JP2000056511A - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

トナー及び画像形成方法

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JP2000056511A JP23599398A JP23599398A JP2000056511A JP 2000056511 A JP2000056511 A JP 2000056511A JP 23599398 A JP23599398 A JP 23599398A JP 23599398 A JP23599398 A JP 23599398A JP 2000056511 A JP2000056511 A JP 2000056511A
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Tadashi Michigami
正 道上
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
Yasuko Shibayama
寧子 柴山
Keita Nozawa
圭太 野沢
Koichi Tomiyama
晃一 冨山
Yoshihiro Ogawa
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ワックスが結着樹脂中に均一に分散されてお
り、定着性が良好で、耐オフセット性,耐ブロッキング
性及び多数枚耐久性に優れたトナーを提供する。 【解決手段】 結着樹脂は、ビニル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステル
ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み;T
HF可溶成分を50乃至85%、不溶成分を15乃至5
0%含有し;酢酸エチル可溶成分を40乃至98%、不
溶成分を2乃至60%(W4)含有し;クロロホルム可
溶成分を55乃至90%、不溶成分を10乃至45%
(W6)含有し;W4/W6の値が1.1乃至4.0で
あり;分子量4000乃至9000の領域にメインピー
クを有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
5.0乃至65.0%(A1)、分子量1万乃至10万
未満の成分が25.0乃至45.0%(A2)、A1/
A2の値が1.05乃至2.00であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法,静電
記録法,静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利
用した記録方法に用いられるトナー、及び該トナーを用
いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧
力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により転写材に定着し、ト
ナー画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー画像を転写材
としてのシートに定着する工程に関して種々の方法や装
置が開発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラ
ー又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着
加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー画像面を加圧下で接触しながら被定着シート
を通過せしめることによりトナー画像の定着を行なうも
のである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート
上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナー画像
を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好で
あり、迅速に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー画像とが溶融状
態,加圧下で接触する為に、トナー画像の一部が定着ロ
ーラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが
再転移し、被定着シートを汚すという所謂オフセット現
象が定着速度及び定着温度の影響を大きく受ける。一般
に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比
較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラ
ーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナー
を定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量
を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
【0006】被定着シート上のトナー画像は、何層かの
トナー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱
ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラー
に接触するトナー層と、被定着シートに接触している最
下層のトナー層との温度差が、大となる。したがって、
加熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナ
ーが加熱ローラー転移してしまう高温オフセットという
現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場
合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シ
ートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起
きやすい。
【0007】この問題を解決するために、定着速度が速
い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへトナ
ーをアンカーリングさせることが、通常行われている。
この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げること
ができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐこと
は可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常
に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻きつ
いてしまう、所謂巻きつきオフセット現象が発生した
り、定着ローラーから被定着シートを分離するために使
用する分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さ
らには、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押
しつぶされたり、トナーが飛びちったりして定着画像の
画質劣化を生じ易い。
【0008】従来、トナー用結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂及びスチレン系樹脂の如きビニル系共重合体が
主に使用されている。
【0009】ポリエステル樹脂は低温定着性に優れた性
能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を
発生しやすいという問題点を有している。この問題点を
補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾性特
性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合には低
温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー製
造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微粒
子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0010】スチレン系樹脂の如きビニル系共重合体
は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易な
ため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性
を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度
を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしま
うという問題点があった。
【0011】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。
【0012】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性をすべて満足
するものとするのは難しい。
【0013】さらに、トナー製造時に添加される種々の
添加剤、特にワックスの均一分散が困難でありトナーの
定着性能ばかりでなく、現像性にも問題が生じやすく、
特に近年、微粒子化が進んでいるトナーにおいてはこの
問題が顕著となる。
【0014】特開昭56−116043号公報及び特開
昭58−159546号公報では、ポリエステル樹脂の
存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有するこ
とを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】特開昭58−102246号公報及び特開
平1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存
在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含
有することを特徴とするトナーが開示されている。
【0016】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0017】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0018】上述の結着樹脂では縮重合系樹脂と付加重
合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することができ
る。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐高
温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低温
定着性は未だ不十分であり、トナーにワックスが含有さ
れる場合にはワックスの分散状態を制御することが困難
である。トナーとした場合には低温定着性ばかりでな
く、現像性においても未だ改良すべき課題を残してい
る。
【0019】特開昭62−195681号公報及び特開
昭62−195682号公報は、ビニル系樹脂をポリエ
ステル樹脂に対して、特定量含有するビニル系樹脂含有
ポリエステル樹脂よりなる電子写真用現像剤組成物に関
して記載している。
【0020】しかしながら、これらの電子写真用現像剤
組成物において用いられている結着樹脂は、ポリエステ
ル樹脂にビニル系樹脂が分散・混合されている混合物で
あり、低温定着性と耐高温オフセット性を満足すること
は困難である。
【0021】複写機、プリンターともに画像の解像度及
び鮮鋭度の向上が求められている。これにはトナーの小
粒径化が有効である。小粒径化したトナーでは相対的に
トナーに含有される着色剤(磁性体)が多くなり、トナ
ーの低温定着性を維持するのは困難となり、また現像性
も従来以上に厳しい制約を受けることになる。
【0022】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者の検討によれば、ハ
ーフトーン部の画像を形成するトナーの載り量がベタ黒
部に比較して相対的に少ないことによるものであり、熱
ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱フィルムを
介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用
する中〜低速機において顕著である。
【0023】更に、電子写真技術を利用したプリンタ
ー、複写機及びFAXの如き記録装置は、小型化、高速
化及び高耐久の要求が強まっている。その中で、一旦オ
フセットしたトナーが熱ロール定着方式での熱ロールと
対向する加圧ローラーに、或いは、圧着加熱方式での耐
熱フィルムと対向する加圧ローラーに、付着、蓄積して
いく『加圧ローラー汚れ』という現象がある。この現象
が進み、蓄積量が多くなると、紙が加圧ローラーに巻き
付き、ジャムの原因になる。他方、小型化のために、オ
フセットしたトナーを取り除くクリーニング部材をはず
して、定着器の簡素化、及び、高耐久性を実現させたい
という要求がある。したがって、上述したジャムの発生
を抑制し、且つ上述した要求の実現のために、この加圧
ローラー汚れの改良が求められる。
【0024】その一方で、グラフィック画像のさらなる
高品位化の要求も強まってきている。グラフィック画像
の品質の一つの観点として、ベタ画像における画像濃度
の一様性がある。
【0025】このベタ画像における濃度の一様性に関し
て、一成分現像方式においては、図19に示すようにハ
ーフトーンのベタ画像をプリントした際にベタ画像上に
その直前にプリントした画像の反転がトナー担持体の周
期で現れる「ネガスリーブゴースト」と呼ばれる現象が
あり、グラフィック画像の品質を低下させるケースがあ
る。そこで、グラフィック画像の高品位化の点で、「ネ
ガスリーブゴースト」の改良が求められている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したトナー及び該トナーを用いた画
像形成方法を提供することにある。
【0027】本発明の目的は、ワックスが結着樹脂中に
均一に分散されたトナー及び該トナーを用いた画像形成
方法を提供することにある。
【0028】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合でも良好な現像性を示すトナー及び該トナーを
用いた画像形成方法を提供することにある。
【0029】本発明の目的は、着色剤(特に磁性体)の
含有量が増大した小粒径化したトナーの結着樹脂に使用
した場合でも、良好なハーフトーン部の定着性を示すト
ナー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供すること
にある。
【0030】本発明の目的は、熱ロール定着器を使用す
る高速機及び耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによ
る圧着加熱方式を使用する中〜低速機であっても良好な
低温定着性を示し、かつ高温までオフセットが生じるこ
とのない広い定着温度領域を示すトナー及び該トナーを
用いた画像形成方法を提供することにある。
【0031】本発明の目的は、ネガスリーブゴーストの
ない高品位なグラフィック画像が得られるトナー及び該
トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0032】本発明の目的は、加圧ローラーにトナーが
付着/蓄積するという加圧ローラー汚れが発生しないト
ナー及び該トナーを用いた画像形成方法を提供すること
にある。
【0033】本発明の目的は、ワックスの種類、添加量
によらずトナーの定着性及び現像性に悪影響することの
ない分散状態に制御したトナー及び該トナーを用いた画
像形成方法を提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂、着
色剤及びワックスを少なくとも含有するトナーにおい
て、該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユ
ニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、
(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒と
した10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成
分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不
溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロ
ロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、
クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含
有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W
6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0
であり、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)測定による分子量分布に
おいて、分子量4000乃至9000の領域にメインピ
ークを有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が
35.0乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃
至10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%
(A2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃
至30.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.0
5乃至2.00であることを特徴とするトナーに関す
る。
【0035】さらに本発明は、静電潜像保持体に保持さ
れている静電潜像をトナーにより現像し、トナー画像を
形成する現像工程;該静電潜像保持体上に形成されたト
ナー画像を中間転写体を用いてまたは用いずに記録材に
転写する転写工程;及び該記録材に転写されたトナー画
像を加熱定着手段により該記録材に加熱定着する定着工
程;を有する画像形成方法において、該トナーは、結着
樹脂、着色剤及びワックスを少なくとも含有しており、
該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹
脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、(b)
テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10時間の
ソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至85重
量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至50重
量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒とした1
0時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成分を4
0乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不溶成分
を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロロホル
ムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、クロロ
ホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含有し、
クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W6)含
有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であ
り、(f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロ
マトグラフィー(GPC)測定による分子量分布におい
て、分子量4000乃至9000の領域にメインピーク
を有し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が3
5.0乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至
10万未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A
2)であり、分子量10万以上の成分が10.0乃至3
0.0%(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃
至2.00であることを特徴とする画像形成方法に関す
る。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明者の検討によれば、着色剤
(特に磁性体)の含有量が増加した小粒径化したトナー
であっても、定着器の加熱方式によらずハーフトーン画
像でも良好な低温定着性を示し、高温オフセットの発生
温度が高く、オフセットし難いトナーを得るためには、
トナーの結着樹脂が特定の複数の溶媒に選択的に溶解す
る組成と分子量を有する成分を一定量含有することが重
要である。
【0037】従来は、トナーの結着樹脂に含有されるテ
トラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルの
いずれか一種類の溶媒に不溶な樹脂成分を定量するもの
であり、トナーの高温オフセット発生温度とはある程度
対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでな
く、トナーの現像性にも多大な影響を及ぼす可能性のあ
るトナーに含有されるワックスの分散状態を評価する観
点からの評価ではない。
【0038】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)は本発明のトナーに含有される結着樹脂
のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒である
が、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な溶
媒ではない。THFに不溶な成分を定量することは、ポ
リエステル樹脂中の極めて大きな分子量を有する成分ま
たは高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂成分中の
ポリエステルユニットの割合が相対的に多い成分とを定
量することである。このTHFに不溶な成分は、トナー
の低温定着性を評価することができる。更に、より良好
な低温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が
特定の分子量及び分子量成分を有することが重要であ
る。
【0039】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有す
る成分または高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂
成分中のビニル系重合体ユニットの割合が相対的に多い
成分とを定量することである。酢酸エチル不溶成分中に
は、クロロホルムに溶解する成分とクロロホルムに不溶
な成分とが含まれている。トナーの定着性ばかりでなく
トナーに安定した現像性(例えば、画像濃度、カブリ等
の環境依存性)を付与するのに重大な影響を与えるワッ
クスの分散状態を評価することができる。
【0040】クロロホルムは、本発明のトナーに含有さ
れる結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリエステ
ルユニットのいずれに対しても良好な溶媒である。クロ
ロホルムに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹脂
中の極めて大きな分子量を有する成分または高度に架橋
された成分と、ポリエステル樹脂中の極めて大きな分子
量を有する成分または高度に架橋された成分とハイブリ
ッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有する成分また
は高度に架橋された成分とを定量することである。この
様なハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有
する成分または架橋された成分は、トナーの高温オフセ
ット発生温度と密接に関係するが、更には、トナーが感
光体上に固着する融着あるいはブレード等のクリーニン
グ部材によりトナーがクリーニングされない等の現象
(クリーニング不良)とこれに伴う画像欠陥の発生とも
関係する。
【0041】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
にワックスの分散及び耐高温オフセットのバランスを示
すだけではなく、トナーが画像欠陥を発生することなく
安定な現像性を示すための指標となる。
【0042】本発明において、結着樹脂は、THF不溶
分(W2)を15乃至50重量%含有していることが良
く、好ましくは20乃至45重量%、更に好ましくは2
5乃至40重量%含有することが良い。THF不溶分の
含有量が15重量%未満となる場合には、トナーの高温
オフセット発生温度が低くなり耐ホットオフセット性に
問題が生じるばかりでなく、トナーの保存性も悪化する
場合があり好ましくない。THF不溶分の含有量が50
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0043】本発明において、結着樹脂は、酢酸エチル
不溶分(W4)を2乃至60重量%含有していることが
良く、好ましくは5乃至50重量%、更に好ましくは1
0乃至40重量%含有することが良い。酢酸エチル不溶
分の含有量が2重量%未満となる場合には、トナーの耐
ホットオフセット性に問題が生じ、トナーに含有される
ワックスの分散状態を制御するのが困難となり、耐久に
より画像濃度が低下する場合があり好ましくない。酢酸
エチル不溶分の含有量が60重量%超となる場合には、
トナーの低温定着性に問題が生じ、耐久によりカブリ濃
度が高くなる場合があり好ましくない。
【0044】本発明において、結着樹脂は、クロロホル
ム不溶分(W6)を10乃至45重量%含有することが
良く、好ましくは15乃至40重量%、更に好ましくは
17乃至37重量%含有することが良い。クロロホルム
不溶分の含有量が10重量%未満となる場合には、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりトナーが感光体上に融着する現象が発生する場合が
あり好ましくない。クロロホルム不溶分の含有量が45
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性に問題が
生じるばかりでなく、耐久により感光体上のトナーがク
リーニングされにくくなる場合があり好ましくない。
【0045】酢酸エチル不溶分(W4)とクロロホルム
不溶分(W6)との比(W4/W6)の値は、1.1乃
至4.0であることが良く、好ましくは1.2乃至3.
5、更に好ましくは1.3乃至3.0であることが良
い。比(W4/W6)が1.1未満あるいは4.0超と
なるいずれの場合においても耐久により画像濃度が低下
する。
【0046】さらに、本発明においては、結着樹脂は、
(i)THF不溶分(W2)を含有しており、THF不
溶分(W2)は、さらにクロロホルム不溶分(W6A)
をA重量%(結着樹脂の重量基準で)含有しており、
(ii)酢酸エチル不溶分(W4)を含有しており、酢
酸エチル不溶分(W4)は、さらにクロロホルム不溶分
(W6B)をB重量%(結着樹脂の重量基準で)含有し
ている。
【0047】このTHF不溶成分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と酢酸エチ
ル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶成
分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足することが
好ましく、 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 さらに好ましくは、下記条件を満足することが良い。
【0048】5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5
【0049】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を3重量%未満含有している場合には、ト
ナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、
トナーの耐久による画像濃度が低下する場合があり好ま
しくない。
【0050】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を25重量%より多く含有している場合に
は、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0051】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を7重量%未満含有している場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0052】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を30重量%より多く含有している場
合には、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好
ましくない。
【0053】THF不溶分(W2)が含有しているクロ
ロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル不溶分
(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W6B)
の含有量との合計量(W6A+W6B)は、結着樹脂の
クロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当するもので
あり、よって、合計量(W6A+W6B)の上下限から
外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分(W6)の
含有量の上下限から外れる場合と同様の結果となる。
【0054】さらにTHF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル
不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W
6B)の含有量との比率が1:1未満の場合には、トナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、ト
ナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0055】1:3超の場合には、トナーの低温定着性
が損なわれるばかりでなく、耐久により画像濃度が低下
する場合があり好ましくない。
【0056】THF可溶分は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分
布において、メインピークを分子量4000乃至900
0の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃
至8500の領域に有しており、更に好ましくは、分子
量4500乃至8000の領域に有していることが良
い。メインピークを分子量4000未満の領域に有する
場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場
合があり、メインピークを分子量9000超の領域に有
する場合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0057】分子量500乃至1万未満の領域の成分
(A1)は、35.0乃至65.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは37.0乃至60.0%、更に好
ましくは40.0乃至55.0%含有されていることが
良い。分子量500乃至1万未満の領域の成分の含有量
が、35.0%未満となる場合にはトナーの低温定着性
が悪化する場合があり、65.0%超となる場合にはト
ナーの保存性が悪化する場合があり好ましくない。
【0058】分子量1万乃至10万未満の領域の成分
(A2)は、25.0乃至45.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは27.0乃至42.0%、更に好
ましくは30.0乃至40.0%含有されていることが
良い。分子量1万乃至10万未満の領域の成分の含有量
が、25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、45.0%超となる
場合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ま
しくない。
【0059】分子量10万以上の領域の成分(A3)
は、10.0乃至30.0%含有されていることが良
く、好ましくは12.0乃至25.0%、更に好ましく
は15.0乃至22.0%含有されていることが良い。
分子量10万以上の領域の成分の含有量が、10.0%
未満となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪
化する場合があり、30.0%超となる場合にはトナー
の低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。
【0060】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
00であることが良く、好ましくは1.10乃至1.9
0、更に好ましくは1.15乃至1.80であることが
良い。比(A1/A2)が1.05未満となる場合には
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00超
となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0061】本発明において、結着樹脂を合成する際に
用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマーとビ
ニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂を合成
するためのモノマー100重量部に対して、ビニル系モ
ノマー10乃至100重量部、好ましくは15乃至80
重量部、さらに好ましくは20乃至70重量部であるこ
とが良い。
【0062】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと
(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル
基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニット
とがエステル交換反応によって形成されるものであり、
好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユ
ニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブ
ロック共重合体)を形成するものである。
【0063】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル重合体ユニットとポリエステルユニット
とは、
【0064】
【化9】 を介して結合するものである。
【0065】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
ビニル系重合体ユニット中の全カルボン酸エステルのポ
リエステルユニットとの反応率、すなわちグラフト化率
がビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エス
テルを基準にして、好ましくは10乃至60モル%、よ
り好ましくは15乃至55モル%、更に好ましくは20
乃至50モル%含有することが良い。グラフト化率が1
0モル%未満となる場合にはビニル系重合体ユニットと
ポリエステルユニットの相溶性が悪化し、ワックスの分
散性も悪化することがあり好ましくなく、60モル%超
となる場合には相対的に分子量の大きな成分が増大する
結果トナーの低温定着性が悪化する場合があり好ましく
ない。
【0066】酢酸エチルに不溶な成分(W4)は、ポリ
エステル樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し
ていることが良く、好ましくは50乃至95重量%、更
に好ましくは60乃至90重量%含有していることが良
い。ポリエステル樹脂成分(Gp)含有量が40重量%
未満となる場合には、トナーの定着性が悪化する可能性
があり好ましくなく、98重量%超となる場合には、炭
化水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく好ましく
ない。
【0067】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、ポ
リエステル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有
していることが良く、好ましくは25乃至85重量%、
更に好ましくは30乃至80重量%含有していることが
良い。ポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量が20重
量%未満となる場合には、炭化水素系ワックスがトナー
に含有される結着樹脂全体で均一に分散されるために定
着性が改良されず、90重量%超となる場合には、炭化
水素系ワックスとの相溶性が悪くなりやすく局在化が生
じ、ホットオフセットが発生しやすくない。
【0068】比(Sp/Gp)は、0.5乃至1である
ことが良く、好ましくは0.6乃至0.95、更に好ま
しくは0.65乃至0.9であることが良い。比(Sp
/Gp)が0.5未満となる場合、及び比(Sp/G
p)が1超となる場合には、いずれも酢酸エチルに不溶
な成分と溶解する成分とが均一に混合されず、トナーの
現像性が悪化する場合があり好ましくない。
【0069】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、重
量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30
以上であることが良く、好ましくはMwが30万乃至2
00万、Mw/Mnが50乃至300であり、更に好ま
しくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃
至250である。Mwが20万未満又はMw/Mnが3
0未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合
があり好ましくない。
【0070】本発明においては、トナーの結着樹脂全体
の酸価(AV1)は、7〜40mgKOH/gであれば
よいが、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好
ましくは15〜35mgKOH/g、さらに好ましくは
17〜30mgKOH/gであることが良い。
【0071】さらに、トナーの酢酸エチル可溶分(W
3)の酸価(AV2)は、10〜45mgKOH/gで
あればよいが、好ましくは15〜45mgKOH/g、
より好ましくは17〜40mgKOH/g、さらに好ま
しくは20〜35mgKOH/gであることが良い。
【0072】このトナーの結着樹脂全体の酸価(AV
1)とトナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価(AV
2)との比(AV1/AV2)は、好ましくは0.7〜
2.0、より好ましくは0.9〜1.7、さらに好まし
くは1.0〜1.5であることが良い。
【0073】トナーの結着樹脂全体の酸価(AV1)が
7mgKOH/g未満の場合及び40mgKOH/gを
超える場合、ともに耐久によって画像濃度が低下する場
合があり好ましくない。
【0074】トナーの酢酸エチル可溶分(W3)の酸価
(AV2)が、10mgKOH/g未満の場合にはトナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれる場合があり好まし
くなく、45mgKOH/gを超える場合にはトナーの
低温定着性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0075】AV1/AV2の値が0.7未満の場合に
は耐久による画像濃度が低下する場合があり好ましくな
く、2.0を超える場合にはトナーの耐高温オフセット
性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0076】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットは、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる
2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸
または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくと
も1種以上を含有するものである。
【0077】
【化10】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R3,R4,R5
及びR6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換
基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R7及びR8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基を表わし、nは12乃至
40の整数を表わす。]
【0078】式(1)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(1−1)〜(1−6)が挙げられる。
【0079】
【化11】
【0080】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(2−1)〜(2−4)が挙げられる。
【0081】
【化12】
【0082】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(3−1)〜(3−3)が挙げられる。
【0083】
【化13】
【0084】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(4−1)〜(4−2)が挙げられる。
【0085】
【化14】
【0086】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(5−1)〜(5−5)が挙げられる。
【0087】
【化15】
【0088】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(6−1)〜(6−5)が挙げられる。
【0089】
【化16】
【0090】本発明に用いられるポリエステル樹脂のモ
ノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0091】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(7−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(7
−2)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0095】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0096】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカ
ルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリ
ル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケト
ンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビ
ニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニル
ピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル
アミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等
が挙げられる。
【0097】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0098】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0099】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリ
エステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸または
その無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋
された架橋構造を有しているものである。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,−シク
ロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物ま
たは低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多
価アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパン
トリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、好まし
くは1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその酸無
水物である。
【0100】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0101】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0102】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(さらに好ま
しくは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0103】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0104】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。
【0105】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0106】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0107】本発明のトナーに用いられる結着樹脂を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0108】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機
溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコール
を添加し、加熱することによりエステル交換反応を行な
って合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0109】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0110】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0111】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0112】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0113】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0114】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0115】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0116】本発明のトナー、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
好ましくは温度70乃至160℃、より好ましくは温度
70乃至140℃、さらに好ましくは75乃至140
℃、最も好ましくは80乃至135℃の領域に吸熱メイ
ンピークを有することがトナーの低温定着性及び耐オフ
セット性の点で良い。
【0117】さらに好ましくは、ワックスを含有するト
ナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度80〜155℃、好ましくは90〜130℃の
領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱シ
ョルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット
性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0118】トナーのDSC曲線において、温度70乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点が好ましくは70〜160℃、より好ましくは75〜
160℃、さらに好ましくは75〜140℃、最も好ま
しくは80〜135℃であるものが使用される。
【0119】このようなワックスとしては、例えば、低
分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロク
リスタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪
族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭
化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワック
ス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワックス
の如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックス
にスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用い
てグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセ
リドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化
物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ
ル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0120】本発明において好ましく用いられる低融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。更に、プレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の
利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行
なったものがより好ましく用いられる。母体としての炭
化水素は、金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元
系)を使用した、一酸化炭素と水素の反応によって合成
されたもの、例えばジントール法、ヒドロコール法(流
動触媒床を使用)、あるいはワックス状炭化水素が多く
得られるアーゲ法(固定触媒床を使用)により得られ
る。
【0121】本発明において好ましく用いられる高融点
ワックス成分としては、分岐の少ない長鎖アルキル基を
有する炭化水素からなり、具体的には例えばアルキレン
を高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触
媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、高分子量
のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレン
ポリマー、一酸化炭素・水素からなる合成ガスからアー
ゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいは
これらを水素添加して得られる合成炭化水素などのワッ
クスがよい。それ以外の好ましく用いられるワックスと
しては、水酸基、カルボキシル基等の置換機を有する置
換アルキルワックスがある。
【0122】さらに、本発明者らは、上記のハイブリッ
ド樹脂成分を有する結着樹脂と組合わせて用いるワック
スとして、下記式(A),(B)または(C)
【0123】
【化19】 で示される長鎖アルキル化合物を用いることにより、ト
ナー中で長鎖アルキル化合物が良好に分散し得ることを
見い出した。
【0124】本発明で用いられる式(A),(B)及び
(C)で表せる長鎖アルキル化合物は、疎水性のアルキ
ル基と親水性の水酸基及びカルボキシル基を有するため
に、ポリエステルユニット及び無極性ワックスである炭
化水素系ワックス、ポリオレフィンワックスの両者との
相溶性が良好である。
【0125】従って、式(1)乃至(5)で表せるカル
ボン酸あるいはアルコールと同様に本発明で用いられる
ハイブリッド樹脂成分と組み合わせた場合にワックスの
分散状態を制御することが可能となり、特に混練工程で
ワックスを添加してトナーを製造する場合には効果的で
ある。
【0126】本発明者の検討によれば、ハイブリッド樹
脂成分と式(A),(B)または(C)で表せる長鎖ア
ルキル化合物を組み合わせて使用する場合、ソックスレ
ー抽出でテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムに不溶な成分を定量することにより、前
述した様にトナーの低温定着性、現像性及び耐高温オフ
セット性を評価することができる。更にテトラヒドロフ
ラン(THF)、酢酸エチル及びクロロホルムの各溶媒
に不溶な成分に含有されるワックス量を知ることによ
り、ワックスの分散状態に関する知見を得ることができ
る。
【0127】ワックスの分散状態は、ビニル系重合体及
びポリエステルユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分に含有されるワックス量とトナー粒子に含有される
ワックス量(H)を比較することにより評価することが
できる。
【0128】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)に不溶な成分(W2)に含有されるワッ
クスは主にポリエステルユニットの含有量が相対的に多
いハイブリッド樹脂成分に分散されているワックス量
(H1)に相当し、酢酸エチルに不溶な成分(W4)に
含有されるワックスは主にビニル系重合体ユニットの含
有量が相対的に多いハイブリッド樹脂成分に分散されて
いるワックス量(H2)に相当し、クロロホルムに不溶
な成分(W6)に含有されるワックスは主に極めて大き
な分子量を有する成分または架橋されたハイブリッド樹
脂成分に含有されているワックス量(H3)に相当する
ものと考えられる。
【0129】従って、トナー粒子に含有されるワックス
の分散状態は、トナー粒子及びテトラヒドロフラン(T
HF)、酢酸エチル、クロロホルムの各溶媒に不溶な成
分に含有されるワックス量比(H:H1:H2:H3)
で評価できる。
【0130】本発明のトナーにおいて、比(H:H1:
H2:H3)は1:0.6:0.6:0.6乃至1:
2:2:2となれば良いが、好ましくは1:0.7:
0.7:0.7乃至1:1.7:1.7:1.7となる
場合であり、さらに好ましくは1:0.8:0.8:
0.8乃至1:1.5:1.5:1.5となる場合であ
る。
【0131】もし、比(H:H1:H2:H3)のH
1,H2及びH3が0.6未満となる場合には、ワック
スがビニル系重合体ユニットあるいはポリエステルユニ
ットのどちらかとの相溶性が強く、偏在する傾向がある
か、またはワックスの分散粒径が小さいことを示す。比
(H:H1:H2:H3)のH1,H2及びH3が2超
となる場合には、ワックスがビニル系重合体ユニットあ
るいはポリエステルユニットのいずれとの相溶性が悪
く、ワックスの分散粒径が大きいことを示し、いずれの
場合にも低温定着性、耐高温オフセット性及び耐ブロッ
キング性のいずれかに問題が生じる場合があり好ましく
ない。
【0132】一般的に、トナーの低温での定着性は、溶
媒に溶解する分子量の低い樹脂組成物と関係付けられ、
高温でのオフセット発生は溶媒に不溶である樹脂組成物
と関係付けられ、相互に補完することで定着性と耐ホッ
トオフセット性を両立している。
【0133】換言すれば、低温でのトナー定着性は、溶
媒に不溶である樹脂組成物の存在で阻害される可能性が
ある。本発明のトナーの結着樹脂に含有される酢酸エチ
ルに不溶であるポリエステル樹脂成分は、式(A),
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物と良好な相溶性
を示すことにより選択的に相互作用し分散状態を安定化
する。それと同時にトナーが加熱定着される際には溶融
した式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
により効率的に軟化し、定着性を阻害することが少な
く、良好な定着性と耐ホットオフセット性を達成でき
る。
【0134】上記の長鎖アルキル化合物(A)を得るに
は、例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて重合し、
重合終了後、酸化して触媒金属とポリエチレンとのアル
コキシドを生成する。この後、加水分解することによ
り、式(A)に示す長鎖アルキルアルコールを得る。さ
らにこの長鎖アルキルアルコールをエポキシ基を有する
物質を反応させることにより、上記の式(B)で示され
る長鎖アルコキシアルコールを得る。この様にして得ら
れた長鎖アルキルアルコールは、共に分岐が少なく、さ
らに、分子量分布がシャープなものが、本発明の目的に
そったものである。
【0135】上記の式(C)の長鎖炭化水素化合物は、
式(A)で示される長鎖炭化水素化合物を酸化すること
により得られる。
【0136】式(A),(B),式(C)に示される化
合物において、平均値xは35〜150が好ましい。x
が35未満の場合は潜像保持体に融着が発生したり、ト
ナーの保存安定性が低下する。xが150より大きい場
合は、式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合
物の極性基と結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分
(G)との相互作用が小さくなり、ネガ・スリーブゴー
ストの改良の効果が低下する。平均値yは5以下が好ま
しい。yが5より大きいと、融点が低くなり、潜像保持
体に融着が発生しやすいからである。同様の理由でRは
H或いはC1〜C10の炭化水素基が好ましい。
【0137】さらに、本発明に用いられる長鎖アルキル
化合物は、数平均分子量Mnが150〜2500、重量
平均分子量Mwが250〜5000、Mw/Mnが3以
下であることが好ましい。
【0138】Mnが150未満又はMwが250未満の
場合には、潜像保持体融着が発生したり、トナーの保存
安定性が低下する。Mnが2500を超える又はMwが
5000を超える場合には、式(A),(B)又は
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基と結着樹脂中の
酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が小さくな
りネガ・スリーブゴーストの改良効果が小さくなる。
【0139】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)は、OH価が、好ましくは2〜150
mgKOH/g、より好ましくは10〜120mgKO
H/gであることが良い。長鎖アルキル化合物(A)及
び(B)のOH価が2mgKOH/g未満である場合
は、式(A),(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物
中の極性基が少なく結着樹脂中の酢酸エチルに不溶な成
分(G)との相互作用が小さくなりネガ・スリーブゴー
ストの改良効果が小さくなる。長鎖アルキル化合物
(A)及び(B)のOH価が、150mgKOH/gよ
り大きい場合は、OH基の電荷密度の偏りが大きくな
り、結着樹脂中のOH基の電荷密度の偏りよりも大きく
なるため、コピー画像において、初期から濃度の低い低
画質のものあるいは、初期の濃度は高くても、コピーを
続けてゆくうちに次第に濃度が低下してゆく現象が出現
しやすい。さらに、OH価が150mgKOH/gより
大きい場合は、長鎖アルキルアルコールの分子量の低い
ものが多く含まれるため、トナーが潜像保持体に融着し
やすくなり、さらに、保存安定性も低下する。
【0140】本発明に用いられる長鎖アルキル化合物
(C)は、酸価が、好ましくは2〜150mgKOH/
g、より好ましくは5〜120mgKOH/gであるこ
とが良い。酸価が2mgKOH/g未満の場合は、式
(C)の長鎖アルキル化合物中の極性基が少なく、結着
樹脂中の酢酸エチルに不溶な成分(G)との相互作用が
小さくなりネガ・スリーブゴーストの改良効果が小さ
い。酸価が150mgKOH/gより大きい場合には、
低分子量のものが多く含まれるため、トナーが潜像保持
体に融着しやすく、保存安定性も低下する。
【0141】本発明のトナーに含有される式(A),
(B)又は(C)の長鎖アルキル化合物を含有するトナ
ーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有
することがトナーの低温定着性及び耐オフセット性の点
で好ましい。
【0142】長鎖アルキル化合物は、より好ましくは、
示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、温度
80〜135℃の領域に吸熱メインピークを有すること
が好ましい。さらに好ましくは、示差走査熱量計で測定
されるDSC曲線において、温度90〜130℃の領域
に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱ショル
ダーを有していることが低温定着性、耐オフセット性及
び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0143】これら長鎖アルキル化合物を単独で用いる
場合は、結着樹脂100重量部当り、0.1〜30重量
部、好ましくは0.5〜20重量部使用するのが好まし
い。
【0144】長鎖アルキル化合物を他のワックスと併用
する場合は、この使用総量を、結着樹脂100重量部当
り0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部
使用するのが好ましい。
【0145】本発明のトナーでは、ある特定な結着樹脂
とある特定な長鎖アルキル化合物とともに少なくとも、
炭化水素ワックス、若しくは石油系ワックスを含有する
ことが好ましい。これらワックスの存在により定着器で
発生する加圧ローラー汚れが、改良される。本発明者
は、加圧ローラー汚れ現象について鋭意検討したとこ
ろ、この現象は、単にオフセットするトナーの量に依存
するものではなく、加圧ローラーとの付着性・離型性
が、重要な因子であることがわかった。
【0146】本発明者らは、この付着性・離型性という
点に着目し、さらに検討を進めた結果、本発明の特定の
結着樹脂、及び、特定の長鎖アルキル化合物及び炭化水
素ワックスもしくは、石油系ワックスを組み合せる事に
より、加圧ローラー汚れが改良できることを見い出し
た。
【0147】極性をほとんど有しない炭化水素ワックス
もしくは石油系ワックスは、本発明の結着樹脂中の酢酸
エチルに不溶な成分(G)に主に分散する。
【0148】これらワックスは本発明のトナーに若干の
極性を有する上記式(A),(B)又は(C)で示され
る長鎖アルキル化合物との相互作用により、酢酸エチル
に不溶な成分(G)における、その存在の様態が従来に
なかった様な状態になり、加圧ローラーに対する離型性
が向上する。これにより、加圧ローラー汚れが改良され
るものと考えている。
【0149】本発明に含有できる炭化水素ワックスとし
ては、具体的には例えばエチレンやプロピレンの如きア
ルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチー
グラー触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー、
高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるア
ルキレンポリマー、一酸化炭素及び水素からなる合成ガ
スからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分か
ら、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水
素などのワックスが用いられる。更に、プレス発汗法、
溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別を行
なったものがより好ましく用いられる。
【0150】石油系ワックスとしては、パラフィンワッ
クス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム
の如き石油より分離されたワックスが使用される。
【0151】本発明における炭化水素ワックス、石油系
ワックスは実質的に官能基を有しない。実質的とは、官
能基の数が1分子あたり0.1個以下であるものを指
す。
【0152】本発明において使用される炭化水素ワック
スもしくは石油系ワックスは、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
温度70〜140℃の領域に吸熱メインピークを有する
ことが、トナーの低温定着性及び耐オフセット性及び加
圧ローラー汚れ防止の点で好ましい。
【0153】より好ましくは、炭化水素ワックスもしく
は石油系ワックスを含有するトナーは、示差走査熱量計
で測定されるDSC曲線において温度80〜135℃の
領域に吸熱メインピークを有することが好ましい。さら
に好ましくは、ワックスを含有するトナーは、示差走査
熱量計で測定されるDSC曲線において、温度90〜1
30℃の領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又
は吸熱ショルダーを有していることが低温定着性、耐オ
フセット性、加圧ローラー汚れ防止及び耐ブロッキング
性の点で好ましい。
【0154】炭化水素ワックス及び石油系ワックスは、
GPCで測定したその分子量分布から求めた重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが
1.0〜3.0であるものが好ましい。炭化水素ワック
ス及び石油系ワックスがこの範囲を満たす場合、加圧ロ
ーラー汚れの改良の効果がより大きい。
【0155】本発明において用いられる炭化水素ワック
スもしくは石油系ワックスの含有量(Y)としては、結
着樹脂100重量部に対して、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜20重量部使用するのが好ましい。ま
た、上記式(1),(2)又は(3)で示される長鎖ア
ルキル化合物の含有量(X)と炭化水素ワックスもしく
は石油系ワックスの含有量(Y)は、下記条件X/Y=
0.02〜50を満たしている事が好ましい。
【0156】X/Yが0.02未満及び50を超える場
合は、加圧ローラー汚れの改良の効果が小さくなってし
まう。
【0157】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当り好ましく
は0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量
部使用するのが好ましい。
【0158】荷電制御剤としては、以下のものが挙げら
れる。
【0159】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0160】本発明のトナーは、特に下記式(1)で示
される荷電制御剤を含有していることが好ましい。
【0161】
【化20】
【0162】上記式(1)で示す荷電制御剤の中で、特
に下記式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物が好まし
く用いられる。
【0163】
【化21】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
子、C118のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
キシ、C118のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾ
イルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3は同
じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1〜
3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニトロ
基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イオ
ンからなるグループから選択されるカチオンイオンを示
す。]
【0164】さらに、該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノ
ールに対する溶解度が、好ましくは0.1〜8g/10
0ml、より好ましくは0.3〜4g/100ml、さ
らに好ましくは0.4〜2g/100mlであることが
良い。
【0165】このような荷電制御剤を用いることによ
り、ネガ・スリーブゴーストをより良好に改善すること
ができる。この理由としては、はっきりしたことは不明
であるが、式(1)(好ましくは式(2))で示される
化合物は、本発明で用いるハイブリッド樹脂成分を含む
結着樹脂に良好に分散することが可能なためと推察され
る。この結果、トナー粒子個々の帯電が均一になり、ネ
ガ・スリーブゴーストが改良されると考えられる。
【0166】特に、本発明で用いる結着樹脂との組み合
わせにおいては、前記式(2)に示したアゾ系鉄錯体化
合物のA+が75〜98モル%のアンモニウムイオンを
含有することが、安定したトナー画像を得るために好ま
しい傾向を示す。アンモニウムイオンがこの範囲内にあ
るときに、酢酸エチルに可溶な成分・不溶な成分両方に
特に良好な分散性を示すと考えられる。アゾ系鉄錯体化
合物においてアンモニウムイオンだけをカチオンとして
有する場合には、ネガ・スリーブゴーストが悪化する傾
向が見られる。一方、プロトンやアルカリ金属だけをカ
チオンとして有する場合にも同様にネガ・スリーブゴー
ストが悪化する。
【0167】本発明者らが検討したところ、カチオン成
分としてアンモニウムイオンおよびアルカリ金属イオン
および/またはプロトンを共存させることで、本発明で
用いる結着樹脂への分散が良好な化合物が得られる。特
に、アンモニウムイオンが75〜98モル%になると分
散性が良好になる。
【0168】さらに、本発明においてトナーに用いるア
ゾ系鉄錯体化合物はメタノールに対する溶解度が、好ま
しくは0.1g/100ml〜8g/100ml、より
好ましくは0.3g/100ml〜4g/100ml、
さらに好ましくは0.4g/100ml〜2g/100
mlであることが良い。
【0169】溶解度が0.1g/100ml未満である
場合には、トナー中への分散性が低くなりやすい。
【0170】一方、溶解度が8g/100mlを超える
場合には、トナーの帯電性が悪化しやすく、ネガ・スリ
ーブゴーストが悪化しやすい。
【0171】これらの荷電制御剤は結着樹脂100重量
部に対して0.2重量部〜5重量部で用いることが好ま
しい。
【0172】本発明で用いるアゾ系鉄錯体化合物の代表
的な具体例としては、次のような化合物が挙げられる。
【0173】
【化22】
【0174】
【化23】
【0175】
【化24】
【0176】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、及び
他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのよう
な金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,
Pb,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0177】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuFe
24)、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、酸化鉄ニッケ
ル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe
23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げ
られる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又
はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0178】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm、より好ましくは0.1〜0.5μmであり、79
5kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性が
抗磁力1.5〜12kA/m(20〜150エルステッ
ド)、飽和磁化50〜200Am2/kg(50〜20
0emu/g)、好ましくは50〜100Am2/kg
(50〜100emu/g)、残留磁化2〜20Am2
/kg(2〜20emu/g)のものが好ましい。
【0179】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0180】本発明に用いられる磁性体としては、球形
度(Ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄を使用することが好
ましい。球形度(Ψ)が0.8以上の磁性酸化鉄がトナ
ー中に存在することで、磁性酸化鉄がトナー粒子表面に
適度に露出し易くなり、トナーの帯電性が安定し、ネガ
・スリーブゴーストの改良に効果があると考えられる。
【0181】本発明で使用する磁性酸化鉄はケイ素元素
を含有することが好ましく、さらには磁性酸化鉄のケイ
素元素の含有率が鉄元素を基準として0.2〜4重量%
であり、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%まで
に存在するケイ素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ
素元素の全含有量Aとの比(B/A)×100が44〜
84%であり、該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の
含有量Cと該含有量Aとの比(C/A)×100が10
〜55%であることが、より好ましい。磁性酸化鉄がケ
イ素元素を含有し、さらに好ましくは上記の条件を満た
すように存在することで、よりネガ・スリーブゴースト
の改良に効果がある。
【0182】本発明に係るケイ素元素を有する磁性酸化
鉄粒子は、例えば下記方法で製造される。
【0183】第一鉄塩水溶液に所定量のケイ酸化合物添
加した後に、鉄成分に対して当量または当量以上の水酸
化ナトリウムのごときアルカリを加え、水酸化第一鉄を
含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHを7以上
(好ましくは8〜10)に維持しながら空気を吹き込
み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の
酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず
生成する。
【0184】次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に
加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第
一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6〜10に維持
しながら空気を吹き込みながら水酸化第一鉄の反応を進
め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化
反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していく
が、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応
の終期に液のpHを調整することにより、磁性酸化鉄粒
子の表層及び表面にケイ酸化合物を所定量偏在させるこ
とが好ましい。
【0185】添加に用いるケイ酸化合物は、市販のケイ
酸ソーダ等のケイ酸塩類、加水分解等で生じるゾル状ケ
イ酸等のケイ酸が例示される。なお本発明に悪影響を与
えない限り、硫酸アルミ、アルミナのその他の添加剤を
加えても良い。
【0186】第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン
製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生す
る硫酸鉄の利用が可能であり、さらに塩化鉄も用いるこ
とができる。
【0187】水溶液法による磁性酸化鉄の製造におい
て、第一鉄塩水溶液の濃度は反応時の粘度の上昇を防ぐ
ため、また硫酸鉄の溶解度の関係により、鉄濃度0.5
〜2mol/リットルが用いられる。硫酸鉄の濃度は一
般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。ま
た反応に際しては空気量が多いほど、そして反応温度が
低いほど微粒化しやすい。
【0188】上述の製造方法によりケイ酸成分を有する
磁性酸化鉄粒子を生成し、その磁性酸化鉄粒子をトナー
に使用することが好ましい。
【0189】本発明において、磁性酸化鉄粒子表面のケ
イ素元素の含有量Cは、次のような方法によって求める
ことが出来る。例えば、5リットルのビーカーに約3リ
ットルの脱イオン水を入れ50〜60℃になるようにウ
ォーターバスで加温する。約400mlの脱イオン水で
スラリーとした磁性酸化鉄粒子約25gを約300ml
の脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水と共に5リ
ットルビーカー中に加える。
【0190】次いで温度を約60℃,撹拌スピードを約
200rpmに保ちながら、特級水酸化ナトリウムを加
え約1規定の水酸化ナトリウム溶液として、磁性酸化鉄
粒子表面のケイ酸の如きケイ素化合物の溶解を開始す
る。溶解開始から30分後に20mlサンプリングし、
0.1μmメンブランフィルターでろ過し、ろ液を採取
する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)によってケイ
素元素の定量を行う。
【0191】ケイ素元素の含有量Cは、水酸化ナトリウ
ム水溶液中の磁性酸化鉄の単位重量当たりのケイ素元素
濃度(mg/リットル)に相当する。
【0192】本発明において、磁性酸化鉄粒子のケイ素
元素の含有率(鉄元素を基準とする)及び鉄元素の溶解
率及びケイ素元素の含有量A及びBは、次のような方法
によって求めることが出来る。例えば、5リットルのビ
ーカーに約3リットルの脱イオン水を入れ45〜50℃
になるようにウォーターバスで加温する。約400ml
の脱イオン水でスラリーとした磁性酸化鉄約25gを約
300mlの脱イオン水で水洗しながら、該脱イオン水
とともに5リットルビーカー中に加える。
【0193】次いで温度を約50℃、撹拌スピードを約
200rpmに保ちながら特級塩酸を加え、溶解を開始
する。このとき、磁性酸化鉄濃度は約5g/リットル、
塩酸水溶液は約3規定となっている。溶解開始から、全
て溶解して透明になるまでの間に数回約20mlサンプ
リングし、0.1μmメンブランフィルターでろ過し、
ろ液を採取する。ろ液をプラズマ発光分光(ICP)に
よって、鉄元素及びケイ素元素の定量を行う。
【0194】次式によって各サンプルごとの鉄元素溶解
率が計算される。
【0195】
【数1】
【0196】各サンプルごとのケイ素元素の含有率及び
含有量は、次式によって計算される。
【0197】
【数2】
【0198】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の全含有量A
は、全て溶解した後の磁性酸化鉄粒子の単位重量当たり
のケイ素元素濃度(mg/リットル)に相当する。
【0199】磁性酸化鉄粒子のケイ素元素の含有量B
は、磁性酸化鉄粒子の溶解率が20%の場合に、検出さ
れる磁性酸化鉄粒子の単位重量当たりのケイ素元素濃度
(mg/リットル)に相当する。磁性酸化鉄粒子の溶解
率が20%という状態は、磁性酸化鉄の表面付近のみが
塩酸により溶解した状態であり、この時のケイ素元素の
含有量Bは磁性酸化鉄の表面近くに存在しているケイ素
元素の量を表している。
【0200】ケイ素元素の含有量A、B及びCを測定す
る方法としては、(1)磁性酸化鉄の試料を2つに分け
て、ケイ素元素の含有率及び含有量A及びBを測定する
一方で、含有量Cを別途測定する方法と、(2)磁性酸
化鉄の試料の含有量Cを測定し、測定後の試料を使用し
て次いで含有量B’(含有量Bから含有量Cを引いた
量)および含有量A’(含有量Aから含有量Cを引いた
量)を測定し、最終的に含有量A及びBを算出する方法
が挙げられる。
【0201】磁性酸化鉄の球形度の測定は以下のように
して行う。磁性酸化鉄の電子顕微鏡写真を用いてランダ
ムに100個以上の磁性酸化鉄粒子を選び、各粒子の最
小長と最大長の比を求め、次いで各計算値を平均したも
のとする。
【0202】 球形度(Ψ)=最小長(μm)/最大長(μm)
【0203】本発明のトナーは、磁性体の他に、着色剤
としては、カーボンブラック,チタンホワイトやその他
の顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本
発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合に
は、染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレ
クトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ア
シッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.
I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー
7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシッ
クグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。
顔料としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイ
エロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パ
ーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリ
ブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾ
ロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッ
ド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカル
シウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3
B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイ
オレットレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレー
キ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、
ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、
ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、フ
ァイナルイエローグリーンGがある。
【0204】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0205】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0206】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料があ
げられる。
【0207】
【化25】
【0208】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0209】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5
〜50重量部である。
【0210】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理ア
ルミナがある。
【0211】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0212】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0213】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0214】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0215】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0216】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0217】疎水化方法としては、カップリング剤の如
きシリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素
化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する
ことによって付与される。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ
微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0218】シランカップリング剤としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個の
シロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1
個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシ
ロキサンがある。
【0219】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカッ
プリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)が挙げられる。
【0220】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、さらに好ましくは10〜200センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイルが特に好ましい。シリ
コーンオイル処理の方法としては、例えば、シランカッ
プリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイ
ルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混
合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオ
イルを噴霧する方法;あるいは適当な溶剤にシリコーン
オイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を
加え混合し溶剤を除去する方法;を用いることが可能で
ある。
【0221】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。
【0222】本発明においては、シリカを予め、カップ
リング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方
法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイ
ルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ま
しい。
【0223】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0224】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。
【0225】本発明のトナーは、重量平均粒径が、好ま
しくは3乃至9μm、より好ましくは3〜8μmを有す
ることが解像性,画像濃度の点で好ましく、小粒径トナ
ーであっても良好に加熱加圧定着され得る。
【0226】さらに、本発明において、トナーの体積平
均粒径(DV)が2.5μm以上の場合には、画像濃度
の低下が生じ難く、充分な画像濃度が得られ、また6.
0μm以下の場合には、特にハーフトーン画像の階調性
が向上することから、トナーの体積平均粒径(DV)は
2.5乃至6.0μmであることが好ましい。
【0227】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0228】本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及び
その他の物性の測定方法を以下に示す。
【0229】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温度
調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。TH
Fに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に
60℃で24時間真空乾燥することにより定量できる。
トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合は、着
色剤(磁性体)等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(T
W2)から下記式により算出される。
【0230】
【数3】
【0231】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。
【0232】ソックスレー抽出装置の一例を図18に示
す。
【0233】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。
【0234】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含
有量を重量%で算出する。
【0235】(1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0236】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0237】H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を図3及び4乃至6
を用いて下記に記載する。
【0238】 1H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図4及び5参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図6参照)のシグナルと4.3ppm
及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H相
当)のシグナルとの強度比から求める。
【0239】 1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm7.8p
pm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素(各
1H相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0240】 1HNMR測定によるスチレンの存在比
率の決定(図4及び5参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。
【0241】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在
比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基
の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の新
たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステルの
カルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度比
から求める。
【0242】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0243】 13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図3参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。
【0244】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至の1H−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴
う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重
量%で算出する。
【0245】(3)ワックスの融点測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0246】測定試料は2〜10mg、好ましくは5m
gを精密に秤量する。
【0247】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0248】この昇温過程で、温度30〜200℃の範
囲におけるDSC曲線のメインピークの吸熱ピークが得
られる。
【0249】この吸熱メインピークの温度をもってワッ
クスの融点とする。
【0250】(4)トナーのDSC曲線の測定 上記ワックスの融点の測定と同様にして、トナーの昇温
過程におけるDSC曲線を測定する。
【0251】(5)結着樹脂のガラス転移温度(Tg)
の測定 示差走査熱量計(DSC測定装置),DSC−7(パー
キンエルマー社製)を用いてASTM D3418−8
2に準じて測定する。
【0252】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0253】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30〜20
0℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測
定を行う。
【0254】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0255】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0256】(6)ワックスの分子量分布の測定 ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社) カラム:GMH−HT30cm2連(東ソー社製) 温度:135℃ 溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添
加) 流速:1.0ml/min 試料:0.15%の試料を0.4ml注入
【0257】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Hou
wink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン
換算することによって算出される。
【0258】(7)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0259】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0260】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0261】(8)トナーに含有される結着樹脂の13
−NMR測定 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:100.40MHz パルス条件:5.0μs(45°)DEPT法による データポイント:32768 遅延時間 :25sec. 積算回数 :50000回 測定温度 :26℃ 試料 :室温でトナー10gを100mlの濃塩酸
(約12M)に添加して約70時間撹拌して、トナーに
含有される磁性体を溶解する。次に、濾液が弱酸性(約
pH5)になるまで濾過・洗浄する。得られた樹脂組成
物を60℃で約20時間真空乾燥して測定試料とする。
この測定試料約1gをφ10mmのサンプルチューブに
入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl3)3ml
を添加し、これを55℃の恒温槽内で溶解させて調整す
る。
【0262】(9)酸価の測定 JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠
して行う。 測定装置 :電位差自動滴定装置 AT−400(京都
電子社製) 装置の校正:トルエン120mlとエタノール30ml
の混合溶媒を使用する。 測定温度 :25℃ 試料調整 :トナー0.5g(酢酸エチル可溶成分では
0.3g)をトルエン120mlに添加して室温(約2
5℃)で約10時間撹拌して溶解する。更にエタノール
30mlを添加して試料溶液とする。
【0263】(10)OH価(水酸基価)の測定 試料0.5gを100mlのメスフラスコに精秤し、こ
れにアセチル化試薬5mlを正しく加える。その後10
0℃±5℃の浴中に浸して加熱する。1〜2時間後フラ
スコを浴から取り出し、放冷後水を加えて振り動かして
無水酢酸を分解する。更に分解を完全にするため再びフ
ラスコを浴中で10分間以上加熱し放冷後、有機溶剤で
フラスコの壁を良く洗う。この液をガラス電極を用いて
N/2水酸化カリウムエチルアルコール溶液で電位差滴
定を行いOH価を求める(JISK0070−1966
に準ずる。)。
【0264】(11)粒度分布の測定 本発明のトナーの粒度分布の測定はコールターカウンタ
ーTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コ
ールター社製)を用いる。電解液は1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえばIS
OTON R−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電
界水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.
1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間
分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャー
として100μmアパーチャーを用いて、2μm以上の
トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを
算出した。それから、本発明に係る体積分布から求めた
重量基準の重量平均粒径(D4)及び体積平均粒径(D
v)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の
代表値とする)を求めた。
【0265】(12)荷電制御剤の溶解度測定法 荷電制御剤を2g秤量し、300mlの三角フラスコ中
に投入する。ここにメタノール100mlを加え、撹拌
しながら50℃に昇温し、1時間撹拌を続ける(荷電制
御剤がすべて溶解する場合は、荷電制御剤をさらに2g
づつ添加して撹拌を続ける)。
【0266】次いで、室温まで冷却し、不溶の荷電制御
剤を0.1μmのフィルターでろ過して試料溶液とし、
分光光度計を用いて最大吸収波長における吸光度を測定
する。この時、ろ過溶液中の荷電制御剤の濃度が濃い場
合には、必要に応じてメタノールで希釈して測定を行な
う。
【0267】一方、別に調整した荷電制御剤の標準溶液
(20ppm濃度メタノール溶液)の最大吸収波長にお
ける吸光度を測定し、標準溶液の吸光度と試料溶液の吸
光度の吸光度の差から、下記ランバート−ベールの法則
に従って試料溶液の荷電制御剤の溶解度を測定する。
【0268】溶解度=荷電制御剤溶解量(g)/メタノ
ール(100ml) ランバート−ベールの法則: loge(I0/I)=ε0cd [式中、Iは溶液の透過光の強度を示し、I0はメタノ
ールの透過光の強度を示し、ε0は吸光係数を示し、c
は荷電制御剤の濃度を示し、dは測定溶液の厚さを示
す。]
【0269】次に、図7及び図8を参照しながら、本発
明トナーを用いる画像形成方法が実施可能な画像形成装
置の一例について説明する。一次帯電器2で静電潜像保
持体(感光体)1表面を負極性又は正極性に帯電し、ア
ナログ露光又はレーザ光による露光5により静電潜像
(例えば、イメージスキャニングによりデジタル潜像)
を形成し、磁性ブレード11と、磁極N1,N2,S1
びS2を有する磁石23を内包している現像スリーブ4
とを具備する現像器9の磁性トナー13で静電荷像を反
転現像又は正規現像により現像する。現像部において感
光体1の導電性基体16と現像スリーブ4との間で、バ
イアス印加手段12により交互バイアス,パルスバイア
ス及び/又は直流バイアスが印加されている。磁性トナ
ー像は、中間転写体を介して、又は、介さずに転写材へ
転写される。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転
写帯電器3により転写紙Pの背面(感光体側と反対面)
から正極性または負極性の帯電をすることにより、感光
体表面上の負荷電性磁性トナー像または正荷電性磁性ト
ナー像が転写紙P上へ静電転写される。除電手段22で
除電後、感光体1から分離された転写紙Pは、ヒータ2
1を内包している加熱加圧ローラ定着器7により転写紙
P上のトナー画像は、加熱加圧定着される。
【0270】転写工程後の感光体1に残留する磁性トナ
ーは、クリーニングブレード8を有するクリーニング手
段で除去される。クリーニング後の感光体1は、イレー
ス露光6により除電され、再度、一次帯電器2により帯
電工程から始まる工程が繰り返される。
【0271】静電潜像保持体(例えば感光ドラム)1は
感光層15及び導電性基体16を有し、矢印方向に動
く。現像スリーブ4である非磁性円筒の現像スリーブ4
は、現像部において静電潜像保持体1表面と同方向に進
むように回転する。非磁性の円筒状の現像スリーブ4の
内部には、磁界発生手段である多極永久磁石(マグネッ
トロール)23が回転しないように配されている。現像
器9内の磁性トナー13は現像スリーブ4に塗布され、
かつ現像スリーブ4の表面と磁性トナー粒子との摩擦に
よって、磁性トナー粒子はトリボ電荷が与えられる。さ
らに鉄製の磁性ドクターブレード17を円筒状の現像ス
リーブ4の表面に近接して(間隔50μm〜500μ
m)、多極永久磁石の一つの磁極位置に対向して配置す
ることにより、磁性トナー層の厚さを薄く(30μm〜
300μm)且つ均一に規制して、現像部における感光
体1と現像スリーブ4の間隙と同等又は間隙よりも薄い
磁性トナー層を形成する。現像スリーブ4の回転速度を
調節することにより、現像スリーブ表面速度が感光体1
の表面の速度と実質的に等速、もしくはそれに近い速度
となるようにする。磁性ドクターブレード17として鉄
のかわりに永久磁石を用いて対向磁極を形成してもよ
い。現像部において現像スリーブ4に交流バイアスまた
はパルスバイアスをバイアス手段12により印加しても
よい。この交流バイアスはfが200〜4,000H
z、Vppが500〜3,000Vであれば良い。
【0272】現像部における磁性トナー粒子の転移に際
し、感光体面の静電的力及び交流バイアスまたはパルス
バイアスの作用によって磁性トナー粒子は静電荷像側に
移行する。
【0273】磁性ブレード11のかわりに、シリコーン
ゴムの如き弾性材料で形成された弾性ブレードを用いて
押圧によって磁性トナー層の層厚を規制し、現像スリー
ブ上に磁性トナーを塗布しても良い。
【0274】図9は、本発明の画像形成方法を実施し得
る画像形成装置の他の例を示す。
【0275】一次帯電手段としての接触(ローラー)帯
電手段119により静電潜像保持体としての感光ドラム
101の表面を負極性に帯電し、レーザー光の露光11
5によるイメージスキャニングによりデジタル潜像が感
光ドラム101上に形成される。トナー層厚規制部材と
しての弾性規制ブレード111を有し、多極永久磁石1
05が内包されているトナー担持体としての現像スリー
ブ108が具備されている現像装置によって、上記のデ
ジタル潜像が、ホッパー103内の磁性トナー104に
よって反転現像される。図9に示すように、現像領域D
において感光ドラム101の導電性基体は接地されてお
り、現像スリーブ108にはバイアス印加手段109に
より交互バイアス、パルスバイアス及び/又は直流バイ
アスが印加されている。記録材Pが搬送されて転写部に
来ると、転写手段としての接触(ローラー)転写手段1
13により記録材Pの背面(感光ドラム側と反対面)か
ら電圧印加手段114で帯電されることにより、感光ド
ラム101の表面上に形成されているトナー画像が接触
転写手段113で記録材P上へ転写される。感光ドラム
101から分離された記録材Pは、定着手段としての加
熱加圧ローラー定着器117に搬送され、該定着器11
7によって記録材P上のトナー画像の定着処理がなされ
る。
【0276】転写工程後の感光ドラム101に残留する
磁性トナー104は、クリーニングブレード108aを
有するクリーニング手段118で除去される。残留する
磁性トナー104が少ない場合にはクリーニング工程を
省くことも可能である。クリーニング後の感光ドラム1
01は、必要によりイレース露光116により除電さ
れ、再度、一次帯電手段としての接触(ローラー)帯電
手段119による帯電工程から始まる上記工程が繰り返
される。
【0277】上記の一連の工程において、感光ドラム
(即ち、静電潜像保持体)101は感光層及び導電性基
体を有するものであり、矢印方向に動く。トナー担持体
である非磁性の円筒の現像スリーブ108は、現像領域
Dにおいて感光ドラム101の表面と同方向に進むよう
に回転する。現像スリーブ108の内部には、磁界発生
手段である多極永久磁石(マグネットロール)105が
回転しないように配されている。現像剤容器103内の
磁性トナー104は、現像スリーブ108上に塗布され
て担持され、且つ現像スリーブ108の表面との摩擦及
び/又は磁性トナー同士の摩擦によって、例えば、マイ
ナスのトリボ電荷が与えられる。更に、弾性規制ブレー
ド111を現像スリーブ108を弾性的に押圧する様に
設け、トナー層の厚さを薄く(30〜300μm)且つ
均一に規制して、現像領域Dにおける感光ドラム101
と現像スリーブ108との間隙よりも薄いトナー層を形
成させる。現像スリーブ108の回転速度を調整するこ
とによって、現像スリーブ108の表面速度が感光ドラ
ム101の表面の速度と実質的に等速、若しくはそれに
近く速度となるようにする。現像領域Dにおいて、現像
スリーブ108に現像バイアス電圧として、交流バイア
ス又はパルスバイアスをバイアス印加手段109により
印加してもよい。この交流バイアスはfが200〜4,
000Hz、Vppが500〜3,000Vであればよ
い。現像領域Dにおける磁性トナーの転移に際し、感光
ドラム101の表面の静電気力、及び交流バイアス又は
パルスバイアスの如き現像バイアス電圧の作用によっ
て、磁性トナーは静電潜像側に移転する。
【0278】本発明の画像形成方法においては、定着工
程で用いた熱ロール定着装置に代えて、他の加熱定着手
段として、フィルム加熱定着装置を用いることができ
る。図10は、このフィルム加熱定着装置の概略図を示
す。
【0279】図10に示す定着装置において加熱体は、
従来の熱ロールに比べてその熱容量が小さく、線状の加
熱部を有するもので、加熱部の最高温度は100〜30
0℃であることが好ましい。
【0280】加熱体と加圧部材の間に位置するフィルム
は、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであることが
好ましく、これら耐熱性シートとしては、耐熱性の高
い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテ
トラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミドのご
ときポリマーシート、アルミニウムのごとき金属シート
及び、金属シートとポリマーシートから構成されたラミ
ネートシートが用いられる。
【0281】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/または低抵抗層を有し
ていることである。
【0282】図10を参照しながら、定着装置の一具体
例を説明する。
【0283】61は、装置に固定支持された低熱容量線
状加熱体であって、一例として厚み1.0mm,巾10
mm,長手長240mmのアルミナ基板70に抵抗材料
69を巾1.0mmに塗工したもので、長手方向両端よ
り通電される。通電はDC100Vの周期20msec
のパルス状波形で検温素子71によりコントロールされ
た所望の温度、エネルギー放出量に応じたパルスをその
パルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5ms
ec〜5msecとなる。この様にエネルギー及び温度
を制御された加熱体61に当接して、図中矢印方向に定
着フィルム62は移動する。
【0284】この定着フィルムの一例として厚み20μ
mの耐熱フィルム(例えばポリイミド、ポリエーテルイ
ミド、PESまたはPFAに少なくとも画像当接面側に
PTFE、PFAのごときフッ素樹脂)に導電材を添加
した離型層を10μmコートしたエンドレスフィルムで
ある。一般的には層厚は100μm未満、より好ましく
は40μm未満が良い。フィルム駆動は駆動ローラー6
3と従動ローラー64による駆動とテンションにより矢
印方向にシワなく移動する。
【0285】65は、シリコーンゴムのごとき離型性の
良いゴム弾性層を有する加圧ローラーで、総圧4〜20
kgでフィルムを介して加熱体を加圧し、フィルムと圧
接回転する。転写材66上の未定着トナー67は、入口
ガイド68により定着部に導かれ上述の加熱により定着
像を得るものである。
【0286】以上は、エンドレスベルトで説明したが、
シート送り出し軸、及び巻き取り軸を使用し、定着フィ
ルムは有端のフィルムであっても良い。
【0287】本発明のトナーを用いる画像形成方法の現
像工程について、図11乃至14に示す他の実施形態の
画像形成装置を用いて詳しく説明をする。
【0288】本発明のトナーを用いる現像方法には、磁
性トナーを用いる方法と非磁性トナーを用いる方法があ
る。
【0289】磁性トナーを用いる方法から説明する。
【0290】図11において、トナー担持体42の略右
半周面はトナー容器46内のトナー溜りに常時接触して
いて、そのトナー担持体表面近傍のトナーがトナー担持
体表面にトナー担持体内の磁気発生手段43の磁力で及
び/又は静電気力により付着保持される。トナー担持体
42が回転駆動されるとそのトナー担持体表面の磁性ト
ナー層がトナー規制部材44の位置を通過する過程で各
部均一の厚さの薄層T1として整層化される。磁性トナ
ーの帯電は主としてトナー担持体42の回転に伴なうト
ナー担持体表面とその近傍のトナー溜りの磁性トナーと
の摩擦接触によりなされ、トナー担持体42上の上記磁
性トナー薄層面はトナー担持体の回転に伴ない静電潜像
保持体41側へ回転し、静電潜像保持体41とトナー担
持体42の最接近部である現像領域部Aを通過する。こ
の通過過程でトナー担持体42表面側の磁性トナー薄層
の磁性トナーが静電潜像保持体41とトナー担持体42
間に印加した直流と交流電圧による直流と交流電界によ
り飛翔し、現像領域部Aの静電潜像保持体41表面と、
トナー担持体42面との間(間隙α)を往復運動する。
最終的にはトナー担持体42側の磁性トナーが静電潜像
保持体41表面の表面に潜像の電位パターンに応じて選
択的に移行付着してトナー像T2が順次に形成される。
【0291】現像領域部Aを通過して、磁性トナーが選
択的に消費されたトナー担持体表面はトナー容器46の
トナー溜りへ再回転することにより磁性トナーの再供給
を受け、現像領域部Aへトナー担持体42の磁性トナー
薄層T1面が移送され、繰り返し現像工程が行われる。
【0292】本発明の画像形成方法に用いられるトナー
規制部材は、トナー担持体表面にトナー規制部材が当接
する形態である場合に、画像濃度,ネガ・スリーブゴー
ストが良好である。
【0293】トナー規制部材がトナー担持体表面に当接
する形態のトナー規制の場合、本発明のトナーにおいて
は、トナーの帯電特性をさらに向上し、画像濃度,ネガ
・スリーブゴーストがさらに良好になると考えている。
【0294】トナー規制部材としては、シリコーンゴ
ム、ウレタンゴム、NBRの如きゴム弾性体;ポリエチ
レンテレフタレートの如き合成樹脂弾性体;ステンレ
ス、鋼の如き金属弾性体が使用できる。それらの複合体
であっても使用できる。好ましくは、ゴム弾性体が良
い。
【0295】トナー規制部材の材質は、トナー担持体上
のトナーの帯電に大きく関与する。トナーの帯電性をコ
ントロールするため、弾性体中に、有機物,無機物を添
加しても良く、溶融混合させても良いし、分散させても
良い。このような有機物及び無機物としては、例えば、
金属酸化物、金属粉、セラミックス、炭素同素体、ウィ
スカー、無機繊維、染料、顔料及び界面活性剤があげら
れる。更に、ゴム、合成樹脂、金属弾性体に、トナーの
帯電性をコントロールする目的で、樹脂、ゴム、金属酸
化物又は金属をトナー担持体当接部分に当たるようにつ
けたものを用いても良い。弾性体、トナー担持体に耐久
性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂、ゴムをト
ナー担持体当接部に当たるように貼り合わせるものが好
ましい。
【0296】トナーが負帯電性である場合には、ウレタ
ンゴム,シリコーンゴム,ウレタン樹脂,ポリアミド樹
脂,ナイロン樹脂が好ましい。トナーが正帯電性である
場合には、ウレタンゴム,ウレタン樹脂の他、シリコー
ンゴム,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,フッ素系
樹脂,ポリイミド樹脂が好ましい。
【0297】トナー担持体当接部分が樹脂、ゴムの成型
体の場合はトナーの帯電性を調整するためにその中に、
シリカ、アルミナ、チタニア、酸化錫、酸化ジルコニ
ア、酸化亜鉛の如き金属酸化物、カーボンブラック、一
般にトナーに用いられる荷電制御剤を含有させることも
好ましい。
【0298】トナー規制部材上辺部側である基部はトナ
ー容器側に固定保持され、下辺部側をトナー規制部材の
弾性に抗してトナー担持体の順方向或いは逆方向にたわ
め状態にしてトナー担持体表面に適度の弾性押圧をもっ
て当接させる。画像形成装置の例を図12及び13に示
す。
【0299】トナー規制部材とトナー担持体との当接圧
力は、トナー担持体母線方向の線圧として、0.98N
/m(1g/cm)以上、好ましくは1.27〜245
N/m(3〜250g/cm)、更に好ましくは4.9
〜118N/m(5〜120g/cm)が有効である。
当接圧力が0.98N/m(1g/cm)より小さい場
合、トナーの均一塗布が困難となり、カブリや飛散の原
因となる。また当接圧力が245N/m(250g/c
m)を超えると、トナーに大きな圧力がかかり、トナー
の劣化が起こりやすくなり好ましくない。
【0300】静電潜像保持体とトナー担持体との間隙α
は、例えば50〜500μmに設定されることが好まし
い。
【0301】トナー担持体上の磁性トナー層の層厚は、
静電潜像保持体とトナー担持体との間隙αよりも小さく
することが好ましいが、トナー層の一部が静電潜像保持
体表面に接触するような形態でも使用可能である。
【0302】本発明においてはトナー担持体と静電潜像
保持体の間には、交流成分を含む電界が印加される形態
が好ましい。トナー担持体と静電潜像保持体の間の交流
成分の両者の最近接部での電界のピーク トゥ ピーク
の大きさ(Vpp)は2〜8MV/m以上であることが
好ましい。交流バイアスの周波数は1.0kHz〜5.
0kHz、好ましくは1.5kHz〜3.0kHzで用
いられる。交流バイアスの波形は、矩形波,サイン波,
鋸波又は三角波が適用できる。さらに、正/逆の電圧の
かかる時間の異なる非対称の交流バイアスも利用でき
る。
【0303】本発明において、トナー担持体は、金属,
セラミックスの如き硬質材質のものが用いられ、特にア
ルミニウム又はSUSが、トナーへの帯電性から好まし
い。トナー担持体は引き抜きあるいは切削したままでも
用いられることができるが、トナーの搬送性、摩擦帯電
付与性を制御するため、研磨したり、周方向あるいは長
手方向に粗しを入れたり、ブラスト処理を施したり、コ
ーティングなどが行われる。本発明においては、ブラス
ト処理を施すことも良く、定形粒子、不定形粒子がブラ
スト剤として用いられ、各々単独及び併用されて用いら
れ、重ね打ちしたものも利用できる。
【0304】トナー担持体表面に導電性微粒子を含有す
る被覆層が形成されている形態も利用することができ
る。
【0305】トナー担持体表面を被覆する被覆層に樹脂
と共に含有される導電性微粒子としては、カーボンブラ
ック,グラファイト,導電性酸化亜鉛の如き導電性金属
酸化物及び金属複酸化物が単独もしくは2つ以上好まし
く用いられる。該導電性微粒子が分散される樹脂として
は、フェノール系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリアミド系
樹脂,ポリエステル系樹脂,ポリカーボネート系樹脂,
ポリオレフィン系樹脂,シリコーン系樹脂,フッ素系樹
脂,スチレン系樹脂又はアクリル系樹脂が用いられる。
特に熱硬化性もしくは光硬化性の樹脂が好ましい。
【0306】次に非磁性のトナーを用いる現像を行なう
場合の一例を示す。
【0307】図14に、静電潜像保持体としての感光体
上に形成された静電潜像を現像する装置を示す。41は
静電潜像保持体であり、潜像形成は図示しない電子写真
プロセス手段又は静電記録手段により成される。42は
トナー担持体であり、アルミニウムあるいはステンレス
からなる非磁性のスリーブからなる。
【0308】トナー担持体はアルミニウム,ステンレス
の粗管をそのまま用いてもよいが、好ましくはその表面
をガラスビーズを吹きつける粗面化処理を行って均一に
荒したものや、鏡面処理したもの、あるいは樹脂を含有
する被覆層によりコートしたものがよく、上述した図1
1乃至13で示す磁性トナーの現像方法に使用されるも
のに準ずる。
【0309】トナーはトナー容器46に貯蔵されてお
り、供給ローラー47によってトナー担持体上へ供給さ
れる。供給ローラーはポリウレタンフォームの如き発泡
材より成っており、トナー担持体に対して、順または逆
方向に0でない相対速度をもって回転し、トナー供給と
ともに、トナー担持体上の現像後のトナー(未現像トナ
ー)のはぎ取りも行っている。トナー担持体上に供給さ
れたトナーはトナー規制部材44によって均一かつ薄層
に塗布される。
【0310】トナー規制部材の材質,当接手段,トナー
担持体の材質,静電潜像保持体とトナー担持体との距
離,トナー担持体に印加するバイアスは、いずれも上述
した図11乃至13で示す磁性トナーの現像方法のそれ
に準じる。
【0311】本発明の画像形成方法の好ましいさらに他
の具体例を図15を参照しながら説明する。
【0312】一次帯電器としての帯電ローラーからなる
接触帯電部材91で静電潜像保持体としてのOPC感光
ドラム83表面を負極性に帯電し、レーザ光による露光
85によりイメージスキャニングによりデジタルの静電
潜像を形成し、カウンター方向に設置されたウレタンゴ
ム製の弾性ブレード88および磁石95を内包している
現像スリーブ86を具備する現像手段としての現像装置
81の負摩擦帯電性磁性トナー93で該潜像を反転現像
する。または、正極性に帯電し得る感光体を使用し、感
光体を正極性に帯電し、静電潜像を形成し、負摩擦帯電
性磁性トナーを用いて正規現像をおこなう。現像スリー
ブ86に、バイアス印加手段92により交互バイアス、
パルスバイアス及び/又は直流バイアスが印加されてい
る。転写紙Pが搬送されて、転写部にくると転写手段と
しての転写ローラーからなる接触転写部材84により転
写紙Pの背面(感光ドラム側と反対面)から帯電をする
ことにより、感光ドラム表面上のトナー画像が転写紙P
上へ静電転写される。感光ドラム83から分離された転
写紙Pは、内部に加熱手段96を有する加熱ローラー9
7と加圧ローラー98を有する加熱加圧定着器により転
写紙P上のトナー画像を定着するために定着処理され
る。
【0313】転写工程後の感光ドラム83に残留する磁
性トナーは、クリーニングブレード87を有するクリー
ニング器94で除去される。クリーニング後の感光ドラ
ム83は、イレース露光90により除電され、再度、一
次帯電器91による帯電工程から始まる工程が繰り返さ
れる。
【0314】静電潜像保持体(感光ドラム)は感光層及
び導電性基体を有し、矢印方向に動く。現像剤担持体で
ある非磁性円筒の現像スリーブ86は、現像部において
静電潜像保持体表面と同方向に進むように回転する。非
磁性円筒の現像スリーブ86の内部には、磁界発生手段
である多極永久磁石95(マグネットロール)が回転し
ないように配されている。現像装置81内の磁性トナー
93は非磁性円筒面上に塗布され、かつ現像スリーブ8
6の表面と磁性トナー粒子との摩擦によって、磁性トナ
ー粒子はマイナスのトリボ電荷が与えられる。さらに弾
性ドクターブレード88を配置することにより、トナー
層の厚さを薄く(30μm〜300μm)且つ均一に規
制して、現像部における感光ドラム83と現像スリーブ
86の間隙よりも薄いトナー層を非接触となるように形
成する。このスリーブ86の回転速度を調整することに
より、スリーブ表面速度が静電潜像保持体表面の速度と
実質的に等速、もしくはそれに近い速度となるようにす
る。
【0315】現像スリーブ86に交流バイアスまたはパ
ルスバイアスをバイアス手段92により印加しても良
い。この交流バイアスはfが200〜4,000Hz、
Vppが500〜3,000Vであることが好ましい。
【0316】現像部分における磁性トナー粒子の転移に
際し、静電潜像を保持する感光ドラム83の表面の静電
的力及び交流バイアスまたはパルスバイアスの作用によ
って磁性トナー粒子は静電潜像側に転移する。
【0317】上述の感光ドラムの如き静電潜像保持体や
現像装置、クリーニング手段などの構成要素のうち、複
数のものを装置ユニットとして一体に結合してプロセス
カートリッジを構成し、このプロセスカートリッジを装
置本体に対して着脱可能に構成しても良い。例えば、帯
電手段及び現像装置を感光ドラムとともに一体に支持し
てプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在
の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段
を用いて着脱自在の構成にしても良い。このとき、上記
のプロセスカートリッジのほうにクリーニング手段を伴
って構成しても良い。
【0318】図16は本発明のプロセスカートリッジの
一実施例を示している。本実施例では、現像装置81、
ドラム状の静電潜像保持体(感光ドラム)83、クリー
ナ94、一次帯電器91を一体としたプロセスカートリ
ッジ99が例示される。
【0319】プロセスカートリッジにおいては、現像装
置81の磁性トナー93がなくなった時に新たなカート
リッジと交換される。
【0320】本実施例では、現像装置81は磁性トナー
93を保有しており、現像時には、感光ドラム83と現
像スリーブ86との間に所定の電界が形成され、現像工
程が好適に実施されるためには、感光ドラム83と現像
スリーブ86との間の距離は非常に大切である。本実施
例では例えば300μm中心とし、誤差が±20μmと
なるように調整される。
【0321】図16に示すプロセスカートリッジにおい
て、現像装置81は磁性トナー93を収容するためのト
ナー容器82と、トナー容器82内の磁性トナー93を
トナー容器82から静電潜像保持体83に対面した現像
域へと担持し搬送する現像スリーブ86と、現像スリー
ブ86にて担持され、現像域へと搬送される磁性トナー
を所定厚さに規制し該現像スリーブ上にトナー薄層を形
成するための弾性ブレード88とを有する。
【0322】前記現像スリーブ86は、任意の構造とし
得る。通常は、磁石95を内蔵した非磁性の現像スリー
ブ86から構成される。現像スリーブ86は図示される
ように円筒状の回転体とすることもできる。循環移動す
るベルト状とすることも可能である。その材質としては
通常、アルミニウムやSUSが用いられることが好まし
い。
【0323】前記弾性ブレード88は、ウレタンゴム、
シリコーンゴム、NBRの如きゴム弾性体;リン青銅、
ステンレス板の如き金属弾性体;ポリエチレンテレフタ
レート、高密度ポリエチレン等の如き樹脂弾性体で形成
された弾性板で構成される。弾性ブレード88は、その
部材自体のもつ弾性により現像スリーブ86に当接さ
れ、鉄の如き剛体から成るブレード支持部材89にてト
ナー容器82に固定される。弾性ブレード88は、線圧
5〜80g/cmで現像スリーブ86の回転方向に対し
てカウンター方向に当接することが好ましい。
【0324】弾性ブレード88の代わりに、鉄のごとき
磁性ドクターブレードを用いることも可能である。
【0325】一次帯電手段としては、以上のごとく接触
帯電手段として帯電ローラー91を用いて説明したが、
帯電ブレード、帯電ブラシの如き接触帯電手段でもよ
く、更に、非接触のコロナ帯電手段でもよい。しかしな
がら、帯電によるオゾンの発生が少ない点で接触帯電手
段の方が好ましい。転写手段としては、以上のごとく転
写ローラー84を用いて説明したが転写ブレードの如き
接触帯電手段でもよく、更に非接触のコロナ転写手段で
もよい。しかしながら、こちらも転写によるオゾンの発
生が少ない点で接触帯電手段の方が好ましい。
【0326】上述の本発明の画像形成装置をファクシミ
リのプリンターに適用する場合には、光像露光Lは受信
データをプリントするための露光になる。図17はこの
場合の一例をブロック図で示したものである。
【0327】コントローラー131は画像読取部130
とプリンター139を制御する。コントローラー131
の全体はCPU137により制御されている。画像読取
部からの読取データは、送信回路133を通して相手局
に送信される。相手局から受けたデータは受信回路13
2を通してプリンター139に送られる。画像メモリに
は所定の画像データが記憶される。プリンタコントロー
ラー138はプリンター139を制御している。134
は電話である。
【0328】回線135から受信された画像(回線を介
して接続されたリモート端末からの画像情報)は、受信
回路132で復調された後、CPU137は画像情報の
複号信号を行い順次画像メモリ136に格納される。そ
して、少なくとも1ページの画像がメモリ136に格納
されると、そのページの画像記録を行う。CPU137
は、メモリ136より1ページの画像情報を読み出しプ
リンタコントローラー138に複合化された1ページの
画像情報を送出する。プリンタコントローラー138
は、CPU137からの1ページの画像情報を受け取る
とそのページの画像情報記録を行うべく、プリンタ13
9を制御する。
【0329】尚、CPU137は、プリンタ139によ
る記録中に、次のページの受信を行っている。
【0330】以上の様に、画像の受信と記録が行われ
る。
【0331】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0332】 結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1) (I−a)低架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造 ) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0333】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約3重量%含有する低架橋度ポリエ
ステル樹脂を得た。
【0334】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(I−A)を得た。
【0335】 (I−b)高架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.0mol
【0336】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約25重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0337】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−B)を得た。
【0338】(I−c)結着樹脂の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−A)
60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−B)30重量
部、スチレン5重量部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト5重量部及びジビニルベンゼン0.01重量部を添加
して110℃まで加熱して膨潤・溶解した。窒素雰囲気
下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパー
オキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶解したも
のを約30分かけて滴下した。その温度で更に10時間
保持してラジカル重合反応を終了した。更に加熱しなが
ら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度ポリエス
テル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体
及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを
有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロロホル
ム不溶分を約28重量%含有する結着樹脂(I−1)を
得た。
【0339】(樹脂製造例I−2)樹脂製造例I−1に
おいて、高架橋度樹脂組成物(I−B)を製造する際
に、ポリエステル樹脂80重量部に対して16.6重量
部の表5に示すワックス(1)をスチレン及び2−エチ
ルヘキシルアクリレートと共に添加して、ワックスを含
有し、かつクロロホルム不溶分を37重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−C)を得た。高架橋度樹脂組成
物(I−C)35重量部(ワックス5重量部を含む)を
使用した以外は製造例I−1と同様にして、低架橋度ポ
リエステル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系
重合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニ
ットを有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロ
ロホルム不溶分を約30重量%含有する結着樹脂(I−
2)を得た。
【0340】(樹脂製造例I−3〜I−7)低架橋度樹
脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示すモノマー
に変更した以外は樹脂製造例I−1の低架橋度樹脂組成
物(I−A)と同様にして、クロロホルム不溶分を約6
重量%含有する低架橋度樹脂組成物(I−D)を得た。 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0341】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−C)と同様にして縮重合反応
を行い、樹脂組成物30重量部に対してワックス(2)
を5重量部含有し、クロロホルム不溶分を約19重量%
含有した高架橋度樹脂組成物(I−E)を得た。 ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0342】低架橋度樹脂組成物(I−D)60重量
部、高架橋度樹脂組成物(I−E)35重量部を用いた
以外は、樹脂製造例I−1と同様にして、高架橋度ポリ
エステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重
合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる表1乃至
3に示す結着樹脂(I−3)を得た。
【0343】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表1乃至3に示す結着樹脂
(I−4)〜(I−7)を得た。
【0344】(樹脂比較製造例I−1)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりにテレ
フタル酸を使用した以外は同様にして、表1乃至3に示
す比較用結着樹脂(I−1)を得た。
【0345】(樹脂比較製造例I−2)樹脂製造例I−
2において、コハク酸誘導体(1−3)及びワックス
(2)のかわりにテレフタル酸及び比較用ワックスを使
用した以外は同様にして、表1乃至3に示す比較用結着
樹脂(I−2)を得た。
【0346】(樹脂比較製造例I−3)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸のかわりにテレフタル酸を使用した以外は同様
にして、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I−3)を
得た。
【0347】(樹脂比較製造例I−4)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸を使用した低架橋度樹脂組成物以外は同様にし
て、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I−4)を得
た。
【0348】(樹脂比較製造例I−5)減圧装置、水分
離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置
を装着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキシル
アクリレート共重合体(スチレン84重量部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.9万、
Mw/Mn=2.3)200重量部及び下記組成からな
るポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、減圧
しながら常法に従って210℃まで加熱しながら縮重合
反応を行うことにより、比較用結着樹脂(I−5)を得
た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部
【0349】
【表1】
【0350】
【表2】
【0351】
【表3】
【0352】 [実施例I−1] ・結着樹脂(I−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc9.5kA/m(120エルステッド)、σs= 75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g)) ・ワックス(1) 5重量部
【0353】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径6.8μmの磁性トナー(I−1)を得た。
【0354】このトナー(I−1)を用いて、結着樹脂
に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチ
ル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックスレ
ー抽出により定量したところ、混在するワックスを除外
した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が31重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)が34重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が15重量%であり、
比(W4/W6)が2.7であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が6.7重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.3重量%であった。
【0355】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4400、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が48.9%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が26.7%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.4%であり、比
(A1/A2)は1.83であった。
【0356】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は26.7m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は21.6mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.2であった。
【0357】1H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。
【0358】トナーにおいて、ポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分は、13C−NMRにより新たに生成するエステル結
合のシグナルを検出することにより検証することができ
る。
【0359】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコール
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0360】低架橋度ポリエステルの13C−NMR測定
結果を図1に、スチレン−2−エチルヘキシルアクリレ
ート共重合体の測定結果を図2に、トナーに含有される
結着樹脂(I−1)の測定結果を図3に示す。この結果
より、アクリル酸エステルの約22モル%がポリエステ
ルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成分とし
て存在することがわかった。
【0361】各々の13C−NMR測定結果を表4に示
す。
【0362】
【表4】
【0363】さらにNMRにより酢酸エチルに不溶な結
着樹脂成分(W4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)
に含有されるポリエステル樹脂成分(Gp)及び(S
p)を定量したところ、Gp=約83重量%、Sp=約
77重量%であり、比(Sp/Gp)=0.93であ
り、式(1−3)で表わせるコハク酸誘導体の存在量を
定量したところ、酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量
の約74重量%含有されていた。
【0364】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピ
ーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワック
スの約61重量%が存在していることがわかった。
【0365】この磁性トナー(I−1)100重量部
に、疎水性乾式シリカ(BET=200m2/g)1.
0重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加して外添ト
ナーとした。この外添トナーを用いて、図9に示す画像
形成装置としてキヤノン製デジタル複写機GP−55及
びキヤノン製プリンターLBP−720で画像特性の評
価を行なったところ、表8及び9に示したような良好な
結果が得られた。
【0366】さらに、GP−55及びLBP−720の
定着器をとりはずし外部駆動及び定着器の温度制御装置
をつけた。定着温度を代えて定着試験をしたところ、表
8に示したような良好な結果が得られた。
【0367】 [実施例I−2] ・結着樹脂(I−2) 105重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・磁性酸化鉄 100重量部 (平均粒径0.2μm、Hc9.5kA/m(120エルステッド)、σs= 75Am2/kg(75emu/g)、σr=6Am2/kg(6emu/ g))
【0368】実施例I−1において用いた構成材料を上
記の通り変更した以外は実施例I−1と同様にしてトナ
ー(I−2)を得、実施例I−1と同様に分析(表6及
び7)、評価(表8及び9)を行なった。
【0369】[実施例I−3〜I−7]実施例I−1に
おいて、結着樹脂(I−1)を結着樹脂(I−3)〜
(I−7)に変えた以外は実施例I−1と同様にしてト
ナー(I−3)〜(I−7)を得、実施例(I−1)と
同様に分析、評価を行なった。
【0370】[比較例I−1〜I−5]比較用結着樹脂
(I−1)〜(I−5)を用いた以外は実施例I−1と
同様にして比較用トナー(I−1)〜(I−5)を製造
し、実施例(I−1)と同様に分析、評価した。
【0371】
【表5】
【0372】
【表6】
【0373】
【表7】
【0374】
【表8】
【0375】トナー定着性評価としての濃度低下率及び
ホットオフセットは、以下の評価方法に基づいて評価し
た。
【0376】複写機GP−55 キヤノン製複写機GP−55の定着器を取り外し、外部
駆動及び定着器の温度制御装置を取り付けた定着試験装
置にて定着器の温度を130℃及び220℃に変えて、
ハーフトーン画像を通紙して、定着させた。定着温度を
130℃にした試験では、その画像を4900N/m2
(50g/cm2)の荷重をかけ、柔和な薄紙により定
着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率(%)で
評価した。定着温度を220℃にした試験では、転写紙
を目視で観察し、ホットオフセットの発生を調べた。評
価結果を表8に示した。
【0377】LBP−720 キヤノン製プリンターLBP−720の定着器を取り外
し、外部駆動及び定着器の温度制御装置を取り付けた定
着試験装置にて定着器の温度を150℃及び220℃に
変えて、ハーフトーン画像を通紙して、定着させた。定
着温度を150℃にした試験では、その画像を4900
N/m2(50g/cm2)の荷重をかけ、柔和な薄紙に
より定着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率
(%)で評価した。定着温度を220℃にした試験で
は、転写紙を目視で観察し、ホットオフセットの発生を
調べた。評価結果を表8に示した。
【0378】ブロッキングテストは、以下の評価方法に
基づいて評価した。
【0379】(耐ブロッキング性の評価)トナー50g
を容量が100mlの容器に入れ、50℃の環境で7日
間放置し、その後に、目視でトナーの流動性を確認し、
評価した。評価結果を表8に示す。
【0380】
【表9】
【0381】(カブリ評価ランク) ランク5:中倍率(5〜10倍程度)のルーペではカブ
リトナーは観察されない。 ランク4:中倍率のルーペで若干のカブリトナー観察さ
れる。 ランク3:低倍率(2〜4倍程度)のルーペで若干のカ
ブリトナー観察される。 ランク2:肉眼で観察して画像上のカブリがわかる。 ランク1:肉眼で観察して画像上の顕著なカブリがわか
る。
【0382】(ドラム融着) ランク5:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが存在しない。 ランク4:肉眼で観察してドラム上に付着しているトナ
ーが若干存在するが、容易に除去することができる。実
用上は問題ないレベル。 ランク3:肉眼で観察してドラム上に融着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、容易に除去することはでき
ない。 ランク2:肉眼で観察してドラム上に融着しているトナ
ーが存在するのを確認でき、画像上にも明確な痕跡を認
めることができる。 ランク1:肉眼で観察してドラム上に筋状の融着物が観
察される。
【0383】(クリーニング不良) ランク5:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染していない。 ランク4:肉眼で観察してクリーニング部材の一部がト
ナーで汚染している場合があるが、実用上は問題ないレ
ベル。 ランク3:肉眼で観察してクリーニング部材がトナーで
汚染している。実用上問題となる場合がある。 ランク2:肉眼で観察してドラム上にクリーニングされ
ないトナーが確認できる。一部は画像に出る。 ランク1:ドラム全面にクリーニングされないトナーが
観察される。
【0384】上記の実施例I−1〜I−7と比較例I−
1〜I−5との評価結果から、ビニル系共重合ユニット
とポリエステルユニットを有するハイブリッド樹脂組成
物を含む特定の結着樹脂を含有する本発明のトナーは、
ワックスが結着樹脂中に均一に分散されており、定着性
が良好で、耐オフセット性,耐ブロッキング性及び多数
枚耐久性に優れていることがわかる。
【0385】 結着樹脂の製造例II: (樹脂製造例II−1) (II−a)低架橋度樹脂組成物(II−A)の製造 ・テレフタル酸 :6.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0386】上記原料をエステル化触媒とともにオート
クレーブに仕込み、減圧装置、水分離装置、温度計及び
撹拌装置を付し、常法に従って、210℃で縮重合反応
を行ないクロロホルム不溶分を約4重量%含有する低架
橋度ポリエステル樹脂を得た。
【0387】ここで得られたポリエステル樹脂70重量
部をキシレン100重量部に完全に溶解後、スチレン2
3重量部、2−エチルヘキシルアクリレート7重量部、
グラフト化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重
量部及び重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキ
サイド1重量部をキシレン30重量部に溶解したもの
を、窒素雰囲気下約110℃の温度で、約1時間かけて
滴下した。その温度で6時間保持してラジカル重合反応
を終了した。更に加熱しながら減圧して、脱溶剤するこ
とにより、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合
体及びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる樹脂組成
物(II−A)を得た。
【0388】(II−b)高架橋度樹脂組成物(II−
B)の製造 次に表11の結着樹脂II−1の欄に示した様なモノマ
ーの種類及び組成比とした以外は、低架橋度樹脂組成物
(II−A)を製造するのと同様にしてクロロホルム不
溶分を約18重量%含有する高架橋度樹脂組成物(II
−B)を得た。得られた高架橋度樹脂組成物は、高架橋
度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及びポリエステ
ルユニットとビニル系共重合体ユニットを有しているハ
イブリッド樹脂組成物からなっていた。
【0389】(II−c)結着樹脂の製造 得られた高架橋度樹脂組成物(II−B)27重量部及
び低架橋度樹脂組成物(II−A)70重量部をキシレ
ン200重量部に膨潤・溶解後、スチレン2重量部、2
−エチルヘキシルアクリレート0.8重量部、アクリル
酸0.2重量部、ジビニルベンゼン0.01重量部及び
重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイドを
0.05重量部溶解したものを窒素雰囲気下、約125
℃の温度で、約1時間かけて滴下した。その温度を5時
間保持し、脱溶剤することにより高架橋度ポリエステル
樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系共重合体及
びポリエステルユニットとビニル系共重合体ユニットを
有しているハイブリッド樹脂成分からなる結着樹脂(I
I−1)を得た。
【0390】(樹脂製造例II−2〜II−6)モノマ
ーの種類及び組成を表10、11、14の様にかえて結
着樹脂(II−2)〜(II−6)を得た。
【0391】(樹脂比較製造例II−1〜II−6)モ
ノマーの種類及び組成を表12〜14の様にかえて比較
用結着樹脂(II−1)〜(II−6)を得た。
【0392】
【表10】
【0393】
【表11】
【0394】
【表12】
【0395】
【表13】
【0396】
【表14】
【0397】(磁性酸化鉄の製造例1)硫酸第一鉄水溶
液中に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が2.0重量
%となるようにケイ酸ソーダを添加した後、鉄イオンに
対して1.0〜1.1当量の苛性ソーダ溶液を混合し、
水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。
【0398】水溶液のpHを7〜10(例えばpH9)
に維持しながら空気を吹き込み、80〜90℃で酸化反
応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。つ
いでこのスラリー液に当初のアルカリ量(ケイ酸ソーダ
のナトリウム成分及び苛性ソーダのナトリウム成分)に
対し0.9〜1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を
加えた後、スラリー液のpH6〜10(例えばpH8)
に維持して、空気を吹き込みながら酸化反応を進め、酸
化反応の終期にpHを調整し、磁性酸化鉄粒子表面にケ
イ酸成分を偏在させた。生成した磁性酸化鉄粒子を常法
により洗浄、濾過、乾燥し、次いで凝集しているものを
解砕処理し、磁性酸化鉄粒子(1)を得た。この磁性酸
化鉄粒子を解析した結果を表15に示す。
【0399】(磁性酸化鉄の製造例2)ケイ酸ソーダを
添加しない以外は、磁性酸化鉄の製造例1と同様にして
磁性酸化鉄粒子(2)を得た。これを解析した結果を表
15に示す。
【0400】(磁性酸化鉄の製造例3)磁性酸化鉄粒子
(1)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が3.5重
量%となるようにさらにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシ
ェルミキサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(3)を得
た。これを解析した結果を表15に示す。
【0401】(磁性酸化鉄の製造例4)磁性酸化鉄粒子
(2)に、鉄元素に対しケイ素元素の含有率が0.6重
量%となるようにケイ酸微粉体を添加し、ヘンシェルミ
キサーにて混合して磁性酸化鉄粒子(4)を得た。これ
を解析した結果を表15に示す。
【0402】(磁性酸化鉄の製造例5)鉄元素に対しケ
イ素元素の含有率が0.8重量%となるようにケイ酸ソ
ーダを添加した点と、酸化反応の終期でのpHの調整
を、表面にケイ素元素が存在しないような条件にした以
外は、磁性酸化鉄の製造例1と同様にして磁性酸化鉄粒
子(5)を得た。これを解析した結果を表15に示す。
【0403】(磁性酸化鉄の製造例6)ケイ酸ソーダを
添加せず、苛性ソーダの添加量を変えて、終始水溶液の
pHを12〜13に維持しながら反応させ、八面体(球
形度=0.67)の磁性酸化鉄粒子(6)を得た。これ
を解析した結果を表15に示す。
【0404】
【表15】
【0405】 [実施例II−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1) 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・表17に示されている式(A)の長鎖アルキルアルコールA 5重量部 ・表18に示されているポリエチレンワックス 2重量部
【0406】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径(D4)6.5μm,体積平均粒径(DV)5.7
μmの磁性トナー(II−1)を得た。
【0407】このトナー(II−1)を用いて、結着樹
脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エ
チル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックス
レー抽出により定量したところ、混在するワックスを除
外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重量
%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%であ
り、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であり、
比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分(W
2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重量%
であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不
溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0408】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6100、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が47.2%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.8%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.0%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0409】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は25.1m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は20.7mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.2であった。
【0410】H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。トナーにおいて、ポリエステルユニットとビニル系
重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分は、
13C−NMRにより新たに生成するエステル結合のシグ
ナルを検出することにより検証することができる。
【0411】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコール
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0412】この結果より、アクリル酸エステルの約2
9モル%がポリエステルユニットとエステル化したハイ
ブリッド樹脂成分として存在することがわかった。
【0413】各々の13C−NMR測定結果を表16に示
す。
【0414】
【表16】
【0415】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)及び(Sp)を定量したと
ころ、Gp=約88重量%、Sp=約63重量%であ
り、比(Sp/Gp)=0.72であり、式(1−3)
で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、
酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含
有されていた。
【0416】酢酸エチルに不溶な成分(W4)に含有さ
れるワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピ
ーから定量でき、その結果、トナーに添加して全ワック
スの約68重量%が存在していることがわかった。
【0417】(画像特性の評価)この磁性トナー(II
−1)100重量部に、ジメチルシリコーンオイルで表
面処理した疎水性乾式シリカ(BET=100m2
g)1.2重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し
て外添トナーとした。この外添トナーを用いて、図12
に示すように現像器のトナー規制部材がトナー担持体に
当接する形態になっているキヤノン製プリンターLBP
−450で画出し試験を行い、その画像濃度を調べた。
画出し試験は5,000枚まで行った。その結果を表2
1に示した。
【0418】(定着性の評価)キヤノン製プリンターL
BP430の定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の
温度制御装置を取り付けた定着試験装置にて定着器の温
度を120℃及び200℃に変えて、ハーフトーン画像
を通紙して、定着させた。定着温度を120℃にした試
験では、その画像を4900N/m2(50g/cm2
の荷重をかけ、柔和な薄紙により定着画像を摺擦し、摺
擦前後の画像濃度の低下率(%)で評価した。定着温度
を200℃にした試験では、転写紙を目視で観察し、ホ
ットオフセットの発生を調べた。そして以下のような基
準により評価し、評価結果を表21に示した。 A:ホットオフセット未発生 B:軽微なホットオフセット発生 C:明らかなホットオフセット発生
【0419】(ネガ・スリーブゴーストの評価)キヤノ
ン製プリンターLBP−415にて図19に示すよう
な、トナー担持体1周分ブロック状のベタ黒画像があ
り、その下にハーフトーンの全面ベタが続く画像をプリ
ントし、その際のネガスリーブゴーストの画像濃度差を
もって評価した。具体的には図19におけるBの領域の
画像濃度からAの領域の画像濃度を差し引いた値であ
る。その評価結果を表21に示す。
【0420】(加圧ローラー汚れ)キヤノン製プリンタ
ーLBP−430の定着器の温度設定を170℃に変更
して10万枚のプリント耐久を行い、定着器の加圧ロー
ラー上の汚れを目視で観察し、加圧ローラー汚れを以下
の評価基準により評価した。その評価結果を表21に示
す。 A:汚れ全く無し B:軽微な汚れ発生 C:汚れ発生
【0421】(耐ブロッキング性の評価)トナー10g
を容量が100mlの容器に入れ、50℃の環境で7日
間放置し、その後に、目視でトナーの流動性を確認し、
以下の様な基準で評価した。評価結果を表21に示す。 A:トナーの流動性に変化なし B:若干の凝集物あり
【0422】[実施例II−2〜II−6]結着樹脂
(II−1)の代わりに、結着樹脂(II−2)〜(I
I−6)を用いた以外は、実施例II−1と同様にして
表19及び20に示すトナー(II−2)〜(II−
6)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1
と同様に評価を行った結果を表21に示す。
【0423】[実施例II−7〜II−11]式(A)
で示される長鎖アルキル化合物Aの代わりに、表17に
示す、長鎖アルキル化合物B〜Fを用いた以外は、実施
例II−1と同様にして表19及び20に示すトナー
(II−7)〜(II−11)を得た。得られたトナー
を用いて、実施例II−1と同様に評価を行った結果を
表21に示す。
【0424】[実施例II−12]ポリエチレンワック
スの代わりに、表18に示す、ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表19
及び20に示すトナー(II−12)を得た。得られた
トナーを用いて、実施例II−1と同様に評価を行った
結果を表21に示す。
【0425】[実施例II−13]ポリエチレンワック
スの代わりに、表18に示す、ポリエチレンワックス
を用いた以外は、実施例II−1と同様にして表19
及び20に示すトナー(II−13)を得た。得られた
トナーを用いて、実施例II−1と同様に評価を行った
結果を表21に示す。
【0426】[実施例II−14]ポリエチレンワック
スの代わりに、表18に示す、アーゲ法で合成した炭
化水素ワックスを用いた以外は、実施例II−1と同
様にして表19及び20に示すトナー(II−14)を
得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様
に評価を行った結果を表21に示す。
【0427】[実施例II−15]ポリエチレンワック
スの代わりに、表18に示す、ポリプロピレンワック
スを用いた以外は、実施例II−1と同様にして表1
9及び20に示すトナー(II−15)を得た。得られ
たトナーを用いて、実施例II−1と同様に評価を行っ
た結果を表21に示す。
【0428】[実施例II−16〜II−20]磁性酸
化鉄粒子(1)の代わりに、表15に示す、磁性酸化鉄
粒子(2)〜(6)を用いた以外は、実施例II−1と
同様にして表19及び20に示すトナー(II−16)
〜(II−20)を得た。得られたトナーを用いて、実
施例II−1と同様に評価を行った結果を表21に示
す。
【0429】[実施例II−21]ジメチルシリコーン
オイルで処理した疎水性乾式シリカのかわりに、ヘキサ
メチルジシラザンで表面処理した疎水性乾式シリカ(B
ET:180m2/g)を用いた以外は、実施例II−
1と同様にして表19及び20に示すトナー(II−2
1)を得た。得られたトナーを用いて、実施例II−1
と同様に評価を行った結果を表21に示す。
【0430】[実施例II−22]ポリエチレンワック
スを用いなかった以外は、実施例II−1と同様にし
て表19及び20に示すトナー(II−22)を得た。
得られたトナーを用いて、実施例II−1と同様に評価
を行った結果を表21に示す。
【0431】[実施例II−23]長鎖アルキル化合物
A及びポリエチレンワックスの代わりに表18のポリ
プロピレンワックスを7重量部のみ用いた以外は実施
例II−1と同様にして表19及び20に示すトナー
(II−23)を得た。得られたトナーを用いて、実施
例II−1と同様に評価を行った結果を表21に示す。
【0432】[比較例II−1〜II−6]結着樹脂
(II−1)の代わりに比較用結着樹脂(II−1)〜
(II−6)を用いた以外は実施例II−1と同様にし
て表19及び20に示す比較用トナー(II−1)〜
(II−6)を得た。得られたトナーを用いて、実施例
II−1と同様に評価を行った結果を表21に示す。
【0433】
【表17】
【0434】
【表18】
【0435】
【表19】
【0436】
【表20】
【0437】
【表21】
【0438】上記の実施例II−1〜II−23と比較
例II−1〜II−6との評価結果から、ビニル系重合
体ユニットとポリエステルユニットを有するハイブリッ
ド樹脂成分を含む特定の結着樹脂を含有する本発明のト
ナーにワックスとして長鎖アルキル化合物を用いた場合
には、長鎖アルキル化合物が結着樹脂中に均一に分散さ
れており、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブロッ
キング性、多数枚耐久性及びネガ・スリーブゴーストが
生じ難いという点に優れていることがわかる。
【0439】 [実施例III−1] ・結着樹脂(II−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物(1)〔NH4 +が91%、他9%はNa+,H+の混合物; メタノール溶解度0.88g/100ml〕 2重量部 ・磁性酸化鉄粒子(1) 100重量部 ・ワックス〔融点102℃、Mn=1000のポリエチレン〕 4重量部
【0440】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均粒径6.2μm,体積平均粒径5.5μmの磁性トナ
ー(III−1)を得た。
【0441】このトナー(III−1)を用いて、結着
樹脂に含有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸
エチル及びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソック
スレー抽出により定量したところ、混在するワックスを
除外した樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が33重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)が36重量%で
あり、クロロホルム不溶分(W6)が14重量%であ
り、比(W4/W6)が2.6であり、THF不溶分
(W2)中のクロロホルム不溶分(W6A)が5.9重
量%であり、酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホル
ム不溶分(W6B)が8.1重量%であった。
【0442】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が6300、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が46.8%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.5%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が24.7%であり、比
(A1/A2)は1.64であった。
【0443】トナーの結着樹脂及びトナーの酢酸エチル
の可溶成分(W3)の酸価を測定したところ、トナーに
含有されている結着樹脂の酸価(AV1)は24.7m
gKOH/gであり、トナーの酢酸エチル可溶成分の酸
価(AV2)は21.0mgKOH/gであり、比(A
V1/AV2)の値は1.2であった。
【0444】H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。トナーにおいて、ポリエステルユニットとビニル系
重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分は、
13C−NMRにより新たに生成するエステル結合のシグ
ナルを検出することにより検証することができる。
【0445】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコール
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0446】この結果より、アクリル酸エステルの約2
9モル%がポリエステルユニットとエステル化したハイ
ブリッド樹脂成分として存在することがわかった。
【0447】各々の13C−NMR測定結果を表22に示
す。
【0448】
【表22】
【0449】このトナーの結着樹脂100重量部に対す
る酢酸エチルに不溶な成分を定量したところ、混在する
ワックスを除いた樹脂組成物は14重量部であった。さ
らにNMRにより酢酸エチルに不溶な結着樹脂成分(W
4)及び溶解する結着樹脂成分(W3)に含有されるポ
リエステル樹脂成分(Gp)及び(Sp)を定量したと
ころ、Gp=約88重量%、Sp=約63重量%であ
り、比(Sp/Gp)=0.72であり、式(1−3)
で表わせるコハク酸誘導体の存在量を定量したところ、
酢酸エチルに不溶な成分に全仕込み量の約77重量%含
有されていた。
【0450】なお、酢酸エチルに不溶な成分に含有され
るワックス量はDSCにより測定され溶解エンタルピー
から定量でき、その結果、トナーに添加して全ワックス
の約60重量%が存在していることがわかった。
【0451】(画像特性の評価)この磁性トナー(II
I−1)100重量部に、ジメチルシリコーンオイルで
表面処理した疎水性乾式シリカ(BET=100m2
g)1.2重量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し
て外添トナーとした。
【0452】図15に示す画像形成装置に、図16に示
す現像器のトナー規制部材がトナー担持体に当接する形
態になっているプロセスカートリッジを装着したキヤノ
ン製プリンターLBP−930(プロセススピード:1
06.8mm/sec)を用いて、上記トナーによる画
出し耐久試験を行い、その画像濃度を耐久試験前と後に
ついて調べた。画出し耐久試験は15,000枚まで行
った。結果を表26に示した。
【0453】(定着性の評価)キヤノン製プリンターL
BP430(プロセススピード:48mm/sec)の
定着器を取り外し、外部駆動及び定着器の温度制御装置
を取り付けた定着試験装置にて定着器の温度を120℃
及び200℃に変えて、ハーフトーン画像を通紙して、
定着させた。定着温度を120℃にした試験では、その
画像を4900N/m2の荷重をかけ、柔和な薄紙によ
り定着画像を摺擦し、摺擦前後の画像濃度の低下率
(%)で評価した。また定着温度を200℃にした試験
では、転写紙を目視で観察し、ホットオフセットの発生
を調べた。評価結果を表26に示す。
【0454】(ネガ・スリーブゴーストの評価)キヤノ
ン製プリンターLBP−450(プロセススピード:7
0.7mm/sec)にて図19に示すような、トナー
担持体1周分ブロック状のベタ黒画像があり、その下に
ハーフトーンの全面ベタが続く画像をプリントし、その
際のネガスリーブゴーストの画像濃度差をもって評価し
た。具体的には図19におけるBの領域の画像濃度から
Aの領域の画像濃度を差し引いた値である。その評価結
果を表26に示す。
【0455】(耐ブロッキング性の評価)トナー10g
を容量が100mlの容器に入れ、50℃の環境で7日
間放置し、その後に、目視でトナーの流動性を確認し、
評価した。評価結果を表26に示す。
【0456】[実施例III−2〜III−6]実施例
III−1において、結着樹脂(II−1)を結着樹脂
(II−2)〜(II−6)を用いた以外は、実施例I
II−1と同様にして表24及び25に示す磁性トナー
(III−1)〜(III−6)を得、実施例(III
−1)と同様にして分析、評価を行った。評価結果を表
26に示す。
【0457】[比較例III−1]実施例III−1に
おいて、結着樹脂(II−1)を比較用結着樹脂(II
−1)に変えた以外は実施例III−1と同様にして表
24及び25に示す磁性比較用トナー(III−1)を
製造し、実施例III−1と同様にして分析、評価し
た。評価結果を表26に示す。
【0458】[実施例III−7〜III−11]アゾ
系鉄錯体化合物(1)の代わりに、表23に示したアゾ
系鉄錯体化合物(2),(3),(7)〜(9)をそれ
ぞれ用いる以外は実施例III−1と同様にして表24
及び25に示す磁性トナー(III−7)〜(III−
11)を得、実施例III−1と同様にして分析、評価
を行った。評価結果を表26に示す。
【0459】[実施例III−12〜III−16]磁
性粉として、磁性酸化鉄(1)に代えて製造例2〜6の
磁性酸化鉄(2)〜(6)をそれぞれ用いる以外は、実
施例III−1と同様にして表24及び25に示す磁性
トナー(III−12)〜(III−16)を得、実施
例III−1と同様にして分析、評価を行った。評価結
果を表26に示す。
【0460】[実施例III−17]疎水性乾式シリカ
として、ヘキサメチルジシラザンで表面処理した疎水性
乾式シリカ(BET:180m2/g)1.2重量部に
代える以外は、実施例III−1と同様にして表24及
び25に示す磁性トナー(III−17)を得、実施例
III−1と同様にして分析、評価を行った。評価結果
を表26に示す。
【0461】
【表23】
【0462】
【表24】
【0463】
【表25】
【0464】
【表26】
【0465】上記の実施例III−1〜III−17と
比較例III−1との評価結果から、ビニル系重合体ユ
ニットとポリエステルユニットを有するハイブリッド樹
脂成分を含む結着樹脂を含有する本発明のトナーに、特
定のアゾ系金属化合物を荷電制御剤として用いた場合に
は、この特定のアゾ系金属化合物が結着樹脂中に均一に
分散され、且つワックスが結着樹脂中に均一に分散され
ることから、定着性が良好で、耐オフセット性、耐ブロ
ッキング性、多数枚耐久性及びネガ・スリーブゴースト
抑制に優れていることがわかる。
【0466】
【発明の効果】本発明のトナーは、ワックスが結着樹脂
中に均一に分散されており、定着性が良好で、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性及び多数枚耐久性等に優れて
いるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図2】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】本発明に係る結着樹脂(I−1)の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図4】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
可溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図5】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
不溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図6】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。
【図7】本発明の画像形成方法を実施し得る画像形成装
置の概略構成図を示す。
【図8】図7に示す画像形成装置の現像部の部分拡大図
を示す。
【図9】本発明の画像形成方法を実施し得る他の形態の
画像形成装置の概略構成図を示す。
【図10】本発明の画像形成方法において、定着工程で
用いる他の加熱定着手段としてのフィルム加熱定着装置
の概略図を示す。
【図11】本発明の画像形成方法を実施し得るさらに他
の画像形成装置の概略構成図を示す。
【図12】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
装置の一部拡大図を示す。
【図13】本発明の画像形成方法に用いられる画像形成
装置の一部拡大図を示す。
【図14】本発明の画像形成方法に用いられる非磁性ト
ナーを用いる画像形成装置の概略構成図を示す。
【図15】本発明の画像形成方法を実施し得るさらに他
の画像形成装置の概略構成図を示す。
【図16】図15に示す画像形成装置本体に装着される
プロセスカートリッジの概略構成図を示す。
【図17】本発明の画像形成方法をファクシミリ装置の
プリンターとして適用した場合のブロック図を示す。
【図18】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽
出装置の一具体例を示す概略図である。
【図19】ネガ・スリーブゴーストの試験例を示す説明
図である。
【符号の説明】
1 静電潜像保持体(感光体) 4 トナー担持体(現像スリーブ) 7 定着器 9 現像器 11 ブレード 13 トナー P 記録材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 365 371 375 15/08 507L (31)優先権主張番号 特願平10−155095 (32)優先日 平成10年6月4日(1998.6.4) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 溝尾 祐一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野沢 圭太 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 冨山 晃一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小川 吉寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA02 AA06 AA08 CA02 CA08 CA12 CA14 CA17 CA18 CA22 CB03 CB13 DA02 EA03 EA05 EA06 EA07 EA10 FA06 2H077 AD06 AD13 AD23 AD24 AD36 AE05 BA09 EA13 EA14 EA16

Claims (152)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤及びワックスを少なく
    とも含有するトナーにおいて、 該結着樹脂は、 (a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル
    系重合体ユニットとポリエステルユニットを有している
    ハイブリッド樹脂成分を含み、 (b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
    時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
    50重量%(W2)含有し、 (c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー
    抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60重量%
    (W4)含有し、 (d)クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレ
    ー抽出で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45
    重量%(W6)含有し、 (e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、 (f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)測定による分子量分布において、
    分子量4000乃至9000の領域にメインピークを有
    し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が35.0
    乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至10万
    未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A2)で
    あり、分子量10万以上の成分が10.0乃至30.0
    %(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃至2.
    00であることを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該ポ
    リエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸また
    はその無水物、または、三価以上の多価アルコールで架
    橋された架橋構造を有していることを特徴とする請求項
    1に記載のトナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニル
    系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤
    で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を20乃至45重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 【請求項5】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を25乃至40重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  6. 【請求項6】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を10乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  11. 【請求項11】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項1乃至9のいずれかに記載のトナー。
  12. 【請求項12】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載のトナー。
  13. 【請求項13】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載のトナー。
  14. 【請求項14】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    500の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  15. 【請求項15】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    000の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至13のいずれかに記載のトナー。
  16. 【請求項16】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記
    載のトナー。
  17. 【請求項17】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記
    載のトナー。
  18. 【請求項18】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記
    載のトナー。
  19. 【請求項19】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記
    載のトナー。
  20. 【請求項20】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を12.0乃至25.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナ
    ー。
  21. 【請求項21】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を15.0乃至20.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のトナ
    ー。
  22. 【請求項22】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.9
    0であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか
    に記載のトナー。
  23. 【請求項23】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.8
    0であることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか
    に記載のトナー。
  24. 【請求項24】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル重合
    体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化1】 を介して結合していることを特徴とする請求項1乃至2
    3のいずれかに記載のトナー。
  25. 【請求項25】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項1乃至24のいずれかに記載のトナー。
  26. 【請求項26】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項1乃至25のいずれかに記載のトナー。
  27. 【請求項27】 該結着樹脂は、10乃至60モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    6のいずれかに記載のトナー。
  28. 【請求項28】 該結着樹脂は、15乃至55モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    6のいずれかに記載のトナー。
  29. 【請求項29】 該結着樹脂は、 (A)酢酸エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂10
    0重量部に対して2乃至60重量%含有し、 (B)酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル
    樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し、 (C)酢酸エチルに溶解する成分(W3)がポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有し、 (D)酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリ
    エステル樹脂成分 (Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Sp)の含有量との
    比(Sp/Gp)が0.5乃至1であり、該ワックス
    は、炭化水素系ワックスを有することを特徴とする請求
    項1に記載のトナー。
  30. 【請求項30】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%含
    有することを特徴とする請求項29に記載のトナー。
  31. 【請求項31】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    ポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%含
    有することを特徴とする請求項29に記載のトナー。
  32. 【請求項32】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重量%
    含有することを特徴とする請求項29乃至31のいずれ
    かに記載のトナー。
  33. 【請求項33】 該酢酸エチルに溶解する成分(W3)
    はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重量%
    含有することを特徴とする請求項29乃至31のいずれ
    かに記載のトナー。
  34. 【請求項34】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が0.60乃至
    0.95であることを特徴とする請求項29乃至33の
    いずれかに記載のトナー。
  35. 【請求項35】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)が
    含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸
    エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステル
    樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が0.65乃至
    0.90であることを特徴とする請求項29乃至33の
    いずれかに記載のトナー。
  36. 【請求項36】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至40
    mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを特
    徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載のトナー。
  37. 【請求項37】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至3
    7mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載のトナ
    ー。
  38. 【請求項38】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至37のいず
    れかに記載のトナー。
  39. 【請求項39】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項1乃至37のいず
    れかに記載のトナー。
  40. 【請求項40】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項1乃至39のいず
    れかに記載のトナー。
  41. 【請求項41】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項1乃至39のいず
    れかに記載のトナー。
  42. 【請求項42】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が70乃至140℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  43. 【請求項43】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が80乃至135℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  44. 【請求項44】 該ワックスは、示差走査型熱量計(D
    SC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定され
    る融点が90乃至130℃であることを特徴とする請求
    項1乃至41のいずれかに記載のトナー。
  45. 【請求項45】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワッ
    クスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着樹
    脂を含有していることを特徴とする請求項1乃至44の
    いずれかに記載のトナー。
  46. 【請求項46】 該トナーは、該ワックスとして下記式
    (A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル化
    合物を一種以上含有することを特徴とする請求項1乃至
    45のいずれかに記載のトナー。 【化2】
  47. 【請求項47】 該トナーは、炭化水素ワックスもしく
    は石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする請
    求項46に記載のトナー。
  48. 【請求項48】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測定
    による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が2
    00乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400乃
    至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    46に記載のトナー。
  49. 【請求項49】 式(A)又は(B)で示される長鎖ア
    ルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/gで
    あることを特徴とする請求項46に記載のトナー。
  50. 【請求項50】 式(A)又は(B)で示される長鎖ア
    ルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項46に記載のトナー。
  51. 【請求項51】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項46に記載のトナー。
  52. 【請求項52】 式(C)で示される長鎖アルキル化合
    物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを特
    徴とする請求項46に記載のトナー。
  53. 【請求項53】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が70〜140℃であることを
    特徴とする請求項46に記載のトナー。
  54. 【請求項54】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が80〜135℃であることを
    特徴とする請求項46に記載のトナー。
  55. 【請求項55】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査型
    熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピー
    ク温度で規定される融点が90〜130℃であることを
    特徴とする請求項46に記載のトナー。
  56. 【請求項56】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜14
    0℃であることを特徴とする請求項47に記載のトナ
    ー。
  57. 【請求項57】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜13
    5℃であることを特徴とする請求項47に記載のトナ
    ー。
  58. 【請求項58】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温時
    の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜13
    0℃であることを特徴とする請求項47に記載のトナ
    ー。
  59. 【請求項59】 該炭化水素ワックス又は石油系ワック
    スは、GPC測定による分子量分布において、重量平均
    分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至3
    であることを特徴とする請求項47に記載のトナー。
  60. 【請求項60】 該トナーは、荷電制御剤として、下記
    式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有してい
    ることを特徴とする請求項1乃至44のいずれかに記載
    のトナー。 【化3】
  61. 【請求項61】 該トナーは、荷電制御剤として、下記
    式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を有することを
    特徴とする請求項60に記載のトナー。 【化4】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
    1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
    びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
    子、C118のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
    ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
    キシ、C118のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾ
    イルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3は同
    じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1〜
    3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニトロ
    基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナ
    トリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イオ
    ンからなるグループから選択されるカチオンイオンを示
    す。]
  62. 【請求項62】 該式(2)中のA+のカチオンイオン
    が、75〜98モル%のアンモニウムイオンと、水素イ
    オン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれら
    の混合イオンとを有することを特徴とする請求項61に
    記載のトナー。
  63. 【請求項63】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100m
    lを有することを特徴とする請求項61に記載のトナ
    ー。
  64. 【請求項64】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100m
    lを有することを特徴とする請求項61に記載のトナ
    ー。
  65. 【請求項65】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノール
    に対する溶解度が0.4g/100ml〜2g/100
    mlであることを特徴とする請求項61に記載のトナ
    ー。
  66. 【請求項66】 該トナーは、該着色剤として磁性酸化
    鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項1乃至
    65のいずれかに記載のトナー。
  67. 【請求項67】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着樹
    脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有し
    ていることを特徴とする請求項66に記載のトナー。
  68. 【請求項68】 該磁性酸化鉄は、球形度(Ψ)が0.
    8以上であることを特徴とする請求項66に記載のトナ
    ー。
  69. 【請求項69】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を含有す
    ることを特徴とする請求項66に記載のトナー。
  70. 【請求項70】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元素
    を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性酸
    化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ素
    元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有量
    Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、該
    磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含有
    量Aとの比(C/A)×100が10〜55%であるこ
    とを特徴とする請求項69に記載のトナー。
  71. 【請求項71】 該トナーは、疎水化処理されたシリカ
    微粉体が外添されていることを特徴とする請求項1乃至
    70のいずれかに記載のトナー。
  72. 【請求項72】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイル
    で処理されていることを特徴とする請求項71に記載の
    トナー。
  73. 【請求項73】 該トナーは、重量平均粒径が3〜9μ
    mであることを特徴とする請求項1乃至72のいずれか
    に記載のトナー。
  74. 【請求項74】 静電潜像保持体に保持されている静電
    潜像をトナーにより現像し、トナー画像を形成する現像
    工程;該静電潜像保持体上に形成されたトナー画像を中
    間転写体を用いてまたは用いずに記録材に転写する転写
    工程;及び該記録材に転写されたトナー画像を加熱定着
    手段により該記録材に加熱定着する定着工程;を有する
    画像形成方法において、 該トナーは、結着樹脂、着色剤及びワックスを少なくと
    も含有しており、 該結着樹脂は、 (a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及びビニル系重
    合体ユニットとポリエステルユニットを有しているハイ
    ブリッド樹脂成分を含み、 (b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
    時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
    50重量%(W2)含有し、 (c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー
    抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60重量%
    (W4)含有し、 (d)クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレ
    ー抽出で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45
    重量%(W6)含有し、 (e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、 (f)THF可溶成分のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィー(GPC)測定による分子量分布において、
    分子量4000乃至9000の領域にメインピークを有
    し、分子量500乃至1万未満の領域の成分が35.0
    乃至65.0%(A1)であり、分子量1万乃至10万
    未満の領域の成分が25.0乃至45.0%(A2)で
    あり、分子量10万以上の成分が10.0乃至30.0
    %(A3)であり、A1/A2の値が1.05乃至2.
    00であることを特徴とする画像形成方法。
  75. 【請求項75】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該
    ポリエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸ま
    たはその無水物、または、三価以上の多価アルコールで
    架橋された架橋構造を有していることを特徴とする請求
    項74に記載の画像形成方法。
  76. 【請求項76】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニ
    ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
    剤で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする
    請求項74又は75に記載の画像形成方法。
  77. 【請求項77】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を20乃至45重量%含有することを特徴とする請
    求項74乃至76のいずれかに記載の画像形成方法。
  78. 【請求項78】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W
    2)を25乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項74乃至76のいずれかに記載の画像形成方法。
  79. 【請求項79】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする
    請求項74乃至78のいずれかに記載の画像形成方法。
  80. 【請求項80】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)を10乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項74乃至78のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  81. 【請求項81】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項74乃至80のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  82. 【請求項82】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項74乃至80のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  83. 【請求項83】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項74乃至82のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  84. 【請求項84】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項74乃至82のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  85. 【請求項85】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項74乃至84のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  86. 【請求項86】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項74乃至84のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  87. 【請求項87】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    500の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    74乃至86のいずれかに記載の画像形成方法。
  88. 【請求項88】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    000の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    74乃至86のいずれかに記載の画像形成方法。
  89. 【請求項89】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有して
    いることを特徴とする請求項74乃至88のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  90. 【請求項90】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有して
    いることを特徴とする請求項74乃至88のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  91. 【請求項91】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有して
    いることを特徴とする請求項74乃至88のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  92. 【請求項92】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万乃至10万
    未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有して
    いることを特徴とする請求項74乃至88のいずれかに
    記載の画像形成方法。
  93. 【請求項93】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を12.0乃至25.0%含有していること
    を特徴とする請求項74乃至92のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  94. 【請求項94】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を15.0乃至20.0%含有していること
    を特徴とする請求項74乃至92のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  95. 【請求項95】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.9
    0であることを特徴とする請求項74乃至94のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  96. 【請求項96】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500乃至1万
    未満の成分(A1)と分子量1万乃至10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.8
    0であることを特徴とする請求項74乃至94のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  97. 【請求項97】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル重合
    体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化5】 を介して結合していることを特徴とする請求項74乃至
    96のいずれかに記載の画像形成方法。
  98. 【請求項98】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項74乃至97のいずれかに記載の画像形成方法。
  99. 【請求項99】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項74乃至98のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  100. 【請求項100】 該結着樹脂は、10乃至60モル%
    のグラフト化率を有することを特徴とする請求項74乃
    至99のいずれかに記載の画像形成方法。
  101. 【請求項101】 該結着樹脂は、15乃至55モル%
    のグラフト化率を有することを特徴とする請求項74乃
    至99のいずれかに記載の画像形成方法。
  102. 【請求項102】 該結着樹脂は、 (A)酢酸エチルに不溶な成分(W4)を結着樹脂10
    0重量部に対して2乃至60重量%含有し、 (B)酢酸エチルに不溶な成分(W4)がポリエステル
    樹脂成分(Gp)を40乃至98重量%含有し、 (C)酢酸エチルに溶解する成分(W3)がポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)を20乃至90重量%含有し、 (D)酢酸エチルに不溶な成分(W4)が含有するポリ
    エステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢酸エチルに溶解
    する成分(W3)が含有するポリエステル樹脂成分(S
    p)の含有量との比(Sp/Gp)が0.5乃至1であ
    り、該ワックスは、炭化水素系ワックスを有することを
    特徴とする請求項74に記載の画像形成方法。
  103. 【請求項103】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    がポリエステル樹脂成分(Gp)を55乃至95重量%
    含有することを特徴とする請求項102に記載の画像形
    成方法。
  104. 【請求項104】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    がポリエステル樹脂成分(Gp)を60乃至90重量%
    含有することを特徴とする請求項102に記載の画像形
    成方法。
  105. 【請求項105】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)はポリエステル樹脂成分(Sp)を25乃至85重
    量%含有することを特徴とする請求項102乃至104
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  106. 【請求項106】 該酢酸エチルに溶解する成分(W
    3)はポリエステル樹脂成分(Sp)を30乃至80重
    量%含有することを特徴とする請求項102乃至104
    のいずれかに記載の画像形成方法。
  107. 【請求項107】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が0.60乃
    至0.95であることを特徴とする請求項102乃至1
    06のいずれかに記載の画像形成方法。
  108. 【請求項108】 該酢酸エチルに不溶な成分(W4)
    が含有するポリエステル樹脂成分(Gp)の含有量と酢
    酸エチルに溶解する成分(W3)が含有するポリエステ
    ル樹脂成分(Sp)との比(Sp/Gp)が0.65乃
    至0.90であることを特徴とする請求項102乃至1
    06のいずれかに記載の画像形成方法。
  109. 【請求項109】 該トナーの全結着樹脂は、7乃至4
    0mgKOH/gの酸価(AV1)を有していることを
    特徴とする請求項74乃至108のいずれかに記載の画
    像形成方法。
  110. 【請求項110】 該トナーの全結着樹脂は、10乃至
    37mgKOH/gの酸価(AV1)を有していること
    を特徴とする請求項74乃至108のいずれかに記載の
    画像形成方法。
  111. 【請求項111】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、10乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項74乃至110の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  112. 【請求項112】 該トナーの酢酸エチル可溶成分(W
    3)は、15乃至45mgKOH/gの酸価(AV2)
    を有していることを特徴とする請求項74乃至110の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  113. 【請求項113】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、0.7乃至
    2.0であることを特徴とする請求項74乃至112の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  114. 【請求項114】 該トナーの全結着樹脂の酸価(AV
    1)と該トナーの酢酸エチル可溶成分(W3)の酸価
    (AV2)との比(AV1/AV2)は、1.0乃至
    1.5であることを特徴とする請求項74乃至112の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  115. 【請求項115】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が70乃至140℃であることを特徴とする
    請求項74乃至114のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  116. 【請求項116】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が80乃至135℃であることを特徴とする
    請求項74乃至114のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  117. 【請求項117】 該ワックスは、示差走査型熱量計
    (DSC)で測定される昇温時の吸熱ピーク温度で規定
    される融点が90乃至130℃であることを特徴とする
    請求項74乃至114のいずれかに記載の画像形成方
    法。
  118. 【請求項118】 該トナーは、結着樹脂の製造時にワ
    ックスの存在下で製造された、ワックスを含有する結着
    樹脂を含有していることを特徴とする請求項74乃至1
    17のいずれかに記載の画像形成方法。
  119. 【請求項119】 該トナーは、該ワックスとして下記
    式(A)、(B)または(C)で示される長鎖アルキル
    化合物を一種以上含有することを特徴とする請求項74
    乃至118のいずれかに記載の画像形成方法。 【化6】
  120. 【請求項120】 該トナーは、炭化水素ワックスもし
    くは石油系ワックスをさらに含有することを特徴とする
    請求項119に記載の画像形成方法。
  121. 【請求項121】 該長鎖アルキル化合物は、GPC測
    定による分子量分布において、数平均分子量(Mn)が
    200乃至2500、重量平均分子量(Mw)が400
    乃至5000及び重量平均分子量と数平均分子量との比
    (Mw/Mn)が3以下であることを特徴とする請求項
    119に記載の画像形成方法。
  122. 【請求項122】 式(A)又は(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が2〜150mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項119に記載の画像形成
    方法。
  123. 【請求項123】 式(A)又は(B)で示される長鎖
    アルキル化合物は、OH価が10〜120mgKOH/
    gであることを特徴とする請求項119に記載の画像形
    成方法。
  124. 【請求項124】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が2〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項119に記載の画像形成方法。
  125. 【請求項125】 式(C)で示される長鎖アルキル化
    合物は、酸価が5〜150mgKOH/gであることを
    特徴とする請求項119に記載の画像形成方法。
  126. 【請求項126】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が70〜140℃であること
    を特徴とする請求項119に記載の画像形成方法。
  127. 【請求項127】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が80〜135℃であること
    を特徴とする請求項119に記載の画像形成方法。
  128. 【請求項128】 該長鎖アルキル化合物は、示差走査
    型熱量計(DSC)で測定される昇温時の吸熱メインピ
    ーク温度で規定される融点が90〜130℃であること
    を特徴とする請求項119に記載の画像形成方法。
  129. 【請求項129】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が70〜1
    40℃であることを特徴とする請求項120に記載の画
    像形成方法。
  130. 【請求項130】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が80〜1
    35℃であることを特徴とする請求項120に記載の画
    像形成方法。
  131. 【請求項131】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、示差走査型熱量計(DSC)で測定される昇温
    時の吸熱メインピーク温度で規定される融点が90〜1
    30℃であることを特徴とする請求項120に記載の画
    像形成方法。
  132. 【請求項132】 該炭化水素ワックス又は石油系ワッ
    クスは、GPC測定による分子量分布において、重量平
    均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が1乃至
    3であることを特徴とする請求項120に記載の画像形
    成方法。
  133. 【請求項133】 該トナーは、荷電制御剤として、下
    記式(1)で示されるアゾ系金属錯体化合物を含有して
    いることを特徴とする請求項74乃至118のいずれか
    に記載の画像形成方法。 【化7】
  134. 【請求項134】 該トナーは、荷電制御剤として、下
    記式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物を有すること
    を特徴とする請求項133に記載の画像形成方法。 【化8】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
    級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
    1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
    びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
    子、C118のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
    ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
    キシ、C118のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾ
    イルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3は同
    じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1〜
    3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニトロ
    基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナ
    トリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イオ
    ンからなるグループから選択されるカチオンイオンを示
    す。]
  135. 【請求項135】 該式(2)中のA+のカチオンイオ
    ンが、75〜98モル%のアンモニウムイオンと、水素
    イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンまたはそれ
    らの混合イオンとを有することを特徴とする請求項13
    4に記載の画像形成方法。
  136. 【請求項136】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.1g/100ml〜8g/100
    mlを有することを特徴とする請求項134に記載の画
    像形成方法。
  137. 【請求項137】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度0.3g/100ml〜4g/100
    mlを有することを特徴とする請求項134に記載の画
    像形成方法。
  138. 【請求項138】 該アゾ系鉄錯体化合物は、メタノー
    ルに対する溶解度が0.4g/100ml〜2g/10
    0mlであることを特徴とする請求項134に記載の画
    像形成方法。
  139. 【請求項139】 該トナーは、該着色剤として磁性酸
    化鉄を少なくとも含有することを特徴とする請求項74
    乃至138のいずれかに記載の画像形成方法。
  140. 【請求項140】 該トナーは、該磁性酸化鉄を該結着
    樹脂100重量部に対して、10乃至200重量部含有
    していることを特徴とする請求項139に記載の画像形
    成方法。
  141. 【請求項141】 該磁性酸化鉄は、球形度(Ψ)が
    0.8以上であることを特徴とする請求項139に記載
    の画像形成方法。
  142. 【請求項142】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を含有
    することを特徴とする請求項139に記載の画像形成方
    法。
  143. 【請求項143】 該磁性酸化鉄は、ケイ素元素を鉄元
    素を基準として0.2〜4重量%含有しており、該磁性
    酸化鉄の鉄元素溶解率が20重量%までに存在するケイ
    素元素の含有量Bと該磁性酸化鉄のケイ素元素の全含有
    量Aとの比(B/A)×100が44〜84%であり、
    該磁性酸化鉄の表面に存在するケイ素の含有量Cと該含
    有量Aとの比(C/A)×100が10〜55%である
    ことを特徴とする請求項142に記載の画像形成方法。
  144. 【請求項144】 該トナーは、疎水化処理されたシリ
    カ微粉体が外添されていることを特徴とする請求項74
    乃至143のいずれかに記載の画像形成方法。
  145. 【請求項145】 該シリカ微粉体は、シリコーンオイ
    ルで処理されていることを特徴とする請求項144に記
    載の画像形成方法。
  146. 【請求項146】 該トナーは、重量平均粒径が3〜9
    μmであることを特徴とする請求項74乃至145のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  147. 【請求項147】 該現像工程における現像部におい
    て、該静電潜像保持体と該トナーを担持するためのトナ
    ー担持体との間隔よりも、該トナー担持体上に担持され
    ているトナー層の層厚が薄いことを特徴とする請求項7
    4乃至146のいずれかに記載の画像形成方法。
  148. 【請求項148】 該現像工程において、該トナー担持
    体にバイアス電圧を印加して、該静電潜像保持体に形成
    されている静電潜像を現像することを特徴とする請求項
    147に記載の画像形成方法。
  149. 【請求項149】 該バイアス電圧は、直流電圧及び交
    流電圧を有することを特徴とする請求項147に記載の
    画像形成方法。
  150. 【請求項150】 該静電潜像保持体は、電子写真用感
    光体であることを特徴とする請求項74乃至149のい
    ずれかに記載の画像形成方法。
  151. 【請求項151】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該トナー画像は、中間転写体を介さずに該記録
    材に直接転写されることを特徴とする請求項74乃至1
    50のいずれかに記載の画像形成方法。
  152. 【請求項152】 該転写工程において、該静電潜像保
    持体上の該トナー画像は、中間転写体に転写された後、
    該中間転写体から該記録材に転写されることを特徴とす
    る請求項74乃至150のいずれかに記載の画像形成方
    法。
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