JP2011002557A - 電子写真用トナー、トナーの製造方法、現像剤、トナー入り容器、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真用トナー、トナーの製造方法、現像剤、トナー入り容器、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】添加剤の母体粒子表面への均一分散性に優れ、しかも遊離添加剤が少ないため、現像剤の帯電量が変化せず、感光体へのトナーフィルミングの発生もなく、さらに、現像剤保持部材へのトナーフィルミングの発生しないトナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得る電子写真用トナー製造方法において、前記添加剤の混合が2段階の混合工程からなり、1段目の混合工程は前記分級後の母体粒子と前記添加剤の一部とで混合を行い、2段目の混合工程で残りの全ての添加剤を追加して混合を行い、前記トナーの超音波振動法によって測定した前記添加剤の遊離率が1〜7%である。
【選択図】図1

Description

本発明は電子写真用トナーの製造方法に関し、詳しくは、電子写真用トナーの製造方法及びその製造方法で得られた電子写真用トナー、並びに、前記トナーを充填したトナー入り容器、前記トナーを用いる現像剤、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関するものである。
電子写真プロセスを利用した画像形成は、帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程および定着工程などによってなされる。帯電工程では、感光体の表面を均一に帯電する。露光工程では、帯電した感光体を露光して感光体の表面に静電潜像を形成する。現像工程では、感光体表面に形成された静電潜像にトナーなどの現像剤を付着させることにより可視像を形成する。転写工程では、感光体上に形成された可視像(トナー像)を記録媒体に転写する。定着工程では、加熱および加圧などの手段により記録媒体に転写された可視像を定着する。クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体の表面に残ったトナーを回収する。以上の工程によって、電子写真プロセスを利用した画像形成装置は、記録媒体上に所望の画像を形成する。
現像工程で用いられるトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有する組成物である。結着樹脂は、それ自身では成型できないカーボンなどの着色剤、ワックスなどの離型剤を分散させ、成型するための結着樹脂である。着色剤は、有機顔料または染料などの色材である。離型剤は、定着工程においてヒートロールなどの定着器と、表面上に転写トナーが付着している記録紙とが、接触する際のオフセット防止剤として用いられている。
近年、電子写真方式の画像形成においては、画像形成処理速度の高速化、すなわち1枚の記録紙に画像を記録するために要する処理時間の短縮化に伴い、定着工程における定着器と記録紙との接触時間が短くなり、その結果、非オフセット域が狭まる傾向にある。したがって、離型剤の離型性を向上させ、非オフセット域をある程度確保する必要があり、そのためには、トナー中の離型剤の含有量を増加させることが有効である。一方、分子量分布が狭く融点の低い離型剤は分散性が悪いと離型剤がトナー表層に露出しやすくなる。
また、クリーニング工程では、記録媒体に転写されずに感光体の表面に残って回収されたトナーを再び現像工程に戻し再使用する、リサイクルクリーニングシステムが多く採用されてきている。リサイクルクリーニングシステムでは、その回収経路において、リサイクルトナー搬送の際に圧力や熱などの過剰なストレスがトナーにかかる。トナーに過剰なストレスが加わると、離型剤の分散性の悪いトナーでは、離型剤がトナー表面に露出する。離型剤が表面に露出したトナーでは、その離型剤が感光体にフィルミングしたり、二成分現像剤ではキャリア表面に離型剤がスペントして現像剤の耐久性は著しく悪くなる。したがって、定着離型性を向上させるとともに高い耐久性を有するトナーの開発が進められてきた。
さらに、母体粒子に外添される添加剤(流動化剤等)についても、トナー表面での均一分散性が求められている。添加剤の母体表面への均一分散性が悪いと、母体粒子の表面に添加剤が不均一に付着して、帯電の不均一化を招くばかりでなく、母体粒子に付着しない遊離した添加剤の存在が多くなる。この遊離した添加剤が多くなると、以下のような現象が発生する。
(a)遊離した添加剤がキャリア等の帯電部材に付着して、現像剤の帯電を大きく変えてしまう。
(b)遊離した添加剤が感光体に付着して、感光体表面エネルギーが大きくなり、トナーフィルミングが発生する。
(c)遊離した添加剤が現像剤保持部材に付着して、現像剤保持部材の表面エネルギーが大きくなり、トナーフィルミングが発生する。
もっとも、母体粒子表面に均一に分散して添加剤遊離率を小さくするために、母体粒子と添加剤との混合時における混合強度を強くすることが考えられる。しかし、添加剤遊離率を小さくしようとして混合強度を強くすると、小粒径トナーの場合は母体粒子の分散が難しいため、一部の添加剤は母体粒子に埋没してしまい、本来の添加剤の機能である帯電性、流動性の付与が果たされなくなる。
このような問題に対して、下記(1)〜(6)に示すような幾つかの提案がなされている。
(1)トナーの添加剤として、パーティクルアナライザーによるトナー全体のSi原子もしくはTi原子の遊離率が0.5〜20%となるシリカ、チタニア(シリカとチタニアの添加量の比が10:1〜1:10)を用いる(例えば、特許文献1参照)。
(2)転写材上のトナーの付着量が0.60mg/cm2における定着後の画像濃度D0.6が1.2〜2.0であるようにしたカラートナーにおいて、トナーの添加剤として、遊離率が0.5〜8%のシリカと遊離率が0.5〜5%のチタニアとを用いる(例えば、特許文献2参照)。
(3)特定の着色剤を含有するマゼンタトナーの添加剤として、遊離率がともに0.3〜4%であるシリカ及び/又はチタニアを用いる(例えば、特許文献3、4参照)。
(4)トナーの添加剤として、遊離率が0.5〜20%であるシリカ及び/又はチタニア(添加剤)を有するトナーを、トナー濃度検出手段をもたない現像手段で用いる(例えば、特許文献5参照)。
(5)潜像担持体上に担持されるトナーを第1及び第2のクリーニングブレードでクリーニングするクリーニング方法において、遊離率が1〜20%であるシリカ(SiO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)、酸化セリウム(CeO)等の酸化物、窒化珪素(SiN)、窒化アルミナ(AlN)、窒化硼素(NB)等の窒化物、炭化チタン(TiC)等の炭化物の粒子(添加剤)を有するトナーを用いる(例えば、特許文献6参照)。
(6)添加剤として少なくともシリカ及びチタニアが添加され、超音波振動法によって測定したチタニアの遊離率が5〜22%であるトナーを用いる(例えば、特許文献7参照)。
しかしながら、これらのトナーの使用では十分な効果が得られていない。特に、前記「(3)遊離した添加剤が現像剤保持部材に付着して、現像剤保持部材の表面エネルギーが大きくなり、トナーフィルミングが発生する。」に対してはいずれも不十分である。これらは、殊に、パーティクルアナライザーで測定した添加剤遊離率である場合には顕著である。
ところで、流動化剤がトナー粒子に均一に付着し、帯電特性の環境安定性に優れたトナーを得るために、トナー粒子のみを混合機で混合処理する第1工程と、処理後のトナー粒子と添加剤(流動化剤)とを前記混合機で混合処理しトナー粒子表面に添加剤を付着させる第2工程とを採用する電子写真用トナーの製造方法が提案されている(例えば、特許文献8参照)。
しかしながら、この方法は、離型剤を含有する小粒径トナーにおいては、母体粒子同士の凝集力が非常に強く、母体粒子が離れないため、添加剤を均一に付着できないばかりか、母体粒子が混合機内で融着する恐れがある。
本発明の目的は、添加剤の母体粒子表面への均一分散性に優れ、しかも遊離添加剤が少ないため、現像剤の帯電量が変化せず、感光体へのトナーフィルミングの発生もなく、さらに、現像剤保持部材へのトナーフィルミングの発生しない電子写真用トナー、及びそうしたトナーの製造方法を提供するものである。本発明の他の目的は、現像剤、トナー入り容器、画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供するものである。
上記の目的は、下記(1)〜(14)の技術手段により達成される。
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記添加剤の混合が2段階の混合工程からなり、1段目の混合工程は前記分級後の母体粒子と前記添加剤の一部とで混合を行い、2段目の混合工程で残りの全ての添加剤を追加して混合を行い、前記トナーの超音波振動法によって測定した前記添加剤の遊離率が1〜7%であることを特徴とする電子写真用トナー製造方法。
(2)前記の1段目の混合工程における混合強度が、2段目の混合工程における混合強度より弱いことを特徴とする上記(1)に記載の電子写真用トナー製造方法。
(3)前記1段目の混合工程における添加剤の量は、添加剤全量の10〜50重量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の電子写真用トナー製造方法。
(4)少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記母体粒子への前記添加剤の供給は一度で行い、これらの混合は前段及び後段の2段で、かつ前段の混合工程における混合強度を後段の混合工程における混合強度より弱くして行い、前記トナーの超音波振動法によって測定した前記添加剤の遊離率が1〜7%であることを特徴とする電子写真用トナー製造方法。
(5)前記母体粒子に添加される前記添加剤の全量は、前記母体粒子に対して0.5〜3.0重量%であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
(6)前記添加剤は、少なくとものシリカを含むことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
(7)前記結着樹脂は、少なくともポリエステル樹脂を含むことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする電子写真用トナー。
(9)上記(8)に記載の電子写真用トナーを含有することを特徴とする一成分現像剤。
(10)上記(8)に記載の電子写真用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤。
(11)上記(8)に記載の電子写真用トナーが充填されたことを特徴とするトナー入り容器。
(12)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を上記(8)に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写材上に転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着工程とを少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
(13)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を上記(8)に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を転写材上に転写する転写手段と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
(14)静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を上記(8)に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明トナーの使用によれば、現像剤の帯電量が変化せず、感光体へのトナーフィルミングの発生もなく、さらに、現像剤保持部材へのトナーフィルミングの発生もないため、長期に亘って高品質の画像が得られる。
本発明によるプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 本発明による画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の例を示す概略説明図である。 本発明による画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の例を示す概略説明図である。 本発明による画像形成装置(タンデム型カラー画像形成装置)により本発明の画像形成方法を実施する一例を示す概略説明図である。 図4に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
本発明のトナー製造方法の1つは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行いその後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記添加剤を混合する工程が少なくとも2段階の混合工程からなり、1段目は分級後の母体粒子と添加剤全量のうちの一部とで混合を行い、2段目で残りの全ての添加剤を追加して、混合を行うものである。
即ち、本発明のトナーの製造方法は、原料を混合、混練、冷却、粗粉砕、微粉砕、分級して母体粒子を得た後、添加剤を混合する工程からなる。本発明では、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を混合し、混練機を用いて混練する。混練機としては、密閉式の連続混練機、開放式のロール型混練機等を用いることができる。上記混練により得られた混練物を冷却後、粗粉砕、微粉砕、分級して母体粒子を得る。粗粉砕機としては、ロートプレックス、パルペライザー等が使用できる。また、微粉砕機としては、気流式ジェットミルや機械式粉砕機等を用いることができる。分級機としては、気流式分級機やロータ式分級機等を用いることができる。
上記の2段階の混合工程においては、1段目の混合で母体粒子と添加剤の一部とを予め混合することにより、母体粒子の集合を壊してバラバラの状態にし、追加した添加剤が母体粒子の表面に均一に付着させることにより、トナー全体の添加剤遊離率を低くし、遊離添加剤に関わる諸問題を解決するものである。また、本発明のトナーは超音波振動法によって測定した、母体粒子に対する添加剤の遊離率が1〜7%、好ましくは2.0〜5.0%である。
添加剤の遊離率は低いほど良いが、添加剤の遊離率を1%未満にする場合は、混合強度を強くする必要があるため、添加剤の埋没を招くおそれがあるため好ましくない。また、添加剤の遊離率が7%以上の場合は、現像剤の帯電量が変化し、感光体へのトナーフィルミングが発生し、さらに、現像剤保持部材へのトナーフィルミングの発生が懸念される。
また、このトナー製造方法においては、1段目の混合強度が2段目の混合強度より弱いことが好ましい。1段目の混合強度は300〜800rpmくらいの攪伴が適当であり、2段目の混合強度は1000〜1500rpmくらいの攪伴が適当である。
1段目の混合強度が2段目の混合強度より強いと、母体粒子が充分に分離されていない状態で添加剤と攪拌されるため、母体粒子表面へ添加剤が不均一に強く付着するおそれがある。一旦不均一に強く付着した添加剤は、2段目に強く混合しても、付着状態を均一にすることが難しくなる。添加剤が母体粒子表面に不均一に付着した場合、現像剤の帯電制御やトナーへの流動性の付与などの、本来の添加剤の働きが損なわれる可能性がある。
また、1段目の混合工程における添加剤の量は、添加剤全量(1段目の混合工程における添加剤の量+2段目の混合工程における添加剤の量)の10〜50重量%が好ましく、15〜30重量%がより好ましい。
10重量%未満であると、母体粒子が充分に分離されていない状態で添加剤と攪拌されるため、母体粒子表面へ添加剤が不均一に強く付着する事となり、50重量%超であると、母体粒子表面へ添加剤が不均一に強く付着する事となって、不具合が生じる可能性がある。
本発明のトナー製造方法の他の1つは、少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記母体粒子への前記添加剤の供給は一度で行い、これらの混合を前段及び後段の2段で、かつ前段の混合工程における混合強度を後段の混合工程における混合強度より弱くして行うものである。前段の混合強度は300〜800rpmくらいの攪伴が適当であり、後段の混合強度は1000〜1500rpmくらいの攪伴が適当である。
上記の前段及び後段の2段の混合工程においては、前段の混合工程で母体粒子と添加剤の全量が混合されるが、この前段の混合工程における混合強度を後段の混合工程における混合強度より弱く設定しておくことにより、前段の混合工程で混合時に全ての添加剤を混合することにより、母体粒子が充分に分離されて添加剤と攪拌されるため、後段の混合工程で母体粒子表面へ添加剤が均一に付着し添加剤遊離率を所望する範囲にコントロールできる。
本発明の添加剤遊離率を測定する方法としては超音波振動法を用いる。従来の添加剤遊離率の測定はパーティクルアナライザーによる、C原子を基準とする添加剤に由来する添加剤の遊離率を求める方法がほとんどであったが、その方法では初期トナーの添加剤遊離状態しか言えず、現像ユニット中でトナーがキャリアと現像ユニットとの衝突及び摩擦された後の添加剤遊離率が反映できない。本発明で用いる超音波振動法は上記現像ユニットで十分ストレスを受けた後のトナーから遊離した添加剤の遊離率を反映する測定方法であるため、その遊離率を一定範囲に規定することで、地汚れ及び白斑点異常画像が発生しないようにすることができる。
ここで超音波振動法によって遊離率を測定する方法の詳細を以下に記載する。
・イオン交換水100mlに濃度が33%のドライウェル4.4mlを加え、1分攪拌して溶液Aを作製する。
・上記溶液Aにサンプルの初期トナー5gを添加して、20回シェイクし、十分に濡れさせた後に30分放置し、液Bを作製する。
・上記液Bを5回シェイクし、トナーを分散させてから、超音波ホモジナイザー(VCX750、SONICS社製)にて、振動部を液Bに2.5cm進入し、出力エネルギー30%で、1分間振動させて、液Cを作製する。
・上記液Cを10分放置した後、ろ過する。ろ紙としては110mm、100CIRCLES(Toyo Roshikaisha社製)を用いる。
・濾紙上に残ったトナーを回収し、40℃恒温槽で8時間乾燥させる。
・乾燥後得られたトナー3gを、自動加圧成型機(T−BRB−32、Maekawa社製)、荷重6.0t、加圧時間60sec(メーカと条件)にて直径30mm、厚さ2mmにペレット成型し、処理後サンプルトナーとする。
・上記処理をしていないサンプル初期トナーを同様に直径30mm、厚さ2mmにペレット成型し、処理前サンプルトナーとする。
・蛍光X線装置(ZSX−100e、理学電気社製)にて定量分析して上記ペレットトナーサンプルの添加剤(例えばシリカ)の部数を測る。使用する検量線は予めトナーに対して、添加剤(例えばシリカ)の含有量を振ったサンプルで検量線を作成しておく。
・下記の式によって遊離率を算出する。
遊離率(%)=(処理前トナー添加剤含有量(部)−処理後トナー添加剤含有量(部))/処理前トナー添加剤含有量×100
本発明において、母体粒子と混合される添加剤の全量は、母体粒子の0.5〜3.0重量%が好ましく、1.0〜1.5重量%がより好ましい。これにより、トナーの帯電性が適度となり、トナー飛散、地汚れを防止することが可能である。
〔添加剤〕
本発明では、流動性や現像性を補助するための外添剤としてシリカが含有されていることが好ましいが、シリカに代えて又はシリカとともに他の無機微粒子及び樹脂微粒子を外添することもできる。シリカ以外の無機微粒子としては、例えば、脂肪酸金属塩、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、酸化亜鉛粉末、酸化アルミ粉末、酸化チタン粉末等を用いることができる。また、樹脂微粒子としては、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂を用いる。ただし、シリカが含有されない場合、流動性の付与が十分ではないため、ベタ追従不良・荷電搬送安定性が低下する傾向がある。
シリカは、平均粒径が10〜50nmであることが好ましく、15〜30nmであることがより好ましい。シリカの平均粒径が10nm以下だと耐久による埋没が進みやすくなるため、ベタ追従不良・荷電搬送安定性が低下する。また、シリカの平均粒径が50nm以上だとトナー母体に固定化させることができないため安定した流動性が得られない。
〔結着樹脂〕
本発明において用いられる結着樹脂は、従来より公知の樹脂が使用される。例えば、スチレン、ポリ−α−スチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジェン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単重合体または共重合体)、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビニルブチラート樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂の製造方法も特に限定されるものではなく、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合いずれも使用できる。
ただし、好ましく用いられる結着樹脂はポリエステル樹脂であり、特に、線形のポリエステルである。線形ポリエステル樹脂を前記トナー中に含有させると、低温定着性及び光沢性を向上させることができる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、アルコールとカルボン酸との縮重合によって得られる。
使用されるアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1,4−ビス(ヒドロキシメタ)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体を挙げることができる。
また、カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、低温定着性と耐熱保存性の両立、適度な光沢性(光沢度)を得るため、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、50000〜200000が好ましく、70000〜100000がより好ましい。重量平均分子量(Mw)が、50000未満であると、耐熱保存性が悪化することがある。一方、重量平均分子量(Mw)が200000を超えると、低温定着性が悪化することがある。なお、重量平均分子量に替えて数平均分子量(Mn)で測定しても構わない。
前記結着樹脂の数平均分子量(Mn)としては、GPC法で測定した値が1000〜20000であるのが好ましく、2000〜10000がより好ましい。数平均分子量(Mn)が1000より小さいと耐熱保存性が低下し、20000より大きいと低温定着性を損ねる。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は2.5〜50であるのが好ましい。
前記結着樹脂の重量平均分子量(Mw)あるいは数平均分子量(Mn)は、以下のようにして測定することができる。
(結着樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定)
結着樹脂の重量平均分子量(Mw)はGPC(gel permeation chromatography)によって以下の条件で測定する。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入
以上の条件で測定した結着樹脂の分子量分布から、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して結着樹脂の質量平均分子量を算出する。
(結着樹脂の数平均分子量(Mn)の測定)
結着樹脂の数平均分子量はGPCによって以下の条件で測定する。
・装置:GPC−150C(ウォーターズ社製)
・カラム:KF801〜807(ショウデックス社製)
・温度:40℃
・溶媒:THF(テトラヒドロフラン)
・流速:1.0mL/分
・試料:濃度0.05〜0.6%の試料を0.1mL注入する。
また、THF100mlに試料(結着樹脂)1gを添加した時の不溶分が75重量%以上である場合は、溶媒として、DMF(ジメチルホルムアミド)を用いる。なお、数平均分子量は、単分散ポリスチレン標準試料を用いて作成した分子量校正曲線から算出する。
前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、58〜75℃が好ましい。前記ガラス転移温度が58℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、75℃を超えると、低温定着性が不十分となることがある。前記結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、以下のようにして測定することができる。
(結着樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定)
結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。まず、結着樹脂約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、室温まで試料を冷却して10分間放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出することができる。
前記結着樹脂の水酸基価としては、3mgKOH/g以上が好ましく、5〜100mgKOH/gがより好ましく、10〜50mgKOH/gが更に好ましい。前記水酸基価が3mgKOH/g未満であると、耐熱保存性と低温定着性とが両立し難くなることがある。また、前記ポリエステル樹脂の酸価としては、3〜50mgKOH/gが好ましく、5〜30mgKOH/gがより好ましい。このように前記トナーに酸価をもたせることによって、一般的に負帯電性となり易くなる。
結着樹脂の水酸基価及び酸価は、JIS K−0070に準じて求めることができる。
〔着色剤〕
本発明に用いられる着色剤としては、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色について、公知のものを種々用いることができる。
イエロートナーの着色剤としては、例えば、カラーインデックスにより分類ささるC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー5、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー15若しくはC.I.ピグメントイエロー17等のアゾ系顔料、又は、黄色酸化鉄若しくは黄土等の無機系顔料を用いることができる。また、染料としては、例えば、C.I.アジットイエロー1等のニトロ系染料、又は、C.I.ソルベントイエロー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、C.I.ソルベントイエロー19若しくはC.I.ソルベントイエロー21等の油溶性染料を用いることができる。特に、C.I.ピグメントイエロー17等のベンジジン系顔料が色味の点から好ましい。
マゼンタトナーの着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ソルベントレッド19、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ベーシックレッド10又はC.I.ディスパーズレッド15等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料が色味の点から好ましい。
シアントナーの着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソルベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー25又はC.I.ダイレクトブルー86等を用いることができ、特に、C.I.ピグメントブルー15等の銅フタロシアニン顔料が色味の点から好ましい。
ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラックが好適である。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ロースブラック、ディスクブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック、アセチレンブラックなどの、従来公知の様々なカーボンブラックの中から、適宜選択すればよい。
着色剤の含有量は、画像形成用トナーに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン、等が挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−p−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、などが挙げられる。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用の複合化のための樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。このフラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを、樹脂と有機溶剤とともに混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤を除去(減少)する方法である。前記混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
〔離型剤〕
本発明に用いられる離型剤としては、天然ワックスとして、動物由来の蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、植物由来のカルナバ蝋、木蝋、米糠蝋(ライスワックス)、キャンデリラワックス、石油由来のパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、鉱物由来のモンタンワックス、オゾケライトなどがあり、また合成ワックスとしては、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワック(エステル、ケトン類、アミド)、水素化ワックスなどがあるが、低温領域における染み出し効果を発揮するために、示差走査熱量分析計(以下、DSCと略す)による吸熱ピークが80〜110℃であるものであればよい。特に種類を限定されるものではないが、好ましくは、合成することによって得られる炭化水素系合成ワックス、或いは、石油系のワックスがよい。
炭化水素系合成ワックスは次の2種類に大別される。1種類目はフィッシャー・トロプシュ(Fischer−Tropsch)ワックスと呼ばれているもので、一酸化炭素と水素を反応させることにより、生成することができる。他の一種はポリエチレンワックスと呼ばれているもので、エチレンの重合やポリエチレンの熱分解により生成することができる。DSCはJIS−K7122−1987に準じて測定し、吸熱ピークの温度を融点とする。
さらに本発明に用いられるワックスは、好ましくは極性を有するものであれば良く、さらに好ましくは酸価が3〜8mgKOH/gのものである。一旦出来上がったワックスを原料として化学的・物理的手段で加工もしくは変性し、極性を持たせることが可能となる。変性ワックスとしては酸化ワックスと合成樹脂等をブレンドした配合ワックスに大別することができる。酸化ワックスは、原料のワックスを薬品や空気中の酸素で酸化することにより生成される。また、配合ワックスは機械的強度が小さいという欠点を補う為、相溶性の良い合成樹脂(エチレン酢ビ共重合体、ポリエチレン、合成ロジン等)を適当量ブレンドしたものである。
離型剤の含有量は、トナーに対して3〜10重量%が好ましい。
さらに、本発明に用いられる離型剤は、針入度が4以下であることが好ましい。針入度は、JISの規格(K−2235−5.4)に定められた方法により、離型剤の硬さを求める測定法である。測定装置で規定温度下に定められた針に100gの荷重をかけ、5秒間で試料に何mm侵入するかを求め、この10倍の数値で表すことができる。
〔電荷制御剤〕
本発明のトナーには、トナーの摩擦帯電性を制御する目的で、電荷制御剤を配合することができる。この電荷制御剤は、トナーの帯電特性に応じて、正電荷制御用及び負電荷制御用がある。正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基性窒素原子を有する有機化合物、例えば、塩基性染料、第4級アンモニウム塩、アミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、アミノシラン類又はニグロシンベース等を用いることができる。負帯電用の電荷制御剤としては、オイルブラック若しくはスピロンブラック等の油溶性染料、含金属アゾ染料、ナフテン酸金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、脂肪酸石鹸又は樹脂酸石鹸等を用いることができる。
電荷制御剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。なお、カラー用トナーとしては、無色の第4級アンモニウム塩又はアルキルサリチル酸の金属塩が好ましいが、必須ではない。
〔その他成分〕
また、本発明のトナーには、必要に応じて、流動性向上剤やクリーニング性向上剤を含有させることができる。
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、等が挙げられる。前記流動性向上剤の前記トナーにおける含有量としては、0.5〜3.0重量%が好ましい。
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加され、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。前記クリーニング性向上剤の前記トナーにおける含有量としては、0.1〜0.5重量%が好ましい。
〔トナーの粒径〕
本発明のトナーの重量平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、粒状度や鮮鋭性、細線再現性の優れた高品位の画像を得るには、重量平均粒径は3μm〜15μmであることが好ましい。粒径は小さい程、画像の鮮鋭性や細線再現性に優れる。特にカラー画像形成装置では、画質への要求が厳しく15μm以下のトナーが必要である。特に7.5μm以下が画質に好ましい。一方、トナー粒径が3μm未満と小さくなりすぎると、トナーの流動性や転写性が悪化する。ここで、前記トナーの重量平均粒径は、次のようにして求めることができる。
(トナーの重量平均粒径(Dw)の測定)
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)が挙げられる。本発明においては、コールターマルチサイザーIIIを使用し以下のようにして測定した。
先ず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(Dw)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
上記測定におけるチャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、55〜70℃が好ましい。Tgが前記範囲より高くなると、トナーの定着下限温度が高くなるため、トナーの低温定着性が悪化する。
画像形成用トナーのTg(DSC最大吸熱ピーク)は、理学電機社製TG−DSCシステム(TAS−100)を使用し、TAS−100システム中の解析システムを用いて、融点近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。
すなわち、トナー試料約10mgをアルミ製試料容器に入れ、それをホルダユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで180℃まで加熱し、得られた吸熱カーブをもとに算出した。
本発明の画像形成用トナーは一成分現像剤あるいは二成分現像剤として用いることができる。すなわち、一成分現像剤は画像形成用トナーのみからなるものであり、二成分現像剤は画像形成用トナーとキャリアからなるものである。
〔一成分現像剤〕
一成分現像剤では、非磁性の一成分トナーあるいは磁性の一成分トナー(磁性トナー)として使用することができる。
磁性トナーとして使用する場合には、公知の磁性材料が使用できる。すなわち、磁性トナー中に含有される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属、あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などが挙げられる。これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
〔二成分現像剤〕
本発明の二成分現像剤に使用されるキャリアとしては、従来より公知の二成分現像剤用のものを使用することができる。
例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散して成るバインダ型キャリア等を使用することができる。
磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物などを使用できる。
これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から好ましい。上記ビニル系単量体としてはイソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。
また、上記以外にキャリアに使用されるキャリア被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂およびスチレン−アクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂およびポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリコーン樹脂等が挙げられる。
また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中にフィラーとして含有させてもよい。導電粉等としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ等が使用できる。これらは、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、導電粉の場合は電気抵抗の制御が困難になる。
磁性キャリアの体積平均粒径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
前記現像剤は、本発明の前記トナーを含有しているので、画像形成時において、帯電性能に優れ、高画質な画像を安定に形成することができる。前記現像剤は、磁性一成分現像方法、非磁性一成分現像方法、二成分現像方法等の公知の各種電子写真法による画像形成に好適に用いることができ、以下の本発明の前記トナー入り容器、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に特に好適に用いることができる。
<トナー入り容器>
本発明によるトナー入り容器は、本発明による前記トナー乃至前記現像剤を容器中に収容してなる。前記容器としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー入り容器本体とキャップとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。前記トナー入り容器本体としては、その大きさ、形状、構造、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記形状としては、円筒状などが好ましく、内周面にスパイラル状の凹凸が形成され、回転させることにより内容物であるトナーが排出口側に移行可能であり、かつ該スパイラル部の一部又は全部が蛇腹機能を有しているもの、などが特に好ましい。前記トナー入り容器本体の材質としては、特に制限はなく、寸法精度がよいものが好ましく、例えば、樹脂が好適に挙げられ、その中でも、例えば、ポリエステル樹脂,ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリル酸、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、などが好適に挙げられる。前記トナー入り容器は、保存、搬送等が容易であり、取扱性に優れ、後述するプロセスカートリッジ、画像形成装置等に、着脱可能に取り付けてトナーの補給に好適に使用することができる。
<プロセスカートリッジ>
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を現像剤によって現像して可視像を形成する現像装置とを、少なくとも一体に連結して構成されており、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を一体に連結した構成とすることができる。前記現像装置としては、本発明による前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。本発明のプロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
ここで、前記プロセスカートリッジは、例えば、図1に示すように、ドラム状の感光体である静電潜像担持体101を内蔵し、静電潜像担持体101と、帯電手段102、現像装置104、転写手段108、クリーニング手段107とを一体に連結して、画像形成装置に着脱自在に取り付けられている。本発明によるプロセスカートリッジにおいては、静電潜像担持体101と、少なくとも現像装置104とを一体に連結した構造で有れば十分であり、更に必要に応じてその他の手段を有することが可能である。図1中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図1に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置104の現像ローラ104aから供給されるトナーでトナー像化されて現像される。そして、得られたトナー像である可視像は、転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
<画像形成方法及び画像形成装置>
本発明の画像形成方法は、上述の静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像装置と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
(静電潜像形成工程)
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。前記静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
(現像工程及び現像装置)
前記現像工程は、前記静電潜像を、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像装置により行うことができる。
前記現像装置は、例えば、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、本発明の前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられ、前記トナー入り容器を備えた現像器などがより好ましい。
前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよく、また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、本発明の前記トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該現像剤に含まれるトナーは、本発明の前記トナーである。
(転写工程及び転写手段)
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
(定着工程及び定着手段)
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。前記加熱加圧手段における加熱は、80〜200℃が好ましい。なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
(除電工程及び除電手段)
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
(クリーニング工程及びクリーニング手段)
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
(リサイクル工程及びリサイクル手段)
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
(制御工程及び制御手段)
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
(前記画像形成装置による画像形成)
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示す画像形成装置100は、前記静電潜像担持体としての感光体ドラム10と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像装置としての現像装置40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、図中矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレード90が配置されており、また、記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像剤担持体としての現像ベルト41と、この現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M、及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラにより回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図2に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体ドラム10を一様に帯電させる。露光装置30が感光ドラム10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。該可視像(トナー像)が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図3を参照しながら説明する。図3に示す画像形成装置100は、図3に示す画像形成装置100において、現像ベルト41を備えてなく、感光体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されていること以外は、図2に示す画像形成装置100と同様の構成を有し、同様の作用効果を示す。なお、図3においては、図2におけるものと同じものは同符号で示した。
前記画像形成装置により本発明の画像形成方法を実施する他の態様について、図4を参照しながら説明する。図4に示すタンデム画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置である。タンデム画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図3中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図5に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図6中、符号L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法では、流動性、定着性等の諸特性が良好であり、優れた低温定着性と耐熱保存性とを両立する本発明による前述トナーを用いるので、高画質が効率よく得られる。
以下に、本発明の実施例を示す。なお、本発明の実施例では結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いているが、他の樹脂も使用可能である。また、本発明の実施例はモノクロトナーであるが、カラートナーにも使用可能である。ここでの部は重量基準である。
(ポリエステル樹脂1の製造)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・PO2モル付加物430部、ビスフェノールA・PO3モル付加物300部、テレフタル酸257部、イソフタル酸65部、無水マレイン酸10部、及び重縮合触媒としてシュウ酸チタニルカリウム2部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで5−20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が5になった時点で取り出し、室温まで冷却後粉砕して線状ポリエステル樹脂1を得た。
このポリエステル樹脂1はTHF不溶分を含有しておらず、その酸価は8、水酸基価は12、Tgは61℃、数平均分子量は7290、ピークトップ分子量は20800であった。
(ポリエステル樹脂2の製造)
冷却管、攪拌機及び窒素導入菅の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物400部、ビスフェノールA・PO3モル付加物280部、テレフタル酸300部、無水フタル酸35部、及び重縮合触媒としてジブチルスズオキサイド1.5部を入れ、220℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら12時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸65部を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕して非線状ポリエステル樹脂2得た。
このポリエステル樹脂2はTHF不溶分を10%含有しており、その酸価は20、水酸基価は47、Tgは65℃、軟化点137℃、数平均分子量は4200、重量平均分子量は84000、ピークトップ分子量は12800であった。
〔実施例1〕
・母体粒子の作成
ポリエステル樹脂1 84部
帯電制御剤 2部
(ボントロンS−34 オリエント化学社製)
カルナウバワックス 4部
(酸価:2.5mgKOH/g、融点:87.5℃、針入度:5mm)
カーボンブラック 10部
(#44、三菱化学社製)
以上の処方で、ヘンシェルミキサーにて均一に混合を実施した。上記で混合した材料を開放型ロール式混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し重量平均粒径が6.5μmの母体粒子を作製した。
・添加剤混合
上記分級した母体粒子100部に、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.15部加え、ヘンシェルミキサーで1200rpmで2分間混合した。
次いで、更にシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.85部加えヘンシェルミキサーで、1200rpmで2分間混合して本発明のトナーを得た。
〔実施例2〕
・母体粒子の作成
実施例1で作成したものを使用。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.15部加え、ヘンシェルミキサーで750rpmで2分間混合した。
次いで、更にシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.85部加えヘンシェルミキサーで、750rpmで2分間混合して本発明のトナーを得た。
〔比較例1〕
・母体粒子の作成
実施例1で作成したものを使用。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を1.0部加え、ヘンシェルミキサーで、1300rpmで5分間混合して比較例のトナーを得た。
〔比較例2〕
・母体粒子の作成
実施例1で作成したものを使用。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に対し、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を1.0部加えヘンシェルミキサーで、500rpmで4分間混合して比較例のトナーを得た。
〔比較例3〕
・母体粒子の作成
実施例1で作成したものを使用。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に対し、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を1.0部加えヘンシェルミキサーで、1000rpmで4分間混合して比較例のトナーを得た。
〔実施例3〕
・母体粒子の作成
実施例1で作成したものを使用。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に対し、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.15部加えヘンシェルミキサーで、350rpmで2分間混合した。
次いで、更にシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を0.85部を加えヘンシェルミキサーで、1200rpmで2分間混合して本発明のトナーを得た。
〔実施例4〕
・母体粒子の作成
ポリエステル樹脂2 84部
帯電制御剤 2部
(ボントロンE−84 オリエント化学社製)
カルナウバワックス 4部
(酸価:1.5mgKOH/g、融点:82.5℃、針入度:3mm)
カーボンブラック 10部
(#44、三菱化学社製)
以上の処方で、ヘンシェルミキサーにて均一に混合を実施した。上記で混合した材料を開放型ロール式混練機にて溶融混練した。この混練物をカウンタージェットミルにて微粉砕した後、ロータリー式分級機にて過粉砕トナーを分級除去し重量平均粒径が5.0μmの母体粒子を作製した。
・添加剤混合
分級した母体粒子100部に対し、添加剤としてシリカ(HDK−2000:ワッカー社製)を1.5部加えヘンシェルミキサーで、400rpmで1分間混合した。
次いで、ヘンシェルミキサー回転数を1000rpmで2分間混合して本発明のトナーを得た。
これら実施例及び比較例で得られたトナーについて、(1)添加剤遊離率、(2)帯電安定性、(3)感光体フィルミング、及び(4)現像剤保持部材(現像スリーブ)へのトナーフィルミングの評価を行った。結果は表1のとおりであった。
(1)添加剤遊離率
前記した条件にて、超音波振動法により添加剤遊離率を測定した。
(2)帯電安定性
トナー5部と重量平均粒径60μmのシリコーンコートキャリア95部とを均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。前記現像剤を用い市販複写機(imagio NEO450:リコー社製、サイクル機構搭載機)で50000枚コピーを行い、スタート時、10000枚時、20000枚時、30000枚時、50000枚時のブローオフ帯電量を測定した。
(3)感光体フィルミング
実施例1〜4及び比較例1〜4で作成した現像剤を、30℃・85%RHの高温高湿環境下で、2時間以上調湿した。同環境下において該現像剤を用い市販複写機(imagio NEO450:リコー社製、リサイクル機構搭載機)で50000枚コピーした時の感光体フィルミングと、転写された画像の画質を観察した。
(判定基準)
◎:感光体のフィルミングはなく、画質も良好。
○:感光体に微量のフィルミングがあるものの、画像濃度低下はほとんど無し。
△:感光体に微量のフィルミングがあり、画像濃度低下も観察された。
×:感光体へのフィルミングが多く、画像濃度低下に加え、画像にボケが入るなど画質低下が顕著。
(4)現像剤保持部材(現像スリーブ)へのトナーフィルミング
上記(3)の評価でスタート時、10000枚時、20000枚時、30000枚時、50000枚時に、X-Rite938で現像スリーブ表面の濃度を測定した。(現像スリーブ表面の濃度は1.0以下であれば問題なし。)
Figure 2011002557
表1から明らかなように、(i)母体粒子へ添加され混合される添加剤を2回に分けて混合し、かつ超音波振動法によって測定した添加剤の遊離率が1〜7%である、或いは(ii)母体粒子へ添加され混合される添加剤を一度で混合するが後段での混合強度を前段の混合強度より強くし、かつ超音波振動法によって測定した添加剤の遊離率が1〜7%である、ことにより帯電安定性が良好で、フィルミングを生じさせない電子写真用トナーが得られる。
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ベルト
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック用現像器
45Y イエロー用現像器
45M マゼンタ用現像器
45C シアン用現像器
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像器
62 転写帯電器
63 感光体クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100 画像形成装置
101 感光体
102 帯電手段
103 露光
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
121 加熱ローラ
122 定着ローラ
123 定着ベルト
124 加圧ローラ
125 加熱源
126 クリーニングローラ
127 温度センサ
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特許第3596853号公報 特許第3883747号公報 特許第3906070号公報 特開2003−186248号公報 特開2002−278261号公報 特開2004−170440号公報 特開2006−323367号公報 特許第3216394号公報

Claims (14)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記添加剤の混合が2段階の混合工程からなり、1段目の混合工程は前記分級後の母体粒子と前記添加剤の一部とで混合を行い、2段目の混合工程で残りの全ての添加剤を追加して混合を行い、前記トナーの超音波振動法によって測定した前記母体粒子に対する前記添加剤の遊離率が1〜7%であることを特徴とする電子写真用トナー製造方法。
  2. 前記の1段目の混合工程における混合強度が、2段目の混合工程における混合強度より弱いことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナー製造方法。
  3. 前記1段目の混合工程における添加剤の量は、添加剤全量の10〜50重量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子写真用トナー製造方法。
  4. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を溶融混練、冷却した後粉砕および分級を行って母体粒子を得、その後、少なくとも一種類以上の添加剤を混合してトナーを得るトナー製造方法において、前記母体粒子への前記添加剤の供給は一度で行い、これらの混合は前段及び後段の2段で、かつ前段の混合工程における混合強度を後段の混合工程における混合強度より弱くして行い、前記トナーの超音波振動法によって測定した前記母体粒子に対する前記添加剤の遊離率が1〜7%であることを特徴とする電子写真用トナー製造方法。
  5. 前記母体粒子に添加される前記添加剤の全量は、前記母体粒子に対して0.5〜3.0重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
  6. 前記添加剤は、少なくとものシリカを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
  7. 前記結着樹脂は、少なくともポリエステル樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電子写真用トナー製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られることを特徴とする電子写真用トナー。
  9. 請求項8に記載の電子写真用トナーを含有することを特徴とする一成分現像剤。
  10. 請求項8に記載の電子写真用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする二成分現像剤。
  11. 請求項8に記載の電子写真用トナーが充填されていることを特徴とするトナー入り容器。
  12. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記トナー画像を転写材上に転写する転写工程と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着工程とを少なくとも有することを特徴とする画像形成方法。
  13. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記トナー画像を転写材上に転写する転写手段と、前記転写材上に転写されたトナー画像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  14. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項8に記載の電子写真用トナーを用いて現像してトナー画像を形成する現像手段とを少なくとも一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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US9523931B2 (en) 2013-02-05 2016-12-20 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer and image forming apparatus
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