JP3129899B2 - 重合トナー及びその製造方法 - Google Patents
重合トナー及びその製造方法Info
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為の重合トナー及びその製造方法に関する。
691号明細書に記載されている如く多数の方法が知ら
れており、一般には光導電性物質からなる感光体を利用
し、種々の手段で該感光体上に電気的潜像を形成し、次
いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等
の転写部材に上記トナー画像を転写した後、加熱、加圧
或は溶剤蒸気等によりトナー像を定着して複写物を得る
方法である。又、トナーを用いて現像する方法或はトナ
ー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案
され、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が提案
されている。
般的に熱可塑性樹脂中に染料又は顔料からなる着色剤を
溶融混合し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微
粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を
有するトナーを製造してきた。
造し得るが、ある種の制限、即ちトナー用材料の選択範
囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が充分に脆
く、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなけ
ればならない。ところがこれらの要求を満たす為に樹脂
着色剤分散体を脆くすると、該分散体を実際に高速で微
粉砕した場合に形成された粒子の粒径範囲が広くなり易
く、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれると
いう問題が生じる。更に、この様に脆性の高い材料から
得られるトナーは、複写機等の現像用に使用する際、更
なる微粉砕乃至は粉化を受け易い。又、この方法では、
着色剤等の固体微粒子を樹脂中へ完全に均一に分散する
事は困難であり、その分散の度合によっては、画像形成
時に於けるカブリの増大、画像濃度の低下や混色性或は
透明性の不良の原因となるので、着色剤等の分散には充
分な注意を払わなければならない。又、粉砕粒子の破断
面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引
き起こす場合もある。
を克服する為、特公昭36−10231号、同43−1
0799号及び同51−14895号公報等により懸濁
重合法によるトナーの製造方法が提案されている。懸濁
重合法においては、重合性単量体、着色剤及び重合開始
剤、更に必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他の添
加剤を、重合媒体中に均一に溶解又は分散せしめて単量
体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定剤を含
有する連続相、例えば、水相中に適当な攪拌機を用いて
分散し、同時に重合反応を行わせ、所望の粒径を有する
トナー粒子を得る。
為、トナーに脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材
料を使用することが出来、又、粒子表面への着色剤の露
出が生ぜず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られ
るという利点がある。又、トナー粒子の分級工程の省略
をも可能にする為、エネルギーの節約、時間の短縮及び
工程収率の向上等、コスト削減効果が大きい。又、非磁
性のポリアルキレンの様な離型剤を多量にトナー中に内
包化出来ることから、得られるトナーが耐オフセット性
に優れるという利点がある。
ともない、低温定着性が求められ、その結果として、ト
ナー用バインダー樹脂の低分子量化が進ん出来た。その
為、高温オフセットが発生しやすい傾向になり、その対
策として、トナー中の離型剤の含有量を更に増量させな
ければならなくなり、その結果としてトナーの耐久性に
問題が生じてきた。
特開平2−32108号公報、特開平3−72505号
公報及び特開平2−272459号公報等に、多官能性
重合開始剤の使用が提案されている。確かに、これらの
手段を用いることで、トナーの定着性の向上は認められ
るが、これらの公報に記載の方法は、離型剤を含有しな
い、又は、含有しても少量である粉砕トナーに関するも
のであり、更なる定着領域の拡大及び高耐久性を考えた
時、満足出来る結果は得られない。又、特開昭61−1
23853号公報には、3官能性重合開始剤を使用した
重合トナーの記載があるが、これも離型剤を少量含有し
た場合であり、多量の離型剤を含有した場合は、満足出
来る結果は得られない。
は、上述の如き従来技術の問題点を解決し、低温定着性
及び耐オフセット性に優れた重合トナーを提供すること
にある。又、本発明の他の目的は、耐久性に優れた重合
トナーを提供することにある。
によって達成される。即ち、本発明は、少なくとも重合
性単量体、着色剤、離型剤及び重合開始剤から成る単量
体組成物の懸濁重合トナーにおいて、上記離型剤がポリ
アルキレン系ワックスであって、その量が上記重合性単
量体100重量部当たり10〜40重量部であり、且つ
上記重合開始剤が4官能性以上の重合開始剤と1官能性
重合開始剤との混合物であることを特徴とする重合トナ
ー及びその製造方法である。
の離型剤をトナー中に包含化出来、コア−シェル構造を
形成している。この様なトナーの低温定着性を向上させ
る為には、シェル部の主成分である重合体の低分子量化
をはかることで達成されるが、この場合には逆に高温オ
フセットが発生しやすくなる。この高温オフセットを防
止するのが、コア部の主成分である離型剤である。
キレン系ワックスは、低融点又は低軟化点を有する物質
である為、高温環境下においてはトナー中に内包化され
ていたものがトナー表面にマイグレーションしやすく、
その結果として、耐久性等のトナー物性を著しく低下さ
せる。
架橋させることが、離型剤であるワックスのマイグレー
ションを防ぐのに有効であることが判明した。シェル部
の重合体を架橋させる手段として、一般にジビニルベン
ゼン或はジエチレングリコールジメタクリレート等の架
橋剤が用いられるが、これら架橋剤を使用する場合は、
その添加量の依存性が非常に大きく、製造安定化が困難
となる。つまり、添加量が少ないと離型剤であるワック
スのマイグレーション防止が不完全となり、逆に多い場
合は、得られるトナーの低温定着性が著しく損なわれ
る。
剤を用いた場合は、架橋剤を使用した時ほどには架橋密
度が上がることはなく、高分子量の重合体が得られるこ
とから、低温定着性を維持しつつ、離型剤であるワック
スのマイグレーションも防止出来る。3官能性の重合開
始剤を使用した場合、架橋剤を使用したときよりも、本
発明の目的はある程度達成されるが尚不充分である。
重合トナーにおいて、該トナーに包含させる離型剤とし
て、ポリアルキレン系ワックスを採用し、その量を重合
性単量体100重量部当たり10〜40重量部とし、且
つ重合開始剤として4官能性以上の重合開始剤と1官能
性重合開始剤との混合物を採用することにより、定着性
及び耐久性に優れた重合トナーが得られることを見出し
た。
は、4官能性以上の重合開始剤と併用する1官能性重合
開始剤として、10時間半減期温度が80℃以下の1官
能性重合開始剤を使用することが好ましい。即ち、4官
能性以上の重合開始剤のみを使用した場合、重合体の分
子量が大きくなりすぎ、トナーの低温定着性が著しく損
なわれる。そこで、1官能性重合開始剤を併用すること
により、比較的低分子量の重合体をも同時に得ることが
可能となり、その結果、トナーの低温定着性も損なわれ
ない。
本発明を更に詳しく説明する。本発明に用いられるポリ
アルキレン系ワックスとしては、ASTM D3418
−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜9
0℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満
であるとポリアルキレン系ワックスの自己凝集力が弱く
なり、結果として高温オフセット性が弱くなりフルカラ
ートナーには好ましくない。一方、極大ピークが90℃
を越えると定着温度が高くなり、定着画像表面を適度に
平滑化せしめることが困難となり混色性の点から好まし
くない。更に直接重合方法によりトナーを得る場合にお
いては、水系で造粒及び重合を行うため極大ピーク値の
温度が高いと主に造粒中にポリアルキレン系ワックスが
析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
例えばDSC−7(パーキンエレマー社製)を用いるこ
とにより行う。装置検出部の温度補正はインジウムと亜
鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融
解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製のパンを用い
対照用に空のパンをセットし、昇温速度10℃/mi
n.で測定を行った。
フィンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、
アミドワックス、高級脂肪酸、エステルワックス及びこ
れらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等
が利用できる。好ましくは下記一般構造式で示す炭素数
が10以上の長鎖エステル部分を1個以上有するエステ
ルワックスが、OHPの透明性を阻害せずに高温オフセ
ット性に効果を有するので本発明に於いては特に好まし
い。本発明に好ましい具体的なエステルワックスの代表
的化合物の構造式を以下に一般構造式、一般構造式
及び一般構造式として示す。
基で且つR1とR2との炭素数差が10以上。 n及びm;0〜15迄の整数であり、nとmが同時に0
になることはない。
になることはない。
基で且つR1とR2との炭素数差が10以上。 R3;炭素数が1以上の有機基。 n及びm;0〜15迄の整数であり、nとmが同時に0
になることはない。
硬度0.5〜5.0を有するものが好ましい。該エステ
ルワックスの硬度が0.5未満の時、定着器の圧力依存
性及びプロセススピード依存性が大きくなり、高温オフ
セット効果の発現が不十分となりやすくなる。又、該エ
ステルワックスの硬度が5.0を越える時、トナーの保
存安定性に乏しく離型剤自身の自己凝集力も小さいた
め、高温オフセットが不十分となりやすくなる。尚エス
テルワックスの硬度は、直径20mmφで厚さが5mm
の円筒形状のサンプルを作成した後、ダイナミック超微
小硬度計DUH−200(島津製作所社製)を用い、ビ
ッカース硬度を測定した値である。測定条件は、0.5
gの荷重で負荷速度が9.67mm/秒の条件で10μ
m変位させた後15秒間保持し、得られた打痕形状を測
定しビッカース硬度を求める。具体的には、下記化合物
が挙げられる。
始剤としては、例えば、2,2’−ビス(4,4−ジ−
tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ン、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートの共重合
化合物及びt−ブチルパーオキシマレイン酸の共重合化
合物等が挙げられる。又、4官能性以上の重合開始剤の
添加量としては、重合性単量体100重量部に対して、
0.05〜5重量部が好ましい。添加量が0.05重量
部に満たない場合、ワックスのマイグレーションを防止
出来ず、逆に5重量部を越えた場合は、トナーの低温定
着性が損なわれる。
る1官能性開始剤としては、アゾ系やパーオキサイド系
等のいずれの重合開始剤でも使用出来、又、これらを併
用してもよい。特に好ましい1官能性重合開始剤は、1
0時間半減期温度が80℃以下のものである。これら1
官能性重合開始剤の具体例としては、例えば、2,2’
−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−ア
ゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロ
ロベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサ
イド等のパーオキサイド系開始剤が挙げられる。又、1
官能性重合開始剤の添加量としては、重合性単量体10
0重量部に対して、1〜20重量部の範囲が好ましい。
更に、本発明では、得られる重合体の分子量を微妙にコ
ントロールする為に、従来公知の架橋剤や連鎖移動剤を
添加してもよい。
合性単量体としては、例えば、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−メトキシスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン
系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フ
ェニル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のメタ
クリル酸エステル類;その他アクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミド等の単量体が挙げられ
る。これらの単量体は単独又は混合して使用し得る。上
述の単量体の中でも、特にスチレン又はスチレン誘導体
を、単独で又は他の単量体と混合して使用することが、
得られる重合トナーの現像特性及び耐久性の点から好ま
しい。
として極性基を有する重合体及び/又は共重合体を添加
して重合することがより好ましい。該極性基を有する重
合体及び/又は共重合体は、トナーとなる懸濁粒子の表
層部に集まる為、一種の殻の様な形態となり、得られる
トナー粒子に耐ブロッキング性等の優れた性質を付与す
る一方で、トナー内部では比較的低分子量で定着特性向
上に寄与する様に重合を行うことにより、定着性と耐ブ
ロッキング性という相反する要求を満足する重合トナー
を得ることが出来る。
体としては、例えば、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル或はメタクリル酸ジエチルアミノエチル等の含窒素単
量体の重合体;スチレンと不飽和カルボン酸エステル等
との共重合体;アクリロニトリル等のニトリル系単量
体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量体、アクリル酸或
はメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、その他不飽和二
塩基酸及び不飽和二塩基酸無水物、ニトロ系単量体等の
重合体若しくはこれらの単量体とスチレン系単量体等と
の共重合体;ポリエステル及びエポキシ樹脂等が挙げら
れる。これらの極性重合体及び/又は共重合体の添加量
としては、重合性単量体の0.1〜10重量%が好まし
い。
公知のものがいずれも使用出来、例えば、カーボンブラ
ック、鉄黒の他、C.I.ダイレクトレッド1、C.
I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、
C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッ
ド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレ
クトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.ア
シッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.
I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー
7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシッ
クグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等の染
料、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエ
ロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハン
ザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラ
ジンレーキ、モリブデンオレンジ、パーマネントオレン
ジGTR、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、
パーマネントレッド4R、ウォッチングレッドカルシウ
ム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレッ
トB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブル
ー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、
キナクリドン、ローダミンレーキ、フタロシアニンブル
ー、ファーストスカイブルー、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ及びファイナルイエローグリ
ーンG等の顔料が挙げられる。
合トナーを得る為、着色剤の持つ重合阻害性や水相移行
性に注意を払う必要があり、好ましくは染料や顔料の表
面改質、例えば、重合阻害のない物質による疎水化処理
を施しておいた方が良い。特に、染料系やカーボンブラ
ックは、重合阻害性を有しているものが多いので使用の
際に注意を要する。染料系を表面処理するには、予めこ
れら染料の存在下に重合性単量体を重合せしめる方法が
好ましく、得られた着色重合体を単量体系に添加する。
又、カーボンブラックについては、上記染料と同様の処
理の他、カーボンブラックの表面官能基と反応する物
質、例えば、ポリオルガノシロキサン等でカーボンブラ
ックの表面処理を行ってもよい。
いる場合には、その中に磁性粉を含有せしめてもよい。
この様な磁性粉としては、磁場の中に置かれて磁化され
る物質が用いられ、例えば、鉄、コバルト及びニッケル
等の強磁性金属の粉末若しくはマグネタイト及びフェラ
イト等の化合物が挙げられる。本発明においては、懸濁
重合法を用いてトナーを得る為、磁性粉の持つ重合阻害
性や水相移行性に特に注意を払う必要があり、好ましく
は磁性粉の表面改質、例えば、重合阻害のない物質によ
り磁性粉を疎水化処理を施しておいた方が良い。
る目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくこと
がより好ましい。これら荷電制御剤としては、従来公知
のもののうち、重合阻害性及び水相移行性の殆ど無いも
のが用いられ、例えば、正荷電制御剤としては、ニグロ
シン系染料、トリフェニルメタン系染料、四級アンモニ
ウム塩、グアニジン誘導体、イミダゾール誘導体、アミ
ン系化合物及びポリアミン系化合物が挙げられ、負荷電
制御剤としては、含金属サリチル酸系化合物、含金属モ
ノアゾ系染料化合物、尿素誘導体、スチレン−アクリル
酸共重合体及びスチレン−メタクリル酸共重合体等が挙
げられる。これら荷電制御剤の添加量としては、重合ト
ナーの0.1〜10重量%が好ましい。
目的とした添加剤としては、トナー中に、或はトナーに
添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の体積平均径
の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加
剤の粒径とは、電子顕微鏡に於けるトナー粒子の表面観
察により求めたその平均粒径を意味する。これら特性付
与を目的とした添加剤としては、例えば、以下の様なも
のが用いられる。
素、酸化アルミニウム、酸化チタン等)、カーボンブラ
ック及びフッ化カーボン等。それぞれ疎水化処理を行っ
たものがより好ましい。 2)研磨剤:金属酸化物(チタン酸ストロンチウム、酸
化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化クロム等)、窒化物(窒化ケイ素等)、炭化物(炭化
ケイ素等)及び金属塩(硫酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、炭酸カルシウム等)等。 3)滑剤:フッ素系樹脂粉末(ポリフッ化ビニリデン、
ポリテトラフルオロエチレン等)及び脂肪酸金属塩(ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等)等。 4)荷電制御性粒子:金属酸化物(酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)及び
カーボンブラック等。
に対し、0.1〜10重量部の割合で用いられ、好まし
くは0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は単
独で用いても、又、複数併用してもよい。
用いられる分散媒には、いずれか適当な安定化剤を使用
する。これら安定化剤としては、例えば、無機化合物と
して、リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ及びアル
ミナ等が挙げられる。有機化合物として、ポリビニルア
ルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロ
キシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸若
しくはその塩及びデンプン等を水相に分散又は溶解させ
て使用出来る。これら安定化剤は、重合性単量体100
重量部に対して、0.2〜20重量部の割合で使用する
ことが好ましい。
る場合、市販のものをそのまま用いてもよいが、細かい
無機粒子を得る為に、分散媒中にて該無機化合物を生成
させてもよい。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高
攪拌下においてリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウ
ム水溶液を混合すると良い。
に、分散媒体の0.001〜0.1重量%の界面活性剤
を使用してもよい。これは上記分散安定化剤の所期の作
用を促進する為のものであり、その具体例としては、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫
酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル
硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナ
トリウム、ステアリン酸カリウム及びオレイン酸カルシ
ウム等が挙げられる。
得られる。即ち、重合性単量体中に離型剤、着色剤、荷
電制御剤及び重合開始剤、その他の添加剤を加え、ホモ
ジナイザー或は超音波分散機等によって均一に溶解又は
分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水
相中に通常の攪拌機、例えば、ホモミキサー又はホモジ
ナイザー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成
物の液滴が所望のトナー粒子のサイズ、一般的に30μ
m以下の粒径を有する様に攪拌速度及び時間を調整し、
造粒する。その後は分散安定剤の作用により、液滴の粒
子状態が維持され、且つ分散粒子の沈降が防止される程
度の攪拌を行えばよい。重合温度は40℃以上、一般的
には50〜90℃である。又、重合反応後半に重合系を
昇温してもよく、更に、トナー定着時の臭いの原因等と
なる未反応の重合性単量体や副生成物等を除去する為
に、反応後半又は反応終了後に一部水系媒体を留去して
もよい。懸濁重合法においては、通常単量体系100重
量部に対して水300〜3,000重量部を分散媒体と
して使用するのが好ましい。反応終了後、生成したトナ
ー粒子を洗浄及び濾過により回収し、乾燥する。
方法について述べる。測定装置としてはコールターカウ
ンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数平
均分布及び体積平均分布を出力するインターフェイス
(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピューター
(キャノン社製)を接続し、電解質水溶液は1級塩化ナ
トリウムを用いて1重量%NaCl水溶液を調製する。
〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは
アルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、
更に測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁し
た電解質水溶液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理
を行い、前記コールターカウンターTA−II型によ
り、アパチャーとして、100μmアパチャーを用いて
2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布
及び個数平均分布を求める。これら求めた体積平均分布
及び個数平均分布より、重量平均粒径が得られる。
ク温度の測定は、DSC−7(パーキンエルマー社製)
を用いて昇温速度10℃/min.で行い、1回目の昇
温時のDSCカーブにおいて最大の吸熱を示すピークか
ら求めた。
詳しく説明する。 実施例1 イオン交換水710gに0.1M−Na3 PO4 水溶液
450gを投入し60℃に加温した後、TK式ホモミキ
サー(特殊機化工業製)を用いて12,000rpmに
て攪拌した。これに1.0M−CaCl2 水溶液68g
を徐々に添加し、Ca3 (PO4 )2 を含む水系媒体を
得た。 スチレン 170g n−ブチルアクリレート 30g C.I.ピグメントブルー15:3 10g パラフィンワックス(m.p.70℃) 60g ジ−tert−ブチルサリチル酸金属化合物 5g
式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて12,00
0rpmにて均一に溶解及び分散した。これに1官能性
重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)10g、及び4官能性重合開始剤と
して2,2’−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン2gを溶解し、重合
性単量体組成物を調製した。
物を投入し、60℃でN2 雰囲気下において、TKホモ
ミキサーにて10,000rpmで20分間攪拌し、重
合性単量体組成物を分散造粒した。その後パドル攪拌翼
で攪拌しつつ、60℃で1時間反応させた後、液温を8
0℃とし10時間反応させた。重合反応終了後、冷却
し、塩酸を加え、Ca3 (PO4 )2 を溶解させ、濾
過、水洗及び乾燥をして本発明の重合トナーを得た。得
られたトナーの粒径は重量平均径8.5μmでシャープ
な粒度分布を有していた。得られたトナー100重量部
に対して、BET法による比表面積が200m2/gで
ある疎水性シリカ0.5重量部を外添した。このトナー
5重量部に対し、アクリルコートされたフェライトキャ
リア95重量部を混合して現像剤とした。
ノン製フルカラー複写機CLC−500改造機で画出
し、評価を行った。尚、定着装置は、オイル塗布機能の
ないフッ素系のローラーを使用した。又、定着試験は、
同様の構成の外部定着機を用いて温度を変化させて行っ
た。得られた結果を下記表1に示す。
rt−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを、
t−ブチルパーオキシアリルカーボネートとスチレンの
共重合体2gに変更した以外は、実施例1と同様にして
本発明の重合トナーを得た。得られたトナーの粒径は、
重量平均径8.2μmでシャープな粒度分布を有してい
た。以下、実施例1と同様にして現像剤とし且つ評価し
た。得られた結果を下記表1に示す。
を、疎水化処理カーボンブラック10gに変更した以外
は、実施例1と同様にして本発明の重合トナーを得た。
得られたトナーの粒径は、重量平均径7.9μmでシャ
ープな粒度分布を有していた。以下、実施例1と同様に
して現像剤とし且つ評価した。得られた結果を下記表1
に示す。
rt−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを使
用しなかった以外は、実施例1と同様にして比較例の重
合トナーを得た。得られたトナーの粒径は重量平均径
8.4μmでシャープな粒度分布を有していた。以下、
実施例1と同様にして現像剤とし且つ評価した。得られ
た結果を下記表1に示す。
チルバレロニトリル)を使用せず、2,2’−ビス
(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキ
シル)プロパン5gに変更した以外は、実施例1と同様
にして比較例の重合トナーを得た。得られたトナーの粒
径は重量平均径8.1μmでシャープな粒度分布を有し
ていた。以下、実施例1と同様にして現像剤とし且つ評
価した。得られた結果を下記表1に示す。
した以外は、実施例1と同様にして比較例の重合トナー
を得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.2μm
でシャープな粒度分布を有していた。以下、実施例1と
同様にして現像剤とし且つ評価した。得られた結果を下
記表1に示す。
た以外は、実施例1と同様にして比較例の重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径8.0μmで
シャープな粒度分布を有していた。以下、実施例1と同
様にして現像剤とし且つ評価した。得られた結果を下記
表1に示す。
rt−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンをト
リス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン2gに変更し
た以外は、実施例1と同様にして比較例の重合トナーを
得た。得られたトナーの粒径は重量平均径は8.1μm
でシャープな粒度分布を有していた。以下、実施例1と
同様にして現像剤とし且つ評価した。得られた結果を下
記表1に示す。
t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンを、ジ
ビニルベンゼン1gに変更した以外は、実施例1と同様
にして比較例の重合トナーを得た。得られたトナーの粒
径は重量平均径7.7μmでシャープな粒度分布を有し
ていた。以下、実施例1と同様にして現像剤とし且つ評
価した。得られた結果を下記表1に示す。
ジメチルバレロニトリル) b:2,2’−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパ
ーオキシシクロヘキシル)プロパン c:t−ブチルパーオキシアリルカーボネート/スチレ
ン共重合体 d:トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン 注2)DVB:ジビニルベンゼン 注3)高温高湿下(30℃/85%RH)に10日間放
置した現像剤を用いて、同一環境下で実機による耐久評
価を行った。判定基準は、以下に示す通りで あ
る。 ○:500枚耐久後も、初期と変わらぬ安定した画像が
得られた。 △:500枚耐久後で、画像濃度低下が発生した。 ×:初期から、画質及び濃度ともに劣っていた。
トナーに包含させる離型剤としてポリアルキレン系ワッ
クスを採用し、重合開始剤として4官能性以上の重合開
始剤と1官能性重合開始剤との混合物を採用することに
より、低温定着性及び耐オフセット性に優れた重合トナ
ーを得ることが出来た。又、耐久性の向上効果も得るこ
とが出来た。
Claims (4)
- 【請求項1】 少なくとも重合性単量体、着色剤、離型
剤及び重合開始剤から成る単量体組成物の懸濁重合トナ
ーにおいて、上記離型剤がポリアルキレン系ワックスで
あって、その量が上記重合性単量体100重量部当たり
10〜40重量部であり、且つ上記重合開始剤が4官能
性以上の重合開始剤と1官能性重合開始剤との混合物で
あることを特徴とする重合トナー。 - 【請求項2】 1官能性重合開始剤の10時間半減期温
度が80℃以下である請求項1に記載の重合トナー。 - 【請求項3】 少なくとも重合性単量体、着色剤、離型
剤及び重合開始剤から成る単量体組成物を水系媒体中で
懸濁重合して重合トナーを直接的に得る重合トナーの製
造方法において、上記離型剤がポリアルキレン系ワック
スであって、その量が上記重合性単量体100重量部当
たり10〜40重量部であり、且つ上記重合開始剤が4
官能性以上の重合開始剤と1官能性重合開始剤との混合
物であることを特徴とする重合トナーの製造方法。 - 【請求項4】 1官能性重合開始剤の10時間半減期温
度が80℃以下である請求項3に記載の重合トナーの製
造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05323359A JP3129899B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 重合トナー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05323359A JP3129899B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 重合トナー及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07152198A JPH07152198A (ja) | 1995-06-16 |
JP3129899B2 true JP3129899B2 (ja) | 2001-01-31 |
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ID=18153903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05323359A Expired - Fee Related JP3129899B2 (ja) | 1993-11-30 | 1993-11-30 | 重合トナー及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3129899B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP4453263B2 (ja) * | 2003-03-24 | 2010-04-21 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジ |
-
1993
- 1993-11-30 JP JP05323359A patent/JP3129899B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07152198A (ja) | 1995-06-16 |
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