JP4453263B2 - 静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジ - Google Patents

静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法又は静電記録法等により形成される静電潜像を現像剤により現像する際に用いられる静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法に於いては帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。
【0003】
ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とが知られているが、そのトナーの製法は通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練し、冷却後、微粉砕・分級する混練粉砕製法が利用されている。これらトナーには、必要であれば流動性やクリーニング性を改善するための無機、有機の微粒子をトナー粒子表面に添加することもある。これらの方法はかなり優れたトナーを製造しうるが、以下に記載する如きいくつかの問題点を有する。
【0004】
通常の混練粉砕製法では、トナー形状及びトナーの表面構造が不定形であり、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化するものの意図的なトナー形状及び表面構造の制御は困難である。また、混練粉砕法では材料選択の範囲に制限がある。具体的には、樹脂着色剤分散体が十分に脆く、経済的に可能な製造装置で微粉砕されうる物でなければならない。ところがこういった要求を満たすために樹脂着色剤分散体を脆くすると、現像機中に於いて与えられる機械的せん断力などによりさらに微粉の発生させたり、トナー形状に変化をきたすことがある。
【0005】
これらの影響により2成分現像剤においては、微粉のキャリア表面への固着による現像剤の帯電劣化が加速されたり、1成分現像剤に於いては粒度分布の拡大によりトナー飛散が生じたり、トナー形状の変化による現像性の低下により画質の劣化が生じやすくなる。また、ワックスなどの離型剤を多量に内添してトナー化する場合、熱可塑性樹脂との組み合せにより表面への離型剤の露出が影響されることが多い。特に高分子量成分により弾性が増したやや粉砕されにくい樹脂とポリエチレンやポリプロピレンのような脆いワックスとの組み合せではトナー表面にはこれらのワックス成分の露出が多く見られる。これは定着時の離型性や感光体上からの未転写トナーのクリーニングには有利であるものの、表層のポリエチレンが機械力により容易に移行するために現像ロールや感光体、キャリアの汚染を生じやすくなり、信頼性の低下につながる。
【0006】
更にトナー形状が不定形であることにより流動性助剤の添加によっても流動性が充分でないことがあり、使用中の機械的せん断力によるトナー表面の微粒子のトナー凹部分への移動により経時的に流動性が低下したり、流動性助剤のトナー内部への埋没がおこることで、現像性、転写性、クリーニング性が悪化する。またクリーニングにより回収されたトナーを再び現像機に戻して使用するとさらに画質の低下を生じやすい。これら防ぐためにさらに流動性助剤を増加すると感光体上への黒点の発生や助剤粒子の飛散が生じる。
【0007】
近年、意図的にトナー形状及び表面構造の制御を可能とする手段として特開昭63−282752号公報や特開平6−250439号公報に乳化重合凝集法によるトナーの製造方法が提案されている。これらは、一般に乳化重合などにより樹脂分散液を作成し、一方溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作成した後、これらを混合し、トナー粒径に相当する凝集体を形成し、加熱することによって融合・合一させトナーとする製造方法である。
【0008】
この方法によってある程度は形状を制御でき、帯電性、耐久性の改善をはかることができるが、内部構造がほぼ均一になることから定着の際における被定着シートの剥離性、帯電の環境依存安定性などに問題を残している。
【0009】
上記のように電子写真プロセスにおいては、様々な機械的ストレス下でもトナーが安定して性能を維持するためには表面への離型剤の露出を抑制したり、定着性を損なわずに表面硬度を高くするとともにトナー自体の機械的強度を向上させ且つ十分な帯電性・定着性とを両立させることが必要である。
【0010】
更に近年、高画質化への要求が高まり画像形成では、高精細な画像を実現するためにトナーの小径化傾向が著しい。しかし、従来の粒度分布のままでの単純な小径化では、微粉側トナーの存在により、キャリアや感光体の汚染やトナー飛散の問題が著しくなり高画質と高信頼性を同時に実現することは困難である。このためには粒度分布をシャープ化でき、かつ小粒径化が可能なことも必要になる。
【0011】
また、近年の高速化やこれに伴う低エネルギー消費の観点から、均一帯電性、持続性、トナー強度、粒度分布のシャープネスがますます重要になりつつある。また、更に、これらのマシンの高速化や省エネルギー性等に鑑みると一層の低温定着性も必要となる。これらの点からも粒度分布のシャープで小粒子径の製造に適する凝集・融合合一トナーや懸濁重合トナー、懸濁造粒トナー等の湿式製法トナーは優れた特性を有している。
【0012】
一般に離型剤成分には、定着時の低温オフセットを防止する目的でポリオレフィン系ワックスが内添されている。また、これとあわせて定着ローラーに微量のシリコーンオイルを均一に塗布せしめ高温オフセット性の向上を図っている。このため、出力された出力転写材にはシリコーンオイルが付着しており、これを取り扱う際にべたつきの不快感があり、好ましくない。
【0013】
このため特開平5−061239号公報の如くトナー中に大量の離型剤成分を内包させたオイルレス定着用のトナーが提案されている。しかし、この場合多量の離型剤の添加によってある程度は剥離性の改善を行うことができるが、バインダー成分と離型剤との相溶が発生し、安定な離型剤のしみだしが均一でないことから剥離の安定性は得にくい。更にトナーのバインダー樹脂の凝集力を制御する手段がバインダーのMw、Tgに依存する為、トナーの定着時における曳糸性、凝集性を直接的に制御することは困難である。更に、離型剤の遊離成分が帯電阻害の原因となることもある。
【0014】
これらの問題点を解決する方法として、特開平4−69666号公報、同9−258481号公報の如くバインダー樹脂の剛直性を高分子量成分の添加によって得る方法や特開昭59−218460号公報、同59−218459号公報の様に化学架橋の導入によって補填し、結果的にトナーの定着温度における曳糸性を減少させるオイルレス定着における剥離性を改善する方法が提案されている。
【0015】
しかし、特開昭59−218460号公報、同59−218459号公報の如く単に架橋剤成分をバインダー内に添加した場合においては、トナーの粘性、即ち溶融時の凝集力は大きくなりバインダー樹脂自体の剛直性が増加するためオイルレス剥離における温度依存性やトナー載り量依存性はある程度改善できるものの、定着画像の表面光沢性を同時に得ることが困難である。
【0016】
更に、定着画像の折り曲げ耐性も乏しくなる。更に特開昭59−218460号公報のように架橋剤の分子量を大きくしただけでは確かに絡み合い点間分子量は大きくなり、定着像自体のかとう性は若干向上するものの、弾性と粘性の適切なバランスを得ることは難しく、結果としてオイルレス定着における剥離の温度依存性やトナー載り量依存性と定着像表面の光沢性を両立することは困難である。
【0017】
特に、低温、低圧の省エネルギータイプの定着装置やプリントスピードの早いタイプの複写機やプリンターに用いた場合、満足な定着画像を得ることは基本的に困難である。
【0018】
更に、特開平4−69664号公報の如く、トナー中に高分子微粒子や無機微粒子を添加し、定着時の高温オフセット性を改善する方法が提案されている。しかし、単にトナー中に無機微粒子を添加しただけでは、確かに該微粒子のフィラー効果により定着の際のトナーバインダー溶融時におけるタフネスは上昇し、高温オフセットの防止や剥離性の改善には効果を発現するが、同時に溶融トナーの流動性が低下し、低温オフセット性、定着画像の光沢性を損なうことがある。更に、定着画像の折り曲げ耐性を低下させることもある。また、該微粒子の添加量によっては単にトナー溶融時の粘性だけを増加させ、結果として剥離性を損なうこともある。
【0019】
ところで、磁性金属微粒子を着色剤として用いる1成分現像剤においては、乾式製法である溶融混練粉砕法においては、確かにトナー比重をおおきくできることから、着色機能と帯電機能とを適切に制御でき、安定な帯電性と着色性を同時に発現でき、電子写真プロセスにおけるトナー濃度の制御系の簡略化ができ、極めて有用なトナーを得ることができる。しかし、トナーのコア/シェル構造等の構造制御性が劣ることから、流動性の点で問題があり、画像の精細性が得られにくいという問題があった。
【0020】
一方、この問題を解決するトナーとして湿式製法である凝集合一法(ヘテロ凝集法)や懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、あるいは溶解乳化凝集合一法などの新たな製法が提案されている。しかし、これらの湿式製法は、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成するため、磁性金属微粒子をこれらの媒体に分散した際に酸化や還元によって磁性体自体の表面特性が大きく変化し、酸性下では磁性体表面が酸化され、赤褐色に色調が変化したり、アルカリ性下では、水酸化鉄粒子を生成し、磁性の変化が発生するため、帯電性阻害を発生させる。
【0021】
また、酸性下では、溶解した磁性金属微粒子金属イオンが水系媒体中に存在し、凝集合一法では、凝集系のイオンバランスが崩れるため、凝集速度の制御が困難となったり、あるいは懸濁重合系では、重合阻害が発生することから、特に粒子径の制御が困難であった。更に溶解懸濁造粒法や溶解乳化凝集合一法では、造粒や乳化の際の粒子安定化が得られにくいといった問題があった。
【0022】
【特許文献1】
特開昭63−282752号公報
【特許文献2】
特開平6−250439号公報
【特許文献3】
特開平5−061239号公報
【特許文献4】
特開平4−69666号公報
【特許文献5】
特開平9−258481号公報
【特許文献6】
特開昭59−218460号公報
【特許文献7】
特開昭59−218459号公報
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、磁性金属微粒子を含むトナーであって、色目が良好で黒色度が高く、帯電性、定着性に優れた静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジを提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
(1)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、
前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、
前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである、
ことを特徴とする静電荷現像用トナー。
【0025】
(2)前記磁性金属微粒子の平均粒径が、50nm〜250nmであることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0026】
(3)前記磁性金属微粒子の添加量が、5〜50wt%であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0027】
(4)前記磁性金属微粒子の表面に1層以上の被覆層を有し、該被覆層がSi、Ti、Ca、P、Srから選ばれる少なくとも1種の元素を含んで構成されることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0028】
(5)前記磁性金属微粒子に形成される前記被覆層表面に、極性基として、SO3-、及び/又はCOO-を有し、
前記磁性金属微粒子のKOH滴定より求められる酸価が2.5〜6.0meq/mg−KOHであり、
前記磁性金属微粒子の前記結着樹脂との酸価との差が0.5〜6.0meq/mg−KOHであることを特徴とする前記(4)に記載の静電荷現像用トナー。
【0029】
(6)トナーの形状係数(SF1)が、110から140であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0030】
(7)トナーの体積平均粒度分布指標GSDvが、1.3以下であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0031】
(8)前記トナーの貯蔵弾性率G’1と、正弦波振動法における周波数62.8rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’2(Pa)と、の比(G’2/G’1)が1.0から2.5であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0032】
(9)前記トナーの、角周波数1rad/s、120℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以下であり、
且つ前記トナーの120℃における溶融粘度が5×104Pa・s以上であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0033】
(10)前記離型剤の180℃における粘度が15mPa・s以下であり、
且つ前記トナーの示差熱分析より求められる吸熱の極大値が70〜120℃であり、
当該吸熱ピークの面積より求めた離型剤含有量が5〜30質量%であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0034】
(11)前記結着樹脂が、結晶性結着樹脂であることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷現像用トナー。
【0035】
(12)前記トナーの貯蔵弾性率G’1と、正弦波振動法における周波数62.8rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’2(Pa)と、の比(G’2/G’1)が1.0から5.0であることを特徴とする前記(11)に記載の静電荷現像用トナー。
【0036】
(13)前記トナーの、角周波数6.28rad/s、120℃における貯蔵弾性率が50〜1×105Paであり、
且つ前記トナーの120℃における溶融粘度が100Pa・s以上であることを特徴とする前記(11)に記載の静電荷現像用トナー。
【0037】
(14)画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、
前記トナーが、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
【0038】
(15)像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、
前記トナーが、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
【0039】
(16)像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像手段と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置において、
前記トナーが、前記(1)〜(13)のいずれかに記載の静電荷現像用トナーであることを特徴とする画像形成装置。
【0040】
(17)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
少なくとも1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液、及び離型剤微粒子を分散した離型剤微粒子分散液を混合し、樹脂微粒子、磁性金属微粒子及び離型剤微粒子の凝集粒子を形成する凝集工程と、
当該凝集粒子を、樹脂微粒子のガラス転移点又は融点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程と、
を有することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【0041】
(18)前記凝集工程が、少なくとも粒子径が1μm以下の第1樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合し前記第1樹脂微粒子と磁性金属微粒子と離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1凝集工程と、
前記コア凝集粒子の表面に第2樹脂微粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2凝集工程と、
を含むことを特徴とする前記(17)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
【0042】
(19)前記凝集工程において、前記各分散液の混合の際に、少なくとも1種の金属塩の重合体を添加し、前記金属塩の重合体が4価のアルミニウム塩の重合体、又は4価のアルミニウム塩重合体と3価のアルミニウム塩重合体との混合物であり、且つそれらの濃度が0.11〜0.25wt%であることを特徴とする前記(17)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
【0043】
(20)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
少なくとも重合性単量体、重合開始剤、離型剤、磁性金属微粒子を含んだ分散液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合させてトナー粒子を得ることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【0044】
(21)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
重量平均分子量が3000から15000となるように重合性単量体を予め予備重合させた重合体溶液に、重合性単量体、重合開始剤、離型剤、及び磁性金属微粒子を分散させ、この分散液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合させてトナー粒子を得ることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【0045】
(22)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を有機溶媒に溶解した溶液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、脱溶媒を行うことでトナー粒子を得ることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【0046】
(23)少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’ 1 が1×10 3 から1×10 5 Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’ 1 が1×10から5×10 Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
結着樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を、アニオン系界面活性剤の存在下において、機械的せん断力を乳化させて脱溶媒を行い、アニオン系界面活性剤の存在下、機械的せん断力を与え、すくなくとも1μm以下の樹脂微粒子を得た後、50℃以下に冷却して、樹脂微粒子分散溶液を調整する工程と、
当該樹脂微粒子分散溶液と、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液、及び離型剤微粒子分散した離型剤微粒子分散液を混合し、樹脂微粒子、磁性金属微粒子及び離型剤微粒子の凝集粒子を形成する凝集工程と、
当該凝集粒子を、樹脂微粒子のガラス転移点又は融点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程と、
を有することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【0047】
(24)前記凝集工程において、前記各分散液の混合の際に、少なくとも1種の金属塩の重合体を添加し、前記金属塩の重合体が4価のアルミニウム塩の重合体、又は4価のアルミニウム塩重合体と3価のアルミニウム塩重合体との混合物であり、且つそれらの濃度が0.11〜0.25wt%であることを特徴とする前記(23)に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細説明する。
(静電荷現像用トナー及びその製造方法)
本発明のトナーは、少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paであることを特徴とする。1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下である磁性金属微粒子は、例えば、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法などの製造時において、酸化や還元が生じ難く、磁性体自体の表面特性が変化せず、酸化による赤褐色への色調変化や、例えば水酸化鉄粒子の生成による磁性変化の発生が抑制される。このため、上記磁性金属微粒子を含む本発明のトナーは色目が良好で黒色度が高く、帯電性、定着性に優れたトナーとなる。
【0049】
―磁性金属微粒子―
磁性金属微粒子は、1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であることで、水層中でトナーを得るため磁性体の水層移行性や溶解性、酸化性に優れるものとなるが、好ましくは100〜340mg/g・lであり、より好ましくは、150〜270mg/g・lである。この溶解が500mg/g・lをこえるとトナー粒子を形成する際のイオンバランスが崩れ、粒子の安定性が低下するばかりでなく、酸化や還元されやすくなり、赤褐色への色調変化して黒色度が得られなかったり、例えば、水酸化鉄粒子の生成による磁性変化の発生が生じてしまう。一方、この溶解度が低すぎると、前記重合トナーの如き極性基を有する結着樹脂を含むトナーにおいては、該トナー中での前記磁性金属微粒子の分散性が低下し、トナー中で該微粒子のみの凝集体を形成することから、発色性を低下させるばかりでなく、トナーの誘電特性が悪化することから、帯電性も損なう場合があるため、好ましくない。
【0050】
ここで、この溶解度は、次のようにして求めることができる。まず、50℃に加熱された1Mol/lの硝酸水溶液0.1L中に該磁性金属微粒子10gを添加、1時間攪拌した後に、No5Aろ紙を用いてこれを分離する。このろ液の10gを予め精秤され、質量W0の確認されている蒸発皿に入れ、130℃で1時間加熱乾燥を行う。乾燥終了後の蒸発皿の質量W1を精秤する。ついで、W1とW0との差より該磁性金属微粒子の溶解量を求める
【0051】
磁性金属微粒子としては、磁場中で磁化される物質、例えば、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性の粉末や、フェライト、マグネタイト、黒色酸化チタンなどが挙げられるが、溶解度を上述の範囲とするには、例えば、これらの磁性金属微粒子に例えば、疎水化処理などの表面改質処理を施し、磁性金属微粒子の表面に1層以上の被覆層を形成することが好ましい。
【0052】
例えば、磁性金属微粒子として磁性フェライト、マグネタイト、黒色酸化チタンを用いる場合は、耐酸性或いは耐アルカリ性処理を施して表面被覆層を形成することが好ましい。この耐酸性或いは耐アルカリ性処理による被覆層として具体的には、例えば、カップリング剤による表面被覆層:金、白金、カーボン蒸着、スパッタ等による表面被覆層:ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、スチレンアクリル酸共重合物による表面被覆層:などが挙げられるが、特に、本発明においては、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被服層が適用される。これらの化合物は蒸着やスパッタなどで粒子表面に吸着させることで被覆層としてもよく、樹脂に分散させることで被覆層に含ませてもよい。
【0053】
これらの被覆層の厚さは、重量平均膜厚で10〜200nmが好ましい。10nm未満では、被覆が不均一で被覆効果に乏しく、耐酸性や耐アルカリ性に乏しく、溶出や変質が防げない。また、500nmを超えると被覆の際の粒度分布が得られにくいばかりでなく、経済的にも不利となる。特に、これらの被覆層は溶解度を上述の範囲とするためには高密度で形成されていることが好ましい。
【0054】
磁性金属微粒子には、さらに、水系媒体中での分散性を安定的に得るために、被覆層表面にSO3基、及び/又はCOOH基を有する化合物を付与し、被覆層表面に極性基としてSO3-基、及び/又はCOO-基を持たせることも好適に行なわれる。
【0055】
このような、SO3基、及び/又はCOOH基を有する化合物を付与する方法として具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやこれを含む混合物、あるいはアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸カリウムなどの化合物を磁性金属微粒子を含む分散液に0.01から3wt%添加することで行なわれる。この添加量が0.01wt%以下では、分散効果が乏しく、十分な内包や凝集性が得られず、3wt%を超えると洗浄の際に十分に除去するための時間が多くかかり経済的に不利となることがある。
【0056】
このような極性基としてSO3-基、及び/又はCOO-基を持った被覆層が形成された磁性金属微粒子は、離型剤の極性は結着樹脂の極性よりも小さいことが、帯電性、耐久性の点から、その酸価が2.5〜6.0meq/mg−KOHであることがよく、内包性の観点から、その酸価と結着樹脂の酸価との差が0.5〜6.0meq/mg−KOHであることがよい。より好ましくは、磁性金属微粒子の酸価が3.0〜4.5meq/mg−KOHであり、その酸価と結着樹脂の酸価との差が1.5〜4.0meq/mg−KOHである。さらに好ましくは、磁性金属微粒子の酸価が3.0〜3.7meq/mg−KOHであり、その酸価と結着樹脂の酸価との差が2.8〜3.5meq/mg−KOHである。
【0057】
ここで、本発明における酸価は、例えば、KOH滴定(中和滴定)より求められる。1molのKOH水溶液を調製し、結着樹脂、あるいは離型剤の水溶液を調製し、これに指示薬としてメチルオレンジ等を用いて中和までのKOH滴定量を求める。また、酸価は、該滴定量をKOHの分子量56で除し、等量として表す。
【0058】
磁性金属微粒子の形状は、球形、八面体、もしくは直方体、あるいはそれらの混合物が使用でき、これらは、カーボンブラック等の色材とともに使用することもできる。
【0059】
磁性金属微粒子の平均粒径は、50〜250nmであることが好ましく、より好ましくは80〜220nmであり、さらに好ましくは100〜200nmである。この粒径が、50nmよりも小さいと分散処理後に再度凝集し、結果として大粒子を形成し、内包性が低下することがある。また、粒径が250nmよりも大きいとトナー粒子を形成させる際の分散制御性が低下し、任意の制御が困難となることがある。
【0060】
磁性金属微粒子の添加量は、5〜50wt%であることが好ましく、より好ましくは30〜50wt%であり、さらに好ましくは、40〜50wt%である。添加量が少なすぎると、着色性が低下し、十分な黒色度が得られないばかりでなく、帯電性も不十分となる場合があり、多すぎると該磁性金属微粒子のトナー内部での分散性が悪化し、発色性が低下するばかりでなく、トナー自体の誘電性が悪化し、帯電性が損なわれる場合がある。
【0061】
―結着樹脂―
結着樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類:アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類:ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類:ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類:エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類:などの単量体の重合体、これらを2種以上組み合せて得られる共重合体又はこれらの混合物を挙げることができ、さらにはエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物やこれらの共存下でビニル系単量体を重合する際に得られるグラフト重合体等が挙げられる。
【0062】
なお、結着樹脂がビニル系単量体を用いて作製される場合は、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合を実施して樹脂微粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば樹脂をそれらの溶剤に解かして水中にイオン性の界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂微粒子分散液を作製することができる。
【0063】
このようにして得られた樹脂微粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる
【0064】
また、結着樹脂は、その主成分として結晶性樹脂を使用することも好ましい。ここで「主成分」とは、前記結着樹脂を構成する成分のうち、主たる成分のことを指し、具体的には、前記結着樹脂の50質量%以上を構成する成分を指す。ただし、本発明において、前記結着樹脂のうち、結晶性樹脂が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、全てが結晶性樹脂であることが特に好ましい。前記結着樹脂の主成分を構成する樹脂が結晶性でない場合、すなわち非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことが困難となる。
【0065】
なお、「結晶性樹脂」とは、示差走査結量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。
【0066】
結晶性樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶系ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への定着性や帯電性、及び好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステルが好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
【0067】
結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」なる記述は、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
【0068】
一方、結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。なお、本発明では、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルとする。
【0069】
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
【0070】
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
【0071】
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、及びアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
【0072】
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
【0073】
結晶性樹脂の融点としては、好ましくは50〜120℃であり、より好ましくは60〜110℃である。前記融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある一方、120℃より高いと従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
【0074】
ここで、結晶性樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。また、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
【0075】
―離型剤―
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークが50〜140℃の範囲内にある物質が好ましい。主体極大ピーク50℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、140℃を超えると定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
【0076】
主体極大ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
【0077】
離型剤の粘度は、定着開始時の温度、たとえば180℃における粘度が15mPa・s以下であることが好ましいが、より好ましくは、1〜10mPa・sであり、さらに好ましくは1.5〜8mPa・sである。15mPa・sを超えると定着時の溶出性が低下し、剥離性が悪化したり、オフセットが生じやすくなる。
【0078】
離型剤は、吸熱ピークの面積より求めらた含有量として、5〜30質量%含まれることが好ましく、より好ましくは、5〜25質量%であり、さらに好ましくは、5〜20質量%である。
【0079】
離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を作製することができる。得られた離形剤粒子分散液の粒子径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定することができる。
【0080】
離型剤は、その極性は結着樹脂粒子の極性よりも小さいことが、帯電性、耐久性の点から好ましい。即ち、離型剤の酸価は、結着樹脂の酸価よりも0.5meq/mg−KOH以上小さいことが、内包性の観点から好ましい。
ここで、本発明における酸価は、例えば、KOH滴定(中和滴定)より求められる。1molのKOH水溶液を調製し、結着樹脂、あるいは離型剤の水溶液を調製し、これに指示薬としてメチルオレンジ等を用いて中和までのKOH滴定量を求める。また、酸価は、該滴定量をKOHの分子量56で除し、等量として表す。
【0081】
離型剤の例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類:加熱により軟化点を有するシリコーン類:オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類:カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス:ミツロウのごとき動物系ワックス:モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物或いは石油系ワックス:などが挙げられ、さらにそれらの変性物が使用できる。
【0082】
―その他の材料―
本発明のトナーは、上記磁性金属微粒子は、着色剤と併用することもできる。このような着色剤としては、公知のものが使用できる。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、黒色酸化チタン、黒色水酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
【0083】
また、着色剤としては、染料を使用することも可能で、使用できる染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシン等があげられる。また、これらの単独もしくは混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
【0084】
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザーやボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
【0085】
なお、磁性金属微粒子共に、カーボンブラック等の着色剤は、極性を有する界面活性剤を用い、前記ホモジナイザーによって水系に分散されるため、着色剤はトナー中での分散性の観点から選択される。着色剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して3〜50質量部添加される。
【0086】
本発明のトナーは、帯電性のより向上安定化のために含むことができる。帯電制御剤としては4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することが出来るが、凝集や合一時の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点から水に溶解しにくい材料が好適である。本発明では、帯電性の安定のために湿式で無機微粒子を添加することができる。
この添加する無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべてのものをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散することにより使用することができる。
【0087】
また、本発明のトナーは、流動性付与やクリーニング性向上の目的で通常のトナーと同様に乾燥後、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子やビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態でせん断をかけて表面へ添加し、流動性助剤やクリーニング助剤として用いることもできる。
【0088】
−トナーの特性−
本発明のトナーの体積平均粒子径は、1〜12μmが好ましく、3〜9μmがより好ましく、3〜8μmがより好ましい。また、本発明のトナーの数平均粒子径は、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましい。粒子径が小さすぎると製造性が不安定になるばかりでなく、内包構造制御が難しく、帯電性が不十分になり、現像性が低下することがあり、大きすぎると画像の解像性が低下する。
【0089】
本発明のトナーは、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比(GSDv/GSDp)が、0.95以上であることが好ましい。
体積分布指標GSDvが1.30を超えた場合には、画像の解像性が低下する場合があり、また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpの比(GSDv/GSDp)が0.95未満の場合、トナーの帯電性低下やトナーの飛散、カブリ等のが発生し画像欠陥を招く場合がある。
【0090】
なお、本発明において、トナーの粒径や、上記した体積平均粒度分布指標GSDv、数平均粒度分布指標GSDpの値は、次のようにして測定し算出した。まず、コールターカウンターTAII(日科機社製)、マルチサイザーII(日科機社製)等の測定器を用いて測定されたトナーの粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、個々のトナー粒子の体積及び数について小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v、及び、数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v、及び、数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v、及び、数平均粒子径D84pと定義する。この際、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2として定義され、数平均粒度指標(GSDp)は、(D84p/D16p)1/2として定義される。これらの関係式を用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)及び数平均粒度指標(GSDp)を算出できる。
【0091】
本発明のトナーの帯電量の絶対値は、15〜60μC/gが好ましく、20〜50μC/gがより好ましい。前記帯電量が15μC/g未満であると背景汚れ(カブリ)が発生しやすくなり、60μC/gを超えると画像濃度が低下し易くなる。
【0092】
また、本発明のトナーの夏場(高温多湿)に於ける帯電量と冬場(低温低湿)に於ける帯電量の比率としては、0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3がより好ましい。前記比率がこれらの範囲外にあると帯電性の環境依存性が強く、帯電の安定性に欠け実用上好ましくない。
【0093】
本発明のトナーの形状係数SF1は、画像形成性の点より110≦SF1≦140にすることが好ましい。この形状係数SF1は、形状係数の平均値(周囲長の2乗/投影面積)は、例えば、以下の如き方法にて算出される。即ち、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの周囲長の2乗/投影面積(ML2/A)×(π/4)×100を計算し、平均値を求めることにより得られるものである。
【0094】
本発明のトナーは、示唆熱分析により求められる吸熱の最大値が70〜120℃であることがトナーのオイルレス剥離性、製造性の観点から好ましく、より好ましくは75〜110℃であり、さらに好ましくは75〜103℃である。
【0095】
本発明のトナーは、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×103から1×105Paである。そして、当該トナーの貯蔵弾性率G’1と、正弦波振動法における周波数62.8rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’2(Pa)と、の比(G’2/G’1)が0.5から2.5であることが好ましい。また、より好ましくは、トナーの貯蔵弾性率G’1が1.7×103から9.8×104Paであり、且つ(G’2/G’1)比が1.0〜2.0である。さらに好ましくは、トナーの貯蔵弾性率G’1が2.0×103から6.0×105Paであり、且つ(G’2/G’1)比が1.1〜1.8である。
【0096】
なお、結着樹脂として結晶性結着樹脂を用いた場合、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’1が1×10から5×10Paである。そして、トナーの貯蔵弾性率G’1と、正弦波振動法における周波数62.8rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’2(Pa)と、の比(G’2/G’1)は、1.0から7.0であることが好ましい。また、より好ましくは、トナーの貯蔵弾性率G’1が5×102から9.7×104Paであり、且つ(G’2/G’1)比が1.0〜6.8である。さらに好ましくは、トナーの貯蔵弾性率G’1が1.5×103から6.0×104Paであり、且つ(G’2/G’1)比が1.1〜6.5である。
【0097】
このトナーの貯蔵弾性率を求めるための動的粘弾性の測定には、例えば、レオメトリックサイエンテフィック社性ARES測定装置が用いられる。動的粘弾性測定では、通常トナーを錠剤に成形した後、25mm径のパラレルプレートにセットし、試料の厚さを20mmに調製、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/sec、及び62.8rad/sの振動周波数で正弦波振動を与える。測定は、測定開始時の歪の応答誤差を無くす目的で160℃から開始し、190℃まで継続し、180℃の際の測定算出される貯蔵弾性率G’を用いる。
【0098】
この温度の調整は、液化窒素を用いて、測定システム内の温度制御をもって行う。測定時間インターバルは30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とすることが測定精度の観点から好ましい。また、測定中各測定温度に於いてひずみ量を適切に維持し、適正な測定値が得られるように適宜調整する。
【0099】
一般に、トナーの動的な弾性、粘性は、動的粘弾性測定の際の周波数に依存する。周波数が高い場合、トナーを構成するバインダー樹脂成分のみならず、トナー中の色材や磁性金属微粒子などの内添剤の存在による弾性に対する寄与が高くなり、硬くなる傾向を有する。また、一方、周波数が低い場合、これらの寄与が低下し、結果として柔らかい挙動を示すことから、測定される貯蔵弾性率は小さくなる。
【0100】
また、一般に、トナー等の高分子材料は、通常その状態、すなわち分子鎖の運動状態から温度が上がるに従って、ガラス域、遷移域、ゴム上域、流動域と変化する。ガラス域は、ガラス転移温度(Tg)以下の温度で、高分子の主鎖の運動が凍結されている状態だが、温度が上昇し、分子の運動が大きくなるに従ってガラス状態から徐々にやわらかくなり、最終的には、流動状態を示すようになる。
【0101】
これらの性質は、前記のように測定周波数にも影響され、その大きさはトナーの構造、すなわちバインダー樹脂のみで構成される表面近傍の厚さ(体積)や該トナーの内添材の存在量・存在位置、存在状態、即ち分散状態やバインダー樹脂との親和性にも影響される。
【0102】
特に、本発明のトナーは、トナー粒子の作製過程においてコアシェル構造が形成されることや、着色剤、磁性金属微粒子或いは離型剤粒子のトナー粒子内部におけるそれらの存在状態の差が、定着、帯電性に影響を及ぼすことから、それらの差は、動的粘弾性の周波数を変化させた際の応答性の差として検出される。
【0103】
このため、本発明のトナーは、貯蔵弾性率G’1、及び貯蔵弾性率比(G’2/G’1)を上記範囲とすることが、良好に画像を形成したり、トナー内部の内添剤の分散状態を良好なものとすることできるので好ましい。
【0104】
この貯蔵弾性率G’が1×103Paより小さい場合、トナーの溶融時における曳糸性が高く、オイルレス剥離性が低下するばかりでなく、高温オフセット性が悪化することがある。また、1×105Paよりも大きい場合、弾性が高く硬いために曳糸性はなく、HOT性やオイルレス剥離性は良好となるものの、紙等のマテリアルとの接着性、即ち定着性が低下することがある。
【0105】
また、貯蔵弾性率比(G’2/G’1)が、0,5よりも小さい場合トナー内部の内添剤の分散が不均一であって十分な構造制御がなされていないことを表し、発色性や帯電の粒子間均一性が低下し、飛び散り等の原因となることがある。一方、貯蔵弾性率比(G’2/G’1)が2,5よりも大きい場合分散性は良好であるが、シェル構造が十分に形成されていないことがあり、確かに定着性は剥離性は、良好であるが、帯電性や流動性を悪化させることがある。
【0106】
また、結晶性樹脂を用いる場合、温度領域50〜120℃(好ましくは温度領域70〜100℃)の範囲内に融点を有することが好ましい。結晶性樹脂は、融点を境にして急激に粘度が低下するために、融点以上の温度で保存されると凝集してブロッキングを起こしてしまう。そこで、前記結晶性樹脂を結着樹脂の主成分として含有するトナーの融点は、保存時や使用時に晒される温度より高い温度、すなわち50℃以上であることが好ましい。一方、融点が120℃よりも高いと、低温定着を達成することが困難となる場合がある。
【0107】
ここで、トナーの融点は、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、前記トナーは、複数の融解ピークを示す場合がある結晶性樹脂を主成分として含有したり、ワックスを含有したりする場合もあるため複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。
【0108】
本発明のトナーは、100℃付近という低温での定着を可能にするため、角周波数1rad/s、120℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以下であることが好ましく、9.6×104Pa以下であることが好ましい。
【0109】
また、本発明のトナーは、結着樹脂として結晶性樹脂を用いる場合、角周波数6.28rad/s、120℃における貯蔵弾性率が1×105Pa以下であることが好ましく、より好ましくは、50〜1×105Paである。
【0110】
ここで、角周波数1rad/s、120℃における貯蔵弾性率の測定には例えば、回転平板型レオメーター(RDA2RHIOシステム Ver.4.3.2、レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)が用いられる。測定は、例えば、資料をサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1rad/s、歪み20%以下、測定保証値の範囲内の検出トルクで行われる。必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmに使い分けて測定する。
【0111】
本発明のトナーは、角周波数1rad/s、120℃における貯蔵弾性率の値の温度変化による変動が、10℃の温度範囲で3桁以上となる温度の区間(10℃温度を上昇させた際に、貯蔵弾性率の値が1000分の1もしくはそれより小さい値まで変化するような温度の区間)を有することが好ましい。角周波数1rad/s、120℃における貯蔵弾性率の値が前記温度の区間を有しないと、定着温度が高くなり、その結果、定着工程のエネルギー消費を低減するのに不十分となる場合がある。
【0112】
本発明のトナーは、耐オフセット性を良好にするため、120℃における溶融粘度が100Pa・s以上であることが好ましい。但し、結着樹脂として結晶性樹脂を用いる場合も、120℃における溶融粘度が100Pa・s以上であることが好ましい。
【0113】
以上説明した各トナーの特性を満たすことで、高速プロセスにおいても、帯電性に優れ、且つ帯電の色間差も少なく、オイルレス定着において剥離性の温度によるばらつきが無く、且つ良好な光沢性を維持し、定着シートへの定着像付着性、被定着シートの剥離性、耐HOT性(ホットオフセット性)、定着像折り曲げ耐性、定着像表面光沢性といった定着特性に優れた1成分或いは2成分の静電荷現像用トナーを得ることができる。
【0114】
―トナーの製造方法―
本発明のトナーは、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、上記上記磁性金属微粒子を用いることで、例えば、凝集合一法においては、凝集系のイオンバランスが崩れるのを抑制し凝集速度の制御が容易となり、また、懸濁重合法においては、重合阻害の発生を抑制し特に粒子径の制御が容易となり、また、溶解懸濁造粒法や溶解乳化凝集合一法においては、造粒や乳化の際の粒子安定化を図ることが可能となる。
【0115】
凝集・合一法は、少なくとも1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液、及び離型剤微粒子を分散した離型剤微粒子分散液を混合し、樹脂微粒子、磁性金属微粒子及び離型剤微粒子の凝集粒子を形成する凝集工程と、当該凝集粒子を、樹脂微粒子のガラス転移点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程と、を有する製造方法である。
【0116】
具体的には、一般に乳化重合などにより製造された樹脂粒子をイオン性界面活性剤によって分散した樹脂分散液を用い、これと反対極性イオン性界面活性剤で分散された磁性金属微粒子分散液などを混合し、ヘテロ凝集を生じせしめる。ついでこれに樹脂微粒子を添加、表面に付着・凝集させることによりトナー径の凝集粒子を形成し、その後樹脂のガラス転移点又は融点以上に加熱することにより凝集体を融合・合一し、洗浄、乾燥する方法である。
また、プロセスは一括で混合し、凝集することによりなされるものであっても、凝集工程において、初期に各極性のイオン性分散剤の量のバランスを予めずらしておき、例えば少なくとも1種の金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、ガラス転移点又は融点以下で第1段階の母体凝集を形成、安定化の後、第2段階としてバランスのずれを補填するような極性、量の分散剤で処理された粒子分散液を添加し、さらに必要に応じ母体又は追加粒子に含まれる樹脂のガラス転移点又は融点以下でわずかに加熱して、より高い温度で安定化させたのち、ガラス転移点又は融点以上に加熱することにより凝集形成の第2段階で加えた粒子を母体凝集粒子の表面に付着させたまま合一させる方法でもよい。更にこの凝集の段階的操作は複数回、くり返し実施したものでもよい。
【0117】
凝集工程において、各分散液の混合の際に添加される少なくとも1種の金属塩の重合体は、前記金属塩の重合体が4価のアルミニウム塩の重合体、又は4価のアルミニウム塩重合体と3価のアルミニウム塩重合体との混合物であることが好適であり、これら重合体として具体的には、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体が挙げられる。また、この金属塩の重合体は、その濃度が0.11〜0.25wt%となるように添加することがよい。
【0118】
凝集工程は、少なくとも粒子径が1μm以下の第1樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液と、離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液と、を混合し前記第1樹脂微粒子と磁性金属微粒子と離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1凝集工程と、コア凝集粒子の表面に第2樹脂微粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2凝集工程と、を含むことが好適である。
【0119】
第1凝集工程においては、まず、樹脂微粒子分散液と、磁性金属微粒子分散液と、離型剤粒子分散液とを準備する。樹脂微粒子分散液は、乳化重合などによって作製した第1樹脂微粒子をイオン性界面活性剤を用いて溶媒中に分散させることにより調整する。着色剤粒子分散液は、樹脂微粒子分散液の作製に用いたイオン性界面活性剤と反対極性イオン性界面活性剤を用いて、青色、赤色、黄色等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調整する。また、離型剤粒子分散液は、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化することにより調整する。
【0120】
次に、樹脂微粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、第1樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
【0121】
第2凝集工程では、第1凝集工程で得られたコア凝集粒子の表面に、第2の樹脂微粒子を含む樹脂微粒子分散液を用いて、第2樹脂微粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することによりコア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造も持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。なお、この際用いる第2の樹脂微粒子は、第1の樹脂微粒子と同じであってもよく、異なったものであってもよい。
また第1及び第2凝集工程において用いられる、第1樹脂微粒子、第2樹脂微粒子、磁性金属微粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径及び粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100〜300nmの範囲内であることがより好ましい。
【0122】
第1凝集工程においては、樹脂微粒子分散液や磁性金属微粒子分散液に含まれる2つの極性のイオン性界面活性剤(分散剤)の量のバランスを予めずらしておくことができる。例えば、硝酸カルシウム等の無機金属塩、もしくはポリ塩化アルミニウム等の無機金属塩の重合体を用いてこれをイオン的に中和し、第1の樹脂微粒子のガラス転移温度以下で加熱してコア凝集粒子を作製することができる。
【0123】
このような場合、第2凝集工程においては、上記したような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性及び量の分散剤で処理された樹脂微粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子又は第2の凝集工程において用いられる第2樹脂微粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。
なお、第1及び第2凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
【0124】
次に、融合・合一工程において、凝集工程(第2凝集工程)を経て得られたコア/シェル凝集粒子を、溶液中にて、このコア/シェル凝集粒子中に含まれる第1又は第2の樹脂微粒子のガラス転移温度(樹脂の種類が2種類以上の場合は最も高いガラス点移温度を有する樹脂のガラス転移温度)以上に加熱し、融合・合一することによりトナーを得る。
【0125】
懸濁重合法は、少なくとも重合性単量体、重合開始剤、離型剤、磁性金属微粒子を含んだ分散液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合させてトナー粒子を得る製造方法である。
【0126】
具体的には、たとえばスチレン、アクリル酸エステル、アクリル酸などの重合性単量体中に溶解した後、不活性ガス存在下、これを55℃まで加熱し、完全に離型剤を溶解した後、これにアゾビスイソブチルアクリレートなどの重合開始剤を添加する。ついでこれを予め60℃に加熱された燐酸カルシウム等の無機分散剤の水分散液中にこれを添加し、TKホモミキサー等のホモジナイザーにより機械的せん断を与えて懸濁造粒し、分散液を得る。これに重合開始剤の10時間半減期温度以上の温度を与え、6時間反応せしめる。反応終了後、常温まで冷却した後、塩酸等の酸を加え分散剤成分を溶解除去する。この後、十分な純水でこれを洗浄し、ろ液のpHが中性となったところで、No5Aろ紙等のろ材を用いて固液分離し、トナー粒子を得る製造方法である。
【0127】
溶解懸濁造粒法は、重量平均分子量が3000から15000となるように重合性単量体を予め予備重合させた重合体溶液に、重合性単量体、重合開始剤、離型剤、及び磁性金属微粒子を分散させ、この分散液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合させてトナー粒子を得る製造方法である。
【0128】
具体的には、重合性単量体をあらかじめ予備重合させGPC測定から求められるMwが3000から15000の重合体溶液を製造後、これに磁性金属微粒子、離型剤、着色剤、ならびに重合性単量体、重合開始剤を加えた後、これを無機、あるいは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合体粒子を得てトナー粒子を形成する製造方法である。この製造方法の場合、基本的には、前記懸濁造粒と同様であるが、予備重合体のMwを3000から15000にすることで、定着、造粒に適した粘度が得られるばかりでなく、生成されるトナーの重量平均分子量Mwを連鎖移動剤なしに制御することができる。
【0129】
溶解懸濁法は、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を有機溶媒に溶解した溶液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、脱溶媒を行うことでトナー粒子を得る製造方法である。
【0130】
具体的には、結着樹脂成分、磁性金属微粒子、離型剤を一旦、たとえば、酢酸エチルの如きこれを溶解する有機溶剤に溶解し、ついでこれを溶解しないたとえば水系溶媒中に燐酸カルシウムの如き無機微粒子や、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウムの如き有機の分散剤とともに、たとえばTKホモミキサー如きホモジナイザーにより、機械的せん断力を与えて、分散させる。ついで、これをたとえば1M塩酸水溶液中に添加し、分散剤成分を溶解、除去した後、ろ紙を用いてヌッチェなどによって固液分離した後に、粒子中に残存する溶媒成分を留去することでトナー粒子を得る方法である。
【0131】
溶解乳化凝集合一法は、結着樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を、アニオン系界面活性剤の存在下において、機械的せん断力を乳化させて脱溶媒を行い、アニオン系界面活性剤の存在下、機械的せん断力を与え、すくなくとも1μm以下の樹脂微粒子を得た後、50℃以下に冷却して、樹脂微粒子分散溶液を調整する工程と、当該樹脂微粒子分散溶液と、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液、及び離型剤微粒子分散した離型剤微粒子分散液を混合し、樹脂微粒子、磁性金属微粒子及び離型剤微粒子の凝集粒子を形成する凝集工程と、当該凝集粒子を、樹脂微粒子のガラス転移点又は融点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程と、を有する製造方法である。
【0132】
具体的には、結着樹脂成分を溶解するたとえば酢酸エチルの如き溶媒中に溶解した後、これをイオン性界面活性剤の存在下、たとえばTKホモミキサーの如きホモジナイザーによる機械的せん断力とたとえばアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のイオン性界面活性剤の界面活性力によって乳化樹脂微粒子を得た後、減圧蒸留等によって残存する溶媒分を留去することで、樹脂微粒子分散液を得、以降、上述した凝集・合一法と同様な操作を行なう製造方法である。
【0133】
上述の製造過程における乳化重合、懸濁重合、懸濁乳化、懸濁造粒、顔料分散、磁性金属微粒子分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、又はその安定化などに用いる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、アルキルベンゼンスルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的であり、更に、高分子分散剤系としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリメタアクリル酸ナトリウム、ポリメタアクリル酸カリウムなどが適用できる。
【0134】
また、分散のため手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。
【0135】
いずれの製造方法においても、粒子形成後、塩酸、硫酸、硝酸等の強酸の水溶液で分散剤を除去後、ろ液が中性になるまでイオン交換水などですすぎ、更に任意の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て所望のトナーを得る。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
【0136】
(画像形成方法及び画像形成装置)
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、前記トナーとして、既述した本発明のトナーを用いることを特徴とする。
【0137】
従って、本発明の画像形成方法は、定着時の剥離性と、トナー製造時の形状制御性に優れた本発明のトナーを用いているために、定着に際して、トナー像と接触する部材との剥離性に優れ、現像時のトナー飛散や、定着後に得られた画像の画質低下等の問題の発生を防止することができる。
【0138】
なお、本発明の画像形成方法は、上記したような帯電工程と、静電潜像形成工程と、現像工程と、定着工程と、を少なくとも含むものであれば特に限定されないが、その他の工程を含んでいてもよく、例えば、現像工程を経た後の像担持体表面に形成されたトナー像を転写体に転写する転写工程等を有しててもよい。
【0139】
同様に、本発明の画像形成装置は、像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像手段と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置において、前記トナーとして、既述した本発明のトナーを用いることを特徴とする。
【0140】
従って、本発明の画像形成装置は、定着時の剥離性と、トナー製造時の形状制御性に優れた本発明のトナーを用いて画像形成を行うことができるために、定着に際して、トナー像と接触する部材との剥離性に優れ、現像時のトナー飛散や、定着後に得られた画像の画質低下等の問題の発生を防止することができる。
【0141】
なお、本発明の画像形成装置は、上記したような帯電手段と、静電潜像形成手段と、現像手段と、定着手段と、を少なくとも含むものであれば特に限定されないが、その他の手段を含んでいてもよく、例えば、現像工程を経た後の像担持体表面に形成されたトナー像を転写体に転写する転写手段等を有していてもよい。
【0142】
次に、上記したような本発明の画像形成装置を用いた本発明の画像形成方法について具体的に説明する。但し、本発明は、以下に説明する具体例のみに限定されるものではない。
【0143】
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。図1において画像形成装置100は、像担持体101、帯電器102、静電潜像形成用の書込装置103、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤を収容した現像器104a、104b、104c、104d、除電ランプ105、クリーニング装置106、中間転写体107、及び、転写ロール108からなる。なお、現像器104a中に収納される現像剤には、本発明のトナーが含まれている。
【0144】
像担持体101の周囲には、像担持体101の回転方向(矢印A方向)に沿って順に、像担持体101表面を均一に帯電させる非接触型の帯電器102、画像情報に応じた矢印Lで示される走査露光を像担持体101表面に照射することにより、像担持体101表面に静電潜像を形成させる書込装置103、前記静電潜像に各色のトナーを供給する現像器104a、104b、104c、104d、像担持体101表面に当接し像担持体101の矢印A方向への回転に伴い矢印B方向に従動回転することができるドラム状の中間転写体107、像担持体101表面を除電する除電ランプ105、及び、像担持体101表面に当接するクリーニング装置106、が配置されている。
【0145】
また、中間転写体107に対して像担持体101の反対側に、中間転写体107表面に当接/非当接の制御が可能な転写ロール108が配置されており、当接時には転写ロール108は、中間転写体107の矢印B方向への回転に伴い、矢印C方向に従動回転することができる。
【0146】
中間転写体107と転写ロール108との間は、矢印N方向と反対側から不図示の搬送手段により矢印N方向に搬送される記録媒体111が挿通可能である。中間転写体107の矢印N方向側には加熱源(不図示)を内蔵した定着ロール109が配置され、転写ロール108の矢印N方向側には押圧ロール110が配置され、定着ロール109と押圧ロール110とは圧接し、圧接部(ニップ部)を形成している。また、中間転写体107と転写ロール108との間を通過した記録媒体111は、この圧接部を矢印N方向へと挿通可能である。
【0147】
なお、本発明の画像形成装置は、定着時の剥離性に優れた本発明のトナーを用いているため、定着ロール109表面を、従来のようにフッ素系樹脂被膜などの低表面エネルギーの膜で被覆したものを用いなくてもよい。このような場合、定着ロール109表面は、例えば、定着ロール109の芯金材であるSUS材やAl材がそのまま露出したものであってもよい。
【0148】
次に、画像形成装置100を用いた画像形成について説明する。まず、像担持体101の矢印A方向への回転に伴い、非接触型の帯電器102により像担持体101表面を均一に帯電し、書込装置103により均一に帯電された像担持体101表面に各色の画像情報に応じた静電潜像を形成し、この静電潜像が形成された像担持体101表面に、前記静電潜像の色情報に応じて現像器104aから本発明のトナーを供給することによりトナー像を形成する。
次に、像担持体101表面に形成されたトナー像は、不図示の電源により、像担持体101と中間転写体107との間に電圧が印加されることより、像担持体101と中間転写体107との接触部にて、中間転写体107表面に転写される。
【0149】
トナー像を中間転写体107に転写した像担持体101の表面は、除電ランプ105から光が照射されることにより除電され、さらに前記表面に残留しているトナーはクリーニング装置106のクリーニングブレードによって除去される。前述の工程を各色毎に繰り返すことにより、中間転写体107の表面に各色のトナー像を、画像情報に対応するように積層形成する。
なお、前述の工程時には転写ロール108は前記中間転写体107と非当接の状態となっており、中間転写体107表面上に全色のトナー像が積層形成された後の記録媒体111への転写時には中間転写体107と当接される。
【0150】
このようにして中間転写体107表面に積層形成されたトナー像は、中間転写体107の矢印B方向への回転に伴い、中間転写体107と転写ロール108との接触部に移動する。この際、接触部を、記録媒体111が、不図示の用紙搬送ロールにより矢印N方向に挿通され、中間転写体107と転写ロール108との間に印加された電圧により、中間転写体107表面に積層形成されたトナー像が接触部にて記録媒体111表面に一括して転写される。
【0151】
このようにしてトナー像がその表面に転写された記録媒体111は、定着ロール109と押圧ロール110とのニップ部に搬送され、ニップ部を通過する際に、内蔵された加熱源(不図示)によってその表面が加熱された定着ロール109によって加熱される。この際、トナー像が記録媒体111表面に定着されることにより画像が形成される。
【0152】
また、上記定着工程は、図2に示す定着装置を用いて行なわれてもよい。図2を参照して本発明の画像形成方法(画像形成装置)に用いられる定着装置について説明する。図2に示すように、定着装置は、加熱定着ロール1と、複数の支持ロール21、22、23とそれらによって張架されたエンドレスベルト(耐熱ベルト)2とを備える。尚、本発明に用いられる定着装置は、加熱定着ロール1を囲むように、別のエンドレスベルトが設けられ、かかる別のエンドレスベルトを介在して、エンドレスベルト2との間にニップを形成する構造を有していてもよい。
【0153】
加熱定着ロール1は、加熱源としてのハロゲンランプ11が内蔵された金属製の中空ロール12上に、0.5mm以上の耐熱性弾性体からなる下地層(耐熱性弾性体層)13、さらにトップコート14が順次被覆された構造を有する。加熱定着ロール1は、温度センサー15により表面温度が監視されて、所定温度に制御可能となっている。尚、下地層(耐熱性弾性体層)13の厚みは、0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。
【0154】
エンドレスベルト2は、該エンドレスベルト2と加熱定着ロール1との間にニップを形成されるように加熱定着ロール1の周りに所定角度だけ巻きつけられている。この角度は、通常、10〜65°の範囲が好ましく、20〜60°の範囲がより好ましく、30〜50°の範囲が特に好ましい。
【0155】
エンドレスベルト2を張架する支持ロール21、22、23の中で、支持ロール23はモーター24に接続しているため、回転駆動が可能である。そのため、支持ロール23は駆動ロールとして機能し、エンドレスベルト2を矢印A方向に回転させることができる。従って、エンドレスベルト2に接触している加熱定着ロール1は、矢印Aの方向に従動回転することになる。
【0156】
また、本定着装置には、ニップの出口においてエンドレスベルト2の内側に圧力ロール25がさらに配設されている。該圧力ロール25は、接続されている圧縮コイルスプリング26によって、エンドレスベルト2を介して加熱定着ロール1を圧接する。これにより、圧力ロール25は加熱定着ロール1の耐熱性弾性体層に歪を生じさせることができる。ゆえに、圧力ロール25は、加熱定着ロール1に歪みを低荷重で効率よく与えるため、加熱定着ロール1より小径で、その表面は硬質である方が望ましい。
【0157】
圧力ロール25と加熱定着ロール1が荷重のもとで圧接した場合、ニップ領域で加熱定着ロール1の表面は弾性変形し、その表面は円周方向に歪みが生じる。この状態で、加熱定着ロール1を回転させ、ニップ領域を用紙Pが通過すると、用紙Pは歪みを生じたニップ領域で搬送される。
【0158】
また、定着装置には、転写材の離型を促すのに有効な離型剤塗布装置3を配していてもよい。離型剤塗布装置3は離型剤用容器21と3つの接触したロール32、33、34とからなる。その一つのロール32は、加熱定着ロール1に、一つのロール34は、離型剤用容器31内に入れられた離型剤に接触するように配されている。離型剤は、離型剤塗布装置3から、加熱定着ロール1を介して、用紙Pに塗布され、用紙Pの離型がスムースに行われる。
【0159】
上記に例示されるような離型剤塗布装置3によって離型剤を用紙Pへ塗布する際には、用紙Pへの塗布量が2.0×10-5g/cm2未満になるように加熱定着ロール1に離型剤を塗布することが好ましい。
その塗布量が、上記上限より過剰な場合には、定着画像上へのボールペンによる記入や粘着テープの貼り付けに悪影響を及ぼす可能性があり、好ましくない。また、塗布量が少ない場合には、離型剤としての機能を十分に発揮することができず、好ましくない。
【0160】
離型剤としては、シリコーン組成物であるオルガノシロキサンを用いることが好ましく、アミノ基含有オルガノシロキサン化合物がより好ましく用いられる。特に、25℃における粘度が50〜10000cs、より好ましくは100〜1000csのアミノ変性シリコーンオイルを用いることにより、効果を著しく向上することができる。
【0161】
尚、エンドレスベルト2は、少なくとも3つ以上の支持ロールにより張架され、これらの支持ロールの一つは変位ロールで、他の支持ロールは固定ロールで構成され、変位ロールはロール軸の位置を他の固定ロールのロール軸と交差するように移動できるように構成されてもよい。この場合には、エンドレスベルト2の波打ち、しわ、破損を十分に抑えることができる。
【0162】
更に、前記変位ロールの中心軸は、エンドレスベルト2の回転方向に対して、変位ロールに最も近い上流側と下流側に位置する二つの固定ロールの中心軸を焦点とする楕円軌跡に沿って変位するよう構成されてもよい。この場合、エンドレスベルト2のストレスがもっとも小さく、エンドレスベルト2の波打ち、しわ、破損をより十分に抑えることができる。
【0163】
前記加熱定着ロール1は、二つの固定ロールの間において張架されたエンドレスベルト2とニップを形成するように構成されてもよい。この場合には、ロールニップ方式よりも小さな荷重で同等な定着性が得られ、高速定着に適する。
【0164】
前記加熱定着ロール1とエンドレスベルト2とにより形成されたニップ領域の前記圧力ロールの上流側において、エンドレスベルト2内側から該エンドレスベルト2を介して加熱定着ロール1に圧接する弾性体ロールを更に設けてもよい。これによって、画像ずれ防止機能、セルフストリッピング性、定着性等が向上する。
【0165】
このように構成された定着装置による定着プロセスは、未定着トナー画像Tを有する用紙(転写材)Pが、エンドレスベルト2に移送され、更に、所定温度に制御された加熱定着ロール1と、エンドレスベルト2を介して圧力ロール25とが形成するニップに進み、そこで加熱圧接され、用紙Pにトナー画像Tが定着されることで終了する。
【0166】
(トナーカートリッジ)
次に、本発明のトナーカートリッジについて説明する。本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本発明のトナーであることを特徴とする。
【0167】
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本発明のトナーを収納したトナーカートリッジを利用することにより、定着時の剥離性と、トナー製造時の形状制御性に優れた本発明のトナーを用いて画像形成を行うことができるために、定着に際して、トナー像と接触する部材との剥離性に優れ、現像時のトナー飛散や、定着後に得られた画像の画質低下等の問題の発生を防止することができる。
【0168】
なお、図1に示す画像形成装置が、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置である場合には、例えば、現像器104a、104b、104c、104dは、各々の現像器(色)に対応したトナーカートリッジ(不図示)と、トナー供給管(不図示)で接続される。
この場合、画像形成に際しては、各々の現像器(黒色)に対応したトナーカートリッジからトナー供給管を通じて、現像器104aへとトナーが供給されるため、長期間にわたり、本発明のトナーを用いて画像を形成することが可能である。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
【0169】
【実施例】
以下実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、何ら本発明を限定するものではない。
【0170】
なお、実施例におけるトナーは、以下の如き方法にて得られる。
凝集合一法においては、下記の樹脂微粒子、磁性金属微粒子分散液(又は着色剤粒子分散液)、離型剤粒子分散液をそれぞれ調製する。この際、磁性金属微粒子分散液、無機微粒子分散液は、これに予め所定量の一部の無機金属塩重合体を添加、攪拌し凝集させておいても構わない。
次いでこれらを所定量混合攪拌しながら、これに無機金属塩の重合体を添加、イオン的に中和させ上記各粒子の凝集体を形成せしめる。所望のトナー粒子径到達前に樹脂微粒子を追添加し、トナー粒子径を得る。無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調製後、当該樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱し、合一融合せしめる。反応終了後、十分な洗浄・固液分離・乾燥の工程を経て所望のトナーを得る。
【0171】
また、溶解乳化凝集合一法においては、重合性単量体を予備重合後、界面活性剤存在下、機械的せん断力で乳化させ、次いで水溶性重合開始剤存在下で熱重合せしめて、乳化樹脂微粒子を得る。これを用いて以降、前記凝集合一方と同様に操作することで、トナーを得る。
【0172】
また、懸濁重合法においては、モノマー、Wax、磁性金属微粒子を加熱、混合し、これをメディア型分散機でせん断を与え分散処理を行った後、これを無機分散剤の調整された純水分散液中に添加、重合性単量体に溶解された油溶性重合開始剤とともに添加、ホモジナイザーで造粒後、加熱して重合体を得る。次いで洗浄、固液分離、乾燥を経て所望のトナ−を得る。
【0173】
また、溶解懸濁法では、重合性単量体を予備重合後、これと、Wax、磁性金属微粒子を有機溶媒中に溶解させ、これを無機分散剤の存在する水系内に添加し、ホモジナイザー等によって機械的せん断を与えることでトナー粒子径に懸濁させる。冷却後、固液分離を行い、ついで減圧雰囲気下で脱溶媒を行うことで所望のトナーを得る。
【0174】
以下にそれぞれの材料の調整方法、トナー粒子の作製方法を例示する。
(樹脂微粒子分散液1の調製)
・スチレン(和光純薬製) 325質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製) 75質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9質量部
・1,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7質量部
【0175】
以上を混合溶解したものをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4gをイオン交換水550gに溶解したものをフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6gを溶解したイオン交換水50gを投入した。
【0176】
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより中心径195nm、固形分量42%、ガラス転移点51.5℃、Mw30000のアニオン性の樹脂微粒子分散液を得た。
なお、この樹脂微粒子(結着樹脂)のKOHにより求められる酸価は、4.5meq/mg−KOHであった。
【0177】
(樹脂微粒子分散液2の調製)
・スチレン(和光純薬製) 275質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製) 75質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9質量部
・1,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7質量部
【0178】
1Lフラスコに上記成分を仕込み、これを65℃に攪拌しながら加温した。これにスチレン50質量部にアゾビスバレロニトリル4.5質量部を添加し、窒素雰囲気下、8時間反応させ、Mw29000の予備重合溶液を得た。
【0179】
これを65℃に加熱された純水2LにネオゲンSC20質量部を溶解した中に添加し、ホモジナイザー(TKホモミキサー)で5分間分散乳化させた。次いで、これに過酸化アンモニウム4.2質量部を添加し更に6時間反応させ、乳化重合樹脂粒子分散液を得た。中心粒子径は220nmであった。
なお、この樹脂微粒子(結着樹脂)のKOHにより求められる酸価は、5.5meq/mg−KOHであった。
【0180】
(樹脂微粒子分散液3の調製)
アゾビスバレロニトリルの添加量を11質量部、過酸化アンモニウムの添加量を6.3質量部とした以外は、樹脂微粒子の調整2と同様に操作し、Mw15000、中心粒径211nmの樹脂微粒子分散液を得た。
なお、この樹脂微粒子(結着樹脂)のKOHにより求められる酸価は、6.5meq/mg−KOHであった。
【0181】
(樹脂微粒子分散液4の調製)
―結晶性樹脂の調整―
加熱乾燥した3口フラスコに、エチレングリコール124質量部、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル22.2質量部、セバシン酸ジメチル213質量部、と触媒としてジブチル錫オキサイド0.3質量部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌した後、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂220質量部を合成した。
【0182】
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は9700であり、数平均分子量(Mn)は5400であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は69℃であった。
また、樹脂のNMRスペクトルから測定計算した、共重合成分(5−スルホイソフタル酸成分)とセバシン酸成分との含有比は7.5:92.5であった。
【0183】
―樹脂粒子分散液4の調製―
結晶性ポリエステル樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム10部を加え、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)にて混合攪拌し、樹脂微粒子分散液を得た。
なお、この樹脂微粒子(結着樹脂)のKOHにより求められる酸価は、0meq/mg−KOHであった。
【0184】
(樹脂微粒子分散液5の調製)
―非結晶性ポリエステル樹脂の調製―
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン35モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン65モル部と、テレフタル酸80モル部と、n−ドデセニルコハク酸10モル部と、トリメリット酸10モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非結晶ポリエステル樹脂(1)を合成した。
【0185】
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)の結果、得られた非結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は15400であり、数平均分子量(Mn)は6800であった。
【0186】
また、非結晶性ポリエステル樹脂のDSCスペクトルを、前述の融点の測定と同様にして、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移点は65℃であった。
【0187】
―樹脂微粒子分散液5の調製―
非結晶性ポリエステル樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム20部を加え、99℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)にて混合攪拌して、樹脂微粒子分散液を得た。
なお、この樹脂微粒子(結着樹脂)のKOHにより求められる酸価は、7meq/mg−KOHであった。
【0188】
(着色剤分散液1の調製)
・カーボンブラック(R330キャボット社製) 45質量部
・イオン性界面活性剤ネオゲンSC (第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
【0189】
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、中心粒径85nmの着色剤分散液を得た。
【0190】
(磁性金属微粒子分散液1の調製)
平均粒子径90nmのフェライト粒子MTS010(戸田工業社製)の100gにγアミノプロピルトリエトキシシラン5gを純水100gに溶解した溶液に添加し、緩やかに30分攪拌しながら磁性金属微粒子表面に付着させた。次いで、これにネオゲンSC(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)(第一工業製薬社製)5wt%を入れ、40℃に加温し、30分攪拌し、表面に該界面活性剤を吸着させ、磁性金属微粒子分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、480mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、4.5meq/mg−KOHであった。
【0191】
(磁性金属微粒子分散液2の調製)
フェライト粒子を平均粒子径250nmのEPT305(戸田工業製)に変え、表面処理を炭酸カルシウムに変え、且つドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに変えてポリアクリル酸ナトリウムに変え、その添加量を12質量部とした以外は、磁性金属微粒子分散液1の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、120mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、6.0meq/mg−KOHであった。
【0192】
(磁性金属微粒子分散液3の調製)
フェライト粒子を平均粒子径120nmのEPM012s1(戸田工業製)に変え、表面処理をイソプロピルチタニウムトリイソステアレートに変え、且つドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの添加量を8.4質量部に変えた以外は、磁性金属微粒子分散液1の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、270mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、5.2meq/mg−KOHであった。
【0193】
(磁性金属微粒子分散液4の調製)
表面処理を燐酸ナトリウムに変えた以外は、磁性金属微粒分散液3の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、370mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、2.7meq/mg−KOHであった。
【0194】
(磁性金属微粒子分散液5の調製)
フェライト粒子を平均粒子径120nmのEPM012s1(戸田工業製)に変えた以外は、磁性金属微粒子分散液3の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、270mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、5.1meq/mg−KOHであった。
【0195】
(磁性金属微粒子分散液6の調製)
フェライト粒子を平均粒子径50nmのEPM0045F(戸田工業製)に変え、表面処理を行わずに用い以外は、磁性金属微粒子分散液3の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、940mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、0.4meq/mg−KOHであった。
【0196】
(磁性金属微粒子分散液7の調製)
フェライト粒子を平均粒子径300nmのMTH009Fに変え、表面処理を行わずに用い以外は、以外は、磁性金属微粒子分散液3の調製と同様に操作し、分散液を得た。
なお、この磁性金属微粒子の1mol/lのHNO3水溶液に対する50℃における溶解度が、540mg/g・lであった。この磁性金属微粒子のKOHにより求められる酸価は、0.2meq/mg−KOHであった。
【0197】
(離型剤分散液1の調製)
・ポリエチレンWax PW500(mp85℃ 粘度5.2mPa・s(18
0℃) 東洋ペトロライト社製) 45質量部
・カチオン性界面活性剤ネオゲン RK (第一工業製薬) 5質量部
・イオン交換水 200質量部
【0198】
以上を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、中心径200nm固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0199】
(離型剤分散液2の調製)
ポリエチレンWax PW500の代わりに、パラフィンワックスHNP09(mp78℃ 粘度2.5mPa・s(180℃)日本精蝋社製)を用いた以外は、離型剤分散液1の調製と同様に操作し、中心粒径192nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0200】
(離型剤分散液3の調製)
ポリエチレンWax PW500の代わりに、パラフィンWax(FT100mp96℃ 粘度2.5mPa・s(180℃) シェル化学社製)を用いた以外は、離型剤分散液1の調製と同様に操作し、中心粒径198nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0201】
(離型剤分散液4の調製)
ポリエチレンWax PW500の代わりに、パラフィンワックス #140(mp61℃、粘度1mPa・s以下(180℃) 日本精蝋社製)を用いた以外は、離型剤分散液1の調製と同様に操作し、中心粒径199nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0202】
(離型剤分散液5の調製)
ポリエチレンWax PW500の代わりに、ポリプロピレンWax(Ceridust 6071 mp131℃ 粘度140mPa・s(180℃) クラリアント社製)を用いた以外は、離型剤分散液1の調製と同様に操作し、中心粒径199nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0203】
(離型剤分散液6の調製)
ポリエチレンWax PW500の代わりにポリプロピレンWax (H12054 P41 mp90℃ 粘度40mPa・s(180℃) クラリアント社製)を用いた以外は、離型剤分散液1の調製と同様に操作し、中心粒径201nm、固形分量25%の離型剤分散液を得た。
【0204】
(トナー1の製造)
・樹脂微粒子分散液2 80質量部
・磁性金属微粒子分散液1 12.5質量部
・離型剤分散液1 20質量部
・ポリ塩化アルミニウム 0.41質量部
【0205】
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
【0206】
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.36質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら47℃まで加熱した。47℃で60分保持した後、ここに樹脂分散液を緩やかに31gを追加した。
【0207】
その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.4にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した。
【0208】
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
【0209】
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.99、電気伝導度9.4μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
【0210】
この時の粒子径をコールターカウンターにて測定したところ体積平均径D50は5.4μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.20であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は128.9でポテト状であることが観察された。
【0211】
そして、得られた粒子100質量部に対し0.5質量部の疎水性シリカ(TS720:キャボット製)を添加し、サンプルミルにてブレンドしてトナーを得た。
【0212】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、7.6×104Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.8であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は5.9×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は7.4×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は85℃であった。
【0213】
(トナー2の製造)
磁性金属微粒子分散液2を100質量部、離型剤分散液2を20質量部とした以外は凝集トナーの製造例2と同様に操作し、体積平均径D50は5.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は132.9でポテト状であることが観察された。
【0214】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.8×104Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.1であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は9.7×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は9.6×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は75℃であった。
【0215】
(トナー3の製造)
磁性金属微粒子分散液3を50質量部、離型剤分散液3を60質量部とし、着色剤分散液の調製1のカーボンブラックを20質量部添加した以外は凝集トナーの製造例1と同様に操作し、体積平均径D50は5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.24であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は135.2でポテト状であることが観察された。
【0216】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.47×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.7であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は7.3×103Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は2.9×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は96℃であった。
【0217】
(トナー4の製造)
磁性金属微粒子分散液4を80質量部、離型剤分散液2を60質量部とした以外は凝集トナーの製造例1と同様に操作し、体積平均径D50は5.7μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130.8でポテト状であることが観察された。
【0218】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.4×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.0であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は8.1×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は7.0×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は75℃であった。
【0219】
(トナー5の製造)
磁性金属微粒子分散液5を80質量部、離型剤分散液2を60質量部とした以外は凝集トナーの製造例1と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.21であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130.2でポテト状であることが観察された。
【0220】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、8.4×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.7であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は6.3×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は6.5×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は96℃であった。
【0221】
(トナー6の製造)
スチレン(和光純薬製)75質量部を、ポリエチレンWaxPW500が予め60℃に加熱されたものに添加し、10分間加温、溶解した。次いで、これに磁性金属微粒子分散液1をNo5Aのろ紙で固液分離した磁性金属微粒子400質量部を添加、2mmφのジルコニウムメディアを用い、該分散液とメディアの体積比1:2の条件下、メディア型分散機(コボルミル:神鉱パンテックス社)にて、60℃下、2時間分散した。分散終了後、排出、冷却し、磁性金属微粒子分散Waxを得た。
【0222】
次いで、これをスチレン(和光純薬製)200質量部、nブチルアクリレート(和光純薬製)75質量部、βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製)9質量部、1,10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製)1.5質量部、及びドデカンチオール(和光純薬製)2.7質量部の混合物に加え、60℃下、15分間攪拌したのち、スチレン50質量部にアゾビスイソブチルニトリル(和光純薬製)24.5質量部を添加し、1分間強攪拌を行った。
【0223】
次いで、3Lフラスコ中に純水2000質量部に燐酸カルシウム(和光純薬社製)35gを添加し、ホモジナイザー(タラックス:IKA社製)で58℃下、15分間分散したものに、全量を添加、5分間造粒した。その後、速やかに窒素置換を行いながら、反応系内を75℃に保ち、8時間反応させ粒子径6.1μmの懸濁粒子を得た。
【0224】
その後、常温まで冷却後、1N HClを30mL添加し、燐酸カルシウムを溶解除去し、固液分離をNo5Aのろ紙で行った。次いで純水でのリンスをろ液が中性を示すまで繰り返した。固液分離後、乾燥させ、懸濁重合トナーを得た。このトナーの体積平均径D50は6.5μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は117.3で球状であることが観察された。
【0225】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、8.1×104Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.7であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は6.0×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は6.6×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は91℃であった。
【0226】
(トナー7の製造)
磁性金属微粒子分散液5を80質量部、離型剤分散液2を60質量部、樹脂微粒子分散液2を40質量部とした以外はトナー1の製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.9μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130.6でポテト状であることが観察された。
【0227】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、4.9×104Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.1であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は5.4×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は5.3×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は 78℃であった。
【0228】
(トナー8の製造)
樹脂微粒子分散液1の代わりに樹脂微粒子分散液3を用いた以外はトナー5の製造と同様に操作し、体積平均径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は125.7でポテト状であることが観察された。
【0229】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、2.54×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.4であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は2.9×104Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は9.6×103Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は96℃であった。
【0230】
(トナー9の製造)
磁性金属微粒子分散液6を5質量部、離型剤分散液4を8質量部とした以外はトナー1の製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は131.2でポテト状であることが観察された。
【0231】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、7.24×102Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.73であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は7.24×102Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は9.2×102Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は61℃であった。
【0232】
(トナー10の製造)
磁性金属微粒子分散液7を150質量部、離型剤分散液5を160質量部とした以外は凝集トナーの製造例1と同様に操作し、体積平均径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.29であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は134.5でポテト状であることが観察された。
【0233】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、1.39×106Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、0.95であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は1.6×105Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は1.9×105Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は61℃であった。
【0234】
(トナー11の製造)
磁性金属微粒子分散液7を150質量部、離型剤分散液6を8質量部とした以外は凝集トナーの製造例1と同様に操作し、体積平均径D50は6.1μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.29であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は133.5でポテト状であることが観察された。
【0235】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、2.63×105Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、0.97であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は2.33×105Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は2.4×105Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は90℃であった。
【0236】
(トナー12の製造)
磁性金属微粒子分散液7で用いた磁性金属微粒子150質量部、離型剤分散液5で用いた離型剤8質量部を使用した以外はトナー6の製造と同様に操作し、体積平均径D50は6.2μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.38であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は134で球状であることが観察された。
【0237】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、8.76×105Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.8であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は6.3×105Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は1.7×106Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は91℃であった。
【0238】
(トナー13の製造)
磁性金属微粒子分散液7で用いた磁性金属微粒子20質量部、離型剤分散液5で用いた離型剤8質量部を使用した以外はトナー7の製造と同様に操作し、体積平均径D50は6、34μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.31であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は114.9で球状であることが観察された。
【0239】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.236×105Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.9であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は7.6×102Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は1.1×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は131℃であった。
【0240】
(トナー14の製造)
磁性金属微粒子分散液1で用いた磁性金属微粒子を表面処理を行うことなしに得た磁性金属微粒子150質量部、離型剤分散液5で用いた離型剤8質量部を使用した以外はトナー8の製造と同様に操作し、体積平均径D50は6、22μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.27であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は129.9でポテト状であることが観察された。
【0241】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.9×105Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.7であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は9.8×106Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は9.2×104Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は131℃であった。
【0242】
(トナー15の製造)
磁性金属微粒子分散液1で用いた磁性金属微粒子を表面処理を行うことなしに得た磁性金属微粒子10質量部、離型剤分散液5で用いた離型剤80質量部を使用した以外はトナー1の製造と同様に操作し、体積平均径D50は6、22μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.37であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は115.9で球状であることが観察された。
【0243】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9.836×105Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.6であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、周波数1rad/sにおける貯蔵弾性率は1.3×102Paであった。また、このトナーの120℃における溶融粘度は9.3×102Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は131℃であった。
【0244】
(トナーAの製造)
・樹脂微粒子分散液4 600質量部
・磁性金属微粒子分散液1 100質量部
・離型剤分散液1 66質量部
・ポリ塩化アルミニウム 5質量部
・イオン交換水 100質量部
【0245】
以上を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH3.0に調整した後、ホノジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクスT50)を用いて分散させ、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌しながら加熱した。65℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に1時間、65℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
【0246】
この凝集粒子分散液のpHは3.8であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した。この凝集粒子分散液を攪拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の速度で30℃まで降温して粒子を固化させた。
【0247】
その後、反応性生物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより着色粒子を得た。
【0248】
この着色粒子について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径5.5μm、個数平均粒子径は4.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.25であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は121で球状であることが観察された。
【0249】
得られた着色粒子に、表面疎水化処理した、平均1次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8wt%と、メタチタン酸100質量部にイソブチルトリメトキシシラン40質量部、トリフルオロポロピルトリメトキシシラン10質量部で処理した反応性生物である平均1次粒子径20μmのメタチタン酸化合物微粒子1.0wt%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合した。その後、45μmの篩分網で篩分してトナーを作製した。
【0250】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、9×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.8であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は31100Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は800Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は68℃であった。
【0251】
―トナーBの製造―
樹脂微粒子分散液5を用いた以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.30であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0252】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、8×103Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.5であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた150℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は31000Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は300Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は67℃であった。
【0253】
―トナーCの製造―
磁性金属微粒子分散液1を250質量部、離型剤分散液1を60質量部とし、着色剤分散液(1)のカーボンブラックを20質量部添加した以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.8μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は123で球状であることが観察された。
【0254】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、3000Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.5であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は50000Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は3000Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は69℃であった。
【0255】
(トナーDの製造)
磁性金属微粒子分散液2を250質量部、離型剤分散液2を60質量部とした以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.7μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0256】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、3500Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.9であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は58700Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は300Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は69℃であった。
【0257】
(トナーEの製造)
磁性金属微粒子分散液3を300質量部、離型剤分散液3を60質量部とした以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0258】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、2900Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.8であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は65700Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は3000Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は67℃であった。
【0259】
(トナーFの製造)
磁性金属微粒子分散液4を250質量部、離型剤分散液4を60質量部とした以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0260】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、3800Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、2.0であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は72600Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は800Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は69℃であった。
【0261】
(トナーGの製造)
磁性金属微粒子分散液6の分散液を300質量部、離型剤分散液5を60質量部とした以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0262】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、3400Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.9であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は65000Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は1000Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は69℃であった。
【0263】
(トナーHの製造)
磁性金属微粒子分散液7を700質量部、離型剤分散液6を60質量部とした以外はトナーAの製造と同様に操作し、体積平均径D50は5.6μm、体積平均粒度分布指標GSDvは1.28であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は120で球状であることが観察された。
【0264】
このトナーの動的粘弾性測定から求めた180℃、周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率G’1は、3650Paであり、周波数64.8rad/sのときの貯蔵弾性率G’2との比は、1.9であった。また、このトナーの動的粘弾性測定から求めた120℃、角周波数6.28rad/sにおける貯蔵弾性率は45200Paであった。また、該トナーの120℃における溶融粘度は800Pa・sであった。このトナーの示唆熱分析により求められる吸熱の最大値は69℃であった。
【0265】
参考例1)
トナー1を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。なお、画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着工程と、を含む画像形成方法である。また、トナー1をLaserPress 4161(富士ゼロックス社製)のトナーカートリッジに充填し、長期にわたり複写を行なったところ、良好な画像を継続して得ることができた。
【0266】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好 であり、トナーの飛び散り、かぶりもなく良好な帯電性を示すことが確認された。。
【0267】
また、定着器の剥離剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0268】
(実施例2)
トナー2を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。
【0269】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で、精細な画像が得られた。さらに、トナーの飛散、かぶりもなく良好な帯電性を示すことが確認された。
【0270】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0271】
参考例3)
トナー3を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。
【0272】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0273】
また、定着器の剥離剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0274】
(実施例4)
トナー4を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。
【0275】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0276】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0277】
参考例5)
トナー5を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。
【0278】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0279】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0280】
参考例6)
トナー6を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2ニ調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度200mm/secにて定着した。
【0281】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0282】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0283】
参考例7)
トナー7を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度定着速度200mm/secにて定着した。
【0284】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0285】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。。
【0286】
参考例8)
トナー8を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4.5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度定着速度200mm/secにて定着した。
【0287】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は良好で精細な画像が得られた。また、トナーのかぶりや飛散も観察されず、良好な帯電性を示すことが確認された。
【0288】
また、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。。
【0289】
(比較例1)
トナー9を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度定着速度240mm/secにて定着した。
【0290】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は不十分であった。また、トナーの飛び散り・かぶりは観察されなかった。
【0291】
また、定着器での剥離性に乏しく、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらが発生した。更に、オフセットが生じた。しかし、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損は観察されなかった。
【0292】
(比較例2)
トナー10を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0293】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は十分に出ていたが、精細な画像が見られなかった。また、トナーの飛散・かぶりが観察され、十分な帯電性が得られていないことが確認された。
【0294】
また、定着器での剥離性には十分であったが、Wax起因の欠陥であるオフセットが生じた。しかし、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察された。
【0295】
(比較例3)
トナー11を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0296】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は十分に出ていたが、精細な画像が見られなかった。また、トナーの飛散・かぶりが観察され、十分な帯電性が得られていないことが確認された。
【0297】
また、定着器での剥離性に乏しく、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらが発生した。更に、オフセットが生じた。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察された。
【0298】
(比較例4)
トナー12を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0299】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は不十分であり、精細な画像が得られなかった。また、トナーの飛散・かぶりが観察され、十分な帯電性が得られていないことが確認された。
【0300】
また、定着器での剥離性は良好であり、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらの発生も観られなかった。しかし、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損が観察された。
【0301】
(比較例5)
トナー13を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0302】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は不十分であり、精細な画像が得られなかった。また、トナーの飛散・かぶりは観察されず、十分な帯電性が得られていることが確認された。
【0303】
また、定着器での剥離性に乏しく、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらが発生した。更に、オフセットが生じた。しかし、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損は観察されなかった。
【0304】
(比較例6)
トナー14を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0305】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は十分に出ていたが、精細な画像が見られなかった。また、トナーの飛散・かぶりが観察され、十分な帯電性が得られていないことが確認された。
【0306】
また、定着器での剥離性は良好であったがWaxに起因するWaxオフセットが生じた。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察された。
【0307】
(比較例7)
トナー15を用いLaserPress 4161改造機(富士ゼロックス社製)にて、トナー載り量4、5g/m2に調整して画だしした後、図2に示した高速・低圧・低電力タイプの定着器を用い、Nip幅6.5mm、定着速度240mm/secにて定着した。
【0308】
得られた画像を評価したところ、この画像の黒色度は十分に得られず、精細な画像が得られなかった。また、トナーの飛散・かぶりが観察されず、十分な帯電性が得られていることが確認された。
【0309】
また、定着器での剥離性は良好であったが、Wax起因のWaxオフセットが生じた。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察された。
【0310】
参考例A)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーAの低温定着性の評価を行った。設定した定着機温度において定着画像を作製した後、得られた各定着画像の画像面を谷折りにし、折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、画像が殆ど剥がれない最低の定着温度をMFT(℃)として測定し、低温定着性の評価とした。
【0311】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。なお、画像形成方法は、像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着工程と、を含む画像形成方法である(以下、同様である)。また、トナーAをLaser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)のトナーカートリッジに充填し、長期にわたり複写を行なったところ、良好な画像を継続して得ることができた。
【0312】
参考例B)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーBの低温定着性を評価した。
【0313】
このトナーの最低の定着温度は120℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0314】
参考例C)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーCの低温定着性を評価した。
【0315】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0316】
(実施例D)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーDの低温定着性を評価した。
【0317】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0318】
参考例E)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーEの低温定着性を評価した。
【0319】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0320】
(実施例F)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーFの低温定着性を評価した。
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、定着器の剥離性は良好で、何ら抵抗無く剥離していることが確認され、全くオフセットも発生しなかった。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察されなかった。更に、画出しの際にトナーの飛散、かぶりもみられなかった。
【0321】
(比較例G)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーGの低温定着性を評価した。
【0322】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、この定着器での剥離性に乏しく、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらが発生した。更に、オフセットが生じた。定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損は観察されなかった。
【0323】
(比較例H)
Laser Press 4161(富士ゼロックス(株)製)の定着機を定着温度が可変となるように改造し、トナーHのトナーの低温定着性を評価した。
【0324】
このトナーの最低の定着温度は100℃であり、この定着器での剥離性に乏しく、定着画像の剥離不良に起因する光沢むらが発生した。更に、オフセットが生じた。また、定着画像を2つに折り曲げ再度引き伸ばした際の画像欠損も観察された。
【0325】
これら実施例から、特定の磁性金属微粒子を用いたトナーは、色目が良好で黒色度が高く、帯電性に優れたものであることがわかる。
また、実施例に示すトナーは、飛び散りもなく精細な画像が得られ、さらにオイルレス定着において剥離性の温度によるばらつきが無く、定着シートへの定着像付着性、被定着シートの剥離性、耐HOT性(ホットオフセット性)といった定着特性に優れたものであることもわかる。
【発明の効果】
以上、本発明によれば、磁性金属微粒子を含むトナーであって、色目が良好で黒色度が高く、帯電性、定着性に優れた静電荷現像用トナー及びその製造方法、並びに、画像形成方法、画像形成装置及びトナーカートリッジを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
【図2】 本発明の画像形成装置に適用される定着装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 加熱定着ロール
11 ハロゲンランプ
12 中空ロール
13 下地層(耐熱性弾性体層)
14 トップコート
15 温度センサ
2 エンドレスベルト
21 支持ロール
22 支持ロール
23 支持ロール
24 モータ
25 圧力ロール
26 圧縮コイルスプリング
3 離型剤塗布装置
31 離型剤用容器
32 ロール
33 ロール
34 ロール
100 画像形成装置
101 像担持体
102 帯電器
103 静電潜像形成用の書込装置
104a イエロー(Y)色用の現像器
104b マゼンタ(M)色用の現像器
104c シアン(C)色用の現像器
104d ブラック(K)色用の現像器
105 除電ランプ
106 クリーニング装置
107 中間転写体
108 転写ロール
109 定着ロール
110 押圧ロール
111 記録媒体

Claims (6)

  1. 少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、
    前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、
    前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである、
    ことを特徴とする静電荷現像用トナー。
  2. 画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収納するトナーカートリッジにおいて、
    前記トナーが、少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり
    前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、
    前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである、
    ことを特徴とするトナーカートリッジ。
  3. 像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着工程と、を少なくとも含む画像形成方法において、
    前記トナーが、少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、
    前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、
    前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである、
    ことを特徴とする画像形成方法。
  4. 像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された前記像担持体表面に画像情報に応じた静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記像担持体表面に形成された前記静電潜像を、少なくともトナーを含む現像剤により現像してトナー像を得る現像手段と、前記トナー像を記録媒体表面に定着する定着手段と、を少なくとも含む画像形成装置において、
    前記トナーが、少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する744450℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、
    前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、
    前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  5. 少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
    少なくとも1μm以下の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液、磁性金属微粒子を分散した磁性金属微粒子分散液、及び離型剤微粒子を分散した離型剤微粒子分散液を混合し、樹脂微粒子、磁性金属微粒子及び離型剤微粒子の凝集粒子を形成する凝集工程と、当該凝集粒子を、樹脂微粒子のガラス転移点又は融点以上の温度に加熱せしめ融合・合一する融合・合一工程と、を有することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
  6. 少なくとも、結着樹脂、離型剤、及び磁性金属微粒子を含み、該磁性金属微粒子が、炭酸カルシウム及び燐酸塩から選ばれる少なくとも1種の化合物を含んで構成される被覆層を有し、且つ該磁性金属微粒子の1mol/lのHNO水溶液に対する50℃における溶解度が、500mg/g・l以下であり、前記結着樹脂が非結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から1×10Paであり、前記結着樹脂が結晶性結着樹脂のとき、正弦波振動法における周波数6.28rad/sでの動的粘弾性測定から求められる180℃におけるトナーの貯蔵弾性率G’が1×10から5×10Paである静電荷現像用トナーの製造方法であって、
    少なくとも重合性単量体、重合開始剤、離型剤、磁性金属微粒子を含んだ分散液を、無機或いは有機の分散剤存在下において、機械的せん断力を与え懸濁させた後、攪拌せん断を与えながら、熱エネルギーを付与することによって重合させてトナー粒子を得ることを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
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