トナーが負帯電性である場合には、ウレタンゴム,シリコーンゴム,ウレタン樹脂,ポリアミド樹脂,ナイロン樹脂等の正極性に帯電しやすいものが好ましい。トナーが正帯電性である場合には、ウレタンゴム,ウレタン樹脂の他、シリコーンゴム,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,フッ素系樹脂,ポリイミド樹脂等の負極性に帯電しやすいものが好ましい。
【0191】
トナー担持体当接部分が樹脂、ゴム等の成型体の場合はトナーの帯電性を調整するためにその中に、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物、カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御剤等を含有させることも好ましい。
【0192】
トナー規制部材上辺部側である基部はトナー容器側に固定保持され、下辺部側をトナー規制部材の弾性に抗してトナー担持体の順方向或いは逆方向にたわめ状態にしてトナー担持体表面に適度の弾性押圧をもって当接させる。画像形成装置の例を図2及び3に示す。
【0193】
トナー規制部材とトナー担持体との当接圧力は、トナー担持体母線方向の線圧として、0.98N/m(1g/cm)以上、好ましくは1.27〜245N/m(3〜250g/cm)、更に好ましくは4.9〜118N/m(5〜120g/cm)が有効である。当接圧力が0.98N/m(1g/cm)より小さい場合、トナーの均一塗布が困難となり、カブリや飛散の原因となる。また当接圧力が245N/m(250g/cm)を超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナーの劣化が起こりやすくなり好ましくない。
【0194】
感光体とトナー担持体との間隙αは、例えば50〜500μmに設定されることが好ましい。
【0195】
トナー担持体上の磁性トナー層の層厚は、感光体とトナー担持体との間隙αよりも小さくすることが好ましいが、トナー層の一部が感光体表面に接触するような形態でも使用可能である。
【0196】
また、本発明においてはトナー担持体と感光体の間には、交流成分を含む電界が印加される形態が好ましい。また、トナー担持体と感光体の間の交流成分の両者の最近接部での電界のピーク トゥ ピークの大きさ(Vpp)は2〜8MV/m以上であることが好ましい。また、交流バイアスの周波数は1.0kHz〜5.0kHz、好ましくは1.5kHz〜3.0kHzで用いられる。交流バイアスの波形は、矩形波,サイン波,鋸波,三角波等の波形が適用できる。また、正/逆の電圧のかかる時間の異なる非対称の交流バイアスも利用できる。
【0197】
本発明において、トナー担持体は、金属,セラミックスなどの材質のものが用いられるが、アルミニウム,SUSなどが、トナーへの帯電性から好ましい。トナー担持体は引き抜きあるいは切削したままでも用いられることができるが、トナーの搬送性、摩擦帯電付与性を制御するため、研磨したり、周方向あるいは長手方向に粗しを入れたり、ブラスト処理を施したり、コーティングなどが行われる。本発明においては、ブラスト処理を施すことも良く、定形粒子、不定形粒子がブラスト剤として用いられ、各々単独及び併用されて用いられ、重ね打ちしたものも利用できる。
【0198】
トナー担持体表面に導電性微粒子を含有する被覆層が形成されている形態も利用することができる。
【0199】
トナー担持体表面を被覆する樹脂層に含有される導電性微粒子としては、カーボンブラック,グラファイト,導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化物及び金属複酸化物などが単独もしくは2つ以上好ましく用いられる。また、該導電性微粒子が分散される樹脂としては、フェノール系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,ポリオレフィン系樹脂,シリコーン系樹脂,フッ素系樹脂,スチレン系樹脂,アクリル系樹脂など公知の樹脂が用いられる。特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好ましい。
【0200】
次に非磁性のトナーを用いる現像を行なう場合の一例を示す。
【0201】
図4に、感光体上に形成された静電像を現像する装置を示す。401は感光体であり、潜像形成は図示しない電子写真プロセス手段又は静電記録手段により成される。402はトナー担持体であり、アルミニウムあるいはステンレス等からなる非磁性のスリーブからなる。
【0202】
トナー担持体はアルミニウム,ステンレスの粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面をガラスビーズ等を吹きつけて均一に荒したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂等でコートしたものがよく、磁性トナーの現像方法に使用されるものに準ずる。
【0203】
トナー406はトナー容器403に貯蔵されており、供給ローラー404によってトナー担持体上へ供給される。供給ローラーはポリウレタンフォーム等の発泡材より成っており、トナー担持体に対して、順または逆方向に0でない相対速度をもって回転し、トナー供給とともに、トナー担持体上の現像後のトナー(未現像トナー)のはぎ取りも行っている。トナー担持体上に供給されたトナーはトナー塗布ブレード605によって均一かつ薄層に塗布される。
【0204】
また、ブレードの材質,当接手段,トナー担持体の材質,感光体とトナー担持体との距離,トナー担持体に印加するバイアス等は、磁性トナーの現像方法のそれに準じる。
【0205】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0206】
本発明の重合体の製造:
(製造例1)
(a)低架橋度ポリエステル樹脂組成物の製造
【0207】
上記原料をエステル化触媒と共にオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、温度計及び撹拌装置を付し、常法に従って、210℃で縮重合反応を行ない低架橋度ポリエステル樹脂を得た。
【0208】
ここで得られたポリエステル樹脂70重量部をキシレン100重量部に完全に溶解後、スチレン23重量部、2−エチルヘキシルアクリレート6重量部、アクリル酸1重量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド1重量部をキシレン30重量部に溶解したものを、窒素雰囲気下約110℃の温度で、約1時間かけて滴下した。その温度で6時間保持してラジカル重合反応を終了し、脱溶剤することによりポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及びこれらが化学的に反応した樹脂を含む樹脂組成物(A)を得た。
【0209】
(b)高架橋度ポリエステル樹脂組成物の製造
次に、以下に示すモノマーを用いた以外は同様に縮重合反応を行ない、高度に架橋したポリエステル樹脂(B)を得た。
【0210】
(c)結着樹脂の製造
得られた高度に架橋したポリエステル樹脂(B)27重量部及び樹脂組成物(A)70重量部をキシレン200重量部に膨潤・溶解後、スチレン2重量部、2−エチルヘキシルアクリレート0.8重量部、アクリル酸0.2重量部、ジビニルベンゼン0.01重量部及び上記の重合開始剤を0.05重量部溶解したものを窒素雰囲気下、約125℃の温度で、約1時間かけて滴下した。その温度を5時間保持し、脱溶剤することにより高度に架橋されたポリエステル樹脂、若干架橋したポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及びこれらが化学的に反応した樹脂からなる本発明の結着樹脂(1)を得た。
【0211】
本発明の結着樹脂(1)において、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂組成物とが化学的に反応していることは13C−NMRにより検証することができる。
【0212】
一般的にスチレンと共重合したアクリル酸エステルのエステル基の13C−NMRにより測定されるシグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよりスチレンのベンゼン環の影響により高磁場側へ数ppmシフトする現象が知られている。この現象はエステル基としてポリエステル樹脂組成物が存在する場合も同様である。ここでは、トリメリット酸のカルボキシル基の炭素に注目した。
【0213】
低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NMR測定結果を図5に、低架橋度ポリエステル樹脂組成物と反応したのと同じ組成のスチレンと2−エチルヘキシルアクリレートの測定結果を図6に、本発明の結着樹脂(1)の13C−NMR測定結果を図7に示す。
【0214】
各々の樹脂組成物の測定結果を表1に示す。
【0215】
【表1】
【0216】
(製造例2〜6)
モノマーの種類及び組成を表2、3及び6の様にかえて本発明の結着樹脂(2)〜(6)を得た。
【0217】
(比較製造例1〜6)
モノマーの種類及び組成を表4〜6の様にかえて比較用結着樹脂(1)〜(6)を得た。
【0218】
(磁性酸化鉄の製造例1)
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が1.5重量%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0219】
水溶液のpHを7〜10(例えばpH9)に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。ついでこのスラリー液に当初のアルカリ量(ケイ酸ソーダのナトリウム成分及び苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液のpH6〜10(例えばpH8)に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸化反応の終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケイ酸成分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集しているものを解砕処理し、磁性酸化鉄(1)を得た。
【0220】
(磁性酸化鉄の製造例2)
ケイ酸ソーダを添加しない以外は、磁性酸化鉄製造例1と同様にして磁性酸化鉄(2)を得た。
【0221】
(磁性酸化鉄の製造例3)
磁性酸化鉄粒子1に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が3.5重量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄(3)を得た。
【0222】
(磁性酸化鉄の製造例4)
磁性酸化鉄粒子2に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.6重量%となるようにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄(4)を得た。
【0223】
(磁性酸化鉄の製造例5)
鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.8重量%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、表面にケイ素元素が存在しないような条件にて磁性酸化鉄(5)を得た。
【0224】
(磁性酸化鉄の製造例6)
ケイ酸ソーダを添加せず、また温度やpHを変更することで、八面体(球形度Ψ=0.67)の磁性酸化鉄(6)を得た。
【0225】
磁性酸化鉄1〜6の物性値を表7に示す。
【0226】
[実施例1]
・本発明の結着樹脂(1) 100重量部
・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部
・磁性酸化鉄(1) 100重量部
・表10に示されているエステルワックス▲1▼ 5重量部
・表11に示されているポリエチレンワックス▲1▼ 2重量部
【0227】
上記混合物を、130℃に加熱された二軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハンマーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平均径6.7μm,体積平均粒径5.8μmの磁性トナーを得た。
【0228】
このトナーの結着樹脂100重量部に対する酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在するワックスを除いた樹脂組成物は16重量部であった。さらにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分及び溶解する結着樹脂成分に含有されるポリエステル樹脂成分Gp、Spを定量したところ、Gp=約88重量%、Sp=約63重量%であり、比(Sp/Gp)=0.72であり、式(1−3)で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含有されていた。
【0229】
なお、酢酸エチルに不溶な成分に含有されるワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワックスの約72重量%が存在していることがわかった。
【0230】
(画像特性の評価)
この磁性トナー100重量部に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理した疎水性乾式シリカ(BET=100m2/g)1.2重量部をヘンシェルミキサーにて外添添加してトナーとした。
【0231】
このトナーを用いて、現像器のトナー規制部材がトナー担持体に当接する形態になっているキヤノン製プリンターLBP−450で画出し耐久試験を行い、その画像濃度を耐久試験前と後について調べた。画出し耐久試験は5,000枚まで行った。結果を表12に示した。
【0232】
(定着性の評価)
キヤノン製プリンターLBP430の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付けた定着試験装置にて定着器の温度を120℃及び200℃に変えて、ハーフトーン画像を通紙して、定着させた。定着温度を120℃にした試験では、その画像を4900N/m2の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率(%)で評価した。また定着温度を200℃にした試験では、転写紙を目視で観察し、ホットオフセットの発生を調べた。以下のような基準により評価し、評価結果を表12に示した。
A:ホットオフセット未発生
B:軽微なホットオフセット発生
C:明らかなホットオフセット発生
【0233】
(ネガ・スリーブゴーストの評価)
キヤノン製プリンターLBP−450にて図8に示すような、トナー担持体1周分ブロック状のベタ黒画像があり、その下にハーフトーンの全面ベタが続く画像をプリントし、その際のネガスリーブゴーストの画像濃度差をもって評価した。具体的には図8におけるBの領域の画像濃度からAの領域の画像濃度を差し引いた値である。その評価結果を表12に示す。
【0234】
(加圧ローラー汚れ)
キヤノン製プリンターLBP−430の定着器の温度設定を170℃に変更して10万枚のプリント耐久を行い、定着機の加圧ローラー上の汚れを目視で観察し、加圧ローラー汚れを以下の評価基準により評価した。その評価結果を表12に示す。
A:汚れ全くなし
B:軽微な汚れ発生
C:汚れ発生
【0235】
(耐ブロッキング性の評価)
トナー50gを容量が100mlの容器に入れ、50℃の環境で7日間放置し、その後に、目視でトナーの流動性を確認し、以下のような基準で評価した。評価結果を表12に示す。
A:トナーの流動性に変化なし
B:若干の凝集物あり
【0236】
[実施例2〜6]
結着樹脂(1)の代わりに、結着樹脂(2)〜(6)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0237】
[実施例7〜10]
エステルワックス▲1▼の代わりに、表10に示すエステルワックス▲2▼〜▲5▼を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0238】
[実施例11]
ポリエチレンワックス▲1▼の代わりに、表11に示すポリエチレンワックス▲2▼を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0239】
[実施例12]
ポリエチレンワックス▲1▼の代わりに、表11に示すポリエチレンワックス▲3▼を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0240】
[実施例13]
ポリエチレンワックス▲1▼の代わりに、表11に示すアーゲ法で合成した炭化水素ワックス▲1▼を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0241】
[実施例14]
ポリエチレンワックス▲1▼の代わりに、表11に示すポリプロピレンワックス▲1▼を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0242】
[実施例15〜19]
磁性酸化鉄1の代わりに、表7に示す磁性酸化鉄2〜6を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0243】
[実施例20]
ジメチルシリコーンオイルで処理した疎水性乾式シリカの代わりに、ヘキサジメチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ(BET:180m2/g)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0244】
[実施例21]
ポリエチレンワックス▲1▼を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表8に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表12に示す。
【0245】
[比較例1〜6]
結着樹脂1の代わりに比較用結着樹脂(1)〜(6)を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表9に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表13に示す。
【0246】
[比較例7]
ポリエステルワックス▲1▼及びポリエチレンワックス▲1▼の代わりに、表11のポリプロピレンワックス▲1▼を7重量部のみ用いた以外は実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの酢酸エチル可溶分及び不溶分の分析結果を表9に、また実施例1と同様に評価を行った結果を表13に示す。
【0247】
【表2】
【0248】
【表3】
【0249】
【表4】
【0250】
【表5】
【0251】
【表6】
【0252】
【表7】
【0253】
【表8】
【0254】
【表9】
【0255】
【表10】
【0256】
【表11】
【0257】
【表12】
【0258】
【表13】
【0259】
【発明の効果】
本発明のトナー及びトナーを用いた画像形成方法は、エステルワックスが結着樹脂中に均一に分散されており、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブロッキング性、多数枚耐久性及びネガ・スリーブゴーストが生じ難いという点等に優れているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を示す。
【図2】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一部拡大図を示す。
【図3】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一部拡大図を示す。
【図4】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成装置の一例を示す。
【図5】低架橋度ポリエステル樹脂組成物のNMRスペクトルを示す。
【図6】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共重合体のNMRスペクトルを示す。
【図7】本発明の結着樹脂(1)のNMRスペクトルを示す。
【図8】ネガ・スリーブゴーストの試験例を示す。
【符号の説明】
101 潜像保持体
102 トナー担持体
103 磁気発生手段
104 トナー規制部材
105 撹拌部材
106 トナー容器
Claims (58)
- 少なくとも着色剤、結着樹脂及びエステルワックスを含有するトナーにおいて、
該結着樹脂が、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂との反応生成物を少なくとも含み、
該反応生成物は、 13 C−NMR測定において少なくとも約168ppmにシグナルを有し、
該結着樹脂において、
(a)該結着樹脂は、該結着樹脂100重量部に対して、酢酸エチルに不溶な成分(G)を2乃至60重量部及び酢酸エチルに溶解する成分(S)を40乃至98重量部含有し、
(b)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量が40乃至98重量%であり、かつ
(c)該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20乃至90重量%であり、
(d)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.5乃至1であることを特徴とするトナー。 - 該トナーは、炭化水素ワックスを含有することを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で5乃至50重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で10乃至40重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で15乃至35重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)は、ポリエステル樹脂成分(Gp)を50乃至95重量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)は、ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
- 該酢酸エチルに溶解する成分(S)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
- 該酢酸エチルに溶解する成分(S)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重量%含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.6乃至0.95であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.65乃至0.9であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
- 該エステルワックスは、炭素数15以上のアルキル部分を少なくとも1個以上有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のトナー。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が75乃至135℃であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が80乃至130℃であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のトナー。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピークの半値幅が2.5℃未満であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のトナー。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項2乃至16のいずれかに記載のトナー。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求項2乃至16のいずれかに記載のトナー。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が90乃至130℃であることを特徴とする請求項2乃至16のいずれかに記載のトナー。
- 該炭化水素ワックスのMw/Mnが1〜3であることを特徴とする請求項2乃至19のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナーであることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のトナー。
- 該磁性酸化鉄の球形度(Ψ)が0.8以上であることを特徴とする請求項21に記載のトナー。
- 該磁性酸化鉄がケイ素元素を含有することを特徴とする請求項21又は22に記載のトナー。
- 該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.1〜10重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜100%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜95%であることを特徴とする請求項23に記載のトナー。
- 該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であることを特徴とする請求項23に記載のトナー。
- 該トナーが疎水化処理されたシリカを含有することを特徴とする請求項1乃至25のいずれかに記載のトナー。
- 該シリカがシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項26に記載のトナー。
- 該トナーは重量平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載のトナー。
- 該トナーは体積平均粒径が2.5〜6.0μmであることを特徴とする請求項1乃至28のいずれかに記載のトナー。
- 外部より電圧を印加した帯電装置により帯電を行なう帯電工程;帯電した潜像保持体に静電荷像を形成する工程;該潜像保持体上に形成された静電荷潜像を、トナー担持体上に形成されるトナー層の層厚を規制するためのトナー層厚規制部材によって層厚が規制された該トナー担持体上のトナー層により、現像して画像を形成する現像工程を少なくとも有する画像形成方法において、
該トナー層厚規制部材は、該トナー担持体の表面にトナー層を介して圧接して、該トナー担持体上に形成されるトナー層の層厚を規制するものであり、
該トナーは、少なくとも着色剤、結着樹脂及びエステルワックスを含有するトナーであって、
該結着樹脂が、ビニル系共重合体とポリエステル樹脂との反応生成物を少なくとも含み、
該反応生成物は、 13 C−NMR測定において少なくとも約168ppmにシグナルを有し、
該結着樹脂において、
(a)該結着樹脂は、該結着樹脂100重量部に対して、酢酸エチルに不溶な成分(G)を2乃至60重量部及び酢酸エチルに溶解する成分(S)を40乃至98重量部含有し、
(b)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量が40乃至98重量%含有するものであり、かつ
(c)該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20乃至90重量%であり、かつ
(d)該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量の比(Sp/Gp)が0.5乃至1であることを特徴とする画像形成方法。 - 該トナーは、炭化水素ワックスを含有することを特徴とする請求項30に記載の画像形成方法。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で5乃至50重量%含有することを特徴とする請求項30又は31に記載の画像形成方法。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で10乃至40重量%含有することを特徴とする請求項30又は31に記載の画像形成方法。
- 該結着樹脂は、酢酸エチルに不溶な成分(G)を結着樹脂の重量基準で15乃至35重量%含有することを特徴とする請求項30又は31に記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)は、ポリエステル樹脂成分(Gp)を50乃至95重量%含有することを特徴とする請求項30乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)は、ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含有することを特徴とする請求項30乃至34のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに溶解する成分(S)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%含有することを特徴とする請求項30乃至36のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに溶解する成分(S)は、ポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重量%含有することを特徴とする請求項30乃至36のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.6乃至0.95であることを特徴とする請求項30乃至38のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該酢酸エチルに不溶な成分(G)中のポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と該酢酸エチルに溶解する成分(S)中のポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との比(Sp/Gp)が0.65乃至0.9であることを特徴とする請求項30乃至38のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該エステルワックスは、炭素数15以上のアルキル部分を少なくとも1個以上有していることを特徴とする請求項30乃至40のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項30乃至41のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が75乃至135℃であることを特徴とする請求項30乃至41のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が80乃至130℃であることを特徴とする請求項30乃至41のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該エステルワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピークの半値幅が2.5℃未満であることを特徴とする請求項30乃至44のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求項31乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求項31乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該炭化水素ワックスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定される融点が90乃至130℃であることを特徴とする請求項31乃至45のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該炭化水素ワックスのMw/Mnが1〜3であることを特徴とする請求項31乃至48のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナーであることを特徴とする請求項30乃至49のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄の球形度(Ψ)が0.8以上であることを特徴とする請求項50に記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄がケイ素元素を含有することを特徴とする請求項50又は51に記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.1〜10重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜100%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜95%であることを特徴とする請求項52に記載の画像形成方法。
- 該磁性酸化鉄のケイ素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であることを特徴とする請求項52に記載の画像形成方法。
- 該トナーが疎水化処理されたシリカを含有することを特徴とする請求項30乃至54のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該シリカがシリコーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項55に記載の画像形成方法。
- 該トナーは重量平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項30乃至56のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーは体積平均粒径が2.5〜6.0μmであることを特徴とする請求項30乃至57のいずれかに記載の画像形成方法。
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