JP3258858B2 - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP3258858B2
JP3258858B2 JP14423395A JP14423395A JP3258858B2 JP 3258858 B2 JP3258858 B2 JP 3258858B2 JP 14423395 A JP14423395 A JP 14423395A JP 14423395 A JP14423395 A JP 14423395A JP 3258858 B2 JP3258858 B2 JP 3258858B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、磁気記録法等に用いられる磁性トナーを用いた画像
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該
潜像をトナーにより現像して可視像とし、必要に応じて
紙等の被転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等に
より被転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るも
のである。近年、上記の電子写真法を用いた機器は、従
来の複写機以外にプリンターやファクシミリ等多数にな
ってきている。特にプリンターやファクシミリでは、複
写装置部分を小さくする必要がある為、一成分トナーを
用いた現像装置が使用されることが多い。一成分現像方
式には、二成分方式の様にガラスビーズや鉄粉等のキャ
リア粒子が不要な為、現像装置自体を小型化・軽量化す
ることが出来るという利点がある。更に、二成分現像方
式では、現像剤中のトナー濃度を一定に保つ必要がある
為、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置
が必要であり、これによっても現像装置が大きく重くな
るが、一成分現像方式ではこの様な装置は必要でない
為、装置をやはり小さく軽くすることが出来る。
【0003】又、プリンター装置は、LEDやLBPプ
リンターが最近の市場の主流になっており、技術の方向
としてより高解像度、即ち、従来、240、300dp
iであったものが400、600、800dpiとなっ
て来ている。従って、現像方式もこれに伴ってより高精
細であることが要求されてきている。複写機においても
高機能化が進んでおり、そのためデジタル化の方向に進
みつつある。この方向は、静電荷像をレーザーで形成す
る方法が主である為、やはり高解像度の方向に進んでお
り、ここでもプリンターと同様に、高解像・高精細の現
像方式が要求されてきている。この為、トナーの微粒径
化が進んでおり、特開平1−112253号公報、特開
平1−191156号公報、特開平2−214156号
公報、特開平2−284158号公報、特開平3−18
1952号公報及び特開平4−162048号公報等で
は、特定の粒度分布を有する粒径の小さいトナーが提案
されている。
【0004】更に、複写機においては、より高速、安定
化の方向が常に望まれているが、特に、中速機や高速機
等においては2成分現像方式が主流となっている。これ
は、この様にある程度大きな機械になると現像装置の大
きさや重さの問題より、高速での長期使用に対しての安
定性が最重要点となるからである。一般に、2成分現像
剤用のトナーは、カーボンブラック等により着色し、他
は殆どポリマーからなっている。この為、トナー粒子は
軽く、又、静電気力以外にキャリア粒子に付着する力が
なく、特に高速での現像においては現像剤の飛散を招
き、長期の使用においては、レンズや原稿ガラス、搬送
部等の汚れを生じ、画像の安定性を損なうことがある。
そこで、トナー中に磁性体を含有させることによって、
トナーを重くすると同時に、磁性キャリア粒子に静電気
力以外に磁気力でも付着することが出来る様にして、ト
ナー飛散を防ぐようにした現像剤が実用化されている。
以上の様に、磁性体が含有された磁性トナーの重要性
は、ますます増大しているのが現状である。
【0005】ところで、一成分磁性現像方式は、現像時
にトナーが鎖状(一般には「穂」と呼ばれている)とな
って現像される為、画像横方向の解像度が縦方向に比べ
て悪くなり易く、又、ベタ黒画像に比べ、ライン上にト
ナーが乗り過ぎてトナー消費量の増大を招き易い。この
結果、例えば、現像画像後半の非画像部に、穂のはみ出
しによる尾引き現象が生じ易く、二成分現像方式に比べ
てガサツキ画像が生じ易い傾向にある。又、400μm
幅程度のライン上のトナー量が、ベタ黒画像上のトナー
量の2倍近くに達する場合もある。そこで、画像再現性
をより向上させ、消費量を低減させる方法として、磁性
トナーの穂をより短く、密にすることが考えられる。
【0006】磁性トナーの磁化の強さと穂の形状の関係
に関しても、以下の様に定性的に理解されている。即
ち、磁性トナーの磁化の強さが大きいと、磁性トナー粒
子間には磁界方向に沿った強い引力と、磁界に垂直な方
向に強い反発力が生じる。従って、磁化の強さが大きい
時には、磁性トナーによって形成される穂は長く、トナ
ー担持体上の穂の密度は粗となり、個々の穂は細くな
る。これとは逆に、磁性トナーの磁化の強さが小さい
と、今度は穂は短く、トナー担持体上の穂の密度は密に
なるが、磁性トナー間の結合が解かれない為に個々の穂
は太く短くなり凝集した状態となる。この場合には、穂
の内部に存在する磁性トナーは、トナー担持体表面と接
触する機会が少なくなり帯電不良となる。この様な帯電
不良の磁性トナーは、画像上のカブリとなって表れ、画
像品位を低下させる。即ち、磁性体の含有量が同じであ
ればトナーが微粒子なるほど穂はより短く、密になる。
更に、トナーの粒径が小さくなると帯電量の高い微粉が
増加し、潜像電界を少量のトナーで埋め易くなる点から
もラインの消費量の低減が期待されるが、微粒径で微粉
量の多いトナーは、特にデジタル潜像の微小1ドットの
再現性は優れるものの、画像濃度が不十分であったりカ
ブリが多く、画像品位に劣る傾向にある。
【0007】又、近年では環境保護の観点から、従来か
ら使用されているコロナ放電を利用した一次帯電・転写
プロセスから、感光体当接部材を用いた一次帯電・転写
プロセスが主流となりつつある。例えば、特開昭63−
149669号公報や特開平2−123385号公報で
提案されている。これらは、接触帯電方法や接触転写方
法に関するものであるが、静電潜像担持体に導電性弾性
ローラーを当接し、該導電性ローラーに電圧を印加しな
がら該静電潜像担持体を一様に帯電し、次いで露光、現
像工程によってトナー像を得た後、該静電潜像担持体に
電圧を印加した別の導電性ローラーを押圧しながら、ロ
ーラーの間に被転写材を通過させ、静電潜像担持体上の
トナー画像を被転写材に転写させた後、定着工程を経て
複写画像を得ている。しかしながら、この様なコロナ放
電を用いないローラー帯電方式においては、帯電ローラ
ーと静電潜像担持体間に発生する放電による静電潜像担
持体表面の物理的・化学的な作用がコロナ帯電方式に比
較して大きく、特に有機感光体(OPC)におては、感
光体表面上へのトナー融着が発生し易いという欠点があ
った。更に、近年では省資源の意識の高まりの中で、ト
ナー消費量(一枚の画像を形成するのに使われるトナー
の量)を今迄以上に低減することが求められているが、
これらの課題を全て満足することは、前記した微粒径ト
ナーに関する提案では未だ不十分であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の従来技術の問題点を解決した磁性トナー及び画像形成
方法を提供することにある。即ち、本発明の目的は、ト
ナー消費量が従来に比べてより少ない磁性トナー及び画
像形成方法を提供することにある。更に本発明の目的
は、画像濃度が高く、小スポット潜像を忠実に現像し鮮
鋭な高品位画像が得られる磁性トナー及び画像形成方法
を提供することにある。更に本発明の目的は、実質的に
カブリのない鮮明な画像が得られる磁性トナー及び画像
形成方法を提供することにある。更に本発明の目的は、
静電潜像担持体上にトナー融着が発生しない磁性トナー
及び画像形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、潜像担持体
それに対向するマグネットを内包しているトナー担
持体とで形成されている現像領域で、潜像担持体とトナ
ー担持体との間に現像電界を形成するため一成分磁
トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す電圧
と、トナー担持体から潜像担持体に飛翔させる電圧と
トナー担持体にT1時間少なくとも1回印加した後
に、画像部に対しては一成分磁性トナーを飛翔させ
画像部に対しては一成分磁性トナーを引き戻す方向の電
圧をトナー担持体にT2時間印加し、且つ上記T1時
間とT2時間の比T2/T1が0.1以上である現像工
程を有する画像形成方法において、 上記トナー担持体
は、導電性微粒子を含有している樹脂層を有し、トナー
担持体の樹脂層の表面粗さは、JIS中心線平均粗さ
(Ra)で、0.2〜3.5μmであり、 上記一成分磁
トナー、少なくとも結着樹脂と磁性体とを含有する
磁性トナー粒子及び該磁性トナー粒子に外添混合されて
いる有機処理された無機微粉体を有する一成分磁性トナ
ーであって、且つ、一成分磁性トナー、体積平均粒
径Dv(μm)が3μm≦Dv<6であり、重量平均粒
径D4(μm)が3.5≦D4<6.5であって、その
個数粒度分布における5μm以下の粒子の存在割合Nm
(個数%)が60<Nm≦90であることを特徴とす
像形成方法である。
【0010】
【作用】本発明に係わる現像バイアス電圧が、感光体上
へのトナー融着を防止することが出来る理由としては以
下の様な作用によるものと考えている。現像領域にかか
る現像電界の力によって、トナーはトナー担持体から潜
像担持体である感光体に向かって飛翔し、感光体表面に
衝突する。この時にトナーから感光体表面に衝撃が加え
られ、場合によっては感光体表面に傷が生じる。本発明
のトナーは、粒径が比較的大きく、また硬度が比較的高
い無機微粉体粒子が含有されている為に感光体表面に傷
を生じ易い。特に、比較的硬度の低い有機感光体表面に
おいては傷を生じ易い。この傷に、帯電ローラーでトナ
ーが埋め込まれると感光体表面へのトナー融着が発生し
易い。
【0011】トナーの感光体表面への衝撃力は、現像領
域にかかる現像電界の大きさに依存するが、それはトナ
ー担持体に印加されるバイアスの交流成分の電圧(ピー
クトゥピーク)の大きさでほぼ決まる。しかしながら、
この交流成分の電圧は、十分な画像濃度を得る為にはあ
る程度の大きさが必要であり、感光体表面のトナー融着
の防止の為であっても、ある程度より小さくすることは
出来ない。しかしながら、本発明で使用する現像電界の
非連続の交流成分によれば、従来一般に用いられている
連続の交流成分に比べて、単位時間当たりにトナーが感
光体表面へ衝突する回数が少なくなり、又、強い電界に
よって感光体表面にトナーが押しつけられる時間も短く
なるので、上記したトナーの衝突による感光体表面の傷
の発生が防げられ、感光体表面へのトナー融着が有効に
防止できるものと考えている。
【0012】
【好ましい実施態様】以下、好ましい実施態様を挙げて
本発明を詳細に説明する。先ず、本発明で使用する磁性
トナーについて説明する。本発明にかかる磁性トナー
(以下、本発明の磁性トナーと呼ぶ)は、少なくとも結
着樹脂と磁性体とを含有する磁性トナー粒子及び該トナ
ー粒子に外添混合されている有機処理された無機微粉体
を有し、磁性トナーの体積平均粒径Dv(μm)が3μ
m≦Dv<6であり、重量平均粒径D4(μm)が3.
5≦D4<6.5であって、個数粒度分布における5μ
m以下の粒子の存在割合Nm(個数%)が60<Nm≦
90であることを特徴とする。
【0013】本発明の磁性トナーは、磁性トナー粒子に
少なくとも有機処理された無機微粉体が外添されたもの
であるが、他に、トナー粒子の平均粒径よりも小さい平
均粒径を有する有機微粉体、樹脂微粉体、未処理の無機
微粉体等を添加したものでもよい。本発明の磁性トナー
は、体積平均粒径Dv(μm)が3μm≦Dv<6で、
重量平均粒径D4(μm)が3.5≦D4<6.5であ
って、個数粒度分布における5μm以下の粒子の存在割
合Nm(個数%)が60<Nm≦90であることを要す
るが、更に好ましくは本発明の磁性トナーを構成する磁
性トナー粒子も上記の粒度分布を有するものであること
が好ましい。即ち、5μm以下の粒子が60個数%以下
であると、消費量低減への効果が充分でなく、5μm以
下の粒子が90個数%よりも多くなると、画像濃度が不
十分になり好ましくない。本発明においては、5μm以
下の粒子の存在割合Nm(個数%)が、62個数%<N
m≦88個数%、更には64個数%<Nm≦86個数%
の粒度分布を有することが好ましい。
【0014】又、本発明の磁性トナーは、体積平均粒径
Dv(μm)が6μm、重量平均粒径D4(μm)が
6.5μm以上であると、小スポットの孤立ドットの解
像が充分ではなくなり、好ましくない。この際、現像条
件等で無理に解像しようとすると、ライン太りやトナー
飛び散りを生ずる為、好ましくない。更に、体積平均粒
径Dv(μm)が6μm、重量平均粒径D4(μm)が
6.5μm以上であると、トナー消費量低減の効果が充
分でなくなる為、好ましくない。磁性トナーの平均粒径
については、更に解像力を向上させる為に、体積平均粒
径Dvを3.2μm≦Dv≦5.8μm、重量平均粒径
D4を3.6μm≦D4≦6.3μmの範囲とするのが
更に好ましい。
【0015】又、本発明の磁性トナーにおいては、更に
3.17μm以下の粒径の粒子について、その個数%
(Nf)と体積%(Vf)との間に、2≦Nf/Vf≦
8、5≦Nf≦40である関係を満足するものも好まし
い態様の一つである。この範囲の粒度分布を満足する磁
性トナーは、微小スポットから形成されるデジタル潜像
に対して特に優れた解像性を与え得る為、好ましい。即
ち、Nf/Vfの値が2未満では、カブリが生じ易く、
8を超える場合には50μm程度の微小孤立ドットの解
像性が悪化する傾向にあり好ましくない。Nf/Vfの
値は、3〜7とするのがより好ましい。又、Nfの値が
5未満ではトナー生産効率が悪化する傾向にあり、40
を超える場合は画像濃度が低下する傾向にある為、好ま
しくない。Nfの更に好ましい範囲は、7〜35であ
る。
【0016】即ち、Nf/Vf値が2〜8の範囲にあ
り、且つNfの値が5〜40の範囲にある場合に、微小
スポット潜像の良好な孤立ドット解像性、良好なトナー
消費量改善性、充分な画像濃度、高耐久性が同時に達成
される。あるNfの値に対してNf/Vfが大きいと言
うことは、3. 17μmを超える粒子から、3. 17μ
m以下の粒子まで幅広く含んでいることを示しており、
Nf/Vfが小さいと言うことは3. 17μm付近の粒
子の存在率が高いことを示している。Nf/Vf値が2
〜8の範囲にあり、且つNfが5〜40の範囲にある場
合に、微小スポット潜像の良好な孤立ドット解像性、良
好なトナー消費量改善性、充分な画像濃度、高耐久性が
達成される。更に本発明においては、磁性トナーの体積
粒度分布における8μm以上の粒子の体積比率Vg(体
積%)を10以下とすると、トナーの飛び散りを低減す
ることが出来る為、好ましい。
【0017】本発明の磁性トナーは、粒径が小さいこと
で更なる高画質を達成し、更に単位重量当りの帯電量の
高い5μm以下の粒子を多くすることで、トナー低消費
量を達成したものである。一般に、ライン画像部にベタ
画像部と比べてより多くのトナーが現像されてしまう理
由としては、次の様に考えられる。即ち、感光体上のラ
イン画像部の静電潜像には、ベタ画像部とは異なり電気
力線がライン潜像の外側からライン潜像内に密に回り込
んでいる為、ライン画像部ではトナーを感光体潜像面に
引き寄せ、押しつける力が大きく、より多くのトナーが
ライン潜像面に現像され易い為である。
【0018】これに対し、本発明の磁性トナーが、従来
のトナーに比べてライン画像部に乗るトナー量が少な
く、トナー消費量を低減させることが出来る理由として
は、以下のように考えている。即ち、磁性トナーが用い
られる一成分現像方式では、トナーはトナー粒子がある
程度凝集した状態で感光体表面に現像されるが、本発明
のトナーは、帯電量の高い5μm以下の粒子を多く含む
為にトナー1個当たりの磁気力が小さく、又、潜像電位
を埋め易い為に、感光体上のライン画像部に一旦現像さ
れたトナー粒子の内の必要以上のものは、潜像電気力線
の回り込みによる力に抗してスリーブ上に戻ることが出
来、ライン画像部に適正な量のトナーだけが残る為であ
ると考えている。5μm以下の粒子は単位重量当たりの
帯電量が高い為に、粒径の大きい粒子に比し速く感光体
の潜像上に到達して現像電界を弱める為、潜像電気力線
の回り込みの影響を他の粒子が受けにくいからであると
考えている。又、ベタ黒画像においても、微粒径化する
ことにより、更に少量のトナーで画像濃度を高めること
が可能となり、トナー消費量の低減が望める。
【0019】以下、本発明の磁性トナーを構成する構成
材料について説明する。本発明の磁性トナーに使用され
る磁性体としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅、マグ
ネシウム、マンガン、アルミニウム、硅素等の元素を含
む金属酸化物等が挙げられる。中でも、四三酸化鉄、γ
−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものが好ましい。
又、トナー帯電性コントロールの観点から、磁性体の硅
素元素含有率が、鉄元素を基準として0.5〜4質量%
であることが好ましく、更に、トナー流動性の観点から
は、表面に硅素原子を含有しているものであると、より
好ましい。表面に硅素原子が含有されている磁性体の具
体的なものとしては、例えば、磁性体の鉄元素溶解率が
20%までに存在する硅素原子の量が、100%溶解時
の硅素元素の量の44〜84%であるものが好ましい。
硅素原子は、水溶性硅素化合物の形で磁性体生成時に添
加してもよいし、磁性体生成、ろ過、乾燥後、硅酸化合
物の形で添加し、ミックスマーラー等で表面に固着させ
てもよい。これら磁性粒子は、窒素吸着法によるBET
比表面積が、好ましくは2〜30m2/g、更に好まし
くは3〜28m2/gであって、更にモース硬度が5〜
7程度の磁性粒子を用いるのが好ましい。
【0020】又、磁性体の形状としては、8面体、6面
体、球形、針状、燐片状等のものが知られているが、8
面体、6面体、球形、或いは不定型等の異方性の少ない
ものが好ましく、更には、球形度Ψが0.8 以上の磁
性体であることが画像濃度を高める上で好ましい。磁性
体の平均粒径としては、0.05〜1.0μm程度のも
のが好ましく、更に好ましくは、0.1〜0.6μm、
更には、0.1〜0.4μmの範囲のものが好ましい。
又、本発明の磁性トナーを構成する上記した様な磁性体
の含有量は、結着樹脂100質量部に対し30〜200
質量部、好ましくは60〜200質量部、更に好ましく
は70〜150質量部とする。60質量部未満では搬送
性が不十分であり、現像剤担持体上の現像剤層にムラが
生じ、画像ムラとなる傾向にあり、更に、現像剤トリボ
の上昇に起因する画像濃度の低下が生じ易い傾向にあ
る。一方、200質量部を超えると、定着性に問題が生
ずる傾向にある。
【0021】次に、本発明の磁性トナーに使用される結
着樹脂について説明する。本発明で使用される結着樹脂
の種類としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−ク
ロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びそ
の置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共
重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン
−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共
重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−イン
デン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エ
ポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テ
ルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等を使
用することが出来る。又、架橋されたスチレン系樹脂も
好ましい結着樹脂として使用することが出来る。
【0022】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の様な二
重結合を有するモノカルボン酸、若しくはその置換体;
例えば、マレイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メ
チル、マレイン酸ジメチル等の様な二重結合を有するジ
カルボン酸及びその置換体;例えば、塩化ビニル、酢酸
ビニル、安息香酸ビニル等の様なビニルエステル類、例
えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等の様なエチレ
ン系オレフィン類;例えば、ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン等の様なビニルケトン類;例えば、ビ
ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイ
ソブチルエーテル等の様なビニルエーテル類;等のビニ
ル単量体が挙げられ、これらを単独若しくは組み合わせ
て用いることが出来る。又、この際に用いられる架橋剤
としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有
する化合物が用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、ジ
ビニルナフタレン等の様な芳香族ジビニル化合物;例え
ば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメ
タクリレート等の様な二重結合を2個有するカルボン酸
エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビ
ニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合
物;及び3個以上のビニル基を有する化合物;が単独も
しくは混合物として使用できる。
【0023】又、本発明の磁性トナーを構成する圧力定
着用に供せられる結着樹脂としては、例えば、低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂
が挙げられる。これらは単独又は混合して用いることが
好ましい。又、本発明においては、定着時の定着部材か
らの離型性の向上、定着性の向上の点から、次に挙げる
様なワックス類をトナー中に含有させることも好まし
い。例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、マイ
クロクリスタリンワックス、及びその誘導体、フィッシ
ャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィ
ンワックス及びその誘導体、カルナバワックス及びその
誘導体等が挙げられる。尚、誘導体には、酸化物や、ビ
ニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物
を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミド、エス
テル、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワ
ックス、動物性ワックス、鉱物系ワックス、ペトロラク
タム等も利用することが出来る。
【0024】本発明の磁性トナーには、荷電制御剤をト
ナー粒子に配合(内添)、又はトナー粒子と混合(外
添)して用いることが出来る。荷電制御剤を添加するこ
とによって、現像システムに応じた最適の荷電量コント
ロールが可能となり、特に本発明では、粒度分布と荷電
量とのバランスを更に安定にしたものとすることが可能
であり、好ましい。本発明の磁性トナーを負荷電性に制
御する負荷電制御剤としては、下記に挙げる物質があ
る。例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であ
り、具体的には、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン
金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイ
カルボン酸系の金属錯体等が挙げられる。他には、芳香
族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボ
ン酸、及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェ
ノール等のフェノール誘導体類等が挙げられる。
【0025】又、正荷電性に制御する正荷電制御剤とし
ては下記の物質が挙げられる。ニグロシン及び脂肪酸金
属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム
−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラ
ブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級ア
ンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム
塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニ
ルメタン染料及びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤と
しては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング
ステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等)高級脂肪
酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズ
オキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオ
ルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオク
チルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレート等の
ジオルガノスズボレート類;これらを単独或いは2種類
以上組み合わせて用いることが出来る。上述した荷電制
御剤は微粒子状として用いることが好ましく、この場合
これらの荷電制御剤の個数平均粒径は4μm以下、更に
は3μm以下とするのが特に好ましい。これらの荷電制
御剤をトナーに内添する場合は、結着樹脂100質量部
に対して0. 1〜20質量部、特に好ましくは、0. 2
〜10質量部使用する。又、本発明のトナーに更に添加
することが出来る着色材料としては、従来公知の、カー
ボンブラック、銅−フタロシアニン等が挙げられる。
【0026】又、本発明の磁性トナーには、環境安定
性、帯電安定性、現像性、流動性、保存性向上の為、有
機処理せしめた無機微粉体が添加されている。該無機微
粉体は、ヘンシェルミキサー等の混合器によって、攪
拌、混合等して本発明の磁性トナーに添加される。本発
明に用いられる無機微粉体としては、例えば、ケイ酸微
粉体、酸化チタン(チタニア)、酸化アルミニウム等が
挙げられ、中でも特にケイ酸微粉体が好ましく用いられ
る。ケイ酸微粉体としては、硅素ハロゲン化物の蒸気相
酸化により生成された、所謂乾式法又はヒュームドシリ
カと称される乾式シリカ、或いは水ガラス等から製造さ
れる、所謂湿式シリカのいずれでも本発明において使用
することが可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部
にあるシラノール基が少なく、又、Na2O、SO3 2-
の製造残滓の少ない乾式シリカを用いるのがより好まし
い。又、乾式シリカにおいては、製造工程において、例
えば、塩化アルミニウム、塩化チタン等、他の金属ハロ
ゲン化合物を硅素ハロゲン化合物と共に用いることによ
って、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ること
も可能であり、それらも包含される。
【0027】本発明では、上記した様な無機微粉体を有
機処理して磁性トナーに用いることを特徴とするが、有
機処理方法としては、前記無機微粉体と反応あるいは物
理吸着するシランカップリング剤、チタンカップリング
剤等の有機金属化合物で処理する方法、若しくはシラン
カップリング剤で処理した後、或いはシランカップリン
グ剤で処理すると同時にシリコーンオイルの如き有機硅
素化合物で処理する方法等が挙げられる。有機処理に使
用されるシランカップリング剤としては、例えば、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジ
エトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−
ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニ
ルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当たり2〜1
2個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位に夫々
1個宛の硅素原子に結合した水酸基を含有したジメチル
ポリシロキサン等が挙げられる。
【0028】又、窒素原子を有するアミノプロピルトリ
メトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、
ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチル
アミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノ
プロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピル
トリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメ
トキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシ
ラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブ
チルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミ
ノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−
γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルベンジルアミン等のシランカップリング剤
も、単独あるいは併用して使用される。好ましいシラン
カップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(H
MDS)が挙げられる。
【0029】又、有機硅素化合物としては、シリコーン
オイルが挙げられる。好ましいシリコーンオイルとして
は、25℃における粘度が50〜100センチストーク
スのものが用いられ、例えば、ジメチルシリコーンオイ
ル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチ
レン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーン
オイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いるのが特
に好ましい。シリコーンオイル処理の方法としては、例
えば、シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体
とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機
を用いて直接混合してもよいし、ベースとなるシリカ微
粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法を用いてもよ
い。或いは、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は
分散せしめた後、シリカ微粉体を加えて混合し溶剤を除
去する方法でもよい。
【0030】本発明に用いられる上記の様な方法で有機
処理された無機微粉体は、BET法で測定した窒素吸着
による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400
2/gの範囲のものが良好な結果を与える。又、本発
明に用いられる有機処理された無機微粉体は、トナー粒
子100部に対して0. 01〜8質量部の範囲で使用さ
れるのがよく、好ましくは、0. 1〜5質量部、特に好
ましくは、0. 2〜3質量部の範囲とするのがよい。
0. 01質量部未満では、トナー凝集を改善する効果が
乏しくなり、8質量部を超える場合では、細線間のトナ
ー飛び散り、機内の汚染、感光体の傷や磨耗等の問題が
生じ易い傾向がある。
【0031】本発明の磁性トナーには、実質的に影響を
与えない範囲内で更に他の添加剤、例えば、テフロン粉
末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末
の如き滑剤粉末、或いは酸化セリウム粉末、炭化硅素粉
末、チタン酸ストロンチウム粉末等の研磨剤、或いは、
例えば、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等の流
動性付与剤、ケーキング防止剤、或いは、例えば、カー
ボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末等の導
電性付与剤、又、逆極性の有機微粒子や無機微粒子を現
像性向上剤として少量用いることも出来る。
【0032】本発明の磁性トナーの作製方法としては、
例えば、結着樹脂、ワックス、金属塩ないしは金属錯
体、着色剤としての顔料、又は染料、磁性体、必要に応
じて荷電制御剤、その他の添加剤等の原料を、ヘンシェ
ルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合して
から、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互いに相溶せし
めた中に、金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は
溶解せしめ、冷却固化後、粉砕分級を行なって、磁性ト
ナーを形成する。本発明がこれに限定されないのは勿論
である。
【0033】上記の様な構成材料からなる本発明の磁性
トナーは、特定の平均粒径及び粒度分布を有する。現像
剤(トナー)の平均粒径及び粒度分布は種々の方法で測
定することが可能であるが、本発明においては、コール
ターマルチサイザ−II型(コールター社製)を用いて下
記の方法で測定を行なった。この際に使用する電解液
は、1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を
調整する。例えば、ISOTONf−II(コールターサ
イエンティフィックジャパン社製)を使用することが出
来る。測定法としては、上記電解水溶液100〜150
ml中に、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩を0. 1〜5ml加え、この中
に測定試料を2〜20mg加える。この試料を懸濁させ
た電解液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行っ
た後、前記の測定装置により、アパーチャーとして10
0μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、個数を測
定して体積分布と個数分布とを算出した。その後、得ら
れた体積分布から求めた質量基準の重量平均粒径(D
4:各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とす
る)、並びに体積分布から求めた体積基準の体積平均粒
径(Dv:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値
とする)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径
(D1)、及び体積分布から求めた質量基準の粒子比率
(Vf/Vg)、個数分布から求めた個数基準の粒子比
率(Nm/Nf)を求めた。
【0034】又、本発明で使用する磁性体のBET比表
面積は、窒素吸着による比表面積測定装置オートソーブ
1(湯浅アイオニクス製)を使用し、BET多点法によ
り求めた。尚、サンプルの前処理として、50℃で1
時間の脱気を行なった。又、本発明で使用する磁性体の
球形度Ψの算出は、以下の様にして行った。球形度Ψ=
磁性体の最小長(μm)/磁性体の最大長(μm)即
ち、本発明で用いる球形度Ψは、透過型電子顕微鏡(日
立製作所H−700H)でコロジオン膜銅メッシュに処
理した磁性体粒子の試料を用いて、加電圧100kVに
て10,000倍で撮影し、焼き付け倍率3倍として、
最終倍率30,000倍の写真からランダムに100個
の磁性体粒子を選び出し、最大長及び最小長を測定し、
次いで平均値を計算したもである。又、平均粒径は、同
様の方法で各粒子の最大長を平均したものである。又、
本発明に係わる磁性体の磁気特性は、振動型磁力計VS
M−3S−15(東英工業(株)製)を用いて測定した
値である。上記した様な本発明の磁性トナーは、高画質
を得る為に、好ましくはトナー担持体上にトナー担持体
−潜像担持体の最近接距離(S−D間)よりも小さい層
厚で磁性トナーが塗布され、次に説明する様な交番電界
を印加して現像を行う現像工程を有する画像形成方法で
現像される。
【0035】本発明の画像形成方法は、潜像担持体とそ
れに対向するトナー担持体とからなる現像領域で、潜像
担持体とトナー担持体との間に、トナーを潜像担持体か
らトナー担持体へ引き戻す電圧と、トナー担持体から潜
像担持体に飛翔させる電圧とを、T1時間少なくとも1
回トナー担持体に印加させた後に、画像部に対してはト
ナーを飛翔させ、非画像部に対してはトナーを引き戻す
方向の電圧をトナー担持体にT2時間印加し、且つT2
/T1が0.1以上である現像工程を有することを特徴
とする。即ち、本発明の画像形成方法においては、上記
した本発明の磁性トナーを使用し、且つ現像工程におい
て、 (1)トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す
電圧 (2)トナーをトナー担持体から潜像担持体に飛翔させ
る電圧 (3)画像部に対してはトナーを飛翔させ、非画像部に
対してはトナーを引き戻す方向の電圧 の順序でトナー担持体に電圧印加を行い、その際に、
(1)及び(2)の電圧をT1時間少なくとも1回印加
し、(3)の電圧をT2時間印加し、更にT1時間とT
2時間との比T2/T1が0.1以上となる様に電圧を
印加することによって、得られる画像濃度の維持及びカ
ブリの発生の低減が図られる。
【0036】本発明においては、T2/T1の値が0.
1以上となる様にすればでよいが、好ましくは0.3〜
5、更に好ましくは0.5〜3の範囲とするのがよい。
即ち、0.3未満ではカブリ防止の効果が充分ではない
し、T2/T1の値が5を超えると、孤立ドットの再現
性が劣る傾向にある為、好ましくない。
【0037】又、上記の様な本発明に係わる現像バイア
ス電圧によれば、感光体上へのトナー融着を有効に防止
することが出来る。この理由としては以下の様な作用に
よるものと考えられる。潜像担持体とそれに対向するト
ナー担持体とからなる現像領域において、トナーは、該
現像領域にかかる現像電界の力によって、トナー担持体
から潜像担持体である感光体に向かって飛翔し、感光体
表面に衝突する。この時にトナーにより感光体表面に衝
撃が加えられ、場合によっては感光体表面に傷が生じ
る。特に、上記した構成の本発明の磁性トナーには、粒
径が比較的大きく、また硬度が比較的高い無機微粉体粒
子が含有されている為に、感光体表面に傷を生じ易い。
更に、潜像担持体として比較的硬度の低い有機感光体を
用いる場合には、その表面において傷を生じ易い。この
潜像担持体表面上に生じた傷に帯電ローラーでトナーが
埋め込まれて、感光体表面へのトナー融着が発生し易
い。
【0038】トナーの感光体表面への衝撃力は、現像領
域にかかる現像電界の大きさに依存するが、それはトナ
ー担持体に印加されるバイアスの交流成分の電圧(ピー
クトゥピーク)の大きさでほぼ決まる。しかし、この交
流成分の電圧は、十分な画像濃度を得る為にはある程度
の大きさが必要であり、感光体表面のトナー融着防止の
為であっても、ある程度より小さくすることは出来な
い。これに対し、上記した本発明で使用する現像電界の
非連続の交流成分は、従来一般に用いられている連続の
交流成分に比べて、単位時間当たりにトナーが感光体表
面へ衝突する回数が少なくなり、又、強い電界によって
感光体表面にトナーが押しつけられる時間も短くなるの
で、トナーの衝突による感光体表面の傷の発生が防げら
れ、感光体表面へのトナー融着が有効に防止できるもの
と考えられる。
【0039】更に、本発明の画像形成方法において使用
されるトナー担持体の表面粗さを、JIS中心線平均粗
さ(Ra)で0.2〜3.5μmの範囲内、更に好まし
くは、Raが0.5〜3.0μmの範囲内にあるものを
使用するのが好ましい。Raの値が0.2μm未満では
トナー担持体上の帯電量が高くなり、現像性が不充分と
なり好ましくない。又、Raが3.5μmを超えると、
トナー担持体上のトナーコート層にムラが生じ、画像上
で濃度ムラとなる為、好ましくない。更に、本発明の磁
性トナーは高い帯電能力を有する為に、現像に際して
は、トナーの総帯電量をコントロールすることが望まし
い。この為、本発明の画像形成方法で使用するトナー担
持体の表面は、導電性微粒子及び/又は滑剤を分散した
樹脂層で被覆されていることが好ましい。
【0040】この際のトナー担持体表面を被覆する樹脂
層に含有される導電性微粒子としては、カーボンブラッ
ク、グラファイト、導電性酸化亜鉛等の導電性金属酸化
物及び金属複酸化物等が、単独もしくは2つ以上が組み
合わされて用いられる。又、この様な導電性微粒子が分
散される樹脂としては、フェノール系樹脂、エポキシ系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、シリコーン
系樹脂、フッ素系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹
脂等、公知の樹脂が用いられる。特に、熱硬化性若しく
は光硬化性の樹脂が好ましく用いられる。更に、直径
(又は、長径)が20〜250μmの定型粒子又は不定
型粒子で、トナー担持体表面がブラスト処理された上
に、上記の様な導電性微粒子及び/又は滑剤が分散され
た樹脂層が被覆されていることが、耐久を通じて表面層
のRaを保つ上で好ましい。
【0041】又、本発明の画像形成方法においては、ト
ナー担持体の周速Vtと潜像担持体の周速Vとの比Vt
/Vが、1.1≦Vt/V≦3となる様にすることが、
高画像濃度の達成、カブリ低減の観点から好ましい。更
に好ましくは、Vt/Vの比を、1.2≦Vt/V≦
2.5とするのが好ましい。
【0042】又、本発明の画像形成方法においては、上
記した様なトナー担持体上に担持される磁性トナーを規
制する部材が、トナーを介してトナー担持体に当接され
ている弾性部材によって規制される様にすることが、磁
性トナーを均一帯電させる観点から特に好ましい。又、
この際に、オゾンが発生しない様に帯電部材及び転写部
材が感光体に当接されていることが、環境保全上好まし
い。
【0043】次に、本発明の画像形成方法をについて、
具体的に説明する。本発明の画像形成方法を適用した画
像形成装置としては、例えば、図1に示した様な装置が
挙げられる。以下、図に従って具体的に説明する。図1
において、100は感光ドラムであり、その周囲に、一
次帯電ローラー117、現像器140、転写帯電ローラ
ー114、クリーナ116、レジスタローラー124等
が設けられている。そして感光ドラム100は、一次帯
電ローラー117によって−800Vに帯電される。そ
して、レーザー発生装置121によりレーザー光123
を感光ドラム100に照射することによって露光され
る。感光ドラム100上の静電潜像は、現像器140よ
って一成分磁性トナーで現像され、転写ローラー114
により転写材上へ転写される(印加直流電圧2 k
V)。トナー画像を乗せた被転写材は搬送ベルト125
等により定着器126へ運ばれ、被転写材上に定着され
る。又、一部感光ドラム100上に残されたトナーは、
クリーニング手段116によりクリーニングされる。
【0044】図2に現像器140の部分拡大を示した
が、現像器140は、図2に示す様に、感光ドラム10
0に近接して、アルミニウム、ステンレス等の非磁性金
属で作られた円筒状のトナー担持体102(以下、現像
スリーブと称す)が配設され、感光ドラム100と現像
スリーブ102との間隙は、図示されないスリーブ/ド
ラム間隙保持部材等により約300μmに維持されてい
る。又、現像器140内には撹拌棒141が配設され、
現像スリーブ102内には、複数の磁極を有するマグネ
ットローラー104が現像スリーブ102と同心的に固
定、配設されている。但し、現像スリーブ102は回転
可能に構成されている。マグネットローラー104に
は、図示の如く複数の磁極が具備されており、S1は現
像、N1はトナー量規制、S2はトナーの取り込み/搬
送、N2はトナーの吹き出し防止に影響している。
【0045】又、現像スリーブ102に付着して搬送さ
れる磁性トナー量を規制する部材として当接ブレード1
03が配設され、該当接ブレード103の現像スリーブ
102に対する当接圧により現像領域に搬送されるトナ
ー量が制御される。現像領域では、感光ドラム100と
現像スリーブ102との間に現像バイアスが印加され、
現像スリーブ上トナーは静電潜像に応じて感光ドラム1
00上に飛翔し可視像となる。図3及び図5は、本発明
で使用する電圧の印加状態の一例を例示して説明したも
のである。Vdcは交流印加時の直流電源電圧を示す。
又、Vdは感光ドラム上の暗部電位、VLは明部電位を
夫々表わす。尚、図4は、従来の電圧の印加状態を説明
する図である。
【0046】
【実施例】以下、本発明を、製造例及び実施例により具
体的に説明するが、本発明はこれによりなんら限定され
るものではない。尚、以下の配合における部数は、特に
断りのない限り全て質量部である。
【0047】〔トナー製造例1〕 ・磁性体(1kOeにおける飽和磁化σs=63emu/g、硅素元素含有率 1.7%、平均粒径0.22μm、BET比表面積22m2/g、球形度 Ψ=0.90) 100 質量部 ・スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフエステル共重合体 100 質量部 ・モノアゾ染料の鉄錯体(負帯電性制御剤) 2 質量部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2 質量部
【0048】上記材料をブレンダーにて混合し、130
℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却
した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をジェ
トミルで微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を
用いた多分割分級機にて厳密に分級して磁性トナー粒子
を得た。得られた磁性トナー粒子に対し、シリコーンオ
イルとヘキサメチルジシラザンで処理された乾式シリカ
(BET比表面積200m2/g)1.5質量%を添加
し、ヘンシェルミキサーにて混合し、本発明の磁性トナ
ーAを得た。得られた磁性トナーは、重量平均粒径(D
4)=5.5μm、体積平均粒径(Dv)=4.8μ
m、Nm=68個数%、Vg=2.1体積%、Nf/V
f=5.5であった。得られたトナーAの物性を表1に
示す。
【0049】〔トナー製造例2及び製造例3〕 トナー製造例1において得られた粗粉砕物を使用し、粉
砕、分級工程をコントロールして、種々の粒径、粒度分
布を有する黒色微粉体を得た。得られた黒色微粉体に対
し、トナー製造例1で使用したと同様の有機処理された
乾式シリカを1.3質量%添加し、混合機にて混合し
て、本発明の磁性トナーB及びCを得た。得られた磁性
トナーB及びCの物性を表1に示す。
【0050】〔トナー製造例4〕 無機微粉体として、ヘキサメチルジシラザンで有機処理
されたシリカ(BET比表面積380m2/g)を2.
0質量%用いた以外はトナー製造例1と同様にして、本
発明の磁性トナーDを得た。得られた磁性トナーDの物
性を表1に示す。
【0051】〔トナー製造例5〕 シリコーンオイルとジメチルジクロルシランで有機処理
されたシリカ(BET比表面積130m2/g)の添加
量を1.2質量%とする以外はトナー製造例1と同様に
して、本発明の磁性トナーEを得た。得られた磁性トナ
ーEの物性を表1に示す。
【0052】〔トナー製造例6〕 実施例1において、無機微粉体としてシリコーンオイル
で処理されたチタニア(BET比表面積50m2/g)
を1.0質量%用いること以外はトナー製造例1と同様
にして、本発明の磁性トナーFを得た。得られた磁性ト
ナーFの物性を表1に示す。
【0053】〔トナー製造例7〕 実施例1において、無機微粉体としてシリコーンオイル
で処理されたアルミナ(BET比表面積100m2
g)0.3 質量%と、シリコーンオイルとヘキサメチ
ルジシラザンとで処理された乾式シリカ(BET比表面
積200m2/g)1.2質量%を混合添加して用いる
以外はトナー製造例1と同様にして、本発明の磁性トナ
ーGを得た。得られた磁性トナーGの物性を表1に示
す。
【0054】〔トナー製造例8〕 1kOeにおける飽和磁化σs=65emu/g、硅素
元素含有率0.3 %、平均粒径0.19μm、BET
比表面積8m2/g、球形度Ψ=0.78の磁性体を用
いる以外には、トナー製造例1と同様にして、本発明の
磁性トナーHを得た。得られた磁性トナーHの物性を表
1に示す。
【0055】〔トナー製造例9〕 ・磁性体(1kOeにおける飽和磁化σs=60emu/g、硅素元素含有 率3.1%、平均粒径0.24μm、BET比表面積26m2/g、球形 度Ψ=0.87) 90質量部 ・ポリエステル樹脂 100 質量部 ・モノアゾ染料のクロム錯体(負帯電性制御剤) 2 質量部 ・低分子量ポリオレフィン(離型剤) 2 質量部 上記材料を用いる以外はトナー製造例1と同様にして、
本発明の磁性トナーIを得た。得られた磁性トナーIの
物性を表1に示す。
【0056】〔トナー比較製造例1〜3〕 トナー製造例1において得られた粗粉砕物を用い、該粗
粉砕物を粉砕、分級工程をコントロールして種々の粒
径、粒度分布をもった黒色微粉体を得た。得られた黒色
微粉体に対し1.3質量%のヘキサメチルジシラザンで
処理された乾式シリカを添加し、混合機にて混合し比較
用の磁性トナーJ、K及びLを得た。得られた磁性トナ
ーJ、K及びLの物性を表1に示す。
【0057】
【0058】(実施例1) 一次帯電ローラーとしてナイロン樹脂で被覆された導電
性カーボンを分散したゴムローラー(直径12mm、当
接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体として直
径24mmのOPCドラムを用い、レーザー露光(60
0dpi、レーザースポット径50μm)により暗部電
位VD=−700V、明部電位VL=−200Vとし
た。トナー担持体として、下記の構成の層厚約7μm、
JIS中心線平均粗さ(Ra)2.2μmの樹脂層を、
表面をブラストした直径12φのステンレス円筒上に形
成して現像スリーブを作製した。 ・フェノール樹脂 100部 ・グラファイト(粒径約7μm) 90部 ・カーボンブラック 10部
【0059】次いで、感光ドラムと現像スリーブとの間
隙(S−D間)を300μmとし、現像磁極800ガウ
ス、トナー規制部材として、厚み1.0mm及び自由長
10mmのウレタンゴム製ブレードを15g/cmの線
圧で当接させた。現像バイアスとして、図3の波形のバ
イアスを、下記の(1)〜(3)の順序で、T1=0.
25msec.、T2/T1=1.0の条件で繰り返し
印加を行った。尚、T1は、トナーを潜像担持体からト
ナー担持体に引き戻す電圧と、トナー担持体から潜像担
持体に飛翔させる電圧とを、トナー担持体に印加する時
間であり、T2は、画像部に対してはトナーを飛翔さ
せ、非画像部に対してはトナーを引き戻す方向の電圧を
トナー担持体に印加する時間である。(1)トナーを潜
像担持体からトナー担持体に引き戻す電圧:300V
(2)トナーをトナー担持体から潜像担持体に飛翔させ
る電圧:−1300V(3)画像部に対してはトナーを
飛翔させ、非画像部に対してはトナーを引き戻す方向の
電圧Vdc:−500V
【0060】又、感光体クリーニングブレードとして、
厚み2.0mm、自由長8mmのウレタンゴム製ブレー
ドを、25g/cmの線圧で当接させた。プロセススピ
ードは48mm/secとし、現像スリーブの周速Vt
と感光体周速Vの比Vt/Vを1.5として順方向に回
転させた。磁性トナーとしては、トナー製造例1の本発
明の磁性トナーAを使用し、室温15℃湿度10%RH
の環境下で画出し試験を行なった。その結果、表2に示
す様に、実質的にカブリのない、画像上に飛び散りのな
い解像力の高い良好な画像が得られた。又、転写率も高
く充分な画像濃度が得られた。トナー消費量を求めたと
ころ、0.032g/枚であった。又、10ドットライ
ン幅を測定したところ、ライン幅は430μmで、高濃
度且つ鮮明にラインを再現しており、潜像再現性を維持
したまま低消費量が達成されたことが確認された。更
に、23℃65%RHの環境下で、連続5,000枚の
画出しを行ったが感光体(OPC)表面にはトナ−融着
等の異常は全く発生しなかった。
【0061】以下、画像の評価方法について説明する。 飛び散り 本発明における飛び散りの評価は、グラフィカルな画像
の画質に関わる微細な細線での飛び散り評価であり、文
字ラインにおける飛び散りよりもより飛び散り易い10
0μmラインでの飛び散り評価である。
【0062】カブリ 被転写紙上の画像のカブリは、反射式濃度計(TOKY
O DENSHOKU CO.,LTD社製、REF
LECTOMETER ODEL TC−6DS)を用
いて測定した。プリント後の白地部反射濃度最悪値をD
sとし、プリント前の用紙の反射濃度平均値をDrとし
た時の、Ds−Drをかぶり量とした。この結果、かぶ
り量が2%以下である場合は、実質的にかぶりの無い良
好な画像が得られたが、かぶり量が5%を超えると、か
ぶりの目立つ不鮮明な画像であった。
【0063】解像力 解像力は潜像電界によって電界が閉じ易く、再現しにく
い図6に示す様な小径孤立ドット(レーザースポット径
50μm)の再現性によって評価した。
【0064】トナー消費量 室温23℃湿度65%RHの環境下でA4サイズ紙(坪
量75g/m2)に4%印字の文字パターンを初期から
500枚連続プリントアウトし、現像器内のトナー量の
変化を測定し、トナー消費量を求めた。
【0065】10ドットライン幅 静電潜像担持体上にレーザー露光により600dpiの
10dot横線パターン潜像(潜像ライン幅約420μ
m)を1cm間隔で書かせ、これを現像し、PET製O
HP上に転写、定着させた。得られた横線パターン画像
を、表面粗さ計サーフコーダーSE−30H(小坂研究
所社製)を用い、横線ラインのトナーの乗り方を表面粗
さのプロフィールとして得、このプロフィールの幅から
ライン幅を求めた。 トナー融着 23℃65%RHの環境下で、連続5000枚の画出し
を行い、感光体(OPC)表面上のトナ−融着を目視に
て観察した。
【0066】(比較例1) トナーとしてトナー比較製造例1のトナーJを使用し、
実施例1の場合と同様の装置・条件で画出し試験を行っ
た。その結果を表2に示す。表2から明らかな様に、実
施例1に比べてトナー消費量が多く、やや飛び散りが多
く、解像力もやや劣る画像であった。更に、23℃65
%RHの環境下で連続5,000枚の画出しを行ったと
ころ、感光体(OPC)表面に、トナー融着が認められ
た。
【0067】(比較例2) 比較例1において、現像バイアスを、図4に示す様な、
画像部に対してはトナーを飛翔させ、非画像部に対して
はトナーを引き戻す方向の電圧(直流バイアス成分)V
dc=−500V、トナーをトナー担持体から潜像担持
体に飛翔させる電圧=−1300V、トナーを潜像担持
体からトナー担持体に引き戻す電圧=300V、T1=
0.5msec.、T2/T1=0の波形としたこと以
外は、比較例1と同様にして行ったところ、トナー消費
量が多く、やや飛び散りが多い、解像力にもやや劣る画
像が得られた。又、23℃65%RHの環境下で連続
5,000枚の画出しを行ったところ、ベタ黒画像に多
数の白ぽちが生じ、感光体表面を観察したところ感光体
(OPC)表面には多数のトナー融着が認められた。結
果を表2に示した。
【0068】(比較例3) 比較例2において、トナーとしてトナー比較製造例3の
トナーLを使用すること以外は、比較例2と同様にして
画出し試験を行ったところ、表2に示す様な結果とな
り、カブリが多く不鮮明な画像であった。更に、23℃
65%RHの環境下で連続5,000枚の画出しを行っ
たところ、画像上に多数の白ぽちが発生し、又、感光体
(OPC)表面には多数のトナー融着が認められた。
【0069】(比較例4) トナー担持体として、JIS中心線平均粗さ(Ra)
1.0μmの表面をブラストした直径12φのアルミニ
ウム円筒を現像スリーブとして用い、磁性トナーとして
トナー比較製造例2のトナーKを使用した以外は、比較
例2と同様の装置・条件で画出しを行った。その結果、
表2に示す様に、得られた画像は、カブリが多く、ライ
ンが細く、又、飛び散った貧弱な画像であった。更に、
23℃65%RHの環境下で連続5000枚の画出しを
行ったところ、画像上に多数の白ぽちが発生し、感光体
(OPC)表面には多数のトナー融着が認められた。
【0070】(比較例5) 比較例2において、現像スリーブの周速Vtと感光体周
速Vの比Vt/Vを1.0して順方向に回転させ、磁
性トナーとして、トナー比較製造例3のトナーLを使用
した以外は比較例2と同様の装置・条件で画出しを行っ
た。その結果、表2に示す様に、得られた画像は、カブ
リの多い不鮮明な画像であった。更に、23℃65%R
Hの環境下で連続5000枚の画出しを行ったところ、
画像上に多数の白ぽちが発生し、感光体(OPC)表面
には多数のトナー融着が認められた。
【0071】(実施例2) トナーとして、トナー製造例2のトナーBを用いた以外
は実施例1と同様の装置・条件で画出しを行なったとこ
ろ、良好な画像及び消費量が得られた。結果を表2に示
す。
【0072】(実施例3) トナーとして、トナー製造例3のトナーCを用いた以外
は実施例1と同様の装置・条件で画出しを行ったとこ
ろ、良好な画像及び消費量が得られた。結果を表2に示
す。
【0073】(実施例4) 実施例1において、現像バイアスとして図5に示す様
に、画像部に対してはトナーを飛翔させ、非画像部に対
してはトナーを引き戻す方向の電圧(直流バイアス成
分)Vdc=−500V、トナーをトナー担持体から潜
像担持体に飛翔させる電圧=−1300V、トナーを潜
像担持体からトナー担持体に引き戻す電圧=300V、
T1=0.18msec.、T2/T1=2.0とする
以外は実施例1と同様にして行ったところ、良好な画像
及び消費量が得られた。結果を表2に示す。
【0074】(実施例5) 実施例1において、現像バイアスとして、画像部に対し
てはトナーを飛翔させ、非画像部に対してはトナーを引
き戻す方向の電圧Vdc=−500V、トナーをトナー
担持体から潜像担持体に飛翔させる電圧=−1300
V、トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す電
圧=300V、T1=0.42msec.、T2/T1
=0.3とすること以外は実施例1と同様にして行った
ところ、ドラム上に僅かなトナー融着が認められたが、
実用上問題のない良好な画像及び消費量が得られた。結
果を表2に示す。
【0075】(実施例6) 実施例1において、現像バイアスとして、画像部に対し
てはトナーを飛翔させ、非画像部に対してはトナーを引
き戻す方向の電圧Vdc=−500V、トナーをトナー
担持体から潜像担持体に飛翔させる電圧=−1300
V、トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す電
圧=300V、T1=0.15msec.、T2/T1
=3.0とすること以外は、実施例1と同様にして行っ
たところ、良好な画像及び消費量が得られた。結果を表
2に示す。
【0076】(実施例7) 実施例1において、現像バイアスとして、画像部に対し
てはトナーを飛翔させ、非画像部に対してはトナーを引
き戻す方向の電圧Vdc=−500V、トナーをトナー
担持体から潜像担持体に飛翔させる電圧=−1300
V、トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す電
圧=300V、T1=0.12msec.、T2/T1
=4.0とした以外は実施例1と同様にして行ったとこ
ろ、やや解像力が低下したものの良好なトナー消費量で
あった。結果を表2に示す。
【0077】(実施例8及び実施例9) 磁性トナーとして、トナー製造例3、4の磁性トナー
D、Eを使用し、現像バイアスとして、下記の(1)〜
(3)の順序で、T1=0.35msec.、T2/T
1=0.5の条件で繰り返し印加を行った。 (1)トナーを潜像担持体からトナー担持体に引き戻す
電圧:300V (2)トナーをトナー担持体から潜像担持体に飛翔させ
る電圧:−1300V (3)画像部に対してはトナーを飛翔させ、非画像部に
対してはトナーを引き戻す方向の電圧Vdc:−500
V 又、現像スリーブの周速Vtと感光体周速Vの比Vt/
Vを2.0として順方向に回転させる以外は、実施例1
と同様の装置・条件で画出しを行なった。磁性トナーE
を使用した場合は、ややトナー消費量が多かったものの
良好な画像が得られた。結果を表2に示す。
【0078】(実施例10) トナーとして、トナー製造例6のトナーFを用いること
以外は実施例1と同様の装置・条件で画出しを行ったと
ころ、良好な画像が得られた。結果を表2に示す。
【0079】(実施例11) トナーとして、トナー製造例7のトナーGを用いること
以外は実施例1と同様の装置・条件で画出しを行ったと
ころ、良好な画像が得られた。結果を表2に示す。
【0080】(実施例12及び実施例13) トナーとしてトナーとしてトナー製造例5及び6の磁性
トナーH、Iを使用し、現像スリーブの周速Vtと感光
体周速Vの比Vt/Vを1.1として順方向に回転させ
ること以外は、実施例1と同様の装置・条件で画出しを
行なったところ、画像濃度がやや低かったものの良好な
画像が得られた。結果を表2に示す。
【0081】
【0082】表中の、飛び散りの評価基準は以下の通り
である。 ○:極めて良好 △:良好 ×:飛び散りが目立つ 表中の、解像力の評価基準は以下の通りである。 ○:極めて良好 △:良好 ×:解像不充分 表中の、トナー融着の評価基準は以下の通りである。 ○:極めて良好 △:良好(感光体上にトナー融着は見られるが画像上は
問題無い) ×:トナー融着が目立つ(画像上に白ぽち発生)
【0083】
【発明の効果】上記した様に、本発明によれば、高画像
濃度・潜像再現性を保持しつつ、ライン画像への過剰な
トナーの乗りが抑制され、トナー消費量を従来に比べて
より少なくすることが可能となり、更に、感光体へのト
ナー融着が防止されて、高品位で鮮鋭な画像が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成方法を適用した画像形成装置
の概略図である。
【図2】図1における現像器140の部分拡大図であ
る。
【図3】実施例1で使用した現像バイアスである。
【図4】従来例の現像バイアスである。
【図5】実施例4で使用した現像バイアスである。
【図6】画像の解像力を評価する為の小径孤立ドットの
説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03G 15/02 102 G03G 9/08 101 301 (72)発明者 西尾 由紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 久木元 力 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−75430(JP,A) 特開 平7−36219(JP,A) 特開 平5−197200(JP,A) 特開 平2−284156(JP,A) 特開 平6−194868(JP,A) 特開 平1−214876(JP,A) 特開 平6−194943(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像担持体とそれに対向するマグネッ
    トを内包しているトナー担持体とで形成されている現像
    領域で、潜像担持体とトナー担持体との間に現像電界を
    形成するために、一成分磁性トナーを潜像担持体からト
    ナー担持体に引き戻す電圧と、トナー担持体から潜像担
    持体に飛翔させる電圧とをトナー担持体に、T1時間
    少なくとも1回印加した後に、画像部に対しては一成分
    磁性トナーを飛翔させ非画像部に対しては一成分磁性
    トナーを引き戻す方向の電圧をトナー担持体にT2時
    間印加し、且つ上記T1時間とT2時間の比T2/T1
    が0.1以上である現像工程を有する画像形成方法にお
    いて、上記トナー担持体は、導電性微粒子を含有している樹脂
    層を有し、トナー担持体の樹脂層の表面粗さは、JIS
    中心線平均粗さ(Ra)で、0.2〜3.5μmであ
    り、 上記一成分磁性 トナー、少なくとも結着樹脂と磁性体
    とを含有する磁性トナー粒子及び該磁性トナー粒子に外
    添混合されている有機処理された無機微粉体を有する
    成分磁性トナーであって、且つ、一成分磁性トナー
    、体積平均粒径Dv(μm)が3μm≦Dv<6であ
    り、重量平均粒径D4(μm)が3.5≦D4<6.5
    であって、その個数粒度分布における5μm以下の粒子
    の存在割合Nm(個数%)が60<Nm≦90であるこ
    とを特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 3.17μm以下の一成分磁性トナーの
    個数%をNf、3.17μm以下の一成分磁性トナーの
    体積%をVfとした場合に、2≦Nf/Vf≦8であ
    り、且つ5≦Nf≦40である請求項に記載の画像形
    成方法。
  3. 【請求項3】 体積粒度分布における8μm以上の粒子
    の存在割合Vg(体積%)が10以下である請求項
    は請求項に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 無機微粉体が、チタニア、アルミナ、シ
    リカ、或いはその複酸化物の中から選ばれる請求項
    請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 無機微粉体が、少なくともシリコーンオ
    イルで処理されている請求項〜請求項のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 磁性体が、球形度Ψが0.8以上であ
    り、且つ硅素元素含有率が、鉄元素を基準として0.5
    〜4質量%である請求項〜請求項のいずれか1項
    記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 トナー担持体の周速Vtと潜像担持体の
    周速Vとの比Vt/Vが、下記の関係を有する請求項
    〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。 1.1≦Vt/V≦3
  8. 【請求項8】 静電潜像担持体が有機感光体である請求
    〜請求項のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 静電潜像担持体を帯電する帯電部材が該
    静電潜像担持体に当接されている請求項〜請求項
    いずれか1項に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 T1時間とT2時間の比T2/T1が
    0.5〜3である請求項〜請求項のいずれか1項
    記載の画像形成方法。
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